(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6765013
(24)【登録日】2020年9月16日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】電子タバコ用アトマイザー
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20200928BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20200928BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20200928BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20200928BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/42
A24F40/44
A24F47/00
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-538120(P2019-538120)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2020-503880(P2020-503880A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】CN2017114310
(87)【国際公開番号】WO2018130023
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2019年7月12日
(31)【優先権主張番号】201710022903.3
(32)【優先日】2017年1月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514080006
【氏名又は名称】深▲せん▼市康泓威科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN HAPPY VAPING TECHNOLOGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林光榕
(72)【発明者】
【氏名】鄭賢彬
【審査官】
河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第104839893(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0007654(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第104605482(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックに接続されて電子タバコを構成することができる電子タバコ用アトマイザーであって、
中空の霧化ケースと、霧化ケース内に内蔵された霧化装置とを含み、
前記霧化ケースは、吸込ノズル端と、開口端とを含み、前記吸込ノズル端の中心には、吸い口が設けられ、吸い口の内側に、吸い口と接続し霧化ケース内の中間部にまで達する排煙管が設けられ、開口端には、電池パックと接続するための接続装置が設けられ、
前記霧化装置は、霧化ケース内の開口端側に設けられ、内部から外部へ煙管スリーブ、絞り押圧カバー、加熱ユニット、霧化座および電極カバーを順次に含み、加熱ユニットは、導液バーと、導液バーの中段に巻回された電熱線とを含み、
前記煙管スリーブは、カップ状で、排煙管の端口の外壁に嵌設され、煙管スリーブの底部には、排煙孔が設けられ、
前記絞り押圧カバーは、中心孔と、オリフィスとを備え、中心孔の上部の内壁が前記煙管スリーブの外壁に嵌設され、絞り押圧カバーの外周壁が霧化ケースの内壁に嵌着され、絞り押圧カバーの上面側と前記排煙管の外壁と霧化ケースの内壁との間には、貯液室が構成され、前記オリフィスが貯液室に連通しており、絞り押圧カバーの下面側には、中心孔の内壁に沿って下向きに突出する環状リングが設けられ、前記環状リングの底端には、導液バーの上半部を横方向に収容するための上方凹溝が径方向に設けられ、上方凹溝により、環状リングの下部が2つの半環状リングに分割され、
前記霧化座の上端中心には、凹室が下向きに設けられ、凹室の底部に第1吸気孔が設けられ、前記霧化座の上端において凹室の両側には、導液バーの下半部を横方向に収容するための下方凹溝が径方向に設けられ、前記凹室の外周において凹溝の両側には、前記半環状リングを収容するための半環状溝がそれぞれ設けられ、
前記絞り押圧カバーは、前記霧化座に密着し霧化座をカバーするように設けられ、前記上方凹溝と下方凹溝とが上下方向において位置あわせして導液バーを密封するようにスナップフィットし、前記導液バーは、前記上方凹溝と下方凹溝との間を貫通し、
前記半環状リングは、前記半環状溝内に密閉嵌挿され、前記凹室と前記煙管スリーブの底部によって囲まれた霧化室が形成され、前記オリフィスは、前記導液バーの両端の端部に連通し、
前記電極カバーは、霧化座の底端に設けられ霧化ケースの開口端の内壁に固定され、電極カバーには、前記電熱線の両端に電気的に接続される正負電極が設けられ、電極カバーの中心には、第2吸気孔が設けられていることを特徴とする電子タバコ用アトマイザー。
【請求項2】
前記煙管スリーブの外壁には、さらに、金属スリーブが嵌設され、前記金属スリーブの下部は、絞り押圧カバーの中心孔および半環状リングの内壁に嵌着され、前記金属スリーブの下部には、前記絞り押圧カバーの上方凹溝の位置に対応する、前記導液バーが貫通するためのU字状切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項3】
前記オリフィスは、導液バーの両端の端部の上方に設けられ、前記下方凹溝と上方凹溝とがスナップフィットされた後、導液バーの両端の端部は、前記半環状溝に連通しないことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項4】
前記半環状溝の底部には、空間が形成され、前記オリフィスは、半環状リングを貫通して半環状溝の底部の空間に連通し、前記下方凹溝と上方凹溝とがスナップフィットされた後、導液バーの両端の端部は、それぞれ前記半環状溝に連通していることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項5】
前記接続装置は、霧化ケースの開口端の外壁に設けられた凸状スナップを含み、前記凸状スナップは、前記電池パックの接続端の内壁に設けられた係合溝に対応してスナップフィット接続されることができることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項6】
前記霧化座および絞り押圧カバーには、それぞれ、互いに接続して連通する液体注入孔がさらに設けられ、前記液体注入孔は、前記貯液室に連通し、前記電極カバーには、プランジャーがさらに設けられ、前記プランジャーは、前記霧化座上の液体注入孔に対応して液体注入孔を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項7】
前記霧化ケースの開口端の端部には、霧化ケースの吸気切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項8】
前記煙管スリーブは、軟質材料で作製され、かつその内壁および外壁には、シール性能を高めるための複数の凸リングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項9】
前記霧化座は、軟質材料で作製され、かつその外壁には、シール性能を高めるための複数の凸リングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【請求項10】
前記霧化ケースは、上から下への断面が徐々に大きくなる楕円形であることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコ用アトマイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコの技術分野に関し、より具体的には、本発明は、電子タバコ用アトマイザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子タバコは、電子タバコのタバコ液体をアトマイザーによって加熱して、喫煙者が使用する煙を出すものである。電子タバコのタバコ液体にタバコにおけるタバコタールが含まれないため、電子タバコは、普通タバコの代わりに徐々に広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の電子タバコ用アトマイザーには、一般的に、電子タバコのタバコ液体を貯留するための貯液室が設けられ、霧化装置には、加熱ユニットが設けられ電子タバコのタバコ液体を加熱して霧化させる。しかし、喫煙しない時のタバコ液体の重力作用および喫煙時に霧化室で発生する負圧により、加熱ユニットと貯液室または液体供給室との接合部の気密性が悪くなる場合、タバコ液体は、霧化室に漏れやすくなる。従来の電子タバコ用アトマイザーにおいて、構造および製造プロセスの原因によって気密性が悪くなってしまうことがよくある問題であるため、貯液室から加熱ユニットまでの部位には、通常、透過層または貯液媒体が設けられる。しかし、透過層または貯液媒体は、加熱ユニットへのタバコ液体の急速な供給を妨げ、単位時間内に発生する煙の量が少なくなり、使用者が快適に喫煙することができない。
【0004】
本発明の目的は、液体漏れを回避できるとともに、液体供給が十分で喫煙時に大量の煙を発生させることができる電子タバコ用アトマイザーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下のように実現される。該電子タバコ用アトマイザーは、中空の霧化ケースと、霧化ケース内に内蔵された霧化装置とを含む。
【0006】
前記霧化ケースは、吸込ノズル端と、開口端とを含み、前記吸込ノズル端の中心には、吸い口が設けられ、吸い口の内側に、吸い口と接続し霧化ケース内の中間部にまで達する排煙管が設けられ、開口端には、電池パックと接続するための接続装置が設けられる。
【0007】
前記霧化装置は、霧化ケース内の開口端側に設けられ、内部から外部へ煙管スリーブ、絞り押圧カバー、加熱ユニット、霧化座および電極カバーを順次に含み、加熱ユニットは、導液バーと、導液バーの中段に巻回された電熱線とを含む。
【0008】
前記煙管スリーブは、カップ状で、排煙管の端口の外壁に嵌設され、煙管スリーブの底部に排煙孔が設けられる。
【0009】
前記絞り押圧カバーは、中心孔と、オリフィスとを備え、中心孔の上部の内壁が前記煙管スリーブの外壁に嵌着され、絞り押圧カバーの外周壁が霧化ケースの内壁に嵌着され、絞り押圧カバーの上面側と前記排煙管の外壁と霧化ケースの内壁との間には、貯液室が構成され、前記オリフィスが貯液室に連通し、絞り押圧カバーの下面側には、中心孔の内壁に沿って下向きに突出する環状リングが設けられ、前記環状リングの底端には、導液バーの上半部を横方向に収容するための上方凹溝が径方向に設けられ、上方凹溝により、環状リングの下部が2つの半環状リングに分割される。
【0010】
前記霧化座の上端中心には、凹室が下向きに設けられ、凹室の底部に第1吸気孔が設けられ、前記霧化座の上端において凹室の両側には、導液バーの下半部を横方向に収容するための下方凹溝が径方向に設けられ、前記凹室の外周において凹溝の両側には、前記半環状リングを収容するための半環状溝がそれぞれ設けられる。
【0011】
前記絞り押圧カバーは、前記霧化座に密着し霧化座をカバーするように設けられ、前記上方凹溝と下方凹溝とが上下方向において位置あわせして導液バーを密封するようにスナップフィットし、前記導液バーは、前記上方凹溝と下方凹溝との間を貫通し、前記半環状リングは、前記半環状溝内に密閉嵌挿され、前記凹室と前記煙管スリーブの底部によって囲まれた霧化室が形成され、前記オリフィスは、前記導液バーの両端の端部に連通する。
【0012】
前記電極カバーは、霧化座の底端に設けられ霧化ケースの開口端の内壁に固定され、電極カバーには、前記電熱線の両端に電気的に接続される正負電極が設けられ、電極カバーの中心には、第2吸気孔が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記煙管スリーブの外壁には、さらに、金属スリーブが嵌設され、前記金属スリーブの下部は、絞り押圧カバーの中心孔および半環状リングの内壁に嵌着され、前記金属スリーブの下部には、前記絞り押圧カバーの上方凹溝の位置に対応する、前記導液バーが貫通するためのU字状切欠きが設けられている。
【0014】
好ましくは、前記オリフィスは、導液バーの両端の端部の上方に設けられ、前記下方凹溝と上方凹溝とがスナップフィットされた後、導液バーの両端の端部は、前記半環状溝に連通しない。
【0015】
好ましくは、前記半環状溝の底部には、空間が形成され、前記オリフィスは、半環状リングを貫通して半環状溝の底部の空間に連通し、前記下方凹溝と上方凹溝とがスナップフィットされた後、導液バーの両端の端部は、それぞれ前記半環状溝に連通している。
【0016】
好ましくは、前記接続装置は、霧化ケースの開口端の外壁に設けられた凸状スナップを含み、前記凸状スナップは、前記電池パックの接続端の内壁に設けられた係合溝に対応してスナップフィット接続されることができる。
【0017】
好ましくは、前記霧化座および絞り押圧カバーには、それぞれ、互いに接続して連通する液体注入孔がさらに設けられ、前記液体注入孔は、前記貯液室に連通し、前記電極カバーには、プランジャーがさらに設けられ、前記プランジャーは、前記霧化座上の液体注入孔に対応して液体注入孔を塞ぐ。
【0018】
好ましくは、前記霧化ケースの開口端の端部には、霧化ケースの吸気切欠きが設けられている。
【0019】
好ましくは、前記煙管スリーブは、軟質材料で作製され、かつその内壁および外壁には、シール性能を高めるための複数の凸リングが設けられている。
【0020】
好ましくは、前記霧化座は、軟質材料で作製され、かつその外壁には、シール性能を高めるための複数の凸リングが設けられている。
【0021】
好ましくは、前記霧化ケースは、上から下への断面が徐々に大きくなる楕円形である。
【発明の効果】
【0022】
該電子タバコ用アトマイザーには、密閉接続された絞り押圧カバーおよび霧化座が設けられ、絞り押圧カバーには、オリフィスが設けられ、これにより、貯液室と霧化座上の導液バーの端部を直接連通し、液体透過層または貯液媒体を利用する必要がなく直接連通して液体供給を行うことができ、電子タバコ用アトマイザーの動作時の液体供給の速度が速くなり、単位時間内に発生する煙量を大幅に増加させ、煙の吸出しがよりスムーズになり、使用者により良い喫煙体験を提供する。また、絞り押圧カバーに設けられた上方凹溝と霧化座に設けられた下方凹溝とがスナップフィットされることにより、導液バーを密封して収容することができ、貯液室内に貯留されたタバコ液体が霧化室に漏れることによる故障を防止し、該電子タバコ用アトマイザーの安定の動作を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1、2の分解構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1、2の霧化ケースの正面断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1、2の霧化ケースの側面断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1、2の正面断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例1、2の側面断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1、2の霧化ユニットの構造図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例1、2の煙管スリーブの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例1、2の煙管スリーブの断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例1の絞り押圧カバーの斜視
図1である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例1の絞り押圧カバーの正面断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例1の絞り押圧カバーの側面断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例1の絞り押圧カバーの底面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例1の霧化座の斜視構造図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例1の霧化座の平面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例1の霧化座の正面断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施例1の霧化座の側面断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施例1、2の電極カバーの斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施例1、2の電極カバーの平面図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施例1、2の電極カバーの断面図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施例1、2の金属スリーブの側面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施例1、2の金属スリーブの斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施例1の立体部分断面図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施例2の絞り押圧カバーの正面断面図である。
【
図27】
図27は、本発明の実施例2の絞り押圧カバーの側面断面図である。
【
図28】
図28は、本発明の実施例2の絞り押圧カバーの底面図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施例2の霧化座の斜視構造図である。
【
図30】
図30は、本発明の実施例2の霧化座の平面図である。
【
図31】
図31は、本発明の実施例2の霧化座の正面断面図である。
【
図32】
図32は、本発明の実施例2の霧化座の側面断面図である。
【
図33】
図33は、本発明の実施例2の斜視部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る電子タバコ用アトマイザーは、以下の説明の便宜上、
図1に示すように、該電子タバコ用アトマイザーの吸込ノズル端11が上向きになるように垂直に置かれ、本明細書における各部材に関する「上、下、上部、下部、上端、下端、上面、下面」などの記載は、いずれも該電子タバコ用アトマイザーの吸込ノズル端が上向きになるように垂直に置かれた場合の上下の位置関係を指す。
実施例1
【0025】
図1に示すように、本発明の電子タバコ用アトマイザーは、中空の霧化ケース1と、霧化ケース1内に内蔵された霧化装置Aと、を含む。
霧化装置A:
【0026】
図2、
図3に示すように、霧化ケース1は、吸込ノズル端11と、開口端12とを含み、吸込ノズル端11の中心に吸い口111が設けられ、吸い口111の内側に、吸い口111と接続し霧化ケース内の中間部にまで達する排煙管112が設けられ、開口端12に電池パックと接続するための接続装置が設けられている(図示せず)。本発明の実施例において、排煙管112内には、吸い口111に近接する端に内管体113がさらに設けられ、内管体113と排煙管112との間には、煙を回転させて煙の中における霧化されていない凝縮水滴または小さい液体を集めるための1つの環状の凝縮水溝114が形成されている。本発明の実施例において、開口端12は、外径が縮小するように電池パックに挿入するための嵌挿部が形成されている。接続装置は、霧化ケースの開口端12の外壁に設けられた凸状スナップ14であり、凸状スナップ14が電池パックの接続端の内壁に設けられた係合溝(図示せず)と対応して係合することにより、スナップフィット接続を形成することができる。本発明の実施例の霧化ケースの開口端12の壁部には、係止孔122が設けられている。
【0027】
図1、
図4、
図5、
図6に示すように、本発明の霧化装置Aは、霧化ケース1内の開口端12側に設けられ、霧化装置Aは、霧化ケース1の内部から外部へ煙管スリーブ2、金属スリーブ3、絞り押圧カバー4、加熱ユニット5、霧化座6および電極カバー7を順次に含み、加熱ユニット5は、導液バー51と、導液バー51の中段に巻回された電熱線52を含み、電熱線52の両端には、さらに、後述する電極71と電気的に接続するためのリード53が設けられている。導液バー51は、耐高温かつ電子タバコのタバコ液体を吸着・伝導しやすいガラス繊維、セラミック繊維、多孔質セラミック等の材料で製造されてもよい。
【0028】
図4、
図5、
図7、
図8に示すように、煙管スリーブ2は、カップ状で、排煙管112の下端の端口外壁に嵌設され、煙管スリーブ2の底部には、排煙孔21が設けられ、排煙孔21が排煙管112に連通している。
【0029】
図4、
図5、
図9−
図13に示すように、絞り押圧カバー4は、中心孔41と、オリフィス42とを備え、中心孔41の上部の内壁が煙管スリーブ2の外壁に密着して嵌着され、絞り押圧カバー4の外周壁が霧化ケース1の内壁に嵌着されている。絞り押圧カバー4の上面側と排煙管112の外壁と霧化ケース1の内壁との間には、電子タバコのタバコ液体を貯留するための貯液室13が構成され、オリフィス42が導液バー51の両端の端部の上方に設けられ、導液バー51の両端の端部が貯液室13に直接連通し、絞り押圧カバー4の下面側には、中心孔41の内壁に沿って下向きに突出する環状リング43が設けられ、環状リング43の底端には、導液バー51の上半部を横方向に収容するための2つの対称的な上方凹溝431が径方向に設けられ、上方凹溝431により、環状リングの下部が2つの半環状リング432に分割される。
【0030】
図4、
図5、
図14−
図17に示すように、霧化座6の上端中心には、凹室61が下向きに設けられ、凹室61の底部に第1吸気孔62が設けられ、第1吸気孔62の両側に電熱線52のリード53を通すための貫通孔68が設けられている。霧化座6の上端において、凹室61の両側には、導液バー51の下半部を横方向に収容するための下方凹溝63が径方向に設けられ、凹室61の外周において、下方凹溝63の両側には、半環状リング432を収容するための半環状溝64がそれぞれ設けられる。
【0031】
図1、
図4、
図5、
図23に示すように、絞り押圧カバー4は、霧化座6上に密着し霧化座6をカバーするように設けられ、上方凹溝431と下方凹溝63が上下方向において位置あわせして導液バー51を密封するようにスナップフィットし、導液バー51は、上方凹溝431と下方凹溝63との間を隙間なく貫通する。半環状リング432は、半環状溝64内に密閉嵌挿され、凹室61と煙管スリーブ2の底部により囲まれた霧化室65が形成される。オリフィス42は、導液バー51の両端の端部の上方に設けられ、下方凹溝63と上方凹溝431がスナップフィットされた後、導液バー51の両端の端部が半環状溝64と連通しないので、貯液室13に貯留される電子タバコのタバコ液体がオリフィス42を介して導液バー51の両端の端部にまで直接流れることができ、導液バー51は、その両端の端部からタバコ液体を吸収し、それを中央部にガイドして、電熱線52により加熱霧化させる。上記の液体供給方式は、オリフィスの直接液体供給方式であり、タバコ液体の流れ方向は
図23に示されている。絞り押圧カバー4が霧化座6に密閉接続され、上方凹溝431と下方凹溝63とが上下方向において位置あわせして導液バー51を密封するようにスナップフィットする構造により、導液バー51の両端のタバコ液体が直接霧化室65内に漏れることがなく、また、煙管スリーブ2と排煙管112内壁と絞り押圧カバー4の中心孔41の内壁との間の密封構造により、貯液室13内のタバコ液体が直接霧化室65内に漏れることがなく、アトマイザーの正常の動作を保証できる。
【0032】
図4、
図5、
図18−
図20に示すように、電極カバー7は、霧化座6の底端に設けられ霧化ケースの開口端12の内壁に固定される。電極カバー7には、電熱線52の両端に電気的に接続される電極71が設けられ、電極カバー7の中心には、第2吸気孔72が設けられている。電極カバー7の外周壁には、電極カバー凸状スナップ75が設けられ、該電極カバー凸状スナップ75は、電極カバー7を固定するように霧化ケース1上の係止孔122に対応してスナップフィット接続される。
【0033】
図4、
図5、
図21、
図22に示すように、煙管スリーブ2の外壁には、金属スリーブ3が嵌設され、金属スリーブ3の下部は、絞り押圧カバーの中心孔41および半環状リング432の内壁に嵌着され、金属スリーブ3の下部には、絞り押圧カバー4の上方凹溝431の位置に対応する、導液バー51が貫通するためのU字状切欠き31が設けられている。本発明の実施例において、煙管スリーブを堅固に支持し煙管スリーブを霧化座に接続させる役割を持つ金属スリーブ3が設けられ、また、金属スリーブ3が霧化室65の外周の半環状リング432の内壁に延びることにより、電熱線52の動作時に発生する高温の熱が外部に直接放射することを防止し、霧化ケース1が発熱して手にやけどをすることを防止することができ、かつ伝導熱を迅速に吸収して分散させることができ、高温の熱が溜まることに起因して煙管スリーブ2や霧化座6が溶けて変形することによる故障を回避し、かつ焦げ臭い匂いの発生を回避することができる。
【0034】
図23に示すように、本発明の実施例において、オリフィス42は、導液バー51の端部の真上に設けられ、貯液室13におけるタバコ液体をオリフィス42によって導液バー51の両端に直接絞り込むことができ、また、下方凹溝63が半環状溝64に連通しないため、タバコ液体が半環状溝64内に流れ込むことがない。
【0035】
図9−
図15に示すように、霧化座6および絞り押圧カバー4には、それぞれ、互いに接続して連通する液体注入孔60と液体注入孔40がさらに設けられ、液体注入孔60と液体注入孔40は、貯液室13に連通している。液体注入孔60と液体注入孔40の役割は、貯液室13におけるタバコ液体が消耗された時、液体注入孔60と液体注入孔40を通してタバコ液体を貯液室13内に注入することであり、これにより、本発明のアトマイザーを繰り返し使用することができる。
【0036】
図18−
図20に示すように、本発明のアトマイザーは、電極カバー7にさらにプランジャー73が設けられ、プランジャー73は、霧化座6上の液体注入孔60に対応して液体注入孔60を塞ぎ、タバコ液体を注入する必要がある時、電極カバー7を開けると、それに応じてプランジャー73を抜き出すことができ、これにより、液体注入孔60が開放され液体注入を行い、液体注入後に液体注入孔60を塞ぐことにより、タバコ液体の漏れを防止する。
【0037】
図3、
図4、
図18、
図19に示すように、霧化ケースの開口端12の端部には、吸気切欠き121が設けられ、電極カバー7の底部にも、それに対応するように霧化ケースの吸気切欠き121に接続される電極カバーの吸気切欠き74が設けられ、霧化ケースの開口端12の側壁には、さらに、霧化ケースの吸気切欠き121に接続された吸気溝15が垂直に設けられ、本実施例におけるアトマイザーの霧化ケースの開口端12が電池パックの接続端(図示せず)に挿入された後、吸気溝15と電池パックの接続端の内壁によって囲まれた吸気路(図示せず)を形成し、使用者が喫煙する時に、外部空気は、該吸気路から吸い込まれ、霧化ケースの吸気切欠き121、電極カバーの吸気切欠き74、第2吸気孔72、第1吸気孔62を経由して霧化室65に入り込まれ、この時、電熱線52が動作し、導液バー51によって吸収されたタバコ液体を加熱霧化させ電子タバコの煙が発生し、その後、霧化室65における電子タバコの煙は、使用者によって吸い出され、排煙孔21、排煙管112、吸い口111を経由して、使用者の口に吸い込まれる。上記気流、煙の流れ方向は、
図4の矢印によって示される。
【0038】
図1−
図5に示すように、霧化ケース1の上から下への断面は、徐々に大きくなる楕円形であり、上部が小さく下部が大きい構造は、使用者の唇が吸込ノズル端11にフィットして喫煙することを容易にし、楕円形の構造は、使用者の使用と携帯を便利にし、同時に、霧化ケース1内の貯液室の容積をより大きくする。
本発明の実施形態
【0039】
図1、
図8、
図14、
図16に示すように、煙管スリーブ2は、シリカゲルなどの軟質材料で作製され、かつ、シール性能を高めるために、その内壁と外壁に複数の凸リング22が設けられ、霧化座6は、軟質材料で作製され、かつ、シール性能を高めるために、その外壁に複数の凸リング66が設けられている。
本発明の実施形態
【0040】
本実施例は、実施例1の構造に基づき、
図24−
図33に示すように、絞り押圧カバーおよび霧化座の内部構造の一部を変更したものである。
【0041】
図4、
図5、
図24−
図28に示すように、絞り押圧カバー4には、中心孔41と、オリフィス42とを備え、中心孔41の上部の内壁は、煙管スリーブ2の外壁に密着して嵌設され、絞り押圧カバー4の外周壁は、霧化ケース1の内壁に嵌着されている。絞り押圧カバー4の上面側と排煙管112外壁と霧化ケース1の内壁との間には、電子タバコのタバコ液体を貯留するための貯液室13が構成され、オリフィス42は、半環状リング432を貫通し、貯液室13に連通している。絞り押圧カバー4の下面側には、中心孔41の内壁に沿って下向きに突出する環状リング43が設けられ、環状リング43の底端には、導液バー51の上半部を横方向に収容するための2つの対称的な上方凹溝431が径方向に設けられ、上方凹溝431により、環状リングの下部が2つの半環状リング432に分割される。
【0042】
図4、
図5、
図29−
図32に示すように、霧化座6の上端中心には、凹室61が下向きに設けられ、凹室61の底部には、第1吸気孔62が設けられ、第1吸気孔62の両側には、さらに、電熱線52のリード53を通すための貫通孔68が設けられている。霧化座6の上端において、凹室61の両側には、導液バー51の下半部を横方向に収容するための下方凹溝63が径方向に設けられ、凹室61の外周において、下方凹溝63の両側には、半環状リング432を収容するための半環状溝64がそれぞれ設けられている。
【0043】
図1、
図4、
図5、
図33に示すように、絞り押圧カバー4は、霧化座6上に密着し霧化座6をカバーするように設けられ、上方凹溝431と下方凹溝63とが上下方向において位置あわせして導液バー51を密封するようにスナップフィットすることにより、導液バー51が上方凹溝431と下方凹溝63との間を隙間なく貫通する。半環状リング432は、半環状溝64内に密閉嵌挿され、凹室61と煙管スリーブ2の底部によって囲まれた霧化室65が形成される。半環状リング432は、半環状溝64内に嵌挿され、半環状溝64の底部には、空間が形成され、オリフィス42は、半環状リング432を貫通して半環状溝64の底部の空間に連通し、下方凹溝63と上方凹溝431がスナップフィットされた後、導液バー51の両端の端部が半環状溝64に連通し、これにより、貯液室13に貯留される電子タバコのタバコ液体は、オリフィス42及び半環状溝64の底部の空間を経由して導液バー51の両端の端部まで流れるができ、導液バー51は、その両端の端部からタバコ液体を吸収し、それを中央部にガイドして電熱線52により加熱霧化させる。上記の液体供給方式は、オリフィスから半環状溝の底部の空間を経由して導液バーの端部に流れる間接液体供給方式であり、タバコ液体の流れ方向は
図33に示されている。また、絞り押圧カバー4は、霧化座6に密閉接続され、上方凹溝431と下方凹溝63とが上下方向において位置あわせして導液バー51を密封するようにスナップフィットする構造により、導液バー51の両端のタバコ液体が直接霧化室65内に漏れることがなく、また、煙管スリーブ2と排煙管112の内壁と絞り押圧カバー4の中心孔41の内壁との間の密封構造により、貯液室13内のタバコ液体が直接霧化室65内に漏れることがなく、アトマイザーの正常の動作を保証できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上の記載は、本発明の好適な実施例に対する説明に過ぎず、上記具体的な実施例は、本発明を限定するものではない。本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更および修正が可能であり、当業者であれば、以上の記載に基づいて行う仕上げ、変更または同等の置換は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0045】
A...霧化装置、1...霧化ケース、11...吸込ノズル端、111...吸い口、112...排煙管、113...内管体、114...環状の凝縮水溝、12...開口端、121...霧化ケースの吸気切欠き、122...係止孔、13...貯液室、14...凸状スナップ、15...吸気溝、2...煙管スリーブ、21...排煙孔、22...凸リング、3...金属スリーブ、31...U字状切欠き、4...絞り押圧カバー、40...液体注入孔、41...中心孔、42...オリフィス、43...環状リング、431...上方凹溝、432...半環状リング、5...加熱ユニット、51...導液バー、52電熱線、53...リード、6...霧化座、60...液体注入孔、61...凹室、62...第1吸気孔、63...下方凹溝、64...半環状溝、65...霧化室、66...凸リング、67...電極孔、68...貫通孔、7...電極カバー、71...電極、72...第2吸気孔、73...プランジャー、74...電極カバーの吸気切欠き、75...電極カバー凸状スナップ。