【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、第1の発明の文字列処理装置は、
現代仮名遣いによる漢字仮名混じり文による文字列であって、少なくとも1種類のキーワードが挿入されている文字列である原文字列を記憶する原文字列記憶手段と、
前記キーワードに対応する差込文字列をそれぞれ記憶する差込文字列記憶手段と、
前記差込文字列に含まれる仮名を万葉仮名に置換するか否かを示す仮名置換属性を、該差込文字列ごとに指定する仮名置換属性指定手段と、
前記差込文字列及び前記仮名置換属性に基づいて前記原文字列を一括変換してなる出力情報を生成する出力情報生成手段とを備え、
前記出力情報生成手段は、前記仮名置換属性が前記置換する旨を示しているときのみ、前記差込文字列に含まれる仮名を万葉仮名に置換する置換処理をなし、前記原文字列における前記キーワードを、該置換処理後の前記差込文字列に置換するとともに、該原文字列における前記キーワード以外の文字列に含まれる仮名を、万葉仮名に置換する。
【0008】
前記キーワードとしては、特に限定されないが、特定の文字、文字列、記号又は記号列からなる態様、特定の文字、文字列、記号又は記号列を含む態様等を例示する。
【0009】
前記仮名置換属性指定手段としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記キーワードそれぞれに対して前記仮名置換属性が予め設定されており、前記キーワードを用いると自動的に前記仮名置換属性が指定される態様。
(2)前記キーワードそれぞれに対して前記仮名置換属性が設定可能に構成されている態様。この態様は、一方の前記仮名置換属性のみが前記キーワードに対して設定可能に構成されている場合を含む。この場合、該一方の前記仮名置換属性を設定していない前記キーワードには、他方の前記仮名置換属性が設定されることになる。
(3)前記キーワードに含まれる特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して前記仮名置換属性が予め設定されており、前記キーワードを用いると自動的に前記仮名置換属性が指定される態様。この態様は、一方の前記仮名置換属性のみが前記特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して指定されている場合を含む。この場合、前記特定の文字、文字列、記号又は記号列が含まれていない前記キーワードには、他方の前記仮名置換属性が指定されることになる。
(4)前記キーワードに含まれる特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して前記仮名置換属性が設定可能に構成されている態様。この態様は、一方の前記仮名置換属性のみが前記特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して設定可能に構成されている場合を含む。この場合、前記特定の文字、文字列、記号又は記号列が含まれていない前記キーワードには、他方の前記仮名置換属性が設定されることになる。
【0010】
この構成によれば、前記差込文字列及び前記仮名置換属性に基づいて前記原文字列を一括変換してなる前記出力情報を生成するように構成されているので、該出力情報の内容を修正する場合、前記差込文字列、前記仮名置換属性及び前記原文字列を修正すればよい。また、前記仮名置換属性が指定された前記差込文字列を、前記原文字列に差し込むように構成されているので、例えば、前記原文字列に定型文を設定し、前記差込文字列に該定型文に差し込まれる個別の文字列を設定する使い方ができる。さらに、前記差込文字列それぞれに対して、前記仮名置換属性を指定する手段を備えているので、例えば、万葉仮名に変換せずに前記出力情報に出力させたい文字列は、前記仮名置換属性を万葉仮名に置換しない旨に指定して前記差込文字列に設定しておくことができる。このように、1文字ごとに区切って変換したり、変換対象のかな文字列をそれぞれ範囲指定し且つ変換したりする従来例とは異なり、万葉仮名へ簡単に変換することができ、万葉仮名が読解できなくても前記出力情報を修正できる。
【0011】
第2の発明の文字列処理装置としては、前記第1の発明において、
前記出力情報は、前記出力文字列を構成する各文字の文字サイズを含み、
前記出力情報生成手段は、前記万葉仮名よりもそれ以外の文字の前記文字サイズを相対的に大きく設定するように構成されている態様を例示する。
【0012】
この構成によれば、万葉仮名とそれ以外の文字列を視覚的に明確に区別でき、前記出力情報を読み取り易くすることができる。
【0013】
第3の発明の文字列処理装置としては、前記第2の発明において、
前記差込文字列を構成する各文字の文字サイズを前記万葉仮名又はそれ以外の文字のどちらと同じ文字サイズに設定するかを示す文字サイズ属性を、該差込文字列ごとに指定する文字サイズ属性指定手段を備え、
前記出力情報生成手段は、前記仮名置換属性が前記置換しない旨を示しているときに、前記差込文字列を前記文字サイズ属性に従った文字サイズに設定するように構成されている態様を例示する。
【0014】
前記文字サイズ属性指定手段としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記キーワードそれぞれに対して前記文字サイズ属性が予め設定されており、前記キーワードを用いると自動的に前記文字サイズ属性が指定される態様。
(2)前記キーワードそれぞれに対して前記文字サイズ属性が設定可能に構成されている態様。この態様は、一方の前記文字サイズ属性のみが前記キーワードに対して設定可能に構成されている場合を含む。この場合、該一方の前記文字サイズ属性を設定していない前記キーワードには、他方の前記文字サイズ属性が設定されることになる。
(3)前記キーワードに含まれる特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して前記文字サイズ属性が予め設定されており、前記キーワードを用いると自動的に前記文字サイズ属性が指定される態様。この態様は、一方の前記文字サイズ属性のみが前記特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して指定されている場合を含む。この場合、前記特定の文字、文字列、記号又は記号列が含まれていない前記キーワードには、他方の文字サイズ属性が指定されることになる。
(4)前記キーワードに含まれる特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して前記文字サイズ属性が設定可能に構成されている態様。この態様は、一方の前記文字サイズ属性のみが前記特定の文字、文字列、記号又は記号列に対して設定可能に構成されている場合を含む。この場合、前記特定の文字、文字列、記号又は記号列が含まれていない前記キーワードには、他方の前記文字サイズ属性が設定されることになる。
【0015】
この構成によれば、前記差込文字列を、万葉仮名に変換させずに、前記文字サイズ属性に従った文字サイズで出力させるようにすることができる。
【0016】
第4の発明の文字列処理装置としては、
前記第3の発明において、
前記出力時における折り返し幅としての1行の文字数を含む出力設定を記憶する出力設定記憶手段を備え、
前記出力情報生成手段は、前記万葉仮名と同じ文字サイズに設定された文字が行頭に位置しないように、前記折り返し幅に基づいて行を折り返すときの位置を調整するように構成されている態様を例示する。
【0017】
この構成によれば、前記万葉仮名と同じ文字サイズに設定された文字が行頭に位置しないようにすることができる。
【0018】
また、第5の発明の文字列処理方法は、
現代仮名遣いによる漢字仮名混じり文による文字列であって、少なくとも1種類のキーワードが挿入されている文字列である原文字列を記憶する原文字列記憶手順と、
前記キーワードに対応する差込文字列をそれぞれ記憶する差込文字列記憶手順と、
前記差込文字列に含まれる仮名を万葉仮名に置換するか否かを示す仮名置換属性を、該差込文字列ごとに指定する仮名置換属性指定手順と、
前記差込文字列及び前記仮名置換属性に基づいて前記原文字列を変換してなる出力情報を生成する出力情報生成手順とを備え、
前記出力情報生成手順は、前記仮名置換属性が前記置換する旨を示しているときのみ、前記差込文字列に含まれる仮名を万葉仮名に置換する置換処理をなし、前記原文字列における前記キーワードを、該置換処理後の前記差込文字列に置換するとともに、該原文字列における前記キーワード以外の文字列に含まれる仮名を、万葉仮名に置換するようになっており、
前記各手順のすべてをコンピュータが実行することにより行う。
【0019】
前記キーワードの態様としては、特に限定されないが、前記第1の発明における前記キーワードの態様と同様である。
【0020】
前記仮名置換属性指定手順の態様としては、特に限定されないが、前記第1の発明における前記仮名置換属性指定手段の態様と同様である。
【0021】
この構成によっても、前記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0022】
第6の発明の文字列処理方法としては、前記第5の発明において、
前記出力情報は、前記出力文字列を構成する各文字の文字サイズを含み、
前記出力情報生成手順は、前記万葉仮名よりもそれ以外の文字の前記文字サイズを相対的に大きく設定するように構成されている態様を例示する。
【0023】
この構成によっても、前記第2の発明と同様の効果を得ることができる。
【0024】
第7の発明の文字列処理方法としては、前記第6の発明において、
前記差込文字列を構成する各文字の文字サイズを前記万葉仮名又はそれ以外の文字のどちらと同じ文字サイズに設定するかを示す文字サイズ属性を、該差込文字列ごとに指定する文字サイズ属性指定手順を備え、
前記出力情報生成手順は、前記仮名置換属性が前記置換しない旨を示しているときに、前記差込文字列を前記文字サイズ属性に従った文字サイズに設定するように構成されている態様を例示する。
【0025】
前記文字サイズ属性指定手順の態様としては、特に限定されないが、前記第3の発明における前記文字サイズ属性指定手段の態様と同様である。
【0026】
この構成によっても、前記第3の発明と同様の効果を得ることができる。
【0027】
第8の発明の文字列処理方法としては、
前記第7の発明において、
前記出力時における折り返し幅としての1行の文字数を含む出力設定を記憶する出力設定記憶手順を備え、
前記出力情報生成手順は、前記万葉仮名と同じ文字サイズに設定された文字が行頭に位置しないように、前記折り返し幅に基づいて行を折り返すときの位置を調整するように構成されている態様を例示する。
【0028】
この構成によっても、前記第4の発明と同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、第9の発明の文字列処理プログラムは、
コンピュータで実行される文字列処理プログラムであって、
前記コンピュータを、前記第1〜4のいずれかの発明の文字列処理装置として機能させるためのものである。
【0030】
この構成によっても、前記第1〜4のいずれかの発明と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、第10の発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記第9の発明の文字列処理プログラムが記録されている。
【0032】
この構成によっても、前記第9の発明と同様の効果を得ることができる。