特許第6765151号(P6765151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6765151
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/24 20060101AFI20200928BHJP
【FI】
   B65G47/24 K
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-12276(P2020-12276)
(22)【出願日】2020年1月29日
【審査請求日】2020年1月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岸川 舜
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−043586(JP,A)
【文献】 実開昭49−125478(JP,U)
【文献】 実公昭47−002632(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22−47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁に薄肉のフランジ部を有する容器を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトが巻き掛けられる一対のロールと、
前記一対のロールのうち一方又は両方を回転駆動する駆動部と、
搬送中の前記容器を停止状態にする停止部と、
複数の前記容器の底を押し上げ、搬送方向に対して一定の傾斜を与える押上部と、
前記搬送ベルト上の前記容器を検知する検知部と、
前記押上部の動作を制御する制御部と、
前記容器の搬送をガイドするガイド部と、を備え
前記制御部は、前記検知部が停止状態の前記容器を検知している場合、前記検知部が搬送中の前記容器を検知してから停止状態の前記容器に搬送中の前記容器が接触するまでの間に、搬送中の前記容器の底を押し上げるように前記押上部の動作を制御する、容器搬送装置。
【請求項2】
前記押上部は、前記停止部と近接する位置に第1押上部を備え、
前記第1押上部は、前記搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜した板形状である、請求項1記載の容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器搬送装置として、周縁に薄肉のフランジ部を有する容器を搬送する搬送ベルトと、搬送される容器を停止状態にする停止部と、停止状態の複数の容器のフランジ部を斜めに押し上げる押上部と、を備える容器搬送装置が知られている(例えば、特許文献1)。斯かる容器搬送装置によれば、押上部により押し上げられた容器同士のフランジ部が重なり、容器同士の間隔を一定にすることができる。
【0003】
停止状態の容器を一定寸法の別の箱に詰める等の移送処理を行う際に、停止状態の複数の容器をその状態のまま把持し、一定寸法の別の箱に移送し詰める場合、停止状態の複数の容器同士の間隔は一定であることが望ましい。しかし、斯かる容器搬送装置は、搬送された容器の停止位置によってはフランジ部の押し上げミスが生じ、容器同士のフランジ部が重ならず容器同士の間隔が一定にならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−43586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、容器の押し上げミスを少なくすることができる容器搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
容器搬送装置は、周縁に薄肉のフランジ部を有する容器を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトが巻き掛けられる一対のロールと、前記一対のロールのうち一方又は両方を回転駆動する駆動部と、搬送中の前記容器を停止状態にする停止部と、複数の前記容器の底を押し上げ、搬送方向に対して一定の傾斜を与える押上部と、前記搬送ベルト上の前記容器を検知する検知部と、前記押上部の動作を制御する制御部と、前記容器の搬送をガイドするガイド部と、を備える。
【0007】
斯かる構成によれば、容器の底を押し上げることにより、押上部による容器の押し上げミスを少なくすることができる。
【0008】
また、容器搬送装置においては、前記制御部は、前記検知部が停止状態の前記容器を検知している場合、前記検知部が搬送中の前記容器を検知してから停止状態の前記容器に接触するまでの間に、搬送中の前記容器の底を押し上げるように前記押上部の動作を制御する、という構成であってもよい。
【0009】
斯かる構成によれば、停止状態の容器に接触する前に搬送中の容器の底を押し上げることにより、押上部による容器の押上ミスを少なくすることができる。
【0010】
また、容器搬送装置においては、前記押上部は、前記停止部と近接する位置に第1押上部を備え、前記第1押上部は、前記搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜した板形状である、という構成であってもよい。
【0011】
斯かる構成によれば、駆動部の搬送力で容器を第1押上部に乗り上げさせることにより、容器の押上ミスを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る容器搬送装置を示す斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係る容器搬送装置を示す上面図である。
図3図3は、同実施形態に係る容器搬送装置を示す左側面図である。
図4図4は、同実施形態に係る押上部の動作を示す左側面図である。
図5図5は、他の実施形態に係る容器搬送装置を示す上面図である。
図6図6は、さらに他の実施形態に係る容器搬送装置を示す左側面図である。
図7図7は、さらに他の実施形態に係る容器搬送装置を示す左側面図である。
図8図8は、さらに他の実施形態に係る押上部の動作を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、容器搬送装置における一実施形態について、図1図4を参照しながら説明する。なお、各図(図5図8も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
図1図3に示すように、本実施形態に係る容器搬送装置1は、容器2を搬送する搬送ベルト3と、搬送ベルト3が巻き掛けられる一対のロール4(上流側は不図示)と、一対のロール4のうち一方又は両方を回転駆動する駆動部(不図示)と、搬送中の容器2を停止状態にする第1停止部5と、第1停止部5で停止状態にする容器2の個数を調整する第2停止部6と、複数の容器2の底を押し上げ、搬送方向(前後方向)に対して一定の傾斜を与える押上部7と、搬送ベルト3上の容器2を検知する検知部8と、押上部7を制御する制御部(不図示)と、容器2の搬送をガイドするガイド部9と、を備える。
【0015】
容器2は、周縁に薄肉のフランジ部21を備える。本実施形態に係る容器2は、卵が詰まった一般的な容器であるが、これに限定するものではない。容器2は、蓋部分が平坦な形状でもあってもよく、卵の形状に沿った凹凸形状であってもよい。また、容器2は、卵が4、6、10、12個入りの何れであってもよい。さらに、容器2は、卵がSSサイズ〜LLサイズの何れのサイズに対応する容器であってもよい。
【0016】
搬送ベルト3は、ロール4の軸方向の左右に巻き掛けられる一対の無端ベルトであり、無端ベルト同士の間に隙間S1が設けられている。本実施形態に係る容器2は、容器2の短手側を搬送方向として搬送される。しかし、これに限定されず、例えば、容器2は、容器2の長手側を搬送方向として搬送されてもよい。
【0017】
また、搬送ベルト3は、第1停止部5と第2停止部6との間に、容器2を停止状態にし、移送手段(不図示)により移送させるための移送エリアK1が設けられている。本実施形態においては、移送エリアK1で5つの容器2を停止状態とすることができる(図4参照)。しかし、これに限定されず、例えば、移送エリアK1で6つの容器2を停止状態とすることができてもよい。
【0018】
第1停止部5は、搬送ベルト3の搬送方向の終端上の左右方向に渡って配置された板金である。しかし、これに限定されず、例えば、第1停止部5は、搬送ベルト3の下流上に配置されてもよく、樹脂製であってもよい。搬送中の容器2は、第1停止部5と接触することにより停止状態となる。また、移送エリアK1に停止状態の容器2がある場合、搬送中の容器2は、停止状態の容器2に接触することにより停止状態となる。
【0019】
第2停止部6は、第1停止部5よりも搬送方向の上流側に配置され、搬送中の容器2を搬送待機状態とすることができる。これにより、第2停止部6は、移送エリアK1に搬送される容器2の個数を調整することができる。なお、第2停止部6は、例えば、特開2018−177524号公報の図15に記されている停止装置であってもよい。
【0020】
押上部7は、第1停止部5に接触し停止状態となる容器2の底を押し上げる第1押上部71と、停止状態の容器2と接触し停止状態となる容器2の底を押し上げる第2〜第5押上部72〜75と、第1〜第5押上部71〜75を取り付ける第1取付部76と、を備える。
【0021】
第1押上部71は、搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜した板金であり、第1停止部5に近接する位置の隙間S1に配置される。斯かる構成によれば、駆動部の搬送力で容器2を第1押上部71に乗り上げさせることができるので(図4参照)、第1押上部71による容器2の押上ミスを少なくすることができる。また、例えば、制御部による第1押上部71の制御が必要ないので、制御部での制御数を減らすことができる。なお、第1押上部71は、斯かる構成に限らず、例えば、樹脂製であってもよく、第2押上部72等と同一の構成であってもよい。
【0022】
第2〜第5押上部72〜75は、容器2と接触する正方形状の押上板7aが取り付けられたエアシリンダであり、隙間S1の第1押上部71の後方に搬送方向の上流側から順に一列で配置される。しかし、斯かる構成に限らず、第2押上部72〜第5押上部75は、例えば、電動アクチュエータであってもよい。本実施形態に係る第2〜第5押上部72〜75は、それぞれに対応する停止状態の容器2の短手方向前側(搬送方向側)の下方に配置される。これにより、第2〜第5押上部72〜75は、容器2の短手方向前側を押上げ、容器2を搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜させることができる(図4参照)。
【0023】
斯かる構成によれば、第2〜第5押上部72〜75による容器2の押し上げミスを少なくすることができる。これにより、容器2同士のフランジ部21を重ならせ移送エリアK1で停止状態の容器2の間隔を一定にすることができ、例えば、移送手段により移送される一定寸法の別の箱(不図示)から容器2がはみ出すことを防止することができる。また、例えば、移送手段が吸着である場合、吸着位置がずれることによる吸着ミスを無くすことができる。また、第2〜第5押上部72〜75が、それぞれ押上板7aを備えることにより、容器2との接触面積が大きくなり、第2〜第5押上部72〜75による押上ミスを少なくすることができる。
【0024】
第1取付部76は、複数の第1長孔76aを備え、複数の第1長孔76aに第1〜第5押上部71〜75がそれぞれ取り付けられる。斯かる構成により、押上部7は、第1〜第5押上部71〜75の取付位置を調整することができる。
【0025】
検知部8は、搬送方向の上流側から一列に配置された第1〜第5検知部81〜85と、第1〜第5検知部81〜85を取り付ける第2取付部86と、を備える。本実施形態に係る第1〜第5検知部81〜85は、移送エリアK1でそれぞれに対応する停止状態の容器2の短手方向後側(搬送方向と反対側)の右方に配置される。また、第1〜第5検知部81〜85は、光電センサであるが、これに限定するものではない。
【0026】
第2取付部86は、複数の第2長孔86aを備え、複数の第2長孔86aに第1〜第5検知部81〜85がそれぞれ取り付けられる。斯かる構成により、検知部8は、第1〜第5検知部81〜85の取付位置を調整することができる。
【0027】
制御部は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、専用回路あるいはファームウエアを組み込んだ情報処理装置で構成できる。また、制御部は、メモリ、CPU(MPU)、入力手段、表示手段(モニター)などのハードウェア(コンピュータ、情報処理装置)と、メモリに記憶された動作手順を含むプログラムとの協働作用で構成される。また、制御部は、各部(駆動部、押上部7、検知部8など)と有線あるいは無線で通信可能に構成され、データのやり取りを行う構成である。また、制御部は、容器搬送装置1の配置エリアに据付けられていなくてもよく、他のエリア、例えば、容器搬送装置1とは異なる部屋に据付けられていてもよい。
【0028】
本実施形態に係る制御部は、第2〜第5押上部72〜75による容器2の押し上げ時期を制御する。制御部は、第1検知部81が容器2を検知している状態において、第2検知部82が容器2を検知した場合、第2検知部82が容器2を検知してから所定時間経過後に第2押上部72を動作させる。所定時間とは、制御部に事前に入力された時間であって、搬送中の容器2が停止状態の容器2と接触するまでの間に、搬送中の容器2の底を押上部7で押し上げることができる時間である。所定時間は、容器2の搬送方向の寸法、搬送速度、押上部7及び検知部8の配置位置から算出することができる。
【0029】
そして、制御部は、第3〜第5押上部73〜75についても第2押上部72と同様の動作をさせる。即ち、制御部は、第2〜第4検知部82〜84が容器2を検知している状態において、第3〜第5検知部83〜85が容器2を検知した場合、第3〜第5検知部83〜85が容器2を検知してから所定時間経過後に第3〜第5押上部73〜75を動作させる。これにより、停止状態の容器2に接触する前に搬送中の容器2の底を押し上げることができ、押上部7の押上ミスを少なくすることができる。
【0030】
なお、制御部は、第1検知部81が容器2を検知していない状態において、第2〜第5検知部82〜85が容器2を検知した場合、第2〜第5押上部72〜75を動作させない。また、制御部は、移送エリアK1で停止状態の容器2が移送手段により移送され、第1〜第5検知部81〜85が容器2を非検知の状態になると、第2〜第5押上部72〜75の動作を停止する(押上板7aを下方に移動させる)。しかし、これに限定されず、例えば、制御部は、容器2の移送前に第2〜第5押上部72〜75の動作を停止してもよい。
【0031】
ガイド部9は、搬送ベルト3の両側方に沿って配置された一対のガイド部材91,91である。ガイド部材91,91は、搬送中の容器2と接触することにより、搬送方向に対し常に一定方向を向いた姿勢を維持させることができる。これにより、押上部7での押し上げミスを少なくすることができる。本実施形態に係るガイド部材91,91は、板金であるが、これに限定されず、例えば、樹脂製であってもよい。
【0032】
以上より、容器搬送装置1は、周縁に薄肉のフランジ部21を有する容器2を搬送する搬送ベルト3と、搬送ベルト3が巻き掛けられる一対のロール4と、一対のロール4のうち一方又は両方を回転駆動する駆動部と、搬送中の容器2を停止状態にする停止部(第1停止部5)と、複数の容器2の底を押し上げ、搬送方向に対して一定の傾斜を与える押上部7と、搬送ベルト3上の容器2を検知する検知部8と、押上部7の動作を制御する制御部と、容器2の搬送をガイドするガイド部9と、を備える。
【0033】
斯かる構成によれば、容器2の底を押し上げることにより、押上部7による容器2の押し上げミスを少なくすることができる。
【0034】
また、本実施形態に係る容器搬送装置1は、制御部は、検知部8が停止状態の容器2を検知している場合、検知部8が搬送中の容器2を検知してから停止状態の容器2に接触するまでの間に、搬送中の容器2の底を押し上げるように押上部7の動作を制御する、という構成である。
【0035】
斯かる構成によれば、停止状態の容器2に接触する前に搬送中の容器2の底を押し上げることにより、押上部7による容器2の押上ミスを少なくすることができる。
【0036】
また、本実施形態に係る容器搬送装置1は、押上部7は、停止部(第1停止部5)と近接する位置に第1押上部71を備え、第1押上部71は、搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜した板形状である、という構成である。
【0037】
斯かる構成によれば、駆動部の搬送力で容器2を第1押上部71に乗り上げさせることにより、第1押上部71による容器2の押上ミスを少なくすることができる。
【0038】
なお、容器搬送装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、容器搬送装置1は、本出願の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0039】
(1)上記実施形態に係る容器搬送装置1においては、搬送ベルト3は、ロール4の軸方向の左右に巻き掛けられる一対の無端ベルトであり、無端ベルト同士の間に隙間S1を設けられている。そして、押上部7は、第1〜第5押上部71〜75をそれぞれ1つずつ隙間S1に一列で配置されている、という構成である。
【0040】
しかし、斯かる構成に限らず、例えば、図5に示すように、搬送ベルト3は、ロール4に巻き掛けられる1つの無端ベルトであり、押上部7は、第1〜第5押上部71〜75をそれぞれ2つずつ搬送ベルト3の両側方に二列で配置されている、という構成であってもよい。斯かる構成により、容器2(図4参照)の底を2箇所で押し上げることができ、押上部7に押上ミスを少なくすることができる。
【0041】
(2)上記実施形態に係る容器搬送装置1においては、第1押上部71は、搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜した板金である。そして、第2〜第5押上部72〜75は、容器2と接触する正方形状の押上板7aが取り付けられたエアシリンダであり、容器2の短手方向前側(搬送方向側)を押し上げる、という構成である。
【0042】
しかし、斯かる構成に限らず、例えば、図6に示すように、第1〜第5押上部71〜75は、容器2と接触する正方形状の押上板7aが取り付けられたエアシリンダであり、容器2の短手方向後側(搬送方向と反対側)を押し上げる、という構成であってもよい。容器2の短手方向後側(搬送方向側)を押上げることにより、容器2を搬送方向に向かって斜め下方を向くように傾斜させることができ、容器2同士のフランジ部21を重ならせ移送エリアK1で停止状態の容器2の間隔を一定にすることができる。
【0043】
(3)上記実施形態に係る容器搬送装置1においては、第2〜第5押上部72〜75は、容器2と接触する正方形状の押上板7aが取り付けられたエアシリンダである、という構成である。
【0044】
しかし、斯かる構成に限らず、例えば、図7及び図8に示すように、第2〜第5押上部72〜75は、容器2と接触する断面L字状の押上板7aが取り付けられたロータリアクチュエータである、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、第2〜第5押上部72〜75を動作させることにより、押上板7aを搬送方向に向かって斜め上方を向くように傾斜させることができる。これにより、駆動部の搬送力で容器2を押上板7aに乗り上げさせることができ、容器2の押し上げミスを少なくすることができる。
【0045】
斯かる構成においては、制御部は、第1検知部81が容器2を検知している状態の場合、第2検知部82が容器2を検知してから所定時間経過後に第2押上部72を動作させる上記実施形態とは異なり、第2検知部82が容器2を検知する前に第2押上部72を動作させるができる。第3〜第5押上部73〜75の動作についても同様である。
【0046】
(4)上記実施形態に係る容器搬送装置1は、例えば、移送手段を備える移送システムに用いられてもよい。斯かる移送システムにおける移送手段は、例えば、6自由度を有するロボットアームであり、ロボットアームの先端に容器を吸着する吸着部を備える。斯かる移送システムによれば、容器2同士のフランジ部21が重なった状態で容器2を吸着することができるので、容器2同士の間隔が一定な状態で一定寸法の別の箱に移送することができる。これにより、例えば、一定寸法の別の箱から容器2がはみ出すことを防止することができる。また、例えば、吸着位置がずれることによる吸着ミスを無くすことができる。
【符号の説明】
【0047】
1:容器搬送装置、2:容器、21:フランジ部、3:搬送ベルト、4:ロール、5:第1停止部、6:第2停止部、7:押上部、7a:押上板、71:第1押上部、72:第2押上部、73:第3押上部、74:第4押上部、75:第5押上部、76:第1取付部、76a:第1長孔、8:検知部、81:第1検知部、82:第2検知部、83:第3検知部、84:第4検知部、85:第5検知部、86:第2取付部、86a:第2長孔、9:ガイド部、91:ガイド部材、K1:移送エリア、S1:隙間
【要約】
【課題】 容器の押し上げミスを少なくすることができる容器搬送装置を提供することである。
【解決手段】 容器搬送装置は、周縁に薄肉のフランジ部を有する容器を搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトが巻き掛けられる一対のロールと、一対のロールのうち一方又は両方を回転駆動する駆動部と、搬送中の容器を停止状態にする停止部と、複数の容器の底を押し上げ、搬送方向に対して一定の傾斜を与える押上部と、搬送ベルト上の容器を検知する検知部と、押上部の動作を制御する制御部と、容器の搬送をガイドするガイド部と、を備える。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8