特許第6765154号(P6765154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 田中 勉の特許一覧

特許6765154カイロ収容機能付きスマートフォンケース
<>
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000002
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000003
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000004
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000005
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000006
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000007
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000008
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000009
  • 特許6765154-カイロ収容機能付きスマートフォンケース 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6765154
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】カイロ収容機能付きスマートフォンケース
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/11 20060101AFI20200928BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
   H04M1/11 Z
   H05K5/02 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-49248(P2020-49248)
(22)【出願日】2020年3月19日
【審査請求日】2020年3月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520098394
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】田中 勉
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−102606(JP,A)
【文献】 特開2003−058277(JP,A)
【文献】 特開2011−105350(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0265017(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0028070(US,A1)
【文献】 特開平10−333766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
1/16−1/18
H04B 1/38−1/58
H04M 1/02−1/23
H05K 5/00−5/06
7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てカイロを収容して当該カイロによってスマートフォンを温めて使用することのできるカイロ収容機能付きスマートフォンケースであって、
スマートフォン本体の背面側に配置され、収容した前記使い捨てカイロを外側から揉むことのできる柔軟性を備えているとともに、前記使い捨てカイロから発する熱を内側に保持しうる保温性を備えているカイロ収容体と、
前記スマートフォン本体の背面側に着脱可能な形状で、かつ前記使い捨てカイロを出し入れ可能な大きさに開口されたカイロ出入口を有するケース本体を有し、
前記カイロ収容体が、前記カイロ出入口を覆うように前記ケース本体の裏側に設けられているとともに、
前記カイロ収容体が、外周縁部を前記ケース本体の方向に折り返した状態で前記カイロ出入口周縁部の外側面に固着される折り返し固着部を有する、前記カイロ収容機能付きスマートフォンケース。
【請求項2】
前記カイロ収容体が、前記カイロ出入口の周縁部に沿って固着されるために環状に形成された固着用環状部材を有しており、この固着用環状部材の外周縁部と、前記カイロ収容体の外周縁部とを互いに向き合う内側方向に折り返して各先端縁部を縫合してなる、請求項1に記載のカイロ収容機能付きスマートフォンケース。
【請求項3】
使い捨てカイロを収容して当該カイロによってスマートフォンを温めて使用することのできるカイロ収容機能付きスマートフォンケースであって、
スマートフォン本体の背面側に配置され、収容した前記使い捨てカイロを外側から揉むことのできる柔軟性を備えているとともに、前記使い捨てカイロから発する熱を内側に保持しうる保温性を備えているカイロ収容体と、
前記スマートフォン本体のディスプレイを操作可能な操作用開口を備えるように矩形枠状に形成されており、前記スマートフォン本体の正面側の外周縁部に対応して配置されるフレーム体を有し、
前記カイロ収容体が前記スマートフォン本体の背面に前記使い捨てカイロを収容可能に前記フレーム体の各枠部に取り付けられているとともに、いずれかの枠部との間で着脱自在に構成して前記スマートフォン本体を出し入れ可能とするスマートフォン出入部を有する、前記カイロ収容機能付きスマートフォンケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンを使い捨てカイロにより暖めながら使用することのできるカイロ収容機能付きスマートフォンケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、バックカントリースキーおよびバックカントリースノーボードなど、スポーツ感覚で冬山を登る人が増えている。一方、冬山では、大雪や地吹雪などにより視界が奪われ、方向感覚を失い遭難する危険性がある。
【0003】
スマートフォンは、GPSを利用した地図機能やコンパス機能を備えており、自分の位置や向いている方角を検索することができる。このため、冬山を登る登山者やスキーヤー、スノーボーダーは、紙で作られた地図や磁石の針を用いたコンパスの代わりに、スマートフォンを携帯することが多くなっている。
【0004】
一方、スマートフォンは、低温下にさらされるとバッテリーの性能が低下し、保護機能が作動して使用できなくなるといった問題がある。特に近年のスマートフォンは、情報処理能力の高精度化にともないCPUによる発熱量が多くなっており、筐体に放熱しやすいようにアルミニウムなど金属が用いられているために低温に弱い構造になっている。このため、冬山において、スマートフォンを携帯していることによって安全であると過信し、遭難時にいざスマートフォンを使用したくても作動せず、GPS機能が使えずに命を落とす事故が発生している。
【0005】
ところで、鉄は、酸化する際に酸化熱を発する。使い捨てカイロは、この鉄が酸化するときに発する酸化熱を利用した暖房具であって、密封されたフィルム容器から取り出されることで、空気中の酸素と化学反応することで発熱することができる。この使い捨てカイロは、携帯性に優れており、かつ安価であるため暖房具として広く普及している。
【0006】
そこで、これまでに低温環境下でスマートフォンを暖める方法として、使い捨てカイロを用いることが提案されている。例えば、衣類などに貼ることができる粘着剤を備えた使い捨てカイロをスマートフォンに直接的に貼り付ける方法が提案されている。
【0007】
また、特開平6−53668号公報では、携帯端末器を収納する本体ケースの底部に、カイロを収納する発熱体収納部を設けた携帯端末器の保護ケースに関する発明が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−53668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、スマートフォンの地図機能等を用いる場合には、ポケットなどから取り出して使用しなければならない。このため、スマートフォンに貼り付けられた使い捨てカイロは外気に曝されることで発熱した熱が逃げてしまい、スマートフォンを十分に暖められないという問題がある。
【0010】
また、使い捨てカイロは、空気中の酸素との化学反応を促すために揉む必要がある。しかし、特許文献1に記載された発明においては、使い捨てカイロが発熱体収納部に覆われているため揉むことができない。
【0011】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、使い捨てカイロによりスマートフォンを暖めて保温しつつ使用することができ、温度が低下したときには揉んで酸化による発熱を促すことができる、カイロ収容機能付きスマートフォンケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るカイロ収容機能付きスマートフォンケースは、使い捨てカイロによりスマートフォンを暖めて使用するときの放熱を抑制するとともに、温度が低下したときには揉んで使い捨てカイロの化学反応を促すという課題を解決するために、使い捨てカイロを収容して当該カイロによってスマートフォンを温めて使用することのできるカイロ収容機能付きスマートフォンケースであって、スマートフォン本体の背面側に配置され、収容した前記使い捨てカイロを外側から揉むことのできる柔軟性を備えているとともに、前記使い捨てカイロから発する熱を内側に保持しうる保温性を備えているカイロ収容体を有する。
【0013】
また、本発明の一態様として、使い捨てカイロとスマートフォンの密着性を高めてスマートフォンを暖める機能を向上させるという課題を解決するために、前記カイロ収容体は、収容された前記使い捨てカイロを前記スマートフォン本体の背面側に押しつけて密着させられる素材により構成されていてもよい。
【0014】
さらに、本発明の一態様として、使い捨てカイロとスマートフォンの密着性を高めてスマートフォンを暖める機能を向上させるという課題を解決するために、前記カイロ収容体は、伸縮性を備えたシート材により形成されているとともに、前記使い捨てカイロを収容する収容空間の厚さ方向の寸法が前記使い捨てカイロの厚さ寸法より薄くなるように形成されていてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様として、使い捨てカイロとスマートフォンの密着性を高めてスマートフォンを暖める機能を向上させるという課題を解決するために、前記カイロ収容体は、膨らむ性質を備えた充填材を内包した袋状の布生地により形成されているとともに、前記充填材が膨らんだ状態において前記使い捨てカイロを収容する収容空間の厚さ方向の寸法が前記使い捨てカイロの厚さ寸法より薄くなるように形成されていてもよい。
【0016】
さらに、本発明の一態様として、スマートフォン本体の背面側にカイロ収容体を配置する構成を備えるという課題を解決するために、前記スマートフォン本体の背面側に着脱可能な形状で、かつ前記使い捨てカイロを出し入れ可能な大きさに開口されたカイロ出入口を有するケース本体を有し、前記カイロ収容体が、前記カイロ出入口を覆うように前記ケース本体の裏側に設けられていてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様として、カイロ収容体の隅々まで使い捨てカイロを配置可能にしてスマートフォンを暖める面積を増やすという課題を解決するために、前記カイロ収容体が、外周縁部を前記ケース本体の方向に折り返した状態で前記カイロ出入口周縁部の外側面に固着される折り返し固着部を有するようにしてもよい。
【0018】
さらに、本発明の一態様として、折り返し固着部を形成しやすく、かつ使い捨てカイロを収容する収容空間の厚さ方向の寸法を設定しやすくするという課題を解決するために、前記カイロ収容体が、前記カイロ出入口の周縁部に沿って固着されるために環状に形成された固着用環状部材を有しており、この固着用環状部材の外周縁部と、前記カイロ収容体の外周縁部とを互いに向き合う内側方向に折り返して各先端縁部を縫合してなるようにしてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様として、スマートフォン本体の背面側にカイロ収容体を配置する構成を備えるという課題を解決するために、前記スマートフォン本体のディスプレイを操作可能な操作用開口を備えるように矩形枠状に形成されており、前記スマートフォン本体の正面側の外周縁部に対応して配置されるフレーム体を有し、前記カイロ収容体が前記スマートフォン本体の背面に前記使い捨てカイロを収容可能に前記フレーム体の各枠部に取り付けられているとともに、いずれかの枠部との間で着脱自在に構成して前記スマートフォン本体を出し入れ可能とするスマートフォン出入部を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、使い捨てカイロによりスマートフォンを暖めて保温しつつ使用することができ、温度が低下したときには揉んで酸化による発熱を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るカイロ収容機能付きスマートフォンケースの第一実施形態を示す正面側斜視図である。
図2】本第一実施形態のカイロ収容機能付きスマートフォンケースを示す背面側斜視図である。
図3】本第一実施形態において使い捨てカイロを収容するとともに、スマートフォン本体を装着した状態を示す断面図である。
図4】折り返し固着部の他の実施形態を示す断面図である。
図5】カイロ収容体の他の実施形態を示す断面図である。
図6】カイロ収容体に用いられる柔軟性とともに伸縮性を備えた素材の他の実施形態を示す模式図である。
図7】本発明に係るカイロ収容機能付きスマートフォンケースの第二実施形態を示す正面側斜視図である。
図8】本第二実施形態のカイロ収容機能付きスマートフォンケースを示す断面図である。
図9】本第二実施形態における使い捨てカイロの収納およびスマートフォン本体の装着方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るカイロ収容機能付きスマートフォンケースの第一実施形態について図面を用いて説明する。
【0023】
本第一実施形態のカイロ収容機能付きスマートフォンケース1は、使い捨てカイロ10を収容するとともに当該使い捨てカイロ10によってスマートフォンを温めて使用することができるようにしたスマートフォンケースであって、カイロ出入口21を備えたケース本体2と、前記カイロ出入口21の裏側を覆うカイロ収容体3とを有する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0024】
ケース本体2は、スマートフォン本体100に着脱することのできるケースであって、スマートフォン本体100の背面側に着脱可能な形状に形成されている。スマートフォン本体100の背面側とは、タッチ操作可能なディスプレイ101が配置されている面を正面側としてその裏面側である。
【0025】
本第一実施形態におけるケース本体2は、図1および図2に示すように、縦長の略直方体状に形成されており、スマートフォン本体100の形状に合わせて凹状に形成された嵌入溝22が形成されている。また、ケース本体2には、スマートフォン本体100を装着した状態において電源ボタン等の各種ボタンや機能を切り替えるスイッチ等の操作を可能にする切り欠き、カメラ撮影を可能とするためのカメラレンズ部に配置された孔、充電ケーブルを挿通させる切り欠きなどが適宜形成されている。
【0026】
カイロ出入口21は、ケース本体2の裏側に設けられるカイロ収容体3に嵌入溝22の底部から使い捨てカイロ10を出し入れするための開口であるとともに、前記カイロ収容体3に収容された使い捨てカイロ10をスマートフォン本体100の背面側に密着させるための開口である。よって、カイロ出入口21は、前記使い捨てカイロ10を出し入れ可能な大きさであって、使い捨てカイロ10をスマートフォン本体100に直接密着させる面積を広くした大きさに開口されている。一般的に略矩形状に形成されている使い捨てカイロ10の寸法が一辺当たり50mm〜200mm程度に形成されていることから、カイロ出入口21は同程度の寸法に開口されていることが好ましい。
【0027】
カイロ収容体3は、スマートフォン本体100の背面側に使い捨てカイロ10を収容するためのものであり、本第一実施形態ではカイロ出入口21を覆うようにケース本体2の裏側に設けられている。このカイロ収容体3は、スマートフォン本体100を装着した状態で収容した使い捨てカイロ10を外側から揉むことができる柔軟性を備えているとともに、前記使い捨てカイロ10から発する熱を内側に保持しうる保温性を備えている。
【0028】
また、カイロ収容体3は、図3に示すように、使い捨てカイロ10をスマートフォン本体100の端部に近い位置まで広範囲に接触させるために、外周縁部を前記ケース本体2の方向に折り返した状態でカイロ出入口21の周縁部の外側面に固着される折り返し固着部23を有する。本第一実施形態では、前記折り返し固着部23を形成しやすく、かつ使い捨てカイロ10を収容する収容空間の厚さ方向の寸法を設定しやすくするため、カイロ出入口21の周縁部に沿って固着されるために環状に形成された固着用環状部材24を有している。そして、この固着用環状部材24の外周縁部と、カイロ収容体3の外周縁部とを互いに向き合う内側方向に折り返して各先端縁部を縫合することで、前記折り返し固着部23を形成している。
【0029】
なお、折り返し固着部23の形成には、固着用環状部材24を有する構成に限定されるものではなく、図4に示すように、カイロ収容体3の外周縁部をカイロ出入口21の周縁部の外側面に固着するように構成してもよい。
【0030】
また、カイロ収容体3は、収容された使い捨てカイロ10をスマートフォン本体100の背面側に押しつけて密着させられる素材により構成されていることが好ましい。そこで、本第一実施形態におけるカイロ収容体3は、伸縮性を備えたシート材により形成されているとともに、使い捨てカイロ10を収容する収容空間の厚さ方向の寸法が使い捨てカイロ10の厚さ寸法より薄くなるように形成されている。これにより、カイロ収容体3は、収容した使い捨てカイロ10をカイロ出入口21を介してスマートフォン本体100の背面側に押しつけて密着させられるようになっている。
【0031】
カイロ収容体3に用いられる柔軟性や保温性とともに伸縮性を備えた素材としては、ドライスーツやウエットスーツに用いられる発泡クロロプレン等の生地や、アクリル、レーヨン、ナイロン、ポリウレタン等の化学繊維を伸縮性を有するように編み込まれた生地などが例示される。
【0032】
また、他の素材として、図5に示すように、膨らむ性質を備えた充填材31を内包した袋状の布生地を用いることができる。充填材31としては、柔軟性を備えつつ保温性を高めるため、ダウンやフェザー等の羽毛、コットンなどからなる詰め綿、ポリウレタンなどの合成樹脂を発泡形成してなるスポンジなどが例示される。つまり、カイロ収容体3として、充填材31が膨らんだ状態において使い捨てカイロ10を収容する収容空間の厚さ方向の寸法が使い捨てカイロ10の厚さ寸法より薄くなるように形成された布生地を用いることで、収容した使い捨てカイロ10をカイロ出入口21を介してスマートフォン本体100の背面側に押しつけて密着させることができる。
【0033】
なお、カイロ収容体3は、一つの素材で形成されるものに限定されるものではなく、例えば、柔軟性の有る素材と保温性の高い素材とを重ね合わせて構成されていてもよい。
【0034】
また、柔軟性や伸縮性を持たせるため、図6に示すように、素材に複数の切り込み32を設けたり、図示しないがプリーツを施してもよい。これにより、動物皮や合皮など柔軟性や伸縮性の低い素材もカイロ収容体3の素材として用いることができる。
【0035】
以上のような第一実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
1.カイロ収容体3に収容した使い捨てカイロ10によってスマートフォン本体100を暖めることができる。
2.カイロ収容体3に保温性を持たせたことにより、使い捨てカイロ10から発する熱を内側に保持することができるため、ポケットなどから取り出して外気に曝されてもスマートフォン本体100を暖め続けることができる。
3.カイロ収容体3に柔軟性を持たせたことにより、使い捨てカイロ10を収容した状態で揉むことができ、温度が低下したときには揉むことで空気と接触させ、酸化による発熱を促すことができる。
4.カイロ収容体3によって収容された使い捨てカイロ10をスマートフォン本体100の背面側に押しつけて密着させられるため、使い捨てカイロ10の熱を直接的にスマートフォン本体100に伝えることができる。
5.カイロ収容体3の外周縁部に折り返し固着部23を形成することで使い捨てカイロ10を隅々まで配置することが可能となり、スマートフォン本体100の背面側の広い面積を暖めることができる。
6.固着用環状部材24を設けることで、折り返し固着部23を容易に形成できるとともに、使い捨てカイロ10を収容する収容空間の厚さ方向の寸法を設定しやすくできる。
【0036】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、前述した第一実施形態で説明した構成と同一または相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0037】
本第二実施形態のカイロ収容機能付きスマートフォンケース1は、図7に示すように、スマートフォン本体100の正面側の外周縁部に対応して配置されるフレーム体4と、このフレーム本体4の各枠部41に取り付けられるカイロ収容体3とを有する。
【0038】
フレーム体4は、カイロ収容体3を取り付けることでスマートフォン本体100を収容するケースの一部となるものであり、前記スマートフォン本体100のディスプレイ101を操作可能な操作用開口42を備えるように矩形枠状に形成されている。本第二実施形態におけるフレーム体4は、丸棒状の棒材をスマートフォン本体100の形状に合わせて縦長の矩形に屈曲させて形成されている。そして、図7に示すように、矩形を構成する4つの辺に当たるそれぞれの枠部41が、スマートフォン本体100の正面側の外周縁部に対応して配置されることで、前記スマートフォン本体100を係止して、前記操作用開口42から出ないようになっている。
【0039】
なお、フレーム体4の断面形状は、丸形状に限定されるものではなく、矩形状やL字状など、スマートフォン本体100を係止可能な形状から適宜選択してよい。また、フレーム体4の製造方法は、棒材を屈曲して製造するものに限定されるものではなく、例えば、鍛造、鋳造、切削、溶接、接着などから適宜選択してよく、3Dプリンタなどで製造してもよい。さらに、フレーム体4の素材は、ステンレスやアルミニウムなどの金属、プラスチックなどの合成樹脂などから適宜選択してよい。
【0040】
本第二実施形態におけるカイロ収容体3は、スマートフォン本体100の背面に前記使い捨てカイロ10を収容可能にフレーム体4の各枠部41に取り付けられている。また、カイロ収容体3は、取り付けられているいずれかの枠部41との間で着脱自在に構成されており、スマートフォン本体100を出し入れ可能とするスマートフォン出入部5を構成している。
【0041】
本第二実施形態では、縦長矩形状に形成した各枠部41の左右の長辺部分に相当する枠部41b,41dおよび下方の短辺部分に相当する枠部41cに対し、枠部41の外側から折り返されたカイロ収容体3の縁部33を接着ないし縫合することによって取り付けれれている。下方の枠部41cに取り付けたカイロ収容体3には、スマートフォン本体100に充電コードを挿通させるために切り欠き状に形成された挿通部33が形成されている。
【0042】
また、スマートフォン出入部5は、フレーム体4の上方の短辺部分に構成されている。具体的には、図8に示すように、カイロ収容体3の上方縁部33aがフレーム体4より十分に長く形成されており、上方の枠部41aの内側を通り、外側に折り返さすことができるようになっている。そして、カイロ収容体3の上方縁部33aが折り返されて重なる位置に面ファスナー51が設けられており、上方の枠部41aに着脱できるようになっている。本第二実施形態では、スマートフォン出入部5のフレーム体4よりも内側に配置される部分に、カメラが配置されるカメラ用孔部34が形成されている。
【0043】
本第二実施形態では、図9に示すように、使い捨てカイロ10の収容およびスマートフォン本体100の装着を行う。つまり、図9(b)に示すように、カイロ収容体3に使い捨てカイロ10を収容し、図9(c)に示すように、スマートフォン本体100をスマートフォン出入部5から挿入する。スマートフォン本体100の正面側の外周縁部が、フレーム体4の対応した位置に配置されたら、図9(d)に示すように、カイロ収容体3の上方縁部33aを上方の枠部41aとスマートフォン本体100との間に通す。そして、図9(e)に示すように、その先端を折り返して面ファスナー51で固定することで、使い捨てカイロ10とスマートフォン本体100を収容する。
【0044】
以上のような本第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、柔軟性を備えているカイロ収容体3をスマートフォン本体100を装着するケースの一部として構成させることができる。よって、カイロ収容体3が柔軟性を有しているため切り欠き等を設けなくてもスマートフォン本体100のスイッチ操作を行うことができる。また、スマートフォン本体100の大きさや厚さに対する許容範囲が広く、例えばモデルチェンジなどによりスマートフォン本体100の大きさや厚さに若干の変更が加えられても使用し続けることができる。また、本第二実施形態によれば、図示しないが、スマートフォン本体100を少しスライドさせて完全に取り外さなくても、使い捨てカイロ10の収容や交換を行うことができる。
【0045】
なお、本発明に係るカイロ収容機能付きスマートフォンケースは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、図示しないが、ケース本体2が、開閉自在な蓋を有するいわゆる手帳型に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 カイロ収容機能付きスマートフォンケース
2 ケース本体
3 カイロ収容体
4 フレーム体
5 スマートフォン出入部
10 使い捨てカイロ
100 スマートフォン本体
101 ディスプレイ
21 カイロ出入口
22 嵌入溝
23 折り返し固着部
24 固着用環状部材
31 充填材
32 切り込み
33 縁部
33a 上方縁部
34 カメラ用孔部
41 枠部
42 操作用開口
51 面ファスナー
【要約】      (修正有)
【課題】使い捨てカイロによりスマートフォンを暖めて保温しつつ使用することができ、温度が低下したときには揉んで酸化による発熱を促すことができる、カイロ収容機能付きスマートフォンケースを提供する。
【解決手段】使い捨てカイロ10を収容して当該カイロ10によってスマートフォンを温めて使用することのできるカイロ収容機能付きスマートフォンケース1であって、スマートフォン本体100の背面側に配置され、収容した使い捨てカイロ10を外側から揉むことのできる柔軟性を備えているとともに、使い捨てカイロ10から発する熱を内側に保持しうる保温性を備えているカイロ収容体3を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9