(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハブの内部および前記中空針の内部に延在して、その先端が前記中空針の前記先端部の内部に位置し、前記注入ポートから注入した液体を、その先端開口から吐出する第1冷却用液体導入管と、
前記第1冷却用液体導入管とともに前記ハブの内部および前記中空針の内部に延在して、その先端が前記中空針の前記先端部の内部に位置し、前記注入ポートから注入した液体を、その先端開口から吐出する第2冷却用液体導入管とを備え、
前記第1冷却用液体導入管の先端開口位置と前記第2冷却用液体導入管の先端開口位置とが前記中空針の先後方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1または2に記載の焼灼用針装置。
前記第1冷却用液体導入管の先端開口は、前記中空針の前記先端部の先端近傍の内部に位置し、前記第2冷却用液体導入管の先端開口は、前記中空針の前記先端部の中間または後端近傍の内部に位置していることを特徴とする請求項3に記載の焼灼用針装置。
少なくとも前記先端部における前記スリットの形成領域において、前記中空針の内表面に防水シール被膜が形成されることにより前記防水処理が施されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の焼灼用針装置。
前記防水シール被膜は、前記中空針の内部に挿入された状態の熱拡張性樹脂チューブを加熱して拡径させることにより形成されたものであることを特徴とする請求項9に記載の焼灼用針装置。
【背景技術】
【0002】
原発性アルドステロン症は、血圧上昇ホルモンであるアルドステロンを過剰分泌させる腺腫(腫瘍)が副腎にできることから発症する高血圧疾患である。
原発性アルドステロン症の治療としては、アルドステロンの過剰分泌が片側の副腎から認められる場合には腫瘍のある副腎を摘出する。
一方、アルドステロンの過剰分泌が両側の副腎から認められる場合には、両側の副腎を摘出することができないため、患者は降圧剤を服用し続ける必要がある。
【0003】
最近、アルドステロンが過剰に分泌される原発性アルドステロン症の治療方法として、カテーテルを用いて副腎静脈から血液採取(副腎静脈採血)して異常のある副腎を特定した後、当該副腎の位置をX線画像などにより正確に把握し、患者の背中から、バイポーラRF(高周波)針を穿刺して腫瘍を焼灼する方法が紹介されている(下記非特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記のような治療方法は副腎の摘出手術と比較すれば侵襲の程度は低いものの、患者への負担は依然として重い。
また、左副腎は膵臓や腸管に近いため、左副腎における腫瘍に対して背中からバイポーラRF針を穿刺する手技は解剖学的に困難である。
【0005】
このような問題を解決するために、本発明者は、焼灼用針を経静脈的に副腎に導入して焼灼治療を行うことについて検討を行い、尖鋭な管状の先端部と前記先端部の内腔と連通する略同径の内腔を有する管状の基端部とからなる金属製の注射針と、前記注射針の基端側に装着された把持部とを備えてなり、前記注射針の基端部は、少なくともその先端領域において螺旋状のスリットが形成されることにより可撓性が付与されているとともに、前記基端部の外表面は樹脂によって被覆されており、前記注射針の先端部は、その先端が閉塞されているとともに、この閉塞部分を含む前記先端部の外表面には、前記先端部の内腔に連通する複数の細孔が形成されており、前記把持部には、前記注射針の内腔に液体を供給するための液体の注入ポートが設けられている焼灼用針装置を提案している(下記特許文献1参照)。
【0006】
この焼灼用針装置では、樹脂被覆されていない注射針の先端部により電極が構成されており、先端部により構成される電極の長さは、マイクロ腺腫の治療に好適な1〜6mm程度とされる。
この焼灼用針装置によれば、注射針の基端部の先端領域における剛性を、螺旋状のスリットが形成されていることによってある程度低くして、柔軟な注射針とすることができるので、この注射針を副腎に至る血管形状に追従させることができて血管壁を傷つけることなどがなく、その先端部を副腎の腫瘍部位に到達させることができる。
【0007】
また、注射針の先端部の外表面に、内腔に連通する複数の細孔が形成されていることにより、注射針の内腔に供給された液体を複数の細孔から噴射して先端部の周囲に灌注することができ、注射針の先端部(電極)の表面に生体組織や血栓が付着することを防止することができる。
従って、この焼灼用針装置を使用することによって、原発性アルドステロン症に対する新規な治療法である経静脈的な焼灼治療を確実に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、副腎の全体にわたり腫瘍ができている症例など、副腎の全体を焼灼する必要がある場合には、高周波電流による焼灼巣のサイズを大きくすることが望ましい。焼灼巣のサイズを大きくするためには、電極を長くする(例えば20mm程度にする)必要がある。
【0010】
しかし、上記特許文献1に記載されている焼灼用針装置の電極(注射針の先端部)にはスリットが形成されていないため、そのような電極を長くすると当該電極を含む注射針の剛性が高くなって柔軟性に劣り、複雑な血管形状に追従することができないため、副腎に導入する途中でガイディングカテーテルや血管壁に突き刺さることも考えられる。
このため、柔軟でかつ長い電極を備えた焼灼用針装置の提供が望まれる。
【0011】
また、焼灼用針装置の電極を長くすることに伴って当該電極を冷却するために灌注する冷却水(生理食塩水)を増量する必要がある。
しかし、治療すべき臓器(副腎)のサイズに対して多量の冷却水を灌注する場合には、臓器の膨潤・膨張、腫瘍組織の拡散などのリスクが懸念される。
【0012】
更に、焼灼用針装置の電極を長くすることに伴って、当該電極の長さ方向における冷却ムラが生じることが考えられる。
【0013】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、注射針の先端部により構成される電極の長さを長く設定しても、当該電極を含む注射針の可撓性(柔軟性)が損なわれることはなく、焼灼時において、冷却用液体を灌注する場合に生じるリスクを回避しながら当該電極を十分に冷却することができ、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない冷却を行うことができる焼灼用針装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、注射針を経静脈的に副腎に導入して副腎腫瘍の高周波焼灼を行う治療方法、特に、副腎の全体を焼灼するような治療方法に特に好適に使用することができる焼灼用針装置を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、腫瘍の高周波焼灼を行う治療方法に好適に使用することができる高周波焼灼治療システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の焼灼用針装置は、腫瘍の高周波焼灼治療を行うための針装置であって、
外表面が樹脂により絶縁被覆された基端部と、外表面が露出していることで電極を構成する先端部とからなる金属製の中空針と、
前記中空針の基端側に装着され、前記電極(中空針の先端部)を冷却するための液体を注入して前記中空針の内部に供給するための液体の注入ポートと、前記電極を冷却して前記中空針の内部から戻ってきた液体を排出するための液体の排出ポートとを有するハブと、
前記電極に高周波電流を通電するために、前記中空針に電気的に接続されている通電用コネクタと、
前記電極の周囲にある組織の温度を測定するために、前記中空針の内部に延在している熱電対と、
前記ハブの内部および前記中空針の内部に延在して各々の先端が前記中空針の前記先端部の内部に位置し、前記注入ポートから注入した液体を各々の先端開口から吐出する複数の冷却用液体導入管とを備えてなり、
前記中空針の前記基端部の少なくとも先端領域およびこれに続く前記先端部に螺旋状のスリットが形成されることにより、前記中空針に可撓性が付与されており、
少なくとも前記先端部における前記スリットの形成領域において前記中空針の内表面に防水処理が施されているとともに前記中空針の先端が閉塞されることにより、前記中空針の内部の液密性が確保されており、
前記複数の冷却用液体導入管の先端開口位置が前記中空針の先後方向に互いにずれていることを特徴とする。
【0017】
このような構成の焼灼用針装置によれば、中空針の基端部だけでなく、電極を構成する先端部にも螺旋状のスリットが形成されているので、焼灼巣サイズの拡大を企図して電極の長さを長く設定したとしても、当該電極を含む中空針(注射針)を柔軟なものとすることができ、この中空針を複雑な血管形状に追従させることができて血管壁等を傷つけることなどがなく、当該電極を目的部位に確実に到達させることができる。
【0018】
また、液密性が確保された中空針の先端部の内部において、複数の冷却用液体導入管の先端開口から冷却用の液体を吐出させることにより、冷却用液体を灌注する場合に生じるリスクを完全に回避しながら、電極を十分に冷却(インナークーリング)することができる。
【0019】
さらに、電極を構成する中空針の先端部の内部において、複数の冷却用液体導入管の先端開口位置(冷却用液体の吐出位置)が中空針の先後方向に互いにずれていることにより、電極の長さを長く設定したとしても、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない冷却を行うことができる。
【0020】
(2)本発明の焼灼用針装置において、前記ハブが、前記注入ポートと前記排出ポートとを併有する液体の流通ポートを有していることが好ましい。
【0021】
(3)本発明の焼灼用針装置において、前記ハブの内部および前記中空針の内部に延在して、その先端が前記中空針の前記先端部の内部に位置し、前記注入ポートから注入した液体を、その先端開口から吐出する第1冷却用液体導入管と、
前記第1冷却用液体導入管とともに前記ハブの内部および前記中空針の内部に延在して、その先端が前記中空針の前記先端部の内部に位置し、前記注入ポートから注入した液体を、その先端開口から吐出する第2冷却用液体導入管とを備え、
前記第1冷却用液体導入管の先端開口位置と前記第2冷却用液体導入管の先端開口位置とが前記中空針の先後方向に互いにずれていることが好ましい。
【0022】
このような構成の焼灼用針装置によれば、電極を構成する中空針先端部の内部において、第1冷却用液体導入管の先端開口位置(冷却用液体の吐出位置)と、第2冷却用液体導入管の先端開口位置(冷却用液体の吐出位置)とが中空針の先後方向に互いにずれていることにより、電極の長さを長く設定したとしても、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない冷却を行うことができる。
【0023】
(4)上記(3)の焼灼用針装置において、前記第1冷却用液体導入管の先端開口が前記中空針の前記先端部の先端近傍の内部に位置し、前記第2冷却用液体導入管の先端開口が前記中空針の前記先端部の中間または後端近傍の内部に位置していることが好ましい。
【0024】
このような構成の焼灼用針装置によれば、第1冷却用液体導入管の先端開口から吐出される冷却用液体によって中空針の先端部(電極)の主に先端部分を冷却することができ、第2冷却用液体導入管の先端開口から吐出される冷却用液体によって中空針の先端部(電極)の主に後端部分を冷却することができる。
【0025】
(5)本発明の焼灼用針装置において、前記中空針の先端は樹脂製の先端チップによって閉塞されており、
前記熱電対の測温接点が前記先端チップに埋設されていることが好ましい。
【0026】
このような構成の焼灼用針装置によれば、熱電対の測温接点が、熱伝導率の低い樹脂製の先端チップに埋設されているので、電極(中空針の先端部)の温度変化の影響を受けにくくなり、電極の周囲にある組織の温度を正確に測定することができる。
【0027】
(6)本発明の焼灼用針装置において、前記中空針の内部にガイドワイヤルーメンを形成するルーメンチューブが延在していることが好ましい。
【0028】
このような構成の焼灼用針装置によれば、ガイドワイヤを使用することにより、電極(中空針の先端部)を目的部位に迅速かつ確実に到達させることができる。
【0029】
(7)本発明の焼灼用針装置において、前記中空針の前記先端部により構成される前記電極の長さが6〜30mmであること、特に8〜30mmであることが好ましい。
【0030】
このように長い電極を備える焼灼用針装置において本発明の構成を採用することは特に効果的である。
【0031】
(8)本発明の焼灼用針装置において、前記中空針に形成されたスリットのピッチが先端方向に向かって連続的または断続的に狭くなっていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の焼灼用針装置。
【0032】
このような焼灼用針装置によれば、中空針の剛性を、先端方向に向かって連続的または断続的に低下させることができ、これにより、当該中空針を目的部位へ導入する際の操作性に特に優れた針装置とすることができる。
【0033】
(9)本発明の焼灼用針装置において、少なくとも前記先端部における前記スリットの形成領域において、前記中空針の内表面に防水シール被膜が形成されることにより前記防水処理が施されていることが好ましい。
【0034】
このような焼灼用針装置によれば、外表面が露出する(樹脂被覆されていない)先端部におけるスリットの形成領域の内周面を確実に防水処理することができるので、中空針の内部の液密性を確保することができる。
【0035】
(10)上記(9)の焼灼用針装置において、前記防水シール被膜は、前記中空針の内部に挿入された状態の熱拡張性樹脂チューブを加熱して拡径させることにより形成されたものであることが好ましい。
【0036】
(11)本発明の焼灼用針装置は、前記中空針を経静脈的に副腎に導入して副腎腫瘍の焼灼治療を行うために好適に使用することができる。
【0037】
(12)本発明の高周波焼灼治療システムは、本発明の焼灼用針装置と、
前記通電用コネクタに接続された高周波電源装置と、
前記高周波電源装置に接続された対極板と、
前記中空針の前記先端部を目的部位近傍に案内するためのガイディングカテーテルと、 前記焼灼用針装置の前記電極を冷却するために、前記ハブの前記注入ポートに冷却用液体を注入する冷却用液体の供給ポンプと、前記電極を冷却して前記中空針の内部から前記ハブの内部に戻ってきた液体を前記排出ポートから回収して再冷却する回収容器とを備えた冷却用液体循環機構と
を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明の焼灼用針装置によれば、中空針の先端部によって構成される電極の長さを長く設定しても、当該電極を含む中空針を柔軟なものとすることができる。
また、焼灼時において、冷却用液体を灌注する場合に生じる上述のリスクを中空針内部の液密性を確保してインナークーリングすることにより完全に回避しながら、当該電極を十分に冷却することができる。
更に、電極の長さを長く設定しても、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない効率的な冷却を行うことができる。
本発明の高周波焼灼治療システムによれば、腫瘍の高周波焼灼治療を確実に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<焼灼用針装置>
この実施形態の焼灼用針装置100は、経静脈的に副腎に注射針(中空針)を導入して副腎腫瘍の高周波焼灼治療を行うための焼灼用針装置であって、樹脂16によって外表面が絶縁被覆された基端部12と、外表面が露出していることで電極を構成する先端部11とからなる金属製の中空針10と、中空針10の基端側に装着され、液体の流通ポート21(液体の注入ポートと液体の排出ポートを併有する1つのポート)と、通電用コネクタの接続ポート23と、ガイドワイヤポート25とを有するハブ(分岐ハブ)20と、電極に高周波電流を通電するために、中空針10に電気的に接続されている通電用コネクタ30と、電極の周囲にある組織の温度を測定するために通電用コネクタの接続ポート23からハブ20の内部に挿入され、ハブ20の内部および中空針10の内部に延在している熱電対40と、ハブ20の内部および中空針10の内部に延在して、その先端511が中空針10の先端部11の内部に位置し、流通ポート21からハブ20の内部に注入した冷却用液体をその先端開口から吐出する第1冷却用液体導入管51と、第1冷却用液体導入管51とともにハブ20の内部および中空針10の内部に延在して、その先端521が中空針10の先端部11の内部に位置し、流通ポート21からハブ20の内部に注入した冷却用液体をその先端開口から吐出する第2冷却用液体導入管52と、中空針10の内部に延在してガイドワイヤルーメンを形成するルーメンチューブ60とを備えてなり、中空針10の基端部12の先端領域12Aおよびそれに続く先端部11に螺旋状のスリット14が形成されることにより中空針10に可撓性が付与されており、中空針10の内表面に防水シール被膜18が形成されているとともに樹脂製の先端チップ15によって中空針10の先端が閉塞されることにより、中空針10の内部の液密性が確保され、熱電対40の測温接点(温度センサ)45が先端チップ15に埋設され、ルーメンチューブ60の先端部分は先端チップ15を貫通して開口を形成しており、第1冷却用液体導入管51の先端開口位置と、第2冷却用液体導入管52の先端開口位置とが中空針10の先後方向に互いにずれている。
【0041】
図1〜
図3、
図9〜
図11において、71〜74は、それぞれ、ハブ20のポート21,23,25から延出されている延長チューブであり、76、77、79は、それぞれ、延長チューブ71、72、74の基端に装着されたコネクタである。
【0042】
この実施形態の焼灼用針装置100は、中空針(注射針)10と、ハブ20と、通電用コネクタ30と、熱電対40と、第1冷却用液体導入管51と、第2冷却用液体導入管52と、ルーメンチューブ60とを備えている。
【0043】
焼灼用針装置100を構成する中空針10は、被覆樹脂16によって外表面が絶縁被覆された基端部12と、外表面が露出していることで電極を構成する先端部11とからなる金属製の中空針である。
【0044】
中空針10を構成する金属材料としては、ステンレススチール、NiTi、βチタン、プラチナイリジウムなどを挙げることができる。
【0045】
中空針10(先端部11および基端部12)の外径は、例えば0.55〜3.0mmとされ、好ましくは0.7〜2.0mmとされる。
中空針10(先端部11および基端部12)の内径は、例えば0.25〜2.8mmとされ、好ましくは0.6〜1.9mmとされる。
中空針10の長さは、例えば200〜2200mmとされ、好ましくは600〜1000mmとされる。
【0046】
中空針10の基端部12の外表面は被覆樹脂16によって絶縁被覆されており、これにより、基端部12と対極板との間で高周波電流が流れることはない。
【0047】
被覆樹脂16の膜厚としては、例えば10〜100μmとされ、好ましくは20〜40μmとされる。
被覆樹脂16は、基端部12を内部に挿入した状態の熱収縮性樹脂チューブを加熱して縮径させることにより形成されている。
【0048】
被覆樹脂16を形成するための熱収縮性樹脂チューブとしては、例えばポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂(PEBAX(登録商標))を挙げることができる。
【0049】
中空針10の先端部11の外表面は樹脂被覆されることなく露出している。
これにより、先端部11と対極板との間で高周波電流が流れることになり、先端部11が電極として機能する。
【0050】
中空針10の先端部11の長さ(
図4に示すL11)としては6mm以上であることが好ましく、より好ましくは6〜30mm、更に好ましくは8〜30mm、好適な一例を示せば20mmである。
先端部11の長さが6mm以上であることにより、高周波電流による発熱領域(焼灼巣のサイズ)を大きくすることができ、副腎の全体を焼灼するような治療方法を行う場合であっても十分な治療効果を発揮することができる。
【0051】
中空針10には、基端部12の先端領域12A、およびそれに続く先端部11に螺旋状のスリット14が形成されている。
【0052】
中空針10の基端部12の先端領域12Aだけでなく、電極を構成する先端部11にも螺旋状のスリット14が形成されていることにより、電極(先端部11)の長さを長くしたとしても、当該電極を含む中空針10は、可撓性(柔軟性)に優れたものとなり、副腎に至る血管形状に容易に追従させることができる。
【0053】
基端部12におけるスリット14の形成領域である先端領域12Aの長さは、例えば50〜800mmとされ、好ましくは100〜600mmとされる。
先端部11におけるスリット14は、電極を含む中空針10の可撓性(柔軟性)が確保できるのであれば、先端部11の全長にわたり形成されている必要はない。この実施形態においては、先端チップ15の装着部分を含む、先端から少なくとも3〜8mm程度の領域にはスリット14は形成されていない。
【0054】
スリット14を形成する方法としては特に限定されるものではなく、レーザ加工、放電加工、化学エッチング、切削加工などを採用することができる。
スリット14の幅としては、例えば0.01〜0.1mmとされ、好ましくは0.02〜0.04mmとされる。
【0055】
中空針10に形成されている螺旋状のスリット14は金属管の外周面から内周面に至る貫通スリットである。なお、本発明において中空針に形成されるスリットは、内周面に至らないような非貫通スリットであってもよい。
【0056】
中空針10(先端部11および基端部12)のスリット14の形成領域において、当該スリット14のピッチは、先端方向に向かって連続的に狭くなるように形成されている。これにより、中空針10の剛性を先端方向に向かって連続的(滑らか)に低下させることができ、これにより、中空針10を副腎へ導入する際の操作性に特に優れた針装置とすることができる。なお、本発明において、中空針に形成されるスリットはすべて同じピッチであってもよい。
【0057】
図6に示すように、中空針10の内周面には、その全長にわたり防水シール被膜18が形成されており、このようにして防水処理がなされることにより、中空針10の内部の冷却用液体が先端部11に形成されているスリット14から漏れ出すことはない。
【0058】
防水シール被膜18の膜厚としては、例えば5〜100μmとされ、好ましくは20〜60μmとされる。
防水シール被膜18は、中空針10の内部に挿入された状態の熱拡張性樹脂チューブを加熱して拡径させることにより形成されている。
【0059】
防水シール被膜18を形成するための熱拡張性樹脂チューブとしては、熱拡張性を発揮できるものであれば特に限定されないが、例えばポリウレタン樹脂、FEP樹脂などからなるチューブを挙げることができる。
【0060】
なお、この実施形態では中空針10の全長にわたる内周面に防水シール被膜18が形成されているが、中空針10の基端部12における防水性(スリット14からの冷却用液体の漏出防止効果)は被覆樹脂16によって確保されているので、防水シール被膜18は、中空針10の先端部11におけるスリット14の形成領域の内周面のみに形成されていてもよい。
【0061】
図4、
図5、
図7および
図8に示すように、中空針10(先端部11)の先端は、樹脂製の先端チップ15によって閉塞されており、これにより、中空針10の先端から冷却用液体が漏れ出すことはない。
【0062】
先端チップ15を構成する樹脂としては、例えばPEEK樹脂、ナイロン、ポリカーボネートなどを例示することができる。
【0063】
図1〜
図3、
図9〜
図11に示すように、中空針10の基端側に装着されて焼灼用針装置100を構成するハブ20は、液体の流通ポート21と、通電用コネクタの接続ポート23と、ガイドワイヤポート25とを有する分岐ハブである。
【0064】
液体の流通ポート21は、冷却用液体をハブ20の内部に注入して中空針10の内部に供給するための「液体の注入ポート」と、電極の冷却後に中空針10の内部からハブ20の内部に戻ってきた液体をハブ20から排出するための「液体の排出ポート」とを併有している。
【0065】
図2、
図3、
図9および
図11に示すように、流通ポート21からは、第1延長チューブ71が延出している。
図10および
図11に示すように、ハブ20の内部に位置する第1延長チューブ71の先端開口には、後述する第1冷却用液体導入管51の基端部および第2冷却用液体導入管52の基端部が挿入されている。
第1延長チューブ71の基端にはコネクタ76(液体の注入用コネクタ)が装着されており、第1延長チューブ71は、このコネクタ76によって、冷却用液体循環機構を構成する冷却用液体の供給ポンプに連結される(これにより、流通ポート21は、液体の注入ポートを有することになる)。
【0066】
ここに、第1延長チューブ71を流通して液体の流通ポート21から注入される冷却用液体としては、飽和食塩水など高濃度の食塩水を挙げることができる。注入される冷却用液体(飽和食塩水)の温度としては−8〜−1℃程度である。
【0067】
図1、
図3および
図11に示すように、流通ポート21からは、第1延長チューブ71とともに第2延長チューブ72が延出している。
第2延長チューブ72は、その先端がハブ20の内部おいて開口することにより、中空針10の内部と連通している。
第2延長チューブ72の基端にはコネクタ77(液体の排出用コネクタ)が装着されており、第2延長チューブ72は、このコネクタ77によって、冷却用液体循環機構を構成する液体の回収容器に連結される(これにより、流通ポート21は、液体の排出ポートを有することになる)。
【0068】
通電用コネクタの接続ポート23は、通電用コネクタ30のリードおよび熱電対40をハブ20の内部に挿入するためのポートである。
図1〜
図3、
図9および
図11に示すように、接続ポート23からは、第3延長チューブ73が延出している。通電用コネクタ30のリードおよび熱電対40は、第3延長チューブ73の内部を延在して接続ポート23に案内され、ハブ20の内部に挿入される。
【0069】
図2、
図9および
図11に示すように、ガイドワイヤポート25からは、第4延長チューブ74が延出している。
図11に示すように、ハブ20の内部に位置する第4延長チューブ74の先端開口には、ガイドワイヤルーメンを形成するルーメンチューブ60の基端部が挿入されている。
第4延長チューブ74の基端には、ガイドワイヤを挿入するためのコネクタ79が装着されている。
【0070】
焼灼用針装置100を構成する通電用コネクタ30は、これを高周波電源装置に接続して中空針10の先端部11により構成される電極に高周波電流を通電するためのコネクタである。
通電用コネクタ30のリード(図示省略)は、第3延長チューブ73の内部を延在して接続ポート23からハブ20の内部に挿入される。通電用コネクタ30のリードの先端は、例えば、中空針10の基端部の内周面(防水シール被膜18を剥離して露出した金属面)に溶接により固定されており、これにより、通電用コネクタ30と中空針10とが電気的に接続される。
【0071】
通電用コネクタ30は、熱電対用コネクタを兼用している。焼灼用針装置100を構成する熱電対40は、電極の周囲にある組織の温度を測定するために使用される。
【0072】
通電用コネクタ30(熱電対用コネクタ)に接続されている熱電対40は、第3延長チューブ73の内部を延在し、
図10および
図11に示すように、接続ポート23からハブ20の内部に挿入されてハブ20の内部に延在するとともに、
図6〜
図8に示すように、中空針10の内部に延在する。
【0073】
熱電対40の測温接点(温度センサ)45は、中空針10の先端を閉塞している樹脂製の先端チップ15に埋設されている。
熱電対40の測温接点45が、熱伝導率の低い樹脂製の先端チップ15に埋設されていることにより、熱伝導の高い電極(中空針10の先端部11)の加熱・冷却に伴う温度変化の影響を受けにくくなり、電極の周囲にある組織の温度を正確に測定することができる。
【0074】
この実施形態の焼灼用針装置100には、中空針10の内部における冷却用液体の流路を確保するために、先端開口位置の異なる2本の冷却用液体導入管51および52が設けられている。
【0075】
図6、
図7、
図10および
図11に示すように、焼灼用針装置100を構成する第1冷却用液体導入管51は、ハブ20の内部および中空針10の内部に延在している。
図7に示すように、第1冷却用液体導入管51の先端511は、中空針10の先端部11の先端近傍の内部に位置している。
【0076】
図6、
図8、
図10および
図11に示すように、焼灼用針装置100を構成する第2冷却用液体導入管52は、第1冷却用液体導入管51と並行して、ハブ20の内部および中空針10の内部に延在している。
図8に示すように、第2冷却用液体導入管52の先端521は、中空針10の先端部11の略中間(第1冷却用液体導入管51の先端511より基端側)の内部に位置している。
【0077】
図10および
図11に示すように、第1冷却用液体導入管51の基端部および第2冷却用液体導入管52の基端部は、冷却用液体の供給ポンプに連結される第1延長チューブ71の先端開口に挿入されている。
第1冷却用液体導入管51のルーメンおよび第2冷却用液体導入管52のルーメンに、第1延長チューブ71を通して冷却用液体を供給する(流通ポート21から冷却用液体を注入する)ことにより、当該冷却用液体は、先端部11の先端近傍に位置する第1冷却用液体導入管51の先端開口から吐出されるとともに、先端部11の略中間に位置する第2冷却用液体導入管52の先端開口から吐出される。
【0078】
第1冷却用液体導入管51の先端開口から吐出された冷却用液体は、主に、電極を構成する先端部11の先端部分を冷却することができ、第2冷却用液体導入管52の先端開口から吐出された冷却用液体は、主に、先端部11の後端部分を冷却することができる。
【0079】
このように、第1冷却用液体導入管51の先端開口位置と、第2冷却用液体導入管52の先端開口位置とが互いにずれている(電極内部における冷却用液体の吐出位置が異なる)ことにより、中空針10の先端部11により構成される電極の長さが長くても、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない冷却を行うことができる。
【0080】
また、
図6に示したようなルーメンチューブ60が延在している中空針10の内部に、2本の冷却用液体導入管51および52を延在させることにより、これら導入管の合計断面積を、1本の冷却用液体導入管を延在させる場合の当該導入管の断面積よりも広くすることができる。
【0081】
第1冷却用液体導入管51の先端開口および第2冷却用液体導入管52の先端開口から吐出された冷却用液体は、中空針10の先端部11により構成される電極を内側から冷却(インナークーリング)した後、中空針10の内部からハブ20の内部に戻り、第2延長チューブ72の内部を基端方向に流通することにより、流通ポート21から排出されて液体の回収容器に回収される。
【0082】
図6〜
図8に示すように、焼灼用針装置100を構成するルーメンチューブ60は、中空針10の内部に延在してガイドワイヤルーメンを形成している。
ルーメンチューブ60の先端部分は樹脂製の先端チップ15を貫通し、当該先端チップ15の先端にガイドワイヤポートとなる開口を形成している。なお、このことによっても中空針10の内部の液密性は確保されている。
【0083】
ルーメンチューブ60によって形成されるガイドワイヤルーメンにガイドワイヤを挿通して焼灼用針装置100を導入することにより、電極(中空針10の先端部11)を目的部位に迅速かつ確実に到達させることができる。
【0084】
この実施形態の焼灼用針装置100によれば、後述する高周波焼灼治療システムに搭載されることにより、副腎腫瘍の高周波焼灼治療を行うことができる。また、経静脈的な焼灼治療であるので、背中から高周波針を穿刺する従来の手技では困難であった左副腎の腫瘍に対しても比較的容易に高周波焼灼治療を施すことができる。
【0085】
また、中空針10の基端部12だけでなく、電極を構成する中空針10の先端部11にも螺旋状のスリット14が形成されていることにより、電極の長さを長くしても当該電極を含む中空針10を柔軟なものとすることができるので、この中空針10を、副腎に至る血管形状に追従させることができ、血管壁を傷つけることなく、副腎の腫瘍部位に電極を到達させることができる。また、電極の長さを長くすることによって、焼灼巣のサイズを大きくすることができ、これにより、副腎の全体を焼灼するような手技であっても効率的に行うことができる。
【0086】
また、中空針10の内表面に防水シール被膜18が形成されているとともに先端チップ15によって先端が閉塞されることによって中空針10の内部の液密性が確保された状態で、第1冷却用液体導入管51の先端開口と、第2冷却用液体導入管52の先端開口とから冷却用液体を吐出させることにより、冷却用液体を灌注する場合に生じるリスクを内部の液密性を確保してインナークーリングすることにより回避しながら、当該電極を十分に冷却することができる。
【0087】
また、中空針10の内部において、第1冷却用液体導入管51の先端開口位置が先端部11の先端近傍に位置し、第2冷却用液体導入管52の先端開口位置が先端部11の略中間に位置することにより、電極の長さを長くしても、当該電極の長さ方向にバラツキの少ない冷却を行うことができる。
【0088】
また、中空針10の先端を閉塞する先端チップが樹脂製であり、この先端チップ15に熱電対40の測温接点が埋設されていることにより、熱伝導の高い電極(中空針10の先端部11)の温度変化の影響を受けにくくなり、電極周囲にある組織の温度を正確に測定することができる。
【0089】
以上、本発明の焼灼用針装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、本発明の焼灼用針装置を構成するハブは、冷却用液体を注入して中空針の内部に供給するための注入ポートと、電極を冷却して中空針の内部から戻ってきた液体を排出するための排出ポートとを別々に有するものであってもよい。
【0090】
また、本発明の焼灼用針装置を構成する冷却用液体導入管(冷却用液体導入管)の数は2本に限定されるものではなく、3本以上であってもよい。
【0091】
また、本発明の焼灼用針装置は、副腎腫瘍以外の腫瘍(例えば、肝臓がん)を焼灼治療するために使用することもできる。
【0092】
<高周波焼灼治療システム>
図12に示す実施形態の高周波焼灼治療システム600は、上述した焼灼用針装置100と、この焼灼用針装置100の通電用コネクタ30に接続された高周波電源装置130と、この高周波電源装置130に接続された対極板150と、焼灼用針装置100の電極を患者Pの副腎AGに案内するためのガイディングカテーテル160と、焼灼用針装置100の電極を冷却するために、第1延長チューブ71を通してハブ20の流通ポート(注入ポート)に冷却用液体を注入する冷却用液体の供給ポンプ121と、電極を冷却して中空針10の内部からハブ20の内部に戻ってきた液体を、流通ポート(排出ポート)から第2延長チューブ72を通して回収し、再冷却する回収容器122とを備えた冷却用液体循環機構120とを備えてなる。同図において、170はガイドワイヤである。
【0093】
図12に示すように、焼灼用針装置100の通電用コネクタ30は、高周波電源装置130の針装置接続コネクタ131と接続されている。また、高周波電源装置130の対極板接続コネクタ132は、対極板150と接続されている。
これにより、焼灼用針装置100の中空針10の先端部(電極)と、対極板150との間に高周波電流を流す(副腎腫瘍の高周波焼灼治療を施す)ことが可能になる。
【0094】
焼灼用針装置100を構成するハブ20の有する流通ポート(注入ポート)から延出している第1延長チューブ71は、冷却用液体循環機構120を構成する供給ポンプ121に接続されている。
これにより、高周波焼灼治療を施している際に、供給ポンプ121からの冷却用液体を流通ポート(注入ポート)からハブ20の内部に注入して中空針10の内部に供給することができ、中空針10の先端部からなる電極を内部から冷却(インナークーリング)することができる。
【0095】
また、焼灼用針装置100のハブ20に設けられた流通ポート(排出ポート)から延出している第2延長チューブ72は、冷却用液体循環機構120を構成する回収容器122に接続されている。
これにより、電極を冷却して中空針10の内部からハブ20の内部に戻ってきた液体を流通ポート(排出ポート)からハブ20の外部に排出し、第2延長チューブ72を通して回収容器122に回収することができる。
【0096】
回収容器122に回収された液体は当該回収容器122において(再)冷却された後、供給ポンプ121によってハブ20の内部に注入される。
【0097】
高周波焼灼治療システム600を構成するガイディングカテーテル160は、焼灼用針装置100の中空針10の先端部を患者Pの副腎AGに案内するために、その先端が副腎(近傍)に位置するよう先行して挿入される。
【0098】
図12において模式的に示したガイディングカテーテル160は、副腎に至る血管形状の相違により、右副腎用と左副腎用とでそれぞれの形状が異なる。
【0099】
図13Aは、右副腎用のガイディングカテーテル160Rの先端部分の形状を示している。他方、
図13Bは、左副腎用のガイディングカテーテル160Lの先端部分の形状を示している。
なお、
図13Aおよび
図13Bに示すガイディングカテーテル160Rおよび160Lは、何れも複数の湾曲部を有している。
【0100】
図13Aに示す右副腎用のガイディングカテーテル160Rは、
図14Aに示すように、下大静脈IVCおよび右副腎静脈を経由して、その先端が右副腎RAG(近傍)に位置するように挿入される。また、
図13Bに示す左副腎用のガイディングカテーテル160Lは、
図14Bに示すように、下大静脈IVC、左腎静脈LRVおよび左副腎静脈を経由して、その先端が左副腎LAG(近傍)に位置するように挿入される。
なお、
図14Aおよび
図14Bにおいて、RKは右腎、LKは左腎である。
【0101】
ガイディングカテーテル160(160R,160L)の外径は、例えば1.0〜4.0mmとされ、好ましくは1.5〜2.7mmとされる。
ガイディングカテーテル160の内径は、例えば0.6〜3.1mmとされ、好ましくは0.75〜2.1mmとされる。
ガイディングカテーテル160の長さは、例えば350〜2100mmとされ、好ましくは550〜950mmとされる。
【0102】
なお、ガイディングカテーテル160(160R,160L)として、副腎静脈からの血液採取(副腎静脈採血)するために使用したカテーテルを使用することができる。
【0103】
この実施形態の高周波焼灼治療システム600によれば、焼灼用針装置100の中空針10の先端部と、対極板150との間に高周波電流を流すことにより副腎腫瘍の高周波焼灼治療(低侵襲である経静脈的な焼灼治療)を行うことができる。
また、高周波焼灼治療を行っている際に、冷却用液体循環機構120の供給ポンプ121からの冷却用液体を、焼灼用針装置100の中空針10の先端部において第1冷却用液体導入管および第2冷却用液体導入管の先端開口から吐出させることにより、中空針10の先端部からなる電極を内部から冷却(インナークーリング)することができる。
【0104】
以上、本発明の高周波焼灼治療システムの一実施形態である副腎腫瘍の高周波焼灼治療システムについて説明したが、本発明の高周波焼灼治療システムは、副腎腫瘍以外の腫瘍(例えば、肝臓がん)を焼灼治療するために使用することもできる。