特許第6765164号(P6765164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6765164歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6765164
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20200928BHJP
   A46D 1/00 20060101ALI20200928BHJP
   A46B 11/00 20060101ALI20200928BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
   A01K13/00 E
   A46D1/00
   A46B11/00
   A46B15/00 Z
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-148801(P2019-148801)
(22)【出願日】2019年8月14日
【審査請求日】2020年2月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320002061
【氏名又は名称】多葉 宣宏
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】多葉 宣宏
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−142069(JP,U)
【文献】 特開2012−231968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A46B 1/00 − 17/08
A61Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部にブラシ部を設けた歯ブラシであって、
前記ブラシ部は、天然毛の毛束を有するとともに、前記天然毛は、動物毛とし、更に、前記動物毛は、馬毛および/または山羊毛とし、
前記ブラシ部は、内側に前記馬毛および前記山羊毛の毛束のうちいずれか一方を設けるとともに、外側に前記馬毛および前記山羊毛の毛束のうちいずれか他方を設けることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
ヘッド部にブラシ部を設けた歯ブラシであって、
前記ブラシ部は、天然毛の毛束を有するとともに、前記天然毛は、動物毛とし、更に、前記動物毛は、馬毛および/または山羊毛とし、
前記ブラシ部は、内側に前記馬毛の毛束を設けるとともに、外側に前記山羊毛の毛束を設けることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ部は、前記毛束の高さを5mm乃至7mmとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記ヘッド部は、前記長手方向に沿った長さ寸法を10mm乃至20mmとし、前記長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を5mm乃至15mmとすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記ブラシ部は、予め歯磨き粉が練り込まれ、前記歯磨き粉は、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記動物の角は、鹿の角とすることを特徴とする請求項5に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
動物の歯磨きに用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記動物は、犬とすることを特徴とする請求項7に記載の歯ブラシ。
【請求項9】
前記犬は、小型犬とすることを特徴とする請求項8に記載の歯ブラシ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の歯ブラシと、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉と、を有することを特徴とする歯磨きセット。
【請求項11】
前記動物の角は、鹿の角とすることを特徴とする請求項10に記載の歯磨きセット。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の歯ブラシを用いて粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉により歯磨きを行うことを特徴とする歯磨き方法。
【請求項13】
前記動物の角は、鹿の角とすることを特徴とする請求項12に記載の歯磨き方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法に関し、特にヘッド部に天然毛を設けた歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から歯ブラシが用いられており、この歯ブラシのブラシ部には、特許文献1に開示されるように、例えばナイロン等の人工毛の毛束が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−217438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ブラシ部をナイロン等の人工毛とすると歯茎に与える触感に違和感を覚えることがあり、特に犬等の動物ではその傾向が顕著となる。このため、天然毛を設けた歯ブラシの開発が望まれていた。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、天然毛を設けた歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る歯ブラシは、ヘッド部にブラシ部を設けた歯ブラシであって、前記ブラシ部は、天然毛の毛束を有することを特徴とする歯ブラシ。
【0007】
本発明によれば、前記ブラシ部は、天然毛の毛束を有することとしたので、天然毛を設けた歯ブラシを提供することができる。
【0008】
前記天然毛は、動物毛とすることとすれば、歯茎に与える触感の違和感を少なくすることができる。
【0009】
前記動物毛は、馬毛および/または山羊毛とすることとすれば、歯茎に与える触感の違和感を更に少なくすることができる。
【0010】
前記ブラシ部は、内側に前記馬毛および前記山羊毛の毛束のうちいずれか一方を設けるとともに、外側に前記馬毛および前記山羊毛の毛束のうちいずれか他方を設けることができる。すなわち、山羊毛は馬毛よりも柔らかく歯茎に与える触感が馬毛よりも優れ、馬毛は山羊毛よりも歯磨きの際の耐久性に優れるため、歯茎に与える触感の違和感を少なくすることができ、更に歯磨きの際の耐久性も向上させることができる。
【0011】
前記ブラシ部は、内側に前記馬毛の毛束を設けるとともに、外側に前記山羊毛の毛束を設けることとすれば、外側に設けられる山羊毛の毛束により歯茎に与える触感の違和感を少なくしながら、馬毛の毛束により内側から山羊毛の毛束を補強することができる。
【0012】
第1の歯ブラシ乃至第3の歯ブラシを有し、前記第1の歯ブラシは、前記ブラシ部に設けられる全ての毛束を山羊毛の毛束とし、前記第2の歯ブラシは、前記ブラシ部の内側に前記馬毛の毛束を設けるとともに、前記内側の毛束を取り囲むように外側に前記山羊毛の毛束を設け、前記第3の歯ブラシは、前記ブラシ部に設けられる全ての毛束を馬毛の毛束とすることとすれば、ブラシ部を馬毛および/または山羊毛とした歯ブラシを状況に応じて使い分けることができる。
【0013】
前記ブラシ部は、前記毛束の高さを5mm乃至7mmとすることとすれば、小型化したブラシ部を提供することができる。
【0014】
前記ヘッド部は、前記長手方向に沿った長さ寸法を10mm乃至20mmとし、前記長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を5mm乃至15mmとすることとすれば、小型化したヘッド部を提供することができる。
【0015】
前記ブラシ部は、予め歯磨き粉が練り込まれ、前記歯磨き粉は、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むこととすれば、歯ブラシに歯磨き粉を付ける動作を省略することができるとともに、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むこととしたので、歯磨き粉が与える違和感を少なくすることができる。
【0016】
前記動物の角は、鹿の角とすることとすれば、違和感を更に少なくすることができる。
【0017】
前記歯ブラシは、動物の歯磨きに用いることとし、前記動物は、犬とすることができる。
【0018】
前記犬は、小型犬とすることできる。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明に係る歯磨きセットは、上記歯ブラシと、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉と、を有することを特徴とする。
【0020】
前記動物の角は、鹿の角とすることができる。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明に係る歯磨き方法は、上記歯ブラシを用いて粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉により歯磨きを行うことを特徴とする。
【0022】
前記動物の角は、鹿の角とすることができる。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明に係る歯磨き方法は、請求項6に記載の歯ブラシを用いて歯磨きを行う歯磨き方法であって、前記第1の歯ブラシにより歯磨きを行った後、前記第2の歯ブラシにより歯磨きを行い、更に前記第2の歯ブラシにより歯磨きを行った後に前記第3の歯ブラシにより歯磨きを行うことを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、前記第1の歯ブラシにより歯磨きを行った後、前記第2の歯ブラシにより歯磨きを行い、更に前記第2の歯ブラシにより歯磨きを行った後に前記第3の歯ブラシにより歯磨きを行うこととしたので、歯茎に与える触感と耐久性の向上のバランスの取れた歯ブラシの使用方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、天然毛を設けた歯ブラシ、歯磨き方法、および歯磨きセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る歯ブラシの構成を示す図で、(a)は側面図、(b)はAA断面図、(c)はBB断面図である。
図2】同歯ブラシの平面図である。
図3】同歯ブラシの分解側面図である。
図4】同歯ブラシのヘッド部を拡大して示す平面図である。
図5】同歯ブラシのヘッド部を拡大して示す側面断面図である。
図6】同歯ブラシのヘッド部に予め歯磨き粉を練り込んだ状態を示す側面図である。
図7】本発明の歯磨きセットを示す図である。
図8】本発明の歯ブラシの変形例を示す図で、(a)は第1の歯ブラシの構成を示す側面図、(b)は第2の歯ブラシの構成を示す側面図、(c)は第3の歯ブラシの構成を示す側面図である。
図9】本発明の歯磨きセットの変形例を示す図で、(a)は第1の歯ブラシの構成を示す側面図、(b)は第2の歯ブラシの構成を示す側面図、(c)は第3の歯ブラシの構成を示す側面図、(d)は歯磨き粉を示す図である。
図10】本発明の変形例において歯ブラシのヘッド部に予め歯磨き粉を練り込んだ状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る歯ブラシの構成を示す側面図、図2は、同歯ブラシの平面図、図3は、同歯ブラシの分解側面図、図4は、同歯ブラシのヘッド部を拡大して示す平面図、図5は、同歯ブラシのヘッド部を拡大して示す側面断面図である。なお、以下の説明においては、各方向は図中に示された方向を基準とする。
【0028】
図1乃至図5を参照して本発明の実施形態に係る歯ブラシ1の概要を説明すると、歯ブラシ1は、長手方向に延びる歯ブラシ本体10とブラシ部20を有しており、歯ブラシ本体10は、グリップ部11、ネック部12、およびヘッド部13を有している。歯ブラシ本体10は、バイオマス素材を用いて形成されている。バイオマス素材は、天然由来の素材であり、例えば木等の植物を用いて形成されたバイオマス素材やバイオマスプラスチック、バイオマス樹脂等を含む。
【0029】
グリップ部11は、使用者が指で歯ブラシ1を掴む際にペングリップを可能とする構成としており、略板状となっている。
【0030】
グリップ部11は、平面視が長手方向に沿って長尺な略矩形状としており、より詳しくは、平面視が長手方向に沿ってグリップ部11の一端部11aから他端部11bに向かって幅寸法を漸次減少するテーパ状となっている。
【0031】
また、グリップ部11は、長手方向と水平方向において直交する方向の断面形状を前記直交する方向に若干長尺な矩形状となっている。
【0032】
ネック部12は、グリップ部11の長手方向の他端部11bと連続して繋がるように形成されている。ネック部12は、平面視が長手方向に沿ってネック部12の一端部12aから他端部12bに向かって幅寸法を漸次減少するテーパ状となっており、ネック部12のテーパ角度は、グリップ部11のテーパ角度よりも大きく設定さている。ネック部12は、長手方向と水平方向において直交する方向の断面形状を矩形状としている。
【0033】
ネック部12とグリップ部11の境界の上面側には、上方に突出する突出部15が設けられている。突出部15は、側面視の形状が三角形としている。この突出部15をネック部12とグリップ部11の境界に設けることにより、使用者が指で歯ブラシ1を掴み易くすることができる。
【0034】
ヘッド部13は、ネック部12の長手方向の他端部12bと連続して繋がるように形成されている。ヘッド部13は、長手方向に沿った長さ寸法を10mm乃至20mmとし、長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を5mm乃至15mmとしている(より詳しくは、ヘッド部13は、長手方向に沿った長さ寸法を15mmとし、長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を8mmとすることが好ましい)。ヘッド部13には、ブラシ部20が設けられており、ヘッド部13の上面13aには、ブラシ部20の毛束20´を植毛するための凹部13bが設けられている。ブラシ部20は、歯磨きの際に歯磨き粉を付ける部分となる。ブラシ部20は、毛束20´の高さを5mm乃至7mmとすることができる(より詳しくは、ブラシ部20は、毛束20´の高さを6mmとすることが好ましい)。
【0035】
すなわち、ブラシ部20は、天然毛の毛束20´をヘッド部13の凹部13bに植毛して設けている。天然毛は、動物毛とすることができ、動物毛は、馬毛および/または山羊毛とすることができる。ブラシ部20は、内側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか一方を植毛して設けるとともに、内側の毛束20´を取り囲むように外側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか他方を植毛して設けることができる。
【0036】
より詳しくは、本実施形態にあっては、ブラシ部20は、内側に馬毛の毛束20´(20a´)を植毛して設けるとともに、内側の毛束20´(20a´)を取り囲むように外側に山羊毛の毛束20´(20b´)を植毛して設けることとしている。
【0037】
以上のように構成された本実施形態の歯ブラシ1は、動物の歯磨きに用いることができ、動物は、犬とすることができる。犬は、小型犬とすることができる。更に、犬は、プードル、シーズー、ペキニーズ、およびミニチュアダックスの少なくともいずれかとすることができる。
【0038】
本実施形態の歯ブラシ1のブラシ部20は、図6に示すように、予め歯磨き粉30が練り込まれ、歯磨き粉30は、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むことができる。このような構成とすることで、歯ブラシ1に歯磨き粉30を付ける動作を省略することができるとともに、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むことにより、動物より詳しくは犬に対し歯磨き粉が与える違和感を少なくすることができる。動物の角は、鹿の角とすることとすれば、動物より詳しくは犬の違和感を更に少なくすることができる。
【0039】
なお、図7に示すように、本実施形態の歯ブラシ1と、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉30とを歯磨きセット40として用いることとしてもよい。かかる場合にあっても、動物の角は、鹿の角とすることができる。
【0040】
図6および図7の如く構成された歯ブラシ1または歯磨きセット40により、歯ブラシ1を用いて粉状または粒状とした動物の骨および/または角(動物の角は、より詳しくは鹿の角)を含む歯磨き粉により歯磨きを行う歯磨き方法を採ることができる。
【0041】
[実施例1]
本実施形態の歯ブラシ1のブラシ部20の毛束20´の高さを5mm乃至7mmとした。また、ヘッド部13の長手方向に沿った長さ寸法を10mm乃至20mm、長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を5mm乃至15mmとし、ブラシ部20の毛束20´の全てをナイロン製の毛束20´(実施例A)、ブラシ部20の毛束20´の全てを馬毛の毛束20´(実施例B)、ブラシ部20の毛束20´の全てを山羊の毛束20´(実施例C)、ブラシ部20の内側を山羊毛の毛束20´とし外側を馬毛の毛束20´(実施例D)、ブラシ部20の内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´(実施例E)として、犬より詳しくはプードル、シーズー、ペキニーズ、ミニチュアダックスの各犬種の歯磨きに使用し違和感の有無について観察した。
【0042】
その結果、各犬種とも、ブラシ部20をスムーズに口に挿入することができ、上記ブラシ部20の寸法が適切な寸法であるとの結果が得られた。
【0043】
また、使用感については、表1に示すように、各犬種について、ブラシ部20を、実施例Cの山羊毛の毛束20´とした歯ブラシ1が最も歯茎に与える触感の違和感が少なく、以下、実施例Eの内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´としたブラシ部20、実施例Dの内側を山羊毛の毛束20´とし外側を馬毛の毛束20´としたブラシ部20、実施例Bの馬毛の毛束20´としたブラシ部20、実施例Aのナイロン製の毛束20´としたブラシ部20の順で歯茎に与える違和感が少ないという観察結果が得られた。
【0044】
すなわち、ブラシ部20の毛束20´を天然毛とした場合(実施例B〜E)は、人工毛(実施例Aのナイロン製の毛束20´)とした場合に対し、各犬種について、いずれも違和感が少ないという良好な観察結果が得られた。
【0045】
また、天然毛のブラシ部20においては、各犬種について、実施例Cの山羊毛の毛束20´のブラシ部20が最も違和感が少ないという観察結果が得られたが、耐久性の面では、実施例Bの馬毛の毛束20´のブラシ部20が最も良好な結果が得られた。
【0046】
更に、実施例Eの内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´としたブラシ部20の場合は、各犬種について、実施例Cの山羊毛の毛束20´としたブラシ部20の場合よりも違和感の点では劣るものの耐久性の面では優れるという結果となった。
【0047】
更にまた、実施例Dの内側を山羊毛の毛束20´とし外側を馬毛の毛束20´としたブラシ部20の場合は、実施例Eの内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´としたブラシ部20の場合よりも違和感の点では劣るものの耐久性の面では優れるという結果となった。
言い換えると、実施例Eの内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´としたブラシ部20の場合は、実施例Dの内側を山羊毛の毛束20´とし外側を馬毛の毛束20´としたブラシ部20の場合よりも耐久性の面では劣るものの違和感の点では優れるという結果となった。
【0048】
歯磨きの際の違和感および耐久性のいずれも考慮すると、実施例Dの内側を山羊毛の毛束20´とし外側を馬毛の毛束20´としたブラシ部20および実施例Eの内側を馬毛の毛束20´とし外側を山羊毛の毛束20´としたブラシ部20が良いと考えられる。
【0049】
【表1】
【0050】
[実施例2]
本実施形態の歯ブラシ1を用いて粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉より詳しくは粉状または粒状とした鹿の角を含む歯磨き粉により、犬より詳しくはプードル、シーズー、ペキニーズ、ミニチュアダックスの各犬種の歯磨きを行った場合の違和感の観察結果(歯磨き方法の実施例B´)を表2に示す。
【0051】
表2に示すように、各犬種について、歯磨き方法の実施例B´は、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含まない歯磨き粉より詳しくは粉状または粒状とした鹿の角を含まない通常の歯磨き粉により歯磨きを行った結果(歯磨き方法の実施例A´)よりも違和感が少なくなるという結果が得られた。
【0052】
本実施形態の歯ブラシ1と、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉30より詳しくは粉状または粒状の鹿の角を含む歯磨き粉30をセットで使用することにより、歯磨きの際の違和感を飛躍的に少なくすることができる。
【0053】
【表2】
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、ヘッド部13の上面13aにブラシ部20を植毛するための凹部13bを設け、ブラシ部20は、天然毛の毛束20´をヘッド部13の凹部13bに植毛して設けることとしたので、天然毛を設けた歯ブラシ1を提供することができる。
【0055】
また、天然毛は、動物毛とすることとしたので、歯茎に与える触感の違和感を少なくすることができる。
【0056】
更に、動物毛は、馬毛および/または山羊毛とすることとしたので、歯茎に与える触感の違和感を更に少なくすることができる。
【0057】
更にまた、ブラシ部20は、内側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか一方を植毛して設けるとともに、内側の毛束20´を取り囲むように外側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか他方を設けることとができる。すなわち、山羊毛は馬毛よりも柔らかく歯茎に与える触感が馬毛よりも優れ、馬毛は山羊毛よりも歯磨きの際の耐久性に優れるため、内側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか一方を植毛して設けるとともに、内側の毛束を取り囲むように外側に馬毛および山羊毛の毛束20´のうちいずれか他方を植毛して設けることとすることにより、歯茎に触感に与える違和感を少なくすることができ、更に歯磨きの際の耐久性も向上させることができる。
【0058】
より詳しくは、ブラシ部20は、内側に馬毛の毛束20´を設けるとともに、内側の毛束20´を取り囲むように外側に山羊毛の毛束20´を設けることとしたので、外側に設けられる山羊毛の毛束20´により歯茎に与える触感の違和感を少なくしながら、馬毛の毛束20´により内側から山羊毛の毛束20´を補強することができる。
【0059】
また、ヘッド部13は、毛束20´の高さを5mm乃至7mmとし、長手方向に沿った長さ寸法を10mm乃至20mmとし、長手方向と水平方向において直交する方向に沿った長さ寸法を5mm乃至15mmとすることとしたので、小型化したヘッド部13を提供することができ、犬の口にスムーズに挿入することができる。
【0060】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0061】
例えば、図8に示す変形例においては、第1の歯ブラシ100乃至第3の歯ブラシ300を有し、第1の歯ブラシ100は、ブラシ部20に植毛して設けられる全ての毛束20´を山羊毛の毛束20´とし、第2の歯ブラシ200は、上記歯ブラシ1と同様に、ブラシ部20の内側に馬毛の毛束20´を植毛して設けるとともに、内側の毛束20´を取り囲むように外側に山羊毛の毛束20´を植毛して設け、第3の歯ブラシ300は、ブラシ部20に植毛して設けられる全ての毛束20´を馬毛の毛束20´とすることとしている。
【0062】
すなわち、第1の歯ブラシ100により歯磨きを行った後、第2の歯ブラシ200により歯磨きを行い、更に第2の歯ブラシ200により歯磨きを行った後に第3の歯ブラシ300により歯磨きを行う歯磨き方法を採ることで、動物より詳しくは犬更に詳しくは小型犬また更に詳しくはプードル、シーズー、ペキニーズ、およびミニチュアダックスの少なくともいずれかの歯茎に与える触感と耐久性の向上のバランスの取れた歯ブラシの使用方法を提供することができる。
【0063】
なお、図9に示すように、かかる変形例においても、第1の歯ブラシ100、第2の歯ブラシ200、および第3の歯ブラシ300のブラシ部101,201,301は、予め歯磨き粉30が練り込まれ、歯磨き粉30は、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含むことができる。
【0064】
また、図10に示すように、第1の歯ブラシ100、第2の歯ブラシ200、および第3の歯ブラシ300と、粉状または粒状とした動物の骨および/または角を含む歯磨き粉30と、を歯磨きセット400として用いることとしてもよい。図9および図10においても、動物の角は、鹿の角とすることができる。
【0065】
更に上述した実施形態にあっては、小型犬をプードル、シーズー、ペキニーズ、およびミニチュアダックスのうち少なくともいずれかとすることとしているが他の小型犬に適用することとしても勿論構わない。他の小型犬は、例えば、イタリアングレーハウンド、ウエストハイランドホワイトテリア、カニンヘンダックスフンド、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、ケアーンテリア、シーリハムテリア、ジャックラッセルテリア、スキッパーキー、スコティッシュテリア、スタンダード・ダックス、チベタンスパニエル、チベタンテリア、チャイニーズクレステッドドッグ、チワワ、トイマンチェスターテリア、ノーフォークテリア、パピオン、パーソンラッセルテリア、ビション・フリーゼ、ブリュッセル・グリフォン、プチブラバンソン、べトリントンテリア、ベルジアン・グリフォン、ボストンテリア、ボロニーズ、ボーダー・テリア、ポメラニアン、マルチーズ、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ヨークシャーテリア、ラサアプソ、レークランドテリア、日本テリア、狆、豆柴とすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1:歯ブラシ
10:歯ブラシ本体
11:グリップ部
11a:一端部
11b:他端部
12:ネック部
12a:一端部
12b:他端部
13:ヘッド部
13a:上面
13b:凹部
15:突出物
20:ブラシ部
20´:毛束
20a´:馬羊の毛束(内側の毛束)
20b´:山羊毛の毛束(外側の毛束)
30:歯磨き粉
40:歯磨きセット
100:第1の歯ブラシ
101:ブラシ部
200:第2の歯ブラシ
201:ブラシ部
300:第3の歯ブラシ
301:ブラシ部
400:歯磨きセット
【要約】      (修正有)
【課題】天然毛を設けた歯ブラシ、歯磨きセット、および歯磨き方法を提供する。
【解決手段】歯ブラシ1は、グリップ部11、グリップ部11の長手方向の他端部11bと連続して繋がるネック部12、およびネック部12の長手方向の他端部12bと連続して繋がるヘッド部13を有する歯ブラシ本体10のヘッド部13にブラシ部20を設けた歯ブラシ1であって、ヘッド部13の上面にブラシ部20を植毛するための凹部を設け、ブラシ部20は、天然毛の毛束をヘッド部13の凹部に植毛して設ける。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10