(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6765235
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】光センサ及びその補正方法
(51)【国際特許分類】
G01J 1/44 20060101AFI20200928BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20200928BHJP
G01J 1/42 20060101ALI20200928BHJP
G01J 3/51 20060101ALI20200928BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
G01J1/44 N
G01J1/02 B
G01J1/42 J
G01J3/51
H01L31/10 A
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-131546(P2016-131546)
(22)【出願日】2016年7月1日
(65)【公開番号】特開2018-4439(P2018-4439A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上平 祥嗣
【審査官】
小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−065357(JP,A)
【文献】
特開2007−300187(JP,A)
【文献】
特開2016−115746(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/050613(WO,A1)
【文献】
特開2005−156242(JP,A)
【文献】
特開2011−106875(JP,A)
【文献】
米国特許第08274051(US,B1)
【文献】
国際公開第2014/041866(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 − G01J 1/60
G01J 11/00
H01L 21/339
H01L 27/14 − H01L 27/148
H01L 27/30
H01L 29/762
H01L 31/00 − H01L 31/02
H01L 31/0232
H01L 31/0248
H01L 31/0264
H01L 31/08
H01L 31/10
H01L 31/107 − H01L 31/108
H01L 31/111
H01L 31/18
H01L 51/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑色受光部、赤色受光部、青色受光部から成るRGB受光部と、前記RGB受光部の分光感度特性とは異なる分光感度特性を有するその他受光部とを備える複数の光受光部と、
前記複数の光受光部に生じる光電流をデジタル値に変換する複数のアナログ・デジタル変換器と、
前記複数の光受光部と前記複数のアナログ・デジタル変換器との信号経路に結合されたスイッチとを有し、
前記スイッチは前記RGB受光部に生じる光電流を各別に前記アナログ・デジタル変換器に印加する第1ステップと、前記RGB受光部から選ばれた少なくとも1つの演算基準受光部に生じる光電流と前記その他受光部に生じる光電流を各別に前記アナログ・デジタル変換器に印加する第2ステップに切り換え、前記第1ステップにおいての前記その他受光部に生じていた光電流を前記演算基準受光部の前記第1ステップ及び前記第2ステップの両ステップで選択された光電流の比から算出する光センサ。
【請求項2】
前記その他受光部は環境光受光部及び赤外光受光部の少なくとも1つである請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記演算基準受光部は、比視感度の範囲に波長が存在する受光部である請求項1に記載の光センサ。
【請求項4】
前記演算基準受光部は、前記緑色受光部である請求項1または請求項3に記載の光センサ。
【請求項5】
前記演算基準受光部は、前記赤色受光部である請求項1または請求項3に記載の光センサ。
【請求項6】
前記演算基準受光部は、前記青色受光部及び前記その他受光部の少なくとも1つの受光部である請求項1または請求項3に記載の光センサ。
【請求項7】
前記演算基準受光部は、前記スイッチの第1ステップ及び第2ステップの切り替えに関わらず、前記アナログ・デジタル変換器の1つに常時結合されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記RGB受光部は赤外光カットフィルタで覆われ、前記その他受光部は前記赤外光カットフィルタで覆われていない請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光センサ。
【請求項9】
前記RGB受光部は赤外光カットフィルタで覆われ、前記その他受光部は前記赤外光カットフィルタで覆われておらず、
前記スイッチは第1スイッチ及び第2スイッチを有し、前記第1スイッチは前記第2ステップにおいて前記青色受光部及び前記赤外光受光部のいずれか1つを選択し、前記第2スイッチは前記第2ステップにおいて前記RGB受光部であって前記青色受光部を除いた受光部の1つと前記環境光受光部のいずれか1つを選択する請求項2に記載の光センサ。
【請求項10】
前記RGB受光部及び前記その他受光部は半導体基板の表面から裏面方向に向かって順に形成される第1pn接合、第2pn接合、及び第3pn接合を利用して構成され、前記青色受光部は前記第1pn接合、前記緑色受光部は前記第1pn接合または第2pn接合、前記赤色受光部及び前記環境光受光部は前記第2pn接合、及び前記赤外光受光部は前記第3pn接合をそれぞれ利用して構成されている請求項2に記載の光センサ。
【請求項11】
前記RGB受光部及び前記その他受光部の集合体によって前記半導体基板上に受光領域が構成され、前記受光領域の中心を対称として前記RGB受光部を構成する前記緑色受光部、赤色受光部、青色受光部、及び前記その他受光部を構成する前記環境光受光部及び前記赤外光受光部が平面視で点対称に配置されている請求項10に記載の光センサ。
【請求項12】
前記受光領域の中心を点対称としかつ前記中心に最も近接して、前記緑色受光部及び赤色受光部が配置されている請求項11に記載の光センサ。
【請求項13】
前記受光領域は平面視で四辺形状を成し、前記四辺形状の4隅に前記環境光受光部及び前記赤外光受光部が前記中心を軸として点対称に配置されている請求項11に記載の光センサ。
【請求項14】
前記環境光受光部と前記RGB受光部との間、及び前記赤外光受光部と前記RGB受光部との間にダミー領域が設けられる請求項13に記載の光センサ。
【請求項15】
前記第1ステップで前記演算基準受光部の光電流は測定するも前記その他受光部の光電流は測定せずに、前記第2ステップでは前記第1ステップで測定した前記演算基準受光部の光電流と前記その他受光部の光電流を測定し、前記第1ステップ及び前記第2ステップで測定された前記演算基準受光部の光電流に基づき、前記その他受光部の第1ステップにおける光電流を推定、補正する請求項1〜請求項14に記載の光センサの補正方法。
【請求項16】
前記演算基準受光部は緑色受光部であり、前記第1ステップで前記演算基準受光部の光電流は測定するも前記その他受光部の光電流は測定せずに、前記第2ステップでは前記第1ステップで測定した前記演算基準受光部の光電流と前記その他受光部の光電流を測定し、前記第1ステップ及び前記第2ステップで測定された前記演算基準受光部の光電流に基づき、前記その他受光部の第1ステップにおける光電流を推定、補正する請求項2に記載の光センサの補正方法。
【請求項17】
前記光電流は、少なくとも放射照度、照度、色温度、及び色度の少なくとも1つである請求項15〜請求項16に記載の光センサの補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ回路を備える光センサ及びその補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光センサは、スマートフォン、デジタルスチルカメラ、ナビゲーションシステム、タブレット端末等各種各様の電子機器に広く採用されている。
【0003】
図8は、例えば5種類の光を検知するために用意された光センサを示す。光センサ1は赤外光受光部Ir、青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN、赤色受光部RED、及び環境光受光部CLEARを有する。青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN及び赤色受光部REDは赤外光カットフィルタ2で覆われている。赤外光受光部Irにはフォトダイオード3I、青色受光部BULEにはフォトダイオード3B、緑色受光部GREENにはフォトダイオード3G、赤色受光部REDにはフォトダイオード3R、環境光受光部CLEARにはフォトダイオード3Cがそれぞれ用意されている。さらに各受光部にはアナログ−デジタル変換器(以下ADC)が結合されている、具体的にはADC4Ir、ADC4B、ADC4G、ADC4R、及びADC4Cが用意されている。さらに各ADCの出力は論理回路5の入力側に接続されている。論理回路5の出力はそれぞれ外部端子SDA、SCL、INT、及びADDRに接続されている。各外部端子はCPU6に接続されている。さらに、光センサ1には発振器OSC及びパワーオンリセットPORが内蔵されている。また光センサ1には電源端子VCC及び接地端子GNDの外部端子が備えられている。
【0004】
図8に示した光センサの別の形態としては例えば特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1は、小型、低コストかつ高精度の光センサを実現するとしている。そうした目的を達成するために、光電流を選択するスイッチ回路と、選択された光電流をデジタル信号に変換する1つのADCを有するものであると思料する。
【0005】
光センサのさらに別の形態としては特許文献2に開示されている。特許文献2は本発明者の提案によるものである。特許文献2は、赤色受光部、緑色受光部及び青色受光部と、これらの受光部を覆う赤外光カットフィルタと、演算部とを含む。さらに、特許文献2は、光検出装置の受光領域の配置図を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−106875号公報
【特許文献2】特開2016−115746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図8に示した光センサは、5つの各受光部に各別にADCを用意しているので、5つの色の例えば照度、色温度等をリアルタイムで測定することができる。これによって、高精度の光センサを実現できるというメリットが得られる。しかし、ADCを5個用意しなければならず、チップ面積が大きくなり、コスト高になるという不具合が生じる。
【0008】
特許文献1は、ADCを1個で構成しているので、小型、低コストの光センサを実現することは期待できる。しかし、例えば、5種類の光受光部に生じた光電流を別々のステップ(タイミング)で測定しなければならず、高精度の光センサを実現することは期待できない。特許文献2は、赤色受光部、緑色受光部、及び青色受光部の3つの受光部それぞれにADCを用意したものを開示したものであって、4以上の受光部と、それに接続されるADCの構成については開示していない。
【0009】
本発明は半導体集積回路(LSI)の小型化による低コスト化と低消費電力化及び光電流の検知精度を高めることができる高精度な光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本書で用いる「RGB受光部」は、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3つの色の受光部の総称である。また「その他受光部」は、RGB受光部を除く色の受光部の総称である。また、「演算基準受光部」とは、「RGB受光部」及び「その他受光部」の少なくとも1つの受光部であって、「演算基準受光部」の放射照度、照度、色温度、色度等の値を推定、補正するに採用される受光部を指す。
【0011】
本発明の光センサは、緑色受光部、赤色受光部、青色受光部で構成されたRGB受光部と、RGB受光部の分光感度特性とは異なる分光感度特性を有するその他受光部とを備える複数の光受光部を備える。さらに複数の光受光部に生じる光電流をデジタル値に変換する複数のアナログ・デジタル変換器(ADC)と、複数の光受光部と複数のアナログ・デジタル変換器との信号経路に結合されたスイッチとを有する。スイッチは、RGB受光部に生じた光電流を各別にアナログ・デジタル変換器に印加する第1ステップと、演算基準受光部に生じた光電流及びその他受光部に生じた光電流を各別にアナログ・デジタル変換器に印加する第2ステップに切り替える。こうしたスイッチの切り替えは、その他受光部での第1ステップにおける光電流の値を、演算基準受光部での第1ステップ及び第2ステップで検知された光電流の比から算出するために行われる。
【0012】
また、本発明に係る光センサにおいて、その他受光部は環境光受光部及び赤外光受光部の少なくとも1つである。
【0013】
また、演算基準受光部は、スイッチの第1ステップ及び第2ステップの切り替えに関わらず、アナログ・デジタル変換器の1つに常時結合されている。これによって、スイッチの切替えによって発生するADCへの信号印加の遅れやADCでの変換ロスを排除することができる。また、スイッチは第1スイッチ及び第2スイッチを有する。第1スイッチは第2ステップにおいて青色受光部及び赤外光受光部のいずれか1つを選択し、第2スイッチは第2ステップにおいてRGB受光部であって青色受光部を除いた受光部の少なくとも1つ及び環境光のいずれか1つを選択するように構成される。
【0014】
本発明に係る光センサは半導体基板に構成される。RGB受光部及びその他受光部は半導体基板の表面から厚み方向すなわち半導体基板の裏面に向かって順に形成される第1pn接合、第2pn接合、及び第3pn接合を利用して構成されている。青色受光部は例えば第1pn接合、緑色受光部は例えば第1pn接合または第2pn接合、赤色受光部及び環境光受光部は例えば第2pn接合、及び赤外光受光部は例えば第3pn接合をそれぞれ利用して構成されている。こうした各接合を使い分けるのは光の波長が長いほど透過深さが深くなる傾向になるためである。一般的に波長が比較的短い青色は半導体基板の表面側すなわち第1pn接合に、波長が比較的長い赤外光は半導体基板の表面から厚み方向に離れたすなわち第3pn接合に、波長が青色と赤外光との間に存在する緑色及び赤色の受光部は第2pn接合がそれぞれ利用される。環境光受光部は例えば第2pn接合を利用して構成されている。
【0015】
また本発明に係る光センサは半導体基板に構成される。RGB受光部及びその他受光部の集合によって受光領域が構成され、受光領域の中心を対称としてRGB受光部を構成する緑色受光部、赤色受光部、青色受光部、及びその他受光部を構成する環境光受光部及び赤外光受光部が平面視で点対称に配置されている。好ましくは受光領域の中心に最も近接させて緑色受光部及び赤色受光部が点対称に配置されている
【0016】
本発明の別の発明である光センサの補正方法は上記の光センサに適用される。第1ステップで演算基準受光部の放射照度を測定し、その測定結果に基づき照度、色温度等が算出される。第1ステップではその他受光部の放射照度は測定対象外であるが、第2ステップでは測定の対象となり、放射照度が測定される。その他受光部の第1ステップでの放射照度の値は推定されるが、その推定値、補正値は第1ステップ及び第2ステップで測定された演算基準受光部の放射照度に基づき推定、補正される。推定、補正された放射照度に基づきその他受光部の照度、色温度等が算出される。
【発明の効果】
【0017】
こうした構成によれば、RGB受光部はリアルタイムで放射照度、照度、色温度等が測定、算出され、その他受光部である環境光受光部または赤外光受光部は別のステップで測定されるも先に測定した演算基準受光部での放射照度に基づき、照度、色温度等を算出、補正することができる。これにより、ADCの数の削減が図れ、光センサの分光感度特性の測定の高精度化及び小型化による低コスト化と低消費電力化を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態である光センサの構成を示す回路ブロック図である。
【
図2】本発明の光センサに用いられる受光領域の配置図である。
【
図3】
図2に示した受光領域に適用されるフォトダイオードの断面図である。
【
図5】
図2に示した受光領域の分光感度特性を示す図である。
【
図6】本発明に係る光センサのスイッチ切り替え時のタイミングチャートである。
【
図7】本発明の光センサの補正方法を説明する図である。
【
図8】従来技術の一実施形態である光センサの構成を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る光センサ10の構成を示す回路ブロック図である。光センサ10は、
図8に示した従来の光センサ1とほぼ同じ回路部や回路機能部を備えるが大きく次の点が異なる。第1にスイッチSW1,SW2を有する。第2にADCの数が3つで構成される。
【0020】
光センサ10は赤外光受光部Ir、青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN、赤色受光部RED、及び環境光受光部CLEARを備えている。光センサ10は、半導体基板に作り込まれ、最終的には例えば、外部端子が例えば8ピンのパッケージに実装される。
【0021】
青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN、及び赤色受光部REDは、不要な赤外光をカットするために赤外光カットフィルタ2で覆われている。
【0022】
作図及び説明の便宜上、各受光部の構成はフォトダイオードのみで、そのカソード側がADCの入力側に接続されているように表示している。すなわち、赤外光受光部Irはフォトダイオード3I、青色受光部BULEはフォトダイオード3B、緑色受光部GREENはフォトダイオード3G、赤色受光部REDはフォトダイオード3R、環境光受光部CLEARはフォトダイオード3Cがそれぞれのフォトダイオードに相当する。なお、実際の各受光部は1つのフォトダイオードだけで構成されるものではなく、複数のフォトダイオードと複数のカラーフィルタを有している。
【0023】
各受光部で生じたアナログ信号である光電流をデジタル値に変換するためにADCが用意されている、具体的にはADC4IB、ADC4G、及びADC4RCの3つのADCが用意されている。ADCには例えば積分形、逐次比較形、並列比較形等の種類があるが、本発明では例えば積分形を採用している。
【0024】
さらに各フォトダイオードと各ADCとの信号経路の間にスイッチSW1,SW2が結合されている。スイッチSW1,SW2の切替えは論理回路5から供給される図示されない切替信号によって実行される。スイッチSW1の接点aはフォトダイオード3B(青色)のカソード側に、接点bはフォトダイオード3Iのカソード側に、中点cはADC4IBの入力側にそれぞれ接続されている。
【0025】
スイッチSW1の中点cと接点aが接続されたときには、フォトダイオード3Bすなわち青色受光部BLUEの光電流がADC4IBでデジタル値に変換される。中点cと接点bが接続されたときには、フォトダイオード3Iすなわち赤外光受光部Irの光電流がADC4IBでデジタル値に変換される。
【0026】
スイッチSW2の接点aはフォトダイオード3R(赤色)のカソード側に接点bはフォトダイオード3Cのカソード側に、中点cはADC4RCの入力側にそれぞれ接続されている。
【0027】
スイッチSW2の中点cと接点aが接続されたときには、フォトダイオード3Rすなわち赤色受光部REDの光電流がADC4RCでデジタル値に変換される。スイッチSW2の中点cと接点bが接続されたときには、フォトダイオード3Cすなわち環境光受光部CLEARの光電流がADC4RCでデジタル値に変換される。
【0028】
緑色受光部GREENのフォトダイオード3Gは、直接ADC4Gの入力に結合されている。したがって、緑色受光部GREENで生じた光電流はスイッチSW1,SW2の切替状態に関わらず常時ADC4Gに印加されている。本実施の形態では緑色受光部GREENを演算基準受光部として位置づけている。
【0029】
ADC4IB、ADC4G、及びADC4RCの出力は各別に論理回路5に供給される。論理回路5には例えば、レジスタ、演算回路等が内蔵されており、各フォトダイオードに生じた光電流に相当する放射照度、照度、色温度等を記憶または演算で求めた演算値が格納される。
【0030】
論理回路5には各ADCで処理した各種の光データ、情報を格納、演算する回路機能(ADC Logic)と、同回路部のデータ、情報をCPU6と授受するための回路機能(I
2C Interface)と、インタラプト回路機能(INT Interface)が内蔵される。インタラプト機能は、放射照度の変化をCPU6に知らせるために用意されている。
【0031】
論理回路5の出力はそれぞれ外部端子SDA、SCL、INT、及びADDRに接続されている。各外部端子はCPU6に接続されている。外部端子SDA,SCLは、I
2C Interfaceとして、外部端子INTはインタラプト機能として、外部端子ADDRは、I
2C Interfaceのスレーブアドレスを入力する端子としてそれぞれ用意されている。外部端子INTには、予め設定した照度の範囲を超えると例えばローレベル(L)が出力される。さらに外部端子としては、電源端子VCC及び接地端子GNDが用意されている。なお、光センサ10には図示されない例えば、光センサ10をテストするためのテスト端子を設けられる場合も少なくない。また、光センサ10には発振器OSC及びパワーオンリセットPORが内蔵されている。
【0032】
外部端子SDA、SCL、INT、及びADDRはCPU6に接続されている。これらの外部端子を介して、論理回路5とCPU6との間で各種信号の授受が行われる。
【0033】
さて、本発明の特徴は、
図1の回路ブロック図からも分かるように、その第1は、スイッチSW1,SW2でそれぞれ2つの受光部すなわちフォトダイオードを切替えていることである。第2にスイッチSW1,SW2がいずれも接点aに接続されたときには、青色受光部BLUE(フォトダイオード3B)、赤色受光部RED(フォトダイオード3R)が選択され、さらにスイッチを介さない緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)の3つの色がリアルタイムでそれぞれADC4IB,4RC、及びADC4Gで信号処理が実行されることである。さらに、スイッチSW1,SW2が共に接点bに切替えられたときには、赤外光受光部Ir(フォトダイオード3I)と環境光受光部CLEAR(フォトダイオード3C)、及び緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)の3つの色がリアルタイムでそれぞれADC4IB,4RC、及びADC4Gで信号処理が行われるということである。したがって、緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)に対しては2回の信号処理を行うことになる。
【0034】
緑色受光部GREENの信号処理を2回行うのは、2回の測定値からスイッチSW1,SW2が接点aに選択されたときの赤外光受光部Ir及び環境光受光部CLEARの放射照度、照度、色温度等の値を補正するためである、こうしたやり方によれば、3つのADCを用意し、さらにスイッチを2回切替えることで5色の受光部の照度や色温度を測定及び推定することができる。
【0035】
図1にはRGB受光部及びその他受光部である環境光受光部CLEAR及び赤外光受光部Irの2色の光の放射照度、照度、色温度等を測定、算出、補正するものとしたが、環境光受光部CLEAR及び赤外光受光部Irのいずれか1つを選択して測定することもできる。
【0036】
図1に示した実施の形態では緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)を演算基準受光部として設定するために、常時、緑色受光部GREENをADC4Gに結合されるものとしたが、演算基準受光部に赤色受光部RED(フォトダイオード3R)を設定してもかまわない。なお、演算基準受光部に、RGB受光部はもちろんのこと、その他受光部である例えば環境光(CLEAR)や赤外光(Ir)を選択してもかまわない。しかし、好ましくは緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)である。なぜならば、緑色の光の波長は、人間の目に最も強く感じられるとする比視感度の領域にあるためである。しかも可視光の波長のほぼ中間に存在するため、かつ紫外光や赤外光の波長から遠ざかっており、これらの光の影響を排除することが比較的容易になるからである。もちろん、演算基準受光部として緑色受光部GREEN(フォトダイオード3G)及び赤色受光部RED(フォトダイオード3R)等複数の受光部を設定することもできる。
【0037】
なお、
図1に示した本発明の一実施の形態は、RGB受光部を含む5つの光受光部の光電流を検出するものを示した。しかしRGB受光部をまったく含まないその他受光部を含む光センサにも適用することが可能である。
【0038】
図2は受光領域20を示す。受光領域20は
図1に示した赤外光受光部Ir、青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN、赤色受光部RED、環境光受光部CLEAR、及び赤外光カットフィルタ2の配置を示した平面視図である。
【0039】
受光領域20は、例えば平面視四角形の形状を成し、その中心が符号20cで示されている。受光領域20の中心20cの近傍に受光部G1が配置され、受光部G1の隣に受光部G2が中心20cから少し離れて配置されている。受光部G1,G2は共に
図1に示した緑色受光部GREENを構成している。
【0040】
図2において受光部G1とG2との構造上の違いは読み取れないが、受光部G1は緑色を透過させる緑色カラーフィルタを有し、受光部G2は緑色カラーフィルタに重ねて別のカラーフィルタが構成されている。別のカラーフィルタは受光部G1を透過させる波長域の光を阻止するが、それ以外の一部の波長域の光は透過させる、特に赤外光(Ir)の波長域は全面的に透過させるものとしている。こうした構造上の違いを有する受光部G1とG2は互いに異なる分光感度特性を有することになり、異なる分光感度特性を論理回路5で演算処理することで受光部G1に含まれる緑色以外の波長域の光の感度を抑圧し緑色を忠実に抽出することができる。
【0041】
受光部R1は、受光部G1と同様に受光領域20の中心20cの近傍に配置され、受光部R1の隣に受光部R2が中心20cから少し離れて配置されている。受光部R1,R2は共に
図1に示した赤色受光部REDを構成している。
【0042】
受光部R1は赤色を透過させる赤色カラーフィルタを有し、受光部R2は赤色カラーフィルタに重ねて別のカラーフィルタが構成されている。別のカラーフィルタは受光部R1を透過させる波長域の光を阻止するが、それ以外の一部の波長域の光は透過させる、特に赤外光(Ir)の波長域は全面的に透過させるものとしている。こうした構造上の違いを有する受光部R1とR2は互いに異なる分光感度特性を有することになり、異なる分光感度特性を論理回路5で演算処理することで受光部R1に含まれる赤色以外の波長域の光の感度を抑圧し赤色を忠実に抽出することができる。
【0043】
受光部B1,B2は、受光部G1,R1とは少し異なり、受光領域20の中心20cから少し離れた位置に配置される。受光部B1,B2は共に
図1に示した青色受光部BLUEを構成している。
【0044】
受光部B1は青色を透過させる青色カラーフィルタを有し、受光部B2は青色カラーフィルタに重ねて別のカラーフィルタが構成されている。別のカラーフィルタは受光部B1を透過させる波長域の光を阻止するが、それ以外の一部の波長域の光は透過させる、特に赤外光(Ir)の波長域は全面的に透過させるものとしている。こうした構造上の違いを有する受光部B1とB2は互いに異なる分光感度特性を有することになり、異なる分光感度特性を論理回路5で演算処理することで受光部B1に含まれる青色以外の波長域の光の感度を抑圧し青色を忠実に抽出することができる。
【0045】
受光部G1,G2,R1,R2,B1及びB2は本発明でのRGB受光部を構成する。
【0046】
受光部C1は
図1に示した環境光受光部CLEARを構成している。受光部C1は受光領域20の中心20cから最も離れた受光領域20の2つの隅に配置されている。受光部C1は受光領域20に到来するすべての波長域の光を受光する。このため、受光部G1,G2,R1,R2,B1及びB2に用いられた赤外光カットフィルタ2で覆われていない。
【0047】
受光部Ir1は
図1に示した赤外光受光部Irを構成している。受光部Ir1は受光領域20の中心20cから最も離れた受光部C1が配置されていない2つの隅に配置されている。受光部Ir1は受光領域20に到来する赤外光を検出する。当然のことではあるが受光部Ir1は赤外光カットフィルタ2で覆われていない。
【0048】
環境光の受光部C1とRGB受光部との境界、及び受光部Ir1とRGB受光部(G1、G2、R1、R2、B1、B2)との境界に例えばL字状のダミー領域DUが配置されている。ダミー領域DUは感光領域であり、この感光領域には例えばバイポーラトランジスタ等が配置されている。ダミー領域DUを設けることで赤外光カットフィルタ2の配置に所定のマージンをもたせるとともに、RGB受光部に入射される光と、その他受光部に入射される光とをほぼ完全に分離するようにしている。
【0049】
図2において、受光部G1,G2,R1,R2,B1,B2,C1及びIr1は、受光領域20の中心20cを対称の中心として点対称となる位置にそれぞれ配置されている。すなわち、中心20cを軸として180度回転させた場合であっても回転前と同じ位置に各受光部が位置される。これにより受光領域20全体に光が均一に当たらない等の理由によって一方の受光部に十分な光が入射しなくとも他の受光部で光を検出できるので光センサの光検出精度を高めることができる。
【0050】
図2には、RGB受光部及びその他受光部のすべての受光部が点対称となるように配置したが少なくともRGB受光部である、G1,G2,R1,R2,B1及びB2が点対称となるように配置すればよい。
【0051】
なお、
図2に示した受光領域20の形状は四辺形としたが、例えば六角形、八角形、円
であっても点対称に配置することができる。
【0052】
図3は
図2に示した各受光部に用いられるフォトダイオードDiの断面図を模式的に示す。フォトダイオードDiはp型半導体基板16の表面16sから裏面16bに向かって順に形成された第1n型領域13、第1p型領域14、第2n型領域15、p型半導体基板16によって形成されたnpnp構造を有している。第2n型領域15がp型半導体基板16の内部に形成され、第2n型領域15の内方領域に第1p型領域14が形成されている。さらに第1p型領域14の内方領域に第1n型領域13が形成されている。これによりフォトダイオードDiは半導体基板の表面16sから裏面16bに向かって構成された、フォトダイオードDi1,Di2及びDi3の3つのフォトダイオードで構成される。
【0053】
フォトダイオードDi1は、第1p型領域14と第1n型領域13とのpn接合部を含み、その深さは半導体基板16の表面16sから、例えば0.09μm〜0.17μmである。フォトダイオードDi2は、第1p型領域14と第2n型領域15とのpn接合部を含み、その深さはフォトダイオードDi1のpn接合部よりも深く、例えばp型半導体基板16の表面16sから1.0μm〜1.8μmである。フォトダイオードDi3は、p型の半導体基板16と第2n型領域16とのpn接合部を含み、その深さはフォトダイオードDi2のpn接合部よりも深く、例えば半導体基板16の表面16sから3.2μm〜5.9μmである。
【0054】
フォトダイオードDiが、互いに深さの異なるフォトダイオードDi1〜Di3を有する利点は次の通りである。すなわち、p型半導体基板16に対しては、光の波長が長いほど透過深さが深くなる傾向にあり、光センサ10のように検出すべき光成分の波長域が複数ある場合には、フォトダイオードDi1〜Di3のいずれかにおいて効率よく光を検出することができる。
【0055】
例えばフォトダイオードDi1は、青色の波長域(例えば420nm〜480nm)および緑色の波長域(例えば500nm〜560nm)の成分の検出に適しており、フォトDi2は緑色の波長域および赤色の波長域(例えば590nm〜680nm)の成分の検出に適している。また、フォトダイオードDi3は、赤外線の波長域(例えば700nm〜1300nm)の成分検出に適している。
【0056】
第1n型領域13、第1p型領域14、第2n型領域15及びp型半導体基板16にはフォトダイオードDi1〜Di3を電気的に取り出すためにそれぞれ端子T1〜T4を設ける。
【0057】
図4は
図3に示した構造を持つフォトダイオードDiの等価回路であり、各端子T1、T2、T3及びT4は、
図3の端子T1、T2、T3及びT4にそれぞれ対応する。各端子同士及び図示しない電圧印加手段等との結合接続によって各受光部に生じた光電流が外部に取り出される。
【0058】
図5は、
図2に示した受光領域20を光センサ10に採用した場合の分光感度特性を模式的に示す。B(青色)、G(緑色)、及びR(赤色)の3色は可視光であり、本書でのRGB受光部での分光感度特性に相当する。横軸は光の波長を示し、縦軸は透過率の比を示す。ここで透過率は相対的に表示したものであって、G(緑色)の例えば放射照度がピークになるときの波長を基準にし、そのときの値を100%として各波長での放射照度の大きさをプロットしたものである。いずれにしても赤外光領域であるとされる波長700nm以上ではR(赤色)が少し感度を示しているがG(緑色)、B(青色)では赤外光がほぼゼロまで抑圧されていることが分かる。
【0059】
図6は、本発明に係る光センサのスイッチ切り替え時のタイミングチャートである。本発明の光センサの補正を実行するに当たって、
図1に示したスイッチSW1及びスイッチSW2の切替えステップを示す図である。切替信号1によってスイッチSW1,SW2の中点cが共に接点aに接続される。切替信号1は、時刻t0ではローレベルであるが時刻t1でローレベルからハイレベルに切替えられる。ハイレベルHは時刻t2まで維持される。時刻t2以降はローレベルLである。時刻t1〜t2の区間t12でRGB受光部の光電流が測定される。区間t12は例えば80msである。区間t12は本書で第1ステップと称される。
【0060】
切替信号2によってスイッチSW1,SW2の中点cが共に接点bに接続される。切替信号2は時刻t0及びt1ではローレベルLであるが時刻t2でローレベルLからハイレベルHに切替えられる。ハイレベルHは時刻t3まで維持される。ハイレベルHに維持される区間t23の時間幅は例えば80msである。区間t23で緑色G、赤外光Ir、及び環境光Cの光電流が同時にすなわちリアルタイムで測定される。区間t23は本書で第2ステップと称される。
【0061】
緑色Gの光電流は区間t12及び区間t23の2回測定される。しかし、その測定には例えば80msの時間差が生じている。その他の色の光電流の測定は1回である。赤色R及び青色Bは緑色Gと同時に区間t12でリアルタイムに測定され、赤外光Ir及び環境光Cは区間t23で測定される。換言すれば、区間t12では赤外光Ir及び環境光Cは測定の対象ではなく、また区間t23では赤色R及び青色Bの光電流は測定の対象から外されている。区間t12,t23の時間幅はリアルタイム測定の観点では短時間であることが好ましい。しかし、測定時間と、例えば商用電源(周波数50Hz/60Hz)の光の揺れをキャンセルするために必要な測定時間との間にはトレードオフの関係が存在するためにこの測定時間を極端に短くすることはできない。本発明者の知見によるとこの測定時間には40ms程度の時間が少なくとも必要であることが分かった。なお、時刻t3の後に赤外光Ir及び環境光Cの区間t12における例えば放射照度等の推定、補正が実行される。
【0062】
図7は
図6に示したスイッチSW1,SW2の切替動作と第1ステップ、第2ステップにおける各受光部での光電流の測定値と補正値を表したものである。
図7は赤外光受光部Ir及び環境光受光部CLEARで測定される光電流の補正算出式を示す。
【0063】
図7において、光電流の測定対象に選ばれたのは赤外光受光部Ir、青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN、赤色受光部RED、及び環境光受光部CLEARの5つである。
【0064】
図7において、1回目の測定では、赤外光受光部Irは測定の対象から外される。赤外光受光部Irの欄に表示した値は2回目の測定を終えた後に算出された推定値、補正値を表している。青色受光部BLUEは1回目では測定対象となり、そのときの例えば放射照度がEb1で表示されている。緑色受光部GREENは1回目の測定対象となり、そのときの例えば放射照度がEg1で表示されている。赤色受光部REDは1回目の測定対象となり、そのときの例えば放射照度はEr1で表示されている。1回目の測定で青色受光部BLUE、緑色受光部GREEN及び赤色受光部REDすなわちRGB受光部は測定の対象であり、これらの受光部での光電流がリアルタイムで測定されることになる。環境光受光部CLEARは、赤外光受光部Irと同様に1回目の測定対象から外されている。環境光受光部CLEARの欄に表示した値は2回目の測定を終えた後に算出された補正値を表している。
【0065】
2回目の測定では、赤外光受光部Irは測定の対象となる。そのときの例えば放射照度の測定値はEir2で表示されている。青色受光部BLUEは2回目の測定で測定の対象外である。緑色受光部GREENは演算基準受光部に設定されているので1回目と同様に2回目でも測定対象となる。2回目での緑色受光部GREENの例えば放射照度はEg2で表示されている。赤色受光部REDは2回目では測定対象外である。環境光受光部CLEARは、赤外光受光部Irと同様に2回目では測定対象となり、そのときの放射照度はEc2で表示されている。なお、放射照度は物体へ時間あたりに照射される面積あたりの放射エネルギーを表す物理量であり、照度は人間の目の視感度で補正された値であり、両者の概念は異なるが、両者間で互いに変換できることは当業者には知られている。したがって、本発明では放射照度を照度に置き換えてもよい。
【0066】
本来、上記5つの受光部は1回目の測定または2回目の測定において同時に、すなわちリアルタイムで測定されるのが好ましい。しかし、上述から明らかなように本発明の一実施の形態の1回目の測定では赤外光受光部Ir及び環境光受光部CLEARの例えば放射照度がEir及びEc1が測定外となる。このために本発明では演算基準受光部である緑色受光部GREENを2回測定し、その比から1回目の放射照度Eir及びEc1を推定するものである。1回目の赤外光受光部Irの例えば放射照度は、Eir1は、Eir1=Eir2・(Eg1/Eg2)として補正する。同様に、1回目の環境光受光部CLEARの例えば放射照度は、Ec1は、Ec1=Ec2・(Eg1/Eg2)として補正される。
【0067】
放射照度Eir1,Ec1の放射照度が補正されるとすべての受光部での放射照度が確定される。すべての受光部の放射照度が補正、確定された後にそれぞれの受光部の照度、色温度等が論理回路5で算出され、それらの値に基づき、本発明の光センサが搭載される、スマートフォン、デジタルスチルカメラ、ナビゲーションシステム、タブレット端末等の例えばバックライト等の光の強度が調整されることになる。
【0068】
本発明の光センサの補正方法は上述のとおり、RGB受光部はリアルタイムで測定する。そのため、RGBを除くその他受光部は人の目が強く感じる比視感度の波長領域とほぼ重なる緑色受光部を基準して補正するようにしたのでADCの数を減少させることができるとともに光電流の検知精度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の光センサは半導体集積回路(LSI)の小型化と低コスト化及び低消費電力化が実現できるので産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0070】
1,10 光センサ
2 赤外光カットフィルタ
3B,3C,3G,3I,3R フォトダイオード
4G,4IB,4RC ADC(アナログ・デジタル変換器)
5 論理回路
6 CPU
13 第1n型領域
14 第1p型領域
15 第2n型領域
16 p型半導体基板
16s p型半導体基板の表面
16b p型半導体基板の裏面
20 受光領域
ADC アナログ・デジタル変換器
ADDR 外部端子
a,b 接点
B1,B2,C1,G1,G2,Ir1,R1,R2 受光部
BLUE 青色受光部
CLEAR 環境光受光部
c 中点
Di,Di1,Di2,Di3 フォトダイオード
DU ダミー領域
Ir 赤外光受光部
OSC 発振器
POR パワーオンリセット
RED 赤色受光部
SCL,SDA 外部端子
T1,T2,T3,T4 端子
VCC 電源端子