特許第6765291号(P6765291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6765291シミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6765291
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】シミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/05 20060101AFI20200928BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20200928BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20200928BHJP
   B30B 13/00 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
   B21D43/05 W
   G06F17/50 680C
   G06F17/50 628A
   G06F17/50 612A
   G06F17/50 612C
   B21D43/05 U
   B30B13/00 P
   B30B13/00 M
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-244543(P2016-244543)
(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2018-94617(P2018-94617A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】394019082
【氏名又は名称】コマツ産機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸浩
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−131243(JP,U)
【文献】 特開2009−022996(JP,A)
【文献】 特開2008−009588(JP,A)
【文献】 特表2016−500882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 43/05
B30B 13/00
G06F 30/10
G06F 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション装置であって、
前記プレス機械、前記搬送装置および前記ワークの動作をシミュレーションする動作シミュレーション部と、
干渉が有るか否かを判断する干渉チェック部と、
前記搬送装置と前記ワークとを一体とした形状モデルを生成する形状モデル生成部と、
前記形状モデルにおける前記ワークの表示/非表示を切り替える切替設定部とを備え、
前記干渉チェック部は、前記形状モデルと、前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、前記ワークが非表示の場合、前記ワークに対する干渉はないと判断する、シミュレーション装置。
【請求項2】
前記干渉チェック部は、前記ワークが表示の場合、前記ワークを含めた前記形状モデルに対する干渉が有るか否かを判断する、請求項1記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記干渉チェック部は、第1搬送ラインにおいて、第1搬送装置により前記ワークを前記プレス機械に搬入する場合に、前記ワークが表示された第1形状モデルと前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断する、請求項2記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
前記干渉チェック部は、第1搬送ラインにおいて、第1搬送装置を前記プレス機械から退避させる場合に、前記ワークが非表示の第1形状モデルと前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断する、請求項1記載のシミュレーション装置。
【請求項5】
前記干渉チェック部は、前記第1搬送ラインと異なる第2搬送ラインにおいて、第2搬送装置を前記プレス機械内に侵入させる場合に、前記ワークが非表示の第2形状モデルと前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断する、請求項3記載のシミュレーション装置。
【請求項6】
前記干渉チェック部は、前記第2搬送ラインにおいて、前記第2搬送装置により前記ワークを前記プレス機械から搬出する場合に、前記ワークが表示された前記第2形状モデルと前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断する、請求項5記載のシミュレーション装置。
【請求項7】
前記第1形状モデルのワークと、前記第2形状モデルのワークとは異なる、請求項5または6記載のシミュレーション装置。
【請求項8】
前記形状モデル生成部は、前記プレス機械と前記ワークとを一体としたプレス形状モデルを生成し、
前記切替設定部は、前記プレス形状モデルにおける前記ワークの表示/非表示を切り替える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
【請求項9】
前記形状モデル生成部は、
プレス前の前記プレス機械と第1ワークとを一体とした第1プレス形状モデルと、
プレス後の前記プレス機械と第2ワークとを一体とした第2プレス形状モデルとを生成する、請求項8記載のシミュレーション装置。
【請求項10】
前記形状モデル生成部は、前記プレス機械、前記搬送装置および前記ワークの3次元形状モデルを生成する、請求項1記載のシミュレーション装置。
【請求項11】
隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション方法であって、
前記プレス機械、前記搬送装置および前記ワークの動作をシミュレーションするステップと、
干渉が有るか否かを判断するステップと、
前記搬送装置と前記ワークとを一体とした形状モデルを生成するステップと、
前記形状モデルにおける前記ワークの表示/非表示を切り替えるステップとを備え、
前記干渉が有るか否かを判断するステップは、前記形状モデルと、前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、前記ワークが非表示の場合、前記ワークに対する干渉はないと判断する、シミュレーション方法。
【請求項12】
隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション装置のコンピュータにおいて実行されるシミュレーションプログラムであって、
前記コンピュータを、前記シミュレーションプログラムにより、
前記プレス機械、前記搬送装置および前記ワークの動作をシミュレーションする動作シミュレーション部と、
干渉が有るか否かを判断する干渉チェック部と、
前記搬送装置と前記ワークとを一体とした形状モデルを生成する形状モデル生成部と、
前記形状モデルにおける前記ワークの表示/非表示を切り替える切替設定部とを備え、
前記干渉チェック部は、前記形状モデルと、前記プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、前記ワークが非表示の場合、前記ワークに対する干渉はないと判断する、シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションプログラムに関し、特に、プレスラインのシミュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車ボディ成型用に用いられるプレス機械としては、大型トランスファープレスに代わって、タンデムプレスラインが導入されている。タンデムプレスラインは、例えば3〜5台のプレス機械を並べて設置し、それぞれのプレス機械間に成型途中のワークを搬送するための搬送装置が設けられ、これらが協調動作することでプレス加工を行うものである。搬送装置としては、例えば汎用ロボットが用いられる。
【0003】
ところで、搬送時のサイクルタイムを短縮すべく、プレス機械内に進退する際にプレス機械との余裕距離ができるだけ小さい位置を搬送装置が移動するように制御されることが望ましい。この場合、例えば金型や周辺機器(アップライト、クランパ、オイルパン等)との干渉を防止すべく、従来は試行錯誤を繰り返して搬送装置の搬送ラインおよび搬送タイミングを決定していた。したがって、最適な搬送ラインおよび搬送タイミングを決定するには膨大な時間を要するといった問題があった。そこで、代表的なパターンに基づいて搬送ラインおよび搬送タイミングを決定したり、設計者の経験に基づいて搬送ラインおよび搬送タイミングを決定することでサイクルタイム短縮が図られていたが、必ずしも最適な解を求めることができなかった。
【0004】
このような背景の下、シミュレータを用いることで、プレス側部材と搬送側部材との間で干渉が起こるか否かを判別し、上述したような搬送ラインおよび搬送タイミングの選定を容易にするシミュレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−22996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されたプレス装置では、プレス側部材と搬送側部材との間で生じる干渉を仮想空間内で予めチェックする方式が提案されている。
【0007】
この点で、複数のプレス装置および複数の搬送装置との協調動作をシミュレーションする場合には膨大かつ煩雑な計算処理が求められるという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記の点に鑑みてなされたものであって、簡易な方式で干渉が有るか否かの干渉チェックを実行可能なシミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある局面に従うシミュレーション装置は、隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション装置であって、動作シミュレーション部と、干渉チェック部と、形状モデル生成部と、切替設定部とを備える。動作シミュレーション部は、プレス機械、搬送装置およびワークの動作をシミュレーションする。干渉チェック部は、干渉が有るか否かを判断する。形状モデル生成部は、搬送装置とワークとを一体とした形状モデルを生成する。切替設定部は、形状モデルにおけるワークの表示/非表示を切り替える。干渉チェック部は、形状モデルと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、ワークが非表示の場合、ワークに対する干渉はないと判断する。
【0010】
好ましくは、干渉チェック部は、ワークが表示の場合、ワークを含めた形状モデルに対する干渉が有るか否かを判断する。
【0011】
好ましくは、干渉チェック部は、第1搬送ラインにおいて、第1搬送装置によりワークをプレス機械に搬入する場合に、ワークが表示された第1形状モデルとプレス機械との干渉が有るか否かを判断する。
【0012】
好ましくは、干渉チェック部は、第1搬送ラインにおいて、第1搬送装置をプレス機械から退避させる場合に、ワークが非表示の第1形状モデルとプレス機械との干渉が有るか否かを判断する。
【0013】
好ましくは、干渉チェック部は、第1搬送ラインと異なる第2搬送ラインにおいて、第2搬送装置をプレス機械内に侵入させる場合に、ワークが非表示の第2形状モデルとプレス機械との干渉が有るか否かを判断する。
【0014】
好ましくは、干渉チェック部は、第2搬送ラインにおいて、第2搬送装置によりワークをプレス機械から搬出する場合に、ワークが表示された第2形状モデルとプレス機械との干渉が有るか否かを判断する。
【0015】
好ましくは、第1形状モデルのワークと、第2形状モデルのワークとは異なる。
好ましくは、形状モデル生成部は、プレス機械とワークとを一体としたプレス形状モデルを生成する。切替設定部は、プレス形状モデルにおけるワークの表示/非表示を切り替える。
【0016】
好ましくは、形状モデル生成部は、プレス前のプレス機械と第1ワークとを一体とした第1プレス形状モデルと、プレス後のプレス機械と第2ワークとを一体とした第2プレス形状モデルとを生成する。
【0017】
好ましくは、形状モデル生成部は、プレス機械、搬送装置およびワークの3次元形状モデルを生成する。
【0018】
ある局面に従う隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション方法であって、プレス機械、搬送装置およびワークの動作をシミュレーションするステップと、干渉が有るか否かを判断するステップと、搬送装置とワークとを一体とした形状モデルを生成するステップと、形状モデルにおけるワークの表示/非表示を切り替えるステップとを備える。干渉が有るか否かを判断するステップは、形状モデルと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、ワークが非表示の場合、ワークに対する干渉はないと判断する。
【0019】
ある局面に従う隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置を備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション装置のコンピュータにおいて実行されるシミュレーションプログラムであって、コンピュータを、シミュレーションプログラムにより、プレス機械、搬送装置およびワークの動作をシミュレーションする動作シミュレーション部と、干渉が有るか否かを判断する干渉チェック部と、搬送装置とワークとを一体とした形状モデルを生成する形状モデル生成部と、形状モデルにおけるワークの表示/非表示を切り替える切替設定部として機能させる。干渉チェック部は、形状モデルと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、ワークが非表示の場合、ワークに対する干渉はないと判断する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、簡易な方式で干渉が有るか否かの干渉チェックを実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に基づくプレスシステム1の概要を説明する図である。
図2】実施形態に基づく制御装置9により制御されるプレス装置2および搬送装置3の機能ブロックを説明する図である。
図3】実施形態に基づくシミュレーション装置10のハードウェアの構成を説明する図である。
図4】実施形態に基づくシミュレーション装置10の機能を説明するブロック図である。
図5】シミュレーション装置10における仮想空間の動作シミュレーションを説明する図である。
図6】シミュレーション装置10における仮想空間の動作シミュレーションを説明する別の図である。
図7】実施形態に基づく形状モデル生成部120で生成される形状モデルの一例を説明する図である。
図8】実施形態に基づく形状モデル生成部120で生成される形状モデルの別の例を説明する図である。
図9】実施形態に基づく形状モデルMDに対するコマンド情報を説明する図である。
図10】実施形態に基づくシミュレーション処理を実行するフローを説明する図である。
図11】実施形態に基づく搬送装置のシミュレーション処理を実行する別のフローを説明する図である。
図12】実施形態に基づく形状モデルMDに対する別のコマンド情報を説明する図である。
図13】実施形態に基づくプレス装置のシミュレーション処理を実行するフローを説明する図である。
図14】実施形態に基づく干渉チェック部124における干渉チェック処理について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
図1は、実施形態1に基づくプレスシステム1の概要を説明する図である。
図1に示されるようにプレスシステム1は、間隔を置いて配置され被加工物(ワーク)にプレス動作を実行する複数のプレス装置2A,2B,2C,2D(総称してプレス装置2とも称する)と、これらプレス装置2A〜2Dの両側に配置され、隣接するプレス装置2に被加工物を搬送する搬送装置3A,3B,3C,3D,3E,3F(総称して搬送装置3とも称する)と、これらを制御する制御装置9と、シミュレーション装置10とを備える。一例としてタンデムプレスラインの構成について説明する。
【0024】
制御装置9は、プレス装置2A,2B,2C,2Dおよび搬送装置3A,3B,3C,3D,3E,3Fの動作手順を定めた制御プログラムを記憶するメモリを有し、プレス装置2A,2B,2C,2Dおよび搬送装置3A,3B,3C,3D,3E,3Fに制御信号を出力する。
【0025】
また、当該タンデムプレスラインの動作を指示できるように人が操作可能に設けられており、制御装置9に対して操作に応じた操作信号を出力する操作装置(例えば、操作パネル)が設けられている。この操作信号は制御装置9に入力され、制御装置9は、操作信号に基づいて制御プログラムを実行し各種の制御信号を出力する。
【0026】
シミュレーション装置10は、当該タンデムプレスラインを仮想空間上においてシミュレート処理する装置である。なお、本例においては、シミュレーション装置10と制御装置9とが別体で設けられている構成について説明するが、シミュレーション装置10と制御装置9とが一体として設けられる構成としても良い。
【0027】
図2は、実施形態に基づく制御装置9により制御されるプレス装置2および搬送装置3の機能ブロックを説明する図である。
【0028】
図2に示されるように、制御装置9は、メモリ90と、ライン同期制御装置92と、プレス制御装置94と、搬送制御装置96とを含む。
【0029】
プレス装置2には、サーボアンプ4Aと、サーボモータ5Aと、位置検出エンコーダ6Aとが設けられる。
【0030】
搬送装置3には、サーボアンプ4Bと、サーボモータ5Bと、位置検出エンコーダ6Bとが設けられる。
【0031】
メモリ90は、プレス装置2および搬送装置3の動作手順を定めた制御プログラムを記憶している。
【0032】
ライン同期制御装置92は、メモリ90に格納されている制御プログラムに基づいてプレス制御装置94および搬送制御装置96に対してコマンドを出力する。
【0033】
プレス制御装置94は、ライン同期制御装置92からのコマンドに従ってプレス装置2を制御する。プレス制御装置94は、サーボアンプ4Aを介してサーボモータ5Aを駆動することにより、プレス動作を実行する。プレス制御装置94は、位置検出エンコーダ6Aからのデータに基づいてプレス動作の位置制御を実行する。
【0034】
搬送制御装置96は、サーボアンプ4Bを介してサーボモータ5Bを駆動することにより、搬送動作を実行する。搬送制御装置96は、位置検出エンコーダ6Bからのデータに基づいて搬送動作の位置制御を実行する。
【0035】
なお、本例においては、制御装置9は、プレス制御装置94および搬送制御装置96をそれぞれ1つずつ設ける構成について説明したが、各プレス装置2および各搬送装置3毎にそれぞれプレス制御装置94および搬送制御装置96を設ける構成としても良いし、1つのプレス制御装置94および搬送制御装置96が全体のプレス装置2および搬送装置3を制御する構成としても良い。
【0036】
図3は、実施形態に基づくシミュレーション装置10のハードウェアの構成を説明する図である。
【0037】
図3に示されるように、シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)12と、通信装置14と、メモリ16と、入力装置18と、表示装置20と、内部バス22とを含む。
【0038】
内部バス22は、各部と接続され、各部のデータの授受を実行する。
入力装置18は、キーボードやマウス等を含む。
【0039】
メモリ16は、シミュレーション装置10におけるシミュレーション処理を実行するための各種プログラムを格納している。後述する仮想空間内における干渉チェック処理を実行するためのプログラムも格納されている。
【0040】
通信装置14は、制御装置9と通信するために用いられる。なお、ネットワークを介して外部のサーバとの間でデータを授受するようにしても良い。
【0041】
表示装置20は、LCD(Liquid Crystal Display)等である。
CPU12は、シミュレーション装置10全体を制御する。CPU12は、メモリ16に格納されているプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0042】
図4は、実施形態に基づくシミュレーション装置10の機能を説明するブロック図である。
【0043】
図4に示されるように、シミュレーション装置10は、CPU12がメモリ16に格納されているプログラムを実行することにより各種の機能ブロックを実現する。
【0044】
CPU12は、形状モデル生成部120と、動作シミュレーション部122と、干渉チェック部124と、コマンド設定部125とを含む。コマンド設定部125は、切替設定部126を含む。
【0045】
形状モデル生成部120は、仮想空間において動作シミュレーションを実行する形状モデルを生成する。
【0046】
コマンド設定部125は、生成された形状モデルの動作シミュレーションを実行するためのコマンドを設定する。当該コマンドは、オペレータが入力装置18を用いて設定する。切替設定部126は、仮想空間において形状モデルの一部の表示/非表示の切り替えを設定する。
【0047】
動作シミュレーション部122は、仮想空間において、上記のタンデムプレスラインを構成するプレス装置2および搬送装置3の動作シミュレーションを実行する。
【0048】
干渉チェック部124は、動作シミュレーション部122における仮想空間内の動作シミュレーションに基づいて、プレス装置2および搬送装置3とが互いに干渉するか否かを判定する。
【0049】
図5は、シミュレーション装置10における仮想空間の動作シミュレーションを説明する図である。
【0050】
図5(A)〜(F)において一連の搬送処理およびプレス処理の流れ(第1搬送ライン)が示されている。
【0051】
本例においては、フィーダ(搬送装置)F0が被加工物W0をプレス装置に搬入する場合の処理が示されている。プレス装置は、上金型100と、下金型102とを含む。フィーダF0は、プレス装置におけるプレス処理のために所定位置P0から被加工物W0を下金型102に載置する所定位置P1に搬送する。フィーダF0は、被加工物W0を搬送後、所定位置P1から所定位置P0に戻り、再び、次の被加工物W0をプレス装置に搬入する。当該処理を繰り返す。
【0052】
図5(A)においては、フィーダF0が所定位置P0から被加工物W0を把持して上金型100および下金型102を有するプレス装置に搬入する状態が示されている。
【0053】
図5(B)には、被加工物W0を把持するフィーダF0がプレス装置内に入った状態が示されている。
【0054】
図5(C)には、フィーダF0が被加工物W0をプレス装置2の所定位置P1に到達した状態が示されている。
【0055】
図5(D)および図5(E)には、フィーダF0が所定位置P0に戻る処理が示されている。
【0056】
図5(F)には、上金型100および下金型102が嵌合してプレス装置によるプレス処理が実行された場合の状態が示されている。
【0057】
動作シミュレーションとして搬送時のサイクルタイムを確認するとともに、フィーダF0とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0058】
具体的には、所定位置P0から所定位置P1までの搬送処理については、被加工物W0を把持するフィーダF0とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0059】
また、所定位置P1から所定位置P0までの搬送処理については、被加工物W0を把持しないフィーダF0とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0060】
図6は、シミュレーション装置10における仮想空間の動作シミュレーションを説明する別の図である。
【0061】
図6(A)〜(F)において一連の搬送処理およびプレス処理の流れ(第2搬送ライン)が示されている。
【0062】
本例においては、フィーダF1が被加工物W1をプレス装置から搬出する場合の処理が示されている。プレス装置におけるプレス処理により被加工物W0は被加工物W1に形状が変化する。
【0063】
プレス装置は、上金型100と、下金型102とを含む。フィーダF1は、被加工物W1の搬出処理のために所定位置P2から被加工物W1が載置されている所定位置P3に移動する。
【0064】
フィーダF1は、所定位置P3で被加工物W1を把持し、当該所定位置P3から所定位置P2に被加工物W1を把持する搬送処理を実行する。そして、被加工物W1の搬送処理後、再び、フィーダF1は、次の被加工物W1の搬出処理のために所定位置P2からプレス装置の所定位置P3に移動する。当該処理を繰り返す。
【0065】
図6(A)においては、プレス装置2がプレス処理した場合の状態が示されている。上記したように当該プレス処理により被加工物W0は、被加工物W1に形状が変化するものとする。
【0066】
図6(B)には、フィーダF1が被加工物W1の搬出処理のために所定位置P2から移動し、プレス装置内に入った状態が示されている。
【0067】
図6(C)には、フィーダF1が被加工物W1が載置される所定位置P3に到達した状態が示されている。
【0068】
図6(D)および図5(E)には、被加工物W1を把持しながらフィーダF1が所定位置P2に戻る場合の処理が示されている。
【0069】
動作シミュレーションとして搬出時のサイクルタイムを確認するとともに、フィーダF1とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0070】
具体的には、所定位置P2から所定位置P3までの搬送処理については、被加工物W1を把持しないフィーダF0とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0071】
また、所定位置P3から所定位置P2までの搬送処理については、被加工物W1を把持するフィーダF1とプレス装置との干渉の有無をチェックする。
【0072】
図7は、実施形態に基づく形状モデル生成部120で生成される形状モデルの一例を説明する図である。
【0073】
図7(A)には、搬送装置3の形状モデルMD0が示されている。形状モデルMD0は、フィーダF0と、被加工物W0とを含む。また、形状モデルMD0は、フィーダF0と、被加工物W0とが一体として形成された状態で示されている。すなわち、フィーダF0が被加工物W0を把持した状態である。なお、形状モデルの総称して形状モデルMDとも称する。なお、形状モデル生成部120は、形状モデルMDの生成に関し、フィーダと被加工物とが一体として形成されたモデルを直接生成しても良いし、フィーダと被加工物とのモデルをそれぞれ生成し、そして、フィーダと被加工物とが一体として形成されたモデルを生成するようにしても良い。
【0074】
本例においては、切替設定部126は、仮想空間における形状モデルの一部について、表示/非表示を切り替えることが可能な設定処理を実行する。
【0075】
具体的には、本例においては、形状モデルMD0の被加工物W0について表示/非表示の切り替えを設定する処理を実行する。
【0076】
例えば、表示の場合には、形状モデルMD0は、フィーダF0と、被加工物W0とがともに表示された状態で示される。すなわち、フィーダF0が被加工物W0を把持した状態である。
【0077】
一方、非表示の場合には、形状モデルMD0は、フィーダF0のみが表示され、被加工物W0は表示されない状態で示される。すなわち、フィーダF0が被加工物W0を把持していない状態である。
【0078】
図7(B)には、搬送装置3の形状モデルMD1が示されている。形状モデルMD1は、フィーダF1と、被加工物W1とを含む。また、形状モデルMD1は、フィーダF1と、被加工物W1とが一体として形成された状態で示されている。すなわち、フィーダF1が被加工物W1を把持した状態である。
【0079】
本例においては、切替設定部126は、仮想空間における形状モデルの一部について、表示/非表示を切り替えることが可能な設定処理を実行する。
【0080】
具体的には、本例においては、形状モデルMD1の被加工物W1について表示/非表示の切り替えを設定する処理を実行する。
【0081】
例えば、表示の場合には、形状モデルMD1は、フィーダF1と、被加工物W1とがともに表示された状態で示される。すなわち、フィーダF1が被加工物W1を把持した状態である。
【0082】
一方、非表示の場合には、形状モデルMD1は、フィーダF1のみが表示され、被加工物W1は表示されない状態で示される。すなわち、フィーダF1が被加工物W1を把持していない状態である。
【0083】
図8は、実施形態に基づく形状モデル生成部120で生成される形状モデルの別の例を説明する図である。
【0084】
図8(A)には、プレス装置2の形状モデルMD2が示されている。なお、プレス装置2の形状モデルとして本例においては、一例としてプレス装置2の一部を構成する下金型についてのみ説明するが、上金型や他のプレス装置の他の構成要素を含んでいてもよい。
【0085】
形状モデルMD2は、下金型102と、被加工物W0とを含む。また、形状モデルMD2は、下金型102と、被加工物W0とが一体として形成された状態で示されている。すなわち、下金型102に被加工物W0が載置された状態である。
【0086】
本例においては、切替設定部126は、仮想空間における形状モデルの一部について、表示/非表示を切り替えることが可能な設定処理を実行する。
【0087】
具体的には、本例においては、形状モデルMD2の被加工物W0について表示/非表示の切り替えを設定する処理を実行する。
【0088】
例えば、表示の場合には、形状モデルMD2は、下金型102と、被加工物W0とがともに表示された状態で示される。すなわち、下金型102に被加工物W0が載置された状態である。
【0089】
一方、非表示の場合には、形状モデルMD2は、下金型102のみが表示され、被加工物W0は表示されない状態で示される。すなわち、下金型102に被加工物W0が載置されていない状態である。
【0090】
図8(B)には、プレス装置2の形状モデルMD3が示されている。なお、プレス装置2の形状モデルとして本例においては、一例としてプレス装置2の一部を構成する下金型についてのみ説明するが、他の構成要素を含んでいてもよい。
【0091】
形状モデルMD3は、下金型102と、被加工物W1とを含む。また、形状モデルMD3は、下金型102と、被加工物W1とが一体として形成された状態で示されている。すなわち、下金型102に被加工物W1が載置された状態である。
【0092】
本例においては、切替設定部126は、仮想空間における形状モデルの一部について、表示/非表示を切り替えることが可能な設定処理を実行する。
【0093】
具体的には、本例においては、形状モデルMD3の被加工物W1について表示/非表示の切り替えを設定する処理を実行する。
【0094】
例えば、表示の場合には、形状モデルMD3は、下金型102と、被加工物W1とがともに表示された状態で示される。すなわち、下金型102に被加工物W1が載置された状態である。
【0095】
一方、非表示の場合には、形状モデルMD3は、下金型102のみが表示され、被加工物W1は表示されない状態で示される。すなわち、下金型102に被加工物W1が載置されていない状態である。
【0096】
本実施形態においては、上記形状モデル生成部120で生成した形状モデルMDを用いた動作シミュレーションが実行される。
【0097】
[搬送装置の処理]
図9は、実施形態に基づく形状モデルMDに対するコマンド情報を説明する図である。
【0098】
図9(A)および(B)には、形状モデルMD0に与えられる2つのコマンド情報CM0,CM1が示されている。コマンド情報は、コマンド設定部125により予め設定されている。
【0099】
図9(C)および(D)には、形状モデルMD1に与えられる2つのコマンド情報CM2,CM3が示されている。
【0100】
図9(A)を参照してコマンド情報CM0は、形状モデルMD0を所定位置P0から所定位置P1に移動するように指示する移動命令200と、フィーダF0の動作データ202と、表示フラグデータ204とを含む。
【0101】
位置は、一例としてX軸およびY軸を用いた2次元データであるものとする。ここで、所定位置P0は、フィーダF0の初期位置に設定されている。フィーダF0が被加工物W0を把持する開始位置に設定されている。所定位置P1は、フィーダF0が被加工物W0の把持を終了する位置に設定されている。
【0102】
移動命令200に従って形状モデルMD0は所定位置P0から所定位置P1への移動処理を実行する。また、動作データ202に基づいて、フィーダF0の移動処理の際の動作モーションが規定される。
【0103】
表示フラグデータ204は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、一例として表示オンが設定されている。したがって、仮想空間において被加工物W0はフィーダF0とともに表示される。
【0104】
図9(B)を参照して、コマンド情報CM1は、形状モデルMD0を所定位置P1から所定位置P0に移動するように指示する移動命令210と、フィーダF0の動作データ212と、表示フラグデータ214とを含む。
【0105】
移動命令210に従って形状モデルMD0は所定位置P1から所定位置P0への移動処理を実行する。また、動作データ212に基づいて、フィーダF0の移動処理の際の動作モーションが規定される。
【0106】
表示フラグデータ214は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、表示オフが設定されている。したがって、仮想空間において被加工物W0は表示されず、フィーダF0のみが表示される。
【0107】
図9(C)を参照して、コマンド情報CM2は、形状モデルMD1を所定位置P2から所定位置P3に移動するように指示する移動命令220と、フィーダF1の動作データ222と、表示フラグデータ224とを含む。
【0108】
ここで、所定位置P2は、フィーダF1の初期位置に設定されている。フィーダF1が被加工物W1を搬出するために移動する開始位置および被加工物W1の把持を終了する終了位置に設定されている。所定位置P3は、フィーダF1が被加工物W1を把持する開始位置に設定されている。
【0109】
移動命令220に従って形状モデルMD1は所定位置P2から所定位置P3への移動処理を実行する。また、動作データ222に基づいて、フィーダF1の移動処理の際の動作モーションが規定される。
【0110】
表示フラグデータ224は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、一例として表示オフが設定されている。したがって、仮想空間において被加工物W1は表示されず、フィーダF1のみが表示される。
【0111】
図9(D)を参照して、コマンド情報CM3は、形状モデルMD1を所定位置P3から所定位置P2に移動するように指示する移動命令230と、フィーダF1の動作データ232と、表示フラグデータ234とを含む。
【0112】
移動命令230に従って形状モデルMD1は所定位置P3から所定位置P2への移動処理を実行する。また、動作データ232に基づいて、フィーダF1の移動処理の際の動作モーションが規定される。
【0113】
表示フラグデータ234は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、一例として表示オンが設定されている。したがって、仮想空間において被加工物W1はフィーダF1とともに表示される。
【0114】
図10は、実施形態に基づくシミュレーション処理を実行するフローを説明する図である。当該処理は、主に動作シミュレーション部122における処理である。
【0115】
図10に示されるように、まず、CPU12は、コマンド情報CM0を実行する(ステップS2)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM0を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD0が表示され、設定された動作モーションに従う移動処理を実行する。たとえば、図5(A)および(B)に示されように所定位置P0から所定位置P1に至るまでフィーダF0は被加工物W0を把持した状態での移動処理を実行する。
【0116】
次に、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達したか否かを判断する(ステップS4)。たとえば、図5(C)に示される状態のように動作シミュレーション部122は、移動処理によりフィーダF0が下金型102に被加工物W0を載置する所定位置P1に到達したか否かを判断する。
【0117】
ステップS4において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達したと判断した場合(ステップS4においてYES)には、ステップS6に進む。
【0118】
一方、ステップS4において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達していないと判断した場合(ステップS4においてNO)には、ステップS2に戻り、コマンド情報CM0の実行処理を継続する。
【0119】
ステップS6において、CPU12は、コマンド情報CM1を実行する(ステップS6)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM1を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD0が表示され、設定された動作モーションに従う移動処理を実行する。たとえば、図5(D)および(E)に示されように所定位置P1から所定位置P0に至るまでフィーダF0は被加工物W0を把持しない状態で移動処理を実行する。
【0120】
次に、CPU12は、フィーダF0が所定位置P0に到達したか否かを判断する(ステップS8)。具体的には、動作シミュレーション部122は、移動処理によりフィーダF0が初期位置である所定位置P0に到達したか否かを判断する。
【0121】
ステップS8において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P0に到達したと判断した場合(ステップS8においてYES)には、最初のステップS2に進む。
【0122】
一方、ステップS8において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P0に到達していないと判断した場合(ステップS8においてNO)には、ステップS6に戻り、コマンド情報CM1の実行処理を継続する。
【0123】
当該処理により、フィーダF0は、図5で説明したように所定位置P0から所定位置P1まで被加工物W0を把持した状態での移動処理を実行する。そして、フィーダF0は、所定位置P1から所定位置P0に戻る際には、被加工物W0を把持していない状態での移動処理を実行する。
【0124】
図11は、実施形態に基づく搬送装置のシミュレーション処理を実行する別のフローを説明する図である。当該処理は、主に動作シミュレーション部122における処理である。
【0125】
図11に示されるように、まず、CPU12は、コマンド情報CM2を実行する(ステップS10)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM2を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD1が表示され、設定された動作モーションに従う移動処理を実行する。たとえば、図6(B)に示されように所定位置P2から所定位置P3に至るまでフィーダF1は被加工物W1を把持しない状態で移動処理を実行する。
【0126】
次に、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達したか否かを判断する(ステップS12)。たとえば、図6(C)に示されるように動作シミュレーション部122は、移動処理によりフィーダF1が下金型102にある被加工物W1を把持する所定位置P3に到達したか否かを判断する。
【0127】
ステップS12において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達したと判断した場合(ステップS12においてYES)には、ステップS14に進む。
【0128】
一方、ステップS12において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達していないと判断した場合(ステップS12においてNO)には、ステップS10に戻り、コマンド情報CM2の実行処理を継続する。
【0129】
ステップS14において、CPU12は、コマンド情報CM3を実行する(ステップS14)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM3を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD1が表示され、設定された動作モーションに従う移動処理を実行する。たとえば、図6(D)に示されように所定位置P3から所定位置P2に至るまでフィーダF1は被加工物W1を把持した状態で移動処理を実行する。
【0130】
次に、CPU12は、フィーダF1が所定位置P2に到達したか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、動作シミュレーション部122は、移動処理によりフィーダF1が初期位置である所定位置P2に到達したか否かを判断する。
【0131】
ステップS16において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P2に到達したと判断した場合(ステップS16においてYES)には、最初のステップS10に進む。
【0132】
一方、ステップS16において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P2に到達していないと判断した場合(ステップS16においてNO)には、ステップS14に戻り、コマンド情報CM3の実行処理を継続する。
【0133】
当該処理により、フィーダF1は、図6で説明したように所定位置P2から所定位置P3までフィーダF1は被加工物W1を把持しない状態での移動処理を実行する。そして、フィーダF1は、所定位置P3から所定位置P2に戻る際には、被加工物W1を把持した状態での移動処理を実行する。
【0134】
当該処理により、被加工物W0とフィーダF0、被加工物W1とフィーダF1とを一体とした形状モデル形でのシミュレーション処理を実行することが可能である。すなわち、被加工物W0および被加工物W1をフィーダF0およびフィーダF1と独立して動作を規定する必要がない。
【0135】
[プレス装置の処理]
図12は、実施形態に基づく形状モデルMDに対する別のコマンド情報を説明する図である。
【0136】
図12(A)および(B)には、形状モデルMD2に与えられる2つのコマンド情報CM4,CM5が示されている。
【0137】
図12(C)および(D)には、形状モデルMD3に与えられる2つのコマンド情報CM6,CM7が示されている。コマンド情報は、コマンド設定部125により予め設定されている。
【0138】
図12(A)を参照して、コマンド情報CM4は、形状モデルMD2に関して、プレス前のプレス装置の条件データ300と、表示フラグデータ302とを含む。
【0139】
条件データ300は、表示フラグデータを切り替える条件を設定するデータである。
本例においては、プレス前にフィーダF0が所定位置P1に到達した場合が条件として設定されている。
【0140】
表示フラグデータ302は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、表示オンが設定されている。したがって、仮想空間において、プレス前にフィーダF0が所定位置P1に到達した場合に被加工物W0が下金型102とともに表示される。
【0141】
図12(B)を参照して、コマンド情報CM5は、形状モデルMD2に関して、プレス前のプレス装置の条件データ310と、表示フラグデータ312とを含む。
【0142】
条件データ310は、表示フラグデータを切り替える条件を設定するデータである。
本例においては、プレス前にフィーダF0が所定位置P1に到達するまでの場合が条件として設定されている。
【0143】
表示フラグデータ312は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、表示オフが設定されている。したがって、仮想空間において、プレス前にフィーダF0が所定位置P1に到達するまで下金型102のみが表示される。
【0144】
図12(C)を参照して、コマンド情報CM4は、形状モデルMD3に関して、プレス後のプレス装置の条件データ320と、表示フラグデータ322とを含む。
【0145】
条件データ320は、表示フラグデータを切り替える条件を設定するデータである。
本例においては、プレス後にフィーダF1が所定位置P3に到達した場合が条件として設定されている。
【0146】
表示フラグデータ302は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、表示オンが設定されている。したがって、仮想空間において、プレス後にフィーダF1が所定位置P3に到達した場合に被加工物W1が下金型102とともに表示される。
【0147】
図12(D)を参照して、コマンド情報CM4は、形状モデルMD3に関して、プレス後のプレス装置の条件データ330と、表示フラグデータ332とを含む。
【0148】
条件データ330は、表示フラグデータを切り替える条件を設定するデータである。
本例においては、プレス後にフィーダF1が所定位置P3に到達するまでの場合が条件として設定されている。
【0149】
表示フラグデータ332は、切替設定部126による切替指示に従って規定されるものであり、表示/非表示の切り替えが可能な形状モデルの一部について表示/非表示を設定するデータである。本例においては、表示オフが設定されている。したがって、仮想空間において、プレス後にフィーダF1が所定位置P3に到達するまで下金型102のみが表示される。
【0150】
図13は、実施形態に基づくプレス装置のシミュレーション処理を実行するフローを説明する図である。当該処理は、主に動作シミュレーション部122における処理である。
【0151】
図13に示されるように、まず、CPU12は、コマンド情報CM5を実行する(ステップS20)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM5を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD2が表示される。たとえば、図5(A)および(B)に示されようにフィーダF0が所定位置P0から所定位置P1に至るまで下金型102のみが表示される。
【0152】
次に、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達したか否かを判断する(ステップS22)。たとえば、図5(C)に示されるように動作シミュレーション部122は、フィーダF0が下金型102に被加工物W0を載置する所定位置P1に到達したか否かを判断する。
【0153】
ステップS22において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達したと判断した場合(ステップS22においてYES)には、ステップS24に進む。
【0154】
一方、ステップS22において、CPU12は、フィーダF0が所定位置P1に到達していないと判断した場合(ステップS22においてNO)には、ステップS20に戻り、コマンド情報CM5の実行処理を継続する。
【0155】
ステップS24において、CPU12は、コマンド情報CM4を実行する(ステップS24)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM4を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD2が表示される。たとえば、図5(C)〜(E)に示されるように下金型102に被加工物W0を載置した状態で表示される。
【0156】
次に、CPU12は、プレスコマンドを実行する(ステップS26)。具体的には、動作シミュレーション部122は、図5(F)および図6(A)に示される上金型100および下金型102を嵌合させるプレス処理を実行する。
【0157】
次に、CPU12は、プレスが完了したか否かを判断する(ステップS28)。
ステップS28において、CPU12は、プレスが完了したと判断していないと判断した場合(ステップS28においてNO)には、ステップS26に戻り、プレスコマンドを実行する処理を継続する。
【0158】
一方、ステップS28において、CPU12は、プレスが完了したと判断した場合(ステップS28においてYES)には、コマンド情報CM7を実行する(ステップS30)。これにより仮想空間において形状モデルMD3が表示される。たとえば、図6(B)に示されるように下金型102に被加工物W1を載置した状態で表示される。
【0159】
次に、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達したか否かを判断する(ステップS32)。たとえば、図6(C)に示されるように動作シミュレーション部122は、フィーダF1が下金型102に載置された被加工物W1する所定位置P3に到達したか否かを判断する。
【0160】
ステップS32において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達したと判断した場合(ステップS32においてYES)には、ステップS34に進む。
【0161】
一方、ステップS32において、CPU12は、フィーダF1が所定位置P3に到達していないと判断した場合(ステップS32においてNO)には、ステップS30に戻り、コマンド情報CM7の実行処理を継続する。
【0162】
ステップS34において、CPU12は、コマンド情報CM6を実行する(ステップS34)。具体的には、動作シミュレーション部122は、コマンド情報CM6を実行する。これにより仮想空間において形状モデルMD3が表示される。たとえば、図6(D)〜(E)に示されるように下金型102に被加工物W1を載置していない状態で表示される。
【0163】
当該処理により、プレス前において図5に示されるようにフィーダF0が所定位置P1に到達するまで下金型102には被加工物W0は載置されておらず、フィーダF0が所定位置P1に到達した場合に下金型102に被加工物W0が載置された状態で表示される。
【0164】
また、プレス後において図6に示されるようにフィーダF1が所定位置P3に到達するまで下金型102には被加工物W1が載置された状態で表示され、フィーダF1が所定位置P3に到達した場合に下金型102に被加工物W1が載置していない状態で表示される。
【0165】
当該処理により、被加工物W0と下金型102、被加工物W1と下金型102を一体とした形状モデル形でのシミュレーション処理を実行することが可能である。すなわち、被加工物W0および被加工物W1を下金型102とそれぞれ一体として形状モデルを生成し、被加工物W0,W1の表示/非表示を切り替えることによりプレス前およびプレス後の状態を容易に表示することが可能である。被加工物W0,W1の状態を独立して規定する必要がない。したがって、簡易な方式で被加工物W0の加工状態を被加工物W1として置換することが可能である。これによりシミュレーションの処理負荷も軽減することが可能である。
【0166】
[干渉チェック処理]
図14は、実施形態に基づく干渉チェック部124における干渉チェック処理について説明するフロー図である。当該処理は、干渉チェック部124における処理である。干渉チェック部124は、動作シミュレーション部122が実行する仮想空間内の動作シミュレーションに従って、プレス装置および搬送装置とが互いに干渉するか否かを判定する。
【0167】
図14に示されるように、CPU12は、表示が有効な搬送装置の形状モデルとプレス装置の形状モデルの衝突が有るか否かを判断する(ステップS40)。
【0168】
具体的には、干渉チェック部124は、一例として、搬送装置の形状モデルMD0とプレス装置の形状モデルMD2との間において衝突が有るか否かを判断する。図5(A)〜(C)に示される移動処理において、所定位置P0から所定位置P1に被加工物W0を搬送する際に表示されている形状モデル同士が重なり合った場合には衝突有りと判定する。一方、重なり合わなかった場合には衝突無しと判定する。また、図5(D),(E)に示される移動処理において、所定位置P1から所定位置P0に搬送装置の形状モデルMD0が戻る際にもプレス装置の形状モデルMD2との間において衝突が有るか否かを判断する。
【0169】
同様に、干渉チェック部124は、搬送装置の形状モデルMD1とプレス装置の形状モデルMD3との間において衝突が有るか否かを判断する。図6(B),(C)に示される移動処理において、所定位置P2から所定位置P3に移動する際に表示されている形状モデル同士が重なり合った場合には衝突有りと判定する。一方、重なり合わなかった場合には衝突無しと判定する。また、図6(D),(E)に示される移動処理において、所定位置P3から所定位置P2に被加工物W1を搬送する際にも搬送装置の形状モデルMD1とプレス装置の形状モデルMD3との間において衝突が有るか否かを判断する。
【0170】
ステップS40において、CPU12は、衝突が有ると判断した場合(ステップS40においてYES)には干渉エラー処理を実行する(ステップS42)。具体的には、干渉チェック部124は、衝突が有った旨を報知する。たとえば、音声により衝突が有った旨を報知するようにしても良い。あるいは、色を変える等表示により衝突が有った旨を報知するようにしても良い。あるいは、シミュレーション処理を停止させて、衝突状態を明示するようにしても良い。なお、後で利用することが可能なように衝突があったシーンをデータとして保存するようにしても良い。
【0171】
次に、ステップS44において、CPU12は、シミュレーション処理が終了した否かを判断する。具体的には、干渉チェック部124は、シミュレーション処理が終了した否かを判断する。
【0172】
ステップS44において、CPU12は、シミュレーション処理が終了したと判断した場合(ステップS44においてYES)には、終了する(エンド)。一方、ステップS44において、CPU12は、シミュレーション処理が終了していないと判断した場合(ステップS44においてNO)には、ステップS40に戻り、上記処理を繰り返す。
【0173】
当該方式により、搬送装置の形状モデルと、プレス装置の形状モデルを生成し、被加工物の表示/非表示を切り替えることにより実際のプレスラインと同様の状況を簡易な方式でシミュレートすることが可能となり、簡易な方式で干渉チェック処理を実行することが可能である。
【0174】
なお、本例においては、2次元形状の形状モデルについて説明したが、特に2次元形状に限られず、3次元形状についても同様に適用可能である。
【0175】
また、本実施形態におけるプログラムとして、パーソナルコンピュータで実行可能なアプリケーションを提供してもよい。このとき、本実施形態に係るプログラムは、パーソナルコンピュータ上で実行される各種アプリケーションプログラムの一部の機能として組み込まれてもよい。
【0176】
<作用効果>
次に、実施形態の作用効果について説明する。
【0177】
実施形態のシミュレーション装置10は、図1に示すように隣接するプレス機械2A〜2D間で被加工物(ワーク)を搬送する搬送装置3A〜3Eを備えた搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション装置であって、図4に示すように、プレス機械、搬送装置および被加工物の動作をシミュレーションする動作シミュレーション部122と、干渉が有るか否かを判断する干渉チェック部124と、フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成する形状モデル生成部120と、形状モデルMDにおける被加工物Wの表示/非表示を切り替える切替設定部126とを備える。干渉チェック部124は、形状モデルMDと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、被加工物Wが非表示の場合、被加工物Wに対する干渉はないと判断する。
【0178】
フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成して干渉が有るか否かを判断することによりフィーダFとは別に被加工物Wの動作を独立に規定する必要がなく、簡易な方式で干渉が有るか否かを判断する干渉チェックを実行することが可能である。
【0179】
干渉チェック部124は、被加工物Wが表示の場合、被加工物Wを含めた形状モデルMDに対する干渉が有るか否かを判断する。
【0180】
表示の切り替えにより被加工物Wに対する干渉が有るか否かを判断する干渉チェックを容易に実行することが可能である。
【0181】
干渉チェック部124は、第1搬送ラインにおいて、フィーダF0により被加工物W0をプレス機械に搬入する場合に、被加工物W0が表示された形状モデルMD0とプレス機械の干渉が有るか否かを判断する。
【0182】
被加工物W0を搬入する場合に、フィーダF0と被加工物W0とを一体とした形状モデルMD0を生成して干渉チェックを実行することにより被加工物W0の動作を独立に規定する必要がなく、簡易な方式で干渉チェックを実行することが可能である。
【0183】
干渉チェック部124は、第1搬送ラインにおいて、フィーダF0をプレス機械から退避させる場合に、被加工物W0が非表示の形状モデルMD0とプレス機械の干渉が有るか否かを判断する。
【0184】
フィーダF0が戻る場合に、被加工物W0の非表示の形状モデルMD0を用いることにより、被加工物の動作を独立に規定する必要が無く、フィーダF0とプレス機械の干渉を容易にチェックすることが可能となる。
【0185】
干渉チェック部124は、第1搬送ラインと異なる第2搬送ラインにおいて、フィーダF1をプレス機械内に侵入させる場合に、被加工物W1が非表示の第2形状モデルとプレス機械の干渉が有るか否かを判断する。
【0186】
フィーダF1がプレス機械に搬入する場合に、被加工物W1が非表示の形状モデルMD0を用いることにより、被加工物の動作を独立に規定する必要が無く、フィーダF1とプレス機械の干渉を容易にチェックすることが可能となる。
【0187】
干渉チェック部124は、第2搬送ラインにおいて、フィーダF1により被加工物W1をプレス機械から搬出する場合に、被加工物W1が表示された形状モデルMD1とプレス機械の干渉が有るか否かを判断する。
【0188】
フィーダF1がプレス機械から搬出する場合に、表示された被加工物W1の形状モデルMD0を用いることにより、被加工物の動作を独立に規定する必要が無く、被加工物W1を把持したフィーダF1とプレス機械の干渉を容易にチェックすることが可能となる。
【0189】
形状モデルMD0の被加工物W0と、形状モデルMD1の被加工物W1とは異なる。
加工状態を被加工物W0から被加工物W1に簡易な方式で置換することが可能であり、シミュレーションの処理負荷を軽減することが可能である。
【0190】
形状モデル生成部120は、下金型102と被加工物W0,W1とを一体とした形状モデルMD2,MD3を生成し、切替設定部126は、形状モデルMD2,MD3における被加工物W0,W1の表示/非表示を切り替える。被加工物W0,W1の動作を独立に規定する必要がなく、簡易な方式で干渉チェックを実行することが可能である。
【0191】
形状モデル生成部120は、プレス前の下金型102と被加工物W0とを一体とした形状モデルMD2と、プレス後の下金型102と被加工物W1とを一体とした形状モデルMD3とを生成する。
【0192】
被加工物W0,W1と一体とした形状モデルMD2,MD3を用いることにより、プレス前およびプレス後の被加工物の状態を簡易な方式で切り替えることが可能となり、シミュレーションの処理負荷を軽減することが可能となる。
【0193】
形状モデル生成部120は、プレス機械、搬送装置および被加工物の3次元形状モデルを生成する。
【0194】
3次元形状モデルを生成することにより実際の実機に近い形でのシミュレーション処理を実行することが可能であり、シミュレーションの精度を向上させることが可能である。
【0195】
実施形態に従う隣接するプレス機械間でワークを搬送する搬送装置の搬送ラインをシミュレーションするシミュレーション方法であって、プレス機械、搬送装置およびワークの動作をシミュレーションするステップと、干渉が有るか否かを判断するステップと、フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成するステップと、形状モデルMDにおける被加工物Wの表示/非表示を切り替えるステップとを備える。干渉が有るか否かを判断するステップは、形状モデルMDと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、被加工物Wが非表示の場合、被加工物Wに対する干渉はないと判断する。
【0196】
フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成して干渉が有るか否かを判断することによりフィーダFとは別に被加工物Wの動作を独立に規定する必要がなく、簡易な方式で干渉が有るか否かを判断する干渉チェックを実行することが可能である。
【0197】
実施形態に従うシミュレーション装置10のコンピュータ(CPU12)において実行されるシミュレーションプログラムであって、コンピュータを、シミュレーションプログラムにより、図4に示すように、プレス機械、搬送装置およびワークの動作をシミュレーションする動作シミュレーション部122と、干渉が有るか否かを判断する干渉チェック部124と、フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成する形状モデル生成部120と、形状モデルMDにおける被加工物Wの表示/非表示を切り替える切替設定部126として機能させる。干渉チェック部124は、形状モデルMDと、プレス機械との干渉が有るか否かを判断し、被加工物Wが非表示の場合、被加工物Wに対する干渉はないと判断する。
【0198】
フィーダFと被加工物Wとを一体とした形状モデルMDを生成して干渉が有るか否かを判断することによりフィーダFとは別に被加工物Wの動作を独立に規定する必要がなく、簡易な方式で干渉が有るか否かを判断する干渉チェックを実行することが可能である。
【0199】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0200】
1 プレスシステム、2,2A,2B,2C,2D プレス装置、3,3A,3B,3C,3D,3E,3F 搬送装置、4A,4B サーボアンプ、5A,5B サーボモータ、6A,6B 位置検出エンコーダ、9 制御装置、10 シミュレーション装置、14 通信装置、16,90 メモリ、18 入力装置、20 表示装置、22 内部バス、92 ライン同期制御装置、94 プレス制御装置、96 搬送制御装置、100 上金型、102 下金型、120 形状モデル生成部、122 動作シミュレーション部、124 干渉チェック部、125 コマンド設定部、126 切替設定部。
図1
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