(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6765441
(24)【登録日】2020年9月17日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】フォーカスレベリング測定装置および方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20200928BHJP
【FI】
G03F9/00 H
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-555181(P2018-555181)
(86)(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公表番号】特表2019-516136(P2019-516136A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】CN2017085354
(87)【国際公開番号】WO2017206755
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2018年11月12日
(31)【優先権主張番号】201610379004.4
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,フェイビィアオ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,シュティン
【審査官】
長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−064806(JP,A)
【文献】
特開平01−112726(JP,A)
【文献】
国際公開第00/030163(WO,A1)
【文献】
特開昭58−113706(JP,A)
【文献】
特開平10−242040(JP,A)
【文献】
特開2013−187514(JP,A)
【文献】
特表2017−503205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00−9/02
G03F 7/20−7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレベリング測定装置であって、
測定光路、第1モニタリング光路、測定センサ、前記測定光路に対応する基準光路、前記第1モニタリング光路に対応する第2モニタリング光路、および基準センサを有し、
前記測定光路は、光の伝播方向に沿って順次、測定照明ユニット、投影レンズ群、検知レンズ群、および測定プリズムを有し、
前記測定照明ユニットの測定光源により発光された測定光束は、前記投影レンズ群によりシリコンウエハへ投射され、前記シリコンウエハにおいて反射された後、前記検知レンズ群および測定プリズムを経由した後、前記測定センサ内に投射され、測定マークを形成し、
前記第1モニタリング光路は、光の伝播方向に沿って順次、第1モニタリング照明ユニット、および前記測定プリズムを有し、前記第1モニタリング照明ユニットにより発光された第1モニタリング光束は、前記測定プリズムを経由した後、前記測定センサ内に投射され、第1モニタリングマークを形成し、
前記基準光路は、基準光源と基準スリットを有し、
前記基準光源により発光された前記測定光源とは異なる波長域の基準光束は、前記基準スリットを経由した後、前記測定光路の投影レンズ群により第3反射鏡へ投射され、前記第3反射鏡において反射された後、前記検知レンズ群、および検知プリズムを経由し、前記基準センサ内に投射され、基準マークを形成する、
ことを特徴とするフォーカスレベリング測定装置。
【請求項2】
前記測定照明ユニットはさらに、前記測定光源に対応する測定スリットを有し、
前記第1モニタリング照明ユニットは、第1モニタリング光源、および前記第1モニタリング光源に対応する第1モニタリングスリットを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項3】
前記測定光源には第1フィルタが設けられ、
前記第1モニタリング光源には第3フィルタが設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項4】
前記投影レンズ群は、光の伝播方向に沿って設けられた第1投影レンズ、投影絞り機構、および第2投影レンズを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項5】
前記投影レンズ群は、第1反射鏡をさらに有し、
前記検知レンズ群は、第2反射鏡をさらに有し、
前記測定光束は、前記第1反射鏡により反射された後、前記シリコンウエハへ入射し、
前記シリコンウエハにおいて反射された後、前記第2反射鏡により反射され、前記検知レンズ群へ到達する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項6】
前記測定プリズムと前記測定センサとの間には測定中継レンズ群が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項7】
前記測定光路、および前記第1モニタリング光路は、同一波長域の光源を採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載フォーカスレベリング測定装置。
【請求項8】
前記基準光路は、第2フィルタをさらに有し、
前記基準光源より発光された基準光束は、前記第2フィルタを通じた後に前記基準光源と
は波長域が異なることとする、
又は、
前記測定光束、および前記基準光束は、異なる波長域の光源を採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項9】
前記測定光源は、可視光光源を採用し、前記基準光源は、赤外光光源を採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項10】
前記測定プリズムと前記測定センサとの間には測定中継レンズ群が設けられ、
前記基準プリズムと前記基準センサとの間には基準中継レンズ群が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項11】
前記測定光路は、前記投影プリズム、および前記検知プリズムにおいて透過を生じ、
前記基準光路は、前記投影プリズム、および前記検知プリズムにおいて反射を生じる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項12】
前記第3反射鏡は、投影対物レンズの下表面に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項13】
前記投影レンズ群は、ビームスプリッタプリズムをさらに有し、
前記検知レンズ群は、ビームコンバイナプリズムをさらに有し、
前記測定光束、および前記基準光束は、前記ビームスプリッタプリズム、および前記ビ
ームコンバイナプリズムの異なる面において反射を生じる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項14】
前記測定光路、および第1モニタリング光路は、同一波長域の光源を採用し、
前記基準光束、および第2モニタリング光束は、同一波長域の光源を採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項15】
前記第2モニタリング光路は、第2モニタリング光源、第2モニタリングスリット、お
よび第4フィルタを有し、
前記第2モニタリング光源により発光された第2モニタリング光束は、前記第2モニタ
リングスリット、および第4フィルタを経由した後、前記基準センサ内に投射され、第2
モニタリングマークを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスレベリング測定装置。
【請求項16】
フォーカスレベリング測定方法であって、
ステップ1:測定光束により、シリコンウエハを測定した後、測定センサ内において測定
マークを形成するとともに、第1モニタリング光路により、前記測定センサ内において第
1モニタリングマークを形成するステップと、
ステップ2:前記測定マーク、および前記第1モニタリングマークの測定センサ上での位
置を測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ上での初期位置とそれぞれ
比較するステップと、
ステップ3:ステップ2の比較結果に基づいて、前記測定マークの変位量、および前記第
1モニタリングマークのドリフト量を算出するステップと、
ステップ4:前記変位量から前記ドリフト量を引いて、シリコンウエハの垂直方向位置の
補正量を得るステップと、を含み、
ステップ1はさらに、基準光束が設定され、前記基準光束は、前記測定光束と同一方向
に伝播するが、前記シリコンウエハ表面を経由せず、基準センサ内に投射されて基準マー
クを形成し、
第2モニタリング光束が設けられ、前記第2モニタリング光束は、前記基準センサ内に
おいて第2モニタリングマークを形成することを含み、
ステップ2はさらに、前記基準マーク、および前記第2モニタリングマークの基準セン
サ上における位置を基準マーク、および第2モニタリングマークの基準センサ上における
初期位置とそれぞれ比較することを含み、
ステップ3はさらに、前記基準マークのドリフト量、および前記第2モニタリング光束
がずれたドリフト量を算出することを含み、
ステップ4はさらに、前記基準マークのドリフト量から前記第2モニタリングマークの
ドリフト量を引いて、光路のドリフト量を得て、前記測定マークの変位量から前記第1モ
ニタリングマークのドリフト量、および前記光路のドリフト量を同時に引いて、シリコン
ウエハの垂直方向位置のずれ量を得ることを含む、
ことを特徴とするフォーカスレベリング測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカスレベリング測定装置および方法に関し、フォトリソグラフィ技術分野に応用される。
【背景技術】
【0002】
投影フォトリソグラフ装置は、マスク上のパターンを、投影対物レンズを介してシリコンウエハ表面に投影する設備である。フォトリソグラフィの露光過程において、シリコンの厚み偏差、面形の起伏、並びに投影対物レンズの焦平面位置の正確性および複雑性の変化などの要素により、シリコンウエハは、焦平面に対してデフォーカスし、または傾斜してしまう。シリコンウエハが対物レンズの焦平面に対してデフォーカス、または傾斜すると、露光視野内のある領域が有効焦点深度を外れてしまい、フォトリソグラフィの品質に深刻に影響してしまう。従って、フォーカスレベリングシステムを採用して露光視野内のシリコンウエハの位置を正確に制御しなければならず、フォーカスレベリング測定装置の測定精度は極めて重要な作用を果たすことになる。フォトリソグラフィ工程技術に対する要求が常に高まるにつれて、フォーカスレベリング測定装置の測定精度も向上し続けなければならず、一方で、システムの測定安定性は、その測定精度に影響する非常に重要な要素である。測定結果精度に影響する要素は、環境だけでなく、例えば、温度や圧力があり、しかもさらにセンサ自体の電力消費によるドリフトなどもある。
【0003】
図1に示すように、既存の技術のフォーカスレベリング測定装置は、光源1により発光された光線が照明レンズ群2、スリット3、および投影対物レンズ4を通過した後、シリコンウエハ5へ照射され、かつシリコンウエハ5の反射により、検知レンズ群6を経由した後、センサ7のリニアアレイCCDへ照射され、リニアアレイCCDにおける光スポットの位置変化により、シリコンウエハ5のデフォーカス量を算出するものである。このような技術は、センサ7自体のドリフトが測定結果に与える影響を考慮しておらず、センサ7のドリフトをモニタリングしていない。一方、センサ7自体のドリフトは、測定結果に偏差を生じさせ、システムの測定精度を低下させ、フォーカスレベリング測定装置の測定安定性に影響してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決する技術的課題は、センサのドリフトをモニタリングおよび補正するフォーカスレベリング測定装置、および方法を提供することである。
【0005】
上述の目的を実現するため、本発明は、以下のような技術的解決手段を採用して実現される。
【0006】
フォーカスレベリング測定装置は、測定光路、第1モニタリング光路、および測定センサを有し、
前記測定光路は、光の伝播方向に沿って順次、測定照明ユニット、投影レンズ群、検知レンズ群、および測定プリズムを有し、前記測定照明ユニットにより発光された測定光束は、前記投影レンズ群によりシリコンウエハへ投射され、前記シリコンウエハにおいて反射された後、前記検知レンズ群および測定プリズムを経由した後、前記測定センサ内に投射され、測定マークを形成し、
前記第1モニタリング光路は、光の伝播方向に沿って順次、第1モニタリング照明ユニット、および前記測定プリズムを有し、前記第1モニタリン照明ユニットにより発光された第1モニタリング光束は、前記測定プリズムを経由した後、前記測定センサ内に投射され、第1モニタリングマークを形成する。
【0007】
好ましくは、前記測定照明ユニットは、測定光源、および前記測定光源に対応する測定スリットを有し、前記第1モニタリング照明ユニットは、第1モニタリング光源、および前記第1モニタリング光源に対応する第1モニタリングスリットを有する。
【0008】
好ましくは、前記測定光源には第1フィルタが設けられ、前記第1モニタリング光源には第3フィルタが設けられる。
【0009】
好ましくは、前記投影レンズ群は、光の伝播方向に沿って設けられた第1投影レンズ、投影絞り機構、および第2投影レンズを有する。
【0010】
好ましくは、前記投影レンズ群は、第1反射鏡をさらに有し、前記検知レンズ群は、第2反射鏡をさらに有し、前記測定光束は、第1反射鏡により反射された後、前記シリコンウエハへ入射し、前記シリコンウエハにおいて反射された後、前記第2反射鏡により反射され、前記検知レンズ群へ到達する。
【0011】
好ましくは、前記測定プリズムと前記測定センサとの間には測定中継レンズ群が設けられる。
【0012】
好ましくは、前記測定光路、および第1モニタリング光路は、同一波長域の光源を採用する。
【0013】
好ましくは、さらに、前記測定光路に対応する基準光路、前記第1モニタリング光路に対応する第2モニタリング光路、および基準センサを有する。
【0014】
好ましくは、前記基準光路は、順次設けられた基準光源、第2フィルタ、および基準スリットを有し、前記基準光源により発光された基準光束は、前記第2フィルタ、および基準スリットを経由した後、前記測定光路の投影レンズ群により第3反射鏡へ投射され、前記第3反射鏡において反射された後、前記検知レンズ群、および検知プリズムを経由し、前記基準センサ内に投射され、基準マークを形成する。
【0015】
好ましくは、前記測定光束、および前記基準光束は、異なる波長域の光源を採用する。
【0016】
好ましくは、前記測定光源は、可視光光源を採用し、前記基準光源は、赤外光源を採用する。
【0017】
好ましくは、前記測定プリズムと前記測定センサとの間には測定中継レンズ群が設けられ、前記基準プリズムと前記基準センサとの間には基準中継レンズ群が設けられる。
【0018】
好ましくは、前記測定光路は、前記投影プリズム、および前記検知プリズムにおいて透過を生じ、前記基準光路は、前記投影プリズム、および前記検知プリズムにおいて反射を生じる。
【0019】
好ましくは、前記第3反射鏡は、投影対物レンズの下表面に設けられる。
【0020】
好ましくは、前記投影レンズ群は、ビームスプリッタプリズムをさらに有し、前記検知レンズ群は、ビームコンバイナプリズムをさらに有し、前記測定光束、および前記基準光束は、前記ビームスプリッタプリズム、および前記ビームコンバイナプリズムの異なる面において反射を生じる。
【0021】
好ましくは、前記測定光束、および前記第1モニタリング光束は、同一波長域の光源を採用し、前記基準光束、および前記第2モニタリング光束は、同一波長域の光源を採用する。
【0022】
好ましくは、前記第2モニタリング光路は、第2モニタリング光源、第2モニタリングスリット、および第4フィルタを有し、前記第2モニタリング光源により発光された第2モニタリング光束は、前記第2モニタリングスリット、および第4フィルタを経由した後、前記基準センサ内に投射され、第2モニタリングマークを形成する。
【0023】
フォーカスレベリング測定方法は、以下の、
ステップ1:測定光束により、シリコンウエハを測定した後、測定センサ内において測定マークを形成し、第1モニタリング光束により、前記測定センサ内において第1モニタリングマークを形成するステップと、
ステップ2:前記測定マーク、および前記第1モニタリングマークの測定センサ上での位置を測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ上での初期位置とそれぞれ比較するステップと、
ステップ3:ステップ2の比較結果に基づいて、前記測定マークの変位量、および前記第1モニタリングマークのドリフト量を算出するステップと、
ステップ4:前記変位量から前記ドリフト量を引いて、シリコンウエハの垂直方向位置の補正量を得るステップと、を含み、
好ましくは、ステップ1はさらに、基準光束が設定され、前記基準光束は、前記測定光束と同一方向に伝播するが、前記シリコンウエハ表面を経由せず、基準センサ内に投射されて基準マークを形成し、
第2モニタリング光束が設けられ、前記第2モニタリング光束は、前記基準センサ内において第2モニタリングマークを形成することを含み、
ステップ2はさらに、前記基準マーク、および前記第2モニタリングマークの基準センサ上における位置を基準マーク、および第2モニタリングマークの基準センサ上における初期位置とそれぞれ比較することを含み、
ステップ3はさらに、前記基準マークのドリフト量、および前記第2モニタリング光束がずれたドリフト量を算出することを含み、
ステップ4はさらに、前記基準マークのドリフト量から前記第2モニタリングマークのドリフト量を引いて光路のドリフト量を得て、前記測定マークの変位量から前記第1モニタリングマークのドリフト量、および前記光路のドリフト量を同時に引いて、シリコンウエハの垂直方向位置のずれ量を得ることを含む。
【0024】
既存の技術と比較して、本発明の技術的解決手段は、測定光路により、シリコンウエハを測定した後、測定センサ内において測定マークを形成し、第1モニタリング光路により、前記測定センサ内において第1モニタリングマークを形成し、前記測定マークの変位量から前記第1モニタリングマークのドリフト量を引いて、シリコンウエハの垂直方向位置のずれ量とし、シリコンウエハの測定結果が、測定センサ自体のドリフトによる測定誤差を補償するようにし、測定センサ自体のドリフトをモニタリング、および補正し、測定精度および安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】既存の技術における前記フォーカスレベリング測定装置の構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例における前記フォーカスレベリング測定装置の構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例における前記測定スリットの構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例における前記第1モニタリングスリットの構造概略図である。
【
図5】前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ内における結像効果図である。
【
図6】前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ内におけるドリフトの概略図である。
【
図7】前記基準マーク、および第2モニタリングマークの前記基準センサ内における結像効果図である。
【
図8】前記基準マーク、および第2モニタリングマークの前記基準センサ内におけるドリフトの概略図である。
【
図9】本発明の実施例における前記フォーカスレベリング測定装置の構造概略図である。
【
図10】本発明の実施例における前記フォーカスレベリング測定方法のプロセス概略図である。
【0026】
図1において:
1、光源;2、照明レンズ群;3、スリット;4、投影レンズ群;5、シリコンウエハ;6、検知レンズ群;7、センサ;
【0027】
図2−4において:
101、測定照明光源;102、第1フィルタ;103、測定スリット;104、第1投影レンズ;105、投影絞り機構;106、第2投影レンズ;107、第1反射鏡;108、シリコンウエハ;109、ワークステージ;110、第2反射鏡;111、第1検知レンズ;112、第2検知レンズ;113、測定プリズム;114、測定中継レンズ群;115、測定センサ;116、第1モニタリングスリット;117、第3フィルタ;118、第1モニタリング光源;119、投影対物レンズ;
【0028】
図5−8において:
r1〜r2、第1モニタリングマーク番号;R1〜R2、第1モニタリングマークの初期位置;d1〜d3、測定マーク番号;D1、測定マークd2の初期位置;r3〜r4、第2モニタリングマーク番号;R3〜R4、第2モニタリングマークの初期位置;d4〜d6、基準マーク番号;D2、基準マークd5の初期位置;
【0029】
図9において:
201、測定照明光源;202、第1フィルタ;203、測定スリット;204、基準照明光源;205、第2フィルタ;206、基準スリット;207、投影プリズム;208、第1投影レンズ;209、投影絞り機構;210、第2投影レンズ;211、ビームスプリッタプリズム;212、シリコンウエハ;213、ワークステージ;214、ビームコンバイナプリズム;215、第1検知レンズ;216、第2検知レンズ;217、検知プリズム;218、測定プリズム;219、測定中継レンズ群;220、測定センサ;221、第1モニタリングスリット;222、第3フィルタ;223、第1モニタリング光源;224、基準プリズム;225、第2モニタリングスリット;226、第4フィルタ;227、第2モニタリング光源;228、基準中継レンズ群;229、基準センサ;230、投影対物レンズ;231、第3反射鏡。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に図面を踏まえて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図2に示すように、本発明のフォーカスレベリング測定装置には測定光路、第1モニタリング光路、および測定センサ115が設けられ、前記測定光路は、光の伝播方向に沿って順次、測定照明ユニット101、測定スリット103、投影レンズ群、検知レンズ群、および測定プリズム113を有し、ここで、投影レンズ群、および検知レンズ群の位置は、投影レンズ群から出射された光束が被測定物(本実施例においてはシリコンウエハ108)を経由して反射された後に、検知レンズ群へ入射できるように設けられ、これにより、前記測定照明光源101により発光された測定光束が最終的に、前記測定センサ115へ入射し、前記測定センサ115内において被測定物情報を含む測定マークを形成する。
【0032】
前記第1モニタリング光路は、光の伝播方向に沿って順次、第1モニタリング光源118、第1モニタリングスリット116、および前記測定プリズム113を有し、前記第1モニタリン照明光源118により発光された第1モニタリング光束は最終的に、前記測定センサへ115入射し、前記測定センサ115内において第1モニタリングマークを形成する。前記シリコンウエハ108は、ワークステージ109に置かれ、投影対物レンズ119の下方に位置する。
【0033】
具体的には、前記測定光束は、前記測定照明光源101により発光され、第1フィルタ102により露光光源の波長域と異なる可視光波長域に変更され、前記測定スリット103により測定光スポットが形成され、その後、第1投影レンズ104、投影絞り機構105、および第2投影レンズ106を経由して出射され、前記投影絞り機構105は、前記第1投影レンズ104と第2投影レンズ106との間に設けられる。出射光は、第1反射レンズ107において反射を生じ、前記シリコンウエハ108の表面へ入射し、前記シリコンウエハ108において反射を生じた後、第2反射レンズ110により第1検知レンズ111へ反射され、第1検知レンズ111により平行光に調整され、第2検知レンズ112により集光され、前記測定プリズム113により透過された後、前記測定中継レンズ群114により前記測定センサ115へ入射する。
【0034】
図3に示すように、前記測定スリット103には3つの測定マークを形成するスリットが設けられ、前記測定光スポットにおいて3つの前記測定マークが形成されるようにする。
【0035】
さらに、前記第1モニタリング光束は、前記第1モニタリング光源118により発光され、第3フィルタ117により前記測定光路と同一波長域の可視光に変更され、前記第1モニタリングスリット116により第1モニタリング光スポットが形成され、前記測定プリズム113により反射された後、前記測定中継レンズ群114により前記測定センサ115へ入射する。
【0036】
図4に示すように、前記第1モニタリングスリット116には2つの第1モニタリングマークを形成するスリットが設けられ、前記第1モニタリング光スポットにおいて2つの前記第1モニタリングマークが形成されるようにする。
【0037】
図5は、前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ115内における結像効果図である。ここで、横座標は、前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ115内における位置であり、縦座標は、グレースケール値である。前記測定マークの数量は、3つであり、それぞれ番号は、d1、d2、d3であり、前記第1モニタリングマークの数量は、2つであり、それぞれ番号は、r1、r2であり、前記測定マークd1、d2、d3は、前記モニタリングマークr1とr2との間に位置する。D1は、前記測定マークd2の開始位置を示し、R1、R2は、それぞれ前記第1モニタリングマークr1とr2の開始位置である。
【0038】
正常な状況では、前記測定センサ115の位置は固定される、即ち、ドリフトが存在しないときには、前記第1モニタリングマークr1、r2の前記測定センサ115内における位置は固定され、R1、R2の位置が変わらないよう保たれる。
【0039】
図6に示すように、前記測定センサ115がオペレーションの際に放熱などの要素の影響を受けてドリフトするときには、前記第1モニタリングマークr1、r2の前記測定センサ115において生じるドリフトは、ΔRであり、前記測定マークd2の前記測定センサ115内における変位量は、Lであり、実際に測定して得られるシリコンウエハ108の垂直方向位置のずれ量Dは、以下のとおりである。
【0040】
D=L−ΔR。
【0041】
対応して、本発明は、フォーカスレベリング測定方法を提示するものであり、以下のステップを含む。
【0042】
ステップ1:
測定光束により、シリコンウエハ108を照明した後、測定センサ115内において測定マークを形成し、第1モニタリング光束により、前記測定センサ115内において第1モニタリングマークを形成し、
ここで、前記測定光束は、測定照明光源101により発光され、測定スリット103により測定光スポットが形成され、投影レンズ群により集光された後、前記シリコンウエハ108へ入射し、前記シリコンウエハ108において反射された後、検知レンズ群により平行光に調整され、測定プリズム113により透過された後、前記測定センサ115へ入射し、
さらに、前記第1モニタリング光束は、第1モニタリング光源118により発光され、第1モニタリングスリット116により第1モニタリング光スポットが形成され、前記測定プリズム113により反射された後、前記測定センサ115へ入射するステップ。
【0043】
ステップ2:
前記測定マーク、および前記第1モニタリングマークの測定センサ220上での位置を測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ220上での初期位置とそれぞれ比較し、ここで、前記開始位置は、初期化状態下であり、即ち、測定センサ220にドリフトが発生していない状況で、記録された測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ220上での位置であるステップ。
【0044】
ステップ3:
ステップ2の比較結果に基づいて、前記測定マークの変位量、および前記第1モニタリングマークのドリフト量を算出するステップ。
【0045】
ステップ4:
前記変位量から前記ドリフト量を引いて、シリコンウエハの垂直方向位置の補正量を得て、かつ測定されたシリコンウエハの垂直方向位置を補正し、これにより、補正後の正確なシリコンウエハの垂直方向位置を得るステップ。
【0046】
本発明は、前記測定マークの変位量から前記第1モニタリングマークのドリフト量を引いてシリコンウエハ108の垂直方向位置のずれ量とし、シリコンウエハ108の測定結果が、測定センサ115自体のドリフトによる測定誤差を補償するようにし、測定センサ115自体のドリフトをモニタリング、および補正し、測定精度および安定性を向上させるものである。
【実施例2】
【0047】
図9に示すように、本発明のフォーカスレベリング測定装置には、測定光路、第1モニタリング光路、および測定センサが設けられ、さらに、基準光路、第2モニタリング光路、基準センサが設けられる。
【0048】
前記測定光路は、光の伝播方向に沿って順次、測定照明光源201、測定スリット203、投影プリズム207、投影レンズ群、ビームスプリッタプリズム211、ビームコンバイナプリズム214、検知レンズ群、検知プリズム217、および測定プリズム218を有し、ここで、ビームスプリッタプリズム211、およびビームコンバイナプリズム214の位置は、ビームスプリッタプリズム211から出射された光束が被測定物(本実施例においてはシリコンウエハ212)を経由して反射された後に、ビームコンバイナプリズム214へ入射できるように設けられ、これにより、前記測定照明光源201により発光された測定光束が最終的に、前記測定センサ220へ入射し、前記測定センサ220内において測定マークを形成する。前記第1モニタリング光路は、光路伝播方向に沿って順次、第1モニタリング光源223、第1モニタリングスリット221、および前記測定プリズム218を有し、前記第1モニタリング光源223により発光された第1モニタリング光束は最終的に、前記測定センサ220へ入射し、前記測定センサ220内において第1モニタリングマークを形成する。前記シリコンウエハ212は、ワークステージ213に置かれる。
【0049】
前記基準光路は、光の伝播方向に沿って順次、基準照明光源204、基準スリット206、前記投影プリズム207、前記投影レンズ群、前記ビームスプリッタプリズム211、第3反射鏡231、前記ビームコンバイナプリズム214、前記検知レンズ群、前記検知プリズム217、および基準プリズム224を有し、前記基準照明光源204により発光された基準光束は最終的に、前記基準センサ229へ入射し、前記基準センサ229内において基準マークを形成する。前記第2モニタリング光路は、光の伝播方向に沿って順次、第2モニタリング光源227、第2モニタリングスリット225、および前記基準プリズム224を有し、前記第2モニタリング光源227により発光された第2モニタリング光束は最終的に、前記基準センサ229内へ入射して第2モニタリングマークを形成する。
【0050】
具体的には、前記測定光束は、前記測定照明光源201により発光され、第1フィルタ202により露光光源の波長域と異なる可視光波長域に変更され、前記測定スリット203により測定光スポットが形成され、前記投影プリズム207により透過された後、第1投影レンズ208、投影絞り機構209、および第2投影レンズ210を経由した後に出射され、出射光は、前記ビームスプリッタプリズム211上表面において反射を生じ、前記シリコンウエハ212の表面に入射し、前記シリコンウエハ212において反射を生じた後、前記ビームコンバイナプリズム214上表面により第1検知レンズ215へ反射され、第1検知レンズ215により平行光に調整され、第2検知レンズ216により集光され、前記検知プリズム217、および前記測定プリズム218により透過された後、前記測定中継レンズ群219により前記測定センサ220へ入射する。
【0051】
前記第1モニタリング光束は、前記第1モニタリング光源223により発光され、第3フィルタ222により前記測定光路と同一波長域の可視光に変更され、前記第1モニタリングスリット221により第1モニタリング光スポットが形成され、前記測定プリズム218により反射された後、前記測定中継レンズ群219により前記測定センサ220へ入射する。
【0052】
前記基準光束は、前記基準照明光源204により発光され、第2フィルタ205により前記測定照明光源201の波長域と異なる赤外光波長域に変更され、前記基準スリット206により基準光スポットが形成され、前記投影プリズム207により反射された後、第1投影レンズ208、投影絞り機構209、および第2投影レンズ210を経由して出射され、出射光は、前記ビームスプリッタプリズム211下表面において反射を生じ、投影対物レンズ230下に設けられた第3反射鏡231において反射を生じた後、前記ビームコンバイナプリズム214下表面により第1検知レンズ215へ反射され、第1検知レンズ215により平行光に調整され、第2検知レンズ216により集光され、前記検知プリズム217により反射され、および前記基準プリズム224により透過された後、前記基準中継レンズ群228により前記基準センサ229へ入射する。
【0053】
前記第2モニタリング光束は、前記第2モニタリング光源227により発光され、第4フィルタ226により前記基準光路と同一波長域の赤外光に変更され、前記第2モニタリングスリット225により第2モニタリング光スポットが形成され、前記基準プリズム224により反射された後、前記基準中継レンズ群228により前記基準センサ229へ入射する。
【0054】
本実施例において、可視光と赤外光をそれぞれ測定光と基準光とすることを例として説明したが、当業者は、その他の波長域の光を採用しても実現できることを理解すべきであり、これにより制限されないものとする。
【0055】
図3に示すように、前記測定スリット203には3つの測定マークを形成するスリットが設けられ、前記測定光スポットにおいて3つの前記測定マークが形成されるようにする。同様に、前記基準スリット206には3つの基準マークを形成するスリットが形成され、前記基準光スポットにおいて3つの前記基準マーが形成されるようにする。
【0056】
図4に示すように、前記第1モニタリングスリット221には2つの第1モニタリングマークを形成するスリットが設けられ、前記第1モニタリング光スポットにおいて2つの前記第1モニタリングマークが形成されるようにする。同様に、前記第2モニタリングスリット225には2つの第2モニタリングマークを形成するスリットが形成され、前記第2モニタリング光スポットにおいて2つの前記第2モニタリングマークが形成されるようにする。
【0057】
図5は、前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ220内における結像効果図である。ここで、横座標は、前記測定マーク、および第1モニタリングマークの前記測定センサ220内における位置であり、縦座標は、グレースケール値である。前記測定マークの数量は、3つであり、それぞれ番号は、d1、d2、d3であり、前記第1モニタリングマークの数量は、2つであり、それぞれ番号は、r1、r2であり、前記測定マークd1、d2、d3は、前記モニタリングマークr1とr2との間に位置する。D1は、前記測定マークd2の開始位置を示し、R1、R2は、それぞれ前記第1モニタリングマークr1とr2の開始位置である。
【0058】
図7は、前記基準マーク、および第2モニタリングマークの前記基準センサ229内における結像効果図である。ここで、横座標は、前記基準マーク、および第2モニタリングマークの前記基準センサ229内における位置であり、縦座標は、グレースケール値である。前記基準マークの数量は、3つであり、それぞれ番号は、d4、d5、d6であり、前記第2モニタリングマークの数量は、2つであり、それぞれ番号は、r3、r4であり、前記基準マークd4、d5、d6は、前記第2モニタリングマークr3とr4との間に位置する。D2は、前記基準マークd5の開始位置を示し、R3、R4は、それぞれ前記第2モニタリングマークr3とr4の開始位置である。
【0059】
正常な状況では、前記基準センサ229の位置は固定される、即ちドリフトが存在しないときには、前記第2モニタリングマークr3、r4の前記基準センサ229内における位置は固定され、R3、R4の位置が変わらないよう保たれる。
図8に示すように、前記基準センサ229がオペレーションの際に放熱などの要素の影響を受けてドリフトするとき、前記第2モニタリングマークr3、r4の前記基準センサ229において生じるドリフトは、△RRであり、光路全体が温度および圧力などの環境要素の影響を受けるとき、前記基準マークd5の前記基準センサ229内におけるドリフト量は、ΔRLであり、光路のドリフト量ΔLは、以下のとおりである。
【0060】
ΔL=ΔRL−ΔRR。
【0061】
正常な状況では、前記測定センサ220の位置は固定される、即ちドリフトが存在しないときには、前記第1モニタリングマークr1、r2の前記測定センサ220内における位置は固定され、R1、R2の位置が変わらないよう保たれる。
図6に示すように、前記測定センサ220がオペレーションの際に放熱などの要素の影響を受けてドリフトするとき、前記第1モニタリングマークr1、r2の前記測定センサ220において生じるドリフトはΔRであり、前記測定マークd2の前記測定センサ220内における変位量は、Lであり、実際に測定して得られるシリコンウエハ212の垂直方向位置のずれ量Dは、以下のとおりである。
【0062】
D=L−ΔR−ΔL
【0063】
=L−ΔR−ΔRL+ΔRR。
【0064】
対応して、
図10に示すように、本発明はフォーカスレベリング測定方法を提供するものであり、以下のステップを含む。
【0065】
ステップ1:
測定光束により、シリコンウエハ212を照明した後、測定センサ220内において測定マークを形成し、第1モニタリング光束により、前記測定センサ220内において第1モニタリングマークを形成し、基準光束が設定され、前記基準光束は、前記測定光束と同一方向に伝播するが、前記シリコンウエハ212の表面を経由せず、基準センサ229内へ投射され基準マークを形成し、第2モニタリング光束が設けられ、前記第2モニタリング光束は、前記基準センサ229内において第2モニタリングマークを形成し、
ここで、前記測定光束は、測定照明光源201により発光され、測定スリット203により測定光スポットが形成され、投影プリズム207により透過された後、投影レンズ群へ入射し、前記投影レンズ群により集光された後、ビームスプリッタプリズム211、前記シリコンウエハ212、およびビームコンバイナプリズム214により反射され、検知レンズ群により平行光に調整され、検知プリズム217、および測定プリズム218により透過された後、前記測定センサ220へ入射し、前記第1モニタリング光束は、第1モニタリング光源223により発光され、第1モニタリングスリット221により第1モニタリング光スポットが形成され、前記測定プリズム218により反射された後、前記測定センサ220へ入射し、
前記基準光束は、基準照明光源204により発光され、基準スリット206により基準光スポットが形成され、前記投影プリズム207により反射された後、前記投影レンズ群へ入射し、前記投影レンズ群により集光された後、前記ビームスプリッタプリズム211、第3反射鏡231、および前記ビームコンバイナプリズム214により反射され、前記検知レンズ群により平行光に調整され、前記検知プリズム217により反射され、基準プリズム224により透過された後、前記基準センサ229へ入射し、前記第2モニタリング光束は、第2モニタリン光源227により発光され、第2モニタリングスリット225により第2モニタリング光スポットが形成され、前記基準プリズム224により反射された後、前記基準センサ229へ入射するステップ。
【0066】
ステップ2:
前記基準マーク、および前記第2モニタリングマークの基準センサ229上での位置を基準マーク、および第2モニタリングマークの基準センサ229上での初期位置とそれぞれ比較し、ここで、前記開始位置は、初期化状態下であり、即ち、基準センサ229にずれが発生せず、および光路にドリフトが発生していない状況で、記録された基準マーク、および第2モニタリングマークの基準センサ229上での位置であり、前記測定マーク、および前記第1モニタリングマークの測定センサ220上での位置を測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ220上での初期位置とそれぞれ比較し、ここで、前記初期位置は、初期化状態下であり、即ち、測定センサ220にドリフトが発生せず、および光路にドリフトが発生していない状況で、記録された測定マーク、および第1モニタリングマークの測定センサ220での位置であるステップ。
【0067】
ステップ3:
ステップ2の比較結果に基づいて、前記基準マークのドリフト量、および前記第2モニタリングマークがずれたドリフト量を算出し、前記測定マークの変位量、および前記第1モニタリング光束がずれたドリフト量を算出するステップ。
【0068】
ステップ4:
前記基準マークのドリフト量から前記第2モニタリングマークのドリフト量を引いて、光路のドリフト量を得て、前記測定マークの変位量から前記第1モニタリングマークのドリフト量、および前記光路のドリフト量を同時に引いて、シリコンウエハ212の垂直方向位置のずれ量を得るステップ。
【0069】
本発明は、前記測定マークの変位量から前記第1モニタリングマークのドリフト量、および光路のドリフト量を引いて、シリコンウエハ212の垂直方向位置のずれ量とするものである。シリコンウエハ212の測定結果が、測定センサ220自体のドリフト、および空気温度や圧力など光路における環境要素による測定誤差を補償するようにし、測定センサ220自体のドリフト、および光路全体のドリフトをモニタリング、および補正し、測定精度および安定性を向上させることができる。同時に、測定光路、および基準光路の光源の波長域が異なり、2つの光路がレンズバレルにおいてクロストークを生じることを回避できる。ビームスプリッタプリズム211により、測定光路、および基準光路をそれぞれシリコンウエハ212上表面、および投影対物レンズ230下表面へ反射し、ビームコンバイナスプリッタ214により前記測定光路、および基準光路を受光し、その他設備を追加せず、2つの光路が同一経路で伝播される前提下で、基準光路がシリコンウエハ212を経由しないようにすることで、光路全体のドリフトが測定結果から分離され、シリコンウエハ212の位置測定に対する補償が行いやすく、設備も簡素化できる。