(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6765660
(24)【登録日】2020年9月18日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】愛玩動物用酵素温熱浴槽
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20200928BHJP
A01K 1/035 20060101ALI20200928BHJP
A61H 33/04 20060101ALN20200928BHJP
【FI】
A01K13/00 Z
A01K1/035 Z
!A61H33/04 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-40195(P2020-40195)
(22)【出願日】2020年3月9日
【審査請求日】2020年3月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520082005
【氏名又は名称】竹内 和誠
(74)【代理人】
【識別番号】100108763
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 孝道
(72)【発明者】
【氏名】竹内和誠
(72)【発明者】
【氏名】竹内忠司
【審査官】
野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−192034(JP,A)
【文献】
特開2017−074033(JP,A)
【文献】
特開2017−148085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H33/00−33/14
A61F 7/00− 7/12
A01K13/00
A01K29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽と内槽の二重槽からなり温床に愛玩動物を埋めない愛玩動物用酵素温熱浴槽において、金網を布状の覆いで覆った平面状物を内槽の側壁およびまたは底壁に用いたこと、を特徴とする愛玩動物用酵素温熱浴槽。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、外槽と内槽の側壁間の間隙およびまたは外槽と内槽の底側壁間の間隙に、相互の間隙を所定の大きさに保持するために、相互の間隙に介在物を設けたこと、を特徴とする愛玩動物用酵素温熱浴槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、酵素の自然発酵熱を利用した酵素温熱浴のうち、愛玩動物用酵素温熱浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素を利用した温熱風呂に関しては、温床を構成する粉末状の浴剤の主成分として、おが屑またはおよび米糠等を利用したものが、健康維持・疲労回復・美容効果を目的として、巷間でかなり広く実用に供されてきており、特に近ごろでは、種々の癌に治療効果があると言われて世間ではかなりの脚光を浴びてきている。
【0003】
一方、小家族化・少子化が進行したこともあって、愛玩動物(以下、適宜「ペット」と称する。)を育てる家庭も多くなり、愛玩動物も多岐にわたり、そのうえ愛玩動物ゆえに、愛玩動物の健康維持・癌治療に、人間の子供以上と思えるほどに意を払う人・家族が増えてきている。
【0004】
本願発明者は、或るとき、酵素温熱風呂を利用した女性が風呂槽傍で読書していると、連れてきた数匹の愛玩動物が温熱風呂の上に横たわって、気持ち良さそうにしていることに気付いた。女性に話を聞くと「酵素温熱風呂を利用した後のペットは、元気になり、動きが活発になる。」との経験談を語ってくれた。
【0005】
一方、巷では酵素温熱風呂は癌治療に効果があるとの話が注目され、愛玩動物にも近年癌が発見されるようになり、酵素温熱風呂は熱烈な愛玩動物愛好者の注目を集めるようになってきている。
【0006】
しかしながら、人間用の酵素温熱風呂は、風呂装置としても、規模の大きなものであるから、愛玩動物には利用しがたく、一方、愛玩動物用としては、入浴後の浴剤を洗い流す設備も不要であるから、小型で、愛玩動物が必要とする程度の少熱量の温熱を発生できる浴槽があれば、愛玩動物愛好者自身の家で設置・移動も可能になり、手軽・簡便・安価に利用でき、極めて好都合である。
【0007】
一方、愛玩動物用酵素温熱浴槽においては、犬・猫等のペットを扱う上での特質、例えば動物毛のため温床に埋めることができない・汚物対策および害虫(ダニ・ノミ・虱)対策が必要等、に配慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許情報プラットフォームのテキスト検索(公開特許公報)で、以下の条件で検索したが、該当すると思料できるものはありません。 「IPC」 「A61H33/04」 AND 「要約/抄録」 「酵素 愛玩動物 ペット 風呂」 AND 「請求の範囲」 「酵素 愛玩動物 ペット 風呂」 発見された件数は、36件
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明は、上記のような愛玩動物の特質な事情を考慮して考えだされた愛玩動物用酵素温熱風呂に関するもので、小型でありながら愛玩動物が必要とする程度の少熱量の温熱の発生しやすい、さらに、メンテナンスの簡単・容易な、かつ、使用者自身の家屋の狭い場所にも設置・移動可能で、そのうえ安価な愛玩動物用の酵素温熱風呂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本願発明では、浴槽を外槽と内槽の二重槽とし、内槽の壁には、金網を布状の覆いで覆った平面状物を組み合わせた物を用いた。
【0011】
また、外槽と内槽の側壁間の間隙およびまたは外槽と内槽の底側壁間の間隙に、介在物を設け、相互の間隙を所定の大きさの空気層
とし、かつ換気ができるようにした。
【0012】
さらに、外槽には市販のプラスティック製の容器を利用することにした。
【0013】
なお、温床の浴剤・温床に補給する水分としてとしては、人間用と同じ浴剤・水を使用した。
【発明の効果】
【0014】
愛玩動物は、温床に体を埋めることがないため、温床の深さを浅くすることが可能となり、内槽の壁には、簡易な構造の金網を布状の覆いで覆った平面状物を組み合わせた物の使用が可能となった。
【0015】
また、外槽と内槽の間に空気層を設けたことから、温床の発熱効果が上がり、これにより温床の厚さを浅くできることとなった。
【0016】
温床の深さを浅くすることが可能となり、また、愛玩動物の大きさが人体に比べ小さなことから、外槽には市販のプラスティック製の容器が可能となった。
【0017】
さらに、空気を外槽と内槽の間の全面で自在に・自然に換気できることから、害虫(ダニ・ノミ・虱)の発生を予防でき、温床浴剤の腐敗を防止できる。
【0018】
愛玩動物は、温床に体を埋めることがないため、浴剤上に毛布等を置けば、動物の体に酵素浴剤が付着することもなく、体を洗浄する設備・洗浄水を処理する設備が不要となり、温床の撹拌等の回数は激減し、メンテナンスが格段に簡略される。
【0019】
小型であり、使用者自身の家屋の狭い場所にも設置・移動可能となる、
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願発明の愛玩動物用酵素温熱浴槽を構成する部材の斜視図である。
【
図2】本願発明の愛玩動物用酵素温熱浴槽の内槽の構成する部材の斜視図である。
【
図3】本願発明の愛玩動物用酵素温熱浴槽の側部支持枠(その2)の斜視図である。
【
図4】本願発明の愛玩動物用酵素温熱浴槽の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図4に、本願発明の愛玩動物用酵素温熱浴槽の断面を示す。
布状物60で覆われた内槽10には温床80が入れられ、内槽は底部支持材30と側部支持枠20で支え、さらに底部支持材および側部支持枠は、外槽40で支えられて、愛玩動物用酵素温熱浴槽は構成されている。
内槽と外槽との間に底部支持材および側部支持枠が介在することから、両槽の間隙全体に空気層50が存在する。
利用時には、温床の上部に毛布状物70が敷かれて、使用に供される。
【0022】
外槽40(
図1)は、木製でも製作できるが、市販のプラスティック製の容器が使用でき、その大きさは、対象とされる愛玩動物の大きさによるが、通常、幅 86cm、奥行 66cm、深さ 34cm 程度の容器が使用される。
【0023】
内槽10(
図1)は、
図2で示すように、側壁11と底壁15とで構成される。
側壁は金網111を覆い112で覆った平面状物で(
図2)、温床を構成する酵素浴剤が散逸しないようにしてある。覆いには、寒冷紗・不織布など通気性のある素材が用いられる。
底壁は、通常側壁と類似の構造が採用されるが、側壁よりも強度を持たせる等のため、側壁の構造と変えても良い(詳細省略)。
【0024】
内槽10を構成する側壁11は、通常は、取り扱い上から、4側壁が一体化され、隣接する側壁どうしの連結には、専用のクリップ(図示省略)や、合成樹脂製結束バンド(例:俗称、電線を束ねる「えのき」)等が用いられる。
【0025】
側壁11と底壁15とは、一体化される場合(
図1)と、分離される場合(
図2)とがあるが、通常は、一体化される場合が多い。なお、側壁と底壁の連結方法は、上記側壁どうしの連結と同様な方法が採用される。
【0026】
内槽10の重量を支える底部支持材30(
図1)には、角材でも良いが、通常は水捌けの良い円筒状のプラスティッ
ク製の円筒が用いられる。
【0027】
内槽を支える側部支持枠20(
図1)は、取り扱いの便宜を図るため、枠状に一体化した構成の物が使用される。
支柱23(
図1)および支柱28(
図3)の構成について、2種の側部支柱枠を例示してあるが、槽全面の換気を良くするには、
図1の構成の側部支持枠が望ましい。
また、市販のプラスティック製容器は、通常、上部の開口が大きくなっている(外槽40、
図4)ので、上部枠21(
図1)・26(
図3)と下部枠22(
図1)・27(
図3)の大きさを変えることも可能となって、浴剤のメンテナンス等で至便となるが、この場合、金網111(
図2)が矩形では無く台形となって、市販品を使用し難くなるので、生産コストと使用上の便宜性との兼ね合いを考慮する必要がある。
【0028】
毛布状物70としては、通気性の良いクッション性のある敷物、例えば薄い布団・毛布、さらに必要に応じ、取り替えが容易な不織布等が利用される。
【産業上の利用可能性】
【0029】
愛玩動物用酵素温熱浴槽は、小家族化・少子化が進行した現在にあって、熱烈な愛玩動物愛好者にとって、愛玩動物の健康維持・癌治療に提供でき、愛玩動物愛好者にとって多いに歓迎される機器として、産業上の利用性を一層高めるものである。
【符号の説明】
【0030】
10 内槽 40 外槽
11 側壁 50 空気層
111 金網 60 布状物
112 覆い 70 毛布状物
15 底壁
20 側部支持枠
21 上部枠
22 下部枠
23 支 柱
26 上部枠(その2)
27 下部枠(その2)
28 支 柱(その2)
30 底部支持材
【要約】
【課題】
小型でありながら愛玩動物が必要とする程度の少熱量の温熱の発生しやすい、さらに、メンテナンスの簡単・容易な、かつ、使用者自身の家屋の狭い場所にも設置・移動可能で、そのうえ安価な愛玩動物用の酵素温熱風呂を提供することを課題とする。
【解決手段】
浴槽を外槽と内槽の二重槽とし、内槽の壁には、金網を布状の覆いで覆った平面状物を組み合わせた物を用いた。
また、外槽と内槽の側壁間の間隙およびまたは外槽と内槽の底側壁間の間隙に、介在物を設け、相互の間隙を所定の大きさの空気層を設け、かつ換気ができるようにした。
さらに、外槽には市販のプラスティック製の容器を利用することにした。
【選択図】
図1