(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直線搬送ユニットと昇降ユニットを4基ずつ有し、各直線搬送ユニットが四角形の各辺の位置に配置されており、各直線搬送ユニットの交差部に昇降ユニットが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の移載装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら説明する。
以下では、まず、搬送装置1の概略を説明し、その後、本発明の特徴的な構成を有する移載装置4について説明し、さらに搬送装置1の動作について説明する。
【0026】
図1乃至
図4に示す様に、搬送装置1は、主搬送路2(上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b)と、副搬送路3と、移載装置4を有している。主搬送路2,副搬送路3,移載装置4によって、主搬送経路Aと副搬送経路Bが構成されている。
【0027】
主搬送経路Aは、上流側主搬送路2a,移載装置4,下流側主搬送路2bによって構成されている。上流側主搬送路2a,移載装置4,下流側主搬送路2bは、直線上に並んで配置されている。副搬送経路Bは、移載装置4,副搬送路3によって構成されている。主搬送経路Aと副搬送経路Bは、交差(直交)している。換言すると、移載装置4は、主搬送経路Aと副搬送経路Bが交差する箇所に配置されている。
【0028】
上流側主搬送路2a、下流側主搬送路2b、副搬送路3は、各々一対のコロコンベヤ装置13a,13b、14a,14b、15a,15bで構成されている。
上流側主搬送路2aのコロコンベヤ装置13a,13bは、複数のコロ57を備えている。下流側主搬送路2bのコロコンベヤ装置14a,14bは、複数のコロ58を備えている。副搬送路3のコロコンベヤ装置15a,15bは、複数のコロ59を備えている。
これらのコロコンベヤ装置の構造は、後述する移載装置4のコロコンベヤ装置と同じである。
【0029】
上流側主搬送路2aの各コロコンベヤ装置13a,13bの間隔は、搬送する物品W(
図17)の幅寸法、又は物品Wが搭載されたパレットP(
図20)の幅寸法に応じて任意に設定可能である。コロコンベヤ装置13a,13bの各コロ57の上端が、物品Wの搬送面L1(
図15)を構成している。
【0030】
同様に、下流側主搬送路2bの各コロコンベヤ装置14a,14bと、副搬送路3の各コロコンベヤ装置15a,15bの間隔も上流側主搬送路2aの各コロコンベヤ装置13a,13bの間隔と同様に物品Wの幅寸法に応じて任意に設定可能である。すなわち、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b,副搬送路3は、同じ幅を有している。
また、各コロ58,59の上端が、物品Wの搬送面L1(
図16,
図17)を構成している。
すなわち、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b,副搬送路3は、同一高さの搬送面L1を形成しており、物品Wは、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b,副搬送路3によって、搬送面L1の高さ位置で支持されて搬送される。
【0031】
また、主搬送路2(上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b)及び副搬送路3をローラコンベヤ装置やベルトコンベヤ装置で構成することもできる。
【0032】
物品Wは、上流側主搬送路2aから移載装置4に搬送され、移載装置4は、物品の搬送方向を下流側主搬送路2b側と副搬送路3側のいずれにも設定することができる。すなわち、物品Wの搬送先に応じて、移載装置4は物品Wを下流側主搬送路2b側へ搬送したり、副搬送路3側へ移載することができる。その際、物品Wの高さは変動せず、搬送面の高さ位置に維持されている。すなわち、詳しくは後述するが、物品Wは、移載装置4上においても主搬送路2及び副搬送路3の搬送面と同じ高さ位置で支持されている。
【0033】
次に、本発明の特徴的な構成を有する移載装置4について説明する。
図5に示す様に、移載装置4は、4基の直線搬送ユニット5乃至8と、4基の昇降装置9乃至12(昇降ユニット)を有している。
【0034】
直線搬送ユニット5,6は直線搬送ユニット7,8よりも長いが、各直線搬送ユニット5乃至8は、基本的に同じ構造を有しており、平面視して長方形の四辺の位置に配置されている。すなわち、直線搬送ユニット5,6が平行に配置されており、直線搬送ユニット7,8が平行に配置されており、直線搬送ユニット5,6と直線搬送ユニット7,8は、交差(直交)している。換言すると、直線搬送ユニット5,6が一組(一対)のコンベヤ群を構成しており、直線搬送ユニット7,8が別の一組(一対)のコンベヤ群を構成している。
【0035】
直線搬送ユニット7,8は、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2bを構成する一対のコロコンベヤ装置の間隔と同等の長さを有している。すなわち、
図1,
図4に示す様に、直線搬送ユニット7,8は、上流側主搬送路2a(又は下流側主搬送路2b)を構成する一対のコロコンベヤ装置13a,13bの間にちょうど配置可能な長さを有している。
また、直線搬送ユニット7は、副搬送路3のコロコンベヤ装置15aと同一直線上に配置されており、直線搬送ユニット8は、副搬送路3のコロコンベヤ装置15bと同一直線上に配置されている。
【0036】
また、移載装置4の直線搬送ユニット5,6は、上流側主搬送路2a及び下流側主搬送路2bと同方向にのびる様に、上流側主搬送路2aを構成する各コロコンベヤ装置13a,13b、又は下流側主搬送路2bを構成する各コロコンベヤ装置14a,14bの延長上に配置されている。すなわち、直線搬送ユニット5は、上流側主搬送路2aのコロコンベヤ装置13a、及び下流側主搬送路2bのコロコンベヤ装置14aと同一直線上に配置されており、直線搬送ユニット6は、上流側主搬送路2aのコロコンベヤ装置13b、及び下流側主搬送路2bのコロコンベヤ装置14bと同一直線上に配置されている。
【0037】
次に、直線搬送ユニット5乃至8の構造について説明する。
直線搬送ユニット5乃至8は同じ構造を有しているので、以下では直線搬送ユニット5についてのみ説明し、直線搬送ユニット6乃至8の説明は省略する。
【0038】
図6,
図7に示す様に、直線搬送ユニット5は、環状に繋がった移動力付与部材を有するコンベヤ装置であり、本実施形態ではコロコンベヤ装置である。直線搬送ユニット5は、筐体16と動力部17とを有している。
【0039】
筐体16は、細長い略直方体形状を呈する剛性を有する部材であり、内部に後述の動力部17を収容することができる。
筐体16の長手方向の中央部分には中央下面20があり、中央下面20の両側には中央下面20よりも高い位置に端部下面19a,19bがある。すなわち、筐体16の長手方向の両端の下部には段部18a,18bが設けられている。段部18a,18bによって、筐体16の両端には中央下面20よりも高い位置に端部下面19a,19bが設けられている。
また、
図6に示す様に、筐体16の上面には複数の開口21が設けられている。開口21は、筐体16の上面に長手方向に沿って千鳥状に設けられている。各開口21は、後述の動力部17のコロの上部を突出させることができる。
さらに、筐体16の内側面には、軸受で構成される図示しない支持部が設けられている。この図示しない支持部は、後述の動力部17のコロ軸の両端を回転可能に支持する。
【0040】
次に、直線搬送ユニット5の動力部17について説明する。
図7に示す様に、動力部17は、動力源である搬送用モータ22,搬送側動力伝達部23,コロ部材35(35a,35b)を有する。
【0041】
搬送用モータ22は、筐体16の内部空間の下方に図示しない固定部材を介して固定されている。搬送用モータ22は、出力軸(図示せず)が筐体16の長手方向に沿う様に配置されている。搬送用モータ22の出力軸にはベベルギヤ26が装着されている。
【0042】
搬送側動力伝達部23は、ベベルギヤ27,動力伝達軸28,駆動スプロケット29,テンションギヤ30,31,チェーン32を有している。動力伝達軸28は、図示しない軸受を介して筐体16内に固定されている。
【0043】
動力伝達軸28の一端側にはベベルギヤ27が固定されており、他端側には駆動スプロケット29が固定されている。すなわち、ベベルギヤ27,動力伝達軸28,駆動スプロケット29は、一体化されており、一体に回転する。
【0044】
ベベルギヤ27は、搬送用モータ22の出力軸に固定されたベベルギヤ26と係合している。
駆動スプロケット29と同一面内に、駆動スプロケット29の両側で且つ上側にテンションギヤ30,31が配置されている。
チェーン32は環状に繋がっており、
図7に示す様に、テンションギヤ30,31の上側と、駆動スプロケット29の下側を通っている。
また、チェーン32は、後述の各スプロケット33に係合している。
【0045】
すなわち、動力伝達軸28は、搬送用モータ22の動力をチェーン32に伝達する機能を有する。
【0046】
コロ部材35は、コロ軸24,コロ25(移動力付与部材),スプロケット33を有している。
コロ軸24の両端は、筐体16の内側面に設けられた図示しない軸受によって回転可能に支持されている。コロ軸24には、コロ25とスプロケット33が装着されている。コロ25とスプロケット33は、コロ軸24と一体化されている。すなわち、コロ25とスプロケット33は、コロ軸24と一体に回転する。
スプロケット33には、搬送側動力伝達部23のチェーン32が係合している。コロ25は、軸方向長さが、筐体16に設けられた開口21の幅寸法(筐体16の長手方向と直交する短手方向の長さ)よりも若干短い。また、コロ25は、コロ軸24に対して開口21から突出する位置に固定されている。
筐体16に設けられた開口21は、筐体16の長手方向に千鳥状に配置されているので、隣接するコロ部材35同士では、コロ25の装着位置が相違している。すなわち、コロ部材35には二種類あり、区別するために、コロ部材35a,35bと称する。コロ部材35aは、コロ25がスプロケット33から離れた位置にあり、コロ部材35bは、コロ25がスプロケット33に接近した位置にある。そして、コロ部材35a,35bは、筐体16の長手方向に沿って交互に配置されている。各コロ部材35a,35bのコロ25は、
図6に示す様に、各々対応する位置にある開口21から突出している。
【0047】
各コロ25が、直線搬送ユニット5乃至8の長手方向に沿って千鳥状に配置されているので、直線搬送ユニット5乃至8の長手方向における各コロ25同士の間隔を詰める(狭める)ことができる。そのため、後述の物品W又はパレットPは、直線搬送ユニット5乃至8の長手方向に極めて短い間隔でいずれかのコロ25によって支持される。
【0048】
また、各コロ25は、搬送用モータ22が駆動されると、ベベルギヤ26,搬送側動力伝達部23(ベベルギヤ27,動力伝達軸28,駆動スプロケット29,チェーン32),スプロケット33,コロ軸24を介して動力が伝達されて回転する。コロ25は、物品Wの底部に接触して力を付与し、物品Wを一方方向に移動させる移動力付与部材として機能する。
【0049】
直線搬送ユニット5は、上下移動のみ往復移動が可能である。
すなわち、直線搬送ユニット5の両端には、後述の昇降装置9,11の支持部材61,65がねじ止め等の固定手段によって固定されており、支持部材61,65が、昇降装置9,11内で上下移動のみ往復移動可能にガイドされている。
具体的には、後述の昇降装置9,11(昇降装置10,12も同様)は、支持部材61,65を上下に往復移動可能にガイドするガイド機構を備えている。そのため、支持部材61,65が固定された直線搬送ユニット5は、水平移動と回転移動はできず、昇降のみが可能である。
【0050】
直線搬送ユニット6乃至8も、直線搬送ユニット5と同じ構造を有しており、重複する説明は省略する。
【0051】
次に昇降装置9乃至12について説明する。
図1乃至
図5に示す様に、昇降装置9乃至12は、移載装置4の角部に配置されている。すなわち、昇降装置9は、直線搬送ユニット5,7が交差する角部に配置されており、昇降装置10は、直線搬送ユニット6,7が交差する角部に配置されており、昇降装置11は、直線搬送ユニット5,8が交差する角部に配置されており、昇降装置12は、直線搬送ユニット6,8が交差する角部に配置されている。
昇降装置9乃至12は同じ構造を有しているので、以下では昇降装置9についてのみ説明し、昇降装置10乃至12の説明は省略する。
【0052】
図8乃至
図11に示す様に、昇降装置9は、昇降用モータ39,昇降用動力伝達部40,カム部41,旋回部42,筐体43を有している。
【0053】
昇降用モータ39は、所定角度ずつ回転が可能なサーボモータ(他のギヤードモータ等でも可)であり、出力軸(図示せず)にはプーリ45が装着されている。昇降用モータ39は、昇降装置9の筐体43に隣接して一体化された固定部材44に固定されている。
【0054】
図10に示す様に、昇降用動力伝達部40は、ベルト46,プーリ47,ウォーム部48aを有する動力伝達軸48,カム部41等を有する。
【0055】
動力伝達軸48の一端は、固定部材44(
図8)に軸受(図示せず)を介して支持されており、動力伝達軸48は筐体43内を貫通し、動力伝達軸48の他端は、筐体43の内面に設けられた図示しない軸受を介して水平姿勢で支持されている。すなわち、動力伝達軸48は、両端が軸受で支持されており、回転自在である。動力伝達軸48における固定部材44内の部位には、プーリ47が装着されている。プーリ47は、動力伝達軸48と一体化されており、動力伝達軸48と一体に回転可能である。
プーリ47と、昇降用モータ39の出力軸に固定されたプーリ45には、ベルト46が懸架されている。すなわち、プーリ47には、ベルト46を介して昇降用モータ39の動力が伝達される。
また、動力伝達軸48の途中の部位には、ウォーム部48aが設けられている。
【0056】
カム部41は、ウォームホイール49,鉛直軸50,カム51を有している。
鉛直軸50は鉛直姿勢で両端が筐体43に支持されている。すなわち、鉛直軸50の上端と下端は、
図9に示す様に、筐体43に設けられた軸受55,56を介して回転可能に支持されている。
【0057】
鉛直軸50にはウォームホイール49とカム51が固定されている。すなわち、ウォームホイール49とカム51は、鉛直軸50に貫通されて一体化されており、一体に回転可能である。ウォームホイール49とカム51の回転中心は同芯である。また、カム51は、ウォームホイール49よりも上側に設けられている。
【0058】
ウォームホイール49は、動力伝達軸48のウォーム部48aと係合している。
【0059】
カム51は、厚肉の円板状の部材であり、上面には周方向に滑らかに連続する凹凸面52が形成されている。すなわち凹凸面52は、凸部53と凹部54が滑らかに連続した構造を有している。凹凸面52は、凸部53と凹部54とが交互に設けられている。凸部53の角度範囲は90度よりも大きく、例えば100度〜120度である。換言すると、凹部54の角度範囲は90度よりも小さく、例えば80度〜60度である。
昇降用モータ39が駆動されると、ウォーム部48aを有する動力伝達軸48側からウォームホイール49側に動力が伝達され、カム51が回転する。
【0060】
図12(a),
図12(b)に示す様に、カム51の凹凸面52には、支持部材61,65が係合している。支持部材61,65は、本体部62,66、載置部63,67、カムフォロア64,68(昇降部材)を有している。
【0061】
支持部材61,65は、例えば昇降装置9を平面視した
図25に示す様に、昇降装置9(10乃至12)に取り付けられている。すなわち、支持部材61の本体部62の両側面には、縦溝である係合溝61aが設けられている。また、昇降装置9には筐体43と一体の支柱60が設けられている。支柱60には、係合部77が設けられている。支持部材61の各係合溝61aが、支持部材61の両側にある支柱60の係合部77と係合している。これにより、支持部材61は、支柱60に沿って上下移動のみが可能である。
支持部材65も支持部材61と同様に昇降装置9の支柱60と係合し、上下移動のみが可能である。
【0062】
本体部62,66は、組み立てられた直線搬送ユニット5乃至8の長手方向の両端に配置される部位であり、ねじ孔62a,66a(
図8)が設けられている。ねじ孔62a,66aは、支持部材61,65に直線搬送ユニット5乃至8を固定するためのねじ(図示せず)を係合させるねじ孔である。載置部63,67は、直線搬送ユニット5乃至8の端部下面19a,19b(段部18a,18b)が載置される部位である。また、カムフォロア64,68は、本体部62,66に軸受を介して固定されており、カム51の凹凸面52上に載置される部位である。
本体部62,66は互いに直交して配置されており、カム51の中心角90度の位置関係にある。
【0063】
図12(a)に示す様に、仮に、支持部材61のカムフォロア64が凹凸面52の凸部53上にあり、支持部材65のカムフォロア68が凹凸面52の凹部54上にある場合には、支持部材61が高所にあり、支持部材65が低所にある。ここでカム51が90度回転すると、
図12(b)に示す様に、支持部材61のカムフォロア64が凹部54上に移動し、支持部材65のカムフォロア68が凸部53上に移動する。その結果、支持部材61が低所に移動し、支持部材65が高所に移動する。すなわち、支持部材61,65は、同時に高所又は低所に移動し、高低の関係が入れ替わる。
【0064】
ここで、カム51の回転軸回りの一つの凸部53が占める角度範囲は、90度よりも大きいため、カム51が回転し、カムフォロア64,68が凹凸面52に沿って相対移動する際、両カムフォロア64,68の高さは、一時的に凸部53の高さになる。すなわち、カムフォロア64,68共に凸部53の角度範囲内にある。このとき、支持部材61に係合した直線搬送ユニット5の高さは、搬送面L1の高さ位置となり、支持部材65に係合した直線搬送ユニット7の高さも、搬送面L1の高さ位置となる。
【0065】
カム51がさらに回転すると、一方のカムフォロア64が凹部54の角度範囲に入り、他方のカムフォロア68が凸部53の角度範囲内にあり続ける。このとき(カムフォロア64が凹部54上にあるとき)、支持部材61に係合した直線搬送ユニット5の高さは、上流側主搬送路2a及び副搬送路3の搬送面L1の高さ位置よりも低い高さ位置L2となり、支持部材65に係合した直線搬送ユニット7の高さは、上流側主搬送路2a及び副搬送路3の搬送面L1の高さ位置となる。
また、この状態からカム51が90度回転すると、各カムフォロア64,68の高低の関係は逆になる。
【0066】
次に、旋回部42について説明する。
図9,
図11に示す様に、旋回部42は、軸部69,天板70,コロ71,受け板部72,固定輪73等を有している。
【0067】
受け板部72は、平面視して正方形状の板部材であり、中央には円形の窪み部72aが設けられている。窪み部72aの中央には軸受74が設けられている。
【0068】
天板70は、
図11に示す様に、円板状の部材であり、中心から若干偏心した位置に二つの孔70aが設けられている。天板70の中心部分の下面側には、軸部69が固定されている。
【0069】
図9に示す様に、軸部69は鉛直姿勢であり、軸部69の下端は軸受74を介して受け板部72に回転可能に固定されている。また、軸部69の途中の部位には、一対のコロ71が装着されている。すなわち、各コロ71の中心が中心軸部75で接続されており、中心軸部75は、軸部69を貫通している。
【0070】
各コロ71の下部は受け板部72の窪み部72aと接しており、また、各コロ71の上部は、
図9に示す様に、天板70の孔70aを貫通して上方に突出している。各コロ71の上端は、前述の搬送面の高さと一致している。各コロ71は、軸69回りに窪み部72a内で回転して向きを変更することができる。
【0071】
固定輪73は、受け板部72の四隅に配置されている。各固定輪73の回転軸は水平軸であり、それらの軸心は軸部69の方向を向いている。各固定輪73は、固定部材76を介して受け板部72に固定されている。また、固定輪73の上端は、天板70の下面に当接している。すなわち、天板70が軸部69と共に回転すると、固定輪73は、天板70の回転移動に伴って回転する。
【0072】
移載装置4は、
図5に示す様に組み立てられている。
すなわち、直線搬送ユニット5,6が一組のコンベヤ群を構成して平行に配置されており、直線搬送ユニット7,8が別の一組のコンベヤ群を構成して平行に配置されている。直線搬送ユニット5,6と直線搬送ユニット7,8とは交差(直交)している。そして、直線搬送ユニット5,7の交差部には昇降装置9が配置されており、直線搬送ユニット5,8の交差部には昇降装置11が配置されており、直線搬送ユニット6,7の交差部には昇降装置10が配置されており、直線搬送ユニット6,8の交差部には昇降装置12が配置されている。
【0073】
図4に示す様に、昇降装置9に設けられた支持部材61,65は、直線搬送ユニット5及び直線搬送ユニット7と隣接する位置に配置されている。
昇降装置10に設けられた支持部材61,65は、直線搬送ユニット7及び直線搬送ユニット6と隣接する位置に配置されている。
昇降装置11に設けられた支持部材61,65は、直線搬送ユニット8及び直線搬送ユニット5と隣接する位置に配置されている。
昇降装置12に設けられた支持部材61,65は、直線搬送ユニット6及び直線搬送ユニット8と隣接する位置に配置されている。
【0074】
そして、直線搬送ユニット5の一端は、
図9に示す様に、長手方向の両側に配された昇降装置9の支持部材61の載置部63上に載置されて本体部62にねじ止めされており、直線搬送ユニット5の他端は、昇降装置11の支持部材65の載置部67上に載置されて本体部66にねじ止めされている。
昇降装置9において、支持部材61のカムフォロア64は、カム51の凹凸面52上に載置されており、同様に、昇降装置11において、支持部材65のカムフォロア68は、カム51の凹凸面52上に載置されている。
よって、直線搬送ユニット5の両端が、昇降装置9内のカムフォロア64と、昇降装置11内のカムフォロア68を介して、それぞれ別のカム51に支持されている。そのため直線搬送ユニット5は、両端に配されたカムフォロア64,68と一体に昇降する。
【0075】
同様に、直線搬送ユニット6の両端は、昇降装置10,12のカム51に支持されており、直線搬送ユニット7の両端は、昇降装置9,10のカム51に支持されており、直線搬送ユニット8の両端は、昇降装置11,12のカム51に支持されている。
よって、各昇降装置9乃至11内のカム51が同期して回転すると、カムフォロア64,68が凹凸面52上を転動し、直線搬送ユニット5乃至8は昇降する。
【0076】
すなわち、直線搬送ユニット5の両端には、昇降装置9,11の支持部材61,65がねじ止め等の固定手段によって固定されており、支持部材61,65が、昇降装置9,11内で上下移動のみ往復移動可能にガイドされている。
具体的には、昇降装置9,11(昇降装置10,12も同様)は、支持部材61,65を上下に往復移動可能にガイドするガイド機構を備えている。そのため、支持部材61,65が固定された直線搬送ユニット5は、水平移動と回転移動はできず、昇降のみが可能である。
【0077】
図5に示す様に、直線搬送ユニット5の下部の段部18aには、昇降装置9の昇降用モータ39を固定する固定部材44の一部が収容されている。
同様に、直線搬送ユニット6,7,8の下部の段部18aには、それぞれ昇降装置12,10,11の昇降用モータ39を固定する固定部材44の一部が収容されている。また、昇降装置9乃至12の各昇降用モータ39は、各直線搬送ユニット5乃至8で四角形に囲われた領域内に配置されており、それぞれ直線搬送ユニット5,7,8,6の長手方向の側面に沿って配置されている。そのため、移載装置4は非常にコンパクトにレイアウトされている。
【0078】
すなわち直線搬送ユニット5は、昇降装置9,11の間にあり、直線搬送ユニット5の両端が昇降装置9,11に設けられたカム51によって支持されている。昇降装置9,11の各カム51は、同方向に同じ回転速度で回転し、各カム51の凹凸面52の位相は同じである。よって、直線搬送ユニット5は、各カム51の凹凸面52に導かれて水平姿勢を維持した状態で昇降する。直線搬送ユニット5と平行に配置された直線搬送ユニット6も直線搬送ユニット5と同様に同期して昇降する。
【0079】
また、直線搬送ユニット5と交差する直線搬送ユニット7,8は、直線搬送ユニット5が上昇したときに同期して下降するように、凹凸面52に導かれる。すなわち、直線搬送ユニット7の両端に設けられたカムフォロア68,64は、昇降装置9,10に設けられたカム51の凹凸面52に導かれ、直線搬送ユニット7は水平姿勢を維持した状態で昇降する。
【0080】
昇降装置9に着目すると、昇降装置9のカム51の凹凸面52には、カムフォロア64,68が係合しており、カムフォロア64は、直線搬送ユニット5の一端に接続されており、カムフォロア68は直線搬送ユニット7の一端に接続されている。
【0081】
そして、凹凸面52は、凸部53と凹部54が交互にあり、直線搬送ユニット5,7は直交しているので、直線搬送ユニット5と一体のカムフォロア64が凸部53上にあるとき、直線搬送ユニット7と一体のカムフォロア68は凹部54上にある。よって、直線搬送ユニット5が上昇して搬送面L1の高さ位置にあるときには、直線搬送ユニット7は下降して搬送面L1よりも低い高さ位置L2にある。
【0082】
逆に、直線搬送ユニット5と一体に昇降するカムフォロア64が凹部54上にあると、直線搬送ユニット7と一体に昇降するカムフォロア68は凸部53上にある。よって、直線搬送ユニット5が下降して搬送面L1より低い高さ位置L2にあるとき、直線搬送ユニット7は上昇して搬送面L1の高さ位置にある。
【0083】
直線搬送ユニット5、6は対を成しており、同様に昇降する。また、直線搬送ユニット7,8は別の対を成しており、直線搬送ユニット5,6とは逆の動作を行う。すなわち、直線搬送ユニット5,6が上昇したときには、直線搬送ユニット7,8は下降する。
【0084】
直線搬送ユニット5,6は、それぞれ上流側主搬送路2aのコロコンベヤ装置13a,13bと、下流側主搬送路2bのコロコンベヤ装置14a,14bの間に配置されている。すなわち、コロコンベヤ装置13a,直線搬送ユニット5,コロコンベヤ装置14aは、同一直線上に配置されており、コロコンベヤ装置13b,直線搬送ユニット6,コロコンベヤ装置14bは、別の同一直線上に配置されている。
また、移載装置4の直線搬送ユニット7,8は、それぞれ副搬送路3のコロコンベヤ装置15a,15bと同一直線上に配置されている。
コロコンベヤ装置13aと直線搬送ユニット5の間に昇降装置9があり、コロコンベヤ装置13bと直線搬送ユニット6の間に昇降装置10があり、コロコンベヤ装置15aと直線搬送ユニット7の間に昇降装置10があり、コロコンベヤ装置15bと直線搬送ユニット5の間に昇降装置12がある。
【0085】
移載装置4は、以上説明した様な構造を備えている。
すなわち、移載装置4は、コンベヤ装置(5等)と、昇降装置(9等)を順次配置していくだけで簡単に組み立てることができる。
よって、移載装置4の解体も容易であり、何もない場所で、速やかに移載装置4を構築したり、搬送作業が完了次第、速やかに移載装置4を解体し、撤去することも可能である。
また、主搬送路2(上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b)や副搬送路3も、コロコンベヤ装置13a,13b、14a,14b、15a,15bを適宜配置するだけであり、設置も撤去も容易である。
換言すると、本実施形態に係る搬送装置1は、レイアウトの自由度が非常に高く、様々な搬送経路を容易且つ任意に構築することができ、汎用性が高い。
【0086】
次に、移載装置4の動作について説明する。
【0087】
上流側主搬送路2aのコロコンベヤ装置13a,13bの各コロ57(
図15(a))と、下流側主搬送路2bの各コロ58(
図15(a))と、副搬送路3の各コロ59(
図16(a))と、移載装置4の昇降装置9乃至12に設けられたコロ25の上端の高さ位置は、搬送面L1に設定されている。
また、
図15(b)に示す様に、直線搬送ユニット5,6は搬送面L1の高さ位置にあり、
図16(b)に示す様に、直線搬送ユニット7,8は搬送面L1よりも低い高さ位置L2にある。
【0088】
そして、昇降装置9乃至12の昇降用モータ39が同期して駆動され、カム部41が90度回転する毎に、直線搬送ユニット5,6と直線搬送ユニット7,8が昇降し、搬送面L1の高さ位置と、退避した高さ位置L2の間で高さ位置が切り替わる。すなわち、一方の対である直線搬送ユニット5,6が搬送面L1に上昇すると、他方の対である直線搬送ユニット7,8が高さ位置L2まで下降し搬送面L1から退避する。
逆に、他方の対である直線搬送ユニット7,8が搬送面L1に上昇すると、一方の対である直線搬送ユニット5,6が高さ位置L2まで下降し搬送面L1から退避する。
すなわち、昇降装置9乃至12の各昇降用モータ39は、同期して動作し、各カム部41を同じ角度(90度)だけ回転させる。換言すると、移載装置4には、各昇降用モータ39を同期して動作させる制御装置(図示せず)が設けられている。
【0089】
なお、昇降装置9乃至12のカム51の凹凸面52は、凸部53の角度範囲(90度以上)が凹部54の角度範囲(90度未満)よりも大きく、カムフォロア64,68が共に凸部53上に位置することがある。そのため、移載装置4の全ての直線搬送ユニット5乃至8が、一時的に搬送面L1の高さ位置に揃うことがある。
【0090】
物品Wを搬送装置1の主搬送経路Aに沿って搬送する場合には、昇降装置9乃至12の昇降用モータ39を駆動し、
図1に示す様に、移載装置4の直線搬送ユニット5,6を搬送面L1の高さ位置に上昇させ、直線搬送ユニット7,8を搬送面L1よりも低い高さ位置L2に退避させる。
【0091】
この場合には、移載装置4の直線搬送ユニット5,6のコロ25が搬送面L1の高さ位置に配置される。すなわち、上流側主搬送路2aの各コロ57,移載装置4の各コロ25及びコロ71,下流側主搬送路2bの各コロ58が、搬送面L1の高さ位置で揃っている。このとき、搬送装置1を主搬送経路Aの下流側から見ると、
図16(b)に示す様になる。すなわち、移載装置4の直線搬送ユニット7,8は高さ位置L2に退避している。
【0092】
そして、上流側主搬送路2a,移載装置4,下流側主搬送路2bの搬送用モータ22を駆動し、
図17(a)乃至
図17(c)に示す様に、物品Wを主搬送経路Aに沿って搬送する。その際、物品Wは、常に搬送面L1の高さ位置で支持されている。すなわち、物品Wが移載装置4上に移動したときにおいても、物品Wの高さは、搬送面L1の高さに保たれている。物品Wが、さらに移載装置4から下流側主搬送路2bへ移載されるときにおいても、物品Wの高さは変わらず、搬送面L1の高さ位置に維持されている。
【0093】
そのため、物品Wが移載装置4から下流側主搬送路2bへ移動する際に、物品Wの高さが変化せず、物品Wは水平姿勢を維持しており、傾くことがない。よって、物品Wは、移載装置4側から下流側主搬送路2b側へ円滑に移載され、衝撃を受けることがない。
その結果、物品Wは、荷崩れしたり、破損する恐れがない。
【0094】
物品Wに着目すると、物品Wは、移載装置4上に移動したときから移載装置4の直線搬送ユニット5,6によって搬送面L1の高さ位置で支持されており、そのまま直線搬送ユニット5,6によって下流側主搬送路2bへ移載される。
【0095】
次に、物品Wを副搬送経路Bに沿って搬送する場合について説明する。
物品Wを副搬送経路Bに沿って搬送する場合には、物品Wが移載装置4上に載置されたときに、昇降装置9乃至12の各昇降用モータ39を駆動し、
図17(d)に示す様に、直線搬送ユニット5,6を搬送面L1から高さ位置L2まで下降させて退避させ、
図16(a)に示す様に、直線搬送ユニット7,8を搬送面L1の高さ位置まで上昇させる。
【0096】
その際、物品Wは、
図3に示す様に、一時的に全ての直線搬送ユニット5乃至8のコロ25で搬送面L1の高さ位置で支持される。すなわち、物品Wは、直線搬送ユニット5,6によって移載装置4上に導かれて支持されていたところ、一時的に直線搬送ユニット7,8にも支持される。その後、
図2に示す様に、直線搬送ユニット5,6が搬送面L1より下方の高さ位置L2まで退避し、物品Wは直線搬送ユニット7,8のみで支持される。すなわち、物品Wは、高さ位置が搬送面L1を維持されながら直線搬送ユニット5,6から直線搬送ユニット7,8に載せ替えられる。
【0097】
また、このとき、一時的に昇降装置9乃至12のコロ71のみで支持する様にすることも可能である。すなわち、コロ71は常時搬送面L1の高さ位置にあるため、物品Wの高さ位置は変動しない。
【0098】
そして、直線搬送ユニット7,8が搬送面L1まで上昇してコロ25がコロ71と共に物品Wを支持する。このとき、コロ71は、
図16(a),
図17(d)に示す様に、直線搬送ユニット7,8の各コロ25と直交した方向を向いている。ここで直線搬送ユニット7,8の搬送用モータ22を駆動すると、コロ25が回転し、物品Wが副搬送経路Bに沿って移動を開始する。この物品Wの移動に伴って、フリーローラであるコロ71の向きが90度回転し、
図18(a),
図17(e)に示す様に、コロ71は直線搬送ユニット7,8のコロ25と同じ方向を向く。すなわち、物品Wが副搬送経路B方向に移動するとコロ71が回転し、物品Wは円滑に副搬送経路B方向に移動し、
図18(b)に示す様に、副搬送路3上に移載される。
【0099】
このとき、移載装置4の直線搬送ユニット7,8の各コロ25の高さは、搬送面L1に設定されているので、物品Wの高さ位置は変動しない。すなわち、物品Wが移載装置4側から副搬送路3側へ移動する際に、物品Wは水平姿勢を維持し傾かない。そのため、物品Wが荷崩れを起こしたり、衝撃が加わることがない。
【0100】
コロ25(移動力付与部材)は、物品Wの底に接触して物品Wを搬送方向に移動させることができるが、代わりに、動力部17(
図7)を索条体駆動機構とし、環状の索条体を移動力付与部材として搬送用モータ22の動力を伝達し、索条体上に物品Wを載置して搬送してもよい。索条体としては、ベルト,チェーン,ワイヤ等を採用することができる。
【0101】
物品Wを副搬送経路Bに沿って搬送した後、後続の物品を移載装置4上に導く際には、当該物品の搬送方向によらず、移載装置4の直線搬送ユニット5,6を搬送面L1の高さまで移動させ、直線搬送ユニット7,8は、搬送面L1よりも下方に退避させる。その結果、後続の物品は、直線搬送ユニット5,6によって移載装置4上に円滑に載置される。
【0102】
そして、当該後続の物品を主搬送経路Aに沿って搬送する場合には、移載装置4は、高さ位置を搬送面L1の高さに維持し、そのまま下流側主搬送路2bへ移載する。逆に、当該後続の物品を副搬送経路Bに沿って搬送する場合には、移載装置4は、上述の様に、各直線搬送ユニット5乃至8を昇降させる。
【0103】
物品Wは、主搬送路2,副搬送路3,移載装置4の幅寸法に合致した所定の大きさのパレットに載せるのが好ましい。これにより、物品がパレットより小さければ、どのような物品であっても搬送装置1で搬送し、移載装置4で仕分作業を行うことができる。
【0104】
また、
図1乃至
図3では、移載装置4の上流側には、上流側主搬送路2aが接続されているだけであったが、移載装置4の空いている側面(直線搬送ユニット5側の側面)に別の上流側搬送路を接続することもできる。すなわち、2つの上流側搬送路を移載装置4に接続してもよい。この場合には、移載装置4に対して物品Wがいずれの上流側搬送路から搬送されてくるかによって、いずれの直線搬送ユニット5,6、又は直線搬送ユニット7,8を搬送面L1に予め配置しておくかが変わる。すなわち、物品Wの搬送方向にのびる側のコンベヤ装置を予め搬送面L1に配置しておき、物品を移載装置4上に導く。その後、物品の搬送方向に応じて、直線搬送ユニット5,6又は直線搬送ユニット7,8の昇降操作を実施する。
【0105】
上述の実施形態において、
図10に示す昇降用モータ39をギヤードモータとし、カム51にストッパを係合させる様にしてもよい。すなわち、
図19(a)乃至
図19(d)に示す様に、カム51の下面に円弧状の係合溝37,38(回転ストッパ機構)を設け、筐体43側に固定された係止部材36a,36b(回転ストッパ機構)を係合溝37,38に係合させる。
図19(b)乃至
図19(d)に示す様に、係止部材36a,36bが、係合溝37,38の一方の端部から他方の端部まで相対回転移動すると、カム51が90度回転する様に係合溝37,38と係止部材36a,36bを構成する。昇降用モータ39は、回転ストッパ機構によって強制的に停止させられる。すなわち、カム51が回転し、係止部材36a,36bが円弧状の係合溝37,38の一方の端部又は他方の端部に当接すると、カム51の回転は停止する。
その後、昇降用モータ39の過電流を図示しないセンサで検出して昇降用モータ39を停止させる。そのため、カム51は90度毎に回転できる。
【0106】
図9に示す本実施形態では、直線搬送ユニット5が昇降装置9側の本体部62,66の載置部63,67上に載置されて配置されている構成を示したが、載置部63の代わりに
図22(a)に示す様なフック部88aを設け、直線搬送ユニット5側にはフック部88aと係合するフック受け部88bを設けてもよい。すなわち、直線搬送ユニット5のフック受け部88bに、昇降装置9側の支持部材61のフック部88aを係合させることにより、直線搬送ユニット5を昇降装置9に支持させてもよい。フック部88aとフック受け部88bは、
図22(a)の紙面と直交する方向に複数設けたり、1組のフック部88a及びフック受け部88bが、紙面と直交する方向にのびていてもよい。
【0107】
また、フック部88aの代わりに、
図22(b)に示す様なピン89aを支持部材61の本体部62に設け、直線搬送ユニット5にはフック受け部88bの代わりにピン係合部89bを設けてもよい。すなわち、ピン89aをピン係合部89bに嵌入させることにより、直線搬送ユニット5を昇降装置9に支持させてもよい。
【0108】
すなわち、
図9に示す載置部63と段部18a,18b、
図22(a)に示すフック部88aとフック受け部88b、
図22(b)に示すピン89aとピン係合部89b等の係合手段によって、昇降装置9側の支持部材61に直線搬送ユニット5をつなぐことができる。
【0109】
次に、補助ローラ装置78について説明する。
図1乃至
図3に示す様に、下流側主搬送路2bには、補助ローラ装置78が設けられている。
図13,
図14に示す様に、補助ローラ装置78は、昇降装置9乃至12と類似した構造を有している。すなわち、補助ローラ装置78は、昇降装置9乃至12における昇降機構に関わる構成が設けられておらず、旋回部42と同様の構成の旋回部87のみが設けられた構造を有している。
【0110】
すなわち、旋回部87は、軸部79,天板80,コロ81,受け板部82,固定輪83等を有している。
受け板部82は、平面視して正方形状の板部材であり、中央には円形の窪み部82aが設けられている。窪み部82aの中央には軸受84が設けられている。
天板80は、円板状の部材であり、中心から若干偏心した位置に二つの孔80aが設けられている。天板80の中心部分の下面側には、軸部79が固定されている。
【0111】
図14に示す様に、軸部79は鉛直姿勢であり、軸部79の下端は軸受84を介して受け板部82に回転可能に固定されている。また、軸部79の途中の部位には、一対のコロ81が装着されている。すなわち、各コロ81の中心が中心軸部85で接続されており、中心軸部85は、軸部79を貫通している。
【0112】
各コロ81の下部は受け板部82の窪み部82aと接しており、また、各コロ81の上部は、
図13に示す様に、天板80の孔80aを貫通して上方に突出している。各コロ81の上端は、前述の搬送面の高さと一致している。各コロ81は、軸79回りに窪み部82a内で回転して向きを変更することができる。
【0113】
固定輪83は、受け板部82の四隅に配置されている。各固定輪83の回転軸は水平軸であり、それらの軸心は軸部79の方向を向いている。各固定輪83は、固定部材86を介して受け板部82に固定されている。また、固定輪83の上端は、天板80の下面に当接している。すなわち、天板80が軸部79と共に回転すると、固定輪83は、天板80の回転移動に伴って回転する。
【0114】
下流側主搬送路2bには、補助ローラ装置78が設けられており、物品Wは、補助ローラ装置78を通過する際に、補助ローラ装置78のコロ81にも支持される。
【0115】
この補助ローラ装置78を、移載装置4内に設けることもできる。すなわち、移載装置4の直線搬送ユニット5乃至8で囲われた領域に補助ローラ装置78を設置し、直線搬送ユニット5乃至8が昇降する際に、昇降装置9乃至12と共に補助ローラ装置78によって物品Wを支持する様に構成することもできる。補助ローラ装置78のコロ81はフリーローラであり、また、コロ81の向きは物品Wの移動に伴って自在に変更可能であるので、物品Wは良好に支持される。
【0116】
移載装置4の各直線搬送ユニット5乃至8は同じ長さとし、
図20に示す様に、移載装置4は平面視して正方形状を呈する様に構成してもよい。
【0117】
また、補助ローラ装置78を、
図20,
図21に示す様に配置することもできる。
図20,
図21では、物品Wが搭載されたパレットPが搬送される。すなわち、直線搬送ユニット5乃至8の各コロ25がパレットPの底部に接触し、パレットPを支持する。
【0118】
図20では、物品Wを搭載したパレットPの幅に対して、移載装置4の4つの直線搬送ユニットの長さが若干短い程度である。すなわち、パレットPの幅に対して、移載装置4の四角形の枠の大きさが比較的大きい。この場合には、補助ローラ装置78は、移載装置4の四角形の領域の内部に配置する。これにより、物品Wを搭載したパレットPが撓むのを防止することができる。なお、
図20では、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b,副搬送路3の各コンベヤ装置の間にも補助ローラ装置78が配置されている。
【0119】
図21では、物品Wを搭載したパレットPの幅に対して、移載装置4の4つの直線搬送ユニットの長さが相当に短い。すなわち、パレットPの幅に対して、移載装置4の四角形の枠の大きさが比較的小さい。この場合には、補助ローラ装置78は、移載装置4の四角形の枠の外部に配置する。すなわち、補助ローラ装置78は、各直線搬送ユニットの長手方向の中央部分に隣接し、且つ、移載装置4の四角形の領域の外部に配置されている。これにより、パレットPの支持が安定する。なお、
図20では、上流側主搬送路2a,下流側主搬送路2b,副搬送路3の各コンベヤ装置の間にも補助ローラ装置78が配置されている。
【0120】
図6,
図7に示す直線搬送ユニット5乃至8の代わりに、
図23,
図24に示す様な構成を有する直線搬送ユニット101を採用することもできる。
すなわち、直線搬送ユニットは、チェーンコンベヤ装置(ベルトコンベヤ装置)であってもよく、
図23,
図24に示す直線搬送ユニット101は、ベルトコンベヤ装置の一態様の無限軌道を有するコンベヤ装置である。すなわち、直線搬送ユニットは、コロコンベヤ装置又はローラコンベヤ装置以外に、チェーンコンベヤ装置(ベルトコンベヤ装置)であってもよい。
【0121】
直線搬送ユニット101は、筐体102と動力部103を有する。
【0122】
図24に示す様に、動力部103は、動力源である搬送用モータ111,搬送側動力伝達部112,載置部材108等を有する。
【0123】
搬送用モータ111はギヤードモータであり、後述の筐体102の内部空間に配置されており、筐体102と一体の固定部材113に固定されている。搬送用モータ111は、出力軸(図示せず)が筐体102の長手方向に沿う様に配置されている。搬送用モータ111の出力軸にはベベルギヤ114が装着されている。
【0124】
搬送側動力伝達部112は、搬送用モータ111の動力を載置部材108に伝達する機能を有しており、ベベルギヤ115、駆動軸109、駆動スプロケット116a,116b、従動軸110、従動スプロケット117a,117b、テンションローラ118、チェーン119a,119bを有している。駆動軸109及び従動軸110は、図示しない軸受を介して筐体102内に固定されている。
【0125】
駆動軸109の途中の部位にはベベルギヤ115が固定されており、両端付近には駆動スプロケット116a,116bが固定されている。すなわち、ベベルギヤ115,駆動軸109,駆動スプロケット116a,116bは一体化されており、一体に回転する。
ベベルギヤ115は、搬送用モータ111の出力軸に固定されたベベルギヤ114と係合している。
【0126】
従動軸110の両端付近には従動スプロケット117a,117bが固定されている。
【0127】
駆動スプロケット116a,116bは、筐体102の一方の端部付近に配置されており、筐体102の他方の端部付近には、従動スプロケット117a,117bが配置されている。
【0128】
駆動スプロケット116aと従動スプロケット117aは同一面内に配置されており、この面内には、テンションローラ118が配置されている。同様に、駆動スプロケット116bと従動スプロケット117bは同一面内に配置されており、この面内には、テンションローラ118bが配置されている。
【0129】
チェーン119aは環状に繋がっており、
図24に示す様に、チェーン119aは、駆動スプロケット116a,従動スプロケット117aの周囲に懸架されており、且つ、テンションローラ118の上方を通っている。
同様に、チェーン119bは環状に繋がっており、
図24に示す様に、チェーン119bは、駆動スプロケット116b,従動スプロケット117bの周囲に懸架されており、且つ、テンションローラ118の上方を通っている。
【0130】
チェーン119a,119bには、細長い薄板状の複数の載置部材108が固定されている。各載置部材108はほとんど隙間無く配置されており、環状に構成されたチェーン119a,119bに対して外側から固定されている。すなわち、各載置部材108の両端付近が、チェーン119a,119bに固定されている。
載置部材108は、上方の走行領域と下方の戻り領域とを通過する。走行領域では、載置部材108の一部が後述の筐体102の開口107から突出しており、搬送面を形成している。
【0131】
下方の戻り領域にある載置部材108は、テンションローラ118を通過する際にテンションローラ118に押圧される。すなわち、テンションローラ118は、載置部材108を介してチェーン119a,119bを押圧し、チェーン119a,119bに張力を付与している。
【0132】
また、走行領域の載置部材108は、支持部材120によって支持されている。
支持部材120は、固定部材113に軸受を介して回転可能に支持された回転体(コロ,ローラ)である。支持部材120によって載置部材108が下方に沈むことが防止されている。支持部材120の回転軸120aは、水平面内にある水平軸であり、載置部材108が移動する方向と交差(直交)している。
載置部材108は、回転体である支持部材120によって支持されているので、載置部材108と支持部材120の間の摩擦力は小さい。そのため、載置部材108と支持部材120は摩耗しにくく、載置部材108及び支持部材120の耐久性は高い。
【0133】
載置部材108は、物品W又はパレットPを載置する部材であり、搬送面を構成する。載置部材108によって形成された搬送面は、
図15,
図16等に示す主搬送路2及び副搬送路3によって形成された搬送面L1と同一面である。
【0134】
筐体102は、細長い略直方体形状を呈する剛性を有する部材であり、内部に動力部103を収容することができる。
筐体102の長手方向の下部中央部分には中央下面104があり、中央下面104の両側には中央下面104よりも高い位置に端部下面105a,105bがある。すなわち、筐体102の長手方向の両端の下部には段部106a,106bが設けられている。段部106a,106bによって、筐体102の両端には中央下面104よりも高い位置に端部下面105a,105bが設けられている。
また、
図23に示す様に、筐体102の上面には開口107が設けられている。開口107は、動力部103の載置部材108の上部を突出させることができる。すなわち、筐体102(開口107)の高さは、搬送面の高さ位置より若干低い。
さらに、筐体102の内側面には、軸受で構成される図示しない支持部が設けられている。この図示しない支持部は、動力部103の駆動軸109と従動軸110の両端を回転可能に支持する。
【0135】
搬送用モータ111が駆動されると、ベベルギヤ114,ベベルギヤ115,駆動軸109、駆動スプロケット117,従動スプロケット117b,チェーン119a,119b等を介して各載置部材108に動力が伝達され、各載置部材108は走行する。載置部材108は、物品W又はパレットPの底部に接触して力を付与し、物品W又はパレットPを一方方向に移動させる移動力付与部材として機能する。
【0136】
すなわち、載置部材108は走行領域において順に搬送面に沿って移動し、筐体102の一方側において開口107から筐体102内に入り込み、駆動スプロケット116a,116bで反転して下方の戻り領域を通過し、従動スプロケット117a,117bでさらに反転して筐体102の他方側において開口107から露出する。
【0137】
走行領域における載置部材108は、支持部材120によって支持されており、搬送面の高さ位置が維持されている。そのため、走行領域における載置部材108は、自重で撓んだり、物品W又はパレットPが載置されることによって搬送面より下方に沈み込むことがない。
【0138】
また、直線搬送ユニット101は、端部下面105a,105bが
図12に示す支持部材61,65を介してカム51の凹凸面52で支持されており、カム51が回転すると昇降する。すなわち、載置部材108は、搬送面上に配置されたり、搬送面より下方の高さ位置に退避する。
【0139】
以上説明した例では、各直線搬送ユニット毎に搬送用モータを備えているが、搬送用モータを共用して各直線搬送ユニットを駆動し、搬送物を搬送してもよい。また、各昇降装置毎に設けた昇降用モータも共用し、昇降装置の動作を同期させてもよい。