(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
両角度測定子のローター部の両方の板面を互いに別の平面となるよう配すると共に各板面の一部が相互に重なるように近接させたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載の全角度測定器。
両角度測定子のローター部の板面には、回動測定面の両端部寄り部位に夫々ピン突当り部を備えたピン逃がし面を形成し、両回動支持体の両角度測定子の前記ピン逃がし面に臨む部位には、前記角度測定子の180度の回動位置で両側の前記ピン突当り部に当たって停止する測定基準位置決めピンを設けたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれかに記載の全角度測定器。
基台を長板状又は棒状とし、該基台の長手方向に両回動支持体を直立状態で往復移動可能に形成したことを特徴とする請求項1から6のうちいずれかに記載の全角度測定器。
回動支持体に、基台から突出する方向に伸縮可能とすると共に伸縮させた任意の高さ位置で固定可能とした高さ調節部を設けたことを特徴とする請求項1から7のうちいずれかに記載の全角度測定器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は測定すべき物品の外角部分だけではなく内角部分についても、その部分の角度を高い精度で測定でき、その測定した角度をデジタル数値で表示可能とした全角度測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の全角度測定器の請求項1に記載の発明にあっては、基台上に突設した一対の回動支持体の各先端寄り部位に、両枢支軸が対向して平行な枢支部を設け、前記両枢支部に、前記枢支軸を介して中心部で枢支された優弧半円板状のローター部と、該ローター部の劣優側に設けた直径方向と平行な回動測定面と、該ローター部の優弧の円周に沿って設けた磁気目盛面とを備えた角度測定子を夫々枢着すると共に、前記両回動測定面は前記各回動支持体を避けた全周に亘って回動可能に形成し、前記両回動支持体に、前記角度測定子の磁気目盛面に臨ませて、該磁気目盛面のデータを感知する磁気センサーを備えた角度検出部を設け、前記両磁気センサーに接続させて、両磁気センサーで感知した各傾斜角度のデータからプログラムに従って演算処理する電子演算部とその演算結果をデジタル表示する液晶表示部とを備えた演算表示部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明にあっては、基台上に突設した一対の回動支持体の各先端寄り部位に、内部に設けたベアリング軸受を介して対向して平行な枢支軸を備えた計測ケースを夫々固着し、該両計測ケースの内部には角度計測用空間を備え、該角度計測用空間内に前記枢支軸の一方端部を突出させると共に該枢支軸の回動変化量を光の変化量で感知する光センサーを備えた角度検出部を設け、前記両枢支軸の他方端部を前記ベアリング軸受から突出させて、
その突出した部分に、該枢支軸に対する垂直な線と平行な回動測定面と、該回動測定面を支持するローター部とを備えた角度測定子を夫々固着すると共に、前記両回動測定面は前記各回動支持体を避けた全周に亘って回動可能に形成し、前記両光センサーに接続させて、該両光センサーで感知した各傾斜角度のデータからプログラムに従って演算処理する電子演算部とその演算結果をデジタル表示する液晶表示部とを備えた演算表示部を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明にあっては、上記請求項2に記載の全角度測定器において、前記両角度検出部が、前記枢支軸の角度計測空間への突出
した部分には、回転偏光板を固設し、計測ケース内に前記回転偏光板に対して平行に固定偏光板を固設すると共に前記回転偏光板と固定偏光板に向けて光を照射する発光体を設け、該発光体の照射で前記回転偏光板と固定偏光板とを通過する光の量を感知する光センサーを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記両角度測定子のローター部の両方の板面を互いに同一平面となるよう配したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記両角度測定子のローター部の両方の板面を互いに別の平面となるよう配すると共に各板面の一部が相互に重なるように近接させたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記両角度測定子のローター部の板面には、回動測定面の両端部寄り部位に夫々ピン突当り部を備えたピン逃がし面を形成し、両回動支持体の両角度測定子の前記ピン逃がし面に臨む部位には、前記角度測定子の180度の回動位置で両側の前記ピン突当り部に当たって停止する測定基準位置決めピンを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記基台を長板状又は棒状とし、該基台の長手方向に両回動支持体を直立状態で往復移動可能に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明にあっては、上記各発明において、回動支持体に、前記基台から突出する方向に伸縮可能とすると共に伸縮させた任意の高さ位置で固定可能とした高さ調節部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明にあっては、上記各発明において、前記基台に演算表示部を固着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明においては、角度測定子の回動測定面が回動支持体の先端部及び両側面部よりも外側の該回動支持体を避けた全周に亘って自由に回動し、外角部分を測定する場合には、測定対象物の測定部分を両回動測定面の内部に挟んで、両回動測定面を外角の両測定面に同時に押し当てることで、両測定対象物の両側の外角面に両側の回動測定面が密接され、又、内角部分を測定する場合には、測定部分の両内角面の間に両側の角度測定子を差し込んで、両回動測定面を測定対象物の両内角の両測定面に同時に押し当てることで、測定対象物の両内角面に両側の回動測定面が密接される。
そして、同時に両回動測定面の角度を円弧に添った磁気目盛面から磁気センサーで感知し、その感知したデータは電子演算部で演算処理されその演算結果が液晶表示部でデジタル数値として表示することが可能となる。
その測定精度は、内角及び外角のいずれでも前記円弧が大きければ大きいほど目盛り幅を大きくすることが可能となり、より正確な精度でその角度を測定すること可能となる。
特に、本発明では、前記ノギス型デジタル角度・距離計の如く、測定対象物の一方の面を必ず本尺のスライド面に当接させて該スライド面を基準に回動測定面の角度を読み、更に両方に数値を合算して外角の角度を2段階で算出するのではなく、測定対象物の測定面に対して押し当てられる回動測定面の角度が各磁気目盛面から検出した2つの値から直接角度が算出されるため、誤差が少なく、より正確な精度の内角と外角の角度の測定結果が得られる。
【0016】
請求項2の発明においては、上記請求項1の発明と同様に、角度測定子の回動測定面が回動支持体の先端部及び両側面部よりも外側の該回動支持体を避けた全周に亘って自由に回動し、外角部分を測定する場合には、測定対象物の測定部分を両回動測定面の内部に挟んで、両回動測定面を外角の両測定面に同時に押し当てることで、両測定対象物の両側の外角面に両側の回動測定面が密接され、又、内角部分を測定する場合には、測定部分の両内角面の間に両側の角度測定子を差し込んで、両回動測定面を測定対象物の両内角の両測定面に同時に押し当てることで、測定対象物の両内角面に両側の回動測定面が密接される。
そして、両測定対象物の両測定面に同時に両側の角度測定子の回動測定面が密接されると、角度測定子の固着した枢支軸の回動角度変化で変化する光を両側の光センサーで光学的に感知し、その感知した両側の光センサーのデータは電子演算部で演算処理されその演算結果が液晶表示部で、測定対象物の内角又は外角を正確なデジタルの数値として表示することが可能となる。
【0017】
請求項3の発明においては、重ねられた回転偏光板と回転偏光板とが相対的に回動することによって回転偏光板及び回転偏光板に対して照射された光の透過量が変化し、その回転偏光板及び回転偏光板とを透過した光を光センサーで受光してその光の量を数値化し、測定対象物の内角及び外角をより正確に測定し、液晶表示部にデジタル数値で表示することが可能となる。
【0018】
請求項4の発明においては、前記両角度測定子のローター部を、該両角度測定子の板面を同一平面に配することで対向した両角度測定子の回動測定面が測定対象物の内角及び外角の測定面に確実に密接し、測定対象物の平面的な薄い部分の内角及び外角を正確に測定することが可能となる。
【0019】
請求項5の発明においては、前記両角度測定子のローター部の板面の一部が接近して相互に重なって、その部分において回動測定面を交差させ、その回動測定面の交差部分の間に測定対象物を挟むようにして両外角面を同時に押し当て密接せることとで極めて小さな測定対象物でもその外角の測定が可能となる。
また内角では、板面の一部を相互に重なるようにして小さな測定対象物の内角の測定が可能となり、この場合、両回動測定面の端部同士が接触状態となると、その端部を頂点として測定対象物の両内角面を最小範囲まで同時に密接させることができるので、極めて小さな測定対象物の内角の測定が可能となる。
なお、両回動測定面の端部同士が離れた状態であっても、その離れた端部間の距離よりも小さい測定対象物ではその両内角面に両回動測定面を同時に密接させることができないので、その場合には内角の測定できなくなるが、回動測定面が測定対象物の両内角面に同時に密接可能な限り、どのような大きさの測定対象物でもその内角の測定が可能となる。
【0020】
請求項6の発明においては、前記角度測定子をどちらかに回動させると、前記回動支持体に設けた測定基準位置決めピンがローター部に設けたピン逃がし面を通過しピン突当り部に当たって停止する。
その際、前記角度測定子のローター部が前記回動支持体の先端より外側に180度範囲に回動して前記回動測定面の向かい合わせ側と背中合わせ側とがどちらかに回動させても平行となって停止し、このことにより内角及び外角の全角度が確実に測定可能となり、且つ測定基準位置決めピンがピン突当り部より先には回動しないので、その限られた目盛りの範囲の読み取りによって効率良く測定が行える。
そして、回動が停止して両回動測定面が平行となったときが測定の基準位置となって、新たに基準位置を定めずにそのままで効率良く測定することが可能となる。
【0021】
請求項7の発明においては、両回動支持体間の間隔を拡縮させることで、コーナー部分が変形している測定対象物であってもそのコーナー部分を避けて角度を正確に測定することが可能となる。
【0022】
請求項8の発明においては、前記回動支持体の先端部を高い位置まで調節することで、内角の測定では前記回動支持体の先端部に設けた角度測定子の回動測定面が内角の深い位置まで届くようになり、又、外角の測定では前記回動支持体の先端部に設けた角度測定子の回動測定面の間に外角部分の先端部が深い位置まで差し込めるようになる。
この結果、測定対象物の測定部分が深い位置にあっても測定が可能となる。
【0023】
請求項9の発明においては、前記演算表示部と基台とが一体となるので保管や持ち運びが容易となる。
そして、全角度測定器全体を片手で持って移動しつつ、そのまま前記角度測定子を測定対象物に押し当ることで、片手だけででも角度を測定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の全角度測定器の実施形態を、以下図を参照して説明する。
本発明は、
図1に示す磁気センサーを用いた形態と、
図16に示す光センサーを用いた形態とがあり、先に磁気センサーを用いた形態を説明し、後で光センサーを用いた形態を説明する。
【0026】
本発明の磁気センサーを用いた形態は、
図1に示すように、基台1に一対の回動支持体2、3を平行に直立させ、前記回動支持体2、3の先端部を二股の支持部2a、2a、3a、3aに形成し、
図2に示すように、その支持部2a、3aの先端寄りに枢支軸4a、5a同士が平行且つ対向方向と直交させた枢支部4、5を設ける。
尚、該
図1では、前記基台1は長板状の基台1aを用いた態様を示しているが、該基台1は一対の対向した回動支持体2、3を平行状態に固定できれば良いので、棒状や筒状等であっても良い。
【0027】
そして、
図4に示すように、前記回動支持体2、3の二股の支持部2a、3aの二股間に、
前記枢支軸4a、5aを介して中心部で枢支された優弧半円板状のローター部6a、7aと、該ローター部6a、7aの劣優側に設けた直径方向と平行な回動測定面8、9と、該ローター部6a、7aの優弧の円周に沿って設けた磁気目盛面10、11とを備えた角度測定子6、7を挟み、前記枢支部4、5に夫々枢着する。
その際、前記回動測定面8、9が回動支持体2、3の先端部及び両側面部よりも外側を、向かい合わせ平行状態(
図4中に実線で示す)から背中合わせ平行状態(
図4中に一点鎖線で示す)にまで前記回動支持体2、3を除く全周に亘って自由に回動できるように前記枢支軸4a、5aを介して角度測定子6、7をローター部6a、7aの円形中心部で枢着する。
【0028】
前記回動測定面8、9はローター部6a、7aの劣優側の各端部8a、9a、8b、9bまでを正確に直線状とする。例えば、
図1に示すように、前記回動測定面8、9面に直線精度の高い丸い鋼線を用いて前記回動測定面8、9に形成した溝内に外鋼線の外円周面を露出させて埋め込んだ態様が可能である。この態様では、測定対象物の内角面及び外角面に対して鋼線の円周が直線状に当接可能となる。この態様では前記回動測定面8、9が測定対象物の内角面及び外角面の広範に接触しないため汚れによる表面のゴミや凹凸の影響が少なくより正確に測定することができる。
尚、
図1では支持部2a、3aを二股としているが、本発明では支持部2a、3aで両角度測定子6、7が向かい合うように支持できれば良いので二股に限定するものではない。
【0029】
そして、前記角度測定子6、7外周の磁気目盛面10、11には帯の長さ方向に角度の大きさの目盛りを磁気で記憶させた磁気目盛帯10a、11aを張設する。
そのため角度測定子6、7の外周面に形成される磁気目盛面10、11の幅を、例えば3mm程度とすれば、該磁気目盛面10、11に約2mm幅の磁気目盛帯10a、11aを張設することができる。
【0030】
又、前記両回動支持体2、3に、前記角度測定子6、7の回動変化の量を磁気目盛帯10a、11aからその磁気を感知する磁気センサー12a、13aを前記磁気目盛面10、11の磁気目盛帯10a、11aに接するように臨ませて設ける。
該磁気センサー12a、13aと前記磁気目盛面10、11とで角度の変化に対応した数値に変化が得られる角度検出部12、13を形成し、この角度検出部12、13で前記角度測定子6、7の回動変化で前記磁気目盛面10、11が回動したとき前記磁気目盛面10、11に記憶させた数値を磁気センサー12a、13aで前記回動測定面8、9の角度として読み取る。
【0031】
前記両回動支持体2、3への前記磁気センサー12a、13aの装着は、
図3に示すように、前記両角度測定子6、7のローター部6a、7aの外周面に臨む前記両回動支持体2、3の二股の分岐部に磁気センサー取付け部2b、3bの空間を刳り抜いて設ければ、前記磁気センサー12a、13aを前記角度測定子6、7の磁気目盛面10、11に接するようにセンシング部分を臨ませてネジで位置決めして固定することができる。
【0032】
図1では、該角度測定子6、7のローター部6a、7aは円盤状を成し、外周面に磁気目盛帯10a、11aを設けた態様を示したが、磁気目盛帯10a、11aは角度測定子6、7の円弧に添ったローター部6a、7aの板面に設けることも可能であり、その場合、前記磁気センサー12a、13aの位置は、二股中央ではなく、一方の二股部分に前記磁気目盛帯10a、11aにセンシング部分を臨ませて接するように磁気センサー12a、13aを設ける。
【0033】
前記角度測定子6、7のローター部6a、7aの円弧の大きさは、精度の高さと関係し、円弧がければ大きいほど目盛り幅を大きくすることが可能となり、より正確な精度でその角度を測定すること可能となる。
又、ローター部6a、7aに円弧が小さいと前記回動測定面8、9が短くなり、測定対象物の内角面及び外角面に対して当接部分が少なくなり、このため測定精度は低下し、且つ円弧が小さいと目盛り幅が小さくなって精度が低下する場合がある。
【0034】
又、
図1では、前記回動支持体2、3は、先端部2a、3aが二股に分かれた棒状のものを示しているが、前記回動支持体2、3は前記磁気センサー12a、13aを基台1から突出させた位置で支持するものなで、棒状に限定するものではなく、板状や筒状のものでも良い。
【0035】
そして、
図1に示すように、前記両磁気センサー12a、13aに夫々電線22を介して演算表示部23を接続する。
該演算表示部23には、前記磁気センサー12a、13aで感知された両回動測定面8、9の傾斜角度のデータからプログラムに従って、両傾斜角度の挟まれた内角又は外角を演算処理する電子演算部24とその演算結果をデジタル表示する液晶表示部25とを備える。
なお、
図1では、前記各角度検出部12、13と演算表示部23とを電線22で接続した態様を示しているが、前記磁気センサー取付け部2b、3bに磁気センサー起動用の電池を装着し、前記各磁気センサー12a、13aで感知した目盛りのデータを演算処理する電子演算部24に無線送信手段を備えることで、電線22を使用しない装置とすることも可能である。
【0036】
そして角度を測定する際は、
図5及び
図6に示すように、測定対象物Aの内角面A1、A2、又は測定対象物Bの外角面B1、B2に両側の回動測定面8、9を同時に押し当てて行う。
その際、前記両角度測定子6、7の回動測定面8、9は前記両回動支持体2、3の先端よりも外側を自由に回動するので、測定対象物に対して両側の回動測定面8、9を同時に押し当てると内角面に対しても又、外角面に対しても、測定対象物の内角x及び外角yの全角度の正確な測定が可能となる。
【0037】
又、前記両角度測定子6、7は、
図2に示すように、ローター部6a、7aの円形中心部で両側の平行且つ対向方向に直交した枢支軸4a、5aに枢支されることで両側の角度測定子6、7は同一平面上に配されるが、該角度測定子6、7のローター部6a、7aの形状は、
図2の如く、板面を同一平面上に配する形態と、
図10に示すように、板面を別の平面上に配すると共に板面の一部が相互に重なるように当接又は近接させた形態とが可能である。
【0038】
前記両角度測定子6、7のローター部6a、7aの板面を同一平面上に配した形態では、前記両回動支持体2、3の間隔は、少なくとも回動支持体2、3同士が接触しない間隔とし、
図5に示すように、測定対象物Aの内角xを挟む両内角面A1、A2に前記回動測定面8、9が隙間なく当接でき、又、
図6に示すように、測定対象物Bの外角yを挟む両内角面B1、B2に前記回動測定面8、9が隙間なく当接できる間隔とし、この態様によって、対向した両角度測定子6、7の回動測定面8、9が測定対象物の内角及び外角の測定面に確実に密接し、厚さの少ない測定対象物Bに対してもその内角及び外角を正確に測定することが可能となる。
【0039】
又、前記ローター部6a、7aの板面の一部が相互に重なるように当接又は近接させた形態では、一方の角度測定子6は、
図8に示すように、板面を1枚とし、他方の角度測定子7は、
図9に示すように、前記一方の角度測定子6を1枚の板面を挟んだ間隔で2枚の板面を設けることができる。
そして、
図10及び
図11に示すように、前記ローター部6a、7aの擦違中板20の板面とその両側の擦違外板21a、21bの一部が接近して前記回動測定面8、9の両側の端部8a、9a、8b、9b寄りの一部が相互に重なって、その部分において回動測定面8、9を交差させ、その回動測定面8、9の交差部分を測定対象物Bの両外角面に当てることで、小さな測定対象物Bの外角の測定が可能となる。
【0040】
又、この形態での内角の測定では、前記ローター部6a、7aの擦違中板20の一部を相互に重なるようにして小さな測定対象物Aの内角の測定が可能となり、この場合、両回動測定面8、9の端部8a、9a同士が接触状態となると、その端部8a、9aを頂点として両内角面を最小範囲まで同時に密接させることができるので、極めて小さな測定対象物Aの内角の測定が可能となる。
なお、両回動測定面8、9の端部8a、9a同士が離れた状態であっても、その離れた距離より小さい測定対象物Aではその両内角面を両回動測定面8、9に同時に密接させることができないので、その場合には内角の測定ができなくなるが、回動測定面8、9が測定対象物Aの両内角面に同時に密接可能な限り、どのような大きさの測定対象物Aでもその内角の測定が可能となる。
なお、図示しないが、両方の角度測定子6のローター部6a、7aを1枚とし、両角度測定子6、7の板面の一部が接近して相互に重なるように形成した態様や、両方のローター部6a、7aのいずれも複数枚としたそれらローター部6a、7aの板面の一部が接近して相互に重なるようにした態様も可能である。
【0041】
又、測定には両角度測定子6、7に角度の測定基準となる位置を決めなければならないが、
図7に示すように、両角度測定子6、7のローター部6a、7aの板面には、両角度測定子6、7の回動測定面8、9の両端部寄り部位に夫々ピン突当り部14a、14b、15a、15bを備えたピン逃がし面14、15を形成し、両回動支持体2、3の両角度測定子6、7の前記ピン逃がし面14、15に臨む部位には、前記角度測定子6、7の180度の回動位置で両側の前記ピン突当り部14a、14b、15a、15bに当たって停止する測定基準位置決めピン16、17、18、19を前記両回動支持体2、3の二股の分岐部に設けた形態が可能であり、これによって両角度測定子6、7の測定基準位置を決めることが可能となる。
図7では、前記ピン逃がし面14、15は前記ローター部6a、7aの板面の外周に添った円形の溝状に形成した態様を示しているが、夫々のピン突当り部14a、14b、15a、15bまでの間において、両ローター部6a、7aの板面に前記両回動支持体2、3に設けた測定基準位置決めピン16、17、18、19が当たらなければ良いので、図示しないが前記ローター部6a、7aに扇状の窪みや、板面を貫通した孔に形成しても良い。
【0042】
この態様では、ローター部6a、7aのピン突当り部14a、14b、15a、15bに前記両回動支持体2、3に設けた測定基準位置決めピン16、17、18、19が当たって、前記角度測定子6、7が停止するので、両側ピン突当り部14a、14b、15a、15bを回動測定面8、9がお互いに平行に停止し、前記角度測定子6、7が正確に180度回動可能に停止位置を設定すれば測定精度高めることができる。
更に精度を高めてより正確な停止位置を決める場合には、測定基準位置決めピンに偏芯ピンを用いることができる。この場合、別の測定器で計測しつつ両側ピン突当り部14a、14b、15a、15bに偏芯ピンの偏芯部分を押し当てつつ該偏芯ピンを回転させ、両側の回動測定面8、9が正確に平行となる位置まで移動させる。このことで製造時に生じたピン突当り部14a、14b、15a、15bの誤差をより小さくなるものに修正することが可能となる。
【0043】
又、
図12に示すように、前記基台1上で両回動支持体2、3間の間隔を拡縮可能とした態様が可能である。
この態様では、一直線のスライド平面27を備えた定規の如き長板状基台1aを用い、前記回動支持体2、3の少なくとも一方を該基台1aのスライド平面27に導かれて直立状態でスライド往復可能となるように装着する。
この形態では、前記回動支持体2、3の少なくとも一方に、前記基台1のスライド平面27に対して回動支持体2、3が直立状態で往復可能とするスライド孔28を形成し、スライド移動させた回動支持体2、3を任意の位置で固定する固定ネジ29を設ける。
【0044】
この形態では、測定対象物Aの入隅に異物や変形が存在する内角面A1、A2であっても、間隔を広げることで異物や変形部分を跨いで測定すべき内角面A1、A2に回動測定面8、9を同時に当ててその角度xを測定することが可能となる。
また、測定対象物Bに異物や変形が存在する外角部分では、そこから離れた位置にある外角面B1、B2に対して回動測定面8、9を同時に当てることが可能となるので、その外角yを測定することが可能となる。
尚、
図12中の符号34は、前記回動支持体2、3が基台1aから抜け落ちるのを防止する抜止め板34である。
【0045】
又、
図13に示すように、前記回動支持体2、3を、両方又は一方を基台1から直立した方向に伸縮可能とする高さ調節部30を設けた形態が可能である。
該
図13は、回動支持体2の一方に高さ調節部30を設けた態様である。
前記回動支持体2の伸縮は、棒状の回動支持体2の上部の中棒部31を下部の外筒部32内にスライド可能に嵌合させ、中棒部31を出没させることで前記回動支持体2が伸縮される。
そして、測定対象物の測定に適した位置にまで伸縮させたら外筒部32の側面に設けた固定ネジ33によってその位置で締め付けると中棒部31がその位置で固定される。
【0046】
この形態では、測定対象物Aの鋭角な内角xの頂点から離れた深い位置に内角面A1、A2がある場合には、その深い位置で回動測定面8、9を同時に当てることができ、その内角xの測定が可能と成る。
又、先端が変形した測定対象物Bの鋭角部分(図示省略)では、そこから離れた位置にある外角面B1、B2に対して回動測定面8、9を同時に当てることができ、その外角yの測定が可能となる。
【0047】
又、
図14に示すように、前記基台1に前記演算表示部23を固着した形態が可能である。
この形態では、前記演算表示部23を回動支持体2から分離させて基台1に固着した態様と、近い方の回動支持体2も基台1と一体に演算表示部23に固着させた態様とが可能である。
【0048】
図14に示す形態では、演算表示部23が前記角度測定子6、7側と一体となるので、測定対象の機械装置や部品に対して片手だけで角度が測定できるので使い易くなる。
なお、前記演算表示部23と基台1とは着脱可能とすることも可能であり、その場合には測定対象物に応じて、両者を分離することで、コンパクトにした角度測定子6、7側の部分が狭い場所に差し込んで測定できるようになり便利である。
【0049】
又、前記基台1に前記演算表示部23を固着し、前記基台1と前記演算表示部23とを一体化させると共に、一方の回動支持体2は前記基台1上を往復させて両角度測定子6、7間の間隔を拡縮可能とし、他方の回動支持体3は角度測定子7の高さを調節可能とした形態が可能である。
【0050】
この形態では、例えば、
図15の(イ)、(ロ)に示すように、内部に前記演算表示部23を備えた箱型の基台1の上面と側面には、それぞれスライド溝35、36を設ける。
又、前記上面のスライド溝35内にスライド可能に嵌合可能なL型に屈曲させて形成した一方のスライド部2dと、前記側面のスライド溝36内にスライド可能に嵌合可能なI型に長く形成した他方のスライド部3dを回動支持体2、3にそれぞれ形成し、該回動支持体2、3のスライド部2d、3dを前記各スライド溝35、36に嵌合させる。
そして、前記スライド部2d、3dにはスライド方向に長いスライド長孔37、38を形成し、該スライド長孔37、38を貫通させ、スライド溝35、36内に螺着可能な位置固定ネジ39、40を設け、スライド往復する範囲の任意の位置に該位置固定ネジ39、40で回動支持体2、3を固定可能とする。
【0051】
この形態による角度の測定は、測定対象物Aの内角や外角の形状に応じて前記基台1に対して両回動支持体2、3を適宜移動させ、測定に最適な位置の内角面や外角面に両回動測定面8、9を同時に押し当てて角度を測定する。
図15の(イ)は一方の回動支持体2を基台1の上面にスライドさせて両回動測定面8、9間を開くと共に他方の回動支持体3を基台1の側面から上に高く突出させた状態を示し、(ロ)は両回動測定面8、9同士を密接させて測定基準の位置決めをしている状態を示している。
なお、該
図15では、前記演算表示部23内の構造は省略した。
【0052】
次に本発明の上記全角度測定器を用いた角度の測定の方法について説明する。
本発明では、内角x及び外角yの角度は、測定対象物に対して基台1を傾けても、両回動測定面8、9の各傾斜角度の数値は変わるが、角度の測定は挟む二面の角度関係だけから導き出すものなので、内角x及び外角y自体の算出される角度は同じ数値となる。
このため、周囲に障害物があったり狭かったりして計測し難い部分の測定でも、測定対象物に対して角度測定器の位置や角度を柔軟に対応させて計測することが可能となる。
【0053】
そして、測定に当たっては、内角も外角も両方の角度測定子6、7の回動測定面8、9の異なる傾斜角度から算出されるものであるので、先ず読み取る数値の基準となる状態を、両側の回動測定面8、9が同一直線上にある場合と平行線上にある場合を回動測定面8、9の基準とし、このときの数値を「0」度又は「180」度として前記演算表示部11に記憶させる。
【0054】
回動測定面8、9が同一直線上にある場合とは、
図15の(ロ)に示すように、一平面に対して両側の角度測定子6、7の回動測定面8、9が同時に密接状態に押し当てられている状態であり、平行線上にある場合とは、両側に平行面を有する板や立方体等の平行面に両側の角度測定子6、7の回動測定面8、9が同時に密接状態に押し当てられている状態である。
又、平行線上にある場合では、前記角度測定子6、7の180度の回動位置で両側の前記ピン突当り部14a、14b、15a、15bに当たって停止する測定基準位置決めピン16、17、18、19を設けた形態では、測定基準位置決めピン16、17、18、19が前記ピン突当り部14a、14b、15a、15bに突き当たって停止する状態である。
【0055】
該測定基準位置決めピン16、17、18、19を備えた形態を除いて、前記磁気センサー12a、13aに対する両側の角度測定子6、7の基準位置は一箇所には決まっておらず、測定する都度測定基準位置を変えても良いし、同じ位置を継続しても良い。
【0056】
(測定例)
次に、内角及び外角の測定方法について、図を参照して具体的に数値を用いて説明する。
(A)例えば、測定の準備として両方の回動測定面8、9を一平面に同時に押し当て測定基準「180度」を設定し、両方時計回り方向で測定した場合について説明する。
測定する角度は同じ時計回りとする方向では、一方はマイナスの数値となるが、いずれも絶対値として加算して算出する。
【0057】
a)内角の測定について
測定対象物Aの内角xの測定では,例えば、
図5に示すように、測定対象物Aの両内角面A1、A2に回動測定面8、9を同時に押し当てて、前記測定基準に対して、実測すると、一方の回動測定面8の傾斜角度が−30.18度で他方の回動測定面9の傾斜角度+57.87度と読み取れる。
この場合は読み取った両方に数値を加えて、基準値の180から差し引いて算出し、180−(30.18+57.87)=91.95の演算により91.95度と測定され、その数値が液晶表示部にデジタル数字で表示される。
【0058】
b)外角の測定について
測定対象物Bの外角yの測定では、例えば、
図6に示すように、測定対象物Bの両外角面B1、B2に回動測定面8、9を同時に押し当てて、前記測定基準に対して、実測すると、一方の回動測定面8の傾斜角度が+60.38度で他方の回動測定面9の傾斜角度が−39.81度と読み取った場合、180−(60.38+39.81)=79.81の演算により79.81度と測定され、その数値が液晶表示部にデジタル数字で表示される。
【0059】
尚、基準設定のため回動測定面8、9を同時に押し当てる一平面は、前記回動支持体2、3に対して垂直である場合や傾斜した場合があるが、その傾斜に応じて、両方の数値は変化しても、同じ内角及び外角の測定では、その算出された数値は別傾斜にして何度計測しても測定結果は同じとなる。
このため、測定対象物に対して、測定場所の環境に合わせて前記回動支持体2、3を傾斜させて測定することが可能となる。
【0060】
(B)次に、測定の準備として両方の回動測定面8、9を回動支持体2の直立方向と平行に位置決めして測定基準「0度」を設定して測定した場合について説明する。
測定する角度は同じ時計回り方向での測定値は、一方ではマイナスとなるが、いずれも絶対値として加算して算出する。
この方法では、直方形の物体を挟んで、回動支持体2の直立方向と略平行に回動測定面8、9の位置決めをして、その位置を測定基準「0度」と設定して測定した形態と、両角度測定子の板面にピン突当り部を備えたピン逃がし面を設け、両回動支持体の両角度測定子に測定基準位置決めピンを設け、前記回動支持体2の直立方向と略平行に回動測定面8、9の位置決で測定基準「0度」と設定して測定した形態が可能である。
【0061】
a)後者の場合は、前記角度測定子6、7の測定基準は、前記測定基準位置決めピンがピン突当り部に当たった位置とするので、測定基準の設定はせずに測定できる。
即ち、回動測定面8、9を向かい合わせ、又は背中合わせにした位置を測定基準「0度」と設定し、例えば、外角の測定では、回動測定面8、9を向かい合わせ位置を測定基準「0度」と設定し、内角の測定では、回動測定面8、9を背中合わせ位置で測定基準「0度」と設定することができる。
そして、一方を時計回り方向をプラスの数値とし、他方を反時計回り方向をプラスの数値に設定して測定すると、その数値の加算で測定値が算出できる。
【0062】
b)いずれの場合でも、例えば、
図5に示すように、測定対象物Aの両内角面A1、A2に回動測定面8、9を同時に押し当てて、一方の回動測定面8の傾斜角度が59.82度で他方の回動測定面9の傾斜角度が32.13度と読み取った場合、59.82+32.13=91.95の演算により91.95度と測定され液晶表示部にデジタル数字で表示される。
測定対象物Bの外角の測定では、例えば、
図6に示すように、回動測定面8、9を両外角面B1、B2に同時に押し当てて、一方の回動測定面8の傾斜角度が29.62度で他方の回動測定面9の傾斜角度が50.19度と読み取った場合、29.62+50.19=79.81の演算により79.81度と測定され液晶表示部にデジタル数字で表示される。
【0063】
以上で本発明の磁気センサーを用いた形態を説明したので、次に光センサーを用いた形態を説明する。
この形態は、上記磁気センサーを用いた形態とは光センサーを用いた点で異なっているが、その他の態様や、使用方法は磁気センサーを用いた形態と同じであるのでその説明は省略し、発明の構成及び光センサー部分について以下で詳しく説明する。
【0064】
この形態は、
図16に示すように、基台1上に平行に突設した一対の回動支持体2、3の各先端寄り部位に、磁気センサーを用いた形態と同様に、該先端部を二股とした支持部2a、3aを形成する。
そして、該支持部2a、3aに、
図18の(イ)及び(ロ)に示すように、内部に設けたベアリング軸受44を介して両枢支軸4a、5aが対向して平行となるように計測ケース50、50を固着し、該計測ケース50、50の内部には角度計測用空間を備える。
該角度計測用空間内に枢支軸4a、5aの一方端部を突出させると共に該枢支軸4a、5aの回動変化量を光の変化量を感知する光センサー49を備えた角度検出部41を設ける。
図18中の符号43はベアリング軸受44のボール43である。
【0065】
そして、前記枢支軸4a、5aの他方端部を前記ベアリング軸受44から突出させて、
その突出した部分に、該枢支軸4a、5aに対する垂直な線と平行な回動測定面8、9と、該回動測定面8、9を支持する優弧半円板状のローター部6a、7aとを備えた角度測定子6、7を夫々固着する。
その際、両回動測定面8、9を、
図16に示すように、前記各回動支持体2、3を避けてその先端部及び両側面部よりも外側の全周に亘って回動可能に形成する。
【0066】
又、測定する際には両角度測定子6、7の測定基準となる位置を設定するが、
図17に示すように、両角度測定子6、7のローター部6a、7aの板面に、両角度測定子6、7の回動測定面8、9の両端部寄り部位には夫々ピン突当り部14a、14b、15a、15bを備えたピン逃がし面14、15を形成し、両回動支持体2、3の両角度測定子6、7の前記ピン逃がし面14、15に臨む部位には、前記角度測定子6、7の180度の回動位置で両側の前記ピン突当り部14a、14b、15a、15bに当たって停止する測定基準位置決めピン16、17、18、19を前記両回動支持体2、3の二股の分岐部に設けた形態が可能であり、これによって両角度測定子6、7の測定基準位置を決めることが可能となる。
この測定基準位置の決め方は、上記磁気センサーを用いた形態と同様である。
なお、
図17におけるX−X線縦断側面図を示す
図18の(イ)に示すよう、前記角度検出部41の枢支軸4a、5aは、回動支持体2、3の各先端寄り部位の二股とした先端部の二股のうち角度検出部41の設けない対向側には枢支しない態様も可能である。
【0067】
そして、前記両角度センサー49に接続させて、両光センサー49で感知した各傾斜角度のデータからプログラムに従って演算処理する電子演算部24とその演算結果をデジタル表示する液晶表示部25とを備えた演算表示部23を設ける。
【0068】
なお、上記磁気センサーと用いた形態では、ローター部6a、7aに磁気目盛面10、11を有するのでローター部6a、7aの形状を優弧半円板状としたが、上記光センサーを用いた形態では前記ローター部6a、7aに磁気目盛帯10a、11a等の目盛りを設けないのでローター部6a、7aの形状は優弧半円板状と特定する必要はない。
前記ローター部6a、7aは前記光センサー49を備えた角度検出部41を枢支軸4a、5a部分に組み込んで回動測定面8、9を一定の位置に回動可能に支持するものであり、回動測定面8、9を棒状とした場合には、ローター部6a、7aの形状は優弧半円板状とすることもできるが円板状、矩形等各種形状に形成することが可能である。
【0069】
次に、前記角度検出部41をその一例を示す
図18の模式図で説明する。
該角度検出部41は、
図18の(ロ)に示すように、前記計測ケース50内の前記枢支軸4a、5aの角度計測空間への突出
した部分には、回転偏光板45を固設する。
そして、前記回転偏光板45に対して平行に固定偏光板46を前記計測ケース50の内壁に固設する。
又、前記計測ケース50内の固定偏光板46側の空間に臨む部位に該固定偏光板46に向けて光を照射する発光体48を設ける。
そして、該発光体48の照射で前記回転偏光板45と固定偏光板46とを通過した光を受ける位置に光の量を感知する光センサー49を設ける。
【0070】
前記発光体48にはLEDランプが使用でき、そのLEDランプの電源はデータ受信回路と共に帯状に形成された回路接続用ハーネス42によって電子演算部24に接続される。
そして、該発光体48から前記固定偏光板46に向けて光を照射(図中矢印で示す)すると、その光は該固定光板46通過して回転偏光板45へ向かい、該回転偏光板45を通過し、その先に設けた反射鏡47で反射され、光センサー49に届き、その光量が感知される。
その際に回転偏光板45が回転すると前記回転偏光板45と固定偏光板46の相対的な偏光方向が変化して光の透過量が変化するが、この光の変化量を光センサー49で感知し、そのデータを角度に換算して前記回転偏光板45に固定された角度測定子6、7の両回動測定面8、9の傾斜角度を電子演算部24で演算処理し、演算結果を液晶表示部25にデジタル表示する。
なお、前記角度検出部41は、前記発光体48から反射鏡47を用いずに前記固定偏光板46と回転偏光板45を通過した光が直接届く位置に光センサー49に配設した態様や、複数の固定偏光板と、それに対応した複数の光センサー49を用いた態様も可能であり、その構造は上記態様に限定されるものではない。
又、本発明の光センサー49による形態における内角及び外角の測定方法は、上記磁気センサーによる形態と同様である。
【0071】
以上前記角度検出部41を、発光体48から照射する光を回転偏光板45と固定偏光板46を通過させてその光の変化量を光センサー49で感知する形態で説明したが、本発明では回転偏光板45や固定偏光板46等の偏光板は使用しない態様も可能である。
例えば、計測ケース50の角度計測空間内に枢支軸4a、5aを中心に複数等分度間隔とした放射状のスリットを有する2枚の目盛り円板を両側のスリットが重ね合わされるように配し、該目盛り円板の一方は枢支軸4a、5aの
突出した部分に固着し、他方は計測ケース50に固着する。
そして、一方の目盛り円板側の角度計測空間内に発光体を設け、他方の目盛り円板側にスリットを通過した光の量を感知する光センサーを設けた態様が可能である。
この態様では、測定する際に測定対象物に回動測定面8、9が当接するまで角度測定子6、7が回動すると前記枢支軸4a、5aの回動で一方の目盛り円板が他方の目盛り円板に対して相対的に回転して目盛り円板同士のスリットの開閉が起こり、発光体から目盛り円板に向けて照射した光がスリットを通過して光センサーで感知されるが、その際に発光体から目盛り円板に向けて照射した光のスリットからの通過量が増減し、その光の量の変化が光センサーで感知され、その感知されたデータから角度の計測が可能となる。