特許第6765776号(P6765776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6765776
(24)【登録日】2020年9月18日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】麺類自動調理提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20200928BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20200928BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20200928BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
   G06Q30/06
   G06Q50/12
   G07G1/12 361C
   A47J27/14 F
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-47991(P2020-47991)
(22)【出願日】2020年3月18日
【審査請求日】2020年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518348919
【氏名又は名称】亀井 正通
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】亀井 正通
【審査官】 藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−117333(JP,A)
【文献】 特開2002−163343(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3173451(JP,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0108927(KR,A)
【文献】 特開2018−005564(JP,A)
【文献】 特開平07−327822(JP,A)
【文献】 特開2001−340201(JP,A)
【文献】 特開平03−067388(JP,A)
【文献】 特開2007−021054(JP,A)
【文献】 米国特許第05351605(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07G 1/00− 5/00
A47J 27/14−27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された量の麺をゆで麺機に供給する麺供給装置と、
前記麺供給装置から供給された麺を選択された時間ゆでる複数のゆで麺機と、
選択された量の調味料および選択されたスープを食器に投入する1または複数のスープ等投入装置と、
前記ゆで麺機でゆでられた麺を前記食器に投入する1または複数のゆで麺投入装置と、
前記食器に選択された量の具を投入する1または複数の具投入装置と、
を備えた1または複数の麺料理製造ラインと、
座席近傍に設置された複数の注文用端末装置と、
を備えた麺類自動調理提供システムであって、
前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、
麺の注文者の情報を入力する注文者入力手段と、
前記麺の注文者に関する情報を記憶する注文者情報記憶手段と、
前記麺の注文者に関する情報と関連づけて、前記麺の注文者の過去の注文に関するデータを記憶させた注文情報記憶手段と、
注文する麺の量を選択する麺量選択手段と、
注文するスープの種類または量を選択するスープ選択手段と、
調味料の種類または量を選択する調味料選択手段と、
注文する具の種類または量を選択する具選択手段と、
前記麺量選択手段、前記スープ選択手段、前記調味料選択手段、および前記具選択手段で選択された情報を制御情報として、前記麺供給装置、前記ゆで麺機、前記スープ等投入装置、前記麺投入装置、および前記具投入装置の動作を制御するそれぞれの制御手段に伝達する制御情報伝達手段と、
が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記ゆで麺機が、ゆでた麺の洗浄を行うための麺洗浄手段またはゆでた麺の湯切りを行うための湯切り手段を備えたものであるか、または前記ゆで麺機とは別に、別途、前記麺洗浄手段または前記湯切り手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記麺として、複数の種類の麺が選択可能になっており、前記端末装置には、注文する麺の種類を選択する麺選択手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、選択可能な麺、スープ、調味料に関する情報を記憶する麺情報記憶手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、前記スープ選択手段で選択されるスープの種類または量、前記調味料選択手段で選択される調味料の種類または量、および前記具選択手段で選択される具の種類または量について、前記麺の種類に応じて標準的な選択値を推薦値として記憶する推薦値記憶手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、注文者が選択した麺、スープ、調味料、具の選択値に対応するカロリー計算手段または塩分計算手段を備えていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、注文者が選択した麺、スープ、調味料の選択値に対応する完成品のモンタージュ画像作成手段が設けられており、前記モンタージュ画像が前記注文用端末装置で表示されるようにしたことを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項8】
請求項1〜7に何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置は、料金の支払いを行うための決算手段を備えていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項9】
請求項1〜8に何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置と、注文者の携帯端末との間で情報の相互伝達を可能とする通信手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項10】
請求項1〜9に何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記注文用端末装置には、前記注文情報記憶手段に記憶された注文者の過去のデータを表示するための注文履歴表示手段が備えられており、注文者が前記注文履歴表示手段に表示された自身の注文履歴に関する情報を利用して、注文を行うことができるようにしてあることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【請求項11】
請求項1〜10に何れかに記載の麺類自動調理提供システムにおいて、前記食器または前記食器が載せられるトレイに、注文者の注文番号、または注文者が着席しているテーブル番号または位置を表示するための注文者特定手段が設けられていることを特徴とする麺類自動調理提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストランなどで、注文者がテーブルなどの座席に着席したまま、端末装置から麺類を注文し、自動の麺類製造ラインで製造された麺類の料理の提供を受けることができる麺類自動調理提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラーメンやうどん、そば、スパゲッティーなどの麺類の料理は一般的に大衆的な料理と考えられる傾向が強く、麺類専門店では、味付けの工夫だけでなく、いかに早く料理を提供できるかも重要な要素とされているきらいがある。
【0003】
そのような料理の提供を自動化、あるいは半自動化するための技術として、例えば特許文献1〜4に記載されている発明がある。
【0004】
特許文献1には、うどん、そば、ラーメンあるいはスパゲッティー等の麺類の自動加工調理販売装置として、顧客によって受付手段に貨幣またはカード等が挿入され、販売麺類の選択操作が行なわれると、受注カードの発行と共に製麺手段・茹麺手段及び茹麺洗浄手段からなる自動加工調理装置が作動して、所望の茹麺が加工調理され、容器内に盛付けられ、麺類の注文の受付から製麺・茹加工・洗浄及び受渡しまで一括して全自動的に行なえるようにした自動加工調理販売装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、麺を収納した通水性収納容器を茹湯槽に通して茹上げ調理し、この調理された麺を通水性収納容器内から次工程へ排出するようにした麺自動調理装置において、水平移動する保持体に上下移動可能に支持された支持杆の上部に設けられ底壁を開閉可能な通水性収納容器と、茹湯上方の麺の排出位置へ通水性収納容器を持ち上げるリフト装置と、麺の排出位置に位置した通水性収納容器の底壁を開放する開放操作機構と、この開閉操作機構にて底壁を開放される通水性収納容器の上方位置に設けられ、通水性収納容器の停止中に通水性収納容器の底壁に向けて放水する放水ノズルとを設けた麺自動調理装置が開示されている。
【0006】
特許文献3には、麺類を提供する飲食店が、調理方法を機械化することにより、調理を簡便化した調理システムとして、客の注文を入力する端末装置と、器を搬送するコンベアと、コンベア上に載せられた器にだし汁を注入するだし汁供給機と、コンベア上に載せられ、だし汁が注入された器に茹でた麺を入れる麺茹で機と、コンピュータとを具備し、コンピュータが、端末装置からの注文データに基づいてコンベア、だし汁供給機、麺茹で機を制御するようにした麺類の調理システムが開示されており、さらに端末装置として自動券売機を利用し、お客が食券を購入したときに、その食券に対応する注文データをコンピュータに伝送することが記載されている。
【0007】
特許文献4には、一人前又は少人数分の食用に供される小型の麺類製造装置として、麺粉を入れた粉投入部と水投入部とから少人数分の量の麺粉と水を攪拌部に投入し、攪拌部によって麺粉と水を攪拌混入して1つないし複数の玉状物を形成した後、攪拌部の移動底板を移動して攪拌部底面を開放し、玉状物を押出用カップに移動させ、次に押出用カップ内の玉状物を押出装置により押圧し押出用カップの多数の孔のある押出口から紐状麺として押出し、移動籠付き茹で部の中へ紐状麺を入れ、次に移動籠付き茹で部内で適度の温度の熱湯により加熱し茹で上げ、次に茹で上がった麺を移動籠から、麺洗浄部へ移動させた後、茹で上がった麺を洗浄、冷却して麺類を製造する麺類製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許平03−067388号公報
【特許文献2】特許平03−068315号公報
【特許文献3】特開2002−163343号公報
【特許文献4】特開2005−218389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ラーメンやうどん、そば、スパゲッティーなどの麺類の料理は世界的にも古くから大衆に支持された料理であり、多数の麺類専門店があり、独特の製法、味付けにより人気を博している店も多い。
【0010】
しかしながら、大衆的な料理であるため、比較的小規模の客席が密集した状態の店舗が多く、麺類の専門店ではゆっくり食事を楽しむことができる店が少ない。
【0011】
また、独特の製法、味付けにより人気を博している店の場合も、客の味の好みや健康志向の考えから、誰にでも受け入れられるというものではない。注文者である客の観点からは、好みの店は限られ、また自分の好みに合わせた料理の提供を受けることが難しい。
【0012】
さらには、人気の店を伝承できる麺職人の減少の問題、人件費の高騰といった問題もある。
【0013】
上述した特許文献1〜4に記載されている発明は、麺料理の製造ラインあるいは麺料理の注文の一部を自動化または半自動化して、麺料理の提供の合理化、人件費の削減などを図ったものであるが、単に自動化を図ったに過ぎず、一般の麺類専門店に匹敵する麺料理の提供は難しく、まして客の好みに合わせた料理を提供できるものではない。
【0014】
本発明は、上述のような背景のもとに発明されたものであり、製造ラインの自動化において注文客の嗜好に合わせた麺料理の提供が可能で、かつ注文から麺料理を食するまでのフローの合理化により、注文客がゆったり食事を楽しむことができる麺類自動調理提供システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の麺類自動調理提供システムは、選択された量の麺をゆで麺機に供給する麺供給装置と、前記麺供給装置から供給された麺を選択された時間ゆでる複数のゆで麺機と、選択された量の調味料および選択されたスープをどんぶりあるいは皿などの食器に投入する1または複数のスープ等投入装置と、前記ゆで麺機でゆでられた麺を前記食器に投入する1または複数のゆで麺投入装置と、前記食器に選択された量の具を投入する1または複数の具投入装置と、を備えた1または複数の麺料理製造ラインと、座席近傍に設置された複数の注文用端末装置と、を備えた麺類自動調理提供システムであって、前記注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバには、麺の注文者の情報を入力する注文者入力手段と、前記麺の注文者に関する情報を記憶する注文者情報記憶手段と、前記麺の注文者に関する情報と関連づけて、前記麺の注文者の過去の注文に関するデータを記憶させた注文情報記憶手段と、注文する麺の量を選択する麺量選択手段と、注文するスープの種類または量を選択するスープ選択手段と、調味料の種類または量を選択する調味料選択手段と、注文する具の種類または量を選択する具選択手段と、前記麺量選択手段、前記スープ選択手段、前記調味料選択手段、および前記具選択手段で選択された情報を制御情報として、前記麺供給装置、前記ゆで麺機、前記スープ等投入装置、前記麺投入装置、および前記具投入装置の動作を制御するそれぞれの制御手段に伝達する制御情報伝達手段と、が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
ゆで麺機としては市販のゆで麺機を使用することもでき、ゆでた麺の洗浄を行うための麺洗浄手段やゆでた麺の湯切りを行うための湯切り手段を備えたものなどがある。また、ゆで麺機とは別に、別途、麺洗浄手段(麺洗浄機)や湯切り手段(湯切り機)を用いてもよい。
【0017】
麺の種類としては、代表的なものとしてはラーメン用の麺、うどん用の麺などが挙げられ、その他蕎麦やスパゲッティーなどにも適用可能である。これらのうち、1種類の麺のみ扱う場合に限らず、複数の製造ラインを設けるなどして、複数の麺の種類を麺選択手段によって選択できるようにしてもよい。また、ラーメン用の麺、うどん用の麺、蕎麦用の、スパゲッティー用の麺についてもそれぞれ複数種用意して、選択できるようにしてもよい。
【0018】
また、注文用端末装置または前記注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバに、選択可能な麺、スープ、調味料に関する情報を記憶する麺情報記憶手段(メモリー装置など)を設け、注文者が注文端末用端末の画面で麺やスープ、調味料の情報を文字あるいは映像で見ながらあるいは聞きながら選べるようにすることができる。
【0019】
また、サーバに、スープ選択手段で選択されるスープの種類や量、調味料選択手段で選択される調味料の種類や量、具選択手段で選択される具の種類や量について、麺の種類に応じて標準的な選択値を推薦値として記憶する推薦値記憶手段を設けておくことで、注文者が迷わずに容易に選択できるようにすることができる。
【0020】
また、注文用端末装置あるいは注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバに、注文者が選択した麺、スープ、調味料、具などの選択値に対応するカロリー計算手段や塩分計算手段を設けてもよい。
【0021】
すなわち、選択された材料の種類や量などをもとに、完成される料理のカロリーを算出したり、塩分量を算出し、これらを表示させることで、注文者がカロリーや塩分量を知ることができる。また、注文者がカロリーや塩分量が過剰と考えた場合に、選択しなおすことができる。
【0022】
また、注文用端末装置あるいは注文用端末装置と通信回線で接続されたサーバに、注文者が選択した麺、スープ、調味料の選択値に対応する完成品のモンタージュ画像作成手段を設ければ、注文者があらかじめ選択された麺料理の完成状態を認識することができ、必要に応じ選択しなおすようにしてもよい。
【0023】
さらに、注文用端末装置に、料金の支払いを行うための決算手段を設け、注文用端末の操作により、選択された麺料理の支払いを行えるようにすれば、店舗にキャッシュレジスターを置く必要がなく、経費の節減が図れる。
【0024】
決算手段による支払いは、麺料理が提供されたあととすることも可能であるが、注文と同時に決済を行うようにすれば支払いの問題が生じにくく合理的である。
【0025】
また、注文用端末装置と、注文者の携帯電話などの携帯端末との間で情報の相互伝達を可能とする通信手段、例えば近距離通信手段ができるようにすれば、携帯端末に覚えこませた注文者のID情報やパスワード情報を利用して、注文用端末装置を操作したり、注文用端末装置の機能の一部を携帯端末に持たせることも可能である。
【0026】
また、注文用端末装置に、注文情報記憶手段に記憶された注文者の過去のデータを表示するための注文履歴表示手段を設け、注文者が注文履歴表示手段に表示された自身の注文履歴に関する情報を利用して、注文を行えるようにすることもできる。
【0027】
また、注文された料理と注文者の照合、すなわち注文者に本人が注文した料理が間違いなく提供されるための手段としては、例えば麺料理が提供されるどんぶりや皿などの食器、あるいは食器が載せられるトレイに、注文者の注文番号、あるいは注文者が着席しているテーブル番号や位置を表示するための注文者特定手段を設けることが考えられる。
【0028】
注文者特定手段はFRタグを用いたRFIDシステムを利用したものや、簡単には注文番号や注文者のテーブル番号を印刷した紙を発行する形式のものなどでもよい。
【0029】
なお、本発明の麺類自動調理提供システムは、基本的には1種または複数種の麺料理の提供を自動化したものであるが、麺類以外の料理の自動製造ラインを併設し、それらと合わせて料理の提供を行うシステムとすることもできる。
【0030】
また、端末操作に不慣れな客に対して、簡易な券売機を利用した注文システムや、場合によっては口頭による注文を受け付けるシステムを併用することもできる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の麺類自動調理提供システムでは、単に麺料理の製造ラインを自動化するだけでなく、注文客の嗜好に合わせて、麺のゆで加減、スープの味、調味料や具の種類や量などを自由に調整できるため、個々の注文客の嗜好に合わせた麺料理の提供が可能となる。
【0032】
注文客は席を確保してから、テーブルの端末などから注文を行うことができるため、ゆっくり落ち着いた雰囲気で注文を行い、ゆったりと食事を楽しむことができる。
【0033】
また、注文客の情報や注文の履歴などを外部サーバなどに記憶させておくことで、頻繁に来店する客が、注文を簡便に行えるようにすることができる。
【0034】
製造ラインの自動化、端末での注文や決算処理により、人件費の大幅な低減が図れる。また、昼食時や夕食時などの繁忙時での合理化だけでなく、逆に閑散時には最小限の人員で対応可能であるため、その面でも大幅な経費の節減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における店舗内の麺類自動製造ラインとテーブルおよび注文端末装置の配置を概念的に示した図である。
図2】本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における、店舗への客の来店から、注文操作、料金の支払い、麺料理の製造、配膳までの流れを概略的に示したフローチャートである。
図3】本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における店舗内の注文端末装置と外部サーバとの関係を示した概念図である。
図4】本発明の麺類自動調理提供システムのシステム構成機器の機能および機器どうしの関係を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
図1は本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における店舗内の麺類自動製造ラインとテーブルおよび注文端末装置の配置を概念的に示したものであり、図2は店舗への客の来店から、注文操作、料金の支払い、麺料理の製造、配膳までの流れを概略的に示したフローチャートである。
【0037】
図示した例では、店内の麺料理製造スペース1に、食器供給装置21、スープ投入装置22、調味料投入装置23a、23b、複数の麺投入装置24とゆで麺機25、湯切り機26、具投入装置27a、27bからなる複数の製造ラインと各製造ラインで調理された麺料理を置くための配膳台2が設けられている。
【0038】
なお、図では省略しているが、各装置の間はベルトコンベアあるいは移送装置により、食器または食器を載せたトレイが移動できるようになっている。各装置の動作はデーブル3の端末装置11(タブレットなど)で入力された情報をもとに、店内に設置されたサーバあるは通信回線で接続された外部サーバなどで制御信号を作成し、その制御信号によって制御される。
【0039】
1つの製造ラインについてみると、食器供給装置21によりどんぶりあるいはスパゲッティーなどの場合には皿などの食器をラインに設置する。なお、食器を直接置く代わりに食器を載せたトレイを置くようにしてもよい。
【0040】
また、注文された料理と注文者が照合できるようにするためには、麺料理が提供されるどんぶりや皿などの食器、あるいは食器が載せられるトレイに、注文者の注文番号、あるいは注文者が着席しているテーブル番号や位置を表示するための注文者特定手段を設けることが望ましい。具体的にはFRタグを用いたRFIDシステムを利用したものや、簡単には注文番号や注文者のテーブル番号を印刷した紙を発行する形式のものなどを用いることができる。
【0041】
スープ投入装置22から端末装置11で選択された種類のスープを食器に注ぐ。続いて調味料投入装置23a、23bで選択された種類と量の調味料を食器に投入する。図では2つの調味料投入装置23a、23bを示しているが3つ以上でもよい。また、選択されなかった調味料は投入せずにそのまま食器を通過させる。
【0042】
製造ラインに沿って1または複数のゆで麺機25が設置され、麺投入装置24からゆで麺機25に投入された選択された種類および量の麺を、ゆで麺機25で選択された時間ゆで上げ、湯切り機26に移して湯切りし、既にスープや調味料が投入された食器に麺を投入する。
【0043】
ゆで麺機25では同時に複数の麺をゆでることができるが、ライン上の流れにおいて、ゆで麺機25におけるゆで時間が最も時間を要するため、複数のゆで麺機25を設けることで、ライン上の速度を上げることができる。ただし、個々の注文のデータと個々の食器の関係は常に維持されるように制御する必要がある。
【0044】
続いて、麺が投入された食器に、具投入装置27a、27bで選択された種類と量の具を投入する。図では2つの具投入装置27a、27bを示しているが3つ以上でもよい。また、選択されなかった具は投入せずにそのまま食器を通過させる。
【0045】
最後に具を投入した食器は、複数の製造ラインの終点位置に延びる配膳台2に設置される。この状態で麺料理は完成であるが、必要に応じ配膳台2で店員が仕上がりの確認や若干の調整を行うようにしてもよい。
【0046】
配膳台2からは店員が食器あるいはトレイの注文者特定手段の表示あるいは読み取りにより、注文者のテーブルへ料理を運ぶ。あるいは注文者が取りに行くようにしてもよい。
【0047】
以上、図1に基づいて製造ラインにおける動作を説明したが、以下、図2に基づいて店舗への客の来店から、注文操作、料金の支払い、麺料理の製造、配膳までの流れを説明する。
【0048】
図2は、本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における、店舗への客の来店から、注文操作、料金の支払い、麺料理の製造、配膳までの流れを概略的に示したフローチャートである。
【0049】
来店した客は空いているテーブルに着席し、テーブルに設置されているタブレットなどの端末装置から注文を行う。あらかじめ顧客としてのIDを保有している客はIDとパスワードを入力して注文画面に入る。IDを保有していない客は必要に応じてIDおよびパスワードを設定して注文画面に入る。個人データを提供したくない客はIDなどの設定をスキップして注文画面に入る。
【0050】
注文画面で注文したい料理品目を選択し、あらかじめ自身の注文履歴などを登録したマイページを保有している客は、マイページのお気に入りデータを利用して注文を行うことができる。その際、お気に入りに登録されているデータとは異なる量、味、その他の条件を調整したい場合は、修正操作を行い、必要に応じてお気に入りデータを修正または追加する。
【0051】
マイページを持っていない場合は、麺の種類や量を選択し、続いてスープの種類、調味料の種類・量、具の種類・量を選択する。
【0052】
注文が決定されると、端末装置の画面に、注文した料理のカロリーや塩分量、完成予想のモンタージュ写真が表示され、必要に応じ、マイページのお気に入りに登録する。
【0053】
注文の決定により料理の価格が計算され、表示された画面に従い、会計処理を行う。会計処理は端末からオンラインの決算を利用することができる。あるいは店員に現金で支払うようにしてもよい。また、テーブルの端末装置と客が携帯するスマートフォンなどの形態端末との間の通信を利用して決算処理を行うこともできる。
【0054】
会計処理が完了したら、選択された注文に応じて、製造ラインの各装置に制御指令が伝達され、注文に応じた料理が自動で調理される。
【0055】
注文の料理が完成したら、配膳台から注文者のテーブルに配膳され、注文者は注文から会計、食事までをテーブルの座席に座ったまま行うことができる。
【0056】
図3は本発明の麺類自動調理提供システムの一実施形態における店舗内の注文端末装置と外部サーバとの関係を示した概念図、図4は本発明の麺類自動調理提供システムのシステム構成機器の機能および機器どうしの関係を示した概念図である。
【0057】
図3の例では主要なデータとアプリケーションを、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバで構成される外部サーバにおき、注文者がテーブル3に設置されたタブレット型の端末装置11から注文し、併せて会計処理などを行えるようにしている。なお、図3では外部サーバと製造ラインの関係は省略している。
【0058】
なお、注文者の所有する携帯端末12とテーブル3の端末装置11との間の通信により、端末装置11からの入力操作や端末装置11の表示機能の一部を携帯端末12で行うようにすることができる。
図4図3における端末装置と外部サーバとの関係を具体的に示したものである。
【0059】
端末装置は、キーボード、ボタン、あるいは音声入力手段などのデータ入力手段と、モニター画面などの表示手段を備えるものであるが、一般的なタブレット型端末などを利用することができる。
【0060】
データサーバのメモリー領域には、例えば製造装置DB、料理DB、食材DB、注文情報DB、推薦値DB、会計処理DBを保存しておく。
【0061】
製造装置DBには、製造装置のスペックや動作、制御などに関するデータが保存される。料理DBおよび食材DBには料理や食材の種類その他、注文される料理に関する各種情報を記憶させ、注文者が注文の際に参照できるようにする。
【0062】
注文情報DBには、注文者の情報や来店・注文履歴、注文者が設定したお気に入りデータなどを保存する。また、推薦値DBには、注文の際の参考となるように推薦値のデータなどを記憶させておく。会計処理DBには、料理、食材の価格や、決算処理のためのデータなどを保存しておく。
【0063】
アプリケーションサーバには、端末装置からの入力データとデータサーバに保存された各種データに基づいて、製造ラインに各装置の操作を支持する支持データを生成するプログラム、選択されたか料理のカロリーや塩分を計算するプログラム、選択された料理の完成状態のモンタージュ写真を作成するプログラム、注文された料理の会計処理を行うプログラムなどがインストールされる。
【0064】
注文者は端末からIDやパスワード、注文や決算に関する入力を行い、端末の画面で注文を確認したり、カロリーや塩分の表示、注文した料理のモンタージュ写真などをみることができる。
【符号の説明】
【0065】
1…麺料理製造スペース、2…配膳台、3…テーブル、
11…注文用端末装置(タブレット)、12…携帯端末(携帯電話)、
21…食器供給装置、22…スープ投入装置、23a、23b…調味料投入装置、24…麺投入装置、25…ゆで麺機、26…湯切り機、27a、27b…具投入装置
【要約】      (修正有)
【課題】注文客の嗜好に合わせた麺料理の提供が可能で、注文客がゆったり食事を楽しむことができる麺類自動調理提供システムを提供する。
【解決手段】麺類自動調理提供システムは、店内の麺料理製造スペース1に、食器供給装置21、スープ投入装置22、調味料投入装置23a、23b、麺投入装置24、ゆで麺機25、湯切り機26及び具投入装置27a、27bからなる複数の製造ラインと、調理された麺料理を置くための配膳台2を設ける。来店した客は空いているテーブル3に着席し、テーブル3に設置されている端末装置11から注文を行う。注文画面で注文したい料理品目を選択し、麺の種類や量、スープの種類、調味料の種類・量及び具の種類・量を選択する。注文の決定により価格を計算し、端末装置11で会計処理を行う。会計処理が完了後、製造ラインの各装置に制御指令を伝達し、注文に応じた料理を自動的に調理し、注文した客のテーブル3に配膳する。
【選択図】図1
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図2
図3
図4