(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャンセルレバーが前記キャンセル突起の回転軌跡への進退動する方向の前記第1の仮想直線上に、前記キャンセルレバーと当接して前記操作レバーのキャンセル動作を駆動する駆動部が位置する
請求項1〜4のいずれかに記載の入力操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる入力操作装置1及びキャンセルカム部材6の外観斜視図である。
図2は、
図1に示す入力操作装置1をZ2方向からZ1方向に見た外観斜視図である。
図3は、
図1及び
図2に示す入力操作装置1の分解斜視図である。
【0024】
図4は、
図2に示す入力操作装置1の基板19及び下ケース33等を省略した外観斜視図である。
図5は、
図1に示すZ1からZ2方向に見た入力操作装置1の上ケース30を省略した外観斜視図である。
図6は、
図1に示すZ2からZ1方向に見た入力操作装置1の上ケース30と下ケース33と基板19とを省略した外観斜視図である。
図7は、
図1に示すY1からY2方向に見た
図1に示す入力操作装置1の上ケース30と下ケース33とを省略した外観側面図である。
【0025】
図3に示すように、入力操作装置1は、操作レバー7、ハウジング2、保持体3及びキャンセルレバー4等を有する。
ハウジング2は、上ケース30及び下ケース(支持体)33からなり、自動車のステアリングコラム内に取付けられ、保持体3を一平面と交差する他平面上で回動可能に支持する。
保持体3は、操作レバー7の基部20を一平面上で回動可能に支持する。
【0026】
キャンセルレバー4は、ハウジング2内に設けられて保持体3の回動に伴い移動自在であり、ステアリングシャフトと一体に第1の仮想回転軸O1を中心に回動するキャンセル突起6aの回転軌跡への進退動及び回動が可能である。
操作レバー7は、ハウジング2から外方に突出されるように設けられて車内に露出している。
【0027】
キャンセルレバー4は、
図3及び
図5に示すように下ケース33に形成された案内長孔(案内部)35に案内されてキャンセルカム部材6のキャンセル突起6aの回転軌跡に進退動(
図3,
図5中C3,C4方向)する。このとき、キャンセルレバー4は、回動可能に案内されている(
図3中C1,C2方向)。
また、キャンセルレバー4が進退動する経路の延長線である第1の仮想直線35aから離れた位置に第1の仮想回転軸O1が位置している。
これにより、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との距離を短くしても、キャンセルレバー4の進退動の距離を十分に確保でき、小型化が可能になる。そのため、キャンセルカム部材6と操作レバー7との距離を短くできる。
【0028】
操作レバー7は、
図3中A1〜A4方向の4方向に回動操作可能である。A1方向とA2方向は、一平面、すなわち、平面P1と平行な同一面内にあり、A3方向とA4方向は、平面P1と交差する他平面、すなわち、平面P2と平行な同一面内にある。操作レバー7をA1方向またはA2方向に回動させると、左折指示位置または右折指示位置において操作レバー7がラッチされ、入力操作装置1からは左折指示または右折指示の出力がなされる。
【0029】
入力操作装置1は、自動車のステアリングコラムに取付けられる。ステアリングシャフト(図示略)は操作レバー7が突出する側と反対側に配置され、入力操作装置1を構成するキャンセルレバー4が、操作レバー7の操作及びステアリング操作に伴って、ステアリングシャフトとともに動くキャンセルカム部材6と連動する。
【0030】
操作レバー7のA3方向及びA4方向への回動操作については、操作方向に応じて任意の機能を割り当てることができる。例えば、A4方向の回動操作についてはラッチ可能としてヘッドライトをハイビームに切替える機能を持たせ、A3方向の回動操作についてはラッチせず自動復帰するようにして、操作中のみヘッドライトを点灯する機能を持たせることができる。
【0031】
図3に示すように、操作レバー7は、根元側を構成してハウジング2内に納められる基部20と、車内に露出して運転者に操作される操作部(図示せず)とを有している。
【0032】
ハウジング2は、上ケース30と下ケース33とを一体化して構成され、内部には空間が形成される。ハウジング2内の空間に、操作レバー7の基部20及び各種部品が納められる。ハウジング2内に納められる主な部品は、保持体3、キャンセルレバー4、カム部材5、駆動体10及び揺動レバー15である。
【0033】
保持体3は、操作レバー7の基部20を挿入でき、かつ、基部20がカム部材5側において露出されるように形成された箱状の本体部40を有する。本体部40は、ステアリングシャフト側に突出する突出面部41と、本体部40の上面から突出する案内凸部44とを有する。
【0034】
案内凸部44はハウジング2の上ケース30に回動可能に支持される。ここで保持体3は、案内凸部44を中心に回動可能にハウジング2に支持されているので、操作レバー7がA1方向又はA2方向に回動操作されると、保持体3の突出面部41がB1方向又はB2方向に回動する。基部20は、基部20に形成される軸挿通部20bと保持体3に形成される軸挿通部48とに挿通されたシャフト22を中心にして、保持体3に回動可能に支持される。したがって、操作レバー7をA3方向又はA4方向に回動操作すると、保持体3は回動せず、操作レバー7のみが回動する。
【0035】
保持体3の突出面部41の先端部の下面側に係合面部42が形成されており、これがキャンセルレバー4に設けた係合突起53と係脱する。その詳細については後述する。
また、
図6に示すように、突出面部41の下面(Z2側の面)には、キャンセル動作時にキャンセルレバー4と係合する駆動部41aが設けられている。
【0036】
図3に示すように、駆動体10は、弾性部材11を介して操作レバー7の基部20の収納凹部(図示せず)に摺動可能に取付けられ、基部20と対向して配置されるカム部材5に先端部10aが押し付けられるように弾性付勢されている。
駆動体10は、先端部10aがカム部材5に案内され、操作レバー7の回動操作に伴い4方向に摺動する。すなわち、カム部材5の基部20と対向するカム面部(図示せず)には、操作レバー7の操作方向に対応した十字状のカム溝(図示略)が形成されている。
【0037】
当該カム溝は、操作レバー7の中立位置に対応する中央部が最も凹んでいて、中央部から周辺方向に向かって上る傾斜面となっている。駆動体10は、カム溝に対して弾性的に押し付けられているので、操作レバー7が4方向のいずれかに回動操作されて先端部10aが傾斜面上にあるとき、弾性部材11の弾性付勢力によって、操作レバー7は中立位置に自動復帰する方向に弾性付勢される。
【0038】
また、キャンセルレバー4の上面には、第1の腕部55a及び第2の腕部55bの中間位置に係合突起53が立設され形成されている。
図3に示すように、キャンセルレバー4は、弾性部材14を介して下ケース33に取り付けられている。
【0039】
図3及び
図5に示すように、ハウジング2の下ケース33には、
図7に示すキャンセルレバー4の連結部57を、ステアリングシャフト側、すなわち、キャンセル突起6aの回動軌跡側へ向けて進退動可能に案内する案内長孔35が形成されている。したがって、キャンセルレバー4は、連結部57が案内長孔35によってC3方向またはC4方向に進退動可能に案内されると共に、案内長孔35における任意の位置で連結部57を中心に
図3中のC1方向またはC2方向に回動可能である。
【0040】
キャンセルレバー4は、ハウジング2に取付けられる、例えばコイルばねからなる弾性部材14により、ステアリングシャフトに向けて常時弾性付勢されている。
【0041】
図3に示すように、ハウジング2を構成する下ケース33には、揺動レバー15から下方に延設された連係部15bを挿通させるための開口部34や、保持体3を回動方向に支持する案内凸部37が形成されている。揺動レバー15は、支軸部15aが保持体3の軸受け45に揺動可能に支持される。したがって、操作レバー7が
図1中のA3方向またはA4方向に回動操作されると、揺動レバー15はD1方向またはD2方向に揺動する。
【0042】
図3に示すように、連係部15bは、下ケース33の開口部34の下方に配置される揺動部材18に係合して揺動部材18を揺動させる。揺動部材18は、回動中心部18aが下ケース33に揺動可能に支持され、円弧形状の被係合部18cが連結部15bに係合する。被係合部18cの、回動中心部18aに対して反対側の端部に形成される突部(図示せず)は、第1スライダー16に形成された長孔部16a挿入される。したがって第1スライダー16は、揺動レバー15の揺動に伴って回動する揺動部材18によって、
図3中のE1方向とE2方向に沿ってスライド移動することができる。
【0043】
図3に示すように、基板19には、第1接点部19aと第2接点部19bとが配置される。第1スライダー16は、第1接点部19aに対して接触する接点(図示しない)を有する。揺動レバー15のD1方向またはD2方向の揺動に伴いE1方向またはE2方向に沿って第1スライダー16をスライド移動することにより、第1スライダー16の接点と第1接点部19aとの接触状態を切り替えることができる。
【0044】
図3に示すように、ハウジング2には、保持体3の回動に伴いスライドする第2スライダー17が設けられる。
図6及び
図7に示すように、保持体3の下面に形成された連係ピン43は、第2スライダー17に形成される長孔部17aに挿通される。したがって、保持体3がB1方向またはB2方向に回動することで、第2スライダー17は
図3中のF2方向またはF1方向にスライド移動する。
【0045】
第2スライダー17には、第2接点部19bに対して接触する接点(図示しない)が設けられており、F1方向またはF2方向にスライド移動することにより、第2接点部19bとの接触状態を切り替えることができる。
【0046】
図3に示すように、操作レバー7の基部20のステアリングシャフト側(図中左側)には、弾性部材11を介して駆動体10が支持されている。操作レバー7の基部20の先端部及び駆動体10の先端部10aは、
図3に示すように、保持体3からカム部材5に向けて突出している。そして、駆動体10の先端部10aは、カム部材5のカム面部(図示せず)に当接している。
操作レバー7の姿勢に応じて駆動体10の先端部10aが、カム部材5のカム面部に当接する位置によって、例えば、ヘッドライトのハイビームのオン/オフ、左折指示または右折指示が操作入力される。
【0047】
ハウジング2を構成する下ケース33には、キャンセルレバー4が、弾性部材14を介して保持されている。このような構成によって、キャンセルレバー4がキャンセル突起6aの回転軌跡への進退動及び回動を、より簡単な構成で確実に行うことができるので、入力操作装置1の信頼性を向上でき、かつ、さらなる小型化を図ることができる。
【0048】
操作レバー7が中立位置にあるとき、キャンセルレバー4の上面に形成された係合突起53と保持体3の係合面部42とが係合している。係合突起53と係合面部42とは、それぞれの頂部同士が当接され、キャンセルレバー4は、弾性部材14をさらに圧縮した状態でキャンセル突起6aの回動軌跡外に退出されている。したがって、キャンセルレバー4は、キャンセル突起6aの回動軌跡に向けてさらに大きな力で弾性付勢される。
【0049】
[キャンセルレバー4]
以下、キャンセルレバー4について詳細に説明する。
図8は
図3等に示すキャンセルレバー4をZ1からZ2方向に見た平面図、
図9は
図3等に示すキャンセルレバー4をY1からY2方向に見た側面図、
図10は
図3等に示すキャンセルレバー4をZ2からZ1方向に見た底面図である。
【0050】
キャンセルレバー4は、
図6及び
図7等に示す連結部57の回転中心である第2の仮想回転軸O2を中心に回転自在に下ケース33に装着されている。キャンセルレバー4は、中立位置から少なくとも左折指示回動位置と右折指示回動位置に回動自在である。
図8等に示すように、キャンセルレバー4は、第1の係合部50、第2の係合部55及び連結部57を有する。
図3に示すように、キャンセルレバー4は、弾性部材14を介して下ケース33に取り付けられ、キャンセルカム部材6に向けて常時付勢されている。
【0051】
第1の係合部50は、キャンセル突起6aの回転軌跡に向けて突出されて該回転軌跡に進退動してキャンセル突起6aと係合する。
第2の係合部55は、操作レバー7側に突出するように形成された第1の腕部55a及び第2の腕部55bを有し、保持体3と係合する。
【0052】
連結部57は、第2の仮想回転軸O2の方向に延びており、第1の係合部50と第2の係合部55とを連結する。すなわち、第1の係合部50と第2の係合部55とは、第2の仮想回転軸O2の方向における異なる位置に、第2の仮想回転軸O2の方向と直交する方向に重なり合って設けられている。これにより、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との距離を短くしても、キャンセルレバー4の進退動の距離を十分に確保でき、小型化が可能になる。そのため、キャンセルカム部材6と操作レバー7との距離を短くできる。
【0053】
キャンセルレバー4は、キャンセル動作時に、第2の仮想回転軸O2を中心に回転し、当該回転の過程で保持体3の突出面部41の下面にある駆動部41aと係合(接触)して、操作レバー7を左折指示回動位置または前記右折指示回動位から中立位置に自動復帰させるように保持体3を回転させる。
【0054】
また、キャンセルレバー4では、第2の係合部55は第1の係合部50に対して保持体3側に位置している。そのため、第2の係合部55を保持体3に近く配置でき、第2の係合部55と保持体3との係合構造を簡単な構成で小型に実現できる。
【0055】
連結部57は、
図3及び
図5に示すように下ケース33に形成された案内長孔35に案内されてキャンセルカム部材6のキャンセル突起6aの回転軌跡に進退動する。このとき、連結部57は、連結部57を中心にキャンセルレバー4を回動可能に案内長孔35で案内されている。
この構成によれば、案内長孔35を下ケース33に形成したことで、案内部を別途設ける必要がなく、小型化が可能になる。
【0056】
また、
図2に示すように、第1の係合部50は、下ケース33の外側に位置する。一方、第2の係合部55は、ハウジング2内に収容されている。
上述したように連結部57を案内する案内長孔35を下ケース33に設けたことで、簡単な構成で第1の係合部50を下ケース33の外側に設けることができる。また、第1の係合部50を下ケース33の外側に設けたことで、ハウジング2を小型化できる。
【0057】
図5に示すように、キャンセルレバー4が進退動する経路(案内長孔35の長手方向)の延長線である第1の仮想直線35aから離れた位置に第1の仮想回転軸O1が位置している。
これにより、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との距離を短くしても、キャンセルレバー4の進退動の距離を十分に確保でき、小型化が可能になる。そのため、キャンセルカム部材6と操作レバー7との距離を短くできる。
【0058】
また、
図6に示すように、キャンセルレバー4の第1の係合部50は、キャンセルカム部材6の第1の仮想回転軸O1と、キャンセルレバー4の第2の仮想回転軸O2とを結ぶ第2の仮想直線50aに対して線対称に構成にされている。
そのため、キャンセル動作時において、第1の係合部50がキャンセル突起6aに当接する状態を左右いずれの回転においても同じにでき、左右いずれの回転においてもキャンセル動作を確実に行うことができる。
【0059】
また、
図5に示すように、キャンセルレバー4が進退動する経路である案内長孔35の中心軸である第1の仮想直線35a上に、保持体3の第3の仮想回転軸O3が位置する
【0060】
また、
図6に示す中立位置において、キャンセル動作時にキャンセルレバー4の第2の係合部55の第1の腕部55a及び第2の腕部55bと当接する保持体3の突出面部41の駆動部41aが、第1の係合部50が進退動する経路の延長線である第1の仮想直線35a上に位置している。
そのため、キャンセル動作時において、左右いずれの回転においても同じ状態でキャンセルレバー4が、保持体3を介して操作レバー7を駆動できるので、左右いずれのキャンセル動作を確実に行う構成にできる。
【0061】
図6及び
図7等に示すように、第1の係合部50は、その移動経路にキャンセル突起6aが位置する中立状態においてキャンセル突起6aに隙間をもって対向してキャンセル突起6aの回転軌跡外に位置する。
【0062】
一方、後述する
図12及び
図15等に示すように、第1の係合部50は、その移動経路にキャンセル突起6aが位置しない非中立状態においてキャンセル突起6aの回転軌跡内に位置する。
そして、後述する
図13及び
図16等に示すように、非中立状態から中立状態になる際に、キャンセル突起6aによって第1の係合部50が押されて、キャンセルレバー4を回動させ、当該回動に連動して第2の係合部55が保持体3を押して、保持体3(操作レバー7)を中立位置に復帰させる。
【0063】
この構成によれば、キャンセルレバー4の第1の係合部50がキャンセル突起6aに係合すると、その動作に連動して第2の係合部55が保持体3を中立位置に確実に復帰させることができる。
【0064】
[キャンセルジャム防止機構]
操作後の操作レバー7を手等で保持(ロック)した状態(保持体3の回転が規制された状態)でステアリングが回転された場合に、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との間に過負荷が生じて破損してしまうことを防止するキャンセルジャム防止機構を説明する。
【0065】
図6等に示すように、キャンセルレバー4の第1の係合部50には、キャンセルジャム防止機構85が設けられている。
キャンセルジャム防止機構85は、操作レバー7により保持体3の回動が規制された状態で、キャンセルカム部材6が回転してキャンセル突起6aからキャンセルレバー4が回転力を受けた場合に、キャンセルレバー4をキャンセル突起6aの回転軌跡から退く方向に移動させる。
【0066】
本実施形態では、キャンセルジャム防止機構85を保持体3ではなく、キャンセルレバー4に設けたことで、保持体3の構成を簡単且つ小さくできる。また、保持体3に比べて、ハウジング2の外部に近接して位置するキャンセルレバー4に上述したキャンセルジャム防止機構85を設けたことで組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
【0067】
図4,
図6,
図10等に示すように、キャンセルジャム防止機構85は、第1の係合部50に設けられ、例えば、弾性部材91及び移動体93を有する。
キャンセルジャム防止機構85は、第1の係合部50の
図3に示すZ2側の面に形成された収容空間50bに、移動体93の先端をキャンセルカム部材6に向けて突出させた状態で、移動体93(キャンセル突起との係合部)が摺動可能に収容されている。
【0068】
キャンセルジャム防止機構85の移動体93は、弾性部材91を介して第1の係合部50(キャンセルレバー本体)に組み込まれている。
【0069】
操作レバー7が指などで固定(ロック)されて保持体3の回動が規制されている状態で、右折又は左折後にステアリングが元の状態に戻されてキャンセル突起6aの回転軌跡内に位置する第1の係合部50にキャンセル突起6aが当接して回転力が付与されると、移動体93が弾性部材91の弾性力に抗してキャンセル突起6aの回転軌跡から退く方向に移動する。
このように、移動体93を弾性部材91を介して第1の係合部50に保持することでキャンセルジャム防止機構85を実現するため、キャンセルジャム防止機構85を実現するユニットを予めキャンセルレバー4に組み込むことができ、組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
【0070】
また、
図10等に示すように、移動体93は、収容空間50bにスナップイン機構により組み込まれている。そのため、組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
【0071】
以下、入力操作装置1の動作例を説明する。
図6及び
図11〜
図18は、入力操作装置1を
図3に示すZ2側から見たキャンセルカム部材6、キャンセルレバー4、保持体3及び操作レバー7の位置関係を説明するための図である。各図は入力操作装置1をZ2側、すなわち裏側から見ているため、図中に表示されている矢印の向きは説明文とは左右が逆向きに表示されている。
前述したように、
図6は操作レバー7が中立位置にある状態を示している。
【0072】
[通常動作(右折時)]
以下、操作レバー7がロックされていない状態での右折時の入力操作装置1の動作を説明する。
図11は操作レバー7を右折指示位置にした状態を示している。
図12は、
図11に示す状態に続いて、ステアリングを右に回動させた状態を示している。
図13は、右折するために右に回動させたステアリングを左に回動させて戻す過程を示す図である。
【0073】
図11に示すように、右折をするために操作者が指等で操作レバー7を矢印A2の向きに回動させる。これにより、操作レバー7と連動して保持体3の駆動部41aがキャンセルレバー4の第2の腕部55bに近接する。
図11に示す状態では、キャンセルレバー4の第1の係合部50の移動体93がキャンセルカム部材6のキャンセル突起6aに当接しており、移動体93はキャンセル突起6aの回転軌跡外に位置している。
【0074】
次に、
図12に示すように、ステアリングを右に回動させると、キャンセルカム部材6は図中矢印R1の向きに回動する。これにより、キャンセル突起6aがキャンセルレバー4が進退動する経路から外れ、
図3に示す弾性部材14の付勢力により、キャンセルレバー4が案内長孔35に沿ってキャンセルカム部材6に向けて矢印Pの方向に移動し、移動体93がキャンセル突起6aの回転軌跡内に位置する。
【0075】
次に、
図13に示すように、右折するために右に回動させたステアリングを左に回動させて戻すと、キャンセルカム部材6は図中矢印R2の向きに回動する。この過程で、キャンセル突起6aの端部が、移動体93の側面を矢印R2の向きに押圧し、キャンセルレバー4を第2の仮想回転軸O2を中心に図中矢印R3の向きに回動させる。これにより、第2の腕部55bが駆動部41aを矢印R5の向きに押圧し、操作レバー7を仮想回転軸O3を中心に図中矢印A1の向きに回動して
図6に示す中立位置に復帰させる。
【0076】
[通常動作(左折時)]
以下、操作レバー7がロックされていない状態での左折時の入力操作装置1の動作を説明する。
図14は操作レバー7を左折指示位置にした状態を示している。
図15は、
図14に示す状態に続いて、ステアリングを左に回動させた状態を示している。
図15は、左折するために左に回動させたステアリングを右に回動させて戻す過程を示す図である。
【0077】
図14に示すように、左折をするために操作者が指等で操作レバー7を矢印A1の向きに回動させる。これにより、操作レバー7と連動して保持体3の駆動部41aがキャンセルレバー4の第1の腕部55aに近接する。
図14に示す状態では、キャンセルレバー4の第1の係合部50の移動体93がキャンセルカム部材6のキャンセル突起6aに当接しており、移動体93はキャンセル突起6aの回転軌跡外に位置している。
【0078】
次に、
図15に示すように、ステアリングを左に回動させると、キャンセルカム部材6は図中矢印R2の向きに回動する。これにより、キャンセル突起6aがキャンセルレバー4が進退動する経路から外れ、
図3に示す弾性部材14の付勢力により、キャンセルレバー4が案内長孔35に沿ってキャンセルカム部材6に向けて矢印Pの方向に移動し、移動体93がキャンセル突起6aの回転軌跡内に位置する。
【0079】
次に、
図16に示すように、左折するために左に回動させたステアリングを右に回動させて戻すと、キャンセルカム部材6は図中矢印R1の向きに回動する。この過程で、キャンセル突起6aの端部が、移動体93の側面を矢印R1の向きに押圧し、キャンセルレバー4を第2の仮想回転軸O2を中心に図中矢印R4の向きに回動させる。これにより、第1の腕部55aが駆動部41aを矢印R6の向きに押圧し、操作レバー7を仮想回転軸O3を中心に図中矢印A2の向きに回動して
図6に示す中立位置に復帰させる。
【0080】
[ロック状態の動作(右折時)]
以下、
図13に示すように、右折するために右に回動させたステアリングを左に回動させて戻す動作を開始するときに、操作レバー7が指等でロックされている場合の動作を
図17等を用いて説明する。
図13に示すように、右折するために右に回動させたステアリングを左に回動させて戻すと、キャンセルカム部材6は
図13中矢印R2の向きに回動する。この過程で、キャンセル突起6aの端部が、移動体93の側面を矢印R2の向きに押圧するが、操作レバー7がロックされているので保持体3は回動しない。そのため、キャンセルレバー4は回動しなく、移動体93の側面にキャンセル突起6aから一定以上の押圧力が加わる。
【0081】
これにより、弾性部材91が押圧されて縮み、
図17に示すように移動体93が弾性部材91の弾性力に抗して矢印Qの向き(弾性部材91の向き、キャンセル突起6aの回転軌跡から退く向き)に移動し、キャンセル突起6aの回転軌跡から外れてキャンセルカム部材6が回転する。
この構成によれば、右折時に操作レバー7がロックされた場合でも、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との間に過負荷が生じて破損してしまうことを防止できる。
【0082】
[ロック状態の動作(左折時)]
以下、
図16に示すように、左折するために左に回動させたステアリングを右に回動させて戻す動作を開始するときに、操作レバー7が指等でロックされている場合の動作を
図18等を用いて説明する。
図16に示すように、左折するために左に回動させたステアリングを右に回動させて戻すと、キャンセルカム部材6は
図16中矢印R1の向きに回動する。この過程で、キャンセル突起6aの端部が、移動体93の側面を矢印R1の向きに押圧するが、操作レバー7がロックされているので保持体3は回動しない。そのため、キャンセルレバー4は回動しなく、移動体93の側面にキャンセル突起6aから一定以上の押圧力が加わる。
【0083】
これにより、弾性部材91が押圧されて縮み、
図18に示すように移動体93が弾性部材91の弾性力に抗して矢印Qの向き(弾性部材91の向き、キャンセル突起6aの回転軌跡から退く向き)に移動し、キャンセル突起6aの回転軌跡から外れてキャンセルカム部材6が回転する。
この構成によれば、左右折時に操作レバー7がロックされた場合でも、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との間に過負荷が生じて破損してしまうことを防止できる。
【0084】
以上説明したように、入力操作装置1では、
図5に示すように、キャンセルレバー4が進退動する経路(案内長孔35の長手方向)の延長線である第1の仮想直線35aから離れた位置に第1の仮想回転軸O1が位置している。
これにより、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との距離を短くしても、キャンセルレバー4の進退動の距離を十分に確保でき、小型化が可能になる。そのため、キャンセルカム部材6と操作レバー7との距離を短くできる。
【0085】
また、入力操作装置1では、
図6に示すように、キャンセルレバー4の第1の係合部50は、キャンセルカム部材6の第1の仮想回転軸O1と、キャンセルレバー4の第2の仮想回転軸O2とを結ぶ第2の仮想直線50aに対して線対称に構成にされている。
そのため、キャンセル動作時において、第1の係合部50がキャンセル突起6aに当接する状態を左右いずれの回転においても同じにでき、左右いずれの回転においてもキャンセル動作を確実に行うことができる。
【0086】
また、入力操作装置1では、
図6に示す中立位置において、キャンセル動作時にキャンセルレバー4の第2の係合部55の第1の腕部55a及び第2の腕部55bと当接する保持体3の突出面部41の駆動部41aが、第1の係合部50が進退動する経路の延長線である第1の仮想直線35a上に位置している。
そのため、キャンセル動作時において、左右いずれの回転においても同じ状態でキャンセルレバー4が、保持体3を介して操作レバー7を駆動できるので、左右いずれのキャンセル動作を確実に行う構成にできる。
【0087】
また、入力操作装置1では、キャンセルレバー4は、第2の仮想回転軸O2の方向の延びる連結部57で第1の係合部50と第2の係合部55とを連結して構成される。すなわち、第1の係合部50と第2の係合部55とは、第2の仮想回転軸O2の方向における異なる位置に、第2の仮想回転軸O2の方向と直交する方向に重なり合って設けられている。これにより、キャンセルカム部材6とキャンセルレバー4との距離を短くしても、キャンセルレバー4の進退動の距離を十分に確保でき、小型化が可能になる。そのため、キャンセルカム部材6と操作レバー7との距離を短くできる。
【0088】
入力操作装置1では、キャンセルレバー4の第2の係合部55は第1の係合部50に対して保持体3側に位置している。そのため、第2の係合部55を保持体3に近く配置でき、第2の係合部55と保持体3との係合構造を簡単な構成で小型に実現できる。
【0089】
また、入力操作装置1では、キャンセルレバー4の連結部57は、
図3及び
図5に示すように下ケース33に形成された案内長孔35に案内されてキャンセルカム部材6のキャンセル突起6aの回転軌跡に進退動する。このとき、連結部57は、連結部57を中心にキャンセルレバー4を回動可能に案内長孔35で案内されている。
このように案内長孔35を下ケース33に形成したことで、案内部を別途設ける必要がなく、小型化が可能になる。
【0090】
また、入力操作装置1によれば、上述したように連結部57を案内する案内長孔35を下ケース33に設けたことで、簡単な構成で第1の係合部50を下ケース33の外側に設けることができる。また、第1の係合部50を下ケース33の外側に設けたことで、ハウジング2を小型化できる。
【0091】
また、入力操作装置1では、
図6等に示すように、キャンセルジャム防止機構85を保持体3ではなく、キャンセルレバー4に設けたことで、保持体3の構成を簡単且つ小さくできる。また、保持体3に比べて、ハウジング2の外部に近接して位置するキャンセルレバー4に上述したキャンセルジャム防止機構85を設けたことで組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
このように、移動体93を弾性部材91を介して第1の係合部50に保持することでキャンセルジャム防止機構85を実現するため、キャンセルジャム防止機構85を実現するユニットを予めキャンセルレバー4に組み込むことができ、組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
【0092】
また、
図10等に示すように、入力操作装置1では、移動体93は、収容空間50bにスナップイン機構により組み込まれている。そのため、組み立て性を高め、製造コストを抑えることができる。
【0093】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0094】
上述した実施形態では、キャンセルレバー4にキャンセルジャム防止機構85を設けた場合を例示したが、キャンセルジャム防止機構を保持体3に設けてもよい。
また、上述した実施形態では、
図7に示すように、第1の係合部50と第2の係合部55とが第2の仮想回転軸O2の異なる位置に設けた場合を例示したが、同一の位置に設けてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、本発明の入力操作装置の一例として入力操作装置1を例示したが、操作レバーと、該操作レバーの基部を一平面上で回動可能に支持する保持体と、該保持体を前記一平面と交差する他平面上で回動可能に支持するハウジングと、該ハウジング内に設けられて、前記保持体の回動に伴い移動自在であり、ステアリングシャフトに設けたキャンセル突起の回転軌跡への進退動及び回動が可能なキャンセルレバーとを有するその他の入力操作装置にも本発明は適用可能である。