(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のリニアモータについて、図面を用いて説明する。
なお、各実施形態において共通する部材については共通の番号を付し、その説明を省略することがある。また、
図1に示すX方向を幅方向、Y方向を奥行き方向、Z方向を高さ方向ともいう。また、X方向の一側(矢視している側)を「右側」、他側を「左側」ともいう。Y方向の一側(矢視している側)を「奥側」、他側を「手前側」ともいう。Z方向の一側(矢視している側)を「上側」、他側を「下側」ともいう。
【0008】
図1は、一実施形態のリニアモータの斜視図、
図2は、一実施形態のリニアモータの分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように、リニアモータ10は、固定子(第2部材)20及び可動子(第1部材)30を備える。リニアモータ10は、可動子30に鉄心が設けられていない、いわゆるコアレスモータである。
【0009】
固定子20は、4枚のヨーク21(第2板状部材)と、3枚のベース(ベース部材)22とを備えている。以下、4枚のヨーク21について、幅方向(厚さ方向)の一側から順に第1ヨーク21A(端部板状部材)、第2ヨーク21B(中間板状部材)、第3ヨーク21C(中間板状部材)、第4ヨーク21D(端部板状部材)ということがある。同様に、3枚のベース22について、幅方向の一側から順に第1ベース22A、第2ベース22B、第3ベース22Cということがある。
【0010】
ヨーク21は、板状をなしている。ヨーク21は、いずれも高さ方向及び奥行き方向に延在して設けられている。ヨーク21は、固定子20から可動子30に向かって立設されている。4枚のヨーク21のうち、隣り合うヨーク21は、いずれも略同一の幅をおいて配置されている。
ヨーク21は、鉄鋼によって形成されている。ヨーク21は、鉄鋼以外のステンレスや他の磁性体で形成されていてもよい。
【0011】
第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dは、幅方向に並んで配置されている。第1ヨーク21A及び第4ヨーク21Dは、幅方向の端部に配置されている。第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cは、第1ヨーク21Aと第4ヨーク21Dとの間に配置されている。第1ヨーク21Aと第4ヨーク21Dとの間は、幅方向の端部以外の位置である。
第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dの厚さは、互いに同一である。このため、第2ヨーク21Bの厚さは、第1ヨーク21Aの厚さ及び第4ヨーク21Dの厚さの2倍より薄い。同様に、第3ヨーク21Cの厚さは、第1ヨーク21Aの厚さ及び第4ヨーク21Dの厚さの2倍より薄い。
【0012】
ベース22は、隣り合うヨーク21における高さ方向下端部同士の間に配置されている。4枚のヨーク21は、3枚のベース22によって接続されている。ベース22は、細長い板状をなしている。ベース22は、いずれも幅方向及び奥行き方向に延在して設けられている。
ベース22は、例えばオーステナイト系のステンレスによって形成されている。ベース22は、ステンレス以外の金属、例えば銅やアルミニウムで形成されていてもよい。また、金属以外の素材、例えば樹脂で形成されていてもよい。
【0013】
永久磁石23は、ヨーク21の一面(可動子30の収納部31B(
図4参照)との対向面)に複数支持されている。複数の永久磁石23は、奥行き方向に並んで配置されている。隣り合う永久磁石23は、相反する磁極とされている。例えば、ヨーク21の先端に設けられた永久磁石23の磁極がN極である場合、その隣の永久磁石23の磁極はS極である。
永久磁石23は、ヨーク21の左面(一面)及び右面(一面の背後の背面)の双方において複数支持されている。例えば、第1ヨーク21Aの右面と第2ヨーク21Bの左面には、それぞれ複数の永久磁石23が支持されている。同様に、第2ヨーク21Bの右面と第3ヨーク21Cの左面には、複数の永久磁石23が支持されている。また、ヨーク21を挟んで対称位置にある永久磁石23同士の磁極は、互いに相反する磁極とされている。
隣り合うヨーク21のうち、一のヨーク21の左面及び他のヨーク21の右面に支持される向かい合う永久磁石23の磁極は、互いに相反する磁極とされている。例えば、第1ヨーク21Aの右面に支持される永久磁石23に第2ヨーク21Bの左面に支持される永久磁石23が向かい合っている。このうち、第1ヨーク21Aの右面に支持される永久磁石23の磁極は、向かい合う第2ヨーク21Bの左面に支持される永久磁石23の磁極と相反している。
【0014】
ヨーク21及びベース22の下端部には、ボルト締結部(締結部)24が設けられている。ボルト締結部24は、
図3にも示すように、第1締結孔(第1締結部)24Aと第2締結孔(第2締結部)24Bと第3締結孔24Cとを備えている。第1締結孔24A及び第2締結孔24Bは、ヨーク21に形成されている。第3締結孔24Cは、ベース22に形成されている。
ヨーク21において、第1締結孔24Aと第2締結孔24Bとは、奥行き方向に沿って等間隔で離間して配置されている。第1締結孔24Aと第2締結孔24Bとは、交互に配置されている。ベース22において、第3締結孔24Cは、奥行き方向に沿って等間隔で離間して配置されている。ヨーク21は、第1締結孔24Aと第2締結孔24Bとをそれぞれ3個ずつ備えている。ベース22は、第3締結孔24Cを6個備えている。
【0015】
ヨーク21における隣接する第1締結孔24Aと第2締結孔24Bの軸間の距離は、ベース22における隣接する第3締結孔24Cの軸間の距離と同一とされている。
ヨーク21の先端部に最も近い位置の第1締結孔24Aからヨーク21の先端部までの距離を距離Aとする。ヨーク21の後端部に最も近い位置の第2締結孔24Bからヨーク21の後端部までの距離を距離Bとする。このとき、距離Aと距離Bとは同一である。
ベース22の先端部に最も近い位置に配置された第3締結孔24Cからベース22の先端部までの距離を距離Cとする。ベース22の後端部に最も近い位置に配置された第3締結孔24Cからベース22の後端部までの距離を距離Dとする。このとき、距離Cと距離Dとは同一である。
【0016】
ヨーク21及びベース22は、いずれも平面視した幅方向の中心線を中心として対称(線対称)となる形状(以下「対称形状」という)をなしている。このため、ヨーク21及びベース22は、先端部と後端部との位置を取り換えても、第1締結孔24A〜第3締結孔24Cをボルト(締結部材)25で締め付けることによって締結可能である。
図3に示す例では、第1ヨーク21Aにおいては、先端部に近い位置に第1締結孔24Aが配置されている。第2ヨーク21Bにおいては、先端部に近い位置に第2締結孔24Bが配置されている。第1ヨーク21Aと第2ヨーク21Bでは、第1締結孔24Aと第2締結孔24Bとが千鳥に配置される。同様に、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dでは、隣接するヨーク21間で、第1締結孔24Aと第2締結孔24Bとが千鳥に配置される。
【0017】
第1締結孔24A、第2締結孔24B、及び第3締結孔24Cには、ボルト25が配置される。第1締結孔24Aは、ボルト25のねじ部の径と略同径の細径孔24A1と、ボルトの頭部の径よりも大径の太径孔24A2と、を備えている。太径孔24A2は、ヨーク21の左右両側のそれぞれに設けられている。このため、第1締結孔24Aには、幅方向の左右のどちら側からもボルト25をねじ込むことができる。
細径孔24A1は、2個の太径孔24A2を繋いで設けられている。第1締結孔24Aは、ヨーク21を幅方向に貫通している。細径孔24A1には、ボルト25のねじ部がねじ込まれるねじ溝が切られている。
第2締結孔24Bは、ボルトのねじ部の径と略同径を成している。第2締結孔24Bは、ボルト25のねじ部がねじ込まれるねじ溝が切られている。このため、第2締結孔24Bに対して、ボルト25を締付可能とされている。第2締結孔24Bは、ヨーク21を貫通している。このため、ヨーク21及びベース22は、第2締結孔24Bの左右両側のいずれからねじ込まれたボルト25によっても締結可能である。
ベース22における第3締結孔24Cは、貫通孔であり、ねじ溝が切られていない。このため、ボルト25のねじ部は、第3締結孔24Cを貫通する。また、第3締結孔24Cには、ボルト25のねじ部がねじ込まれるねじ溝が切られていてもよい。この場合、ベース22を貫通するボルト25のねじ部にボルト25のねじ部がねじ込まれる。
【0018】
第1ヨーク21Aの第1締結孔24Aには、ボルト25がねじ込まれている。ボルト25のねじ部は、
第1ベース22Aの第3締結孔24Cを貫通し、第2ヨーク21Bの
第2締結孔24Bにねじ込まれる。第1ヨーク21Aにおける3個の第1締結孔24Aには、ボルト25がねじ込まれている。
第1ヨーク21A、第1ベース22A、及び第2ヨーク21Bは、3本のボルトによって締め付けられる。
【0019】
同様に、第2ヨーク21Bの第1締結孔24A、第2ベース22Bの
第3締結孔24C、及び第3ヨーク21Cの
第2締結孔24Bがボルト25によって
締め付けられる。第3ヨーク21Cの第1締結孔24A、第3ベース22Cの
第3締結孔24C、及び第4ヨーク21Dの
第2締結孔24Bがボルト25によって締め付けられる。
【0020】
可動子30は、隣接する2枚のヨーク21の間に配置されている。可動子30は、4枚のヨーク21によって形成された3個の溝部のそれぞれに配置されている。リニアモータ10は、3個の可動子30を備えている。
図4は、可動子30の斜視図である。
図4に示すように、可動子30は、ケース31と、コイル32と、接続部33と、を備えている。
【0021】
ケース31は、樹脂等の非磁性体製である。ケース31は、ケース上部31Aと、収納部(第1板状部材)31Bと、を備えている。ケース31は、正面視した形状が略T字形状をなしている。ケース上部31Aは、中実である。収納部31Bは、中空である。ケース上部31Aは、中空であってもよい。
ケース上部31Aは、幅方向に延在する板材である。ケース上部31Aの幅は、隣接するヨーク21の内側辺同士の間の幅よりも広い。ケース上部31Aの幅は、隣接するヨーク21の外側側辺同士の間の幅よりも狭い。ケース上部31Aの奥行き方向の長さは、ヨーク21の奥行き方向の長さよりも短い。
【0022】
収納部31Bは、隣接するヨーク21の間に配置されている。収納部31Bは、高さ方向に延在する板材である。収納部31Bは、可動子30から固定子20に向かって立設されている。収納部31Bは、ケース上部31Aの下面に接続されている。収納部31Bの幅は、隣接するヨーク21の内側辺同士の間の幅よりも狭い。収納部31Bは、隣接するヨーク21の内側面にそれぞれ取り付けられた永久磁石23同士の間の幅よりも狭い。収納部31Bの奥行き方向の長さは、ケース上部31Aの奥行き方向の長さと同じである。
【0023】
コイル32は、収納部31Bの中空空間に配置されている。コイル32は、鉄心が設けられていないコアレスコイルである。収納部31Bの中空空間には、3個のコイル32が収納されている。3個のコイル32は、奥行き方向に沿って並設されている。このため、コイル32は、幅方向に見て永久磁石23に挟まれた位置に配置されている。また、奥行き方向に隣接する3個のコイル32は、およそ3個の永久磁石23同士に挟まれた位置に配置されている。
【0024】
接続部33は、例えば金属製である。接続部33は、樹脂など他の材料で形成されていてもよい。接続部33の外形は、ケース31のケース上部31Aの外形とほぼ同一である。接続部33には、図示しないボルト等によってケース31のケース上部31Aに接合されている。接続部33は、ケース31の移動に伴って移動する。
【0025】
コイル32には、図示しない電気回路が接続されており、電気回路は、コイル32に三相交流の電流を供給する。電力が供給されたコイル32には、磁力が生じて磁気回路を構成する。コイル32に生じた磁力と、固定子20のヨーク21に支持された永久磁石23の磁力による磁気回路によって、コイル32が設けられた可動子30が移動する。固定子20のヨーク21に支持された永久磁石23は、コイル32を収納する収納部31Bを挟んで奥行き方向に並設されている。このため、可動子30は、奥行き方向に移動する。
また、コイル32に供給する電流の方向の正逆を
逆転させると、可動子30に働く力も逆転する。このため、コイル32に供給する電流の方向を変えることにより、可動子30は、奥行き方向に沿って往復移動する。
【0026】
第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dは、幅方向に並べられている。また、可動子30は、奥行き方向に移動する。このように、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dは、可動子30の移動方向に直交する方向に並べられている。
【0027】
図5は、一実施形態のリニアモータを備えるリニアスライダの斜視図である。
図5に示すように、リニアスライダ4は、
図1及び
図2に示すリニアモータ10と、スライダ40と、を備える。スライダ40は、リニアモータ10の上方に配置されている。スライダ40は、スライダベース41と、レール42と、スライダ部材(連結部材)43と、を備えている。
スライダベース41は、上方が開口する略コ字形状をなしている。スライダベース41の内側には、リニアモータ10が収容されている。
レール42は、スライダベース41の両壁部の上面にそれぞれ設けられている。レール42は、奥行き方向に沿って延在している。レール42は、第1ヨーク21A及び第4ヨーク21Dの奥行き方向とほぼ全長にわたって延在している。
【0028】
スライダ部材43は、平面部43Aと、鉛直部43Bと、走行部43Cと、を備えている。スライダ部材43は、例えば金属製である。スライダ部材43は、樹脂など他の材料で形成されていてもよい。
平面部43Aは、板状をなしている。平面部43Aは、3個の可動子30における接続部33にそれぞれ図示しないボルト等によって接合されている。平面部43Aは、3個の可動子30を連結している。スライダ部材43は、3個の可動子30と一体となって移動する。
【0029】
鉛直部43Bは、平面部43Aの幅方向の左右両端辺のそれぞれに設けられている。鉛直部43Bは、平面部43Aの左右端辺から下方に向けて延在している。鉛直部43Bの高さ方向の長さは、可動子30における接続部33の高さ方向の長さよりも短くされている。
【0030】
走行部43Cは、左右の鉛直部43Bの双方の底面における先端部及び後端部のそれぞれ取り付けられている。走行部43Cはスライド構造をなしており、レール42に噛み合っている。スライド構造は、レール42の長手方向に沿って移動可能な構造である。走行部43Cは、レール42の長手方向に沿って移動可能である。
【0031】
3個の可動子30に設けられるコイル32には、それぞれの可動子30が同一方向に移動する方向に電流が供給される。このため、3個の可動子30は、常に同一方向に移動する。スライダ部材43は、3個の可動子30の移動に伴ってレール42上を移動する。このため、スライダ部材43は、奥行き方向に沿って往復移動可能とされている。
【0032】
上記のリニアモータ10は、3個の可動子30を備えており、これらの可動子30のコイル32は、それぞれヨーク21に挟まれて配置されている。ヨーク21の両側面には、それぞれ複数の永久磁石23が並べられている。このため、3個の可動子30におけるコイル32のそれぞれに対して、磁気回路が構成され、3個の可動子30のそれぞれに対して推力が与えられる。これらの3個の可動子30に対して、スライダ40のスライダ部材43が接合されている。このため
、スライダ40のスライダ部材43の推力の向上に寄与することができる。
【0033】
ところで、仮に、
図6(A)に示すように、2枚のヨーク21に可動子(図示せず)が設けられたリニアモータ10Aを想定する。このリニアモータ10Aでは、推力が小さく、推力を大きくしたい場合、
図6(B)に示すように、リニアモータ10Aを並設することが考えられる。3個のリニアモータ10Aを並設することで、大きな推力を得ることができる。
【0034】
ところが、3個のリニアモータ10Aを並設する場合、永久磁石23を支持するヨーク21が左右側の隣接面が合わせられて配置されることとなる。このため、両端に配置されるヨーク21以外には、2枚のヨークが並べられるので、ヨーク21を設けるための領域を広くしなければならず、その分大きなスペースを要する。また、1個の可動子に対して、2枚のヨーク21を要する。
【0035】
この点、上記のリニアモータ10では、ヨーク21の左右の両面に永久磁石23が設けられている。そして、内側の第2ヨーク21B、第3ヨーク21Cの幅は、外側の第1ヨーク21A、第4ヨーク21Dの幅と同一であり、第1ヨーク21A、第4ヨーク21Dの幅の2倍よりも薄い幅である。このため、2枚のヨークが並べられなくて済むので、ヨーク21を設けるための領域を広くしなくて済む。したがって、省スペース化に寄与することができる。さらには、3個の可動子30は、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dの4枚のヨーク21でそれぞれ挟まれて設けられている。このため、3個の可動子30に対して4枚のヨーク21で済むので、部品点数の削減に寄与することができる。
【0036】
また、上記のリニアモータ10では、2枚のヨーク21を接近した状態で並べる必要がない。このため、ヨーク21の間に隙間が生じることがないので、さらに省スペース化に寄与することができる。しかも、並設するヨーク21の数を少なくできるので、位置決めを行う際の精度の低下を小さくすることができるとともに、リニアモータ10を組み立てる際の工程を少なくすることができる。
【0037】
また、
図6(B)に示す3個のリニアモータ10Aを並設する例では、各リニアモータ10Aヨーク21に対して位置決めを行う必要がある。このため、3個のリニアモータ10Aを並設する例では、少なくとも3か所の位置決めを要する。
この点、上記のリニアモータ10では、4枚のヨーク21が3枚のベース22で接続されている。このため、1枚のヨーク21を位置決めするだけで4枚のヨーク21の全体を位置決めできる。したがって、位置決めを行う際の手間を軽減することができる。
【0038】
また、上記のリニアモータ10では、ヨーク21とベース22とがボルト25によって締結されている。このため、ヨーク21とベース22とを組み立てる際の位置決めを容易に行うことができる。また、ヨーク21及びベース22は、いずれも対称形状とされている。このため、ヨーク21及びベース22の種類を多くすることなく、リニアモータ10を組み立てることができる。
また、上記のリニアモータ10では、可動子30がコイル32を有し、固定子20が永久磁石23を有している。このため、可動子30には、比較的重量が大きい永久磁石23ではなく、比較的重量が小さいコイル32が搭載される。したがって、可動子30
を軽量化させることができる。
また、上記のリニアモータ10では4枚のヨーク21が設けられているが、5枚あるいはそれ以上のヨーク21を設けて推力の大きいリニアモータとすることもできる。この場合でも、ヨーク21及びベース22を第1ヨーク21Aまたは第4ヨーク21Dの側方に順次接続すればよい。したがって、部材の種類を増やすことなく、推力の大きいリニアモータを設けることができる。
【0039】
また、上記のリニアモータ10では、外側に配置された第1ヨーク21A及び第4ヨーク21Dのほか、その間に配置された第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cに永久磁石23が設けられている。このため、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dの間にそれぞれ配置される3個の可動子30のそれぞれに推力を与えることができるので、推力の向上に寄与することができる。
【0040】
また、仮に、永久磁石23が片面のみにしか設けられていない第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cを立設した場合には、第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cには永久磁石23が設けられてない面が生じることとなる。永久磁石23が設けられていない面では、磁気回路を構成することができず、可動子30に推力を与えることができない。永久磁石23が片面のみにしか設けられていない第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cを立設する場合に可動子30に推力を与えようとすると、第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cとしてそれぞれ2枚のヨークを並べなければならない。
この点、上記のリニアモータ10では、第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cの左面及び右面には、それぞれ永久磁石23が支持されている。このため、第2ヨーク21B及び第3ヨーク21Cとしてそれぞれ2枚のヨークを並べることなく、可動子30に推力を与えることができる。したがって、リニアモータ10では、省スペース化に寄与することができる。
【0041】
また、上記のリニアモータ10では、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dをそれぞれ接続する第1ベース22A〜第3ベース22Cが設けられている。このため、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dを安定した状態で連結させることができる。また、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dのそれぞれの間の距離を容易に一定にすることができる。
また、上記のリニアモータ10では、第1ヨーク21A〜第4ヨーク21Dのうち、隣り合うヨーク21同士を、ベース22を介して締結するボルト締結部24が設けられている。このため、隣り合うヨーク21同士を容易に接続することができる。
また、上記のリニアモータ10では、3個の可動子30を連結するスライダ部材43が設けられている。このため、可動子30を容易に連動させて移動させることができる。
【0042】
上記のリニアモータ10では、可動子30にコイル32が設けられ、固定子20に永久磁石23が設けられている。これに対して、可動子に永久磁石が設けられ、固定子にコイルが設けられていてもよい。また、上記のリニアモータ10では、コイル32を挟んで永久磁石23が設けられている。これに対して、永久磁石を挟んでコイルが設けられていてもよい。
また、上記のリニアモータ10では、3個の可動子30をスライダ部材43で連結しているが、3個の可動子30を連結しないようにしてもよい。この場合、3個の可動子30の移動方向を共通とせずに、それぞれ異なる方向に移動させるようにしてもよい。
また、上記のリニアモータ10では、4枚のヨーク21と、3枚のベース22及び3個の可動子30を設けたが、これらの数は適宜他の数としてもよい。
【0043】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、複数の固定子でスライダを移動させることにより、推力の向上に寄与できる。また、中間板状部材の厚さが、端部板状部材の厚さの2倍より薄いので、省スペース化に寄与することができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。