(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0012】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報である特別図柄(特図)の可変表示(特図ゲーム)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0013】
特別図柄の可変表示とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」と、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
【0014】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報である飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像を表示する。特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。
【0015】
特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
【0016】
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る)。
【0017】
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(
図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る)。
【0018】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0019】
遊技盤2の所定位置(
図1では遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、
図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0020】
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9はLEDを含んで構成されている。
【0021】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿(余剰球貯留皿)が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bと十字ボタン31Cが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。十字ボタン31Cの設置位置における上皿の本体内部などには、十字ボタン31Cに対する遊技者の操作を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するボタンセンサ35Cが設けられている。
【0022】
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板37、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。パチンコ遊技機1には、払出制御基板37からの賞球個数コマンドに基づいて遊技球を上皿等に払い出す球払出装置97を備えている。球払出装置97は、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。
【0023】
遊技盤2の背面下方にて上皿と下皿の間を連通する余剰球通路の側壁には、下皿が遊技球で満杯になっていること(下皿の満タン)を検出するための満タン検出スイッチ24が設置されている。詳しくは、賞球又は球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて上皿が満杯になり、遊技球が連絡口に到達した後、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球通路を経て下皿へと導かれる。さらに遊技球が払い出されると、例えば所定の感知レバーが満タン検出スイッチ24を押圧し、満タン検出スイッチ24がオンとなる。満タン検出スイッチ24がオンとなった状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0024】
下皿の下方には、下皿に貯留されている余剰球を排出するためにスライド操作される球抜き操作レバーを備える。遊技者等が球抜き操作レバーをスライド操作すると、下皿の余剰球が排出され、下皿の満タンが解消される。下皿の満タンが解消されると、感知レバーが満タン検出スイッチ24を押圧しなくなり、満タン検出スイッチ24がオフとなる。
【0025】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0026】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
【0027】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
【0028】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23、満タン検出スイッチ24)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
【0029】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
【0030】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行する機能を有する。演出制御基板12には、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125が搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0031】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
【0032】
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
【0033】
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
【0034】
払出制御基板37は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータによる遊技球の払出動作を制御するための払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載されている。主基板11と払出制御基板37との間では、例えば双方向でシリアル通信を行うことにより、各種の制御コマンドや通知信号が伝送される。
【0035】
画像表示装置5は、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これにより、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0036】
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲームが開始される。すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。
【0037】
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。すでに他の特図ゲームが実行されている、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、開始条件の成立により実行される。
【0038】
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。第1又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
【0039】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。この開放状態をラウンド遊技(ラウンド)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。
【0040】
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ともいう。「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ともいう。「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ともいう。
【0041】
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0042】
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0043】
時短状態では、通常状態などの非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
【0044】
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0045】
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
【0046】
画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
【0047】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
【0048】
実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
【0049】
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。実施の形態では、後述する
図3(B)に示すように、「非確変」には、大当り中に昇格演出(失敗)が実行される非確変大当りと、昇格演出自体を実行しない非確変大当りの2種類があり、「確変」には、大当り中に昇格演出(成功)が実行される確変大当りと、昇格演出自体を実行しない確変大当りの2種類がある。昇格演出は、確変昇格演出のことであり、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)において実行され、確変大当りへの昇格に成功又は失敗したことを表示する演出である。大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(失敗)が実行される。大当り種別が「確変(昇格演出成功)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(成功)が実行される。なお、確変昇格演出は、7ラウンド以外のラウンドや複数ラウンドにわたって実行されるものや、ファンファーレ演出、エンディング演出などに実行されるものであってもよい。また、昇格演出は、ラウンド継続を報知するラウンド昇格演出などであってもよい。
【0050】
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
【0051】
パチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
【0052】
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
【0053】
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
【0054】
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介して満タン検出スイッチ24から検出信号が入力されたかを判定することによって、満タン検出スイッチ24がオンとなったか否か(下皿が満杯になっているか否か)を判定する。満タン検出スイッチ24がオンになった場合には、コマンド制御処理において、主基板11から演出制御基板12と払出制御基板37とに対して、下皿の満タンが発生したことを示す皿満タン報知コマンドが送信される。演出制御基板12は、皿満タン報知コマンドを受信すると、後述する
図7の報知制御処理において皿満タン報知処理を実行する。払出制御基板37は、皿満タン報知コマンドを受信すると、球払出装置97内の払出モータの回転を停止させる。
【0055】
スイッチ処理において、満タン検出スイッチ24がオフになった場合には、コマンド制御処理において、主基板11から演出制御基板12と払出制御基板37とに対して、下皿の満タンが解消したことを示す皿満タン解消通知コマンドが送信される。演出制御基板12は、皿満タン解消通知コマンドを受信すると、後述する
図7の報知制御処理における皿満タン報知処理の実行を終了する。払出制御基板37では、皿満タン解消通知コマンドを受信すると、球払出装置97内の払出モータの回転の停止を解除する。
【0056】
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
【0057】
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。
図3(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
【0058】
変動パターン指定コマンド81XX(H)、表示結果指定コマンド8CXX(H)、図柄確定指定コマンド8F00(H)、当り開始指定コマンドA000(H)、当り終了指定コマンドA300(H)、第1始動入賞指定コマンドB100(H)、第2始動入賞指定コマンドB200(H)、大入賞口入賞指定コマンドB300(H)が予め用意されている。「XX」はEXTデータである。表示結果指定コマンド8CXX(H)の「XX」には、可変表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」、「非確変大当り(昇格演出失敗)」なら「02」、「確変大当り」なら「03」、「確変大当り(昇格演出成功)」なら「04」など)。
【0059】
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104または遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
【0060】
CPU103は、S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
【0061】
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。例えば、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。
【0062】
第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納されている。以下、決定テーブルについて同じ)と、に基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)の方が、非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)よりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と、大当り種別決定テーブルと、に基づいて、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。実施の形態では、「非確変」、「非確変(昇格演出失敗)」、「確変」、「確変(昇格演出成功)」のいずれかを決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される(他の決定などについても同じ)。
【0063】
第1特図ゲームを実行するための処理でも、上記第2特図ゲームを実行するための処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定(大当り種別の決定を含む)などを行う。
【0064】
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
【0065】
実施の形態では、
図5に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、B3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
【0066】
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
【0067】
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
【0068】
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
【0069】
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
【0070】
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
【0071】
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
【0072】
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
【0073】
S114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
【0074】
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
【0075】
(演出制御基板12の動作)
図7は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
【0076】
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
【0077】
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して
画像表示装置5の表示制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
【0078】
次いで、演出制御用CPU120は、異常又はエラーが発生している場合には、異常等報知を実行する報知制御処理を実行し(S57)、この後、S52に移行する。報知制御処理では、例えば皿満タンの発生があれば、皿満タン報知処理を実行するなど、各種の異常やエラーなどの報知処理が可能である。皿満タン報知処理は、皿満タンが発生した場合に、皿満タンの発生を報知する画像(例えば「皿満タン!球抜き操作して〜!」の報知画像など)による報知表示を画像表示装置5に表示させるとともに、スピーカ8L、8Rから報知音声(例えば、報知表示に応じた音声、効果音など)を出力させる。なお、報知表示または報知音声の一方のみを行うようにしてもよい。
【0079】
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
【0080】
図6に、コマンド解析処理による解析によって特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドに対応してコマンド解析処理にて行われる処理内容と、の関係を示す。図中における各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて表示エリア5Hの保留表示画像の数を増減させてもよい。
【0081】
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
【0082】
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
【0083】
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5に画像を表示させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
【0084】
図2に示すRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアには、例えば
図8に示す各表示の優先順位と各表示フラグの状態とが記憶される。
図8は、各表示の優先順位と、昇格演出表示中に獲得球数達成がされたときの各表示フラグの状態の一例を示す図である。各表示の一例としては、
図8に示すように、エラー表示(皿満タン報知表示を含む)、音量表示、獲得球関連表示、獲得球数表示、昇格演出表示、十字ボタン表示、プッシュボタン表示、二次元コード表示、キャラクタ紹介表示などがある。
【0085】
音量表示は、スピーカ8L、8Rからの音量出力レベルを示す。獲得球関連表示は、遊技者が獲得した遊技球が所定数(例えば1000個)達成する毎に表示され、「気持ちいい!」の画像などである。獲得球数表示は、同一の遊技者が獲得した遊技球数をポイント数で表示したものであり、例えば「1000P」の画像などである。ポイント数は、演出制御基板12側において、「大入賞口入賞指定コマンドの受信数」×「14個の賞球数」×「ラウンド数」によって求められる。例えば携帯電話などでサーバ内の専用ホームページにアクセスしてパスワードを取得し、そのパスワードをパチンコ遊技機1に入力することで、パチンコ遊技機1やホールコンピュータが遊技履歴などを把握可能であり、同一の遊技者による遊技を特定することができる。また、遊技者を特定可能なチャージ式のメンバーズカードを台間機に挿入してパチンコ遊技機1の遊技を行うことで、同一の遊技者による遊技を特定してもよい。昇格演出表示は、確変昇格演出の表示のことである。
図15(A)に示すように、十字ボタン表示は十字ボタン31Cの画像BAである。プッシュボタン表示はプッシュボタン31Bの画像BPである。二次元コード表示は、二次元コード画像(以下、適宜にコード画像と略す)Q1である。キャラクタ紹介表示は、キャラクタ(以下、適宜にキャラと略す)画像KAを説明するキャラ紹介画像E1である。
【0086】
前記の各表示の表示優先順位は、
図8に示す通りである。二次元コード表示とキャラクタ紹介表示とは共に表示優先順位が同じである。表示フラグの状態が「オン」であるときには表示中であり、「オフ」では非表示であることを示す。表示優先順位の高いものが優先的に表示される。つまり、表示優先順位の番号が小さいほど上位の表示階層に位置し、下位の表示に隠れて表示されるようなことがない。
【0087】
図9は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、操作関連表示処理(S161)を実行し、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。操作関連表示処理は、遊技者の操作に関連する表示(例えば
図15に示す二次元コード表示、キャラクタ紹介表示、音量表示など)を実行する処理である。
【0088】
図10は、操作関連表示処理の一例を示すフローチャートである。操作関連表示処理は、二次元コード表示処理、キャラクタ紹介表示処理および音量表示処理を含む。二次元コード表示処理およびキャラクタ紹介表示処理は、大当り中に操作があった場合に、当該大当り中において二次元コード画像やキャラ紹介画像を画像表示装置5に表示する処理である。音量表示処理は、大当り中に限定されず、いつでも操作があった場合に、音量表示の画像を画像表示装置5に表示する処理である。なお、音量表示を常時表示可能とするのでなく、音量表示を所定期間(例えば、デモ表示中、可変表示でないとき、可変表示中、大当り中などの期間)に限定してもよい。
【0089】
実施の形態では、大当りになると、
図15(A)に示すように十字ボタン31Cの画像BAとプッシュボタン31Bの画像BPとが表示される。大当り中において、十字ボタン31Cの上ボタンUを操作すれば、コード画像Q1が表示され(
図15(B1)参照)、再び操作すれば非表示となる。大当り中において、プッシュボタン31Bを操作すれば、キャラ紹介画像E1が表示され(
図15(B3)参照)、再び操作すれば非表示となる。十字ボタン31Cの左ボタンL又は右ボタンRを操作すれば、音量表示画像VLが表示され(
図15(B2)参照)、右ボタンRを操作するごとに1目盛り分増加した音量表示画像VLが表示され(
図15(C1)参照)、左ボタンLを操作するごとに1目盛り分減少した音量表示画像VLが表示される(
図15(C2)参照)。そして、左ボタンL又は右ボタンRを最後に操作してから所定時間(例えば3秒)が経過すると、音量表示画像VLが非表示となる。上ボタンUとプッシュボタン31Bの両方を操作した場合には、コード画像Q1とキャラ紹介画像E1の両方が重なることなく表示される(
図15(B4)参照)。なお、両画像の一部が重なって表示されてもよい。さらに、コード画像Q1とキャラ紹介画像E1の表示中に、左右ボタンL、Rを操作すれば、さらに音量表示画像VLも表示される。なお
図15(A)などに示す十字ボタン31Cの画像BAとプッシュボタン31Bの画像BPとの少なくとも一方が表示されないものであってもよい。
【0090】
図11は、二次元コード表示処理の一例を示すフローチャートである。二次元コード表示処理において、演出制御用CPU120は、大当り中であるか否かを判定する(S851)。例えば、演出プロセスフラグの値が「4」であれば大当り中であると判定し、それ以外では大当り中ではないと判定する。大当り中であれば(S851;Yes)、昇格演出中であるか否かを判定する(S852)。例えば昇格演出フラグがオンであるかオフであるかを判定する。昇格演出中でないとき(S852;No)、上ボタンUの操作の有無を判定する(S854)。上ボタンUの操作ありのとき(S854;Yes)、二次元コード画像が表示中であるか否かを判定する(S855)。二次元コード画像の表示中(S855;Yes)に上ボタンUの操作があったので、二次元コード画像を非表示にする(S856)。一方、二次元コード画像の非表示(S855;No)に上ボタンUの操作があったので、二次元コード画像を表示する(S857)。
【0091】
大当り中でないとき(S851;No)や昇格演出中であるとき(S852;Yes)には、二次元コード画像を非表示にする(S853)。S853では、二次元コード画像が表示されていれば、二次元コード画像を非表示にするし、二次元コード画像が表示されていなければそのまま非表示を維持する。なおS853において、二次元コード画像を非表示とするのではなく、大当り中で昇格演出期間外のときに表示される態様とは異なる態様(例えば半透明表示、縮小表示、簡易表示などの態様)で二次元コード画像を表示するようにしてもよい。S853のあと、上ボタンUの操作がないとき(S854;No)、S856のあと、又は、S857のあとには、本処理は終了する。この実施の形態では、S161内にS162を設けているが、S162をS174内で実行するものであってもよい。この場合には、S851を削除することができる。
【0092】
図12は、キャラクタ紹介表示処理の一例を示すフローチャートである。キャラクタ紹介表示処理において、演出制御用CPU120は、大当り中であるか否かを判定する(S861)。大当り中であるとき(S861;Yes)、昇格演出中であるか否かを判定する(S862)。昇格演出中でないとき(S862;No)、プッシュボタン31Bの操作の有無を判定する(S864)。プッシュボタン31Bの操作ありのとき(S864;Yes)、キャラ紹介画像が表示中であるか否かを判定する(S865)。キャラ紹介画像が表示中(S865;Yes)にプッシュボタン31Bがあったので、キャラ紹介画像を非表示にする(S866)。一方、キャラ紹介画像が非表示のとき(S865;No)にプッシュボタン31Bの操作があったので、キャラ紹介画像を表示する(S867)。
【0093】
大当り中でないとき(S861;No)や昇格演出中であるとき(S862;Yes)には、キャラ紹介画像を非表示にする(S863)。S863では、キャラ紹介画像が表示されていれば、そのキャラ紹介画像を非表示にするし、キャラ紹介画像が表示されていなければそのまま非表示を維持する。なおS863において、キャラ紹介画像を非表示とするのではなく、大当り中で昇格演出期間外のときに表示される態様とは異なる態様(例えば半透明表示、縮小表示、簡易表示などの態様)でキャラ紹介画像を表示するようにしてもよい。S863のあと、プッシュボタン31Bの操作なし(S864;No)、S866のあと、又は、S867のあとには、本処理は終了する。この実施の形態では、S161内にS163を設けているが、S163をS174内で実行するものであってもよい。この場合には、S861を削除することができる。
【0094】
次にS170〜S175の処理を説明する。S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かを判定する。当該判定は、例えば変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かによって判定すればよい。当該コマンドを受信している場合、演出プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理は終了する。当該コマンドを受信していない場合、本処理はそのまま終了する。
【0095】
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドで指定される。以下同じ。)に応じた最終停止図柄(導出表示する飾り図柄の組合せ)を決定する。今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドで指定される。以下同じ)に応じた演出制御パターンをセットするなどして、変動パターンが指定する態様での飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを実行するための演出の開始設定を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから、本処理は終了する。なお、このときに、開始設定した演出について最初の演出動作制御を実行するようにしてもよい。
【0096】
S172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。当該処理は、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを実現するための処理であり、飾り図柄の可変表示の終了タイミングであるかを判定する。当該終了タイミングは演出制御パターンにて規定されていればよい。終了タイミングでないときには、設定されている演出制御パターンに基づいて演出動作制御を行い、本処理を終了する。タイマ割り込みの発生毎に当該演出動作制御が実行されることで、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの実行が実現する。前記終了タイミングと判定したときには、図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する。図柄確定指定コマンド受信フラグがオンであれば、当該コマンドの受信があったと判定すればよい。当該コマンドの受信がなければ、本処理を終了する。図柄確定指定コマンドの受信があった場合には、表示制御部123に表示制御指令を伝送させて、最終停止図柄を導出表示させる制御を行う。その後、演出プロセスフラグを「3」に更新して、本処理を終了する。
【0097】
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
【0098】
S174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。例えば、演出制御用CPU120は、大当り中演出を実行する演出動作制御を行う。
図14は、当り中処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、現在が大当り終了タイミングであるかを判定する(S901)。終了タイミングは、演出制御パターンにて規定されていればよい。終了タイミングでなければ(S901;No)、大当り演出動作制御(S902)を行う。大当り演出動作制御(S902)では、上ボタンUの操作に基づいてコード画像Q1が表示されている場合、次のラウンド開始時に別のコード画像Q2に切り替えて表示される(
図16(C1)参照)。大当り演出動作制御(S902)では、プッシュボタン31Bの操作に基づいてキャラ紹介画像E1が表示されている場合、次のラウンド開始時に別のキャラ紹介画像E2に切り替えて表示される(
図17(C1)参照)。そして、S902の後、ボタン操作表示処理(S903)を実行する。ボタン操作表示処理では、
図15(A)に示すように、十字ボタン31Cの画像BA(上ボタン画像BU、左ボタン画像BLおよび右ボタン画像BRを含む)と、プッシュボタン31Bの画像BPとが表示される。これらの画像には、案内表示が付帯表示されている。
【0099】
そして、S903の後、獲得球数表示処理(S904)を実行し、昇格演出実行タイミングであるか否かを判定する(S905)。昇格演出実行タイミングであるときには(S905;Yes)、昇格演出制御を実行し(S906)、本処理を終了する。昇格演出中は、二次元コード画像とキャラ紹介画像とを非表示とし(
図11のS853、
図12のS863により非表示)、プッシュボタン31Bの画像BPも非表示とする(S906により非表示)とともに、案内表示のない十字ボタン31Cのみの画像を表示画面の左隅などの領域に表示される(S906により左隅に表示)。一方、昇格演出実行タイミングでないときには(S905;No)、本処理を終了する。そして、終了タイミングであれば(S901;Yes)、つまり当り終了指定コマンドを受信している場合(当り終了指定コマンド受信フラグがオンのとき)には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、大当り終了制御を実行し(S907)、エンディング演出の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行い、演出プロセスフラグの値を「5」に更新して(S908)、本処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信していない場合には、各ラウンド遊技が全て終了していないので、そのまま本処理を終了する。タイマ割り込みの発生毎にS174(特に上記演出動作制御)が繰り返し実行されることで、大当り中演出の実行が実現する。
【0100】
S175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。
【0101】
(二次元コード表示の演出画面例)
大当り中になると、
図16(A)に示すように、十字ボタン31Cの画像BAとプッシュボタン31Bの画像BPとその案内表示とが表示される。これにより、上ボタンUの操作で二次元コード画像が表示され、プッシュボタン31Bの操作でキャラ紹介が表示されることがわかる。なお
図16(A)などに示す大当り演出中では、大当り用の映像・音声が再生されているようなものであってもよい。上ボタンUの操作があると、
図16(B)に示すコード画像Q1が表示される。そして、上ボタンUの操作がないまま、次のラウンドに移行すると、
図16(C1)に示すように、別のコード画像Q2に自動的に切り替えられる。ところで、大当り中になっても上ボタンUの操作がされない場合には、
図16(B2)に示すように二次元コード画像は表示されず、次ラウンドに移行しても
図16(C2)に示すように二次元コード画像は表示されないままである。
図16(B2)に示す二次元コードの非表示状態にて上ボタン操作がされると、二次元コード画像が表示される。
図16(B1)に示す二次元コードの表示状態にて上ボタンUの操作がされると、二次元コード画像が非表示となる。
【0102】
(キャラクタ紹介表示の演出画面例)
図17(A)に示すように大当り中になり、プッシュボタン31Bの操作があると、
図17(B1)に示すキャラ紹介画像E1が表示される。そして、プッシュボタン31Bの操作がないまま、次のラウンドに移行すると、
図17(C1)に示すように、別のキャラ紹介画像E2に自動的に切り替えられる。ところで、大当り中になってもプッシュボタン31Bの操作がされない場合には、
図17(B2)に示すようにキャラ紹介画像は表示されず、次ラウンドに移行しても
図17(C2)に示すようにキャラ紹介画像は表示されないままである。
図17(B2)に示すキャラ紹介の非表示状態にてプッシュボタン31Bの操作がされると、キャラ紹介画像が表示される。
図17(B1)に示すキャラ紹介の表示状態にて、プッシュボタン31Bの操作がされると、キャラ紹介画像が非表示となる。
【0103】
(二次元コードとキャラクタ紹介との両方表示の演出画面例)
図18(A)に示すように大当り中になり、上ボタンUとプッシュボタン31Bとの両方とも操作があると、
図18(B)に示すようにコード画像Q1とキャラ紹介画像E1との両方が表示される。そして、上ボタンUおよびプッシュボタン31Bの操作がないまま、次のラウンドに移行すると、
図18(C)に示すように、別のコード画像Q2と別のキャラ紹介画像E2とに自動的に切り替えられる。
【0104】
(昇格演出画面例)
大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」又は「確変(昇格演出成功)」の場合には、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)になると、昇格演出が実行される。昇格演出は例えば2体のキャラクタがバトルし、2体のうち遊技者側のキャラクタが勝利すると確変昇格成功となり、遊技者側のキャラクタが敗北すると確変昇格失敗となるバトル演出を含む。「非確変」又は「確変」の場合には、昇格演出は実行されない。ここでは二次元コード画像とキャラ紹介画像とが表示されていたときに昇格演出が実行されるとする。
【0105】
昇格演出の開始(例えばバトル演出の開始)直前に、二次元コード画像とキャラ紹介画像とが非表示され(
図11のS853、
図12のS863により非表示)、プッシュボタン31Bの画像BPも非表示とする(S906により非表示)とともに、案内表示のない十字ボタン31Cのみの画像を表示画面の左隅などの領域に表示される(
図14のS906により左隅に表示)。なお昇格演出であっても、左ボタンLまたは右ボタンRの操作があった場合には、
図15(B2)に示すように、音量表示がなされる。
【0106】
そして、大当り種別が「確変(昇格演出成功)」の場合には、昇格成功が表示され、大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」の場合には昇格失敗が表示され、昇格演出が終了する。そして、第8ラウンドに移行すると、二次元コード画像とキャラ紹介画像との両表示が第8ラウンド用の画像で自動的に表示される。
【0107】
なお、昇格演出が開始するとプッシュボタン31Bの画像BPを非表示(S906により非表示)としているが、表示しておいてもよい。プッシュボタン31Bの画像BPについても左隅に移動させずに直前の表示状態を維持させてもよい。また、二次元コード画像とキャラ紹介画像との少なくとも一方を表示しておいてもよい。また、コード画像Q1、キャラ紹介画像E1、プッシュボタン31Bの画像BPおよび十字ボタン31Cの画像BAを半透明などで表示させてもよい。
【0108】
(皿満タン報知のときの演出画面例)
例えば大当り中において二次元コード画像とキャラ紹介画像とが非表示のときに下皿の満タンが発生した場合には、「皿満タン!球抜き操作して〜!」の報知画像による報知表示が、画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rから報知音声(例えば、報知表示に応じた音声、効果音など)が出力される(
図7のS57による報知制御処理)。そして、遊技者などが球抜き操作レバーをスライド操作すると、下皿に貯留されている遊技球が排出され、下皿の満タンが解消され、報知画像が消去される。ところで、大当り中において二次元コード画像とキャラ紹介画像とが表示されているときに下皿の満タンが発生すると、「皿満タン!球抜き操作して〜!」の報知画像による報知表示が、画像表示装置5でのキャラ紹介画像上に重ねて表示されるとともに、スピーカ8L、8Rから報知音声(例えば、報知表示に応じた音声、効果音など)が出力される(
図7のS57による報知制御処理)。このとき、二次元コード画像とキャラ紹介画像とを非表示としてもよい。そして、遊技者などが球抜き操作レバーをスライド操作すると、下皿に貯留されている遊技球が排出され、下皿の満タンが解消され、報知画像が消去される。
【0109】
上記実施の形態では、プッシュセンサ35B、ボタンセンサ35Cによって検出された遊技者の動作(操作)に基づいて、複数種類の画像のうちのいずれかの画像(例えばコード画像Q1、キャラ紹介画像E1)を画像表示装置5に表示又は非表示にすることができる。例えば、遊技者にとって不要な画像が表示されている場合には、その画像を非表示とすることができる。また、欲しい画像が表示されていない場合には、その画像を表示させることができる。これにより、遊技者の好みに対応した表示にできる。よって、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0110】
また、複数種類の画像(例えば、コード画像Q1、キャラ紹介画像E1、音量表示画像VLなど)は、遊技者の動作が異なる複数種類の動作(例えば、上ボタンUの操作、プッシュボタン31Bの操作、左右ボタンL、Rの操作など)にそれぞれ対応している。つまり、目的の画像に対応する遊技者の動作を行うことで、かかる画像を表示又は非表示にすることができる。これにより、画像の表示や非表示を容易に行うことができる。
【0111】
また、第1画像は、所定のタイミングで異なる画像に変化する(実施の形態では、ラウンド毎にキャラ紹介画像が変化するなど)ので、画像表示を飽きさせないようにすることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0112】
また、第1画像(例えばキャラ紹介画像E1など)と第2画像(例えばコード画像Q1など)とは、その両方が表示されるときにそれぞれが視認可能な態様で画像表示装置5の表示画面に表示される(
図15(B4)、
図18(B)参照)。このため、両方表示の際に、キャラ紹介画像E1とコード画像Q1のそれぞれを認識させることができる。
【0113】
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
【0114】
実施の形態では、二次元コード画像とキャラ紹介画像とが関係なくそれぞれ別々のものとしているが、変形例1のように、二次元コード画像と、このコードと関係性を持たせた画像(例えば説明画像)としてもよい。この説明画像は、例えばコード画像Q1により取得できる情報を表示する画像である。例えば説明画像は、二次元コードで取得できる楽曲名を示す画像である。遊技者は、二次元コードを取得すれば、どんな情報が得られるのかを事前に把握できる。
【0115】
実施の形態では、例えば大当り中において、複数種類の画像(少なくとも二次元コード画像とキャラ紹介画像)を表示しているが、デモ中や可変表示中において表示してもよい。複数種類の画像として歌詞表示(例えば大当り中に流れる楽曲の歌詞表示)を含めるようにしてもよく、例えば大当り中における昇格演出のときにはそれらが非表示となるものであってもよい。キャラ紹介画像ではなくキャラクタ画像KAのみとしてもよい。
【0116】
実施の形態では、プッシュボタン31Bと十字ボタン31Cとの2つの操作手段を備えているが、単一の操作手段であってもよい。例えば十字ボタン31Cのみとし、その下ボタン操作でキャラ紹介画像の表示を切り替えるようにしてもよい。操作手段の各操作と遊技者の各操作との割り当てについては実施の形態に限定されない。例えば上ボタンUを二次元コードの表示用とし、下ボタンを二次元コードの非表示用としてもよい。プッシュボタン31Bの操作で二次元コードが表示され、再度操作すると二次元コードが非表示とされるものであってもよい。左右ボタンL、Rを二次元コードの表示・非表示用としてもよい。スティックコントローラなどの他の操作手段に割り当てるようにしてもよい。
【0117】
実施の形態では、二次元コード画像とキャラ紹介画像とがラウンド毎に変化しているが、所定ラウンドのみ変化したり、所定回数目の大当りになると変化したりしてもよい。二次元コード画像とキャラ紹介画像とが交互に変化するようにしてもよい。二次元コード画像とキャラ紹介画像とのうちの少なくとも一方のみが変化するようにしてもよい。
【0118】
実施の形態では、検出手段としてプッシュセンサ35B、ボタンセンサ35Cを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の検出手段やタッチパネルなどの接触式の検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
【0119】
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(飾り図柄、普通図柄についても同様)。
【0120】
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。