(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部は、二以上の充放電期間について、それぞれ、放電期間に放電された電力が、充電期間に充電された電力よりも大きいか否かを判断して、その判断結果を示す情報を、前記充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得し、当該充電された電力の不足に関する情報を用いて、放電された電力が充電された電力よりも大きいことを示す充放電期間を検出し、放電された電力が充電された電力よりも大きいことを示す充放電期間が予め決められた閾値以上検出された場合に、前記蓄電デバイスの充電不足を検出する請求項1または請求項2記載のワイヤレス給電管理装置。
前記検出部は、一以上の充放電期間について、それぞれ、充電期間に充電された電力と、放電期間に放電された電力との差を、各充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得し、各充放電期間について取得した当該電力の差を積算した値が、予め決められた閾値を超えた値となった場合に、前記蓄電デバイスの充電不足を検出する請求項1から請求項3いずれか一項記載のワイヤレス給電管理装置。
前記ワイヤレス給電システムは、前記蓄電デバイスから電力供給を受ける給電対象であって、通常の動作モードと、電力消費を抑えた省エネモードとで動作する給電対象を備えており、
前記蓄電デバイスは、前記給電対象に対して電力の供給を行ない、
前記出力部は、前記検出部の検出結果に応じた出力として、省エネモードの動作指示を出力する請求項1から請求項4いずれか一項記載のワイヤレス給電管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、ワイヤレス給電管理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0030】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるワイヤレス給電システム1000のブロック図である。
ワイヤレス給電システム1000は、送電装置1、受電装置2および給電対象3を備える。ここでは、ワイヤレス給電システム1000が1つの送電装置1を備えている場合を例に挙げて説明するが、本発明においては、送電装置1を複数備えていても良い。また、ここでは、ワイヤレス給電システム1000が1つの受電装置2と1つの給電対象3とを備えている場合を例に挙げて説明するが、本発明においては、受電装置2および給電対象3を複数備えていても良い。複数の給電対象3は、全てが同じものであってもよく、少なくとも一部が異なるものであっても良い。
【0031】
送電装置1は、送電ユニット10、および送電コイルユニット11を備える。
受電装置2は、ワイヤレス給電管理装置20、受電コイルユニット21、受電ユニット22、および蓄電デバイス23を備える。
ワイヤレス給電管理装置20は、取得部201、検出部202、出力部203を備える。
【0032】
ワイヤレス給電システム1000は、ワイヤレス給電を行なうシステムである。ワイヤレス給電システム1000は、ワイヤレス給電を行なうことによって、蓄電デバイス23に対する充電と蓄電デバイス23からの放電とが一または二回以上繰り返されるシステムである。ワイヤレス給電は、非接触電力伝送、ワイヤレス電力伝送等とも呼ばれる。ワイヤレス給電システム1000のワイヤレス給電方式は、磁界共鳴結合方式であっても良く、電磁誘導方式であっても良く、他の方式であっても良く、その方式は問わない。
【0033】
送電装置1は、ワイヤレス給電により電力を受電装置2に送電する装置である。受電装置2は、ワイヤレス給電により送電装置1から送電される電力を受電する装置である。
【0034】
送電ユニット10は、電源50から供給される商用周波数(例えば、50/60Hz)等の所定の周波数の電流を高周波(例えば、85kHz等)の電流へ変換して、送電コイルユニット11に供給する。送電ユニット10は、例えば、インバータ(図示せず)等を搭載している。
【0035】
送電コイルユニット11は、コイル(図示せず)を備えており、送電ユニット10から供給される高周波の電流を受けて、交流磁界を発生する。
【0036】
受電装置2の受電コイルユニット21は、コイル(図示せず)を備えており、送電コイルユニット11が発生した磁界を受けて、高周波の交流電流を発生し、送電ユニット10に供給する。
【0037】
受電ユニット22は、受電コイルユニット21が供給する高周波電流を、整流、および平滑化して直流電流に変換する。そして、変換した直流電流を蓄電デバイス23に充電する。受電ユニット22は、例えば、整流平滑回路(図示せず)等を備えている。
【0038】
蓄電デバイス23は、電力の蓄電および放電が可能なデバイスであり、受電ユニット22が変換した直流電流により充電される。蓄電デバイス23は、例えば、EDLC(Electric double-layer capacitor:電気二重層コンデンサ)、およびリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタであっても良く、鉛蓄電池、リチウムイオン電池等の、バッテリであっても良い。蓄電デバイス23は、給電対象3に対して電力供給を行なう。
【0039】
給電対象3は、蓄電デバイス23から電力供給を受けて動作するデバイスである。給電対象3は、例えば、AGV(automatic guided vehicle:無人搬送車)であってもよく、電動工具等であっても良く、給電対象3がどのような装置であるかは問わない。
【0040】
通常、受電装置2は給電対象3に搭載される。受電装置2の給電対象3への搭載の仕方は問わない。受電装置2は、例えば、給電対象3に着脱可能となるよう取付けられていてもよい。
【0041】
なお、本実施の形態においては、給電対象3がワイヤレス給電システム1000の一部として含まれている場合について説明しているが、本発明においては、給電対象3は、ワイヤレス給電システム1000に含まれず、ワイヤレス給電システム1000の外部に設けられていると考えてもよい。
【0042】
ワイヤレス給電管理装置20は、例えば、ワイヤレス給電による蓄電デバイス23の充電不足を適切に検出するための装置である。
【0043】
取得部201は、充電期間と、その直前または直後の放電期間との一または二以上の組について、それぞれ、充電情報と放電情報とを取得する。一の充電期間は、例えば、ワイヤレス給電により送電装置1から給電される電力により、充電が行なわれる一の期間である。ここでの充電は、例えば、受電ユニット22から蓄電デバイス23への充電のための給電と考えてもよい。一の放電期間は、例えば、給電対象3に電力を供給することで、蓄電デバイス23に蓄電された電力を放電する期間である。ここでの放電は、例えば、蓄電デバイス23から給電対象3への給電と考えてもよい。充電期間と、この充電期間の直前または直後の放電期間との一の組を、以下、充放電期間と呼ぶ。
【0044】
充電情報とは、一の充電期間に蓄電デバイス23にワイヤレス給電によって充電された電力を示す情報である。充電情報は、例えば、一の充電期間の充電電力である。充電電力は、一の充電期間に充電された電力である。充電期間に充電された電力は、充電期間に充電された電力量と考えてもよい。また、蓄電デバイス23に充電された電力は、蓄電デバイス23に充電された電力量と考えてもよい。ここでの充電電力は、例えば、充電された電力の値である。
【0045】
放電情報とは、例えば、一の放電期間に蓄電デバイス23から放電された電力を示す情報である。放電情報は、例えば、一の放電期間の放電電力である。放電電力は、一の放電期間に放電された電力である。放電期間に放電された電力は、放電期間に放電された電力量と考えてもよい。ここでの放電電力は、例えば、放電された電力の値である。
【0046】
一の充放電期間は、例えば、充電期間と放電期間との間や、充電期間内、あるいは放電期間内に、蓄電デバイス23に対する充電も、蓄電デバイス23からの放電も行なわれない期間を有していてもよい。二以上の充放電期間がそれぞれ有する放電期間が、それぞれが有する充電期間に対して直前の放電期間であるか、直後の放電期間であるかは、通常、一定である。ただし、異なっていても良い。
【0047】
取得部201が充電情報と放電情報とをそれぞれ取得する二以上の充放電期間は、通常、経時的に連続した期間であり、例えば、充放電期間の、二以上の連続した繰返しである。ただし、取得部201が充電情報と放電情報とをそれぞれ取得する二以上の充放電期間は、経時的に連続していなくても良く、例えば、充電期間と放電期間との二以上の組の間に、取得部201が充電情報と放電情報との取得対象としない一以上の充放電期間等を隔てていても良い。また、ここでの経時的に連続しているということは、二以上の期間が時間的につながっていることであっても良く、二以上の期間が発生する順番が連続していることであっても良い。後者と考えた場合、取得部201が充電情報と放電情報とをそれぞれ取得する経時的に連続した二以上の充放電期間は、上述したような充電も放電も行なわない期間等を挟んでいても良い。
【0048】
一の放電期間は、例えば、蓄電デバイス23から供給される電力で動作する給電対象3が、一または二以上の動作を実行する動作期間である。この一または二以上の動作は、予め決められた一または二以上の動作であってもよく、任意の動作であっても良い。この動作は、いわゆるタスクと考えてもよい。また、放電期間は、予め決められた一連の作業や処理等を行なうサイクルにおける充電期間以外の期間であっても良く、予め決められたサイクルにおける給電対象3が蓄電デバイス23から供給される電力の消費を行なわない期間を含んでいても良い。なお、放電期間と充電期間とは、少なくとも一部が重なっていても良く、例えば、充電期間が、放電期間内に含まれていても良い。充電期間が放電期間内に含まれている場合とは、例えば、給電対象3の動作中にワイヤレス給電によって充電が行なわれる場合である。放電期間内に充電期間が完全に含まれる場合等においては、一の放電期間の開始時をどのタイミングに設定しても良く、例えば、充電期間の開始時と同じ時点に設定してもよい。
【0049】
一の充電期間の長さは、例えば、その直前または直後の放電期間内に蓄電デバイス23から放電される電力と同じ電力を、蓄電デバイス23にワイヤレス給電によって充電するために設定された時間であることが好ましい。この時間は、例えば、同じ電力を、蓄電デバイス23にワイヤレス給電によって充電するために必要と考えられる理論値や、推定値である。この時間は、例えば、シミュレーションや、推定や、計算等により求められた時間である。なお、放電された電力と充電された電力との間に、予め決められた範囲内の値の差が生じる場合も、これらが同じ電力であると考えるようにしてもよい。予め決められた範囲内の値の差とは、例えば、誤差程度の値の差や、許容可能な値の差である。
【0050】
充電期間の長さおよび放電期間の長さは、それぞれ、予め決められている長さであっても良く、動的に変更される長さであっても良い。例えば、一の放電期間の長さは、この放電期間に動作する給電対象3の動作状況(例えば、給電対象3の動作時間や、給電対象3にかかる負荷)等に応じて動的に決定される長さであっても良い。動的に決定される長さとは、動的に変動する長さと考えても良い。充電期間の長さは、例えば、その直前の給電対象3の稼働状況や給電対象等に応じて動的に決定されても良く、その直前の放電期間によって動的に決定されても良い。例えば、受電装置2は、上記のような充電期間や、放電期間の長さを決定する処理部(図示せず)等を有していても良い。
【0051】
ただし、一の充電期間の長さは、時間によって設定されていなくてもよく、例えば、受電装置2が送電装置1からワイヤレス給電可能な位置に存在して、給電を受けている任意の長さの期間を充電期間と考えてもよい。また、ユーザから受け付けた指示に応じて充電期間を開始または終了しても良い。
【0052】
取得部201は、一の放電期間についての放電情報をどのように取得してもよい。以下、取得部201が放電情報として放電電力を取得する処理について、(A1)放電電力を測定により取得する場合、および(A2)放電電力を推定する場合についてそれぞれ例を挙げて説明する。
【0053】
(A1)放電電力を測定により取得する場合
取得部201は、例えば、放電電力を測定により取得する。例えば、取得部201は、放電期間内に放電される電力量を測定することによって放電電力を取得してもよい。一の期間内の電力量を測定するための構成や処理については、いわゆる電力量計等において公知であるため、説明は省略する。また、取得部201は、例えば、放電期間内に放電される電力を測定し、測定した電力を積分することで、放電電力を取得してもよい。測定は、例えば、一の放電期間内に一回以上、好ましくは経時的に複数回行なわれる。ここでの電力の測定は、電力の瞬間値の測定と考えても良く、測定した電力は、測定時における電力の瞬間値と考えてもよい。電力を測定するための構成や処理については、いわゆる電力測定器等において公知であるため、説明は省略する。ここでの積分は、測定した電力を積算することや、測定した一または二以上の電力を用いて取得した測定間隔の電力量を積算すること等も含む概念である。かかることは以下の積分においても同様である。なお、一の期間内において経時的に測定した電力から、一の期間内の電力量を積分により取得する処理については公知技術であるため、ここでは説明を省略する。また、取得部201は、放電期間内の給電対象3に給電される電流および電圧を測定し、測定により得られた一以上の電流および電圧の測定値から放電期間内に放電される一以上の電力を算出し、これを積分することで放電電力を取得しても良い。ここでの電流および電圧の測定は、電流および電圧の瞬間値の測定と考えても良く、測定した電流および電圧は、測定時における電圧および電圧の瞬間値と考えてもよい。例えば、取得部201は、一の放電期間において、蓄電デバイス23から給電対象3に対して給電される電流と電圧とを、経時的に複数回測定し、測定した電流と電圧とを用いて電力を算出し、一の放電期間について算出した複数の電力を積分して一の放電期間内に放電された電力の値である放電電力を取得する。電力は、例えば、測定された電流と電圧との積を算出することにより取得できる。ここでの経時的な複数回の測定は、予め決められた一定の時間間隔ごとに行なうようにすることが好ましいが、放電期間の開始時刻を基準とした予め決められた複数の相対的な時刻に行なうようにしてもよい。なお、上記で測定した電力や、電流及び電圧や、測定した電流および電圧から算出した測定時の電力等は、図示しない格納部等に適宜蓄積しても良い。また、上記の電力の積分は、通常、放電期間の終了時以降に行なわれる。
【0054】
(A2)放電電力を推定する場合
取得部201は、放電期間の電力を推定して放電電力を取得する。例えば、放電期間における単位時間当たりの放電電力が予め決められている場合、一の放電期間の長さと、予め決められた単位時間当たりの放電電力とを用いて、一の放電期間の放電電力を算出することで、放電電力を推定する。単位時間当たりの放電電力は、給電対象3の単位時間当たりの消費電力と考えてもよい。例えば、取得部201は、放電期間に含まれる単位時間数と、図示しない格納部等に格納されている単位時間当たりの放電電力との積を、推定した放電電力として取得する。ここでの既知の単位時間当たりの放電電力は、実験や過去の測定値等によって取得した単位時間当たりの放電電力や、放電期間の放電電力とから算出した単位時間当たりの放電電力(例えば、平均値等の、特定の統計処理を行なって得られた値等)であっても良く、シミュレーション等で算出した単位時間当たりの放電電力であっても良い。かかることは、後述する単位時間当たりの放電電力についても同様である。
【0055】
また、取得部201は、給電対象3が行なう処理に応じた放電電力を、推定した放電電力として取得しても良い。処理に応じた放電電力とは、例えば、給電対象3が、AGVである場合、AGVにより運搬する運搬対象物の数に応じた放電電力であっても良く、運搬対象物の種類に応じた放電電力であってもよい。例えば、給電対象3等が有する処理部(図示せず)等が、給電対象3が行なう処理を示す情報(例えば、処理の識別子等)を取得して、ワイヤレス給電管理装置20に出力し、取得部201が、受け付けた処理を示す情報に応じた放電電力を、推定した放電電力として格納部(図示せず)等から取得しても良い。また、取得部201が、受信した処理を示す情報に応じた単位時間当たりの放電電力を格納部(図示せず)等から取得し、この単位時間当たりの放電電力を用いて、上記のように、推定した放電電力を取得しても良い。
【0056】
取得部201は、一の充電期間についての充電情報をどのように取得してもよい。以下、取得部201が充電情報として、充電電力を取得する処理について、(B1)充電電力を測定により取得する場合、および(B2)充電電力を推定する場合についてそれぞれ例を挙げて説明する。
【0057】
(B1)充電電力を測定により取得する場合
取得部201は、例えば、充電電力を測定により取得する。例えば、取得部201は、充電期間内に受電ユニット22により蓄電デバイス23に充電される電力量を測定することによって充電電力を取得してもよく、充電期間内に充電される電力を測定し、測定された一または二以上の電力を積分することで、充電電力を取得してもよく、一の充電期間において、受電ユニット22により蓄電デバイス23に充電される電流および電圧を測定し、
電流および電圧の一以上の測定値から充電期間内に充電される一以上の電力を算出し、これを積分することで充電電力を取得しても良い。なお、これらの処理については、放電電力を測定により取得する処理と同様であるため、ここでは説明は省略する。
【0058】
(B2)充電電力を推定する場合
取得部201は、充電期間の電力を推定して充電電力を取得する。例えば、取得部201は、充電期間の長さにより充電電力を推定してもよい。例えば、充電期間における単位時間当たりに充電される充電電力が予め決められている場合、充電期間の長さと、予め決められた単位時間当たりの充電電力とを用いて、充電期間に充電される充電電力を算出することで、充電電力を推定する。また、取得部201は、例えば、一の充電期間に受電ユニット22が蓄電デバイス23に供給する電流が一定である場合、一の充電期間に受電ユニット22から蓄電デバイス23に印加される電圧を測定して、充電期間の充電電力を推定する。例えば、取得部201は、一の充電期間において、受電ユニット22により蓄電デバイス23に充電される電流と電圧とを、経時的に測定し、経時的に測定した各電圧と、充電期間に供給される電流の値とから、各測定時について電力を算出し、算出した複数の電力を積分して推定した充電電力を取得する。なお、これらの処理については、放電電力を推定する処理と同様であるため、ここでは説明は省略する。
【0059】
取得部201は、例えば、一の放電期間についての放電情報を、一の放電期間の終了時以降に取得する。また、取得部201は、例えば、一の充電期間についての充電情報を、充電期間の終了時以降に取得する。
【0060】
取得部201の充電電力および放電電力を測定するための構成は、例えば、ハードウェア(例えば、専用回路等)等で実現される。
【0061】
検出部202は、一以上の充電期間について、各充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得し、取得した情報を用いて蓄電デバイス23の充電不足を検出する。蓄電デバイス23の充電不足とは、例えば、一以上の充放電期間による充電と放電との繰返しによって、蓄電デバイス23に蓄電されている電力が減少している状態であってもよく、さらに電力が減少した場合に給電対象3を動作させるための電力の供給ができなくなる可能性がある状態であってもよい。
【0062】
一の充電期間に充電された電力の不足とは、例えば、一の充電期間の直前または直後の放電期間に放電された電力に対して、一の充電期間に充電される電力が不足していることである。例えば、一の充電期間に充電された電力の不足とは、一の充電期間の直前または直後の放電期間に放電される電力の大きさが、一の充電期間に充電される電力の大きさよりも大きい状態を意味する。放電される電力の大きさが大きいということは、例えば、放電される電力から充電される電力を減算した値が正であることである。ただし、放電される電力の大きさが大きいということは、放電された電力の大きさが、誤差や、実用上問題ないと考えられる値等に基づいて予め決められた閾値以上充電された電力よりも大きいことと考えてもよい。
【0063】
一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報は、例えば、一の充電期間に充電された電力が不足しているか否かを示す情報である。一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報とは、例えば、一の充電期間に充電された電力と、この直前または直後の放電期間に放電された電力との比較結果(例えば、電力の大きさの比較結果)を示す情報であっても良い。また、一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報は、例えば、一の充電期間に充電された電力の不足分を示す情報であってもよい。例えば、一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報は、一の充電期間に充電された電力と、この直前または直後の放電期間に放電された電力との差を示す情報であっても良い。なお、電力の差が負であることは、充電された電力が放電された電力に対して過剰であることを示すと考えてもよい。
【0064】
なお、一の充電期間に充電された電力の不足は、一の充放電期間における蓄電デバイス23に蓄電されている電力の減少と考えても良く、一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報とは、一の充放電期間における蓄電デバイス23に蓄電されている電力が減少しているか否かを示す情報であってもよく、電力の減少量を示す情報であっても良い。
【0065】
検出部202は、一以上の充放電期間のそれぞれが有する充電期間に充電された電力の不足に関する情報を、例えば、取得部201が一以上の充放電期間についてそれぞれ取得した充電情報と放電情報とを用いて取得する。例えば、検出部202は、一の充放電期間について取得した充電情報である充電電力と放電情報である放電電力とを用いて、この一の充放電期間を構成する一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する。
【0066】
以下、検出部202が、二以上の充放電期間のそれぞれにおいて蓄電デバイス23が放電した電力が、同じ充放電期間に蓄電デバイス23に充電された電力よりも大きいか否かを判断した判断結果を示す情報を、充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得し、この電力の不足に関する情報を用いて、蓄電デバイス23の充電不足を検出する場合の、検出部202の処理の一例について説明する。
【0067】
検出部202は、例えば、一の充放電期間に蓄電デバイス23が放電した電力である放電電力が、蓄電デバイス23に充電された電力である充電電力よりも大きいか否かを判断し、その判断結果を示す情報を充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得する。放電電力が充電電力よりも大きいことを示す判断結果は、充電期間に充電された電力が同じ充放電期間の放電期間に放電された電力に対して不足していることを示す情報と考えてもよい。放電電力が充電電力よりも大きいか否かは、例えば、充電電力に対する放電電力の差(即ち、放電電力から充電電力を減算した値)が、予め決められた閾値よりも大きいか否かによって判断してもよく、閾値を用いず、単に値の大小で判断してもよい。この閾値を、ここでは、電力比較用閾値と呼ぶ。例えば、差が電力比較用閾値よりも大きい場合に、放電電力が充電した電力よりも大きいと判断してもよい。この電力比較用閾値は、0以上の値である。この電力比較用閾値は、例えば、誤差程度と考えられる値や、ワイヤレス給電システム1000の運用上問題が生じないような値に設定される。運用上の問題とは、例えば、このまま充電と放電とを繰り返した場合に電力不足が生じる、という問題である。かかることはは、以下においても同様である。
【0068】
そして、検出部202は、上記で二以上の充放電期間についてそれぞれ取得した放電電力が充電電力よりも大きいか否かを示す情報を用いて、蓄電デバイス23の充電不足を検出する。例えば、検出部202は、取得した情報を用いて放電電力が充電電力よりも大きい充放電期間を検出し、放電電力が充電電力よりも大きいと判断された充放電期間が、予め決められた閾値以上検出された場合に、蓄電デバイス23の充電不足を検出する。この閾値を、ここでは充電検出用閾値と呼ぶ。充電検出用閾値は、例えば、2以上の値である。充電検出用閾値は、例えば、一時的な変動等とは考えられないような充電不足や、運用上問題が生じる可能性があると判断される充電不足を検出可能な値に設定される。放電電力が充電電力よりも大きいことを示す充放電期間は、充電電力が不足している充放電期間と考えてもよい。なお、充電検出用閾値以上の数の充放電期間が検出されるまでは、検出部202は、蓄電デバイス23の電力不足を検出しなくてよい。
【0069】
なお、検出部202が、上記の二以上の充放電期間のそれぞれについて、蓄電デバイス23が放電した電力が、蓄電デバイス23に充電された電力よりも大きいか否かを判断して判断結果を示す情報を取得する処理は、通常は、充放電期間の出現順番に沿って行なわれる。また、検出部202による上記の蓄電デバイス23の充電不足の検出は、放電電力が充電電力よりも大きい充放電期間が検出される毎に行なうことが好ましい。例えば、取得部201が、新たな充放電期間について、充電電力と放電電力とを取得した場合に、検出部202は、この充放電期間について、充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得し、この情報を用いて、この充電期間について放電電力が充電電力よりも大きいか否かを判断し、放電電力の方が大きい場合に、放電電力が充電電力よりも大きいと判断された充放電期間の数を1つ追加して、放電電力が充電電力よりも大きいと判断された充放電期間の数が、充電検出用閾値以上であるか否かを判断することで、蓄電デバイス23の充電不足を検出する。なお、ここでの充放電期間についてのは、連続した充放電期間について行なわれることが好ましい。
【0070】
なお、上記においては、検出部202の処理の一例として、充電期間に充電された電力の不足に関する情報として、蓄電デバイス23に充電された電力よりも大きいか否かを判断した判断結果を示す情報を用いた場合について説明したが、以下においては、検出部202が、一の充放電期間の充電期間に充電された電力と、放電期間に放電された電力との差を、充電期間に充電された電力の不足に関する情報として用いて、蓄電デバイス23の充電不足を検出する一例について説明する。
【0071】
検出部202は、例えば、一以上の充放電期間について、それぞれ、充電期間に充電された電力と、放電期間に放電された電力との差を算出し、各充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得する。ここでの、充電期間に充電された電力と、放電期間に
放電された電力との差は、例えば、放電期間に放電された電力から充電期間に充電された電力を減算した電力の値であり、放電期間に放電された電力のほうが大きい場合、つまり充電された電力が不足している場合は、値が正となる。
【0072】
そして、検出部202は、一以上の充放電期間のそれぞれについて取得した充電期間に充電された電力と、放電期間に
放電された電力との差を積算し、積算した値が、予め決められた閾値を超えた値となった場合に、蓄電デバイス23の充電不足を検出する。ここでは、この閾値を積算閾値と呼ぶ。積算閾値は、誤差とは考えられない充電不足や、運用上問題が生じると判断される充電不足を検出するために設定される閾値である。充電期間に充電された電力と、放電期間に放電された電力との差が、放電期間に放電された電力から充電期間に充電された電力を減算した電力の値である場合、積算閾値は0以上の値に設定され、積算閾値を超えるということは、積算閾値よりも大きい値となることである。なお、充電期間に充電された電力と、放電期間に
放電された電力との差が、充電期間に充電された電力から放電期間に放電された電力を減算した電力の値である場合、積算閾値は0以下の値に設定され、積算閾値を超えるということは、積算閾値よりも小さい値となることである。なお、検出部202は、放電電力が充電電力よりも高い充放電期間の放電電力と充電電力の差だけを、積算してもよく、放電電力が充電電力よりも高いか否かに関わらず(例えば、高いか否か等の判断を行なうことなく)充放電期間の放電電力と充電電力の差を積算してもよい。
【0073】
この例における検出部202による放電電力と充電電力との差の取得、は、上記と同様に、二以上の充放電期間の出現順番に沿って行なわれることが好ましい。なお、最初の一の充放電期間について取得した放電電力と充電電力との差は、放電電力と充電電力との差の積算値と考えてよい。また、上述した放電電力と充電電力との差の積算、および積算閾値を用いた蓄電デバイスの充電不足の検出は、検出部202が、一の充放電期間について放電電力と充電電力との差を取得する毎に行なうことが好ましい。
【0074】
検出部202が、充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理および蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理を行なうタイミングやトリガー等は問わない。また、取得部201は、検出部202がこのような処理を行なうまでに、処理に用いられる一以上の充放電期間についての充電情報と放電情報とを取得するようにすればよい。充放電期間についての充電情報および放電情報は、充放電期間を構成する充電期間および放電期間の充電情報および
放電情報である。例えば、取得部201が、一の充放電期間の終了時以降に、この充放電期間について充電情報と放電情報とを取得し、この取得部201が取得した充電情報と放電情報とを用いて、検出部202が、充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理および蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理を行なう。例えば、取得部201は、一の充放電期間の終了時または直後に、この充放電期間について充電情報と放電情報とを取得し、その直後に、検出部202が、充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理等を行なうことが好ましい。
【0075】
なお、本実施の形態においては、上述した取得部201が、放電期間と、その直前の充電期間とで構成される充放電期間について充電情報と放電情報とを取得するようにし、検出部202が、直前の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理および蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理を、取得部201が充電情報を取得した充電期間の次の充電期間の開始時までに行なうことが好ましい。例えば、取得部201が、一の充電期間の開始時までにその直前の放電期間と充電期間とについてそれぞれ放電情報と充電情報とを取得するようにし、検出部202が、取得部201が取得した放電情報と充電情報とを用いて、この一の充電期間の開始時までに、直前の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理および取得した情報を用いて蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理を行なうようにする。なお、処理を十分に高速に行なうことが可能である場合、検出部202は、一の充電期間の開始時に、直前の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する処理および取得した情報を用いて蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理を行なうようにしてもよい。このようにすることで、一の充電期間の開始までに、充電の不足を検出することとなり、例えば、検出結果に応じて、一の充電期間に充電する電力を増加させる指示等を送電装置1に出力することで、一の充電期間の充電により、充電不足の解消を図ることができる。また、蓄電デバイス23の交換の指示を出力することで、直後の無駄な充電を防ぐことができる。
【0076】
なお、一の充電期間の終了時から、次の放電期間の開始時までの間に、充電も放電も行なわれない期間を有する場合、この期間内に、一の充電期間の充電情報を取得することは、一の充電期間の終了時に充電情報を取得することと考えてもよい。また、この場合は、一の放電期間の開始時に、直前の充電期間の充電情報を取得することと考えてもよい。かかることは、放電期間の終了時から、次の充電期間の開始時までの間に、充電も放電も行なわれない期間を有する場合において、放電期間の終了時に放電情報を取得する場合や、充電期間の開始時に、直前の放電期間の放電情報を取得する場合等についても同様である。
【0077】
なお、検出部202は、上記で例に挙げた情報以外の、一以上の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を用いて、蓄電デバイス23の充電不足を検出しても良い。また、検出部202は、上記で例に挙げた処理以外の処理により、一以上の充放電期間についてそれぞれ取得された充電期間に充電された電力の不足に関する情報を用いて蓄電デバイス23の充電不足を検出しても良い。
【0078】
出力部203は、検出部202の検出結果に応じた出力を行なう。出力部203は、例えば、検出部202による充電不足の検出結果に応じた出力を行なう。ここでの出力とは、モニタ等の表示デバイスへの表示、ランプ等の点灯、プロジェクタを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、ワイヤレス給電システム1000内の一以上の装置や、ワイヤレス給電システム1000の外部の装置への情報等の送信、記録媒体への情報等の蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。出力部203は、出力に必要な出力用デバイス(図示せず)等を備えていても良く、出力用デバイスは、出力部203の外部に設けられていても良い。
【0079】
例えば、出力部203は、検出部202の検出結果に応じた出力として警告を出力する。例えば、出力部203は、検出部202の検出結果が充電不足を示す場合に、検出部202の検出結果に応じた出力として警告を出力する。警告の出力とは、例えば、ワイヤレス給電システム1000が有する装置(具体的には、送電装置1、受電装置2および給電対象3)の少なくとも一以上が有する図示しない警告用のランプ(図示せず)の点灯や、ワイヤレス給電システム1000が有する装置の少なくとも一以上が有するディスプレイ(図示せず)への警告用の画像やメッセージの出力、ワイヤレス給電システム1000が有する装置の少なくとも一以上が有するスピーカ(図示せず)等からの警告音や、警告用のメッセージ音声の出力である。
【0080】
また、ここでの警告の出力は、ワイヤレス給電システム1000が設置されている場所(例えば工場内等)に設置されている警告用ランプやディスプレイやスピーカ(図示せず)等を用いた上記と同様の出力であってもよい。この場合の出力部203による警告の出力は、警告を出力するための指示の、無線LANや、近距離無線通信等の無線通信技術を用いた送信によって行なうことができる。
【0081】
また、ここでの警告の出力は、ワイヤレス給電システム1000等を集中管理するサーバ装置(図示せず)や、ワイヤレス給電システム1000の管理者等が利用するコンピュータ等への警告を示す情報や、警告のショートメッセージやメール等の送信であってもよい。これらの情報や、メッセージやメール等の送信は、上記と同様に、無線通信技術を用いて行なうことができる。
【0082】
また、出力部203が出力する警告は、蓄電デバイス23の交換指示であっても良い。例えば、上述した警告のランプが、蓄電デバイス23の交換を指示するランプであり、警告の出力は、このランプの点灯であってもよい。また、警告の出力は、蓄電デバイス23の交換を指示するメッセージのモニタ等への表示であっても良い。また、出力部が出力する警告音等は、蓄電デバイス23の交換を指示する音であってもよい。また、警告の出力は、蓄電デバイス23の交換を指示するショートメッセージやメール等であっても良い。なお、交換指示は、交換時期であることを通知する情報等も含む概念である。
【0083】
なお、出力部203が出力する警告は、充電不足が検出された蓄電デバイス23を備えた受電装置2の識別子や、この受電装置2が搭載された給電対象3の識別子等を有していても良い。
【0084】
出力部203は、どのようなタイミングで警告の出力を行なっても良い。例えば、検出部202が、蓄電デバイス23の充電不足を検出した時点で、警告の出力を行なっても良く、予め決められたタイミングで警告を行なうようにしてもよい。予め決められたタイミングとは、例えば、警告を、ワイヤレス給電システム1000を利用するユーザ等に通知可能なタイミングである。例えば、出力部203は、検出部202が蓄電デバイス23の充電不足を検出した後(好ましくは直後)の充電期間に、警告を出力してもよい。例えば、給電対象3の移動先等が一定していない場合、この給電対象3に搭載される受電装置2の移動先等も一定しないこととなるが、移動先等が異なっても受電装置2は充電の際に送電装置1の送電コイルユニット11の近くに戻ることとなるため、受電装置2の管理を行なうユーザは、充電期間の近傍には、送電コイルユニット11の近くに配備されることが考えられる。このため、充電期間に警告を出力することで、ユーザに充電不足に対する警告を通知することができる。このようなタイミングでの警告の出力は、警告が受電装置2や給電対象3から出力される場合(例えば、警告の出力が、受電装置2は給電対象3が有するランプ等の点灯である場合)には特に好ましい。
【0085】
給電対象3が、通常モードと、電力消費を抑えた省エネモードとで動作するものであり、通常は通常モードで動作するものである場合、出力部203は、検出部202の検出結果(好ましくは、充電不足の検出結果)に応じた出力として、給電対象3に対する省エネモードの動作指示を、給電対象3や、給電対象3を制御するサーバ装置(図示せず)等に出力しても良い。省エネモードとは、電力消費を抑えて動作するモードであり、省エネルギーモードと考えてもよい。例えば、省エネモードを備えたAGV等においては、急発進や、急加速等を抑えることで、一のタスクを行なう時間は長くなるが、電力消費を抑えることが可能であるため、給電対象3がこのようなAGV等である場合においては、充電不足の際に省エネモードで動作する指示を出力することで、蓄電デバイス23からの電力の供給を抑えて、充電不足を緩和したり、蓄電デバイス23の交換まで、蓄電デバイス23から供給する電力による給電対象3の動作を可能とすることができる。
【0086】
また、出力部203は、検出部202の検出結果(好ましくは、充電不足の検出結果)に応じた出力として、送電装置1から充電期間にワイヤレス給電により供給される電流を増加させる指示を含んでいてもよい。例えば、出力部203は、このような指示を、送電装置1や、送電装置1を制御するサーバ装置(図示せず)等に送信してもよい。送電装置1は、例えば、このような指示に応じて給電する電流を増加させる。送電装置1は、例えば、予め決められた値だけ給電する電流を増加させる。ただし、増加後の電流の値は、給電対象の種類等に応じて動的に決定されても良い。このような指示により、ワイヤレス給電時の電流を増加させることで、充電期間に単位時間に充電する電力を増やして、充電不足を緩和したり、蓄電デバイス23の交換まで、蓄電デバイス23から供給する電力による給電対象3の動作を可能とすることができる。
【0087】
なお、出力部203は、上記の出力のうちの二以上の出力を、検出結果に応じて出力するようにしても良い。また、出力部203は、検出部202の検出結果に応じて上記以外の出力を行なっても良い。
【0088】
次に、ワイヤレス給電管理装置20の動作の一例について
図2のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、一の充放電期間が、充電期間と、その直後の放電期間とより構成され、検出部202による蓄電デバイス23の充電不足を検出する処理等が、各充放電期間の終了後、次の充放電期間が開始されるまでに行なわれる場合を例に挙げて説明する。
【0089】
(ステップS101)検出部202は、カウンタkの値を0にセットする。
【0090】
(ステップS102)取得部201は、充電が開始されるか否かを判断する。充電が
開始されると判断した場合、ステップS103に進み、開始されないと判断した場合、ステップS102に戻る。
【0091】
(ステップS103)取得部201は、充電開始から、または直前に充電のために出力される電流および電圧を測定してから、予め決められた時間が経過したか否かを判断する。経過した場合、ステップS104に進み、経過していない場合、ステップS105に進む。
【0092】
(ステップS104)取得部201は、充電時に受電ユニット22から蓄電デバイス23に出力される電流と電圧とを測定する。測定した測定値は、図示しない格納部等に測定順番と対応付けて蓄積する。
【0093】
(ステップS105)取得部201は、充電が終了であるか否かを判断する。充電が終了である場合、ステップS106に進み、充電が終了でない場合、ステップS103に戻る。なお、ステップS102で充電開始が判断されてから、ステップS105で充電終了が判断されてまでの期間がここでは充電期間である。
【0094】
(ステップS106)取得部201は、放電が開始されるか否かを判断する。放電が開始されると判断した場合、ステップS107に進み、開始されないと判断した場合、ステップS106に戻る。
【0095】
(ステップS107)取得部201は、放電開始から、または直前に放電のために出力される電流及び電圧を測定してから、予め決められた時間が経過したか否かを判断する。経過した場合、ステップS108に進み、経過していない場合、ステップS109に進む。
【0096】
(ステップS108)取得部201は、放電時に蓄電デバイス23から給電対象3に出力される電流と電圧とを測定する。測定した測定値は、図示しない格納部等に測定順番と対応付けて蓄積する。
【0097】
(ステップS109)取得部201は、放電が終了であるか否かを判断する。放電が終了である場合、ステップS110に進み、放電が終了でない場合、ステップS107に戻る。なお、ステップS106で放電開始が判断されてから、ステップS109で放電終了が判断されてまでの期間がここでは放電期間である。
【0098】
(ステップS110)取得部201は、直前の充電期間において測定した電流及び電圧の値を用いて充電情報を取得する。ここでは、一例として、取得部201は、図示しない格納部から、直前の充電期間において予め決められた時間毎に測定された電流と電圧とを読み出して積を求めることで、予め決められた時間毎に充電された電力の値を取得し、取得した電力の値を積分して、充電期間に充電された充電電力を、充電情報として取得する。
【0099】
(ステップS111)取得部201は、直前の放電期間において測定した電流及び電圧の値を用いて放電情報を取得する。ここでは、一例として、取得部201は、図示しない格納部から、直前の放電期間において予め決められた時間毎に測定された電流と電圧とを読み出して積を求めることで、予め決められた時間毎に放電された電力の値を取得し、取得した電力の値を積分して、放電期間に放電された放電電力を、放電情報として取得する。
【0100】
(ステップS112)検出部202は、ステップS111で取得した放電情報が示す電力が、ステップS119で取得した充電情報が示す電力よりも大きいか否かを判断して、判断結果を示す情報を、充電期間に充電された電力の不足の関する情報として取得する。例えば、検出部202は、ステップS111で取得した放電情報である放電電力から、ステップS110で取得した充電情報である充電電力を減算して得られた電力の値が、予め決められた電力比較用閾値より大きいか否かを判断し、大きければ、放電情報が示す電力が大きいと判断し、大きくなければ、放電情報が示す電力が大きくないと判断して、それぞれの判断結果を示す情報を取得する。
【0101】
(ステップS113)検出部202は、ステップS112で取得した充電期間に充電された電力の不足の関する情報が、放電期間に放電された電力が、充電期間に充電された電力よりも大きいことを示す情報であるか否かを判断し、大きいことを示す情報であれば、ステップS114に進み、大きいことを示さない場合は、ステップS102に戻る。なお、ステップS102に戻る際には、直前の充電期間および放電期間に測定された測定情報は、図示しない格納部から削除しても良い。かかることは、後述するステップS115についても同様である。
【0102】
(ステップS114)検出部202は、カウンタkの値を1インクリメントする。
【0103】
(ステップS115)検出部202は、カウンタkの値が、閾値以上であるか否かを判断する。この閾値は、上述した充電検出用閾値である。閾値以上であれば、蓄電デバイス23の充電不足を検出したこととなり、ステップS116に進み、閾値以上でなければ、ステップS102に戻る。
【0104】
(ステップS116)出力部203は、充電不足の検出結果に応じた出力を行なう。例えば、出力部203は、バッテリ交換指示等の警告、省エネモードの動作指示、および充電期間に供給される電流を増加させる指示のうちの一以上を出力する。そして、処理を終了する。なお、この出力は、予め決められたタイミングで行なわれてても良い。
【0105】
(具体例)
以下、本実施の形態におけるワイヤレス給電システム1000の具体的な動作について例を挙げて説明する。
【0106】
図3は、本具体例におけるワイヤレス給電システムの模式図(
図3(a))、および給電対象の一例の斜視図(
図3(b))である。
【0107】
ここでは、ワイヤレス給電システム1000が工場等において用いられる自動搬送システムに用いられるワイヤレス給電システムであり、ワイヤレス給電システム1000が有する給電対象3が、AGVであり、受電装置2が、この給電対象3に搭載されている場合を例に挙げて説明する。ここでは、説明の便宜上、給電対象3をAGV3と呼ぶ場合がある。また、ここでは、AGV3が1つである場合について説明するが複数であっても良い。なお、ここでは、給電対象3であるAGVは、ワイヤレス給電システム1000に含まれている場合について説明するが、給電対象3であるAGVは、ワイヤレス給電システム1000に含まれていないと考えてもよい。また、給電対象3は、AGVでなくてもよく、他の自走式の装置等であっても良く、電動工具等であっても良い。なお、AGVを備えたワイヤレス給電システム1000の構成や動作等の詳細については、公知技術であるため、説明を省略する。
【0108】
ここでは、AGV3は、予め決められた一連の作業等を行なうサイクルに従って移動し、予め決められた一以上のタスクと、充電とを繰り返すものとする。ここでは、一のサイクルにおける一以上のタスクを行なう期間を、放電期間と考える。一のサイクルにおける放電期間の長さと、充電期間の長さとは、予め決められているものとする。また、充電期間の長さは、一のサイクル内の一以上のタスクを行なうことによって放電されると想定される電力、つまり、放電期間内に放電されると想定される蓄電デバイス23の電力と同じ電力を、ワイヤレス給電によって充電するために必要な長さに予め設定されているものとする。
【0109】
AGV3は、図示しない制御部等により制御されて自動的に移動することによって予め決められたタスク等を行なう。そして、充電期間の直前までに、送電装置1の送電コイルユニット11から給電される電力を受信可能となる位置まで移動し停止する。停止すると、給電が開始され、充電が行なわれる。そして、給電開始後、上記と同様に、タスクの実行と充電とが繰り返される。
【0110】
例えば、一の充電期間が開始したとすると、受電装置2が有するワイヤレス給電管理装置20の取得部201は、受電ユニット22から蓄電デバイス23に充電される電流および電圧を、充電開始から予め決められた時間が経過する毎に測定し、測定した値を、図示しない時計から取得した時刻と対応付けて、図示しない格納部に蓄積する。測定及び蓄積は、一の充電期間が完了するまで行なわれる。
【0111】
図4は、取得部201が一の充電期間に取得して蓄積した蓄電デバイス23に充電された電流および電圧を管理する充電管理表である。充電管理表は、「時刻」、「電流」、「電圧」という属性を有している。「時刻」は測定時刻を示し、「電流」は測定された電流の値を示し、「電圧」は測定された電圧の値を示す。ここでは、各レコード(行)が、一の時刻に測定された情報であるとする。なお、ここでは、充電管理表の属性値であるt
1,x
1,y
1等は任意の値を示すものとする。かかることは、後述する放電管理表の属性値においても同様である。
【0112】
上記の一の充電期間の直後に放電期間が始まると、取得部201は、蓄電デバイス23から給電対象に給電される電流および電圧、即ち蓄電デバイス23から放電される電流および電圧を、放電開始から予め決められた時間が経過する毎に測定し、測定した値を、図示しない時計から取得した時刻と対応付けて、図示しない格納部に蓄積する。測定および蓄積は、予め決められた放電期間が完了するまで行なわれる。
【0113】
図5は、取得部201が、
図4に示した充電管理表を取得した一の充電期間の直後の放電期間に取得して蓄積した蓄電デバイス23から放電された電流および電圧を管理する放電管理表である。放電管理表は、「電流」が放電された電流の測定値を示し、「電圧」が放電された電圧の測定値を示す点を除けば、
図4の充電管理表と同様である。
【0114】
次に、上記の放電期間
が終了すると、取得部201は、図示しない格納部に格納されている
図4に示す充電管理表の情報を用いて、上記の一の充電期間についての充電情報である充電電力を取得する。また、取得部201は、
図5に示す放電管理表の情報を用いて、上記の一の充電期間の直後の放電期間についての放電情報である放電電力を取得する。
【0115】
具体的には、取得部201は、
図4に示した充電管理表の各レコードの「電流」と「電圧」との属性値を用いて、各測定時に充電された電力を算出する。例えば、各レコードの「電流」と「電圧」との属性値の積を算出して、各測定時に充電された電力を算出する。そして、算出した電力を積分して、上記の一の充電期間についての充電電力を取得する。同様に、取得部201は、
図5に示した放電管理表の各レコードの「電流」と「電圧」との属性値を用いて、各測定時に放電された電力を算出し、算出した電力を積分して、上記の一の充電期間の直後の放電期間の放電電力を取得する。
【0116】
検出部202は、取得部201が取得した充電電力と、放電電力とを用いて、上記の一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報を取得する。具体的には、検出部202は、取得部201が、一の充電期間の直後の放電期間について取得した放電電力の値が、この放電期間の直前の一の充電期間について取得した充電電力の値よりも大きいか否かを判断し、この判断結果を示す情報を、一の充電期間に充電された電力の不足に関する情報として取得する。この不足に関する情報は、一の充電期間に充電された電力の、直後の放電期間に放電された電力に対する不足に関する情報とし考えてもよい。
【0117】
検出部202は、上記で取得した判断結果を示す情報が、一の充電期間の直後の放電期間に放電された電力の方が一の充電期間に充電された電力よりも大きいことを示す情報である場合、充電された電力が不足している充電期間数のカウント値を1インクリメントする。この充電期間数のカウント値は、充電期間を含む充放電期間のカウント数と考えてもよい。ここでの放電期間に放電された電力の方が充電期間に充電された電力よりも大きいということは、これから開始される
放電期間の直前の充電期間に充電された電力が、その直後の放電期間に放電された電力に対して不足していることを示すと考えてもよい。取得した判断結果を示す情報が、放電期間に放電された電力の方が充電期間に充電された電力よりも大きいことを示す情報でない場合、カウント値を変更しない。
【0118】
検出部202は、カウント値がインクリメントされた場合、インクリメント後のカウント値が、予め決められた充電検出用閾値以上であるか否かを判断する。ここでは、閾値以上でなかったとすると、検出部202は、蓄電デバイス23の充電不足を検出しない。上記の充電管理表と放電管理表とに格納されている値は削除する。
【0119】
その後、上記と同様に、充電と放電との処理が繰り返され、上記と同様に、検出部202により、充電期間に充電された電力の不足に関する情報の取得が行なわれ、取得した情報が放電期間に放電された電力が、充電期間に充電された電力よりも大きいことを示す場合に、充電された電力が不足している充電期間数のカウント値が1インクリメントされる。
【0120】
そして、ある放電期間が終了した際に検出部202が取得した、充電された電力の不足に関する情報が、この放電期間に放電された電力が直前の充電期間に充電された電力よりも大きいことを示す情報であり、これにより、検出部202が、充電不足と検出された充電期間の数のカウント値を1インクリメントした結果、カウント値が充電検出用閾値以上となったとすると、検出部202は、蓄電デバイス23が充電不足であることを検出する。
【0121】
出力部203は、検出部202が、蓄電デバイス23が充電不足であることを検出したため、この検出結果に応じた出力として、ここでは、
図3(b)に示すように、AGV3に設けられた充電不足であることを示すランプ2031を点灯させる。これにより、AGV3の管理者等に、充電不足が発生していることを通知することができる。
【0122】
以上、本実施の形態によれば、一以上の充電期間について、各充電期間内に充電された電力の不足分を示す情報を取得し、取得した情報を用いて蓄電デバイスの充電不足を検出し、検出結果に応じた出力を行なうようにしたことにより、蓄電デバイスの充電不足を適切に検出して出力することができる。例えば、各充電期間において蓄電デバイスが満充電となるまで充電を行なわない場合であっても、適切に充電不足を検出して出力することができる。
【0123】
(変形例)
なお、上記実施の形態においては、充電情報を、取得部201が蓄電デバイス23に充電される電力や電流および電圧等を測定することによって取得し、放電情報を、取得部201が蓄電デバイス23から給電対象3に給電される電力や電流および電圧等を測定することによって取得する例について説明したが、本発明においては、
図6に示すように、ワイヤレス給電管理装置20が、取得部201の代わりに、一以上の充電量情報を取得する充電量取得部
204を備えるようにし、検出部202が、この充電量情報を用いて上記実施の形態と同様に、各充電期間内に充電された電力の不足に関する情報を取得するようにしてもよい。なお、充電量取得部204と取得部201とを併用しても良い。
【0124】
充電量取得部204は、一以上の充電期間について、それぞれ、蓄電デバイス23に充電されている電力を示す情報である一または二以上の充電量情報を取得する。充電量情報は、蓄電デバイス23に充電されている電力を示す情報であり、例えば、充電されている電力の値である。充電量情報は、蓄電デバイス23に蓄電されている電力の残量と考えてもよい。充電量情報は、蓄電デバイス23充電量情報は、例えば、蓄電デバイス23の出力電圧を測定することにより取得することができる。なお、充電量情報として、蓄電デバイス23の出力電圧の値等を用いても良い。また、充電量情報として、蓄電されている電力の残量等をパーセント等の比率で表したものであってもよい。充電量情報を取得する処理については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0125】
充電量取得部204が充電量情報を取得するタイミング等は問わない。充電量取得部204が一の充電期間について取得する充電量情報の一以上は、必ずしも、一の充電期間内に取得した充電量情報でなくても良い。充電量取得部204は、例えば、一の充電期間についての充電量情報として、この一の充電期間の直前の充電期間の終了時の充電量情報と、一の充電期間の終了時の充電量情報とを取得しても良く、この一の充電期間の開始時の充電量情報と、直後の充電期間の開始時の充電量情報とを取得してもよい。また、充電量取得部204は、例えば、一の充電期間についての充電量情報として、この一の充電期間の直前の充電期間の終了時の充電量情報と、この一の充電期間の直前の放電期間の終了時の充電量情報と、一の充電期間の終了時の充電量情報とを取得してもよく、この一の充電期間の開始時の充電量情報と、この一の充電期間の終了時の充電量情報と、この一の充電期間の直後の放電期間の終了時の充電量情報と、を取得してもよい。
【0126】
検出部202は、上記のように充電量取得部204を用いる場合、充電量取得部204が取得した一以上の充電量情報を用いて、一以上の充電期間にそれぞれ充電された電力の不足に関する情報を取得して、蓄電デバイス23の充電不足を検出しても良い。
【0127】
例えば、充電量取得部204が、上記のように一の充電期間についての充電量情報として、この一の充電期間の直前の充電期間の終了時の充電量情報と、一の充電期間の終了時の充電量情報とを取得する場合、検出部202は、これらの充電量情報が示す値の比較結果を示す情報を、充電された電力の不足に関する情報として、二以上の充電期間のそれぞれについて取得し、直前の充電期間の終了時の充電量情報の値の方が大きければ、一の充電期間に充電された電力が不足していることから、直前の充電期間の終了時の充電量情報の値の方が大きい充電期間の数をカウントして、そのカウント数が、閾値以上となった場合に、蓄電デバイス23の充電不足を検出するようにすればよい。一の充電期間についての充電量情報として、この一の充電期間の開始時の充電量情報と、直後の充電期間の開始時の充電量情報とを取得する場合においても、同様に、一の充電期間の開始時の充電量情報の値の方がその直後の充電期間の開始時の充電量情報よりも大きい充電期間数をカウントすればよい。
【0128】
また、例えば、充電量取得部204が、一の充電期間についての充電量情報として、この一の充電期間の直前の充電期間の終了時の充電量情報と、この一の充電期間の直前の放電期間の終了時の充電量情報と、一の充電期間の終了時の充電量情報とを取得する場合、検出部202は、一以上の充電期間について、それぞれ、充電期間の直前の充電期間の終了時の充電量情報から、この一の充電期間の直前の放電期間の終了時の充電量情報を減算した値を、直前に放電期間に放電された放電電力として取得し、一の充電期間の終了時の充電量情報から、この一の充電期間の直前の放電期間の終了時の充電量情報を減算した値を、一の充電期間に
充電された充電電力として取得し、取得した放電電力と充電電力とを用いて、上述した取得部201が放電電力と充電電力とを取得した場合に行なう処理と同様の処理を検出部202が行なうことで、蓄電デバイス23の充電不足を検出すればよい。また、例えば、充電量取得部204が、一の充電期間についての充電量情報として、一の充電期間の開始時の充電量情報と、この一の充電期間の終了時の充電量情報と、この一の充電期間の直後の放電期間の終了時の充電量情報と、を取得する場合も、一の充電期間の終了時の充電量情報から、この一の充電期間の開始時の充電量情報を減算して充電電力を取得し、一の充電期間の終了時の充電量情報から、この一の充電期間の直後の放電期間の終了時の充電量情報を減算して放電電力を取得するようにすればよい。
【0129】
出力部203の処理等については上記実施の形態と同様であるため、ここでは説明は省略する。
【0130】
このように、充電量情報を用いることで、充電時の電流および電圧の測定や、放電時の電流および電圧の測定が不要となり、処理が簡略化できる。
【0131】
なお、上記実施の形態においては、充電情報として充電電力を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明において用いられる充電情報は、実質的に、一の充電期間に充電された電力を示す情報であればよく、
充電電力以外の情報を用いても良い。また、同様に、上記実施の形態においては、放電情報として放電電力を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明において用いられる放電情報は、実質的に、一の放電期間に放電された電力を示す情報であればよく、放電電力以外の情報を用いても良い。
【0132】
例えば、蓄電デバイス23に対する充電が一定の電流で行なわれる場合等においては、充電情報として、一の充電期間に測定された充電時の電圧の積分値を用いても良い。また、充電が一定の電圧で行なわれる場合等においては、充電情報として、一の充電期間に測定された充電時の電流の積分値を用いても良い。この場合、取得部
201は、積分に用いられる充電期間の電流または電圧を、経時的に複数回測定するようにすればよい。同様に、例えば、蓄電デバイス23からの放電が一定の電流で行なわれる場合は、放電情報は、一の放電期間に測定された放電時の電圧の積分値であっても良い。また、放電が一定の電圧で行なわれる場合は、放電情報は、一の放電期間に測定された放電時の電流の積分値であっても良い。この場合、取得部
201は、積分に用いられる放電期間の電流または電圧を、経時的に複数回測定するようにすればよい。また、このような場合、検出部202は、充電電力および放電電力の代わりに、上記のような充電時の電流または
電圧の積分値と、放電時の電流または
電圧の積分値を用いるようにしてもよい。ただし、放電情報として用いられる情報と、充電情報として用いられる情報とは、比較が可能な情報であることが好ましく、そのままで比較が可能となるよう同じ種類の情報であることがより好ましい。同じ種類の情報とは、例えば、同じ単位で表される値等である。
【0133】
なお、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0134】
例えば、本実施の形態においては、ワイヤレス給電管理装置20を、受電装置2に設けた場合について説明したが、ワイヤレス給電管理装置20の検出部202および出力部203を、送電装置1側に設けるようにし、取得部201が取得した充電情報や放電情報等を、送電装置1の検出部202等に送信するようにしても良い。また、充電期間に受電ユニット22が蓄電デバイス23に出力する電流や電圧の値を測定する装置(図示せず)、放電期間に蓄電デバイス23が給電対象3に出力する電流や電圧の値を測定する装置(図示せず)、これらの測定値を送電装置1に送信する装置(図示せず)を、受電装置2に設け、送電装置1にワイヤレス給電管理装置20を設けて、取得部201が、受電装置2に設けられた測定値を送電装置1に送信する装置が送信する測定値を受付けて充電情報及び放電情報を取得するようにしてもよい。この場合の充電情報及び放電情報の取得は、例えば、測定値の受付けであっても良く、受け付けた測定値を用いて充電情報及び放電情報を算出すること等であっても良い。
【0135】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをMPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
【0136】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。