(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記別部材は、前記板状部材の前記第1の方向の長さよりも短い長さを有し、前記凹凸部が前記板状部材の前記第1の方向における中央の位置を含むように、前記板状部材に固定されている、請求項4に記載の表示装置用壁取付具。
前記別部材が前記板状部材に固定されたときの前記複数の凹部の底部の前記板状部材の前記平板部からの距離は、前記第1の張出部の先端面の前記平板部からの距離よりも短い、請求項4に記載の表示装置用壁取付具。
前記2つのフレーム部材に設けられ、前記2つのフレーム部材が前記板状部材に取り付けられたときに、前記2つのフレーム部材が前記板状部材から離れないように前記板状部材をロックするロック機構を有する、請求項1から8のいずれか1つに記載の表示装置用壁取付具。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(構成)
本実施形態の表示装置用壁取付具は、ベース板2と2つの縦フレーム3により構成される。
【0011】
始めに、表示装置の壁面への取付方法について簡単に説明する。各部品の詳細な構成については、後述する。
【0012】
図1〜
図3は、実施形態に係わる表示装置用壁取付具を用いた表示装置の壁掛け方法を説明するための図である。
図1及び
図2は、表示装置1の背面側から見た斜視図であり、
図3は、表示装置1の正面側から見た斜視図である。
【0013】
取付具を構成するベース板2が、室内などの壁面へ取付けられる。ベース板2は、略矩形の板状の板金部材であり、螺子などにより壁面に固定される表示装置用壁取付ベース板である。表示装置1を取り付けたい壁面上の位置に合わせて、作業者は、ベース板2を壁面に固定する。表示装置1は、薄型テレビ、デジタルサイネージなどである。
【0014】
一方で、
図1及び
図2に示すように、2つの縦フレーム3は、表示装置1に固定可能で細長の形状を有している。2つの縦フレーム3が、長手軸方向が垂直方向に平行になるように螺子などにより、表示装置1のバックカバー1aに固定される。表示装置1の表側には、液晶パネルなどの表示面1bが露出している。
【0015】
2つの縦フレーム3の各々は、水平方向に所定の間隔Dで並ぶように、螺子によりバックカバー1aに固定されるフレーム部材である。所定の間隔Dは、表示装置1がベース板2に対してしっかりと固定できるように、表示装置1のサイズに応じて、予め決められた長さである。
【0016】
図2及び
図3に示すように、作業者は、各縦フレーム3に設けられた係合部3aをベース板2の上辺に形成された係合部2aに係合させ、壁面に固定されたベース板2に2つの縦フレーム3を引っ掛けるようにして、表示装置1を壁に設置することができる。
【0017】
このとき、2つの係合部3aは、ベース板2の上辺に沿って板金部材を折り曲げて形成された係合部2aに引っ掛かっているだけであるため、表示装置1をベース板2に対して水平方向に移動させることができる。作業者は、表示装置1の水平方向の位置の調整を行うことができる。
【0018】
また、各縦フレーム3の係合部3aの下方に、ベース板2が当接する当接部3bが設けられている。
表示装置1と、ベース板2と、2つの縦フレーム3により、表示装置セットが構成される。
【0019】
(ベース板の構成)
図4は、ベース板2の正面図である。
図5は、ベース板2の底面図である。
図6は、ベース板2の右側面図である。
【0020】
ベース板2は、矩形の板金部材である。ベース板2の長手軸方向は、ベース板2が壁面に固定されたとき、水平方向に一致する。
【0021】
ベース板2は、平板部10と、平板部10の長手軸方向に直交する短手軸方向の両縁辺部が折り曲げられて形成された係合部2aと2bを有している。
図6に示すように、ベース板2の上下方向の両側に、係合部2aと2bが形成されている。ベース板2の上下方向は、ベース板2が壁面に固定されたとき、鉛直方向に一致する。
【0022】
ベース板2の平板部10には、壁面に螺子などで固定するための複数の長孔2dが形成されている。各長孔2dの中心軸は、ベース板2の長手軸方向に平行である。
図6に示すように、係合部2aは、ベース板2に直交する方向(表示装置1側に水平な方向)に張り出した張出部11と、張出部11に連続し、ベース板2に平行に上側に延出した延出部12とを有する。延出部12は、ベース板2の平板部10に平行で、平板部10の長手軸方向に平行に形成されたフランジを構成する。
【0023】
係合部2bは、ベース板2に直交する方向(表示装置1側に水平な方向)に張り出した張出部13と、張出部13に連続し、ベース板2に平行に下側に延出した延出部14とを有する。延出部14は、ベース板2の平板部10に平行で、平板部10の長手軸方向に平行に形成されたフランジを構成する。
【0024】
すなわち、ベース板2は、板状部材であり、平板部10と、平板部10から略直角方向に張り出し平板部10に平行な方向に沿って形成された張出部13を有する。さらに、ベース板2は、張出部13が形成された方向に平行な方向に沿って形成された張出部11を有する。表示装置1が2つのフレーム3を介してベース板2に取り付けられたとき、張出部13は、平板部10に対して表示装置1の鉛直方向における下方側に配置され、張出部11は、平板部10に対して表示装置1の鉛直方向における上方側に配置される。
【0025】
さらに、ベース板2は、長手軸方向の両端部に折り曲げ部2cを有している。各折り曲げ部2cは、ベース板2の長手軸方向の両縁辺部をベース板2の平板部10に直交する方向で、2つの張出部11,13と同じ側に折り曲げられて形成されている。2つの折り曲げ部2cは、取り付けられた2つの縦フレーム3が、ベース板2の両端部から外れるのを防止するために設けられている。
【0026】
ベース板2は、ベース板2の平板部10と係合部2bの張出部13により形成された段差部2eを有する。
段差部2eには、スライドストッパ21が固定される。
図7は、スライドストッパ21の斜視図である。
【0027】
スライドストッパ21は、矩形の細長の板金部材であり、長手軸に平行な軸に沿って直角に折り曲げた形状を有する。
スライドストッパ21は、ベース板2の平板部10に密着する平板部22と、平板部22の一辺から平板部22に直角に延出する延出部23とを有する。平板部22には、長手軸方向に沿って複数の長孔22aが形成されている。
【0028】
スライドストッパ21の長手軸に平行な延出部23の縁辺部には、波形形状の凹凸部23aが形成されている。凹凸部23aは、凸部23bと凹部23cが交互になるように複数の凹凸が形成されている部分である。
図4及び
図6に示すように、スライドストッパ21は、スライドストッパ21の平板部22と延出部23の峰の部分21aをベース板2の段差部2eに当接させて、接着剤あるいは粘着テープによりベース板2に固定される。
【0029】
以上のように、凹凸部23aは、ベース板2とは別部材であるスライドストッパ21に設けられ、スライドストッパ21は、ベース板2に固定されている。スライドストッパ21は、複数の凸部23bと複数の凹部23cを有する凹凸部23aを有している。
スライドストッパ21がベース板2に固定されたときに、ベース板2を2つの縦フレーム3側からみたときに、スライドストッパ21の各長孔22aは、ベース板2の1つの長孔2dと一致する形状、あるいは1つの長孔2dよりも長い長さを有している。
【0030】
また、
図5に示すように、ベース板2を底面側から見たときに、凹凸部23aの凸部23bが延出部14の先端面から突出するように、スライドストッパ21はベース板2に固定される。後述するように、2つの凸部23b間に縦フレーム3の2つの側壁部32(
図8)が入り込むことにより、表示装置1の横移動が規制される。
【0031】
なお、隣り合う2つの凸部23b間の間隔Wを大きくすれば、表示装置1の横移動が規制されたときの遊びも大きくなる。隣り合う2つの凸部23b間の間隔Wは、その遊び量に応じて設定される。
【0032】
また、ここでは、凸部23bの先端部は、後述する縦フレーム3の2つの側壁部32が当たっても2つの凸部23bの間に入りやすいように、かつ作業者の指などが当たったときに痛くないように半円形状を有している。なお、凸部23bの先端部は、矩形形状でもよい。
【0033】
図6及び
図7に示すように、平板部22の表面から凸部23bの頂部までの高さhtは、スライドストッパ21をベース板2に固定したときに凸部23bが縦フレーム3の2つの側壁部32(
図8)間に入り込む高さである。
【0034】
また、平板部22の表面から凹部23cの底部までの高さhbは、スライドストッパ21をベース板2に固定したときに、凹部23cの底部がベース板2の延出部14から突出しない高さである。すなわち、高さhbは、延出部14の高さh以下である。より詳しくは、別部材であるスライドストッパ21がベース板2に固定されたときの複数の凹部23cの底部のベース板2の平板部10からの距離hbは、張出部13の先端面の平板部10からの距離hよりも短い。
なお、スライドストッパ21を複数種類のベース板2に取付可能にするために、高さhbは、複数の種類のベース板2の中で最も低い高さh以下であることが好ましい。
【0035】
また、
図4に示すように、ここでは、スライドストッパ21は、ベース板2の水平方向の幅WDよりも短い長さを有している。スライドストッパ21の一端をベース板2の水平方向における一端に位置させたときに、スライドストッパ21の他端がベース板2の少なくとも中心位置Cの近傍にくるような長さを、スライドストッパ21は有している。
すなわち、スライドストッパ21は、ベース板2の水平方向の長さよりも短い長さを有し、凹凸部23aがベース板2の水平方向における中央の位置を含むように、ベース板2に固定されている。
【0036】
これは、
図4において二点鎖線で示すように、2つの縦フレーム3は、ベース板2に所定の間隔Dを持って取り付けられるので、スライドストッパ21は、2つの縦フレーム3の一方を含む領域内にあればよいからである。
【0037】
さらに、凹凸部23aの少なくとも2つの凸部23b間に1つの縦フレーム3の2つの側壁部32の一方だけが配置していれば、表示装置1の横方向の移動が規制される。よって、スライドストッパ21は、2つの凸部23bが1本の縦フレーム3の少なくとも1つの側壁部32にかかるように、ベース板2に固定されていればよく、かつ、スライドストッパ21は、2つの縦フレーム3がベース板2に取り付けられたときに、縦フレーム3の1つの側壁部32を挟む2つの凸部23bを有していればよい。
すなわち、スライドストッパ21は、ベース板2に設けられ、2つのフレーム3がベース板2に取り付けられたときに張出部13の先端部分よりも突出して、2つのフレーム3の少なくとも一方の水平の方向の移動を規制する少なくとも2つの凸部23bを有する。
【0038】
しかし、本実施形態では、スライドストッパ21を各種サイズの表示装置1に対応させるために、スライドストッパ21の凹凸部23aは、ベース板2の長手軸方向における中心位置Cから片側(
図4では左側)の範囲RSに亘って設けられている。
【0039】
なお、複数のサイズの表示装置1の中で、所定の間隔Dが最大の間隔でベース板2に取り付けられる2つの縦フレーム3の一方の位置PMから中心位置Cまでの範囲RSPに、スライドストッパ21の凹凸部23aは設けられていればよい。
【0040】
すなわち、スライドストッパ21は、2つの縦フレーム3がベース板2に引っ掛けるようにして取りつけられたときに、凹凸部23aが少なくとも1つの縦フレーム3の横移動を規制する位置に配置される長さを有していればよい。
(縦フレームの構成)
図8は、縦フレーム3の正面図である。
図9は、縦フレーム3の背面図である。
図10は、縦フレーム3の左側面図である。
図11は、縦フレーム3の平面図である。
図12は、縦フレーム3の底面図である。
図13は、縦フレーム3のロック機構41近傍の部分斜視図である。
【0041】
縦フレーム3は、
図8に示す正面側が、ベース板2の平板部10に対向するように、ベース板2に取り付けられる。すなわち、各縦フレーム3は、表示装置1に固定可能で細長の形状を有し、ベース板2の平板部10を正対視したときに長手軸方向が水平方向に対して略直交するように取り付け可能なフレーム部材である。なお、本実施形態では、表示装置1に固定される縦フレーム3は、2つであるが、3つ以上でもよい。すなわち、縦フレーム3は、少なくとも2つあればよい。
縦フレーム3は、細長の板金部材を長手軸方向に沿って折り曲げて断面がコの字状に形成され、細長の底板部31と、底板部31の短手軸方向の両側を直角若しくは略直角に曲げられて形成された2つの側壁部32とを有する。
図10に示すように、各側壁部32は、側壁部32を正対視したときに中央部が盛り上がった形状を有し、かつその中央部には、切り欠き部32aが形成されている。
【0042】
底板部31は、長手軸方向に沿って形成された複数の孔31aと複数の長孔31bを有している。複数の孔31aは、底板部31の上側領域に形成され、複数の長孔31bは、底板部31の下側領域に形成されている。孔31a及び長孔31bは、螺子で縦フレーム3を表示装置1のバックカバー1aの螺子孔に固定するときのための孔であり、孔31a及び長孔31bが縦フレーム3に複数形成されているのは、表示装置1の種類に応じてバックカバー1aに形成された螺子孔の位置が異なるため、縦フレーム3を様々な種類の表示装置1に取り付けることができるようにするためである。
【0043】
各側壁部32の切り欠き部32aの上側端部には、凹部32bが形成されている。各側壁部32の切り欠き部32aの下側端部には、凹部32cが形成されている。
縦フレーム3には、上述したように係合部3aが設けられている。係合部3aは、切り欠き部32aの上端部に設けられ、2つの切り欠き部32aの上側から下側に延出するように形成された2つの係止爪33を有している。
【0044】
縦フレーム3には、上述したように当接部3bが設けられている。凹部32cが、当接部3bを構成する。当接部3bには、ベース板2の下側フランジである延出部14が当接する。
【0045】
さらに、2つの側壁部32の凹部32cの近傍には、縦フレーム3の長手軸に直交し、かつ底板部31に平行に形成された2つの長孔32dが形成されている。凹部32cの下部近傍に、ロック機構41が設けられている。
【0046】
ロック機構41は、
図11から
図13に示すように、軸部材42と、断面がコの字状の可動部材43と、引っ張りバネであるバネ44とを有する。
バネ44の一端は、底板部31に形成された孔32fに設けられた爪32gに係止され、他端は、軸部材42に係止されている。
【0047】
軸部材42の一端には、拡径部42aが形成され、軸部材42の他端は、留め輪42bなどにより固定される。軸部材42は、2つの長孔32d内に挿通される。軸部材42は、2つの長孔32d内を摺動可能な直径を有すると共に、ワッシャ45が軸部材42の拡径部42aと可動部材43の間及び留め輪42bと可動部材43の間に介装されている。
【0048】
可動部材43は、軸部材42に固定され、軸部材42にはバネ44の一端が係止されているため、可動部材43は、切り欠き部32a側に常に引っ張られている。可動部材43は、切り欠き部32a側に突出した2つの爪部43aを有している。各爪部43aは、
図10及び
図13に示すように斜面部を有している。
【0049】
可動部材43が切り欠き部32a側に常に引っ張られた状態で、軸部材42が長孔32dの端部に押圧されているとき、2つの爪部43aが切り欠き部32aの2つの係止爪33に向かって突出している。
【0050】
作業者は、各縦フレーム3をベース板2に取り付けるときは、可動部材43をバネ44の引っ張り力に抗うように引っ張って下側へスライドさせた状態で、縦フレーム3をベース板2に押し当てると、爪部43aがもつ斜面により、押し当てるだけで、バネ44が伸び爪部43aが下側へ移動する。延出部14に突き当たるまで移動すると、バネ44の力で爪部43aが自動で戻り、ベース板2をロックする。
以上のように、ロック機構41は、2つのフレーム3に設けられ、2つのフレーム3がベース板2に取り付けられたときに、2つのフレーム3がベース板2から離れないようにベース板2をロックする。
【0051】
(作用)
表示装置1を壁に取り付ける作業者は、
図1に示すように、表示装置1の背面に2つの縦フレーム3を固定し、壁面に固定されたベース板2の係合部2aに、2つの縦フレーム3の係合部3aを引っ掛けるようにして、表示装置1を壁面に固定する。
このとき、作業者は、ロック機構41により、2つの縦フレーム3をベース板2にロックするが、2つのうちの一方の縦フレーム3の2つの側壁部32は、2つの凸部23bの間に配置される。
【0052】
図14及び
図15は、縦フレーム3がベース板2にロックされているときの、スライドストッパ21の凸部23bの位置を説明するための図である。
図14は、縦フレーム3がベース板2にロックされているときの、凸部23bの近傍領域を拡大した側面図である。
図15は、縦フレーム3がベース板2に固定されているときの、凸部23bの近傍領域を拡大した平面図である。
【0053】
図14及び
図15に示すように、凸部23bは、側壁部32の凹部32cの部分を挟むように、縦フレーム3側に突出する。
図15に示すように、隣り合う2つの凸部23bの間に側壁部32が配設されている。
すなわち、2つのフレーム3がベース板2に取り付けられたときに2つの凸部23bの間に、2つのフレーム3の少なくとも一方の2つの側壁部32の一方が配置される。2つの凸部23bは、凹凸部23aの一部である。
【0054】
そのため、表示装置1に外力などが掛かって、2つの縦フレーム3が表示装置1と共に水平方向に移動しようとしても、2つの凸部23bにより、縦フレーム3は横方向への移動が阻止される。
【0055】
よって、上述した実施形態によれば、簡単な構成で、横移動の防止が可能な表示装置用壁取付具、表示装置用壁取付ベース板及び表示装置セットを提供することができる。ベース板2と2つの縦フレーム3により構成される表示装置用壁取付具と、表示装置1とが、表示装置セットを構成する。
特に、既成のベース板2がある場合には、上述したスライドストッパ21をベース板2に後付するだけで、簡単に、表示装置の横移動の防止が可能な表示装置用壁取付具を実現することができる。
【0056】
次に、上述した実施形態の変形例を説明する。
なお、以下の変形例において、上述した実施形態と構成要素については、同じ符号を付して説明は省略する。
(変形例1)
上述した実施形態では、複数の凸部23bは、ベース板2に固定されるスライドストッパ21に設けられているが、複数の凸部23bは、ベース板2に設けるようにしてもよい。
【0057】
図16は、変形例1に係わるベース板2Aの斜視図である。
図17は、変形例1に係わるベース板2Aに設けられた凸部52を拡大した斜視図である。
図18は、変形例1に係わるベース板2Aの一部の底面図である。
【0058】
ベース板2Aは、係合部2a、2bを折り曲げて形成する前に、下側の縁辺部の近傍に、長手軸方向に沿って形成された複数の孔51が形成される。そして、各孔51には、下側に向かって突出した凸部52が予め形成されている。
【0059】
このような複数の孔51が形成されたベース板2Aの上側は長手軸方向に平行に折り曲げられて、上述した実施形態と同様の張出部11と延出部12が形成される。
ベース板2Aの下側は長手軸方向に平行に折り曲げられて、上述した実施形態と同様の張出部13と延出部14が形成されるが、凸部52を折り曲げないように、延出部14が複数の孔51の略中央を通る線に沿って折り曲げされる。複数の凸部52が、上述した複数の凸部23bに対応する。
すなわち、張出部13は、ベース板2Aの一部を水平方向に沿って折り曲げて形成され、2つの凸部52は、折り曲げられた張出部13の先端部に形成されている。
【0060】
その結果、
図18に示すように、凸部52の先端部分は、延出部14の表面から突出する。
なお、本変形例1においても、複数の凸部52は、2つの縦フレーム3の一方が含まれる領域内にさえあればよく、さらに、ベース板2Aは、縦フレーム3の1つの側壁部32を挟む2つの凸部52を有していればよい。
【0061】
以上のような構成によっても、実施形態と同様の効果を生じると共に、スライドストッパ21を用いなくても、1枚の板金部材を折り曲げて複数の凸部23bを形成したベース板2Aで済むので、表示装置用壁取付具のコスト低減を図ることができる。
(変形例2)
上述した変形例1では、複数の孔51を形成して、複数の凸部52が延出部14の表面から突出するように、ベース板2Aが折り曲げられるが、延出部14の表面に複数の凸部を形成するようにしてもよい。
【0062】
図19は、変形例2に係わるベース板2Bの斜視図である。
図20は、変形例2に係わるベース板2Bに設けられた凸部61を拡大した斜視図である。
図21は、変形例2に係わるベース板2Bの一部の底面図である。
【0063】
ベース板2Bを折り曲げて係合部2a、2bを形成する前あるいは形成した後に、延出部14の背面側からパンチで叩くようにして絞り加工により、延出部14の表面側に突出した凸部61を長手軸方向に沿って形成する。複数の凸部61が、上述した複数の凸部23bに対応する。
すなわち、張出部13は、ベース板2Bを水平方向に沿って折り曲げて形成され、2つの凸部61は、張出部13を折り曲げて形成された延出部14の表面に形成されている。
その結果、
図21に示すように、凸部61の先端部分は、延出部14の表面から突出する。
【0064】
なお、本変形例2においても、複数の凸部61は、2つの縦フレーム3の一方が含まれる領域内にさえあればよく、さらに、ベース板2Bは、縦フレーム3の1つの側壁部32を挟む2つの凸部61を有していればよい。
【0065】
以上のような構成によっても、実施形態と同様の効果を生じると共に、スライドストッパ21を用いなくても、1枚の板金部材に複数の凸部61を形成したベース板2Bで済むので、コスト低減を図ることができる。
【0066】
以上のように、実施形態及び各変形例によれば、簡単な構成で、横移動の防止が可能な表示装置用壁取付具、表示装置用壁取付ベース板及び表示装置セットを提供することができる。
【0067】
振動、外力などの力が表示装置に加わることがあっても、表示装置がユーザの意図しない位置に横移動してしまうことがない。よって、表示装置から延出する配線、配線の接続部に負荷が掛かることもない。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。