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特許6766215医用画像処理装置、超音波診断装置及び医用画像取込方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6766215
(24)【登録日】2020年9月18日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、超音波診断装置及び医用画像取込方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20200928BHJP
【FI】
   A61B8/14
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-73677(P2019-73677)
(22)【出願日】2019年4月8日
(62)【分割の表示】特願2013-244391(P2013-244391)の分割
【原出願日】2013年11月26日
(65)【公開番号】特開2019-103932(P2019-103932A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年4月8日
(31)【優先権主張番号】特願2012-259592(P2012-259592)
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】森 啓
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−179367(JP,A)
【文献】 特開2009−125226(JP,A)
【文献】 特開2007−282656(JP,A)
【文献】 特開2009−060939(JP,A)
【文献】 特開2008−188163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00,8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医用画像、及び当該複数の医用画像についての付帯情報が格納される外部の記憶媒体を接続するための接続部と、
前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、検査対象画像と比較画像とを位置合わせを伴って同時表示する機能についての要件を満たす医用画像を、前記付帯情報に基づいて特定する判定部と、
前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を含むリストを、前記特定された医用画像を優先して表示する表示部と、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記比較画像として前記接続部に接続された外部の記憶媒体から取り込む取込部と、
を具備する医用画像処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記機能を有するか否かを判定し、有する場合、前記記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記機能についての要件を満たす医用画像を特定し、
前記判定部により前記機能を有すると判定された場合、前記記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記比較画像の候補となる複数の医用画像を決定する決定部をさらに具備し、
前記リストは、前記決定された複数の医用画像が優先的に配列されている請求項1記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記リストは、前記機能において利用された回数の多い順に複数の医用画像が配列されたリストである請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、過去に前記機能において前記比較画像として用いられた実績のある医用画像の付帯情報に含まれる機種名と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位が前記検査対象画像の撮像部位と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別が、前記検査対象画像の付帯情報に含まれる種別に予め関連づけられた他の種別と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる撮像日が前記検査対象画像の対象である被検体の過去の治療日と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
対象とする被検体の過去の治療と当該治療において前記比較画像として利用された医用画像とを関連づけた治療履歴表を保持する保持部をさらに備え、
前記決定部は、前記治療履歴表に基づいて前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像から前記比較画像の候補となる医用画像を決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記治療履歴表に記される前記比較画像として利用された実績のある医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する請求項8に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
過去に前記機能において利用された比較画像を撮像した撮像装置の機種名と、当該撮像装置によって撮像された医用画像が前記機能において利用された回数とを対応づけて保持する保持部を更に具備し、
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像を撮像した撮像装置の機種名を含み、
前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる機種名が前記保持部に保持されている場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定し、
前記表示部は、前記決定された医用画像を、当該医用画像の付帯情報に含まれる機種名に対応づけて前記保持部に保持されている前記回数の多い順に表示する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像の撮像部位を含み、
前記決定部は、前記検査対象画像の撮像部位が前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位と一致する場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像の種別を含み、
前記決定部は、前記検査対象画像の種別に対して予め定められている他の種別が前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別と一致する場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
対象とする被検体の過去の治療日を保持する保持部を更に具備し、
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像が撮像された撮像日を含み、
前記決定部は、前記保持部に保持されている治療日が前記外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像日と一致する場合、当該医用画像を前記検査対象画像と同時表示される前記比較画像の候補として決定する請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記表示部は、前記リストを、前記特定された医用画像を削除して表示する請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
前記機能は、フュージョン機能である請求項1乃至14のいずれかに記載の医用画像処理装置。
【請求項16】
超音波プローブを介して被検体に対して超音波を送受信することによって得られるエコー信号に基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置において、
複数の医用画像、及び当該複数の医用画像についての付帯情報が格納される外部の記憶媒体を接続するための接続部と、
前記超音波画像と他モダリティにおいて撮影された比較画像とを位置合わせを伴って同時表示する機能についての要件を満たす医用画像を、前記付帯情報に基づいて特定する判定部と、
前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を含むリストを、前記特定された医用画像を優先して表示する表示部と、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記接続部に接続された外部の記憶媒体から取り込む取込部と、
を具備する超音波診断装置。
【請求項17】
検査対象画像と同時表示される比較画像を医用画像処理装置に取り込む医用画像取込方法であって、
複数の医用画像、及び当該複数の医用画像についての付帯情報が格納された外部の記憶媒体が前記医用画像処理装置に接続された場合に、前記接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、検査対象画像と比較画像とを位置合わせを伴って同時表示する機能についての要件を満たす医用画像を、前記付帯情報に基づいて特定し、
前記接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を含むリストを、前記特定された医用画像を優先して表示し、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記接続された外部の記憶媒体から取り込む、
ことを具備する医用画像取込方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態は、他モダリティ画像を取り込むための医用画像処理装置、超音波診断装置及び医用画像取込方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、生体内情報の画像を表示する診断装置であり、X線診断装置やX線コンピュータ断層撮影装置などの他の医用画像診断装置に比べ、安価で被曝がなく、非侵襲性に実時間で観測するための有用な装置として利用されている。超音波診断装置の適用範囲は広く、心臓などの循環器から肝臓、腎臓などの腹部、抹消血管、産婦人科、乳癌の診断などに適用されている。
【0003】
ところで、超音波診断装置には、例えばCT画像やMR画像のような他モダリティの医用画像(他モダリティ画像)を参照しながら診断または治療を行うことができるフュージョン機能(Fusion機能)を有するものがある。このフュージョン機能によれば、例えば外部から超音波診断装置に他モダリティ画像(DICOM医用画像データ)を取り込み、当該取り込まれた他モダリティ画像を当該超音波診断装置において取得された画像と並べて表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−094181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した外部から超音波診断装置への他モダリティ画像の取り込みは、外部記憶媒体(例えば、光学メディアやUSBメモリ)を介して行われる場合が多い。これは、超音波診断装置へ取り込まれる他モダリティ画像が他施設や院内の他部門から提供される場合が多いためである。
【0006】
近年では、記憶媒体の大容量化が進んでおり、1つの記憶媒体に多くのデータを格納することが可能である。このため、外部記憶場体を介して他モダリティ画像を超音波診断装置に取り込もうとした場合に、当該外部記憶媒体内に様々な医用画像が混在していることが想定される。
【0007】
このような場合において、外部記憶媒体内に格納された様々な医用画像の中から適切な他モダリティ画像を選択して取り込むことは、操作者にとって手間がかかり、効率的でない。
【0008】
よって、外部記憶媒体内に格納された様々な医用画像の中から所望の他モダリティ画像を素早く取り込める仕組みが必要である。
【0009】
目的は、他モダリティ画像の効率的な取り込みを可能とする医用画像処理装置、超音波診断装置及び医用画像取込方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態に係る医用画像処理装置は、外部の記憶媒体を接続するための接続部と、検査対象画像と比較画像とを並列表示する機能の実施の有無を判定する判定部と、前記判定部により判定された前記機能の実施の有無に応じて、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を決定する決定部と、前記決定された複数の医用画像が優先的に配列されたリストを表示する表示部と、前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記比較画像として前記接続部に接続された外部の記憶媒体から取り込む取込部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
図2】本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順を示すフローチャート。
図3】本実施形態において表示部15によって表示されたリストの一例を示す図。
図4】第2の実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順を示すフローチャート。
図5】本実施形態において表示部15によって表示されたリストの一例を示す図。
図6】第3の実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順を示すフローチャート。
図7】本実施形態において表示部15によって表示されたリストの一例を示す図。
図8】第4の実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順を示すフローチャート。
図9】検査情報保持部12に保持されている穿刺治療履歴情報のデータ構造の一例を示す図。
図10】本実施形態において表示部15によって表示されたリストの一例を示す図。
図11】第5の実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順を示すフローチャート。
図12】本実施形態において表示部15によって表示されたリストの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態に係る医用画像処理装置は、医用画像を処理するためのコンピュータである。医用画像処理装置は、医用画像診断装置に組み込まれてもよいし、ワークステーションなど専用の画像処理装置でも良い。医用画像処理装置は、具体的には、例えばX線診断装置、コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography:CT)、核磁気共鳴画像装置(Magnetic Resonance Imaging:MRI)などに組み込まれる。しかしながら、以下の説明を具体的に行うため、医用画像装置は超音波診断装置に組み込まれているとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置10の構成を示す。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置10は、検査実施部11、検査情報保持部12、接続部18、データチェック部13、候補決定部14、表示部15、データ取込部16及びデータ格納部17を含む。
【0016】
なお、超音波診断装置10は、各機能を実現するためのハードウェア構成、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ構成として実現されている。ソフトウェアは、予め記憶媒体またはネットワークからインストールされ、その機能を実現させるためのプログラムからなる。
【0017】
検査実施部11は、超音波診断装置10における超音波診断(検査)を行う。具体的には、検査実施部11は、超音波プローブを介して被検体に対して超音波を送受信することによって得られるエコー信号に基づいて超音波画像を生成する。
【0018】
ここで、検査実施部11について詳細に説明すると、検査実施部11は、図示しない超音波プローブ、送受信制御部及び画像生成部等を含む。
【0019】
超音波プローブは、送受信制御部からの駆動信号を受けて超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子と、当該圧電振動子に設けられる整合層と、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等とを有している。超音波プローブから被検体に超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブに受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0020】
送受信制御部は、超音波プローブを介して被検体に対して超音波を送受信して、走査面に関するエコー信号を発生する。送受信制御部によって発生されたエコー信号は画像生成部に供給される。
【0021】
具体的には、送受信制御部は、パルス発生器、送信遅延部及びパルサ等を有している。パルス発生器は、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。送信遅延部は、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し、かつ、送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各チャンネルのレートパルスに与える。パルサは、チャンネル毎にレートパルスに基づくタイミングで超音波プローブに駆動パルスを印加する。
【0022】
また、送受信制御部は、プリアンプ、受信遅延部及び加算器等を有している。プリアンプは、超音波プローブを介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。受信遅延部は、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0023】
画像生成部は、送受信制御部からのエコー信号に対して例えばBモード処理を実行することによって、当該エコー信号の強度を輝度で表現するBモードデータを発生する。画像生成部は、このBモードデータをモニタ等に表示可能な画像データに変換する。これにより、画像生成部は、表示画像としての超音波画像(Bモード画像)を生成する。なお、Bモード画像の画素は、Bモード信号の強度に応じた輝度値を有している。
【0024】
ここでは、説明の便宜上、Bモード処理について説明したが、例えばカラードプラモード、Mモード、連続波ドプラ、パルス波ドプラモード等の他のモードの処理を、適宜、組み合わせてもよい。
【0025】
上記したように検査実施部11(に含まれる画像生成部)によって生成された超音波画像は、例えばモニタ等に表示される。
【0026】
ここで、超音波診断装置10は、例えばCT画像やMR画像のような他の医用画像診断装置によって撮像された医用画像(他モダリティ画像)を参照しながら超音波検査を行うことが可能なフュージョン機能を有する場合がある。このフュージョン機能によれば、上記した検査実施部11によって生成された超音波画像と他モダリティ画像とを位置合わせして同時表示することができる。
【0027】
検査情報保持部12は、上記した検査実施部11において行われた超音波検査に関する情報(以下、検査情報と表記)を保持する。検査情報保持部12に保持される検査情報には、例えば超音波画像が撮像された撮像部位、当該超音波画像が生成された際の検査モード(画像モード)等が含まれる。また、詳細については後述するが、検査情報保持部12には、超音波診断装置10における過去のフュージョン機能に関する実績を示す情報(以下、実績情報と表記)が含まれる。
【0028】
接続部18は、外部の記憶媒体と接続可能に構成された入出力インターフェースである。例えば上記したフュージョン機能において利用される他モダリティ画像を含む複数の医用画像(データ)及び当該医用画像の付帯情報が格納された外部の記憶媒体(以下、外部メディアと表記)が接続部18に接続される。具体的には、複数の医用画像(データ)と当該医用画像各々の付帯情報とは、DICOM規格に準拠したデータ構造を有しており、DICOMによって定義されたディレクトリ構造(DICOMDIR)で各種外部メディアに記録される。この外部メディアには、例えば光学メディアやUSBメモリ等が含まれる。また、外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報には、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の機種名等が含まれる。また、付帯情報には、画像方向((0020,0037) ImageOrientationPatient)、ピクセルサイズ((0028,0030) PixelSpacing)、マトリクスサイズ((0028,0010) Rows、及び(0028,0011) Columns)、リスケール((0028,1052) RescaleIntercept 、及び (0028,1053) RescaleSlope、及び (0028,1054) RescaleType)、画像ポジション((0020,0032) ImagePositionPatient)、光度解釈((0028,0004) Photometric Interpretation)、SOP Class UID((0008,0016) SOPClassUID)等が含まれる。
【0029】
データチェック部13は、上記した外部メディアが超音波診断装置10に接続された場合に、例えば超音波診断装置10のシステム情報(フュージョン機能オプションの有無)等に基づいて、フュージョン機能の実行の有無を判定する。以下の説明を具体的にするため、超音波診断装置10がフュージョン機能を有している場合、データチェック部13はフュージョン機能を実行するものとする。なお、超音波診断装置10がフュージョン機能を有している場合でも、データチェック部13は、さらに、操作者によるフュージョン機能の実行の有無の設定によりフュージョン機能の実行の有無を判定してもよい。データチェック部13は、超音波診断装置10がフュージョン機能を有していると判定された場合、付帯情報内の、画像方向((0020,0037) ImageOrientationPatient)、ピクセルサイズ((0028,0030) PixelSpacing)、マトリクスサイズ((0028,0010) Rows、及び(0028,0011) Columns)、リスケール((0028,1052) RescaleIntercept 、及び (0028,1053) RescaleSlope、及び (0028,1054) RescaleType)、画像ポジション((0020,0032) ImagePositionPatient)、光度解釈((0028,0004) Photometric Interpretation)、SOP Class UID((0008,0016) SOPClassUID)等の情報有無や格納された値に基づいて、当該外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち上記したフュージョン機能において利用されない医用画像を特定する。
【0030】
候補決定部14は、超音波診断装置10と接続された外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を決定する。この場合、候補決定部14は、検査情報保持部12に保持される実績情報及びデータ取得部13によって取得された複数の医用画像の付帯情報に含まれる機種名に基づいて決定処理を実行する。
【0031】
表示部15は、超音波診断装置10と接続された外部メディアに格納されている複数の医用画像(を表すデータ)の各々をリスト表示する。具体的には、表示部15は、外部メディアに格納されている複数の医用画像の各々を表すデータを表示する。この際、表示部15は、候補決定部14によって決定された医用画像を表すデータを優先的に表示する。つまり、表示部15は、候補決定部14によって決定された医用画像の優先順位を他の医用画像より高くしてリスト表示する。なお、表示部15は、上記したデータチェック部13によって特定された医用画像については非表示とする。
【0032】
データ取込部16は、表示部15によってリスト表示された医用画像のうち超音波診断装置10の操作者によって選択(指定)された医用画像(及び当該医用画像の付帯情報)を外部メディアから取り込む。このとき、データ取込部17によって取り込まれた医用画像は、データ格納部18に格納される。
【0033】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順について説明する。
【0034】
ここでは、検査実施部11によって超音波検査が実施され、被検体に関する超音波画像が生成されて、例えばモニタ等に表示されているものとする。このとき、検査実施部11による超音波検査に関する検査情報が検査情報保持部12に保持される。
【0035】
また、検査情報保持部12には、超音波診断装置10(及び他の装置)における過去のフュージョン機能に関する実績を示す実績情報が保持されている。具体的には、実績情報には、過去にフュージョン機能において利用された他モダリティ画像を撮像した医用画像診断装置(例えば、X線コンピュータ断層撮影装置及び磁気共鳴イメージング装置等)の機種名及び当該医用画像診断装置によって撮像された他モダリティ画像が当該フュージョン機能において利用された回数(つまり、表示された回数)が対応づけて含まれている。
【0036】
ここで、接続部18に外部メディアが接続されたものとする。この場合、超音波診断装置10においては、外部メディアとの接続が検出される(ステップS1)。
【0037】
なお、超音波診断装置10と接続された外部メディア(以下、単に外部メディアと表記)には、複数の医用画像(データ)及び当該医用画像の付帯情報が格納されているものとする。また、医用画像の付帯情報には、当該医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するためのIDや名前、当該医用画像が撮像された撮像日(検査日)、当該医用画像が撮像された被検体の撮像部位、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(モダリティ)、当該医用画像診断装置の機種名等が含まれる。
【0038】
外部メディアとの接続が検出された場合、データチェック部13は、超音波診断装置10がフュージョン機能を有しているか否かを判定する(ステップS2)。この場合、データチェック部13は、図示していない記憶部に記憶されている超音波診断装置10のシステム情報(例えば、フュージョン機能オプションの有無)等に基づいて判定処理を実行する。
【0039】
なお、データチェック部13は、例えば超音波診断装置10が備える超音波プローブがフュージョン機能における位置合わせを行うために必要な位置センサ付きプローブであるか否か、または当該位置センサ付きプローブがアクティブ状態であるか否か等に基づいて判定処理を実行してもよい。ここでは、位置センサ付きプローブについて説明したが、例えば穿刺プローブであるか否かに基づいて判定処理を実行しても構わない。更に、超音波診断装置10がフュージョン機能を使用する可能性の高いモード(例えば、CHI−MFIモードやTHIモード)で動作中あるか否かに基づいて判定処理を実行しても構わない。
【0040】
データチェック部13は、超音波診断装置10がフュージョン機能を有していると判定された場合(ステップS2のYES)、外部メディアに格納されている複数の医用画像の中からフュージョン機能において利用されない医用画像を特定する(ステップS3)。フュージョン機能において利用されない医用画像には、例えばCT装置等でスライス断面の位置を示すために付加される画像(フュージョン機能においてボリュームデータに使用しない画像)であるスキャノ像やフュージョン機能のために必須の情報が不足している画像等が含まれる。具体的には、データチェック部13は、付帯情報について、1.画像方向((0020,0037) ImageOrientationPatient)が設定されていない場合、あるいは設定されているが装置側と同一の画像方向が設定されていない場合、2.ピクセルサイズ((0028, 0030) PixelSpacing)が設定されていない場合、3.マトリクスサイズ((0028,0010) Rows、及び(0028,0011) Columns)が設定されていない場合、4.リスケール((0028,1052) RescaleIntercept 、及び (0028,1053) RescaleSlope、及び (0028,1054) RescaleType)が設定されていない場合、5.画像ポジション((0020,0032) ImagePositionPatient)が設定されていない場合、6.光度解釈((0028,0004) Photometric Interpretation)が設定されていない場合、あるいは設定されているが装置で表示できる形式でない場合、7.SOP Class UID((0008,0016) SOPClassUID)がFusion対象とする画像種(CT Image、MR Image、PET Image、Enhanced CT Image等)でない場合には当該医用画像をフュージョン機能において利用されない医用画像として特定する。
【0041】
このステップS3の処理により、フュージョン機能の観点での後述する表示部15によって表示される医用画像(を表すデータ)の絞り込みが行われる。
【0042】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像(以下、候補画像と表記)を決定する。本実施形態において、候補決定部14は、フュージョン実績に基づく候補画像を決定する(ステップS4)。
【0043】
ここで、本実施形態における候補決定部14によるフュージョン実績に基づく候補画像の決定処理について具体的に説明する。
【0044】
この場合、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像の各々に対して以下に説明する処理を実行する。以下、この処理の対象となる医用画像を対象医用画像と称して説明する。
【0045】
まず、候補決定部14は、外部メディアに格納されている対象医用画像の付帯情報に含まれる機種名(当該対象医用画像を撮像した医用画像診断装置の機種名)を取得する。
【0046】
次に、候補決定部14は、取得された機種名が検査情報保持部12に保持されている実績情報に含まれるか否か(つまり、当該機種名の医用画像診断装置によって撮像された他モダリティ画像がフュージョン機能において利用されたことがあるか否か)を判定する。候補決定部14は、取得された機種名が実績情報に含まれると判定された場合、対象医用画像を候補画像として決定する。
【0047】
このとき、候補決定部14は、取得された機種名に対応づけて検査情報保持部12に保持されている実績情報に含まれる回数(フュージョン実績)を取得する。ここで取得された回数は、対象医用画像を撮像した医用画像診断装置(の機種)によって撮像された他モダリティ画像が過去にフュージョン機能において利用された回数を示す。
【0048】
候補決定部14は、上記したような処理を外部メディアに格納されている複数の医用画像の各々に対して実行することにより、当該複数の医用画像の中から候補画像が決定され、当該候補画像毎にフュージョン実績(回数)が取得される。
【0049】
なお、ここでは外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれている機種名が検査情報保持部12に保持されている実績情報に含まれる場合に当該医用画像を候補画像として決定するものとして説明したが、上記したフュージョン実績が例えば予め定められた値以上である医用画像を候補画像として決定するような構成としても構わない。
【0050】
また、ここで候補画像として決定される医用画像は、上記した検査実施部11による超音波検査が実施された被検体(患者)を撮像することによって得られた医用画像であるものとする。医用画像を撮像した被検体は、当該医用画像の付帯情報に含まれるID等から識別可能である。
【0051】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、候補画像として決定された医用画像が優先的に表示されるように並び替えを行う(ステップS5)。この場合、候補決定部14は、候補画像として決定された医用画像が他の医用画像に比べて上位に配置されるように並び替えを行う。なお、候補画像として決定された医用画像が複数存在する場合には、当該医用画像の各々について取得されたフュージョン実績(回数)の多い順に並び替えるものとする。
【0052】
候補決定部14は、このように外部メディアに格納されている複数の医用画像の並べ替えを行うことにより、当該複数の医用画像を表すデータのリスト(一覧)を作成する。なお、この候補決定部14によって作成されたリストにおいて、上記したステップS3において特定された医用画像(フュージョン機能において利用されない医用画像)は除外されている。
【0053】
表示部15は、候補決定部14によって作成されたリストを表示する(ステップS6)。
【0054】
ここで、図3は、表示部15によって表示されたリストの一例を示す。図3に示すリスト20には、医用画像を表すデータ21〜24が表示されている。なお、図3において、医用画像を表すデータ21〜24は、当該医用画像の付帯情報(ここでは、ID、名前、検査日、モダリティ、機種名)及び実績を含む。
【0055】
IDは、医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するための識別情報である。名前は、対応づけられているIDによって識別される被検体の名前である。検査日は、医用画像が撮像された日(撮像日)を示す。モダリティは、医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(例えば、CTやMR等)を示す。実績は、医用画像に対して候補決定部14によって決定されたフュージョン実績(回数)である。
【0056】
ここで、超音波検査が行われた被検体がID「AA」によって識別される被検体である場合を想定する。この場合、図3に示すように、ID「AA」によって識別される被検体を撮像することによって得られた医用画像であって実績(フュージョン実績)の多い医用画像を表すデータ21及び22が優先的に表示されている(つまり、上位にランキングされる)。
【0057】
また、図3に示すように、データ21及び22は、フュージョン実績(回数)の多い順に表示されている。
【0058】
なお、図3に示すリスト20において、候補画像として決定された医用画像を表すデータではないが、例えばデータ23及び24は、コメントを含む。このコメントにおいては、例えば医用画像がフュージョン機能において利用される場合に一部制限がある場合に当該制限に関する文字情報(例えば、「制限を受ける機能」や「当該制限の理由」等)が記述される。なお、この文字情報は、取込対象画像の付帯情報をチェックし、制限を受ける機能の有無を判定することによって決定される。例えば、取込対象検査・画像について、要求するタグはすべて格納されているが、装置として初見の機種であった場合、画像計測の精度検証が保証できないという観点からリスクヘッジのため、計測操作を制限するようなことがあったとする。その場合、上記生成処理により、コメントとして、「システムとして計測検証がされていない検査データにつき、計測機能不可」といった情報を生成し、表示する。
【0059】
このように本実施形態においては、超音波診断装置10等で取り扱ったことのあるフュージョン実績(回数)及び当該超音波診断装置10等で取り扱ったことがある機種名等の情報を用いて外部メディアに格納されている医用画像(を表すデータ)がランキングされて表示される。これにより、操作者は、外部メディアに格納されている複数の医用画像の中から適切な医用画像(つまり、フュージョン機能において利用すべき他モダリティ画像)を容易に認識することができる。
【0060】
なお、図3に示す例では、医用画像を表すデータがID、名前、検査日、モダリティ、機種名、実績及びコメントを含むものとして説明したが、医用画像を表すデータは当該医用画像を特定できるものであればよく、ID、名前、検査日、モダリティ、機種名、実績及びコメントの全てが含まれていなくてもよいし、他の情報が含まれていても構わない。以下の各実施形態においても同様である。
【0061】
再び図2に戻ると、操作者は、表示部15によって表示されたリストにおいて表示されている複数のデータによって表される複数の医用画像の中からフュージョン機能において利用すべき医用画像(他モダリティ画像)を選択する操作を行うことができる。
【0062】
この場合、データ取込部16は、操作者によって選択された医用画像(他モダリティ画像)をデータ記憶部17に取り込む(ステップS7)。
【0063】
一方、ステップS2において超音波診断装置10がフュージョン機能を有していないと判定された場合、ステップS3〜S5の処理は実行されず、ステップS6の処理が実行される。なお、この場合には、外部メディアに格納されている複数の医用画像(を表すデータ)が、例えば当該医用画像の付帯情報に含まれるID(つまり、患者)や検査日等でソートされてリスト表示される。
【0064】
ここでは、検査情報保持部12に保持されている実績情報には、単に機種名及びフュージョン機能において利用された回数が対応づけて含まれているものとして説明したが、例えば機種名(CTまたはMR等のモダリティ)と撮像部位等との組み合わせとフュージョン機能において利用された回数(つまり、当該機種名の医用画像診断装置によって撮像された特定の撮像部位の他モダリティ画像がフュージョン機能において用いられた回数)とが対応づけて含まれていても構わない。この場合、上記した医用画像のフュージョン実績は、当該医用画像の付帯情報に含まれる機種名と撮像部位との組み合わせに対応づけて実績情報に含まれている回数とすればよい。
【0065】
上記したように本実施形態においては、外部メディアが接続された場合に、フュージョン機能を超音波診断装置10が有しているかを判定し、当該フュージョン機能を有していると判定された場合、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうちの超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を、当該医用画像の付帯情報に基づいて決定し、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうちの当該決定された医用画像を表すデータを優先的に表示し、当該表示されたデータによって表される医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を外部メディアから取り込む構成により、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち操作者がフュージョン機能において利用すべき他モダリティ画像の候補となる医用画像を容易に認識することができ、このような医用画像(他モダリティ画像)を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができるため、データ取込時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0066】
具体的には、本実施形態においては、外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれる機種名が検査情報保持部12に保持されている(実績情報に含まれる)場合に当該医用画像を超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補として決定し、当該決定された医用画像を、当該医用画像の付帯情報に含まれる機種名に対応づけて当該実績情報に含まれる回数の多い順に優先的に表示することにより、操作者は、フュージョン実績が多い候補画像を容易に認識し、このような医用画像を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、超音波検査中に医用画像を取り込む場合について主に説明したが、例えば超音波検査中以外であっても外部メディアに格納されている医用画像(のリスト)を確認する際に上記したようにフュージョン実績に基づく医用画像を優先的に表示するような構成であっても構わない。更に、医用画像を取り込む場合のみではなく、フュージョン機能に用いる医用画像(つまり、フュージョン機能において超音波画像と同時表示する他モダリティ画像)を選択するような場合にも本実施形態は適用可能である。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る超音波診断装置の構成は前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。
【0069】
本実施形態においては、超音波検査において生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を、当該超音波画像及び当該医用画像の撮像部位に基づいて決定する点が、前述した第1の実施形態とは異なる。
【0070】
以下、図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順について説明する。なお、前述した第1の実施形態と異なる部分について主に述べる。
【0071】
ここでは、検査実施部11によって超音波検査が実施され、被検体に関する超音波画像が生成されて、例えばモニタ等に表示されているものとする。このとき、検査実施部11による超音波検査に関する検査情報が検査情報保持部12に保持される。この検査情報保持部12に保持される検査情報には、検査実施部11によって生成された超音波画像の撮像部位等が含まれる。
【0072】
ここで、超音波診断装置10に対して接続部18に外部メディアが接続されたものとする。この場合、前述した図2のステップS1〜S3の処理に相当するステップS11〜S13の処理が実行される。なお、超音波診断装置10に対して接続された外部メディアには、複数の医用画像及び当該医用画像の付帯情報が格納されているものとする。また、医用画像の付帯情報には、前述した第1の実施形態と同様に、当該医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するためのIDや名前、当該医用画像が撮像された撮像日(検査日)、当該医用画像が撮像された被検体の撮像部位、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(モダリティ)、当該医用画像診断装置の機種名等が含まれる。
【0073】
ステップS13の処理が実行されると、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像(以下、候補画像と表記)を決定する。候補決定部14は、接続部18に接続された外部メディアに格納されている複数の医用画像のうちから、複数の候補画像を決定する(ステップS14)。
【0074】
この場合、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像の撮像部位と一致する撮像部位の医用画像を候補画像として決定する。具体的には、候補決定部14は、検査情報保持部12に保持されている検査情報に含まれる撮像部位が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位と一致する場合、当該医用画像を候補画像として決定する。なお、例えば検査情報に撮像部位が直接的に含まれていないような場合であっても当該撮像部位を特定可能な情報が含まれている場合には、当該情報によって特定された撮像部位に基づいて候補画像が決定されればよい。具体的には、撮像部位を特定可能な情報として例えば「産婦人科」等の情報が検査情報に含まれている場合には、当該情報から撮像部位を「腹部」と特定できる。この場合には、付帯情報に撮像部位として「腹部」が含まれている医用画像を候補画像として決定すればよい。
【0075】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、候補画像として決定された医用画像が優先的に表示されるように並び替えを行う(ステップS15)。この場合、候補決定部14は、候補画像として決定された医用画像が他の医用画像に比べて上位に配置されるように並び替えを行う。なお、候補画像として決定された医用画像が複数存在する場合、当該複数の医用画像は、例えば当該医用画像の付帯情報に含まれる検査日の降順に並び替えてもよいし、前述した第1の実施形態におけるフュージョン実績(回数)の多い順に並び替えても構わない。
【0076】
以下、前述した図2に示すステップS6及びS7の処理に相当するステップS16及びS17の処理が実行される。
【0077】
ここで、図5は、表示部15によって表示されたリストの一例を示す。図5に示すリスト30には、医用画像を表すデータ31〜33が表示されている。なお、図5において、医用画像を表すデータ31〜33は、当該医用画像の付帯情報(ここでは、ID、名前、検査日、撮像部位、モダリティ、機種名)及び実績(フュージョン実績)を含む。
【0078】
撮像部位は、医用画像が撮像された被検体の部位を示す。なお、ID、名前、検査日、モダリティ、機種名及び実績については、前述した第1の実施形態において説明した通りであるため、その詳しい説明を省略する。
【0079】
ここで、超音波検査が行われた被検体がID「AA」によって識別される被検体であり、当該超音波検査によって生成された超音波画像の撮像部位が「腹部」である場合を想定する。この場合、図5に示すように、ID「AA」によって識別される被検体を撮像することによって得られた医用画像であって撮像部位が「腹部」である医用画像を表すデータ31及び32が優先的に表示されている(つまり、上位にランキングされる)。また、図5に示す例では、データ31及び32は、検査日の降順に表示されている。
【0080】
このように超音波検査における撮像部位が「腹部(Abdomen)」である場合において、外部メディアからデータ(医用画像)を取り込む場合には、当該撮像部位が「腹部」である医用画像(つまり、撮像部位が一致する医用画像)が上位にランキングされて表示される。
【0081】
上記したように本実施形態においては、検査実施部11によって生成された超音波画像の撮像部位が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位と一致する場合に、当該医用画像を当該超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補として決定し、当該決定された医用画像を表すデータを優先的に表示する構成により、操作者は、超音波画像と撮像部位が一致する候補画像を容易に認識し、このような医用画像を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができる。
【0082】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る超音波診断装置の構成は前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。
【0083】
本実施形態においては、超音波検査において生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を、超音波画像が生成された際の画像モードに基づいて決定する点が、前述した第1及び第2の実施形態とは異なる。
【0084】
以下、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順について説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と異なる部分について主に述べる。
【0085】
ここでは、検査実施部11によって超音波検査が実施され、被検体に関する超音波画像が生成されて、例えばモニタ等に表示されているものとする。このとき、検査実施部11による超音波検査に関する検査情報が検査情報保持部12に保持される。この検査情報保持部12に保持される検査情報には、検査実施部11によって超音波画像が生成された際に適用された画像モード(動作モード)等が含まれる。なお、超音波画像が生成された際に適用された画像モードは、例えば血流診断検査を行うためのドプラモードや造影剤検査を行うためのMFIモード等を含む。このMFIモードは、再灌流法と最大値保持法とを組み合わせることによって、微細な血管構造を明瞭に可視化する造影表示モードである。なお、画像モードとしては、ドプラモード及びMFIモード以外にも例えばBモードやMモード等が存在する。
【0086】
ここで、接続部18に外部メディアが接続されたものとする。この場合、前述した図2のステップS1〜S3の処理に相当するステップS21〜S23の処理が実行される。なお、超音波診断装置10に対して接続された外部メディアには、複数の医用画像及び当該医用画像の付帯情報が格納されているものとする。また、医用画像の付帯情報には、当該医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するためのIDや名前、当該医用画像が撮像された撮像日(検査日)、当該医用画像の種別、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(モダリティ)、当該医用画像診断装置の機種名等が含まれる。この医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別には、例えばパフュージョン(臓器灌流解析)が行われることによって得られるパフュージョン画像(Perfusion)等が含まれる。
【0087】
ステップS23の処理が実行されると、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像(以下、候補画像と表記)を決定する。候補決定部14は、接続部18に接続された外部メディアに格納されている複数の医用画像のうちから、複数の候補画像を決定する(ステップS24)。
【0088】
この場合、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって超音波画像が生成された際の画像モードに対応する医用画像の種別と一致する種別の医用画像を候補画像として決定する。具体的には、候補決定部14は、検査情報保持部12に保持されている検査情報に含まれる画像モードに対応する医用画像の種別が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別と一致する場合、当該医用画像を候補画像として決定する。なお、画像モードに対応する医用画像の種類は、超音波画像が生成される際に適用される当該画像モード毎に予め定められている。具体的には、画像モードが上記したドプラモードやMFIモードである場合、当該画像モードに対応する医用画像の種類としては、同様に血流診断や造影剤検査時に参照されるパフュージョン画像が予め定められている。
【0089】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、候補画像として決定された医用画像が優先的に表示されるように並び替えを行う(ステップS25)。なお、候補画像として決定された医用画像が複数存在する場合、当該複数の医用画像は、例えば当該医用画像の付帯情報に含まれる検査日の降順に並び替えてもよいし、前述した第1の実施形態におけるフュージョン実績(回数)の多い順に並び替えても構わない。
【0090】
以下、前述した図2に示すステップS6及びS7の処理に相当するステップS26及びS27の処理が実行される。
【0091】
ここで、図7は、表示部15によって表示されたリストの一例を示す。図7に示すリスト40には、医用画像を表すデータ41〜43が表示されている。なお、図7において、医用画像を表すデータ41〜43は、当該医用画像の付帯情報(ここでは、ID、名前、検査日、種別、モダリティ、機種名)及び実績(フュージョン実績)を含む。
【0092】
種別は、上記したパフュージョン画像等の医用画像の種別を示す。なお、ID、名前、検査日、モダリティ、機種名及び実績については、前述した第1の実施形態において説明した通りであるため、その詳しい説明を省略する。
【0093】
ここで、超音波検査が行われた被検体がID「AA」によって識別される被検体であり、超音波検査によって超音波画像が生成された際の画像モードが例えばドプラモードであり、当該ドプラモードに対応する医用画像の種別がパフュージョン画像として予め定められている場合を想定する。この場合、図7に示すように、ID「AA」によって識別される被検体を撮像することによって得られた医用画像であって医用画像の種別が「パフュージョン」である医用画像を表すデータ41及び42が優先的に表示されている(つまり、上位にランキングされる)。また、図7に示す例では、データ41及び42は、検査日の降順に表示されている。
【0094】
このように超音波診断装置10においてドプラモードで血流診断検査を行っている場合や造影剤検査(MFIモード)を行っている場合に、外部メディアからデータ(医用画像)を取り込む際には、当該血流診断や造影剤検査時に参照されるパフュージョン画像が優先的に上位にランキングされて表示される。
【0095】
上記したように本実施形態おいては、検査実施部11によって超音波画像が生成された際の画像モードに対して予め定められている医用画像の種別が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別と一致する場合に、当該医用画像を超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補として決定し、当該決定された医用画像を表すデータを優先的に表示する構成により、操作者は、所定のモードで生成された超音波画像と同時に参照される場合の多い種別の医用画像を容易に認識し、このような医用画像を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る超音波診断装置の構成は前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。
【0096】
本実施形態においては、超音波検査において生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を、過去の穿刺治療検査日(治療日)に基づいて決定する点が、前述した第1〜第3の実施形態とは異なる。
【0097】
以下、図8のフローチャートを参照して、本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順について説明する。なお、前述した第1〜第3の実施形態と異なる部分について主に述べる。
【0098】
ここでは、検査実施部11によって超音波検査が実施され、被検体に関する超音波画像が生成されて、例えばモニタ等に表示されているものとする。このとき、検査実施部11による超音波検査に関する検査情報が検査情報保持部12に保持される。
【0099】
また、検査情報保持部12には、例えば超音波診断装置10において過去に実施された穿刺治療に関する情報(以下、穿刺治療履歴情報と表記)が保持されている。図9は、穿刺治療履歴情報のデータ構造の一例を示す。図9に示すように、穿刺治療履歴情報には、穿刺治療履歴に対応づけて、被検体(患者)の名前(またはID)、当該被検体に対して穿刺治療が行われた日(治療実施日)及びフュージョン機能において利用された画像(利用画像)が含まれている。
【0100】
ここで、接続部18に外部メディアが接続されたものとする。この場合、前述した図2のステップS1〜S3の処理に相当するステップS31〜S33の処理が実行される。なお、超音波診断装置10に対して接続された外部メディアには、複数の医用画像及び当該医用画像の付帯情報が格納されているものとする。また、医用画像の付帯情報には、当該医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するためのIDや名前、当該医用画像が撮像された撮像日(検査日)、当該医用画像が撮像された被検体の撮像部位、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(モダリティ)、当該医用画像診断装置の機種名等が含まれる。
【0101】
ステップS33の処理が実行されると、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像(以下、候補画像と表記)を決定する。候補決定部14は、接続部18に接続された外部メディアに格納されている複数の医用画像のうちから、複数の候補画像を決定する(ステップS34)。
【0102】
この場合、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、過去の穿刺治療日に対応する日付に撮像された医用画像を候補画像として決定する。具体的には、候補決定部14は、検査情報保持部12に保持されている穿刺治療履歴情報に含まれる治療日が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれている検査日(撮像日)と一致する場合、当該医用画像を候補画像として決定する。
【0103】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、候補画像として決定された医用画像が優先的に表示されるように並び替えを行う(ステップS35)。なお、過去に複数回の穿刺治療が行われており、候補画像として決定された医用画像が複数存在する場合、当該複数の医用画像は、例えば当該医用画像の付帯情報に含まれる検査日(つまり、穿刺治療日)の昇順に並び替えられるものとする。
【0104】
以下、前述した図2に示すステップS6及びS7の処理に相当するステップS36及びS37の処理が実行される。
【0105】
ここで、図10は、表示部15によって表示されたリストの一例を示す。図10に示すリスト50には、医用画像を表すデータ51〜54が表示されている。なお、図10において、医用画像を表すデータ51〜54は、当該医用画像の付帯情報(ここでは、ID、名前、検査日、撮像部位、モダリティ、機種名)を含む。
【0106】
なお、ID、名前、検査日、撮像部位、モダリティ及び機種名については、前述した第1の実施形態において説明した通りであるため、その詳しい説明を省略する。
【0107】
ここで、超音波検査が行われた被検体がID「AA」によって識別される被検体であり、過去の穿刺治療日が図9に示すように「2010/02/22」、「2010/08/01」及び「2010/10/10」である場合を想定する。この場合、図10に示すように、ID「AA」によって識別される被検体を撮像することによって得られた医用画像であって検査日が「2010/02/22」、「2010/08/01」及び「2010/10/10」である医用画像を表すデータ51〜53が優先的に表示されている(つまり、上位にランキングされる)。また、図10に示す例では、データ51〜53は、検査日(つまり、穿刺治療日)の昇順に表示されている。
【0108】
このように超音波検査において穿刺治療検査を複数回実施しているような場合において、外部メディアからデータ(医用画像)を取り込む際には、当該複数回の穿刺治療日に対応した日付に撮像された医用画像が上位にランキングされて表示される。
【0109】
ここでは、候補画像として決定された医用画像を表すデータがリストにおいて優先的に表示されるものとして説明したが、穿刺治療日と医用画像との対応関係を把握しやすいようにリストとともに図9に示す穿刺治療履歴情報を表示する構成とすることも可能である。この場合、穿刺治療履歴情報及びリストの対応するデータ間で表示色を合わせるようにすることが好ましい。これにより、穿刺治療日と医用画像との対応関係をより容易に把握することができる。
【0110】
上記したように本実施形態においては、検査情報保持部12に保持されている穿刺治療履歴情報に含まれる治療日が外部メディアに格納されている医用画像の付帯情報に含まれている撮像日(検査日)と一致する場合に、当該医用画像を超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補として決定し、当該決定された医用画像を表すデータを優先的に表示する構成により、操作者は、過去の穿刺治療時に参照された可能性の高い医用画像(他モダリティ画像)を容易に認識し、このような医用画像を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができる。
【0111】
以上説明した実施形態によれば、他モダリティ画像の効率的な取り込みを可能とする超音波診断装置及び医用画像取込方法を提供することが可能となる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る超音波診断装置の構成は前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。
【0112】
本実施形態においては、超音波検査において生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像を、穿刺治療履歴情報に基づいて決定する点が、前述した第1〜第4の実施形態とは異なる。穿刺治療履歴情報は、先述したように、対象とする被検体の過去の治療と当該治療においてフュージョン機能において利用された画像(利用画像)とを関連づけた表である。
【0113】
以下、図11のフローチャートを参照して、本実施形態に係る超音波診断装置10の処理手順について説明する。なお、前述した第1〜第4の実施形態と異なる部分について主に述べる。
【0114】
ここでは、検査実施部11によって超音波検査が実施され、被検体に関する超音波画像が生成されて、例えばモニタ等に表示されているものとする。このとき、検査実施部11による超音波検査に関する検査情報が検査情報保持部12に保持される。また、検査情報保持部12には、穿刺治療履歴情報が保持されている。図9に示すように、穿刺治療履歴情報には、穿刺治療履歴に対応づけて、被検体(患者)の名前(またはID)、当該被検体に対して穿刺治療が行われた日(治療実施日)及びフュージョン機能において利用された画像(利用画像)を示す情報が含まれている。
【0115】
ここで、接続部18に外部メディアが接続されたものとする。この場合、前述した図2のステップS1〜S3の処理に相当するステップS41〜S43の処理が実行される。なお、超音波診断装置10に対して接続された外部メディアには、複数の医用画像及び当該医用画像の付帯情報が格納されているものとする。また、医用画像の付帯情報には、当該医用画像が撮像された被検体(患者)を識別するためのIDや名前、当該医用画像が撮像された撮像日(検査日)、当該医用画像が撮像された被検体の撮像部位、当該医用画像を撮像した医用画像診断装置の種別(モダリティ)、当該医用画像診断装置の機種名等が含まれる。
【0116】
ステップS43の処理が実行されると、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、検査実施部11によって生成された超音波画像とフュージョン機能において同時表示される他モダリティ画像の候補となる医用画像(以下、候補画像と表記)を決定する。本実施形態において、候補決定部14は、穿刺治療検査において医用画像がフュージョン機能において利用された実績に基づく候補画像を決定する(ステップS44)。
【0117】
この場合、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、過去の穿刺治療検査においてフュージョン機能に利用された実績のある医用画像を候補画像として決定する。具体的には、候補決定部14は、検査情報保持部12に保持されている穿刺治療履歴情報に含まれる利用画像項目に基づいて生成された、図12のリスト60における当該治療での利用実績を示すフラグの付与された医用画像を候補画像として決定する。図12のリスト60における利用実績を示すフラグについては後に詳述する。
【0118】
次に、候補決定部14は、外部メディアに格納されている複数の医用画像のうち、候補画像として決定された医用画像が優先的に表示されるように並び替えを行う(ステップS45)。なお、過去に複数回の穿刺治療が行われており、候補画像として決定された医用画像が複数存在する場合、当該複数の医用画像は、例えば当該医用画像の付帯情報に含まれる検査日(つまり、穿刺治療日)の昇順に並び替えられるものとする。
【0119】
以下、前述した図2に示すステップS6及びS7の処理に相当するステップS46及びS47の処理が実行される。
【0120】
ここで、図12は、表示部15によって表示されたリストの一例を示す。図12に示すリスト60には、医用画像を表すデータ61〜64が表示されている。なお、図12において、医用画像を表すデータ61〜64は、当該医用画像の付帯情報(ここでは、ID、名前、検査日、撮像部位、モダリティ、機種名)及び当該治療における利用実績を示すフラグを含む。
【0121】
ここで、超音波検査が行われた被検体がID「AA」によって識別される被検体であり、過去の穿刺治療日が図9に示すように「2010/02/22」、「2010/08/01」及び「2010/10/10」である場合を想定する。この場合、図12に示すように、ID「AA」によって識別される被検体を撮像することによって得られた医用画像であって当該治療における利用実績を示すフラグが付与された医用画像を表すデータ61〜63が優先的に表示されている(つまり、上位にランキングされる)。また、図12に示す例では、データ61〜63は、検査日(つまり、穿刺治療日)の昇順に表示されている。
【0122】
このように超音波検査において穿刺治療検査を複数回実施しているような場合において、外部メディアからデータ(医用画像)を取り込む際には、当該治療においてフュージョン機能に利用された実績のある医用画像が上位にランキングされて表示される。
【0123】
上記したように本実施形態においては、検査情報保持部12に保持されている穿刺治療履歴情報に含まれる治療でフュージョン機能において利用された実績がある医用画像を超音波画像と同時表示される他モダリティ画像の候補として決定し、当該決定された医用画像を表すデータを優先的に表示する構成により、操作者は、過去の穿刺治療時に参照された可能性の高い医用画像(他モダリティ画像)を容易に認識し、このような医用画像を効率的に超音波診断装置10に取り込むことができる。
【0124】
以上説明した実施形態によれば、他モダリティ画像の効率的な取り込みを可能とする医用画像処理装置、超音波診断装置及び医用画像取込方法を提供することが可能となる。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0126】
上記実施形態は、例えば、以下の付記のように記載され得る。
[1] 外部の記憶媒体を接続するための接続部と、
検査対象画像と比較画像とを並列表示する機能の実施の有無を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記機能の実施の有無に応じて、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を決定する決定部と、
前記決定された複数の医用画像が優先的に配列されたリストを表示する表示部と、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記比較画像として前記接続部に接続された外部の記憶媒体から取り込む取込部と、
を具備する医用画像処理装置。
[2] 前記リストは、前記機能において利用された回数の多い順に複数の医用画像が配列されたリストである、[1]に記載の医用画像処理装置。
[3] 前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、過去に前記機能において前記比較画像として用いられた実績のある医用画像の付帯情報に含まれる機種名と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[4] 前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位が前記検査対象画像の撮像部位と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[5] 前記決定部は、前記外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別が、前記検査対象画像の付帯情報に含まれる種別に予め関連づけられた他の種別と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[6] 前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記医用画像の付帯情報に含まれる撮像日が前記検査画像の対象である被検体の過去の治療日と一致する付帯情報を有する医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[7] 対象とする被検体の過去の治療と当該治療において前記比較画像として利用された医用画像とを関連づけた治療履歴表を保持する保持部をさらに備え、
前記決定部は、前記治療履歴表に基づいて前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像から前記比較画像の候補となる医用画像を決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[8] 前記決定部は、前記外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち、前記治療履歴表に記される前記比較画像として利用された実績のある医用画像を前記比較画像の候補となる医用画像として決定する、[7]に記載の医用画像処理装置。
[9] 過去に前記機能において利用された比較画像を撮像した撮像装置の機種名と、当該撮像装置によって撮像された医用画像が前記機能において利用された回数とを対応づけて保持する保持部を更に具備し、
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像を撮像した撮像装置の機種名を含み、
前記決定部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる機種名が前記保持部に保持されている場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定し、
前記表示部は、前記決定された医用画像を、当該医用画像の付帯情報に含まれる機種名に対応づけて前記保持部に保持されている前記回数の多い順に表示する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[10] 前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像の撮像部位を含み、
前記決定部は、前記検査対象画像の撮像部位が前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像部位と一致する場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[11] 前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像の種別を含み、
前記決定部は、前記検査対象画像の種別に対して予め定められている他の種別が前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる当該医用画像の種別と一致する場合、当該医用画像を前記比較画像の候補として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[12] 対象とする被検体の過去の治療日を保持する保持部を更に具備し、
前記医用画像の付帯情報は、当該医用画像が撮像された撮像日を含み、
前記決定部は、前記保持部に保持されている治療日が前記外部の記憶媒体に格納されている医用画像の付帯情報に含まれる撮像日と一致する場合、当該医用画像を前記検査対象画像と並列表示される前記比較画像の候補として決定する、[1]に記載の医用画像処理装置。
[13] 前記表示部は、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記機能に利用されない医用画像を非表示とする、[1]に記載の医用画像処理装置。
[14] 超音波プローブを介して被検体に対して超音波を送受信することによって得られるエコー信号に基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置において、
外部の記憶媒体を接続するための接続部と、
前記超音波画像と他モダリティにおいて撮影された比較画像とを並列表示する機能の実施の有無を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記機能の実施の有無に応じて、前記接続部に接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を決定する決定部と、
前記決定された複数の医用画像が優先的に配列されたリストを表示する表示部と、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記接続部に接続された外部の記憶媒体から取り込む取込部と、
を具備する超音波診断装置。
[15] 検査対象画像に並列して表示される比較画像を医用画像処理装置に取り込む医用画像取込方法であって、
複数の医用画像が格納された外部の記憶媒体が前記医用画像処理装置に接続された場合に、前記検査対象画像と比較画像とを並列表示する機能の実施の有無を判定し、
前記判定された前記機能の実施の有無に応じて、前記接続された外部の記憶媒体に格納されている複数の医用画像のうち前記比較画像の候補となる複数の医用画像を決定し、
前記決定された複数の医用画像が優先的に配列されたリストを表示し、
前記リストに含まれる医用画像のうち操作者によって選択された医用画像を、前記接続された外部の記憶媒体から取り込む、
ことを具備する医用画像取込方法。
【符号の説明】
【0127】
10…超音波診断装置、12…検査情報保持部、13…データチェック部、14…候補決定部、15…表示部、16…データ取込部、17…データ格納部、18…接続部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12