特許第6766469号(P6766469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6766469情報処理装置、画像処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6766469
(24)【登録日】2020年9月23日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201005BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20201005BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   H04N1/00 127B
   H04N1/32
   G06F3/12 336
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-125946(P2016-125946)
(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-229034(P2017-229034A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 哲治
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−267370(JP,A)
【文献】 特開2013−141087(JP,A)
【文献】 特開2009−075637(JP,A)
【文献】 特開2013−131062(JP,A)
【文献】 特開2003−333173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
H04M11/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する登録手段と、
特定の操作者による処理の指示に応じて、当該特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行う処理手段と
を備え、
前記登録手段は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記特定の操作者による処理の指示に応じて、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中に前記特定の端末装置が存在すれば、当該特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記登録手段は、前記複数の操作者の各操作者が操作する二以上の端末装置を、当該各操作者に関連付けて登録し、
前記処理手段は、前記特定の操作者による処理の指示に応じて、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中に前記二以上の端末装置が存在すれば、当該二以上の端末装置のうち自装置の最も近くに存在することを示す条件を満たす一の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記登録手段は、前記複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を識別する装置識別情報を、当該各操作者を識別する操作者識別情報に関連付けた関連付け情報を、自装置又は他の装置に登録し、
前記処理手段は、前記特定の操作者による前記処理の指示に応じて、当該特定の操作者を識別する特定の操作者識別情報に前記関連付け情報で関連付けられた特定の装置識別情報により識別される前記特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する登録手段と、
特定の操作者による画像処理の指示に応じて、当該画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理で得られた画像データを前記特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置に近距離通信で送信する処理、及び、前記画像処理で用いられる画像データを前記特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置から近距離通信で受信する処理の少なくともいずれか一方を行う処理手段と
を備え
前記登録手段は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する機能と、
特定の操作者による処理の指示に応じて、当該特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行う機能と
を実現させ
前記登録する機能は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置から情報管理サーバ装置を経由する電子機器への間接アクセスの要求を受信した場合に、機器情報テーブルを参照することによってその電子機器へのアクセスが可能な携帯端末装置からの要求であるか否かを判別すると共に、端末情報テーブルを参照することによってその端末使用が許可されている携帯端末装置からの要求であるか否かを判別し、電子機器へのアクセスが可能な携帯端末装置からの要求であり、かつ端末使用が許可されている携帯端末装置からの要求であると判別された場合に、電子機器の機器用認証情報をその要求元の携帯端末装置に対して送信する情報管理サーバ装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
アクセス対象の外部機器との対応付け時に、その対応付けに合わせて情報管理サーバ装置に接続し、外部機器との対応付け情報の保管を依頼し、その後の外部機器のアクセス時に、情報管理サーバ装置に対して対応付け情報の送信を要求し、その要求に応じて、情報管理サーバ装置側でその要求元を認証する処理の実行によって正規な要求元であることが認証されたことを条件に情報管理サーバ装置から送信される対応付け情報を受信して外部機器に距離無線で送信する携帯端末装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−153741号公報
【特許文献2】特開2014−178845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、端末装置と近距離通信を行うことにより処理を行う情報処理装置においては、操作者による処理の指示に応じて近距離通信を行う端末装置を操作者に特定させる構成を採用することが考えられる。しかしながら、そのような構成を採用した場合は、操作者により処理が指示された際に近距離通信を行う端末装置を特定するのに手間がかかる。
【0006】
本発明の目的は、操作者による処理の指示に応じて近距離通信を行う端末装置を操作者に特定させるよう構成された場合に比較して、操作者により処理が指示された際に近距離通信を行う端末装置を特定するのにかかる手間を軽減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する登録手段と、特定の操作者による処理の指示に応じて、当該特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行う処理手段とを備え、前記登録手段は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記処理手段は、前記特定の操作者による処理の指示に応じて、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中に前記特定の端末装置が存在すれば、当該特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記登録手段は、前記複数の操作者の各操作者が操作する二以上の端末装置を、当該各操作者に関連付けて登録し、前記処理手段は、前記特定の操作者による処理の指示に応じて、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中に前記二以上の端末装置が存在すれば、当該二以上の端末装置のうち自装置の最も近くに存在することを示す条件を満たす一の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記登録手段は、前記複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を識別する装置識別情報を、当該各操作者を識別する操作者識別情報に関連付けた関連付け情報を、自装置又は他の装置に登録し、前記処理手段は、前記特定の操作者による前記処理の指示に応じて、当該特定の操作者を識別する特定の操作者識別情報に前記関連付け情報で関連付けられた特定の装置識別情報により識別される前記特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する登録手段と、特定の操作者による画像処理の指示に応じて、当該画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理で得られた画像データを前記特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置に近距離通信で送信する処理、及び、前記画像処理で用いられる画像データを前記特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置から近距離通信で受信する処理の少なくともいずれか一方を行う処理手段とを備え、前記登録手段は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録することを特徴とする画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、当該各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する機能と、特定の操作者による処理の指示に応じて、当該特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、当該処理を行う機能とを実現させ、前記登録する機能は、近距離通信による要求に応答した複数の端末装置の中から前記複数の操作者の各操作者が選択した端末装置を、自装置に表示した登録確認情報と当該端末装置に入力された登録確認情報とが一致すれば、当該各操作者に関連付けて登録するプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、近距離通信可能な複数の端末装置が存在する際に、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、操作者の選択のみによって登録するよう構成された場合に比較して、正しく登録できる可能性が高まる。
請求項2の発明によれば、近距離通信可能な複数の端末装置が存在する際に、操作者による処理の指示に応じて複数の端末装置の中から近距離通信を行う端末装置を操作者に選択させるよう構成された場合に比較して、操作者により処理が指示された際に近距離通信を行う端末装置を選択するのにかかる手間が軽減される。
請求項3の発明によれば、近距離通信可能な複数の端末装置が存在し、複数の操作者の各操作者がそのうちの二以上の端末装置を操作する際に、操作者による処理の指示に応じて複数の端末装置の中から近距離通信を行う端末装置を操作者に選択させるよう構成された場合に比較して、操作者により処理が指示された際に近距離通信を行う端末装置を選択するのにかかる手間が軽減される。
請求項4の発明によれば、操作者による処理の指示に応じて近距離通信を行う端末装置を操作者に特定させるよう構成された場合に比較して、操作者により処理が指示された際に近距離通信を行う端末装置を特定するのにかかる手間が軽減される。
請求項5の発明によれば、近距離通信可能な複数の端末装置が存在する際に、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、操作者の選択のみによって登録するよう構成された場合に比較して、正しく登録できる可能性が高まる
請求項6の発明によれば、近距離通信可能な複数の端末装置が存在する際に、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、操作者の選択のみによって登録するよう構成された場合に比較して、正しく登録できる可能性が高まる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態が適用される画像読取システムの全体構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態における画像読取装置のハードウェア構成例を示した図である。
図3】本発明の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態における認証サーバのハードウェア構成例を示した図である。
図5】本発明の実施の形態における画像読取装置内の情報処理装置の機能構成例を示したブロック図である。
図6】本発明の実施の形態における携帯端末内の画像記憶装置の機能構成例を示したブロック図である。
図7】本発明の実施の形態における認証サーバ内の情報記憶装置の機能構成例を示したブロック図である。
図8-1】本発明の実施の形態が適用される画像読取システムにおける端末登録時の動作例を示したシーケンス図である。
図8-2】本発明の実施の形態が適用される画像読取システムにおける端末登録時の動作例を示したシーケンス図である。
図9】本発明の実施の形態が適用される画像読取システムにおけるスキャン時の動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
[画像読取システムの全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像読取システムの全体構成例を示した図である。図示するように、この画像読取システムは、画像読取装置10と、携帯端末30a〜30cと、認証サーバ50とを含む。このうち、画像読取装置10と、携帯端末30a〜30cとは、近距離通信により接続可能となっている。近距離通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、「BLE」という)を用いるとよい。携帯端末30a〜30cは、これらを区別しない場合は、携帯端末30と称し、その台数は3台には限らないものとする。本実施の形態では、携帯端末30a〜30cを近距離通信エリア内に示したが、例えば、他の携帯端末30が近距離通信エリア外に存在してもよい。また、画像読取装置10と、認証サーバ50とは、通信回線80を介して接続されている。
【0012】
画像読取装置10は、画像が記録された紙等の記録媒体から画像を読み取る(スキャンする)装置である。画像読取装置10は、上述したように、近距離通信により携帯端末30と接続可能になっており、スキャンした画像を、スキャンデータとして、携帯端末30に送信することが可能である。また、画像読取装置10は、記録媒体から画像を読み取る(スキャンする)スキャナ機能のみを備えたものでもよいが、以下では、記録媒体に画像を形成するプリンタ機能や画像データを送受信するファクシミリ機能も備えたものとする。
【0013】
携帯端末30は、画像読取装置10が送信した画像データを記憶するコンピュータ装置である。即ち、携帯端末30は、上述したように、近距離通信により画像読取装置10と接続可能になっており、自端末を一意に識別するための端末識別情報を用いて画像読取装置10に自端末を認識させる。近距離通信として、例えばBLEを用いる場合は、端末識別情報として、例えばBD(Bluetooth(登録商標) Device)アドレスを用いるとよい。また、携帯端末30としては、例えば、スマートフォンを用いるとよい。
【0014】
認証サーバ50は、ユーザが画像読取装置10を使用する際にそのユーザを認証するサーバコンピュータである。また、認証サーバ50としては、例えば、PC(Personal Computer)を用いるとよい。
【0015】
通信回線80は、画像読取装置10と認証サーバ50との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
【0016】
[画像読取装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における画像読取装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像読取装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、ネットワーク通信インターフェース(以下、「ネットワーク通信I/F」と表記する)18と、近距離通信インターフェース(以下、「近距離通信I/F」と表記する)19とを備える。
【0017】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0018】
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
【0019】
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0020】
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0021】
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル15は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0022】
画像読取部16は、画像処理手段の一例であり、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0023】
画像形成部17は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0024】
ネットワーク通信I/F18は、通信回線80を介して他の装置、例えば認証サーバ50との間で各種情報の送受信を行う。
【0025】
近距離通信I/F19は、近距離通信(例えば、BLE)により携帯端末30との間で各種情報の送受信を行う。
【0026】
[携帯端末のハードウェア構成]
図3は、本実施の形態における携帯端末30のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、携帯端末30は、演算手段であるCPU31と、記憶手段であるRAM32及びROM33と、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行うタッチパネル34と、マイクロフォン等の音声入力機構35と、スピーカ等の音声出力機構36と、近距離通信(例えば、BLE)により画像読取装置10との間で各種情報の送受信を行う近距離通信I/F37とを備える。また、基地局を介して無線通信を行うための無線回路38及びアンテナ39を備える。ここで、無線回路38には、図示しないが、無線で送受信されるデジタルデータの信号処理を行なうベースバンドLSIが含まれるものとする。
【0027】
[認証サーバのハードウェア構成]
図4は、本実施の形態における認証サーバ50のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、認証サーバ50は、演算手段であるCPU51と、記憶手段であるメインメモリ52及びHDD(Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、CPU51は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、認証サーバ50は、外部との通信を行うための通信I/F54と、ディスプレイ等の表示デバイス55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56とを備える。
【0028】
[情報処理装置の機能構成]
図5は、本実施の形態における情報処理装置20の機能構成例を示したブロック図である。ここで、情報処理装置20は、画像読取装置10のCPU11(図2参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図2参照)からRAM12(図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
【0029】
図示するように、情報処理装置20は、操作受付部21と、表示制御部22と、ネットワーク送信部23と、ネットワーク受信部24と、近距離送信部25と、近距離受信部26とを備える。また、登録確認情報生成部27と、登録確認情報比較部28と、端末識別情報比較部29と、画像取得部200とを備える。
【0030】
操作受付部21は、ユーザが画像読取装置10に対して何らかの操作を行うと、その操作を受け付け、各機能部に対し、その操作に応じた処理を指示する。例えば、ユーザが認証情報を入力する操作を行うと、ネットワーク送信部23に対し、ユーザの認証を要求するため又は携帯端末30の端末識別情報の取得を要求するために認証サーバ50に認証情報を送信する処理を指示する。以下、認証情報というときは、ユーザID及びパスワードを指すものとする。また、ユーザが端末登録画面又はスキャン画面を開く操作を行うと、表示制御部22に対し、指定された画面を表示する処理を指示すると共に、近距離送信部25に対し、近距離通信のブロードキャスト通信を行う処理を指示する。更に、ユーザが端末名一覧から登録対象の携帯端末30の端末名を選択する操作を行うと、登録確認情報生成部27に対し、登録確認情報(後述)を生成する処理を指示すると共に、近距離送信部25に対し、選択された端末名の携帯端末30に登録要求通知を送信する処理を指示する。更にまた、ユーザがスキャンする原稿をセットしてスタートボタンを押下する操作を行うと、画像取得部200に対し、画像読取部16により読み取られたスキャンデータを取得する処理を指示する。
【0031】
表示制御部22は、操作パネル15(図2参照)に対する各種情報の表示を制御する。ここで、各種情報としては、携帯端末30を認証サーバ50に登録する際に使用される端末登録画面、近距離通信のブロードキャスト通信に対して応答した携帯端末30の一覧である端末名一覧、登録確認情報生成部27により生成された登録確認情報(後述)、携帯端末30の認証サーバ50への登録完了、スキャンを実行する際に使用されるスキャン画面、スキャンデータの送信先となる携帯端末30の端末名である送信先端末名等がある。
【0032】
ネットワーク送信部23は、認証サーバ50に対して、各種情報を送信する。ここで、各種情報としては、ユーザの認証を要求するため又は携帯端末30の端末識別情報の取得を要求するためのユーザの認証情報、携帯端末30を認証サーバ50に登録することを要求する端末登録要求等がある。本実施の形態では、端末装置を登録する登録手段の一例として、ネットワーク送信部23を設けている。
【0033】
ネットワーク受信部24は、認証サーバ50から、各種情報を受信する。ここで、各種情報としては、ユーザの認証を要求した際の認証成功、端末登録要求を送信した際の登録完了、携帯端末30の端末識別情報の取得を要求した際の認証成功及び端末識別情報等がある。
【0034】
近距離送信部25は、携帯端末30に対して、各種情報を送信する。ここで、各種情報としては、近距離通信のブロードキャスト通信の信号、携帯端末30の登録が要求されていることを通知する登録要求通知、画像取得部200により取得されたスキャンデータ等がある。本実施の形態では、画像処理で得られた画像データの一例として、スキャンデータを用いており、端末装置と近距離通信を行うことによる処理又は画像データを端末装置に近距離通信で送信する処理の一例として、携帯端末30に対するスキャンデータの送信を行っており、処理を行う処理手段の一例として、近距離送信部25を設けている。また、近距離通信による要求の一例として、近距離通信のブロードキャスト通信を用いている。
【0035】
近距離受信部26は、携帯端末30から、各種情報を受信する。ここで、各種情報としては、携帯端末30の端末名や端末識別情報、携帯端末30で入力された登録確認情報(後述)等がある。
【0036】
登録確認情報生成部27は、画像読取装置10が登録対象と認識している携帯端末30が、ユーザが登録対象と考えている携帯端末30であるかを、ユーザに確認させるための登録確認情報を生成する。ここで、登録確認情報としては、例えば、携帯端末30のタッチパネル34(図3参照)に表示されたソフトウェアキーボードを用いて入力可能な文字列であるPINコードや、携帯端末30のタッチパネル34(図3参照)上の区画をなぞる順序を定めたジェスチャパターン等が考えられる。本実施の形態では、指定された情報の一例として、登録確認情報を用いている。
【0037】
登録確認情報比較部28は、登録確認情報生成部27により生成された登録確認情報と、近距離受信部26により受信された登録確認情報とを比較する。そして、これらの登録確認情報が一致する場合は、ネットワーク送信部23に対し、操作受付部21が受け付けた認証情報と近距離受信部26が受信した端末識別情報とを関連付けることにより携帯端末30を登録することを要求する端末登録要求を認証サーバ50に送信するように指示する。
【0038】
端末識別情報比較部29は、ネットワーク受信部24により受信された端末識別情報と、近距離受信部26により受信された端末識別情報とを比較する。そして、これらの端末識別情報が一致する場合は、表示制御部22に対し、近距離受信部26が受信された端末名を操作パネル15(図2参照)に表示するように指示する。
【0039】
画像取得部200は、画像読取部16(図2参照)により読み取られたスキャンデータを取得し、近距離送信部25に対し、このスキャンデータを携帯端末30に送信するように指示する。
【0040】
[画像記憶装置の機能構成]
図6は、本実施の形態における画像記憶装置40の機能構成例を示したブロック図である。ここで、画像記憶装置40は、携帯端末30のCPU31(図3参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM33(図3参照)からRAM32(図3参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
【0041】
図示するように、画像記憶装置40は、操作受付部41と、表示制御部42と、近距離送信部45と、近距離受信部46とを備える。また、端末名記憶部47と、端末名取得部48と、画像記憶部49とを備える。
【0042】
操作受付部41は、ユーザが携帯端末30に対して何らかの操作を行うと、その操作を受け付け、各機能部に対し、その操作に応じた処理を指示する。例えば、ユーザがタッチパネル34(図3参照)に表示された登録要求通知をタップする操作を行うと、表示制御部42に対し、登録確認情報を入力するための登録確認情報入力画面(例えばPINコードを入力したりジェスチャパターンでなぞったりするための画面)を表示する処理を指示する。また、ユーザが登録確認情報入力画面から登録確認情報を入力する操作を行うと、近距離送信部45に対し、登録確認情報を画像読取装置10に送信する処理を指示する。
【0043】
表示制御部42は、タッチパネル34(図3参照)に対する各種情報の表示を制御する。ここで、各種情報としては、携帯端末30の登録が要求されていることを通知する登録要求通知、登録確認情報を入力するための登録確認情報入力画面等がある。
【0044】
近距離送信部45は、画像読取装置10に対して、各種情報を送信する。ここで、各種情報としては、携帯端末30の端末名や端末識別情報、登録確認情報入力画面から入力された登録確認情報等がある。
【0045】
近距離受信部46は、画像読取装置10から、各種情報を受信する。ここで、各種情報としては、近距離通信のブロードキャスト通信の信号、携帯端末30の登録が要求されていることを通知する登録要求通知、画像読取装置10で原稿をスキャンして得られたスキャンデータ等がある。
【0046】
端末名記憶部47は、携帯端末30の端末名を記憶する。
【0047】
端末名取得部48は、近距離受信部46が画像読取装置10から近距離通信のブロードキャスト通信の信号を受信すると、端末名記憶部47から携帯端末30の端末名を取得し、近距離送信部45に受け渡す。
【0048】
[情報記憶装置の機能構成]
図7は、本実施の形態における情報記憶装置60の機能構成例を示したブロック図である。ここで、情報記憶装置60は、認証サーバ50のCPU51(図4参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばHDD53(図4参照)からメインメモリ52(図4参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。
【0049】
図示するように、情報記憶装置60は、ネットワーク送信部63と、ネットワーク受信部64と、関連付け情報記憶部67と、関連付け情報管理部68とを備える。
【0050】
ネットワーク送信部63は、画像読取装置10に対して、各種情報を送信する。ここで、各種情報としては、ユーザの認証が要求された際の認証成功、端末登録要求を受信した際の登録完了、携帯端末30の端末識別情報の送信が要求された際の認証成功及び端末識別情報等がある。
【0051】
ネットワーク受信部64は、画像読取装置10から、各種情報を受信する。ここで、各種情報としては、ユーザの認証を要求するため又は携帯端末30の端末識別情報の取得を要求するためのユーザの認証情報、携帯端末30を認証サーバ50に登録することを要求する端末登録要求等がある。
【0052】
関連付け情報記憶部67は、ユーザの認証情報とそのユーザがスキャンデータを記憶するために使用する携帯端末30の端末識別情報とを関連付けた情報(以下、「関連付け情報」という)を記憶する。この関連付け情報は、携帯端末30の端末識別情報が関連付けられていなくても、ユーザの認証情報は含むので、ユーザを認証するためにも用いられる。
【0053】
関連付け情報管理部68は、ユーザの認証を要求するために送信されたユーザの認証情報がネットワーク受信部64により受信されると、この認証情報が関連付け情報記憶部67に記憶されているかどうかを判定し、記憶されていれば、認証成功をネットワーク送信部63に伝える。また、携帯端末30の登録を要求する端末登録要求として送信されたユーザの認証情報と携帯端末30の端末識別情報とがネットワーク受信部64により受信されると、この認証情報と端末識別情報とを関連付けた関連付け情報を関連付け情報記憶部67に記憶する。更に、携帯端末30の端末識別情報の取得を要求するために送信されたユーザの認証情報がネットワーク受信部64により受信されると、関連付け情報記憶部67に記憶された関連付け情報においてこの認証情報に関連付けられた端末識別情報を取得し、この端末識別情報をネットワーク送信部63に伝える。本実施の形態では、操作者を識別する操作者識別情報の一例として、ユーザの認証情報を用いており、端末装置を識別する装置識別情報の一例として、携帯端末30の端末識別情報を用いている。
【0054】
[画像読取システムの動作]
図8−1及び図8−2は、画像読取装置10が携帯端末30を認証サーバ50に登録する際の動作例を示したシーケンス図である。
【0055】
図8−1に示すように、まず、ユーザは、携帯端末30の電源をONにし、アプリを待機状態にする(ステップ701)。具体的には、ユーザがアプリを起動させると、携帯端末30が、端末名取得部48、画像記憶部49等を実行可能な状態とする。
【0056】
次に、ユーザは、画像読取装置10に認証情報を入力する(ステップ702)。具体的には、ユーザが、画像読取装置10の操作パネル15に手入力することにより、又は、画像読取装置10のカードリーダに認証用のICカードをかざすことにより、認証情報を入力すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、認証情報の入力を受け付ける。
【0057】
これにより、画像読取装置10は、ユーザの認証を要求するために、認証サーバ50に認証情報を送信する(ステップ703)。具体的には、画像読取装置10で、ネットワーク送信部23が、認証情報を認証サーバ50に送信すると、認証サーバ50では、ネットワーク受信部64が、画像読取装置10から認証情報を受信し、関連付け情報管理部68が、関連付け情報記憶部67に記憶された関連付け情報を参照してユーザの認証を行う。ここで、ユーザの認証が失敗すると、処理はステップ702に戻る。一方、ユーザの認証が成功すると、認証サーバ50は、認証成功を画像読取装置10に通知する(ステップ704)。具体的には、関連付け情報管理部68が、認証成功をネットワーク送信部63に伝え、ネットワーク送信部63が、認証成功を画像読取装置10に送信する。
【0058】
次に、ユーザは、画像読取装置10の操作パネル15に表示されたメニューから「携帯端末登録」アイコンを選択して端末登録画面を開く(ステップ705)。具体的には、ユーザが「携帯端末登録」アイコンを押下すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、「携帯端末登録」アイコンの押下を受け付け、表示制御部22が、端末登録画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0059】
これにより、画像読取装置10は、近距離通信のブロードキャスト通信(例えば、BLEのブロードキャスト通信)を開始する(ステップ706)。具体的には、近距離送信部25が、近距離通信のブロードキャスト通信の信号を送信する。
【0060】
その後、画像読取装置10のブロードキャスト通信を受信した複数の携帯端末30のそれぞれは、画像読取装置10と一対一の通信(例えば、BLEのコネクション通信)を確立し、その端末名を送信する(ステップ707)。具体的には、端末名取得部48が、端末名記憶部47に記憶された端末名を取得し、近距離送信部45が、この端末名を画像読取装置10に送信する。また、画像読取装置10は、この一対一の通信を確立することによって、携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)を取得するものとする。
【0061】
これにより、画像読取装置10は、予め定められた時間が経過した後に、端末名一覧を操作パネル15に表示する(ステップ708)。具体的には、近距離受信部26が、複数の携帯端末30から端末名を受信し、表示制御部22が、受信した端末名を含む端末名一覧を操作パネル15に表示するように制御する。
【0062】
尚、携帯端末30は、ステップ707で、端末名を送信せず、応答信号のみを送信してもよい。この場合、画像読取装置10は、ステップ707で取得した携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)の一覧を、ステップ708で操作パネル15に表示するとよい。但し、以下では、ステップ707で端末名を送信し、ステップ708で端末名一覧を表示するものとして説明する。
【0063】
次いで、ユーザは、端末名一覧から、登録する携帯端末30の端末名を選択する(ステップ709)。具体的には、ユーザが端末名を選択すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、端末名の選択を受け付ける。
【0064】
尚、ステップ707で応答した携帯端末30が1台のみである場合、画像読取装置10は、ステップ708及びステップ709を実行しなくてもよい。
【0065】
これにより、画像読取装置10は、登録確認情報を生成し、操作パネル15に表示する(ステップ710)。具体的には、登録確認情報生成部27が、登録確認情報を生成し、表示制御部22が、登録確認情報を操作パネル15に表示するように制御する。
【0066】
また、画像読取装置10は、ステップ709で選択された携帯端末30に、登録要求通知を、近距離通信のコネクション通信(例えば、BLEのコネクション通信)で送信する(ステップ711)。具体的には、近距離送信部25が、操作受付部21により選択を受け付けた端末名の携帯端末30に、登録要求通知を送信する。
【0067】
ステップ709で選択された携帯端末30は、登録要求通知を受信すると、画面に登録要求通知を表示する(ステップ712)。具体的には、近距離受信部46が、登録要求通知を受信し、表示制御部42が、登録要求通知をタッチパネル34に表示するように制御する。
【0068】
続いて、図8−2に示すように、ユーザは、携帯端末30に表示された登録要求通知をタップする(ステップ713)。これにより、携帯端末30は、登録確認情報入力画面をタッチパネル34に表示する(ステップ714)。具体的には、ユーザが登録要求通知をタップすると、携帯端末30では、操作受付部41が、このタップを受け付け、表示制御部42が、登録確認情報入力画面をタッチパネル34に表示するように制御する。
【0069】
次に、ユーザは、携帯端末30に登録確認情報を入力する(ステップ715)。具体的には、ユーザが携帯端末30のタッチパネル34に表示された登録確認情報入力画面上でPINコードに対応するキーを押下したりジェスチャパターンでなぞったりすることにより登録確認情報を入力すると、携帯端末30では、操作受付部41が、登録確認情報の入力を受け付ける。これにより、携帯端末30は、登録確認情報を、画像読取装置10に、近距離通信のコネクション通信(例えば、BLEのコネクション通信)で送信する(ステップ716)。具体的には、近距離送信部45が、操作受付部41にて入力を受け付けた登録確認情報を画像読取装置10に送信する。
【0070】
画像読取装置10は、登録確認情報を受信すると、受信した登録確認情報とステップ710で生成した登録確認情報とを比較する(ステップ717)。具体的には、近距離受信部26が、登録確認情報を受信し、登録確認情報比較部28が、近距離受信部26により受信された登録確認情報と、登録確認情報生成部27により生成された登録確認情報とを比較する。
【0071】
これらの登録確認情報が一致した場合、画像読取装置10は、この携帯端末30を登録対象の携帯端末30として特定する。そして、この携帯端末30の登録を要求する情報であって、ステップ702で受け付けた認証情報と、ステップ707で近距離通信のコネクション通信を確立した際に取得した携帯端末30の端末識別情報とを含む情報である端末登録要求を認証サーバ50に送信する(ステップ718)。具体的には、登録確認情報比較部28が、近距離受信部26により受信された登録確認情報と登録確認情報生成部27により生成された登録確認情報とが一致すると判定した場合は、ネットワーク送信部23が、操作受付部21にて入力を受け付けた認証情報と、近距離受信部26により受信されたこの携帯端末30の端末識別情報とを、認証サーバ50に送信する。一方、登録確認情報比較部28が、近距離受信部26により受信された登録確認情報と登録確認情報生成部27により生成された登録確認情報とが一致しないと判定した場合は、表示制御部22が、エラーメッセージを操作パネル15に表示するように制御する。
【0072】
その後、認証サーバ50は、認証情報と端末識別情報とを受信し、これらを関連付けて登録し、画像読取装置10に登録完了を通知する(ステップ719)。具体的には、ネットワーク受信部64が、認証情報と端末識別情報とを受信し、関連付け情報管理部68が、認証情報と端末識別情報とを関連付けた関連付け情報を関連付け情報記憶部67に記憶し、ネットワーク送信部63が、携帯端末30の登録完了を画像読取装置10に送信する。
【0073】
これにより、画像読取装置10は、登録完了を操作パネル15に表示する(ステップ720)。具体的には、ネットワーク受信部24が、携帯端末30の登録完了を認証サーバ50から受信し、表示制御部22が、携帯端末30の登録完了を操作パネル15に表示するように制御する。
【0074】
尚、この動作例では、ステップ711で、画像読取装置10が登録要求通知のみを携帯端末30に送信したが、この限りではない。画像読取装置10が、登録要求通知と共に、ステップ710で生成した登録確認情報を、携帯端末30に送信するようにしてもよい。この場合は、画像読取装置10が登録確認情報を比較するのではなく、携帯端末30が、画像読取装置10から送信された登録確認情報と、ステップ715でユーザにより入力された登録確認情報とを比較し、これらが一致した場合に登録許可の旨を画像読取装置10に送信するとよい。
【0075】
図9は、画像読取装置10がスキャンした画像を携帯端末30に記憶する際の動作例を示したシーケンス図である。
【0076】
図9に示すように、まず、ユーザは、携帯端末30の電源をONにし、アプリを待機状態にする(ステップ751)。具体的には、ユーザがアプリを起動させると、携帯端末30が、端末名取得部48、画像記憶部49等を実行可能な状態とする。
【0077】
次に、ユーザは、画像読取装置10に認証情報を入力する(ステップ752)。具体的には、ユーザが、画像読取装置10の操作パネル15に手入力することにより、又は、画像読取装置10のカードリーダに認証用のICカードをかざすことにより、認証情報を入力すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、認証情報の入力を受け付ける。
【0078】
これにより、画像読取装置10は、携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)の取得を要求するために、認証サーバ50に認証情報を送信する(ステップ753)。具体的には、画像読取装置10で、ネットワーク送信部23が、認証情報を認証サーバ50に送信すると、認証サーバ50では、ネットワーク受信部64が、画像読取装置10から認証情報を受信し、関連付け情報管理部68が、関連付け情報記憶部67に記憶された関連付け情報を参照してユーザの認証を行う。ここで、ユーザの認証が失敗すると、処理はステップ752に戻る。
【0079】
一方、ユーザの認証が成功すると、認証サーバ50は、認証成功と、認証情報に関連付けて登録された携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)とを、画像読取装置10に通知する(ステップ754)。具体的には、関連付け情報管理部68が、関連付け情報記憶部67に記憶された関連付け情報において認証情報に関連付けられた携帯端末30の端末識別情報を取得して、認証成功とこの端末識別情報とをネットワーク送信部63に伝え、ネットワーク送信部63が、認証成功と端末識別情報とを画像読取装置10に送信する。
【0080】
次に、ユーザは、画像読取装置10の操作パネル15で「スキャン」アイコンを選択してスキャン画面を開く(ステップ755)。具体的には、ユーザが「スキャン」アイコンを押下すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、「スキャン」アイコンの押下を受け付け、表示制御部22が、スキャン画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0081】
これにより、画像読取装置10は、近距離通信のブロードキャスト通信(例えば、BLEのブロードキャスト通信)を開始する(ステップ756)。具体的には、近距離送信部25が、近距離通信のブロードキャスト通信の信号を送信する。
【0082】
その後、画像読取装置10のブロードキャスト通信を受信した複数の携帯端末30のそれぞれは、画像読取装置10と一対一の通信(例えば、BLEのコネクション通信)を確立し、その端末名を送信する(ステップ757)。具体的には、端末名取得部48が、端末名記憶部47に記憶された端末名を取得し、近距離送信部45が、この端末名を画像読取装置10に送信する。また、画像読取装置10は、この一対一の通信を確立することによって、携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)を取得するものとする。
【0083】
これにより、画像読取装置10は、予め定められた時間が経過した後に、ステップ754で通知された携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)と、ステップ757で応答した携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)とを比較する(ステップ758)。具体的には、端末識別情報比較部29が、ネットワーク受信部24により受信された端末識別情報と、近距離受信部26により受信された端末識別情報とを比較する。
【0084】
これらの端末識別情報(例えば、BDアドレス)が一致した場合、画像読取装置10は、この携帯端末30を送信先の携帯端末30として特定する。そして、この携帯端末30の端末名である送信先端末名を操作パネル15に表示する(ステップ759)。具体的には、端末識別情報比較部29が、ネットワーク受信部24により受信された端末識別情報と近距離受信部26により受信された端末識別情報とが一致すると判定した場合は、表示制御部22が、近距離受信部26により受信された端末名を操作パネル15に表示するように制御する。一方、端末識別情報比較部29が、ネットワーク受信部24により受信された端末識別情報と近距離受信部26により受信された端末識別情報とが一致しないと判定した場合は、表示制御部22が、エラーメッセージを操作パネル15に表示するように制御する。
【0085】
尚、携帯端末30は、ステップ757で、端末名を送信せず、応答信号のみを送信してもよい。この場合、画像読取装置10は、ステップ754で通知された携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)と、ステップ757で取得した携帯端末30の端末識別情報(例えば、BDアドレス)とが一致すれば、その端末識別情報(例えば、BDアドレス)を、ステップ759で操作パネル15に表示するとよい。
【0086】
次いで、ユーザは、表示された端末名を確認した後、画像読取装置10に原稿をセットして、パラメータを設定し、スタートボタンを押下する(ステップ760)。具体的には、ユーザがスタートボタンを押下すると、画像読取装置10では、操作受付部21が、スタートボタンの押下を受け付ける。
【0087】
これにより、画像読取装置10は、原稿のスキャンを実行する(ステップ761)。具体的には、画像読取部16が、原稿から画像を読み取る。そして、画像読取装置10は、スキャンデータを、送信先の携帯端末30に送信する(ステップ762)。具体的には、画像取得部200が、画像読取部16により読み取られた画像をスキャンデータとして取得し、近距離送信部25が、操作パネル15に端末名が表示された携帯端末30の端末識別情報を用いて、スキャンデータを送信先の携帯端末30に送信する。
【0088】
携帯端末30は、画像読取装置10からスキャンデータを受信して記憶し、記憶が完了すると、記憶完了をユーザに通知する(ステップ763)。具体的には、近距離受信部46が、画像読取装置10からスキャンデータを受信し、画像記憶部49が、スキャンデータを記憶する。そして、例えば、音声出力機構36がスピーカから音声を出力したり、バイブレーション機能(図示せず)が携帯端末30を振動させたりすることにより、スキャンデータの記憶完了をユーザに通知する。或いは、携帯端末30と連動しているウェアラブル端末の画面で記憶完了を通知してもよい。
【0089】
尚、この動作例では、ステップ757で、携帯端末30が端末名のみを画像読取装置10に送信したが、この限りではない。1人のユーザの認証情報に関連付けて複数の携帯端末30の端末識別情報が登録されるシステムにおいては、携帯端末30が、端末名と共に、ステップ756で受信したBLEブロードキャスト通信の受信信号強度(RSSI)を、画像読取装置10に送信するようにしてもよい。この場合は、ステップ758で1台の携帯端末30を特定できなければ、画像読取装置10は、RSSIが最も大きい携帯端末30を送信先の携帯端末30として特定するとよい。
【0090】
また、この動作例では、ステップ759で、携帯端末30が、1つの送信先端末名のみを操作パネル15に表示したが、この限りではない。1人のユーザの認証情報に関連付けて複数の携帯端末30の端末識別情報が登録されるシステムにおいては、携帯端末30が、予め定められた時間内に応答した携帯端末30の端末名一覧を操作パネル15に表示し、ユーザに送信先端末名を選択させてもよい。
【0091】
ここでは、1人のユーザの認証情報に関連付けて複数の携帯端末30の端末識別情報が登録された場合における1台の携帯端末30の特定するための条件として、RSSIが最も大きいことや、ユーザにより選択されたことを用いたが、これ以外の条件を用いてもよい。即ち、RSSIが最も大きいことや、ユーザにより選択されたことは、端末装置が情報処理装置の最も近くに存在することを示す条件の一例である。
【0092】
ところで、本実施の形態では、画像読取装置10が画像読取部16で読み取られたスキャンデータを近距離通信で携帯端末30に送信する場合に適用した例について示したが、この限りではない。例えば、画像読取装置10が予めHDD14に保存しておいた画像データを近距離通信で携帯端末30に送信する場合に適用してもよい。或いは、携帯端末30が予め保存しておいたプリントデータを画像読取装置10が受信する場合に適用してもよい。この場合、プリントデータは、画像処理で用いられる画像データの一例であり、画像形成部17(図2参照)は、画像処理手段の一例である。
【0093】
また、このような画像データの送信には、BLEではなく、より高速なクラシックBluetooth(登録商標)やWi−Fi Direct(登録商標)を用いてもよい。一方で、これらの接続を確立するのに必要なアドレス等はBLEコネクション通信で送信するとよい。
【0094】
更に、本実施の形態では、認証サーバ50を用いてユーザの認証を行い、携帯端末30の端末識別情報をユーザの認証情報に関連付けて認証サーバ50に登録することとしたが、認証サーバ50を用いない構成も考えられる。即ち、画像読取装置10がユーザID及びパスワードを保持しておき、画像読取装置10は、自装置内でユーザの認証を行い、携帯端末30の端末識別情報をユーザの認証情報に関連付けて自装置に登録してもよい。
【0095】
更にまた、本実施の形態では、1台の認証サーバ50に対して1台の画像読取装置10を設けたが、1台の認証サーバ50を複数の画像読取装置10で共有する構成を採用してもよい。また、本実施の形態における画像読取装置10は、PC等の情報処理装置であってもよい。
【0096】
[プログラム]
本実施の形態における情報処理装置20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0097】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、複数の操作者の各操作者が操作する端末装置を、各操作者に関連付けて、自装置又は他の装置に登録する機能と、特定の操作者による処理の指示に応じて、特定の操作者に関連付けて登録された特定の端末装置と近距離通信を行うことにより、処理を行う機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0098】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
10…画像読取装置、20…情報処理装置、21,41…操作受付部、22,42…表示制御部、23,63…ネットワーク送信部、24,64…ネットワーク受信部、25,45…近距離送信部、26,46…近距離受信部、27…登録確認情報生成部、28…登録確認情報比較部、29…端末識別情報比較部、200…画像取得部、30…携帯端末、40…画像記憶装置、47…端末名記憶部、48…端末名取得部、49…画像記憶部、50…認証サーバ、60…情報記憶装置、67…関連付け情報記憶部、68…関連付け情報管理部、80…通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9