(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記第2の表示装置の表示画面内に前記第2の領域が収まらない場合に、前記第2の表示装置の表示画面上に、当該第2の領域を縮小して配置するように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
前記制御手段は、前記第2の表示装置の表示画面に表示された画像の前記特定の画像に対応する部分よりも前記第2の領域が小さい場合に、当該部分を強調表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ある表示画面において指定された表示範囲の画像を別の表示画面の表示領域に含まれるように拡大又は縮小して表示する構成を採用した場合には、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示するということにはならない。
【0005】
本発明の目的は、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、第1の画像が表示された第1の表示装置の表示画面上に、特定の大きさを有し、かつ、
当該第1の画像を拡大しない画像である場合を含む特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段と、第2の表示装置の表示画面上に、前記第1の表示装置の表示画面に表示された前記第1の画像を当該第1の表示装置の表示画面の大きさとは異なる当該第2の表示装置の表示画面の大きさに合うように拡大又は縮小して得られた第2の画像を表示すると共に、前記認識手段による前記第1の領域が配置されていることの認識に応じて、当該第1の領域と同じ前記特定の大きさを有し、かつ、前記特定の画像を表示する第2の領域を配置するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記特定の画像は、前記第1の表示装置の表示画面に表示された前記第1の画像の一部を拡大して得られた画像であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の表示装置の表示画面内に前記第2の領域が収まらない場合に、前記第2の表示装置の表示画面上に、当該第2の領域を縮小して配置するように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の表示装置の表示画面に表示された画像の前記特定の画像に対応する部分よりも前記第2の領域が小さい場合に、当該部分を強調表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項5に記載の発明は、第1の表示画面に画像を表示する第1の装置と、第2の表示画面に画像を表示する第2の装置とを備え、前記第1の装置は、第1の画像が表示された前記第1の表示画面上に、特定の大きさを有し、かつ、
当該第1の画像を拡大しない画像である場合を含む特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段と、前記認識手段による認識結果を示す認識結果情報を送信する送信手段とを備え、前記第2の装置は、前記認識結果情報を受信する受信手段と、前記第2の表示画面上に、前記第1の表示画面に表示された前記第1の画像を当該第1の表示画面の大きさとは異なる当該第2の表示画面の大きさに合うように拡大または縮小して得られた第2の画像を表示すると共に、前記受信手段による前記認識結果情報の受信に応じて、前記第1の領域と同じ前記特定の大きさを有し、かつ、前記特定の画像を表示する第2の領域を配置するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御システムである。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、第1の画像が表示された第1の表示装置の表示画面上に、特定の大きさを有し、かつ、
当該第1の画像を拡大しない画像である場合を含む特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する機能と、第2の表示装置の表示画面上に、前記第1の表示装置の表示画面に表示された前記第1の画像を当該第1の表示装置の表示画面の大きさとは異なる当該第2の表示装置の表示画面の大きさに合うように拡大または縮小して得られた第2の画像を表示すると共に、前記第1の領域が配置されていることの認識に応じて、当該第1の領域と同じ前記特定の大きさを有し、かつ、前記特定の画像を表示する第2の領域を配置するように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、
ある表示画面に表示された画像を別の表示画面の大きさに合うように表示した状態で、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示することができる。
請求項2の発明によれば、ある表示画面に表示された画像の一部を特定の大きさに拡大した特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示することができる。
請求項3の発明によれば、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面に、その別の表示画面が小さい場合でもその特定の大きさに近い大きさで表示することができる。
請求項4の発明によれば、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示するよう構成された場合に比較して、その別の表示画面でその特定の画像を見易く表示することができる。
請求項5の発明によれば、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示することができる。
請求項6の発明によれば、ある表示画面に特定の大きさで表示された特定の画像を別の表示画面にもその特定の大きさで表示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[電子会議システムの全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される電子会議システムの全体構成例を示した図である。図示するように、この電子会議システムは、マスタ端末10と、スレーブ端末30a,30bと、サーバ50とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、スレーブ端末30a,30bを示したが、これらを区別する必要がない場合は、スレーブ端末30と称することもある。また、図には、2つのスレーブ端末30しか示していないが、3つ以上のスレーブ端末30を設けてもよい。
【0011】
マスタ端末10は、マスタが使用する端末装置である。ここで、マスタとは、会議における発表者のことである。マスタ端末10は、マスタが発表で参照する資料のデータ(以下、単に「資料」という)を表示する。そして、マスタが資料に対し、図形やテキストの編集、ページめくり等の操作を行うと、スレーブ端末30で資料が同期して表示されるように、操作の内容を示す操作情報をサーバ50に送信する。本実施の形態では、第1の装置の一例として、マスタ端末10を設けている。
【0012】
スレーブ端末30は、スレーブが使用する端末装置である。ここで、スレーブとは、会議における参加者のことである。スレーブは、マスタに交代を依頼してマスタに承認されると、マスタになることもできる。スレーブ端末30は、マスタが発表で参照する資料を表示する。その際、表示する資料がマスタ端末10に表示される資料に同期するように、サーバ50から操作情報を受信する。本実施の形態では、第2の装置の一例として、スレーブ端末30を設けている。
【0013】
サーバ50は、マスタが発表で参照する資料を格納しており、この資料をマスタ端末10及びスレーブ端末30に送信する。また、マスタ端末10から操作情報を受信し、この操作情報をスレーブ端末30に送信することにより、スレーブ端末30に表示された資料がマスタ端末10に表示された資料に同期するように制御する。
【0014】
通信回線80は、マスタ端末10とサーバ50との間、及び、スレーブ端末30とサーバ50との間の情報通信に用いられる通信手段である。通信回線80としては、例えばLAN(Local Area Network)やインターネットを用いるとよい。
【0015】
[サーバ、マスタ端末、スレーブ端末のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態におけるサーバ50のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、サーバ50は、演算手段であるCPU51と、記憶手段であるメインメモリ52及びHDD(Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、CPU51は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、サーバ50は、外部との通信を行うための通信I/F54と、ディスプレイ等の表示デバイス55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56とを備える。
【0016】
また、
図2に示したハードウェア構成は、マスタ端末10及びスレーブ端末30のハードウェア構成としても捉えられる。但し、マスタ端末10について述べるときは、
図2のCPU51、メインメモリ52、HDD53、通信I/F54、表示デバイス55、入力デバイス56をそれぞれ、CPU11、メインメモリ12、HDD13、通信I/F14、表示デバイス15、入力デバイス16と表記するものとし、スレーブ端末30について述べるときは、
図2のCPU51、メインメモリ52、HDD53、通信I/F54、表示デバイス55、入力デバイス56をそれぞれ、CPU31、メインメモリ32、HDD33、通信I/F34、表示デバイス35、入力デバイス36と表記するものとする。
【0017】
尚、本実施の形態では、第1の表示装置の一例として、表示デバイス15を設けており、第1の表示画面の一例として、表示デバイス15の画面を設けている。また、第2の表示装置の一例として、表示デバイス35を設けており、第2の表示画面の一例として、表示デバイス35の画面を設けている。
【0018】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態では、このような電子会議システムにおいて、マスタ端末10に表示されている資料の拡大対象の部分(以下、「拡大対象部分」という)をマスタが拡大した場合に、拡大された内容が表示された領域(以下、「拡大領域」という)の実際のサイズ(以下、「実サイズ」という)と、スレーブ端末30でこれに同期して表示された拡大領域の実サイズとが同じになるようにする。また、マスタ端末10の画面のサイズとスレーブ端末30の画面のサイズとの関係によっては、単に拡大領域の実サイズを同じにしただけでは不都合が生じる場合もあるので、その場合には表示の調整を行ってもよい。尚、マスタ端末10の拡大領域は、第1の領域の一例であり、スレーブ端末30の拡大領域は、第2の領域の一例である。
【0019】
図3は、本実施の形態で表示される画面の基本例を示した図である。この画面の基本例は、マスタ端末10が資料の拡大対象部分を拡大して表示した拡大領域をスレーブ端末30に同期させる場合の画面の例である。図示するように、マスタ端末10で拡大領域201に表示された内容は、スレーブ端末30で拡大領域401にも表示されている。そして、破線601a,601bで示されるように、拡大領域201の実サイズと拡大領域401の実サイズとは同じになっている。
【0020】
図4は、本実施の形態で表示される画面の第1の応用例を示した図である。この画面の第1の応用例は、スレーブ端末30の画面内に拡大領域が収まらない場合の画面の例である。
図4(a)に示すように、マスタ端末10で拡大領域202に表示された内容は、スレーブ端末30で拡大領域402にも表示され、破線602a,602bで示すように、拡大領域202の実サイズと拡大領域402の実サイズとは同じになっている。しかしながら、この場合は、スレーブ端末30の画面が小さいため、拡大領域402は画面からはみ出している。そこで、この例では、
図4(b)に示すように、スレーブ端末30の画面内に収まるように実サイズが調整された拡大領域403をスレーブ端末30に表示する。
【0021】
図5は、本実施の形態で表示される画面の第2の応用例を示した図である。この画面の第2の応用例は、スレーブ端末30で拡大領域が資料の拡大対象部分を拡大したことにならない場合の画面の例である。
図5(a)に示すように、マスタ端末10の画面が小さいため、マスタ端末10に表示された拡大領域204も小さくなっている。従って、拡大領域204と実サイズが同じ拡大領域をスレーブ端末30に表示した場合、スレーブ端末30に表示された拡大領域の実サイズが、スレーブ端末30に表示された資料の拡大対象部分よりも小さくなってしまう。そこで、この例では、
図5(b)に示すように、拡大領域204と実サイズが同じ拡大領域をスレーブ端末30に表示するのではなく、スレーブ端末30に表示された資料の拡大対象部分を枠405で強調表示する。
【0022】
尚、ここでは、
図3〜
図5の画面例を参照して、本実施の形態で実行される処理を説明したが、必ずこれら全ての処理を実行しなければならないというわけではない。例えば、
図3の画面例を参照して説明した処理のみを実行し、
図4及び
図5の画面例を参照して説明した処理は実行しなくてもよい。また、
図3及び
図4の画面例を参照して説明した処理のみを実行し、
図5の画面例を参照して説明した処理は実行しなくてもよい。更に、
図3及び
図5の画面例を参照して説明した処理のみを実行し、
図4の画面例を参照して説明した処理は実行しなくてもよい。但し、以下では、
図3〜
図5の画面例を参照して説明した全ての処理を実行するものとして詳細を述べる。
【0023】
[電子会議システムの機能構成]
図6は、本実施の形態における電子会議システムを構成する各装置の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、本実施の形態における電子会議システムは、マスタ端末10と、スレーブ端末30と、サーバ50とを含む。上述したように、スレーブ端末30は2つ以上あってもよいが、ここでは1つのみを示している。
【0024】
まず、マスタ端末10の機能構成例について説明する。図示するように、マスタ端末10は、送信部21と、受信部22と、操作受付部23と、表示制御部24と、解像度算出部25と、実サイズ算出部26と、拡大対象部分特定部27とを備える。
【0025】
送信部21は、マスタ端末10に資料を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、その資料の資料IDと同期指示とをサーバ50に送信する。また、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、拡大領域を同期させる指示(以下、「拡大領域同期指示」という)をサーバ50に送信する。この拡大領域同期指示は、実サイズ算出部26により算出された拡大領域の実サイズと、拡大対象部分特定部27により特定された資料の拡大対象部分を示す情報とを含む。本実施の形態では、認識結果情報の一例として、拡大領域同期指示を用いており、認識結果情報を送信する送信手段の一例として、送信部21を設けている。また、マスタ端末10が表示制御装置の一例であるとすると、送信部21は、第2の表示装置の表示画面上に第2の領域を配置するように制御する制御手段の一例でもある。
【0026】
受信部22は、マスタ端末10に資料を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、その資料をサーバ50から受信する。この資料は、サーバ50において、受信部62がマスタ端末10から受信した資料IDをキーとして取り出され、送信部61により送信されたものである。
【0027】
操作受付部23は、マスタ端末10に資料を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、その資料の資料IDを入力する操作を受け付ける。また、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、拡大領域を表示する操作を受け付ける。
【0028】
表示制御部24は、マスタ端末10に資料を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、その資料を表示するように表示デバイス15を制御する。また、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際には、これまで表示されていた資料に重ねて拡大領域を表示するように表示デバイス15を制御する。
【0029】
解像度算出部25は、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際に、マスタ端末10の解像度(dpi)を算出する。ここで、マスタ端末10の解像度は、JavaScript(登録商標)のAPI(Application Programming Interface)を利用して取得できるウィンドウサイズ、devicePixelRatioの値等から算出するとよい。尚、本明細書において、「ウィンドウサイズ」とは、ウィンドウに含まれる縦方向のピクセル数及び横方向のピクセル数で表されるサイズのことである。
【0030】
実サイズ算出部26は、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際に、拡大領域の実サイズを算出する。具体的には、拡大領域のピクセルサイズを、解像度算出部25により算出された解像度で除することにより、拡大領域の実サイズを算出する。尚、本明細書において、ある領域の「ピクセルサイズ」とは、その領域に含まれる縦方向のピクセル数及び横方向のピクセル数で表されるサイズのことである。ここで、拡大領域のピクセルサイズとしては、拡大率が決められている場合には、その拡大率に対して1つのピクセルサイズを予め設定しておけばよい。或いは、複数の拡大率か1つの拡大率をマスタが選択可能な場合には、複数の拡大率のそれぞれに対して1つのピクセルサイズを予め設定しておけばよい。本実施の形態では、第1の表示装置の表示画面上に特定の大きさを有する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段の一例として、実サイズ算出部26を設けている。
【0031】
拡大対象部分特定部27は、マスタ端末10に拡大領域を表示してこれをスレーブ端末30に同期させる際に、拡大対象部分を特定し、拡大対象部分を示す情報を生成する。ここで、拡大対象部分を示す情報は、拡大対象部分の中心の位置と、拡大対象部分のピクセルサイズとを含むものとする。このうち、拡大対象部分の中心の位置は、拡大領域が配置された位置から求めるとよい。また、拡大対象部分のピクセルサイズとしては、予め定められた拡大率又はマスタが選択した拡大率に応じて予め定められたものを用いればよい。本実施の形態では、第1の表示装置の表示画面上に特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段の一例として、拡大対象部分特定部27を設けている。
【0032】
次に、スレーブ端末30の機能構成例について説明する。図示するように、スレーブ端末30は、送信部41と、受信部42と、操作受付部43と、表示制御部44と、解像度算出部45と、ピクセルサイズ算出部46と、ピクセルサイズ調整部47と、拡大率算出部48と、拡大率評価部49とを備える。
【0033】
送信部41は、マスタ端末10に表示された資料にスレーブ端末30が同期する際には特に機能しないが、その他の場面で各種操作を示す操作情報をサーバ50に送信する。
【0034】
受信部42は、マスタ端末10に表示された資料にスレーブ端末30が同期する際には、その資料を受信する。この資料は、サーバ50において、受信部62がマスタ端末10から受信した資料IDをキーとして取り出され、送信部61により送信されたものである。また、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際には、拡大領域同期指示をサーバ50から受信する。この拡大領域同期指示は、上述したように、拡大領域の実サイズと、資料の拡大対象部分を示す情報とを含む。本実施の形態では、認識結果情報を受信する受信手段の一例として、受信部42を設けている。また、スレーブ端末30が表示制御装置の一例であるとすると、受信部42は、第1の表示装置の表示画面上に特定の大きさを有しかつ特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段の一例でもある。
【0035】
操作受付部43は、マスタ端末10に表示された資料にスレーブ端末30が同期する際には特に機能しないが、その他の場面で各種操作を受け付ける。
【0036】
表示制御部44は、マスタ端末10に表示された資料にスレーブ端末30が同期する際には、その資料を表示するように表示デバイス35を制御する。また、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際には、これまで表示されていた資料に重ねて拡大領域を表示するように表示デバイス35を制御する。本実施の形態では、第2の表示装置の表示画面上に第2の領域を配置するように制御する制御手段の一例として、表示制御部44を設けている。
【0037】
解像度算出部45は、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際に、スレーブ端末30の解像度(dpi)を算出する。ここで、スレーブ端末30の解像度も、JavaScript(登録商標)のAPI(Application Programming Interface)を利用して取得できるウィンドウサイズ、devicePixelRatioの値等から算出するとよい。
【0038】
ピクセルサイズ算出部46は、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際に、拡大領域のピクセルサイズを算出する。具体的には、サーバ50から受信した拡大領域同期指示に含まれる拡大領域の実サイズに、解像度算出部45により算出された解像度を乗ずることにより、拡大領域のピクセルサイズを算出する。
【0039】
ピクセルサイズ調整部47は、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際に、ピクセルサイズ算出部46により算出された拡大領域のピクセルサイズが、スレーブ端末30のウィンドウサイズを超過していることを検知する。そして、拡大領域のピクセルサイズを、超過している方向についてはウィンドウサイズと等しくなるように縮小し、もう一つの方向についてもこれと同じ縮小率で縮小する。
【0040】
拡大率算出部48は、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際に、スレーブ端末30に表示された資料の拡大対象部分を拡大して拡大領域に表示する際の拡大率を算出する。具体的には、ピクセルサイズ算出部46により算出された拡大領域のピクセルサイズ又はピクセルサイズ調整部47による調整が行われた場合にはその調整後の拡大領域のピクセルサイズを、サーバ50から受信した拡大領域同期指示に含まれる拡大対象部分のピクセルサイズで除することにより、拡大率を算出する。
【0041】
拡大率評価部49は、マスタ端末10に表示された拡大領域にスレーブ端末30が同期する際に、拡大率算出部48により算出された拡大率が1より大きいかどうかを評価する。そして、拡大率が1より大きければ、拡大領域を表示するよう表示制御部44に指示し、拡大率が1以下であれば、拡大領域は表示せずに、サーバ50から受信した拡大領域同期指示に含まれる情報により示される拡大対象部分を強調表示するよう表示制御部44に指示する。
【0042】
次に、サーバ50の機能構成例について説明する。図示するように、サーバ50は、送信部61と、受信部62とを備える。
【0043】
送信部61は、マスタ端末10に表示された資料とスレーブ端末30に表示された資料とを同期させる際には、その資料をマスタ端末10に送信する。また、マスタ端末10に表示された拡大領域とスレーブ端末30に表示された拡大領域とを同期させる際には、拡大領域同期指示をスレーブ端末30に送信する。
【0044】
受信部62は、マスタ端末10に表示された資料とスレーブ端末30に表示された資料とを同期させる際には、その資料の資料IDと同期指示とをマスタ端末10から受信する。また、マスタ端末10に表示された拡大領域とスレーブ端末30に表示された拡大領域とを同期させる際には、拡大領域同期指示をマスタ端末10から受信する。更に、マスタ端末10に表示された拡大領域とスレーブ端末30に表示された拡大領域とを同期させる際ではないが、各種操作を示す操作情報をスレーブ端末30から受信することもある。
【0045】
尚、
図6に示した機能構成例では、サーバ50は、マスタ端末10から送信された情報をスレーブ端末30へ送信する機能を主たる機能としたが、マスタ端末10及びスレーブ端末30が備える機能をサーバ50に持たせてもよい。例えば、マスタ端末10が、解像度算出部25、実サイズ算出部26、拡大対象部分特定部27を有するのではなく、サーバ50の受信部62が、これらの機能を有するようにし、スレーブ端末30が、解像度算出部45、ピクセルサイズ算出部46、ピクセルサイズ調整部47、拡大率算出部48、拡大率評価部49を有するのではなく、サーバ50の送信部61が、これらの機能を有するようにするとよい。但し、受信部62が、マスタ端末10の解像度を算出するのではなく、マスタ端末10から予め解像度を取得したり、送信部61が、スレーブ端末30の解像度を算出するのではなく、スレーブ端末30から予め解像度を取得したりする等の変更は必要である。尚、この場合、サーバ50は、表示制御装置の一例となり、受信部62は、第1の表示装置の表示画面上に特定の大きさを有しかつ特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する認識手段の一例となり、送信部61は、第2の表示装置の表示画面上に第2の領域を配置するように制御する制御手段の一例となる。或いは、サーバ50を設けずに、マスタ端末10がスレーブ端末30に直接操作情報を送信するようにしてもよい。但し、以下では、
図6に示した機能構成例を前提として動作を説明するものとする。
【0046】
[電子会議システムの動作]
図7は、本実施の形態における電子会議システムで拡大領域を同期させる際のマスタ端末10の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作に先立ち、マスタ端末10では、受信部22が、サーバ50から資料を受信し、表示制御部24の制御の下、この資料がマスタ端末10に表示されているものとする。
【0047】
図示するように、マスタ端末10では、マスタが拡大領域を表示する操作を行うと、操作受付部23がこの操作を受け付ける(ステップ101)。そして、表示制御部24が、拡大領域を表示するように表示デバイス15を制御する(ステップ102)。これにより、マスタ端末10には、拡大領域が表示される。
【0048】
すると、解像度算出部25が、マスタ端末10の解像度(dpi)を算出する(ステップ103)。また、実サイズ算出部26が、予め定められた拡大領域のピクセルサイズを、ステップ103で算出された解像度で除することにより、拡大領域の実サイズを算出する(ステップ104)。
【0049】
一方で、拡大対象部分特定部27が、マスタ端末10に表示された資料の拡大対象部分を特定する(ステップ105)。
【0050】
そして、最後に、送信部21が、ステップ104で算出された拡大領域の実サイズと、ステップ105で特定された拡大対象部分を示す情報とを含む拡大領域同期指示をサーバ50に送信する(ステップ106)。これにより、図示しないが、サーバ50では、受信部62が拡大領域同期指示を受信し、送信部61がこれをスレーブ端末30に送信する。
【0051】
図8は、本実施の形態における電子会議システムで拡大領域を同期させる際のスレーブ端末30の動作例を示したフローチャートである。
【0052】
図示するように、スレーブ端末30では、受信部42が、上記のようにしてサーバ50から送信された拡大領域同期指示を受信する(ステップ301)。
【0053】
すると、解像度算出部45が、スレーブ端末30の解像度(dpi)を算出する(ステップ302)。また、ピクセルサイズ算出部46が、ステップ301で受信した拡大領域同期指示に含まれる拡大領域の実サイズに、ステップ302で算出された解像度を乗ずることにより、拡大領域のピクセルサイズを算出する(ステップ303)。その後、ピクセルサイズ調整部47が、ステップ303で算出された拡大領域のピクセルサイズがウィンドウサイズよりも大きいかどうかを判定する(ステップ304)。その結果、拡大領域のピクセルサイズがウィンドウサイズよりも大きいと判定されれば、ピクセルサイズ調整部47は、拡大領域のピクセルサイズをウィンドウサイズに合わせて調整する(ステップ305)。具体的には、拡大領域のピクセルサイズを、ウィンドウサイズを超過している方向についてはウィンドウサイズと等しくなるように縮小し、もう一つの方向についてもこれと同じ縮小率で縮小する。
【0054】
次に、拡大率算出部48が、ステップ303で算出された拡大領域のピクセルサイズ、又は、拡大領域のピクセルサイズがウィンドウサイズよりも大きければステップ305で調整された拡大領域のピクセルサイズを、ステップ301で受信した拡大領域同期指示に含まれる拡大対象部分のピクセルサイズで除することにより、拡大率を算出する(ステップ306)。その後、拡大率評価部49が、ステップ306で算出された拡大率が1よりも大きいかどうかを判定する(ステップ307)。その結果、拡大率が1よりも大きいと判定されれば、表示制御部44が、拡大領域を表示するように表示デバイス35を制御する(ステップ308)。これにより、スレーブ端末30には、拡大領域が表示される。一方、拡大率が1よりも大きくないと判定されれば、表示制御部44が、ステップ301で受信した拡大領域同期指示に含まれる情報により示される拡大対象部分を強調表示するように表示デバイス35を制御する(ステップ309)。これにより、スレーブ端末30では、資料の拡大対象部分が例えば破線で強調表示される。
【0055】
ところで、本実施の形態では、マスタ端末10に表示されている資料の拡大対象部分をマスタが拡大した場合に、拡大領域の実サイズとスレーブ端末30でこれに同期して表示された拡大領域の実サイズとが同じになるようにしたが、これには限らない。マスタ端末10に表示されている資料を拡大しない場合に、資料の部分を表示する領域の実サイズとこれに同期して表示された同じ部分を表示する領域の実サイズとが同じになるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、本発明を電子会議システムに適用した場合について述べたが、電子会議システム以外のシステムに適用してもよい。電子会議システム以外のシステムとしては、例えば、学校等における講義システムが考えられる。このようなシステムにおいて、マスタは教師であり、スレーブは生徒である。また、このようなシステムにおいて、同期させる対象は、資料でなく、教材としてもよい。或いは、電子会議システム以外のシステム一般を想定すると、同期させる対象は画像としてもよい。
【0057】
[プログラム]
本実施の形態におけるマスタ端末10、スレーブ端末30、サーバ50が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0058】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、第1の表示装置の表示画面上に、特定の大きさを有し、かつ、特定の画像を表示する第1の領域が配置されていることを認識する機能と、第1の領域が配置されていることの認識に応じて、第2の表示装置の表示画面上に、その特定の大きさを有し、かつ、その特定の画像を表示する第2の領域を配置するように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0059】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。