(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、トナーカートリッジの一例としてのプロセスカートリッジ1は、感光体ドラム21を有するドラムユニット2と、現像ローラ31を有する現像ユニット3とを主に備えて構成されている。
【0011】
図2に示すように、ドラムユニット2は、ドラムフレーム20と、感光体ドラム21と、帯電ローラ22と、クリーニングブレード23とを主に備えている。
感光体ドラム21は、導電性を有する円筒状のドラムの外周面に感光層を形成した部材であり、ドラムフレーム20に回転可能に支持されている。
帯電ローラ22は、感光体ドラム21の表面を一様に帯電させるための部材であり、感光体ドラム21と同様に、ドラムフレーム20に回転可能に支持されている。
【0012】
クリーニングブレード23は、感光体ドラム21の表面に付着したトナーを掻き取ることで感光体ドラム21の表面をクリーニングする部材であり、回転する感光体ドラム21の表面に摺接するように配置されている。
ドラムフレーム20は、感光体ドラム21、帯電ローラ22およびクリーニングブレード23を支持する部材である。ドラムフレーム20には、クリーニングブレード23によって掻き取られたトナーが収容される廃トナー収容室20Aが形成されている。
【0013】
現像ユニット3は、筐体の一例としての現像フレーム30と、現像ローラ31と、供給ローラ32と、アジテータ34とを主に備えている。
現像ローラ31は、感光体ドラム21の表面に形成される静電潜像にトナーを供給する部材であり、その表面にトナーを担持可能に構成されている。
供給ローラ32は、現像ローラ31にトナーを供給する部材である。
【0014】
アジテータ34は、現像ユニット3内に収容されたトナーを攪拌しつつ供給ローラ32に供給する部材である。
現像フレーム30は、現像ローラ31、供給ローラ32およびアジテータ34を回転可能に支持する部材である。現像フレーム30には、トナーを収容する収容室30Aが形成されている。現像フレーム30およびアジテータ34の詳細な構成については後述する。
【0015】
このように構成されたプロセスカートリッジ1では、所定の回転方向に回転する感光体ドラム21の表面が、帯電ローラ22によって一様に帯電された後、図示しない露光装置から出射された光ビーム(破線参照)によって露光されることで、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。一方、収容室30A内に収容されたトナーは、アジテータ34によって攪拌されながら供給ローラ32に供給され、供給ローラ32から現像ローラ31に供給されて現像ローラ31の表面に担持される。
【0016】
そして、現像ローラ31の表面に担持されたトナーが、現像ローラ31から感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム21の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、図示しない記録紙などの記録媒体に直接または中間転写体などを介して転写される。感光体ドラム21の表面に転写されずに残ったトナーは、クリーニングブレード23によって掻き取られて廃トナー収容室20Aに収容される。
【0017】
アジテータ34は、軸部材110と、可撓性シートの一例としての攪拌シート120と、弾性部材130とを主に備えている。
軸部材110は、現像ローラ31の回転軸が延びる方向に沿って延びており、現像フレーム30に回転可能に支持されている。軸部材110は、図示しないモータなどの駆動源から駆動力が入力されることで、
図2の反時計回りに回転駆動するように設けられている。なお、以下の説明では、軸部材110の回転軸線方向を、単に「軸線方向」という。
【0018】
攪拌シート120は、可撓性を有するシート状の部材であり、一例として、樹脂などから軸線方向に長い矩形状に形成されている。攪拌シート120は、収容室30A内に配置され、基端部121が軸部材110に支持されている。詳しくは、攪拌シート120は、基端部121が接着などにより軸部材110に固定されている。また、攪拌シート120は、先端部122が収容室30Aの内面に接触するように設けられている。攪拌シート120は、軸部材110が
図2の反時計回りに回転することにより、軸部材110とともに回転し、収容室30A内のトナーを攪拌しながら、トナーを収容室30A内から後述する現像室30B内へ供給する。
【0019】
攪拌シート120は、軸部材110が回転したときにトナーを搬送する面である第1面120Aと、第1面120Aとは反対側の面である第2面120Bとを有している。さらに説明すると、
図2に示す攪拌シート120が現像フレーム30の後述する第1壁30Fと第2壁30Sとの間で挟まれて支持された状態で、第1面120Aは、第1壁30Fに接触する側の面であり、第2面120Bは、第2壁30Sに弾性部材130を介して接触する側の面である。
【0020】
図3(a)に示すように、弾性部材130は、弾性変形可能なブロック状の部材であり、一例として、発泡ウレタンなどから形成されている。弾性部材130は、攪拌シート120の第2面120Bに接着などにより固着された状態で配置されている。また、弾性部材130は、攪拌シート120の先端部122に配置されている。詳しくは、弾性部材130は、撓んでいない状態の攪拌シート120の軸線方向に直交する方向における一方の端面131の位置を、攪拌シート120の先端122Eの位置に揃えた状態で、攪拌シート120の先端122Eから基端121E(
図2参照)側に向けて延びるように配置されている。弾性部材130は、3つ設けられており、軸線方向における攪拌シート120の両端部と中央部に1つずつ配置されている。
【0021】
図3(b)に示すように、軸線方向において、3つの弾性部材130の長さL311,L312,L313の合計L31(図示せず)は、攪拌シート120の長さL21の10〜100%であることが望ましい。本実施形態では、一例として、3つの弾性部材130の長さL311,L312,L313の合計L31は、攪拌シート120の長さL21の約10%となっている。
【0022】
また、撓んでいない状態の攪拌シート120の軸線方向に直交する方向において、弾性部材130の長さL32は、攪拌シート120の長さL22の15〜70%であることが望ましい。本実施形態では、一例として、弾性部材130の長さL32は、攪拌シート120の長さL22の約50%となっている。
【0023】
また、攪拌シート120の弾性部材130と対向する部分の面積、言い換えれば、攪拌シート120の弾性部材130が配置される部分の面積S11,S12,S13の合計S1(図示せず)は、攪拌シート120の面積S2の2〜50%であることが望ましい。本実施形態では、一例として、攪拌シート120の弾性部材130が配置される部分の面積S11,S12,S13の合計S1は、攪拌シート120の面積S2の約5%となっている。
【0024】
図2に示すように、弾性部材130は、攪拌シート120が現像フレーム30の第1壁30Fと第2壁30Sとの間で挟まれて支持された状態で、攪拌シート120の先端122E側の部分が攪拌シート120と第2壁30Sとの間に配置される。
【0025】
現像フレーム30は、トナーを収容する収容室30Aと、現像ローラ31や供給ローラ32が配置される現像室30Bとを有しており、第1現像フレーム210と、第2現像フレーム220とから主に構成されている。
【0026】
第1現像フレーム210は、軸線方向で対向する第1側壁211(
図1参照)および第2側壁212と、軸線方向に直交する方向で対向して側壁211,212の端同士をつなぐ第3側壁213および第4側壁214と、側壁211,212,214の第2現像フレーム220が配置される側とは反対側の端同士をつなぐ第5側壁215と、収容室30Aと現像室30Bを仕切る仕切壁216とを主に有している。第1現像フレーム210の第2現像フレーム220が配置される側は開放されており、アジテータ34を収容室30A内に取り付けるための取付用開口217(
図4参照)となっている。
【0027】
収容室30Aは、第1側壁211、第2側壁212、第4側壁214、第5側壁215、仕切壁216および第2現像フレーム220によって構成されている。また、現像室30Bは、第1側壁211、第2側壁212、第3側壁213、第5側壁215および仕切壁216によって構成されている。
【0028】
仕切壁216は、第5側壁215から延びる第1部分216Aと、第1部分216Aの端から傾斜して延びる第2部分216Bと、第2部分216Bの端から延びて第3側壁213の端につながる第3部分216Cとを有している。仕切壁216の第2部分216Bは、第1壁30Fであり、収容室30Aと現像室30Bを連通させる開口30Cが形成されている。開口30Cは、収容室30A内のトナーを収容室30A外、具体的には、現像室30Bに送るための開口である。
【0029】
第2現像フレーム220は、第1現像フレーム210とともに収容室30Aの壁を構成する部材であり、第1現像フレーム210の取付用開口217(
図4参照)を覆うように配置されている。第2現像フレーム220は、接着や溶着などにより、第1現像フレーム210の側壁211〜214および仕切壁216の第3部分216Cに固着されている。第2現像フレーム220は、第1壁30Fと所定の間隔D1をあけて対向するように設けられた第2壁30Sを有している。
【0030】
第2壁30Sは、開口30Cを塞ぐ位置に配置された攪拌シート120、具体的には、第1壁30Fに略平行となるように配置された攪拌シート120を、第1壁30Fとの間で支持する壁である。詳しくは、第2壁30Sは、第1壁30Fに略平行となるように配置された攪拌シート120の先端部122および弾性部材130を第1壁30Fとの間で挟むように設けられている。さらに説明すると、第2壁30Sは、攪拌シート120を第1壁30Fとの間で挟んで、攪拌シート120の第1面120Aを第1壁30Fに接触させつつ、第2壁30Sは、攪拌シート120の第2面120Bに弾性部材130を介して接触するように設けられている。
【0031】
第1壁30Fと第2壁30Sの間隔D1は、攪拌シート120と弾性部材130の厚みの合計D2(
図3(a)参照)よりも小さくなっている。このため、攪拌シート120が弾性部材130とともに第1壁30Fと第2壁30Sとの間で挟まれて支持された状態で、弾性部材130は、一部が押しつぶされて弾性変形した状態となっている。
【0032】
次に、プロセスカートリッジ1の組立作業について説明する。
まず、
図4(a)に示すように、第1現像フレーム210に、現像ローラ31や供給ローラ32、アジテータ34を組み付ける。
【0033】
アジテータ34は、第1現像フレーム210の取付用開口217を通して収容室30A内に配置され、軸部材110の端部を、第1側壁211(
図1参照)と第2側壁212に形成された一対の軸受部218に回転可能に係合させることで第1現像フレーム210に組み付けられる。その後、アジテータ34を、必要に応じて回転させて、攪拌シート120が第1現像フレーム210の第1壁30Fと略平行となる姿勢、言い換えると、攪拌シート120が第1壁30Fの開口30Cを覆って塞ぐような姿勢に配置する。
【0034】
次に、
図4(b)に示すように、第2現像フレーム220を、取付用開口217を覆うようにして第1現像フレーム210に取り付ける。このとき、攪拌シート120と弾性部材130は、第1壁30Fと第2現像フレーム220の第2壁30Sとの間で挟まれる。そして、第2現像フレーム220を第1現像フレーム210に接着や溶着などにより固着することで、
図2に示すように、弾性部材130の一部がつぶれるように弾性変形し、この状態で、攪拌シート120と弾性部材130が第1壁30Fと第2壁30Sとの間で支持される。
【0035】
その後、現像ユニット3とドラムユニット2を組み付けることで、プロセスカートリッジ1が組み立てられる。そして、現像フレーム30に設けられた図示しないトナー充填口から収容室30A内にトナーを充填する。
【0036】
次に、アジテータ34の動作について説明する。
図2に示す新品状態から、軸部材110に駆動力が入力されて軸部材110が
図2の反時計回りに回転し始めると、軸部材110とともに攪拌シート120が回転する。
【0037】
そうすると、
図5(a)に示すように、攪拌シート120と弾性部材130が、第1壁30Fと第2壁30Sとの間から少しずつ引き抜かれていく。そして、軸部材110が
図2の初期位置から所定角度回転すると、
図5(b)に示すように、攪拌シート120と弾性部材130が第1壁30Fと第2壁30Sとの間から完全に引き抜かれる。これにより、第1壁30Fの開口30Cが開封され、開口30Cを介して収容室30Aと現像室30Bとが連通する。
【0038】
攪拌シート120は、第1壁30Fと第2壁30Sとの間から引き抜かれた後は、
図5(c)に示すように、軸部材110の回転により、軸部材110とともに回転して、収容室30A内のトナーTを攪拌しながら開口30Cに向けて搬送していき、開口30Cを通して現像室30B内に供給する。攪拌シート120は、第1壁30Fと第2壁30Sとの間から引き抜かれた後は、このようなトナーTの攪拌と供給を行い、再び第1壁30Fと第2壁30Sとの間に入り込むことはない。
【0039】
現像室30B内に供給されたトナーTは、供給ローラ32により、現像ローラ31に供給されて現像ローラ31の表面に担持される。
【0040】
以上説明した本実施形態によれば、攪拌シート120と開口30Cが形成された第1壁30Fとを溶着することなく、攪拌シート120によって開口30Cを塞ぐことができるので、開口30Cからトナーが漏れるのを抑制することができる。一方で、プロセスカートリッジ1を組み立てる際には、攪拌シート120を第1壁30Fに溶着する必要がないので、従来技術のようにシール部材を開口が形成された壁に熱溶着により取り付ける構成と比較して、組み立てのための工数が減るため、組立作業の作業効率を向上させることができる。
【0041】
また、攪拌シート120と第2壁30Sとの間に弾性部材130が配置されているので、弾性部材130により攪拌シート120を第1壁30Fに押し当てることができる。これにより、攪拌シート120と第1壁30Fとの密着性を高めることができるので、開口30Cからトナーが漏れるのをより抑制することができる。
【0042】
また、弾性部材130が軸線方向における攪拌シート120の両端部に配置されているので、弾性部材130により攪拌シート120の両端部を第1壁30Fに押し当てることができる。これにより、攪拌シート120の両端部と第1壁30Fとの間に隙間ができにくくなるので、開口30Cからトナーが漏れるのをより確実に抑制することができる。
【0043】
また、弾性部材130が攪拌シート120の第2面120B、言い換えると、軸部材110を中心とした攪拌シート120の回転方向の後側の面に配置されているので、攪拌シート120が第1壁30Fと第2壁30Sの間から引き抜かれた後には、弾性部材130によって攪拌シート120を回転方向の後側から支えることができる。また、弾性部材が攪拌シート120の回転方向の前側の面に配置されると、弾性部材によって攪拌シート120の回転方向の前側に凹凸ができてしまうが、本実施形態では、弾性部材130が攪拌シート120の回転方向の後側の面に配置されているので、攪拌シート120の回転方向の前側に凹凸ができない。これらにより、攪拌シート120によって収容室30A内のトナーを良好に撹拌したり、現像室30Bへ良好に供給したりすることができる。
【0044】
なお、第1実施形態では、弾性部材130が攪拌シート120に固着されていたが、これに限定されず、例えば、弾性部材は、現像フレーム30の第2壁30Sに固着されていてもよい。
【0045】
また、第1実施形態では、
図3に示したように、弾性部材130が、軸線方向における攪拌シート120の両端部と中央部に1つずつ配置されていたが、これに限定されない。例えば、弾性部材は、軸線方向において攪拌シート120の全体にわたって配置されていてもよい。この場合、軸線方向において、弾性部材の長さは、攪拌シート120の長さの100%となる。つまり、軸線方向における弾性部材の長さは、軸線方向における攪拌シート120の長さと等しくなる。
【0046】
また、第1実施形態では、弾性部材130が、一方の端面131の位置を攪拌シート120の先端122Eの位置に揃えた状態で配置されていたが、これに限定されない。例えば、弾性部材は、攪拌シートの先端から離れた位置に配置されていてもよい。
【0047】
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前記した第1実施形態と同様の構成要素については同一符号を付して適宜説明を省略し、第1実施形態と異なる点について詳細に説明する。
【0048】
図6および
図7に示すように、本実施形態のアジテータ34は、軸部材110と、攪拌シート120とを主に備えており、第1実施形態で説明した弾性部材130は備えていない。そして、攪拌シート120は、凸部としての第1凸部123および第2凸部124を有している。
【0049】
第1凸部123および第2凸部124は、軸部材110の回転方向上流側である
図7の手前側に向けて突出するように形成された凸部である。具体的に、第1凸部123および第2凸部124は、攪拌シート120の一部を略U字形状に屈曲させて形成されている。第1凸部123は、
図6に示す攪拌シート120が第1壁30Fと後述する壁221,222との間で挟まれて支持された状態で、第1壁30Fの開口30Cよりも先端122E側の部分と対向するように設けられている。また、第2凸部124は、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間で挟まれて支持された状態で、第1壁30Fの開口30Cよりも基端121E側の部分と対向するように設けられている。
【0050】
第1凸部123の突出量P1および第2凸部124の突出量P2は、一例として、3〜7mmであることが望ましく、4〜6mmであることがより望ましく、5mmであることがさらに望ましい。また、突出量P1と突出量P2とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、突出量P1,P2は、攪拌シート120の凸部123,124を構成していない部分からの突出量である。
【0051】
本実施形態において、攪拌シート120の第2面120Bは、第1実施形態とは異なり、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間で挟まれて支持された状態で、壁221,222に直接接触している。
【0052】
図6に示すように、第2現像フレーム220は、第2壁として、第3壁221および第4壁222を有している。第3壁221は、第1壁30Fの開口30Cよりも先端122E側の部分と対向するように設けられた壁であり、凹部としての第1凹部223を有している。また、第4壁222は、第1壁30Fの開口30Cよりも基端121E側の部分と対向するように設けられた壁であり、凹部としての第2凹部224を有している。
【0053】
第1凹部223は、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間で支持された状態で、攪拌シート120の第1凸部123が係合する凹部である。また、第2凹部224は、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間で支持された状態で、攪拌シート120の第2凸部124が係合する凹部である。
【0054】
図6および
図8に示すように、第4壁222は、連結壁225によって第2現像フレーム220と連結されている。連結壁225には、トナーを収容室30Aから第1壁30Fの開口30Cを通して現像室30Bに送るための供給用開口226が形成されている。
【0055】
本実施形態のプロセスカートリッジ1の組み立てにおいて、アジテータ34を第1現像フレーム210に組み付けた後は、アジテータ34を、必要に応じて回転させて、攪拌シート120が第1壁30Fの開口30Cを覆って塞ぐような姿勢に配置する。そして、第2現像フレーム220を第1現像フレーム210に取り付ける際には、攪拌シート120の第1凸部123を第3壁221の第1凹部223に係合させ、第2凸部124を第4壁222の第2凹部224に係合させた上で、攪拌シート120を第1壁30Fと壁221,222との間で挟まれた状態に配置する。
【0056】
図6に示す新品状態から、軸部材110の回転により、攪拌シート120が軸部材110とともに回転すると、攪拌シート120が引っ張られることで、凸部123,124が引き伸ばされるように変形しながら凹部223,224から外れ、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間から引き抜かれていく。そして、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間から完全に引き抜かれると、開口30Cが開封され、開口30Cを介して収容室30Aと現像室30Bとが連通する。その後、攪拌シート120は、軸部材110の回転により、軸部材110とともに回転して、トナーTの攪拌と供給を行い、再び第1壁30Fと第2壁30Sとの間に入り込むことはない。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、攪拌シート120によって開口30Cを塞ぐことができるので、開口30Cからトナーが漏れるのを抑制することができる。また、プロセスカートリッジ1を組み立てる際には、攪拌シート120を第1壁30Fに溶着する必要がないので、組立作業の作業効率を向上させることができる。
【0058】
また、攪拌シート120が第1壁30Fと壁221,222との間で支持された状態で、攪拌シート120の凸部123,124と壁221,222の凹部223,224とが係合しているので、プロセスカートリッジ1を運送する際の振動などによって第1壁30Fと壁221,222との間で攪拌シート120が動いてずれるのを抑制することができる。これにより、攪拌シート120で開口30Cを覆った状態を維持できるので、開口30Cからトナーが漏れるのをより確実に抑制することができる。
【0059】
なお、第2実施形態では、凸部123,124が軸部材110の回転方向上流側に向けて突出するように形成されていたが、これに限定されず、凸部は、軸部材の回転方向下流側に向けて突出するように形成されていてもよい。例えば、
図9に示す形態では、攪拌シート120が第1壁30Fと第3壁221との間で支持された状態で、第2凸部125が、軸部材110の回転方向下流側である現像室30B側に向けて突出するように形成されている。そして、この形態では、第2凸部125が係合可能な第2凹部219が、第1壁30Fの開口30Cよりも基端121E側の部分に形成されている。このような構成によれば、第2凸部125と第2凹部219の係合によって、攪拌シート120と第1壁30Fの開口30Cよりも基端121E側の部分との間の、収容室30A内から開口30Cまでの距離をかせぐことができるので、トナーが漏れるのを一層抑制することができる。
【0060】
また、第2実施形態では、現像フレーム30が第2壁として2つの壁221,222を有し、攪拌シート120が壁221,222に形成された2つの凹部223,224に係合可能な2つの凸部123,124を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、
図10に示すように、現像フレーム30は、第2壁として第3壁221だけを有する構成、つまり、
図6に示した第4壁222や連結壁225を備えない構成であってもよい。また、この場合、攪拌シート120は、第3壁221に形成された凹部223に係合可能な凸部123を1つだけ有する構成とすることができる。
【0061】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0062】
例えば、前記第1実施形態では、可撓性シートとしての攪拌シート120に、弾性部材130が設けられ、前記第2実施形態では、攪拌シート120に、凸部123,124が形成されていたが、これに限定されない。例えば、可撓性シートは、弾性部材や凸部が設けられていない構成であってもよい。このような構成によれば、従来技術のようにシール部材を開口が形成された壁に熱溶着により取り付ける構成と比較して、軸部材の回転により可撓性シートを第1壁と第2壁との間から引き抜く際に、比較的小さな力で可撓性シートを引き抜けるので、軸部材を回転させるモータなどの駆動源にかかる負荷を低減することができる。
【0063】
また、前記実施形態では、可撓性シートとして、アジテータ34の攪拌シート120を例示したが、これに限定されない。例えば、可撓性シートは、特許文献1のシール部材のように、アジテータの攪拌シートとは別に設けられて軸部材に支持されたシート状の部材であってもよい。
【0064】
また、前記実施形態では、トナーカートリッジとして、ドラムユニット2と現像ユニット3とを備えたプロセスカートリッジ1を例示したが、これに限定されない。例えば、
図1を参考に説明すると、トナーカートリッジは、現像ユニット3と同様の構成、つまり、ドラムユニット2を備えない構成であってもよい。また、トナーカートリッジは、ドラムユニット2や現像ローラ31、供給ローラ32を備えずに、主に、収容室30Aを形成する筐体と、アジテータ34とを備える構成であってもよい。