(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明における実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
なお、各図面は、本発明における実施形態を説明するものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面において、同様の構成には同じ符号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。
【0024】
また、以下の説明に用いる図面において、本発明における実施形態の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0025】
なお、一部繰り返しとなるが、本実施形態の説明における用語について整理しておく。
【0026】
「再生可能エネルギー(RE:Renewable Energy)電源」とは、太陽光発電装置及び風力発電装置などのように、自然の力で補充されるエネルギー資源を用いて電気を発生させる装置(発電装置)である。ただし、RE電源は、出力電力が外部の環境(天候など)の影響を受けやすい発電装置である。
【0027】
一方、火力発電装置、水力発電装置、又は、揚水発電装置などは、外部の環境(例えば、天候)の影響を受けにくい発電装置である。さらに、これらの発電装置は、発電出力の調整が容易な発電装置である。このような発電装置は、「枯渇性エネルギー(Non-renewable energy or exhaustible energy)電源」と呼ばれることもある。
【0028】
以下、外部の環境の影響を受けにくい発電装置を、第1の発電装置と呼ぶ。また、外部の環境の影響を受けやすい発電装置(RE電源)を第2の発電装置と呼ぶ。なお、第1の発電装置は、蓄電池のように電力を蓄積する装置を含んでもよい。
【0029】
各発電装置の相対的な特徴をまとめると、次のとおりである。
【0030】
第1の発電装置
(1)発電出力が、外部環境(例えば、天候)に影響されにくい。
【0032】
(3)予測誤差及び短期変動予測値が、小さい。
【0034】
第2の発電装置
(1)運転コストが低い。
【0035】
(2)発電出力が、外部環境(例えば、天候)の影響を受けやすい。
【0036】
(3)予測誤差及び短期変動予測値が、大きい。
【0037】
(4)発電出力の抑制に対して、コストが発生する。
【0038】
「起動停止計画」とは、既に説明しているが、電力系統に含まれる発電装置の起動及び停止に関する計画である。本発明における実施形態は、管理対象となる発電装置の所定の時間単位ごとの起動停止計画を作成する。ここで、所定の時間単位は、例えば、1時間である。ただし、所定の時間単位は、1時間に限定されない。そして、本発明における実施形態は、例えば、電力系統における運転コストが最も低くなるように、つまり、
電力系統に関する最低運転コストを実現するように、起動停止計画を作成する。ただし、最低運転コストは、理論的な最低コストである必要はない。本発明における実施形態の処理性能に対応し、最低運転コストは、所定の条件を満足する範囲での、最低運転コストでもよい。例えば、最低運転コストは、本発明における実施形態が、上記の所定の時間単位において取得できた情報を基に算出可能な最低運転コストでもよい。
【0039】
起動停止計画は、次に説明する発電抑制計画を含む。
【0040】
「発電抑制計画」とは、発電装置の出力の抑制(発電抑制)に関する計画である。本発明における実施形態は、管理対象となる発電装置の所定の時間単位ごとの発電抑制計画を作成する。ここで、所定の時間単位は、上記の起動停止計画の所定の時間単位と同じであり、例えば、1時間である。ただし、所定の時間単位は、1時間に限定されない。本発明における実施形態は、例えば、電力の需給調整のため、電力系統に接続された発電装置の出力を抑制する。なお、本発明における実施形態は、第1の発電装置及び第2の発電装置の発電抑制計画を作成する。ただし、第1の発電装置に関する発電抑制計画は、特に制限はされない。例えば、第1の発電装置に関する発電抑制計画は、一般的に作成されている発電抑制計画と同様の計画でもよい。そのため、以下の説明では、第1の発電装置に関する発電抑制計画についての説明を省略する。つまり、以下の説明において、本発明における実施形態は、第2の発電装置に関する発電抑制計画を作成するとして説明する。
【0041】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明における第1の実施形態について説明する。
【0042】
本発明における第1の実施形態に係る情報処理装置1は、自装置に接続されている発電装置(以下、「発電装置P」と呼ぶ)を管理する。さらに、情報処理装置1は、発電装置Pに加え、電力系統に含まれるその他の発電装置(以下、「発電装置R」と呼ぶ)を管理する。
【0043】
発電装置P及び/又は発電装置Rは、少なくとも一部にRE電源を含んでもよい。つまり、発電装置P及び/又は発電装置Rは、少なくとも一部に、太陽光発電装置などのように、発電出力が外部の環境(例えば、天候)の影響を受けやすい発電装置(第2の発電装置)を含んでもよい。また、発電装置P及び発電装置Rは、外部の環境(例えば、天候)の影響を受けにくい、つまり、外部の環境に関連しないで発電出力を調整可能な発電装置(第1の発電装置)を含んでもよい。例えば、発電装置P及び発電装置Rは、火力発電装置、水力発電装置、揚水発電装置、又は、蓄電池などを含んでもよい。
【0044】
ただし、以下の説明では、説明を明確にするため、発電装置Pは、火力発電装置のように、外部環境の影響を受けにくい発電装置(第1の発電装置)とする。一方、発電装置Rは、発電出力が外部環境の影響を受けやすい発電装置(第2の発電装置(RE電源))とする。
【0045】
情報処理装置1は、上記の発電装置P及び発電装置Rを管理するための起動停止計画を作成する。ただし、起動停止計画は、発電装置Rに関する発電抑制計画を含む。
【0046】
なお、情報処理装置1は、後ほど詳細に説明するように、電力系統の運転コストが最も低くなるように、起動停止計画を作成する。
【0047】
[構成の説明]
まず、本発明における第1の実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
【0048】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
図1に示されているように、第1の実施形態に係る情報処理装置1は、計画部11と通信部12とを含む。
【0050】
通信部12は、後ほど説明する計画部11における動作に必要な情報として、起動停止計画の対象となる発電装置及び需要電力に関する情報(以下、「計画必要情報」と呼ぶ)を取得(受信)する。より具体的には、通信部12は、計画必要情報として、少なくとも、起動停止計画の対象となる電力系統における需要電力の予測値、及び、電力系統に含まれる発電装置R(第2の発電装置)の発電出力の予測値を取得する。
【0051】
さらに、通信部12は、計画部11が作成した起動停止計画を、発電装置P(第1の発電装置)に送信する。
【0052】
さらに、通信部12は、計画部11が作成した発電抑制計画を含む起動停止計画を、発電装置R(第2の発電装置)を制御及び/又は管理する(以下、まとめて「管理する」と呼ぶ)装置(以下、「制御管理装置」と呼ぶ)に送信する。なお、後ほど詳細に説明するが、本実施形態の説明において、発電装置Rは、
図2に示されている制御管理装置3に管理されている。つまり、制御管理装置3が、発電装置R(第2の発電装置)を管理する装置である。
【0053】
上記のとおり、計画部11は、通信部12を介して、計画必要情報を取得する。
【0054】
そして、計画部11は、計画必要情報に基づいて発電装置P(第1の発電装置)及び発電装置R(第2の発電装置)を含む電力系統の起動停止計画を作成(決定)する。ただし、計画部11は、起動停止計画として、発電装置R(第2の発電装置)に関する発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)する。
【0055】
計画部11は、起動停止計画の作成(決定)において、発電装置P及び発電装置Rを含む電力系統全体における運転コストが最も低くなるように、発電抑制計画及び起動停止計画を作成(決定)する。計画部11における発電抑制計画及び起動停止計画の作成については、後ほど詳細に説明する。
【0056】
なお、計画部11は、作成する起動停止計画の期間について、特に制限されない。例えば、計画部11は、翌日の1日分の起動停止計画を作成してよい。あるいは、計画部11は、翌日からの複数の日数分の起動停止計画を作成してよい。あるいは、計画部11は、1日より短い所定の時間範囲(例えば、12時間)に対する起動停止計画を作成してよい。
【0057】
そして、計画部11は、通信部12を介して、作成した起動停止計画を発電装置P(第1の発電装置)に送信する。さらに、計画部11は、通信部12を介して、発電抑制計画を含む起動停止計画を、発電装置R(第2の発電装置)を管理する装置(例えば、制御管理装置3)に送信する。なお、計画部11は、発電装置P(第1の発電装置)と、発電装置R(第2の発電装置)を管理する装置とに送信する情報を、分けなくてもよい。計画部11は、発電抑制計画を含む起動停止計画を、発電装置P(第1の発電装置)、及び、発電装置R(第2の発電装置)を管理する装置に送信してもよい。つまり、計画部11は、発電装置P(第1の発電装置)、及び、発電装置R(第2の発電装置)を管理する装置に、同じ情報(発電抑制計画を含む起動停止計画)を送信してもよい。この場合、各装置が、起動停止計画から必要な情報を取り出して、動作すればよい。
【0058】
次に、情報処理装置1をより詳細に説明するため、情報処理装置1を含む電源システム9について、図面を参照して説明する。
【0059】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置1を含む電源システム9の構成の一例を示すブロック図である。
【0060】
図2に示されているように、電源システム9は、情報処理装置1と、情報生成装置2と、制御管理装置3と、発電装置Pと、発電装置Rと、外部装置Eとを含む。
図2において、各装置は、所定の通信経路を用いて接続されている。
【0061】
情報処理装置1、発電装置P、及び、発電装置Rは、既に説明済みである。そのため、情報処理装置1、発電装置P、及び、発電装置Rについての説明は、適宜省略し、情報生成装置2及び制御管理装置3について詳細に説明する。
【0062】
制御管理装置3は、接続されている発電装置R(第2の発電装置)を、管理する。そのため、制御管理装置3は、管理部31と通信部32とを含む。
【0063】
通信部32は、情報処理装置1から、発電装置R(第2の発電装置)に関する発電抑制計画を含む起動停止計画を受信する。
【0064】
管理部31は、発電抑制計画を基に、接続されている発電装置R(第2の発電装置)における電力の割当て量を決定する。なお、管理部31が決定する割当て量(抑制電力)は、特に制限されない。管理部31は、各発電装置Rの種類(例えば、RE電源の種類)及び各発電装置Rの発電出力を基に、電力の割当て量を決定すればよい。
【0065】
そして、管理部31は、通信部32を介して、決定した各発電装置Rに対する割当て量(抑制電力)を、各発電装置Rに送信する。
【0066】
発電装置R(第2の発電装置)は、受信した割当て量(抑制電力)に基づいて、発電出力を制御する。
【0067】
情報生成装置2は、計画必要情報を情報処理装置1に送信する。そのため、情報生成装置2は、生成部21と、通信部22とを含む。
【0068】
通信部22は、生成部21が計画必要情報を生成するために必要な情報(以下、「生成元情報」と呼ぶ)を、外部の装置(以下、「外部装置E」と呼ぶ)から取得する。
【0069】
外部装置Eは、特に制限されない。外部装置Eは、情報処理装置1において必要となる計画必要情報に応じて選択されればよい。例えば、外部装置Eは、気象データを提供する装置、又は、過去の需要電力データを提供する装置である。外部装置Eは、データベースのような記憶装置でもよい。
【0070】
なお、外部装置Eは、1台でもよく、複数台でもよい。通信部22は、生成部21の依頼に応じて、必要となる外部装置Eを選択して、生成元情報を取得してもよい。
【0071】
また、生成元情報は、特に制限されない。生成元情報は、情報生成装置2が生成する計画必要情報に応じて、決定されればよい。生成元情報は、例えば、需要電力予測値、需要電力短期変動率、及び、需要電力予測誤差率のように、需要に関連する情報でもよい。あるいは、生成元情報は、発電予測値、発電短期変動率予測値、発電予測誤差率、及び、発電抑制ペナルティコストのように、発電装置R(第2の発電装置)の発電に関連する情報でもよい。
【0072】
なお、発電短期変動率予測値とは、起動停止計画における単位時間より短い時間単位における、発電出力に対する発電出力の変動幅の割合の予測値である。発電予測誤差率とは、発電の予測値における誤差の割合である。発電抑制ペナルティコストとは、発電の抑制に伴うコストである。
【0073】
生成部21は、上記生成元情報を基に、情報処理装置1の計画部11が利用可能な情報である計画必要情報を生成する。そして、生成部21は、通信部22を介して、生成した計画必要情報を、情報処理装置1に送信する。
【0074】
なお、
図2は、情報生成装置2及び制御管理装置3を、1台の装置として示している。ただし、情報生成装置2及び/又は制御管理装置3の構成は、1台の装置の構成に限られない。
【0075】
図3は、第1の実施形態に係る情報生成装置2の構成の一例を示すブロック図である。
【0076】
親情報生成装置4及び子情報生成装置5が、情報生成装置2を構成する。詳細には、生成部41及び生成部51が、生成部21を構成する。
通信部42及び通信部52が、通信部22を構成する。
【0077】
図3に示されている情報生成装置2は、親情報生成装置4と、少なくとも1台の子情報生成装置5とを含む。
図3に示されている情報生成装置2の構成は、階層構成である。
【0078】
子情報生成装置5は、生成部51と、通信部52とを含む。
【0079】
通信部52は、
図2を用いた説明における情報生成装置2の通信部22と同様に、外部装置Eから生成元情報を取得する。
【0080】
生成部51は、
図2を用いた説明における情報生成装置2の生成部21と同様に、取得した生成元情報を基に、少なくとも一部の計画必要情報(子計画必要情報)を生成する。そして、生成部51は、通信部52を介して、生成した子計画必要情報を、親情報生成装置4に送信する。
【0081】
親情報生成装置4は、生成部41と、通信部42とを含む。
【0082】
通信部42は、子情報生成装置5から子計画必要情報を取得する。
【0083】
生成部41は、受信した子計画必要情報の全部、又は、一部を基に、計画必要情報を生成する。そして、生成部41は、通信部42を介して、生成した計画必要情報を、情報処理装置1に送信する。
【0084】
なお、親情報生成装置4が、通信部42を介して一部の外部装置Eに接続され、一部の生成元情報を取得し、計画必要情報の生成に用いてもよい。
【0085】
子情報生成装置5が接続される外部装置Eは、特に制限されない。
【0086】
例えば、発電装置R(第2の発電装置)が、太陽光発電装置、及び、風力発電装置を含むとする。そして、外部装置Eが、太陽光発電装置に関連する情報を送信する外部装置Eと、風力発電装置に関連する情報を送信する外部装置Eとを含むとする。そして、子情報生成装置5が、それぞれの種類の発電装置R(第2の発電装置)に関連する情報を送信する外部装置Eに接続されているとする。この場合、子情報生成装置5は、各種類の発電装置R(第2の発電装置)に関連する子計画必要情報を生成(算出)する。親情報生成装置4は、子情報生成装置5が生成した各種類の発電装置Rをまとめた計画必要情報を生成する。
【0087】
図4は、第1の実施形態に係る制御管理装置3の構成の一例を示すブロック図である。
【0088】
親制御管理装置6及び子制御管理装置7が、制御管理装置3を構成する。詳細には、管理部61及び管理部71が、管理部31を構成する。通信部62及び通信部72が、通信部32を構成する。
【0089】
図4に示されている制御管理装置3は、親制御管理装置6と、少なくとも1台の子制御管理装置7とを含む。
図4に示されている制御管理装置3の構成は、階層構成である。
【0090】
親制御管理装置6は、管理部61と、通信部62とを含む。
【0091】
通信部62は、情報処理装置1から、発電抑制計画を含む起動停止計画を受信する。
【0092】
管理部61は、起動停止計画(特に、発電抑制計画)を基に、子制御管理装置7に送信する割当て量(発電抑制計画を含む起動停止計画)を決定する。より詳細には、管理部61は、子制御管理装置7に接続されている発電装置Rに対する割当て量(電力の抑制の量)を決定する。
【0093】
そして、管理部61は、通信部62を介して、決定した割当て量(発電抑制計画を含む起動停止計画)を、子制御管理装置7に送信する。
【0094】
子制御管理装置7は、管理部71と、通信部72とを含む。
【0095】
通信部72は、親制御管理装置6から、割当て量(発電抑制計画を含む起動停止計画)を受信する。
【0096】
管理部71は、受信した割当て量を基に、各発電装置Rに対する割当て量を決定する。そして、管理部71は、通信部72を介して、各発電装置Rに割当て量を送信する。
【0097】
なお、親制御管理装置6が、通信部72を介して一部の発電装置Rに接続され、接続されている発電装置Rに割当て量を送付してよい。
【0098】
また、子制御管理装置7に接続されている発電装置Rは、特に制限されない。
【0099】
例えば、発電装置Rが、種類及び/又は特性に基づいて、グループ化されている場合、子制御管理装置7は、担当するグループに含まれる発電装置Rと接続されてもよい。
【0100】
例えば、発電装置Rが、太陽光発電装置のグループと、風力発電装置のグループとに分けられているとする。そして、一の子制御管理装置7が、太陽光発電装置のグループに接続され、他の子制御管理装置7が、風力発電装置のグループ(群)に接続されているとする。このような接続の場合、子制御管理装置7は、種類及び特性に基づいてグループに分けられた発電装置Rを、グループ毎に管理できる。
【0101】
[動作の説明]
次に、第1の実施形態に係る情報処理装置1の動作について、説明する。より詳細には、計画部11が、起動停止計画の作成に用いる計算について説明する。ただし、以下で説明する計算は、計画部11における計算の一例である。本実施形態に係る計画部11の計算は、以下に限られない。
【0102】
計画部11は、起動停止計画の作成(決定)のために、以下で説明するような計算を実行する。より具体的には、計画部11は、上記計算として、発電装置P(第1の発電装置)及び発電装置R(第2の発電装置)を含む電力系統全体における運転コストを最も低くする最適化問題を計算する。なお、ここで用いる最適化問題は、所定の制約(制約条件)を満たす範囲で、目的関数の値を最小化させる問題である。
【0103】
以下の説明で用いる運転コストを最も低くする最適化問題における目的関数は、発電装置P(第1の発電装置)の運転コスト、及び、発電装置R(第2の発電装置)の発電抑制ペナルティコストの総和とする。また、制約(制約条件)は、電力の安定供給のために必要となる電力の供給と需要の一致(需給一致)、短期調整力確保、並びに、上げ代及び下げ代確保とする。ただし、これらは、本実施形態を限定するものではない。
【0104】
この場合の目的関数は、数1に示される関数となる。つまり、最適化問題は、数1に示されている関数の値を最小化する変数の値を求める問題となる。
【0106】
数1において、変数tは、起動停止計画の単位時間を表す変数である。Tは、最適化問題の対象となる期間を、単位時間を用いて表した場合の時間(期間)である。つまり、数1は、対象となる期間の総和となる。
【0107】
括弧内の最初のΣは、発電装置P(第1の発電装置)の運転コストの総和である。最初のΣにおける変数iは、発電装置P(第1の発電装置)を区別する変数である。Nは、発電装置Pの台数(総数)である。p
t,iTHは、時間tにおけるi番目の発電装置P(P
i)の発電出力を表す。f
t,iTHは、時間tにおけるi番目の発電装置P(P
i)の発電出力に対する燃料コストを表す関数である。s
iTH,costは、i番目の発電装置P(P
i)の起動コストを表す。s
t,iTHは、i番目の発電装置P(P
i)の起動及び停止を表す二値を取る変数(例えば、「1」又は「0」のいずれかとなる変数)である。
【0108】
なお、関数f
t,iTHは、具体的には次のような関数である。
【0109】
【数2】
つまり、情報処理装置1は、次数がN
t,iであり、n次の係数がc
t,i,nである(N
t,i+1)項の多項式を、関数f
t,iTHとして用いることができる。さらに、多くの場合では、関数f
t,iTHは、時刻tに依らない2次関数として、次に数3として示されている関数を、関数f
t,iTHとして用いることができる。
【0110】
【数3】
なお、等式3は、等式2の特別な場合である。
【0111】
括弧内の二つ目のΣは、発電装置R(第2の発電装置)の発電抑制ペナルティコストの総和である。二つ目のΣにおける変数iは、発電装置Rを区別する変数である。Mは、発電装置R(第2の発電装置)の台数(総数)を表す。Q
iREは、i番目の発電装置R(Q
i)の発電抑制ペナルティコスト単価(コスト)を表す。発電抑制ペナルティコストの単価は、情報生成装置2から取得される計画必要情報に含まれる値である。C
t,iREは、時間tにおけるi番目の発電装置R(Q
i)の抑制された電力を表す。
【0112】
上記において、T、N、s
iTH,cost、M、及び、Q
iREは、予め、計画部11に設定されている値である。f
t,iTHは、予め計画部11に設定されている関数である。計画部11は、後ほど説明する制約(制約条件)を満足する範囲において、数1に示される目的関数の値を最小とするように、各変数(具体的には、p
t,iTH、s
t,iTH、及び、C
t,iRE)を決定する。つまり、目的関数を最適化する各値が、起動停止計画に含まれる値となる。なお、C
t,iREが、発電抑制計画に含まれる値である。
【0113】
このように、計画部11は、発電装置R(第2の発電装置)における抑圧された電力(C
t,iRE)を含む最適化問題の解を用いて、電力系統の運転コストを最も低く(最適化)する。そのため、計画部11は、RE電源(第2の発電装置)を含む電力系統に対応した発電抑制計画を含む起動停止計画を作成できる。
【0114】
なお、既に説明したとおり、RE電源(第2の発電装置)は、運転コストが低い。そのため、計画部11は、上記の解として、RE電源(第2の発電装置)を可能な範囲で多く動作させる発電抑制計画を作成することができる。
【0116】
需給一致の制約条件とは、「発電装置P(第1の発電装置)の発電出力、及び、発電装置R(第2の発電装置)の発電出力予測値の和から、発電装置R(第2の発電装置)の電力抑制を引いた値」と、「需要電力予測値」とが、一致することである。
【0117】
ここで、発電装置P(第1の発電装置)の発電出力とは、例えば、電力系統のベースとなる発電装置(ベース電源)の発電出力、水力発電装置の発電出力、火力発電装置の発電出力、及び、エネルギーストレージの発電出力である。ここで、ベースとなる発電装置(ベース電源)とは、原子力発電装置のように出力が安定し、大きな出力調整を行わない発電装置である。なお、ベース電源は、RE電源における出力が安定し、大きな出力調整を行わない発電装置(例えば、地熱発電装置)を含んでもよい。
【0118】
上記の発電装置P(第1の発電装置)の例を用いた場合の需要一致の制約条件は、例えば、数4で示される数式(等式)を用いて表される。
【0120】
等式4において、P
tBAは、時間tにおける全てのベース電源の発電出力の総和である。P
tHYは、時間tにおける全ての水力発電装置の発電出力の総和である。P
tTHは、時間tにおける全ての火力発電装置の発電出力の総和である。P
tESは、時間tにおける全てのエネルギーストレージの発電出力の総和である。P
tREは、時間tにおける全ての発電装置R(第2の発電装置)の発電出力の予測値の総和である。なお、P
tREは、情報生成装置2から取得される計画必要情報に含まれる値である。
【0121】
C
tREは、時間tにおける全ての発電装置R(RE電源)における抑制する電力の総和である。
【0122】
P
tDMは、時間tにおける需要電力の予測値である。P
tDMは、情報生成装置2から取得される計画必要情報に含まれる値である。
【0123】
計画部11は、需給を一致させる制約条件を満足するように、上記の発電抑制計画を作成(決定)する。そのため、計画部11は、単位時間毎に需要電力と供給電力が一致する発電抑制計画を含む起動停止計画を作成できる。
【0124】
なお、第1の発電装置は、予備力が大きい。そのため、計画部11は、予備力を確保できるように第1の発電装置を運転する範囲で運転コストを最も低くする起動停止計画を作成する。
【0125】
短期調整力確保の制約条件とは、需要電力の短期変動及び第2の発電装置の発電電力の短期変動に対して、発電装置P(第1の発電装置)に含まれる発電装置の中で電力出力を短期的に調整可能な発電装置に基づく、短期的な調整能力に関する制約条件である。例えば、発電装置P(第1の発電装置)に含まれる装置において、火力発電装置及びエネルギーストレージは、短期調整力が高い装置である。なお、エネルギーストレージとは、エネルギーを格納する装置(例えば、蓄電池、又は、揚水発電装置)である。この場合、短期調整力確保の制約条件は、「発電装置P(第1の発電装置)に含まれる火力発電装置の短期調整力と、エネルギーストレージの短期調整力との和」を、「短期的な電力の変動」以上とする制約条件である。この場合の短期調整力確保の制約条件は、例えば、数5に示される数式(不等式)となる。
【0127】
不等式5において、L
tTHは、時間tにおける起動中の火力発電装置の短期調整力の総和である。L
tESは、時間tにおける全てのエネルギーストレージの短期調整力の総和である。Δ
tsは、時間tにおける短期変動電力である。Δ
tsは、より具体的には、従属変数として「C
t,1RE,...,C
t,MRE」を用いる関数g
tsに基づいて定義される値である。関数g
tsは、予め計画部11に設定されている関数である。関数g
tsは、発電装置R(第2の発電装置)における短期変動予測値に対応している。
【0128】
なお、関数g
tsの具体例は、数5に示されている関数である。
【0129】
計画部11は、短期調整力を確保するように、上記の発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)する。
【0130】
なお、発電装置R(第2の発電装置)は、短期変動予測値が大きい。しかし、計画部11は、上記の短期調整力確保の制約条件を満足するように、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)する。そのため、計画部11は、発電装置R(第2の発電装置)に基づく短期変動に対応しながら運転コストを最も低い値とする起動停止計画を作成することができる。
【0131】
上げ代確保の制約条件とは、「起動中の発電装置P(第1の発電装置)の最大出力の総和」を、「正味の需要電力予測値、短期変動電力、及び、予測誤差電力の総和」以上とする制約条件である。例えば、発電装置Pが、水力発電装置、火力発電装置、及び、エネルギーストレージを含む場合、上げ代確保の制約条件は、数6に示される不等式となる。
【0132】
なお、「正味の需要電力予測値」とは、需要電力予測値から発電装置R(
第2の発電装置)の発電予測値を差し引いた値である。
【0133】
また、下げ代確保の制約条件とは、「起動中の発電装置P(第1の発電装置)の最小出力の総和」を、「正味の需要電力予測値から短期変動電力及び予測誤差電力を引いた値」以下とする制約条件である。例えば、発電装置Pが、水力発電装置、火力発電装置、及び、エネルギーストレージを含む場合、下げ代確保の制約条件は、数7に示される数式(不等式)となる。不等式6、及び、不等式7におけるΔ
tlは、数8に示される数式(関数を示す等式)で表される値である。
【0137】
不等式6及び7において、「P
tDM−P
tBA−P
tRE」が、正味の需要電力予測値である。
【0138】
不等式6において、P
tHY,maxは、時間tにおける起動中の水力発電装置の最大発電出力総和である。P
tTH,maxは、時間tにおける起動中の火力発電装置の最大発電出力の総和である。P
tES−d,maxは、時間tにおける放電中のエネルギーストレージの最大発電出力の総和である。
【0139】
不等式7において、P
tHY,minは、時間tにおける起動中の水力発電機の最小発電出力の総和である。P
tTH,minは、時間tにおける起動中の火力発電機の最小発電出力の総和である。P
tES−c,minは、時間tにおける充電中のエネルギーストレージの最大充電入力の総和である。
【0140】
等式8において、Δ
tlは、時間tにおける予測誤差電力を表す変数である。等式8に示されるように、Δ
tlは、従属変数として「C
t,1RE,...,C
t,MRE」を用いる関数g
tlに基づいて定義される。なお、関数g
tlは、予め、計画部11に設定されている。
【0141】
なお、関数g
tlの具体例は、数5に示されている関数において、変数を適宜変更した関数である。
【0142】
計画部11は、上記制約条件を満たすように発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)する。そのため、計画部11は、調整力(上げ代及び下げ代)を確保しながら、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)できる。
【0143】
なお、発電装置R(第2の発電装置)は、予測誤差が大きい。しかし、計画部11は、上記制約条件を用いて、発電装置Rに基づく予測誤差を削減しながら運転コストを最も低い値とする起動停止計画を作成(決定)することができる。
【0144】
なお、上記の数1及び3ないし8は、制約条件の一例である。情報処理装置1は、上記の式にさらに他の制約条件を加えてもよい。あるいは、情報処理装置1は、上記の制約条件に換えて、別の制約条件を用いてもよい。
【0145】
なお、関数f
t,iTH、g
tS、及び、g
tlは、線形関数であることが望ましい。また、計画部11は、関数f
t,iTH、g
tS、又は、g
tlが、凸関数の場合、近似関数(例えば、区分線形化した線形関数)を用いてよい。
【0146】
計画部11は、上記の最適化問題(目的関数)を、各種の手法を用いて解くことができる。例えば、計画部11は、数理計画法、又は、メタヒューリスティクスを用いて、最適化問題を解くことができる。例えば、計画部11は、最適化問題が混合整数線形計画問題の場合、混合整数線形計画法を用いればよい。あるいは、計画部11は、最適化問題が混合整数二次計画問題の場合、混合整数二次計画法を用いればよい。あるいは、計画部11は、最適化問題が混合整数非線形計画問題の場合、焼きなまし法、遺伝的アルゴリズム、又は、粒子群最適化法などのメタヒューリスティクスを用いればよい。
【0147】
その結果として、計画部11は、上記の説明のとおり、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成(決定)できる。
【0148】
[効果の説明]
次に、第1の実施形態に係る情報処理装置1の効果について説明する。
【0149】
情報処理装置1は、上記のとおり、RE電源(第2の発電装置)を含む電力系統に対応した発電抑制計画を作成するとの効果を奏することができる。
【0150】
その理由は、計画部11が、RE電源(第2の発電装置)における発電抑制ペナルティコストなどを用いて、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するためである。
【0151】
さらに、情報処理装置1は、単位時間毎に需要電力と供給電力とが一致する発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するとの効果を奏することができる。
【0152】
その理由は、情報処理装置1の計画部11が、需給一致の制約条件に基づいて、RE電源(第2の発電装置)の発電出力の総和の予測値も含む制約(制約条件)を満足するように、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するためである。つまり、計画部11は、今後の変動を考慮して、起動停止計画を作成しているためである。
【0153】
さらに、情報処理装置1は、短期調整力を確保した発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するとの効果を奏することができる。
【0154】
その理由は、計画部11が、短期調整力確保の制約条件に基づいて、電力系統に含まれる短期的な調整力が短期的な変動を補えるように、発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するためである。
【0155】
さらに、情報処理装置1は、調整力を確保した発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するとの効果を奏することができる。
【0156】
その理由は、計画部11が、上げ代及び下げ代確保の制約条件に基づいて、上げ代及び下げ代を確保した発電抑制計画を含む起動停止計画を作成するためである。
【0157】
[短期変動電力と
予測誤差電力の詳細例]
次に、本実施形態の計画部11が用いる短期変動電力(Δ
ts)及び予測誤差電力(Δ
tl)の詳細例を説明する。
【0158】
(1)第1の詳細例
第1の詳細例は、発電装置R(第2の発電装置)が、太陽光発電装置及び風力発電装置を含む場合の例である。計画部11は、太陽光発電装置及び風力発電装置のそれぞれに対して、発電抑制計画を作成(決定)する。なお、発電装置R(第2の発電装置)は、複数の太陽光発電装置及び/又は複数の風力発電装置を含んでもよい。その場合、計画部11は、発電装置R(第2の
発電装置)を、太陽光発電装置及び風力発電装置のグループ(群)に分けて、各グループを対象に以下の動作を実行すればよい。
【0159】
なお、計画部11が用いる最適化問題は、全てのグループを含む最適化問題である。そのため、計画部11は、太陽光発電装置に対する発電抑制計画、及び、風力発電装置に対する発電抑制計画を、同時に、作成(決定)できる。
【0160】
第1の詳細例の場合、計画部11は、短期変動電力Δ
tSと、予測誤差電力Δ
tlとして、例えば、数9及び数10に示される数式(関数を示す等式)を用いることができる。なお、等式9、及び、等式10において、Mは、発電装置R(第2の発電装置)の台数(総数)を表す。
【0163】
等式9において、σ
tDM,sflucは、時間tにおける需要電力の短期変動率である。σ
t,iRE,sflucは、時間tにおけるi番目の発電装置R(Q
i)の発電出力の短期変動率である。また、P
t,iREは、時間tにおけるi番目の発電装置R(Q
i)の発電出力の予測値である。
【0164】
等式10において、σ
tDM,perrは、時間tにおける需要電力予測値の予測誤差率である。σ
t,iRE,perrは、時間tにおけるi番目の発電装置R(Q
i)の発電出力予測値の予測誤差率である。
【0165】
これらの値は、情報生成装置2から取得される計画必要情報に含まれる値である。
【0166】
(2)第2詳細例
第2の詳細例は、発電装置R(第2の発電装置)が、2系統の太陽光発電装置を含む場合の例である。計画部11は、それぞれの系統の太陽光発電装置について発電抑制計画を作成する。
【0167】
なお、各系統の太陽光発電装置は、複数の太陽光発電装置を含んでもよい。この場合、太陽光発電装置である発電装置Rは、予め、発電装置R(第2の
発電装置)の特性(例えば、出力特性など)に基づいて、2のグループ(群)に分割されている。
【0168】
なお、計画部11は、第1の詳細例と同様に、第2の詳細例においても、2系統の発電装置Rに対する発電抑制計画を、同時に、作成(決定)できる。
【0169】
第2の詳細例の場合、計画部11は、短期変動電力Δ
tSと、予測誤差電力Δ
tlとして、例えば、数11及び数12に示される数式(関数を示す等式)を用いることできる。なお、等式11及び等式12において、Mは、発電装置R(第2の発電装置)の台数(総数)を表す。
【0172】
なお、等式11及び等式12における各変数は、等式9及び等式10において説明した変数である。
【0173】
[ハードウェア構成例]
以上の説明した情報処理装置1は、次のように構成される。
【0174】
例えば、情報処理装置1の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。
【0175】
また、情報処理装置1において、各構成部は、ネットワークを介して接続された複数の装置を用いて、構成されてもよい。
【0176】
また、情報処理装置1において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。
【0177】
また、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。情報処理装置1は、上記構成に加え、さらに、入出力接続回路(IOC:Input / Output Circuit)と、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Circuit)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0178】
図5は、本ハードウェア構成例に係る情報処理装置600の構成の一例を示すブロック図である。
【0179】
情報処理装置600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680と、NIC690とを含み、コンピュータ装置を構成している。
【0180】
CPU610は、ROM620からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680と、NIC690とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータは、これらの構成を制御し、
図1に示されている計画部11と通信部12としての各機能を実現する。
【0181】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は内部記憶装置640を、プログラムの一時記憶媒体として使用してもよい。
【0182】
また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した非揮発性又は揮発性の記憶媒体700が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。
【0183】
あるいは、CPU610は、NIC680又はNIC690を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0184】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、P−ROM(Programmable-ROM)、フラッシュROM、マスクROM、又は、EPROM(Erasable P-ROM)である。
【0185】
RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、D−RAM(Dynamic-RAM)である。
【0186】
内部記憶装置640は、情報処理装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、内部記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。内部記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ装置、又は、ディスクアレイ装置である。
【0187】
ここで、ROM620と内部記憶装置640は、不揮発性(non-transitory)の記憶媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記憶媒体である。そして、CPU610は、ROM620、内部記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記憶媒体又は揮発性記憶媒体を用いて動作可能である。
【0188】
IOC650は、CPU610と、入力機器660及び表示機器670とのデータを仲介する。IOC650は、例えば、IOインターフェースカード又はUSB(Universal Serial Bus)カードである。さらに、IOC650は、USBのような有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0189】
入力機器660は、情報処理装置600の操作者からの入力指示を受け取る機器である。入力機器660は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルである。
【0190】
表示機器670は、情報処理装置600の操作者に情報を表示する機器である。表示機器670は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0191】
NIC680は、図示しない通信路又はネットワークを介して、
図5において図示されていない外部の装置(例えば、情報生成装置2及び制御管理装置3)とのデータのやり取りを中継する。
【0192】
NIC690は、図示しない通信路又はネットワークを介して、発電装置Pとのデータのやり取りを中継する。
【0193】
NIC680及びNIC690は、例えば、LANカードである。さらに、NIC680及びNIC690は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0194】
このように構成された情報処理装置600は、情報処理装置1と同様の効果を得ることができる。
【0195】
その理由は、情報処理装置600のCPU610が、プログラムに基づいて情報処理装置1と同様の機能を実現できるためである。
【0196】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0197】
この出願は、2015年11月26日に出願された日本出願特願2015−230329を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。