(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技媒体の使用に基づく遊技を制御する制御手段と、その制御手段により制御される遊技中に所定の条件が成立した場合に、その成立した条件に応じた数の遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
その操作手段が遊技者によって操作されたことを検出する操作検出手段と、
その操作検出手段による操作の検出に基づいて、遊技に使用するために遊技媒体を発射する発射手段と、
その発射手段による遊技媒体の発射に基づく情報と、前記払出手段による遊技媒体の払い出しに基づく情報とを用いて、遊技に使用された遊技媒体と前記払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数を取得する媒体獲得数取得手段と、
その媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する媒体獲得数出力手段とを備え、
前記制御手段は、
始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、
その抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、通常状態に比べて有利な有利状態を生成する有利状態生成手段と、
始動条件が成立した場合に識別情報の変化表示を実行する変化表示実行手段と、
前記変化表示実行手段による前記識別情報の変化表示の実行中に1又は複数回の始動条件が成立した場合に、その1又は複数回の始動条件の成立に基づく前記変化表示実行手段による変化表示の実行を保留する変化表示保留手段とを備え、
前記有利状態生成手段は、
前記抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、前記変化表示実行手段による変化表示が終了してから、前記有利状態として通常状態よりも有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
その特別遊技状態発生手段により発生される前記特別遊技状態が終了してから、前記有利状態として遊技モードを通常状態よりも有利な有利モードに
設定するものであって、その有利モードを前記抽選手段により選ばれた前記所定の結果に応じて、前記特別遊技状態が発生する確率が前記通常状態よりも高い第1有利モード、または、前記特別遊技状態が発生する確率が前記通常状態と同一である第2有利モードに設定する有利モード設定手段とを備え、
前記媒体獲得数取得手段は、
前記通常状態において前記特別遊技状態が開始されてから、前記第2有利モードが変化表示の実行回数により規定される終了条件によって終了するまでの一連の有利状態の期間中であって、前記特別遊技状態において獲得した前記媒体獲得数の総数を記憶する媒体獲得数記憶手段と、
前記一連の有利状態の期間が終了した場合に、前記変化表示保留手段に保留されている少なくとも1以上の変化表示について、その少なくとも1以上の変化表示が終了した場合に前記特別遊技状態が発生するかを確認する確認手段と、
その確認手段によって特別遊技状態が発生することが確認された場合に、その特別遊技状態において獲得した前記媒体獲得数を、前記媒体獲得数記憶手段に記憶されている前記媒体獲得数の総数に加算する加算手段とを備え、
前記媒体獲得数出力手段は、
前記加算手段によって前記媒体獲得数が加算された前記媒体獲得数記憶手段に記憶されている前記媒体獲得数の総数に基づく値を表示又は出力する手段と、
各々の前記特別遊技状態の終了後毎に、その特別遊技状態において獲得した前記媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、パチンコ機10の正面図であり、
図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、
図3は、パチンコ機10の背面図である。
【0019】
パチンコ機10は、
図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0020】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(
図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(
図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0021】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0022】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
【0023】
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
【0024】
また、前面枠14の正面視(
図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(
図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0025】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。即ち、遊技に使用する球は、遊技者が紙幣などの対価を支払うことによって貸し出される。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0026】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51a(
図5参照)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式のストップスイッチ51b(
図5参照)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器51c(
図5参照)とが内蔵されている。
【0027】
遊技者がストップスイッチ51bを操作することなく操作ハンドル51を右回りに回転操作すると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器51cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器51cの抵抗値に対応した強さで球が発射される。これにより、遊技者による操作ハンドル51の回動操作量に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよびストップスイッチ51bはオフとなっている。
【0028】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この
図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
【0030】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
【0031】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(
図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
【0032】
遊技領域の正面視右上側(
図2の右上側)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、7セグメントLED37aや、LED37bなどが設けられている。7セグメントLED37aは、大当たり遊技中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
【0033】
一方、LED37bは、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成され、その点灯色(点灯態様)によって第1図柄を表示するものである。具体的に、球が第1入球口64に入賞する毎にLED37bの色換え表示(変動表示)が行われ、その変動表示が停止したときの第1図柄(即ち、LED37bの点灯色)により、第1入球口64への入賞をトリガとして主制御装置110(
図3,
図5参照)でなされる大当たりの抽選結果が確定的に表示される。
【0034】
より詳しくは、球が第1入球口64に入賞すると、LED37bは、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という順序で高速に色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色で確定表示する。大当たり抽選に当選した場合には、LED37bは、赤色又は緑色で確定表示(例えば、数秒間の停止表示)される。
【0035】
特に、赤色での確定表示は、当選した大当たりの種別が「確変大当たり」であることを示す。LED37bが赤色で確定表示した場合には、特別遊技状態(大当たり)が終了した後の遊技モードが、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップするとともに、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップする高確率モード(確変モード、確率変動モード)となる。
【0036】
一方、緑色での確定表示は、当選した大当たりの種別が「通常大当たり」であることを示す。LED37bが緑色で確定表示した場合には、特別遊技状態が終了した後の遊技モードが、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率であるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップする時間短縮モード(時短モード)となる。
【0037】
なお、高確率モードや時間短縮モードにおいて、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
【0038】
また、大当たり抽選に当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選の結果が「外れ」である場合には、LED37bは、青色で確定表示される。LED37bが青色で確定表示した場合、特別遊技状態が終了した後の遊技モードは、大当たり抽選の大当たり確率及び第2図柄の当たり確率がいずれも通常確率である通常モードとなる。
【0039】
第1図柄表示装置37には、上述したLED37a,LED37b以外にも、各種情報を報知するための複数のLED(図示せず)が設けられている。これらの複数のLEDは、パチンコ機10の遊技モード(例えば、高確率モードであるか、時間短縮モードであるか、通常モードであるか、等)や、変動表示中(変動中)であるか否かや、第1入球口64への球の入賞(入球)を保留した回数などを、点灯状態によって報知する。
【0040】
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
【0041】
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117(
図5参照)によって表示内容が制御され、例えば、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の第3図柄によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が変動表示されるようになっている(
図4(a)参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において、主制御装置110(
図5参照)の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示(LED37bの点灯)が行われるのに対し、その第1図柄の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0042】
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数を、最大4回まで保留する。この保留回数は、上述した通り第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以下では、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称することがある。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
【0043】
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数(即ち、特図保留球数Nが取り得る最大値)は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数が表示される場合には、特図保留ランプ85を設けない構成としてもよい。
【0044】
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
【0045】
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64についての保留回数と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口67についての球の保留回数を第1図柄表示装置37に設けられたLEDを用いて表示する構成としてもよい。第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81に第2入球口67についての球の保留回数を表示させる場合には、第2図柄保留ランプ84を設けない構成としてもよい。
【0046】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(
図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の停止図柄が第1図柄表示装置37(LED37b)に表示されると共に、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81により示される。
【0047】
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球の数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数を20個としても良い。
【0048】
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37bを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0049】
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時(非特別遊技状態)より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0050】
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(
図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
【0051】
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37bが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
【0052】
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(
図1参照)を通じて視認することができる。
【0053】
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0054】
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0055】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0056】
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0057】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0058】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0059】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0060】
次に、
図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。
図4(a)及び
図4(b)は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
【0061】
図4(a)に示すように、第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
【0062】
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃って停止する変動表示が行われ、その変動表示後(即ち、同一の主図柄が揃って停止した後)に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率モード(確変モード)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に通常モードに移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「通常図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。
【0063】
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
【0064】
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、
図4(a)に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
【0065】
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする変動表示が実行された場合、その変動表示は、所定の変動時間後に、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃って停止すれば、大当たりが発生し、その大当たり遊技中に大当たり動画(大当たり演出)が表示される。
【0066】
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(
図4(a)におけるZ1のライン)、中ライン(
図4(a)におけるZ2のライン)、下ライン(
図4(a)におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に変動表示を停止する。
【0067】
また、本実施形態のパチンコ機10は、
図4(b)に示すように、第3図柄表示装置81の画面右上領域に獲得球数表示領域81aを形成するように構成されている。獲得球数表示領域81aは、当該パチンコ機10から払い出された賞球の数(以下、この数を「払出球数」と称する)と、遊技に使用した球(即ち、遊技盤13の前面に打ち込んだ球)の数との収支(差異)を表示するための領域である。なお、以下では、払出球数と遊技に使用した球との収支を「獲得球数」と称する。
【0068】
獲得球数表示領域81aには、種々の獲得球数がそれぞれに規定されたタイミングで表示される。
図4(b)に示す例では、総獲得球数81a1が獲得球数表示領域81aに表示されている。なお、
図4(b)において、獲得球数表示領域81a以外の表示内容については省略している。詳細は後述するが、総獲得球数81a1は、一連の有利状態の期間における獲得球数(以下、この獲得球数を「総獲得球数」と称する)であり、大当たり終了後に高確率モード又は時間短縮モードに移行してから、最初の変動表示が開始されるタイミングで獲得球数表示領域81aに表示される。
【0069】
なお、「有利状態」とは、遊技者にとって有利な状態であり、本実施形態では、遊技状態が特別遊技状態(大当たり)である場合と、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードである場合とから構成される。また、「一連の有利状態の期間」とは、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間であり、1又は複数の有利状態が連続して生じる期間である。
【0070】
図4(b)では、獲得球数表示領域81aに表示される獲得球数として、総獲得球数81a1を例示しているが、獲得球数表示領域81aに表示される獲得球数としては、総獲得球数81a1の他に、例えば、1回の大当たり期間における獲得球数(以下、この獲得球数を「今回大当たり中獲得球数」と称する)や、一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値(以下、この獲得球数を「大当たり中平均獲得球数」と称する)や、一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値(以下、この獲得球数を「確変時短中平均獲得球数」と称する)などがある。
【0071】
獲得球数表示領域81aへの獲得球数の表示は、その表示タイミングにおいて、表示対象となる獲得球数(総獲得球数81a1など)を獲得球数表示領域81aに表示させた透明背景の画像を、第3図柄表示装置81に表示中の画像に重ねることによって行う。
【0072】
本実施形態のパチンコ機10によれば、総獲得球数81a1などの獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるように構成したことにより、遊技における球の収支(即ち、獲得球数)を遊技者に実感させることができる。遊技者が十分な獲得球数を得ることができた場合には、遊技者自身が対価を支払って得た球を用いて行っている遊技の興趣を上げることができ、それにより、遊技に対する満足度を高めることができる。
【0073】
一般的に、パチンコ機などの遊技機に対しては、遊技者の満足度を高めることができるように、遊技の興趣を向上させることが常に要求されている。かかる要求に対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した通り、総獲得球数81a1などの獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるように構成されているので、遊技の興趣を上げることができ、遊技者の遊技に対する満足度を高めることができる。
【0074】
一方で、同じスペックのパチンコ機で比較した場合、球の収支(即ち、獲得球数)は、釘調整の具合によって主に変動する。そのため、獲得球数の数値は、遊技者が自身にとってより有利な台を選択するための指標となり得る。そのため、獲得球数表示領域81aに表示される獲得球数が遊技者にとってあまり十分でない数値であった場合には、遊技中のパチンコ機10から、自身により有利となる別のパチンコ機に変更することも可能となる。これにより、遊技者に、自身が納得して選んだパチンコ機を使用させることができるので、満足のいく遊技を遊技者に行わせることができる。
【0075】
次に、
図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。
図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
【0076】
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
【0077】
ここで、
図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。
図6は、各カウンタの概要を示す模式図である。
【0078】
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
【0079】
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
【0080】
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(
図9参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(
図15参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
【0081】
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(
図12参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
【0082】
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
【0083】
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
【0084】
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(
図10参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37(LED37b)などで行われる。
【0085】
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(
図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(
図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0086】
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、通常モード又は時間短縮モードにおける通常確率時(大当たり確率が通常の状態)と、高確率モードにおける高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。通常確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0087】
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
【0088】
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する
図15のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり」か「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
【0089】
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
【0090】
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
【0091】
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、所定の終了条件が成立するまでの間、遊技モードが高確率モードとなる大当たりである(16ラウンド確変大当たり)。なお、本実施形態では、高確率モードの終了条件は、次に大当たり(確変大当たり、通常大当たり)が生じた場合、又は、所定の変動回数(本実施形態では、10000変動回数)が経過した場合としている。
【0092】
高確率モードでは、第1図柄の大当たり確率が高確率(通常確率よりも高い確率)にされると共に、第2図柄の当たり確率も、所定の変動回数(本実施形態では、100変動回数)の間は通常確率より高い確率とされる。なお、本実施形態では、高確率モードにおいて、第2図柄の当たり確率を所定の変動回数の間だけ高確率にする構成としたが、第2図柄の当たり確率を、高確率モードの終了条件が成立するまで高確率のままにするように構成してもよい。また、本実施形態では、高確率モードの終了条件を、所定の変動回数が経過した場合、又は、次に大当たりが生じた場合としたが、次に大当たりが生じた場合のみとしてもよい。
【0093】
また、本実施形態における「通常大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、所定の終了条件が成立するまでの間、遊技モードが時間短縮モードとなる大当たりである(16ラウンド通常大当たり)。なお、本実施形態では、時間短縮モードの終了条件は、所定の変動回数(本実施形態では、100変動回数)が経過した場合、又は、次に大当たり(確変大当たり、通常大当たり)が生じた場合としている。
【0094】
時間短縮モードでは、第1図柄の大当たり確率は通常確率であるが、第2図柄の当たり確率が通常確率より高い確率とされる。なお、本実施形態では、時間短縮モードの終了条件を、所定の変動回数が経過した場合、又は、次に大当たりが生じた場合としたが、所定の変動回数(例えば、100変動回数)が経過した場合のみとしてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとするが、最大ラウンド数は16ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、15ラウンドなど)とすることができる。また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも16ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
【0096】
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
【0097】
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
【0098】
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
【0099】
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
【0100】
また、通常状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、通常状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
【0101】
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
【0102】
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(
図9参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
【0103】
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
【0104】
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
【0105】
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
【0106】
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
【0107】
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
【0108】
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(
図9参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
【0109】
なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
【0110】
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
【0111】
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
【0112】
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
【0113】
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
【0114】
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
【0115】
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
【0116】
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(
図15参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
【0117】
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(
図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(
図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0118】
再度、
図5に戻って説明する。RAM203はまた、確変中フラグ203aと、時短中フラグ203bと、発射許可フラグ203cとを有している。
【0119】
確変中フラグ203a及び時短中フラグ203bは、いずれも、大当たり後の遊技モードを示すためのフラグである。具体的に、確変中フラグ203aは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、大当たり後の遊技モードが高確率モード(確変モード)であること、又は、高確率モード中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、遊技モードが高確率モードでないことを示す。確変中フラグ203aは、第1入球口64への入賞を契機として行われる大当たり抽選において確変大当たりが選ばれるとオンに設定される。そして、その後に高確率モードの終了条件が成立すると、確変中フラグ203aはオンからオフに切り換えられる。
【0120】
なお、本実施形態では、確変中フラグ203aは、大当たり抽選において確変大当たりが選ばれた後、当該確変大当たりに対応する大当たり遊技が終了するタイミングでオンに設定される。また、本実施形態では、高確率モードの終了条件は、高確率モードにおいて行われた変動表示の実行回数が所定回数(本実施形態では、10000回)に達した場合か、高確率モード中の大当たり抽選において大当たりが選ばれるかのいずれかとされており、確変中フラグ203aは、これらの終了条件が成立した場合に、対応する変動表示が終了するタイミングでオンからオフに切り替えられる。つまり、本実施形態では、確変中フラグ203aは、高確率モード中の大当たり抽選において通常大当たりが選ばれた場合には、当該通常大当たりに対応する変動表示が終了するタイミングでオンからオフに切り換えられ、変動回数(変動表示の実行回数)が所定回数に達した場合には、その変動表示が終了するタイミングで、オンからオフに切り換えられる。
【0121】
一方で、時短中フラグ203bは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、大当たり後の遊技モードが時間短縮モードであること、又は、時間短縮モード中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、遊技モードが時間短縮モードでないことを示す。時短中フラグ203bは、第1入球口64への入賞を契機として行われる大当たり抽選において通常大当たりが選ばれるとオンに設定される。そして、その後に時間短縮モードの終了条件が成立すると、時短中フラグ203bはオンからオフに切り換えられる。
【0122】
なお、本実施形態では、時短中フラグ203bは、大当たり抽選において通常大当たりが選ばれた後、当該通常大当たりに対応する大当たり遊技が終了するタイミングでオンに設定される。また、本実施形態では、時間短縮モードの終了条件は、時間短縮モードにおける変動回数(本実施形態では、100回)に達した場合か、時間短縮モード中の大当たり抽選において大当たりが選ばれるかのいずれかとされており、時短中フラグ203bは、これらの終了条件が成立した場合に、対応する変動表示が終了するタイミングでオンからオフに切り替えられる。つまり、本実施形態では、時短中フラグ203bは、時間短縮モード中の大当たり抽選において確変大当たりが選ばれた場合には、当該確変大当たりに対応する変動表示が終了するタイミングでオンからオフに切り換えられ、変動回数が所定回数に達した場合には、その変動表示が終了するタイミングで、オンからオフに切り換えられる。
【0123】
発射許可フラグ203cは、球の発射が許可された状態であるか否かを示すフラグである。具体的に、発射許可フラグ203cは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、球の発射が許可された状態であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、球の発射が禁止された状態であることを示す。主制御装置110(MPU201)は、発射許可フラグ203cがオンに設定されている間(即ち、球の発射が許可されている間)、所定時間毎(本実施形態では0.6秒毎)に、発射制御信号(発射パルス)及び球送り制御信号を発射制御装置112へ出力することによって球の発射を指示する。また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、発射制御信号を演出制御装置117にも出力することにより、演出制御装置117(MPU271)が発射された球の数を把握できるように構成されている。
【0124】
発射許可フラグ203cは、払出制御装置111からの発射許可信号がローからハイに立ち上がるとオンに設定される。一方で、発射許可フラグ203cは、発射許可信号がハイからローに立ち下がるとオフに設定される。詳細は後述するが、発射許可信号は、遊技者がストップスイッチ51bを操作することなく操作ハンドル51を右回りに回転操作した場合(即ち、遊技者が球の発射を意図して操作ハンドル51を回転操作した場合)にハイとなり、遊技者が操作ハンドル51から手を離すか、ストップスイッチ51bを操作するとローとなる。よって、発射許可フラグ203cは、遊技者が球の発射を意図して操作ハンドル51を回転操作するとオンに設定され、遊技者が操作ハンドル51から手を離すか、ストップスイッチ51bを操作するとオフに設定される。
【0125】
なお、確変中フラグ203a、時短中フラグ203b、及び、発射許可フラグ203cは、いずれも、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる毎にオフに初期化される。
【0126】
RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0127】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(
図9参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(
図8参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図18参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
【0128】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、発射制御装置112と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
【0129】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0130】
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(
図18参照)と同様の処理である。
【0131】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0132】
また、払出制御装置111は、信号変換回路241を有している。信号変換回路241は、操作ハンドル51のタッチセンサ51a及びストップスイッチ51bからの入力に基づいて発射許可信号を出力する回路である。信号変換回路241は、論理回路であるアンド回路を主として構成され、タッチセンサ51aがオンであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフである場合に限って発射許可信号をハイにする(即ち、発射許可信号を出力する)。一方、タッチセンサ51a又はストップスイッチ51bが上記条件を満たさなければ発射許可信号はローとなる(即ち、発射許可信号は出力されない)。
【0133】
発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)及び球送り制御信号が主制御装置110から入力された場合(即ち、球の発射の指示がなされた場合)に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さで球が発射されるように球発射ユニット112aを制御するものである。
【0134】
具体的に、発射制御装置112は、球送り制御信号を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの球送りソレノイド(図示せず)に所定の大きさの電圧を供給する。これにより、球送りソレノイドは、球を1球だけ発射位置へと送り出す。また、発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの発射ソレノイド(図示せず)に電圧を供給する。このとき、発射ソレノイドに印加される電圧の大きさは、操作ハンドル51の可変抵抗器51cの抵抗値に応じた大きさとされる。これにより、発射ソレノイドは、発射位置にある球を操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで遊技盤13の前面に打ち込む(球を発射する)。
【0135】
ここで、主制御装置110は、上述した通り、遊技者が操作ハンドル51に触れていることがタッチセンサ51aにより検出され、かつ、球の発射を停止させるためのストップスイッチ(打ち止めスイッチ)51bが操作されていないことを条件に、発射制御装置112へ球の発射を指示する。よって、発射制御装置112は、上記条件が満たされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで球が発射されるように、球発射ユニット112aを制御する。
【0136】
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
【0137】
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
【0138】
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85と、枠ボタン22とが接続されている。
【0139】
枠ボタン22は、上述した通り、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作(押下)されるボタンである。枠ボタン22は、非操作状態(枠ボタン22が押下されていない状態)においてローの信号を出力し、操作状態(枠ボタン22が押下された状態)においてハイの信号を出力する。
【0140】
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球の数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0141】
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
【0142】
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
【0143】
ここで、
図7を参照して、演出制御装置117のRAM273の構成について説明する。
図7は、演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、RAM273には、大当たり中フラグ273aと、大当たり回数カウンタ273bと、確変中フラグ273cと、時短中フラグ273dと、確変時短開始フラグ273eと、確変時短回数カウンタ273fと、有利状態中獲得球数メモリ273gと、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hと、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iと、大当たり中発射球数カウンタ273jと、大当たり中払出球数メモリ273kと、発射球数前回値メモリ273lと、今回大当たり中発射球数メモリ273mと、払出球数前回値メモリ273nと、今回大当たり中払出球数メモリ273oと、確変時短中発射球数カウンタ273pと、確変時短中払出球数メモリ273qと、有利状態終了コマンド受信フラグ273rと、大当たり終了時表示フラグ273sと、変動開始時表示フラグ273tと、確変時短終了時表示フラグ273uと、第1表示中フラグ273vと、第2表示中フラグ273wとを有している。
【0144】
大当たり中フラグ273aは、大当たり中(大当たり遊技中)であるか否かを示すフラグである。具体的に、大当たり中フラグ273aは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、大当たり中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、大当たり中でないことを示す。大当たり中フラグ273aは、演出制御装置117が、大当たり遊技が開始されることを示す大当たり開始コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンに設定される。その後、演出制御装置117が、大当たり遊技が終了されることを示す大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、大当たり中フラグ273aはオフに設定される。
【0145】
大当たり回数カウンタ273bは、一連の有利状態の期間(即ち、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間)において大当たりが発生した回数を計数するためのカウンタである。大当たり回数カウンタ273bには、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に1ずつ加算される。そして、演出制御装置117が、高確率モード又は時間短縮モードが変動回数により規定される終了条件によって終了することを示す有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、大当たり中平均獲得球数を算出した後、大当たり回数カウンタ273bはゼロクリアされる。
【0146】
確変中フラグ273c及び時短中フラグ273dは、いずれも、大当たり後の遊技モードを示すためのフラグである。具体的に、確変中フラグ273cは、オン(即ち「1」)に設定されている場合に、大当たり後の遊技モードが高確率モード(確変モード)であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、遊技モードが高確率モードでないことを示す。確変中フラグ273cは、演出制御装置117が、主制御装置110が高確率モードに設定されるタイミングで出力する確変開始コマンドを受信した場合にオンに設定される。そして、その後、演出制御装置117が、高確率モードを終了させるタイミングで主制御装置110から出力される確変終了コマンドを受信した場合に、確変中フラグ273cはオフに設定される。
【0147】
一方で、時短中フラグ273dは、オン(即ち「1」)に設定されている場合に、大当たり後の遊技モードが時間短縮モード(時短モード)であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、遊技モードが時間短縮モードでないことを示す。時短中フラグ273dは、演出制御装置117が、主制御装置110が時間短縮モードに設定されるタイミングで出力する時短開始コマンドを受信した場合にオンに設定される。そして、その後、演出制御装置117が、時間短縮モードを終了させるタイミングで主制御装置110から出力される時短終了コマンドを受信した場合に、時短中フラグ273dはオフに設定される。
【0148】
確変時短開始フラグ273eは、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードに移行してから変動表示が未だ実行されていない期間を示すためのフラグである。この確変時短開始フラグ273eは、演出制御装置117が確変開始コマンド又は時短開始コマンドを主制御装置110から受信した場合に、オン(即ち「1」)に設定される。その後、確変時短開始フラグ273eは、演出制御装置117が変動開始コマンドを主制御装置110から受信した場合に、オフ(即ち「0」)に設定される。
【0149】
確変時短回数カウンタ273fは、一連の有利状態の期間中に、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードに設定された回数を計数するためのカウンタである。確変時短回数カウンタ273fには、演出制御装置117が確変終了コマンド又は時短終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に1ずつ加算される。そして、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、確変時短中平均獲得球数を算出した後、確変時短回数カウンタ273fはゼロクリアされる。
【0150】
有利状態中獲得球数メモリ273gは、一連の有利状態の期間(即ち、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間)における獲得球数(即ち、払出球数と遊技に使用した球との収支)を記憶するためのメモリである。有利状態中獲得球数メモリ273gには、有利状態(即ち、大当たり中フラグ273a、確変中フラグ273c、又は時短中フラグ273dがオンに設定されている状態)において、演出制御装置117が発射制御信号を主制御装置110から受信する毎に1ずつ減算される。また、有利状態中獲得球数メモリ273gには、有利状態において、演出制御装置117が賞球コマンドを主制御装置110から受信する毎に、受信した賞球コマンドが示す払出球数が加算される。そして、有利状態中獲得球数メモリ273gは、演出制御装置117が、有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、獲得球数表示領域81aに表示されている総獲得球数(総獲得球数81a1;
図4参照)の消去に伴ってゼロクリアされる。
【0151】
有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hは、一連の有利状態の期間における大当たり中に限った獲得球数を記憶するためのメモリである。有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hには、大当たり中フラグ273aがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が発射制御信号を主制御装置110から受信する毎に1ずつ減算される。また、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hには、大当たり中フラグ273aがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が賞球コマンドを主制御装置110から受信する毎に、受信した賞球コマンドが示す払出球数が加算される。そして、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hは、演出制御装置117が、有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、獲得球数表示領域81aに表示されている大当たり中平均獲得球数の消去に伴ってゼロクリアされる。
【0152】
有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iは、一連の有利状態の期間における高確率モード中又は時間短縮モード中に限った獲得球数を記憶するためのメモリである。有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iには、確変中フラグ273c又は時短中フラグ273dがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が発射制御信号を主制御装置110から受信する毎に1ずつ減算される。また、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iには、確変中フラグ273b又は時短中フラグ273dがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が賞球コマンドを主制御装置110から受信する毎に、受信した賞球コマンドが示す払出球数が加算される。そして、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iは、演出制御装置117が、有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、獲得球数表示領域81aに表示されている確変時短中平均獲得球数の消去に伴ってゼロクリアされる。
【0153】
大当たり中発射球数カウンタ273jは、当該パチンコ機10に電源が投入されてから、大当たり中に球発射ユニット112aから発射された球の総数を計数するためのカウンタである。大当たり中発射球数カウンタ273jには、大当たり中フラグ273aがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が発射制御信号(発射パルス)を主制御装置110から受信する毎に1ずつ加算される。
【0154】
大当たり中払出球数メモリ273kは、当該パチンコ機10に電源が投入されてからの払出球数(即ち、払い出された賞球の数)であって、大当たり中に限った払出球数を記憶するためのメモリである。大当たり中払出球数メモリ273kには、大当たり中フラグ273aがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が賞球コマンドを主制御装置110から受信する毎に、受信した賞球コマンドが示す払出球数が加算される。
【0155】
発射球数前回値メモリ273lは、大当たりの終了時における大当たり中発射球数カウンタ273jの値を記憶するためのメモリである。発射球数前回値メモリ273lには、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、そのときの大当たり中発射球数カウンタ273jの値が記憶される。
【0156】
今回大当たり中発射球数メモリ273mは、今回発生した1回の大当たりの期間中に球発射ユニット112aから発射された球の数を記憶するためのメモリである。今回大当たり中発射球数メモリ273mには、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、発射球数前回値メモリ273lの更新を行う前に、大当たり中発射球数カウンタ273jの値から、発射球数前回値メモリ273lの値を差し引いた値が記憶される。
【0157】
払出球数前回値メモリ273nは、大当たりの終了時における大当たり中払出球数メモリ273kの値を記憶するためのメモリである。払出球数前回値メモリ273nには、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、そのときの大当たり中払出球数メモリ273kの値が記憶される。
【0158】
今回大当たり中払出球数メモリ273oは、今回発生した1回の大当たりの期間中における払出球数を記憶するためのメモリである。今回大当たり中払出球数メモリ273oには、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、払出球数前回値メモリ273nの更新を行う前に、大当たり中払出球数メモリ273kの値から、払出球数前回値メモリ273nの値を差し引いた値が記憶される。
【0159】
確変時短中発射球数カウンタ273pは、当該パチンコ機10に電源が投入されてから、高確率モード(確変モード)中又は時間短縮モード(時短モード)中に球発射ユニット112aから発射された球の総数を計数するためのカウンタである。確変時短中発射球数カウンタ273pには、確変中フラグ273c又は時短中フラグ273dがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が発射制御信号を主制御装置110から受信する毎に1ずつ加算される。
【0160】
確変時短中払出球数メモリ273qは、当該パチンコ機10に電源が投入されてからの払出球数であって、高確率モード中又は時間短縮モード中に限った払出球数を記憶するためのメモリである。確変時短中払出球数メモリ273qには、確変中フラグ273c又は時短中フラグ273dがオンに設定されている状態で、演出制御装置117が賞球コマンドを主制御装置110から受信する毎に、受信した賞球コマンドが示す払出球数が加算される。
【0161】
有利状態終了コマンド受信フラグ273rは、演出制御装置117が、主制御装置110から有利状態終了コマンドを受信していることを示すためのフラグである。この有利状態終了コマンド受信フラグ273rは、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、オン(即ち「1」)に設定される。その後、有利状態終了コマンド273rは、有利状態終了コマンドの受信に伴って実行される処理、具体的には、獲得球数表示領域81aに表示されている獲得球数の消去が実行されるとゼロクリアされる。
【0162】
大当たり終了時表示フラグ273sは、大当たりの終了後に所定の獲得球数(本実施形態では、今回大当たり中獲得球数および総獲得球数)を第3図柄表示装置81の獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングであるか否かを示すフラグである。具体的に、大当たり終了時表示フラグ273sは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、大当たりの終了後における獲得球数の表示タイミングであることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、そのタイミングでないことを示す。本実施形態では、各回の大当たりが終了するタイミングで、今回大当たり中獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるように構成されている。よって、大当たり終了時表示フラグ273sは、演出制御装置117が大当たり終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、今回大当たり中獲得球数の算出に必要な値(今回大当たり中発射球数、今回大当たり中払出球数)が得られていることを条件としてオンに設定される。その後、今回大当たり中獲得球数と総獲得球数とが獲得球数表示領域81aに表示されると、大当たり終了時表示フラグ273sはオフに設定される。
【0163】
変動開始時表示フラグ273tは、変動表示の開始に伴って総獲得球数(一連の有利状態の期間における獲得球数)を獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングであるか否かを示すフラグである。変動開始時表示フラグ273tは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、変動表示の開始に伴って総獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングであることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、そのタイミングでないことを示す。本実施形態では、大当たりの終了後に遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードへ移行してから、最初の変動表示が開始されるタイミングで、総獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるように構成されている。よって、変動開始時表示フラグ273tは、演出制御装置117が変動開始コマンドを主制御装置110から受信した場合に、確変時短開始フラグ273eがオンに設定されていることを条件としてオンに設定される。その後、総獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されると、変動開始時表示フラグ273rはオフに設定される。
【0164】
確変時短終了時表示フラグ273uは、高確率モード又は時間短縮モードが終了し、かつ、一連の有利状態の期間が終了したことに伴って所定の獲得球数(本実施形態では、総獲得球数、大当たり中平均獲得球数、及び、確変時短中平均獲得球数)を獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングであるか否かを示すフラグである。確変時短終了時表示フラグ273uは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、これらの獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングであることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、そのタイミングでないことを示す。確変時短終了時表示フラグ273uは、演出制御装置117が確変終了コマンド又は時短終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンに設定されていることを条件としてオンに設定される。その後、総獲得球数と、大当たり中平均獲得球数と、確変時短中平均獲得球数とが、獲得球数表示領域81aに表示されると、確変時短終了時表示フラグ273uはオフに設定される。
【0165】
第1表示中フラグ273vは、変動表示の開始に伴って獲得球数表示領域81aに表示された総獲得球数の表示期間中であることを示すためのフラグである。第1表示中フラグ273vは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、総獲得球数の表示期間中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、当該表示期間外であることを示す。本実施形態では、高確率モード又は時間短縮モードでの最初の変動開始に伴って表示される総獲得球数は、その高確率モード又は時間短縮モードを含む一連の有利状態が終了するまで継続して表示される。よって、第1表示中フラグ273vは、高確率モード又は時間短縮モードでの最初の変動開始に伴ってオンに設定される。その後、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御手段から受信した状態(即ち、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンに設定されている状態)で、確変終了コマンド又は時短終了コマンドを主制御装置110から受信すると、第1表示中フラグ273vはオフに設定される。
【0166】
第2表示中フラグ273wは、一連の有利状態の期間の終了に伴って獲得球数表示領域81aに表示された所定の獲得球数(本実施形態では、総獲得球数、大当たり中平均獲得球数、及び確変時短中平均獲得球数)の表示期間中であることを示すためのフラグである。第2表示中フラグ273wは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、当該獲得球数の表示期間中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、当該表示期間外であることを示す。第2表示中フラグ273wは、一連の有利状態の期間の終了に伴って獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されるとオンに設定される。その後、所定の消去タイミング(例えば、その表示が開始されてから所定時間後や、次の変動表示の開始タイミングや、大当たりを示す停止図柄で停止表示されたタイミングなど)が到来すると、第2表示中フラグ273wはオフに設定される。
【0167】
なお、大当たり中フラグ273a、確変中フラグ273c、時短中フラグ273d、確変時短開始フラグ273e、有利状態終了コマンド受信フラグ273r、大当たり終了時表示フラグ273s、変動開始時表示フラグ273t、確変時短終了時表示フラグ273u、第1表示中フラグ273v、及び、第2表示中フラグ273wは、いずれも、電源投入時など、RAM273が初期化される毎にオフに初期化される。
【0168】
また、大当たり回数カウンタ273b、確変時短回数カウンタ273f、有利状態中獲得球数メモリ273g、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273h、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273i、大当たり中発射球数カウンタ273j、大当たり中払出球数メモリ273k、発射球数前回値メモリ273l、今回大当たり中発射球数メモリ273m、払出球数前回値メモリ273n、今回大当たり中払出球数メモリ273o、確変時短中発射球数カウンタ273p、及び、確変時短中払出球数メモリ273qは、いずれも、電源投入時など、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。
【0169】
再度、
図5に戻って説明する。RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
【0170】
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
【0171】
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(外れ変動)、ノーマルリーチ変動、の各変動表示に用いるデータ(変動表示データ)などが該当する。
【0172】
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
【0173】
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域(図示せず)を有している。この図示されない変動表示データ記憶領域は、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)や大当たり演出を行うためのデータを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81において各演出が開始されると、この変動演出データ記憶領域に記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
【0174】
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域に記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
【0175】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(
図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
【0176】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(
図18参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
【0177】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0178】
次に、
図8から
図18のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
【0179】
まず、
図8を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。
図8は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
【0180】
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(
図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
【0181】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、
図9のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0182】
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
【0183】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
【0184】
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
【0185】
次に、
図9を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。
図9は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0186】
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(
図15参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、払出制御装置111と演出制御装置117とに対し、入賞検知情報に応じた賞球数(払出球数)に対応する賞球コマンドを設定して送信する。また、外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド、演出時間加減算コマンド等を演出制御装置117に送信する。また、球の発射を行う場合には、外部出力処理(S201)により、球送り制御信号を発射制御装置112に送信すると共に、発射制御信号を発射制御装置112と演出制御装置117とに送信する。
【0187】
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
【0188】
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は
図10を参照して後述する。
【0189】
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(本実施形態では30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(本実施形態では10個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(本実施形態では16ラウンド)繰り返し実行する処理である。なお、大当たり処理の詳細は
図14を参照して後述する。
【0190】
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
【0191】
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
【0192】
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
【0193】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
【0194】
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
【0195】
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
【0196】
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(
図15参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0197】
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
【0198】
次に、
図10を参照して、変動処理(S204)について説明する。
図10は、メイン処理(
図9参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0199】
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、RAM203内に設けられている特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
【0200】
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタの値)を1減算し(S304)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、
図11を参照して後述する。
【0201】
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37にて第1図柄の変動表示を開始させる変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、
図12を参照して後述する。
【0202】
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
【0203】
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37bの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
【0204】
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率モードとなる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に時間短縮モードとなる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として赤色をLED37bに点灯させ、通常大当たりであれば、停止図柄として緑色をLED37bに点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には、停止図柄として青色をLED37bに点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
【0205】
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
【0206】
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止表示の設定を行い(S309)、高確率モード又は時間短縮モードの終了時期であるかを判別するための変動終了時処理を実行して(S310)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(
図9参照)へ戻る。なお、変動終了時処理(S310)で実行される詳細な処理については、
図13を参照して後述する。
【0207】
次に、
図11を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。
図11は、変動処理(
図10参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
【0208】
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S351)。
【0209】
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0210】
また、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
【0211】
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(
図9参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
【0212】
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLED(図示せず)を点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(
図10参照)へ戻る。
【0213】
次に、
図12を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。
図12は、変動処理(
図10参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
【0214】
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
【0215】
なお、本実施形態では、通常確率時(通常モード時又は時間短縮モード時)には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「310」又は「608」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時(高確率モード時)には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
【0216】
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて確変大当たりか否かを判別する(S402)。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2の値が「1,2,3」であれば、S403の処理により確変大当たりと判別される。一方、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,4」であれば、大当たりの種別は通常大当たりであるので、S402の処理により確変大当たりでないと判別される。
【0217】
S402の処理により確変大当たりであると判別された場合には(S402:Yes)、RAM203内に設けられている確変大当たりフラグ(図示せず)をオンに設定し(S403)、処理をS404に移行する。一方で、S402の処理により確変大当たりでないと判別された場合には(S402:No)、確変大当たりフラグをオフに設定し(S412)、処理をS404に移行する。
【0218】
なお、図示されない確変大当たりフラグは、大当たり抽選によって選ばれた大当たりの種別が、確変大当たりであるか、通常大当たりであるかを示すためのフラグである。具体的に、確変大当たりフラグがオン(即ち「1」)に設定されている場合には、確変大当たりが選ばれたことを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、通常大当たりが選ばれたことを示す。この確変大当たりフラグは、上述したS402の処理による判別の結果に応じてオン又はオフに設定される。
【0219】
S404では、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37bの点灯状態)を設定する(S404)。具体的に、S404では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき決定される大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
【0220】
S404の処理後、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別及び変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づき、大当たり時の変動パターンを決定する(S405)。
【0221】
即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS405の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
【0222】
なお、上述の変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか、又は、2つの変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
【0223】
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37bの点灯状態)を設定する(S410)。具体的に、S410では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
【0224】
S410の処理後、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、外れ時の変動パターンを決定する(S411)。
【0225】
即ち、上記したS405の処理と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ変動(11秒間)、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。このS411の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
【0226】
なお、S410の処理において、外れ時の表示態様として「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」が設定された場合には、S411の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)が決定されるように、テーブルが予め設定されている。
【0227】
S405又はS411の処理後、これらの処理により決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S406)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
【0228】
S406の処理後、S405又はS411の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定し(S407)、次いで、S404又はS410の処理で設定された表示態様(即ち、停止図柄)に応じた種別コマンドを設定する。(S408)。その後、S406の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S409)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(
図10参照)へ戻る。
【0229】
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(
図11参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(
図12参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(
図9参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
【0230】
次に、
図13を参照して、上述した変動終了時処理(S310)について説明する。
図13は、変動処理(
図10参照)の中で実行される変動終了時処理(S310)を示すフローチャートである。
【0231】
図13に示すように、変動終了時処理(S310)では、まず、確変中フラグ203aがオンであるか否かを判別し(S421)、確変中フラグ203aがオフであれば(S421:No)、処理をS429に移行する。
【0232】
一方で、S421の処理による判別の結果、確変中フラグ203aがオンであれば(S421:Yes)、RAM203内に設けられている変動回数カウンタ(図示せず)に1加算する(S422)。なお、図示されない変動回数カウンタは、高確率モード(確変モード)又は時間短縮モード(時短モード)において実行される変動表示の回数(変動回数)を計数するためのカウンタである。
【0233】
S422の処理後、上述した変動開始処理(
図12参照)のS309において設定された停止図柄が大当たりであるか否かを判別する(S423)。このとき、停止図柄が外れであれば(S423:No)、変動回数カウンタの値が10000以上であるかを判別する(S424)。
【0234】
S424の処理による判別の結果、変動回数カウンタの値が10000以上であれば(S424:Yes)、変動回数により規定される終了条件の成立によって高確率モードが終了し、変動表示の終了後に大当たり(特別遊技状態)が生じることもないので、遊技モードが通常モードに移行し、一連の有利状態の期間が終了する。よって、かかる場合には、有利状態終了コマンドを設定し(S425)、処理をS426に移行する。なお、S425において設定された有利状態終了コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この有利状態終了コマンドを受信することにより、一連の有利状態の期間が終了したことを認識することができる。
【0235】
一方で、S423の処理による判別の結果、S309において設定された停止図柄が大当たりであれば(S423:Yes)、変動表示の終了後に大当たりが生じて有利状態が継続されるので、処理をS426に移行する。
【0236】
S426では、高確率モードを終了させるために、確変中フラグ203aをオフに設定する(S426)。次いで、確変終了コマンドを設定する(S427)。S427において設定された確変終了コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この確変終了コマンドを受信することによって高確率モードの終了を認識することができる。
【0237】
S427の処理後、変動回数カウンタをゼロクリアして(S428)、処理をS429に移行する。また、S424の処理による判別の結果、変動回数カウンタの値が10000未満であれば(S424:No)、高確率モードは継続されるので、S425〜S428の処理をスキップして、処理をS429に移行する。
【0238】
S429では、時短中フラグ203bがオンであるか否かを判別する(S429)。このとき、時短中フラグ203bがオフであれば(S429:No)、変動終了時処理(S310)を終了し、変動処理(
図10参照)へ戻る。
【0239】
一方で、S429の処理による判別の結果、時短中フラグ203bがオンであれば(S429:Yes)、RAM203内に設けられている変動回数カウンタ(図示せず)に1加算する(S430)。
【0240】
S430の処理後、S423の処理と同様に、S309において設定された停止図柄が大当たりであるか否かを判別する(S431)。このとき、停止図柄が外れであれば(S431:No)、変動回数カウンタの値が100以上であるかを判別する(S432)。
【0241】
S432の処理による判別の結果、変動回数カウンタの値が100以上であれば(S432:Yes)、変動回数により規定される終了条件の成立によって時間短縮モードが終了し、変動表示の終了後に大当たりが生じることもないので、それによって一連の有利状態の期間が終了する。よって、かかる場合には、有利状態終了コマンドを設定し(S433)、処理をS434に移行する。なお、S433において設定された有利状態終了コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。
【0242】
一方で、S431の処理による判別の結果、S309において設定された停止図柄が大当たりであれば(S431:Yes)、変動表示の終了後に大当たりが生じて有利状態が継続されるので、処理をS434に移行する。
【0243】
S434では、時間短縮モードを終了させるために、時短中フラグ203bをオフに設定する(S434)。次いで、時短終了コマンドを設定する(S435)。S435において設定された時短終了コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この時短終了コマンドを受信することによって時間短縮モードの終了を認識することができる。
【0244】
S435の処理後、変動回数カウンタをゼロクリアして(S436)、変動終了時処理(S310)を終了する。また、S432の処理による判別の結果、変動回数カウンタの値が100未満であれば(S432:No)、時間短縮モードは継続されるので、S433〜S436の処理をスキップして、変動終了時処理(S310)を終了する。
【0245】
次に、
図14を参照して、上述した大当たり処理(S205)について説明する。
図14は、メイン処理(
図9参照)の中で実行される大当たり処理(S205)を示すフローチャートである。
【0246】
図14に示すように、大当たり処理(S205)では、まず、S301の処理(
図10参照)と同様に大当たり中であるかを判別し(S441)、大当たり中でなければ(S441:No)、RAM203内に設けられている大当たり開始フラグ(図示せず)の状態に基づいて、大当たりの開始時であるかを判別する(S442)。なお、図示されない大当たり開始フラグは、S401の処理(
図12参照)により大当たりと判別された場合にオンに設定され、後述する大当たり開始処理(S443)の実行後にオフに設定されるフラグである。S442の処理による判別の結果、大当たりの開始時でない場合もまた(S442:No)、大当たり処理(S205)を終了し、メイン処理(
図9参照)へ戻る。
【0247】
一方、S442の処理による判別の結果、大当たりの開始時であれば(S442:Yes)、大当たり遊技(大当たり)を開始するための大当たり開始処理を実行する(S443)。大当たり開始処理(S443)では、例えば、RAM203内に設けられている大当たり制御タイマ(図示せず)への、大当たりオープニングの演出期間の設定を行う。
【0248】
S443の処理後、大当たり開始コマンドを設定する(S444)。S444において設定された大当たり開始コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この大当たり開始コマンドを受信することによって大当たり遊技が開始されるタイミングであることを認識する。
【0249】
S444の処理後、大当たり制御タイマの値に基づき、特定入賞口65aの開放タイミングであるかを判別する(S445)。また、S441の処理による判別の結果、大当たり中である場合(S441:Yes)もまた、S445の処理を実行する。
【0250】
S445の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングであれば(S445:Yes)、ラウンドを開始させるために開放時設定処理を実行する(S446)。開放時設定処理(S446)では、大開放口ソレノイド(ソレノイド209の一部)をオン(励磁)して、特定入賞口65aを開放すると共に、特定入賞口65aの最大開放期間(本実施形態では30s)を大当たり制御タイマに設定する。
【0251】
開放時設定処理(S446)の実行後、大当たり制御タイマの値に基づき、特定入賞口65aの閉鎖タイミングを示すかを判別する(S447)。また、S445の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放タイミングでない場合(S445:No)もまた、S447の処理を実行する。
【0252】
S447の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングであれば(S447:Yes)、ラウンドを終了させるために閉鎖時設定処理を実行する(S448)。閉鎖時設定処理(S448)では、例えば、大開放口ソレノイドをオフに設定して、特定入賞口65aを閉鎖すると共に、実行中のラウンドが最終ラウンド以外の場合には、次のラウンド(即ち、次回の特定入賞口65aの開放)までのインターバル期間(例えば2s)を大当たり制御タイマ(図示せず)に設定する。
【0253】
一方、S447の処理による判別の結果、特定入賞口65aの閉鎖タイミングでない場合には(S447:No)、特定入賞口65aの開放後に、所定数(本実施形態では10個)の球が特定入賞口65aに入球したかを判別する(S456)。
【0254】
S456の処理による判別の結果、特定入賞口65aの開放後に、所定数の球が特定入賞口65aに入球した場合には(S456:Yes)、ラウンドの終了条件が成立したので、S448の処理へ移行し、閉鎖時設定処理を実行する(S448)。一方、特定入賞口65aに所定数の球が未だ入球していなければ(S456:No)、大当たり処理(S205)を終了し、メイン処理(
図9参照)へ戻る。
【0255】
閉鎖時設定処理(S448)の実行後、大当たりの終了時であるか、即ち、最終ラウンドの終了時であるかを判別する(S449)。S449の処理による判別の結果、大当たりの終了時でなければ(S449:No)、大当たり処理(S205)を終了する。
【0256】
一方で、S449の処理による判別の結果、大当たりの終了時であれば(S449:Yes)、大当たり遊技を終了するための大当たり終了処理を実行する(S450)。大当たり終了処理(S450)では、例えば、大当たり制御タイマへの、大当たりエンディングの演出期間の設定を行う。
【0257】
S450の処理後、大当たり終了コマンドを設定する(S451)。S451において設定された大当たり終了コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この大当たり終了コマンドを受信することによって大当たり遊技の終了タイミングであることを認識する。
【0258】
S451の処理後、確変大当たりフラグ(図示せず)がオンであるか否かを判別する(S452)。このとき、確変大当たりフラグがオンであれば(S452:Yes)、確変大当たりの終了であるので、確変中フラグ203aをオンに設定する(S453)。次いで、時短中フラグ203bをオフに設定し(S454)、確変開始コマンドを設定し(S455)、大当たり処理(S205)を終了する。なお、S455において設定された確変開始コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この確変開始コマンドを受信することによって高確率モードが開始されることを認識する。
【0259】
一方で、S452の処理による判別の結果、確変大当たりフラグがオフであれば(S452:No)、通常大当たりの終了であるので、時短中フラグ203bをオンに設定する(S457)。次いで、確変中フラグ203aをオフに設定し(S458)、時短開始コマンドを設定し(S459)、大当たり処理(S205)を終了する。なお、S459において設定された時短開始コマンドは、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、演出制御装置117に出力される。演出制御装置117は、この時短開始コマンドを受信することによって時間短縮モードが開始されることを認識する。
【0260】
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。なお、S501において入賞検知情報が保存されると、メイン処理(
図9参照)の外部出力処理(S201)により、その入賞検知情報に応じた賞球数(払出球数)に対応する賞球コマンドが設定されて、払出制御装置111及び演出制御装置117にそれぞれ送信される。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、払出制御装置111だけでなく、演出制御装置117もまた、賞球として払い出した球の数(即ち、払出球数)を把握することができる。
【0261】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
【0262】
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
【0263】
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理(S504)及び発射制御処理(S505)については、それぞれ、
図16及び
図17を参照して後述する。
【0264】
ここで、
図16のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。
図16は、タイマ割込処理(
図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
【0265】
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
【0266】
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
【0267】
次に、特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nに1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(
図9参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
【0268】
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLED(図示せず)を点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(
図15参照)へ戻る。
【0269】
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(
図15参照)へ戻る。
【0270】
次に、
図17のフローチャートを参照して、上述した発射制御処理(S505)を説明する。
図17は、タイマ割込処理(
図15参照)の中で実行される発射制御処理(S505)を示すフローチャートである。
【0271】
発射制御処理(S505)では、まず、払出制御装置111からの発射許可信号が入力されたか、即ち、当該信号がハイであるかを判別する(S621)。S621の処理による判別の結果、発射許可信号が入力されている、即ち、当該信号がハイである場合には(S621:Yes)、発射許可フラグ203cがオンであるか否かを判別する(S622)。
【0272】
S622の処理による判別の結果、発射許可フラグ203cがオフであれば(S622:No)、発射許可信号がローからハイに立ち上がったタイミングであるので、発射許可フラグ203cをオン設定にする(S623)。
【0273】
S623の処理後、RAM203内に設けられた発射カウンタ(図示せず)をゼロクリアする(S624)。なお、図示されない発射カウンタは、発射制御装置112への球の発射指示(発射制御信号などの出力)の間隔を制御するためのカウンタである。なお、本実施形態では、0.6s間隔で球の発射指示がされるように構成されている。
【0274】
S624の処理後、球送り制御信号を発射制御装置112へ出力する(S625)。この球送り制御信号を受信した発射制御装置112は、球が発射位置へと送り出されるように球発射ユニット112aを制御する。
【0275】
次いで、発射制御信号(発射パルス)を、発射制御信号を発射制御装置122と演出制御装置117とにそれぞれ出力する(S626)。この発射制御信号を受信した発射制御装置112は、球が発射されるように球発射ユニット112aを制御する。また、演出制御装置117は、発射制御信号を受信した場合に、後述する発射制御信号割込処理(
図32参照)を実行し、大当たり中発射球数カウンタ273jなど、発射球数を計数する各カウンタの更新を行う。
【0276】
S626の処理後、処理をS627に移行する。また、S622の処理による判別の結果、発射許可フラグ203cがオンであれば(S622:Yes)、S623〜626の処理をスキップして、処理をS627に移行する。
【0277】
S627では、発射カウンタが300以上であるか否かを判別する(S627)。このとき、発射カウンタが300以上である場合には(S627:Yes)、発射制御装置112に対して球の発射を指示するタイミングであるので、S625と同様に、球送り制御信号を発射制御装置112へ出力する(S628)。次いで、S626と同様に、発射制御信号を発射制御装置122と演出制御装置117とにそれぞれ出力し(S629)、発射制御処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(
図15参照)へ戻る。
【0278】
一方で、S627の処理による判別の結果、発射カウンタが300未満である場合には(S627:No)、発射制御装置112に対して球の発射を指示するタイミングでないので、発射カウンタに1加算して(S632)、発射制御処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(
図15参照)へ戻る。
【0279】
また、S621の処理による判別の結果、発射許可信号が入力されていない、即ち、当該信号がローである場合には(S621:No)、発射許可フラグ203cをオフに設定し(S630)、発射カウンタをゼロクリアして(S631)、発射制御処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(
図15参照)へ戻る。
【0280】
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
【0281】
次に、
図19及び
図20を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される払出制御について説明する。
図19は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
【0282】
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。
図19のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0283】
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
【0284】
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つ、RAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球の払い出しを待機させるために、払出許可フラグ213dをオフする(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
【0285】
次に、
図19を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。このメイン処理は、まず主制御装置110からの賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドを受信し、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。該処理では、主制御装置110から送信された正常なコマンドを受信すると、払出許可フラグがオンされ、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
【0286】
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否か、即ち、払出許可フラグの状態が判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
【0287】
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
【0288】
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
【0289】
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
【0290】
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、S901からS913のメイン処理を繰り返し実行する。
【0291】
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0292】
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
【0293】
次に、
図21から
図32を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
【0294】
図21は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
【0295】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
【0296】
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
【0297】
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(
図22のS1109参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
【0298】
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については
図22を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(
図22のS1109参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
【0299】
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
【0300】
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
【0301】
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(
図22のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
【0302】
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
【0303】
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
【0304】
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
【0305】
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(
図22のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
【0306】
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(
図22のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
【0307】
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
【0308】
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
【0309】
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
【0310】
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(
図22のS1109参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
【0311】
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
【0312】
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
【0313】
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
【0314】
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
【0315】
次に、
図22を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。
図22は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(
図21参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
【0316】
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1102)、S1103の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、
図23を参照して後述する。
【0317】
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1102)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1102)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
【0318】
S1103の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1103の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1103)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行する(S1104)。なお、この表示演出処理(S1104)の詳細については、
図24を参照して後述する。
【0319】
表示演出処理(S1104)の実行後は、総獲得球数81a1などの獲得球数を第3図柄表示装置81(獲得球数表示領域81a)に表示させる処理である獲得球数表示処理を実行し(S1105)、S1106の処理へ移行する。なお、この獲得球数表示処理(S1105)の詳細については、
図25を参照して後述する。
【0320】
一方、S1103の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1103:No)、S1104,S1105の処理をスキップして、S1106の処理へ移行する。なお、S1103の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
【0321】
S1106の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1106)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1106の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1106:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1108)、電源断処理を実行する(S1109)。電源断処理(S1109)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1110)、その後、処理を、無限ループする。
【0322】
S1109の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
【0323】
一方、S1106の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1106:No)、立ち上げ処理(
図21参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1107)、RAM273が破壊されていなければ(S1107:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1106の各処理を繰り返し実行する。
【0324】
一方、S1107の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1107:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1104)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【0325】
次に、
図23を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。
図23は、演出制御装置117のメイン処理(
図22参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。
【0326】
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1225の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1221)。
【0327】
S1221の処理後、客待ち演出処理(S1222)を実行する。客待ち演出処理(S1222)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間(例えば、30秒や、1分など)経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出に切り替える設定などを行う。
【0328】
なお、「客待ち演出」とは、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に第3図柄遊技装置81に表示される、遊技状態とは無関係の表示演出(例えば、タイトル表示やデモ表示など)である。パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間は、例えば、変動表示も大当たり演出も実行されない期間や、操作ハンドル51のタッチセンサ51aによる検出のない期間などによって計ることができる。かかる期間(パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間)は、演出制御装置117において計時してもよいし、主制御装置110において計時して演出制御装置117にコマンドによって報せるようにしてもよい。
【0329】
客待ち演出処理(S1222)の実行後は、保留個数表示更新処理を実行する(S1223)。保留個数表示更新処理(S1223)では、主制御装置110から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
【0330】
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1224)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1224)では、演出効果を高めるために遊技者に操作(押下)される枠ボタン22からの入力を監視し、枠ボタン22から入力される信号がローからハイに切り替わった場合(枠ボタン22が非操作状態から操作された場合)に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したりするように設定する。また、枠ボタン22を、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1224の処理を省略することができる。
【0331】
枠ボタン入力監視・演出処理(S1224)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1225)、音編集・出力処理を実行する(S1226)。ランプ編集処理(S1225)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1226)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
【0332】
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1227)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。液晶演出実行管理処理(S1227)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。液晶演出実行管理処理(S1227)で設定された時間に基づいてS1225のランプ編集処理やS1226の音編集・出力処理を実行する。
【0333】
次に、
図24を参照して、上述した表示演出処理(S1104)について説明する。
図24は、演出制御装置117のメイン処理(
図22参照)の中で実行される表示演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
【0334】
表示演出処理(S1104)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1221)、大当たり中であれば(S1241:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1248)。この大当たり演出処理では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出に応じた演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に書き込むことにより、該大当たり演出の画像の更新を行う。大当たり演出処理(S1248)の終了後は、表示演出処理(S1104)を終了して、メイン処理(
図22参照)へ戻る。
【0335】
一方、S1241の処理において、大当たり中でなければ(S1241:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1242)。このとき、変動中でない場合は(S1242:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1243)。
【0336】
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1243において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(
図26参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
【0337】
S1243の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1243:No)、その他の表示処理を実行する(S1250)。なお、その他の表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。その他表示処理(S1250)の実行後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0338】
一方、S1243の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1243:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1244)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1245)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。なお、S1245において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値とから得られる時間である。
【0339】
S1245の処理後、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1246)。一方、S1242の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1242:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1249)、S1246の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
【0340】
S1246の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1246:Yes)、図柄の変動表示を実行する(S1247)。具体的に、S1247の処理では、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域(図示せず)に記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置(LCD)81に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する。S1247の処理後、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0341】
一方で、S1246の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1246:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示し(S1251)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0342】
次に、
図25を参照して、上述した獲得球数表示処理(S1105)について説明する。
図25は、演出制御装置117のメイン処理(
図22参照)の中で実行される獲得球数表示処理(S1105)を示すフローチャートである。
【0343】
獲得球数表示処理(S1105)では、大当たり終了時表示フラグ273sがオンであるか否かを判別し(S1261)、大当たり終了時表示フラグ273sがオンであれば(S1261:Yes)、今回大当たり中獲得球数と、総獲得球数(一連の有利状態の期間における獲得球数)とを第3図柄表示装置81の獲得球数表示領域81aに表示するタイミングである。よって、かかる場合には、まず、今回大当たり中獲得球数を算出する(S1262)。具体的に、S1262では、今回大当たり中払出球数メモリ273oの値から、今回大当たり中発射球数メモリ273mの値を差し引くことによって、今回大当たり中獲得球数を算出する。
【0344】
S1262の処理後、このタイミングでの表示対象を獲得球数表示領域81aに表示する(S1263)。具体的に、S1263では、S1262において算出された今回大当たり中獲得球数と、総獲得球数(即ち、有利状態中獲得球数メモリ273gの値)とを、獲得球数表示領域81aに表示する。なお、S1263の処理により獲得球数表示領域81aに表示された獲得球数(今回大当たり中獲得球数及び総獲得球数)は、この後、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードに移行してから最初の変動開始時にS1266の処理が実行されるまで表示され続ける。S1263の処理後、大当たり終了時表示フラグ273sをオフに設定して(S1264)、処理をS1265に移行する。
【0345】
一方で、S1261の処理による判別の結果、大当たり終了時表示フラグ273sがオフであれば(S1261:No)、今回大当たり中獲得球数及び総獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示するタイミングではないので、S1262〜S1264の処理をスキップして、処理をS1265に移行する。
【0346】
S1265では、変動開始時表示フラグ273tがオンであるか否かを判別する(S1265)。このとき、変動開始時表示フラグ273tがオンであれば(S1265:Yes)、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードに移行してから最初の変動開始時であり、総獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示するタイミングである。よって、かかる場合には、有利状態中獲得球数メモリ273gの値(即ち、総獲得球数)を獲得球数表示領域81aに表示する(S1266)。なお、このタイミングでは、今回大当たり中獲得球数と総獲得球数とが獲得球数表示領域81aに表示されているので、その表示内容に切り換えて総獲得球数の表示を行う。
【0347】
S1266の処理後、第1表示中フラグ273vをオンに設定し(S1267)、変動開始時表示フラグ273tをオフに設定して(S1268)、処理をS1269に移行する。S1267において第1表示中フラグ273vがオンに設定されるので、S1266の処理によって獲得球数表示領域81aに表示された総獲得球数は、表示が次に切り換えられるまで随時更新されながら表示され続ける。
【0348】
一方で、S1265の処理による判別の結果、変動開始時表示フラグ273tがオフであれば(S1265:No)、総獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示するタイミングではないので、S1266〜S1268の処理をスキップして、処理をS1269に移行する。
【0349】
S1269では、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであるか否かを判別する(S1269)。このとき、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであれば(S1269:Yes)、一連の有利状態の期間が終了したことに伴い、総獲得球数と、大当たり中平均獲得球数と、確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示させるタイミングである。よって、かかる場合には、まず、大当たり中平均獲得球数を算出し(S1270)、確変時短中平均獲得球数を算出する(S1271)。
【0350】
具体的に、S1270では、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値を、大当たり回数カウンタ273bの値で割ることによって、大当たり中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値)を算出する。一方、S1271では、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値を、確変時短回数カウンタ273fの値で割ることによって、確変時短中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値)を算出する。
【0351】
S1271の処理後、有利状態中獲得球数メモリ273gの値(即ち、総獲得球数)と、S1270において算出した大当たり中平均獲得球数と、S1270において算出した確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する(S1272)。なお、このタイミングでは、総獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されているので、その表示内容に切り換えて、総獲得球数、大当たり中平均獲得球数、及び確変時短中平均獲得球数の表示を行う。
【0352】
S1272の処理後、大当たり回数カウンタ273bをゼロクリアし(S1273)、確変時短回数カウンタ273fをゼロクリアする(S1274)。次いで、第2表示中フラグ273wをオンに設定して(S1275)、確変時短時表示フラグ273uをオフに設定し(S1276)、処理をS1277に移行する。S1275において第2表示中フラグ273wがオンに設定されるので、S1272の処理によって獲得球数表示領域81aに表示された各獲得球数は、所定の消去タイミング(例えば、表示されてから5秒後)に消去される。
【0353】
一方で、S1269の処理による判別の結果、確変時短時表示フラグ273uがオフであれば(S1269:No)、大当たり中平均獲得球数などの各獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示するタイミングではないので、S1270〜S1276の処理をスキップして、処理をS1277に移行する。
【0354】
S1277では、第2表示中フラグ273wがオンであるか否かを判別する(S1277)。このとき、第2表示中フラグ273wがオンであれば(S1277:Yes)、S1272の処理により獲得球数表示領域81aに表示された各獲得球数の表示期間中であるので、消去タイミングが到来したか否かを判別する(S1278)。
【0355】
S1278の処理による判別の結果、消去タイミングが到来した場合には(S1278:Yes)、獲得球数表示消去処理を実行して、獲得球数表示領域81aに表示中の獲得球数を消去する(S1279)。次いで、第2表示中フラグ273xをオフに設定する(S1280)。
【0356】
S1280の処理後、有利状態中獲得球数メモリ273gをゼロクリアし(S1281)、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hをゼロクリアし(S1282)、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iをゼロクリアして(S1283)、獲得球数表示処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0357】
一方で、S1277の処理による判別の結果、第2表示中フラグ273wがオフであれば(S1277:No)、S1278〜S1283の処理をスキップして、獲得球数表示処理を終了する。また、S1278の処理による判別の結果、消去タイミングが未だに到来していない場合もまた(S1278:No)、S1279〜S1283の処理をスキップして、獲得球数表示処理を終了する。
【0358】
次に、
図26を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。
図26は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
【0359】
コマンド受信割込処理では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。このとき、大当たり開始コマンドを受信していない場合には(S1301:No)、処理をS1302に移行する。一方、大当たり開始コマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、大当たり中フラグ273aをオンに設定し(S1311)、処理をS1302に移行する。
【0360】
S1302の処理では、大当たり終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1302)。このとき、大当たり終了コマンドを受信していない場合には(S1302:No)、処理をS1303に移行する。一方、大当たり終了コマンドを受信した場合には(S1302:Yes)、大当たり終了時処理を実行し(S1312)、処理をS1303に移行する。なお、大当たり終了時処理(S1312)の詳細な処理については、
図27を参照して後述する。
【0361】
S1303の処理では、有利状態終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1303)。このとき、有利状態終了コマンドを受信していない場合には(S1303:No)、処理をS1304に移行する。一方、有利状態終了コマンドを受信した場合には(S1303:Yes)、有利状態終了コマンド受信フラグ273rをオンに設定して(S1313)、処理をS1304に移行する。
【0362】
S1304の処理では、確変開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。このとき、確変開始コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、処理をS1305に移行する。一方、確変開始コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、確変中フラグ273cをオンに設定し(S1314)、確変時短開始フラグ273eをオンに設定し(S1315)、処理をS1305に移行する。
【0363】
S1305の処理では、確変終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1305)。このとき、確変終了コマンドを受信していない場合には(S1305:No)、処理をS1306に移行する。一方、確変終了コマンドを受信した場合には(S1305:Yes)、確変終了時処理を実行し(S1316)、処理をS1306に移行する。なお、確変終了時処理(S1316)の詳細な処理については、
図28を参照して後述する。
【0364】
S1306の処理では、時短開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1306)。このとき、時短開始コマンドを受信していない場合には(S1306:No)、処理をS1307に移行する。一方、時短開始コマンドを受信した場合には(S1306:Yes)、時短中フラグ273dをオンに設定し(S1317)、確変時短開始フラグ273eをオンに設定し(S1318)、処理をS1307に移行する。
【0365】
S1307の処理では、時短終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。このとき、時短終了コマンドを受信していない場合には(S1307:No)、処理をS1308に移行する。一方、時短終了コマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、時短終了時処理を実行し(S1319)、処理をS1308に移行する。なお、時短終了時処理(S1319)の詳細な処理については、
図29を参照して後述する。
【0366】
S1308の処理では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1308)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1308:No)、処理をS1309に移行する。一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1308:Yes)、変動開始時処理を実行し(S1320)、処理をS1309に移行する。なお、変動開始時処理(S1320)の詳細な処理については、
図30を参照して後述する。
【0367】
S1309の処理では、賞球コマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。このとき、賞球コマンドを受信していない場合には(S1309:No)、処理をS1310に移行する。一方、賞球コマンドを受信した場合には(S1309:Yes)、払出球数カウント処理を実行し(S1321)、処理をS1310に移行する。なお、払出球数カウント処理(S1321)の詳細な処理については、
図31を参照して後述する。
【0368】
S1310の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1310)。このとき、その他のコマンドを受信していない場合には(S1310:No)、コマンド受信割込処理を終了する。一方、その他のコマンドを受信した場合は(S1310:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1322)、このコマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1322)としては、例えば、種別コマンドを受信した場合に、停止図柄の設定を行うことや、演出時間加減算コマンドを受信した場合に、演出時間の加減算値に応じた予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)の決定を行うことなどがある。
【0369】
次に、
図27を参照して、上述した大当たり終了時処理(S1312)について説明する。
図27は、上述したコマンド受信割込処理(
図26参照)の中で実行される大当たり終了時処理(S1312)を示すフローチャートである。
【0370】
大当たり終了時処理(S1312)では、まず、大当たり中フラグ273aをオフに設定し(S1401)、大当たり回数カウンタ273bに1加算する(S1402)。次いで、今回大当たり中発射球数を算出する(S1403)。具体的に、S1403では、大当たり中発射球数カウンタ273jの値から、発射球数前回値メモリ273lの値を差し引くことによって、今回大当たり中発射球数を算出する。
【0371】
S1403の処理後、S1403において算出した今回大当たり中発射球数を今回大当たり中発射球数メモリ273mに記憶し(S1404)、大当たり中発射球数カウンタ273jの値を、発射球数前回値メモリ273lに記憶する(S1405)。
【0372】
S1405の処理後、今回大当たり中払出球数を算出する(S1406)。具体的に、S1406では、大当たり中払出球数メモリ273kの値から、払出球数前回値メモリ273nの値を差し引くことによって、今回大当たり中払出球数を算出する。
【0373】
S1406の処理後、S1406において算出した今回大当たり中払出球数を今回大当たり中払出球数メモリ273oに記憶し(S1407)、大当たり中払出球数メモリ273kの値を、払出球数前回値メモリ273nに記憶する(S1408)。S1408の処理後、大当たり終了時表示フラグ273sをオンに設定して(S1409)、大当たり終了時処理を終了する。
【0374】
次に、
図28を参照して、上述した確変終了時処理(S1316)について説明する。
図28は、上述したコマンド受信割込処理(
図26参照)の中で実行される確変終了時処理(S1316)を示すフローチャートである。
【0375】
確変終了時処理(S1316)では、まず、確変中フラグ273cをオフに設定し(S1421)、確変時短回数カウンタ273fに1加算する(S1422)。次いで、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであるか否かを判別する(S1423)。このとき、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオフであれば(S1423:No)、一連の有利状態はその後も継続されるので、そのまま確変終了時処理を終了する。
【0376】
一方で、S1423の処理による判別の結果、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであれば(S1423:Yes)、一連の有利状態の期間が終了するタイミングであるので、確変時短終了時表示フラグ273uをオンに設定し(S1424)、第1表示中フラグ273vをオフに設定して(S1425)、確変終了時処理を終了する。
【0377】
次に、
図29を参照して、上述した時短終了時処理(S1318)について説明する。
図29は、上述したコマンド受信割込処理(
図26参照)の中で実行される時短終了時処理(S1318)を示すフローチャートである。
【0378】
時短終了時処理(S1318)では、まず、時短中フラグ273dをオフに設定し(S1441)、確変時短回数カウンタ273fに1加算する(S1442)。次いで、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであるか否かを判別する(S1443)。このとき、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオフであれば(S1443:No)、一連の有利状態はその後も継続されるので、そのまま時短終了時処理を終了する。
【0379】
一方で、S1443の処理による判別の結果、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであれば(S1443:Yes)、一連の有利状態の期間が終了するタイミングであるので、確変時短終了時表示フラグ273uをオンに設定し(S1444)、第1表示中フラグ273vをオフに設定して(S1445)、時短終了時処理を終了する。
【0380】
次に、
図30を参照して、上述した変動開始時処理(S1320)について説明する。
図30は、上述したコマンド受信割込処理(
図26参照)の中で実行される変動開始時処理(S1320)を示すフローチャートである。
【0381】
変動開始時処理(S1320)では、まず、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1461)、確変時短開始フラグ273eがオンであるかを判別する(S1462)。
【0382】
S1462の処理による判別の結果、確変時短開始フラグ273eがオフである場合には(S1462:No)、変動開始時処理を終了する。一方、確変時短開始フラグ273eがオンである場合には(S1462:Yes)、変動開始時表示フラグ273tをオンに設定し(S1463)、確変時短開始フラグ273eをオフに設定して(S1464)、変動開始時処理を終了する。
【0383】
次に、
図31を参照して、上述した払出球数カウント処理(S1321)について説明する。
図31は、上述したコマンド受信割込処理(
図26参照)の中で実行される払出球数カウント処理(S1321)を示すフローチャートである。
【0384】
払出球数カウント処理(S1321)では、まず、大当たり中フラグ273aがオンであるかを判別する(S1481)。このとき、大当たり中フラグ273aがオンであれば(S1481:Yes)、大当たり中払出球数メモリ273kの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、大当たり中払出球数メモリ273kの内容を更新する(S1482)。
【0385】
S1482の処理後、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの内容を更新する(S1483)。S1483の処理後、処理をS1484に移行する。
【0386】
一方、S1481の処理による判別の結果、大当たり中フラグ273aがオフであれば(S1481:No)、確変中フラグ273cがオンであるかを判別する(S1487)。このとき、確変中フラグ273cがオンであれば(S1487:Yes)、確変時短中払出球数メモリ273qの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、確変時短中払出球数メモリ273qの内容を更新する(S1488)。
【0387】
S1488の処理後、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273iの内容を更新する(S1489)。S1489の処理後、処理をS1484に移行する。
【0388】
S1484では、有利状態中獲得球数メモリ273gの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、有利状態中獲得球数メモリ273gの内容を更新する(S1484)。
【0389】
また、S1487の処理による判別の結果、確変中フラグ273cがオフであれば(S1487:No)、時短中フラグ273dがオンであるかを判別する(S1490)。このとき、時短中フラグ273cがオンであれば(S1490:Yes)、処理をS1488に移行する。
【0390】
S1484の処理後、第1表示中フラグ273vがオンであるかを判別する(S1485)。このとき、第1表示中フラグ273vがオンであれば(S1485:Yes)、高確率モード又は時間短縮モードにおける総獲得球数の表示期間中であるので、獲得球数表示領域81aに表示中の獲得球数を、S1484の処理によって更新された有利状態中獲得球数メモリ273gの値に更新し(S1486)、払出球数カウント処理を終了する。
【0391】
一方で、S1485の処理による判別の結果、第1表示中フラグ273vがオフであれば(S1485:No)、S1486の処理をスキップして、払出球数カウント処理を終了する。また、S1490の処理による判別の結果、時短中フラグ273cがオフである場合もまた(S1490:No)、払出球数カウント処理を終了する。
【0392】
次に、
図32を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される発射制御信号割込処理について説明する。
図32は、発射制御信号割込処理を示すフローチャートである。この発射制御信号割込処理は、主制御装置110から出力された発射制御信号(発射パルス)を受信する毎、即ち、発射制御信号の立ち上がりエッジが検出される毎に実行される割込処理である。
【0393】
発射制御信号割込処理では、まず、大当たり中フラグ273aがオンであるかを判別する(S1501)。このとき、大当たり中フラグ273aがオンであれば(S1501:Yes)、大当たり中発射球数カウンタ273jに1加算する(S1502)。
【0394】
S1502の処理後、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値から1減算することにより、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの内容を更新して(S1503)、処理をS1504に移行する。
【0395】
一方、S1501の処理による判別の結果、大当たり中フラグ273aがオフであれば(S1501:No)、確変中フラグ273cがオンであるかを判別する(S1507)。このとき、確変中フラグ273cがオンであれば(S1507:Yes)、確変時短中発射球数カウンタ273pに1加算する(S1508)。次いで、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値から1減算し(S1509)、処理をS1504に移行する。S1504では、有利状態中獲得球数メモリ273gの値から1減算することにより、有利状態中獲得球数メモリ273gの内容を更新する(S1504)。
【0396】
また、S1507の処理による判別の結果、確変中フラグ273cがオフであれば(S1507:No)、時短中フラグ273dがオンであるかを判別する(S1510)。このとき、時短中フラグ273cがオンであれば(S1510:Yes)、処理をS1508に移行する。
【0397】
S1504の処理後、第1表示中フラグ273vがオンであるかを判別する(S1505)。このとき、第1表示中フラグ273vがオンであれば(S1505:Yes)、高確率モード又は時間短縮モードにおける総獲得球数の表示期間中であるので、獲得球数表示領域81aに表示中の獲得球数を、S1504の処理によって更新された有利状態中獲得球数メモリ273gの値に更新し(S1506)、発射制御信号割込処理を終了する。
【0398】
一方で、S1505の処理による判別の結果、第1表示中フラグ273vがオフであれば(S1505:No)、S1506の処理をスキップして、発射制御信号割込処理を終了する。また、S1510の処理による判別の結果、時短中フラグ273cがオフである場合もまた(S1510:No)、発射制御信号割込処理を終了する。
【0399】
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、発射によって投入された発射球の数と、賞球として払い出された払出球の数との収支である、総獲得球数81a1や、大当たり中平均獲得球数などの獲得球数が算出されて、種々のタイミングで総獲得球数表示領域81aに表示されるので、賞球の払い出しにより遊技者が見かけ上で獲得している遊技球の数(即ち、払出球数)ではなく、実際の収支を、遊技者に実感させることができる。遊技に使用する球は、遊技者が紙幣などの対価を支払うことによって貸し出されるものであるので、そのような球を用いて行う遊技における獲得球数を遊技者が実感できることにより、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができる。
【0400】
特に、総獲得球数表示領域81aに表示される獲得球数(総獲得球数81a1や、大当たり中平均獲得球数など)は、一連の有利状態の期間中(即ち、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間中)における獲得球数であるので、例えば、次のような利点がある。
【0401】
例えば、大当たり(特別遊技状態)や、高確率モード又は時間短縮モードなどの有利状態は、通常状態(即ち、通常モード)より有利な状態であり、遊技者にとって有利な状態であるので、自身の遊技によって生じさせた一連の有利状態の期間中における獲得球数は、投入する遊技球に対して対価を支払っている遊技者が、特に興味を示し易い情報である。よって、一連の有利状態の期間中における獲得球数が表示されることにより、一連の有利状態の期間中に遊技者が十分な獲得球数を得ることができたと実感できた場合には、遊技の興趣も高まり、遊技に対する遊技者の満足度は大きく高まる。
【0402】
その一方で、一連の有利状態の期間中における獲得球数が不十分な数であると遊技者が実感した場合には、遊技者は釘調整の具合などを疑うことができ、それにより、台(パチンコ機10)を変更させるきっかけを遊技者に与えることができる。よって、遊技者が、好ましくない釘調整の遊技機で遊技をし続ける状況を回避する可能性を与えることができ、遊技者の不満が溜まることを防止することができる。よって、この点においても遊技の興趣を高めることができる。
【0403】
また、大当たり中平均獲得球数や、確変時短中平均獲得球数といった種類の獲得球数は、遊技者が自身によってより有利な台を選択するための指標となり得るので、遊技者に自身が納得できる台を選択させることができる。よって、遊技者に、自身が納得して選んだパチンコ機を使用させることができるので、満足のいく遊技を遊技者に行わせることができ、この点においても遊技の興趣を高めることができる。
【0404】
また、一般的に、大当たり中に払い出される払出球数はほぼ一定であるのに対して、その期間に投入した球の数(即ち、発射球数)は不定であるので、大当たり中における獲得球数は、発射球数に応じて主に変動する。つまり、大当たり中における獲得球数は、釘調整の具合などによって主に変動する。よって、大当たり中平均獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示することにより、釘調整の具合など、自身にとって有利又は不利となり得る状況を推測し易い。
【0405】
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、獲得球数の算出に使用される発射球数は、操作ハンドル51の操作に基づいて主制御装置110から出力される発射制御信号を用いて計数され、払出球数は、主制御装置110が払出制御手段111に払い出す賞球の数を実際に指示する賞球コマンドを用いて計数するので、好適な精度で獲得球数を得ることができる。また、操作ハンドル51の操作は遊技者によって行われるものであるので、遊技者が操作ハンドル51を操作したことに基づいて行われる遊技(即ち、自身が行う遊技)における獲得球数を遊技者が実感でき、自身が行う遊技の興趣を高めることができる。
【0406】
なお、上記第1実施形態では、「確変時短中平均獲得球数」を、1回の高確率モード又は1回の時間短縮モードあたりの獲得球数の平均値として算出したが、一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード又は各時間短縮モードにおける、1回の変動表示あたりの獲得球数の平均値としてもよい。なお、第1実施形態における確変時短中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値)と区別するために、本変形例の確変時短中平均獲得球数、即ち、一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード又は各時間短縮モードにおける、1回の変動表示あたりの獲得球数の平均値を「第2の確変時短中平均獲得球数」と称する。
【0407】
かかる変形例について、
図33〜
図35を参照して説明する。なお、本変形例において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0408】
図33は、本変形例における演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。
図33に示すように、本変形例においては、確変時短回数カウンタ273fに換えて、有利状態変動回数カウンタ273xを有している。また、本変形例のRAM273は、有利状態中フラグ273yを有している。
【0409】
有利状態変動回数カウンタ273xは、一連の有利状態の期間中に実行された変動表示の回数を計数するカウンタである。有利状態変動回数カウンタ273xには、有利状態の期間中に変動表示が開始される毎に1ずつ加算される。そして、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、第2の確変時短中平均獲得球数を算出した後、有利状態変動回数カウンタ273xはゼロクリアされる。なお、有利状態変動回数カウンタ273xは、電源投入時など、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。
【0410】
有利状態中フラグ273yは、有利状態の期間中であるか否かを示すフラグである。具体的に、有利状態中フラグ273yは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、有利状態中であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、有利状態中でないことを示す。有利状態中フラグ273yは、演出制御装置117が、大当たり開始コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンに設定される。その後、演出制御装置117が、有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合に、有利状態中フラグ273yはオフに設定される。なお、有利状態変動回数カウンタ273xは、電源投入時など、RAM273が初期化される毎にオフに初期化される。
【0411】
図34は、本変形例におけるコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
図34に示すように、本変形例のコマンド受信割込処理は、演出制御装置117が主制御装置110から大当たり開始コマンドを受信した場合に、有利状態中フラグ273yをオンに設定する処理(S1323)と、演出制御装置117が主制御装置110から有利状態終了コマンドを受信した場合に、有利状態中フラグ273yをオフに設定する処理(S1324)とを実行する点以外、上述した第1実施形態のコマンド受信割込処理(
図26参照)と同様である。
【0412】
図35は、本変形例における変動開始時処理(S1320)を示すフローチャートである。
図35に示すように、本変形例の変動開始時処理では、上述した第1実施形態の変動開始時処理(
図30参照)と同様に、S1461〜S1464の処理を実行した後、有利状態中フラグ273yがオンであるか否かを判別する(S1465)。このとき、有利状態中フラグ273yがオンであれば(S1465:Yes)、有利状態中変動回数カウンタ273xに1加算し(S1466)、変動開始時処理を終了する。一方で、S1465の処理による判別の結果、有利状態中フラグ273yがオフであれば、S1466の処理をスキップして、変動開始時処理を終了する。
【0413】
本変形例によれば、演出制御装置117が、一連の有利状態の期間中に、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合には、その都度、有利状態中変動回数カウンタ273xを更新することにより、一連の有利状態の期間中に実行された変動表示の回数を計数する。かかる有利状態中変動回数カウンタ273xの値は、一連の有利状態の期間が終了した場合に、第2の有利状態中変動表示時平均獲得球数(即ち、一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード又は各時間短縮モードにおける、1回の変動表示あたりの獲得球数の平均値)を算出する際に使用される。
【0414】
具体的に、図示はしないが、上述した第1実施形態の獲得球数表示処理(
図25参照)において、確変時短中平均獲得球数を算出する処理(S1271)に換えて、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値と、有利状態中変動回数カウンタ273xの値とから、第2の確変時短中平均獲得球数を算出する。なお、第2の確変時短中平均獲得球数は、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値を、有利状態中変動回数カウンタ273xの値で割ることによって算出できる。
【0415】
そして、S1272(
図25参照)において、上述の通り算出された第2の確変時短中平均獲得球数を、総獲得球数及び大当たり中平均獲得球数とともに、獲得球数表示領域81aに表示する。即ち、第1実施形態の確変時短中平均獲得球数に換えて、第2の確変時短中平均獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示する。
【0416】
なお、第1実施形態の獲得球数表示処理(
図25参照)では、S1274において、確変時短回数カウンタ273fのゼロクリアを行ったが、本変形例では、S1274において、有利状態中変動回数カウンタ273xのゼロクリアを行う。
【0417】
また、本変形例では、確変時短回数カウンタ273fを使用しないので、上述した第1実施形態の確変終了時処理(
図28参照)及び時短終了時処理(
図29参照)において、それぞれ、S1422及びS1442の処理を省略する。
【0418】
次に、
図36〜
図39を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、一連の有利状態の期間が終了する毎に、その一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値である大当たり中平均獲得球数と、その一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値である確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する構成とした。
【0419】
この第2実施形態では、さらに、本パチンコ機10が電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に生じた1又は複数回の一連の有利状態の期間における大当たり中に限った獲得球数の、大当たり1回あたりの平均値(以下、この数を「全大当たり中平均獲得球数」と称する)と、本パチンコ機10が電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に生じた1又は複数回の一連の有利状態の期間における高確率モード中又は時間短縮モード中に限った獲得球数の、これらのモード1回あたりの平均値(以下、この数を「全確変時短中平均獲得球数」と称する)とを、所定の条件下で獲得球数表示領域81aに表示できるように構成されている。
【0420】
詳細は後述するが、本実施形態では、客待ち演出(パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に第3図柄遊技装置81に表示されるタイトル表示やデモ表示などの表示演出)が第3図柄表示装置に表示されている期間中に、遊技者が枠ボタン22を操作していることを条件として、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数が表示されるように構成されている。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0421】
図36は、第2実施形態のパチンコ機10における演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。本実施形態では、上述した第1実施形態のRAM273が有する構成273a〜273wに加えて、第1獲得球数累積メモリ273aaと、第2獲得球数累積メモリ273abと、大当たり回数累積メモリ273acと、確変時短回数累積メモリ273adと、第3表示中フラグ273aeとを有する。
【0422】
第1獲得球数累積メモリ273aaは、一連の有利状態の期間(即ち、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間)における大当たり中に限った獲得球数を累積して記憶するためのメモリである。第1獲得球数累積メモリ273aaは、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、第1獲得球数累積メモリ273aaには、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hをゼロクリアする前に、そのときの有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値が加算(累積)される。
【0423】
第2獲得球数累積メモリ273abは、一連の有利状態の期間における高確率モード中又は時間短縮モード中に限った獲得球数を累積して記憶するためのメモリである。第2獲得球数累積メモリ273abは、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、第2獲得球数累積メモリ273abには、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iをゼロクリアする前に、そのときの有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値が加算(累積)される。
【0424】
大当たり回数累積メモリ273acは、一連の有利状態の期間において大当たりが発生した回数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って累積して記憶するためのメモリである。大当たり回数累積メモリ273acは、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、大当たり回数累積メモリ273acには、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、大当たり回数カウンタ273bをゼロクリアする前に、大当たり回数カウンタ273bの値が加算して(累積して)記憶される。
【0425】
確変時短回数累積メモリ273adは、一連の有利状態の期間中に、遊技モードが高確率モード又は時間短縮モードに設定された回数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って累積して記憶するためのメモリである。確変時短回数累積メモリ273adは、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、確変時短回数累積メモリ273adには、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信する毎に、確変時短回数カウンタ273fをゼロクリアする前に、確変時短回数カウンタ273fの値が加算して(累積して)記憶される。
【0426】
第3表示中フラグ273aeは、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されていることを示すためのフラグである。第3表示中フラグ273aeは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されていることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数が獲得球数表示領域81aに表示されていないことを示す。本実施形態では、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数は、客待ち演出が第3図柄表示装置81に表示されている期間中に、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)していることを条件として獲得球数表示領域81aに表示される。よって、第3表示中フラグ273aeは、客待ち演出が第3図柄表示装置81に表示されている期間中に、枠ボタン22が操作(押下)されると、オンに設定される。その後、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数の表示中(即ち、第3表示中フラグ273aeがオンに設定されている場合)に、遊技者が枠ボタン22から手を離して操作を解除するか、遊技者によるハンドル51の操作などによって客待ち演出が非表示にされると、第3表示中フラグ273aeはオフに設定される。
【0427】
図37は、第2実施形態の音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。この第2実施形態の音声ランプ演出処理は、第1実施形態の音声ランプ演出処理(
図23参照)に換わる処理であり、客待ち演出処理(S1222)の後に、客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)を実行する点で、第1実施形態の音声ランプ演出処理と異なる。
【0428】
具体的に、第2実施形態の音声ランプ演出処理(S1102)では、上述した第1実施形態と同様に、各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定し(S1221)、客待ち演出処理を実行する(S1222)。なお、上述した通り、客待ち演出処理(S1222)は、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出に切り替える設定などを行う処理である。本実施形態では、変動表示又は大当たり演出の終了後、特図保留球数Nが0である状態が所定時間(例えば、1分)以上継続された場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出に切り替えるように設定を行う。一方で、第3図柄表示装置81に客待ち演出が表示されている場合に、操作ハンドル51が操作されると、その客待ち演出を非表示に切り替えるように設定を行う。
【0429】
客待ち演出処理(S1222)の実行後、客待ち演出中獲得球数表示処理を実行する(S2221)。客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)は、客待ち演出が第3図柄表示装置に表示されている期間中に、枠ボタン22が操作された場合に、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示する処理である。なお、客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)の詳細な処理については、
図38を参照して後述する。
【0430】
客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)の実行後は、上述した第1実施形態と同様に、保留個数表示更新処理(S1223)、枠ボタン入力監視・演出処理(S1224)、ランプ編集処理(S1225)、音編集・出力処理(S1226)、及び液晶演出実行管理処理(S1227)を実行し、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
【0431】
図38は、上述した第2実施形態の音声ランプ演出処理(
図37参照)の中で実行される客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)を示すフローチャートである。
【0432】
客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)では、まず、客待ち演出が第3図柄表示装置に表示されている期間中(客待ち演出中)であるか否かを判別する(S2601)。このとき、客待ち演出中であれば(S2601:Yes)、枠ボタン22からハイの信号が入力されているか否かに基づき、枠ボタン22が操作(押下)されているか否かを判別する(S2602)。
【0433】
S2602の処理による判別の結果、枠ボタン22からハイの信号が入力されている、即ち、枠ボタン22が操作されている場合には(S2602:Yes)、第3表示中フラグ273aeがオンであるか否かを判別する(S2603)。
【0434】
S2603の処理による判別の結果、第3表示中フラグ273aeがオフである場合には(S2603:No)、枠ボタン22が非操作状態から操作(押下)されたことを示すので、かかる場合には、第3表示中フラグ273aeをオンに設定する(S2604)。
【0435】
S2604の処理後、全大当たり中平均獲得球数を算出する(S2605)。具体的に、S2605では、第1獲得球数累積メモリ273aaの値を、大当たり回数累積メモリ273acの値で割ることによって、全大当たり中平均獲得球数(電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値)を算出する。
【0436】
S2605の処理後、全確変時短中平均獲得球数を算出する(S2606)。具体的に、S2606では、第2獲得球数累積メモリ273abの値を、確変時短回数累積メモリ273adの値で割ることによって、全確変時短中平均獲得球数(電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値)を算出する。
【0437】
S2606の処理後、S2605において算出した全大当たり中平均獲得球数と、S2606において算出した全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する(S2607)。S2607の処理後、客待ち演出中獲得球数表示処理を終了し、音声ランプ演出処理(
図37参照)に戻る。なお、S2607において獲得球数表示領域81aに表示された全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数は、客待ち演出が非表示となるか、枠ボタン22が非操作状態となるまで、獲得球数表示領域81aに表示され続ける。
【0438】
一方で、S2603の処理による判別の結果、第3表示中フラグ273aeがオンである場合には(S2603:Yes)、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数の表示期間中であるので、そのまま、客待ち演出中獲得球数表示処理を終了し、音声ランプ演出処理(
図37参照)に戻る。
【0439】
また、S2601の処理による判別の結果、客待ち演出中でない場合には(S2601:No)、処理をS2608に移行する。S2602の処理による判別の結果、枠ボタン22からローの信号が入力されている、即ち、枠ボタン22が非操作状態である場合もまた(S2602:No)、処理をS2608に移行する。
【0440】
S2608では、第3表示中フラグ273aeがオンであるか否かを判別する(S2608)。このとき、第3表示中フラグ273aeがオンである場合には(S2608:No)、枠ボタン22が操作されている状態から、非操作状態(遊技者が枠ボタン22から手を離した状態)にされたことを示すので、かかる場合には、第3表示中フラグ273aeをオフに設定する(S2609)。
【0441】
S2609の処理後、獲得球数表示消去処理を実行して、獲得球数表示領域81aに表示中の全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を消去し(S2610)、客待ち演出中獲得球数表示処理を終了し、音声ランプ演出処理(
図37参照)に戻る。
【0442】
一方で、S2608の処理による判別の結果、第3表示中フラグ273aeがオフである場合には(S2608:No)、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数は表示されていないので、そのまま、客待ち演出中獲得球数表示処理を終了し、音声ランプ演出処理(
図37参照)に戻る。
【0443】
即ち、上述した客待ち演出中獲得球数表示処理(S2221)によれば、客待ち演出が第3図柄表示装置に表示されている期間中(客待ち演出中)に、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)した場合には、枠ボタン22が操作されている間、全大当たり中平均獲得球数と全確変時短中平均獲得球数とが獲得球数表示領域81aに表示される。獲得球数表示領域81aに表示された全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数は、遊技者が枠ボタン22から手を離すか、遊技者が操作ハンドル51を操作したことによって客待ち演出が非表示にされると消去される。
【0444】
図39は、第2実施形態の獲得球数表示処理(S1106)を示すフローチャートである。この第2実施形態の獲得球数表示処理は、第1実施形態の獲得球数表示処理(
図25参照)に換わる処理であり、確変時短終了時表示フラグ273uがオンである場合に、第1獲得球数累積メモリ273aa、第2獲得球数累積メモリ273ab、大当たり回数累積メモリ273ac、及び確変時短回数累積メモリ273adの値をそれぞれ更新する点で、第1実施形態の獲得球数表示処理と異なる。
【0445】
具体的に、第2実施形態の獲得球数表示処理(S1106)では、上述した第1実施形態と同様に、S1261〜S1264の処理と、S1265〜S1268の処理とを実行する。
【0446】
S1268の処理後、又は、S1265の処理による判別の結果、変動開始時表示フラグ273tがオフである場合(S1265:No)には、上述した第1実施形態と同様に、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであるか否かを判別する(S1269)。このとき、確変時短終了時表示フラグ273uがオフであれば(S1269:No)、処理をS1277に移行する。一方で、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであれば(S1269:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1270〜S1272の処理を実行した後、処理をS2261に移行する。
【0447】
S2261では、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値を、第1獲得球数累積メモリ273aaの値に加算する(S2261)。S2261の処理により、第1獲得球数累積メモリ273aaには、本パチンコ機10が電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に生じた一連の有利状態の期間における大当たり中に限った獲得球数が累積して記憶される。
【0448】
S2261の処理後、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iの値を、第2獲得球数累積メモリ273abの値に加算する(S2262)。S2262の処理により、第2獲得球数累積メモリ273abには、本パチンコ機10が電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に生じた一連の有利状態の期間における高確率モード中又は時間短縮モード中に限った獲得球数が累積して記憶される。
【0449】
S2263の処理後、大当たり回数カウンタ273bの値を、大当たり回数累積メモリ273acの値に加算し(S2263)、確変時短回数カウンタ273fの値を、確変時短回数累積メモリ273adの値に加算する(S2264)。
【0450】
S2264の処理後、上述した第1実施形態と同様に、S1273〜S1276の処理を実行し、処理をS1277に移行する。そして、上述した第1実施形態と同様に、S1277〜S1283の処理を実行し、獲得球数表示処理を終了し、メイン処理(
図22参照)に戻る。
【0451】
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、客待ち演出が第3図柄表示装置に表示されている期間中に、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)することにより、全大当たり中平均獲得球数と全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示させることができる。全大当たり中平均獲得球数や、全確変時短中平均獲得球数といった種類の獲得球数は、遊技者が自身にとってより有利な台を選択するための指標となり得る。よって、第2実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者は、空いている台(誰も遊技しておらず、客待ち演出が表示されている台)の枠ボタン22を押下することにより、枠ボタン22の押下によって表示された全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数に基づいて、自身が納得できる台を選択することができる。つまり、遊技者に、自身が納得して選んだパチンコ機を使用させることができる。よって、満足のいく遊技を遊技者に行わせることができるので、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができ、これにより、遊技者に満足感を与えることができる。
【0452】
次に、
図40〜
図45を参照して、第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、通常モードにおいて発生した特別遊技状態の開始から、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了するまでの期間を「一連の有利状態の期間」とし、その一連の有利状態の期間中における獲得球数(例えば、総獲得球数81a1など)を獲得球数表示領域81aに表示する構成とした。
【0453】
これに対し、第3実施形態では、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した後、所定期間内に特別遊技状態(大当たり)が生じた場合には、その特別遊技状態から始まる有利状態における獲得球数を、直前の一連の有利状態の期間(即ち、変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した高確率モード又は時間短縮モードを含む一連の有利状態の期間)に加算して計数する。なお、第3実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0454】
図40は、第3実施形態のパチンコ機10における演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。本実施形態では、上述した第1実施形態のRAM273が有する構成273a〜273wに加えて、付加期間カウンタ273afを有する。
【0455】
付加期間カウンタ273afは、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した後、一連の有利状態の期間の開始条件である特別遊技状態の発生を監視する期間(以下、この期間を「付加期間」と称する)を計るためのカウンタである。なお、本実施形態では、付加期間を、上皿17に貯留可能な所定数の球(遊技球)が発射されるまで期間とし、所定数として150を採用している。付加期間カウンタ273afは、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信すると、初期値(本実施形態では、150)が付加期間カウンタ273afに設定され、演出制御装置117が発射制御信号を主制御装置110から受信する毎に1ずつ減算される。
【0456】
なお、この第3実施形態において、大当たり回数カウンタ273b、確変時短回数カウンタ273f、有利状態中獲得球数メモリ273g、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273h、及び有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iは、いずれも、付加期間カウンタ273afによる付加期間の計数中に、付加期間カウンタ273afがゼロに達した場合にゼロクリアされるように構成されている。
【0457】
図41は、第3実施形態の獲得球数表示処理(S1106)を示すフローチャートである。この第3実施形態の獲得球数表示処理は、第1実施形態の獲得球数表示処理(
図25参照)に換わる処理であり、大当たり回数カウンタ273b、確変時短回数カウンタ273f、有利状態中獲得球数メモリ273g、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273h、及び有利状態確変時短中獲得球数メモリ273iをゼロクリアする処理が省略されている点で、第1実施形態の獲得球数表示処理と異なる。
【0458】
具体的に、第3実施形態の獲得球数表示処理(S1106)では、上述した第1実施形態と同様に、S1261〜S1264の処理と、S1265〜S1268の処理とを実行する。S1268の処理後、又は、S1265の処理による判別の結果、変動開始時表示フラグ273tがオフである場合(S1265:No)には、上述した第1実施形態と同様に、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであるか否かを判別する(S1269)。このとき、確変時短終了時表示フラグ273uがオフであれば(S1269:No)、処理をS1277に移行し、上述した第1実施形態と同様に、S1277〜S1280の処理を実行した後、獲得球数表示処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方で、確変時短終了時表示フラグ273uがオンであれば(S1269:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1270〜S1272,S1275,S1276の処理を実行し、処理をS1277移行する。
【0459】
図42は、第3実施形態の確変終了時処理(S1316)を示すフローチャートである。この第3実施形態の確変終了時処理は、第1実施形態の確変終了時処理(
図28参照)に換わる処理であり、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンである場合に、付加期間カウンタ273afに初期値を設定する処理を行う点で、第1実施形態の確変終了時処理と異なる。
【0460】
具体的に、第3実施形態の確変終了時処理(S1316)では、上述した第1実施形態と同様に、S1421〜S1423の処理を実行する。S1423の処理による判別の結果、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオフであれば(S1423:No)、確変終了時処理を終了する。
【0461】
一方で、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであれば(S1423:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1424,S1425の処理を実行する。そして、S1425の処理後、付加期間カウンタ273afに初期値を設定し(S3421)、確変終了時処理を終了する。
【0462】
なお、本実施形態では、付加期間カウンタ273afにより計数される付加期間は、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了してから、150個の球が発射されるまでの期間であるので、S3421では、付加期間カウンタ273afに初期値として150を設定する。
【0463】
図43は、第3実施形態の時短終了時処理(S1319)を示すフローチャートである。第3実施形態の時短終了時処理は、第1実施形態の時短終了時処理(
図29参照)に換わる処理である。上述した第3実施形態の確変終了時処理(
図42参照)と同様、この第3実施形態の時短終了時処理もまた、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンである場合に、付加期間カウンタ273afに初期値を設定する処理を行う点で、第1実施形態の時短終了時処理と異なる。
【0464】
具体的に、第3実施形態の時短終了時処理(S1319)では、上述した第1実施形態と同様に、S1441〜S1443の処理を実行し、S1443の処理による判別の結果、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオフであれば(S1443:No)、時短終了時処理を終了する。
【0465】
一方で、S1443の処理による判別の結果、有利状態終了コマンド受信フラグ273rがオンであれば(S1443:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1444,S1445の処理を実行した後、付加期間カウンタ273afに初期値として150を設定して(S3441)、時短終了時処理を終了する。
【0466】
よって、上述した第3実施形態の確変終了時処理(
図42参照)及び時短終了時処理(
図43参照)によれば、演出制御装置117が有利状態終了コマンドを主制御装置110から受信した場合(即ち、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了する場合)には、付加期間カウンタ273afに初期値が設定され、それにより、付加期間が設定される。なお、付加期間とは、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した後、一連の有利状態の期間の開始条件が成立したか否か(即ち、特別遊技状態が発生したか否か)を監視する期間であり、この付加期間において、前記終了条件の成立に伴う一連の有利状態の期間の終了が保留される。
【0467】
図44は、第3実施形態の払出球数カウント処理(S1321)を示すフローチャートである。この第3実施形態の払出球数カウント処理は、第1実施形態の払出球数カウント処理(
図31参照)に換わる処理であり、付加期間中において、有利状態中獲得球数メモリ273gの値を賞球数に応じて更新するように構成されている点で、第1実施形態の払出球数カウント処理と異なる。
【0468】
具体的に、第3実施形態の払出球数カウント処理(S1321)では、大当たり中フラグ273aがオンであるかを判別し(S1481)、大当たり中フラグ273aがオンであれば(S1481:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1482〜S1486の処理を実行し、払出球数カウント処理を終了する。
【0469】
一方で、大当たり中フラグ273aがオフである場合には(S1481:No)、確変中フラグ273cがオンであるかを判別し(S1487)、確変中フラグ273cがオンであれば(S1487:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1488,S1489の処理を実行し、処理をS1484に移行する。また、S1487の処理による判別の結果、確変中フラグ273cがオフである場合には(S1487:No)、時短中フラグ273dがオンであるかを判別し(S1490)、時短中フラグ273dがオンであれば(S1490:Yes)、処理をS1488に移行する。
【0470】
S1490の処理による判別の結果、時短中フラグ273dがオフであれば(S1490:No)、付加期間カウンタ273afの値がゼロより大きいか否かを判別する(S3481)。S3481の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値がゼロ又はそれ以下の値である場合には(S3481:No)、付加期間中ではないので、かかる場合には、払出球数カウント処理を終了する。
【0471】
一方で、S3481の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値がゼロより大きい場合には(S3481:Yes)、付加期間中であるので、かかる場合には、処理をS1484に移行し、有利状態中獲得球数メモリ273gの値に、賞球コマンドが示す払出球数を加算することにより、有利状態中獲得球数メモリ273gの内容を更新する(S1484)。
【0472】
図45は、第3実施形態の発射制御信号割込処理を示すフローチャートである。この第3実施形態の発射制御信号割込処理は、第1実施形態の発射制御信号割込処理(
図32参照)に換わる処理であり、付加期間中において、付加期間カウンタ273afの更新と、有利状態中獲得球数メモリ273gの更新とを行うように構成されている点で、第1実施形態の発射制御信号割込処理と異なる。
【0473】
具体的に、第3実施形態の発射制御信号割込処理では、大当たり中フラグ273aがオンであるかを判別し(S1501)、大当たり中フラグ273aがオンであれば(S1501:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1502〜S1506の処理を実行し、発射制御信号割込処理を終了する。
【0474】
一方で、大当たり中フラグ273aがオフである場合には(S1501:No)、確変中フラグ273cがオンであるかを判別し(S1507)、確変中フラグ273cがオンであれば(S1507:Yes)、上述した第1実施形態と同様に、S1508,S1509の処理を実行し、処理をS1504に移行する。また、S1507の処理による判別の結果、確変中フラグ273cがオフである場合には(S1507:No)、時短中フラグ273dがオンであるかを判別し(S1510)、時短中フラグ273dがオンであれば(S1510:Yes)、処理をS1508に移行する。
【0475】
S1510の処理による判別の結果、時短中フラグ273dがオフであれば(S1510:No)、付加期間カウンタ273afの値がゼロより大きいか否かを判別する(S3501)。S3501の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値が0又はそれ以下の値である場合には(S3501:No)、付加期間中ではないので、かかる場合には、発射制御信号割込処理を終了する。
【0476】
一方で、S3501の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値がゼロより大きい場合には(S3501:Yes)、付加期間中であるので、かかる場合には、付加期間を計るために、付加期間カウンタ273afから1減算する(S3502)。次いで、有利状態中獲得球数メモリ273gの値から1減算することにより、有利状態中獲得球数メモリ273gの内容を更新する(S3503)。
【0477】
S3503の処理後、付加期間カウンタ273afの値がゼロであるか否かを判別する(S3504)。S3504の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値がゼロでない場合には(S3504:No)、付加期間を終了するタイミングに未だ到達していないので、発射制御信号割込処理を終了する。
【0478】
一方で、S3504の処理による判別の結果、付加期間カウンタ273afの値がゼロである場合には(S3504:Yes)、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了してから、150個の球が発射されたことによる付加期間の終了タイミングである。そのため、かかる場合には、一連の有利状態の期間において計数した各獲得球数(総獲得球数81a1など)をクリアするために、有利状態中獲得球数メモリ273g、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273h、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273i、大当たり回数カウンタ273b、及び確変時短回数カウンタ273fのゼロクリアを実行し(S3505〜S3509)、発射制御信号割込処理を終了する。
【0479】
よって、上述した第3実施形態の払出球数カウント処理(
図44参照)及び発射制御信号割込処理(
図45参照)によれば、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した場合であっても、その後に設定される付加期間中は、S1484及びS3503の処理が実行されるので、パチンコ機10から払い出された賞球の数(即ち、払出数)や、球発射ユニット112aから発射された球の数(即ち、遊技に使用した球の数である発射球数)に応じて、総獲得数が引き続き更新される。
【0480】
そして、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件が成立した場合であっても、付加期間(本実施形態では、150個の球が発射されるまでの期間)中は、有利状態中獲得球数メモリ273g、有利状態大当たり中獲得球数メモリ273h、有利状態確変時短中獲得球数メモリ273i、大当たり回数カウンタ273b、及び確変時短回数カウンタ273fがゼロクリアされない。よって、この付加期間中に特別遊技状態(大当たり)が生じた場合には、その特別遊技状態から始まる有利状態における獲得球数を、直前の一連の有利状態の期間(即ち、変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了した高確率モード又は時間短縮モードを含む一連の有利状態の期間)と付加期間とにおいて計数された獲得球数に加算することができる。
【0481】
つまり、本実施形態では、変動表示の回数により規定される高確率モード又は時間短縮モードの終了条件が成立した場合であっても、付加期間中は一連の有利状態の期間の終了が保留される。そして、その付加期間中に特別遊技状態が生じたことを条件として、一連の有利状態の期間を延長することができる。
【0482】
以上説明した通り、第3実施形態のパチンコ機10によれば、付加期間中に特別遊技状態が生じた場合には、一連の有利状態を延長させることができる。つまり、付加期間中に生じた特別遊技状態から始まる一連の有利状態における総獲得球数81a1などの獲得球数が、変動表示の回数により規定される高確率モード又は時間短縮モードの終了条件の成立に基づいて終了した一連の有利状態における獲得球数に加算される。よって、総獲得球数81a1は、一連の有利状態の期間が延長された分だけ多くなるので、獲得球数表示領域81aに表示された総獲得球数81a1を見た遊技者に、多くの獲得球数が得られたと印象付けることができ、遊技者の満足感や優越感を高めることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0483】
また、変動表示の回数により規定される高確率モード又は時間短縮モードの終了条件の成立後の比較的短い期間(本実施形態では、150個の球が発射されるまでの期間)を、その一連の有利状態の期間の終了を保留する期間(即ち、付加期間)とするので、一連の有利状態の期間を違和感なく延長することができる。よって、遊技者は、獲得球数表示領域81aに表示された総獲得球数81a1に対して、一連の有利状態の期間中に自身が実際に獲得できた球の数であると自然に受け入れることができ、それによって、十分な満足感や優越感を得ることができる。
【0484】
特に、本実施形態では、150個の球が発射される期間を付加期間としている。この「150個の球」は、一般的には上皿17に貯留可能な球の数である。付加期間として設定される数値が上皿17に貯留可能な球の数を超える値であった場合には、遊技者は球を上皿17に追加する必要があり、球を追加するための動作を行う必要がある。そのため、遊技者が、一連の有利状態の期間の終了を保留する期間(即ち、付加期間)に対して「長い」と感じる可能性があり、付加期間中に特別遊技状態が生じて、一連の有利状態の期間が延長されたとしても、その延長に対して違和感を感じる可能性がある。
【0485】
しかし、本実施形態のパチンコ機によれば、上皿17に貯留可能な範囲内の球が発射(消化)される期間を付加期間(一連の有利状態の期間の終了を保留する期間)としたことにより、付加期間を遊技者に「長い」と感じさせることを抑制することができ、一連の有利状態の期間を違和感なく延長することが可能となる。また、「150個の球」は、一般的には遊技者が上皿17に球を追加する可能性の低い球の数でもあるので、その点においても、一連の有利状態の期間を違和感なく延長することが可能となる。
【0486】
また、本実施形態では、変動表示の回数により規定される高確率モード又は時間短縮モードの終了条件が成立したことに伴って獲得球数表示領域81aに表示される各獲得球数(総獲得球数、大当たり中平均獲得球数、確変時短中平均獲得球数)は、付加期間中に消去タイミングが到来して一旦消去される。遊技のモードは上記終了条件の成立によって通常モードに戻る(即ち、一連の有利状態の期間は見かけ上終了している)ので、獲得球数表示領域81aに表示された内容を付加期間中に一旦消去することにより、通常モードであるにもかかわらず有利状態の期間中であるかのような違和感を遊技者に与えることを抑制でき、この点においても、一連の有利状態の期間をより違和感のない形で延長することができる。
【0487】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0488】
例えば、上記各実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
【0489】
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。
【0490】
なお、かかる構成を採用する場合には、上記各実施形態において主制御装置110から演出制御装置117へ出力した賞球コマンドや発射制御信号(発射パルス)を、例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置へ一旦出力し、そのコマンド又は制御信号(あるいは、そのコマンド又は制御信号に基づいて設定したコマンドや制御信号)を音声ランプ制御装置から表示制御装置へ出力し、表示制御装置において、
図25の獲得球数表示処理や、
図27の大当たり処理や、
図28の確変終了時処理や、
図29の時短終了時処理や、
図39の変動開始時処理や、
図31の払出球カウント処理や、
図32の発射制御信号割込処理を実行させることにより、上記各実施形態と同様に、獲得球数表示領域81aに総獲得球数81a1などの各種獲得球数を表示させる構成としてもよい。あるいは、音声ランプ制御装置において、
図26〜
図32の各フローチャートにおいて行われる獲得球数の計数を行い、得られた獲得球数を示すコマンドを表示制御装置に出力し、表示制御装置において、そのコマンド(獲得球数を示すコマンド)に基づき、上記各実施形態と同様に、獲得球数表示領域81aに総獲得球数81a1などの各種獲得球数を表示させる構成としてもよい。
【0491】
また、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続する構成において、表示制御手段を、さらに主制御装置110にも接続して、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドや制御信号を送信するものとしてもよい。
【0492】
あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。
【0493】
また、上記各実施形態では、主制御装置110は、発射制御信号(発射パルス)を発射制御装置112と演出制御装置117とに出力する構成としたが、主制御装置110は、発射制御信号を発射制御装置112にのみ出力し、発射制御装置112が、発射制御信号を受信する毎に、制御信号又は発射制御信号を受信したことを示すコマンドを演出制御装置117に出力する構成としてもよい。
【0494】
また、上記各実施形態では、主制御装置110は、払出制御装置111から入力された発射許可信号に基づき0.6秒毎に発射制御信号を演出制御装置117に出力する構成としたが、主制御装置110は、払出制御装置111から発射許可信号を受信した場合には開始コマンドを、その後に発射許可信号が途絶えた場合には終了コマンドを、演出制御装置117に出力し、演出制御装置117において、開始コマンドを受信してから、終了コマンドを受信するまでの期間において、所定間隔(例えば、0.6秒毎)を球の発射タイミングであると判断し、そのタイミングで、大当たり中発射球数などの発射球数を計数する構成としてもよい。
【0495】
また、上記各実施形態では、払出制御装置111は、発射許可信号を主制御装置110に出力する構成としたが、払出制御装置111は、発射許可信号を発射制御装置112に出力し、発射制御装置112において、
図17の発射制御処理と同様の処理を実行し、球の発射タイミングを制御する構成としてもよい。あるいは、タッチセンサ51a及びストップスイッチ51bからの出力を発射制御装置112に入力させ、発射制御装置112において、タッチセンサ51aがオンであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフである場合に限って所定間隔(例えば、0.6秒間隔)で球を発射させる制御を行うように構成してもよい。
【0496】
これらの構成(即ち、発射制御装置112が球の発射タイミングを制御する構成)を採用した場合には、発射制御装置112が、球を発射するタイミングでタッチセンサ51a及びストップスイッチ51bからの入力に基づき球の発射タイミングで、制御信号又は球の発射タイミングであることを示すコマンドを演出制御装置117に出力する構成としてもよい。
【0497】
また、払出制御装置111からの発射許可信号を発射制御装置112に入力させる構成とした場合には、発射制御装置112は、払出制御装置111から発射許可信号を受信した場合には開始コマンドを、その後に発射許可信号が途絶えた場合には終了コマンドを、演出制御装置117に出力し、演出制御装置117において、開始コマンドを受信してから、終了コマンドを受信するまでの期間において、所定間隔(例えば、0.6秒毎)を球の発射タイミングであると判断し、そのタイミングで発射球数を計数する構成としてもよい。
【0498】
また、タッチセンサ51a及びストップスイッチ51bからの出力を発射制御装置112に入力させる構成とした場合には、発射制御装置112は、タッチセンサ51aがオンであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件が成立したことに伴い開始コマンドを演出制御装置117に出力し、その後に、タッチセンサ51aがオフであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件、あるいは、ストップスイッチ51bがオンの条件が成立した場合に、終了コマンドを演出制御装置117に出力するように構成してもよい。かかる構成では、演出制御装置117において、開始コマンドを受信してから、終了コマンドを受信するまでの期間において、所定間隔(例えば、0.6秒毎)を球の発射タイミングであると判断し、そのタイミングで発射球数を計数するように構成すればよい。
【0499】
また、上記各実施形態では、主制御装置110は、発射制御信号(発射パルス)を演出制御装置117に出力する構成としたが、発射制御信号に対応するコマンド(即ち、発射タイミングであることを示すコマンド)を演出制御装置117に出力する構成であってもよい。
【0500】
また、上記各実施形態では、払出制御装置111は、発射許可信号を主制御装置110に出力する構成としたが、払出制御装置111は、発射許可信号を演出制御装置117に出力し、演出制御装置117において、
図17の発射制御処理と同様の処理を実行し、球の発射タイミングを制御する構成としてもよい。
【0501】
あるいは、払出制御装置111は、タッチセンサ51aがオンであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件が成立したことに伴い開始コマンドを演出制御装置117に出力し、その後に、タッチセンサ51aがオフであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件、あるいは、ストップスイッチ51bがオンの条件が成立した場合に、終了コマンドを演出制御装置117に出力するように構成してもよい。かかる構成では、演出制御装置117において、開始コマンドを受信してから、終了コマンドを受信するまでの期間において、所定間隔(例えば、0.6秒毎)を球の発射タイミングであると判断し、そのタイミングで発射球数を計数するように構成すればよい。
【0502】
あるいは、タッチセンサ51a及びストップスイッチ51bからの出力を演出制御装置117に入力させ、演出制御装置117において、タッチセンサ51aがオンであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件が成立してから、その後に、タッチセンサ51aがオフであり、かつ、ストップスイッチ51bがオフの条件、あるいは、ストップスイッチ51bがオンの条件が成立するまでの期間において、所定間隔(例えば、0.6秒毎)を球の発射タイミングであると判断し、そのタイミングで発射球数を計数するように構成すればよい。
【0503】
また、上記各実施形態では、演出制御装置117は、主制御装置110が球の発射指示として出力した発射制御信号(発射パルス)に基づき、発射球数を計数する構成とした。この発射制御信号に換えて、次のような制御信号を採用し、演出制御装置117は、その制御信号を受信する毎に発射球数を1ずつ加算するようにしてもよい。
【0504】
例えば、戻り球防止部材68に球が接触したことを検出するセンサを設け、主制御装置110は、このセンサによって球の発射が検出された場合に、発射制御信号に換わる制御信号を演出制御装置117へ出力するようにしてもよい。
【0505】
あるいは、入賞口63,64,65a及びアウト口66を通過した球(即ち、遊技盤13から排出される全ての球)を検出可能なセンサを設け、制御装置110は、このセンサによって球の発射が検出された場合に、発射制御信号に換わる制御信号を演出制御装置117へ出力するようにしてもよい。かかる場合、センサは、入賞口63,64,65a及びアウト口66にそれぞれ設けてもよいし、入賞口63,64,65a及びアウト口66をそれぞれ通過した球の合流箇所に設けてもよい。
【0506】
あるいは、発射した球が必ず通過する箇所(例えば、レール61とレール62との間)にセンサを設け、このセンサによって球の発射(即ち、球の通過)が検出された場合に、発射制御信号に換わる制御信号を演出制御装置117へ出力するようにしてもよい。
【0507】
また、上記各実施形態では、主制御装置110が払出制御装置111と演出制御装置117とに賞球コマンドを出力する構成としたが、主制御装置110は、賞球コマンドを払出制御装置111にのみ出力し、払出制御装置111が、賞球コマンドを受信する毎に、その賞球コマンド、又は、対応するコマンド(即ち、賞球コマンドが示す払出球数を示す別のコマンド)を演出制御装置117に出力する構成としてもよい。
【0508】
また、上記各実施形態では、総獲得球数81a1などの獲得球数を第3図柄表示装置(獲得球数表示領域81a)に表示する構成としたが、獲得球数に加えて、払出球数(即ち、賞球として払い出された球の数)を表示する構成としてもよい。例えば、総獲得球数(一連の有利状態の期間における獲得球数)と共に、一連の有利状態の期間における払出球数を表示したり、大当たり中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値)と共に、一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりによる払出球数の平均値を表示したりしてもよい。
【0509】
また、上記各実施形態では、総獲得球数81a1などの獲得球数を第3図柄表示装置(獲得球数表示領域81a)に表示する構成としたが、獲得球数を表示可能な7セグメントLEDに獲得球数を表示させるように構成してもよい。あるいは、各獲得球数を示すコマンドを、ホール内のパチンコ機10を集中管理するホールコンピュータに出力し、ホールコンピュータ経由で、各パチンコ機10の上方などに設置されているデータ表示器や、専用の表示器に表示させる構成としてもよい。なお、各種獲得球数はホールコンピュータで算出させる構成としてもよい。あるいは、パチンコ機10の横などに設けたプリンタからデータを印字可能に獲得球数のデータを出力する構成としてもよい。
【0510】
また、上記各実施形態では、一連の有利状態の期間内に遊技者が獲得した球の数(即ち、球の収支)に関する数値(例えば、総獲得球数81a1や、今回大当たり中獲得球数や、大当たり中平均獲得球数や、確変時短中平均獲得球数)を、獲得球数表示領域81aに表示する構成としたが、有利状態でない期間内(即ち、通常モードである場合)における球の収支を表示させる構成としてもよい。例えば、通常モードである場合に、球の収支(即ち、払出球数から発射球数を差し引いた数)を第3図柄表示装置(例えば、獲得球数表示領域81a)に表示させ、随時更新させるようにしてもよい。
【0511】
また、上記各実施形態では、一連の有利状態として、高確率モード及び時間短縮モードである場合も含める構成としたが、大当たり(特別遊技状態)のみを有利状態としてもよい。かかる場合には、所定の条件を満たして大当たり(例えば、所定の変動回数以内で生じた大当たり)が発生する間を、一連の有利状態の期間とし、上記各実施形態と同様に、その一連の有利状態の期間内における獲得球数(即ち、総獲得数81a1)や、大当たり中平均獲得数などを取得する(算出する)ように構成すればよい。
【0512】
また、上記各実施形態では、有利状態として、高確率モード及び時間短縮モードを含める構成としたが、時間短縮モードを省き、有利状態を大当たりと高確率モードとしてもよい。
【0513】
また、上記各実施形態では、一連の有利状態の期間の終了に伴って獲得球数表示領域81aに表示された所定の獲得球数(大当たり中平均獲得球数や、確変時短中平均獲得球数など)を、その表示から5秒後に消去する構成としたが、次に大当たりが発生するまで(即ち、次に有利状態が生じるまで)表示したままにする構成としてもよい。また、次に大当たりが発生するまでの期間中に、定期的に(例えば、20秒間隔で)表示させる構成としてもよい。
【0514】
また、上記第1実施形態では、一連の有利状態の期間が終了する毎に、大当たり中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値)と、確変時短中平均獲得球数(一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値)とを算出して表示する構成とした。これに換えて、又は、これに加えて、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた各大当たり(特別遊技状態)における獲得球数の平均値や、各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値を算出して表示してもよい。
【0515】
電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた各大当たりにおける獲得球数の平均値は、例えば、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた大当たり中における獲得球数を累積して記憶するためのメモリと、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた大当たりの回数の合計を計数するためのカウンタを設け、所定のタイミングで平均値を算出し表示させるようにすればよい。同様に、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた各高確率モード及び各時間短縮モードにおける獲得球数の平均値は、例えば、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた高確率モード及び時間短縮モードにおける獲得球数を累積して記憶するためのメモリと、電源投入などによってRAM273が初期化されてから生じた高確率モード及び時間短縮モードの回数の合計を計数するためのカウンタを設け、所定のタイミングで平均値を算出し表示させるようにすればよい。
【0516】
なお、これらの平均値(即ち、電源投入などによってRAM273が初期化されてから累積された各獲得球数の平均値)の表示タイミングとしては、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に表示される客待ち演出(タイトル画面、デモ画面)の開始タイミングがある。この場合、客待ち演出が表示されている間、各平均値の表示を継続させるようにすることにより、遊技者が自身の遊技する台(パチンコ機10)を選び易い。あるいは、これらの平均値を、遊技者が遊技を実行している期間も含めて定期的に(例えば、1分間隔で)表示させるようにしてもよい。
【0517】
また、これらの平均値(即ち、電源投入などによってRAM273が初期化されてから累積された各獲得球数の平均値)を、客待ち演出中(タイトル画面やデモ画面の表示中)に、所定のボタン(例えば、枠ボタン22など)を、遊技者が操作した場合に第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。または、遊技者が客待ち演出中に所定のボタンを操作(押下)している間、これらの平均値を第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。なお、各獲得球数の平均値を表示させるための専用のボタンを設けてもよい。
【0518】
また、上記第1実施形態では、高確率モード又は時間短縮モードが変動表示の実行回数により規定される終了条件によって終了したことによって一連の有利状態の期間が終了したタイミングで、総獲得球数(一連の有利状態の期間における獲得球数)を算出して表示する構成とした。これに換えて、この一連の有利状態の期間が終了するタイミングで、特図保留球数N>0であり、かつ、その保留球の中の少なくとも1つに大当たりが選ばれている場合には、その保留球によって生じた大当たりにおける獲得球数(払出球数から発射球数を差し引いた数)を、一連の有利状態の期間が終了したタイミングで算出された総獲得球数に加算して表示してもよい。一連の有利状態の期間中に生じた保留球の消化期間は、その保留球が一連の有利状態の期間中に生じたものであるので、当該一連の有利状態の期間の一部であるとみなすことができる。そのため、当該保留球の消化により生じた大当たりによる獲得球数は、一連の有利状態の期間中における総獲得球数と関連付けて遊技者に認識させることができる。よって、当該保留球の消化により生じた大当たりによる獲得球数を、直前に終了した一連の有利状態の期間中における総獲得球数に含めることにより、より多くの獲得球数が得られたと遊技者に印象付けることができ、遊技者の満足感を高めることができる。なお、一連の有利状態の期間中に生じた保留球の消化期間における獲得球数も、一連の有利状態の期間中における総獲得球数に加算するようにしてもよい。
【0519】
あるいは、一連の有利状態の期間が終了するタイミング以降、所定数(例えば、250)の球を対象とし、対象とされる球のうち、少なくとも1つの球により大当たりが発生した場合には、その球によって生じた大当たりにおける獲得球数(払出球数から発射球数を差し引いた数)を、一連の有利状態の期間が終了したタイミングで算出された総獲得球数に加算して表示してもよい。一連の有利状態の期間が終了するタイミングから、所定数の球が消費されるまでの間に生じた大当たりによる獲得球数は、遊技者にとっても、直前に終了した一連の有利状態の期間中に獲得した総獲得球数の一部としても違和感がない。よって、一連の有利状態の期間の終了タイミング後に、所定数の球が消費される期間において生じた大当たりによる獲得球数を、直前に終了した一連の有利状態の期間中における総獲得球数に含めることにより、より多くの獲得球数が得られたと遊技者に印象付けることができ、遊技者の満足感を高めることができる。なお、上記「所定数」の球が消費される期間における獲得球数も、一連の有利状態の期間中における総獲得球数に加算するようにしてもよい。
【0520】
上記「所定数」としては、例えば、上皿17に貯留可能な球の数以下の数値(例えば、200や、150や、100など)であることが好ましい。「所定数」を上皿17に貯留可能な球の数以下とすることにより、遊技者が上皿17に球の追加することのない期間を、一連の有利状態の期間中における総獲得球数に加算可能な期間とすることができ、遊技者に、直前に終了した一連の有利状態の期間中における総獲得球数に追加することに対する違和感を与え難い。
【0521】
また、一連の有利状態の期間の終了タイミング後に、所定数の球が消費される期間において生じた大当たりによる獲得球数を、直前に終了した一連の有利状態の期間中における総獲得球数に含める構成を採用する場合には、所定数の球が消費される期間中に生じた保留球によって生じた大当たりにおける獲得球数を、一連の有利状態の期間中における総獲得球数にさらに加えるようにしてもよい。
【0522】
また、上記各実施形態では、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された確変開始コマンド及び確変終了コマンドに基づいて、高確率モードの期間(即ち、高確率モードの開始から終了まで)を把握する構成とした。これに換えて、演出制御装置117は、種別コマンドなどに基づいて高確率モードの期間を把握してもよい。
【0523】
つまり、演出制御装置117は、確変大当たりを示す種別コマンドに基づいて、当該大当たり後に遊技モードが高確率モードに移行することを把握できるので、当該大当たりが終了するタイミングを、演出制御装置117に高確率モードの開始として把握(認識)することができる。そして、演出制御装置117は、その後に、大当たり(確変大当たり又は通常大当たり)を示す種別コマンドを受信するか、外れを示す種別コマンドを高確率モードの終了条件を満たす回数(上記各実施形態では、10000回)だけ受信した場合に、その種別コマンドに対応する変動パターンコマンド(即ち、当該種別コマンドと同じ入賞を契機として行われた抽選に基づき設定された変動パターンコマンド)が示す変動時間が経過したタイミングを、高確率モードの終了として把握でき、これにより、高確率モードの期間(即ち、高確率モードの開始から終了まで)を把握することができる。なお、演出制御装置117は、大当たりが終了するタイミングを、例えば、上記各実施形態のように、主制御装置110から出力される大当たり終了コマンドに基づいて把握することができる。あるいは、主制御装置110は、大当たり中にラウンドが終了した場合にその旨を示すコマンドを演出制御装置117へ出力するように構成し、演出制御装置117に、そのコマンドに基づいて大当たりが終了するタイミングを把握させるようにしてもよい。
【0524】
また、上記各実施形態では、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された時短開始コマンド及び時短終了コマンドに基づいて、時間短縮モードの期間(即ち、時間短縮モードの開始から終了まで)を把握する構成としたが、上述した高確率モードの期間の把握と同様に、演出制御装置117は、種別コマンドなどに基づいて時間短縮モードの期間を把握してもよい。
【0525】
また、上記各実施形態では、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された有利状態終了コマンドに基づいて、有利状態の終了を把握(認識)する構成とした。これに換えて、演出制御装置117は、種別コマンドに基づいて把握できる高確率モード又は時間短縮モードにおいて、外れを示す種別コマンドを各モードの終了条件を満たす回数(上記実施形態では、それぞれ、10000回又は100回)だけ受信した場合に、その種別コマンドに対応する変動パターンコマンドが示す変動時間が経過したタイミングを、有利状態の終了として把握するように構成してもよい。
【0526】
また、上記各実施形態では、演出制御装置117が発射制御信号(発射パルス)を受信する毎に発射制御信号割込処理(
図32参照)を実行する構成としたが、ポートに入力される発射制御信号の変化をメイン処理(
図22参照)において監視し、発射制御信号が入力された場合(即ち、当該信号がハイに立ち上がった場合)に、
図32の発射制御信号割込処理と同様の処理を実行するように構成してもよい。
【0527】
また、上記各実施形態における発射制御処理(
図17参照)では、発射許可信号が入力され、かつ、発射許可フラグ203cがオフである場合に(S621:Yes,S622:No)、球送り制御信号及び発射制御信号を出力する(S625,S626)構成としたが、S625及びS626を実行しない構成としてもよい。即ち、発射許可信号が入力され、かつ、発射許可フラグ203cがオフである場合には、球送り制御信号及び発射制御信号を出力しない構成としてもよい。
【0528】
また、上記第2,3実施形態では、「確変時短中平均獲得球数」を、1回の高確率モード又は1回の時間短縮モードあたりの獲得球数の平均値として算出したが、上述した第1実施形態の変形例と同様に、一連の有利状態の期間中に生じた各高確率モード又は各時間短縮モードにおける、1回の変動表示あたりの獲得球数の平均値(即ち、第2の確変時短中平均獲得球数)としてもよい。
【0529】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中に枠ボタン22が押下(操作)されている間、全大当たり中平均獲得球数と、全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する構成としたが、これらの獲得球数を、枠ボタン22が押下されたタイミング(即ち、演出制御装置117が枠ボタン22から入力される信号のローからハイへの立ち上がりを検出したタイミング)から所定期間(例えば、5秒間)、獲得球数表示領域81aに表示する構成としてもよい。あるいは、枠ボタン22から手が離されて非操作状態になったタイミング(即ち、演出制御装置117が枠ボタン22から入力される信号のハイからローへの立ち下がりを検出したタイミング)から所定期間(例えば、5秒間)、これらの獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示する構成としてもよい。
【0530】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中に枠ボタン22が押下(操作)されている間、全大当たり中平均獲得球数と、全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する構成としたが、これらの獲得球数(全大当たり中平均獲得球数および全確変時短中平均獲得球数)の表示と非表示とを、客待ち演出中に枠ボタン22が押下される毎に、切り換える構成としてもよい。即ち、客待ち演出中に、全大当たり中平均獲得球数などの獲得球数が第3図柄表示装置81に表示されていない状態で、枠ボタン22が押下された場合に、獲得球数を第3図柄表示装置81(獲得球数表示領域81a)に表示し、客待ち演出中に、獲得球数が第3図柄表示装置81に表示されている状態で、枠ボタン22が押下された場合には、表示されている獲得球数を消去する構成としてもよい。
【0531】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中であり、かつ、枠ボタン22が押下されたことを、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させる条件としたが、客待ち演出中以外であっても、枠ボタン22が押下された場合には、これらの獲得球数を獲得球数表示領域81aに表示させるように構成してもよい。例えば、一連の有利状態の終了に伴い、総獲得球数と、大当たり中平均獲得球数と、確変時短中獲得球数とが獲得球数表示領域81aに表示されている期間中に、枠ボタン22が押下された場合に、これらの獲得球数(総獲得球数、大当たり中平均獲得球数、確変時短中獲得球数)に加えて、枠ボタン22の操作タイミングにおける全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を表示させるように構成してもよい。
【0532】
また、上記第2実施形態では、演出時に遊技者に操作させるための枠ボタン22を、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を総獲得数表示領域81aに表示させるために遊技者が操作する操作手段として流用する構成としたが、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を総獲得数表示領域81aに表示させるための専用のボタンやスイッチを設ける構成としてもよい。専用のボタンを設けることにより、枠ボタン22の操作を利用した演出中であっても、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数を総獲得数表示領域81aに表示させることが可能となる。
【0533】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に獲得球数(全大当たり中平均獲得球数、全確変時短中平均獲得球数)を表示する領域を、遊技の実行中における各獲得球数の表示領域と同じ領域(即ち、獲得球数表示領域81a)としたが、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合における獲得球数の表示領域を獲得球数表示領域81aとは異なる領域としてもよい。例えば、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に獲得球数を表示する領域を、第3図柄表示装置81の画面中央領域としてもよい。全大当たり中平均獲得球数や全確変時短中平均獲得球数といった獲得球数は、遊技者が自身にとってより有利な台を選択するための指標となり得るので、そのような獲得球数を第3図柄表示装置81の画面中央領域に表示させることにより、遊技者が獲得球数を確認し易くなる。
【0534】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に、全大当たり中平均獲得球数と全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する構成としたが、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に獲得球数表示領域81aに表示する内容としては、全大当たり中平均獲得球数及び全確変時短中平均獲得球数に限定されず、他の種類の獲得球数を表示してもよい。例えば、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に、直前の一連の有利状態の期間中に計数された総獲得球数や、大当たり中平均獲得球数や、確変時短中平均獲得球数などを表示するようにしてもよい。あるいは、一連の有利状態の期間中に計数された総獲得球数などの獲得球数を、複数回の一連の有利状態に対してそれぞれ記憶しておき、各回の一連の有利状態について、それぞれの一連の有利状態の期間中に計数された総獲得球数をテーブル化又はグラフ化して表示するようにしてもよい。
【0535】
また、上記第2実施形態では、一連の有利状態の期間における大当たり中に限った獲得球数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って、第1獲得球数累積メモリ273aaに累積して記憶し、一連の有利状態の期間において大当たりが発生した回数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って、大当たり回数累積メモリ273acに累積して記憶し、第1獲得球数累積メモリ273aaに記憶されている値と、大当たり回数累積メモリ273acに記憶されている値とから、全大当たり中平均獲得球数を算出する構成とした。これに換えて、一連の有利状態の期間が終了する毎に、そのときの有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hに記憶されている値と、そのときの大当たり回数カウンタ273bとの値を一組として、RAM273の所定領域に記憶し、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に、各回の一連の有利状態における有利状態大当たり中獲得球数メモリ273hの値の和を、各回の一連の有利状態における大当たり回数カウンタ273bの和で割ることによって、全大当たり中平均獲得球数を算出するようにしてもよい。
【0536】
あるいは、一連の有利状態の期間が終了する毎に、S1270において算出した大当たり中平均獲得球数の値と、そのときの大当たり回数カウンタ273bとの値とを一組として、RAM273の所定領域に記憶し、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に、各回の一連の有利状態における大当たり中平均獲得球数の値と大当たり回数カウンタ273bとの値とを乗じることにより、各回の一連の有利状態の期間における大当たり中に限った獲得球数の値を算出し、そのように算出した値を、各回の一連の有利状態における大当たり回数カウンタ273bの和で割ることによって、全大当たり中平均獲得球数を算出するようにしてもよい。
【0537】
また、上記第2実施形態では、一連の有利状態の期間における高確率モード中又は時間短縮モード中に限った獲得球数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って、第2獲得球数累積メモリ273abに累積して記憶し、一連の有利状態の期間において高確率モード又は時間短縮モードが発生した回数を、電源投入などによってRAM273が初期化されて以降に亘って、確変時短回数累積メモリ273acに累積して記憶し、第2獲得球数累積メモリ273abに記憶されている値と、確変時短回数累積メモリ273adに記憶されている値とから、全確変時短中平均獲得球数を算出する構成とした。これに換えて、上述した全大当たり中平均獲得球数と同様の方法で全確変時短中平均獲得球数を算出するようにしてもよい。
【0538】
また、上記第2実施形態では、客待ち演出中に枠ボタン22が押下された場合に、全大当たり中平均獲得球数と全確変時短中平均獲得球数とを獲得球数表示領域81aに表示する構成としたが、これらの獲得球数を、枠ボタン22の押下とは無関係に、所定のタイミング毎、例えば、一定時間毎(例えば、1分間隔や3分間隔)や、一連の有利状態が終了する毎に、獲得球数表示領域81aに表示する構成としてもよい。
【0539】
また、上記第3実施形態では、付加期間の開始から、150個の球が発射されたタイミングでその付加期間を終了する構成としたが、150個目の球が発射された後、発射された球が第1入球口64へ到達すると予想される期間(例えば、5秒)を待ってから付加期間を終了する構成としてもよい。あるいは、付加期間中に保留球が生じた場合には、その付加期間が開始されてから150個の球が発射された後であっても、付加期間中に生じた保留球が消化される期間を待ってから付加期間を終了する構成としてもよい。
【0540】
また、上記第3実施形態では、付加期間中においても有利状態中獲得球数メモリ273gの値を更新する構成としたが、有利状態中獲得球数メモリ273gの値を更新しない構成としてもよい。即ち、付加期間中における獲得球数を、一連の有利状態の期間における獲得球数に含めない構成としてもよい。かかる場合には、上記第3実施形態における払出球数カウント処理(
図44参照)におけるS3481の処理と、発射制御信号割込処理(
図45参照)におけるS3503の処理とを省略するようにすればよい。
【0541】
また、上記第3実施形態では、一連の有利状態が終了してから150個の球が発射されるまでの期間を付加期間としたが、付加期間としては、一連の有利状態が終了してからの球の発射数は特に限定されず、例えば、100個や、200個や、250個などの数値を採用してもよい。なお、かかる場合もまた、上記第3実施形態と同様に、上皿17に貯留可能な球の数以下の数値であることが好ましい。
【0542】
また、上記第3実施形態では、一連の有利状態が終了してから150個の球が発射されるまでの期間を付加期間としたが、付加期間としては、一連の有利状態が終了してからの球の発射数は特に限定されず、例えば、一連の有利状態が終了してからの期間(例えば、5秒や、10秒など)を採用してもよい。
【0543】
あるいは、一連の有利状態の期間が終了するタイミングで保留球がある(即ち、特図保留球数N>0である)場合には、その保留球が消化される期間を付加期間としてもよい。かかる場合には、一連の有利状態の期間が終了するタイミングでの保留球の中に少なくとも1つに大当たりが選ばれた保留球があれば、一連の有利状態の期間が延長されることになる。一連の有利状態の期間中に生じた保留球の消化期間は、その保留球が一連の有利状態の期間中に生じたものであるので、当該一連の有利状態の期間の一部であるとみなすことができる。よって、当該保留球の中に大当たりする保留球があった場合には、保留球の消化期間である付加期間と、その付加期間中に生じた大当たりに基づく一連の有利状態の期間の延長とが、遊技者にとって関連付け易くなるため、一連の有利状態の期間の延長に対して遊技者が違和感を感じ難くすることができ、違和感によって遊技の興趣が損なわれることを防止できる。
【0544】
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
【0545】
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
【0546】
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、表示演出処理(
図24参照)のS1246において、変動時間カウンタ(図示せず)の値が「0」であった場合に、変動時間が終了したと判定する構成としたが、主制御装置110が、S309(
図10参照)において停止表示を設定するタイミングで停止コマンドを出力し、演出制御装置117は、その停止コマンドの受信をもって変動時間が終了したと判定する構成であってもよい。
【0547】
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
【0548】
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0549】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0550】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0551】
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【0552】
遊技媒体の使用に基づく遊技を制御する制御手段と、その制御手段により制御される遊技中に所定の条件が成立した場合に、その成立した条件に応じた数の遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、遊技に使用された遊技媒体と前記払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数を取得する媒体獲得数取得手段と、その媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する媒体獲得数出力手段を備えていることを特徴とする遊技機A1。
【0553】
遊技機A1によれば、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数が、媒体獲得数取得手段により取得され、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。よって、一方で遊技媒体が使用され、他方で遊技媒体が払い出される遊技において、払い出しにより遊技者が見かけ上で獲得している遊技媒体の数ではなく、遊技者が実際に獲得した遊技媒体の数(即ち、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異又は収支である媒体獲得数)を、遊技者に実感させることができる。一般的に、遊技を行うために使用する遊技媒体は、遊技者が対価を支払って得るものであるので、遊技媒体を用いて行う遊技における媒体獲得数を遊技者が実感できることにより、そのような遊技(対価を支払って得る遊技媒体を用いて行う遊技)の興趣を高めることができる。
【0554】
なお、上記実施形態において、遊技機A1の制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機A1の払出手段としては、払出制御装置111が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A1の媒体獲得数取得手段としては、獲得球数表示処理(
図25参照)におけるS1262,S1270,S1271の処理、払出球数カウント処理(
図31参照)におけるS1483,S1484,S1489の処理、発射制御信号割込処理(
図32参照)におけるS1503,S1504,S1509の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A1の媒体獲得数出力手段としては、獲得球数表示処理(
図25参照)におけるS1263,S1266,S1272の処理が例示される。
【0555】
遊技機A1において、遊技に使用するために遊技媒体を発射する発射手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記発射手段による発射に基づく情報と、前記払出手段による払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機A2。
【0556】
遊技機A2によれば、媒体獲得数が、発射手段による発射に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。
【0557】
なお、上記実施形態において、遊技機A2の発射手段としては、発射制御装置112が例示される。
【0558】
遊技機A2において、操作手段と、その操作手段が遊技者によって操作されたことを検出する操作検出手段とを備え、前記発射手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づいて遊技媒体を発射するものであり、前記媒体獲得数取得手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、前記払出手段により払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機A3。
【0559】
遊技機A3によれば、操作検出手段による操作手段の操作の検出に基づいて遊技媒体が発射され、媒体獲得数は、操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。また、操作手段の操作は遊技者によって行われるものであるので、遊技者が操作手段を操作したことに基づいて行われる遊技(即ち、自身が行う遊技)における媒体獲得数を遊技者が実感でき、自身が行う遊技の興趣を高めることができる。
【0560】
なお、上記実施形態において、遊技機A3の操作手段としては、操作ハンドル51が例示され、遊技機A3の操作検出手段としては、タッチセンサ51a、ストップスイッチ51bが例示される。
【0561】
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、通常状態に比べて有利な有利状態を生成する有利状態生成手段とを備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記有利状態生成手段により生成される1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間において、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機A4。
【0562】
遊技機A4によれば、1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が媒体獲得数取得手段によって取得されるので、その一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。有利状態は、通常状態より有利な状態であり、遊技者にとっても有利な状態であるので、自身の遊技によって生じさせた一連の有利状態の期間中における遊技媒体の収支(即ち、媒体獲得数)は、遊技に使用する遊技媒体に対して対価を支払っている遊技者が、特に興味を示し易い情報である。よって、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が表示又は出力されることにより、一連の有利状態の期間中に遊技者が十分な媒体獲得数を得ることができたと実感できた場合には、遊技に対する遊技者の満足度は大きく高まる。
【0563】
その一方で、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が不十分な数であると遊技者が実感した場合には、釘調整の具合を疑うことができ、遊技者に遊技機(台)を変更させるきっかけを与えることができる。よって、遊技者が、好ましくない釘調整の遊技機で遊技をし続ける状況を回避する可能性を与えることができ、遊技者の不満が溜まることを防止することもできる。また、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される媒体獲得数は、遊技者が自身によってより有利な遊技機を選択するための指標となり得るので、遊技者に自身が満足できる遊技機を選択させることができ、それによって、自身が満足できる遊技を行わせることができる。
【0564】
遊技機A4における「有利状態」とは、上記実施形態における大当たり(特別遊技状態)と、通常の遊技モードに比べて有利な遊技モード(例えば、高確率モード又は時間短縮モード)との両方を含む。
【0565】
なお、上記実施形態において、遊技機A4の抽選手段としては、始動入賞処理(
図16参照)におけるS603の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A4の有利状態生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)による大当たりの発生や、その大当たり処理のS435又はS457において確変中フラグ203a又は時短中フラグ203bがオンに設定されたことによる高確率モード又は時間短縮モードの発生が例示される。
【0566】
遊技機A4において、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第1の結果が選ばれた場合に、前記変動表示実行手段による変動表示の終了後に、特別遊技状態を前記有利状態として所定の特別遊技状態期間に亘って生成する特別遊技状態生成手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記一連の有利状態の期間中に、前記特別遊技状態生成手段により生成された特別遊技状態の回数を記憶する特別遊技状態発生回数記憶手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記特別遊技状態生成手段により特別遊技状態が生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する特別遊技状態中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、前記媒体獲得数出力手段は、前記特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数と、前記特別遊技状態発生回数記憶手段に記憶されている前記特別遊技状態の回数とに基づき、前記一連の有利状態の期間中における前記特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A5。
【0567】
遊技機A5によれば、一連の有利状態の期間中に生じた特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、自身が経験する一連の有利状態の期間中、1回の特別遊技状態で獲得できた媒体獲得数を実感することができる。一般的に、特別遊技状態では、その期間中に払い出される遊技媒体の数はほぼ一定であるのに対して、その期間に使用した遊技媒体の数は不定であるので、特別遊技状態の期間における媒体獲得数は、使用した遊技媒体の数に応じて主に変動する。つまり、特別遊技状態の期間における媒体獲得数は、釘調整の具合などによって主に変動する。よって、遊技者は、一連の有利状態の期間中に生じた特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数を参照することにより、釘調整の具合など、自身にとって有利又は不利となり得る状況を推測することができる。それにより、遊技者が、好ましくない釘調整の遊技機で遊技をし続ける状況を回避する可能性を与えることができるので、遊技者の不満を防止して満足いく遊技を行わせることができるので、その遊技の興趣を高めることができる。
【0568】
なお、上記実施形態において、遊技機A5の変動表示実行手段としては、変動処理(
図10参照)が例示され、遊技機A5の特別遊技状態生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)による大当たりの発生が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A5の特別遊技状態発生回数記憶手段としては、大当たり回数カウンタ273bが例示され、遊技機A5の特別遊技状態中媒体獲得数取得手段としては、払出球数カウント処理(
図31参照)におけるS1483の処理、発射制御信号割込処理(
図32参照)におけるS1503の処理が例示される。
【0569】
遊技機A4又はA5において、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第1の結果が選ばれた場合に、前記変動表示実行手段による変動表示の終了後に、特別遊技状態を前記有利状態として所定の特別遊技状態期間に亘って生成する特別遊技状態生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記特別遊技状態生成手段により特別遊技状態が生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する特別遊技状態中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記特別遊技状態生成手段により生成された特別遊技状態の回数を累積して記憶する特別遊技状態発生回数累積記憶手段と、前記特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、前記特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記特別遊技状態発生回数累積記憶手段に記憶されている前記特別遊技状態の回数とに基づき、前記特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A6。
【0570】
遊技機A6によれば、有利状態の1つである特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、1回の特別遊技状態で獲得できた媒体獲得数を実感することができる。よって、特別遊技状態の1回あたりに遊技者が獲得し得る媒体獲得数を、遊技者が把握し易くなり、遊技者は遊技媒体の収支をより実感し易い。また、特別遊技状態1回あたりの媒体獲得数は、遊技者がホール内における遊技機を選択する指標となり得るので、この数値が表示又は出力されることにより、遊技者は自身の要求に応じた遊技機を選択することができる。
【0571】
なお、上記実施形態において、遊技機A6の変動表示実行手段としては、変動処理(
図10参照)が例示され、遊技機A6の特別遊技状態生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)による大当たりの発生が例示される。
【0572】
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記一連の有利状態の期間中に、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの回数を記憶する有利モード発生回数記憶手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により有利モードが生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、前記媒体獲得数出力手段は、前記有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数と、前記有利モード発生回数記憶手段に記憶されている前記有利モードの回数とに基づき、前記一連の有利状態の期間中における前記有利モードの1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A7。
【0573】
遊技機A7によれば、一連の有利状態の期間中に生じた有利モードの1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、自身が経験する一連の有利状態の期間中、1回の有利モードで獲得できた媒体獲得数を実感することができる。よって、有利モードの1回あたりに遊技者が獲得し得る媒体獲得数を、遊技者が把握し易くなり、遊技媒体の収支をより実感し易い。また、有利モード1回あたりの媒体獲得数は、遊技者がホール内における遊技機を選択する指標となり得るので、遊技者は自身の要求に応じた遊技機を選択することができる。なお、遊技機A7において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0574】
なお、上記実施形態において、遊技機A7の有利モード生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)のS435又はS457において確変中フラグ203a又は時短中フラグ203bがオンに設定されたことによる高確率モード又は時間短縮モードの発生が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A7の有利モード発生回数記憶手段としては、確変異端回数カウンタ273fが例示され、遊技機A7の有利モード中媒体獲得数取得手段としては、払出球数カウント処理(
図31参照)におけるS1489の処理、発射制御信号割込処理(
図32参照)におけるS1509の処理が例示される。
【0575】
遊技機A4からA7のいずれかにおいて、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により有利モードが生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの回数を累積して記憶する有利モード発生回数累積記憶手段と、前記有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する有利モード中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、前記有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記有利モード発生回数累積記憶手段に記憶されている前記有利モードの回数とに基づき、前記有利モードの1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A8。
【0576】
遊技機A8によれば、有利状態の1つである有利モードの1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、1回の有利モードで獲得できた媒体獲得数を実感することができる。よって、有利モードの1回あたりに遊技者が獲得し得る媒体獲得数を、遊技者が把握し易くなり、遊技者は遊技媒体の収支をより実感し易い。また、有利モード1回あたりの媒体獲得数は、遊技者がホール内における遊技機を選択する指標となり得るので、この数値が表示又は出力されることにより、遊技者は自身の要求に応じた遊技機を選択することができる。なお、遊技機A8において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0577】
なお、上記実施形態において、遊技機A8の有利モード生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)のS435又はS457において確変中フラグ203a又は時短中フラグ203bがオンに設定されたことによる高確率モード又は時間短縮モードの発生が例示される。
【0578】
遊技機A4からA8のいずれかにおいて、前記媒体獲得数取得手段は、前記有利状態生成手段により生成される1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間において、前記媒体獲得数を取得すると共に、その有利状態の期間の終了後の所定期間内に前記有利状態生成手段による有利状態の発生が生じた場合に、その有利状態の期間において、前記媒体獲得数を取得して、前記一連の有利状態の期間中に取得した媒体獲得数に加算するものであることを特徴とする遊技機A9。
【0579】
遊技機A9によれば、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数と、その期間の終了後の所定期間内生じた有利状態における媒体獲得数との和が、媒体獲得数取得手段によって取得され、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。一連の有利状態の期間後の所定期間中に生じた有利状態における媒体獲得数は、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数に関連付けて認識させ易いので、より多くの媒体獲得数が得られたと遊技者に印象付けることができ、遊技者の満足感を高めることができる。
【0580】
なお、遊技機A9における「所定期間」は、例えば、予め設定された期間(例えば、3分)であってもよいし、有利状態の期間中に保留された変動表示が消化される期間であってもよいし、所定数の遊技媒体を消費するのに要する期間などを含むことを意図する。
【0581】
遊技機A4からA9のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記一連の有利状態の期間中に、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの中で前記変動表示実行手段により実行された変動表示の回数を記憶する有利モード中変動回数記憶手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モードである場合における前記媒体獲得数を取得する有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、前記媒体獲得数出力手段は、前記有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数と、前記有利モード中変動回数記憶手段に記憶されている前記変動表示の回数とに基づき、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モードである場合における前記変動表示の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A10。
【0582】
遊技機A10によれば、一連の有利状態の期間中であって、かつ、有利モードである場合における変動表示の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、自身が経験する一連の有利状態の期間中における有利モードで、変動表示の1回あたり(即ち、始動条件の成立の1回あたり)に獲得できた媒体獲得数を実感することができる。よって、一連の有利状態の期間中であって、かつ、有利モードである場合における変動表示の1回あたりに遊技者が獲得し得る媒体獲得数を、遊技者が把握し易くなり、遊技媒体の収支をより実感し易い。また、一連の有利状態の期間中であって、かつ、有利モードである場合における変動表示の1回あたりの媒体獲得数は、遊技者がホール内における遊技機を選択する指標となり得るので、遊技者は自身の要求に応じた遊技機を選択することができる。なお、遊技機A10において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0583】
遊技機A4からA10のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により生成された有利モード中であって、かつ、前記変動表示実行手段により変動表示が実行されている場合における前記媒体獲得数を取得する第2の有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの中で前記変動表示実行手段により実行された変動表示の回数を累積して記憶する有利モード中変動回数累積記憶手段と、前記第2の有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する第2の有利モード中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、前記第2の有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記有利モード中変動回数累積記憶手段に記憶されている前記変動表示の回数とに基づき、前記有利モード中における前記変動表示の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機A11。
【0584】
遊技機A11によれば、有利状態の1つである有利モード中における変動表示の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、有利モード中における変動表示の1回あたり(即ち、始動条件の成立の1回あたり)に獲得できた媒体獲得数を実感することができる。よって、有利モード中における変動表示の1回あたりに遊技者が獲得し得る媒体獲得数を、遊技者が把握し易くなり、遊技者は遊技媒体の収支をより実感し易い。また、有利モード中における変動表示の1回あたりの媒体獲得数は、遊技者がホール内における遊技機を選択する指標となり得るので、この数値が表示又は出力されることにより、遊技者は自身の要求に応じた遊技機を選択することができる。なお、遊技機A11において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0585】
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A12。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0586】
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0587】
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A14。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0588】
遊技媒体の使用に基づく遊技を制御する制御手段と、その制御手段により制御される遊技中に所定の条件が成立した場合に、その成立した条件に応じた数の遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、遊技に使用された遊技媒体と前記払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数を取得する媒体獲得数取得手段と、遊技者が操作可能な第2の操作手段と、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する媒体獲得数出力手段を備えていることを特徴とする遊技機B1。
【0589】
遊技機B1によれば、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数が、媒体獲得数取得手段により取得され、その取得された媒体獲得数が、所定の期間中に第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。よって、一方で遊技媒体が使用され、他方で遊技媒体が払い出される遊技において、払い出しにより遊技者が見かけ上で獲得している遊技媒体の数ではなく、遊技者が実際に獲得した遊技媒体の数(即ち、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異又は収支である媒体獲得数)に基づく値を、所定の期間における遊技者が所望するタイミングで遊技者に報せることができる。媒体獲得数に基づく値は、遊技者が自身によってより有利な台(遊技機)を選択するための指標となり得るので、自身が必要に応じて第2の操作手段を操作したことにより表示させた値(媒体獲得数に基づく値)に基づき、自身が満足できる台を選択することが可能となる。これにより、自身が満足できる遊技を行わせることができるので、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができる。
【0590】
なお、上記実施形態において、遊技機B1の制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機B1の払出手段としては、払出制御装置111が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B1の媒体獲得数取得手段としては、客待ち演出中獲得球数表示処理(
図38参照)におけるS2605,S2606の処理が例示される。また、遊技機B1の第2の操作手段としては、枠ボタン22が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B1の媒体獲得数出力手段としては、客待ち演出中獲得球数表示処理(
図38参照)におけるS2607の処理が例示される。
【0591】
遊技機B1において、遊技に使用するために遊技媒体を発射する発射手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記発射手段による発射に基づく情報と、前記払出手段による払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機B2。
【0592】
遊技機B2によれば、媒体獲得数が、発射手段による発射に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。
【0593】
なお、上記実施形態において、遊技機B2の発射手段としては、発射制御装置112が例示される。
【0594】
遊技機B2において、操作手段と、その操作手段が遊技者によって操作されたことを検出する操作検出手段とを備え、前記発射手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づいて遊技媒体を発射するものであり、前記媒体獲得数取得手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、前記払出手段により払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機B3。
【0595】
遊技機B3によれば、操作検出手段による操作手段の操作の検出に基づいて遊技媒体が発射され、媒体獲得数は、操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。また、操作手段の操作は遊技者によって行われるものであるので、遊技者が操作手段を操作したことに基づいて行われる遊技(即ち、自身が行う遊技)における媒体獲得数を遊技者が実感でき、自身が行う遊技の興趣を高めることができる。
【0596】
なお、上記実施形態において、遊技機B3の操作手段としては、操作ハンドル51が例示され、遊技機B3の操作検出手段としては、タッチセンサ51a、ストップスイッチ51bが例示される。
【0597】
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、遊技が行われていない場合に所定の画像を表示する所定画像表示手段を備え、前記媒体獲得数出力手段は、前記所定画像表示手段に所定の画像が表示されている期間を前記所定の期間とし、当該所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機B4。
【0598】
遊技機B4によれば、第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する期間が、遊技が行われていない場合に所定画像表示手段により所定の画像が表示されている期間とされているので、空いている台(誰も遊技しておらず、所定画像が表示されている台)において第2の操作手段を操作すれば、表示又は出力された媒体獲得数に基づく値に基づいて自身が満足できる台を選択することが可能となる。これにより、自身が満足できる遊技を行わせることができるので、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができる。
【0599】
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、通常状態に比べて有利な有利状態を生成する有利状態生成手段とを備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記有利状態生成手段により生成される1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間において、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機B5。
【0600】
遊技機B5によれば、1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が媒体獲得数取得手段によって取得されるので、その一連の有利状態の期間中における媒体獲得数を媒体獲得数出力手段により表示又は出力することができる。有利状態は、通常状態より有利な状態であり、遊技者にとっても有利な状態であるので、遊技者は、そのような一連の有利状態の期間中における遊技媒体の収支(即ち、媒体獲得数)に基づく値を表示させて参照することにより、自身によってより有利な台(遊技機)を選択することが可能となる。
【0601】
遊技機B5における「有利状態」とは、上記実施形態における大当たり(特別遊技状態)と、通常の遊技モードに比べて有利な遊技モード(例えば、高確率モード又は時間短縮モード)との両方を含む。
【0602】
なお、上記実施形態において、遊技機B5の抽選手段としては、始動入賞処理(
図16参照)におけるS603の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B5の有利状態生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)による大当たりの発生や、その大当たり処理のS435又はS457において確変中フラグ203a又は時短中フラグ203bがオンに設定されたことによる高確率モード又は時間短縮モードの発生が例示される。
【0603】
遊技機B5において、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第1の結果が選ばれた場合に、前記変動表示実行手段による変動表示の終了後に、特別遊技状態を前記有利状態として所定の特別遊技状態期間に亘って生成する特別遊技状態生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記特別遊技状態生成手段により特別遊技状態が生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する特別遊技状態中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記特別遊技状態生成手段により生成された特別遊技状態の回数を累積して記憶する特別遊技状態発生回数累積記憶手段と、前記特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記特別遊技状態発生回数累積記憶手段に記憶されている前記特別遊技状態の回数とに基づき、前記特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機B6。
【0604】
遊技機B6によれば、遊技者が第2の操作手段を操作すると、そのタイミングにおける特別遊技状態(有利状態の1つ)の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力される。特に、表示又は出力される媒体獲得数は、特別遊技状態発生回数累積記憶手段に累積して記憶された特別遊技状態の回数と、特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段に累積して記憶された媒体獲得数(特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数)とに基づき取得されるのものであるので、累積されるデータが増える程に、表示又は出力された媒体獲得数(特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数)は、自身によってより有利な台を、より精度よく判断させることを可能にする。
【0605】
なお、上記実施形態において、遊技機B6の変動表示実行手段としては、変動処理(
図10参照)が例示され、遊技機B6の特別遊技状態生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)による大当たりの発生が例示される。
【0606】
また、上記実施形態において、遊技機B6の特別遊技状態中媒体獲得数取得手段としては、払出球数カウント処理(
図31参照)におけるS1483の処理、発射制御信号割込処理(
図32参照)におけるS1503の処理が例示される。また、遊技機B6の特別遊技状態発生回数累積記憶手段としては、大当たり回数累積カウンタ273acが例示され、遊技機B6の特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段としては、第1獲得球数累積メモリ273aaが例示される。
【0607】
遊技機B5又はB6において、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により有利モードが生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの回数を累積して記憶する有利モード発生回数累積記憶手段と、前記有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する有利モード中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記有利モード発生回数累積記憶手段に記憶されている前記有利モードの回数とに基づき、前記有利モードの1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機B7。
【0608】
遊技機B7によれば、遊技者が第2の操作手段を操作すると、そのタイミングにおける有利モード(有利状態の1つ)の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、その台が自身にとって有利か否かを、表示された媒体獲得数に基づいて判断することが可能となり、自身が満足できる台を選択することが可能となる。よって、自身が選んだ台によって満足できる遊技を行わせることが可能となるので、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができる。なお、遊技機B7において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0609】
なお、上記実施形態において、遊技機B7の有利モード生成手段としては、大当たり処理(
図14参照)のS435又はS457において確変中フラグ203a又は時短中フラグ203bがオンに設定されたことによる高確率モード又は時間短縮モードの発生が例示される。
【0610】
また、上記実施形態において、遊技機B7の有利モード中媒体獲得数取得手段としては、払出球数カウント処理(
図31参照)におけるS1489の処理、発射制御信号割込処理(
図32参照)におけるS1509の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B7の有利モード発生回数累積記憶手段としては、確変時短回数累積カウンタ273adが例示され、遊技機B7の有利モード中媒体獲得数累積記憶手段としては、第2獲得球数累積メモリ273abが例示される。
【0611】
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段を備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により生成された有利モード中であって、かつ、前記変動表示実行手段により変動表示が実行されている場合における前記媒体獲得数を取得する第2の有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの中で前記変動表示実行手段により実行された変動表示の回数を累積して記憶する有利モード中変動回数累積記憶手段と、前記第2の有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する第2の有利モード中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記第2の有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記有利モード中変動回数累積記憶手段に記憶されている前記変動表示の回数とに基づき、前記有利モード中における前記変動表示の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技者が第2の操作手段を操作すると、そのタイミングにおける有利モード中における変動表示の1回あたり(即ち、始動条件の成立の1回あたり)に獲得できた媒体獲得数が表示又は出力されるので、遊技者は、その台が自身にとって有利か否かを、表示された媒体獲得数に基づいて判断することが可能となり、自身が満足できる台を選択することが可能となる。よって、自身が選んだ台によって満足できる遊技を行わせることが可能となるので、遊技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができる。なお、遊技機B8において、「第2の結果」は、「第1の結果」と同じであっても、異なっていてもよい。
【0612】
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B9。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0613】
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B10。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0614】
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B11。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0615】
遊技媒体の使用に基づく遊技を制御する制御手段と、その制御手段により制御される遊技中に所定の条件が成立した場合に、その成立した条件に応じた数の遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、1の特別期間内で、遊技に使用された遊技媒体と前記払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数を取得する媒体獲得数取得手段と、その媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する媒体獲得数出力手段と、特別期間を終了するための条件である所定の終了条件が成立したことに基づいて、前記媒体獲得手段による前記1の特別期間における媒体獲得数の取得を終了する取得終了手段と、前記終了条件が成立してから、所定期間内に、特別期間を開始するための条件である所定の開始条件が成立した場合には、その開始条件の成立に基づいて開始される1の特別期間内において前記媒体獲得数取得手段により取得される媒体獲得数を、前記取得終了手段により取得が終了された媒体獲得数に加算する加算手段とを備えていることを特徴とする遊技機C1。
【0616】
遊技機C1によれば、1の特別期間内で、遊技に使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数が、媒体獲得数取得手段によって取得され、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。よって、一方で遊技媒体が使用され、他方で遊技媒体が払い出される遊技において、払い出しにより遊技者が見かけ上で獲得している遊技媒体の数ではなく、遊技者が実際に獲得した遊技媒体の数(即ち、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異又は収支である媒体獲得数)を、遊技者に実感させることができる。一般的に、遊技を行うために使用する遊技媒体は、遊技者が対価を支払って得るものであるので、遊技媒体を用いて行う遊技における媒体獲得数を遊技者が実感できることにより、そのような遊技(対価を支払って得る遊技媒体を用いて行う遊技)の興趣を高めることができる。
【0617】
また、特別期間を終了するための所定の終了条件が成立したことに基づいて、1の特別期間における媒体獲得数の取得が取得終了手段によって終了されるが、その終了条件が成立してから、所定期間内に、特別期間を開始するための所定の開始条件が成立した場合には、その開始条件の成立に基づいて開始される1の特別期間内において媒体獲得数取得手段により取得される媒体獲得数は、加算手段により、取得終了手段により取得が終了された媒体獲得数に加算される。よって、1回の特別期間内において取得された媒体獲得数より多い媒体獲得数が表示又は出力されることになるので、遊技者には多くの媒体獲得数が得られたと印象付けることができ、それにより、遊技者の満足感や優越感を高めることができ、遊技の興趣をより向上させることができる。
【0618】
なお、上記実施形態において、遊技機C1の制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機C1の払出手段としては、払出制御装置111が例示される。また、上記実施形態において、遊技機C1の媒体獲得数取得手段としては、第3実施形態の獲得球数表示処理(
図41参照)におけるS1262,S1270,S1271の処理、第3実施形態の払出球数カウント処理(
図44参照)におけるS1483,S1484,S1489の処理、発射制御信号割込処理(
図45参照)におけるS1503,S1504,S1509,S3503の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機C1の媒体獲得数出力手段としては、第3実施形態の獲得球数表示処理(
図41参照)におけるS1263,S1266,S1272の処理が例示される。
【0619】
また、上記実施形態において、遊技機C1の取得終了手段としては、第3実施形態の発射制御信号割込処理(
図45参照)において、S3501においてYes側へ分岐する処理が行われたことにより、S1504の処理が実行されないことが例示される。また、上記実施形態において、遊技機C1の加算手段としては、第3実施形態の発射制御信号割込処理(
図45参照)において、S3501においてYes側へ分岐する処理が行われ、かつ、S3504においてNo側へ分岐する処理が行われた場合に、S3505〜S3507の処理が実行されないことが例示される。
【0620】
遊技機C1において、遊技に使用するために遊技媒体を発射する発射手段を備え、前記媒体獲得数取得手段は、前記発射手段による発射に基づく情報と、前記払出手段による払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機C2。
【0621】
遊技機C2によれば、媒体獲得数が、発射手段による発射に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。
【0622】
なお、上記実施形態において、遊技機A2の発射手段としては、発射制御装置112が例示される。
【0623】
遊技機C2において、操作手段と、その操作手段が遊技者によって操作されたことを検出する操作検出手段とを備え、前記発射手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づいて遊技媒体を発射するものであり、前記媒体獲得数取得手段は、前記操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、前記払出手段により払い出しに基づく情報とを用いて、前記媒体獲得数を取得するものであることを特徴とする遊技機C3。
【0624】
遊技機C3によれば、操作検出手段による操作手段の操作の検出に基づいて遊技媒体が発射され、媒体獲得数は、操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できる。また、操作手段の操作は遊技者によって行われるものであるので、遊技者が操作手段を操作したことに基づいて行われる遊技(即ち、自身が行う遊技)における媒体獲得数を遊技者が実感でき、自身が行う遊技の興趣を高めることができる。
【0625】
なお、上記実施形態において、遊技機C3の操作手段としては、操作ハンドル51が例示され、遊技機C3の操作検出手段としては、タッチセンサ51a、ストップスイッチ51bが例示される。
【0626】
遊技機C2又はC3において、前記発射手段により発射させる遊技媒体を遊技者が補充可能に貯留する貯留手段を備え、前記所定期間は、所定数の遊技媒体が前記発射手段により発射される期間であり、前記所定数は、前記貯留手段に貯留可能な遊技媒体の数以下であることを特徴とする遊技機C4。
【0627】
遊技機C4によれば、所定数の遊技媒体が発射手段により発射される期間が、特別期間を終了するための条件である終了条件が成立した後、特別期間を開始するための条件である所定の開始条件が成立するか否かを監視する期間(即ち、所定期間)であり、その所定数が、発射手段により発射させる遊技媒体を貯留する貯留手段に貯留可能な数以下とされている。ここで、貯留手段は、遊技者が遊技媒体を補充可能に構成されているので、所定期間を、貯留手段に貯留可能な数以下の遊技媒体が発射手段により発射される期間としたことにより、遊技者が遊技媒体を貯留手段に補充する動作を行わない期間を、前記所定期間とすることができる。遊技者が遊技媒体を貯留手段に補充する動作を行った場合には、前記所定期間を「長い」と感じてしまう可能性があり、その所定期間中に所定の開始条件が成立して、加算手段による媒体獲得数の加算が行われたとしても、その加算に対して遊技者が違和感を感じる可能性がある。これに対し、遊技機C4によれば、所定期間を、貯留手段に貯留可能な数以下の遊技媒体が発射手段により発射される期間としたことにより、その所定期間を遊技者に「長い」と感じさせず、媒体獲得数の加算に対して遊技者が違和感を抑制できるので、違和感によって遊技の興趣が損なわれることを防止できる。
【0628】
なお、上記実施形態において、遊技機C4の貯留手段としては、上皿17が例示される。
【0629】
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段と、前記変動表示実行手段による前記識別表示の変動表示の実行中に1又は複数回の始動条件が成立した場合に、その1又は複数回の始動条件の成立に基づく前記変動表示実行手段による前記識別表示の変動表示の実行を保留する変動表示保留手段とを備え、前記所定期間は、前記特別期間内に前記変動表示保留手段により保留された前記識別表示の変動表示が前記変動表示実行手段により実行される期間であることを特徴とする遊技機C5。
【0630】
遊技機C5によれば、特別期間を終了するための条件である終了条件が成立した後、特別期間を開始するための条件である所定の開始条件が成立するか否かを監視する期間(即ち、所定期間)が、特別期間内に変動表示保留手段により保留された識別表示の変動表示が変動表示実行手段により実行される期間とされている。ここで、特別期間内に保留されてしまった識別情報の変動表示は、その保留が特別期間中に生じたものであるので、当該特別期間の一部であるとみなすことは可能である。よって、所定期間(即ち、特別期間を終了するための条件である終了条件が成立した後、特別期間を開始するための条件である所定の開始条件が成立するか否かを監視する期間)と、所定期間中に成立した所定の開始条件に基づく媒体獲得数を加算することとが、遊技者にとって関連付け易くなるため、加算手段による媒体獲得数の加算に対して遊技者が違和感を感じ難くすることができ、違和感によって遊技の興趣が損なわれることを防止できる。
【0631】
なお、上記実施形態において、遊技機C5の変動表示実行手段としては、変動開始処理(
図12参照)が例示され、遊技機C5の変動表示保留手段としては、始動入賞処理(
図16参照)におけるS603において、保留第2エリア〜保留第4エリアにデータが記憶されることが例示される。
【0632】
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記加算手段は、前記終了条件が成立してから、所定期間内に、特別期間を開始するための条件である所定の開始条件が成立した場合には、前記所定期間内において前記媒体獲得数取得手段により取得される媒体獲得数を、前記取得終了手段により取得が終了された媒体獲得数に加算することを特徴とする遊技機C6。
【0633】
遊技機C6によれば、終了条件が成立してから、所定期間内に、特別期間を開始するための所定の開始条件が成立した場合には、その開始条件の成立に基づいて開始される1の特別期間内において媒体獲得数取得手段により取得される媒体獲得数だけでなく、その所定期間内において媒体獲得数取得手段により取得される媒体獲得数もまた、加算手段により、取得終了手段により取得が終了された媒体獲得数に加算される。よって、その分、より多くの媒体獲得数が表示又は出力されることになるので、遊技者には多くの媒体獲得数が得られたと印象付けることができ、それにより、遊技者の満足感や優越感を高めることができ、遊技の興趣をより向上させることができる。
【0634】
上記実施形態において、遊技機C6の加算手段としては、第3実施形態の発射制御信号割込処理(
図45参照)におけるS3503の処理が例示される。
【0635】
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記終了条件が成立した場合に、前記媒体獲得数出力手段により表示されていた媒体獲得数を非表示とする非表示手段を備えていることを特徴とする遊技機C7。
【0636】
遊技機C7によれば、終了条件が成立した場合には、媒体獲得数出力手段により表示されていた媒体獲得数が、非表示手段によって非表示とされるので、特別期間が終了したにもかかわらず、媒体獲得数が取得されているかのような違和感を遊技者に与えることを抑制できる。よって、一連の有利状態の期間を違和感なく延長することができ、違和感によって遊技の興趣が損なわれることを防止できる。
【0637】
なお、上記実施形態において、遊技機C6の非表示手段としては、第3実施形態の獲得球数表示処理(
図41参照)におけるS1279の処理が例示される。
【0638】
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0639】
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0640】
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、遊技機には、例えば、始動条件が成立した場合に抽選を行い、その抽選により所定の結果が選ばれた場合に、図柄が停止した後に特別遊技状態(例えば、当たりと呼ばれる遊技状態など)を発生させるものがある。また、遊技機には、例えば、特別遊技状態が終了した後に、所定の有利状態(例えば、確変又は確率変動などと呼ばれる状態や、時短又は時間短縮などと呼ばれる状態など)を所定期間に亘って発生させるものがある(例えば、特開2011−072569号公報)。
上記例示した遊技機では、遊技の興趣を向上させることが常に要求されている。本技術的思想は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、遊技媒体の使用に基づく遊技を制御する制御手段と、その制御手段により制御される遊技中に所定の条件が成立した場合に、その成立した条件に応じた数の遊技媒体を払い出す払出手段とを備えたものであって、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が遊技者によって操作されたことを検出する操作検出手段と、その操作検出手段による操作の検出に基づいて、遊技に使用するために遊技媒体を発射する発射手段と、前記操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、前記払出手段により払い出しに基づく情報とを用いて、遊技に使用された遊技媒体と前記払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数を取得する媒体獲得数取得手段と、その媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力する媒体獲得数出力手段を備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、遊技者が操作可能な第2の操作手段を備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数に基づく値を表示又は出力するものである。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、通常状態に比べて有利な有利状態を生成する有利状態生成手段と、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段とを備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第1の結果が選ばれた場合に、前記変動表示実行手段による変動表示の終了後に、特別遊技状態を前記有利状態として所定の特別遊技状態期間に亘って生成する特別遊技状態生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記有利状態生成手段により生成される1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記特別遊技状態生成手段により特別遊技状態が生成されている場合における前記媒体獲得数を取得する特別遊技状態中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記特別遊技状態生成手段により生成された特別遊技状態の回数を累積して記憶する特別遊技状態発生回数累積記憶手段と、前記特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記特別遊技状態発生回数累積記憶手段に記憶されている前記特別遊技状態の回数とに基づき、前記特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものである。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかにおいて、前記制御手段は、始動条件が成立した場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により所定の結果が選ばれた場合に、通常状態に比べて有利な有利状態を生成する有利状態生成手段と、始動条件が成立した場合に識別情報の変動表示を実行する変動表示実行手段とを備え、前記有利状態生成手段は、前記抽選手段により、前記所定の結果の少なくとも一部である第2の結果が選ばれた場合に、所定のタイミングで遊技のモードを通常のモードより有利なモードを前記有利状態として所定の有利モード期間に亘って生成する有利モード生成手段を含んで構成され、前記媒体獲得数取得手段は、前記一連の有利状態の期間中であって、かつ、前記有利モード生成手段により生成された有利モード中であって、かつ、前記変動表示実行手段により変動表示が実行されている場合における前記媒体獲得数を取得する有利モード中媒体獲得数取得手段を含んで構成され、当該遊技機は、前記有利モード生成手段により生成された有利モードの中で前記変動表示実行手段により実行された変動表示の回数を累積して記憶する有利モード中変動回数累積記憶手段と、前記有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数を累積して記憶する有利モード中媒体獲得数累積記憶手段とを備え、前記媒体獲得数出力手段は、所定の期間中に前記第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、前記有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に記憶される媒体獲得数と、前記有利モード中変動回数累積記憶手段に記憶されている前記変動表示の回数とに基づき、前記有利モード中における前記変動表示の1回あたりの媒体獲得数を、表示又は出力するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技に使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数が、媒体獲得数取得手段により取得され、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。よって、一方で遊技媒体が使用され、他方で遊技媒体が払い出される遊技において、払い出しにより遊技者が見かけ上で獲得している遊技媒体の数ではなく、遊技者が実際に獲得した遊技媒体の数(即ち、使用された遊技媒体と払出手段により払い出される遊技媒体との差異である媒体獲得数)を、遊技者に実感させることができる。一般的に、遊技を行うために使用する遊技媒体は、遊技者が対価を支払って得るものであるので、遊技媒体を用いて行う遊技における媒体獲得数を遊技者が実感できることにより、そのような遊技(対価を支払って得る遊技媒体を用いて行う遊技)の興趣を高めることができるという効果がある。
また、技術的思想1記載の遊技機によれば、操作検出手段による操作手段の操作の検出に基づいて遊技媒体が発射されるように構成されており、媒体獲得数は、操作検出手段による操作の検出に基づく情報と、払出手段による払い出しに基づく情報とに基づいて取得されるので、媒体獲得数を好適な精度で取得することができ、表示又は出力される媒体獲得数の信頼性を高めることができる。よって、遊技者が表示又は出力された媒体獲得数に対して不信感を抱くことを防止できるという効果がある
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数が、所定の期間中に第2の操作手段が遊技者によって操作された場合に、媒体獲得数出力手段により表示又は出力される。よって、遊技者が実際に獲得した遊技媒体の数(即ち、媒体獲得数)に基づく値を、所定の期間における遊技者が所望するタイミングで遊技者に報せることができる。これにより、自身が必要に応じて第2の操作手段を操作したことにより表示させた値(媒体獲得数に基づく値)に基づき、自身が満足できる台を選択することが可能となるので、自身が満足できる遊技を行わせることができ、技者自身が対価を支払って行う遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が媒体獲得数取得手段によって取得されるので、その一連の有利状態の期間中における媒体獲得数を媒体獲得数出力手段により表示又は出力することができる。有利状態は、通常状態より有利な状態であり、遊技者にとっても有利な状態であるので、遊技者は、そのような一連の有利状態の期間中における遊技媒体の収支(即ち、媒体獲得数)に基づく値を表示させて参照することにより、自身によってより有利な台(遊技機)を選択することが可能となるという効果がある。
また、遊技者が第2の操作手段を操作すると、そのタイミングにおける特別遊技状態(有利状態の1つ)の1回あたりの媒体獲得数が表示又は出力される。特に、表示又は出力される媒体獲得数は、特別遊技状態発生回数累積記憶手段に累積して記憶された特別遊技状態の回数と、特別遊技状態中媒体獲得数累積記憶手段に累積して記憶された媒体獲得数(特別遊技状態中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数)とに基づき取得されるのものであるので、累積されるデータが増える程に、表示又は出力された媒体獲得数(特別遊技状態の1回あたりの媒体獲得数)は、自身によってより有利な台を、より精度よく判断させることを可能にするという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。1又は複数回の有利状態から形成される、一連の有利状態の期間中における媒体獲得数が媒体獲得数取得手段によって取得されるので、その一連の有利状態の期間中における媒体獲得数を媒体獲得数出力手段により表示又は出力することができる。有利状態は、通常状態より有利な状態であり、遊技者にとっても有利な状態であるので、遊技者は、そのような一連の有利状態の期間中における遊技媒体の収支(即ち、媒体獲得数)に基づく値を表示させて参照することにより、自身によってより有利な台(遊技機)を選択することが可能となるという効果がある。
また、遊技者が第2の操作手段を操作すると、そのタイミングにおける有利モード中における変動表示の1回あたり(即ち、始動条件の成立の1回あたり)に獲得できた媒体獲得数が表示又は出力される。特に、表示又は出力される媒体獲得数は、有利モード中変動回数累積記憶手段に累積して記憶された有利モードの中で実行された変動表示の回数と、有利モード中媒体獲得数累積記憶手段に累積して記憶された媒体獲得数(有利モード中媒体獲得数取得手段により取得された媒体獲得数)とに基づき取得されるのものであるので、累積されるデータが増える程に、表示又は出力された媒体獲得数(有利モード中における変動表示の1回あたりに獲得できた媒体獲得数)は、自身によってより有利な台を、より精度よく判断させることを可能にするという効果がある。