特許第6767053号(P6767053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6767053
(24)【登録日】2020年9月23日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】鉄筋切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23D 33/00 20060101AFI20201005BHJP
   B23D 23/00 20060101ALI20201005BHJP
   B21F 11/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   B23D33/00 J
   B23D23/00 A
   B21F11/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-47804(P2017-47804)
(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-149634(P2018-149634A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223056
【氏名又は名称】東陽建設工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(72)【発明者】
【氏名】高 雲強
(72)【発明者】
【氏名】船津 忠博
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−136969(JP,A)
【文献】 特開昭54−30588(JP,A)
【文献】 特開昭57−89598(JP,A)
【文献】 実開平1−129016(JP,U)
【文献】 特開平8−290323(JP,A)
【文献】 実開平5−37413(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 23/00−23/04,33/00−33/12,
B21F 11/00,
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置する鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機を設け、
鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも上手側に配置して鉄筋を受け止めて前記鉄筋切断機に送り込み搬送する第1コンベア装置を設け、
鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも下手側に配置して鉄筋を受け止めて取り出し搬送する第2コンベア装置を設けてある鉄筋切断装置であって、
前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で前記鉄筋切断機の正面側に設け、
前記鉄筋切断機の鉄筋切断空間内において、前記固定刃とその固定刃に近接作動する前記可動刃との間の仮想剪断面に対して、鉄筋長手方向の上手側で、鉄筋を前記鉄筋排出口に押し出す第1払い出し装置を設けると共に、
前記仮想剪断面に対して、鉄筋長手方向の下手側で、鉄筋を前記鉄筋排出口に押し出す第2払い出し装置を設けてある鉄筋切断装置。
【請求項2】
前記鉄筋排出口において、第1払い出し装置に対応する箇所を閉塞可能な第1ガード板を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設けると共に、
第2払い出し装置に対応する箇所を閉塞可能な第2ガード板を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設け、
前記第1ガード板を前記第1払い出し装置の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第1駆動装置を設け、
前記第2ガード板を前記第2払い出し装置の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第2駆動装置を設けてある請求項1に記載の鉄筋切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置する鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機を設け、鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも上手側に配置して鉄筋を受け止めて前記鉄筋切断機に送り込み搬送する第1コンベア装置を設け、鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも下手側に配置して鉄筋を受け止めて取り出し搬送する第2コンベア装置を設けてある鉄筋切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記鉄筋切断装置においては、短尺の鉄筋を切断する場合、第2コンベアに鉄筋の先端部を突き当てるストッパーを設けて、そのストッパーから前記固定刃とその固定刃に近接作動する前記可動刃との間の仮想剪断面までの長さ以上の鉄筋を設定して切断することはできるが、そのストッパーから仮想剪断面までの長さ以下の所定長さの鉄筋を切断することは困難で、例え短尺の鉄筋を切断しても、短尺の鉄筋を機械式に取り出す機構はなかった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−11015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の鉄筋切断装置では、その切断空間に手を入れて鉄筋切断機から取り出すのは危険であり、例えば、排出シュートを設けて、短すぎて製品にならない切断残材等を自然落下により排出シュートに滑らせて、鉄筋切断機の外側に取り出すように構成することしか考えられていなかった(例えば、特開2014−217825号公報参照)。
しかし、上記排出シュートでは、その幅より少し長い鉄筋は、鉄筋切断機内で引っ掛かって排出困難になることがあった。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、短尺の鉄筋を鉄筋切断機から安全に取り出せる鉄筋切断装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴構成は、固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置する鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機を設け、鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも上手側に配置して鉄筋を受け止めて前記鉄筋切断機に送り込み搬送する第1コンベア装置を設け、鉄筋の搬送方向で前記鉄筋切断機よりも下手側に配置して鉄筋を受け止めて取り出し搬送する第2コンベア装置を設けてある鉄筋切断装置であって、前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で前記鉄筋切断機の正面側に設け、前記鉄筋切断機の鉄筋切断空間内において、前記固定刃とその固定刃に近接作動する前記可動刃との間の仮想剪断面に対して、鉄筋長手方向の上手側で、鉄筋を前記鉄筋排出口に押し出す第1払い出し装置を設けると共に、前記仮想剪断面に対して、鉄筋長手方向の下手側で、鉄筋を前記鉄筋排出口に押し出す第2払い出し装置を設けたところにある。
【0006】
本発明の第1の特徴構成によれば、可動刃と固定刃を設けた鉄筋切断機の鉄筋切断空間内において、鉄筋の先端側が第2コンベア装置に載らないほどの搬出されにくい短尺の鉄筋を、切断した場合であっても、第2払い出し装置によって、鉄筋排出口から鉄筋切断機の正面側に排出され、また、鉄筋の切断に伴って後端側に残る鉄筋の残材は、例え第1コンベア装置に載らないほどの短いものであったとしても、鉄筋排出口から第1払い出し装置によって、鉄筋切断機の外側に排出される。
従って、鉄筋切断機の鉄筋切断空間内に手を差し入れて短尺の所定長さの鉄筋や、短尺の鉄筋残材を取り出す必要がなく、確実に安全性を向上させられる。
【0007】
本発明の第2の特徴構成は、前記鉄筋排出口において、第1払い出し装置に対応する箇所を閉塞可能な第1ガード板を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設けると共に、第2払い出し装置に対応する箇所を閉塞可能な第2ガード板を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設け、前記第1ガード板を前記第1払い出し装置の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第1駆動装置を設け、前記第2ガード板を前記第2払い出し装置の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第2駆動装置を設けたところにある。
【0008】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、鉄筋排出口は、鉄筋切断中及び切断後に、第1払い出し装置及び第2払い出し装置が作動するまでは、第1ガード板及び第2ガード板によって、閉塞状態にあり、第1払い出し装置又は第2払い出し装置の作動によって、第1駆動装置又は第2駆動装置によって第1ガード板又は第2ガード板が開放状態に切換え操作され、より安全性を向上させることができるようになった。
【0009】
【0010】
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】鉄筋切断装置の全体平面図である。
図2】鉄筋切断機の右側からの斜視図で、一部拡大図を示してある。
図3】鉄筋切断機の左側からの斜視図で、一部拡大図を示してある。
図4】鉄筋切断機の正面図である。
図5】鉄筋切断作用側面図で、(a)は切断前の状態を示し、(b)は切断途中の状態を示し、(c)は切断完了時点を示し、(d)は切断した鉄筋の払い出し操作を示す。
図6】鉄筋切断作用正面図で、(a)は切断前の状態を示し、(b)は切断途中を示し、(c)は切断完了時点を示す。
図7】鉄筋切断機と第1コンベア装置及び第2コンベア装置の最接近状態の位置関係を示す説明図である。
図8】鉄筋切断機と第1コンベア装置及び第2コンベア装置の相対位置関係を示す説明図で、(a)は鉄筋切断機から第2コンベア装置を最も遠ざけた状態を示し、(b)は鉄筋切断機から第2コンベア装置を最も遠ざけた位置から100mm近接移動させた状態を示す。
図9】別実施形態の鉄筋切断後の鉄筋払い出し操作状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1図8に示すように、固定刃1に対して近接操作自在な可動刃2を、両刃間に配置する鉄筋20の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機3を設け、鉄筋20の搬送方向で鉄筋切断機3よりも上手側に配置して鉄筋20を受け止めて鉄筋切断機3に送り込み搬送する第1コンベア装置4を設け、鉄筋20の搬送方向で鉄筋切断機3よりも下手側に配置して鉄筋20を受け止めて取り出し搬送する第2コンベア装置5を設け、固定刃1に載置する鉄筋20に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口6を、平面視で鉄筋切断機3の正面側に設け、鉄筋切断機3の鉄筋切断空間内において、固定刃1とその固定刃1に近接作動する可動刃2との間の仮想剪断面18に対して、鉄筋長手方向の上手側で、鉄筋20を鉄筋排出口6に押し出す第1払い出し装置7を設け、仮想剪断面18に対して、鉄筋長手方向の下手側で、鉄筋20を鉄筋排出口6に押し出す第2払い出し装置8を設けてある鉄筋切断装置を構成してある。
尚、前記第1払い出し装置7は、鉄筋を押し出して鉄筋切断機3の切断空間から外方に排出するために、伸縮操作自在な第1シリンダ7Bとその第1シリンダ7Bのピストンロッド先端に取り付けた第1鉄筋排出板7Aとから構成してある。同様に、第2払い出し装置8は、鉄筋を押し出して鉄筋切断機3の切断空間から外方に排出するために、伸縮操作自在な第2シリンダ8Bとその第2シリンダ8Bのピストンロッド先端に取り付けた第2鉄筋排出板8Aとから構成してある。
【0013】
前記鉄筋排出口6において、図4に示すように、第1払い出し装置7に対応する箇所を閉塞可能な第1ガード板9を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設けると共に、第2払い出し装置8に対応する箇所を閉塞可能な第2ガード板10を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設け、第1ガード板9を第1払い出し装置7の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第1駆動装置11を設け、第2ガード板10を第2払い出し装置8の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第2駆動装置12を設けてある。
前記第1ガード板9と第2ガード板10とは、夫々鉄筋排出口6の前側に上下搖動自在に垂下させて鉄筋切断機本体3Aに取り付けてあり、前述のように第1ガード板9が第1駆動装置11により上下搖動操作され、第2ガード板10が第2駆動装置12により上下搖動操作される。
つまり、鉄筋排出口6は、鉄筋切断中及び切断後に、第1払い出し装置及び第2払い出し装置が作動するまでは、第1ガード板9及び第2ガード板10によって、閉塞状態にあり(図5(a)〜(c))、第1払い出し装置7又は第2払い出し装置8の払い出し作動によって、第1駆動装置11又は第2駆動装置12によって第1ガード板9又は第2ガード板10が鉄筋排出口6の開放状態に切換え操作され(図5(d))、より安全性を向上させることができるように構成してある。
【0014】
第1コンベア装置4に、鉄筋切断機3に送り込んだ鉄筋20の後端部を鉄筋切断機3から引き戻し操作する後退操作機構を設け、後退操作機構により引き戻した鉄筋20を第1コンベア装置4の横側方に排出する鉄筋残材排出機構15を設けてある(図1)。
【0015】
つまり、第1コンベア装置4には、図1に示すように、上手側の送り込み後コンベア4Aと下手側の送り込み前コンベア4Bとで構成してあり、送り込み前コンベア4Bが正逆駆動回転可能に構成してあって、鉄筋20を前進させて鉄筋切断機3に供給する前進操作機構と、鉄筋切断機3に送り込んだ鉄筋20の後端部を鉄筋切断機3から引き戻し操作する後退操作機構とを設けてある。
そして、送り込み前コンベア4Bに、鉄筋切断機3から引き戻した後端側の鉄筋残材を、上下搖動自在なアーム13と、そのアーム13を上下搖動駆動するシリンダ14とで構成される鉄筋残材排出機構15により、残材ストッカ16に排出可能に構成してある。
尚、図2及び図4中30は、ピンチローラで鉄筋切断機3に上下動自在に取り付けてあり、送り込み前コンベア4Bの先端側(下手側)に設けた正逆駆動回転する受けローラ31との協働で、その受けローラ31の上に載った鉄筋20を、ピンチローラ30と共に挟み込んで鉄筋切断機に供給したり引き戻したりできるように構成してある。
【0016】
第2コンベア装置5は、図1図7図8に示すように、その長手方向において所定間隔置きに上下出退操作自在なストッパ17を設けると共に、鉄筋切断機3に対して設定距離内において遠近移動操作可能に構成してあり、その第2コンベア装置5の遠近移動操作によって、鉄筋切断機3の可動刃2と固定刃1とによって形成される仮想剪断面18から、複数のストッパ17の中から選択されたストッパ17までの距離を調整して鉄筋20の切断寸法を設定可能に構成してある。
つまり、複数のストッパ17間の離間距離は決まっており、前記仮想剪断面18から各ストッパ17までの長さの寸法以外の長さの鉄筋20を切断したい場合、第2コンベア装置5を移動操作して、所定の寸法の鉄筋20を切断できるように構成してある。
【0017】
図5図6に示すように、固定刃1はその刃先が水平面又は略水平面に沿った状態に取り付けてあると共に、可動刃2は、その刃先を鉄筋排出口6に近づく側ほど低くなる傾斜面に形成してあって、複数本の鉄筋20を固定に載置して切断する際に、鉄筋排出側に近いものから順に切断して、可動刃2に一度に大きな負荷がかかるのを防止して、複数本の鉄筋20夫々の切断面が変形するのを抑制するように形成してある。
尚、鉄筋切断空間S内では、固定刃1に載っている鉄筋20を、固定刃1と共に近傍で受け止める受止め板19を設けてある。
【0018】
固定刃1に対して近接操作自在な可動刃2を、両刃間に配置した鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてあって、固定刃1と可動刃2とによる鉄筋切断空間S内で、可動刃2の下側で切断前の鉄筋20を固定刃1と共に受け止める鉄筋受止め面部24を、可動刃2の下降に伴って被切断鉄筋と共に下降するのを許容するように、上下移動自在に設ける被切断鉄筋受止め装置25を鉄筋切断機本体3Aに取り付け、被切断鉄筋受止め装置25には、鉄筋受止め面部24を上方に付勢する付勢手段21を設けてある。
前記付勢手段21は、空気圧シリンダにより構成してあり、空気圧シリンダ内の空気量又は圧力の調整機構によって、可動刃2による剪断加圧力に対する反力の調整や、被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24の下降下限値や、図2図4図6に示すように、第1払い出し装置7による切断鉄筋の排出時の上下位置の設定を可能にしてある。
【0019】
前記被切断鉄筋受止め装置25は、図5図6に示すように、順に作動するように構成してある。
1. 固定刃1に載置してある複数本の鉄筋20に対して、刃先を前記傾斜面に形成してある可動刃2が下降する。
2. 可動刃2の下降に伴って、鉄筋排出口6に近い鉄筋から奥の鉄筋にかけて順次切断されるに伴って、被切断鉄筋受止め装置25も鉄筋排出口6に近い部分から奥にかけて順次下降する。つまり、鉄筋受止め面部24を下から上向きに付勢するように支持する複数のエアーシリンダの各別な収縮作用によって、鉄筋受止め面部24が傾きながら下降する(図5(a)→図5(c)、図6(a)→図6(b))。
3. 全ての鉄筋20が切断されたら、可動刃2は上昇して元の切断作動前の位置に戻る。
4. 被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24は、固定刃1の上面位置より下側の排出用設定位置で水平又は略水平姿勢になるまで上昇付勢されて停止する(図6(c))。
5. 前記排出用設定位置に鉄筋受止め面部24が維持された状態で、第1払い出し装置7における第1シリンダ7Bの伸長作動により、切断された鉄筋が、第1鉄筋排出板7Aによって鉄筋排出口から鉄筋切断空間の外方に排出される(図2図5(d)、図6(c))。
6. 切断鉄筋の排出の終了後は、第1払い出し装置7の第1鉄筋排出板Aは、第1シリンダ7Bの収縮によって元の位置に引退し、被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24は、固定刃1の上面位置と同高さに復帰上昇する。
【0020】
[鉄筋切断操作方法]
図7図8に示すように、第2コンベア装置5を鉄筋切断機3に最も接近させた状態で(図7)、最も上手側の第1ストッパ17A(17)と仮想剪断面18との距離を500mmとし、各ストッパ17間の離間距離を500mmに設け、第2コンベア装置5の鉄筋切断機3に対する遠近移動距離を500mmに設定してある場合、第2コンベア装置5が移動不能であれば、通常は500mmの複数倍の長さの鉄筋20しか切断できないのに対し、例えば、100mm長さの鉄筋20を切断するには、
1、 第2コンベア装置5を鉄筋切断機3から500mm遠ざけ、鉄筋20の先端部を複数のストッパ17の内の一つのストッパ17B(17)(例えば、仮想剪断面18から2500mmの箇所のストッパ)に突き当てて位置決めして、鉄筋20の残材が最小寸法に成るように、又は、次の目的寸法の鉄筋20が切断可能な長さを残した後、可動刃2を下降させて鉄筋20を切断する(図8(a))。
2、 上手側の鉄筋残材は、鉄筋排出機構により第1コンベア装置4の横外側の残材ストッカ16に排出する(図1)。
3、 第2コンベア装置5を100mm鉄筋切断機3に近接させた後、可動刃2を固定刃1に対して下降切断して100mmの鉄筋20を切断し、第1ガード板9を閉塞状態から開放状態に切換え操作すると共に、第1払い出し装置7によって鉄筋排出口6から鉄筋切断機3の外側に切断鉄筋を払い出して排出する(図8(b))。
4、 その後、第2コンベア装置5を鉄筋切断機3に100mm接近移動させた後、可動刃2の下降操作によって切断する一連の操作(上記3〜4の操作)を5回繰り返す。
5、 更に切断本数を増加する場合には、前記ストッパ17B(17)より500mm上手側のストッパ17に鉄筋先端を突き当てて、上記3〜4の操作を繰り返す。
尚、第2コンベア装置5の各移動距離の設定により、所定の長さの鉄筋20を切断できるのは、言うまでもない。
【0021】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0022】
〈1〉 隣接するストッパ間の距離よりも小さい長さの切断長さを設定するのは、100mmに限らず無段階に設定しても良い。また、複数のストッパの内の選択されたストッパと仮想剪断面18との間の距離に、隣接するストッパ間の距離よりも小さい長さを加算した長さを切断する場合も、上記操作方法と同様に第2コンベア装置を移動させればよい。
〈2〉 前記第1払い出し装置と第2払い出し装置とは、一体成型品であっても良い。
〈3〉 前記第1ガード板と第2ガード板とは、一体成型品であっても良い。
〈4〉 前記鉄筋受止め面部24に載っている切断鉄筋の排出時には、図9に示すように、鉄筋受止め面部24が固定刃の上面位置に上昇復帰した状態で、第1払い出し装置7により排出するようにしてあっても良い。
【0023】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0024】
1 固定刃
2 可動刃
3 鉄筋切断機
4 第1コンベア装置
5 第2コンベア装置
6 鉄筋排出口
7 第1払い出し装置
8 第2払い出し装置
9 第1ガード板
10 第2ガード板
11 第1駆動装置
12 第2駆動装置
15 鉄筋残材排出機構
18 仮想剪断面
20 鉄筋
S 鉄筋切断空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9