特許第6767315号(P6767315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6767315
(24)【登録日】2020年9月23日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20201005BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20201005BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20201005BHJP
   F21Y 105/18 20160101ALN20201005BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201005BHJP
【FI】
   H05B47/125
   F21S8/04
   F21V33/00 400
   F21Y105:18
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-125750(P2017-125750)
(22)【出願日】2017年6月28日
(65)【公開番号】特開2019-9056(P2019-9056A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 諒
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第205048270(CN,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0090344(KR,A)
【文献】 特開2011−009066(JP,A)
【文献】 特開2015−156263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 8/04
F21V 33/00
F21Y 105/18
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数のLED素子を光源として備えて光を照射する光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する放熱板と、人または空間を画像認識するためのカメラユニットと、を有する照明装置であって、当該放熱板の下面側には、下向きに光を照射するように前記光源基板が配置され、当該放熱板の上面側には、前記カメラユニットのカメラレンズ部前記放熱板の外側に配置されるように前記カメラユニットが取付けられていることを特徴とする照明装置
【請求項2】
前記カメラレンズ部は、前記カメラユニットのカメラ駆動部により当該カメラレンズ部の向く方向を変更されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カメラレンズ部の向く方向を変更して、画像認識する範囲を変えることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記カメラユニットから取り込まれる画像から人の有無を認識し、照明器具の周囲に人がいない時は、照明を自動減光することを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項に記載の照明装置において、人を感知した際には照明を元の明るさで点灯することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記カメラレンズ部を部屋の入口方向に向けて前記部屋へ入室する人を個別認識し、各人がそれぞれ設定した任意の明かりで点灯することを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)素子を光源として備えるLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具においてカメラを用いて空間把握を行い、人の有無を認識することで、照明の自動消灯等を行う機能を有した照明器具が知られている。
【0003】
カメラを用いて人の認識を行うためには、設置位置の工夫が必要となる。
【0004】
例えば特許文献1では、部屋にカメラを設置し、カメラから得られる画像データを元に制御装置を介して照明装置の制御を実現し、照明を消灯制御もしくは減光制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-289377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の従来照明器具では、照明器具とは別体のカメラを部屋に設置し、カメラと制御装置と照明装置とを有するため、装置の設置を容易に行うことができない。
【0007】
本発明では、前述の課題を解決し、任意の場所にて設置可能でかつ照明を自動制御可能なLED照明器具を提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数のLED素子を光源として備えて光を照射する光源基板と、前記光源基板の熱を放熱する放熱板と、人または空間を画像認識するためのカメラユニットと、を有する照明装置であって、当該放熱板の下面側には、下向きに光を照射するように前記光源基板が配置され、当該放熱板の上面側には、前記カメラユニットのカメラレンズ部前記放熱板の外側に配置されるように前記カメラユニットが取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、カメラと制御装置と照明装置とを一体化することで、任意の場所にて設置可能でかつ照明を自動制御可能なLED照明器具を提供することができる。
【0010】
これにより、カメラユニットから画像を取り込み、部屋においての人の有無や人の個別認識を行い、自動調光や任意の明かりで自動点灯することが可能なLED照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す図であり、斜め下方向から見たときの状態を示す外観斜視図である。
図2】LED照明装置を斜め上方向から見たときの状態を示す外観斜視図である。
図3】LED照明装置を斜め下方向から見たときの状態を示す分解斜視図である。
図4】カメラユニットの詳細図である。
図5】カメラユニットの認識可能範囲の例を示した図である。
図6】カメラユニットの認識範囲Iを示した図である。
図7】カメラユニットの認識範囲IIを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態に係るLED照明装置(LEDシーリングライト)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、LED照明装置1の一例をして、平面視して円形のものを例に挙げて説明するが、形状はこれに限定されず、例えば、四角形、六角形、八角形等の多角形のものにも適用することもできる。また、本実施形態では、以下、主照明用光源としてLEDを用いたLED照明装置1として説明するが、主照明光源はLEDに限定されるものではない。
【0013】
図1及び図2に示すLED照明装置1は、例えば、家屋の天井面に設けられる引掛けローゼットや引掛けシーリング等の屋内配線器具(図示省略)に係合する取付けアダプタ(図示省略)を介することによって、外部電源に接続されると共に天井面の所定位置に固定されて利用に供されるものである。LED照明装置1は、例えば、丸型や角形等のものからなる(本実施形態では丸型である)。なお、以下の説明において、LED照明装置1が天井面に取り付けられた状態を基準として、紙面上側が天井側(上面側)、紙面下側が床側(下面側)である。
【0014】
図3に示すように、LED照明装置1は、バックボーン2、絶縁板3、電源基板4、放熱板5、LED光源基板6、LEDカバー7、センタカバー8、セード9、カメラユニット10等を備えて構成されている。カメラと制御装置と照明装置とを一体化することで、任意の場所にて設置可能でかつ照明を自動制御可能なLED照明器具を提供することができる。
【0015】
バックボーン2は、略円形状の鋼板部品であり、中央部には取付けアダプタ(図示省略)を係止させるための取付け孔2aを有している。
【0016】
絶縁板3は、難燃性及び電気絶縁性を有する構成樹脂で形成され、バックボーン2にねじで固定される。また、絶縁板3はLED照明装置1を天井面や所定位置に固定し、取付けアダプタに接続するための筒状の突起3aを有する。
【0017】
電源基板4は、制御部を含む点灯回路を有し、絶縁板3を介してバックボーン2にねじ止めされている。絶縁板3を介することで、電気絶縁性を維持した状態で配置される。
また、電源基板4から電線(図示省略)を介して取付けアダプタと電気的に接続される。同様に電線を介してLED光源基板6やカメラユニット10と電気的に接続される。これにより、LED光源基板6から照射される光の明るさ等の光り方を制御可能としている。
【0018】
放熱板5は、略円形状の鋼板部品であり、中央部にはバックボーン2と絶縁板3の取付け孔2a及び筒状の突起3aと対応する貫通孔5aを有している。貫通孔を中心とした左右対称の位置にねじ用の穴を有しており、この穴を介して絶縁板3とねじ止めされ固定される。また、放熱板5は中央部に向かって台形状に凸部を有しており、この凸部にLED光源基板6を取り付けることでLED光源基板6の熱を放熱して冷却する役割を果たす。
【0019】
LED光源基板6は、円周上の複数列にLED素子を複数個有している。LED素子は昼光色色LEDと電球色LEDと青緑色LEDを有する。昼光色LEDはピーク波長430〜460nmの昼光色光を発光し、電球色LEDはピーク波長550nm〜650nmの電球色光を発光し、青緑色LEDはピーク波長470nm〜500nmの青色光を発光することを特徴とする。
LED光源基板6は電源基板4と電線により接続され、電源基板4から発光に係る制御により、例えば点灯、消灯、電流値の調整による調光および調色が行われる。
【0020】
LEDカバー7は、円形の板面を有し、板面状にはLED素子の配列に対応したレンズ機能を持つ凸部を複数有している。また、円形の板面の側面には円筒状の壁面を有しており、LED光源基板6との絶縁の役割を果たす。円筒状の壁面の外周部には凸部を有しており、その凸部を介して放熱板5とねじ止めで固定される。また、LEDカバー7の板面部の外径と内径の中央に位置する円周上にねじ穴を有しており、LED光源基板6とともに放熱板5にねじにより共締め固定される。
【0021】
センタカバー8は、LEDカバー7の中央のリブと嵌合し、径方向に回転させることで着脱可能な構造を有する。センタカバー8の色は白色になっており、反射率を高め、点灯時に器具中央部の暗がりを軽減する効果がある。
【0022】
セード9は、放熱板5の凹部に合わさり、径方向に回転させることで、セード9の凸部が受け具(図示省略)と嵌合し、着脱可能に取付けられる。セード9は光を拡散させる効果があり、まぶしさの軽減や、空間にムラなく光を広げる効果がある。
【0023】
カメラユニット10は、図4に示すようにカメラレンズ部10aとカメラ駆動部10bと、カメラレンズ部10aとカメラ駆動部10bとを収めるケース部10cと、からなり、カメラ機能を有している。本実施形態では、カメラユニット10は、バックボーン2や放熱板5やセード9よりも外側に位置している。カメラユニット10は、ケース部10cの一部が放熱板5の天井側(上面側)に位置し、放熱部5にねじ止めで固定される。すなわち、カメラユニット10を用いないLED照明装置のセードやバックボーンやLED光源基板と同じものを用いることができる。カメラユニット10ではカメラレンズ部を通して画像を取得し、取得した画像を元に人の認識等を行う。カメラ駆動部10bは任意の方向へ動かすことが可能で、カメラレンズ部が向く方向を任意に変更することができる。
【0024】
図5にLED照明装置1を横から見た場合のカメラ認識範囲の例を示す。図5に示されるカメラ認識範囲の角度θは特に限定しないものとする。カメラ駆動部10bを動かすことで、図5のようにカメラによる認識範囲を任意に変更することが可能となり、例えば部屋の入口方向にカメラを向けて、人が入室した際に認識するなど、認識範囲を調整し、認識する距離や位置を変更することで所望の使用方法を容易に実現することができる。
図5においてカメラ駆動部を左方向へ動かし、カメラ認識範囲を認識範囲Iに変更させた場合の例を図6に示す。同様に、図5においてカメラ駆動部を右方向へ動かし、カメラ認識範囲を認識範囲IIに変更させた場合の例を図7に示す。また、図5において左右方向だけでなく、手前方向および奥方向にもカメラ駆動部を動かすことも可能であり、LED照明装置1の全周方向へカメラ認識範囲を変更することができる。これにより、LED照明装置1の設置場所によらず所望の認識範囲および認識位置でカメラユニット10による機能、例えばカメラユニット10から画像を取り込み、部屋においての人の有無や人の個別認識を行い、自動調光や任意の明かりで自動点灯する機能を実現することができる。人がいない場合には照明を減光することで、消費電力を抑えることができる。また、部屋への入室時には人を個別認識し、各人がそれぞれ設定した任意の明かりで点灯することで、任意の調光や調色といった照明の設定を毎回行う手間を省くことができる。
【0025】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にもおよぶことは勿論である。例えば、実施例はセードの外側にカメラユニットを有しているが、セードあるいは器具本体内部に有してもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 LED照明装置
2 バックボーン
2a 取付け孔
3 絶縁板
3a 筒状の突起
4 電源基板
5 放熱板
5a 貫通孔
6 光源基板
7 LEDカバー
8 センタカバー
9 セード
10 カメラユニット
10a カメラレンズ部
10b カメラ駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7