(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半二重フレーム中の前記フォワードリンク継続時間を決定するステップが、前記特殊サブフレーム中の前記フォワードリンク時間セグメントを前記フォワードリンクサブフレームに加えるステップを含む、請求項2に記載の方法。
前記半二重フレーム中の前記ガード継続時間を決定するステップが、前記特殊サブフレーム中の前記ガード時間セグメントを前記ガードサブフレームに加えるステップを含む、請求項2に記載の方法。
衛星通信システムにおける半二重フレーム中のフォワードリンク継続時間およびガード継続時間を決定するための方法を、コンピュータまたはプロセッサに実行させるための少なくとも1つの命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記少なくとも1つの命令が、
前記半二重フレームの特殊サブフレームにおいてフォワードリンク時間セグメントを割り振るための命令と、
前記特殊サブフレームにおいてガード時間セグメントを割り振るための命令と、
前記特殊サブフレーム中の前記フォワードリンク時間セグメントに基づいて、前記半二重フレーム中の前記フォワードリンク継続時間を決定するための命令であって、決定したフォワードリンク継続時間が、ユーザ端末におけるフォワードリンク受信のための総継続時間である、命令と、
前記特殊サブフレーム中の前記ガード時間セグメントに基づいて前記半二重フレーム中の前記ガード継続時間を決定するための命令と
を含む、コンピュータ可読媒体であって、
前記半二重フレームは、前記特殊サブフレームの前記ガード時間セグメントに続くガードサブフレームをさらに含み、
前記フォワードリンク時間セグメントおよび前記ガード時間セグメントの割合は、前記半二重フレームにおいて必要とされるガード時間に基づいて動的に変化するが、前記特殊サブフレームの継続時間は一定のままである、
コンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の様々な態様は、データ通信、音声通信、またはビデオ通信のための地球低軌道(LEO)衛星通信システムなどの、非静止衛星通信システムにおいて衛星を通じてゲートウェイと通信しているユーザ端末(UT)によって送信される無線信号の時間または周波数の同期のための方法および装置に関する。一態様では、ユーザ端末からの無線信号の送信の時間は、それらの信号が同じ時間に、または指定された許容範囲内にある到来時間の差異を伴ってゲートウェイに到来するように、調整され得る。別の態様では、ユーザ端末から送信される無線信号の搬送波周波数は、ドップラーオフセットの差異を含むが限定はされないゲートウェイにおける周波数オフセットの差異が除去されるように、または少なくとも指定された許容範囲内の量に縮小されるように、調整され得る。一態様では、時間または周波数の予備修正値を生成するために、開ループ予備修正が行われ、これは、伝搬遅延を等しくするように送信時間を調整するために、または、周波数オフセットの差異を除去もしくは縮小するように搬送波周波数を調整するために、適用され得る。別の態様では、時間または周波数のより正確な修正値を与えるために、開ループ予備修正に加えて閉ループ予備修正が行われる。また別の態様では、衛星通信システムが、ビームカバレージに存在する多数のアクティブなユーザ端末を有する場合がある。ランダムな時間オフセットが、時間オフセットにわたってほぼ等しいトラフィック負荷を拡散するように、スケジューラによって適用され得る。本開示の様々な他の態様も、以下でさらに詳細に説明される。
【0029】
特定の実施例を対象とする以下の説明および関係する図面において、本開示の態様について説明する。本開示の範囲から逸脱することなく、代替の実施例が考案され得る。加えて、本開示の関連する詳細を不明瞭にしないように、よく知られている要素については詳細に説明しないか、または省略する。
【0030】
「例示的な」という単語は、本明細書では、「例、実例、または例証として機能する」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明するいずれの態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいか、または有利であると解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、すべての態様が論じられた特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。
【0031】
本明細書で使用する用語は、特定の態様のみについて説明することを目的としており、態様を限定するものではない。本明細書では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段明確に示さない限り、複数形も含むものとする。「備える(comprises、comprising)」、または「含む(includes、including)」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことがさらに理解されるだろう。さらに、「または」という用語は、ブール演算子「OR」と同じ意味を有し、すなわち、「いずれか」および「両方」の可能性を含み、別段に明記されていない限り、「排他的論理和」(「XOR」)に限定されないことを理解されたい。2つの隣接する語の間の記号「/」は、別段に明記されていない限り、「または」と同じ意味を有することも理解されたい。さらに、「〜に接続される」、「〜に結合される」、または「〜と通信している」などの句は、別段に明記されていない限り、直接の接続に限定されない。
【0032】
さらに、多くの態様について、たとえば、コンピュータデバイスの要素によって実行されるべき一連のアクションに関して説明する。本明細書で説明する様々なアクションは、特定の回路、たとえば中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DPS)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または様々な他のタイプの汎用もしくは専用のプロセッサもしくは回路によって実行されてよく、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって実行されてよく、あるいは両方の組合せによって実行されてもよいことが認識されよう。加えて、本明細書で説明するこれらの一連のアクションは、実行されると、関連するプロセッサに本明細書で説明する機能を実行させるコンピュータ命令の対応するセットを記憶した任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体内において完全に具現化されるものと見なすことができる。したがって、本開示の様々な態様は、すべてが特許請求される主題の範囲内のものであると考えられるいくつかの異なる形態において具現化されてもよい。さらに、本明細書において説明する態様ごとに、任意のそのような態様の対応する形態について、本明細書では、たとえば、説明する動作を実行する「ように構成された論理」として説明する場合がある。
【0033】
図1は、非静止軌道、たとえば地球低軌道(LEO)にある複数の衛星を含む(ただし例示をわかりやすくするために1つの衛星300のみが示されている)衛星通信システム100、衛星300と通信しているゲートウェイ200、衛星300と通信している複数のユーザ端末(UT)400および401、ならびにUT400および401とそれぞれ通信している複数のユーザ機器(UE)500および501の例を示す。一態様では、ゲートウェイ200は、スケジューラ202を含み、スケジューラ202は、たとえば、適応型特殊サブフレーム(SSF)スケジューラおよび/またはランダムオフセットスケジューラであってもよい。スケジューラ202および関係する機能に関する詳細は、以後の段落および図において提供する。
図1に示した例では、UT400およびUE500は、双方向アクセスリンク(フォワードアクセスリンクおよびリターンアクセスリンクを有する)を介して互いに通信し、同様に、UT401およびUE501は、別の双方向アクセスリンクを介して互いに通信する。別の実装形態では、1つまたは複数のさらなるUE(図示せず)が、受信のみを行い、したがって、単にフォワードアクセスリンクを使用することによってUTと通信するように構成されてもよい。別の実装形態では、1つまたは複数のさらなるUE(図示せず)が、UT400および/またはUT401と通信することもある。代替的に、UTおよび対応するUEは、たとえば、衛星と直接通信するための内蔵衛星トランシーバおよびアンテナを有する携帯電話などの、単一の物理デバイスの一体部分であってもよい。各UE500または501は、モバイルデバイス、電話機、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、オーディオビジュアルデバイス、またはUTと通信する能力を含む任意のデバイスなどのユーザデバイスとすることができる。さらに、UE500および/またはUE501は、1つまたは複数のエンドユーザデバイスと通信するのに使用されるデバイス(たとえば、アクセスポイント、スモールセルなど)とすることができる。
【0034】
ゲートウェイ200は、インターネット108または1つもしくは複数の他のタイプの公衆ネットワーク、半私有ネットワーク、もしくは私有ネットワークへのアクセスを有することができる。
図1に示す例では、ゲートウェイ200は、インフラストラクチャ106と通信しており、このインフラストラクチャ106は、インターネット108または1つもしくは複数の他のタイプの公衆ネットワーク、半私有ネットワーク、もしくは私有ネットワークにアクセスすることができる。ゲートウェイ200は、たとえば光ファイバネットワークまたは公衆交換電話網(PSTN)110などの陸線ネットワークを含む、様々なタイプの通信バックホールにも結合され得る。さらに、代替的な実装形態では、ゲートウェイ200は、インフラストラクチャ106を使用せずに、インターネット108、PSTN110、または1つもしくは複数の他のタイプの公衆ネットワーク、半私有ネットワーク、もしくは私有ネットワークとインターフェースすることがある。またさらに、ゲートウェイ200は、インフラストラクチャ106を通じてゲートウェイ201などの他のゲートウェイと通信することがあり、または代替的に、インフラストラクチャ106を使用せずにゲートウェイ201と通信するように構成されることがある。インフラストラクチャ106は、全体または一部が、ネットワーク制御センター(NCC)、衛星制御センター(SCC)、有線および/もしくはワイヤレスコアネットワーク、ならびに/または、衛星通信システム100の動作および/もしくは衛星通信システム100との通信を支援するために使用される任意の他の構成要素もしくはシステムを含むことができる。
【0035】
両方向での衛星300とゲートウェイ200との間の通信は、フィーダリンクと呼ばれるが、両方向での衛星とUT400および401の各々との間の通信は、サービスリンクと呼ばれる。衛星300からゲートウェイ200またはUT400および401のうちの1つとすることのできる地上局への信号経路は、包括的にダウンリンクと呼ばれる場合がある。地上局から衛星300への信号経路は、包括的にアップリンクと呼ばれる場合がある。加えて、図示のように、信号は、フォワードリンクおよびリターンリンクまたはリバースリンクなどの、全般的な方向性を有することができる。したがって、ゲートウェイ200から始まり、衛星300を介してUT400で終わる方向の通信リンクはフォワードリンクと呼ばれるが、UT400から始まり、衛星300を介してゲートウェイ200で終わる方向の通信リンクは、リターンリンクまたはリバースリンクと呼ばれる。したがって、
図1では、ゲートウェイ200から衛星300への信号経路は、「フォワードリンク(FL)」と標示されるが、衛星300からゲートウェイ200への信号経路は、「リターンリンク(RL)」と標示される。同様に、
図1では、各UT400または401から衛星300への信号経路は、「リターンリンク(RL)」と標示されるが、衛星300から各UT400または401への信号経路は、「フォワードリンク(FL)」と標示される。
【0036】
図2は、ゲートウェイ200の例示的なブロック図であり、これは
図1のゲートウェイ201にも当てはまり得る。ゲートウェイ200は、いくつかのアンテナ205、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、公衆交換電話網(PSTN)インターフェース230、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース240、ゲートウェイインターフェース245、およびゲートウェイコントローラ250を含むものとして示されている。RFサブシステム210は、アンテナ205およびデジタルサブシステム220に結合される。デジタルサブシステム220は、PSTNインターフェース230、LANインターフェース240、およびゲートウェイインターフェース245に結合される。ゲートウェイコントローラ250は、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、PSTNインターフェース230、LANインターフェース240、およびゲートウェイインターフェース245に結合される。
【0037】
いくつかのRFトランシーバ212と、RFコントローラ214と、アンテナコントローラ216とを含むことができるRFサブシステム210は、フォワードリンク(FL)301Fを介して衛星300に通信信号を送信することができ、リターンリンク(RL)301Rを介して衛星300から通信信号を受信することができる。単純さのために図示されていないが、RFトランシーバ212の各々は、送信チェーンおよび受信チェーンを含むことができる。各受信チェーンは、受信された通信信号を周知の形でそれぞれ増幅し、ダウンコンバートするために、低雑音増幅器(LNA)およびダウンコンバータ(たとえば、ミキサ)を含むことができる。加えて、各受信チェーンは、(たとえば、デジタルサブシステム220による処理のために)受信された通信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するための、アナログデジタル変換器(ADC)を含むことができる。各送信チェーンは、衛星300に送信されるべき通信信号をよく知られている方式でそれぞれアップコンバートおよび増幅するための、アップコンバータ(たとえば、ミキサ)および電力増幅器(PA)を含むことができる。加えて、各送信チェーンは、デジタルサブシステム220から受信されたデジタル信号を、衛星300へ送信されるべきアナログ信号に変換するための、デジタルアナログ変換器(DAC)を含むことができる。
【0038】
RFコントローラ214は、RFトランシーバ212の様々な態様(たとえば、搬送波周波数の選択、周波数および位相の較正、利得の設定など)を制御するのに使用され得る。アンテナコントローラ216は、アンテナ205の様々な態様(たとえば、ビームフォーミング、ビームステアリング、利得の設定、周波数の調整など)を制御することができる。
【0039】
デジタルサブシステム220は、複数のデジタル受信機モジュール222、複数のデジタル送信機モジュール224、ベースバンド(BB)プロセッサ226、および制御(CTRL)プロセッサ228を含むことができる。デジタルサブシステム220は、RFサブシステム210から受信された通信信号を処理し、処理された通信信号をPSTNインターフェース230および/またはLANインターフェース240に転送することができ、PSTNインターフェース230および/またはLANインターフェース240から受信された通信信号を処理し、処理された通信信号をRFサブシステム210に転送することができる。
【0040】
各デジタル受信機モジュール222は、ゲートウェイ200とUT400との間の通信を管理するために使用される、信号処理要素に相当し得る。RFトランシーバ212の受信チェーンの1つが、複数のデジタル受信機モジュール222に入力信号を提供することができる。いくつかのデジタル受信機モジュール222が、所与の時間に処理される衛星ビームおよび可能なダイバーシティモード信号のすべてに対処するのに使用され得る。単純さのために図示されていないが、各デジタル受信機モジュール222は、1つまたは複数のデジタルデータ受信機、サーチャ受信機、ならびにダイバーシティコンバイナおよび復号器モジュールを含むことができる。サーチャ受信機は、搬送波信号の適切なダイバーシティモードを探索するために使用されることがあり、パイロット信号(または他の比較的変化しないパターンの強い信号)を探索するために使用されることがある。
【0041】
デジタル送信機モジュール224は、衛星300を介してUT400に送信されるべき信号を処理することができる。単純さのために図示していないが、各デジタル送信機モジュール224は、送信のためにデータを変調する送信変調器を含むことができる。各送信変調器の送信電力は、(1)干渉低減およびリソース割振りのために電力の最小レベルを適用し、(2)送信経路内の減衰および他の経路伝送特性を補償するのに必要なときに適当なレベルの電力を適用することができる、対応するデジタル送信電力コントローラ(単純さのために図示せず)によって制御され得る。
【0042】
デジタル受信機モジュール222、デジタル送信機モジュール224、およびBBプロセッサ226に結合される制御(CTRL)プロセッサ228は、限定はしないが、信号処理、タイミング信号生成、電力制御、ハンドオフ制御、ダイバーシティ合成、およびシステムとのインターフェースなどの機能をもたらすためのコマンドおよび制御信号を提供することができる。
【0043】
CTRLプロセッサ228はまた、パイロットの生成および電力、同期、ならびにページングチャネル信号およびその送信電力コントローラへの結合(単純さのために図示せず)を制御することができる。パイロットチャネルは、データによって変調されない信号であり、反復する不変のパターンまたは変動しないフレーム構造タイプ(パターン)もしくはトーンタイプの入力を使用することができる。たとえば、パイロット信号のチャネルを形成するのに使用される直交関数は、一般に、すべて1もしくはすべて0などの定数値または散在する1および0の構造化されたパターンなどの周知の反復パターンを有する。
【0044】
ベースバンド(BB)プロセッサ226は当技術分野においてよく知られているので、本明細書において詳細に説明されない。たとえば、BBプロセッサ226は、(限定はしないが)コーダ、データモデム、ならびにデジタルデータの切り替えおよび記憶の構成要素などの、様々な既知の要素を含むことができる。
【0045】
PSTNインターフェース230は、
図1に示されているように、直接、または追加のインフラストラクチャ106を通じて、外部PSTNに通信信号を提供し、外部PSTNから通信信号を受信することができる。PSTNインターフェース230は当技術分野においてよく知られているので、本明細書において詳細に説明されない。他の実装形態では、PSTNインターフェース230は省略されることがあり、または、ゲートウェイ200を地上のネットワーク(たとえば、インターネット108)に接続する任意の他の適切なインターフェースにより置き換えられることがある。
【0046】
LANインターフェース240は、外部LANに通信信号を供給し、外部LANから通信信号を受信することができる。たとえば、LANインターフェース240は、
図1に示されるように、直接、または追加のインフラストラクチャ106を通じてインターネット108に結合され得る。LANインターフェース240は当技術分野においてよく知られているので、本明細書において詳細に説明されない。
【0047】
ゲートウェイインターフェース245は、
図1の衛星通信システム100に関連する1つまたは複数の他のゲートウェイ(および/または、単純さのために図示されていない他の衛星通信システムに関連するゲートウェイ)に通信信号を供給し、これから通信信号を受信することができる。いくつかの実装形態では、ゲートウェイインターフェース245は、1つまたは複数の専用通信線またはチャネル(単純さのために図示せず)を介して他のゲートウェイと通信することができる。他の実装形態では、ゲートウェイインターフェース245は、PSTN110および/またはインターネット108などの他のネットワーク(
図1も参照)を使用して、他のゲートウェイと通信することができる。少なくとも1つの実装形態では、ゲートウェイインターフェース245は、インフラストラクチャ106を介して他のゲートウェイと通信することができる。
【0048】
全体的なゲートウェイ制御は、ゲートウェイコントローラ250によって提供され得る。ゲートウェイコントローラ250は、ゲートウェイ200による衛星300のリソースの利用を計画して制御することができる。たとえば、ゲートウェイコントローラ250は、傾向を分析し、トラフィック計画を生成し、衛星リソースを割り振り、衛星の位置を監視(または追跡)し、ゲートウェイ200および/または衛星300の性能を監視することができる。ゲートウェイコントローラ250はまた、衛星300の軌道を維持して監視し、衛星使用情報をゲートウェイ200に中継し、衛星300の位置を追跡し、かつ/または衛星300の様々なチャネルの設定を調整する、地上の衛星コントローラ(単純さのために図示せず)に結合され得る。
【0049】
図2に示す例示的な実装形態では、ゲートウェイコントローラ250は、スケジューラ202を含み、スケジューラ202は、適応型特殊サブフレーム(SSF)スケジューラおよび/またはランダムオフセットスケジューラであってもよい。スケジューラおよび関係する機能に関する詳細は、以後の段落および図(たとえば、
図13および
図14参照)において提供する。スケジューラ202は、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、ならびに/またはインターフェース230、240、および245に情報を提供してもよい。一態様では、情報は、ビームカバレージに多数のアクティブなユーザ端末を有する衛星通信システムにおいて使用されてもよい。ランダムな時間オフセットは、たとえば、ゲートウェイ200とUT400およびUT401との間の通信を容易にするために時間オフセットにわたってほぼ等しいトラフィック負荷を拡散するように適用される。
【0050】
同様に、
図2に示す例示的な実装形態では、ゲートウェイコントローラ250は、場合によっては、ローカルの時間、周波数、および位置の基準251を含むことがあり、これらは、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、ならびに/またはインターフェース230、240、および245に、ローカルの時間または周波数の情報を提供することができる。時間または周波数の情報は、ゲートウェイ200の様々な構成要素を互いに、および/または衛星300と同期するために使用され得る。ローカルの時間、周波数、および位置の基準251はまた、ゲートウェイ200の様々な構成要素に衛星300の位置情報(たとえば、エフェメリスデータ)を提供することができる。さらに、ゲートウェイコントローラ250に含まれるものとして
図2では図示されているが、他の実装形態では、ローカルの時間、周波数、および位置の基準251は、ゲートウェイコントローラ250に(かつ/またはデジタルサブシステム220およびRFサブシステム210の1つまたは複数に)結合される別個のサブシステムであり得る。
【0051】
単純さのために
図2には示されていないが、ゲートウェイコントローラ250は、ネットワーク制御センター(NCC)および/または衛星制御センター(SCC)にも結合され得る。たとえば、ゲートウェイコントローラ250は、SCCが衛星300と直接通信すること、たとえば衛星300からエフェメリスデータを取り出すことを可能にし得る。ゲートウェイコントローラ250はまた、ゲートウェイコントローラ250が(たとえば、衛星300の)アンテナ205を適切に向けること、ビーム送信をスケジューリングすること、ハンドオーバーを調整すること、および様々な他のよく知られている機能を実行することを可能にする、(たとえば、SCCおよび/またはNCCからの)処理された情報を受信することができる。
【0052】
図3は、説明のみを目的とした、衛星300の例示的なブロック図である。具体的な衛星の構成は、大きく変わり得ること、およびオンボード処理を含むことも含まないこともあることが、理解されるだろう。さらに、単一の衛星として示されているが、衛星間通信を使用する2つ以上の衛星が、ゲートウェイ200とUT400との間の機能的な接続を提供することができる。本開示はいかなる特定の衛星の構成にも限定されず、ゲートウェイ200とUT400との間の機能的な接続を提供できる任意の衛星または衛星の組合せが、本開示の範囲内と見なされ得ることが諒解されよう。一例では、衛星300は、フォワードトランスポンダ310、リターントランスポンダ320、発振器330、コントローラ340、フォワードリンクアンテナ352(1)〜352(N)、およびリターンリンクアンテナ361(1)〜361(N)を含むものとして示されている。対応するチャネルまたは周波数帯域内の通信信号を処理することができるフォワードトランスポンダ310は、第1のバンドパスフィルタ311(1)〜311(N)のそれぞれ1つ、第1のLNA312(1)〜312(N)のそれぞれ1つ、周波数変換器313(1)〜313(N)のそれぞれ1つ、第2のLNA314(1)〜314(N)のそれぞれ1つ、第2のバンドパスフィルタ315(1)〜315(N)のそれぞれ1つ、およびPA316(1)〜316(N)のそれぞれ1つを含むことができる。PA316(1)〜316(N)の各々は、アンテナ352(1)〜352(N)のそれぞれの1つに結合される。
【0053】
フォワード経路FP(1)〜FP(N)のそれぞれの経路の各々内で、第1のバンドパスフィルタ311(1)は、それぞれのフォワード経路FP(1)〜FP(N)のチャネルまたは周波数帯域内の周波数を有する信号成分を通し、それぞれのフォワード経路FP(1)〜FP(N)のチャネルまたは周波数帯域の外側の周波数を有する信号成分をフィルタリングする。したがって、第1のバンドパスフィルタ311(1)の通過帯域は、それぞれのフォワード経路FP(1)〜FP(N)と関連付けられるチャネルの幅に対応する。第1のLNA312(1)は、受信された通信信号を、周波数変換器313(1)による処理に適切なレベルまで増幅する。周波数変換器313(1)は、それぞれのフォワード経路FP(1)〜FP(N)における通信信号の周波数を(たとえば、衛星300からUT400への送信に適した周波数へ)変換する。第2のLNA314(1)は、周波数変換された通信信号を増幅し、第2のバンドパスフィルタ315(1)は、関連するチャネル幅以外の周波数を有する信号成分をフィルタリングする。PA316(1)は、それぞれのアンテナ352(1)〜352(N)を介したUT400への送信に適した電力レベルへ、フィルタリングされた信号を増幅する。ある数Nのリターン経路RP(1)〜RP(N)を含むリターントランスポンダ320は、アンテナ361(1)〜361(N)を介してリターンリンク(RL)302Rに沿ってUT400から通信信号を受信し、1つまたは複数のアンテナ362を介してRL301Rに沿ってゲートウェイ200に通信信号を送信する。対応するチャネルまたは周波数帯域内の通信信号を処理することができるリターン経路RP(1)〜RP(N)の各々は、アンテナ361(1)〜361(N)のそれぞれ1つに結合されることがあり、第1のバンドパスフィルタ321(1)〜321(N)のそれぞれ1つ、第1のLNA322(1)〜322(N)のそれぞれ1つ、周波数変換器323(1)〜323(N)のそれぞれ1つ、第2のLNA324(1)〜324(N)のそれぞれ1つ、および第2のバンドパスフィルタ325(1)〜325(N)のそれぞれ1つを含むことができる。
【0054】
それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)の各々の中で、第1のバンドパスフィルタ321(1)は、それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)のチャネルまたは周波数帯域内の周波数を有する信号成分を通し、それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)のチャネルまたは周波数帯域の外側の周波数を有する信号成分をフィルタリングする。したがって、いくつかの実装形態では、第1のバンドパスフィルタ321(1)の通過帯域は、それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)と関連付けられるチャネルの幅に対応する。第1のLNA322(1)は、すべての受信された通信信号を、周波数変換器323(1)による処理に適切なレベルまで増幅する。周波数変換器323(1)は、それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)における通信信号の周波数を(たとえば、衛星300からゲートウェイ200への送信に適した周波数に)変換する。第2のLNA324(1)は、周波数変換された通信信号を増幅し、第2のバンドパスフィルタ325(1)は、関連するチャネル幅以外の周波数を有する信号成分をフィルタリングする。リターン経路RP(1)〜RP(N)からの信号は、組み合わされ、PA326を介して1つまたは複数のアンテナ362に供給される。PA326は、組み合わされた信号を、ゲートウェイ200への送信のために増幅する。
【0055】
発振信号を生成する任意の適切な回路またはデバイスであってもよい発振器330は、フォワードトランスポンダ310の周波数変換器313(1)〜313(N)にフォワードローカル発振器信号LO(F)を提供し、リターントランスポンダ320の周波数変換器323(1)〜323(N)にリターンローカル発振器信号LO(R)を提供する。たとえば、LO(F)信号は、ゲートウェイ200から衛星300への信号の送信と関連付けられる周波数帯域から、衛星300からUT400への信号の送信と関連付けられる周波数帯域へ、通信信号を変換するために周波数変換器313(1)〜313(N)によって使用され得る。LO(R)信号は、UT400から衛星300への信号の送信と関連付けられる周波数帯域から、衛星300からゲートウェイ200への信号の送信と関連付けられる周波数帯域へ、通信信号を変換するために周波数変換器323(1)〜323(N)によって使用され得る。
【0056】
フォワードトランスポンダ310、リターントランスポンダ320、および発振器330に結合されるコントローラ340は、(限定はしないが)チャネルの割振りを含む衛星300の様々な動作を制御することができる。一態様では、コントローラ340は、プロセッサに結合されるメモリ(単純さのために図示せず)を含むことができる。メモリは、プロセッサによって実行されると、衛星300に、(限定はしないが)本明細書において説明される動作を含む動作を実行させる命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなどの、1つまたは複数の非揮発性メモリ素子)を含むことができる。
【0057】
UT400または401で使用するためのトランシーバの例が
図4に示されている。
図4では、少なくとも1つのアンテナ410がフォワードリンク通信信号を(たとえば、衛星300から)受信するために設けられ、フォワードリンク通信信号はアナログ受信機414へ伝送され、そこでダウンコンバートされ、増幅され、デジタル化される。同じアンテナ410が送信機能と受信機能の両方を提供することを可能にするために、デュプレクサ要素412が使用されることが多い。代替的に、UT400または401のためのトランシーバは、異なる送信周波数および受信周波数において動作するために別々のアンテナ410を利用することができる。
【0058】
アナログ受信機414によって出力されるデジタル通信信号は、少なくとも1つのデジタルデータ受信機416A〜416Nおよび少なくとも1つのサーチャ受信機418に伝送される。当業者には明らかであるように、デジタルデータ受信機416A〜416Nは、トランシーバの複雑さの許容可能なレベルに応じて、所望のレベルの信号ダイバーシティを得るために使用され得る。
【0059】
少なくとも1つのユーザ端末制御プロセッサ420は、デジタルデータ受信機416A〜416Nおよびサーチャ受信機418に結合される。制御プロセッサ420は、機能の中でもとりわけ、基本的な信号処理、タイミング、電力およびハンドオフの制御または協調、ならびに信号搬送波のために使用される周波数の選択を提供する。制御プロセッサ420によって実行され得る別の基本的な制御機能は、様々な信号波形を処理するために使用されるべき機能の選択または操作である。制御プロセッサ420による信号処理は、相対的な信号強度の決定および様々な関連する信号パラメータの計算を含むことができる。タイミングおよび周波数などの信号パラメータのそのような計算は、測定における効率もしくは速度の向上、または制御処理リソースの割振りの改善をもたらすための、追加のまたは別個の専用回路の使用を含むことができる。
【0060】
デジタルデータ受信機416A〜416Nの出力は、UT400内のデジタルベースバンド回路422に結合される。デジタルベースバンド回路422は、たとえば、
図1に示すようにUE500との間で情報を伝送するために使用される処理要素および提示要素を含む。
図4を参照すると、ダイバーシティ信号処理が使用される場合、デジタルベースバンド回路422は、ダイバーシティコンバイナおよび復号器を含むことができる。これらの要素のいくつかはまた、制御プロセッサ420の制御下で、または制御プロセッサ420と通信して動作し得る。
【0061】
音声データまたは他のデータがUT400から始まる出力メッセージまたは通信信号として準備されるとき、デジタルベースバンド回路422は、送信のために所望のデータを受信し、記憶し、処理し、別様に準備するために使用される。デジタルベースバンド回路422は、制御プロセッサ420の制御下で動作する送信変調器426に、このデータを提供する。送信変調器426の出力は、アンテナ410から衛星(たとえば、衛星300)への出力信号の最終的な送信のために出力電力制御をアナログ送信電力増幅器430に提供する、デジタル送信電力コントローラ428に伝送される。
【0062】
図4において、UTトランシーバは、制御プロセッサ420と関連付けられるメモリ432も含む。メモリ432は、制御プロセッサ420による実行のための命令、ならびに制御プロセッサ420による処理のためのデータを含むことができる。
図4に示す例では、メモリ432は、衛星300へのRL301Rを介してUT400によって送信されるべきRF信号へ適用されるべき時間または周波数調整を実行するための命令を含むことができる。
【0063】
図4に示す例では、UT400はまた、任意選択のローカルの時間、周波数、および/または位置の基準434(たとえば、GPS受信機)を含み、これは、ローカルの時間、周波数、および/または位置の情報を、たとえばUT400のための時間または周波数の同期を含む様々な用途のために、制御プロセッサ420へ提供することができる。
【0064】
デジタルデータ受信機416A〜416Nおよびサーチャ受信機418は、特定の信号を復調し追跡するための信号相関要素で構成される。サーチャ受信機418は、パイロット信号、または他の比較的変化しないパターンの強い信号を探索するために使用されるが、デジタルデータ受信機416A〜416Nは、検出されたパイロット信号と関連付けられる他の信号を復調するために使用される。しかしながら、デジタルデータ受信機416A〜416Nは、信号雑音に対する信号チップエネルギーの比率を正確に決定し、パイロット信号強度を策定するために、取得の後にパイロット信号を追跡するように割り当てられ得る。したがって、これらのデジタルデータ受信機416A〜416Nの出力は、パイロット信号または他の信号のエネルギーまたは周波数を決定するために監視され得る。これらのデジタルデータ受信機416A〜416Nはまた、信号復調のための制御プロセッサ420に現在の周波数およびタイミングの情報を提供するために監視することができる周波数追跡要素を採用する。
【0065】
制御プロセッサ420は、適宜、受信された信号が、同一周波数帯にスケーリングされたときに発振器周波数からどの範囲までオフセットするのかを決定するために、そのような情報を使用することができる。周波数誤差および周波数シフトに関するこの情報および他の情報は、必要に応じてストレージまたはメモリ432に記憶することができる。
【0066】
制御プロセッサ420はまた、UT400と1つまたは複数の他のUE(図示せず)との間の通信を可能にするために、UEインターフェース回路450に結合され得る。UEインターフェース回路450は、様々なUE構成との通信のために希望されるように構成され得るので、サポートされる様々なUEと通信するために利用される様々な通信技法に応じて、様々なトランシーバおよび関連する構成要素を含むことができる。たとえば、UEインターフェース回路450は、1つまたは複数のアンテナ、広域ネットワーク(WAN)トランシーバ、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、公衆交換電話網(PSTN)インターフェース(図示せず)、および/または、UT400と通信している1つまたは複数のUEと通信するように構成された他の既知の通信技法を含むことができる。
【0067】
図5は、UE500の例を示すブロック図であり、これは
図1のUE501にも当てはまり得る。
図5に示すUE500は、たとえば、モバイルデバイス、ハンドヘルドコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、またはユーザと対話することのできる任意のタイプのデバイスとすることができる。加えて、UE500は、様々な最終的なエンドユーザデバイスおよび/または様々な公衆ネットワークもしくは私有ネットワークへの接続を提供する、ネットワーク側デバイスであり得る。
図5に示す例では、UE500は、LANインターフェース502、1つまたは複数のアンテナ504、広域ネットワーク(WAN)トランシーバ506、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ508、および衛星測位システム(SPS)受信機510を含むことができる。SPS受信機510は、全地球測位システム(GPS)、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)、および/または任意の他の地球規模のもしくは地域的な衛星ベースの測位システムに適合し得る。ある代替的な態様では、UE500は、たとえば、LANインターフェース502を伴う、もしくは伴わないWi-FiトランシーバなどのWLANトランシーバ508、WANトランシーバ506、および/またはSPS受信機510を含むことができる。さらに、UE500は、LANインターフェース502を伴う、もしくは伴わない、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)および他の既知の技術などの追加のトランシーバ、WANトランシーバ506、WLANトランシーバ508、および/またはSPS受信機510を含むことができる。したがって、UE500について示される要素は、単に例示的な構成として与えられ、本明細書において開示される様々な態様によるUEの構成を限定することは意図されていない。
【0068】
図5に示す例では、プロセッサ512は、LANインターフェース502、WANトランシーバ506、WLANトランシーバ508、およびSPS受信機510に接続される。場合によっては、モーションセンサ514および他のセンサも、プロセッサ512に結合される場合がある。
【0069】
メモリ516は、プロセッサ512に接続される。一態様では、メモリ516は、
図1に示すように、UT400へ送信され、かつ/またはUT400から受信され得るデータ518を含むことができる。
図5を参照すると、メモリ516はまた、たとえば、UT400と通信するための処理ステップを実行するようにプロセッサ512によって実行されることになる、記憶された命令520を含むことができる。さらに、UE500は、ユーザインターフェース522をも含むことができ、ユーザインターフェース522は、たとえば光、音、または触覚の入力または出力を介してプロセッサ512の入力または出力をユーザにインターフェースするためのハードウェアおよびソフトウェアを含むことができる。
図5に示す例では、UE500は、ユーザインターフェース522に接続されたマイクロフォン/スピーカー524、キーパッド526、およびディスプレイ528を含む。代替的に、ユーザの触覚入力または出力が、たとえばタッチスクリーンディスプレイを使用することによってディスプレイ528に統合され得る。やはり、
図5に示す要素は、本明細書で開示するUEの構成を限定することは意図されず、UE500に含まれる要素は、デバイスの最終的な使用法およびシステムエンジニアの設計選択に基づいて変化することが諒解されよう。
【0070】
さらに、UE500は、たとえば、
図1に示すようにUT400と通信しているがこれとは別個のモバイルデバイスまたは外部ネットワーク側デバイスなどの、ユーザデバイスとすることができる。代替的に、UE500およびUT400は、単一の物理デバイスの一体部分とすることができる。
【0071】
図1に示す例では、2つのUT400および401は、ビームカバレージ内のRLおよびFLを介して、衛星300との双方向通信を行うことができる。衛星300は、ビームカバレージ内の2つより多くのUT400および401と通信することができる。したがって、UT400および401から衛星300へのRLは、多数対1のチャネルである。大きな時間遅延の差異および周波数オフセットの差異が、ビームカバレージ内の異なるUTの間に存在し得る。周波数オフセットの差異は、たとえば、衛星300ならびにUT400および401の相対的な運動が原因の、ビームカバレージ内のUT400および401が経験するドップラー周波数シフトの差によるものであり得る。たとえば、UT400および401の一部はモバイルである場合があり、他のUTは固定式である場合がある。異なるUT400および401間の周波数オフセットの差異はまた、他の要因、たとえば、ビームカバレージ中のUT400および401のいくつかの送信機チェーンにおける無線周波数(RF)成分に起因する周波数ドリフトによって引き起こされる場合がある。
【0072】
図1に示す衛星通信システム100では、ビームカバレージ内の複数のUT400および401は、時分割多重化(TDM)、周波数分割多重化(FDM)、または何らかの他の方法で多重化される場合がある。ビームカバレージ内の異なるUT400および401の多重化が、TDM、FDM、それとも何らかの他のタイプの多重化によって実現されるかにかかわらず、片方向の伝搬遅延の量、すなわち無線信号がUTと衛星との間で片方向に伝わる時間量は、衛星とUTとの距離により、約4msから約5.2665msの範囲内とすることができる。
【0073】
この例では、衛星通信システム100における単一の伝搬に対する往復遅延は、10.533ms程度とすることができる。所与のUTの受信期間と送信期間との間のガード時間が、最大往復遅延に等しい場合、受信期間および送信期間は、ガード時間のオーバーヘッドを縮小するために、はるかに長くなければならない。
【0074】
一態様では、UTの半二重トランシーバの受信動作および送信動作を分けるために必要とされるガード時間を縮小するために、タイミング基準をスキューするための方法および装置が提供される。一態様では、RL時間基準が、FL時間基準に対してたとえば8msの最小往復遅延(RTD)だけスキューされる、すなわちタイムラグがある場合、半二重トランシーバに必要とされるガード時間は、最大RTD差2.533ms、プラス、半二重トランシーバが受信モードから送信モードに、および送信モードから受信モードに遷移するのに必要とされる時間である。効率的な半二重FDD動作の他の方式とは対照的に、本開示の様々な態様による方法および装置は、シンボルのいずれかの部分、たとえば、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの場合はサイクリックプレフィックスを廃棄する必要がない。
【0075】
図6は、半二重UTトランシーバ用の半二重(HD)フレームの受信/送信パターンの一例を示す図である。この例では、HDフレームは、10msの継続時間を有し、FLの「F」、続いて特殊サブフレーム(SSF)の「S」、続いてガード時間の「G」、続いてRLの「R」を含む、4つの時間セグメントまたはサブフレームを含む。
【0076】
一態様では、F、S、G、およびRサブフレームを含むそのようなHDフレームフォーマットは、FLおよびRLハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答およびRLスケジューリンググラントにおける制約により、FLサブフレームとRLサブフレームとの間で1対1の関連付けを可能にする。HDフレームが10msの継続時間を有するこの例では、サブフレームF、S、G、およびRに対する時間割振りは、それぞれ3ms、1ms、2ms、および4msである。
【0077】
図7は、特殊サブフレーム(SSF)、すなわち、
図6のHDフレーム内のサブフレームSの一例を示す図である。一態様では、SSFは、第1の部分、すなわち、
図6に示すFLサブフレームFの直後のFL成分F
SSFと、第2の部分、すなわち、
図6に示すガードサブフレームGの直前のガード時間成分G
SSFとを含む。
図7に示す例のSSF内では、FL成分F
SSFは、FLに指定された時間セグメントであり、ガード時間成分G
SSFは、ガード時間に指定された時間セグメントである。
【0078】
たとえば、HDフレームの継続時間が10msである場合、SSFは、FLに約0.2msの継続時間を有するF
SSFと、ガード時間に約0.8msの継続時間を有するG
SSFとを含む、約1msの継続時間を有することがある。この例では、総ガード時間は、
図7に示すSSF内のガード時間成分G
SSFと、
図6に示すサブフレームG中のガード時間の和であり、約2.8msである。同様に、FLの総継続時間は、SSF内のFL成分F
SSFとサブフレームFの継続時間の和であり、この例では約3.2msである。一態様では、SSF内のガード時間成分G
SSFに対するFL成分F
SSFの割合は、以下でさらに詳細に説明するように、動的に調整されてもよい。
【0079】
図6から明らかなように、ガード時間用のサブフレームGは、HDフレームよりもはるかに短い継続時間である必要がある。一態様では、半二重トランシーバのためにHDフレームにおいて必要とされる最小ガード時間は、半二重トランシーバによる受信モードから送信モードへの遷移、およびその逆の遷移によるさらなる遅延を計上しなければ、最大往復伝搬遅延差、すなわち最大往復伝搬遅延マイナス最小往復伝搬遅延となる。最大往復伝搬遅延は約10.533msであり、最小往復伝搬遅延は約8msである、上記で説明した例では、最大往復伝搬遅延差は、10.533ms - 8ms = 2.533msとなる。一態様では、リターンリンク信号の送信およびフォワードリンク信号の受信を分けるために必要とされるガード時間を導出する際に、半二重トランシーバによる受信モードから送信モードへの遷移、およびその逆の遷移によるさらなる遅延が、最大往復伝搬遅延差に追加される。
【0080】
一般的な半二重トランシーバでは、トランシーバが送信モードから受信モードに、またはその逆に切り替えるとき、位相ロックループ(PLL)および電力増幅器(PA)などの回路構成要素が安定するために有限の時間量を要し得る。一態様では、送信モードから受信モードへの遷移、およびその逆の遷移に必要とされる時間に対応するために、ガード時間に追加の時間マージンが設けられてもよい。たとえば、一般的な半二重トランシーバは、PLLおよびPAが安定するために、送信モードから受信モードへの約100μsの遷移時間を必要とする場合がある。そのような一般的な半二重トランシーバでは、PLLおよびPAが安定するための受信モードから送信モードへの遷移時間もまた約100μsである。
【0081】
一態様では、UTにおける半二重トランシーバに必要とされるガード時間は、最大往復伝搬遅延差、プラス受信モードから送信モードへの遷移時間、プラス送信モードから受信モードへの遷移時間に等しい。最大往復伝搬遅延差が約2.533msであり、いずれの方向でも送信モードと受信モードとの間の各半二重遷移のための遷移時間が約100μsである上記で説明した例では、UTにおける半二重トランシーバのためのガード時間は、少なくとも2.533ms + 0.1ms + 0.1ms = 2.733msとなり、2.8msに切り上げられ得る。
【0082】
一態様では、各HDフレーム中のサブフレームGに必要とされる時間の長さを縮小するために、RL用の時間基準が、FL用の時間基準に対して、設定された量だけスキューされる、すなわちタイムラグがある場合がある。一態様では、以下でさらに詳細に説明するが、最小往復伝搬遅延、すなわち、UTと衛星との間の片方向の信号移動の最小伝搬遅延の2倍にほぼ等しい量、マイナス、送信モードと受信モードとの間で切り替えるために半二重トランシーバによって必要とされる遷移時間を計上するための小さい調整値だけ、RL用の時間基準は、FL用の時間基準に対してスキューされる、またはタイムラグがある場合がある。
【0083】
一態様では、RL用の時間基準は、FL用の時間基準に対して、最小往復伝搬時間よりもわずかに少ない量だけスキューされるまたはタイムラグがある場合がある。たとえば、最小片方向伝搬遅延が約4msである場合、RL用の時間基準は、FL用の時間基準に対して約8ms、マイナス、小さい調整値だけスキューされてもよく、小さい調整値は、半二重トランシーバが送信モードと受信モードとの間で切り替えるための遷移時間に基づくシステムパラメータである。
【0084】
FLに対するRL用の時間基準のタイムラグまたはスキューイングの量は、最小往復伝搬遅延マイナスT
R2Fに等しく設定されてもよく、T
R2Fは、半二重トランシーバが送信モードから受信モードに切り替えるのに必要とされる遷移時間に基づくシステムパラメータである。たとえば、半二重トランシーバが送信モードから受信モードに、またはその逆に切り替えるとき、PLLおよびPAなどのトランシーバ構成要素が安定するための遷移時間が約100μsである場合、システムパラメータT
R2Fは、遷移時間のマージンに対応するために、100μsよりもわずかに多くてもよい。
【0085】
10msの長さを有し、F、S、G、およびRサブフレームを含むHDフレームに関して上記で説明した例では、サブフレームSが、FL時間成分F
SSFと、ガード時間成分G
SSFとを含む特殊サブフレーム(SSF)であり、F、S、G、およびRサブフレームの長さは、
図6および
図7に示すように、それぞれ3ms、1ms、2ms、および4msである。FL時間成分F
SSFが0.2msの長さを有し、ガード時間成分G
SSFが0.8msの長さを有する場合、HDフレーム内でFLに割り振られる総継続時間は、3ms + 0.2ms = 3.2msとなり、ガード時間に割り振られる総継続時間は2.8msであり、RLに割り振られる総継続時間は、Rサブフレームの長さである4msのままである。この例では、UTは、FLビームキャパシティの32%、RLビームキャパシティの40%を実現することができる。
【0086】
一態様では、ビームカバレージ内の複数のUTに対してHDフレームの半二重パターンに、複数のランダムなオフセットが利用されてもよい。HDフレームが10msの長さを有する、上記で説明した例では、隣接するオフセットの各ペア間に1msの間隔で10個の等しい時間のオフセット、たとえば、0ms、1ms、2ms、……9msが、半二重パターンに設けられてもよい。一態様では、UTの半二重トランシーバは、トラフィックがないとき、FLを監視してもよい。UTに対するFLおよび/またはRLトラフィックが到着するとき、そのUTに対する半二重パターンは、0msから9msのオフセットのいずれかであり得るランダムなオフセットから始まる。トラフィックのバーストが終わるとき、UTはFL監視のための状態に入る。次にUTに対するFLおよび/またはRLトラフィックが到着するとき、UTに対する半二重パターンは、前のオフセットとは異なることがある別のランダムなオフセットから始まる。ビームカバレージ中のいずれのUTについても、HDフレームオフセットは、FLおよび/またはRLトラフィックのランダムな到着時間に続いて、時間とともにランダムに変動する。
【0087】
衛星ビームがいかなる瞬間においても多数のUTをカバーする衛星通信ネットワークでは、アクティブなUTの各々が、ビームカバレージ中の他のアクティブなUTとは独立したランダムなオフセットのある半二重パターンを有する。ビームカバレージ中の多数のUTでは、半二重パターンの集約が、ランダムなオフセットで作成されてもよい。多数のアクティブなUTがビームカバレージ内にランダムに位置している場合、オフセットごとにほぼ等しい数のUTがあること、およびトラフィックは時間とともにほぼ均等に拡散されることが予想される。
【0088】
HDフレームが10msの長さを有すると仮定し、0msから9msまでの10個のオフセットが設けられる、上記で説明した例では、オフセットの各々(0ms、1ms、2ms、……9ms)が、ほぼ等しい数のUTを含むことになる。ビームカバレージ中のアクティブなUTの数が比較的小さい、たとえば、ビームカバレージ中に10未満のUTである場合、10未満のオフセットの等間隔に離間したいくつかのオフセット、たとえば、隣接するオフセットの各ペア間に2msの間隔がある合計5個のオフセット、すなわち0ms、2ms、4ms、6ms、および8msが設けられてもよい。この場合も、時間オフセットの各々において、ほぼ等しい数のUTが見つけられると予想される。
【0089】
一態様では、半二重トランシーバを有する通信システムのためのシステム時間基準およびHARQタイムラインは、これらの時間基準およびHARQタイムラインがスケジューラ(たとえば、スケジューラ202)によって実装可能であるように確立され、スケジューラは、UTが全二重物理レイヤで動作するためにゲートウェイまたはインフラストラクチャのいずれかに位置していてもよい。一態様では、半二重動作のための衛星時間基準におけるフォワードリンクHARQおよびリターンリンクHARQ確認応答ルールが、決定されてもよい。一態様では、これらのフォワードリンクおよびリターンリンクHARQタイミングルールは、半二重スケジューラが従う必要がある制約である。
【0090】
一態様では、衛星300は、
図1に示す例の衛星300のビームカバレージ内のゲートウェイ200とUT400および401との間のトランスポンダとして働く。一態様では、衛星RL受信機用の時間基準は、最小往復伝搬遅延マイナスT
R2Fに等しい時間量だけスキューされるまたはタイムラグがあり、T
R2Fは、衛星FL送信機用の時間基準に関して上記で説明したように、PLLおよびPAなどのトランシーバ回路構成要素が送信モードから受信モードへの、またはその逆の遷移中に安定するための遷移時間に依存するシステムパラメータである。
【0091】
図8および
図9は、それぞれ約9.2msおよび約4msのフィーダリンク遅延のあるHARQタイムラインの例を示す図である。衛星300とゲートウェイ200との間のフォワードリンク信号およびリターンリンク信号の伝搬遅延は、衛星300とゲートウェイ200との距離によって決定される。
図8に示した例では、ゲートウェイ送信機(GW TX)のフレームkのサブフレームFの立上がりエッジと衛星FL送信機(Sat FSL TX)のフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジとの間のフィーダリンク遅延は、約9.2msである。
【0092】
図8に示した例では、衛星300と、ビームカバレージの中心または中心付近のUT400および/または401との間の片方向の伝搬遅延は、約4msであると仮定され、したがって、ビームカバレージの中心または中心付近のUT400および/または401の受信機(UT RX @center)におけるフレームkのサブフレームFの立上がりエッジは、Sat FSL TXにおけるフレームkのサブフレームFの立上がりエッジに約4ms遅れる。対照的に、衛星300と、衛星300のビームカバレージの端部または端部付近のUT400および/または401との間の片方向の伝搬遅延は、約5.2msである。
【0093】
図8に示す例では、トランスポンダとして機能する衛星300のビームカバレージの中心または中心付近のゲートウェイ200とUT400および/または401との間の双方向通信タイムラインが示されている。GW TXにおけるフレームkのサブフレームFの立上がりエッジから、Sat FSL TXにおけるフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジまでのタイムラインが、約9.2msの伝搬時間を有して、破線(F: 1
st TX)によって示され、Sat FSL TXにおけるフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジからUT RX @centerにおけるフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジまでのタイムラインが、約4msの伝搬時間を有して、破線(F: 1
st TX)によって示されている。
【0094】
UT400および/または401において、破線(F: proc & wait)によって示される、プロセスおよび待機時間が与えられる。UT400および/または401におけるフレームk+1では、サブフレームFにおけるUTでのフォワードリンク信号の受信と、サブフレームRにおけるUT400および/または401でのリターンリンク信号の送信とを分けるために、サブフレームGにガード時間が設けられる。
図8に示すように、サブフレームG中のガード時間は、リターンリンク上でのその後の送信の前にUT400および/または401が信号またはデータを処理することを可能にするためのプロセスおよび待機時間の一部である。
【0095】
図8に示す例では、ビームカバレージの中心または中心付近のUT400および/または401によって開始された送信を示すタイムラインもまた、UT送信機(UT TX @center)におけるフレームkのサブフレームRの立上がりエッジから、衛星RL受信機(Sat RSL RX)におけるフレームk+1のサブフレームRの立上がりエッジまで、破線(R: 1
st TX)として示されている。衛星300は、Sat RSL RXにおけるフレームk+1のサブフレームRの立上がりエッジからゲートウェイ受信機(GW RX)におけるフレームk+2のサブフレームRの立上がりエッジまで進む破線(R: 1
st TX)に沿って、UT400および/または401からゲートウェイにリターンリンク信号を中継する。フォワードリンク上でのその後の送信の前にゲートウェイ200が信号またはデータを処理することを可能にするために、プロセスおよび待機時間(R: proc & wait)もまたゲートウェイ200において与えられてもよい。
【0096】
図8に示す例では、非確認応答(NAK)信号が、UT TX @centerにおけるフレームk+1のサブフレームRの立上がりエッジからSat RSL RXにおけるフレームk+2のサブフレームRの立上がりエッジまで、およびSat RSL RXにおけるフレームk+2のサブフレームRの立上がりエッジからGW RXにおけるフレームk+3のサブフレームRの立上がりエッジまでの破線(F: NAK)によって示されるように、ビームカバレージの中心または中心付近のUT400および/または401から衛星300を介してゲートウェイ200に送信される。
【0097】
同様に、別のNAK信号が、GW TXにおけるフレームk+3のサブフレームFの立上がりエッジからSat FSL TXにおけるフレームk+4のサブフレームFの立上がりエッジまで、およびSat FSL TXにおけるフレームk+4のサブフレームFの立上がりエッジからUT RX @centerにおけるフレームk+4のサブフレームFの立上がりエッジまでの破線(R: NAK)によって示されるように、ゲートウェイ200から衛星300を介してUT400および/または401に送信される。受信されたフォワードリンク信号に応答して、NAKではなく、確認応答(ACK)信号がUT400および/または401によって送信される場合があり、同様に、受信されたリターンリンク信号に応答して、ACK信号がゲートウェイ200によって送信される場合がある。
【0098】
図8に示す例では、衛星300とUT400および/または401との間に約8msの最小往復伝搬遅延があると仮定される。したがって、
図8のSat RSL RXにおけるフレームkの立上がりエッジとSat FSL TXにおけるフレームkの立上がりエッジとの間の時間差8ms-T
R2Fによって示されるように、Sat RSL RX用の時間基準とSat FSL TX用の時間基準との間に8ms-T
R2Fの時間遅延がもたらされる。
【0099】
この例では、T
R2Fは、半二重UTトランシーバが受信モードから送信モードに、またはその逆に切り替えるとき、それが安定するための遷移時間、たとえば、100μs、プラス遷移時間の小さいマージンを計上するシステムパラメータである。
図8に示す例では、UT400および/または401が、フォワードリンクパケットを受信することと、ACKまたはNAK応答を送信することとの間に約2msの処理時間を必要とすると、同じく仮定される。UT400および/または401によって必要とされる約2msの処理時間は、たとえば、
図8に示すように、Sat RSL RXにおけるフレームk+1のサブフレームRの立下がりエッジと、Sat FSL TXにおけるフレームk+2のサブフレームFの立上がりエッジとの間に約2msの時間ギャップを設けることによって計上されてもよい。
【0100】
図8に示すようなビームカバレージの端部または端部付近のUT400および/または401(UT RX @edgeおよびUT TX @edge)の受信および送信動作ならびにACK/NAK応答は、ビームカバレージの中心または中心付近のUT400および/または401(UT RX @centerおよびUT TX @center)と同様である。しかしながら、UT RX @edgeにおけるフレームkのサブフレームFの立上がりエッジは、Sat FSL TXにおけるフレームkのサブフレームFの立上がりエッジに約5.2ms遅れる。
【0101】
この例では、ビームカバレージの端部または端部付近のUT400および/または401には、UT TX @edgeにおけるフレームkのサブフレームRの立下がりエッジとUT RX @edgeにおける後続フレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジとの間に、約2.6msの時間ギャップが設けられる。2つの隣接するフレーム間の約2.6msの時間ギャップを補正するために、ビームカバレージの端部または端部付近のUT400および/または401においてHDフレームの各々のサブフレームFとサブフレームRとの間のサブフレームG中のガード時間の長さが縮小される。一態様では、所与のHDフレーム中のガード時間は、以下でさらに詳細に説明する適応型特殊サブフレーム(SSF)を実装することによって動的に調整されてもよい。
【0102】
図9は、ゲートウェイ200と衛星300との間のフィーダリンク遅延が約4msである衛星通信システムのためのHARQタイムラインの一例を示す図である。この例では、GW TXにおけるフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジとSat FSL TXにおけるフレームk+1のサブフレームFの立上がりエッジとの間に、約4msの時間ギャップがある。
図9に示す例では、衛星300とUT400および/または401との間に約8msの最小往復伝搬遅延があり、UT400および/または401は、フォワードリンクパケットの受信とACKまたはNAK応答の送信との間に約2msの処理時間を必要とすると、同じく仮定される。
【0103】
図8に示す例と同様に、
図9のSat RSL RXにおけるフレームkの立上がりエッジとSat FSL TXにおけるフレームkの立上がりエッジとの間の時間差8ms-T
R2Fで示すように、Sat RSL RX用の時間基準とSat FSL TX用の時間基準との間に、8ms-T
R2Fの時間遅延が与えられ、ここでT
R2Fは、遷移時間プラス、半二重UTトランシーバが受信モードから送信モードにまたはその逆に遷移するとき、それが安定するためのマージンを計上するシステムパラメータである。さらに、たとえば、受信したパケットを処理するためにUT400および/または401によって必要とされる処理時間ならびに受信モードと送信モードとの間で安定するために半二重UTトランシーバによって必要とされる遷移時間を計上するために、Sat RSL RXにおけるフレームk+1のサブフレームRの立下がりエッジとSat FSL TXにおけるフレームk+2のサブフレームFの立上がりエッジとの間に、約2msプラスT
R2Fの時間ギャップが与えられる場合がある。
【0104】
図8および
図9に示す例に基づいて、ゲートウェイ200、衛星300、ならびにUT400および/または401における半二重フレームパターンは、
図8および
図9に示すフレームを超えて、たとえば、フレームk+4、k+5、……を超えて、フレームに繰り返され得ることが諒解されよう。一態様では、Sat FSL TXにおける衛星FL送信時間基準は、ゼロオフセット時間基準として設定されてもよい。一態様では、ゲートウェイ送信機および受信機用ならびにUT送信機および受信機用のタイムラインは、衛星FL送信時間基準に対するそれぞれのフレームの時間遅延に基づいて導出されてもよい。ゼロオフセット時間基準が、ゲートウェイ200においてならびにUT400および/または401において所望の相対時間遅延を与えるために他の方法で設定され得ることは諒解されよう。
【0105】
一態様では、所与のHDフレーム内のフォワードリンクに割り振られる総時間の対応する減少または増加とともに、総ガード時間を増加または減少させることを可能にするために、適応型特殊サブフレーム(SSF)が設けられる。
図6および
図7に示し、上記で説明した例では、10msのHDフレームは、それぞれ3ms、1ms、2ms、および4msの長さを有するサブフレームF、S、G、およびRからなり、特殊サブフレームS内では、FL F
SSFのためにある時間セグメントが割り振られ、時間G
SSFのために別の時間セグメントが割り振られる。したがって、
図6の10msのHDフレーム内のFLのための総時間量は、3ms + 0.2ms = 3.2msであるが、
図6の10msのHDフレーム内の総ガード時間は、0.8ms + 2ms = 2.8msである。
【0106】
一態様では、SSF内のFL F
SSFのための時間量とガード時間G
SSFの量との間の割振りは、UT400および/または401が、衛星300のビームカバレージの中心または中心付近にある、すなわち衛星300とUT400および/または401との間の信号の往復伝搬遅延が最小または最小付近であるか、それとも衛星300のビームカバレージの端部または端部付近にある、すなわち衛星300とUT400および/または401との間の信号の往復伝搬遅延が最大または最大付近であるかに応じて、動的に変更されてもよい。一態様では、ビームカバレージの中心と端部との間に、SSFの総時間量は1msで一定のままでありながら、F
SSFとG
SSFとの間で時間量の様々な割振りを有する一連のSSF構成がある。
【0107】
一態様では、F
SSFに割り振られる時間量は、連続的または離散的な増分または減分で、増やされまたは減らされてもよく、G
SSFに割り振られる時間量は、対応して、ビームカバレージにおけるUT400および/または401の位置によって決定される、UT400および/または401と衛星300との間の往復伝搬遅延に応じて、連続的または離散的な減分または増分で減らされまたは増やされてもよい。たとえば、10msのHDフレームでは、ビームカバレージの中心にある、すなわち往復伝搬遅延が最小であるUT400および/または401の場合、SSFの全長が、FLに割り振られてもよく、したがって事実上、フォワードリンク、ガード時間、およびリターンリンクにそれぞれ4ms、2ms、および4msを割り振ることになる。
【0108】
一方、ビームカバレージの端部にある、すなわち往復伝搬遅延が最大であるUT400および/または401の場合、1msのSSFのうちの0.2msがFLに割り振られてもよく、1msのSSFのうちの0.8msがガード時間に割り振られてもよく、したがって事実上、HDフレーム内でフォワードリンク、ガード時間、およびリターンリンクにそれぞれ3.2ms、2.8ms、および4msを割り振ることになる。
【0109】
一態様では、所与のビームカバレージにおけるUT400および/または401の位置に応じて、SSF中のF
SSFとG
SSFとの間の時間割振りを適応的に調整するために、スケジューラが設けられてもよい。一態様では、スケジューラは、ゲートウェイ、たとえば、
図1に示すゲートウェイ200の一部として、またはインフラストラクチャ、たとえば、
図1に示すインフラストラクチャ106の一部として、プロセッサに実装されてもよい。
【0110】
一態様では、スケジューラは、ゲートウェイ200から衛星300を介してUT400および/または401へ、適切な量のフォワードリンクトラフィックをスケジュールすることによって、SSF構成を適応的に調整してもよい。一態様では、UT400および/または401は、全二重周波数分割複信(FDD)タイムライン仕様に従いさえすればよい。
【0111】
UTの視点からすると、UT400および/または401は、半二重動作のために設計されたHDフレームパターンを認識していない場合があるが、それ自体の半二重能力を認識している場合があり、リターンリンクを通じてメッセージ、たとえば、UT能力メッセージにより、ネットワークのスケジューラにその半二重能力を知らせてもよい。一態様では、UT400および/または401は、サブフレームがRLサブフレームとして認められない限り、すべてのサブフレームをFLサブフレームとして監視する。一態様では、UT400および/または401は、FL受信およびRL送信のためにスケジューラグラントに従い、HARQおよびグラントのために全二重FDDタイムライン仕様に従う。
【0112】
スケジューラは、ゲートウェイ200(たとえば、スケジューラ202)に、またはインフラストラクチャ106に実装されてもよい。一態様では、半二重スケジューラが、確立されたFLおよびRLのHARQタイミングルールに従うよう求められる。一態様では、スケジューラは、半二重UTのために半二重パターンに従ってもよいが、そうするよう求められない。
【0113】
たとえば、ビームカバレージの中心または中心付近に位置している、すなわちUT400および/または401と衛星300との間の往復伝搬遅延が最小または最小付近であるUT400および/または401では、4ms、2ms、および4msの時間割振りが、所与のHDフレームにおいて、それぞれフォワードリンク信号受信、ガード時間、およびリターンリンク信号送信に与えられてもよい。この例では、UT400および/または401は、最大でフォワードリンクに40%のビームキャパシティおよびリターンリンクに40%のビームキャパシティを実現することができる。
【0114】
一態様では、ビームカバレージ中に複数のUTが存在する場合、上記で説明したランダムなオフセットが、スケジューラによって設けられてもよい。たとえば、上記で説明したように、10msのHDフレームでは、多数のアクティブなUT、たとえば10個より多いUTがビームカバレージ中に存在している場合、1ms刻みで増加する0msから9msまでの10個のオフセットが、半二重パターンに設けられてもよい。ビームカバレージ中のアクティブなUTの数が比較的小さい、たとえば、10個未満のUTの場合、2ms刻みで増加する0msから8msまでの5個のオフセットが設けられてもよい。経時的なビームカバレージ内の様々なUTの位置の予想されるランダム性により、時間とともにオフセットの各々に、ほぼ等しい数のUTが見つけられると予想される。一態様では、スケジューラは、ビームカバレージ中のすべてのアクティブなUTのためのパターンの集約がランダムなオフセットを有することを確保し、すべてのオフセットにわたってほぼ等しいトラフィック負荷を拡散するために、ランダムなオフセットを実施してもよい。
【0115】
図10は、ブロック1000において半二重フレーム中のガード時間の量を決定するためのモジュールの一例を示すブロック図である。一態様では、衛星のビームカバレージ中のUTに対する最小往復伝搬遅延が、ブロック1002において決定され、UTに対する最大往復伝搬遅延が、ブロック1004において決定される。一態様では、最小往復伝搬遅延は、UTがビームカバレージの中心にあるときの信号伝搬の往復遅延である。別の態様では、最大往復伝搬遅延は、UTがビームカバレージの端部にあるときの信号伝搬の往復遅延である。
【0116】
図10を参照すると、ブロック1002およびブロック1004においてそれぞれ決定された最小往復伝搬遅延および最大往復伝搬遅延に基づいて、ブロック1008において、最大往復伝搬遅延差が決定される。一態様では、最大往復伝搬遅延差は、最大往復伝搬遅延から最小往復伝搬遅延を引くことによって決定される。
【0117】
トランシーバが受信モードから送信モードに、およびその逆に切り替えるとき、位相ロックループ(PLL)または電力増幅器(PA)などの、半二重トランシーバの回路構成要素が安定するための遷移時間は、ブロック1006において決定される。一態様では、半二重トランシーバが受信モードから送信モードに、およびその逆に切り替えるための遷移時間に、マージンが含まれてもよい。最大往復伝搬遅延差、およびトランシーバが受信モードから送信モードにおよびその逆に切り替えるための遷移時間に基づいて、UTにおける半二重フレーム中のフォワードリンクとリターンリンクとの間のガード時間は、ブロック1010において決定される。一態様では、ガード時間は、最大往復伝搬遅延差、受信モードから送信モードへの遷移時間、および送信モードから受信モードへの遷移時間の和によって決定される。
【0118】
図11は、ブロック1100においてフォワードリンク用の時間基準に対してリターンリンク用の時間基準をスキューするためのモジュールの一例を示すブロック図である。一態様では、ブロック1102において、最小往復伝搬遅延が決定され、ブロック1104において、トランシーバが送信モードから受信モードに、またはその逆に切り替えるとき、たとえばPLLまたはPAを含む、半二重トランシーバの回路構成要素が安定するための遷移時間が決定される。上記で説明したように、一態様では、最小往復伝搬遅延は、衛星のビームカバレージ内のUTが、ビームカバレージの中心にある衛星と通信するときの信号伝搬の往復遅延である。
【0119】
図11を参照すると、ブロック1106において遷移時間に基づいて、システムパラメータ、T
R2Fが決定される。一態様では、システムパラメータT
R2Fは、半二重トランシーバが送信モードから受信モードにまたはその逆に遷移するための遷移時間にマージンを加えることによって決定されてもよい。最小往復伝搬遅延およびシステムパラメータT
R2Fに基づいて、フォワードリンク時間基準に対するリターンリンク時間基準のスキューイングまたはタイムラグの量は、ブロック1108において決定される。
【0120】
一態様では、スキューイングまたはタイムラグの量は、最小往復伝搬遅延からシステムパラメータT
R2Fを引くことによって決定される。一態様では、衛星フォワードリンク送信機におけるフォワードリンク時間基準は、ゼロオフセット時間基準として設定されてもよく、衛星リターンリンク受信機におけるリターンリンク時間基準は、衛星フォワードリンク送信機におけるフォワードリンク時間基準に対して時間的にスキューされるまたは遅延されてもよい。
【0121】
図12は、ブロック1200におけるユーザ端末(UT)での半二重送信/受信パターンを決定するためのモジュールの一例を示すブロック図である。一態様では、HDフレームの特殊サブフレーム(SSF)中のフォワードリンク時間セグメントF
SSFが、ブロック1202において割り振られ、HDフレームのSSF中のガード時間セグメントG
SSFが、ブロック1204において割り振られる。上記の一態様では、SSFの全長は、10msのHDフレームにおいて1msで一定のままであるが、SSF内のフォワードリンク時間セグメントF
SSFの割合およびガード時間セグメントG
SSFの割合は、HDフレームにおいて必要とされる総ガード時間の量に少なくとも部分的に基づいて、動的に調整されてもよい。
【0122】
図6および
図7に示し、上記で説明したように、サブフレームS中のフォワードリンク時間セグメントF
SSFは、HDフレームにおいてサブフレームFの直後に続き、UTによるフォワードリンク受信のための総継続時間は、サブフレームFの継続時間と、サブフレームSにおけるF
SSFの継続時間の和である。同様に、サブフレームS中のガード時間セグメントG
SSFは、HDフレームにおいてサブフレームGの直前にあり、ガード時間の総継続時間は、サブフレームGの継続時間と、サブフレームSにおけるG
SSFの継続時間の和である。
図6に示した例では、UTによるリターンリンク送信のためのサブフレームRの継続時間は、4msで一定のままである。
図12を参照すると、HDフレーム中のフォワードリンク時間、ガード時間、およびリターンリンク時間は、ブロック1206において割り振られる。
【0123】
図13は、ランダムオフセットスケジューラ1300の一例を示すブロック図である。一態様では、衛星のビームカバレージ内で見つけられたアクティブなUTの数に基づくオフセットの数が、ブロック1302中のモジュールによって決定される。一態様では、オフセットは、ブロック1304中のモジュールによって時間的に等間隔で割り当てられる。ビームカバレージ内のアクティブなUTの数が多く、たとえば、10個よりも多いUTであり、HDフレームの長さは10msである場合、10個のオフセットが、上記で説明したように、0msから9msまで、1ms刻みで設けられてもよい。たとえば、10個よりも少ないアクティブなUTがある場合、上記で説明したように、より少ない数のオフセット、たとえば、0msから8msまで2ms刻みで5個のオフセットが設けられてもよい。
【0124】
一態様では、ランダムオフセットスケジューラ1300は、
図1に示すゲートウェイ200などのゲートウェイに、または
図1に示すインフラストラクチャ106などのインフラストラクチャに、実装されてもよい。一態様では、衛星のビームカバレージ中のUTが、ゲートウェイ200またはインフラストラクチャ106中のランダムオフセットスケジューラ1300の存在を認識していることは必要ではない。UTは、ランダムオフセットスケジューラ1300によってその特定のUTのために決定された時間オフセットを適用しさえすればよい。
図13を参照すると、ランダムオフセットスケジューラ1300は、ビームカバレージ内のすべてのアクティブなUTのための集約パターンがランダムなオフセットを有するかどうかを決定するために、ブロック1306中のモジュールを含む。集約パターンの決定に基づいて、ランダムオフセットスケジューラ1300のブロック1308中のモジュールが、すべてのオフセットにわたってほぼ等しいトラフィック負荷を拡散する。
【0125】
図14は、ブロック1400における適応型特殊サブフレーム(SSF)スケジューラの一例を示すブロック図である。一態様では、適応型SSFスケジューラ1400は、
図1に示すゲートウェイ200などのゲートウェイに、または
図1に示すインフラストラクチャ106などのインフラストラクチャに、実装されてもよい。一態様では、衛星のビームカバレージ中のUTが、ゲートウェイ200またはインフラストラクチャ106中の適応型SSFスケジューラ1400の存在を認識していることは必要ではない。
【0126】
図14を参照すると、適応型SSFスケジューラ1400のブロック1402中のモジュールが、UTと衛星との距離、したがって伝搬遅延を決定する、衛星に対するUTの位置に基づいて、フォワードリンク時間セグメントF
SSFを動的に調整する。一態様では、適応型SSFスケジューラ1400は、衛星のビームカバレージ中のUTの位置に基づいて適応型SSFスケジューラ1400においてガード時間セグメントG
SSFを調整するために、ブロック1404中のモジュールもまた含む。
【0127】
一態様では、適応型SSFスケジューラ1400の全長は一定のままであるので、ガード時間セグメントG
SSFの増加は、フォワードリンク時間セグメントF
SSFの減少を必要とし、その逆も同様である。動的に調整されたF
SSFおよびG
SSFに基づいて、フォワードリンク受信のための総時間、およびUTのためのHDフレーム内のフォワードリンク受信とリターンリンク送信との間の総ガード時間が、ブロック1406中のモジュールによって決定される。一態様では、フォワードリンク受信のための総時間は、
図6に示すHDフレーム中のフォワードリンクサブフレームFの時間の長さにF
SSFの時間の長さを加えることによって決定されるが、総ガード時間は、
図6に示すHDフレーム中のガードサブフレームGの時間の長さにG
SSFの時間の長さを加えることによって決定される。
【0128】
図10〜
図14のモジュールの機能は、本明細書の教示と矛盾しない様々な方法で実装されてもよい。いくつかの設計では、これらのモジュールの機能は、1つまたは複数の電気構成要素として実装されてもよい。いくつかの設計では、これらのモジュールの機能は、1つまたは複数のプロセッサ構成要素を含む処理システムとして実装されてもよい。いくつかの設計では、これらのモジュールの機能は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえば、ASIC)の少なくとも一部分を使用して実装されてもよい。本明細書で論じたように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関連する構成要素、またはそれらの何らかの組合せを含む場合がある。したがって、異なるモジュールの機能は、たとえば、集積回路の異なるサブセットとして実装されてもよく、ソフトウェアモジュールのセットの異なるサブセットとして実装されてもよく、またはその組合せとして実装されてもよい。また、(たとえば、集積回路の、および/またはソフトウェアモジュールのセットの)所与のサブセットが、2つ以上のモジュールに関する機能の少なくとも一部を実現する場合があることを諒解されよう。さらに、本明細書で説明したモジュールおよび機能が、衛星通信システムの1つまたは複数の要素(たとえば、ゲートウェイ、インフラストラクチャ、衛星、および/またはUT)に実装される場合があることは諒解されよう。たとえば、いくつかの態様では、機能は、互いに通信している衛星通信システムの複数の要素(たとえば、ゲートウェイとインフラストラクチャ)間で共有される場合がある。したがって、本明細書で提供する説明は、例にすぎない。
【0129】
加えて、
図10〜
図14によって表される構成要素および機能、ならびに本明細書で説明する他の構成要素および機能は、任意の適切な手段を使用して実装されてもよい。また、そのような手段は、少なくとも部分的に、本明細書で教示するように対応する構造を使用して実装されてもよい。たとえば、
図10〜
図14の構成要素「のためのモジュール」と併せて上記で説明した構成要素は、同様に指定された、機能「のための手段」に対応する場合もある。したがって、いくつかの態様では、そのような手段の1つまたは複数は、プロセッサ構成要素、集積回路、または本明細書において教示される他の適切な構造のうちの1つまたは複数を使用して実装されてもよい。
【0130】
上記の開示に鑑みて、いくつかの態様は、本明細書で開示した様々な機能を実行するための方法を支援できることが諒解されよう。たとえば、
図15は、衛星通信システムにおけるフォワードリンク時間基準に対するリターンリンク時間基準のタイムラグを決定する方法を示すフローチャートである。ブロック1502において、地上局と衛星との間の信号の最小往復伝搬遅延が決定される。ブロック1504において、地上局の半二重トランシーバが送信モードと受信モードとの間で切り替えるための遷移時間が決定される。ブロック1506において、半二重トランシーバが送信モードと受信モードとの間で切り替えるための遷移時間に基づいて、システムパラメータが決定される。ブロック1508において、フォワードリンク時間基準に対するリターンリンク時間基準のタイムラグは、最小往復伝搬遅延およびシステムパラメータに基づいて決定される。この方法は、
図1に示すように、衛星通信システム100において実施されてもよい。衛星通信システム100は、衛星300と、衛星300のビームカバレージに半二重トランシーバを有する少なくとも1つの地上局(たとえば、UT400、UT401)とを含むことができる。
【0131】
別の態様では、
図16は、半二重トランシーバにおける受信と送信との間のガード時間を決定する方法を示すフローチャートである。ブロック1602において、半二重トランシーバと衛星との間の信号の最大往復伝搬遅延が決定される。ブロック1604において、半二重トランシーバと衛星との間の信号の最小往復伝搬遅延が決定される。ブロック1606において、最大往復伝搬遅延差が、最大往復伝搬遅延および最小往復伝搬遅延に基づいて決定される。ブロック1608において、半二重トランシーバが送信モードと受信モードとの間で切り替えるための遷移時間が決定される。ブロック1610において、最大往復伝搬遅延差、および半二重トランシーバが送信モードと受信モードとの間で切り替えるための遷移時間に基づいて、ガード時間が決定される。この方法は、
図1に示すように、衛星通信システム100において実施されてもよい。衛星通信システム100は、衛星300と、衛星300のビームカバレージに半二重トランシーバを有する少なくとも1つの地上局(たとえば、UT400、UT401)とを含むことができる。
【0132】
別の態様では、
図17は、衛星通信システムにおける半二重フレーム中のフォワードリンク継続時間およびガード継続時間を決定する方法を示すフローチャートである。ブロック1702において、フォワードリンク時間セグメントが、半二重フレームの特殊サブフレームにおいて割り振られる。ブロック1704において、ガード時間セグメントが、特殊サブフレームにおいて割り振られる。ブロック1706において、半二重フレーム中のフォワードリンク継続時間は、特殊サブフレーム中のフォワードリンク時間セグメントに基づいて決定される。ブロック1708において、半二重フレーム中のガード継続時間は、特殊サブフレーム中のガード時間セグメントに基づいて決定される。この方法は、
図1に示すように、衛星通信システム100において実施されてもよい。衛星通信システム100は、スケジューラ202を有するゲートウェイ200と、衛星300と、衛星300のビームカバレージに半二重トランシーバを有する少なくとも1つの地上局(たとえば、UT400、UT401)とを含むことができる。
【0133】
別の態様では、
図18は、衛星通信システムにおいて衛星のビームカバレージ中の複数のユーザ端末の時間オフセットをスケジュールする方法を示すフローチャートである。ブロック1802において、ビームカバレージ中のアクティブなユーザ端末の数に基づいて、時間オフセットの数が決定される。ブロック1804において、時間オフセットの数に基づいて、等間隔に離間した時間オフセットが割り当てられる。ブロック1806において、ビームカバレージ中のアクティブなユーザ端末のための集約パターンが、ランダムなオフセットを有するかどうかが決定される。ブロック1808において、ほぼ等しいトラフィック負荷が、アクティブなユーザ端末のための時間にわたって拡散される。この方法は、
図1に示すように、衛星通信システム100において実施されてもよい。衛星通信システム100は、スケジューラ202を有するゲートウェイ200と、衛星300と、衛星300のビームカバレージ中の複数のユーザ端末(たとえば、UT400、UT401)とを含むことができる。
【0134】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技法のいずれを使用しても表現される場合があることを諒解されよう。たとえば、上の説明全体にわたって参照される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表現されてもよい。
【0135】
さらに、当業者であれば、本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装される場合があることを諒解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明してきた。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を具体的な適用例ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の判断は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0136】
本明細書で開示する態様に関して説明する方法、シーケンス、またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはそれら2つの組合せにおいて具現化される場合がある。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在し得る。記憶媒体の例は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ることができ、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。
【0137】
したがって、本開示の一態様は、非静止衛星通信システムにおける半二重でのデータ送信に関係する、本明細書で開示した1つまたは複数の方法を具体化するコンピュータ可読媒体を含むことができる。したがって、本開示は図示される例に限定されず、本明細書において説明される機能を実行するためのいかなる手段も、本開示の態様に含まれる。
【0138】
上記の開示は例示的な態様を示すが、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更および修正が行われ得ることに留意されたい。本明細書で説明する態様による方法クレームの機能、ステップまたは活動は、別段に明記されていない限り、任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、要素は、単数形で説明または請求される場合があるが、単数形への限定が明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。