特許第6767510号(P6767510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6767510
(24)【登録日】2020年9月23日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】高速車線運転警告装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/052 20060101AFI20201005BHJP
【FI】
   G08G1/052
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-562158(P2018-562158)
(86)(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公表番号】特表2019-523928(P2019-523928A)
(43)【公表日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】EP2017062606
(87)【国際公開番号】WO2017207398
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2018年11月27日
(31)【優先権主張番号】201610373946.1
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】クナウアー,トーマス
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0356869(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0025800(US,A1)
【文献】 特開2010−287162(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0251209(US,A1)
【文献】 特開2014−044691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置(1)と、それぞれ前記処理装置(1)と接続されたカメラ(2)及び警告素子(3)とを含む、高速車線運転警告装置であって、
前記カメラ(2)が、高速車線(L1)を含む道路上を走行する車両(6)の前の画像を連続的に捕捉するように構成され、
前記処理装置(1)が、前記カメラ(2)によって捕捉された画像を受信し、及び前記画像を分析して、前記車両(6)が前記高速車線(L1)を走っているか否かを決定するように構成され、及び
前記処理装置(1)が、
前記車両(6)が、予め設定された期間よりも長い時間にわたり、前記高速車線(L1)の許容速度範囲の下限よりも遅い車両速度で、前記高速車線(L1)を走行していることと、
前記車両(6)の前方の前記高速車線(L1)の現在の交通状況は、前記車両(6)を前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲内で走行させることが可能であることと、
の両方の条件が満たされた場合に、警告信号を送出することを前記警告素子(3)に指示するようにさらに構成される、高速車線運転警告装置。
【請求項2】
前記処理装置(1)が、前記高速車線の範囲を定める右及び左の車線境界線に基づいて、前記車両(6)が前記高速車線を走行していることを決定するように構成される、請求項1に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項3】
前記予め設定された期間が、1〜5分であり、前記予め設定された期間は、調節可能である、請求項1又は2に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項4】
前記処理装置(1)が、前記カメラ(2)によって捕捉された前記道路の交通標識の画像から、及び/又は前記車両のナビゲーションシステムから、前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲を取得するように構成される、請求項3に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項5】
前記処理装置(1)が、前記カメラ(2)によって捕捉された前記画像に基づいて、前記車両(6)の前方の前記高速車線(L1)の現在の交通状況では、前記車両(6)を前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲内で走行させることが可能であるか否かを決定するように構成される、請求項1〜4の何れか一項に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項6】
前記カメラ(2)によって捕捉された他の車両が前記車両(6)の前に存在しない場合、又は前記カメラ(2)によって捕捉された、前記車両(6)の前を走行する1つ又は複数の他の車両の画像が、徐々に小さくなる場合、前記高速車線(L1)の現在の交通状況では、前記車両(6)を前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲内で走行させることが可能であると前記処理装置(1)が決定する、請求項5に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項7】
前記カメラ(2)によって捕捉された、前記車両(6)の前を走行する1つ又は複数の車両の画像のサイズが、徐々に小さくならない場合、又は前記小さくなる大きさが、予め設定された時間における予め設定された比率よりも小さい場合、前記高速車線(L1)の現在の交通状況では、前記車両(6)を前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲内で走行させることが可能ではないと前記処理装置(1)が決定する、請求項5又は6に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項8】
前記警告信号が送出された後に、不適切な運転状況を改善するために、前記車両の運転者が、何ら行動を起こさなければ、前記処理装置(1)の前記警告素子(3)が、強度及び/又は頻度を増大させて、さらなる警告信号を送出する、請求項1〜7の何れか一項に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項9】
前記処理装置(1)が、前記車両のボードコンピュータ(4)に接続される、又は組み込まれる、請求項1〜8の何れか一項に記載の高速車線運転警告装置。
【請求項10】
高速車線運転警告方法であり、
高速車線運転警告装置は、
高速車線(L1)を含む道路上を走行する車両(6)の前の画像を連続的に捕捉するステップと、
前記画像を分析して、前記車両(6)が前記高速車線(L1)を走っているか否かを決定するステップと、
前記車両(6)が、予め設定された期間よりも長い時間にわたり、前記高速車線(L1)の許容速度範囲の下限よりも遅い車両速度で、前記高速車線(L1)を走行していること、及び
前記車両(6)の前方の前記高速車線(L1)の現在の交通状況では、前記車両(6)を前記高速車線(L1)の前記許容速度範囲内で走行させることが可能であること、
の両方の条件が満たされた場合に、警告信号を送出するステップと、
実行する、高速車線運転警告方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、長時間にわたり高速車線で車両を低速で運転する運転者に警告するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの道路、特に高速道路には、運転方向に2つ以上の車線があり、その中に、車両を高速で走行させることが許された高速車線がある。例えば、右側通行の国では、同じ方向の道路車線の一番左の車線が、高速車線である。高速車線によっては、追い越し車線とも呼ばれ、その車線では、車両は、その速度がある必要とされるレベルに達した場合に走行することが許される。一般に、道路の車線には、許容速度範囲があり、高速車線の許容速度範囲は、他の車線よりも速い。車両が、高速車線を走行する際には、許容速度範囲の上限速度よりも速い、又は下限速度よりも遅い速度で走行することは許されない。車両が、理由もなく、長時間、許容速度範囲の下限速度よりも遅い速度で、高速車線を走行している場合、その車両は、それの後ろの他の車両の妨げとなり、他の車両は、その車両を右側から追い越さなければならず、これは、左側追い越し規則を破ることになり、交通事故を招き得る。
【0003】
長時間にわたり、低速で高速車線を走行している車両に関して、全ての運転者が、意図的にこのように車両を運転しているわけではない。一部の運転者は、単に、彼らの車両の運転が遅すぎることに気付いていない。従って、この状況において、彼らに警告することは有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、長時間にわたり高速車線で車両を低速で運転する運転者に対する警告を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様によれば、処理装置と、それぞれ処理装置と接続されたカメラ及び警告素子とを含む、高速車線運転警告装置であって、カメラが、高速車線を含む道路上を走行する車両の前の画像を連続的に捕捉するように構成され、処理装置が、カメラによって捕捉された画像を受信し、及び画像を分析して、車両が高速車線を走っているか否かを決定するように構成され、及び処理装置が、車両が、予め設定された期間よりも長い時間にわたり、高速車線の許容速度範囲の下限よりも遅い車両速度で、高速車線を走行していることと、高速車線の現在の交通状況では、車両を高速車線の許容速度範囲内で走行させることが可能であることと、の両方の条件が満たされた場合に、警告信号を送出することを警告素子に指示するようにさらに構成される、高速車線運転警告装置が提供される。
【0006】
ある可能な実施形態によれば、処理装置は、車線の範囲を定める右及び左の車線境界線に基づいて、車両が走っている車線を決定するように構成される。
【0007】
ある可能な実施形態によれば、予め設定された期間は、1〜5分であり、予め設定された期間は、調節可能である。
【0008】
ある可能な実施形態によれば、処理装置は、カメラによって捕捉された道路の交通標識の画像から、及び/又は車両のナビゲーションシステムから、高速車線の許容速度範囲を取得するように構成される。
【0009】
ある可能な実施形態によれば、処理装置は、カメラによって捕捉された画像に基づいて、高速車線の現在の交通状況では、車両を高速車線の許容速度範囲内で走行させることが可能であるか否かを決定するように構成される。
【0010】
ある可能な実施形態によれば、カメラによって捕捉された他の車両が、車両の前に存在しない場合、又はカメラによって捕捉された、車両の前を走行する1つ又は複数の他の車両の画像が、徐々に小さくなる場合、高速車線の現在の交通状況では、車両を高速車線の許容速度範囲内で走行させることが可能であると処理装置が決定する。
【0011】
ある可能な実施形態によれば、カメラによって捕捉された、車両の前を走行する1つ又は複数の車両の画像のサイズが、徐々に小さくならない場合、又は小さくなる大きさが、予め設定された時間における予め設定された比率よりも小さい場合、高速車線の現在の交通状況では、車両を高速車線の許容速度範囲内で走行させることが可能ではないと処理装置が決定する。
【0012】
ある可能な実施形態によれば、最初の警告信号が送出された後に、不適切な運転状況を改善するために、車両の運転者が、何ら行動を起こさなければ、警告素子は、強度及び/又は頻度を増大させて、さらなる警告信号を送出する。
【0013】
ある可能な実施形態によれば、処理装置は、車両のボードコンピュータに接続される、又は組み込まれる。
【0014】
別の態様での本開示では、高速車線を含む道路上を走行する車両の前の画像を連続的に捕捉するステップと、画像を分析して、車両が高速車線を走っているか否かを決定するステップと、車両が、予め設定された期間よりも長い時間にわたり、高速車線の許容速度範囲の下限よりも遅い車両速度で、高速車線を走行していること、及び高速車線の現在の交通状況では、車両を高速車線の許容速度範囲内で走行させることが可能であること、の両方の条件が満たされた場合に、警告信号を送出するステップと、を含む、高速車線運転警告方法が提供される。
【0015】
図面と共に以下の詳細な説明から、本開示の前述及び他の態様が、より完全に理解及び認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示のある実施形態による、高速車線運転警告装置のブロック図である。
図2】高速車線運転警告装置の動作を示す模式図である。
図3】本開示のある実施形態による、高速車線運転警告方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本開示の幾つかの可能な実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本開示のある実施形態による、高速車線運転警告装置を模式的に示す。警告装置は、主に、処理装置1、少なくとも1つのカメラ2、及び警告素子3を含む。
【0019】
カメラ2は、車両の前の画像を捕捉することができる場所で、車両に取り付けることができる。例えば、カメラ2は、車両のフロント部分に取り付けられ、カメラ2が、車両の前の道路の領域をスキャンすることができるように、前方に向けられる。カメラ2の側方スキャン領域は、少なくとも、車両が走行する車線の範囲を定める右及び左の車線境界線をカバーする。カメラ2は、車両内の他の既存のシステム(運転支援システム、駐車システム、運転記録システムなど)内のカメラでもよい。
【0020】
処理装置1は、カメラ2に接続され、カメラ2が捕捉した画像を連続的に受信し、及び車両が高速車線を走行しているか否かを判断する。
【0021】
処理装置1は、車両の速度情報を収集するために、車両のボードコンピュータ4に接続されてもよく、又は組み込まれてもよい。
【0022】
処理装置1は、警告素子3にも接続され、長時間、車両が高速車線で低速で運転されていることを示す警告信号を送出するように警告素子3に指示する。
【0023】
任意選択的に、処理装置1は、車両のナビゲーションシステム5に接続されて、さらに有用な情報をそれから取得する。
【0024】
ここで、処理装置1と他の素子との間の接続は、直接的又は間接的接続でもよく、ハードウェア又はソフトウェアによる接続でもよく、及び電線により、又は無線で信号を伝送することを可能にする。
【0025】
車両が、長時間にわたり低速で高速車線を走行していること、及び現在の交通状況では、車両を許容速度範囲内で走行させることが可能であるため、車両がそのような低速で走行することが不当であることの両方の条件が満たされた場合に、処理装置1が、警告信号を送出するように警告素子3に指示することに留意されたい。
【0026】
さらに、ここでの「長時間」という用語は、交通規則に規定される、高速車線で許容される時間を超えることを意味する。例えば、地域によっては、車両が、数分を超えて、低速で高速車線を占有した場合、それは、長時間にわたり低速で高速車線を占有していると見なされ、罰せられることがある。
【0027】
このため、本開示は、処理装置1において期間を設定し、車両が、この期間を超えて、低速で高速車線を走行した場合に、車両は、長時間にわたり低速で高速車線を占有していると見なされる。予め設定される期間は、1〜5分でもよい。さらに、予め設定される期間は、調節可能であってもよい。
【0028】
図2は、一例として、同じ運転方向の3つの車線L1、L2、及びL3を含む道路を模式的に示す。右側通行道路の場合、左車線L1が、最も速い許容速度範囲(例えば100〜120km/時)の高速車線又は追い越し車線であり、中央車線L2が、中間許容速度範囲(例えば90〜110km/時)を有し、及び右車線L3が、最も遅い許容速度範囲(例えば60〜90km/時)を有する。
【0029】
図示のように、本開示の警告装置を装備した車両6は、高速車線L1を走行している。警告装置のカメラ2は、車両6のフロント部分の中央部分に取り付けられて示されており、車両6の前の前方領域をスキャンする。
【0030】
高速車線L1は、左側の連続した車線境界線と、右側の破線とによって定義される。カメラ2のスキャン領域は、実線状の左車線境界線及び破線状の右車線境界線の両方の部分をカバーするので、処理装置1が、カメラ2からの画像に基づいて、車両6が高速車線L1にいることを決定することができる。カメラの画像において、左車線境界線の左側が、同じ方向のレーンではないこと、例えば、左車線境界線の左側が、反対方向のレーン、中央分離帯、又は路肩であることを示す場合、追加的に、車両6が高速車線L1にいるか否かを判断してもよい。処理装置1が、車両6が走行する車線を決定することを支援するために、ナビゲーションシステム5からの情報も使用することができる。
【0031】
左側通行の国では、車両6が高速車線L1にいるか否かを判断するために、同様の方法を使用することができることを認識されたい。
【0032】
処理装置1は、カメラ2の画像から、許容速度範囲の情報を決定することができる。例えば、許容速度範囲は、図2に示されるものと同じように、車線上に、又は道路に沿って設置された交通標識板上に直接示されることがある。さらに、処理装置1が、車両6が走行する車線の許容速度範囲を決定することを支援するために、ナビゲーションシステム5からの情報も使用することができる。
【0033】
さらに、処理装置1は、ボードコンピュータ4から、車両6の速度も取得し、車両6の速度が、許容速度範囲の下限よりも遅い状況では、車両6が、長時間、許容速度範囲の下限よりも遅い速度で高速車線L1を走行することが妥当であるか否かを判断する。例えば、カメラ2によって捕捉された車両が、車両6の前に存在しなければ、又は車両6の前の車両が、連続的に車両6よりも速く走行する場合(この状況は、車両6の前の車両の画像が、連続的に小さくなる、又は見えなくなる場合に決定することができる)、処理装置1は、車両6が、長時間、低速で高速車線L1を走行することが不当であると決定する。一方、車両6の前の車両が、車両6とほぼ同じ速度で走行している場合(この状況は、車両6の前の車両の画像のサイズが、連続的に小さくならない(ほぼ変化しない、又は例えば交通渋滞状況において、経時的に連続して大きくなるなど)場合に決定することができる)、処理装置1は、車両6が長時間低速で高速車線L1を走行することが妥当であると決定する。
【0034】
車両6が低速で高速車線L1を長時間走行することが不当であると、処理装置1が決定すると、車両が低速で高速車線を長時間運転されたことを示す警告信号を警告素子3が送出するように、処理装置1は、警告素子3に指示を送る。警告信号は、ダッシュボードのスクリーン上の点滅サイン又は言葉でもよい。追加的に、又は代替的に、音声信号が送出されてもよい。
【0035】
警告信号は、運転者にこの状況を知らせることができ、且つ運転者に速度を上げること、又は別の車線に変更することを提案することもできる。
【0036】
警告信号が送出された後に、運転者が何ら行動を起こさなければ、警告信号の強度及び/又は頻度を増大させることができる。
【0037】
ここでは補足として、他の種類の情報収集及び状況決定方法も使用することができる。
【0038】
本開示の高速車線運転警告方法を行うことができる。警告方法において、上記の警告装置を使用することができる。
【0039】
一例として、以下のシーケンスの図3に示されるやり方で、高速車線運転警告方法を行うことができる。
【0040】
ステップS1では、高速車線運転警告プロシージャを開始し、次いで、プロシージャは、ステップS2に進む。
【0041】
ステップS2では、車両が走っている車線を検出し、次いで、プロシージャは、ステップS3に進む。
【0042】
ステップS3では、車両が、高速運転車線にいるか否かを判断する。答えがYesである場合には、プロシージャは、ステップS4に進み、答えがNoである場合には、プロシージャは、ステップS5に進む。
【0043】
ステップS5では、カウントを0にし、次いで、プロシージャは、ステップS10に進む。
【0044】
ステップS4では、車両の速度が、高速車線の許容最低速度よりも遅いか否かを判断する。答えがYesである場合には、プロシージャは、ステップS6に進み、答えがNoである場合には、プロシージャは、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7では、カウントを0にし、次いで、プロシージャは、ステップS10に進む。
【0046】
ステップS6では、カウントに1を加算し、次いで、プロシージャは、ステップS8に進む。
【0047】
ステップS8では、カウントの値が、閾値以上であるか否かを判断する。答えがYesである場合には、プロシージャは、ステップS9に進み、答えがNoである場合には、プロシージャは、ステップS10に進む。
【0048】
ステップS9では、警告信号を運転者に送出し、次いで、プロシージャは、ステップS10に進む。
【0049】
ステップS10では、プロシージャは、遅延時間の間、一時停止し、次いで、ステップS2に戻る。
【0050】
同じ、又は類似の機能を生じさせる他のプロシージャを設計することもできる。
【0051】
ステップS10の遅延時間は、数秒から数十秒であってもよい。
【0052】
好ましくは、ステップS9において、カウントの値に応じて、警告信号を変更することができる。例えば、カウントの値が大きくなるにつれて、ステップS9における警告信号の強度が増大してもよい。
【0053】
上記のプロシージャにおいて、車両は、カウンタの値及び遅延時間の組み合わせにより、予め設定された期間を超えて低速で高速車線を占有していると判断され、ステップS8における閾値は、実際には、この予め設定された期間に相当する。
【0054】
警告装置に関連して記載された特徴は、警告方法においても適用可能であることを認識されたい。
【0055】
本開示によれば、車両が高速車線において遅すぎる速度で長時間走行していることを示す警告信号が、運転者に送られるので、運転者は、車両の速度を上げること、又は車両を別の車線に入れることができる。このようにして、交通規則を守ることにより、交通管理局からの処罰を回避することができ、及び運転の安全性を向上させることにより、交通事故を回避することができる。
【0056】
幾つかの好適な実施形態に関連して、本開示を上記に説明したが、本開示は、記載の詳細に限定されない。本開示の精神から逸脱することなく、上記詳細に対する様々な変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 処理装置
2 カメラ
3 警告素子
4 ボードコンピュータ
5 ナビゲーションシステム
6 車両
L1 高速車線
図1
図2
図3