【文献】
「パチンコ 脳汁が出る演出総まとめ!(保留変化・効果音・ボタン演出) 新台 実践 激アツ プレミア CRルパン三世I’m a super hero 主役は銭形 仮面ライダー フルスロットル等」,YouTube [online] [video],2015年12月 3日,特に、0:51〜1:02を参照。,[2019年11月19日検索],URL,http://www.youtube.com/watch?v=ZAF4v8Rvbo8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、
前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、
前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、
前記所定の表示領域において複数列の図柄が変動するものであり、
前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部である特定の場合において、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が、前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率より高く、且つ、変動している図柄の透過率が変化を始める開始タイミングが、図柄の列によって異なり、
前記特定の場合において、特定の演出画像に重畳して変動する列の図柄の透過率が他の列の図柄の透過率に比べて高い遊技機。
第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、
前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、
前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、
前記所定の表示領域において複数列の図柄が変動するものであり、
前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部である特定の場合において、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が、前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率より高く、且つ、変動している図柄の透過率が変化を始める開始タイミングが、図柄の列によって異なり、
前記開始タイミングにおいて、変動している図柄の透過率が0%から100%まで一度に変化する遊技機。
第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、
前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、
前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、
前記所定の表示領域において複数列の図柄が変動するものであり、
前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部である特定の場合において、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が、前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率より高く、且つ、変動している図柄の透過率が変化を始める開始タイミングが、図柄の列によって異なり、
更に、図柄の変動期間を示す変動パターンを決定する変動パターン決定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記特定の場合における図柄の透過率の変化パターンを、前記変動パターンに基づいて決定し、
前記変動パターンには、前記特定の場合における図柄の透過率の変化パターンの決定に用いられる第一の変動パターンと、前記特定の場合における図柄の透過率の変化パターンの決定に用いられない第二の変動パターンと、が含まれ、
前記第二の変動パターンが示す図柄の変動期間は、前記第一の変動パターンが示す図柄の変動期間に比べて短い遊技機。
第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、
前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、
前記所定の表示領域において複数列の図柄が変動するものであり、
前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部である特定の場合において、
前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、前記所定の表示領域に図柄の変動が視認可能に表示されており、
前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、前記所定の表示領域で変動している図柄のうち少なくとも二つの列の図柄が視認不能になり、
前記特定の場合において、変動している図柄が視認不能になるタイミングが、図柄の列によって異なり、
前記特定の場合において、特定の演出画像に重畳して変動する列の図柄が視認不能になり、他の列の図柄が視認可能な透過率に設定された遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0012】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図7、
図10、
図13、
図14を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図10は、メイン表示部81に表示される演出パターンに係るタイムチャートを示す図である。
図13及び
図14は、メイン表示部81に表示される演出パターンの一具体例を示す図である。
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であって、演出制御手段と、演出表示装置と、を備える。
【0013】
演出制御手段は、第一予告演出と、第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている。本実施形態における演出制御手段は、例えば、演出制御部210によって実現される。
ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。また、第一予告演出と第二予告演出と第三予告演出とは、上記の順序で実行される予告演出である。
本実施形態において、第一予告演出とは例えば
図10のパターンCに示す「背景変化」(
図13(a)から(c)に示す演出)であり、第二予告演出とは例えば該パターンCに示す「キャラ登場」(
図14(a)から(b)に示す演出)であり、第三予告演出とは例えば該パターンCに示す「リーチ」状態において表示される演出動画である。
【0014】
第一予告演出と第二予告演出と第三予告演出とは、それぞれが個別の予告演出であるものと遊技者に認識可能に実行されればよく、それぞれの演出態様は特に制限されない。また、第一予告演出、第二予告演出及び第三予告演出のそれぞれの実行期間は、連続的であってもよい、即ち前の予告演出の終了時と後の予告演出の開始時とが等しくてもよい。また、第一予告演出、第二予告演出及び第三予告演出のそれぞれの実行期間は、離散的であってもよい、即ち前の予告演出の終了時と後の予告演出の開始時とが離間してもよい。また、第一予告演出、第二予告演出及び第三予告演出のそれぞれの実行期間は、一部が重複してもよい、即ち前の予告演出の終了時より前の後の予告演出が開始されてもよい。
なお、第一予告演出と第二予告演出と第三予告演出とは一意に区別できなくてもよい。例えば、同じ遊技機において、或る場合には第一予告演出として実行される演出が、他の場合には第二予告演出や第三予告演出として実行されてもよい。
【0015】
第二予告演出には、第三予告演出を示唆する演出内容が含まれている。即ち、第二予告演出の実行によって、遊技者は第三予告演出の実行を予期することができる。
ここで「第三予告演出を示唆する演出内容が含まれている」とは、第二予告演出の後に何らかの予告演出が実行されること、即ち第二予告演出が次の予告演出に発展することが示唆されれば足り、必ずしも第三予告演出を具体的に想起させる演出内容が含まれなくてもよい。
【0016】
演出表示装置は、第一予告演出の実行期間、第二予告演出の実行期間及び第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる。言い換えれば、演出表示装置は、第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において図柄の変動を表示可能に構成されている、第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において図柄の変動を表示可能に構成されている、又は第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において図柄の変動を表示可能に構成されている。
本実施形態における演出表示装置は、例えば、メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84のうち少なくとも一つによって実現される。
【0017】
演出制御手段が第一予告演出を実行した後に第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において所定の表示領域で変動する図柄の透過率が、第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において所定の表示領域で変動する図柄の透過率より高いことを特徴とする。
或いは、演出制御手段が第一予告演出を実行した後に第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、第一予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、所定の表示領域に図柄の変動が視認可能に表示されており、第二予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、所定の表示領域に図柄の変動が視認不能であることを特徴とする。
なお、第二予告演出の実行期間に所定の表示領域で変動する図柄の透過率が高いことによって当該図柄が視認不能になっている場合、ここに挙げた特徴のいずれも満足しうる。
【0018】
ここで透過率とは、コンピュータグラフィックスに係る処理において、対象となる画像が透明である程度(透明度)を示す値である。透過率が高いほど対象の画像に係る透明度が高く(当該画像の背景表示が透けて見える程度が高く)、透過率が低いほど対象の画像に係る透明度が低い(当該画像の背景表示が透けて見える程度が低い)。
なお、本実施形態に係る説明においては、透過率は「%(パーセント)」を単位とする。100%の透過率である画像は視認不能(完全に透明な状態)であり、0%(零パーセント)の透過率である画像は、当該画像の背景表示が視認不能である。
本発明の実施において、必ずしも図柄を視認不能にする程度にまで図柄の透過率を高める必要はなく、背景表示に着目した場合に、当該背景表示に重畳する図柄の変動が気にならない程度に透過率が高く設定されればよい実施態様も考えられる。
【0019】
ここで「図柄の変動が視認可能(又は視認不能)である」とは、図柄の変動に係る演出動画を構成する静止画像をそれぞれ視た場合、即ち当該演出動画をコマ単位で視た場合に図柄の表示が視認できること(又は視認できないこと)をいう。
なお、視認不能であることを実現するためには、必ずしも図柄の透過率を100%にする必要はなく、100%に近似する程度にまで図柄の透過率を高めればよい。
また、視認不能であることを実現するためには、必ずしも図柄の透過率を変化させる必要はなく、図柄に係る画像を所定の表示領域から消失させることによっても実現可能である。
【0020】
本実施形態の遊技機10は、上記のような特徴を有する図柄の変動表示を行うため、第二予告演出の実行期間において、変動している図柄の背景表示(図柄の変動より下層のレイヤーに表示されている画像)の視認性が、図柄の変動と重複することによって低下することを防ぐことができる。従って、変動している図柄の背景表示を用いた演出の演出効果を高めることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0021】
<遊技機10の構造について>
図1から
図5を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図5は、演出装飾体88がメイン表示部81の前方に移動した状態を示す図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0022】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0023】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0024】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0025】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0026】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0027】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0028】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82・左サブ表示部83・右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
【0029】
メイン表示部81は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0030】
メイン表示部81は演出図柄の表示の他にも、いわゆる保留表示(図示せず)を表示画面の一部に表示することができる。保留表示が表示される表示領域と、演出図柄が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。ここで保留表示とは、いわゆる保留玉と称される演出画像のことであり、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を模している。保留表示は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
【0031】
メイン表示部81の下方であって、遊技者から視認不能に秘匿される位置には、演出装飾体88が設けられている。演出装飾体88は、遊技機10の起動時や特定の予告演出の実行時等に、該位置(演出装飾体88の原位置)からメイン表示部81の前方まで移動可能に構成されている(
図5参照)。
演出装飾体88が移動することによって、演出装飾体88自体は遊技者から視認容易になり、演出装飾体88の後方に位置する表示領域は遊技者から視認困難になる。
【0032】
上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、遊技機10の起動時や特定の予告演出の実行時等に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上側、左側又は右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄の表示領域に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は移動しうる。
【0033】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
【0034】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0035】
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
【0036】
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
【0037】
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
【0038】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0039】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0040】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0041】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0043】
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
【0044】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0045】
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0046】
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0047】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0048】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0049】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図6又は
図7を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図4に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図6又は
図7で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0050】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図6では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0051】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0052】
図7には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0053】
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0054】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0055】
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、事前判定部112と、を有する。
【0056】
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。なお、乱数M1及び乱数M2は、後述する当否判定部121による判定(特別遊技状態に係る当選判定)に用いられる。
【0057】
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留表示を、演出表示装置80に表示させてもよい。
【0058】
事前判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、保留させた乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを、当否判定部121による判定の事前に判定する事前判定を実行する。
また、事前判定部112は、事前判定の他に、事前判定の結果に基づく演出に関する処理を実行してもよい。ここで「事前判定の結果に基づく演出」とは、例えば、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示の色彩や形態等を変化させる演出や、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示が表示されている期間(いわゆる先読みゾーン)にわたって実行される演出等が挙げられる。
なお、「事前判定の結果に基づく演出」は、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有する構成になっていることがあり、当該構成である場合には後述する連続演出に該当する。
【0059】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、を有する。
【0060】
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
【0061】
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。即ち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122はハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)を一意に決定する。
【0062】
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0063】
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図絵の実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
【0064】
変動パターン決定部124は、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)は、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲーム(遊技)の実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
【0065】
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
【0066】
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
【0067】
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
【0068】
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
【0069】
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
【0070】
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
【0071】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
【0072】
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
【0073】
確変制御部143は、特定の特別図柄(当選図柄)が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球したことを契機として確変状態を付与してもよい。
【0074】
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
【0075】
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
【0076】
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
【0077】
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0078】
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0079】
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
【0080】
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
【0081】
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
【0082】
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は連続演出と称される予告演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで連続演出とは、複数回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)にわたって連続性を有する演出である。また、ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
【0083】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することもできる。
また、演出制御部210は、演出装飾体88を作動させることもできる。
【0084】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図8又は
図9を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図7に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0085】
図8は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、
図8又は
図9に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0086】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0087】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
【0088】
事前判定部112が事前判定を行う場合(ステップS110のYES)、事前判定部112は、ステップS108において保留記憶された乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを判定する(ステップS112)。
また、事前判定部112が事前判定を行わない場合(ステップS110のNO)、ステップS112の処理は行われないままステップS114の処理に移行する。
【0089】
ステップS102からステップS112までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS114)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0090】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0091】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0092】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0093】
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
【0094】
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
【0095】
<本発明に係る演出図柄の変動表示について>
次に、本発明に係る演出図柄の変動表示について、
図10から
図20を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図7に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図10及び
図11は、メイン表示部81に表示される演出パターンに係るタイムチャートを示す図である。
図12から
図20は、メイン表示部81に表示される演出パターンの一具体例を示す図である。
【0096】
図10及び
図11において最上段に示している秒数は、遊技の開始時を基準(零秒)とした場合の経過時間である。
図10及び
図11に示す演出パターンの実行期間は、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)が示す時間と略一致している。従って、演出制御部210は、変動パターンに基づいて複数通りの演出パターンのいずれかを決定していると換言できる。
なお、
図10及び
図11に示す演出パターンはそれぞれ一具体例であり、図示されている各演出の実行タイミングは、本発明の実施に支障のない範囲において適宜変更することができる。
【0097】
図12から
図20に示す矢印は、演出図柄が変動(スクロール)する態様を示している。これらの矢印が示すとおり、本実施形態に係る演出図柄の変動方向(スクロール方向)は上下方向を一例として描いているが、左右方向や奥行き方向等の別の方向であってもよい。
また、
図12から
図20における演出図柄の一部については、ドットパターンで網掛け表示をしている。この網掛け表示に係るドットの密度が高いほど、対象の演出図柄に係る画像の透過率が低いことを表している。一方で、この網掛け表示に係るドットの密度が低いほど、対象の演出図柄に係る画像の透過率が高いことを表している。
【0098】
図12は、
図10のパターンAに係るタイムチャートが示す演出パターンを示している。
まず、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図12(a)参照)。即ち、メイン表示部81の表示領域には、複数列において一連の演出図柄群がスクロールする演出動画が表示される。
次に、6秒経過時から7秒経過時にかけてメイン表示部81の表示領域の左側の列(左列)に所定の演出図柄群の中に含まれる演出図柄の一つ(ここでは「7」を表す演出図柄)が仮停止する(
図12(b)参照)。なお、左列が仮停止することについて、
図10及び
図11においては「左停止」と表記している。
ここで仮停止とは、確定停止に至る前における演出図柄の表示形態であり、演出の展開によっては再変動しうる状態をいう。なお、仮停止している演出図柄は、微小動作(例えば、揺動)を伴うように表示されることによって、確定停止している演出図柄とは識別可能に表示されることが好ましい。
次に、8秒経過時から9秒経過時にかけてメイン表示部81の表示領域の右側の列(右列)に所定の演出図柄群の中に含まれる演出図柄の一つ(ここでは「3」を表す演出図柄)が仮停止する(
図12(c)参照)。なお、右列が仮停止することについて、
図10及び
図11においては「右停止」と表記している。
そして、9秒経過時から10秒経過時にかけてメイン表示部81の表示領域の中央列に所定の演出図柄群の中に含まれる演出図柄の一つ(ここでは「8」を表す演出図柄)が仮停止し、10秒経過時に全ての列の演出図柄が確定停止になる(
図12(d)参照)。なお、中央列が仮停止することについて、
図10及び
図11においては「中停止」と表記し、全ての列の演出図柄が確定停止になることについて、
図10及び
図11においては「確定」と表記している。
図12(d)に示す演出図柄の組合せは、全ての列にわたって異種の演出図柄が並ぶものであるが、当該演出図柄の組合せは大当り遊技の非当選を報知する演出図柄の組合せの一具体例である。即ち、メイン表示部81の表示領域には、スクロールした結果として停止した複数列の演出図柄の組合せによって遊技の結果(大当り遊技の当否)を報知する演出動画が表示される。
【0099】
なお、最後に仮停止する中央列における演出図柄が仮停止するタイミングは、全ての列の演出図柄が確定停止になるタイミングと必ずしも異なる必要はなく、これらのタイミングが同時であるように視認される演出動画をメイン表示部81は表示してもよい。
【0100】
また、各列において演出図柄が仮停止するタイミングは、必ずしも異なる(ズレている)必要はなく、全ての列の演出図柄が同時に仮停止するように視認される演出動画をメイン表示部81は表示してもよい。
例えば、
図10のパターンBに係るタイムチャートは、パターンAより短い期間で演出図柄の組合せが確定停止に至る演出パターンを示している。パターンAに係る演出パターンにおける演出図柄の変動表示が「通常変動」と称されるのに対して、パターンBに係る演出パターンにおける演出図柄の変動表示は「短縮変動」とも称される。
パターンBに示す演出パターンにおいて、左列、右列、中央列は共に同じタイミングで仮停止し、そのまま再変動することなく確定停止に至る。より具体的には、
図12(a)に示すメイン表示部81の表示態様から、
図12(b)や
図12(c)に示す表示態様を経ずに、
図12(d)に示すメイン表示部81の表示態様が行われる。なお、左列、右列、中央列は共に同じタイミングで仮停止することについて、
図10においては「全停止」と表記している。
【0101】
パターンBに示す演出パターン(短縮変動)は、例えば、変短状態が付与されている場合や、特図保留制御部111によって保留されている乱数の数が上限に近い値(例えば、3個以上)である場合等に、実行されやすくなっている。
【0102】
パターンBに示す演出パターンにおける演出図柄の変動期間は比較的短いものであり、演出図柄の変動を除く表示による演出の実行は、時間面及び効果面(遊技興趣を高める点)のいずれにおいても限定的であるため、変動している演出図柄の透過率は維持されたままであることが好ましい。
【0103】
図13及び
図14は、
図10のパターンCに係るタイムチャートが示す演出パターンを示している。
まず、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図13(a)参照)。ここで、各列における演出図柄群のスクロールの背景(スクロール表示が行われているレイヤーより下層のレイヤー)には、城をモチーフにした背景表示D1が表示されている。
なお、パターンCに係る演出パターンは、背景表示D1が変化する第一予告演出(
図10においては「背景変化」と表記)と、背景表示D1に重畳するように(背景表示D1が表示されているレイヤーより上層のレイヤーに)戦国武将に係るキャラクターD3が表示される第二予告演出(
図10においては「キャラ登場」と表記)と、キャラクターD3が表示された後に実行されるリーチ演出(第三予告演出)を含むものである。より具体的には、パターンCに係る演出パターンは、背景表示D1が炎上している表示態様になると、炎上した城をバックにした戦国武将が表示され、該戦国武将をモチーフにしたリーチ演出に発展する。
図13(a)に係るタイミングにおける背景表示D1は、未だ炎上していない表示態様であり、「背景変化」に係る予告演出の導入部分において該予告演出の結果に関わらず表示される。
【0104】
「背景変化」に係る予告演出の実行期間(2秒経過時から6秒経過時)において、演出図柄群のスクロール表示は徐々に透過率が高くなっていく。また、該期間において、背景表示D1に描かれている城の表示態様は、段々と火の手が大きくなるように変化する。上記のようなメイン表示部81の表示変化を、
図13(a)から
図13(c)に示す。
図13(b)に係るタイミングにおける背景表示D1は、未だ炎上していない表示態様が維持されている。そして、
図13(c)に係るタイミングにおける背景表示D1は、城の炎上が始まった表示態様に変化している。なお、本実施形態においては、該タイミングにおいては既に「背景変化」に係る予告演出が導入部分から結果部分に移行したものとして扱う。
【0105】
図13(a)に描かれている演出図柄の網掛けと
図13(b)に描かれている演出図柄の網掛けとを比較すればわかるように、
図13(b)に係るタイミングにおいて変動している演出図柄の透過率は、
図13(a)に係るタイミングにおいて変動している演出図柄の透過率より高い。
また、
図13(c)に示す演出図柄の変動は破線のみで描かれており、背景表示D1が透けて描かれているが、この描写は同図に係るタイミングにおいて演出図柄の透過率が100%に到達し、演出図柄の変動が視認不能になることを表している。即ち、
図13(c)に係るタイミングにおいて変動している演出図柄の透過率は、
図13(a)及び
図13(b)に係るタイミングにおいて変動している演出図柄の透過率より高い。
即ち、
図13が示す「背景変化」に係る予告演出(第一予告演出)は、変動している演出図柄の透過率が段階的に高くなるように構成されているといえる。換言すれば、当該予告演出の実行期間に所定の表示領域で変動する演出図柄の透過率は段階的に高くなっていく。
【0106】
次に、6秒経過時から7秒経過時にかけて左列に所定の演出図柄群の中に含まれる演出図柄の一つ(ここでは「7」を表す演出図柄)が仮停止する。
図14(a)は6秒経過直後におけるメイン表示部81の表示態様を表している。該タイミングにおける背景表示D1は、既に城全体が炎上している表示態様に変化しており、更に背景表示D1に重畳するようにキャラクターD3が表示されている。即ち該タイミングは、「背景変化」に係る予告演出から「キャラ登場」に係る予告演出に切り替わったタイミングであり、「キャラ登場」に係る予告演出の実行によって攻城戦をモチーフにしたリーチ演出に発展する旨を示唆している。
【0107】
一方で、
図14(a)に係るタイミング(第二予告演出)において、所定の表示領域の外部領域(例えば、メイン表示部81の右上隅部)に、演出図柄の代わりの図柄(以下、代用図柄D2と称す)の変動が表示される。なぜならば、該タイミングにおいては、演出図柄の変動が視認不能になっているため、遊技者に演出図柄の変動が継続している旨を報知する必要があるからである。
なお、代用図柄D2は、視認可能である必要があり、該タイミングに所定の表示領域で変動している演出図柄(透過率100%)より透過率の低い図柄であることが望ましい。
また、代用図柄D2は、所定の表示領域で変動する通常の演出図柄とは異なる態様の特殊図柄にすることによって、通常の演出図柄の区別可能であることが好ましい。
ここで「異なる態様の特殊図柄」の具体例としては、サイズが異なること、スクロール態様(スクロール方向含む)が異なること、及び形状や色彩(装飾の派手さ)が異なること等が挙げられる。
【0108】
本実施形態では、代用図柄D2をメイン表示部81の右上隅部に表示される態様で説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、演出表示装置とは別の表示部(不図示)を設け、「キャラ登場」(第二予告演出)の実行期間の少なくとも一部において、当該表示部に代用図柄D2の変動を表示させてもよい。
ここで「別の表示部」とは、例えば、一又は複数のLEDによって構成されている表示部である。但し、当該表示部は、サブ制御基板200(演出制御部210)によって制御されることが好ましい。図柄表示装置90と区別するためである。
【0109】
次に、8秒経過時から9秒経過時にかけて右列に所定の演出図柄群の中に含まれる演出図柄の一つ(ここでは「7」を表す演出図柄)が仮停止する。
図14(b)は8秒経過直後におけるメイン表示部81の表示態様を表している。該タイミングにおけるキャラクターD3は、
図14(a)に示すキャラクターD3より拡大(ズームアップ)している。一方で、該タイミングにおける背景表示D1は、
図14(a)に示す背景表示D1と同様のものであるが、背景表示D1に重畳しているキャラクターD3が拡大(ズームアップ)したために視認可能な領域が小さくなっている。
【0110】
また、
図14(b)に係る状態は、左列に仮停止している演出図柄と右列に仮停止している演出図柄とが同種であって、最後に仮停止する中央列が変動中であるため、上記のリーチ状態に該当する。なお、
図10及び
図11のタイムチャートにおいて、リーチ状態である期間を「リーチ」と表記する。
なお、
図10及び
図11において「リーチ」と表記している期間が単一であるかのように図示されている場合であっても、当該期間において実行されるリーチ演出は単一であるとは限られず、複数のリーチ演出の組合せ(例えば、ノーマルリーチからスペシャルリーチに発展する等)であってもよい。
なお、9秒経過時以後には、当該リーチ演出に係る演出動画がメイン表示部81に表示される。
【0111】
図10のパターンCに係るタイムチャートにおいて左列の仮停止期間(「左停止」)及び右列の仮停止期間(「右停止」)が破線で示されるのは、その期間において仮停止する演出図柄の透過率が、パターンAにおける演出図柄の変動の透過率に比べて高くなっていることによって視認困難であることを意味している。
また、後述する各演出パターンに係るタイムチャートにおいて破線で示される左列、右列及び中央列の仮停止期間についても、上記と同様の意味を示している。
【0112】
図15は、
図10のパターンDに係るタイムチャートが示す演出パターンを示している。
まず、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図15(a)参照)。ここで、各列における演出図柄群のスクロールの背景には、セリフ枠D4及びキャラクターD5が表示されている。
なお、パターンDに係る演出パターンは、キャラクターD5が発するセリフがセリフ枠D4に表示される、いわゆるセリフ予告演出(
図10においては「セリフ予告」と表記)を含む。該セリフ予告演出は、セリフ枠D4に表示されるセリフを表す文字情報D6の表示態様(例えば、内容や文字の色等)によって次の予告演出(第二予告演出)に発展する第一予告演出である。即ち、文字情報D6の表示態様が該セリフ予告演出の結果に該当する。
図15(a)に係るタイミングにおけるセリフ枠D4及びキャラクターD5は、文字情報D6の内容に関わらず表示される表示態様であり、該セリフ予告演出の導入部分から表示される。
【0113】
文字情報D6が表示されるタイミングは特に制限されないが、例えば、全ての列において演出図柄群がスクロールしている期間、即ちパターンDに係るタイムチャートにおける6秒経過時より前であってもよい(
図15(b)参照)。
或いは、
図15に図示しないタイミング、例えば、左列の演出図柄が仮停止しているタイミング、左列と右列の演出図柄とが仮停止しているタイミング、又は全ての列の演出図柄が仮停止しているタイミングに、文字情報D6が表示されてもよい。
なお、
図15(b)に係るタイミングにおいて、
図14(a)で示した状況と同様に、メイン表示部81の右上隅部には代用図柄D2の変動が表示される。
【0114】
変動している演出図柄が視認不能になるタイミング、即ち変動している演出図柄の透過率が100%に到達するタイミングは、文字情報D6が表示されるタイミングより前が好ましい。該セリフ予告演出の結果部分の視認性を十分に確保するためである。
【0115】
上記のセリフ予告演出に続いて、6秒経過時から9秒経過時までにわたって演出装飾体88が作動する予告演出(
図10においては「役物作動」と表記)が実行される。該予告演出は、演出装飾体88の作動によって次の予告演出(第三予告演出)に発展する第二予告演出である。即ち、演出装飾体88の作動が該予告演出の結果に該当する。
【0116】
図15(c)は、8秒経過直後、即ち左列と右列の演出図柄とが仮停止しているタイミングにおけるメイン表示部81の表示態様を表している。
図15(c)に係る状態は、左列に仮停止している演出図柄と右列に仮停止している演出図柄とが同種であって、最後に仮停止する中央列が変動中であるため、上記のリーチ状態に該当する。即ち、パターンDに係る演出パターンは、セリフ予告演出の実行(第一予告演出)及び演出装飾体88の作動(第二予告演出)の結果としてリーチ演出に発展する。従って、該リーチ演出が第三予告演出に該当する。
【0117】
図16、
図17及び
図18は、
図11のパターンEに係るタイムチャートが示す演出パターンを示している。
まず、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図16(a)参照)。ここで、各列における演出図柄群のスクロールの背景には、選択されうるキャラクターを示す選択表示D7が表示されている。
パターンEに係る演出パターンは、選択表示D7に描かれている二人のキャラクター(キャラクターD10及びキャラクターD11)のいずれかをプッシュボタン37の押下を契機として選択する予告演出(
図11においては「キャラ選択」と表記)と、選択されたキャラクターと選択されなかったキャラクターとが戦う予告演出(
図11においては「バトル演出」と表記)と、を含んでいる。
なお、
図16(a)に係るタイミングにおける選択表示D7は、選択されるキャラクターの種別に関わらず表示される表示態様であり、「キャラ選択」の導入部分から表示される。
【0118】
本実施形態の「キャラ選択」に係る予告演出は、プッシュボタン37が有効に遊技者の操作を受付可能になるタイミングに、プッシュボタン37を模したボタン表示D8を表示することによって、遊技者の操作を促す表示態様を採用している(
図16(b)参照)。
ボタン表示D8は遊技者の操作を促す重要な演出要素であるため、十分に視認性を確保するべく、ボタン表示D8の表示タイミングより前に、演出図柄の変動を視認不能にさせる、即ち変動している演出図柄の透過率を100%に到達させる。
なお、
図16(b)に係るタイミングにおいて、
図14(a)で示した状況と同様に、メイン表示部81の右上隅部には代用図柄D2の変動が表示される。
【0119】
ボタン表示D8が表示される期間は、遊技者の操作時間を十分に確保可能であることを満足するのであれば特に制限されないが、例えば、左列の演出図柄を仮停止させてから右列の演出図柄を仮停止させるまでの期間(即ちパターンEに係るタイムチャートにおける6秒経過時から9秒経過時)を含む期間であってもよい。
なお、
図11には「キャラ選択」に係る予告演出の実行期間を4秒経過時から10秒経過時までとして表示しているが、本実施形態においては該実行期間の少なくとも一部においてボタン表示D8が表示されるものとする。
【0120】
ボタン表示D8が表示されている期間に遊技者の操作(プッシュボタン37の押下)を受け付けると、選択表示D7に描かれているキャラクターの一つ(例えば、キャラクターD10)が選択されて、他のキャラクター(例えば、キャラクターD11)より強調表示される(
図16(c)参照)。
【0121】
図16(c)は、8秒経過直後、即ち左列と右列の演出図柄とが仮停止しているタイミングにおけるメイン表示部81の表示態様を表している。
図16(c)に係る状態は、左列に仮停止している演出図柄と右列に仮停止している演出図柄とが同種であって、最後に仮停止する中央列が変動中であるため、上記のリーチ状態に該当する。即ち、パターンEに係る演出パターンは、「キャラ選択」に係る予告演出(第一予告演出)の結果としてリーチ演出(第二予告演出)に発展する。
【0122】
図13から
図16に示す各演出パターンの表示態様から明らかであるように、上述の実施形態においては、変動している演出図柄の透過率を上げる場合、左列、右列及び中央列の全ての演出図柄について一律に透過率を上げる態様で説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、メイン表示部81に表示している演出画像のうち強調表示したい箇所(例えば、
図16に示す例であれば選択表示D7やボタン表示D8等)に重畳する演出図柄の変動に限定して透過率を上げてもよい。換言すれば、複数列にわたる演出図柄の変動のうち一部の列における演出図柄の変動について、結果部分の実行期間における透過率が導入部分の実行期間における透過率より高くなってもよい。或いは、複数列にわたる演出図柄の変動のうち一部の列における演出図柄の変動について、導入部分の実行期間には視認可能であってもよいし、結果部分の実行期間には視認不能であってもよい。
【0123】
図16(c)に図示したように左列及び右列に演出図柄が仮停止してリーチ状態を形成した場合の一部において、演出制御部210はバトル演出(
図11においては「バトル演出」と表記)を実行する。
本実施形態に係るバトル演出は、二人のキャラクター(キャラクターD10とキャラクターD11)が戦う過程において繰り出した技や戦闘結果によって大当り遊技の当選期待度を示唆するリーチ演出の一種である。さらに、本実施形態に係るバトル演出は、キャラクターD10がキャラクターD11に敗北した場合の一部において後述する復活演出に発展する構成になっている。即ち、バトル演出を第二予告演出と解した場合、復活演出は第三予告演出と解すことができる。
【0124】
図17(a)に示す文字情報D9は、バトル演出の結果に関わらず表示される表示態様であり、バトル演出の導入部分でメイン表示部81に表示される。
文字情報D9が表示された後に、より具体的には、パターンEに係るタイムチャートにおいて52秒経過時から54秒経過時までの間に、バトル演出の結果としてキャラクターD10がキャラクターD11に敗北した旨を表す敗北表示D12がメイン表示部81に表示される(
図17(b)参照)。
なお、
図17(b)に係るタイミングは、中央列の代用図柄D2が仮停止するタイミングにも合致している。
【0125】
続いて、54秒経過すると、復活を示唆する文字情報D13が表示されると共に、中央列の代用図柄D2が再変動する(
図18(a)参照)。そして、復活演出の結果としてキャラクターD10がキャラクターD11に勝利した旨を表す勝利表示D14がメイン表示部81に表示されて、大当り遊技の当選を示す代用図柄D2の組合せが確定停止する(
図18(b)参照)。
【0126】
図19及び
図20は、
図11のパターンFに係るタイムチャートが示す演出パターンを示している。
図19及び
図20においては図示省略するが、まず、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図12(a)に相当)。そして、それ以降に左列、右列、中央列の順に演出図柄が仮停止する(
図12(b)、
図12(c)及び
図12(d)に相当)。
なお、
図11に示すように、パターンFに係る演出パターンは、リーチ状態を経て確定停止する演出パターンであり、リーチ状態においてはメイン表示部81にはリーチ演出に係る演出動画が表示される。
【0127】
左列、右列及び中央列に演出図柄が仮停止して、大当り遊技の当選を示す演出図柄の組合せがメイン表示部81に表示された場合(
図19(a)では、「4・4・4」を示す演出図柄の組合せ)の一部において、演出制御部210は全列にわたる再変動(
図11においては「再変動(全回転)」と表記)を実行する。
全列にわたる再変動は、仮停止している演出図柄の組合せによって示唆される大当り遊技の当選より有利な大当り遊技の当選を示唆する予告演出である。より具体的には、全列にわたる再変動によって、仮停止している演出図柄の組合せを、よりラウンド回数が多く設定されている大当り遊技の当選を報知する演出図柄の組合せに変化させたり、終了時に確変状態が付与される大当り遊技(確変大当り)を報知する演出図柄の組合せに変化させたりする。
【0128】
全列にわたる再変動が実行される前、即ちパターンFに係るタイムチャートにおける56秒経過時から57秒経過時にかけて、演出制御部210はメイン表示部81の表示を暗転させる(
図19(b)参照)。ここで暗転させるとは、メイン表示部81の表示領域の明度を低下させることによって、それまで表示していた演出動画の視認性を低下させること、或いは、メイン表示部81の表示全体又は表示の大半を黒色の画像に変化させることをいう。
なお、暗転中において仮停止している演出図柄の透過率は、暗転前の演出図柄の透過率を下げることによって、演出図柄単体としても視認性を低下させてもよい。
【0129】
このメイン表示部81の暗転によって、暗転前に表示されていた
図19(a)に示す演出図柄の組合せは視認不能になる。このメイン表示部81の暗転は、全列にわたる再変動への発展を予告する予告演出でもある。従って、リーチ演出の結果として大当り遊技の当選を示す演出図柄の組合せが表示されるまで(
図19(a)に示す状態まで)に実行される予告演出が第一予告演出に該当し、メイン表示部81の暗転(
図19(b)に示す状態)が第二予告演出に該当しうる。
【0130】
なお、パターンFに係るタイムチャートにおいて、左列、右列及び中央列に演出図柄が仮停止している期間は、54秒経過時から57秒経過時までの期間が該当するが、そのうち前半の2秒間(54秒経過時から56秒経過時まで)については演出図柄が仮停止している様を視認可能であるため、当該タイムチャートにおいてこの2秒間を実線で示している。しかしながら、後半の1秒間(56秒経過時から57秒経過時まで)については、メイン表示部81が暗転していることによって、演出図柄が仮停止している様を視認不能であるため、当該タイムチャートにおいてこの1秒間を破線で示している。
【0131】
続いて、57秒経過すると、全列にわたる再変動が実行される(
図20(a)参照)。
図20(a)のような表示態様は、一般的に全回転リーチとも称される。
そして、その再変動の結果として、暗転前より有利な特典が付与される大当り遊技の当選を示す演出図柄の組合せ(例えば、「7・7・7」を示す演出図柄の組合せ)が確定停止する(
図20(b)参照)。
なお、本実施形態に係る全回転リーチは、メイン表示部81の暗転(第二予告演出)の結果として実行される予告演出であるから、第三予告演出に該当しうる。
【0132】
以上に述べた多彩な演出パターンにおいて、本発明を適用することができる。この適用により、変動している演出図柄の表示によって阻害されることなく、重要な演出要素に遊技者の視線を向けることができる。従って、各演出パターンによって喚起される遊技興趣の向上を図ることができる。
【0133】
なお、上述したように、
図10及び
図11に示す各演出パターンは、メイン制御基板100において管理又は制御される変動パターンや保留されている乱数の数の影響を受ける。
換言すれば、演出制御部210は、変動パターン決定部124によって生成された変動パターン(変動時間情報)に基づいて、第一予告演出及び第二予告演出において所定の表示領域で変動する図柄の透過率の変化パターンを決定しうる。或いは、演出制御部210は、特図保留制御部111によって保留されている乱数の数に基づいて、第一予告演出及び第二予告演出において所定の表示領域で変動する図柄の透過率の変化パターンを決定しうる。
なお、変化パターンには、当該図柄の透過率の値又は当該図柄の透過率を変更するタイミングのうち少なくとも一方が含まれることが好ましい。
【0134】
上述した各演出パターンにおいて、第三予告演出の実行期間に変動する演出図柄の透過率は特に制限されず、第二予告演出と同様に視認不能であることが維持されてもよいし、視認可能に変化してもよい。
但し、パターンC及びパターンDのように第三予告演出に該当する予告演出がリーチ演出である場合や、パターンFのように第三予告演出に該当する予告演出が全回転リーチである場合には、演出図柄の表示態様自体が特徴的であることによって演出効果を高める構成になっていることが考えられる。そのような構成が採用されている場合には、第三予告演出の実行期間に変動する演出図柄は視認可能であることが好ましい。
上記のように第三予告演出の実行期間に変動する演出図柄を視認可能にする態様において、第二予告演出から第三予告演出への移行をスムーズに見せる観点から、少なくとも第二予告演出の終了時、即ち第三予告演出の開始前までに演出図柄を視認可能に変化させることが好ましい。即ち、第二予告演出の一部期間において変動する演出図柄の透過率を一旦は高くし、当該一部期間より後に変動する演出図柄の透過率を低くすることが好ましい。なお、変動する演出図柄の透過率を高くする際にも低くする際にも、透過率を段階的に(徐々に)変化させることが望ましい。
【0135】
ここで、第二予告演出の一部期間において高くする前の演出図柄の透過率と、当該一部期間より後に低くした後の演出図柄の透過率とは、一致させてもよいし一致させなくてもよい。例えば、第二予告演出の実行期間において演出図柄の透過率を0%→100%→0%と変化させてもよいし、0%→100%→50%と変化させてもよい。なお、後者に示した透過率の変化態様のように、第二予告演出の終了時において演出図柄の透過率が0%を超えており且つ100%未満である場合(演出図柄が半透明である場合)、その演出図柄の透過率を第三予告演出の開始後に更に低くして、演出図柄の視認性を向上させてもよい。
【0136】
また、第二予告演出の実行期間において演出図柄の透過率を高くする際にも低くする際にも、各列における演出図柄の透過率の変化パターンを一致させてもよいし一致させなくてもよい。例えば、変動する演出図柄の透過率が変化(上昇又は下降)を始めるタイミングが、各列で一致してもよいしズレてもよい。または、変動する演出図柄の透過率が変化(上昇又は下降)を終えるタイミングが、各列で一致してもよいしズレてもよい。或いは、変動する演出図柄の透過率が変化(上昇又は下降)する速度が、各列で一致してもよいしズレてもよい。
各列における演出図柄の透過率の変化パターンを一致させない場合、例えば、第三予告演出としてリーチ演出を実行する前の第二予告演出において、一旦は視認不能にしていた演出図柄の変動を、左列、右列の順番で視認可能にすることによって、視認不能になっている間にリーチ状態が形成されていたことを、ある程度の時間をかけて認識させるといった演出態様を実現することもできる。
【0137】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図20を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0138】
上述の実施形態においては、第二予告演出の実行期間に変動する演出図柄の透過率を、第一予告演出の実行期間に変動する演出図柄の透過率より高くすることによって、結果部分における演出図柄の変動の視認性を下げる態様を述べた。即ち、第一予告演出と第二予告演出とにわたって変動している演出図柄は、見た目上は視認不能であっても表示処理上は所定の表示領域に表示されていることを前提として本発明を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、第一予告演出の実行期間に所定の表示領域で変動する演出図柄は、第一予告演出又は第二予告演出の実行期間に含まれる或るタイミングで所定の表示領域から消失させてもよい。即ち、見た目上に限らず、表示処理上も所定の表示領域から演出図柄に係る画像を消失させてよい。
或いは、変動する演出図柄の透過率を変化させる処理と、変動する演出図柄を消失させる処理と、を組み合わせて演出図柄の変動の視認性を下げてもよい。例えば、第一予告演出又は第二予告演出の実行期間の或るタイミングにおいて変動している演出図柄の透過率を徐々に高めていき、その後の或るタイミングにおいて変動している演出図柄を消失させてもよい。なお、この変形例において演出図柄を消失させる直前における演出図柄の透過率は、0%を超える値であって100%以下の値であれば特に制限されない。
このような変形例によって本発明を実施しても、上述した各演出パターンを実現することは可能である。
【0139】
上記の変形例を前提とした場合、演出図柄の消失に係る決定は、変動パターンや保留されている乱数の数に基づいて実行することができる。
上述の実施形態で述べた各構成要素の機能に即して、整理すれば、演出制御部210は、変動パターン決定部124によって生成された変動パターンに基づいて、第一予告演出又は第二予告演出の実行期間においてメイン表示部81で変動する演出図柄を消失させるか否かを決定してもよいと言い換えることができる。或いは、演出制御部210は、特図保留制御部111によって保留されている乱数の数に基づいて、第一予告演出又は第二予告演出の実行期間においてメイン表示部81で変動する演出図柄を消失させるか否かを決定してもよいと言い換えることができる。
【0140】
上述の実施形態においては、変動している演出図柄の透過率が段階的に高くなっていく(徐々に視認性が低下する)態様を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、変動している演出図柄の透過率が0%から100%まで一度に変化する、即ち直ちに視認不能になる態様によって本発明を実施してもよい。また、変動している演出図柄の透過率が0%から100%まで一度に変化することに代えて、透過率が0%である(透過していない)演出図柄の変動を直ちに消失させることによって本発明を実施してもよい。
【0141】
上述の実施形態において、第二予告演出から第三予告演出への移行をスムーズに見せる観点から、少なくとも第二予告演出の終了時までに演出図柄を視認可能に変化させることが好ましい旨を述べた。これを実現するために、演出図柄の透過率を変化させることに代えて、消失させた演出図柄の変動を再表示させてもよい。このような処理によっても、同様の効果を得ることができる。
【0142】
上述の実施形態においては、第一予告演出と第二予告演出とを個別の予告演出として扱う実施形態を前提として本発明を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、第一予告演出と第二予告演出とが一体不可分であるものとして認識される演出態様である場合(単独の予告演出と見做しうる場合)にも、本発明と同様の処理を適用することができる。
【0143】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が、前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率より高い遊技機。
(2)前記第一予告演出の実行期間に前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が段階的に高くなる(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出制御手段によって制御される前記演出表示装置とは別の表示部を備え、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部において、前記表示部は図柄の変動を表示する(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記第二予告演出の実行期間に前記所定の表示領域で変動する図柄より透過率の低い図柄が、前記所定の表示領域の外部領域で変動する(1又は2)に記載の遊技機。
(5)前記第二予告演出の実行期間に前記外部領域で変動する図柄は、前記第一予告演出の実行期間において前記所定の表示領域で変動する図柄とは異なる態様の特殊図柄である(4)に記載の遊技機。
(6)第一予告演出と、前記第一予告演出の後に実行されうる第二予告演出と、前記第二予告演出の後に実行されうる第三予告演出と、を一回の遊技中に実行可能に構成されている演出制御手段と、前記第一予告演出の実行期間、前記第二予告演出の実行期間及び前記第三予告演出の実行期間の少なくとも一部において、変動する図柄を所定の表示領域に表示しうる演出表示装置と、を備え、前記第二予告演出には、前記第三予告演出を示唆する演出内容が含まれており、前記演出制御手段が前記第一予告演出を実行した後に前記第二予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、前記第一予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、前記所定の表示領域に図柄の変動が視認可能に表示されており、前記第二予告演出の実行期間の少なくとも一部においては、前記所定の表示領域に図柄の変動が視認不能である遊技機。
【0144】
さらに、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(a)前記第二予告演出の実行期間に前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率が高いことによって当該図柄が視認不能になっている(1)又は(6)に記載の遊技機。
(b)前記第一予告演出の実行期間に前記所定の表示領域で変動する図柄が、前記第一予告演出又は前記第二予告演出の実行期間に含まれる或るタイミングで前記所定の表示領域から消失する(6)に記載の遊技機。
(c)一回の遊技において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を生成する変動時間制御手段を備え、前記演出制御手段は、前記変動時間制御手段によって生成された前記変動時間情報に基づいて、前記第一予告演出及び前記第二予告演出において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率の変化パターンを決定し、前記変化パターンには、当該図柄の透過率の値又は当該図柄の透過率を変更するタイミングのうち少なくとも一方が含まれる(1)に記載の遊技機。
(d)始動口の入賞を契機として前記特別遊技状態に係る当選判定に用いられる乱数を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段によって取得された乱数の少なくとも一部を保留する保留手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記保留手段によって保留されている乱数の数に基づいて、前記第一予告演出及び第二予告演出において前記所定の表示領域で変動する図柄の透過率の変化パターンを決定し、前記変化パターンには、当該図柄の透過率の値又は当該図柄の透過率を変更するタイミングのうち少なくとも一方が含まれる(1)に記載の遊技機。
(e)一回の遊技において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を生成する変動時間制御手段を備え、前記演出制御手段は、前記変動時間制御手段によって生成された前記変動時間情報に基づいて、前記第一予告演出又は前記第二予告演出の実行期間において前記所定の表示領域で変動する図柄を消失させるか否かを決定する(b)に記載の遊技機。
(f)始動口の入賞を契機として前記特別遊技状態に係る当選判定に用いられる乱数を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段によって取得された乱数の少なくとも一部を保留する保留手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記保留手段によって保留されている乱数の数に基づいて、前記第一予告演出又は前記第二予告演出の実行期間において前記所定の表示領域で変動する図柄を消失させるか否かを決定する(b)に記載の遊技機。