(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
孔部が設けられた第1部材と、中空状の第2部材と、ガイド軸部材と、前記ガイド軸部材を挿通可能な貫通孔を有する弾性体と、前記ガイド軸部材を挿通可能な貫通孔を有する第1押子と、前記ガイド軸部材が接続される第2押子と、前記ガイド軸部材を駆動する駆動機構と、移動機構とを準備し、
前記第1部材の前記孔部に前記第2部材を挿通し、
前記弾性体の前記貫通孔に前記ガイド軸部材を挿通し、
前記第2部材の内部に前記ガイド軸部材が挿通された前記弾性体を挿入し、
前記第1部材と前記第2部材と前記弾性体と前記ガイド軸部材とが組み合わされた組立体を水平方向に延びるように配置し、
前記ガイド軸部材が延びる方向において前記第1押子と前記第2押子とによって前記組立体を挟むように配置し、
前記第1押子を固定した状態で前記駆動機構によって前記ガイド軸部材を駆動することで前記ガイド軸部材に接続された前記第2押子を前記第1押子に向かって移動させ、前記第1押子と前記第2押子とによって前記弾性体を前記ガイド軸部材が延びる方向に圧縮して前記ガイド軸部材の径方向外側に向けて膨張させ、それによって前記第2部材の少なくとも前記孔部に挿通された部分を拡大変形させて前記第1部材にかしめ接合する
ことを含み、
前記駆動機構は、前記ガイド軸部材が延びる方向とは異なる方向に付加された力を前記ガイド軸部材が延びる方向の力に変換するカム機構をさらに備え、
前記カム機構により方向変換した力で前記弾性体を圧縮し、
前記カム機構は、鉛直方向に移動するカムドライバと、下面に車輪を有し、前記車輪の転動によって水平方向に移動するカムスライダとを備え、
前記移動機構は、前記ガイド軸部材を水平方向に移動させるために、前記カムスライダを水平方向に押して前記車輪を転動させて移動させ、前記ガイド軸部材と、前記ガイド軸部材に挿通された状態の前記弾性体とを前記第2部材の内部に挿入する、部材の接合方法。
前記第2部材の外側に外枠金型を配置し、前記第2部材の少なくとも一部を前記外枠金型に沿うように成形してかしめ接合する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の部材の接合方法。
【背景技術】
【0002】
自動車の軽量化や安全性向上のために、ハイテンション鋼と呼ばれる強度が高い薄鋼板が使用されている。これらのハイテンション鋼は軽量化や安全性向上に有効ではあるものの、アルミなどの低比重材料と比べると依然として重い。また、ハイテンション鋼には、その高強度ゆえに、成形性の低下、成形荷重の上昇、および寸法精度の低下などの問題がある。これらの問題を解決するために、近年、鋼板よりも比重が軽いアルミを用いた押し出し成形品や鋳造品、プレス成形品を鋼製部品と合わせて活用するマルチマテリアル化が行われている。
【0003】
このマルチマテリアル化で問題となるのは鋼製部品とアルミ製部品の接合である。スポット溶接に代表される溶接技術においては鋼製部品とアルミ製部品の界面に脆弱な金属間化合物(IMC:intermetallic compound)が生じるため、電磁成形接合、ボルトとナットに代表されるねじ締結、摩擦撹拌接合(FSW:friction stir welding)、リベット、セルフピアスリベット(SPR:self-piercing rivet)、メカニカルクリンチング、または接着などの接合技術が実用化されている。
【0004】
電磁成形によるかしめは、相手部品に嵌合させたパイプ状の部品の内側にソレノイド成形コイルを挿入し、コイルに衝撃電流を流すことによって変化する磁界により、導体のパイプに誘導電流を誘起させる。コイルの一次電流による磁界と、パイプの周方向上に反対方向に流れる誘導電流との間に電磁力が発生し、このときパイプは径方向外側に向かう力を受けるため拡大変形され相手部品にかしめ接合される。この接合方法は、電気伝導度の良い銅やアルミに適しており、自動車部品の接合においても一部で実用化されている。
【0005】
特許文献1では、マルチマテリアル化のための電磁成形によるかしめ接合技術が開示されている。具体的には、断面が中空状であり金属製のバンパーリインフォースを、電磁成形により拡大変形し、アルミ製のバンパーステイに設けられた孔部と嵌合させて接合している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている電磁成形は電気伝導度の良い銅やアルミの中空部品を相手部品にかしめ接合するのに適しており、またその接合メカニズムより、中空部品の断面形状は円形であることが好ましい。
【0008】
しかし、特許文献1の電磁成形による接合では、使用するソレノイドコイルはアルミ部品(アルミパイプ)の内径よりも小さいことが必要になる。小径部品を接合する場合に併せてソレノイドコイルを小径化しようとすると、ソレノイドコイルの製造が困難となり、その性能及び耐久性の点でも問題が生じるおそれがある。特に、導線をソレノイドコイルの形状に成形することが困難になり、導線の材質および断面形状に対する制限が厳しくなるとともに、ソレノイドコイルの形状に成形する際に、導線の断面が変形する。また、大容量の高電圧のコンデンサといった設備が必要となる。さらに、角型断面もしくは穴またはスリットが形成されているアルミ部品を接合することは困難である。
【0009】
また、部材の形状について制限は、電磁成形の場合に限られない。例えば、その他のかしめ接合の場合でも、部材の形状として例えば長尺な部材の場合、かしめ接合する際にプレス機を使用するときは、プレス機には限界ストロークが存在するため、長尺な部材を接合装置に配置できないことが多い。
【0010】
本発明は、各部材に対する負荷を軽減し、接合強度を向上させ、形状および材料についての制限を受けることなく、特に長尺な部材に対しても低コストで二つの部材を接合できる部材の接合方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の部材の接合方法は、孔部が設けられた第1部材と、中空状の第2部材と、ガイド軸部材と、前記ガイド軸部材を挿通可能な貫通孔を有する弾性体と、前記ガイド軸部材を挿通可能な貫通孔を有する第1押子と、前記ガイド軸部材が接続される第2押子と、前記ガイド軸部材を駆動する駆動機構とを準備し、前記第1部材の前記孔部に前記第2部材を挿通し、前記弾性体の前記貫通孔に前記ガイド軸部材を挿通し、前記第2部材の内部に前記ガイド軸部材が挿通された前記弾性体を挿入し、前記第1部材と前記第2部材と前記弾性体と前記ガイド軸部材とが組み合わされた組立体を水平方向に延びるように配置し、前記ガイド軸部材が延びる方向において前記第1押子と前記第2押子とによって前記組立体を挟むように配置し、前記第1押子を固定した状態で前記駆動機構によって前記ガイド軸部材を駆動することで前記ガイド軸部材に接続された前記第2押子を前記第1押子に向かって移動させ、前記第1押子と前記第2押子とによって前記弾性体を前記ガイド軸部材が延びる方向に圧縮して前記ガイド軸部材の径方向外側に向けて膨張させ、それによって前記第2部材の少なくとも前記孔部に挿通された部分を拡大変形させて前記第1部材にかしめ接合することを含む。
【0012】
この方法によれば、弾性体を膨張させて第2部材を均等に拡大変形させることで、局所的な変形を防止し、各部材に対する負荷を軽減できる。これは弾性体の等方変形性を利用し、第2部材を均等に変形できるためである。従って、嵌合精度が向上し、接合強度を向上できる。また、上記方法は電磁成形およびその他の加工方法と比べて有利である。電磁成形は導電材料にのみ使用可能であり、断面形状および寸法についても使用するコイルによって前述のように制約がある。これに対し、この方法は材質によらず、断面形状および寸法に関する制約もない。さらに、大容量のコンデンサを要する電気的な設備も不要であり、低コストで二つの部材を接合できる。また、上記の組立体を水平に配置しているため、例えば取り回しが困難であるような長尺なパイプなどの第2部材を取り扱う際にも困難でない。ここで、水平方向の用語は、厳密な水平方向以外に実質的に水平であると判断可能な傾斜方向も含む。また、第1押子を固定しているので、第2押子に対してのみ力を付加すればガイド軸部材が延びる方向に弾性体を圧縮できるため、一つの駆動機構によって弾性体を両側から圧縮できる。
【0013】
前記駆動機構は、前記ガイド軸部材が延びる方向とは異なる方向に付加された力を前記ガイド軸部材が延びる方向の力に変換するカム機構をさらに備え、前記カム機構により方向変換した力で前記弾性体を圧縮してもよい。
【0014】
この方法によれば、カム機構によってガイド軸部材が延びる方向(水平方向)とは異なる方向に付加された力をガイド軸部材が延びる方向の力に変換できる。通常、圧縮力を付加するプレス機などの加工機は、鉛直方向に圧縮力を付加する。カム機構は、例えばこの通常のプレス機などの加工機によって付加される鉛直方向の力を水平方向の力に変換できる。上記方法では、水平方向に上記の組立体を配置しているため、前述のように例えば長尺な部材の取り扱いが困難となることを防止しつつ、カム機構によって通常のプレス機などの加工機を使用できるため、容易にこの組立体を接合できる。さらに言えば、第2部材が長尺な部材であるとき、鉛直方向に圧縮力を付加する通常の設備では限界ストロークが規定されているため、寸法の制限上かしめ接合できないおそれがある。しかし、上記方法では、カム機構によって力の作用方向を変換できるため、寸法の制限を受けることなくかしめ接合できる。
【0015】
前記駆動機構は、前記弾性体の圧縮を解除する方向へ前記ガイド軸部材および前記第2押子を付勢するための付勢部を備え、前記弾性体の圧縮後に前記駆動機構による前記ガイド軸部材の駆動を解除すると、前記付勢部の付勢力によって前記ガイド軸部材と前記第2押子とを圧縮前の位置に戻してもよい。
【0016】
この方法によれば、付勢部によって第2押子が自動的に元の位置に戻されるため、手動で第2押子を元の位置に戻す必要がなく、作業性を向上できる。
【0017】
前記ガイド軸部材と前記第2押子との間にはボールねじ構造が設けられており、前記駆動機構は、前記ガイド軸部材を回転駆動させることで前記ボールねじ構造によって前記第2押子を前記第1押子に向かって移動させてもよい。
【0018】
この方法によれば、ボールねじ構造を設けているため、駆動機構として回転駆動型のものを使用できる。駆動機構として回転駆動型のものを使用すると、プレス機などのようにストローク長を確保する必要がない。従って、第2部材の長さに拘らず、確実に接合でき、さらに接合のための設備を小型化できる。
【0019】
前記第2部材には、前記第2部材の長手方向に延び、前記第2部材の内部空間を仕切る仕切壁が設けられており、前記弾性体、前記ガイド軸部材、前記第1押子、および前記第2押子は、前記仕切壁によって仕切られた前記内部空間の数に対応してそれぞれ設けられていてもよい。
【0020】
この方法によれば、複数の弾性体を使用してかしめ接合するため、変形に伴う応力の集中を防止し、第1部材及び第2部材に対する負荷を軽減できる。また、仕切壁によって第2部材の剛性を向上させることができるため、接合された際の接合体の強度を向上できる。この方法は、接合体として車両のバンパーのように高い強度と信頼性が求められるものに適用すると有効である。
【0021】
前記ガイド軸部材を水平方向に移動させる移動機構をさらに準備し、前記移動機構により前記ガイド軸部材を水平方向に移動させ、前記ガイド軸部材と、前記ガイド軸部材に挿通された状態の前記弾性体とを前記第2部材の内部に挿入してもよい。
【0022】
この方法によれば、移動機構によりガイド軸部材を水平方向に移動させることで、ガイド軸部材および弾性体を第2部材に確実に挿入できる。これにより、特に、重量または寸法の大きなガイド軸部材および弾性体を取り扱う際の困難を軽減できる。
【0023】
前記第1部材の前記孔部の内形と、前記第2部材の外形とは、相似形であってもよい。
【0024】
この方法によれば、上記のような相似関係にあることで、第2部材を均等に拡大変形して第1部材にかしめ接合でき、第1部材および第2部材に対して局所的な負荷が発生することを防止できる。
【0025】
前記第2部材の外側に外枠金型を配置し、前記第2部材の少なくとも一部を前記外枠金型に沿うように成形してかしめ接合してもよい。
【0026】
この方法によれば、様々な内面形状の外枠金型を使用するなどして、第2部材の外形を任意の形状に変形できる。変形させる形状は部品性能の観点などから適宜選択し、用途に応じた形状に変形できる。
【0027】
前記弾性体は前記第1部材と前記第2部材との接合部で分離されていてもよい。
【0028】
この方法によれば、弾性体が接合部で分離されていることで、接合部の意図しない変形を防止できる。意図しない変形とは、第1部材の変形を意味する。かしめ接合では、第2部材が拡大変形され第1部材に押し当てられることで接合されるが、このとき第1部材が第2部材から力を受けて変形し得る。即ち、接合部において第1部材は力を受けないことが好ましい。そこで、上記方法のように、接合部付近に弾性体を配置しないように弾性体を分離することで、第2部材は接合部付近で弾性体からの拡大変形力を受け難くなり、接合部付近で拡大変形し難くなる。従って、第1部材は、接合部付近で第2部材からの力を受け難くなり、接合部の形状を維持できる。
【0029】
本発明の部材の接合装置は、貫通孔を有する弾性体を使用して、孔部が設けられた第1部材と、中空状の第2部材とをかしめ接合する部材の接合装置であって、前記弾性体の前記貫通孔に挿通可能なガイド軸部材と、前記ガイド軸部材が挿通される貫通孔を有し、位置が固定されており、平坦な第1押圧面を有する第1押子と、前記ガイド軸部材に接続され、位置が可動であり、前記第1押圧面と対向した平坦な第2押圧面を有する第2押子と、前記ガイド軸部材を駆動して前記第2押子を前記第1押子に向かって移動させる駆動機構とを備える。
【0030】
この構成によれば、以下の使用方法に従って第1部材と第2部材とを容易にかしめ接合できる。まず、第1部材の孔部に第2部材が挿通され、かつ、第2部材の内部に弾性体が挿入された組立体を第1押子と第2押子との間に配置する。そして、弾性体の貫通孔にガイド軸部材が挿通された状態で、駆動機構によってガイド軸部材を駆動することでガイド軸部材に接続された第2押子を第1押子に向かって移動させる。次いで、第1押子および第2押子によって弾性体をガイド軸部材が延びる方向に圧縮してガイド軸部材の径方向外側に向けて膨張させ、それによって第2部材の少なくとも孔部に挿通された部分を拡大変形させて第1部材にかしめ接合する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、弾性体を内側から外側に向けて膨張させて第2部材を均等に変形拡大することで、局所的な変形を防止し、各部材に対する負荷を軽減できる。従って、嵌合精度が向上し、接合強度を向上できる。また、電磁成形やその他の加工方法と比べて簡易であり、形状や材料についての制限を受けることなく、低コストで二つの部材を接合できる。特に、第2部材を水平に配置できるため、長尺な部材であっても接合可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本発明の第1実施形態に係る部材の接合方法の接合前の部分断面図。
【
図1B】本発明の第1実施形態に係る部材の接合方法の接合後の部分断面図。
【
図2A】第2実施形態に係る部材の接合方法の接合前の部分断面図。
【
図2B】第2実施形態に係る部材の接合方法の接合後の部分断面図。
【
図3】第3実施形態に係る部材の接合方法における第2部材と弾性体の断面図。
【
図4A】第3実施形態に係る部材の接合方法の接合前の部分断面図。
【
図4B】第3実施形態に係る部材の接合方法の接合前の部分断面図。
【
図5A】第4実施形態に係る部材の接合方法の第1工程の部分断面図。
【
図5B】第4実施形態に係る部材の接合方法の第2工程の部分断面図。
【
図5C】第4実施形態に係る部材の接合方法の第3工程の部分断面図。
【
図5D】第4実施形態に係る部材の接合方法の第4工程の部分断面図。
【
図5E】第4実施形態に係る部材の接合方法の第5工程の部分断面図。
【
図6A】第1部材の孔部の内形と第2部材の外形が相似形の場合の斜視図。
【
図6B】第1部材の孔部の内形と第2部材の外形が非相似形の場合の斜視図。
【
図7A】第1部材がハット型の場合のかしめ接合前の斜視図。
【
図7B】第1部材がハット型の場合のかしめ接合後の斜視図。
【
図8A】第1部材にバーリング加工を施したかしめ接合前の部分断面図。
【
図8B】第1部材にバーリング加工を施したかしめ接合後の部分断面図。
【
図9A】第2部材の外側に外枠金型を配置した場合のかしめ接合前の図。
【
図9B】第2部材の外側に外枠金型を配置した場合のかしめ接合後の図。
【
図10A】第1部材と第2部材との接合部のゴムを分離した場合のかしめ接合前の部分断面図。
【
図10B】第1部材と第2部材との接合部のゴムを分離した場合のかしめ接合後の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の各実施形態は、第1部材10と第2部材20とを、ゴム(弾性体)32を使用して接合する部材の接合方法に関する。以下の各実施形態では、第1部材10および第2部材20の材料は特に限定されず、それぞれ任意の材料に対して本発明の各実施形態に係る部材の接合方法は適用され得る。
【0034】
(第1実施形態)
図1Aおよび
図1Bに示すように、かしめ接合装置30は、ガイド軸部材38と、第1押子34と、第2押子35と、駆動機構36とを備える。ガイド軸部材38は、水平方向に延びる棒状の部材である。ここで、水平方向の用語は、厳密な水平方向以外に実質的に水平であると判断可能な傾斜方向も含む。第1押子34は、概ね円柱状であり、ガイド軸部材38が挿通される円形の貫通孔34aを有し、平坦な第1押圧面34bを有する。また、本実施形態の第1押子34は、位置が固定された立壁部44に取り付けられている。即ち、第1押子34の位置は固定されている。立壁部44には、第1押子34の貫通孔34aと同心に同形状の貫通孔44aが設けられている。後述するように、これらの貫通孔34a,44aにはガイド軸部材38が挿通される。第2押子35は、概ね円柱状であり、ガイド軸部材38と接続されており、かしめ接合の際に第1押圧面34bと対向する平坦な第2押圧面35aを有する。また、本実施形態の第2押子35は、第1押子34とは異なり、ガイド軸部材38と接続されているため、ガイド軸部材38に伴って移動される。従って、このかしめ接合装置30の構成では、ガイド軸部材38が長手方向に押し引きされたとき、ガイド軸部材38は、第1押子34の貫通孔34aおよび立壁部44の貫通孔44a内で摺動し、先端に接続された第2押子35を移動させる。
【0035】
第1部材10は、中空状であり、詳細には円管状であり、水平方向かつガイド軸部材38と同じ方向に延びるように配置されている。
【0036】
第2部材20は、断面矩形の角管状であり、水平方向かつガイド軸部材38と直交する方向に延びるように配置されている。第2部材20は、ガイド軸部材38が延びる方向に貫通されている二つの孔部12aが設けられた端壁12と、二つの端壁12を繋ぐ二つの側壁14とを備える。
【0037】
ゴム32は、円柱状であり、中心にはガイド軸部材38を挿通するための貫通孔32aが設けられている。ゴム32は、水平方向かつガイド軸部材38と同じ方向に延びるように配置されており、貫通孔32aにガイド軸部材38が挿通されることによってガイド軸部材38に支持され、姿勢及び位置が維持される。ゴム32の材質は、例えば、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、CNRゴム(クロロプレンゴム+ニトリルゴム)、またはシリコンゴムのいずれかであることが好ましい。また、これらのゴム32の硬度は、ショアAで30以上であることが好ましい。
【0038】
駆動機構36は、カムドライバ40とカムスライダ42とを備える。カムドライバ40は、立壁部44に隣接しており、立壁部44について第2押子35と反対側に配置されている。カムドライバ40は、立壁部44に沿って鉛直方向に移動可能であり、カムスライダ42に力を伝達するための傾斜面40aをその下部に有する。カムドライバ40には、例えば通常よくプレス加工などに使用されるプレス機械等を使用してもよい。カムスライダ42は、下面に図示しないレール機構を有し、水平方向に移動可能である。ただし、レール機構以外にも例えば車輪などのように移動の際に地面との摩擦力を低減する機構であれば採用可能である。またカムスライダ42は、カムドライバ40から力を伝達されるための傾斜面42aをその上部に有する。そのため、カムドライバ40の傾斜面40aおよびカムスライダ42の傾斜面42aは、互いに対応した傾斜に形成されている。カムスライダ42は、ガイド軸部材38が挿通される貫通孔42bを有している。カムスライダ42の貫通孔42bは、第1押子34の貫通孔34aおよび立壁部44の貫通孔44aと同形状かつ同心に設けられている。そのため、ガイド軸部材38は、カムスライダ42の貫通孔42bと、第1押子34の貫通孔34aと、立壁部44の貫通孔44aとに挿通されることができる。
【0039】
カムドライバ40に鉛直方向(図において下方向)の力が付加されると、傾斜面40a,42aを介してカムドライバ40からカムスライダ42に力が伝達される。これにより、カムドライバ40が鉛直方向(図において下方向)へ移動するとともに、カムスライダ42はガイド軸部材38に沿って水平方向(図において右方向)へ移動する。ここで、ガイド軸部材38の一端は第1押子34に接続されているが、他端はカムスライダ42の外側(立壁部44と反対側)にて貫通孔42bより大きなボルトなどの係止部材39に接続されている。そのため、このようにカムスライダ42が移動すると、係止部材39を介してガイド軸部材38を同じ方向に引っ張り、即ち第2押子35を同じ方向に移動させる。前述のように第1押子34は固定されているため、第2押子35は第1押子34に近づき、第1押子34と第2押子35との間で圧縮力を生成することができる。なお、カムドライバ40およびカムスライダ42は、カム機構の一例である。
【0040】
立壁部44およびカムスライダ42はコイルばね(付勢部)46によって弾性的に接続されている。従って、カムスライダ42は、立壁部44へ向かって付勢されている。
【0041】
第1部材10と第2部材20のかしめ接合は、以下の手順で実行される。
【0042】
まず、第1部材10の孔部12aに第2部材20を挿通し、ゴム32の貫通孔32aにガイド軸部材38を挿通し、第2部材20の内部にガイド軸部材38が挿通されたゴム32を挿入する。このようにして、第1部材10と第2部材20とゴム32とガイド軸部材38とが組み合わされた組立体1を構成する。そして、このように構成された組立体1を水平方向に延びるように配置する。次いで、ガイド軸部材38が延びる方向においてゴム32の両側に第1押子34と第2押子35とを配置する。このとき、第1押子34は立壁部44に固定されているため、位置が固定されているが、第2押子35はガイド軸部材38とともに移動可能に配置されている。このときの状態を示すのが
図1Aである。
【0043】
次に、カムドライバ40に対して鉛直方向(図において下方向)の力を付加し、カムドライバ40を鉛直方向(図において下方向)に移動させ、前述のようにカムドライバ40からカムスライダ42へと力を伝達させ、カムスライダ42を水平方向(図において右方向)へ移動させる。これにより、係止部材39およびガイド軸部材38を介して第2押子35に対して同方向に移動させる力を付加する。このように第2押子35を第1押子34に向かって移動させ、第1押子34と第2押子35とによってゴム32をガイド軸部材38が延びる方向に圧縮してガイド軸部材38の径方向外側に向けて膨張させ、それによって第2部材20の少なくとも孔部12aに挿通された部分を拡大変形させて第1部材10にかしめ接合する。このときの状態を示すのが
図1Bである。
【0044】
かしめ接合後、駆動機構36のカムドライバ40を鉛直方向(図において上方向)に移動させることで、カムスライダ42に付加されていた水平方向(図において右方向)の力が解除され、コイルばね46によりカムスライダ42は元の位置に戻される。第2部材20内で膨張していたゴム32においても、ガイド軸部材38が延びる方向の圧縮力が解除され、径方向に膨張していた状態から自然状態に戻り、第2部材20に対する接触が解かれる。従って、かしめ接合された第1部材10および第2部材20は、ゴム32から摩擦力を受けることなく、かしめ接合装置30から簡単に取り外すことができる。
【0045】
本実施形態の部材の接合方法による効果を説明する。
【0046】
本実施形態によれば、ゴム32を膨張させて第2部材20を均等に拡大変形させることで、局所的な変形を防止し、各部材10,20に対する負荷を軽減できる。これはゴム32の等方変形性を利用し、第2部材20を均等に変形できるためである。従って、嵌合精度が向上し、接合強度を向上できる。また、上記方法は電磁成形およびその他の加工方法と比べて有利である。電磁成形は導電材料にのみ使用可能であり、断面形状および寸法についても使用するコイルによって前述のように制約がある。これに対し、この方法は材質によらず、断面形状および寸法に関する制約もない。さらに、大容量のコンデンサを要する電気的な設備も不要であり、低コストで二つの部材10,20を接合できる。また、上記の組立体1を水平に配置しているため、例えば取り回しが困難であるような長尺なパイプなどの第2部材20を取り扱う際にも困難でない。また、第1押子34を固定しているので、第2押子35に対してのみ力を付加すればガイド軸部材38が延びる方向にゴム32を圧縮できるため、一つの駆動機構36によってゴム32を両側から圧縮できる。
【0047】
また、本実施形態によれば、上記のカム機構によってガイド軸部材38が延びる方向(水平方向)とは異なる鉛直方向に付加された力を水平方向の力に変換できる。通常、圧縮力を付加するプレス機などの加工機は、鉛直方向に圧縮力を付加する。上記のカム機構は、例えばこの通常のプレス機などの加工機によって付加される鉛直方向の力を水平方向の力に変換できる。本実施形態では、水平方向に上記の組立体1を配置しているため、前述のように例えば長尺な第2部材20の取り扱いが困難となることを防止しつつ、上記のカム機構によって通常のプレス機などの加工機を使用できるため、容易にこの組立体1を接合できる。さらに言えば、第2部材20が長尺な部材であるとき、鉛直方向に圧縮力を付加する通常の設備では限界ストロークが規定されているため、寸法の制限上かしめ接合できないおそれがある。しかし、本実施形態では、上記のカム機構によって力の作用方向を変換できるため、寸法の制限を受けることなくかしめ接合できる。
【0048】
また、本実施形態によれば、コイルばね46によって第2押子35が自動的に元の位置に戻されるため、手動で第2押子35を元の位置に戻す必要がなく、作業性を向上できる。
【0049】
(第2実施形態)
図2Aから
図2Bに示す本実施形態のかしめ接合方法は、駆動機構36とガイド軸部材38に関する部分以外の構成は
図1A及び
図1Bの第1実施形態と実質的に同じである。従って、
図1A及び
図1Bに示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0050】
本実施形態では、ガイド軸部材38が回転する。ガイド軸部材38に対して回転トルクを付加するために、駆動機構36は、ハンドル部47と、ハンドル部47を回転駆動させるためのモータ49とを備える。ハンドル部47は、モータ49と機械的に接続されており、モータ49によって回転駆動される。ガイド軸部材38の一端部には第2押子35との間に後述のボールねじ構造が設けられており、他端部にはハンドル部47による把持を可能にするボルトなどの被把持部50が設けられている。
【0051】
上記のボールねじ構造では、ガイド軸部材38に対してねじ溝38aが形成されている。また、本実施形態の第2押子35は、ガイド軸部材38を挿通可能な貫通孔(図示せず)を有し、この貫通孔の内面には対応するねじ山(図示せず)が形成されている。さらに、上記ボールねじ構造では、二つの支持棒48が第2押子35の回転を止めるために設けられており、二つの支持棒48は立壁部44から延びて第1押子34とゴム32とを貫通し第2押子35に接続されている。そのため、第1押子34およびゴム32は、貫通する二つの支持棒48に対応した二つの貫通孔34c,32bをそれぞれ有している。
【0052】
駆動機構36によってガイド軸部材38が回転されると、ガイド軸部材38に接続された第2押子35に対して回転トルクが作用する。しかし、第2押子35は、二つの支持棒48によって回転不能に固定されているため、回転せずにガイド軸部材38のねじ溝38aに従って移動し、即ちガイド軸部材38に沿って水平方向(図において右方向)へ移動する。第1押子34は立壁部44によって位置固定されているため、第2押子35は第1押子34に向かって近づく。従って、第1押子34および第2押子35によってゴム32をガイド軸部材38が延びる方向に圧縮してさらにガイド軸部材38の径方向には膨張させ、第2部材20を拡大変形させることで、第1部材10と第2部材20とをかしめ接合する。
【0053】
本実施形態によれば、上記のボールねじ構造を設けているため、駆動機構36として回転駆動型のものを使用できる。駆動機構36として回転駆動型のものを使用すると、プレス機などのようにストローク長を確保する必要がない。従って、第2部材20の長さに拘らず、確実に接合でき、さらにかしめ接合装置30を小型化できる。
【0054】
(第3実施形態)
図3から
図4Bに示す本実施形態のかしめ接合方法は、第2部材20の内部に仕切壁22が設けられていることに関する部分以外の構成は
図1A及び
図1Bの第1実施形態と実質的に同じである。従って、
図1A及び
図1Bに示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0055】
本実施形態では、第2部材20の長手方向に延び、第2部材20の内部空間を仕切る仕切壁22が設けられている。仕切壁22を設けたことに併せて、ゴム32、ガイド軸部材38、第1押子34、および第2押子35は、仕切壁22によって仕切られた上記内部空間の数に対応してそれぞれ設けられている。ただし、ゴム32と第2部材20の形態は様々に変更可能であり、
図3に示すように、第2部材20は、断面外形が例えば矩形であり、内部空間を四分割する十字型の仕切壁22を有していてもよい。この場合、挿入されるゴム32およびガイド軸部材38もそれぞれ四つずつ必要であり、同様に第1押子34および第2押子35もそれぞれ四つずつ必要である。
【0056】
図4A及び
図4Bに示すように、本実施形態では、ゴム32、ガイド軸部材38、第1押子34、および第2押子35の数が複数設けられているが、数に関する構成以外は本実施形態の構成と実質的に同じである。従って、第1実施形態の部材の接合方法が複数実行されているものと考えることができ、その作用は第1実施形態と実質的に同じである。本実施形態によれば、複数のゴム32を使用しているため、第1実施形態に比べて応力が集中する可能性を低減し、第2部材20を均等に拡大変形でき、局所変形の可能性を一層低減できる。
【0057】
(第4実施形態)
図5Aから
図5Eに示す本実施形態のかしめ接合方法は、プッシャー(移動機構)54に関する部分以外の構成は
図1A及び
図1Bの第1実施形態と実質的に同じである。従って、
図1A及び
図1Bに示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0058】
図5Aから
図5Eは、本実施形態の部材の接合方法の第1工程から第5工程までを示している。本実施形態では、カムスライダ42および立壁部44の下面に車輪42c,44bが取り付けられており、カムスライダ42および立壁部44が車輪42c,44bによって滑らかに水平方向に移動可能である。また、カムドライバ40も図示しないレール機構等により水平方向に移動可能である。
【0059】
カムスライダ42の水平方向において外側(立壁部44と反対側)には、プッシャー54が設けられている。プッシャー54は、ガイド軸部材38を支持し、ガイド軸部材38を水平方向に移動させる。プッシャー54がガイド軸部材38を移動させる方法は任意の方法であり得るが、例えばモータおよびギア等を使用してガイド軸部材38を送り出すかまたは引き入れるようにしてもよい。
【0060】
駆動機構36および立壁部44は、ガイド軸部材38に対して一時的に固定されることができ、即ちガイド軸部材38とともに移動可能である。従って、プッシャー54によるガイド軸部材38の水平移動への押し出し(
図5B矢印参照)に伴い、立壁部44と駆動機構36と第1押子34と第2押子35とは、ガイド軸部材38からこの押し出し力を受ける。そして、これらは、水平方向に相対的な位置を変えることなく、合わせて移動可能であり、即ちかしめ接合装置30が概ね全体として水平方向に移動可能である。
【0061】
図5Aに示す第1工程では、第1部材10の孔部12aに第2部材20を挿通している。
図5Bに示す第2工程では、プッシャー54によってガイド軸部材38を水平方向に移動させ、ガイド軸部材38と、ガイド軸部材38に挿通された状態のゴム32とを第2部材20の内部に挿入している。このとき、駆動機構36および立壁部44は、ガイド軸部材38に対して一時的に固定されており、かしめ接合装置30が概ね全体として移動される。
図5Cに示す第3工程では、駆動機構36によってカムスライダ42を水平方向において外側(立壁部44と反対側)に移動させ、ガイド軸部材38を同方向に引っ張り、第2押子35を同方向に移動させる。このとき、立壁部44の位置は固定されており、立壁部44の下面に取付けられた車輪44bは機能していない。そのため、第1押子34の位置も固定されており、第2押子35が第1押子34に近づくように移動する。従って、ゴム32にガイド軸部材38が延びる方向に圧縮力が付加され、ゴム32がガイド軸部材38の径方向外側へ膨張され、第1部材10と第2部材20がかしめ接合される。
図5Dに示す第4工程では、駆動機構36によって付与されたガイド軸部材38が延びる方向のゴム32への圧縮力を解除し、ゴム32を自然状態に戻している。
図5Eに示す第5工程では、プッシャー54によりかしめ接合装置30を移動し、第2部材20からゴム32を引き抜いている。
【0062】
本実施形態によれば、プッシャー54によりガイド軸部材38を水平方向に移動させることで、ガイド軸部材38およびゴム32を第2部材20に確実に挿入できる。これにより、特に、重量または寸法の大きなガイド軸部材38およびゴム32を取り扱う際の困難を軽減できる。
【0063】
(適用対象の様々な変形例)
既に説明した第1から第4実施形態の部材の接合方法は、様々な対象に対して適用可能である。例えば、第1部材10を車両のバンパーリインフォースとし、第2部材20をバンパーステイとしてもよい。また、適用対象の形状についての様々な変形例について
図6A〜10Bを参照して説明する。
【0064】
図6Aおよび
図6Bに示すように、第1部材10および第2部材20の形状は様々であり得る。例えば、図示のように、第1部材10は板状であってもよい。好ましくは、
図6Aに示すように、第1部材10の孔部12aと、第2部材20の長手方向に垂直な断面外形とは、相似形(例えば共に円形)である。上記のような相似関係にあることで、第2部材20を均等に拡大変形して第1部材10にかしめ接合でき、第1部材10および第2部材20に対して局所的な負荷が発生することを防止できる。ただし、
図6Bに示すように、第1部材10の孔部12aと、第2部材20の断面外形とが、相似形でない場合(例えば、円形と四角形の場合)も本発明は適用可能である。
【0065】
図7Aおよび
図7Bに示すように、第1部材10は、ハット型でもあり得る。即ち、第1部材10は、チャネル形状を有するチャネル部16aと、チャネル部16aに対して例えば溶接等によって接合された板状の蓋部16bとを備えてもよい。
【0066】
図8Aおよび
図8Bに示すように、第1部材10の孔部12aにはバーリング加工が施されていてもよい。第1部材10の孔部12aの縁をバーリング加工することで、第1部材10の孔部12aの強度を向上できるため第1部材10の変形を防止し、第1部材10の変形に伴う第2部材20の損傷を防止できる。さらに、バーリング加工により接合面積が増大するため、接合強度を向上させることができる。
【0067】
図9Aおよび
図9Bに示すように、外枠金型52を使用して第1部材10と第2部材20をかしめ接合してもよい。本変形例の外枠金型52は、第2部材20と同心の円筒状であるが、その他の任意の形状であってもよい。外枠金型52は、第2部材20の径方向外側に配置されている。
図9Aに示すようにゴム32を水平方向に圧縮して径方向外側へ膨張させる前の状態では、第2部材20と外枠金型52の間には隙間Sが設けられている。この状態から、
図9Bに示すように、第1押子34および第2押子35によりゴム32を第2部材20の長手方向に圧縮して径方向外側には膨張させることで、第2部材20を外枠金型52に沿うように成形してかしめ接合する。これにより、様々な内面形状の外枠金型52を使用するなどして、第2部材20の外形を任意の形状に変形できる。変形させる形状は部品性能の観点などから適宜選択し、用途に応じた形状に変形できる。
【0068】
図10Aおよび
図10Bに示すように、ゴム32は孔部12a(即ち接合部)の付近で分離されていてもよい。これにより、ゴム32が接合部の付近で分離されていることで、接合部の意図しない変形を防止できる。意図しない変形とは、第1部材10の変形を意味する。かしめ接合では、第2部材20が拡大変形され第1部材10に押し当てられることで接合されるが、このとき第1部材10が第2部材20から力を受けて変形し得る。即ち、接合部において第1部材10は力を受けないことが好ましい。そこで、上記方法のように、接合部付近にゴム32を配置しないようにゴム32を分離することで、第2部材20は接合部付近でゴム32からの拡大変形力を受け難くなり、接合部付近で拡大変形し難くなる。従って、第1部材10は、接合部付近で第2部材20からの力を受け難くなり、接合部の形状を維持できる。
【0069】
以上より、本発明の具体的な実施形態やその変形例について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、個々の実施形態および変形例の内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。