(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第3の細長いチャネル及び第3のアンカーチャネルをさらに備え、前記第3のアンカーチャネルは、ガイド部材が前記第3の細長いチャネル及び前記第3のアンカーチャネルを通って、前記第1及び第2の長手方向軸と並行である第3の長手方向軸に沿って延在することができるように、前記第3の細長いチャネルと位置合わせし、前記第3のアンカーチャネルは、第3の椎骨アンカーを前記第1の椎体の中に付勢するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その実施例を添付図面に示す。可能な限り、同じ参照番号は、図面全体を通して同じまたは類似の部品を指すために使用される。
【0008】
図1〜
図8は、本開示による椎間スペーサー10の様々な図を示す。
図1〜
図8に示す椎間スペーサー10は、例えば、椎間板切除術後に骨格的に成熟した個体において構造的安定性を提供するために使用されるスタンドアロン型の前腰椎体間スペーサーであってもよい。これらの椎間スペーサーは、多様な患者の解剖学的ニーズに適合するように、様々な高さ及び幾何学的形状で利用することができる。具体的には、椎間スペーサー10の一実施形態が
図1〜8に示されている。椎間スペーサー10は、一般的に、2つの隣接する椎体間の椎間腔内に位置決めされ得る。図に示すように、椎間スペーサー10は、スペーサー部分12及びプレート部分14を備えることができる。一実施例では、スペーサー部分12は、例えば骨移植片または骨成長誘導材料を配置するための移植片窓11を備えることができ、隣接する2つの椎体間の融合を促進する。
【0009】
スペーサー部分12は、2つの隣接する椎体間の融合強化に寄与する任意の材料で構成することができる。ある特定の実施形態では、スペーサー部分12はPEEK材料で作られており、この材料は生理学的に適合可能である。生理学的に適合性のあるいずれの他の材料も使用できることに留意すべきである。スペーサー部分12は、X線撮影視覚化、または他の適切なX線撮影マーカーを可能にするタンタルピンを含むことができる。スペーサー部分12はさらに、例えば突起13(例えば、リブ、隆起、または他のテクスチャなど)のような複数の幾何学的構成を備えた上面及び下面を含み得る。スペーサー部分12の上面及び下面は、隣接する椎体の椎骨端板とのより大きな接触のために2重凸形であってもよい。突起13は、隣接する椎体の各々に対してスペーサー部分12をさらに堅固に固定するための任意のサイズまたは形状に構成することができる。各インプラントの上面及び下面の突起13は、隣接する椎体の端板を把持して、排除抵抗に役立ち得る。
【0010】
プレート部分14は、任意の生理学的に適合性のある材料で構成することもできる。一実施例では、椎間スペーサー10のプレート部分14はチタンで形成してもよい。プレート部分14は、少なくとも複数のボア26を備えることができる。いくつかの実施形態ではプレート部分14が複数のボア26を備えており、そのような実施形態では、1つ以上のボア26が締結具上の対応するねじ山を受容するためにねじ山を備えていてもよく、あるいは備えていなくてもよい。すなわち、いくつかの実施例においては、ボア26のうちの1つ以上が、そこを通って配置される締結部材(例えば、線形骨ねじ)の機能(例えば、対応するねじ山)を受容するように構成された機能(例えば、ねじ山)と相互に作用することができる。ボア26は実質的に直線状であってもよい。このような構成では、ボア26が線状締結部材及び曲線状締結部材の両方を受容することを可能にする。すなわち、所与のボア26は、オペレータ、外科医、医師等の裁量で線状締結部材(例えば、ねじ)または曲線状締結部材(以下に詳述する)のいずれかを受容するように構成することができる。一実施形態では、例えば、ねじ山が締結部材(例えば、線状締結部材または骨ねじ)のねじ山と係合するように構成されるように、ボア26は1つ以上の機能を含むことができる。さらに、いくつかの実施例では、所与のボア26の間に配置された曲線状締結部材は、所与のボア26のねじと係合しないように構成してもよい。さらには、ボア26の各々は、その中に配置されたときに曲線状締結部材が回転してしまうことを防止するように、曲線状締結部材の調和を図った機能と噛み合うように構成されたロッキング機能を含んでいてもよい。一実施例では、ボア26の各々が、その中に配置された凹部(図示せず)を有する周壁によって画定されてもよい。凹部は、曲線状締結部材が回転することを阻止するために曲線状締結部材から延びる突出部を受容するように構成してもよい。一実施例では、3つのボア26が設けられている。また別の実施例では、2つの外側のボア26が中央のボア26を取り囲むようにしてもよい。2つの外側のボア26は、締結部材(例えば、
図29〜
図36を参照して説明する椎骨アンカー300、または骨ねじ)を
図14に示す第1の軌道40に沿って(例えば、椎間スペーサー10の上面及び下面の一方に向かって)案内するように角度付けされる一方、中央のボア26は、締結部材を第2の軌道42に沿って(例えば、椎間スペーサー10の上面及び下面の他方に向かって)案内するように角度付けされてもよいし、逆もまた同様である。いくつかの実施例では、全てのボア26が同じ軌道に沿ってそれぞれの締結具を案内することができる。ボア26は、直線状の長手方向締結部材(例えば、ねじ、ピンなど)及び/または湾曲を示す締結部材(例えば、
図1〜
図8に示す椎骨アンカー300)を収容することができる。いくつかの実施例では、椎骨アンカー300と従来のねじの組み合わせを使用して、同じ椎間スペーサー10を取り付けることができる。
【0011】
また、椎間スペーサー10のプレート部分14には、締結具の抜け止め機構を設けてもよい。締結具の抜け止め機構には1つ以上のねじ16を含めることができ、それぞれがヘッド部24とねじ山22aを有するシャンク22とを備えている。シャンク22は、プレート部分14の第1の側面44からプレート部分14の第2の側面46に向かって延在するボア48(
図8に示す)によって受容されることができる。シャンク22はまた、ねじ付きボア18a(
図1に示す)を有するナット18によって受容されることができる。ナット18は、実質的に矩形の断面を有してもよく、または他の適切な形状を呈してもよい。ナット18は、プレート部分14の第2の側面46の凹部20内に固定することができる。しかし、いずれの他の適切な機構によってもねじ16をプレート部分14に固定することができると考えられる。ヘッド部分24は、特定の構成(例えば、ブロッキング構成)に配置されたときに締結部材がボア26から後退することを防止し得るように、ほぼ矩形の断面を有することができる。例えば、
図8を参照すると、ねじ16のヘッド部分24は、ボア26のもう1つの開口部の少なくとも一部を覆い隠し、カバーし、及び/またはブロックして、ボア26を通って伸長する締結部材(例えば、椎骨アンカー300または骨ねじ)がプレート部分14及び椎体から後退することを防止する。いくつかの実施例では、単一のヘッド部分24が、2つの隣接するボア26(例えば、外側のボア26及び中央のボア26の両方)に少なくとも部分的に延在し、これにより、ブロッキング構成に配置される間には1つ以上のボア26の開口部を同時にブロックする。ヘッド部分24は、ヘッド部分を例えば90度または別の適切な度合いに回転させることによって、ブロッキング状態から非ブロッキング状態に移動させることができる。長方形として図示されているが、ヘッド部分24は、例えば円筒形などの他の適切な細長い形状に形成してもよいことが企図される。
図8の実施例では、プレート部分14は、ボア48(
図8に示された)の2つのねじ16を受容するように構成することができる。各ねじ16は、外側のボア26及び中央のボア26に配置された締結部材をブロックするように構成され、外側のボア26の各々が単一のねじ16によってブロックされ、中央のボア26が両方のねじ16によってブロックされる。
【0012】
所望であれば、結合機構がスペーサー部分12とプレート部分14とを互いに強固に接続することができる。
図2を参照すると、結合機構は、スペーサー部分12を貫通して配置された対応する凹部36と、プレート部分14の少なくとも一部を貫通して配置された凹部38を通って延長する1つ以上の締結部材34を含むことができる。一実施例では、締結部材26は、スペーサー部分12の上面及び下面を貫通して(凹部36を介して)延在し、プレート部分14の凹部38によって受容され、それによりスペーサー部分12とプレート部分14を結合することができる。凹部38及び締結部材26は、プレート部分14とスペーサー部分12との結合を容易にするための最適な一致機能(例えば、ねじ山)を有することが考えられる。
図2に示す実施例では、プレート部分14は、3つのボアセクション28、30、32によって形成してもよい。ボアセクション28、30、及び32は、一体的に形成されてもよく、またはスペーサー部分12と分離可能であってもよい。一実施例では、ボアセクション28はスペーサー部分12と一体にすることができる一方、ボアセクション30及び32は、締結部材34ならびに、凹部36及び38を介してスペーサー部分12と取り外し可能なものとすることができる。一実施例では、取り外し可能なボアセクション30及び32は、第1の出口軌道40に沿って椎骨アンカー300または骨ねじを案内するように構成された外側のボア26を備えることができ、また、ボアセクション28は、第2の出口軌道42に沿って椎骨アンカー300または骨ねじを案内するように構成された中央のボア26を備えることができる。さらに、1つ以上のボアセクション28、30及び32は、スペーサー部分12のスロットまたは他の開口部を貫通して延長するように構成された部分を含むことができる。このような実施例では、ボアセクションに関連する凹部36、38などは、スペーサー部分12を貫通して形成された凹部と位置合わせし、締結部材34を受容することができるようになっている。
【0013】
プレート部分14はまた、プレート部分14をアンカー挿入デバイス100に結合するための結合機能を含み得るが、これについては
図10〜23を参照しながらさらに後述する。
図8に示すように、プレート部分14は、プレート部分14の外面に配置された開口部を有するチャネル(例えば、スナップ嵌めチャネル)50を備えることができる。チャネル50は、アンカー挿入デバイス100の延長部(例えば、カンチレバー及び/またはスナップ嵌め延長部)を受容し、プレート部分14をアンカー挿入デバイス100に結合するように構成することもできる。いくつかの実施例では、チャネル50は、プレート部分14のボアセクション30に配置してもよい。引き続き
図8を参照すると、チャネル50は概して卵形の開口部を有することができるが、例えば、円形、正方形、長方形、星形などの他の適切な開口構成も考えられる。プレート部分14はまた、プレート部分14の外面を貫通して配置された開口部を有するボア52(例えば、ねじ付きボア)を含んでもよい。一実施例では、ボア52は、プレート部分14のボアセクション32を貫通して配置することができる。
【0014】
例示的な方法では、医師、外科医、または他の適切なオペレータは、とりわけ、2つの椎体間の固有な椎間板を除去することができる。次いで、オペレータは、除去された固有の椎間板を置き換えるために、所与の椎間スペーサー、例えば、椎間スペーサー10を選択することができる。周囲の椎体及び/または解剖学的構造の幾何学的形状に基づいて、オペレータは、線状締結部材(例えば、線形骨ねじ)、曲線状締結部材(例えば、椎骨アンカー300または400)、または線状締結部材と曲線状締結部材の組み合わせが椎体間における椎間スペーサー10の最適な適合及び固定を提供することを見極める。例えば、1つ以上の椎体における脊柱の湾曲は、線状締結部材を設置するために使用される工具及び駆動部材の使用を実質的に阻害し得る。そのような実施例では、椎間スペーサー10を固定するために、曲線状締結部材を選択することができる。曲線状締結部材は、線状締結部材を受容するように構成され得る同じ線状ボア26を通して取り付けることができる。さらに、直線状の軌道のみに沿って延在することができるガイド部材を用いる位置決め部材(
図10を参照して説明する)と共に、線状のボアを通して曲線状締結部材を取り付けることができる。
【0015】
一実施例では、椎間スペーサー10を、椎間腔を画定する1つの椎体に固定するために1つ以上の曲線状締結具を使用することができる一方で、椎間スペーサー10を、椎間腔を画定する他の椎体に固定するためには1つ以上の線形締結具を使用することができる。例えば、曲線状締結具が外側のボア26を通って延長されてもよく、その一方で線状締結具は中央のボア26を通って延長している。代わりに、線状締結部材が外側のボア26を通って延長している一方で、曲線状締結部材は中央のボア26を通って延長している。さらに別の実施例では、線状締結部材と曲線状締結部材の両方を用いて、同じ椎間スペーサーを所定の椎体に固定することができる。すなわち、曲線状締結部材が外側のボア26を通って延在している一方で、直線状締結部材は他の外側のボア26を通って延在している。
【0016】
図9は本開示の実施例による椎間スペーサー90を示している。いくつかの実施例では、椎間スペーサー90は、椎間スペーサー10と実質的に同様であってもよく、または別の適切な椎間スペーサーであってもよい。
図9に示す実施例では、スペーサー90は、空洞91を画定するほぼ長方形のスペーサーであってもよい。空洞91は、骨移植片または骨成長誘導材料で充填することができる。スペーサー90は、とりわけ、1つ以上の下面、上面、両凸面を含むことができる。いくつかの実施例では、本開示に記載されたスペーサー90の表面または任意の他の骨接触面には、歯、畝、摩擦増大要素、キール、あるいは把持または調達突起のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0017】
スペーサー90にはプレート部分92が含まれ、これには椎間スペーサー10のプレート部分14に関して説明した1つ以上の機能を含めることができる。一実施例においては、1つ以上のボア93がプレート部分92を貫通して配置され得る。
図9は2つのボア93を示しているが、当業者であれば任意の適切な数のボアを備えることが可能であると認識するであろう。ボア93は、椎間スペーサー10のボア26を参照して説明した1つ以上の機能を備えることができる。2つのボア93は、異なる軌道に沿って締結部材(例えば、椎骨アンカー300または骨ねじ)を案内するように角度を付けることができる。例えば、一方のボア93は締結部材を第1の軌道に沿って(例えば、椎間スペーサー90の上面または下面の一方に向かって)付勢するように角度付けるすることができ、他方のボア93は、第2の軌道(例えば、椎間スペーサー90の他方の上面及び下面に向かって)付勢するように角度付けすることができる。ボア93は、直線状の長手方向締結部材(例えば、ねじ、ピンなど)及び/または湾曲を示す締結部材(例えば、椎骨アンカー300または400)を収容することができる。いくつかの実施例では、椎骨アンカー300または400と従来のねじの組み合わせを使用して、
図25に示すような同じ椎間スペーサー90を取り付けることができる。ボア93を画定する周壁は、内部に配置された1つ以上の凹部94をさらに含むことができる。1つ以上の凹部94は、椎骨アンカー400のヘッド部406上に配置された1つ以上の突起460を受容するように構成することができる(
図37〜40を参照して説明する)。このようにして、いくつかの実施例では、突起460を受容するために凹部94は部分的に球形であり得る。しかしながら、凹部94は、突起460を受容するように構成された任意の適切な形状に形成され得ることが企図される。プレート部分92はまた、プレート部分92の外面に配置された開口部を有するボア95を含んでいてもよい。ボア95は、1つ以上の機能、例えば詳細を後述する挿入デバイス200と係合するためのねじ山または他の機能を備えることができる。椎間スペーサー90はまた、例えば
図1〜8を参照して説明したねじ16のように、締結部材がボア93から抜けてしまうのを防止するように構成された1つ以上の機能を含み得る。
【0018】
椎間スペーサー90は、椎間スペーサー10と実質的に同様の態様で、2つの椎体間の椎間腔に挿入されてもよい。一実施例では、椎間スペーサー90を、椎間腔を画定する1つの椎体に固定するために1つ以上の曲線状締結具を使用しながら、椎間スペーサー90を、椎間腔を画定する他の椎体に固定するために1つ以上の線状締結具を使用することができる。例えば、曲線状締結具が一方のボア93を通って延長すると共に、線状締結具は他方のボア93を通って延長してもよい。
【0019】
挿入デバイス100は
図10に示されるが、これは椎間スペーサーのプレート部分(例えば、椎間スペーサー10のプレート部分14)を通って、そして椎体を通って椎骨アンカー300を位置決めするために使用することができる。挿入デバイス100は、後端102から先端104に向かって延在してもよい。後端ハウジング106は後端102に配置することができ、1つ以上の細長いチャネル108を画定することができる。図示の実施形態では3本の細長いチャネル108が示されているが、任意の他の適切な数の細長いチャネル108を、後端ハウジング106を通して配置することができる。細長いチャネル108の各々は、そこを通してガイド部材110を受容することができる。ガイド部材110は、ヘッド部分112と、ヘッド部分112から離れて延びる細長い部分114とを備え得る。いくつかの実施例では、ヘッド部分112は、叩き部材(例えば、ハンマー等)の力を受容するように構成された1つ以上の扁平で強化された表面を備えていてもよい。細長い部分114は、1つ以上の細長いチャネル108を通って先端104に向かって延在し得る。細長い部分114の遠心端または先端は、段部132(
図18に示す)を含むことができる。段部132は、垂直壁130によって細長い部分114の残りの部分から分離され得る。いくつかの実施例では、段部132は、細長い部分114の残りの部分と比較してより小さい断面寸法(例えば、厚さまたは幅)を呈していてもよい。
【0020】
接続ハウジング115は、後端ハウジング106から先端に104に配置されたアンカーハウジング116に向かって延在し得る。いくつかの実施例では、接続ハウジング115は、アンカーハウジング116内に配置された対応する数のアンカーチャネル118(
図11を参照)に細長いチャネル108を位置合わせするように構成された位置合わせシャフトであってもよい。
図10に示される実施形態では、接続ハウジング115は、細長いチャネル108の1つのみから延在して、後端ハウジング106をアンカーハウジング116に結合する。しかしながら、当業者であれば、シャフト116は、2つ以上の細長いチャネル108からアンカーハウジング116に向かって延在することができることを理解するであろう。ガイド部材110は、細長いチャネル108を通って、接続ハウジング115を通って、そしてアンカーチャネル118内に延在してもよく、そこでは
図18〜23を参照してさらに説明するように、アンカーチャネルは、椎体を通して椎骨アンカー300を挿入する直前に椎骨アンカー300と接触し得る。いくつかの実施例では、接続ハウジング115は、後端ハウジング106内における特定の細長いチャネル108をアンカーハウジング116内に配置されたアンカーチャネル118とただ単に位置合わせすることができる。このような実施例では、ガイド部材110の細長い部分114は細長いチャネル108の先端から抜け出て、アンカーチャネル118の後端部に入る前に、開放されかつ閉じ込められていない空間を通って延在する。
【0021】
図11に最もよく示されているように、アンカーハウジング116は、1つ以上のアンカーチャネル118を含み得る。各アンカーチャネル118は、アンカーハウジング116の長さに沿って可変の断面を有してもよい。いくつかの実施例では、アンカーチャネル118の所定の断面はT形状または他の適切な断面であってもよい。アンカーチャネル118の先端における曲率は、曲線アンカー(例えば、
図29に示すアンカー300)のある部分に対して相補的であってもよい。これらの部分は、
図29及び31に示される細長いシャンク308及び細長いフィン310を含むことができる。すなわち、アンカーチャネル118は、椎骨アンカー300の細長いシャンク308と相補的な凹面119によって画定されてもよい。例えば、各チャネル118の横方向に延在する部分148は、湾曲した細長いシャンク308を補足しかつ受容するように構成し、各チャネル118の垂直方向に延在する部分126は、湾曲した細長いフィン310を受容し得る。したがって、脊骨アンカー300は各アンカーチャネル118内に配置することができ、所定の出口軌道に沿ってアンカーチャネル118から抜け出ることができる。いくつかのアンカーチャネル118は、椎骨アンカー300を第1の出口軌道120に沿って付勢し、他の出口チャネル118は、椎骨アンカー300を第2の出口軌道122に沿って付勢することができる。第1の出口軌道120は、アンカーハウジング116の先端から第1の垂直方向に延長し、一方では第2の異なる出口軌道122がアンカーハウジング116の後端から第2の垂直方向に延在することができる。所与のアンカーハウジング116は複数のアンカーチャネル118を備えることができ、アンカーチャネル118は、全ての椎骨アンカー300を第1の出口軌道120に沿って導き、全ての椎骨アンカー300を第2の出口軌道122に沿って導き、あるいはいくつかの椎骨アンカー300を第1の出口軌道120に沿って導き、いくつかの椎骨アンカー300を第2の出口軌道122に沿って導くことができる。第1の出口軌道120及び第2の出口軌道122の各々は、挿入デバイス100及び/またはガイド部材110の長手方向軸と交差し得る。一実施例では、横方向に隣接するアンカーチャネル118は、異なる出口軌道に沿って椎骨アンカー300を向けるように構成することもできる。
図11〜14に示す例示的な実施形態では、アンカーハウジング116が3つのアンカーチャネル118を備えることができる。2つの外側アンカーチャネル118は、内側アンカーチャネル118から横方向にずれていてもよい。外側アンカーチャネル118は椎骨アンカー300を第1の出口軌道120に沿って付勢し、内側アンカーチャネル118は椎骨アンカー300を第2の出口軌道122に沿ってそれぞれ付勢することができる。アンカーチャネル118は、アンカーチャネル118の壁から半径方向内側に延在するストッパ壁146(
図18〜23に示す)をさらに備えることができる。ストッパ壁146は細長い部分114(ガイド部材110の)の垂直壁に当接して、細長い部分114がオペレータによって患者の遠すぎる遠位に挿入されるのを防止するように構成されてもよい。したがって、ストッパ壁146はまた、細長い部分114によって、うかつな過度の力が椎間スペーサー10または椎体に加えられるのを防ぐことができる。
【0022】
アンカーハウジング116は、椎間スペーサー10のプレート部分14上に配置された対応の機能と係合する1つ以上の機能を呈することができる。一実施例では、延長部117(例えば、片持ちのスナップ嵌め延長部117)は、アンカーハウジング116の先端部(例えば、遠位面)から長手方向外側に延在することができる。延長部117は、スナップ嵌めまたは他の適切な係合でプレート部分14のチャネル50と係合するように構成された1つ以上の表面を備えていてもよい。アンカーハウジング116はまた、アンカーハウジング116の前端面から長手方向外側に延在するねじ付きシャンク113を備えることができる。いくつかの実施例では、ねじ付きシャンク113は、プレート部分14のボア52によって受容されてもよい。スナップ嵌め及びねじ付き接続は図示された実施例に開示されているが、アンカーハウジング116をプレート部分14に結合するために、任意の他の追加のまたは代替タイプの係合を用いてもよいことに留意されたい。
【0023】
アンカーハウジング116はまた、
図18に示すように1つ以上の位置決め部材138を備えることができる。各位置決め部材138は、それぞれのアンカーチャネル118内に椎骨アンカー300を固定することができる。したがって、各アンカーチャネル138は、それ自体のそれぞれの位置決め部材118と関連付けることができる。一実施例では、位置決め部材138は、リンケージまたはヒンジ140を介してアンカーハウジング116の先端部分に結合されている細長いカンチレバー(片持ばり)であってもよい。いくつかの実施例では、リンケージまたはヒンジ140は、ばね付勢のリンケージであってもよく、または別の適切なヒンジまたはリンケージであってもよい。位置決め部材138は、リンケージ140から後端部102に向かって延在することができる。その近位端または後端において、位置決め部材138は、傾斜部142及び凹部によって傾斜部142から離間された延長部144を含むことができる。傾斜部142は、ガイド部材110の細長い部分114と係合するように構成された傾斜面であってもよい。位置決め部材138は、傾斜部142がガイド部材110の細長い部分114と係合したときに、リンケージ140の周りで旋回してアンカーチャネル118の内部から離れるように構成されていてもよい。いくつかの実施例では、位置決め部材138は、関連するアンカーチャネル118の出口軌道とは反対の方向に旋回することができる。すなわち、所与のアンカーチャネル118が椎骨アンカーを第1の軌道120に沿って椎体に案内するように構成されている場合、その細長いチャネルの関連する位置決め部材138は、第1の軌道120の垂直ベクトルとは反対の垂直方向に、リンケージ140を中心に旋回することができる。一方で、所与のアンカーチャネル118が椎骨アンカー300を第2の軌道122に沿って案内するように構成されている場合、そのアンカーチャネル118の関連する位置決め部材138は、第2の軌道122の垂直ベクトルとは反対の垂直方向に旋回するように構成することができる。延長部144は、あらゆる適切な構成(例えば、ボールなど)を含み、溝318を介して椎骨アンカー300に解放可能な態様で結合されるように構成されてもよい。
【0024】
椎骨アンカー300は、アンカーハウジング116を椎間スペーサー10のプレート部分14に結合する前に、アンカーチャネル118に装填することができる。椎骨アンカー300は、必要に応じて、アンカーハウジング116の後端または先端のいずれかから装填することができる。いくつかの実施例では、椎骨アンカー300は、ばね懸架式ブロック装置によって装填されてもよい。一実施例では、椎骨アンカー300は、椎骨アンカーの後端部302が最初に挿入されるように、アンカーハウジング116の先端に装填されてもよい。すなわち、椎骨アンカー300の後端302は、先端304の前でアンカーチャネル118に装填されてもよい。したがって、椎骨アンカー300は、椎骨アンカー300が体内に挿入されるのとは反対方向に装填されるように、逆の方法で装填され得る。椎骨アンカー300がアンカーチャネル116を通って近位に移動すると、溝318は位置決め部材138の延長部144に結合され得る。延長部144の溝318へのドッキング、嵌合、または接続は、椎骨アンカー300が椎体を通して挿入されるに至るまで、椎骨アンカー300をアンカーチャネル118内に固定してもよい。一実施例では、延長部144はボールであってもよく、椎骨アンカー300の溝318は、延長部144及び溝318がボールとソケットジョイントを形成するようなソケットであってもよい。しかし、当業者は、あらゆる他の適切な形態の解放可能な接続が利用可能であることを理解するであろう。
【0025】
アンカーハウジング116を椎間スペーサー10に結合して、椎骨アンカー300を体内に装着することができる。アンカーハウジング116及びプレート部分14は、アンカーハウジング116のチャネル118をプレート部分14のボア26と位置合わせするように、延長部117とチャネル50を介して、及び/またはシャンク113とボア52を介して位置合わせされてもよい。チャネル118とボア26との位置合わせにより、1つ以上の椎骨アンカー300を、チャネル118からプレート部分14の対応するボア26を通って椎体に導くことができる。さらに、所与のチャネル118の出口軌道が位置合わせされたボア26の出口軌道と位置合わせされ得るように(例えば、同一線上または同一平面上に)、アンカーハウジング116とプレート部分14とを位置合わせすることができる。いくつかの実施例では、アンカーハウジング116内に配置されたチャネル118の数は、ボア26の数に正確に一致させることができる。しかしながら、チャネル118とボア26との間に正確な一致が存在しないことが考えられる。例えば、アンカーハウジング116には、プレート部分のボア26よりも少ないチャネル118しか備えられていない場合である。このような実施例では、アンカーハウジング116は、いくつかの異なる構成でプレート部分14に結合されてもよい。そのような実施例では、椎骨アンカー300が椎体を通して挿入された後、アンカーハウジング116はプレート部分14から切り離され、新しい椎骨アンカー300で再装填され、異なる位置でプレート部分14に再結合される。
【0026】
引き続き
図18〜23を参照するが、挿入デバイス100を介して椎骨アンカー300を位置決めする例示的な方法が示されている。
図18を参照すると、椎骨アンカー300がアンカーチャネル118内に装填されている状態が示されている。椎骨アンカー300は、上述したように、椎骨アンカー300の溝318との延長部144の結合を介してアンカーチャネル118内に固定され得る。次に、ガイド部材110の細長い部分114は、細長い部分114の遠位端が傾斜部142と接触するように遠位に(例えば、先端304の方向に)前進することができる(
図19及び
図20)。いくつかの実施例では、細長い部分114の段差部分132は、傾斜部142に接触することができる。細長い部分114は、さらに遠位方向に前進して、傾斜部142を鉛直上方に摺動させ、それにより、椎骨アンカー300の溝318から延長部144を係脱する(
図20)。細長い部分114がさらに遠位に前進すると、細長い部分114の遠位端は、椎骨アンカーの後端302に当接する(
図21)。いくつかの実施例では、細長い部分114の段差部分132は、椎骨アンカー300のヘッド部分306に当接することができる。延長部144から切り離されると、椎骨アンカー300は、アンカーハウジング116の先端とアンカーチャネル118から前進し(
図22)、
図23に示すように所定の出口軌道(例えば、軌道120または122)に沿って椎体(図示せず)に最終的に挿入される。椎体を通って1つの椎骨アンカー300を嵌入した後、同じガイド部材110(及び細長い部分114)を引き抜き、異なる細長いチャネル108及びアンカーチャネル118(もう1つの予荷重された椎骨アンカー300を有する)を通して再挿入することができ、所望であれば、異なる椎骨アンカー300を嵌入する。あるいは、それぞれの細長いチャネルが専用のガイド部材110を含んでいてもよい。
【0027】
挿入デバイス200の一実施形態を
図24〜28に示す。挿入デバイス200は、第1の後端部202から第2の前端部204に向かって延在することができる。基部206は、近位環状リム208及びそこから延びる基部シャフト209を備えることができる。位置合わせシャフト210は、ベースシャフト209から延在してもよい。
図24に示す実施例では、位置合わせシャフト210の先端204は、位置合わせシャフト210の後端よりも小さい直径を呈し得るが、実質的に一定の直径のシャフト210を呈する他の適切な構成も考えられる。いくつかの実施例では、位置合わせシャフト210は、1つ以上の長手方向に延びるウインドー218であってもよい。いくつかの実施例では、位置合わせシャフト210は、その中に駆動機構216を収容する中空の細長いシャフトであってもよい。駆動機構216は、位置合わせシャフト210の先端に配置されたカップリング222を作動させるように構成することができる。駆動機構216は、カップリング222を引っ込んだ状態と拡張した状態との間を往復動させるように構成されたばね懸架式駆動シャフトであってもよい。拡張構成では、カップリング222は、例えば、椎間スペーサー90のボア95と係合して、挿入デバイス200を椎間スペーサー90に結合し得る。カップリング222がボア95に係合している間、駆動機構216はカップリング222を引っ込めた状態に移動させ、挿入デバイス200を椎間スペーサー90から係脱する。
【0028】
位置合わせシャフト210の先端204に配置されたアンカーハウジング220にカップリング222を配置することができる。アンカーハウジング220は、少なくとも1つのアンカーチャネル224を備えることができる。アンカーチャネル224は、挿入デバイス100のアンカーチャネル118について説明する1つ以上の機能を含み得る。例えば、アンカーチャネル224は、その長さに沿って可変の断面を有してもよく、例えば、
図37に示されるスペーサー400の細長いシャンク408に相補的な凹面230(
図26〜28に示される)を有してもよい。例えば、アンカーチャネル224の横方向に延びる部分は、湾曲した細長いシャンク408を受容することができる。ガイド部材110と実質的に同一であり得るガイド部材228は、アンカーチャネル224を通って挿入することができ、その中に配置されたアンカーの展開を支援する。
【0029】
挿入デバイス200は、確実なアタッチメント、カムアタッチメント、ねじ式アタッチメントまたは他の適切なアタッチメントなどの椎間スペーサー90に取り付けるための追加のまたは代替の機能を含むことができると企図される。いくつかの実施例では、挿入デバイス200と椎間スペーサー90が係合されたときに、ピンまたは他の部材も椎間スペーサー90に対して挿入デバイス200の回転を阻止することができる。いくつかの実施例では、挿入デバイス200の先端は、椎間スペーサー90の前面、側面、または他の領域に結合されてもよい。一実施形態では、挿入デバイス200は、椎間スペーサー90が不注意でかつ不必要に嵌入されるのを防止するため、挿入デバイス200の中心線頭側または尾側方向のいずれかに延在する止め具を備えることができる。すなわち、止め具は、挿入デバイス200の上面または下面から延在し、例えば、椎間スペーサーまたは椎体の表面と接触することができる。
【0030】
アンカーハウジング220は、椎骨アンカー400を体内に装着するために、例えば、椎間スペーサー90のような椎間スペーサーに結合されてもよい。アンカーハウジング220及びプレート部分92は、アンカーハウジング220のチャネル224をプレート部分14のボア93に位置合わせさせるような方法で、カップリング222及びボア95を介して位置合わせされ得る。いくつかの実施例では、アンカーチャネル224は、位置合わせシャフト210の長さから側方向にずれていてもよい。チャネル224とボア93の位置合わせにより、1つ以上の椎骨アンカー400をチャネル224からプレート部分92の対応するボア93を通って椎体に導くことができる。さらに、アンカーハウジング220及びプレート部分92は、所与のチャネル224の出口軌道が、位置合わせされたボア93の出口軌道とインライン(例えば、同一線上または同一平面上)であり得るように位置合わせされ得る。1つのアンカーチャネル224のみが
図24〜28の実施例に示されているが、アンカーハウジング220に配置されたチャネル224の数が、椎骨スペーサー90のボア93の数と正確に一致するように、追加のアンカーチャネル224を用いることが企図される(例えば、二重または多筒式の構成)。いくつかの実施例では、ガイド部材は、1つ以上の締結部材(例えば、椎骨アンカーまたはねじ)を1つ以上の椎体に同時に挿入するために、1つ以上のアンカーチャネル224を通って延長することができる。挿入方向に可撓性であり、排出方向には剛性であるスペーサーまたはプレートのブロッキング止めねじ、あるいはリーフスプリング切欠きのようなアンカー挿入の他の機構も考えられる。関連する椎間スペーサーはまた、生体内で組織に安定性を付加するための回転安定剤を含むことができ、そして相互作用視認性を支援するためのX線写真マーカーを含み得る。
【0031】
また、
図26〜28は、挿入デバイス200を介して椎骨アンカー400を位置決めする例示的な方法を示す。
図26を参照すると、アンカーチャネル224内に装填された椎骨アンカー400が示されている。椎骨アンカー400は、任意の適切な機構によってアンカーチャネル224内に固定されてもよい。ガイド部材228は、その後、ガイド部材228の遠位端が椎骨アンカー400(
図26)のヘッド部分406と接触するように、遠位に前進することができる。ガイド部材228は、アンカーチャネル224の後端開口226(
図25に示す)を通って椎骨アンカー400に当接するように後端202から延長してもよい。椎骨アンカー400は、アンカーハウジング220とアンカーチャネル224の先端から前進し(
図27)、
図28に示すように所定の出口軌道に沿って最終的には椎体(図示せず)に挿入される。1つの椎骨アンカー400を椎体に嵌入した後、アンカーハウジング220をプレート部分92から係脱し、別の椎骨アンカー400をアンカーチャネル224に装填することができる。アンカーチャネル224が再装填されると、アンカーチャネル224が椎骨スペーサー90の異なるボア93と位置合わせされ得る点を除いて、アンカーハウジング220は、前と実質的に同様の方法でプレート部分92と再係合することができる。
【0032】
図29に示す椎骨アンカー300は、第1の後端302から第2の前端304に向かって延在すると共に、ヘッド部分306、細長いシャンク308、及び細長いフィン310を備え得る。椎骨アンカー300は、例えば、数ある中でもチタンまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような剛性の生体適合性材料で製造することができる。ヘッド部分306、細長いシャンク308、及び細長いフィン310は、同じ材料または異なる材料で形成することができる。椎骨アンカー300の部分は、チタン及び/またはヒドロキシアパタイトプラズマスプレーコーティングで処理して、骨の成長を促進し、それぞれの構成要素と下層の骨(例えば、椎体)との間の接続の強度及び安定性を改善することができる。任意の他の適切なコーティングもまた、椎骨アンカー300の1つ以上の表面上に提供され得る。そのようなコーティングは、所望される場合、治療薬(例えば、抗生物質コーティング)を含み得る。椎骨アンカー300はまた、生体内での視覚化及び挿入を容易にするための放射線不透過性マーキングを含み得る。椎骨アンカー300は、インプラントを患者の椎間腔内に固定するために椎体に詰め込めるように構成してもよい。椎骨アンカー300は、患者に挿入され、椎体の骨を介して詰め込めることができる。
【0033】
ヘッド部分306は椎骨アンカー300の後端302に配置されてもよく、概ね球形またはボール形状とすることができる。いくつかの実施例では、ヘッド部分306は、他の椎骨締結部材(例えば、骨ねじ)のヘッド部分と実質的に同様な方法で成形することができる。いくつかの実施例では、椎骨アンカー300を椎体から容易に除去するためのボア312をヘッド部分306に備えることができる。いくつかの実施例では、ボア312はねじ式ボアであってもよく、あるいは、例えば牽引ツールなどによって椎体から椎骨アンカー300を抽出するのを容易にするため、他の適切な機能を備えていてもよい。いくつかの実施例では、ねじ切りされた先端を有する工具を回転させてボア312にねじ係合し、工具を直線的に引き抜いて椎骨アンカー300を椎体内から引き出すことができる。プーリングツールにはまた、カムアタッチメント、拡張可能ドライバ、または椎骨アンカー300を除去するための別の機能のうちの1つ以上を含めることができる。複数のスロットまたはノッチ314が、ヘッド部分306の外周に形成されてもよい。いくつかの実施例では、複数のフランジ316が、ヘッド部分306の外周の周りに複数のスロット314を画定することができる。フランジ316は、ヘッド部分306の周りに配置され、概ねt字形状の断面を形成することができる。溝318(例えば、半円筒形の溝)は、ヘッド部分306の外周に形成することができる。いくつかの実施例では、溝318はフランジ316のうちの1つの内部に、あるいはヘッド部分306上の別の適切な位置に配置することもできる。いくつかの実施例では、1つ以上の溝318をヘッド部分306の周囲に沿って配置することができる。溝318は、上述の設置デバイスの延長部(例えば、
図18に示す延長部144)と協働することができる。いくつかの実施例では、ヘッド部分306のフランジ316とスロット314は、スペーサー、インプラント、プレートシステムなどの相補的な形をとる機能と協働するか、あるいは相補的な形をとる機能によって受容され得る。フランジ316、スロット314、及び相補的な形状の機能との間の相互作用は、椎骨アンカー300を椎体への装着する前と、装着する間及び/または装着後に、椎骨アンカー300が相対的に回転してしまうのを防止することができる。
【0034】
細長いシャンク308は、ヘッド部分306から先端304に向かって伸びてもよい。いくつかの実施例では、細長いシャンク308は平面であってもよく、ヘッド部分306から遠ざかるにつれて湾曲を示してもよい。すなわち、いくつかの実施例では、細長いシャンク308は曲線形状を含み得る。具体的には、細長いシャンク308は、長手方向軸の周りで湾曲(例えば、対称的に湾曲)していてもよい。より具体的には、細長いシャンク308は、中央長手方向軸の周りで湾曲を示す。さらに、細長いシャンク308は、後端302から先端304に向かって凹面320及び凸面322が延びるように湾曲していてもよい。細長いシャンク308の先端は、細長いシャンク308の側端から頂部326に向かって延在する一対の傾斜面323及び324によって形成することができる。頂部326は、椎骨アンカー300の長手方向軸上に配置してもよい。したがって、骨及び/または組織を通した嵌入及び挿入を容易にするために、細長いシャンク308は、先端304において、尖頭器、矢印、刃のついたエッジ、先頭などとして形成することができる。衝撃力を低減するために、頂部326はナイフの刃に類似し得る中空型にすることができる。すなわち、アンカーの縁部または頂点326は、例えば最も鋭いポイントで約15度の狭隅角に近づくことができ、この角度は中心軸に近づくほど増していく。いくつかの実施例では、頂点326は怪我を防ぐために丸めてもよいが、縁の周りでは依然として鋭い。挿入力及び製造時間をさらに減少させるために、中空表面は、例えば、1mm全半径カッタ、例えば0.25mmのステップオーバを使用して表面加工することができ、その結果、波状表面(複数のローリング山及び谷)を中空表面の面に沿って現出させる。
図29〜36にさらに示すように、傾斜面123、124は、例えば鋸歯(
図30に示す)、歯、テーパ、斜面など1つ以上の幾何学的機能を含むことができ、骨及び/または組織を通して細長いシャンク308のスピアリング、カッティング、スライシング、または嵌入をさらに容易にすることができる。傾斜面323及び324はまた、詰め込みを容易にするためにエッジ(例えば、vエッジ、斜角エッジ、チゼルエッジ、凸エッジなど)で形成することもできる。
【0035】
細長いフィン310はまた、ヘッド部分306から椎骨アンカー300の先端304に向かって延長してもよい。細長いフィン310は、細長いシャンク308の凹面320から離れて延長することもできる。細長いフィン310の縦方向外周は、凹面328によって画定されてもよい。いくつかの実施例では、細長いシャンク308及び細長いフィン310は、概ね互いに直交しており、一般的にt字形状の断面に形成することができる。細長いシャンク308及び細長いフィン310によって形成されたt字形状の断面は、椎骨アンカー300の嵌入力を減少させることができ、平面の断面を有するアンカーと比較して、椎骨アンカー300のねじり安定性を増加させることができる。先端部304において、細長いフィン310は、頂点326に向かって延びる傾斜面130を含むことができる。傾斜面330は、傾斜面323及び324に関して説明する1つ以上の幾何学的機能を含むことができる。いくつかの実施例では、傾斜部130の縦方向外周は面取りされていてもよく、及び/またはV字形の断面を有していてもよい。
【0036】
ここで、
図37〜40を参照すると、椎骨アンカー400のさらなる実施形態が示されている。椎骨アンカー400は、第1の後端部402から第2の先端部404に向かって延び、ヘッド部分406、細長いシャンク408、及び細長いフィン428を備え得る。椎骨アンカー400は、椎骨アンカー300を形成するために使用される1つ以上の材料で製造され、必要に応じて、1つ以上の同様なコーティングで処理することができる。椎骨アンカー400は患者に挿入され、椎体の骨を介して嵌入することができる。
【0037】
ヘッド部分406は、椎骨アンカー400の後端部402に配置されてもよく、部分的に球状の外周とすることもできる。いくつかの実施例では、ヘッド部分406は、ヘッド部分406の球状外周から1つ以上の球状キャップを除去することによって形成された複数の球状セグメントによって形成することもできる。
図37〜40に示す実施形態では、少なくとも3つの平面411、413、及び450が、部分的に球形のヘッド部分406の外周の少なくとも一部を画定することができる。一実施例において、平面411及び413は互いに実質的に平行で、平坦な表面450に対して実質的に直交し得る。いくつかの実施例では、平坦な表面450は、ヘッド部分406及び椎骨アンカー400の最も近位部分を画定することができる。すなわち、平面450は、椎骨アンカー400の後端部402に向かって最も遠い表面を画定することができる。凹部(例えば、凹状くぼみ部)452を平坦な表面450内に配置することができ、その結果、平坦な表面450は、
図32に見られるように遮断された半球円弧部分によって画定され得るようになる。ボア412は、凹部452内に配置された開口部を有することができる。ボア412は、ヘッド部分406を通って延在してもよく、椎骨アンカー300のボア312に関して説明する1つ以上の機能を含むことができる。
図37〜
図40には示されていないが、ヘッド部分406は、例えば、椎骨アンカー400を挿入デバイスのアンカーチャネル内に固定して位置決めするように構成された溝及び/または嵌合機構など、椎骨アンカー300のヘッド部分306を参照して説明される他の機能を含み得ると企図される。
【0038】
ヘッド部分406は、ヘッド部分406の外周から離れて延在する1つ以上の突出部460を備え得る。図示された実施例では、突出部460は球形のキャップ(例えば、部分的なドーム)として形成してもよいが、他の任意の適切な構成であってもよい。いくつかの実施例では、突出部460の基部には、例えば、突出部460から半径方向に離れるように延在する環状リム462を備えることができる。いくつかの実施例では、ヘッド部分406は、反対方向に延在する2つの突出部460を備えている。しかしながら、他の適切な数の突起460を他に採用し得る構成で使用することができると考えられる。
【0039】
細長いシャンク408は、先端404に向かってヘッド部分406から離れる方向に延在することができる。いくつかの実施例では、細長いシャンク408は平面状であり、ヘッド部分406から遠ざかるにつれて湾曲を呈してもよい。いくつかの実施例では、細長いシャンク408は、長手方向軸の周りで湾曲(例えば、対称的に湾曲)していてもよい。より具体的には、細長いシャンク408は、中心長手軸の周りで湾曲を示すことができる。さらに、細長いシャンク408は、後端402から先端404に向かって凹面420と凸面422が延在するように湾曲していてもよい。細長いシャンク408の先端は、一対の傾斜面423と424によって形成することができるが、これらの傾斜面は細長いシャンク408の側端から頂点426に向かって延在する。頂点426は、椎骨アンカー400の長手方向軸上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、頂点426は曲線の周縁部を含むことができる。したがって、先端部404において、細長いシャンク408は、嵌入を容易にするために椎骨アンカー300上に配置される適切な幾何学的形状及び機能のいずれかを含むように形成することができる。
【0040】
一実施例では、細長いシャンク408の側面は、1つ以上の切欠き421を備えることができる。例えば、細長いシャンク408の各側面は、1つ以上のキール425を形成するために2つの切欠き421を備えている。一般的に、椎骨アンカー400の残余に対して逆の手順でキール425は延在し逆の方向に向いている。すなわち、キール425の終点は、終端404ではなく、後端402に向かって配向させることができる。したがって、キール425は、いったん椎体の中に挿入された椎骨アンカー400が椎体から抜け出てしまうことを阻止する一助となり得る。
図31〜34に示す実施形態では、細長いシャンク408の各側面は、2つの切欠き421及び3つのキール425を備えることができるが、切欠き及びキールの他の任意の適切な組み合わせが用いられてもよい。
【0041】
1つ以上の開口427は、細長いシャンク408の表面の至る所に配置することができる。スルーホールとして示されているが、開口427は、細長いシャンク308の1つ以上の表面に配置された非貫通凹部を備えることもできる。いったん椎体の骨に挿入されると、開口427は、その中で骨の内方成長または成長を促進することができ、それぞれの椎体内に椎骨アンカー400をさらに堅固に固定することができる。いくつかの実施例では、開口427は、骨移植片または他の骨成長誘導材料で充填されてもよい。
【0042】
細長いフィン428はまた、ヘッド部分406から椎骨アンカー400の先端404に向かって延在してもよい。さらに、細長いフィン428は細長いシャンク408の凹面3120から延在していてもよい。細長いフィン428の縦方向外周は、細長いシャンク408の側面と実質的に同じ手順で、1つ以上の切欠き431及びキール435によって画定することができる。いくつかの実施例では、細長いシャンク408及び細長いフィン428は、概して互いに直交していてもよく、全体としてt字型の十字形に形成することができる。細長いシャンク408と細長いフィン428よって画定されたt字形状の断面は、椎骨アンカー400の嵌入力を低減し、平面の断面を有するアンカーと比較して、椎骨アンカー400のねじり安定性を増加させることができる。先端部404において、細長いフィン428は、頂点426に向かって延在する傾斜面430を含むことができる。傾斜面430は、傾斜表面423及び424に関して説明される1つ以上の幾何学的機能を含み得る。いくつかの実施例では、開口(図示されないが開口427と同様である)を細長いフィン428の上または至る所に配置して、その中で骨の内方成長または成長を促進することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、椎骨アンカー300及び400は、スペーサーを介して椎骨アンカー300と400のインライン嵌入を用いることによって、様々な椎骨スペーサー(例えば、スタンドアロンACDF及び/またはALIFスペーサー)の容易な挿入を促進し得る。いくつかの実施例では、インライン操作は、適切なインプラント設計、器具の設計、及びインプラント器具インタフェースの設計によって促進され得る。いくつかの実施例において、本開示の様々な実施例は、最も尾部または最も頭側の頸椎椎間板空間(例えば、C5−C6/C6−C7及びC2−C3)、及び傾斜した器具が組織または他の解剖学的構造との干渉により挿入の問題を引き起こす可能性のある腰部レベル(例えば、L5−S1)においてスタンドアロン型スペーサーの使用を可能にする。
【0044】
任意の実施例に記載された任意の態様は、本明細書に記載された他の実施例と共に使用することができる。本明細書で記述した全てのデバイス及び装置は、例えば椎間板置換処置のような適切な医療処置において使用することができ、任意の適切な体内管腔、体腔、または切開をすることによって嵌入することができる。
【0045】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたシステム及びプロセスにおいて様々な変更及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施例は、本明細書の考察及び本明細書に開示された開示の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる例示としてみなされることが意図されている。