(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イン・ビボで開裂可能な基SGが2から8オリゴペプチド基、好ましくはジペプチド基またはジスルフィド、ヒドラゾン、アセタールもしくはアミナールであり、SG1が2から8オリゴペプチド基、好ましくはジペプチド基である、請求項5に記載の複合体。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、抗CD123抗体の1以上の活性化合物分子との複合体を提供し、活性化合物分子はリンカーLを介して抗体に結合したキネシンスピンドルタンパク質阻害剤(KSP阻害剤)である。
【0022】
本発明による複合体は、下記一般式によって表すことができる。
【化3】
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【0023】
式中、バインダーは抗CD123抗体を表し、Lはリンカーを表し、KSPはKSP阻害剤を表し、nは1から50、好ましくは1.2から20および特に好ましくは2から8の数字を表す。ここで、nはバインダー当たりのKSP阻害剤/リンカー複合体の数の平均である。好ましくは、KSP−Lは、上記で示した式(I)を有する。さらに、リンカーは好ましくは、抗体の異なるアミノ酸に結合している。特に好ましいものは、バインダーの異なるシステイン残基への結合である。当該抗CD123抗体は好ましくは、ヒト、ヒト化またはキメラモノクローナル抗体である。ここで、好ましいものは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【0024】
本発明に従って使用可能な抗体、本発明に従って使用可能なKSP阻害剤および制限なく組み合わせて使用可能な本発明に従って使用可能なリンカーについて、下記で説明する。特に、好ましいまたは特に好ましいものとして各場合で表されるバインダーを、好ましいまたは特に好ましいものとして各場合で表されるKSP阻害剤と組み合わせて、適宜に好ましいまたは特に好ましいものとして各場合で表されるリンカーと組み合わせて用いることができる。
【0025】
KSP阻害剤およびそれらのバインダー複合体
定義
「置換された」という用語は、言及された原子もしくは基での1以上の水素が、挙げられている基の選択によって置き換わっていることを意味するが、ただし、現在の状況下で、言及された原子の通常の価数を超えるものではない。置換基および/または可変要素の組み合わせが許容される。
【0026】
「置換されていても良い」という用語は、置換基の数がゼロであるかゼロ以外であることができることを意味する。別段の断りがない限り、置換されていても良い基は、いずれか使える炭素もしくは窒素もしくは硫黄原子で水素原子に代えて非水素置換基とすることで収容できるだけの数の適宜の置換基によって置換されていても良い。通常、適宜の置換基(存在する場合)の数は、1、2、3、4または5、特には1、2または3であることができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、例えば本発明の一般式の化合物の置換基の定義における「1回以上」という用語は、「1、2、3、4または5、好ましくは1、2、3または4、特に好ましくは1、2または3、非常に特に好ましくは1または2」を意味する。
【0028】
本発明による化合物が置換されている場合、その基は、別段の断りがない限り、モノ置換または多置換されていることができる。本発明の範囲において、複数存在する全ての基の意味は、互いに独立である。1個、2個もしくは3個の同一もしくは異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換が特に好ましい。
【0029】
アルキル
アルキルは、1から10個の炭素原子(C
1−C
10−アルキル)、通常は1から6(C
1−C
6−アルキル)、好ましくは1から4(C
1−C
4−アルキル)および特に好ましくは1から3個の炭素原子(C
1−C
3−アルキル)を有する直鎖もしくは分岐の飽和1価炭化水素基を表す。
【0030】
例としてそして好ましいものとして、次のもの:メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、イソプロピル−、イソブチル−、sec−ブチル、tert−ブチル−、イソペンチル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、ネオペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−および1,2−ジメチルブチル−が挙げられる。
【0031】
特に好ましいものは、メチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル−およびtert−ブチル基である。
【0032】
ヘテロアルキル
ヘテロアルキルは、1から10個の炭素原子を有する直鎖および/または分岐の炭化水素鎖であって、基−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)
2−、−NRy−、−NRyC(=O)−、−C(=O)−NRy−、−NRyNRy−、−S(=O)
2−NRyNRy−、−C(=O)−NRyNRy−、−CRx=N−O−のうちの1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖を含む前記炭化水素鎖がある場合、−NH−C(=O)−NH
2、−C(=O)−OH、−OH、−NH
2、−NH−C(=NNH
2)−、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い炭化水素鎖を表す。
【0033】
ここで、Ryは各場合で、−H、フェニル−、C1−C10−アルキル−、C2−C10−アルケニル−またはC2−C10−アルキニル−を表し、それは、それらの部分において、それぞれ、−NH−C(=O)−NH
2、−C(=O)−OH、−OH、−NH
2、−NH−C(=NNH
2)−、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0034】
ここで、Rxは−H、C1−C3−アルキル−またはフェニル−を表す。
【0035】
アルケニル
アルケニルは、1個もしくは2個の二重結合および2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個の炭素原子(C
2−C
10−アルケニル)、特には2もしくは3個の炭素原子(C
2−C
3−アルケニル)を有する直鎖もしくは分岐の1価炭化水素鎖を表し、アルケニル基が複数の二重結合を含む場合、それらの二重結合は、互いに離れているか、共役していることができることは明らかである。アルケニル基は、例えば、エテニル(またはビニル)、プロパ−2−エン−1−イル(または「アリル」)、プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−3−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−4−エニル、ペンタ−3−エニル、ペンタ−2−エニル、ペンタ−1−エニル、ヘキサ−5−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−1−エニル、プロパ−1−エン−2−イル(または「イソプロペニル」)、2−メチルプロパ−2−エニル、1−メチルプロパ−2−エニル、2−メチルプロパ−1−エニル、1−メチルプロパ−1−エニル、3−メチルブタ−3−エニル、2−メチルブタ−3−エニル、1−メチルブタ−3−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、2−メチルブタ−2−エニル、1−メチルブタ−2−エニル、3−メチルブタ−1−エニル、2−メチルブタ−1−エニル、1−メチルブタ−1−エニル、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル、1−エチルプロパ−1−エニル、1−プロピルビニル、1−イソプロピルビニル、4−メチルペンタ−4−エニル、3−メチルペンタ−4−エニル、2−メチルペンタ−4−エニル、1−メチルペンタ−4−エニル、4−メチルペンタ−3−エニル、3−メチルペンタ−3−エニル、2−メチルペンタ−3−エニル、1−メチルペンタ−3−エニル、4−メチルペンタ−2−エニル、3−メチルペンタ−2−エニル、2−メチルペンタ−2−エニル、1−メチルペンタ−2−エニル、4−メチルペンタ−1−エニル、3−メチルペンタ−1−エニル、2−メチルペンタ−1−エニル、1−メチルペンタ−1−エニル、3−エチルブタ−3−エニル、2−エチルブタ−3−エニル、1−エチルブタ−3−エニル、3−エチルブタ−2−エニル、2−エチルブタ−2−エニル、1−エチルブタ−2−エニル、3−エチルブタ−1−エニル、2−エチルブタ−1−エニル、1−エチルブタ−1−エニル、2−プロピルプロパ−2−エニル、1−プロピルプロパ−2−エニル、2−イソプロピルプロパ−2−エニル、1−イソプロピルプロパ−2−エニル、2−プロピルプロパ−1−エニル、1−プロピルプロパ−1−エニル、2−イソプロピルプロパ−1−エニル、1−イソプロピルプロパ−1−エニル、3,3−ジメチルプロパ−1−エニル、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニル、ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニルまたはヘキサ−1−5−ジエニル基である。その基は特にはビニルまたはアリルである。
【0036】
アルキニル
アルキニルは三重結合および2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個の炭素原子(C
2−C
10−アルキニル)、特には2もしくは3個の炭素原子(C
2−C
3−アルキニル)を有する直鎖もしくは分岐の1価炭化水素鎖を表す。C
2−C
6−アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパ−1−イニル、プロパ−2−イニル(またはプロパルギル)、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、ブタ−3−イニル、ペンタ−1−イニル、ペンタ−2−イニル、ペンタ−3−イニル、ペンタ−4−イニル、ヘキサ−1−イニル、ヘキサ−2−イニル、ヘキサ−3−イニル、ヘキサ−4−イニル、ヘキサ−5−イニル、1−メチルプロパ−2−イニル、2−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−2−イニル、3−メチルブタ−1−イニル、1−エチルプロパ−2−イニル、3−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−4−イニル、1−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−3−イニル、1−メチルペンタ−3−イニル、4−メチルペンタ−2−イニル、1−メチルペンタ−2−イニル、4−メチルペンタ−1−イニル、3−メチルペンタ−1−イニル、2−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−2−イニル、1−プロピルプロパ−2−イニル、1−イソプロピルプロパ−2−イニル、2,2−ジメチルブタ−3−イニル、1,1−ジメチルブタ−3−イニル、1,1−ジメチルブタ−2−イニル−または3,3−ジメチルブタ−1−イニル基である。アルキニル基は特には、エチニル、プロパ−1−イニルまたはプロパ−2−イニルである。
【0037】
シクロアルキル
シクロアルキルは、3から12個の炭素原子を有する飽和の1価単環式もしくは二環式炭化水素基(C
3−C
12−シクロアルキル)を表す。
【0038】
ここで、
単環式炭化水素基は、通常は3から10個(C
3−C
10−シクロアルキル)、好ましくは3から8個(C
3−C
8−シクロアルキル)、特に好ましくは3か7個(C
3−C
7−シクロアルキル)の炭素原子を有する1価炭化水素基を表す。
【0039】
単環式炭化水素基について、例としてそして好ましいものとして、次のもの:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
【0040】
特に好ましいものは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。
【0041】
ここで、
二環式炭化水素基は、2個の直接隣接する原子を一緒に共有する二つの飽和環系の縮合と理解されるべき、通常は3から12個の炭素原子を有する炭化水素基(C
3−C
12−シクロアルキル)を表す、二環式炭化水素基について、例としてそして好ましいものとして、次のもの:ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[5.4.0]ウンデシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[6.2.0]デシル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[5.3.0]デシル、ビシクロ[6.3.0]ウンデシルおよびビシクロ[5.4.0]ウンデシルが挙げられる。
【0042】
複素環アルキル
複素環アルキルは、同一であるか異なっていることができる1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を有する非芳香族単環式もしくは二環式環系を表す。存在するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子であることができる。
【0043】
本発明による
単環式環系は、3から8個、好ましくは4から7個、特に好ましくは5個もしくは6個の環原子を有することができる。
【0044】
9
3個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:アジリジニルが挙げられる。
【0045】
4個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:アゼチジニル、オキセタニルが挙げられる。
【0046】
5個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ジオキソラニルおよびテトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0047】
6個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:ピペリジニル、ピペラジニル、モルホニル、ジオキサニル、テトラヒドロピラニルおよびチオモルホニルが挙げられる。
【0048】
7個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:アゼパニル、オキセパニル、1,3−ジアゼパニル、1,4−ジアゼパニルが挙げられる。
【0049】
8個の環原子を有する複素環アルキルについて、例としてそして好ましいものとして、次のもの:オキソカニル、アゾカニルが挙げられる。
【0050】
単環式複素環アルキルの中からは、好ましいものは、O、NおよびSからなる群からの2個以下のヘテロ原子を有する4から7員の飽和複素環基である。
【0051】
特に好ましいものは、モルホニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびテトラヒドロフラニルである。
【0052】
同一であっても異なっていても良い1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を有する
二環式環系は、本発明によれば、6から12個、好ましくは6から10個の環原子を有することができ、1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子がO、NおよびSからなる群からの同一もしくは異なるヘテロ原子によって置き換わっていることができる。
【0053】
例としては、次のもの:アザビシクロ[3.3.0]オクチル、アザビシクロ[4.3.0]ノニル、ジアザビシクロ[4.3.0]ノニル、オキサザビシクロ[4.3.0]ノニル、チアザビシクロ[4.3.0]ノニルまたはアザビシクロ[4.4.0]デシル、さらには定義によるさらなる可能な組み合わせから誘導される基を挙げることができる。
【0054】
特に好ましいものは、パーヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、パーヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、パーヒドロピロロ[1,2−a]ピラジニル、パーヒドロピロロ[3,4−c]ピロリルおよび3,4−メチレンジオキシフェニルである。
【0055】
アリール
アリールは、炭素原子からなる1価単環式もしくは二環式芳香族環系である。例としては、ナフチルおよびフェニルがあり、好ましいものはフェニルまたはフェニル基である。
【0056】
C6−C10−アラルキル
本発明の文脈において、C
6−10−アラルキルは、C
1−C
4−アルキル基に結合した単環式芳香族アリール、例えばフェニルを表す。
【0057】
C
6−10−アラルキル基の例にはベンジルがある。
【0058】
ヘテロアリール
ヘテロアリールは、少なくとも1個の環ヘテロ原子および適宜に1個、2個もしくは3個のN、OおよびSからなる群からのさらなる環ヘテロ原子を含み、環炭素原子を介してまたは適宜に(価数が許す場合)環窒素原子を介して結合している5、6、8、9、10、11、12、13または14個の環系(「5から14員ヘテロアリール」基)、特には5、6、9または10個の環原子を有する1価の単環式、二環式もしくは三環式芳香族環系である。
【0059】
ヘテロアリール基は、5員ヘテロアリール基、例えば、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルまたはテトラゾリル;または6員ヘテロアリール基、例えば、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはトリアジニル;または三環式ヘテロアリール基、例えばカルバゾリル、アクリジニルもしくはフェナジニル;または9員ヘテロアリール基、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニルもしくはプリニル;または10員ヘテロアリール基、例えばキノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニルまたはプテリジニルであることができる。
【0060】
概して、そして別段の言及がなければ、ヘテロアリール基は、それの全ての可能な異性体型、例えば互変異体および分子の残りの部分への結合箇所に関しての位置異性体を含む。従って、例示的な非限定的例として、ピリジニルという用語は、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルおよびピリジン−4−イルを含み、またはチエニルという用語はチエン−2−イルおよびチエン−3−イルを含む。
【0061】
C5−C10−ヘテロアリール
本発明の文脈で、C
5−10−ヘテロアリールは、同一であっても異なっていても良い1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を有する単環式もしくは二環式芳香族環系を表す。存在しても良いヘテロ原子は、N、O、S、S(=O)および/またはS(=O)
2である。結合価は、いずれの芳香族炭素原子または窒素原子にあっても良い。
【0062】
本発明による単環式ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。好ましいものは、1個もしくは2個のヘテロ原子を有するヘテロアリール基である。特に好ましいのは、この場合、1個もしくは2個の窒素原子である。
【0063】
5個の環原子を有するヘテロアリール基には、例えば、次の環:チエニル、チアゾリル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびチアジアゾリルなどがある。
【0064】
6個の環原子を有するヘテロアリール基には、例えば、次の環:ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルなどがある。
【0065】
本発明による二環式ヘテロアリール基は、9または10個の環原子を有する。
【0066】
9個の環原子を有するヘテロアリール基には、例えば、次の環:フタリジル、チオフタリジル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、アゾシニル、インドリジニル、プリニル、インドリニルなどがある。
【0067】
10個の環原子を有するヘテロアリール基には、例えば、次の環:イソキノリニル、キノリニル、キノリジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−および1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、クロマニルなどがある。
【0068】
ヘテロアルコキシ
ヘテロアルコキシは、1から10個の炭素原子を有する直鎖および/または分岐の炭化水素鎖であって、−O−を介して分子の残り部分に結合しており、さらに基−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)
2−、−NRy−、−NRyC(=O)−、−C(=O)−NRy−、−NRyNRy−、−S(=O)
2−NRyNRy−、−C(=O)−NRyNRy−、−CRx=N−O−の1以上によってさらに1回もしくは複数回中断されていても良く、側鎖が存在する場合にそれを含む炭化水素鎖が−NH−C(=O)−NH
2、−C(=O)−OH、−OH、−NH
2、−NH−C(=NNH
2)−、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い炭化水素鎖を表す。
【0069】
ここで、Ryは各場合で、−H、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれらの部分において、各場合で、−NH−C(=O)−NH
2、−C(=O)−OH、−OH、−NH
2、−NH−C(=NNH
2)−、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0070】
ここで、Rxは、−H、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。
【0071】
本発明の文脈において、ハロゲンまたはハロゲン原子はフッ素(−F)、塩素(−Cl)、臭素(−Br)またはヨウ素(−I)を表す。
【0072】
フルオロアルキル、フルオロアルケニルおよびフルオロアルキニルは、アルキル、アルケニルおよびアルキニルが、フッ素.によってモノ置換もしくは多置換されていても良いことを意味する。
【0073】
KSP阻害剤の抗体への結合は、実施例における図式20から31で例示的に示されているように、各種経路によって化学的に行うことができる。特に、例えば置換を促進するための保護基もしくは脱離基の導入によって、リンカーへの結合のために低分子量KSP阻害剤を修飾することが可能である場合がある(その反応において、水素原子ではない前記脱離基がリンカーによって置換される。)。次に、このようにして得られたKSP阻害剤−リンカー分子(そのリンカーはバインダーへの結合に関して反応性基を有する。)をバインダーと反応させることで、本発明によるバインダー複合体を得ることができる。実験の部において、この手順を、非常に多くの実施例によって例示的に説明する。
【0074】
他の特に好ましい化合物は、下記の式(I)または(Ia)を有するものである。
【0075】
式(I)ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマー。
【化4】
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【0076】
式中、
R
1はH、−L−#1、−MODまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′(例えば−(CH
2)
0−3Z′)または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し、WはHまたはOHを表し、
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2はH、−MOD、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
R
4はH、−L−#1、−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
SGlysはリソソーム酵素によって開裂され得る基、特にはジペプチドもしくはトリペプチドからなる基を表し、R
4′はC
1−10−アルキル、C
5−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリール、C
5−10−複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、C
1−10−アルコキシ、C
6−10−アリールオキシまたはC
6−10−アラルコキシ、C
5−10−ヘテロアラルコキシ、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールオキシ、C
5−10−複素環アルコキシ基を表し、それは、−NH
2、−NH−アルキル、−N(アルキル)
2、NH−CO−アルキル、N(アルキル)−COアルキル、−SO
3H、−SO
2NH
2、−SO
2−N(アルキル)
2、−COOH、−CONH
2、−CON(アルキル)
2または−OH、−Hまたは基−O
x−(CH
2CH
2O)
y−R
4″(xは0または1を表し、vは1から20の数字を表し、R
4″は−H、−アルキル(好ましくはC
1−12−アルキル)、−CH
2−COOH、−CH
2−CH
2−COOHまたは−CH
2−CH
2−NH
2を表す。)によってモノ置換もしくは多置換されていても良く;
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はH、NH
2、SO
3H、COOH、SH、ハロゲン(特にはFまたはCl)、C
1−4−アルキル、C
1−4−ハロアルキル、C
1−4−アルコキシ、ヒドロキシル置換されたC
1−4−アルキル、COO(C
1−4−アルキル)またはOHを表し;
AはCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3は−L−#1、−MODまたは置換されていても良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それは1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH((CH
2CH
2O)
1−20H)基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、nは0、1または2を表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は、好ましくはC
1−10−アルキルである。);
R
5は、H、−MOD、NH
2、NO
2、ハロゲン(特にはF、Cl、Br)、−CN、CF
3、−OCF
3、−CH
2F、−CH
2F、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシ、NO
2、NH
2、COOHまたはハロゲン(特にはF、Cl、Br)を表し、
R
8は、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、(フッ素化されていても良い)C
4−10−シクロアルキルまたは−(CH
2)
0−2−(HZ
2)を表し、HZ
2はN、OおよびSからなる群から選択される2個以下のヘテロ原子を有する4から7員複素環(好ましくはオキセタン)を表し、これらの基のそれぞれは−OH、CO
2HまたはNH
2によって置換されていても良く;
置換基R
1、R
3およびR
4のうちの一つは−L−#1を表し、
Lはリンカーを表し、#1は抗体への結合を表し、
R
9はH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表し;
−MODは−(NR
10)
n−(G1)
o−G2−G3を表し、
R
10はHまたはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は−NHCO−、−CONH−または
【化5】
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【0077】
(式中、G1が−NHCO−または
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0078】
を表す場合、R
10はNH
2を表さない。)を表し;
nは0または1を表し;
oは0または1を表し;
G2は直鎖および/または分岐の炭化水素基を表し、それは1から10個の炭素原子を有し、基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NRy−、−NRyCO−、CONRy−、−NRyNRy−、−SO
2NRyNRy−、−CONRyNRy−(Ryは、H、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれぞれ、NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、または−CRx=N−O−(RxはH、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、何らかの側鎖を含む前記炭化水素鎖は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く、G3は−Hまたは−COOHを表し、基−MODは好ましくは、少なくとも1個の基−COOHを有する。
【0079】
式(I)の好ましい実施形態において、置換基R
1またはR
3のうちの一つは−L−#1を表す。この実施形態において、R
4がHまたは−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′を表し、SG
lysおよびR
4′が上記と同じ意味を有する場合が特に好ましい。式(I)の別の好ましい実施形態において、置換基R
4は−L−#1を表し、前記リンカーは、R
4に結合している窒素原子で開裂できることで、開裂後に1級アミノ基が存在するようにするリンカーである(R
4=Hに相当)。そのような開裂可能な基について、下記で詳細に説明する。
【0080】
R
1がHを表さない場合、R
1が結合している炭素原子は、Lおよび/またはD配置で、好ましくはL配置で存在し得る立体中心である。
【0081】
R
2がHを表さない場合、R
2が結合している炭素原子は、Lおよび/またはD配置で存在しても良い立体中心である。
【0082】
式(Ia)ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマー。
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
式中、
R
1はH、−L−#1または−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′(例えば−(CH
2)
0−3Z′)または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し、WはHまたはOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、
R
2およびR
4は互いに独立に、H、−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
SGlysはリソソーム酵素によって開裂され得る基、特にはジペプチドもしくはトリペプチドからなる基を表し、R
4′はC
1−10−アルキル、C
5−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリール、C
5−10−複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、C
1−10−アルコキシ、C
6−10−アリールオキシまたはC
6−10−アラルコキシ、C
5−10−ヘテロアラルコキシ、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールオキシ、C
5−10−複素環アルコキシ基を表し、それらは−NH
2、−NH−アルキル、−N(アルキル)
2、NH−CO−アルキル、N(アルキル)−COアルキル、−SO
3H、−SO
2NH
2、−SO
2−N(アルキル)
2、−COOH、−CONH
2、−CON(アルキル)
2または−OH、−Hまたは基−O
x−(CH
2CH
2O)
y−R
4″(xは0または1を表し、vは1から20の数字を表し、R
4″は−H、−アルキル(好ましくはC
1−12−アルキル)、−CH
2−COOH、−CH
2−CH
2−COOHまたは−CH
2−CH
2−NH
2を表す。)によってモノ置換もしくは多置換されていても良く;
またはR
2およびR
4が一体となって、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し(ピロリジン環の形成)、R
11はH、NH
2、SO
3H、COOH、SH、ハロゲン(特にはFまたはCl)、C
1−4−アルキル、C
1−4−ハロアルキル、C
1−4−アルコキシ、ヒドロキシル置換されたC
1−4−アルキル、COO(C
1−4−アルキル)またはOHを表し;またはR
2はH、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、R
4は−L−#1を表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は互いに独立に、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
4は−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
AはCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3は置換されていても良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくは−L−#1またはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それは1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、nは0、1または2を表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくは、C
1−10−アルキルを表す。);
R
5はH、F、NH
2、NO
2、ハロゲン、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し、
R
8は(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
4−10−シクロアルキルまたは置換されていても良いオキセタンを表し;
R
9はH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表す。
【0084】
R
1、R
3またはR
4での水素原子の置換により、置換基R
1、R
3およびR
4のいずれも−L−#1を表さない式(I)または(Ia)の化合物を当業者に公知の方法でリンカーに結合させることができる。これによって、置換基R
1、R
3またはR
4のうちの一つが−L−#1を表し、Lがリンカーを表し、#1が抗体への結合を表す式(I)または(Ia)の複合体が得られる。そこで、式(I)または(Ia)によるKSP阻害剤がバインダーと結合している場合、置換基R
1、R
3またはR
4のうちの一つが−L−#1を表し、Lはリンカーを表し、#1は抗体への結合を表す。すなわち、その複合体の場合、置換基R
1、R
3またはR
4のうちの一つが−L−#1を表し、−L−#1は抗体への結合を表す。バインダーは、好ましくはヒト、ヒト化またはキメラのモノクローナル抗体またはそれの抗原結合性断片である。式(I)または(Ia)の好ましい実施形態において、置換基R
1またはR
3のうちの一つが−L−#1を表す。この実施形態において、R
4がHまたは−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′を表し、SG
lysおよびR
4′が上記と同じ意味を有する場合が特に好ましい。式(I)の別の好ましい実施形態において、置換基R
4は−L−#1を表し、リンカーは、R
4に結合している窒素原子で開裂できることで、開裂後に1級アミノ基が存在するようにできる(R
4=Hに相当)リンカーである。そのような開裂可能な基について、下記で詳細に説明する。ここで、好ましいものは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【0085】
−L−#1に代えて、化合物中に基−L−#3が存在することも可能であり、Lはリンカーを表し、#3は抗体への結合のための反応性基を表す。−L−#3を含む化合物は、抗体と反応する反応性化合物である。#3は好ましくは、アミノまたはチオール基と反応して共有結合を形成する、好ましくはタンパク質中のシステイン残基と反応する基である。タンパク質中のシステイン残基は、タンパク質中に天然に存在することができるか、生化学的方法によって導入することができるか、好ましくは、バインダーのジスルフィドの事前の還元によって発生させることができる。
【0086】
Aに関しては、好ましいものはCO(カルボニル)である。
【0087】
R
1について好ましいものは、−L−#1、H、−COOH、−CONHNH
2、−(CH
2)
1−3NH
2、−CONZ″(CH
2)
1−3NH
2および−CONZ″CH
2COOHであり、Z″はHまたはNH
2を表す。
【0088】
R
2およびR
4について好ましいものはHであるか、R
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はHまたはFを表す。R
4については、−L−#1も好ましく、−L−#1は開裂可能なリンカー、好ましくは細胞内で酵素によって開裂し得るリンカーである。
【0089】
R
3について好ましいものは−L−#1またはC
1−10−アルキル−であり、それは−OH、O−アルキル、SH、S−アルキル、O−CO−アルキル、O−CO−NH−アルキル、NH−CO−アルキル、NH−CO−NH−アルキル、S(O)
n−アルキル、SO
2−NH−アルキル、NH−アルキル、N(アルキル)
2またはNH
2(アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルである。)によって置換されていても良い。
【0090】
R
5について好ましいものはHまたはFである。
【0091】
R
6およびR
7について好ましいものは、互いに独立に、H、(フッ素化されていても良い)C
1−3−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−4−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−4−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンである。
【0092】
R
8について好ましいものは、分岐のC
1−5−アルキル基、特には式−C(CH
3)
2−(CH
2)
0−2−Ryの基(Ryは−H、−OH、CO
2HまたはNH
2を表す。)、または(フッ素化されていても良い)C
5−7−シクロアルキルである。特に好ましいものは、式−C(CH
3)
3またはシクロヘキシル基の基である。
【0093】
R
9について好ましいものは、HまたはFである。
【0094】
特別に好ましいものは、
AがCO(カルボニル)を表し;
R
1がH、−L−#1、−COOH、−CONHNH
2、−(CH
2)
1−3NH
2、−CONZ″(CH
2)
1−3NH
2または−CONZ″CH
2COOHを表し、Z″がHまたはNH
2を表し;
R
2およびR
4がHを表すか、R
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11がHを表し;またはR
4が−L−#1を表し、R
2がHを表し;
R
3が、−L−#1またはフェニル基(それは、ハロゲン(特にはF)またはフッ素化していても良いC
1−3−アルキルによってモノ置換もしくは多置換されていても良い。)を表し、または−OY
4、−SY
4、−O−CO−Y
4、−O−CO−NH−Y
4、NH−CO−Y
4、−NH−CO−NH−Y
4、S(O)
n−Y
4(nは0、1または2を表す。)、−SO
2−NH−Y
4、NH−Y
4またはN(Y
4)
2によって置換されていても良いフッ素化していても良いC
1−10−アルキル基を表し、Y
4がH、フェニル(ハロゲン(特にはF)またはフッ素化していても良いC
1−3−アルキルによってモノ置換もしくは多置換されていても良い。)、またはアルキル(当該アルキル基は、−OH、−COOHおよび/または−NHCO−C
1−3−アルキルによって置換されていても良く、アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルを表す。)を表し;
特に好ましくは、R
3が−OH、O−アルキル、SH、S−アルキル、O−CO−アルキル、O−CO−NH−アルキル、NH−CO−アルキル、NH−CO−NH−アルキル、S(O)
n−アルキル、SO
2−NH−アルキル、NH−アルキル、N(アルキル)
2またはNH
2によって置換されていても良く(アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルを意味する。);
R
5がHまたはFを表し;
R
6およびR
7が互いに独立に、H、(フッ素化されていても良い)C
1−3−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−4−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−4−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し;
R
8が分岐C
1−5−アルキル基またはシクロヘキシルを表し;
R
9がHまたはFを表す、式(I)の化合物または(Ia)である。
【0095】
さらに、(単独でまたは組み合わせて)
R
1が−L−#1、COOHまたはHを表し、
R
2およびR
4がHを表し、またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し(R
11はHを表す。)、またはR
4が−L−#1を表し、R
2がHを表し;
AがCOを表し、
R
3が、−(CH
2)OH、−CH(CH
3)OH、−CH
2SCH
2CH(COOH)NHCOCH
3、−CH(CH
3)OCH
3、フェニル基(1から3個のハロゲン原子、1から3個のアミノ基または1から3個のアルキル基(ハロゲン化されていても良い)によって置換されていても良い。)を表し、または−L−#1を表し、
R
5がHを表し、
R
6およびR
7が互いに独立に、H、C
1−3−アルキルまたはハロゲンを表し;特には、R
6およびR
7がFを表し;
R
8がC
1−4−アルキル(好ましくはtert−ブチル)またはシクロヘキシルを表し;および/または
R
9がHを表す場合が好ましい。
【0096】
さらに、本発明によれば、
R
1が−L−#1、COOHまたはHを表し、
R
2およびR
4がHを表し、またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し(R
11はをH表す。)、
AがCOを表し、
R
3が、−(CH
2)OH、−CH(CH
3)OH、−CH
2SCH
2CH(COOH)NHCOCH
3、−CH(CH
3)OCH
3、フェニル基(1から3個のハロゲン原子、1から3個のアミノ基または1から3個のアルキル基(ハロゲン化されていても良い)によって置換されていても良い。)を表し、または−L−#1を表し、
R
5がHを表し、
R
6およびR
7が互いに独立に、H、C
1−3−アルキルまたはハロゲンを表し;特には、R
6およびR
7がFを表し;
R
8がC
1−4−アルキル(好ましくはtert−ブチル)を表し;
R
9がHを表す場合が好ましい。
【0097】
他の特に好ましい化合物は、下記式式(II)または(IIa)を有する。
【0098】
式(II):ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマー。
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
式中、
R
1はH、−L−バインダー、−MODまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′(例えば−(CH
2)
0−3Z′)または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、NH
2、SO
3H、−COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し、WはHまたはOHを表し、
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2はH、−MOD、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し、
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
4はH、−L−バインダー、−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
SGlysはリソソーム酵素によって開裂され得る基、特にはジペプチドもしくはトリペプチドからなる基を表し、R
4′はC
1−10−アルキル、C
5−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリール、C
5−10−複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、C
1−10−アルコキシ、C
6−10−アリールオキシまたはC
6−10−アラルコキシ、C
5−10−ヘテロアラルコキシ、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールオキシ、C
5−10−複素環アルコキシ基を表し、それは、−NH
2、−NH−アルキル、−N(アルキル)
2、NH−CO−アルキル、N(アルキル)−COアルキル、−SO
3H、−SO
2NH
2、−SO
2−N(アルキル)
2、−COOH、−CONH
2、−CON(アルキル)
2または−OH、−Hまたは基−O
x−(CH
2CH
2O)
y−R
4″(xは0または1を表し、vは1から20の数字を表し、R
4″は−H、−アルキル(好ましくはC
1−12−アルキル)、−CH
2−COOH、−CH
2−CH
2−COOHまたは−CH
2−CH
2−NH
2を表す。)によってモノ置換もしくは多置換されていても良く;
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はH、NH
2、SO
3H、COOH、SHまたはOHを表し;
AはCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3は、−L−バインダー、−MODまたは置換されていても良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくは−L−バインダーまたはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それは1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくは、を表す。C
1−10−アルキル);
R
5は、H、NH
2、NO
2、ハロゲン(特にはF、Cl、Br)、−CN、CF
3、−OCF
3、−CH
2F、−CH
2F、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシ、NO
2、NH
2、COOHまたはハロゲン(特にはF、Cl、Br)を表し、
R
8は、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、(フッ素化されていても良い)C
4−10−シクロアルキルまたは−(CH
2)
0−2−(HZ
2)を表し、HZ
2はN、OおよびSからなる群から選択される2個以下のヘテロ原子を有する4から7員複素環を表し、これらの基のそれぞれは−OH、CO
2HまたはNH
2によって置換されていても良く;
R
9はH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表し;
−MODは−(NR
10)
n−(G1)
o−G2−G3を表し、
R
10はHまたはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は−NHCO−または−CONH−を表し(G1が−NHCO−を表す場合、R
10はNH
2を表さない。);
nは0または1を表し;
oは0または1を表し;
G2は直鎖および/または分岐の炭化水素基を表し、それは1から10個の炭素原子を有し、基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NRy−、−NRyCO−、CONRy−、−NRyNRy−、−SO
2NRyNRy−、−CONRyNRy−(RyはH、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれぞれ、NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、−CR
x=N−O−(RxはH、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、何らかの側鎖を含む前記炭化水素鎖は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く、G3は−Hまたは−COOHを表し、基−MODは好ましくは、少なくとも1個の基−COOHを有する。
【0100】
式(II)のKSP阻害剤のバインダー複合体の場合、R
1、R
3およびR
4のうちの多くとも一つの代表的なもの(上記の条件のうちの一つに代わって)が−L−バインダーを表すことができ、Lはリンカーを表し、バインダーは抗体を表し、その抗体は複数の活性化合物分子に結合していても良い。
【0101】
式(IIa)ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマー。
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0102】
式中、
R
1は−L−バインダー、Hまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し;WはHまたはOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2およびR
4は互いに独立に、−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′、H、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表すか、R
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、またはR
2がH、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、R
4は−L−#1を表し、R
11はH、NH
2、SO
3H、COOH、SH、ハロゲン(特にはFまたはCl)、C
1−4−アルキル、C
1−4−ハロアルキル、C
1−4−アルコキシ、ヒドロキシル置換されたC
1−4−アルキル、COO(C
1−4−アルキル)またはOHを表し;
SGlysはリソソーム酵素によって開裂され得る基、特にはジペプチドもしくはトリペプチドからなる基を表し、R
4′はC
1−10−アルキル、C
5−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリール、C
5−10−複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、C
1−10−アルコキシ、C
6−10−アリールオキシまたはC
6−10−アラルコキシ、C
5−10−ヘテロアラルコキシ、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールオキシ、C
5−10−複素環アルコキシ基を表し、それは、−NH
2、−NH−アルキル、−N(アルキル)
2、NH−CO−アルキル、N(アルキル)−COアルキル、−SO
3H、−SO
2NH
2、−SO
2−N(アルキル)
2、−COOH、−CONH
2、−CON(アルキル)
2または−OH、−Hまたは基−O
x−(CH
2CH
2O)
y−R
4″(xは0または1を表し、vは1から20の数字を表し、R
4″は−H、−アルキル(好ましくはC
1−12−アルキル)、−CH
2−COOH、−CH
2−CH
2−COOHまたは−CH
2−CH
2−NH
2を表す。)によってモノ置換もしくは多置換されていても良く;
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
Aは、CO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3は、−L−バインダーまたは置換されていても良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくは−L−バインダーまたはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それは1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくは、C
1−10−アルキルを表す。);
R
5はH、F、NH
2、NO
2、ハロゲン、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Lはリンカーを表し、バインダーはバインダーまたはそれの誘導体を表し、前記バインダーは複数の活性化合物分子に結合していても良く、
R
6およびR
7は互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し、
R
8は(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
4−10−シクロアルキルまたは置換されていても良いオキセタンを表し;
R
9はH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表す。
【0103】
本発明による好ましいものは、さらに、下記のKSP阻害剤/抗体複合体である。
【0104】
式(IIb):
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびR
9は式(II)もしくは(IIa)でのものと同じ意味を有し、AはCOを表し、Bは単結合、−O−CH
2−または−CH
2−O−を表し、R
20はNH
2、F、CF
3またはCH
3を表し、nは0、1または2を表す。
【0106】
式(IIc):
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
式中、A、R
1、R
3、R
6、R
7、R
8およびR
9は式(II)もしくは(IIa)でのものと同じ意味を有し、Aは好ましくはCOを表し、R
3は−CH
2OH、−CH
2OCH
3、CH(CH
3)OHまたはCH(CH
3)OCH
3を表す。
【0108】
式(IId):
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
式中、A、R
3、R
6、R
7、R
8およびR
9は式(II)もしくは(IIa)でのものと同じ意味を有し、Aは好ましくはCOを表し、R
3は−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−COOHを表し、xは0または1を表し、Y
5はHまたはNHY
6を表し、Y
6はHまたは−COCH
3を表す。
【0110】
式(IIe):
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
式中、A、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
8およびR
9は式(II)もしくは(IIa)でのものと同じ意味を有し、R
1は−L−バインダーを表す。
【0112】
式(IIi):
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
式中、A、R
1、R
2、R
3、R
6、R
7、R
8およびR
9は式(II)もしくは(IIa)でのものと同じ意味を有し、R
4は−L−バインダー、好ましくは、開裂後にR
4=Hとなるように酵素的に開裂可能なバインダーを表す。R
1またはR
3は特に好ましくは、−MODを表す。
【0114】
式(IIj):
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
式中、
R
3は−L−#1を表し;
AはCOを表し;
R
6、R
7、R
8およびR
9は、式(I)でのものと同じ意味を有する。
【0116】
式(IIk):
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0117】
式中、
R
1は−L−#1を表し;
AはCOを表し、R
3は−CH
2OHを表し;
R
3、R
6、R
7、R
8およびR
9は、式(I)でのものと同じ意味を有する。
【0118】
さらに、式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIi)、(IIj)および(IIk)の化合物において(単独でまたは組み合わせて)、
ZがClまたはBrを表し;
R
1が−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−COOHまたは−CO−NY
1Y
2を表し、Y
2が−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
1がH、NH
2または−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′を表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−(CH
2CH
2O)
3−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−COOHを表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し、Y
4基の一方がi−プロピルを表し、他方が−(CH
2)
3−NHCONH
2を表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し、Y
4基の一方が−CH
3を表し、他方が−(CH
2)
3−NHCONH
2を表し;
Y
4が−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
少なくとも一方のY
4の代表的なものがi−プロピルおよび−CH
3からなる群から選択され;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−CONHCHY
4COOHを表し、Y
4が−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
Y
4がアミノベンジルを表し;
R
2が−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−SY
3を表し;
R
4が−CO−CHY
4−NHY
5を表し、Y
5がHを表し;
R
4が−CO−CHY
4−NHY
5を表し、Y
5が−CO−CHY
6−NH
2を表し;
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表す場合が好ましい。
【0119】
さらに、式(I)または(II)において、R
1、R
2またはR
3が−MODを表す場合が好ましい。
【0120】
特に好ましくは、R
3は−MODを表し、R
1またはR
4は−L−#1または−L−バインダーを表し、
−MODは−(NR
10)
n−(G1)
o−G2−G3を表し、
R
10はHまたはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は−NHCO−または−CONH−(G1が−NHCO−を表す場合、R
10はNH
2を表さない。)を表し;
nは0または1を表し;
oは0または1を表し;
G2は直鎖および/または分岐の炭化水素基を表し、それは1から10個の炭素原子を有し、基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NRy−、−NRyCO−、CONRy−、−NRyNRy−、−SO
2NRyNRy−、−CONRyNRy−(RyはH、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれぞれ、NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、−NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、または−CRx=N−O−(RxはH、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、何らかの側鎖を含む前記炭化水素鎖は、NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く、G3は−Hまたは−COOHを表し、基−MODは好ましくは少なくとも1個の基−COOHを有する。
【0121】
特に好ましくは、基−MODは、例えばベタイン基において(好ましくは末端)−COOH基を有する。好ましくは、基−MODは、式−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−COOHを有し、xは0または1であり、Y
5はHまたはNHY
6を表し、Y
6はHまたは−COCH
3を表す。
【0122】
他の特に好ましい化合物は、下記の式(III)を有し、ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマーである。
【化17】
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【0123】
式中、
R
1は−L−バインダー、Hまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し;
Y
4は−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2およびR
4は互いに独立に、H、−SG
lys−(CO)
0−1−R
4′、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はH、NH
2、SO
3H、COOH、SH、ハロゲン(特にはFまたはCl)、C
1−4−アルキル、C
1−4−ハロアルキル、C
1−4−アルコキシ、ヒドロキシル置換されたC
1−4−アルキル、COO(C
1−4−アルキル)またはOHを表し;
SGlysはリソソーム酵素によって開裂され得る基、特にはジペプチドもしくはトリペプチドからなる基を表し、R
4′はC
1−10−アルキル、C
5−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリール、C
5−10−複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、C
1−10−アルコキシ、C
6−10−アリールオキシまたはC
6−10−アラルコキシ、C
5−10−ヘテロアラルコキシ、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールオキシ、C
5−10−複素環アルコキシ基を表し、それは、−NH
2、−NH−アルキル、−N(アルキル)
2、NH−CO−アルキル、N(アルキル)−COアルキル、−SO
3H、−SO
2NH
2、−SO
2−N(アルキル)
2、−COOH、−CONH
2、−CON(アルキル)
2または−OH、−Hまたは基−O
x−(CH
2CH
2O)
y−R
4″(xは0または1を表し、vは1から20の数字を表し、R
4″は−H、−アルキル(好ましくはC
1−12−アルキル)、−CH
2−COOH、−CH
2−CH
2−COOHまたは−CH
2−CH
2−NH
2を表す。)によってモノ置換もしくは多置換されていても良く;
Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4は、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5はHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6は直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
AはCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3は−L−バインダーまたは置換されていても良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、または−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−COOHを表し、xは0または1を表し、Y
5はHまたはNHY
6を表し、Y
6はHまたは−COCH
3、好ましくは−L−バインダーまたはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それは1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくは、を表す。C
1−10−アルキル);
R
5はH、F、NH
2、NO
2、ハロゲン、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zは−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2は互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3はHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′はH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Lはリンカーを表し、バインダーは抗体を表し、前記バインダーは複数の活性化合物分子に結合していても良く、
R
6およびR
7は互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し、
R
8は(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
4−10−シクロアルキルまたは置換されていても良いオキセタンを表し;
R
9はH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表す。
【0124】
さらに、(単独でまたは組み合わせて)式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIi)、(IIj)、(IIk)または(III)において、
ZがClまたはBrを表し;
R
1が−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−CO−NY
1Y
2を表し、Y
2が−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
1がH、NH
2または−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′を表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−(CH
2CH
2O)
3−CH
2CH
2Z′を表し、Z′がを−COOH表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し、一方のY
4を代表するものがi−プロピルを表し、他方が−(CH
2)
3−NHCONH
2を表し;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−(CONHCHY
4)
2COOHを表し、一方のY
4を代表するものが−CH
3を表し、他方が−(CH
2)
3−NHCONH
2を表し;
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
少なくとも一方のY
4を代表するものがi−プロピルおよび−CH
3からなる群から選択され;
Y
1がHを表し、Y
2が−CH
2CH
2Z′を表し、Z′が−CONHCHY
4COOHを表し、Y
4が−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
Y
4がアミノベンジルを表し;
R
2が−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−SY
3を表し;
R
4が−CO−CHY
4−NHY
5を表し、Y
5がHを表し;
R
4が−CO−CHY
4−NHY
5を表し、Y
5が−CO−CHY
6−NH
2を表し;および/または
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表す場合が好ましい。
【0125】
好ましいものはさらに、
R
1がH、−L−#1または−L−バインダー、−MODまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′(例えば−(CH
2)
0−3Z′)または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し、WがHまたはOHを表し、
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2がH、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
Zが−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4が互いに独立に、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5がHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6が直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
R
4がHまたは−L−#1または−L−バインダーを表し(−L−#1または−L−バインダーは、R
4をHに変換する酵素的に開裂可能なリンカーである。);
AがCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3が−L−#1または−L−バインダー、−MODまたは置換されていても良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それが1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH((CH
2CH
2O)
1−20H)基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、Zが−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくはC
1−10−アルキルである。);
R
5がH、−MOD、NH
2、NO
2、ハロゲン(特にはF、Cl、Br)、−CN、CF
3、−OCF
3、−CH
2F、−CH
2F、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−H、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
6およびR
7が互いに独立に、H、シアノ、(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニル、ヒドロキシ、NO
2、NH
2、COOHまたはハロゲン(特にはF、Cl、Br)を表し、
R
8が(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−10−アルキニルまたは(フッ素化されていても良い)C
4−
10−シクロアルキルを表し;
置換基R
1およびR
3のうちの一つが−L−#1または−L−バインダーを表し、
Lがリンカーを表し、#1が抗体への結合を表し、バインダーが抗体を表し、
R
9がH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表し;
−MODが−(NR
10)
n−(G1)
o−G2−G3を表し、
R
10がHまたはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1が−NHCO−または−CONH−を表し(G1が−NHCO−を表す場合、R
10はNH
2を表さない。);
nが0または1を表し;
oが0または1を表し;
G2が、直鎖および/または分岐の炭化水素基を表し、それは1から10個の炭素原子を有し、基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NRy−、−NRyCO−、CONRy−、−NRyNRy−、−SO
2NRyNRy−、−CONRyNRy−(RyはH、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれぞれ、NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、−CRx=N−O−(RxはH、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す、)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、何らかの側鎖を含む前記炭化水素鎖は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く、G3が−Hまたは−COOHを表し、基−MODが好ましくは少なくとも1個の基−COOHを有する、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)または(III)の化合物ならびにそれの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマーである。
【0126】
好ましいものは、
R
1がH、−L−#1または−L−バインダー、−MODまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−H、−NHY
3、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2、−(CH
2CH
2O)
0−3−(CH
2)
0−3Z′(例えば−(CH
2)
0−3Z′)または−CH(CH
2W)Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、NH
2、SO
3H、COOH、−NH−CO−CH
2−CH
2−CH(NH
2)COOHまたは−(CO−NH−CHY
4)
1−3COOHを表し、WがHまたはOHを表し、
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し;
R
2がH、−CO−CHY
4−NHY
5または−(CH
2)
0−3Zを表し、
Zが−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
Y
4が、−NHCONH
2によって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表すか、−NH
2によって置換されていても良いアリールまたはベンジルを表し、Y
5がHまたは−CO−CHY
6−NH
2を表し、Y
6が直鎖もしくは分岐のC
1−6−アルキルを表し;
R
4がHを表し、
AがCO、SO、SO
2、SO
2NHまたはCNNH
2を表し;
R
3が、−L−#1または−L−バインダー、−MODまたは置換されていても良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、複素環アルキル基、好ましくはC
1−10−アルキル、C
6−10−アリールまたはC
6−10−アラルキル、C
5−10−ヘテロアルキル、C
1−10−アルキル−O−C
6−10−アリールまたはC
5−10−複素環アルキル基を表し、それが1から3個の−OH基、1から3個のハロゲン原子、1から3個のハロゲン化アルキル基(それぞれ1から3個のハロゲン原子を有する)、1から3個のO−アルキル基、1から3個の−SH基、1から3個の−S−アルキル基、1から3個の−O−CO−アルキル基、1から3個の−O−CO−NH−アルキル基、1から3個の−NH−CO−アルキル基、1から3個の−NH−CO−NH−アルキル基、1から3個の−S(O)
n−アルキル基、1から3個の−SO
2−NH−アルキル基、1から3個の−NH−アルキル基、1から3個の−N(アルキル)
2基、1から3個の−NH((CH
2CH
2O)
1−20H)基、1から3個の−NH
2基または1から3個の−(CH
2)
0−3Z基によって置換されていても良く、Zが−H、ハロゲン、−OY
3、−SY
3、−NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がH、−(CH
2)
0−3−CH(NHCOCH
3)Z′、−(CH
2)
0−3−CH(NH
2)Z′または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し(「アルキル」は好ましくはC
1−10−アルキルである。);
R
5がH、−MOD、NH
2、NO
2、ハロゲン(特にはF、Cl、Br)、−CN、CF
3、−OCF
3、−CH
2F、−CH
2F、SHまたは−(CH
2)
0−3Zを表し、Zが−H、−OY
3、−SY
3、ハロゲン、NHY
3、−CO−NY
1Y
2または−CO−OY
3を表し、
Y
1およびY
2が互いに独立に、H、NH
2または−(CH
2)
0−3Z′を表し、Y
3がHまたは−(CH
2)
0−3Z′を表し、Z′がH、SO
3H、NH
2またはCOOHを表し;
R
6およびR
7が互いに独立に、Hまたはハロゲン(特にはF、Cl、Br)を表し;
R
8が(フッ素化されていても良い)C
1−10−アルキルを表し;
置換基R
1およびR
3のうちの一つが−L−#1または−L−バインダーを表し、
Lがリンカーを表し、#1が抗体への結合を表し、バインダーが抗体を表し、
R
9がH、F、CH
3、CF
3、CH
2FまたはCHF
2を表し;
−MODが−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−COOHを表し、xが0または1であり、Y
5がHまたはNHY
6を表し、Y
6がHまたは−COCH
3を表す、さらには、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)または(III)の化合物ならびにそれの塩、溶媒和物、および溶媒和物の塩である。
【0127】
好ましいものはさらに、例えばトリフルオロ酢酸などの酸とともに存在しても良い次の化合物である。これらの化合物は、リンカーを介して位置R
1、R
3およびR
4に相当する位置を介して抗体に結合していることができる(水素原子はリンカーによって置換されている。)。
【0128】
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−メチルブタンアミド(1:1);
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1S)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アセトアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1S)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−ヒドロキシアセトアミド;
S−(1−{2−[(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)アミノ]エチル}−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−L−システイン;
S−(1−{2−[(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)アミノ]エチル}−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−L−システイン;
S−[1−(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル]−L−システイン;
N−[19−(3(R/S)−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−R/S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}ホモシステイン;
S−{(3R/S)−1−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル}−L−システイン;
S−[(3R/S)−1−(2−{[6−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)ヘキサノイル]アミノ}エチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル]−L−システイン;
S−{1−[2−({[(1R,3S)−3−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)シクロペンチル]カルボニル}アミノ)エチル]−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル}−L−システイン;
S−(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)−L−システイン;
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−N
2−{N−[6−(3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}−L−リジン;
N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−L−グルタミン;
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−L−リジン;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−3,3,3−トリフルオロプロパンアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−4−フルオロベンズアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アセトアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタン酸;
(2S)−2−アミノ−N−(2−アミノエチル)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタンアミド;
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸;
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸;
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニン;
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−L−セリン;
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−L−アラニン;
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}グリシン;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−4−メチルベンズアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−4−(メチルスルファニル)ベンズアミド;
(2S)−N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−ヒドロキシプロパンアミド;
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−(メチルスルファニル)アセトアミド;
(2S)−N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[4−ベンジル−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−ヒドロキシプロパンアミド;
メチル4−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−4−オキソブタノエート;
4−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−4−オキソブタン酸;
(2R)−22−[(3R/S)−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル]−2−[({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)メチル]−4,20−ジオキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−3,19−ジアザドコサン−1−酸;
N−アセチル−S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン;
N−アセチル−S−[2−([3−(L−アラニルアミノ)プロピル]{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン;
(2S)−N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパン酸;
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}ホモシステイン;
4−アミノ−N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}ベンズアミド;
4−[(2−{[(2R)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−2−カルボキシエチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸;
4−[(2−{[(2R)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−2−カルボキシエチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸。
【0129】
本発明による特に好ましいものは、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5が上記で挙げた意味(例えば式(I)または(II)について挙げたもの)を有する下記の式IVの化合物である。
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
特に好ましいものは、R
1およびR
5がHまたは−L−#1を表し;R
2およびR
4がHを表し、またはR
2およびR
4が一緒になって(ピロリジン環を形成)−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11がHを表し;R
3がCH
2OH、CH(CH
3)OHまたは−L−#1を表し、置換基R
1およびR
3のうちの一つが−L−#1を表す式IVの化合物である。さらに、特に好ましいものは、R
1がHまたはCOOHを表し;R
2およびR
5がHを表し;R
4が−L−#1を表し;R
3がCH
2OHまたはCH(CH
3)OHを表し、−L−#1が、R
4をHに変換させる酵素的に開裂可能なリンカーである式IVの化合物である。
【0131】
リンカー
文献に、例えば抗体などのバインダーに有機分子を共有結合的にカップリング(結合)させるための多様な選択肢が開示されている(例えば、K. Lang and J. W. Chin. Chem. Rev. 2014, 114, 4764−4806, M. Rashidian et al. Bioconjugate Chem. 2013, 24, 1277−1294参照)。本発明に従って好ましいものは、遊離チオールとして既に存在しているか、ジスルフィド架橋の還元によって発生する抗体のシステイン残基の1以上の硫黄原子を介した、および/または抗体のリジン残基の1以上のNH基を介した、KSP阻害剤の抗体への結合である。しかしながら、チロシン残基を介して、グルタミン残基を介して、非天然アミノ酸の残基を介して、遊離カルボキシル基を介して、または抗体の糖残基を介して、KSP阻害剤を抗体に結合させることも可能である。カップリングのためには、リンカーを用いる。リンカーは、イン・ビボで開裂可能なリンカーの群およびイン・ビボで安定なリンカーの群に分類することができる(L. Ducry and B. Stump, Bioconjugate Chem.
21, 5−13(2010)参照)。イン・ビボで開裂可能なリンカーは、イン・ビボで開裂可能な基を有し、そこで、イン・ビボで化学的に開裂可能な基とイン・ビボで酵素的に開裂可能な基の間で区別することが可能である。「イン・ビボで化学的に開裂可能な」および「イン・ビボで酵素的に開裂可能な」は、リンカーまたは基が循環中では安定であり、標的細胞でもしくは標的細胞内でのみ、そこでの化学的もしくは酵素的に異なる環境(比較的低いpH;高いグルタチオン濃度;プロテアーゼ類などのリソソーム酵素、または例えば、β−グルクロニダーゼ類などのグリオシダーゼ類(glyosidases)の存在)によって開裂することで、低分子量KSP阻害剤またはそれの誘導体を放出することを意味する。イン・ビボで化学的に開裂可能な基は、特にはジスルフィド、ヒドラゾン、アセタールおよびアミナールであり;酵素的にイン・ビボで開裂可能な基は、特にはリソソーム酵素によって開裂可能なものであり、特に2−8−オリゴペプチド基、特別にはトリ−もしくはジペプチド基またはグリコシドである。ペプチド開裂部位は、Bioconjugate Chem. 2002, 13, 855−869およびBioorganic&Medicinal Chemistry Letters 8 (1998) 3341−3346、さらにはBioconjugate Chem. 1998, 9, 618−626に開示されている。これらには、例えば、バリン−アラニン、バリン−リジン、バリン−シトルリン、アラニン−リジンおよびフェニルアラニン−リジン(適宜に、さらなるアミド基を有する)などがある。
【0132】
イン・ビボで安定なリンカーは、高い安定性(血漿中24時間後に5%未満の代謝物)によって区別され、上記のようなイン・ビボで化学的または酵素的に開裂可能基を持たない。
【0133】
リンカー−L−は好ましくは、
下記の基本構造(i)から(iv):
(i)−(CO)
m−SG1−L1−L2−
(ii)−(CO)
m−L1−SG−L1−L2−
(iii)−(CO)
m−L1−L2−
(iv)−(CO)
m−L1−SG−L2
のうちの一つを有し、
mは0または1であり;SGは、(化学的にまたは酵素的に)イン・ビボで開裂可能な基(特に、ジスルフィド、ヒドラゾン、アセタールおよびアミナール;またはプロテアーゼによって開裂可能な2から8オリゴペプチド基)であり、SG1はオリゴペプチド基または好ましくはジペプチド基であり、L1は互いに独立に、イン・ビボで安定な有機基を表し、L2は、バインダーに対するカップリング基または単結合を表す。ここで、カップリングは好ましくは、抗体のシステイン残基またはリジン残基に対するものである。あるいは、カップリングは、抗体のチロシン残基、グルタミン残基または非天然アミノ酸に対するものであることができる。非天然アミノ酸は、例えば、アルデヒドまたはケト基(例えば、例えばホルミルグリシン)またはアジドもしくはアルキン基(Lan & Chin, Cellular Incorporation of Unnatural Amino Acids and Bioorthogonal Labeling of Proteins, Chem. Rev. 2014, 114, 4764−4806参照)を含むことができる。
【0134】
本発明に従って特に好ましいものは、基本的リンカー構造(iii)である。代謝により、基本的リンカー構造(iii)を有する本発明による複合体の投与および抗体のシステインまたはリジン残基へのリンカーのカップリングによって、下記式のシステインまたはリジン誘導体が生じる。
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
式中、L1は、各場合で、低分子量KSP阻害剤、例えば式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIca)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(III)または(IV)の化合物に結合している。
【0136】
本発明に従って好ましいものはさらに、基本的リンカー構造(ii)および(iv)であり、特に結合が位置R
1でのものである場合、特には基L1が下記構造のうちの一つを有する場合である。
【0137】
(a)−NH−(CH
2)
0−4−(CHCH
3)
0−4−CHY
5−CO−Y
7[Y
5は、HまたはNHY
6を表し、Y
6は、Hまたは−COCH
3を表し、Y
7は、単結合または−NH−(CH
2)
0−
4−CHNH
2−CO−を表すことで、開裂後に、相当する構造−NH−(CH
2)
0−4−(CHCH
3)
0−4−CHY
5−COOHまたは−NH−(CH
2)
0−4−(CHCH
3)
0−4−CHY
5−CO−NH−(CH
2)
0−4−CHNH
2−COOHが得られる。]。
【0138】
(b)−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−CO−[xは0または1であり、Y
5は、HまたはNHY
6を表し、Y
6は、Hまたは−COCH
3を表すことで、開裂後に、相当する構造−CH
2−S
x−(CH
2)
0−4−CHY
5−COOHが得られる。]。
【0139】
本発明に従って好ましいものは、位置R
4に結合した場合の、特にm=0の場合の基本的リンカー構造(i)でもある。
【0140】
リンカーがシステイン側鎖またはシステイン残基に結合している場合、L2は好ましくは、システインのスルフヒドリル基と反応する基から誘導される。これらには、ハロアセチル類、マレイミド類、アジリジン類、アクリロイル類、アリール化化合物、ビニルスルホン類、ピリジルジスルフィド類、TNBチオール類およびジスルフィド還元剤などがある。これらの基は一般に、スルフヒドリル結合と求電子的に反応して、スルフィド(例えばチオエーテル)またはジスルフィド架橋を形成する。好ましいものは、安定なスルフィド架橋である。L2は好ましくは
【化20】
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【0141】
であり、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合点を示し、
#
2は、基L
1への結合点を示し、
R
22は、COOH、COOR、COR、CONHR、CONR
2(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、好ましくはCOOHを表す。
【0142】
L2について特に好ましいものは、
【化21】
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【0143】
であり、
#
1は抗体の硫黄原子への結合点を示し、#
2は活性化合物への結合点を示し、xは1または2を表し、R
22はCOOH、COOR、COR、CONR
2、CONHR(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、好ましくはCOOHを表す。x=1であり、R
22がCOOHを表す場合が好ましい。
【0144】
本発明による複合体または本発明による複合体の混合物において、抗体のシステイン残基への結合が、好ましくは80%強、特に好ましくは90%強(各場合、抗体へのリンカーの結合の総数に基づいて)の範囲で、特に好ましくは式A3またはA4の二つの構造のうちの一つとして存在する。ここで、式A3またはA4の構造は通常は一緒に存在し、好ましくは抗体への結合の数に基づいて60:40から40:60の比率で存在する。そして、残りの結合は、下記構造として存在する。
【化22】
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【0145】
本発明によれば、L1は好ましくは、下記式によって表される。
【化23】
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【0146】
式中、
R
10は、H、NH
2またはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−、−CONH−または
【化24】
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【0147】
を表し;(G1が、NHCOまたは
【化25】
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【0148】
を表す場合はR
10は好ましくはNH
2ではない。)。
【0149】
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状のアルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NR
y−、−NR
yCO−、−C(NH)NR
y−、CONR
y−、−NR
yNR
y−、−SO
2NR
yNR
y−、−CONR
yNR
y−(R
yは、H、フェニル、C
1−C
10−アルキル、C
2−C
10−アルケニルまたはC
2−C
10−アルキニルを表し、それらはそれぞれNHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、−CR
x=N−O−(R
xは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。)および/または4個以下のN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択されるヘテロ原子を有する3から10員の芳香族もしくは非芳香族複素環(好ましくは
【化26】
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【0150】
)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、側鎖を含む炭化水素は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0151】
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状アルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−およびN、OおよびS、または−SO−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する5から10員の芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化27】
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【0152】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、前記側鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0153】
G2は好ましくは、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状アルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−、−CR
x=N−O−(R
xは、H、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。)およびN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員、例えば5から10員の芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化28】
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【0154】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖を含む炭化水素鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0155】
G2におけるさらなる中断基は、好ましくは
【化29】
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【0156】
であり、
R
xは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。
【0157】
ここで、#
1はKSP阻害剤への結合であり、#
2は抗体へのカップリング基への結合である(例えばL2)。
【0158】
アリーレン基および/または直鎖および/または分岐および/または環状アルキレン基の直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖は通常、言及される個々の数の炭素原子を有するα,ω−二価アルキル基を含む。次のもの:メチレン、エタン−1,2−ジイル(1,2−エチレン)、プロパン−1,3−ジイル(1,3−プロピレン)、ブタン−1,4−ジイル(1,4−ブチレン)、ペンタン−1,5−ジイル(1,5−ペンチレン)、ヘキサン−1,6−ジイル(1,6−ヘキシレン)、ヘプタン−1,7−ジイル(1,7−ヘキシレン)、オクタン−1,8−ジイル(1,8−オクチレン)、ノナン−1,9−ジイル(1,9−ノニレン)、デカン−1,10−ジイル(1,10−デシレン)を例として、そして好ましいものとして挙げることができる。しかしながら、炭化水素鎖におけるアルキレン基は分岐であることもでき、すなわち上記で言及の直鎖アルキレン基の1以上の水素原子がC
1−10−アルキル基によって置換されていることで、側鎖を形成していることができる。炭化水素鎖はさらに、環状アルキレン基(シクロアルカンジイル)、例えば1,4−シクロヘキサンジイルまたは1,3−シクロペンタンジイルを含んでいても良い。これらの環状基は不飽和であっても良い。特に、その炭化水素基には、芳香族基(アリーレン基)、例えばフェニレンが存在しても良い。そして、環状アルキレン基およびアリーレン基において、やはり、1以上の水素原子がC
1−10−アルキル基によって置換されていても良い。このようにして、分岐していても良い炭化水素鎖が形成される。この炭化水素鎖は、合計0から100個の炭素原子、好ましくは1から50個、特に好ましくは2から25個の炭素原子を有する。
【0159】
側鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって同一でまたは異なってモノ置換または多置換されていても良い。
【0160】
当該炭化水素鎖は、−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−ならびにN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する5から10員の芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化30】
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【0161】
)によって同一でまたは異なって1回または複数回中断されていても良い。
【0162】
G2におけるさらなる中断基は好ましくは、
【化31】
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【0164】
好ましくは、リンカーは、下記式:
【化32】
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【0165】
に相当し、
mは、0または1を表し;
§は、活性化合物分子への結合を表し、
§§は、バインダーペプチドもしくはタンパク質への結合を表し、
L1およびL2は上記の意味を有する。
【0166】
特に好ましくは、L1は式−NR11B−を有し、
R
11は、HまたはNH
2を表し;
Bは、−[(CH
2)
x−(X
4)
y]
w−(CH
2)
z−を表し、
w=0から20であり;
x=0から5であり;
y=0または1であり;
z=0から5であり;
X
4は、−O−、−CONH−、−NHCO−または
【化33】
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【0168】
本発明に従って好ましいリンカーLは、下記式:
【化34】
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【0169】
を有し、
#3は、活性化合物分子への結合を表し、
#4は、バインダーペプチドもしくはタンパク質への結合を表し、
R11は、HまたはNH
2を表し;
Bは、−[(CH
2)
x−(X
4)
y]
w−(CH
2)
z−を表し、
w=0から20であり;
x=0から5であり;
y=0または1であり;
z=1から5であり;
X
4は、−O−、−CONH−、−NHCO−または
【化35】
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【0171】
上記で言及したリンカーは、リンカーがR1での水素原子の置換によってカップリングする式(I)または(II)の複合体で、またはR4での開裂可能リンカーSG1と組み合わせたものが特に好ましく、すなわちR1が−L−#1を表し、またはR4が−SG1−L−#1を表し、#1が抗体への結合を表す。
【0172】
本発明に従って好ましいものはさらに、下記のリンカーである。すなわち、本発明による複合体において、または本発明による複合体の混合物において、抗体のシステイン残基への結合が、好ましくは80%強、特に好ましくは90%強(各場合で、抗体へのリンカーの結合の総数に基づいて)の程度まで、特に好ましくは式A5またはA6の二つの構造のうちの一つとして存在する。
【化36】
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【0173】
式中、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合箇所を示し、
#
2は、基L
1への結合箇所を示し、
R
22は、COOH、COOR、COR、CONR
2、CONHR(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、好ましくはCOOHを表す。
【0174】
ここで、式A5またはA6の構造は通常は一緒に存在し、好ましくは抗体への結合数に基づいて60:40から40:60の比率である。残りの結合は、下記構造として存在する。
【化37】
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【0175】
システイン側鎖またはシステイン残基に結合した他のリンカー−L−は下記式を有する。
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
式中、
§は、活性化合物分子への結合を表し、
§§は、バインダーペプチドもしくはタンパク質への結合を表し、
mは、0、1、2または3を表し;
nは、0、1または2を表し;
pは、0から20を表し;
L3は、
【化39】
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【0177】
を表し、
oは、0または1を表し;
G3は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または環状アルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−およびN、OおよびS、−SO−またはSO
2からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員(好ましくは5から10員)の芳香族もしくは非芳香族複素環(好ましくは
【化40】
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【0178】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0179】
上記式において、好ましくは
mは、1を表し;
pは、0を表し;
nは、0を表し;
L3は
【化41】
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【0180】
を表し、
oは、0または1を表し;
G
3は、−(CH
2CH
2O)
s(CH
2)
t(CONH)
uCH
2CH
2O)
v(CH
2)
w−を表し、
s、t、vおよびwはそれぞれ互いに独立に、0から20であり、uは0または1である。
【0181】
上記の式§−(CO)m−L1−L2−§§における好ましい基L1は下記のものであり、それらにおいて、rは各場合で互いに独立に、0から20、好ましくは0から15、特に好ましくは1から20、特別に好ましくは2から10の数字を表す。
【化42】
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【0182】
L1のさらなる例を表Cに示してあり、表中において、この基はボックスで強調してある。
【0183】
リンカー部分L1の例を、下記の表AおよびA′に示してある。その表にはさらに、L1のこれらの例が好ましく組み合わされる基L2、さらには好ましいカップリング箇所(R
1またはR
3またはR
4)およびmについての好ましい値を示してあり、これはL1の前にカルボニル基があるか否かを問わない(§−(CO)m−L1−L2−§§と比較)。これらのリンカーは好ましくは、システイン残基にカップリングしている。L2がコハク酸イミドであるかそれから誘導されている場合、このイミドは完全にまたは部分的に、上記のような加水分解された開鎖コハク酸アミドの形態であっても良い。L1に応じて、開鎖コハク酸アミドへのこの加水分解は、ほぼ明白であるか、全く存在しないことがある。
【0184】
表A
【表1】
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【0185】
**特に好ましくは、これらの列で提供されるリンカーは、下記のものから選択されるリンカーL2に結合する。
【化43】
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【0186】
および/または
【化44】
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【0187】
式中、#
1はバインダーの硫黄原子への結合箇所を示し、#
2は基L
1への結合箇所を示し、R
22は好ましくはCOOHを表す。本発明による複合体において、または本発明による複合体の混合物において、バインダーのシステイン残基への結合が、好ましくは80%強、特に好ましくは90%強(各場合で、バインダーへのリンカーの結合の総数に基づいて)の程度まで、特に好ましくは式A7またはA8の二つの構造のうちの一つとして存在する。ここで、式A7またはA8の構造は通常は一緒に存在し、好ましくはバインダーへの結合数に基づいて60:40から40:60の比率である。残りの結合は、下記構造として存在する。
【化45】
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【0188】
表A′
【表2】
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【0189】
**:表Aにおける注
**を参照する。
【0190】
***:この構造L2が存在する場合、同時に下記式の構造L2があっても良い。
【化46】
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【0191】
相当するリンカーを有する複合体の例は下記構造を有し、X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、L1は上記の意味を有し、L2およびL3はL1と同じ意味を有し、AK1はシステイン残基を介して結合した抗CD123抗体を表し、nは1から10の数字である。特に好ましくは、AK1は、ヒト、ヒト化またはキメラモノクローナル抗CD123抗体である。ここで、特に好ましいものは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【化47】
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【0192】
リンカーがリジン側鎖またはリジン残基に結合している場合、それは好ましくは、下記式を有する。
【化48】
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【0193】
式中、
§は活性化合物分子への結合を表し、
§§は、バインダーペプチドもしくはタンパク質への結合を表し、
xは0または1を表し、
SGは、開裂可能基、好ましくは2から8オリゴペプチド、特に好ましくはジペプチドを表し、
L4は、単結合または基−(CO)
y−G4−を表し、yは0または1を表し、
G4は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状アルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−およびN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する5から10員の芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0194】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0195】
下記の表Bは、リジン残基へのリンカーの例を提供するものである。その表はさらに、好ましいカップリング箇所(R
1−R
5)を提供する。最初の欄にはさらに、相当するリンカーを使用する実施例番号も記載されている。
【0196】
表B:リジンリンカー
−§−(SG)x−L4−CO−§§
【表3】
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【0197】
相当するリンカーを有する複合体の例は、下記構造を有し、その構造において、X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、L4は上記で提供の意味を有し、AK2はリジン残基を介して結合した抗体を表し、nは1から10の数字である。AK2は、ヒト、ヒト化またはキメラモノクローナル抗CD123抗体またはそれの抗原結合性断片である。ここで、特に好ましいものは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【化50】
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【0198】
本発明に従って好ましいものはさらに、基本構造(i)、(ii)または(iv)であり、それらにおいて、SG1またはSGはプロテアーゼによって開裂可能な基を表し、L1およびL2は上記で提供の意味を有する。特に好ましいものは、下記の基である。
【0199】
−Val−Ala−CONH−(これにより、アラニンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)
−NH−Val−Lys−CONH−(リジンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)
−NH−Val−Cit−CONH−(シトルリンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)
−NH−Phe−Lys−CONH(リジンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)
−NH−Ala−Lys−CONH−(リジンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)
−NH−Ala−Cit−CONH−(シトルリンのC末端アミドでのアミド結合の開裂)。
【0200】
SG1またはSGは特に好ましくは
【化51】
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【0201】
であり、
Xは、HまたはC
1−10−アルキル基を表し、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、NH
2、−NH−CNNH
2またはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0202】
下記の表Cは、リンカー部分−SG1−L1−または−L1−SG−L1−の例を提供するものであり、SG1およびSGはプロテアーゼによって開裂可能な基である。表Cはさらに、−SG1−L1−および−L1−SG−L1−のこれらの例が好ましく組み合わせる基L2、さらには好ましいカップリング箇所(R
1−R
5)およびmについての好ましい値を示しており、従ってL1の前にカルボニル基にあるか否かは無関係である(§−(CO)m−L1−L2−§§と比較)。これらのリンカーは、好ましくはシステイン残基にカップリングする。L1基は、ボックスで強調されている。しかしながら、これらの基L1は、上記の式§−(CO)m−L1−L2−§§について提供の基L1のうちの一つによって置き換わっていることができる。L2がコハク酸アミドであるかそれから誘導されている場合、このアミドは完全にまたは部分的に、上記のような加水分解された開鎖コハク酸アミドの形態であっても良い。
【0203】
表C
【表4】
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【0204】
基本構造(i)を有する複合体の例は下記構造を有し、X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、L4はL1と同じ意味を有し、AK1はシステイン残基を介して結合した抗CD−123抗体を表し、nは1から10の数字である。ここで、特に好ましいものは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【化52】
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【0205】
KSP阻害剤−リンカー−中間体および複合体の製造
本発明による複合体は、最初に低分子量KSP阻害剤にリンカーを提供することによって製造される。次に、このようにして得られた中間体をバインダー(好ましくは抗体)と反応させる。
【0206】
好ましくは、システイン残基へのカップリングのために、下記化合物のうちの一つを、システイン含有バインダー、例えばこの目的のために部分還元されていても良い抗体と反応させる。
【化53】
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【0207】
式中、
Rは−Hまたは−COOHを表し、
Kは、C
1−C
6−アルコキシまたは−OHによって置換されていても良い直鎖もしくは分岐のC
1−C
6アルキルを表し、
X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、SG1、L1、L2、L3およびL4は上記と同じ意味を有する。
【0208】
上記各化合物および下記化合物において、tert−ブチル基は、シクロヘキシルに置き換わっていても良い。
【0209】
その化合物は、例えば、それのトリフルオロ酢酸塩の形で用いることができる。例えば抗体などのバインダーとの反応の関しては、当該化合物は好ましくは、バインダーに関して2から12倍モル過剰で用いる。
【0210】
好ましくは、リジン残基へのカップリングに関しては、下記化合物のうちの一つを、抗体などのリジン含有バインダーと反応させる。
【化54】
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【0211】
式中、X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、L4はL1と同じ意味を有し、L1は上記と同じ意味を有する。
【0212】
システイン残基への中間体カップリングに関しては、その反応は下記のように説明することができる。
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0213】
他の中間体および他の抗体を同様に反応させることができる。
【0214】
リジン残基への中間体カップリングに関しては、その反応は下記のように説明することができる。
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
本発明によれば、下記の複合体が提供される。
【化57】
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【0216】
リンカーに応じて、コハク酸イミド連結ADCは、結合後に、有利な安定性プロファイルを有する開鎖コハク酸アミドに変換することができる。
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
この反応(開環)は、pH7.5から9で、好ましくはpH8で、25℃から37℃の温度で、例えば撹拌することで行うことができる。好ましい撹拌時間は8から30時間である。
【0218】
上記式において、X1はCHを表し、X2はCを表し、X3はNを表し、SG1およびL1は上記と同じ意味を有し、L2、L3およびL4はL1と同じ意味を有し;RおよびKは上記と同じ意味を有する。AK1はシステイン残基を介してカップリングした抗CD123抗体であり、AK2はリジン残基を介してカップリングした抗CD123抗体である。特に好ましくは、AK1およびAK2はマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラもしくはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【0219】
抗CD123抗体
文献に、抗体への有機分子の共有結合カップリング(結合)の多様な選択肢も開示されている。本発明に従って好ましいものは、抗体のシステイン残基の1以上の硫黄原子を介したおよび/または抗体のリジン残基の1以上のNH基を介した抗体への担毒体の結合である。しかしながら、遊離カルボキシル基を介して、または抗体の糖残基を介して抗体に担毒体を結合させることも可能である。
【0220】
抗体は、結合を介してリンカーに結合することができる。抗体の結合は、バインダーのヘテロ原子を介したものであることができる。結合に用いることができる抗体の本発明によるヘテロ原子は、硫黄(1実施形態において、抗体のスルフヒドリル基を介して)、酸素(本発明によれば、抗体のカルボキシルまたはヒドロキシル基によって)および窒素(1実施形態において、抗体の1級もしくは2級アミン基もしくはアミド基を介して)である。これらのヘテロ原子は天然抗体に存在し得るものであるか、化学的方法または分子生物学の方法によって導入される。本発明によれば、担毒体への抗体の結合は、標的分子に関して抗体の結合活性に対するごくわずかな効果しか持たない。好ましい実施形態において、その結合は、標的分子に関して抗体の結合活性に対して全く効果を持たない。
【0221】
本発明によれば、「抗体」という用語は、それの最も広い意味で理解すべきであり、免疫グロブリン分子、例えば無傷もしくは修飾モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体または多特異的抗体(例えば二重特異抗体)を含む。免疫グロブリン分子は好ましくは、代表的にはジスルフィド架橋によって連結される四つのポリペプチド鎖、二つの重鎖(H鎖)および二つの軽鎖(L鎖)を有する分子を含む。各重鎖は、重鎖の可変ドメイン(略称VH)および重鎖の定常ドメインを含む。重鎖の定常ドメインは、例えば、三つのドメインCH1、CH
2およびCH3を含むことができる。各軽鎖は、可変ドメイン(略称VL)および定常ドメインを含む。軽鎖の定常ドメインは、ドメイン(略称CL)を含む。VHおよびVLドメインは、超可変性を有する領域[相補性決定領域(略称CDR)とも称される]および低い配列可変性を有する領域(フレームワーク領域、略称FR)にさらに細分することができる。代表的には、各VHおよびVL領域は、三つのCDRおよび四つ以下のFRからなる。例えば、アミノ末端からカルボキシ末端に次の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4である。抗体は、いずれか好適な生物種、例えばウサギ、ラマ、ラクダ、マウスまたはラットから得ることができる。1実施形態において、抗体は、ヒトまたはマウス起源のものである。抗体は、例えばヒト、ヒト化またはキメラであることができる。
【0222】
「モノクローナル」抗体という用語は、実質的に均一な抗体の群から得られる抗体を指し、すなわち、その群の個々の抗体は、数が少ない可能性がある自然突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高い特異性を有する単一抗原性結合部位を認識する。モノクローナル抗体という用語は、特定の製造プロセスを指さない。
【0223】
「無傷」抗体という用語は、軽鎖および重鎖の抗原結合ドメインおよび定常ドメインの両方を含む抗体を指す。定常ドメインは、多くの修飾アミノ酸位置を有する天然ドメインまたはそれの変異体であることができる。
【0224】
「修飾無傷」抗体という用語は、抗体起源ではないさらなるポリペプチドもしくはタンパク質との共有結合(例えば、ペプチド結合)によってアミノ末端またはカルボキシ末端を介して融合した無傷抗体を指す。さらに、抗体を修飾して、定義の位置で、反応性システインを導入して、担毒体へのカップリングを促進するようにすることができる(Junutula et al. Nat Biotechnol. 2008, 26(8):925−32参照)。
【0225】
「ヒト」抗体という用語は、ヒトから得ることができるか、合成ヒト抗体である抗体を指す。「合成」ヒト抗体は、ヒト抗体配列の分析に基づいて合成配列からイン・シリコで部分的または完全に得ることができる抗体である。ヒト抗体は、例えば、ヒト起源の抗体配列のライブラリから単離された核酸によってコードされ得る。そのような抗体の例が、Soderlind et al., Nature Biotech. 2000, 18:853−856にある。
【0226】
「ヒト化」または「キメラ」抗体という用語は、配列の非ヒトおよびヒト部分からなる抗体を説明するものである。これらの抗体において、ヒト免疫グロブリン(受容体)の配列の一部が、非ヒト免疫グロブリン(供与体)の配列部分によって置き換わっている。多くの場合で、供与体はマウス免疫グロブリンである。ヒト化抗体の場合、受容体のCDRのアミノ酸が、供与体のアミノ酸によって置き換わっている。場合により、フレームワークのアミノ酸も、供与体の相当するアミノ酸によって置き換わっている。場合により、ヒト化抗体は、抗体の至適化時に導入された、受容体にも供与体にも存在しないアミノ酸を含む。キメラ抗体の場合、供与体免疫グロブリンの可変ドメインが、ヒト抗体の定常領域と融合している。
【0227】
本明細書で使用される相補性決定領域(CDR)という用語は、抗原への結合に必要な可変抗体ドメインのアミノ酸を指す。代表的には、各可変領域は、CDR1、CDR2およびCDR3と称される三つのCDR領域を有する。各CDR領域は、カバットの定義によるアミノ酸および/またはコチアに従って定義される超可変ループのアミノ酸を包含することができる。カバットによる定義は、例えば、可変軽鎖のほぼアミノ酸位置24から34(CDR1)、50から56(CDR2)および89から97(CDR3)、そして可変重鎖の31から35(CDR1)、50から65(CDR2)および95から102(CDR3)からの領域を含む(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.(1991))。コチアによる定義は、例えば、可変軽鎖のほぼアミノ酸位置26から32(CDR1)、50から52(CDR2)および91から96(CDR3)そして可変重鎖の26から32(CDR1)、53から55(CDR2)および96から101(CDR3)の領域を含む(Chothia and Lesk; J Mol Biol 196:901−917(1987))。場合により、CDRは、カバットおよびコチアに従って定義されるCDR領域からのアミノ酸を含むことができる。
【0228】
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体は異なる群に分けることができる。無傷抗体の主要な5群:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちのいくつかは、さらなる下位群(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2に分けることができる。異なる群に相当する重鎖の定常ドメインは、[アルファ/α]、[デルタ/δ]、[イプシロン/ε]、[ガンマ/γ]および[ミュー(my)/μ]と称される。抗体の三次元構造およびサブユニット構造の両方が公知である。
【0229】
抗体/免疫グロブリンの「機能性断片」または「抗原結合性抗体断片」という用語は、やはり抗体/免疫グロブリンの抗原結合性ドメインを含む抗体/免疫グロブリンの断片(例えば、IgGの可変ドメイン)と定義される。抗体の「抗原結合性ドメイン」は代表的には、抗体の1以上の超可変領域、例えばCDR、CDR2および/またはCDR3領域を含む。しかしながら、抗体の「フレームワーク」または「骨格」領域は、抗原に対する抗体の結合時に関与し得る。そのフレームワーク領域は、CDRの骨格を形成する。好ましくは、抗原結合性ドメインは、少なくとも可変軽鎖のアミノ酸4から103および可変重鎖のアミノ酸5から109、より好ましくは可変軽鎖のアミノ酸3から107および可変重鎖の4から111、特に好ましくは完全な可変軽および重鎖、すなわちVLのアミノ酸1から109およびVHの1から113(WO97/08320による番号付け)を含む。
【0230】
本発明の「機能性断片」または「抗原結合性抗体断片」は、Fab、Fab′、F(ab′)2およびFv断片、二重特異抗体、単一ドメイン抗体(DAbs)、線状抗体、抗体の個々の鎖(単鎖Fv、略称scFv);および多特異的抗体、例えば二重特異抗体および三重特異抗体、例えば抗体断片から形成されるものを包含するが、これらに限定されるものではない(C. A. K Borrebaeck, editor (1995) Antibody Engineering (Breakthroughs in Molecular Biology), Oxford University Press; R. Kontermann&S. Duebel, editors (2001) Antibody Engineering(Springer Laboratory Manual), Springer Verlag)。「多特異的」または「多機能性」抗体以外の抗体は、同一の結合部位を有するものである。多特異的抗体は、抗原の異なるエピトープに特異的であることができるか、複数の抗原のエピトープに特異的であることができる(例えば、WO93/17715;WO92/08802;WO91/00360;WO92/05793;Tutt, et al., 1991, J. Immunol. 147:60 69;米国特許第4,474,893号;同4,714,681号;同4,925,648号;同5,573,920号;同5,601,819号;またはKostelny et al., 1992, J. Immunol. 148:15471553参照)。F(ab′)
2またはFab分子は、Ch1ドメインとCLドメインの間で起こる分子間ジスルフィド相互作用の作用を低減または完全に防止することができるように構築することができる。
【0231】
「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合する能力を有するタンパク質決定基を指す。エピトープ決定基は通常、アミノ酸もしくは糖側鎖またはそれらの組み合わせなどの分子の化学的に活性な表面基からなり、通常は特異な三次元構造特性を有し、特異な電荷特性も有する。
【0232】
「機能性断片」または「抗原結合性抗体断片」は、それのアミノ末端またはカルボキシル末端を介して、共有結合(例えばペプチド連結)によって、抗体を起源としない別のポリペプチドまたはタンパク質と融合していることができる。さらに、抗体および抗原結合性断片を、規定の場所で反応性システインを導入することで修飾して、担毒体へのカップリングを促進することができる(Junutula et al. Nat Biotechnol. 2008 Aug;26(8):925−32参照)。
【0233】
ポリクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって作ることができる。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって作ることができる(Koehler and Milstein, Nature, 256, 495−497, 1975)。ヒトおよびヒト化モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって作ることができる(Olsson et al., Meth Enzymol. 92, 3−16またはCabilly et al US 4,816,567またはBoss et al US4,816,397)。
【0234】
当業者は、例えば、トランスジェニックマウス(N Lonberg and D Huszar, Int Rev Immunol. 1995; 13(1):65−93)またはファージ提示技術(Clackson et al., Nature. 1991 Aug 15;352(6336):624−8)によってヒト抗体およびそれの断片を作る多様な方法を知っている。本発明の抗体は、例えば非常に多数の健常志願者から集めた非常に多数の抗体のアミノ酸配列からなる組換え抗体ライブラリーから得ることができる。抗体は、公知の組換えDNA技術によって作ることも可能である。抗体の核酸配列は、通常の配列決定によって得ることができるか、公開でアクセス可能なデータベースから入手することができる。
【0235】
「単離」抗体またはバインダーは、精製されて細胞の他の構成要素が除去されたものである。診断的使用または治療的使用を妨害し得る細胞の汚染構成要素は、例えば、酵素類、ホルモン類、または細胞の他のペプチドもしくは非ペプチド構成要素である。好ましい抗体またはバインダーは、抗体またはバインダーに対して95重量%強の範囲(例えばローリー法、UV−Visスペクトル分析またはSDSキャピラリーゲル電気泳動によって測定)まで精製されているものである。さらに、アミノ末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15個のアミノ酸を決定することができる程度まで精製されている抗体、または均一となるまで精製された(均一性は還元条件もしくは非還元条件下のSDS−PAGEによって決定される(検出は、クマシー・ブルー(Coomassie Blau)染色または好ましくは銀着色によって決定することができる。)。)抗体である。しかしながら、抗体は通常は、1以上の精製段階によって得られる。
【0236】
「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、所定の抗原/標的分子に結合する抗体またはバインダーを指す。抗体またはバインダーの特異的結合は代表的には、少なくとも10
−7Mのアフィニティを有する抗体またはバインダーを説明するものであり(
Kd値として;すなわち好ましくは10−7Mより小さいKd値を有するもの)、その抗体またはバインダーは所定の抗原/標的分子でも非常に関連の深い抗原/標的分子でもない非特異的抗原/標的分子(例えばウシ血清アルブミンまたはカゼイン)に対してより、所定の抗原/標的分子に対して少なくとも2倍高いアフィニティを有する。その抗体は好ましくは、少なくとも10
−7M(Kd値として;すなわち、好ましくは10
−7Mより小さいKd値を有するもの)、好ましくは少なくとも10
−8M、より好ましくは10
−9Mから10
−11Mの範囲のアフィニティを有する。Kd値は、例えば表面プラズモン共鳴分光法によって測定することができる。
【0237】
本発明の抗体−薬物複合体は同様に、これらの範囲のアフィニティを示す。そのアフィニティは、好ましくは薬物の結合によってほとんど影響を受けない(概して、そのアフィニティは一桁未満低下し、すなわち、例えば、多くとも10
−8Mから10
−7Mである。)。
【0238】
本発明に従って使用される抗体は、好ましくは高い選択性についても注目すべきものである。高い選択性が存在するのは、本発明の抗体が、独立の他の抗原、例えばヒト血清アルブミンに対してより少なくとも2倍、好ましくは5倍、またはより好ましくは10倍良好な標的タンパク質に対するアフィニティを示す場合である(アフィニティは、例えば表面プラズモン共鳴分光法によって測定することができる。)。
【0239】
さらに、使用される本発明の抗体は、好ましくは交差反応性である。前臨床試験、例えば毒性試験または活性試験(例えば、異種移植マウスでの試験)を容易にし、より良好に解釈できるようにするために、本発明に従って使用される抗体がヒト標的タンパク質に結合するだけでなく、試験に用いられる生物における生物標的タンパク質にも結合する場合が有利である。1実施形態において、本発明に従って使用される抗体は、ヒト標的タンパク質に加えて、少なくとも一つの別の生物種の標的タンパク質に対して交差反応性である。毒性試験および活性試験に関しては、齧歯類、イヌおよび非ヒト霊長類の科の生物を用いることが好ましい。好ましい齧歯類種は、マウスおよびラットである。好ましい非ヒト霊長類は、アカゲザル、チンパンジーおよびカニクイザルである。
【0240】
1実施形態において、本発明に従って用いられる抗体は、ヒト標的タンパク質に加えて、マウス、ラットおよびカニクイザル(Macaca fascicularis)からなる生物種の群から選択される少なくとも一つの別の生物種の標的タンパク質に対して交差反応性である。特別に好ましいものは、ヒト標的タンパク質に加えて、少なくともマウス標的タンパク質に対して交差反応性である本発明に従って用いられる抗体である。好ましいものは、前記別の非ヒト生物種の標的タンパク質に対するアフィニティがヒト標的タンパク質に対するアフィニティと50倍まで、詳細には10倍まで異なる交差反応性抗体である。
【0241】
癌標的分子に対する抗体
バインダー、例えば抗体またはそれの抗原結合性断片が向かう標的分子は、好ましくは癌標的分子である。「癌標的分子」という用語は、同じ組織型の非癌細胞上より1以上の癌細胞種上で豊富に存在する標的分子を説明するものである。好ましくは、癌標的分子は、同じ組織型の非癌細胞と比較して1以上の癌細胞種上に選択的に存在し、「選択的に」とは、同じ組織型の非癌細胞と比較して癌細胞上で少なくとも2倍豊富であることを説明するものである(「選択的癌標的分子」)。癌標的分子を用いることで、本発明による複合体を用いる癌細胞の選択的療法が可能となる。
【0242】
ここで、特に好ましいものは、細胞外癌標的分子IL−3Rα、CD123(配列番号41)である。
【0243】
機能性インターロイキン3受容体は、特異的α鎖(IL−3Rα、CD123)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびインターロイキン5(IL−5)についての受容体と共有されている「一般」IL−3受容体β鎖(βC、CD131)を含むヘテロ二量体である。
【0244】
IL−3Rα、CD123は、計算分子量約41kDaを有する1型の膜貫通タンパク質である。CD123は、IL−3結合に関与する細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび約50アミノ酸の短い細胞質末端を含む。細胞外ドメインは、GM−CSFおよびIL−5受容体α鎖の等価な領域と配列類似性を有する約100アミノ酸のN末端領域および四つの保存されたシステイン残基およびサイトカイン受容体ファミリーにおいて共通のWSXWSモチーフを含む膜貫通ドメインに近位の領域という二つの領域からなる。
【0245】
IL−3結合ドメインは、Ig様に畳まれた二つのドメインから構成される約200アミノ酸残基のサイトカイン受容体モチーフ(CRM)を含む。IL−3Rα、CD123の細胞外ドメインは高度にグリコシル化されており、N−グリコシル化はリガンド結合および受容体シグナル伝達に必要である。
【0246】
IL−3Rα、CD123は、造血系全体にわたり広範囲に、例えば造血前駆細胞、肥満細胞、赤血球、巨核球、好中球、好塩基球および好酸球顆粒球、単球/マクロファージ、およびCD5+Bリンパ球で発現され、CD123は樹状細胞、ライディッヒ細胞、内皮細胞および間質細胞などの非造血細胞でも発現される。
【0247】
IL−3Rα、CD123は、ある種の疾患に関与する細胞によっても発現され、それらの疾患には骨髄異形成症候群、白血病(急性骨髄性白血病(AML)など)、リンパ腫、アレルギーおよび自己免疫障害、例えば狼瘡または強皮症が含まれる。
【0248】
これらの関係のため、抗IL−3Rα、抗CD123抗体は、裸の(naked)抗体または結合(coupled)抗体(例えばADC類)として治療法で用いることができる。
【0249】
本発明は、IL−3Rα、CD123(配列番号41)に特異的に結合する抗体を含む複合体に関するものである。
【0250】
「抗CD123抗体」または「CD123に特異的に結合する抗体」という用語は、診断用途および/または治療用途に十分なアフィニティで癌標的分子CD123(IL−3Rα、配列番号41)に結合する抗体に関するものである。1実施形態において、CD123に関連しないタンパク質への抗CD123抗体の結合は、例えば表面プラズモン共鳴分光法による測定で、抗体のCD123への結合の10%未満である。ある種の実施形態において、抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nMの解離定数(KD)でCD123(IL−3Rα、配列番号41)に結合する。ある種の実施形態において、抗CD123抗体は、異なる生物種間で保存されるエピトープに結合する。
【0251】
癌標的分子に結合する抗体は、例えば化学合成または組換え発現などの公知の方法を用いて当業者が作ることができる。癌標的分子についてのバインダーは、商業的に入手できるか、例えば化学合成または組換え発現などの公知の方法を用いて当業者が作ることができる。抗体または抗原結合性抗体断片を作るさらなる方法については、WO2007/070538に記載されている(22頁「抗体」参照)。当業者であれば、ファージ提示ライブラリー(例えばMorphosys HuCAL Gold)などのプロセスを収集および使用して抗体または抗原結合性抗体断片を発見する方法については知っている(WO2007/070538、24頁以降および70頁のAK実施例1、72頁のAK実施例2参照)。B細胞からのDNAライブラリーを用いるさらなる抗体取得方法が、例えば26頁(WO2007/070538)に記載されている。ヒト化抗体についてのプロセスは、WO2007070538の30−32頁に記載されており、Queen、et al., Pros. Natl. Acad. Sci. USA 86:10029−10033, 1989またはWO90/0786に詳細に記載されている。さらに、タンパク質一般および特に抗体の組換え発現方法は当業者には公知である(例えば、Berger and Kimrnel (Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology, Vo1. 152, Academic Press, Inc.); Sambrook, et al., (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Cold Spring Harbor, N.Y.; 1989) Vol. 1−3); Current Protocols in Molecular Biology, (F. M. Ausabel et al. [Eds.], Current Protocols, Green Publishing Associates, Inc. / John Wiley & Sons, Inc.); Harlow et al., (Monoclonal Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (19881, Paul [Ed.]); Fundamental Immunology, (Lippincott Williams & Wilkins (1998)); and Harlow, et al., (Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1998)参照)。当業者であれば、タンパク質/抗体の発現に必要な相当するベクター、プロモーターおよびシグナルペプチドは知っている。通常プロセスが、WO2007/070538の41−45頁にも記載されている。IgG1抗体の取得方法が、例えばWO2007/070538の74頁以降の実施例6に記載されている。抗原への結合後の抗体の内在化の決定を可能とするプロセスが当業者には公知であり、例えばWO2007/070538の80頁に記載されている。当業者は、異なる標的分子特異性を有する抗体の作製と同様にして炭酸脱水酵素IX(Mn)抗体を作るのに用いられているWO2007/070538に記載の方法を用いることができる。
【0252】
抗CD123抗体
本発明によれば、抗CD123抗体またはそれの抗原結合性断片、好ましくは下記のものまたは好適な突然変異によって脱グリコシル化されたものから選択されるものを用いる。さらに、当業者であれば、CD123に結合する抗体については熟知している。
【0253】
スンら(Sun et al.)(Sun et al., 1996, Blood 87(1):83−92)は、IL−3Rα、CD123のN末端ドメインに結合するモノクローナル抗体7G3の発生および特性について報告している。米国特許第6,177,078号(Lopez)は、抗CD123抗体7G3に関するものである。この抗体のキメラ変異体(CSL360)がWO2009/070844に記載されており、ヒト化版(CSL362)がWO2012/021934に記載されている。7G3抗体の配列が、EP2426148に開示されている。この配列は、CDR移植によって得られるヒト化抗体TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971の出発点を表す。
【0254】
細胞表面抗原結合後に、特に良好に内在化される抗体は、クオら(Kuo et al.)(Kuo et al., 2009, Bioconjug Chem. 20(10):1975−82)によって開示されている抗CD123抗体12F1である。抗体12F1は、抗体7G3より高いアフィニティでCD123に結合し、細胞表面抗原結合後に、7G3より顕著に速く内在化される。12F1に基づく二重特異的scFv免疫融合タンパク質が、WO2013/173820に開示されている。抗体TPP−6013は、12F1のキメラ変異体である。
【0255】
本発明は特には、マウス起源の抗体7G3(Sun et al., 1996, Blood 87(1):83−92)および12F1(Kuo et al., 2009, Bioconjug Chem. 20(10):1975−82)由来の抗体またはそれの抗原結合性抗体断片またはそれの変異体との複合体に関するものである。
【0256】
抗CD123の生成
7G3の可変領域(VHおよびVL)の配列の公開(EP2426148)に基づき、ヒトフレームワーク領域でのCDR移植によって、次の抗体配列:TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971を得た。
【0257】
12F1の可変領域(VHおよびVL)の配列の公開(WO2013/173820)に基づき、ドナー免疫グロブリンの可変領域(VHおよびVL)のヒト抗体の定常領域との融合により、次の抗体配列:TPP−6013を得た。
【0258】
当業界で公知のヒト化プロセスによって、抗CD123抗体のさらなるヒト化変異体を形成することができる。
【0259】
それらの生成方法の総覧が、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619−1633(2008)、さらにはRiechmann et al., Nature 332:323−329(1988);Queen et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA86:10029−10033(1989);米国特許第5,821,337号、同7,527,791号、同6,982,321号および同7,087,409号;Kashmiri et al., Methods 36:25−34(2005)(特異性決定領域(SDR)移植について記載);Padlan, Mol. Immunol. 28:489−498(1991)(再出現について記載);Dall′ Acqua et al., Methods 36:43−60(2005)(FRシャッフリングについて記載);およびOsboum et al., Methods 36:61−68(2005)およびKlimka et al., Br. J. Cancer, 83:252−260(2000)(FRシャッフリングのための誘導選択アプローチについて記載)に記載されている。
【0260】
抗CD123抗体の特定の実施形態
本願では、下記の表中で示した、次の本発明の好ましい抗CD123抗体:「TPP−6013」、「TPP−5968」、「TPP−5969」および「TPP−5971」について説明する。
【0261】
TPP−6013は、可変領域VHおよびVLがκサブタイプのヒトIgG1の定常領域(CL、CH1、CH2、CH3)に連結されている12F1のキメラ変異体である。
【0262】
抗体TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971は、ヒトIgG1κのサブタイプとしての7G3のヒト化変異体である。
【0263】
表:抗体のタンパク質配列:
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0264】
TPP−5968は、配列番号9に相当する重鎖の領域および配列番号10に相当する軽鎖の領域を含む抗体である。
【0265】
TPP−5969は、配列番号19に相当する重鎖の領域および配列番号20に相当する軽鎖の領域を含む抗体である。
【0266】
TPP−5971は、配列番号29に相当する重鎖の領域および配列番号30に相当する軽鎖の領域を含む抗体である。
【0267】
TPP−6013は、配列番号39に相当する重鎖の領域および配列番号40に相当する軽鎖の領域を含む抗体である。
【0268】
TPP−5968は、配列番号1に相当する重鎖の可変領域および配列番号5に相当する軽鎖の可変領域を含む抗体である。
【0269】
TPP−5969は、配列番号11に相当する重鎖の可変領域および配列番号15に相当する軽鎖の可変領域を含む抗体である。
【0270】
TPP−5971は、配列番号21に相当する重鎖の可変領域および配列番号25に相当する軽鎖の可変領域を含む抗体である。
【0271】
TPP−6013は、配列番号31に相当する重鎖の可変領域および配列番号35に相当する軽鎖の可変領域を含む抗体である。
【0272】
本発明によるリンカーおよび/または担毒体とのカップリングのための抗CD123抗体の好ましい実施形態は、下記のものである。
【0273】
1.CD123に結合し、抗体7G3または12F1のキメラまたはヒト化変異体である抗体または抗原結合性断片)。
【0274】
2.次のもの:
配列番号2に示した重鎖の可変CDR1配列、配列番号3に示した重鎖の可変CDR2配列、および配列番号4に示した重鎖の可変CDR3配列を含む可変重鎖、および
配列番号6に示した軽鎖の可変CDR1配列、配列番号7に示した軽鎖の可変CDR2配列、および配列番号8に示した軽鎖の可変CDR3配列を含む可変軽鎖、または
配列番号12に示した重鎖の可変CDR1配列、配列番号13に示した重鎖の可変CDR2配列、および配列番号14に示した重鎖の可変CDR3配列を含む可変重鎖、および
配列番号16に示した軽鎖の可変CDR1配列、配列番号17に示した軽鎖の可変CDR2配列、および配列番号18に示した軽鎖の可変CDR3配列を含む可変軽鎖、または
配列番号22に示した重鎖の可変CDR1配列、配列番号23に示した重鎖の可変CDR2配列、および配列番号24に示した重鎖の可変CDR3配列を含む可変重鎖、および
配列番号26に示した軽鎖の可変CDR1配列、配列番号27に示した軽鎖の可変CDR2配列、および配列番号28に示した軽鎖の可変CDR3配列を含む可変軽鎖、または
配列番号32に示した重鎖の可変CDR1配列、配列番号33に示した重鎖の可変CDR2配列、および配列番号34に示した重鎖の可変CDR3配列を含む可変重鎖、および
配列番号36に示した軽鎖の可変CDR1配列、配列番号37に示した軽鎖の可変CDR2配列、および配列番号38に示した軽鎖の可変CDR3配列を含む可変軽鎖
を含むTWEAKRに結合する抗体または抗原結合性断片。
【0275】
3.次のもの:
配列番号1に示した重鎖の可変配列、さらに配列番号5に示した軽鎖の可変配列、または
配列番号11に示した重鎖の可変配列、さらに配列番号15に示した軽鎖の可変配列、または
配列番号21に示した重鎖の可変配列、さらに配列番号25に示した軽鎖の可変配列、または
配列番号31に示した重鎖の可変配列、さらに配列番号35に示した軽鎖の可変配列
を含む実施形態2による抗体またはそれの抗原結合性断片。
【0276】
4.IgG抗体である前出の実施形態のいずれかによる抗体。
【0277】
5.次のもの:
配列番号9に示した重鎖の配列、さらに配列番号10に示した軽鎖の配列、または
配列番号19に示した重鎖の配列、さらに配列番号20に示した軽鎖の配列、または
配列番号29に示した重鎖の配列、さらに配列番号30に示した軽鎖の配列、または
配列番号39に示した重鎖の配列、さらに配列番号40に示した軽鎖の配列
を含む前出の実施形態のいずれかによる抗体。
【0278】
6.前出の実施形態のいずれかによる抗原結合性断片またはscFv、Fab、Fab′断片またはF(ab)2断片である前出の実施形態のいずれかによる抗体の抗原結合性断片を含む前出の実施形態のいずれかによる抗体。
【0279】
7.モノクローナル抗体またはそれの抗原結合性断片である前出の実施形態のいずれかによる抗体または抗原結合性断片。
【0280】
8.ヒト、ヒト化またはキメラ抗体または抗原結合性断片である前出の実施形態のいずれかによる抗体または抗原結合性断片。
【0281】
特に好ましいものは、抗CD123抗体「TPP−6013」、「TPP−5968」、「TPP−5969」および「TPP−5971」である。
【0282】
同位体、塩、溶媒和物、同位体変異体
本発明はまた、本発明の化合物の全ての好適な同位体形態を包含する。本発明の化合物の同位体形態は本明細書において、本発明の化合物内の少なくとも一つの原子が同じ原子番号であるが、自然界において通常もしくは支配的にある原子質量とは異なる原子質量を有する別の原子に交換されている化合物を意味するものと理解される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体があり、例えば
2H(重水素)、
3H(三重水素)、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iおよび
131Iである。本発明の化合物の特定の同位体型、特別には1以上の放射性同位体が組み込まれているものは、例えば、作用機序または身体中での有効成分分布の試験に有用となり得る。製造および検出が比較的容易であることから、特には、
3Hまたは
14C同位体で標識された化合物がその目的には好適である。さらに、同位体、例えば重水素を組み込むことにより、化合物の代謝安定性が高くなることで特に治療上有益となり得るものであり、例えば身体中での半減期が長くなり、または必要な活性成分用量が減る。従って、本発明の化合物のそのような修飾も、場合により、本発明の好ましい実施形態を構成し得る。本発明による化合物の同位体型は、当業者に公知の方法によって、例えばさらに下記に記載の方法および実施例に記載の手順によって、個々の試薬および/または出発化合物の相当する同位体修飾を用いることで製造することができる。
【0283】
本発明の文脈において好ましい
塩は、本発明による化合物の生理的に許容される塩である。自体は医薬用途には適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製には用いることができる塩も包含される。
【0284】
本発明による化合物の生理的に許容される塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩などがある。
【0285】
本発明の化合物の生理的に許容される塩にはさらに、通常の塩基の塩、例えば好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアもしくは1から16個の炭素原子を有する有機アミン、例えば好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジンおよび1,2−エチレンジアミンから誘導されるアンモニウム塩などがある。
【0286】
本発明の文脈で
溶媒和物と称されるものは、溶媒分子による配位によって固体または液体での錯体を形成している本発明による化合物の形態と記述される。水和物は、配位が水によるものである溶媒和物の特定の形態である。本発明の文脈で好ましい溶媒和物は水和物である。
【0287】
本発明はさらに、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。この文脈での「プロドラッグ」という用語は、自体は生理的に活性または不活性であり得るが、身体に存在中に本発明の化合物に変換される(例えば、代謝的または加水分解的に)化合物を指す。
【0288】
特定の実施形態
次の実施形態が特に好ましい。
【0289】
実施形態A:
下記式のADC
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
式中、
KSP−L−は、下記の式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIi)、(IIj)、(IIk)または下記の式(IIf)の化合物を表し、バインダーは抗CD123抗体(特に好ましくはマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体、特には抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971)であり、nは1から10の数字を表す:
式(IIf):
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0291】
式中、
Aは、CO(カルボニル)を表し;
R
1は、−L−#1、H、−COOH、−CONHNH
2、−(CH
2)
1−3NH
2、−CONZ″(CH
2)
1−3NH
2および−CONZ″CH
2COOHを表し、Z″は、HまたはNH
2を表し;
R
2およびR
4はHを表し、またはR
2およびR
4が一緒に(ピロリジン環の形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はHを表し;
R
3は、−L−#1またはC
1−10−アルキル−を表し、それは−OH、O−アルキル、SH、S−アルキル、O−CO−アルキル、O−CO−NH−アルキル、NH−CO−アルキル、NH−CO−NH−アルキル、S(O)
n−アルキル、SO
2−NH−アルキル、NH−アルキル、N(アルキル)
2またはNH
2(アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルである。)によって置換されていても良く;
R
5は、HまたはFを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、(フッ素化されていても良い)C
1−3−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し;
R
8は、分岐のC
1−
5−アルキル基を表し;
R
9は、HまたはFを表し、
置換基R
1およびR
3のうちの一つは、−L−#1を表し、
−L−はリンカーを表し、#1は抗体への結合を表す、
ならびに、ADCの塩、溶媒和物および溶媒和物の塩。
【0292】
リンカーは、好ましくは下記のリンカー
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0293】
であり、
mは、0または1を表し;
§は、KSPへの結合を表し;
§§は、抗体への結合を表し、
L2は、
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
を表し、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合点を示し、
#
2は、基L
1への結合点を示し、
L1は下記式:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0295】
によって表され;
R
10は、H、NH
2またはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−または
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
を表し;
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状のアルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−およびN、OおよびSまたは−SO−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖が存在する場合、それは−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0298】
ここで、#
1はKSP阻害剤への結合であり、#
2は抗体に対するカップリング基(例えばL2)への結合である。
【0299】
実施形態B:
下記式のADC
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
式中、
KSP−L−は、下記の式(I)の化合物、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIi)、(IIj)、(IIk)の化合物または下記の式(IIg)の化合物を表し、バインダーは抗CD123抗体(特に好ましくはマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体、特には抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971)であり、nは1から10の数字を表す:
式(IIg):
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
式中、
Aは、CO(カルボニル);を表し
R
1は、−L−#1、H、−COOH、−CONHNH
2、−(CH
2)
1−3NH
2、−CONZ″(CH
2)
1−3NH
2および−CONZ″CH
2COOHを表し、Z″は、HまたはNH
2を表し;
R
2およびR
4はHを表し、またはR
2およびR
4が一緒に(ピロリジン環の形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はHを表し;
R
3は、−L−#1またはC
1−10−アルキル−を表し、それは−OH、O−アルキル、SH、S−アルキル、O−CO−アルキル、O−CO−NH−アルキル、NH−CO−アルキル、NH−CO−NH−アルキル、S(O)
n−アルキル、SO
2−NH−アルキル、NH−アルキル、N(アルキル)
2またはNH
2(アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルである。)によって置換されていても良く;
R
5は、HまたはFを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、(フッ素化されていても良い)C
1−3−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し;
R
8は、分岐のC
1−
5−アルキル基を表し;
R
9は、HまたはFを表し、
置換基R
1およびR
3のうちの一つは、−L−#1を表し、
−L−はリンカーを表し、#1は抗体への結合を表し、
−L−は、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0302】
によって表され;
mは、0または1を表し;
§は、KSPへの結合を表し;
§§は、抗体への結合を表し;
L2は、
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
を表し、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合点を示し、
#
2は、基L
1への結合点を示し、
L1は、下記式:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
によって表され;
R
10は、H、NH
2またはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−または
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
を表し;
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状のアルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−およびN、OおよびSまたは−SO−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖が存在する場合、それは、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く;
#
1はKSP阻害剤への結合であり、#
2は抗体に対するカップリング基(例えばL2)への結合である、
ならびに、ADCの塩、溶媒和物および溶媒和物の塩。
【0307】
実施形態C:
下記式のADC
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0308】
式中、
KSP−L−は、下記の(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg);(IIi)、(IIj)、(IIk)の化合物または下記の式(IIh)の化合物を表し、バインダーは抗CD123抗体(特に好ましくはマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体、特には抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971)であり、nは1から10の数字を表す。
【0309】
式(IIh):
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0310】
式中、
Aは、CO(カルボニル)を表し;
R
1は、−L−#1を表し;
R
2およびR
4はHを表し、またはR
2およびR
4が一緒に(ピロリジン環の形成)、−CH
2−CHR
11−または−CHR
11−CH
2−を表し、R
11はHを表し;
R
3は、C
1−10−アルキル−を表し、それは−OH、O−アルキル、SH、S−アルキル、O−CO−アルキル、O−CO−NH−アルキル、NH−CO−アルキル、NH−CO−NH−アルキル、S(O)
n−アルキル、SO
2−NH−アルキル、NH−アルキル、N(アルキル)
2またはNH
2(アルキルは好ましくはC
1−3−アルキルである。)または−MODによって置換されていても良く;
−MODは、−(NR
10)
n−(G1)
o−G2−G3を表し、
R
10は、HまたはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−または−CONH−(G1が−NHCO−を表す場合、R
10はNH
2を表さない。)を表し;
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、直鎖もしくは分岐の炭化水素基を表し、それは1から10個の炭素原子を有し、基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NR
y−、−NR
yCO−、CONR
y−、−NR
yNR
y−、−SO
2NR
yNR
y−、−CONR
yNR
y−(R
yは、H、フェニル、C
1−C
10−アルキル、C
2−C
10−アルケニルまたはC
2−C
10−アルキニルを表し、それらはそれぞれNHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、−CR
x=N−O−(Rxは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。)の1以上によって1回もしくは複数回中断されていても良く、側鎖を含む炭化水素は−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く、G3は−Hまたは−COOHを表し、前記基−MODは好ましくは少なくとも1個の基−COOHを有し;
R
5は、HまたはFを表し;
R
6およびR
7は互いに独立に、H、(フッ素化されていても良い)C
1−3−アルキル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルケニル、(フッ素化されていても良い)C
2−
4−アルキニル、ヒドロキシまたはハロゲンを表し;
R
8は、分岐のC
1−
5−アルキル基を表し;
R
9は、HまたはFを表し;
−L−はリンカーを表し、#1は抗体への結合を表し、
−L−は、
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0311】
によって表され;
mは、0または1を表し;
§は、KSPへの結合を表し;
§§は、抗体への結合を表し、
L2は、
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
を表し、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合点を示し、
#
2は、基L
1への結合点を示し、
L1は、下記式:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0313】
によって表され;
式中、
R
10は、H、NH
2またはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−または
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
を表し;
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状のアルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NH−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−NMe−、−NHNH−、−SO
2NHNH−、−CONHNH−、−CR
x=N−O−(Rxは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。)およびN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、存在する場合に側鎖を含む炭化水素鎖は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良く;
#1はKSP阻害剤への結合であり、#2は抗体に対するカップリング基(例えばL2)への結合である、
ならびに、ADCの塩、溶媒和物および溶媒和物の塩。
【0316】
実施形態D:
本発明は、下記一般式のバインダー/活性化合物複合体も提供する。
【化80】
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【0317】
式中、
バインダーは抗CD123抗体(特に好ましくはマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体、特には抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971)を表し、Lはリンカーを表し、WSは活性化合物、好ましくはKSP阻害剤、例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)(IIi)のうちの一つの本発明によるKSP阻害剤を表し、mは1から2、好ましくは1の数字を表し、nは1から50、好ましくは1.2から20、特に好ましくは2から8の数字を表し、Lは下記構造のうちの一つを有する。ここで、mは、リンカー当たりの活性化合物分子の数を表し、nはバインダー当たりの活性化合物/リンカー複合体の数の平均を表す。従って、複合体分子に存在する全てのWSの合計はmおよびnの積である。
【0318】
WSは、動物、好ましくはヒトにおける局所または全身治療作用を有する活性化合物である。これらの活性化合物は概して、5kDa以下、好ましくは1.5kDa以下の分子量を有する。好ましい活性化合物は、ビンカ・アルカロイド類、オーリスタチン類、ツブリシン類、デュオカルマイシン類、キナーゼ阻害剤、MEK阻害剤およびKSP阻害剤である。
【0319】
ここで、Lは、下記の式A3およびA4の一つ:
【化81】
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【0320】
を表し、
#
1はバインダーの硫黄原子への結合点を示し、#
2は活性化合物への結合点を示し、xは1または2を表し、R22はCOOH、COOR、COR(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、Br、好ましくはCOOHを表す。
【0321】
L1は上記と同じ意味を有する。好ましくは、−L1−#2は下記式:
【化82】
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【0322】
によって表され、
#3は窒素原子への結合点を示し;
R
10は、H、NH
2またはC
1−C
3−アルキルを表し;
G1は、−NHCO−、−CONH−または
【化83】
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【0323】
(G1がNHCOまたは
【化84】
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【0324】
を表す場合、R10はNH
2を表さない。)を表し;
nは、0または1を表し;
oは、0または1を表し;
G2は、アリーレン基からの1から100個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖および/または直鎖および/または分岐および/または環状のアルキレン基を表し、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NR
y−、−NR
yCO−、−C(NH)NR
y−、CONR
y−、−NR
yNR
y−、−SO
2NR
yNR
y−、−CONR
yNR
y−(R
yは、H、フェニル、C
1−C
10−アルキル、C
2−C
10−アルケニルまたはC
2−C
10−アルキニル、それらはそれぞれによって置換されていても良くNHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸を表す。)、−CO−、−CR
x=N−O−(R
xは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。)および/またはN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化85】
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【0325】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖を含む炭化水素は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0326】
G2におけるさらなる中断基は好ましくは、
【化86】
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【0327】
であり、
R
xは、H、C
1−C
3−アルキルまたはフェニルを表す。
【0328】
本発明による複合体において、または本発明による複合体の混合物において、抗体のシステイン残基への結合が、好ましくは80%強、特に好ましくは90%強(各場合、抗体へのリンカーの結合の総数に基づいて)の範囲で、式A3またはA4の二つの構造のうちの一つとして存在する。
【0329】
式A3またはA4のリンカーとの複合体は、それぞれ下記の式A3′およびA4′の適切な臭素誘導体への抗体のカップリングによって得ることができる。
【化87】
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【0330】
式A3′またはA4′のこれらの臭素誘導体は、下記の図式30から32において例示的に示したように、R
22CH
2CHBrCOOHまたはR
22CHBrCH
2COOHをバインダーのアミン基と反応させることによって得ることができる。
【0331】
図式30:
【化88】
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【0332】
[a):2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート(BEP)、DCM、ピリジン、RT;b)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA;c)3から4当量のTCEP、PBS緩衝液;d)PBS緩衝液、20時間室温]
図式31:
【化89】
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【0333】
[a):2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート(BEP)、DCM、ピリジン、RT;b)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA;c)3から4当量のTCEP、PBS緩衝液;d)PBS緩衝液、20時間室温]
実施形態E:
本発明は、下記一般式のバインダー/活性化合物複合体も提供する。
【化90】
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【0334】
式中、
バインダーは抗CD123抗体(特に好ましくはマウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体、特には抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971)を表し、Lはリンカーを表し、WSは活性化合物、好ましくはKSP阻害剤、例えば、式(I)、(Ia)、(II)または(IIa)のうちの一つの本発明によるKSP阻害剤を表し、mは1から2、好ましくは1の数字を表し、nは1から50、好ましくは1.2から20、特に好ましくは2から8の数字を表し、Lは下記構造のうちの一つを有する。ここで、mは、リンカー当たりの活性化合物分子の数を表し、nはバインダー当たりの活性化合物/リンカー複合体の数の平均を表す。従って、複合体分子に存在する全てのWSの合計はmおよびnの積である。
【0335】
ここで、Lは、
【化91】
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【0336】
を表し、
#
1は抗体の硫黄原子への結合点を示し、#
2は活性化合物への結合点を示し、R
22は、COOH、COOR、COR(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、Br、好ましくはCOOHを表し;従って、バインダーの硫黄原子への連結は下記の構造の一つを有し得る。
【化92】
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【0337】
抗体薬物複合体当たり複数の活性化合物分子WSを含む抗体薬物複合体の場合、式A1および/またはA2による両方の構造が抗体薬物複合体に存在し得る。本発明による抗体薬物複合体は異なる抗体薬物複合体の混合物であることができることから、この混合物が式A1または式A2の抗体薬物複合体および式A1およびA2のものの両方を含むこともできる。
【0338】
L
5は、−(CH
2)
m−(CHRS)
n−(OCH
2CH
2)
o−(X)
p−(CH
2)
q−から選択される基であり、m、n、o、pおよびqは互いに独立に、次の値:m=0から10;n=0または1;o=0から10;p=0または1;およびq=0から10(m+n+o=1から15、好ましくは1から6)を有する。Xは、5員もしくは6員の芳香族または非芳香族複素環もしくは同素環、好ましくは−C
6H
4−または−C
6H
10−を表す。RSは、酸基、好ましくは−COOHまたはSO
3Hを表す。
【0339】
L
6は、−CONH−、−OCONH−、−NHCO−、−NHCOO−、
【化93】
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【0340】
から選択される基であり、
rは1、2または3である。
【0341】
L
7は、単結合または直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖(それは、アリーレン基からの1から100個(好ましくは1から10個)の炭素原子を有する。)および/または直鎖および/または分岐および/または環状アルキレン基から選択される基であり、それは基−O−、−S−、−SO−、SO
2、−NRy−、−NRyCO−、−C(NH)NRy−、CONRy−、−NRyNRy−、−SO
2NRyNRy−、−CONRyNRy−(R
yは、H、フェニル、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニルまたはC2−C10−アルキニルを表し、それらはそれぞれNHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。)、−CO−、−CR
x=N−O−(Rxは、H、C1−C3−アルキルまたはフェニルを表す。)および/またはN、OおよびS、−SO−または−SO
2−からなる群から選択される4個以下のヘテロ原子を有する3から10員、好ましくは5から10員の芳香族または非芳香族複素環(好ましくは
【化94】
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【0342】
)の1以上によって1回または複数回中断されていても良く、側鎖を含む炭化水素は、−NHCONH
2、−COOH、−OH、−NH
2、NH−CNNH
2、スルホンアミド、スルホン、スルホキシドまたはスルホン酸によって置換されていても良い。
【0343】
L
5は好ましくは、基−(CH
2)
m−(CHRS)
n−(OCH
2CH
2)
o−(X)
p−(CH
2)
q−であり、m=1から3、n=0、o=0から7、p=0およびq=0または1である。特に好ましいものは、基−(CH
2)
m−(CHRS)
n−(OCH
2CH
2)
o−(X)
p−(CH
2)
q−であり、m=1または2、n=0、o=0または1、p=0およびq=0または1である。
【0344】
L
6は好ましくは、−CONH−および−NHCO−から選択される基である。
【0345】
L
7は好ましくは、単結合または−[(CH
2)
x−(X
4)
y]
w−(CH
2)
z−であり、
w=0から20であり;
x=0から5であり;
y=0または1であり;
z=1から5であり;
X
4は、−O−、−CONH−、−NHCO−または
【化95】
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【0347】
特に好ましくは、L
7は単結合または基−[(CH
2)
x−NHCO−)]であり、x=1から5である。
【0348】
特に好ましくは、−L
5−L
6−L
7−は、−(CH
2)
m−(CHRS)
n−(OCH
2CH
2)
o−(X)
p−(CH
2)
q−−NHCO−−[(CH
2)
x−NHCO−)]を表し、m=1または2、n=0、o=0または1、p=0、およびq=0または1、x=1から5である。
【0349】
しかしながら、これらの二つの構造が一緒に、本発明による複合体に存在することも可能である。
【0350】
本発明によれば、これらの抗体薬物複合体は、下記式の化合物から製造することができる。
【化96】
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【0351】
式中、Lは下記式A′:
【化97】
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【0353】
好ましくは、A′のAへの変換は、7.5から8.5、好ましくは8のpHを有するpH緩衝液中、37℃以下、好ましくは10から25℃の温度で、40時間以内、好ましくは1から15時間の期間にわたって撹拌することで行う。
【0354】
実施形態I:
下記式の抗体薬物複合体
【化98】
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【0355】
式中、
R2、R4およびR5はHを表し;
R3は、−CH
2OHを表し;
R1は、−L1−L2−バインダーを表し、
L1は、
【化99】
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【0356】
を表し、
#2はL2への結合を表し、#1は他方の結合への結合を表し;
L2は、下記式A5およびA6の構造の一方または両方:
【化100】
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【0357】
を表し、
#
1は、抗体の硫黄原子への結合点を示し、
#
2は、基L
1への結合点を示し、
R
22は、COOH、COOR、COR、CONHR(Rは各場合で、C
1−3−アルキルを表す。)、CONH
2、好ましくはCOOHを表す。
【0358】
本発明による複合体において、または本発明による複合体の混合物において、抗体のシステイン残基への結合が、好ましくは80%強、特に好ましくは90%強(各場合、抗体へのリンカーの結合の総数に基づいて)の範囲で、特に好ましくは式A5またはA6の二つの構造のうちの一つとして存在する。
【0359】
ここで、式A5またはA6の構造は概して、好ましくは抗体の結合数に基づいて60:40から40:60の比率で一緒に存在する。そして、残りの結合は、下記構造として存在する。
【化101】
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【0360】
その抗体は好ましくは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【0361】
具体的実施形態
下記の式のうちの一つによる次の特に好ましい抗体複合体が提供され、nは1から20の数字であり、AK1(ならびにAK1a、AK1bなど)およびAK2(ならびにAK2a、AK2bなど)は抗体である。AK1はシステインを介して結合した抗体であり、AK2はリジンを介して結合した抗体である。下記式のうちの一つにおける抗体(AK1またはAK2)は好ましくは、マウス起源の抗体7G3または12F1由来のキメラまたはヒト化抗CD123抗体である。特に好ましいものは、抗体TPP−6013、TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971である。
【化102】
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【0362】
さらなる複合体
さらなる複合体は、下記式のうちの一つを有することができる:
【化103】
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【0363】
式中、
AK1はシステインを介して結合した抗体を表し、AK2はリジンを介して結合した抗体を表し、その抗体はCD123に結合しており、抗体7G3または12F1のキメラまたはヒト化変異体を表し、それの抗体断片であり、
nは、1から20の数字を表し、
L
1は、1から30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖を表し、それは−O−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)
2−、−NH−、シクロペンチル、ピペリジニル、フェニルによって同一でまたは異なって1回または複数回中断されていても良く、
その直鎖もしくは分岐の炭化水素鎖は、−COOHまたは−NH
2によって置換されていても良い、
ならびにそれらの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマー。
【0364】
ここで、リンカーL
1は好ましくは、次の基:
【化104】
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[この文献は図面を表示できません]
【0365】
または
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
を表し、
§は、活性化合物分子への結合を表し、
§§は、抗体への結合を表し、
isoC
3H
7はイソプロピル基を表す。
【0367】
これらの複合体も、それらの塩、溶媒和物、溶媒和物の塩およびエピマーを含む。
【0368】
治療用途
治療するのに本発明による化合物を用いることができる過増殖性疾患には、特には癌および腫瘍疾患の群などがある。本発明の文脈において、これらは、特には次の疾患(ただし、これらに限定されるものではない):乳癌および乳房腫瘍(腺管癌および小葉型などの乳癌、イン・サイツも)、気道の腫瘍(小細胞肺癌および非小細胞肺癌、気管支癌)、脳腫瘍(例えば、脳幹の腫瘍および視床下部の腫瘍、星細胞腫、上衣細胞腫、神経膠芽腫、神経膠腫、髄芽腫、髄膜腫ならびに神経外胚葉性腫瘍および松果体腫瘍)、消化器の腫瘍(食道、胃、胆嚢、小腸、大腸、直腸および肛門の癌)、肝臓腫瘍(特に、肝細胞癌、胆管癌および混合型肝細胞胆管癌)、頭部および頸部領域の腫瘍(喉頭、下咽頭、鼻咽頭、口咽頭癌、口唇および口腔癌、口腔メラノーマ)、皮膚腫瘍(基底細胞腫、棘細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性メラノーマ、非メラノーマ皮膚癌、メルケル細胞皮膚癌、肥満細胞腫瘍)、間質および結合組織の腫瘍(特に、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫)、眼球の腫瘍(特に、眼球内メラノーマおよび網膜芽細胞腫)、内分泌腺および外分泌腺の腫瘍(例えば甲状腺および副甲状腺、膵臓および唾液腺の癌、腺癌)、尿路の腫瘍(膀胱、陰茎、腎臓、腎盂および尿管の腫瘍)および生殖器の腫瘍(女性における子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣、外陰部および子宮の癌、および男性における前立腺および睾丸の癌)を意味するものと理解される。これらには、固形型または循環細胞としての血液、リンパ系および脊髄の増殖性疾患などもあり、例えば白血病、リンパ腫および骨髄増殖性疾患、例えば急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性リンパ性、慢性骨髄性およびヘアリー細胞性の白血病、およびAIDS関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫および中枢神経系でのリンパ腫である。
【0369】
ヒトでのこれらの十分に特徴付けられている疾患は、他の哺乳動物でも同等の病因によって生じ得るものであり、本発明の化合物によって同様に治療可能である。
【0370】
本発明による化合物による上記で言及の癌疾患の治療は、固体腫瘍の治療およびそれの転移型および循環型の治療の両方を含むものである。
【0371】
本発明の文脈において、「治療」または「治療する」という用語は、従来の意味で用いられ、疾患または健康上の異常と戦い、軽減し、弱化し、または改善すること、ならびに例えば癌の場合でのように、この疾患によって障害される生活条件を改善することを目的として、患者の世話を行い、ケアを行い、看病することを意味する。
【0372】
従って、本発明はさらに、障害の、特別には上記障害の治療および/または予防のための本発明の化合物の使用を提供する。
【0373】
本発明はさらに、障害の、特別には上記障害の治療および/または予防のための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0374】
本発明はさらに、障害の、特別には上記障害の治療および/または予防方法での本発明の化合物の使用を提供する。
【0375】
本発明はさらに、有効量の少なくとも1種類の本発明による化合物を用いて、障害、特別には上記障害を治療および/または予防する方法を提供する。
【0376】
本発明の化合物は、単独で、または必要に応じて、1以上の他の薬理活性物質と組み合わせて用いることができ、ただしその組み合わせは望ましくないおよび許容できない副作用を生じるものではない。従って、本発明はさらに、特には上記障害の治療および/または予防のための、少なくとも1種類の本発明の化合物および1以上のさらなる有効成分を含む医薬品を提供する。
【0377】
例えば、本発明の化合物は、癌疾患治療のための既知の抗過剰増殖性、細胞増殖抑制性または細胞毒性物質と組み合わせることができる。好適な組み合わせ活性化合物の例には、下記のものなどがある。
【0378】
131I−chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリセルチブ(alisertib)、アリトレチノイン、アルファラディン(塩化ラジウム−223)、アルトレタミン、アミノグルテチミド、AMP−514、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、AT9283、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、BMS−936559、ボスチニブ、ボルテゾミブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(プロテアソーム阻害剤)、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、CYC116、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダヌセルチブ(danusertib)、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウム酢酸塩、エルトロンボパグ、エンドスタチン、ENMD−2076、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン(eptaplatin)、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム(glutoxim)、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブ チウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、INCB24360、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランブロリズマブ、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、リュープロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、MLN−8054、Mps1阻害剤(WO2013/087579で開示、特に実施例01.01、WO2014/131739、特に実施例2)、ネダプラチン、ネララビン、ネモルビシン(nemorubicin)、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、ニボルマブ、NMS−P715、NMS−P937、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、ペグ−エポエチンベータ(メトキシペグ−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム(poliglusam)、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカライド−K、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、R763、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロニシクリブ、ルキソリチニブ、サルグラモスチム、シプロイセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾール・ナトリウム(sodium glycididazole)、SNS−314、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、TKM−PLK1、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トザセルチブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブ・エムタンシン、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボラセルチブ、ボリノスタット、ボロゾール、XL228、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチン スチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
【0379】
さらに、本発明の化合物は、例えば、例として次の標的:OX−40、CD137/4−1BB、DR3、IDO1/IDO2、LAG−3、CD40に結合し得るバインダーと組み合わせることができる。
【0380】
さらに、本発明による化合物は、放射線療法および/または外科的介入と組み合わせて用いることもできる。
【0381】
概して、本発明の化合物と他の細胞増殖抑制的にまたは細胞毒性的に活性な薬剤との組み合わせで、次の目的を追求することができる。
【0382】
個々の活性化合物による治療と比較して、腫瘍増殖の遅延、それの大きさの低減、またはさらにそれの完全な除去における効力の改善;
単独療法の場合より低い用量で使用される化学療法剤使用の可能性;
個々の投与と比較して副作用少なく、より耐容性のある治療法の可能性;
より広いスペクトラムの腫瘍性疾患の治療の可能性;
療法に対するより高い応答速度の達成;
現代の標準療法と比較して長い患者の生存時間。
【0383】
さらに、本発明による化合物は、放射線療法および/または外科的介入と組み合わせて用いることもできる。
【0384】
本発明はさらに、代表的には1以上の不活性で無毒性の医薬として好適な賦形剤とともに少なくとも一つの本発明の化合物を含む医薬、および上記目的のためのそれの使用を提供する。
【0385】
本発明の化合物は、全身的および/または局所的に作用し得る。これに関して、それは好適な形で、例えば非経口的に、可能な場合に吸入によって、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
【0386】
本発明の化合物は、これらの投与経路に好適な投与形態で投与することができる。
【0387】
非経口投与は、吸収段階(例えば、静脈、動脈、心臓内、髄腔内または腰椎内で)を回避することができ、または吸収(例えば、筋肉、皮下、皮内、経皮または腹腔内で)を含むことができる。非経口投与の好適な投与形態には、液剤、懸濁液、乳濁液または凍結乾燥物の形態での注射および注入用製剤などがある。好ましいものは、非経口投与、特別には静脈投与である。
【0388】
概して、非経口投与の場合、約0.001から1mg/kg、好ましくは約0.01から0.5mg/kgの量を投与して、効果的な結果を得ることが有利であることが認められている。
【0389】
そうではあっても、場合により、具体的に体重、投与経路、有効成分に対する個体の応答、製剤の種類、および投与を行う時刻もしくは間隔に応じて、指定量から逸脱する必要であることもあり得る。従って、場合により、上記最小量より少ない量で十分である可能性があるが、他の場合には、言及した上限を超えなければならない。より大きい量の投与の場合、それらを1日かけて、いくつかの個々の用量に分けることが得策である可能性がある。
【0390】
実施例
下記の実施例は、本発明を説明するものである。本発明は実施例に限定されるものではない。
【0391】
別段の断りがない限り、下記の試験および実施例におけるパーセントは重量パーセントであり、部は重量部である。液体/液体溶液における溶媒比、希釈比および濃度データは、各場合で体積基準である。
【0392】
実験の説明において、反応が行われる温度が記載されていない場合、室温を想定することができる。
【0393】
合成経路:
実施例の例として、下記の図式は、実施例に至る例示的合成経路を示すものである。
【0394】
図式20:システイン連結ADCの合成
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
図式21:システイン連結ADCの合成
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
図式22:中間体の合成
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
[a):例えば水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム、酢酸、DCM、RT;b)例えばアセトキシアセチルクロライド、NEt
3、DCM、RT;c)例えばLiOH、THF/水、RT;d)例えばH
2、Pd−C、EtOH、RT;e)例えばTeoc−OSu、NEt
3、ジオキサン、RT;f)例えばFmoc−Cl、ジイソプロピルエチルアミン、ジオキサン/水2:1、RT]
図式24:中間体の合成
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
[a):例えばベンジルブロマイド、Cs
2CO
3、DMF、RT;b)例えばPd(dppf)
2Cl
2、DMF、Na
2CO
3、85℃;c)例えばLiAlH
4、THF、0℃;MnO
2、DCM、RT;d)例えばTi(iOPr)
4、THF、RT;e)例えばtBuLi、THF、−78℃;MeOH、NH
4Cl;f)例えばHCl/1,4−ジオキサン]
図式25:システイン連結ADCの合成
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
図式26:加水分解コハク酸アミドを介したシステイン連結ADCの合成
L1=CH
2であるか、L1=CH−CH
3であるか、L1=フェニルであるADCについて特に、この方法を用いて、これらのADCを開鎖連結型に変換した。
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
図式27:ADC前駆体分子の合成
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
[a):水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム、酢酸、DCM、RT;b)アセトキシアセチルクロライド、ジイソプロピルエチルアミン、DCM、RT;c)LiOH、MeOH、RT;d)トリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)HATU、DMF、ジイソプロピルエチルアミン、RT;e)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA.]
図式28:ADC前駆体分子の合成
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
[a):HATU、DMF、ジイソプロピルエチルアミン、RT;b)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA.]
図式29:ADC前駆体分子の合成
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0403】
[a):水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム、酢酸、DCM、RT;b)アセトキシアセチルクロライド、トリエチルアミン、DCM、RT;c)LiOH、MeOH、RT;d)トリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)HATU、DMF、ジイソプロピルエチルアミン、RT;e)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA.]
図式30:ADC類の合成
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0404】
[a):2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート(BEP)、DCM、ピリジン、RT;b)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA;c)3から4当量のTCEP、PBS緩衝液;d)PBS緩衝液、20時間室温]
図式31:ADC類の合成
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
[a):2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート(BEP)、DCM、ピリジン、RT;b)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA;c)3から4当量のTCEP、PBS緩衝液;d)PBS緩衝液、20時間室温]
図式32:中間体の合成
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
[a)例えば亜鉛ジメチル、シクロヘキシル(cyhexyl)MgCl、THF、−78℃;NH
4Cl;b)例えばHCl/1,4−ジオキサン]
図式33:ADC前駆体分子の合成
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
[a):水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム、酢酸、DCM、RT;b)アセトキシアセチルクロライド、トリエチルアミン、DCM、RT;c)L−システイン、NaHCO
3、DBU、イソプロパノール/水、RT;d)3−スルファニルプロパン酸、K
2CO
3、RT;e)リンカー、HATU、DMF、ジイソプロピルエチルアミン、RT;e)塩化亜鉛、トリフルオロエタノール、50℃、EDTA.]
図式34:リジン連結ADC類の合成
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
図式35:リジン連結ADC類の合成
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
A.
実施例
略称および頭字語:
ABCB1:ATP結合カセットサブファミリーBメンバー1(P−gpおよびMDR1と同義語)
abs.:純粋
Ac:アセチル
ACN:アセトニトリル
aq.:水系、水溶液
ATP:アデノシン三リン酸
BCRP:乳癌耐性タンパク質、排出輸送体
BEP:2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート
Boc:tert−ブトキシカルボニル
br.:広い(NMRで)
Ex.:実施例
CI:化学イオン化(MSで)
D:二重線(NMRで)
D:日
TLC:薄層クロマトグラフィー
DCI:直接化学イオン化(MSで)
DCM:ジクロロメタン
Dd:二重線の二重線(NMRで)
DMAP:4−N,N−ジメチルアミノピリジン
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地(細胞培養のための標準培養液)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DPBS、D−PBS、PBS:ダルベッコのリン酸緩衝塩溶液
PBS=DPBS=D−PBS、pH7.4、Sigmaから、No D8537
組成:
KCl 0.2g
KH
2PO
4(無水物)0.2g
NaCl 8.0g
Na
2HPO
4(無水物)1.15g
H
2Oで1リットルとする
Dt:三重線の二重線(NMRで)
DTT:DL−ジチオスレイトール
EDC:N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩
EGFR:上皮増殖因子受容体
EI:電子衝撃イオン化(MSで)
ELISA:酵素結合免疫吸着検定法
eq.:当量
ESI:電気スプレーイオン化(MSで)
ESI−MicroTofq:
ESI−MicroTofq(Tof=飛行時間およびq=四重極を用いる質量分析装置の名称)
FCS:ウシ胎仔血清
Fmoc:(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル
sat.:飽和
GTP:グアノシン5′三リン酸
h:時間
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES:4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸
HOAc:酢酸
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt:1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物
HOSu:N−ヒドロキシコハク酸イミド
HPLC:高圧高速液体クロマトグラフィー
IC
50:半最大阻害濃度
i.m.:筋肉的に、筋肉への投与
i.v.:静脈的に、静脈への投与
KG−1:ヒト腫瘍細胞株
conc.:濃厚
LC−MS:液体クロマトグラフィー結合質量分析
LLC−PK1細胞:ルイス肺癌ブタ(pork)腎臓細胞株
L−MDR:ヒトMDR1トランスフェクトLLC−PK1細胞
LoVo:ヒト腫瘍細胞株
L428:ヒト腫瘍細胞株
m:多重線(NMRで)
MDR1:多剤耐性タンパク質1
Me:メチル
MeCN:アセトニトリル
min:分
MOLM−13:ヒト腫瘍細胞株
MS:質量分析
MTT:3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロマイド3
MV−4−11:ヒト腫瘍細胞株
NCI−H292:ヒト腫瘍細胞株
NMM:N−メチルモルホリン
NMP:N−メチル−2−ピロリジノン
NMR:核磁気共鳴スペクトル測定
NMRI:Naval Medical Research Institute(NMRI)由来のマウス系統
Nudeマウス:ヌードマウス(実験動物)
NSCLC:非小細胞肺癌
PBS:リン酸緩衝塩溶液
Pd/C:パラジウム/活性炭
P−pg:P−糖タンパク質(gycoprotein)、輸送体タンパク質
PNGaseF:糖を開裂させる酵素
quant.:定量的(収率で)
quart:四重線(NMRで)
quint:五重線(NMRで)
R
f:保持指数(TLCで)
RT:室温
R
t:保持時間(HPLCで)
s:一重線(NMRで)
s.c.:皮下的に、皮下への投与
SCIDマウス:重度の複合免疫不全を有する試験マウス
t:三重線(NMRで)
TBAF:フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
TEMPO:(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)オキシル
tert:ターシャリー
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
THP−1:ヒト腫瘍細胞株
T3P(登録商標):2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキサイド
UV:紫外線スペクトル測定
v/v:体積比(溶液のもの)
Z:ベンジルオキシカルボニル
HPLC法およびLC−MS法:
方法1(LC−MS):
装置:Waters ACQUITY SQD UPLCシステム;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×1mm;移動相A:水1リットル+99%強度ギ酸0.25mL、移動相B:アセトニトリル1リットル+99%強度ギ酸0.25mL;勾配:0.0分90%A→1.2分5%A→2.0分5%Aオーブン:50℃;流量:0.40mL/分;UV検出:208−400nm。
【0410】
方法2(LC−MS):
MS装置型:Waters Synapt G2S;UPLC装置型:Waters Acquity I−CLASS;カラム:Waters、BEH300、2.1×150mm、C18 1.7μm;移動相A:水1リットル+0.01%ギ酸;移動相B:アセトニトリル1リットル+0.01%ギ酸;勾配:0.0分2%B→1.5分2%B→8.5分95%B→10.0分95%B;オーブン:50℃;流量:0.50mL/分;UV検出:220nm。
【0411】
方法3(LC−MS):
MS装置:Waters (Micromass)QM;HPLC装置:Agilent 1100シリーズ;カラム:Agilent ZORBAX Extend−C18 3.0×50mm 3.5ミクロン;移動相A:水1リットル+0.01molの炭酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル1リットル;勾配:0.0分98%A→0.2分98%A→3.0分5%A→4.5分5%A;オーブン:40℃;流量:1.75mL/分;UV検出:210nm。
【0412】
方法4(LC−MS):
MS装置型:Waters Synapt G2S;UPLC装置型:Waters Acquity I−CLASS;カラム:Waters、HSST3、2.1×50mm、C18 1.8μm;移動相A:水1リットル+0.01%ギ酸;移動相B:アセトニトリル1リットル+0.01%ギ酸;勾配:0.0分10%B→0.3分10%B→1.7分95%B→2.5分95%B;オーブン:50℃;流量:1.20mL/分;UV検出:210nm。
【0413】
方法5(LC−MS):
装置:Waters ACQUITY SQD UPLCシステム;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×1mm;移動相A:水1リットル+99%強度ギ酸0.25mL、移動相B:アセトニトリル1リットル+99%強度ギ酸0.25mL;勾配:0.0分95%A→6.0分5%A→7.5分5%Aオーブン:50℃;流量:0.35mL/分;UV検出:210−400nm。
【0414】
方法6(LC−MS):
装置:Waters UPLC Acquity搭載Micromass Quattro Premier;カラム:Thermo Hypersil GOLD1.9μ50×1mm;移動相A:水1リットル+50%強度ギ酸0.5mL、移動相B:アセトニトリル1リットル+50%強度ギ酸0.5mL;勾配:0.0分97%A→0.5分97%A→3.2分5%A→4.0分5%Aオーブン:50℃;流量:0.3mL/分;UV検出:210nm。
【0415】
方法7(LC−MS):
装置:Agilent MS Quad 6150;HPLC:Agilent 1290;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×2.1mm;移動相A:水1リットル+99%強度ギ酸0.25mL、移動相B:アセトニトリル1リットル+99%強度ギ酸0.25mL;勾配:0.0分90%A→0.3分90%A→1.7分5%A→3.0分5%Aオーブン:50℃;流量:1.20mL/分;UV検出:205−305nm。
【0416】
方法8(LC−MS):
MS装置型:Waters Synapt G2S;UPLC装置型:Waters Acquity I−CLASS;カラム:Waters、HSST3、2.1×50mm、C18 1.8μm;移動相A:水1リットル+0.01%ギ酸;移動相B:アセトニトリル1リットル+0.01%ギ酸;勾配:0.0分2%B→2.0分2%B→13.0分90%B→15.0分90%B;オーブン:50℃;流量:1.20mL/分;UV検出:210nm。
【0417】
方法9:実施例181から191についてのLC−MS−Prep精製法(方法LIND−LC−MS−Prep)
MS装置:Waters、HPLC装置:Waters(カラムWaters X−Bridge C18、19mm×50mm、5μm、移動相A:水+0.05%アンモニア、移動相B:アセトニトリル(ULC)勾配;流量:40mL/分;UV検出:DAD;210−400nm)。
【0418】
または
MS装置:Waters、HPLC装置:Waters (カラムPhenomenex Luna 5μ C18(2)100A、AXIA Tech. 50×21.2mm、移動相A:水+0.05%ギ酸、移動相B:アセトニトリル(ULC)勾配;流量:40mL/分;UV検出:DAD;210−400nm)。
【0419】
方法10:実施例181から191についてのLC−MS分析法(LIND_SQD_SB_AQ)
MS装置:Waters SQD;装置HPLC:Waters UPLC;カラム:Zortex SB−Aq(Agilent)、50mm×2.1mm、1.8μm;移動相A:水+0.025%ギ酸、移動相B:アセトニトリル(ULC)+0.025%ギ酸;勾配:0.0分98%A−0.9分25%A−1.0分5%A−1.4分5%A−1.41分98%A−1.5分98%A;オーブン:40℃;流量:0.600mL/分;UV検出:DAD;210nm。
【0420】
方法11(HPLC):
装置:HP1100シリーズ
カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e、50−4.6mm、カタログ番号1.51450.0001、プレカラムChromolith Guardカートリッジキット、RP−18e、5−4.6mm、カタログ番号1.51470.0001
勾配:流量5mL/分
注入容量5μL
溶媒A:HClO
4(70%強度)/水(4mL/L)
溶媒B:アセトニトリル
開始20%B
0.50分20%B
3.00分90%B
3.50分90%B
3.51分20%B
4.00分20%B
カラム温度:40℃
波長:210nm。
【0421】
方法12(LC−MS):
MS装置型:Thermo Scientific FT−MS;UHPLC+装置型:Thermo Scientific UltiMate 3000;カラム:Waters、HSST3、2.1×75mm、C18 1.8μm;移動相A:水1リットル+0.01%ギ酸;移動相B:アセトニトリル1リットル+0.01%ギ酸;勾配:0.0分10%B→2.5分95%B→3.5分95%B;オーブン:50℃;流量:0.90mL/分;UV検出:210nm/最適積分経路210−300nm。
【0422】
方法13:(LC−MS):
MS装置:Waters (Micromass) Quattro Micro;装置Waters UPLC Acquity;カラム:Waters BEHC18 1.7μ 50×2.1mm;移動相A:水1リットル+0.01molギ酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル1リットル;勾配:0.0分95%A→0.1分95%A→2.0分15%A→2.5分15%A→2.51分10%A→3.0分10%A;オーブン:40℃;流量:0.5mL/分;UV検出:210nm。
【0423】
方法14:(LC−MS):
MS装置型:ThermoFisherScientific LTQ−Orbitrap−XL;HPLC装置型:Agilent 1200SL;カラム:Agilent、POROSHELL 120、3×150mm、SB−C18 2.7μm;移動相A:水1リットル+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル1リットル+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:0.0分2%B→0.3分2%B→5.0分95%B→10.0分95%B;オーブン:40℃;流量:0.75mL/分;UV検出:210nm。
【0424】
以下において製造が明瞭に記載されていない全ての反応物または試薬は、一般に利用可能な提供元から商業的に購入したものである。製造が同様に以下において記載されておらず、商業的に入手できなかったか、通常は使えない供給元から得た他の全ての反応物または試薬については、それらの製造が記載されている刊行文献を挙げてある。
【0425】
原料および中間体:
中間体C11
R/S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−ホモシステイン/トリフルオロ酢酸塩(1:1)
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
最初に(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン990.0mg(2.79mmol)を、ジクロロメタン15.0mLに入れ、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム828.8mg(3.91mmol)および酢酸129.9mg(3.21mmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。ジクロロメタン15.0mLに溶かした2−(トリメチルシリル)エチル(3−オキソプロピル)カーバメート(中間体L58)698.1mg(3.21mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を各場合で、飽和炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール=100:2)で精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]カーバメート1.25g(理論値の73%)を得た。
【0427】
LC−MS(方法1):R
t=1.09分;MS(ESIpos):m/z=556(M+H)
+。
【0428】
トリエチルアミン151.4mg(1.5mmol)およびクロロアセチルクロライド161.6mg(1.43mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]カーバメート400.0mg(0.65mmol)に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水で3回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル=3:1)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート254.4mg(理論値の57%)を得た。
【0429】
LC−MS(方法1):R
t=1.49分;MS(ESIneg):m/z=676(M+HCOO
−)
−。
【0430】
2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート117.4mg(0.19mmol)をイソプロパノール10.0mLに溶かし、1M NaOH 928.4μLおよびDL−ホモシステイン50.2mg(0.37mmol)を加えた。反応混合物を50℃で4.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×40;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物75.3mg(理論値の48%)を得た。
【0431】
LC−MS(方法1):R
t=1.24分;MS(ESIpos):m/z=731(M+H)
+。
【0432】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.03(s、9H)、0.40(m、1H)、0.75−0.91(m、11H)、1.30(m、1H)、1.99−2.23(m、2H)、2.63−2.88(m、4H)、3.18−3.61(m、5H)、3.79−4.10(m、3H)、4.89(d、1H)、4.89(d、1H)、5.16(d、1H)、5.56(s、1H)、6.82(m、1H)、6.91(s、1H)、6.97(m、1H)、7.13−7.38(m、6H)、7.49(s、1H)、7.63(m、1H)、8.26(s、3H)。
【0433】
中間体C12
R/S−[(8S)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−8−カルボキシ−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル]ホモシステイン
【化122】
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【0434】
原料としてメチル(2S)−4−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート(中間体L57)および中間体C52を用い、中間体C11の合成と同様にして合成を行った。
【0435】
LC−MS(方法1):R
t=1.18分;MS(ESIpos):m/z=775(M+H)
+。
【0436】
中間体C52
(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
最初に、4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル10.00g(49.01mmol)をDMF 100.0mLに入れ、炭酸セシウム20.76g(63.72mmol)およびベンジルブロマイド9.22g(53.91mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、水と酢酸エチルとの間で分配し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。反応を4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル90.0gで繰り返した。
【0438】
二つの合わせた反応取得物を、分取RP−HPLC(カラム:Daiso 300×100;10μ、流量:250mL/分、MeCN/水)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物1−ベンジル−4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル125.15g(理論値の87%)を得た。
【0439】
LC−MS(方法1):R
t=1.18分;MS(ESIpos):m/z=295[M+H]
+。
【0440】
最初に、アルゴン下に、1−ベンジル−4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル4.80g(16.32mmol)をDMFに入れ、(2,5−ジフルオロフェニル)ボロン酸3.61g(22.85mmol)、飽和炭酸ナトリウム19.20mL溶液および[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II):ジクロロメタン1.33g(1.63mmol)を加えた。反応混合物を85℃で終夜撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。有機相を水で抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル100:3)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル3.60g(理論値の67%)を得た。
【0441】
LC−MS(方法7):R
t=1.59分;MS(ESIpos):m/z=328[M+H]
+。
【0442】
最初に1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル3.60g(11.00mmol)を、THF 90.0mLに入れ、水素化リチウムアルミニウム1.04g(27.50mmol)(2.4M THF中溶液)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。0℃で、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液を加え、酢酸エチルを反応混合物に加えた。有機相を飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液で3回抽出した。有機相を飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をジクロロメタン30.0mLに溶解させた。酸化マンガン(IV)3.38g(32.99mmol)を加え、混合物を室温で48時間撹拌した。追加の酸化マンガン(IV)2.20g(21.47mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄した。溶媒を減圧下に留去し、残留物(1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボアルデヒド)2.80gを、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0443】
LC−MS(方法7):R
t=1.48分;MS(ESIpos):m/z=298[M+H]
+。
【0444】
最初に1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボアルデヒド28.21g(94.88mmol)と(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド23.00g(189.77mmol)を、純粋THF 403.0mLに入れ、チタン(IV)イソプロポキシド67.42g(237.21mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。飽和NaCl溶液500.0mLおよび酢酸エチル1000.0mLを加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を珪藻土で濾過し、濾液を飽和NaCl溶液で2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、カラム1500+340gSNAP、流量200mL/分、酢酸エチル/シクロヘキサン1:10)を用いて精製した。
【0445】
LC−MS(方法7):R
t=1.63分;MS(ESIpos):m/z=401[M+H]
+。
【0446】
最初に(R)−N−{(E/Z)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチレン}−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド25.00g(62.42mmol)を、アルゴン下に純粋THFに入れ、冷却して−78℃とした。tert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン中溶液)12.00g(187.27mmol)を−78℃で加え、混合物をこの温度で3時間撹拌した。−78℃で、メタノール71.4mLおよび飽和塩化アンモニウム溶液214.3mLをその順で加え、反応混合物を昇温させて室温とし、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物(R)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0447】
LC−MS(方法6):R
t=2.97分;MS(ESIpos):m/z=459[M+H]
+。
【0448】
最初に(R)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド28.00g(61.05mmol)を、1,4−ジオキサン186.7mLに入れ、HCl/1,4−ジオキサン溶液(4.0M)45.8mLを加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Kinetix100×30;流量:60mL/分、MeCN/水)によって精製した。アセトニトリルを減圧下に留去し、ジクロロメタンを水系残留物に加えた。有機相を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物16.2g(理論値の75%)を得た。
【0449】
LC−MS(方法6):R
t=2.10分;MS(ESIpos):m/z=338[M−NH
2]
+、709[2M+H]
+。
【0450】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.87(s、9H)、1.53(s、2H)、3.59(s、1H)、5.24(d、2H)、6.56(s、1H)、6.94(m、1H)、7.10(d、2H)、7.20(m、1H)、7.26(m、2H)、7.34(m、2H)、7.46(m、1H)。
【0451】
中間体C53
(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
最初に、中間体C58と同様にして、中間体C52を、ベンジル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−オキソブタノエートで還元的にアルキル化した。中間体C58に記載の方法に従って、2級アミノ基を2−クロロ−2−オキソ酢酸エチルでアシル化し、次に二つのエステル基を2M水酸化リチウム溶液/メタノールで加水分解した。このようにして得られた中間体をエタノールに溶解させ、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を、室温で標準気圧下に水素で1時間水素化した。脱保護化合物をジオキサン/水2:1に取り、最後の段階で、9H−フルオレン−9−イルメチルクロロカーボネートの存在下にN,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いてFmoc保護基を導入した。
【0453】
LC−MS(方法1):R
t=1.37分;MS(ESIpos):m/z=734(M−H)
−。
【0454】
中間体C54
N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタノイル]−β−アラニン
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
最初に、中間体C2と同様にして、中間体C52を、ベンジルN−[(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−オキソブタノイル]−β−アラニネートで還元的にアルキル化した。中間体C58について記載の方法に従って、2級アミノ基を2−クロロ−2−オキソ酢酸エチルでアシル化した。このようにして得られた中間体をメタノールに溶解させ、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を、標準気圧下に室温で水素によって1時間水素化した。エステル基を2M水酸化リチウム溶液/メタノールで加水分解した。脱保護化合物をジオキサン/水2:1に取り、最後の段階でN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に9H−フルオレン−9−イルメチルクロロカーボネートを用いてFmoc保護基を導入した。標題化合物48mgを得た。
【0456】
LC−MS(方法1):R
t=1.38分;MS(ESIpos):m/z=807(M+H)
+。
【0457】
中間体C58
(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
最初に、中間体C2と同様にして、中間体C52を、ベンジル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−オキソブタノエートで還元的にアルキル化した。中間体C27について記載の方法に従って2級アミノ基を2−クロロ−2−オキソ酢酸エチルでアシル化し、二つのエステル基を2M水酸化リチウム溶液/メタノールで加水分解した。このようにして得られた中間体をエタノールに溶解させ、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を室温で水素によって標準気圧下に1時間水素化した。
【0459】
この完全に脱保護された中間体500mg(0.886mmol)をジオキサン60mLに取り、1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン253mg(0.975mmol)およびトリエチルアミン198μLを加えた。室温で24時間撹拌後、反応液を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に濃縮し、真空乾燥することで、標題化合物312mg(理論値の50%)を得た。
【0460】
LC−MS(方法5):R
t=4.61分;MS(ESIpos):m/z=658(M+H)
+。
【0461】
あるいは、次の経路によって中間体C58を製造した。
【0462】
中間体C52 4.3g(12.2mmol)をDCM 525mLに溶かし、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム3.63g(17.12mmol)および酢酸8.4mLを加えた。室温で5分間撹拌後、DCM 175mLに溶かした中間体L57 8.99g(24.5mmol)を加え、反応液を室温でさらに45分間撹拌した。反応液をDCM 300mLで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液100mLで2回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Chromatorex C18)によって精製した。適切な分画を合わせた後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、メチル(2S)−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート4.6g(理論値の61%)を得た。
【0463】
LC−MS(方法12):R
t=1.97分;MS(ESIpos):m/z=614(M+H)
+。
【0464】
最初に、この中間体2.06g(3.36mmol)をDCM 76mLに入れ、トリエチルアミン2.1mLの存在下に2−クロロ−2−オキソ酢酸エチル0.81mL(7.17mmol)でアシル化した。室温で20時間撹拌後、2−クロロ−2−オキソ酢酸エチル0.36mLおよびトリエチルアミン0.94mLを加え、反応液を室温でさらに15分間撹拌した。混合物を酢酸エチル500mLで希釈し、5%強度クエン酸300mLで2回、飽和重炭酸ナトリウム溶液300mLで2回、および飽和塩化ナトリウム溶液100mLで1回の順で抽出し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。高真空乾燥によって、保護中間体2.17g(理論値の79%)を得た。
【0465】
LC−MS(方法1):R
t=1.48分;MS(ESIpos):m/z=714(M+H)
+。
【0466】
この中間体2.17mg(2.64mmol)をTHF 54mLおよび水27mLに溶かし、2M水酸化リチウム溶液26mLを加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次にTFA 1.4mLを用いてpHを3から4に調節した。混合物を減圧下に濃縮した。THFのほとんどが留去されたら、水溶液をDCMで2回抽出し、減圧下に濃縮乾固させた。残留物を分取HPLC(カラム:Chromatorex C18)によって精製した。適切な分画を合わせた後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をアセトニトリル/水から凍結乾燥した。これによって、標題化合物1.1g(理論値の63%)を得た。
【0467】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=656(M−H)
−。
【0468】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.03(s、9H)、0.58(m、1H)、0.74−0.92(m、11H)、1.40(m、1H)、3.3(m、2H)、3.7(m、1H)、3.8−4.0(m、2H)、4.15(q、2H)、4.9および5.2(2d、2H)、5.61(s、1H)、6.94(m、2H)、7.13−7.38(m、7H)、7.48(s、1H)、7.60(m、1H)、12.35(s、1H)。
【0469】
中間体C59
(2S)−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[(2S)−2−メトキシプロパノイル]アミノ)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
最初に、ベンジル(2S)−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタノエートの2級アミノ基を、中間体C53について記載の方法に従って、トリエチルアミンの存在下に(2S)−2−メトキシプロパノイルクロライド(中間体C53の中間体)でアシル化した。得られた中間体をエタノールに取り、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を室温で水素によって標準気圧下に1時間水素化した。脱保護化合物をジオキサン/水2:1に取り、最後の段階でN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に9H−フルオレン−9−イルメチルクロロカーボネートを用いてFmoc保護基を導入した。
【0471】
LC−MS(方法1):R
t=1.39分;MS(ESIpos):m/z=764(M−H)
−。
【0472】
中間体C60
(2S)−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[(2S)−2−メトキシプロパノイル]アミノ)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
【化128】
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【0473】
中間体C53と同様にして合成を行った。
【0474】
LC−MS(方法1):R
t=1.41分;MS(ESIpos):m/z=750(M+H)
+。
【0475】
中間体C61
N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノイル]−β−アラニン
【化129】
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【0476】
中間体C58 60mg(0.091mmol)をβ−アラニネートメチルとカップリングさせ、次に2M水酸化リチウム溶液でエステル開裂することで、標題化合物を製造した。これによって、2段階で標題化合物67mg(理論値の61%)を得た。
【0477】
LC−MS(方法1):R
t=1.29分;MS(ESIpos):m/z=729(M+H)
+。
【0478】
中間体C62
N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノイル]−D−アラニン
【化130】
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【0479】
中間体C58およびメチルD−アラニネートから中間体C61と同様にして標題化合物を製造した。
【0480】
LC−MS(方法1):R
t=1.32分;MS(ESIpos):m/z=729(M+H)
+。
【0481】
中間体C64
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル{(2S)−1−[(2−アミノエチル)アミノ]−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−オキソブタン−2−イル}カーバメート(1:1)
【化131】
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【0482】
中間体C63と同様にして、標題化合物を中間体C58から製造した。
【0483】
HPLC(方法11):R
t=2.4分;
LC−MS(方法1):R
t=1.01分;MS(ESIpos):m/z=700(M+H)
+。
【0484】
中間体C65
(8S)−8−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−(グリコロイル)アミノ]エチル}−2,2−ジメチル−6,11−ジオキソ−5−オキサ−7,10−ジアザ−2−シラテトラデカン−14−オン酸
【化132】
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【0485】
最初に中間体L66 215mg(0.59mmol)を、ジクロロメタン25mLに入れ、デス−マーチンペルヨージナン377mg(0.89mmol)およびピリジン144μL(1.78mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。反応液をジクロロメタン300mLで希釈し、有機相を各場合で、10%強度Na
2S
2O
3溶液2回、10%強度クエン酸溶液および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。これによって、アルデヒド305mgを得て、それをそれ以上精製せずに反応させた。
【0486】
中間体C52 175mg(0.49mmol)をジクロロメタン50mLに溶かし、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム147mg(0.69mmol)および酢酸32.5μLを加えた。室温で5分間撹拌後、上記のアルデヒド214mg(0.593mmol)を加え、反応液を室温で終夜撹拌した。ここで、期待の生成物に代えて、2−(トリメチルシリル)エチル[(2S)−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)ブタン−2−イル]カーバメートが生成した。このイミドも標題化合物に変換することもできることから、反応液を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切なイミド含有分画を組み合わせた後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、上記で挙げたイミド195mg(58%)を得た。
【0487】
LC−MS(方法5):R
t=3.32分;MS(ESIpos):m/z=667(M+H)
+。
【0488】
このイミド65mg(97.5μmol)をジクロロメタン15mLに取り、アセトキシアセチルクロライド367μL(3.4mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン595μLを加えた。室温で30分間撹拌後、反応液を減圧下に加熱せずに濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせて、溶媒留去および高真空乾燥後に、(8S)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−8−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イルアセテート28mg(理論値の37%)を得た。
【0489】
LC−MS(方法1):R
t=1.44分;MS(ESIpos):m/z=767(M+H)
+。
【0490】
この中間体28mg(37μmol)をメタノール3mLに溶かし、2M水酸化リチウム溶液548μLを加えた。室温で10分間撹拌後、反応液をトリフルオロ酢酸でpH4に調節し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、溶媒を留去し、残留物を高真空下に乾燥して、標題化合物26mg(理論値の96%)を白色固体として得た。
【0491】
LC−MS(方法1):R
t=1.33分;MS(ESIpos):m/z=743(M+H)
+。
【0492】
中間体C66
2−(トリメチルシリル)エチル[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−{[2−(グリシルアミノ)エチル]アミノ}−1−オキソブタン−2−イル]カーバメート
【化133】
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【0493】
最初に、ペプチド化学の古典的方法に従って(HATUカップリングおよびBoc除去)、トリフルオロ酢酸/ベンジル{2−[(2−アミノエチル)アミノ]−2−オキソエチル}カーバメート(1:1)をN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシンおよびtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートから製造した。
【0494】
この中間体13mg(0.036mmol)および中間体C58 25mg(0.033mmol)をDMF 3mLに取り、HATU 19mg(0.05mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン17μLを加えた。室温で10分間撹拌後、混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、中間体17.8mg(理論値の60%)を得た。
【0495】
LC−MS(方法1):R
t=1.36分;MS(ESIpos):m/z=891(M+H)
+。
【0496】
この中間体17mg(0.019mmol)をエタノール10mLに溶かし、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を室温で水素によって標準気圧で2時間水素化した。触媒を濾去し、減圧下に溶媒留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物9mg(理論値の62%)を得た。
【0497】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分;MS(ESIpos):m/z=757(M+H)
+。
【0498】
中間体C67
9H−フルオレン−9−イルメチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]カーバメート
【化134】
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【0499】
(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン(中間体C52)605.3mg(1.71mmol)を最初に、ジクロロメタン10.0mLに入れ、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム506.7mg(2.39mmol)および酢酸117.9mg(1.96mmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。ジクロロメタン10.0mLに溶かした9H−フルオレン−9−イルメチル(3−オキソプロピル)カーバメート(中間体L70)580.0mg(1.96mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を各場合で、飽和炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル3:1)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物514.7mg(理論値の46%)を得た。
【0500】
LC−MS(方法1):R
t=1.10分;MS(ESIpos):m/z=634(M+H)
+。
【0501】
中間体C69
11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸
【化135】
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【0502】
最初に(2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート(中間体C70)117.0mg(0.19mmol)および3−スルファニルプロパン酸21.6mg(0.20mmol)を、メタノール3.0mLに入れ、炭酸カリウム89.5mg(0.65mmol)を加え、混合物を50℃で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。これによって、標題化合物106.1mg(理論値の73%)を得た。
【0503】
LC−MS(方法1):R
t=1.42分;MS(ESIneg):m/z=700(M−H)
−。
【0504】
中間体C70
(2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート
【化136】
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【0505】
最初に2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]カーバメート(中間体C11の合成参照)908.1mg(1.63mmol)およびトリエチルアミン545.6mg(5.39mmol)を、ジクロロメタン10.0mLに入れ、混合物を冷却して0℃とした。この温度で、クロロアセチルクロライド590.5mg(5.23mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を各場合で、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化アンモニウム溶液で3回洗浄した。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物673.8mg(理論値の65%)を得た。
【0506】
LC−MS(方法1):R
t=1.53分;MS(ESIneg):m/z=676(M+HCOO
−)
−。
【0507】
中間体C71
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
L−システイン536.6mg(4.43mmol)を、水2.5mLと重炭酸ナトリウム531.5mg(6.33mmol)に懸濁させた。イソプロパノール25.0mLに溶かした2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート(中間体C70)400.0mg(0.63mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン1.16g(7.59mmol)を加えた。反応混合物を50℃で1.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物449.5mg(理論値の86%)を得た。
【0509】
LC−MS(方法1):R
t=1.20分;MS(ESIpos):m/z=717(M+H)
+。
【0510】
中間体C72
(9S)−9−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]メチル}−2,2−ジメチル−6,11−ジオキソ−5−オキサ−7,10−ジアザ−2−シラテトラデカン−14−オン酸
【化138】
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【0511】
最初に中間体L72 90mg(0.212mmol)をジクロロメタン6mLに入れ、ピリジン86μL(1.06mmol)およびデス−マーチンペルヨージナン135mg(0.318mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。反応液をジクロロメタン30mLで希釈し、有機相を10%強度Na
2S
2O
3溶液で2回、そして5%強度クエン酸溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。このようにして得られたアルデヒドを、それ以上精製せずに反応させた。
【0512】
中間体C52 63mg(0.177mmol)をジクロロメタン15mLに溶かし、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム52.4mg(0.247mmol)および酢酸20.2μLを加えた。室温で5分間撹拌後、上記のアルデヒド89.6mg(0.212mmol)を加え、反応液を室温で20分間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせた後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をアセトニトリル/水から凍結乾燥した。これによって、ベンジル(9R)−9−[({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)メチル]−2,2−ジメチル−6,11−ジオキソ−5−オキサ−7,10−ジアザ−2−シラテトラデカン−14−オエート71mg(2段階で理論値の53%)を得た。
【0513】
LC−MS(方法1):R
t=1.21分;MS(ESIpos):m/z=761(M+H)
+。
【0514】
この中間体70mg(92μmol)をジクロロメタン15mLに取り、混合物を冷却して10℃とし、トリエチルアミン54μLおよびアセトキシアセチルクロライド25.5μL(0.23mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、同量の酸塩化物およびトリエチルアミンを加え、室温でさらに1時間撹拌後に再度加えた。反応を室温でさらに30分間撹拌し、減圧下に濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせて、溶媒留去および残留物のアセトニトリル/水からの凍結乾燥後に、アシル化中間体46.5mg(理論値の59%)を得た。
【0515】
LC−MS(方法1):R
t=1.53分;MS(ESIpos):m/z=861(M+H)
+。
【0516】
この中間体46mg(53μmol)をメタノール5mLに溶かし、2M水酸化リチウム溶液2.7mLを加えた。室温で10分間撹拌後、反応液を酢酸でpH3から4に調節し、水15mLで希釈した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物をアセトニトリル/水から凍結乾燥して、残留物を高真空乾燥した後、標題化合物37mg(理論値の90%)を白色固体として得た。
【0517】
LC−MS(方法1):R
t=1.32分;MS(ESIpos):m/z=729(M+H)
+。
【0518】
中間体C73
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[3−(トリメチルシリル)プロパノイル]−L−システイン
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0519】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)619mg(0.86mmol)を、ジクロロメタン8.8mLに入れ、トリエチルアミン87mg(0.86mmol)およびN−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニルオキシ]ピロリジン−2,5−ジオン224mg(0.86mmol)を加えた。1時間後、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニルオキシ]ピロリジン−2,5−ジオン45mg(0.17mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、残留物をジクロロメタンに取り、有機相を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、ロータリーエバポレータで濃縮し、真空乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物602mg(71%、純度87%)を得た。
【0520】
LC−MS(方法1):R
t=1.58分;MS(ESIpos):m/z=861(M+H)
+。
【0521】
中間体C74
トリフルオロ酢酸2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノイル]−D−アラニネート(1:1)
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0522】
中間体C58 75mg(0.114mmol)をDMF 12.5mLに取り、HATU 65mg(0.11mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン79μLの存在下に中間体L75 78mg(0.171mmol)とカップリングさせた。分取HPLCによる精製後に、中間体をエタノール20mLに取り、10%パラジウム/活性炭で室温で水素標準圧下に1時間水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去し、生成物を分取HPLCによって精製した。アセトニトリル/水1:1からの凍結乾燥によって、標題化合物63mg(2段階で理論値の64%)を得た。
【0523】
LC−MS(方法1):R
t=1.16分;MS(EIpos):m/z=844[M+H]
+。
【0524】
中間体C75
メチル(2S)−4−[(アセトキシアセチル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0525】
中間体C52 4.3g(12.2mmol)をDCM 525mLに溶かし、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム3.63g(17.12mmol)および酢酸8.4mLを加えた。室温で5分間撹拌後、DCM 175mLに溶かしたメチル(2S)−4−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート(古典的方法によって(3S)−3−アミノ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸から製造)3.23g(11.85mmol)を加え、混合物を室温でさらに45分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液100mLで2回抽出し、次に飽和塩化ナトリウム溶液で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、濃縮し、残留物を高真空乾燥して、中間体4.6g(理論値の61%)を得た。
【0526】
LC−MS(方法12):R
t=1.97分;MS(ESIpos):m/z=614.32(M+H)
+。
【0527】
この中間体200mg(0.33mmol)をDCM 10mLに溶かし、トリエチルアミン105μLおよびアセトキシアセチルクロライド77μL(0.717mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチルに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回、次に飽和塩化ナトリウム溶液で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。これによって、標題化合物213mg(75%)をベージュ泡状物として得た。
【0528】
LC−MS(方法1):R
t=1.46分;MS(ESIpos):m/z=714(M+H)
+。
【0529】
中間体C76
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N−{(1S)−3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−カルボキシプロピル}−L−アラニンアミド
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0530】
ペプチド化学の古典的方法に従って(塩化亜鉛によるTeoc保護基の除去、HATUの存在下でのN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンによるアシル化、およびTHF/水中での水酸化リチウムによるエステル開裂)、標題化合物を中間体C75から製造した。
【0531】
LC−MS(方法1):R
t=1.23分;MS(ESIpos):m/z=818(M+H)
+。
【0532】
中間体C77
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0533】
最初に4−tert−ブトキシ−4−オキソブタン酸(8.39mg、48.1μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物7.37mg(48.1μmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)ビスジメチルアミノメチリウムフルオロボレート15.5mg((48.1μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン8.60μL(48.1μmol)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイントリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)40.0mg(0.048mmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン25.4μL(141.9μmol)を加え、混合物を反応液に加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を、によって直接精製し分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物35.0mg(理論値の83%)を得た。
【0534】
LC−MS(方法12):R
t=2.76分;MS(ESIpos):m/z=873[M+H]
+。
【0535】
中間体C78
11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラペンタデカン−15−酸
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0536】
最初に2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]カーバメート(中間体C11の合成を参照)197mg(0.354mmol)を、ジクロロメタン5.0mLに入れ、混合物を加熱して40℃とした。この温度で、ピリジン240μL(3.0mmol)および4−クロロ−4−オキソブタン酸メチル220μL(1.8mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。ピリジン240μL(3.0mmol)および4−クロロ−4−オキソブタン酸メチル220μL(1.8mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。ピリジン240μL(3.0mmol)および4−クロロ−4−オキソブタン酸メチル220μL(1.8mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を各場合で5%強度KHSO
4溶液で3回抽出した。有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、メチル11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラペンタデカン−15−オエート74.1mg(理論値の31%)を得た。
【0537】
LC−MS(方法1):R
t=1.49分;MS(ESIpos):m/z=670[M+H]
+。
【0538】
メチル11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラペンタデカン−15−オエート78.3mg(117μmol)を最初に、THF 4.0mLに入れ、メタノール800μL、水160μLおよびLiOH水溶液(1M)230μL(230μmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、酢酸で反応停止し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物64.8mg(理論値の85%)を得た。
【0539】
LC−MS(方法12):R
t=2.61分;MS(ESIneg):m/z=654[M−H]
−。
【0540】
中間体C79
トリフルオロ酢酸2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−D−アラニネート(1:1)
【化145】
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【0541】
最初に11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)57.4mg(81.8μmol)を、DMF 5.7mLに入れ、トリフルオロ酢酸2−(トリメチルシリル)エチル3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−D−アラニネート(1:1)(中間体L75)74.0mg(164μmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン43μL(250μmol)およびHATU 62.2mg(164μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、酢酸で反応停止し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−D−アラニネート52.4mg(理論値の63%)を得た。
【0542】
LC−MS(方法1):R
t=1.64分;MS(ESIpos):m/z=1022[M]
+。
【0543】
アルゴン下に、最初に酢酸パラジウム(II)6.23mg(27.7μmol)を、ジクロロメタン3.0mLに入れ、トリエチルアミン12μL(83μmol)およびトリエチルシラン89μL(550μmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。ジクロロメタン3.0mL中の2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−D−アラニネート56.7mg(55.5μmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮してほぼ乾固させ、アセトニトリル/水を加え、混合物を濾過し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物37.4mg(理論値の67%)を得た。
【0544】
LC−MS(方法12):):R
t=2.15分;MS(ESIpos):m/z=888[M+H]
+。
【0545】
中間体C80
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−(グリシルアミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイントリフルオロ酢酸(1:1)
【化146】
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【0546】
アルゴン下に、最初に1−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オン酸(中間体L90)43.4mg(95.1μmol)を、DMF 2.5mLに入れ、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物14.6mg(95.1μmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)ビスジメチルアミノメチリウムフルオロボレート30.5mg(95.1μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン16.5μL(95.1μmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイントリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)79.0mg(95.1μmol)を、DMF 2.5mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミン49.5μL(285.3μmol)を加え、混合物を反応液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン44.2mg(理論値の40%)を得た。
【0547】
LC−MS(方法12):R
t=2.57分;MS(ESIpos):m/z=1156[M+H]
+。
【0548】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン60.2mg(52.1μmol)をエタノール3.0mLに懸濁させ、パラジウム/活性炭(10%)6.0mgを加え、混合物を水素で室温および標準圧で1時間水素化した。2回、パラジウム/活性炭(10%)6.0mgを加え、混合物を水素で室温および標準圧で1時間水素化した。触媒を濾去し、反応混合物から減圧下に溶媒を除去し、真空乾燥した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物29.4mg(理論値の50%)を得た。
【0549】
LC−MS(方法5):R
t=3.77分;MS(ESIpos):m/z=1021[M+H]
+。
【0550】
中間体C81
(R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−シクロヘキシルメタンアミン
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0551】
アルゴン下に−78℃で、シクロヘキシルマグネシウムクロライド/ジエチルエーテル(2M)18.7mL(37.45mmol)をジメチル亜鉛3.12mL(6.24mmol)のトルエン中溶液(2.0M)に加え、混合物を−78℃で30分間撹拌した。(R)−N−{(E/Z)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチレン}−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド5.0g(12.48mmol)のTHF中溶液を−78℃で加え、反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に室温で4時間撹拌した。−78℃で、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、反応混合物を昇温させて室温とした。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、酢酸エチル/シクロヘキサン25:75)を用いて精製した。これによって、中間体1.59g(理論値の26%)を得た。
【0552】
LC−MS(方法12):R
t=2.76分;MS(ESIneg):m/z=483[M−H]
−。
【0553】
アルゴン下に、最初にこの中間体264.0mg(0.54mmol)を、1,4−ジオキサン0.5mLに入れ、HCl/1,4−ジオキサン溶液(4.0M)1.36mLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。ジクロロメタンを加え、反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、メタノール/ジクロロメタン98:2)を用いて精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をジクロロメタンに溶解させ、重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物148mg(理論値の72%)を得た。
【0554】
LC−MS(方法13):R
t=2.07分;MS(ESIpos):m/z=364[M−NH
2]
+。
【0555】
中間体C82
2−(トリメチルシリル)エチル(3−{[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]アミノ}プロピル)カーバメート
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
アルゴン下に、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム392.2mg(1.85mmol)および酢酸91.29mg(1.52mmol)を、1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−シクロヘキシルメタンアミン(中間体C81)503.0mg(1.32mmol)のジクロロメタン(1.4mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エチル(3−オキソプロピル)カーバメート574.6(2.38mmol)のジクロロメタン中溶液を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。2−(トリメチルシリル)エチル(3−オキソプロピル)カーバメート143mg(0.66mmol)を加えた後、混合物をさらに2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を各場合で、飽和炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物488g(理論値の63%)を得た。
【0557】
LC−MS(方法12):R
t=1.89分;MS(ESIpos):m/z=582(M+H)
+。
【0558】
中間体C83
2−(トリメチルシリル)エチル(3−{[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル](クロロアセチル)アミノ}プロピル)カーバメート
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
トリエチルアミン280.0mg(2.77mmol)およびクロロアセチルクロライド397.8mg(3.52mmol)を、4Åモレキュラーシーブスを加えた2−(トリメチルシリル)エチル(3−{[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]アミノ}プロピル)カーバメート(中間体C82)487.9mg(0.84mmol)のジクロロメタン(8.40mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物470mg(理論値の85%)を得た。
【0560】
LC−MS(方法12):R
t=2.88分;MS(ESIpos):m/z=680(M+Na)
+。
【0561】
中間体C84
S−{11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル}−L−システイン
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0562】
L−システイン322.1mg(2.66mmol)を水0.19mLと重炭酸ナトリウム319.0mg(3.80mmol)に懸濁させた。イソプロパノール1.90mLに溶かした2−(トリメチルシリル)エチル(3−{[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル](クロロアセチル)アミノ}プロピル)カーバメート(中間体C83)250.0mg(0.38mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン693.8g(4.56mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物276mg(理論値の97%)を得た。
【0563】
LC−MS(方法12):R
t=2.34分;MS(ESIpos):m/z=744(M+H)
+。
【0564】
中間体C85
S−{11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル}−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン34.8mg(0.27mmol)をS−{11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル}−L−システイン(1:1)(中間体C84)100mg(0.13mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン41.5mg(0.13mmol)のDMF(4.0mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。後処理せずに、混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物88mg(理論値の70%)を得た。
【0566】
LC−MS(方法12):R
t=2.71分;MS(ESIpos):m/z=936(M+H)
+。
【0567】
中間体C86
11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
炭酸カリウム161.65mg(1.17mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル(3−{[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル](クロロアセチル)アミノ}プロピル)カーバメート(中間体C83)220.0mg(0.33mmol)および3−スルファニルプロパン酸39.02mg(0.37mmol)のメタノール(7.45mL)中混合物および数滴の水に加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上後処理せずに用いた。これによって、標題化合物201mg(理論値の83%)を得た。
【0569】
LC−MS(方法12):R
t=2.72分;MS(ESIneg):m/z=726(M−H)
−。
【0570】
中間体C87
2−(トリメチルシリル)エチル{13−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカン−16−イル}カーバメート
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
DMF中のN−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(中間体L1)54.18mg(0.28mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン71.01mg(0.50mmol)、HATU 104.46mg(0.27mmol)および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール0.23mL(0.14mmol)0.5Mを、11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C86)100mg(0.14mmol)のDMF(1.37mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。それ以上後処理せずに、混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物41mg(理論値の33%)を得た。
【0572】
LC−MS(方法12):R
t=2.61分;MS(ESIpos):m/z=907(M+H)
+。
【0573】
中間体C88
tert−ブチル3−[({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート・トリフルオロ酢酸(1:1)
立体異性体の混合物
【化154】
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【0574】
水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム1.71g(8.05mmol)および酢酸0.40g(6.61mmol)を、(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン(中間体C52)2.04mg(5.75mmol)のジクロロメタン(51mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。3−ホルミルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル1.32g(6.61mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を各場合で、飽和炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物1.86g(理論値の50%)を得た。
【0575】
LC−MS(方法1):R
t=0.99分;MS(ESIpos):m/z=538(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【0576】
中間体C89
tert−ブチル3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート
【化155】
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【0577】
トリエチルアミン1.36g(13.42mmol)およびクロルアセチルクロライド2.13g(18.87mmol)を、4Åモレキュラーシーブスを入れたtert−ブチル3−[({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C88)2.89g(4.19mmol、純度80%)の(42mL)ジクロロメタン中溶液に加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物の異性体1 449mg(理論値の17%)および異性体2 442mg(理論値の17%)を得た。
【0578】
異性体1LC−MS(方法1):R
t=2.74分;MS(ESIpos):m/z=614(M+H)
+。
【0579】
異性体2LC−MS(方法1):R
t=2.78分;MS(ESIpos):m/z=614(M+H)
+。
【0580】
中間体C90
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(異性体1)
【化156】
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【0581】
L−システイン357.3mg(0.58mmol)を、重炭酸ナトリウム488.7mg(4.07mmol)を含む水2.3mLに懸濁させた。イソプロパノール23.0mLに溶かしたtert−ブチル3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(異性体1)(中間体C89、異性体1)357.0mg(0.58mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン1.06g(6.98mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物255.0mg(理論値の62%)を得た。
【0582】
LC−MS(方法1):R
t=1.09分;MS(ESIpos):m/z=699(M+H)
+。
【0583】
中間体C91
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(異性体2)
【化157】
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【0584】
L−システイン453.5mg(3.74mmol)を、重炭酸ナトリウム449.2mg(5.35mmol)を含む水2.1mLに懸濁させた。イソプロパノール21.1mLに溶かしたtert−ブチル3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C89、異性体2)3287.4mg(0.54mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン0.98g(6.42mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物221.0mg(理論値の59%)を得た。
【0585】
LC−MS(方法1):R
t=1.12分;MS(ESIpos):m/z=699(M+H)
+。
【0586】
中間体C92
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン(異性体1)
【化158】
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【0587】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン18.49mg(0.14mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(中間体C90)50mg(0.07mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン22.06mg(0.07mmol)のDMF(3.3mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で45分間撹拌した。後処理せずに、混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物65mg(理論値の100%、純度71%)を得た。
【0588】
LC−MS(方法1):R
t=1.31分;MS(ESIpos):m/z=892(M+H)
+。
【0589】
中間体C93
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン(異性体2)
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0590】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン18.49mg(0.14mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(中間体C91)50.0mg(0.07mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン22.06mg(0.07mmol)のDMF(3.0mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で90分間撹拌した。後処理せずに、混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物63mg(理論値の98%、純度73%)を得た。
【0591】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=892(M+H)
+。
【0592】
中間体C94
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン(異性体1)
【化160】
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【0593】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン18.5mg(0.14mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(中間体C90)50.0mg(0.07mmol)および−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオン18.0mg(0.07mmol)のDMF(3.3mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を飽和NH
4Cl溶液で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物57mg(理論値の81%、純度85%)を得た。
【0594】
LC−MS(方法1):R
t=0.96分;MS(ESIpos):m/z=836(M+H)
+。
【0595】
中間体C95
3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(異性体1)
【化161】
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【0596】
炭酸カリウム302.5mg(2.19mmol)を、tert−ブチル3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C89、異性体1)384.0mg(0.62mmol)および3−スルファニルプロパン酸73.0mg(0.69mmol)のメタノール(14mL)および水数滴中混合物に加えた。反応混合物を50℃で2.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上後処理せずに用いた。これによって、標題化合物358.0mg(理論値の84%)を得た。
【0597】
LC−MS(方法1):R
t=1.33分;MS(ESIpos):m/z=684(M+H)
+。
【0598】
中間体C96
3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(異性体2)
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
炭酸カリウム226.0mg(1.64mmol)を、tert−ブチル3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C89、異性体2)287.0mg(0.45mmol)および3−スルファニルプロパン酸54.6mg(0.51mmol)のメタノール(14mL)および水数滴中混合物に加えた。反応混合物を50℃で2.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上後処理せずに用いた。これによって、標題化合物318.7mg(理論値の88%、純度88%)を得た。
【0600】
LC−MS(方法1):R
t=1.36分;MS(ESIpos):m/z=684(M+H)
+。
【0601】
中間体C97
tert−ブチル3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−14−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,13−トリオキソ−5−チア−2,9,12−トリアザテトラデカ−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(異性体2)
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0602】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン14.17mg(0.11mmol)およびHATU 27.80mg(0.07mmol)を、3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(中間体C96)25.0mg(0.04mmol)のDMF(2.81mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド−エタン(1:1)トリフルオロ酢酸(中間体L1)22.75mg(0.07mmol)のDMF(1.4mL)中溶液およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン5mg(0.04mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。
【0603】
水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上後処理せずに用いた。これによって、標題化合物26mg(理論値の84%)を得た。
【0604】
LC−MS(方法5):R
t=4.39分;MS(ESIpos):m/z=86。
【0605】
中間体C98
tert−ブチル3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,13−トリオキソ−5−チア−2,9,12−トリアザオクタデカ−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(異性体2)
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン14.17mg(0.11mmol)およびHATU 27.80mg(0.07mmol)を、3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(中間体C96)25.0mg(0.04mmol)のDMF(2.81mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−(2−アミノエチル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド−エタン(1:1)トリフルオロ酢酸37.30mg(0.07mmol)のDMF(1.4mL)中溶液およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン5mg(0.04mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物22mg(理論値の63%)を得た。
【0607】
LC−MS(方法5):R
t=4.54分;MS(ESIpos):m/z=919(M+H)
+。
【0608】
中間体C99
tert−ブチル3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−24−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,19−トリオキソ−12,15−ジオキサ−5−チア−2,9,18−トリアザテトラコサ−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(異性体2)
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン14.17mg(0.11mmol)およびHATU 27.80mg(0.07mmol)を、3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(中間体C96)25.0mg(0.04mmol)のDMF(2.81mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド−エタン(1:1)トリフルオロ酢酸(中間体L82)35.05mg(0.07mmol)のDMF(1.4mL)中溶液およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン5mg(0.04mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物25mg(理論値の60%)を得た。
【0610】
LC−MS(方法1):R
t=4.52分;MS(ESIpos):m/z=1007(M+H)
+。
【0611】
中間体C100
2−(トリメチルシリル)エチル{(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−[(2−{[(2R)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エチル)アミノ]−1−オキソブタン−2−イル}カーバメート
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0612】
(2R)−N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド(1:1)トリフルオロ酢酸22.2mg(0.068mmol)を、(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(中間体C58)45mg(0.068mmol)のDMF(5.8mL)中溶液に加えた。室温で30分間撹拌後、HATU 39mg(0.10mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン36mg(0.27mmol)を前記混合物に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。後処理せずに、混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物7mg(理論値の12%)を得た。
【0613】
LC−MS(方法1):R
t=1.41分;MS(ESIpos):m/z851(M+H)
+。
【0614】
中間体C101
トリフルオロ酢酸/メチル(2S)−4−[(アセトキシアセチル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−アミノブタノエート(1:1)
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
中間体C52 4.3g(12.2mmol)をDCM 525mLに溶かし、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム3.63g(17.12mmol)および酢酸8.4mLを加えた。室温で5分間撹拌後、DCM 175mLに溶かしたメチル(2S)−4−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート(古典的方法を用いて(3S)−3−アミノ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸から製造)3.23g(11.85mmol)を加え、混合物を室温でさらに45分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液100mLで2回抽出し、次に飽和塩化ナトリウム溶液で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、濃縮し、残留物を高真空乾燥して、中間体4.6g(理論値の61%)を得た。
【0616】
LC−MS(方法12):R
t=1.97分;MS(ESIpos):m/z=614.32(M+H)
+。
【0617】
最初に、この中間体2.06g(3.36mmol)を、DCM 76mLに入れ、トリエチルアミン2.1mLの存在下に2−クロロ−2−オキソ酢酸エチル0.81mL(7.17mmol)を用いてアシル化した。室温で20時間撹拌後、追加の2−クロロ−2−オキソ酢酸エチル0.36mLおよびトリエチルアミン0.94mLを加え、混合物を室温でさらに15分間撹拌した。混合物を酢酸エチル500mLで希釈し、5%強度クエン酸300mLで2回、飽和重炭酸ナトリウム溶液300mLで2回、飽和塩化ナトリウム溶液100mLで1回の順で抽出し、次に硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。高真空乾燥によって、保護中間体2.17g(理論値の79%)を得た。
【0618】
LC−MS(方法1):R
t=1.48分;MS(ESIpos):m/z=714(M+H)
+。
【0619】
この中間体321mg(0.342mmol)を、2,2,2−トリフルオロエタノール7mLに溶かした。塩化亜鉛279.5mg(2.05mmol)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸599mg(2.05mmol)および0.1%強度トリフルオロ酢酸水溶液2mLを加え、混合物を次に減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物60mg(理論値の26%)を得て、それはまだ少量の脱アセチル化化合物を含んでいる。
【0620】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分および0.95分;MS(ESIpos):m/z=528および570(M+H)
+。
【0621】
中間体C102
(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
【化168】
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【0622】
最初に、中間体C2と同様にして、中間体C52について、ベンジル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−オキソブタノエートによる還元的アルキル化を行った。次に、2級アミノ基を2−クロロ−2−オキソ酢酸エチルでアシル化し、最後に、二つのエステル基を2M水酸化リチウム/メタノール溶液を用いて加水分解した。
【0623】
LC−MS(方法1):R
t=1.31分;MS(ESIpos):m/z=646(M−H)
−。
【0624】
中間体C103
2−(トリメチルシリル)エチルN−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−N2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−グルタミネート
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0625】
最初にHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にDMF中で中間体C102 151mg(0.23mmol)を中間体L98 128mg(0.234mmol)とカップリングさせることで、標題化合物を製造した。次に、室温で標準水素圧で30分間10%パラジウム/活性炭で水素化することでZ保護基を除去して、標題化合物を得た。
【0627】
LC−MS(方法1):R
t=1.14分;MS(ESIpos):m/z=929(M+H)
+。
【0628】
中間体C104
2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−[({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)メチル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0629】
水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム1.87g(8.84mmol)を、(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン2.24g(6.31mmol)のモレキュラーシーブス4Åの入ったジクロロメタン(56.0mL)中溶液に加え、混合物を室温で15分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4S)−3−フルオロ−4−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート(文献:WO2014/151030A1)2.20g(7.58mmol)を加え、反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物1.39g(理論値の24%)を得た。
【0630】
LC−MS(方法1):R
t=1.15分;MS(ESIpos):m/z=600(M+H)
+。
【0631】
中間体C105
2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
トリエチルアミン295.0mg(2.91mmol)およびクロロアセチルクロライド418.9mg(3.71mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−[({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)メチル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C104)692.8mg(0.88mmol)のモレキュラーシーブス4Åを入れたジクロロメタン(8.7mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。再度、トリエチルアミン295.0mg(2.91mmol)およびクロロアセチルクロライド418.9mg(3.71mmol)を、モレキュラーシーブス4Åを入れたジクロロメタン8.7mL中の残留物に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物691mg(理論値の74%、純度64%)を得た。
【0633】
LC−MS(方法1):R
t=1.78分;MS(ESIpos):m/z=676(M+H)
+。
【0634】
中間体C106
3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸
【化172】
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【0635】
炭酸カリウム316mg(2.29mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C105)691.0mg(0.65mmol)および3−スルファニルプロパン酸76.3mg(0.72mmol)のメタノール(15mL)および水数滴中混合物に加えた。反応混合物を50℃で1.5時間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水で繰り返し洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上後処理せずに用いた。これによって、標題化合物502mg(理論値の67%、純度65%)を得た。
【0636】
LC−MS(方法1):R
t=1.48分;MS(ESIneg):m/z=744(M−H)
−。
【0637】
中間体C107
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン
【化173】
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【0638】
L−システイン203.6mg(1.68mmol)と重炭酸ナトリウム201.7mg(2.40mmol)とを水0.95mLに懸濁させた。イソプロパノール9.5mLに溶かした2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−{[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]メチル}−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート(中間体105)170.0mg(0.24mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン438.5mg(2.40mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。酢酸エチルを混合物に加え、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物152mg(理論値の83%)を得た。
【0639】
LC−MS(方法1):R
t=1.26分;MS(ESIpos):m/z=762(M+H)
+。
【0640】
中間体C115
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(2−カルボキシエチル)スルファニル]アセチル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド
【化174】
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【0641】
11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−酸(200mg、285μmol)(中間体C69)をトリフルオロエタノール10mLに溶かした。塩化亜鉛(233mg、1.71mmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。さらに2回、塩化亜鉛(233mg、1.71mmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(1.50g、5.13mmol)を加え、次に水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)162mg(理論値の85%)が得られる。
【0642】
LC−MS(方法1):R
t=0.94分;MS(ESIneg):m/z=556[M−H]
−。
【0643】
3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)(80.0mg、119μmol)をDMF 5.0mLに溶かし、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニネート(69.4mg、純度82%、119μmol)(中間体L88)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(41μL、240μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間30分撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。混合物を濃縮し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、標題化合物82.2mg(理論値の75%)を得た。
【0644】
LC−MS(方法1):R
t=1.17分;MS(ESIpos):m/z=921[M+H]
+。
【0645】
中間体C116
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[({3−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}スルファニル)アセチル]アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(2−カルボキシエチル)スルファニル]アセチル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(56.7mg、61.6μmol)(中間体C115)およびtert−ブチルβ−アラニネート塩酸塩(1:1)(13.4mg、73.9μmol)を、DMF 3.0mLに入れ、HATU(28.1mg、73.9μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(32μL、180μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−(14−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−4,8,13−トリオキソ−3−オキサ−11−チア−7,14−ジアザヘプタデカン−17−イル)−L−アラニンアミド41.4mg(理論値の64%)を得た。
【0647】
LC−MS(方法1):R
t=1.28分;MS(ESIpos):m/z=1048[M+H]
+。
【0648】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−(14−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−4,8,13−トリオキソ−3−オキサ−11−チア−7,14−ジアザヘプタデカン−17−イル)−L−アラニンアミド(39.3mg、37.5μmol)をトリフルオロエタノール2.5mLに溶かした。塩化亜鉛(30.7mg、225μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(30.7mg、225μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(131mg、450μmol)を加え、次に水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物30mg(理論値の81%)を得た。
【0649】
LC−MS(方法1):R
t=1.12分;MS(ESIpos):m/z=992[M+H]
+。
【0650】
中間体L1
トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0651】
市販の(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートからペプチド化学の古典的方法によって、標題化合物を製造した。
【0652】
HPLC(方法11):R
t=0.19分;
LC−MS(方法1):R
t=0.17分;MS(ESIpos):m/z=198(M+H)
+。
【0653】
中間体L2
トリフルオロ酢酸/rel−(1R,2S)−2−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
EDC/HOBTとのカップリングと次にTFAによる脱保護によって、市販のシス−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−シクロペンタンカルボン酸50mg(0.214mmol)および同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)60mg(0.235mmol)から標題化合物を製造した。これによって、標題化合物36mg(2段階で理論値の38%)を得た。
【0655】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法1):R
t=0.17分;MS(ESIpos):m/z=252(M+H)
+。
【0656】
中間体L3
トリフルオロ酢酸/(1S,2R)−2−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0657】
EDC/HOBTとのカップリングおよび次にTFAによる脱保護によって、市販の(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸50mg(0.214mmol)と同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)72mg(0.283mmol)から標題化合物を製造した。これによって、標題化合物13mg(2段階で理論値の16%)を得た。
【0658】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法1):R
t=0.2分;MS(ESIpos):m/z=252(M+H)
+。
【0659】
中間体L4
トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(1:1)
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0660】
市販の1−[(4−{[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}シクロヘキシル)メチル]−1H−ピロール−2,5−ジオンおよびtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートから、ペプチド化学の古典的方法によって標題化合物を製造した。
【0661】
HPLC(方法11):R
t=0.26分;
LC−MS(方法1):R
t=0.25分;MS(ESIpos):m/z=280(M+H)
+。
【0662】
中間体L5
トリフルオロ酢酸/N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル]−β−アラニンアミド(1:1)
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0663】
市販の1−(4−アミノフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンおよびN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニンから、ペプチド化学の古典的方法によって標題化合物を製造した。
【0664】
HPLC(方法11):R
t=0.22分;
LC−MS(方法1):R
t=0.22分;MS(ESIpos):m/z=260(M+H)
+。
【0665】
中間体L6
トリフルオロ酢酸/tert−ブチル−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−L−リシネート(1:1)
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0666】
最初に、EDC/HOBTの存在下に、市販の6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸をペプチド化学の古典的方法によって製造された部分的に保護されたペプチドtert−ブチルL−バリル−L−アラニル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネートとカップリングすることで、標題化合物を製造した。これを次に、温和な条件下に室温で5%強度トリフルオロ酢酸/DCM中で撹拌することによりアミノ基で脱保護し、それによって収率37%で標題化合物を得た。
【0667】
HPLC(方法11):R
t=1.29分;
LC−MS(方法1):R
t=0.62分;MS(ESIpos):m/z=566(M+H)
+。
【0668】
中間体L7
トリフルオロ酢酸/β−アラニル−L−バリル−N
5−カルバモイル−N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0669】
ペプチド化学の古典的方法に従って、順次に、HATUの存在下にN
2−(tert−ブトキシカルボニル)−N
5−カルバモイル−L−オルニチンとカップリングし、TFAで脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリネートとカップリングし、TFAで脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニネートとカップリングし、TFAでさらに脱保護することで、市販の1−(4−アミノフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンから標題化合物を製造した。標題化合物32mgを得た。
【0670】
HPLC(方法11):R
t=0.31分;
LC−MS(方法1):R
t=0.47分;MS(ESIpos):m/z=516(M+H)
+。
【0671】
中間体L8
トリフルオロ酢酸/L−アラニル−N5−カルバモイル−N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0672】
ペプチド化学の古典的方法に従って、順次にHATUの存在下にN
2−(tert−ブトキシカルボニル)−N
5−カルバモイル−L−オルニチンとカップリングし、TFAで脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニネートとカップリングし、TFAでさらに脱保護することで、市販の1−(4−アミノフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンから標題化合物を製造した。標題化合物171mgを得た。
【0673】
HPLC(方法11):R
t=0.23分;
LC−MS(方法7):R
t=0.3分;MS(ESIpos):m/z=417(M+H)
+。
【0674】
中間体L9
トリフルオロ酢酸/β−アラニル−L−バリル−N
5−カルバモイル−N−[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0675】
市販の(4−アミノフェニル)酢酸メチルから、中間体L7と同様にして標題化合物を製造した。標題化合物320mgを得た。
【0676】
HPLC(方法11):R
t=0.45分;
LC−MS(方法1):R
t=0.48分;MS(ESIpos):m/z=493(M+H)
+。
【0677】
中間体L10
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−rel−N
6−{[(1R,2S)−2−アミノシクロペンチル]カルボニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0678】
EDC/HOBTを用いるシス−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−シクロペンタンカルボン酸とのカップリングおよび次にTFAによる脱保護によって、標題化合物を中間体L6から製造した。これによって、標題化合物12mg(2段階で理論値の52%)を得た。
【0679】
HPLC(方法11):R
t=1.45分;
LC−MS(方法1):R
t=0.73分;MS(ESIpos):m/z=677(M+H)
+。
【0680】
中間体L11
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−N
6−{[(1S,2R)−2−アミノシクロペンチル]カルボニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化186】
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【0681】
EDC/HOBTを用いる(1S,2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸とのカップリングおよび次にTFAによる脱保護によって、標題化合物を中間体L6から製造した。これによって、標題化合物11mg(2段階で理論値の39%)を得た。
【0682】
HPLC(方法11):R
t=1.45分;
LC−MS(方法1):R
t=0.74分;MS(ESIpos):m/z=677(M+H)
+。
【0683】
中間体L12
トリフルオロ酢酸/1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)
【化187】
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【0684】
メチル2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボキシレート381mg(2.46mmol)を、ジオキサン/水1:1 7mLに溶かしたtert−ブチル[2−(2−アミノエトキシ)エチル]カーバメート228mg(1.12mmol)に加えた。飽和重炭酸ナトリウム溶液1.2mLを加え、反応液を室温で撹拌した。合計5日間撹拌し、同量の重炭酸ナトリウム溶液をさらに2回加えた後に、トリフルオロ酢酸で酸性とし、ロータリーエバポレータで濃縮し、分取HPLCによって残留物を精製することで反応の後処理を行った。適切な分画を合わせ、溶媒を減圧下に除去し、残留物をアセトニトリル/水1:1から凍結乾燥した。
【0685】
残留物をジクロロメタン3mLに取り、トリフルオロ酢酸1mLを加えた。室温で15分間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去し、残留物をアセトニトリル/水1:1から凍結乾燥した。これによって、標題化合物70mg(2段階で理論値の67%)を樹脂状残留物として得た。
【0686】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法1):R
t=0.18分;MS(ESIpos):m/z=185(M+H)
+。
【0687】
中間体L13
トリフルオロ酢酸/tert−ブチルN
2−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−リシネート(1:1)
【化188】
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【0688】
EDC/HOBTの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸をtert−ブチルN
6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネート塩酸塩(1:1)とカップリングし、次に中間体L6と同様にしてtert−ブトキシカルボニル保護基をやさしく除去することで、標題化合物を製造した。
【0689】
HPLC(方法11):R
t=0.42分;
LC−MS(方法1):R
t=0.43分;MS(ESIpos):m/z=340(M+H)
+。
【0690】
中間体L14
トリフルオロ酢酸/1−[2−(4−アミノピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)
【化189】
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【0691】
中間体L2と同様にして2段階でtert−ブチルピペラジン−1−イルカーバメートおよび(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸から、標題化合物を製造した。
【0692】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法3):R
t=0.25分;MS(ESIpos):m/z=239(M+H)
+。
【0693】
中間体L15
トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−3−(2−{2−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパンアミド(1:1)
【化190】
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【0694】
tert−ブチル3−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパノエート2.93g(10.58mmol)をジオキサン/水1:1 100mLに溶かし、pH6から7に到達するまで、メチル2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボキシレート3.28g(21.15mmol)および飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えた。溶液を室温で30分間撹拌し、1,4−ジオキサンを減圧下に留去した。次に、水200mLを加え、混合物を各場合で酢酸エチル300mLで3回抽出した。有機抽出液を合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過した。濃縮することで、tert−ブチル3−(2−{2−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパノエートを褐色油状物として得て、それを高真空乾燥した。
【0695】
HPLC(方法11):R
t=1.5分;
LC−MS(方法3):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=375(M+NH
4)
+。
【0696】
この中間体を、標準的な方法(TFAによる脱保護、tert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートとのカップリング、TFAによるさらなる脱保護)によって標題化合物に変換した。
【0697】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法3):R
t=0.25分;MS(ESIpos):m/z=344(M+H)
+。
【0698】
中間体L16
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N
5−カルバモイル−L−オルニチン
【化191】
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【0699】
市販の1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン535mg(1.73mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン930mLを、L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン266mg(1.33mmol)のDMF(24mL)中溶液に加えた。反応を超音波浴で24時間処理し、減圧下に濃縮して乾固させた。残った残留物を分取HPCLによって精製し、適切な分画の濃縮および残留物の高真空乾燥後に、標題化合物337mg(理論値の50%)を得た。
【0700】
HPLC(方法11):R
t=0.4分;
LC−MS(方法3):R
t=0.58分;MS(ESIpos):m/z=468(M+H)
+。
【0701】
中間体L17
トリフルオロ酢酸/tert−ブチルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N
5−カルバモイル−L−オルニチル−L−リシネート(1:1)
【化192】
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【0702】
最初にEDC/HOBTおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体L16 172mg(0.37mmol)およびtert−ブチルN6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネート塩酸塩(1:1)125mg(0.37mmol)をカップリングさせ、次に室温で10%強度トリフルオロ酢酸/DCM中で2時間撹拌することで温和な条件下にアミノ基を脱保護することで、標題化合物を製造した。アセトニトリル/水からの凍結乾燥によって、2段階で標題化合物194mg(理論値の49%)を得た。
【0703】
HPLC(方法11):R
t=1.1分;
LC−MS(方法1):R
t=0.58分;MS(ESIpos):m/z=652(M+H)
+。
【0704】
中間体L18
トリフルオロ酢酸/β−アラニル−L−アラニル−N
5−カルバモイル−N−[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化193】
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【0705】
中間体L7と同様にしてペプチド化学の古典的方法に従って順次に、HATUの存在下にN
2−(tert−ブトキシカルボニル)−N
5−カルバモイル−L−オルニチンを連結し、TFAによって脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニネートとカップリングし、TFAで脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニネートとカップリングし、TFAでさらに脱保護することで、標題化合物を(4−アミノフェニル)酢酸メチルから製造した。標題化合物330mgを得た。
【0706】
HPLC(方法11):R
t=0.29分;
LC−MS(方法1):R
t=0.41分;MS(ESIpos):m/z=465(M+H)
+。
【0707】
中間体L19
トリフルオロ酢酸/L−アラニル−N5−カルバモイル−N−(4−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}フェニル)−L−オルニチンアミド(1:1)
【化194】
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【0708】
順次にペプチド化学の古典的方法に従って、標題化合物を1,4−フェニレンジアミンから製造した。第1段階で、1,4−フェニレンジアミン942mg(8.72mmol)を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN
2−(tert−ブトキシカルボニル)−N
5−カルバモイル−L−オルニチン0.8g(2.9mmol)でモノアシル化した。第2段階で、同様にして、第2のアニリン性アミノ基を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸でアシル化した。TFAによる脱保護、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニネートとのカップリングおよびTFAによるさらなる脱保護によって、さらに3合成段階で標題化合物を得て、この経路によって148mgを得た。
【0709】
LC−MS(方法1):R
t=0.21分;MS(ESIpos):m/z=474(M+H)
+。
【0710】
LC−MS(方法4):R
t=0.2分;MS(ESIpos):m/z=474(M+H)
+。
【0711】
中間体L20
トリフルオロ酢酸/L−バリル−N
5−カルバモイル−N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化195】
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【0712】
ペプチド化学の古典的方法に従って、中間体L8と同様にして市販の1−(4−アミノフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンから、順次に、HATUの存在下にN
2−(tert−ブトキシカルボニル)−N
5−カルバモイル−L−オルニチンとカップリングさせ、TFAで脱保護し、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリネートとカップリングさせ、TFAでさらに脱保護することで、標題化合物を製造した。標題化合物171mgを得た。
【0713】
HPLC(方法11):R
t=0.28分;
LC−MS(方法1):R
t=0.39分;MS(ESIpos):m/z=445(M+H)
+。
【0714】
中間体L21
L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)フェニル]−L−リジンアミド
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
【0715】
ペプチド化学の古典的方法に従って、順次に、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN6−(tert−ブトキシカルボニル)−N2−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−リジンとカップリングさせ、ピペリジンで脱保護し、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリネートとカップリングさせ、次に10%パラジウム/活性炭でベンジルオキシカルボニル保護基を水素分解的に除去することで、市販の(4−アミノフェニル)酢酸メチル0.42g(2.56mmol)から標題化合物を製造した。これによって、標題化合物360mg(4段階で理論値の32%)を得た。
【0716】
HPLC(方法11):R
t=1.5分;
LC−MS(方法1):R
t=0.73分;MS(ESIpos):m/z=493(M+H)
+。
【0717】
中間体L22
トリフルオロ酢酸/N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリル−N−{4−[(2S)−2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル]フェニル}−N
5−カルバモイル−L−オルニチンアミド(1:1)
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0718】
順次にペプチド化学の古典的方法に従って、N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ニトロ−L−フェニルアラニンから標題化合物を製造した。第1段階で最初に、この原料2.5g(8.06mmol)をセシウム塩に変換し、次にDMF中ヨードメタンでメチルエステルに変換した。
【0719】
メタノール中10%パラジウム/活性炭で水素化分解的に、ニトロ基をアミノ基に変換した。
【0720】
このようにして生成したアミノ基を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にDMF中、N5−カルバモイル−N2−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−オルニチンでアシル化した。次の段階で、DMF中にてピペリジンでFmoc基を除去した。
【0721】
次に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、DMF中、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリンとのカップリングを行い、最後にtert−ブトキシカルボニル基をトリフルオロ酢酸で除去した。
【0722】
HPLC(方法11):R
t=1.6分;
LC−MS(方法1):R
t=0.77分;MS(ESIpos):m/z=673(M+H)
+。
【0723】
中間体L23
トリフルオロ酢酸/N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]−β−アラニンアミド(1:1)
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
【0724】
EDCI/HOBTおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニンとカップリングさせ、次にトリフルオロ酢酸で脱保護することで、市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0725】
HPLC(方法11):R
t=0.19分。
【0726】
中間体L24
トリフルオロ酢酸/1−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロプロパンカルボキサミド(1:1)
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
【0727】
市販の1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロパン−カルボン酸114mg(0.67mmol)をDCM 25mLに溶かした。市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)110mg(0.623mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン395μLを加え、混合物を冷却して−10℃とした。次に、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート217mg(0.793mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、10%強度クエン酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液の順で抽出し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。高真空乾燥によって、保護中間体152mgを得た。
【0728】
次に、これらをDCM 10mLに取り、トリフルオロ酢酸1mLで脱保護した。アセトニトリル/水からの凍結乾燥によって、標題化合物158mg(2段階で理論値の71%)を得た。
【0729】
HPLC(方法11):R
t=0.19分。
【0730】
LC−MS(方法3):R
t=0.98分;MS(ESIpos):m/z=224(M+H)
+。
【0731】
中間体L25
N−[31−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−29−オキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタオキサ−28−アザヘントリアコンタン−1−オイル]−L−バリル−L−アラニン
【化200】
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【0732】
バリル−L−アラニン31.4mg(0.17mmol)を、DMF 3.0mLに溶かし、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{27−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−27−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサヘプタコサ−1−イル}プロパンアミド115.0mg(0.17mmol)およびトリエチルアミン33.7mg(0.33mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物74.1mg(理論値の58%)を得た。
【0733】
LC−MS(方法1):R
t=0.61分;MS(ESIpos):m/z=763[M+H]
+。
【0734】
中間体L26
L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
【0735】
N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン600.0mg(1.58mmol)を水/エタノール/THF(1:1:0.5)25.0mLに懸濁させ、パラジウム/炭素(10%)を加え、混合物を室温で水素によって標準気圧下に5時間水素化した。触媒を濾去し、減圧下に溶媒留去した。得られた化合物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0736】
LC−MS(方法1):R
t=0.42分;MS(ESIpos):m/z=247[M+H]
+。
【0737】
N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン180mg(0.73mmol)をDMF 5.0mLに溶かし、トリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。次に、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリネート254.6mg(0.73mmol)およびトリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応溶液を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン294.1mg(理論値の76%)を得た。
【0738】
LC−MS(方法1):R
t=0.97分;MS(ESIpos):m/z=480[M+H]
+。
【0739】
最初にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン272.2mg(0.57mmol)を、酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)20.0mLに入れ、パラジウム/活性炭27.2mgを加えた。混合物を水素で室温で標準気圧下に5時間水素化した。混合物を、セライト(登録商標)を用いて濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)で洗浄した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。標題化合物(182mg、理論値の72%)を、それ以上精製せずに次の反応段階で用いた。
【0740】
LC−MS(方法1):R
t=0.53分;MS(ESIpos):m/z=346[M+H]
+。
【0741】
中間体L27
N−[31−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−29−オキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタオキサ−28−アザヘントリアコンタン−1−オイル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
【0742】
最初にL−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン(中間体L26)30mg(0.07mmol)および3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{27−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−27−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサヘプタコサ−1−イル}プロパンアミド46.1mg(0.07mmol)を、DMF 1.5mLに入れ、4−メチルモルホリン6.8mg(0.07mmol)を加えた。反応溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物55.6mg(理論値の90%)を得た。
【0743】
LC−MS(方法1):R
t=0.77分;MS(ESIpos):m/z=920[M+H]
+。
【0744】
中間体L28
tert−ブチル3−ホルミル−4−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化203】
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【0745】
最初に1−tert−ブチル3−エチル−4−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ピロリジン−1,3−ジカルボキシレート(WO2006/066896の文献手順に従って、この化合物を製造した。)461.7mg(1.15mmol)を、純粋ジクロロメタン5.0mLに入れ、混合物を冷却して−78℃とした。水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(1M THF中溶液)326.2mg(2.29mmol)をゆっくり滴下し、混合物を−78℃で2時間撹拌した(薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によってモニタリングした。)。水60mLに溶かした酒石酸カリウムナトリウム1.3g(4.59mmol)を滴下し、反応混合物を昇温させて室温とした。酢酸エチルを反応混合物に加え、水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物629.0mgを粗生成物として得て、それをそれ以上精製せずに、次の反応段階で直接用いた。
【0746】
中間体L29
tert−ブチル3−ホルミル−4−[({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート
ジアステレオマーの混合物
【化204】
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【0747】
最初にtert−ブチル3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(WO2006/100036の文献手順に従って製造したもの)807.1mg(2.34mmol)を、ジクロロメタン8.0mLに入れ、トリエチルアミン236.4mg(2.34mmol)を加えた。0℃で、メタンスルホニルクロライド267.6mg(2.34mmol)を滴下し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。追加のメタンスルホニルクロライド133.8mg(1.17mmol)およびトリエチルアミン118.2mg(1.17mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を各場合で飽和重炭酸ナトリウム溶液、5%強度硫酸水素カリウム溶液および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をBiotage Isolera(シリカゲル、カラム50gSNAP、流量66mL/分、シクロヘキサン/酢酸エチル)で精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート402.0mg(理論値の41%)を得た。
【0748】
LC−MS(方法1):R
t=1.38分;MS(ESIpos):m/z=424[M+H]
+。
【0749】
最初にtert−ブチル3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン−1−カルボキシレート400.0mg(0.94mmol)を、DMF 5.0mLに入れ、アジ化ナトリウム98.2mg(1.51mmol)を加えた。反応混合物を40℃で10時間撹拌した。追加のアジ化ナトリウム30.7mg(0.47mmol)を加え、混合物を40℃でさらに10時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機相を水で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル3−(アジドメチル)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート309.5mg(理論値の89%)を得た。化合物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0750】
LC−MS(方法1):R
t=1.50分;MS(ESIpos):m/z=371[M+H]
+。
【0751】
tert−ブチル3−(アジドメチル)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート250mg(0.68mmol)を酢酸エチル/エタノール(1:1)10.0mLに溶かし、パラジウム/活性炭(10%)25.0mgを加えた。混合物を水素で室温で標準気圧下に8時間水素化した。反応液をセライト(登録商標)で濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで十分に洗浄した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル3−(アミノメチル)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート226.2mg(理論値の82%)を得た。化合物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0752】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=345[M+H]
+。
【0753】
tert−ブチル3−(アミノメチル)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート715.0mg(2.08mmol)をTHF 15.0mLに溶かし、TBAF溶液(1M THF中溶液)2.28mL(2.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物(1.54g)をそれ以上精製せずに合成の次の段階で用いた。
【0754】
LC−MS(方法1):R
t=0.41分;MS(ESIpos):m/z=231[M+H]
+。
【0755】
最初にtert−ブチル3−(アミノメチル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート1.54g(4.88mmol)を、1,4−ジオキサンに入れ、塩化カルシウム(無水)541.8mg(4.88mmol)および炭酸カルシウム488.6mg(4.88mmol)を加え、混合物を高撹拌した。トリエチルアミン592.8mg(5.86mmol)および1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン1.52g(5.86mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。HOAc 644.9mg(10.7mmol)および酢酸エチルを加えた。有機相を水で2回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール=100:1)で精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−4−[({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート346.9mg(理論値の19%)を得た。
【0756】
LC−MS(方法1):R
t=1.08分;MS(ESIpos):m/z=375[M+H]
+。
【0757】
最初にtert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−4−[({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート804.0mg(2.15mmol)を、クロロホルム20.0mLおよび0.05N炭酸カリウム/0.05N重炭酸ナトリウム溶液(1:1)20.0mLに入れた。テトラ−n−ブチル塩化アンモニウム59.7mg(0.22mmol)、N−クロロコハク酸イミド429.9mg(3.22mmol)およびTEMPO 33.5mg(0.22mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜高撹拌した。有機相を分離し、減圧下に溶媒を除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル=3:1)によって精製した。これによって、標題化合物517.0mg(理論値の46%)を得た。
【0758】
LC−MS(方法1):R
t=1.13分;MS(ESIpos):m/z=373[M+H]
+。
【0759】
中間体L30
tert−ブチル3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート
立体異性体の混合物
【化205】
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【0760】
最初にtert−ブチル3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(WO2006/100036の文献手順に従って製造した化合物)250.0mg(0.72mmol)を、ジクロロメタン/DMSO(4:1)12.5mLに入れ、トリエチルアミン219.6mg(2.17mmol)を加えた。2℃で、三酸化硫黄−ピリジン錯体345.5mg(2.17mmol)を1回に少量ずつ加え、混合物を2℃で3時間撹拌した。追加の三酸化硫黄−ピリジン錯体345.5mg(2.17mmol)を1回に少量ずつ加え、混合物を室温で17時間撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水との間で分配した。水相をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機相を水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに合成の次の段階で用いた(薄層クロマトグラフィー:石油エーテル/酢酸エチル7:3)。
【0761】
中間体L31
ジ−tert−ブチル{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}マロネート
【化206】
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【0762】
tert−ブチルカーバメート57.2g(488.27mmol)、37%強度ホルムアルデヒド水溶液51.2mL(683.57mmol)および炭酸ナトリウム25.9g(244.13mmol)を水600mLに加えた。混合物を、溶液がとなるまで昇温させ、室温で16時間撹拌した。形成された懸濁液をジクロロメタン500mLで抽出し、有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を高真空下に乾燥して結晶固体を得た。残留物を純粋THF 1000mLに取り、および無水酢酸322mL(3.414mol)およびピリジン138mL(1.707mol)の混合物を室温で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、ロータリーエバポレータで水浴にて室温で濃縮した。残留物をジエチルエーテルに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回および飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を高真空下に2日間乾燥した。残留物を純粋THF 2000mLに取り、氷冷しながら1Mカリウムtert−ブトキシド/THF溶液456mL(456.52mmol)を加えた。混合物を0℃で20分間撹拌し、純粋THF 200mLに溶かしたジ−tert−ブチルマロネート100.8g(456.52mmol)を滴下した。混合物を室温で48時間撹拌し、水を加えた。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、酢酸エチル500mLに取った。混合物を水500mLおよび飽和塩化ナトリウム溶液100mLで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで脱水した。有機相をロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物をシリカゲルでの濾過(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル、勾配=30:1→5:1)によって精製した。これによって、標的化合物37.07g(理論値の22%)を得た。
【0763】
LC−MS(方法6):R
t=2.87分;MS(ESIpos):m/z=346[M+H]
+。
【0764】
中間体L32
tert−ブチル[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]カーバメート
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
【0765】
ジ−tert−ブチル(アセトキシメチル)マロネート37.0g(107.11mmol)を純粋THF 1000mLに溶かし、氷冷しながら2M水素化ホウ素リチウム/THF溶液535.5mL(1071.10mmol)を滴下した。水19.3mL(1071.10mmol)を滴下し、混合物を室温で4.5時間撹拌した。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、真空乾燥した。残留物を酢酸エチル1500mLに取り、水100mLを加え、混合物を水冷しながら(軽い発熱)30分間撹拌した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル500mLで2回抽出した。有機相をロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標的化合物20.7g(理論値の94%)を得た。
【0766】
LC−MS(方法6):R
t=1.49分;MS(EIpos):m/z=106[M−C
5H
8O
2]
+。
【0767】
中間体L33
tert−ブチル[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]カーバメート
【化208】
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【0768】
tert−ブチル[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]カーバメート20.00g(97.44mmol)を純粋ジクロロメタン1000mLに溶かし、イミダゾール6.63g(97.44mmol)およびtert−ブチル(クロロ)ジメチルシラン16.16g(107.18mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、半濃縮塩化ナトリウム溶液で洗浄した。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータで濃縮し、真空乾燥した。これによって、標的化合物28.50g(理論値の92%)を得た。
【0769】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.02(s、6H)、0.86(s、9H)、1.37(s、9H)、1.58−1.73(m、1H)、2.91(q、2H)、3.33−3.36[m、(2H、隠れている)]、3.53−3.58(m、2H)、6.65−6.72(m、1H)。
【0770】
中間体L34
tert−ブチル(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ホルミルプロピル)カーバメート
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【0771】
tert−ブチル[3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(ヒドロキシ−メチル)プロピル]カーバメート12.65g(39.591mmol)をジクロロメタン200mLに溶かし、ジクロロメタン150mLに溶かしたデス−マーチンペルヨージナン19.31g(45.53mmol)を室温で滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、半濃縮重炭酸ナトリウム溶液250mLおよび10%強度チオ硫酸ナトリウム溶液250mLを加え、混合物を20分間撹拌した。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水300mLで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータで濃縮し、真空乾燥した。これによって、標的化合物11.35g(理論値の90%)を得た。
【0772】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.02(s、6H)、0.84(s、9H)、1.36(s、9H)、1.48−1.51(m、1H)、3.08−3.32[m、(1H、隠れている)]、3.50−3.58(m、2H)、3.81−3.91(m、1H)、6.71(t、1H)、9.60(d、1H)。
【0773】
中間体L35
tert−ブチル(3−オキソプロピル)カーバメート
【化210】
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【0774】
文献から公知の方法に従って(例えば、Jean Bastide et al. J. Med. Chem. 2003, 46(16), 3536−3545)標題化合物を製造した。
【0775】
中間体L36
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0776】
N5−カルバモイル−L−オルニチン100mg(0.57mmol)をDMF 4.0mLに取り、トリエチルアミン0.08mL(0.57mmol)を加えた。2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリン199.0mg(0.57mmol)およびトリエチルアミン0.08mL(0.57mmol)を加えた。混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水(0.1%TFA含有))によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物75.7mg(理論値の33%)を得た。
【0777】
LC−MS(方法1):R
t=0.69分;MS(ESIpos):m/z=409[M+H]
+。
【0778】
中間体L37
L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
【0779】
中間体L36 75.7mg(0.19mmol)を水/エタノール/THF25mLに懸濁させ、パラジウム/活性炭(10%)7.5mgを加え、混合物を室温で水素によって標準気圧下に4.5時間水素化した。触媒を濾去し、反応混合物から溶媒を除去し減圧下に、真空乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに次の段階に用いた。これによって、標題化合物64.9mg(理論値の93%)を得た。
【0780】
LC−MS(方法6):R
t=0.25分;MS(ESIpos):m/z=275[M+H]
+。
【0781】
中間体L38
N−[31−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−29−オキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタオキサ−28−アザヘントリアコンタン−1−オイル]−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
【0782】
最初に中間体L37 38.3mg(0.14mmol)を、DMF 3.0mLに入れ、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{27−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−27−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサヘプタコサ−1−イル}プロパンアミド96.4mg(0.14mmol)およびトリエチルアミン39.0μL(0.28mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOAc 16.0μL(0.28mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物58.9mg(理論値の45%)を得た。
【0783】
LC−MS(方法1):R
t=0.61分;MS(ESIpos):m/z=849[M+H]
+。
【0784】
中間体L39
2−(トリメチルシリル)エチル(2−スルファニルエチル)カーバメート
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
【0785】
最初に2−アミノエタンチオール塩酸塩(1:1)300mg(2.64mmol)を、ジクロロメタン3.0mLに入れ、トリエチルアミン668.0mg(6.60mmol)および1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン719.1mg(2.77mmol)を加えた。混合物を室温で2日間撹拌した(薄層クロマトグラフィー:ジクロロメタン/メタノール=100:1.5によってモニタリング)。酢酸エチルを加え、反応混合物を水で3回洗浄した。有機相を飽和NaCl溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。その化合物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0786】
中間体L40
N−[31−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−29−オキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタオキサ−28−アザヘントリアコンタン−1−オイル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
【0787】
N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン600mg(1.58mmol)を水/エタノール/THF(1:1:0.5)25.0mL中で、パラジウム/炭素(10%)を用い、室温で標準気圧下に水素で水素化した。化合物N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジンを、それ以上精製せずに次の合成段階で用いる。
【0788】
LC−MS(方法1):R
t=0.99分;MS(ESIpos):m/z=247[M+H]
+。
【0789】
N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン180.0(0.73mmol)をDMF 5.0mLに溶かし、トリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリネート254.6mg(0.73mmol)およびトリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン294.1mg(理論値の76%)を得た。
【0790】
LC−MS(方法1):R
t=0.97分;MS(ESIpos):m/z=480[M+H]
+。
【0791】
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン272.2mg(0.57mmol)を酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)20mLに溶かし、パラジウム/活性炭27.2mgを加え、混合物を標準気圧下におよび室温で水素によって水素化した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)で十分に洗浄した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン182.0mg(理論値の72%)を得た。
【0792】
LC−MS(方法1):R
t=0.53分;MS(ESIpos):m/z=346[M+H]
+。
【0793】
L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン30.0mg(0.07mmol)および3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{27−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−27−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサヘプタコサ−1−イル}プロパンアミド46.1mg(0.07mmol)をDMF 1.5mLに溶かし、4−メチルモルホリン6.8mg(0.07mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物55.6mg(理論値の90%)を得た。
【0794】
LC−MS(方法1):R
t=0.77分;MS(ESIpos):m/z=920[M+H]
+。
【0795】
中間体L41
N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
【0796】
N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン600mg(1.58mmol)を、水/エタノール/THF(1:1:0.5)25.0mL中、パラジウム/炭素(10%)を用いて、室温で標準気圧下に水素によって水素化した。化合物N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジンを、それ以上精製せずに次の合成段階で用いる。
【0797】
LC−MS(方法1):R
t=0.99分;MS(ESIpos):m/z=247[M+H]
+。
【0798】
N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン180.0(0.73mmol)をDMF 5.0mLに溶かし、トリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリネート254.6mg(0.73mmol)およびトリエチルアミン74.0mg(0.73mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン294.1mg(理論値の76%)を得た。
【0799】
LC−MS(方法1):R
t=0.97分;MS(ESIpos):m/z=480[M+H]
+。
【0800】
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン272.2mg(0.57mmol)を酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)20.0mLに溶かし、パラジウム/活性炭27.2mgを加え、混合物を標準気圧下におよび室温で、水素によって水素化した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル/エタノール/THF(1:1:1)で十分に洗浄した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン182.0mg(理論値の72%)を得た。
【0801】
LC−MS(方法1):R
t=0.53分;MS(ESIpos):m/z=346[M+H]
+。
【0802】
L−バリル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジン30.0mg(0.07mmol)および3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{15−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−1−イル}プロパンアミド34.3mg(0.07mmol)をDMF 1.5mLに溶かし、4−メチルモルホリン6.8mg(0.07mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物40.6mg(理論値の82%)を得た。
【0803】
LC−MS(方法1):R
t=0.73分;MS(ESIpos):m/z=744[M+H]
+。
【0804】
中間体L42
N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン
【化217】
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【0805】
最初にL−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン(中間体L37)50.0mg(0.18mmol)を、DMFに入れ、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{15−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−1−イル}プロパンアミド93.6mg(0.18mmol)およびトリエチルアミン36.9mg(0.37mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。HOAc 21.9mg(0.37mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物20.6mg(理論値の14%)を得た。
【0806】
LC−MS(方法1):R
t=0.55分;MS(ESIpos):m/z=673[M+H]
+。
【0807】
中間体L43
N−[67−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−65−オキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43,46,49,52,55,58,61−イコサオキサ−64−アザヘプタヘキサコンタン−1−オイル]−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン
【化218】
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【0808】
最初にL−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチン(中間体L37)11.3mg(0.04mmol)を、DMFに入れ、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{63−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−63−オキソ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36,39,42,45,48,51,54,57,60−イソサオキサトリヘキサコンタ−1−イル}プロパンアミド50.0mg(0.04mmol)およびトリエチルアミン8.3mg(0.08mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。HOAc 4.9mg(0.08mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物15.8mg(理論値の20%)を得た。
【0809】
LC−MS(方法4):R
t=0.94分;MS(ESIpos):m/z=1377[M+H]
+。
【0810】
中間体L44
N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−バリル−L−アラニン
【化219】
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【0811】
L−バリル−L−アラニン73.3mg(0.39mmol)をDMF 7.0mLに溶かし、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{15−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−1−イル}プロパンアミド200.0mg(0.39mmol)およびトリエチルアミン78.8mg(0.78mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物103.3mg(理論値の45%)を得た。
【0812】
LC−MS(方法1):R
t=0.58分;MS(ESIpos):m/z=587[M+H]
+。
【0813】
中間体L45
tert−ブチル(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−オキソブタノエート
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
【0814】
tert−ブチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ホモセリネート2.00g(7.26mmol)をジクロロメタン90mLに溶かし、ピリジン1.76mLおよび1,1,1−トリアセトキシ−1λ
5,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン(デス−マーチンペルヨージナン)4.62g(10.90mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌し、ジクロロメタン200mLで希釈し、10%強度チオ硫酸ナトリウム溶液で2回、次に5%強度クエン酸で2回および飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回の順で抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。ジエチルエーテル100mLおよびシクロヘキサン(体積比=1:1)を残留物に加え、混合物を若干濃縮して、白色沈殿を生成させた。これを吸引濾過した。濾液をロータリーエバポレータで濃縮し、高真空乾燥して、標的化合物1.74g(理論値の88%)を明黄色油状物として得た。
【0815】
LC−MS(方法1):R
t=0.85分;MS(ESIpos):m/z=274[M+H]
+。
【0816】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=1.38(s、18H)、2.64−2.81(m、2H)、4.31−4.36(m、1H)、7.23(d、1H)、9.59(s、1H)。
【0817】
中間体L46
トリフルオロ酢酸/tert−ブチルN−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]−L−グルタミネート(1:1)
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
【0818】
最初にEDC/HOBTおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)200mg(0.79mmol)を(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−オキソペンタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)263mg(0.87mmol)とカップリングさせ、次に10%強度トリフルオロ酢酸/DCM中室温で1時間撹拌することによって温和な条件下でアミノ基を脱保護することにより、標題化合物を製造した。アセトニトリル/水からの凍結乾燥によって、2段階で標題化合物85mg(理論値の20%)を得た。
【0819】
LC−MS(方法1):R
t=0.37分;MS(ESIpos):m/z=326[M+H]
+。
【0820】
中間体L47
トリフルオロ酢酸/β−アラニル−L−アラニル−N5−カルバモイル−N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル]−L−オルニチンアミド(1:1)
【化222】
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【0821】
中間体L8を2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニネートとカップリングさせ、次にTFAで脱保護することで、標題化合物を製造した。
【0822】
LC−MS(方法3):R
t=1.36分;MS(ESIpos):m/z=488(M+H)
+。
【0823】
中間体L48
トリフルオロ酢酸/(1R,2S)−2−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化223】
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【0824】
中間体L2と同様にして、市販の(1R,2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸から標題化合物を製造した。
【0825】
LC−MS(方法3):R
t=1.22分;MS(ESIpos):m/z=252(M+H)
+。
【0826】
中間体L49
トリフルオロ酢酸/tert−ブチルN−(ブロモアセチル)−L−バリル−L−アラニル−L−リシネート(1:1)
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
【0827】
最初にN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にジクロロメタン中で、市販のブロモ無水酢酸を、ペプチド化学の古典的方法に従って製造された部分的に保護されたペプチドtert−ブチルL−バリル−L−アラニル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネートとカップリングさせることで、標題化合物を製造した。これを次に、温和な条件下に10%強度トリフルオロ酢酸/DCM中で室温で撹拌することにより、アミノ基で脱保護して、標題化合物を2段階で収率49%で得た。
【0828】
LC−MS(方法1):R
t=1.09分;MS(ESIpos):m/z=593および595(M+H)
+。
【0829】
中間体L50
トリフルオロ酢酸/(1S,3R)−3−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化225】
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【0830】
N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にHATUとカップリングさせ、次にTFAで脱保護することで、市販の(1S,3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸および同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0831】
HPLC(方法11):R
t=0.2分;
LC−MS(方法3):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=252(M+H)
+。
【0832】
中間体L51
トリフルオロ酢酸/(1R,3R)−3−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化226】
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【0833】
N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にHATUとカップリングさせ、次にTFAで脱保護することで、市販の(1R,3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸および同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0834】
LC−MS(方法3):R
t=0.98分;MS(ESIpos):m/z=250(M−H)
−。
【0835】
中間体L52
トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−ブロモアセトアミド(1:1)
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
【0836】
tert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメート420mg(2.62mmol)をジクロロメタン50mLに取り、ブロモ無水酢酸817mg(3.15mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン913μL(5.24mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。
【0837】
これによって、保護された中間体577mgを得て、それを次にジクロロメタン50mLに取り、トリフルオロ酢酸10mLを加えた。室温で1時間撹拌後、反応液を減圧下に濃縮し、残留物をアセトニトリル/水から凍結乾燥した。これによって、標題化合物705mg(理論値の65%)を得た。
【0838】
LC−MS(方法3):R
t=0.34分;MS(ESIpos):m/z=181および183(M+H)
+。
【0839】
中間体L53
トリフルオロ酢酸/(1S,3S)−3−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
【0840】
N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にHATUとカップリングさせ、次にTFAで脱保護することで、市販の(1S,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸および同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0841】
HPLC(方法11):R
t=0.19分;
LC−MS(方法3):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=250(M−H)
−。
【0842】
中間体L54
トリフルオロ酢酸/(1R,3S)−3−アミノ−N−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
【0843】
N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にHATUとカップリングさせ、次にTFAで脱保護することで、市販の(1R,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸および同様に市販のトリフルオロ酢酸/1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0844】
LC−MS(方法3):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=252(M+H)
+。
【0845】
中間体L55
トリフルオロ酢酸/tert−ブチル−N6−D−アラニル−N2−{N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}−L−リシネート(1:1)
【化230】
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【0846】
最初にHATUの存在下に中間体L6をN−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニンとカップリングさせ、次に5%強度トリフルオロ酢酸/DCM中室温で90分間撹拌することで温和な条件下にアミノ基で脱保護することで、標題化合物を製造した。
【0847】
HPLC(方法11):R
t=1.35分;
LC−MS(方法1):R
t=0.67分;MS(ESIpos):m/z=637(M+H)
+。
【0848】
中間体L56
トリフルオロ酢酸/tert−ブチル−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−N6−{[(1R,3S)−3−アミノシクロペンチル]カルボニル}−L−リシネート(1:1)
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
【0849】
最初にHATUの存在下に中間体L6を(1R,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸とカップリングさせ、次に25%強度トリフルオロ酢酸/DCM中室温で15分間撹拌することで温和な条件下にアミノ基で脱保護することで、標題化合物を製造した。
【0850】
HPLC(方法11):R
t=1.4分;
LC−MS(方法1):R
t=0.7分;MS(ESIpos):m/z=677(M+H)
+。
【0851】
中間体L57
メチル(2S)−4−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノエート
【化232】
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【0852】
最初にL−アスパラギン酸メチル塩酸塩500.0mg(2.72mmol)および2−(トリメチルシリル)エチル2,5−ジオキソピロリジン−1−カルボキシレート706.3mg(2.72mmol)を1,4−ジオキサン5.0mLに入れ、トリエチルアミン826.8mg(8.17mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×40;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物(3S)−4−メトキシ−4−オキソ−3−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸583.9mg(理論値の74%)を得た。
【0853】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIneg):m/z=290(M−H)
−。
【0854】
最初に(3S)−4−メトキシ−4−オキソ−3−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸592.9mgを、1,2−ジメトキシエタン10.0mLに入れ、混合物を冷却して−15℃とし、4−メチルモルホリン205.8mg(2.04mmol)およびクロルギ酸イソブチル277.9mg(2.04mmol)を加えた。15分後に沈殿を吸引濾過し、各場合1,2−ジメトキシエタン10.0mLを用いて2回濾過した。濾液を冷却して−10℃とし、水10mLに溶かした水素化ホウ素ナトリウム115.5mg(3.05mmol)を高撹拌しながら加えた。相を分離し、有機相を各場合で飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物メチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ホモセリネート515.9mg(理論値の91%)を得た。
【0855】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=278(M+H)
+。
【0856】
最初にメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ホモセリネート554.9mg(2.00mmol)を、ジクロロメタン30.0mLに入れ、デス−マーチンペルヨージナン1.27g(3.0mmol)およびピリジン474.7mg(6.00mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。4時間後、反応液をジクロロメタンで希釈し、有機相を各場合で、10%強度Na
2S
2O
3溶液で3回、10%強度クエン酸溶液および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。これによって、標題化合物565.7mg(理論値の97%)を得た。
【0857】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.03(s、9H)、0.91(m、2H)、2.70−2.79(m、1H)、2.88(dd、1H)、3.63(s、3H)、4.04(m、2H)、4.55(m、1H)、7.54(d、1H)、9.60(t、1H)。
【0858】
中間体L58
2−(トリメチルシリル)エチル(3−オキソプロピル)カーバメート
【化233】
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【0859】
3−アミノ−1−プロパノール434.4mg(5.78mmol)および2−(トリメチルシリル)エチル2,5−ジオキソピロリジン−1−カルボキシレート1.50g(5.78mmol)をジクロロメタン10.0mLに溶かし、トリエチルアミン585.3mg(5.78mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去した。残留物2−(トリメチルシリル)エチル(3−ヒドロキシプロピル)カーバメート(996.4mg、理論値の79%)を高真空乾燥し、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0860】
最初に2−(トリメチルシリル)エチル(3−ヒドロキシプロピル)カーバメート807.0mg(3.68mmol)を、クロロホルム15.0mLおよび0.05N炭酸カリウム/0.05N重炭酸ナトリウム溶液(1:1)15.0mLに入れた。テトラ−n−ブチル塩化アンモニウム102.2mg(0.37mmol)、N−クロロコハク酸イミド736.9mg(5.52mmol)およびTEMPO 57.5mg(0.37mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜高撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を高真空乾燥し、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた(890.3mg)。
【0861】
中間体L59
トリフルオロ酢酸/1−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−1H−ピロール−2,5−ジオン(1:1)
【化234】
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【0862】
最初にtert−ブチル(2−{2−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]エトキシ}エチル)カーバメート300.0mg(0.91mmol)を、ジクロロメタンに入れ、TFA 4.2g(36.54mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した(TLC:ジクロロメタン/メタノール10:1によってモニタリング)。揮発性成分を減圧下に留去し、残留物についてジクロロメタンと4回共蒸留を行った。残留物を高真空乾燥し、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0863】
LC−MS(方法1):R
t=0.19分;MS(ESIpos):m/z=229(M+H)
+。
【0864】
中間体L60
6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルクロライド
【化235】
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【0865】
6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸200.0mg(0.95mmol)をジクロロメタン4.0mLに溶かし、塩化チオニル338.0mg(2.84mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、DMF 1滴を加えた。混合物をさらに1時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をジクロロメタンで3回共蒸留した。粗生成物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0866】
中間体L61
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−L−リシネート(1:1)
【化236】
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【0867】
最初に、ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリルエタノールによるエステル化、水素化分解、HATUの存在下でのN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンとのカップリング、およびさらなる水素化分解)、トリペプチド誘導体2−(トリメチルシリル)エチルL−バリル−L−アラニル−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネートをN2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジンから製造した。HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、この部分保護されたペプチド誘導体を市販の6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸とカップリングさせることで、標題化合物を製造した。これを次に、5%強度トリフルオロ酢酸/DCM中室温で2.5時間撹拌することで温和な条件下にアミノ基で脱保護し、エステル保護基は保持されたままとした。後処理および分取HPLCによる精製によって、標題化合物438mgを得た。
【0868】
HPLC(方法11):R
t=1.69分;
LC−MS(方法1):R
t=0.78分;MS(ESIpos):m/z=610(M+H)
+。
【0869】
中間体L62
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチル−L−リシネート(1:1)
【化237】
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【0870】
最初に、ペプチド化学の古典的方法に従って、2−(トリメチルシリル)エチルN6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネートをN2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジンから製造した。この中間体148mg(0.43mmol)を、HATU 195mg(0.51mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン149μLの存在下に、中間体L16 200mg(0.43mmol)とカップリングさせた。濃縮および分取HPLCによる残留物の精製後に、保護中間体をDCM 20mLに取り、トリフルオロ酢酸2mLを加え、室温で1時間撹拌することでtert−ブトキシカルボニル保護基を除去した。濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、254mg(2段階で理論値の63%)を得た。
【0871】
HPLC(方法11):R
t=1.51分;
LC−MS(方法1):R
t=0.68分;MS(ESIpos):m/z=696(M+H)
+。
【0872】
中間体L63
(4S)−4−{[(2S)−2−{[(2S)−2−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}−3−メチルブタノイル]アミノ}プロパノイル]アミノ}−5−オキソ−5−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ペンタン酸
【化238】
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【0873】
最初に、ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリルエタノールによるエステル化、トリフルオロ酢酸によるBoc保護基の脱離、HATUの存在下でのN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンとのカップリングおよびメタノール中10%パラジウム/活性炭での水素化分解)、トリペプチド誘導体(4S)−4−{[(2S)−2−{[(2S)−2−アミノ−3−メチルブタノイル]アミノ}プロパノイル]アミノ}−5−オキソ−5−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ペンタン酸を(2S)−5−(ベンジルオキシ)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−オキソペンタン酸から製造した。この部分保護されたペプチド誘導体を市販の1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオンとカップリングさせることで、標題化合物を製造した。後処理および分取HPLCによる精製によって、標題化合物601mgを得た。
【0874】
LC−MS(方法1):R
t=0.96分;MS(ESIpos):m/z=611(M+H)
+。
【0875】
中間体L64
(4S)−4−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−5−オキソ−5−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ペンタン酸
【化239】
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【0876】
ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリルエタノールによるエステル化、トリフルオロ酢酸によるBoc保護基の脱離、メタノール中10%パラジウム/活性炭でのベンジルエステルの水素化分解的開裂、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン存在下での1−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオンとのカップリング)、標題化合物を(2S)−5−(ベンジルオキシ)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−オキソペンタン酸から製造した。
【0877】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=385(M+H)
+。
【0878】
中間体L65
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−L−アラニネート(1:1)
【化240】
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【0879】
ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリルエタノールによるエステルおよびトリフルオロ酢酸によるBoc保護基の脱離)、標題化合物を3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニンから製造した。これによって、標題化合物373mg(2段階で理論値の79%)を得た。
【0880】
LC−MS(方法1):R
t=0.72分;MS(ESIpos):m/z=339(M+H)
+。
【0881】
中間体L66
メチル(8S)−8−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−6,11−ジオキソ−5−オキサ−7,10−ジアザ−2−シラテトラデカン−14−オエート
【化241】
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【0882】
最初に(3S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン酸1000mg(2.84mmol)を、1,2−ジメトキシエタン10.0mLに入れ、4−メチルモルホリン344.4mg(3.4mmol)およびクロルギ酸イソブチル504mg(3.69mmol)を加えた。室温で10分間撹拌後、反応液を冷却して5℃とし、高撹拌しながら、水3mLに溶かした水素化ホウ素ナトリウム161mg(4.26mmol)を1回に少量ずつ加えた。1時間後、同量の水素化ホウ素ナトリウムを再度加え、反応液をゆっくり昇温させて室温とした。水170mLを加え、反応液を、各場合酢酸エチル200mLで4回抽出した。相を分離し、有機相をクエン酸で1回、次に飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物ベンジルtert−ブチル[(2S)−4−ヒドロキシブタン−1,2−ジイル]ビスカーバメート760mg(理論値の78%)を得た。
【0883】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=339(M+H)
+。
【0884】
塩化水素/ジオキサン13mLに溶かしたこの中間体760mg(2.16mmol)を室温で20分間撹拌した。反応液を濃縮して5mLとし、ジエチルエーテルを加えた。沈殿を濾過し、アセトニトリル/水1:1から凍結乾燥した。
【0885】
このようにして得られた生成物をDMF 132mLに溶解させ、4−メトキシ−4−オキソブタン酸345.5mg(2.35mmol)、HATU 970mg(2.55mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン1025μLを加えた。混合物を室温で5分間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残った残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、アセトニトリルを減圧下に留去した。残った水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を濃縮し、真空乾燥した。
【0886】
このようにして得られた中間体をメタノールに取り、室温で水素標準圧下に1時間10%パラジウム/活性炭で水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去した。
【0887】
この脱保護化合物247mgをDMF 20mLに取り、1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン352mg(1.36mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン592μLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、5段階で合計収率21%で標題化合物218mgを得た。
【0888】
LC−MS(方法1):R
t=0.74分;MS(ESIpos):m/z=363(M+H)
+。
【0889】
中間体L67
トリフルオロ酢酸/2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル−β−アラニネート(1:1)
【化242】
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【0890】
ジクロロメタン10mL中1.5当量のEDCIおよび0.1当量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下にN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニン134mg(0.71mmol)とカップリングさせ、次にトリフルオロ酢酸で脱保護することで、市販の1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン50mg(0.354mmol)から標題化合物を製造した。
【0891】
収量:56mg(2段階で理論値の48%)。
【0892】
LC−MS(方法3):R
t=1.15分;MS(ESIpos):m/z=213(M+H)
+。
【0893】
中間体L68
トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド(1:1)
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
【0894】
ペプチド化学の古典的方法に従って、中間体L1と同様にして、市販の(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパン酸およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートから標題化合物を製造した。
【0895】
LC−MS(方法1):R
t=0.17分;MS(ESIpos):m/z=212(M+H)
+。
【0896】
中間体L69
トリフルオロ酢酸/1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル−L−バリル−N5−カルバモイル−L−オルニチネート(1:1)
【化244】
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【0897】
ペプチド化学の古典的方法によって、EDCI/DMAPを用いるN2−(tert−ブトキシカルボニル)−N5−カルバモイル−L−オルニチンによるエステル化、順次、TFAによるBoc除去、次にHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン存在下でのN−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−L−バリンとのカップリング、最後にさらなるTFAによるBoc除去により、標題化合物を市販のベンジル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレートから製造した。
【0898】
LC−MS(方法1):R
t=0.62分;MS(ESIpos):m/z=492(M+H)
+。
【0899】
中間体L70
9H−フルオレン−9−イルメチル(3−オキソプロピル)カーバメート
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
【0900】
最初に9H−フルオレン−9−イルメチル(3−ヒドロキシプロピル)カーバメート1000.0mg(3.36mmol)を、クロロホルム15.0mLおよび0.05N炭酸カリウム/0.05N重炭酸ナトリウム溶液(1:1)15.0mLに入れた。テトラ−n−ブチル塩化アンモニウム93.5mg(0.34mmol)、N−クロロコハク酸イミド673.6mg(5.04mmol)およびTEMPO 52.5mg(0.34mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜高撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を高真空乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル3:1−1:1)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物589.4mg(理論値の58%)を得た。
【0901】
LC−MS(方法6):R
t=2.15分;MS(ESIpos):m/z=296(M−H)
+。
【0902】
中間体L71
tert−ブチル[4−(クロロカルボニル)フェニル]カーバメート
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
【0903】
最初に4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]安息香酸100.0mg(0.42mmol)を、ジクロロメタン2.0mLに入れ、オキサリルジクロライド64.2mg(0.51mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した(TLC:ジクロロメタン/メタノールによってモニタリング)。追加のオキサリルジクロライド192.6mg(1.53mmol)およびDMF 1滴を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をジクロロメタンと繰り返し共蒸留した。残留物を、それ以上精製せずに次の合成段階で用いた。
【0904】
中間体L72
ベンジル(9S)−9−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−6,11−ジオキソ−5−オキサ−7,10−ジアザ−2−シラテトラデカン−14−オエート
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
【0905】
ペプチド化学の古典的方法に従って、Z保護基の水素分解的除去、次にEDCI/HOBTの存在下に4−(ベンジルオキシ)−4−オキソブタン酸とのカップリング、次にTFAによるBoc保護基の脱離、最後にトリエチルアミンの存在下での1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンとの反応によって、市販のベンジルtert−ブチル[(2S)−3−ヒドロキシプロパン−1,2−ジイル]ビスカーバメートから標題化合物を製造した。
【0906】
LC−MS(方法1):R
t=0.94分;MS(ESIpos):m/z=425[M+H]
+。
【0907】
中間体L73
N−(2−アミノエチル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
【0908】
6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸395.5mg(1.87mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.21g(9.36mmol)およびHATU 854.3mg(2.25mmol)をtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメート300mg(1.87mmol)のジメチルホルムアミド(20mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌した。混合物の濃縮後、残留物をDCMに取り、水で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。これによって、標題化合物408mg(33%、純度53%)を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。
【0909】
LC−MS(方法1):R
t=0.75分;MS(ESIpos):m/z=354(M+H)
+。
【0910】
TFA 1mLを、tert−ブチル(2−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}エチル)カーバメート(408mg、0.365mmol)のジクロロメタン(7mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をジクロロメタンと2回共蒸留した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物384mg(94%、純度57%)を得た。
【0911】
LC−MS(方法1):R
t=0.26分;MS(ESIpos):m/z=254(M+H)
+。
【0912】
中間体L74
3−[2−[2−[2−[2−[[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
【0913】
tert−ブチル3−[2−[2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノエート107mg(0.335mmol)および(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)アセテート93mg(0.369mmol)をジメチルホルムアミド5mLに溶かし、N−メチルモルホリン0.074mL(0.671mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸0.048mL(0.838mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル3−[2−[2−[2−[2−[[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノエート133mg(86%、純度100%)を得た。
【0914】
LC−MS(方法1):R
t=0.82分;MS(ESIpos):m/z=459(M+H)
+。
【0915】
TFA 0.5mLをtert−ブチル3−[2−[2−[2−[2−[[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノエート(130mg、0.284mmol)のジクロロメタン(5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物102mg(90%、純度100%)を得た。
【0916】
LC−MS(方法1):R
t=0.52分;MS(ESIpos):m/z=402(M+H)
+。
【0917】
中間体L75
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−D−アラニネート(1:1)
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
【0918】
ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリルエタノールによるエステル化およびトリフルオロ酢酸によるBoc保護基の脱離)、標題化合物を3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニンから製造した。これによって、標題化合物405mg(2段階で理論値の58%)を得た。
【0919】
LC−MS(方法1):R
t=0.75分;MS(ESIpos):m/z=339(M+H)
+。
【0920】
中間体L76
(2S)−2−ブロモ−4−オキソ−4−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ブタン酸
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0921】
最初に、ペプチド化学の古典的方法に従って(EDCI/DMAPを用いる2−トリメチルシリルエタノールによるエステル化、Z保護基およびベンジルエステルの水素分解的除去)、好適に保護されたアスパラギン酸誘導体を、(3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−オキソブタン酸から製造した。
【0922】
このようにして得られた(2S)−2−アミノ−4−オキソ−4−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ブタン酸470mg(1.8mmol)を、水10mLに懸濁させ、1M塩酸1.8mLおよび濃硫酸0.5mLを加え、次に臭化カリウム863mg(7.25mmol)を加えた。10℃で、30分の期間をかけて亜硝酸ナトリウム150mg(2.175mmol)の水(1mL)中溶液を滴下し、混合物を10から15℃で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル50mLで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒の留去および分取HPLCによる生成物の精製によって、標題化合物260mg(理論値の48%)を得た。
【0923】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分;MS(ESIneg):m/z=295および297(M−H)
−。
【0924】
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ[ppm]=0.03(s、9H)、0.95(t、2H)、2.94および3.2(2dd、2H)、4.18(t、2H)、4.57(t、1H)。
【0925】
中間体L77
トリフルオロ酢酸/N−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−ブロモアセトアミド(1:1)
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
【0926】
tert−ブチル[2−(2−アミノエトキシ)エチル]カーバメート418mg(2.05mmol)を最初に、ブロモ無水酢酸638mg(2.46mmol)と反応させ、次にBoc保護基をトリフルオロ酢酸で除去した。これによって、標題化合物551mg(2段階で理論値の63%)を得た。
【0927】
LC−MS(方法):R
t=0.32分;MS(ESIpos):m/z=227および225(M+H)
+。
【0928】
中間体L78
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−β−アラニン
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
【0929】
EDCI/HOBtおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にtert−ブチルβ−アラニネート塩酸塩(1:1)とカップリングさせ、次にトリフルオロ酢酸で脱保護することで、市販の(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸から標題化合物を製造した。
【0930】
LC−MS(方法1):R
t=0.32分;MS(ESIpos):m/z=227(M+H)
+。
【0931】
中間体L79
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニン
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
【0932】
tert−ブチルβ−アラニネート塩酸塩(1:1)64.8mg(0.357mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン100mg(0.324mmol)を、ジメチルホルムアミド4mLに溶かし、N−メチルモルホリン65.6mg(0.649mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸0.048mL(0.838mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニネート84.5mg(77%、純度100%)を得た。
【0933】
LC−MS(方法1):R
t=0.78分;MS(ESIpos):m/z=339(M+H)
+。
【0934】
TFA 1.62mLを、tert−ブチルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニネート(82.8mg、0.244mmol)のジクロロメタン(8mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物62.7mg(87%、純度95%)を得た。
【0935】
LC−MS(方法1):R
t=0.75分;MS(ESIpos):m/z=283(M+H)
+。
【0936】
中間体L80
2−(トリメチルシリル)エチル3−[(15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル)アミノ]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニネート
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
【0937】
ペプチド化学の古典的方法に従って(塩からの放出およびEDCI/DMAPを用いる2−(トリメチルシリル)エタノールによるエステル化、Z保護基の水素分解的除去、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下の市販の3−オキソ−1−フェニル−2,7,10,13,16−ペンタオキサ−4−アザノナデカン−19−オン酸とのカップリング、およびさらなるZ保護基の水素分解的除去)、市販の3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニン/N−シクロヘキシルシクロヘキサンアミン(1:1)から標題化合物を製造した。
【0938】
LC−MS(方法1):R
t=0.70分;MS(ESIpos):m/z=552(M+H)
+。
【0939】
中間体L81
トリフルオロ酢酸/ベンジル{2−[(2−アミノエチル)スルホニル]エチル}カーバメート(1:1)
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
【0940】
DMF中N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、2,2′−スルホニルジエタンアミン250mg(1.11mmol)を1−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]オキシ}ピロリジン−2,5−ジオン92.3mg(0.37mmol)とカップリングさせた。次に、HPLCによる精製を行って、標題化合物70mg(理論値の47%)を得た。
【0941】
LC−MS(方法12):R
t=0.64分;MS(ESIpos):m/z=257.11(M+H)
+。
【0942】
中間体L82
トリフルオロ酢酸/N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
【0943】
N−Boc−2,2′−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン88.6mg(0.357mmol)およびN−スクシニミジル6−マレイミドヘキサノエート100mg(0.324mmol)を、ジメチルホルムアミド4.0mLに溶かし、N−メチルモルホリン0.071mL(0.650mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸0.048mL(0.838mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:75mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル{2−[2−(2−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カーバメート127mg(理論値の81%)を得た。
【0944】
LC−MS(方法1):R
t=0.78分;MS(ESIpos):m/z=442(M+H)
+。
【0945】
TFA 2.0mLを、tert−ブチル{2−[2−(2−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カーバメート123mg(225μmol)のジクロロメタン(7.5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物111mg(理論値の100%)を得た。
【0946】
LC−MS(方法1):R
t=0.31分;MS(ESIpos):m/z=342(M+H)
+。
【0947】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=1.17(m、2H)、1.47(m、4H)、2.04(m、2H)、2.98(m、2H)、3.19(m、2H)、3.39(m、4H)、3,56(m、6H)、7.01(s、2H)、7.72(bs、3H)、7.80(m、1H)。
【0948】
中間体L83
トリフルオロ酢酸/N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
【0949】
tert−ブチル{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}カーバメート200mg(0.805mmol)、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸150mg(0.966mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン560μL(3.2mmol)を、ジメチルホルムアミド10mLに溶かし、HATU 459mg(1.21mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をジクロロメタンに溶解させた。有機相を5%強度クエン酸溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、カラム25gSNAP、ジクロロメタン:メタノール98:2)を用いて精製した。これによって、tert−ブチル{2−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カーバメート276mg(理論値の89%)を得た。
【0950】
LC−MS(方法1):R
t=0.67分;MS(ESIpos):m/z=386(M+H)
+。
【0951】
TFA 4mLを、tert−ブチル{2−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カーバメート(275mg、714μmol)のジクロロメタン(15mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物281mg(理論値の99%)を得た。
【0952】
LC−MS(方法1):R
t=0.17分;MS(ESIpos):m/z=286(M+H)
+。
【0953】
中間体L84
トリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
【0954】
tert−ブチル(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)カーバメート200mg(0.594mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン202mg(0.654mmol)をジメチルホルムアミド4.0mLに溶かし、N−メチルモルホリン0.130mL(1.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸0.085mL(1.5mmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル[21−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−15−アザヘンアイコサ−1−イル]カーバメート275mg(理論値の73%)を得た。
【0955】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=530(M+H)
+。
【0956】
TFA 780μL(10mmol)を、tert−ブチル[21−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−15−アザヘンアイコサ−1−イル]カーバメート(268mg、505μmol)のジクロロメタン(5.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物266mg(理論値の97%)を得た。
【0957】
LC−MS(方法1):R
t=0.46分;MS(ESIpos):m/z=430(M+H)
+。
【0958】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=1.17(m、2H)、1.47(m、4H)、2.03(m、2H)、2.99(m、2H)、3.18(m、2H)、3.38(m、4H)、3,52(m、8H)、3,58(m、6H)、7.01(s、2H)、7.73(bs、3H)、7.80(m、1H)。
【0959】
中間体L85
トリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
【0960】
tert−ブチル(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)カーバメート200mg(0.594mmol)、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸111mg(0.713mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン410μL(2.4mmol)を、ジメチルホルムアミド6mLに溶かし、HATU 339mg(0.892mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル[17−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−15−アザヘプタデカ−1−イル]カーバメート130mg(理論値の43%)を得た。
【0961】
LC−MS(方法1):R
t=0.71分;MS(ESIpos):m/z=474(M+H)
+。
【0962】
TFA 410μL(5.3mmol)を、tert−ブチル[17−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−15−アザヘプタデカ−1−イル]カーバメート(126mg、267μmol)のジクロロメタン(4.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物124mg(理論値の95%)を得た。
【0963】
LC−MS(方法13):R
t=0.74分;MS(ESIpos):m/z=374(M+H)
+。
【0964】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=2.99(m、2H)、3.22(m、2H)、3.41(m、2H)、3,53(m、8H)、3,58(m、6H)、4.02(s、2H)、7.09(s、2H)、7.73(bs、3H)、8.21(m、1H)。
【0965】
中間体L86
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニン
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
【0966】
L−バリル−L−アラニン100mg(0.531mmol)および1−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオン134mg(0.531mmol)を、ジメチルホルムアミド3mLに溶かし、トリエチルアミン0.150mL(1.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物71.5mg(理論値の41%)を得た。
【0967】
LC−MS(方法1):R
t=0.42分;MS(ESIpos):m/z=326(M+H)
+。
【0968】
中間体L87
3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン酸
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
【0969】
tert−ブチル3−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]プロパノエート250mg(1.07mmol)、2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸151mg(0.974mmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物224mg(1.46mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩224mg(1.17mmol)を、ジメチルホルムアミド5.0mLに溶かした。反応混合物を室温で1時間撹拌した。酢酸エチルを加え、混合物を5%強度クエン酸溶液で2回、そして飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×40;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノエート267mg(理論値の64%)を得た。
【0970】
LC−MS(方法1):Rt=0.73分;MS(ESIpos):m/z=371(M+H)
+。
【0971】
TFA 1.1mL(14mmol)を、tert−ブチル3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノエート(263mg、710μmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物240mg(理論値の94%)を得た。
【0972】
LC−MS(方法12):R
t=0.57分;MS(ESIpos):m/z=315(M+H)
+。
【0973】
中間体L88
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニネート
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
【0974】
L−バリル−L−アラニン150mg(0.797mmol)および1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン246mg(0.797mmol)を、ジメチルホルムアミド4.0mLに溶かし、トリエチルアミン0.220mL(1.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニン302mg(理論値の97%)を得た。
【0975】
LC−MS(方法12):R
t=1.02分;MS(ESIpos):m/z=382(M+H)
+。
【0976】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=0.82(dd、6H)、1.17(m、2H)、1.27(d、3H)、1.48(m、4H)、1.94(m、1H)、2.13(m、2H)、3.38(t、2H)、4.17(m、2H)、7.00(s、2H)、7.75(d、1H)、8.19(d、1H)。
【0977】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニン130mg(0.531mmol)を、ジクロロメタン6.5mLに溶かし、1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン58.8mg(0.511mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩78.4mg(0.409mmol)を加えた。追加の1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン58.8mg(0.511mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩78.4mg(0.409mmol)を加えた。ジクロロメタンを加え、混合物を水で3回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物172mg(理論値の87%)を得た。
【0978】
LC−MS(方法12):R
t=1.28分;MS(ESIpos):m/z=479(M+H)
+。
【0979】
中間体L89
1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−L−グルタメート塩酸塩(1:1)
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
【0980】
(4S)−5−(ベンジルオキシ)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−オキソペンタン酸1.00g(2.96mmol)を最初に、THF 13.0mLに入れ、2−(トリメチルシリル)エタノール510μL(3.6mmol)および4−ジメチルアミノピリジン109mg(889μmol)を加えた。反応混合物を冷却して0℃とし、N−エチル−N′−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩682mg(3.56mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を酢酸エチルに溶解させた。有機相を0.1N HCl溶液で2回および飽和塩化ナトリウム溶液洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、カラム25gSNAP、シクロヘキサン:酢酸エチル80:20)を用いて精製した。これによって、化合物1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタメート649mg(理論値の50%)を得た。
【0981】
LC−MS(方法1):R
t=4.6分;MS(ESIpos):m/z=438(M+H)
+。
【0982】
1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタメート649mg(1.48mmol)を、ジオキサン7.0mLに溶かし、氷浴冷却しながら、4N HCl/ジオキサン14mL(59mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を高真空乾燥し、Biotage Isolera(シリカゲル、カラム25gSNAP、ジクロロメタン:メタノール90:10)によって精製した。これによって、標題化合物320mg(理論値の57%)を得た。
【0983】
LC−MS(方法1):R
t=0.79分;MS(ESIpos):m/z=338(M+H)
+。
【0984】
中間体L90
1−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オン酸
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
【0985】
最初にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシン118mg(566μmol)を、DMF 5.0mLに入れ、tert−ブチル1−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート200mg(622μmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物130mg(849μmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩130mg(679μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。酢酸エチルを加え、混合物を5%強度クエン酸溶液で2回および飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、tert−ブチル1−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート274mg(理論値の95%)を得た。
【0986】
LC−MS(方法12):Rt=1.69分;MS(ESIpos):m/z=513(M+H)
+。
【0987】
TFA 820μL(11mmol)を、tert−ブチル1−({N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート274mg(535μmol)のジクロロメタン(5.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物262mg(理論値の100%)を得た。
【0988】
LC−MS(方法12):R
t=1.12分;MS(ESIpos):m/z=457(M+H)
+。
【0989】
中間体L91
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル1−{[3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニル]アミノ}−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(1:1)
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0990】
ペプチド化学の古典的方法によって(EDCI/DMAPを用いる2−トリメチルシリルエタノールによるエステル化、Z保護基の水素分解的除去、市販のN−(tert−ブトキシカルボニル)−3−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}−D−アラニンとのカップリング、およびFmoc保護基の除去)、市販の3−オキソ−1−フェニル−2,7,10,13,16−ペンタオキサ−4−アザノナデカン−19−オン酸から標題化合物を製造した。
【0991】
LC−MS(方法1):R
t=0.74分;MS(ESIpos):m/z=552(M+H)
+。
【0992】
中間体L95
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニン
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0993】
ペプチド化学の古典的方法を用いて、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリンおよびtert−ブチルL−アラニネート塩酸塩(1:1)からこの中間体を製造した。
【0994】
LC−MS(方法12):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=323.16(M+H)
+。
【0995】
中間体L96
N−アセチル−L−バリル−N
5−カルバモイル−L−オルニチンアミド
【化268】
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【0996】
ペプチド化学の古典的方法により、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリネートのN
5−カルバモイル−L−オルニチンとのカップリングから始め、次にエタノール中10%パラジウム/活性炭でのZ保護基の水素分解的除去、最後に得られたジペプチドの1−アセトキシピロリジン−2,5−ジオンとの反応によって、この中間体を製造した。
【0997】
LC−MS(方法1):R
t=0.25分;MS(ESIpos):m/z=317(M+H)
+。
【0998】
中間体L97
1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−酸
【化269】
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【0999】
最初にtert−ブチル1−アミノ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサヘプタコサン−27−オエート(100mg、201μmol)をDMF 1.0mLに入れ、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸(46.8mg、301μmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物(76.9mg、502μmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(77.0mg、402μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸エチルを加えた。有機相を5%強度クエン酸溶液で2回、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、次に飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−オエート19.1mg(理論値の13%)を得た。
【1000】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=635[M+H]
+。
【1001】
TFA(62μL、600μmol)を、tert−ブチル1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−オエート(19.1mg、30.1μmol)のDCM(1.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水に取り、凍結乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物10.8mg(理論値の46%)を得た。
【1002】
LC−MS(方法1):R
t=0.55分;MS(ESIneg):m/z=577[M−H]
−。
【1003】
中間体L98
2,2−ジメチルプロパン酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N−(2−アミノエチル)−N
2−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−グルタミネート(1:1)
【化270】
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【1004】
最初に、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−オキソペンタン酸をベンジル(2−アミノエチル)カーバメートとカップリングさせた。次に、Boc保護基およびtert−ブチルエステルを、トリフルオロ酢酸/DCMを用いて開裂させた。次に、最初に、再度、DMF/水中N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンと反応させることでアミノ基を保護し、次にDCM中EDCI/DMAPの存在下に2−(トリメチルシリル)エタノールと反応させることでカルボキシル基を保護した。最後の段階で、エタノール中標準圧下に10%パラジウム/活性炭で水素化分解することで、末端アミノ基を脱保護した。濾過による触媒の除去、濃縮、分取HPLCによる精製および残留物のアセトニトリル/水からの凍結乾燥によって、標題化合物を得た。
【1005】
LC−MS(方法1):R
t=0.82分;MS(ESIpos):m/z=434(M+H)
+。
【1006】
中間体L99
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル−β−アラニル−L−リシネート(1:1)
【化271】
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【1007】
最初に、N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジンから出発して、ペプチド化学の古典的方法によって2−(トリメチルシリル)エチルN6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシネートを製造した。次に、この中間体を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、標準的方法によって製造したトリペプチド構成要素N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニル−β−アラニンを用いてカップリングさせた。次に、水素化分解およびメタノールによって、Z保護基を除去し、得られた中間体を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とカップリングさせた。最後の段階で、温和な条件下に10%強度トリフルオロ酢酸/DCM中、室温で1時間撹拌することにより、側鎖アミノ基を脱保護した。濃縮およびアセトニトリル/水からの凍結乾燥によって、標題化合物を得た。
【1008】
LC−MS(方法1):R
t=0.64分;MS(ESIpos):m/z=625(M+H)
+。
【1009】
中間体L100
3−[5−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]プロパン酸
【化272】
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【1010】
ヒドロキシルアミン塩酸塩461mg(6.60mmol)およびトリエチルアミン1341.86mg(13.26mmol)を、メチル3−シアノプロパノエート(500mg、4.42mmol)のエタノール(40mL)中溶液に加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させ、次に水およびブラインで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物400mg(理論値の62%)を得た。
【1011】
N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニン6.91g(36.50mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド8.22g(39.82mmol)を、メチル(4E)−4−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニル]アミノ}−4−(ヒドロキシイミノ)ブタノエート(4.85g、33.19mmol)のジオキサン(120.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を水に溶解させ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。これによって、標題化合物6.0g(理論値の57%)を得た。
【1012】
メチル(4E)−4−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニル]アミノ}−4−(ヒドロキシイミノ)ブタノエート(6.0g、18.91mmol)のDMF(100mL)中溶液を120℃で5時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物4g(理論値の71%)を得た。
【1013】
トリフルオロ酢酸2.96g(25.96mmol)を、3−(5−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン酸(2.0g、7.01mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物1.50g(理論値の72%)を得た。
【1014】
1−[2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1−ピロール−2,5−ジオン1.30g(5.52mmol)およびトリエチルアミン1.52g(15.04mmol)を、3−[5−(2−アミノエチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]プロパン酸(1.5g、5.01mmol)のDMF(25mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物774mg(理論値の47%)を得た。
【1015】
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ[ppm]=2.67(t、2H)、2.91(t、2H)、3.03(t、2H)、3.46(q、2H)、4.28(s、2H)、7.01(s、2H)、8.37(t、1H)、12.28(bs、1H)。
【1016】
中間体L123
tert−ブチル[1−フルオロ−4−オキソブタン−2−イル]カーバメート
【化273】
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【1017】
最初に、アルゴン下に、エチル3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−フルオロブタノエート(150mg、602μmol)(Synth. Com., 1985, 15(5), 377)を、DCM 12.0mLに入れた。反応混合物を冷却して−78℃とし、1M水素化ジイソブチルアルミニウム/トルエン(1.2mL、1.0M、1.2mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。混合物を、メタノールで注意深く反応停止し、さらに10分間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。有機相を飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液で3回抽出した。有機相を飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、標題化合物86.1mg(理論値の67%)を得た。
【1018】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ[ppm]:1.37(s、9H)、2.58(m、2H)、4.18(m、1H)、4.31(dd、2H)、7.05(d、1H)、9.60(s、1H)。
【1019】
中間体L124
tert−ブチルN−{(2R)−2−アミノ−3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−N
2−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート
【化274】
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【1020】
Boc−Asp−OtBu 4.0g(13.8mmol)およびN−ヒドロキシコハク酸イミド1.8g(15.2mmol)を酢酸エチル100mLに溶かし、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.1g(15.2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、0℃で2時間、次に室温で終夜撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下に濃縮した。これによって、。化合物1−tert−ブチル4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート4.1g(理論値の77%)を得た。
【1021】
3−アミノ−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−アラニン(2.53g、10.6mmol)をDMF 30mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.74g、21.2mmol)および1−tert−ブチル4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート(4.10g、10.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、減圧下に濃縮した。これによって、化合物(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−({(3S)−4−tert−ブトキシ−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)プロパン酸4.9g(理論値の90%)を得た。
【1022】
(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−({(3S)−4−tert−ブトキシ−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)プロパン酸(4.90g、9.62mmol)をアセトニトリル100mLに溶かし、室温でピリジン(1.6mL、19mmol)、2−(トリメチルシリル)エタノール(1.7mL、12mmol)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(2.38g、11.5mmol)を加えた。反応混合物を、0℃で1時間、次に室温で終夜撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLCによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチルN−{(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−N2−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート3.9g(理論値の66%)を得た。
【1023】
tert−ブチルN−{(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−N
2−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート(3.80g、6.23mmol)をメタノール120mLに溶かし、パラジウム/炭素(10%)380mgを加えた。反応混合物を室温で標準圧下に2時間にわたり水素によって水素化し、濾過した。溶媒を減圧下に除去した。これによって、標題化合物2.9g(理論値の84%)を得た。
【1024】
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=0.04(s、9H)、0.97(m、2H)、1.38(s、9H)、1.39(s、9H)、1.89(bs、2H)、2.43(m、1H)、3.18(m、3H)、3.38(m、1H)、4.11(m、3H)、6.93(d、1H)、7.91(bt、1H)。
【1025】
中間体L125
トリフルオロ酢酸/tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)−N
2−(ブロモアセチル)−D−α−グルタミネート(1:1)
【化275】
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【1026】
ペプチド化学の旧来の方法によって(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−tert−ブトキシ−5−オキソペンタン酸およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カーバメートから出発して、この中間体を製造した。
【1027】
LC−MS(方法1):R
t=0.49分;MS(ESIpos):m/z=366および368(M+H)
+。
【1028】
中間体F104
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)ブタンアミド(1:1)
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
【1029】
中間体C53 10mg(0.014mmol)をDMF 3.3mLに溶かし、中間体L1 8.5mg(0.027mmol)、HATU 7.8mg(0.02mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン12μLを加えた。反応液を室温で15分間撹拌し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、凍結乾燥後に、保護中間体5.6mg(理論値の38%)を得た。
【1030】
LC−MS(方法1):R
t=1.32分;MS(ESIpos):m/z=915(M+H)
+。
【1031】
この中間体5.6mg(0.006mmol)をDMF 2mLに取り、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン69mg(0.61mmol)を加えた。反応を超音波浴で2時間処理した。次に、酢酸35μLを加え、反応液を高真空下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物2.4mg(理論値の48%)を得た。
【1032】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(EIpos):m/z=693[M+H]
+。
【1033】
HPLC(方法11):R
t=1.91分。
【1034】
あるいは、標題化合物を、中間体C58からも製造した。最初に、HATU 13mg(0.034mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン10μLの存在下に、中間体C58 15mg(0.023mmol)を、中間体L1 11mg(0.036mmol)と反応させた。室温で60分間撹拌後、混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、保護中間体12.3mg(理論値の63%)を得た。
【1035】
LC−MS(方法1):R
t=1.3分;MS(EIpos):m/z=837[M+H]
+。
【1036】
第2段階で、この中間体を2,2,2−トリフルオロエタノール3mLに溶解させた。塩化亜鉛12mg(0.088mmol)を加え、反応液を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸26mg(0.088mmol)および0.1%強度トリフルオロ酢酸水溶液2mLを加えた。反応液を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物8.1mg(理論値の68%)を得た。
【1037】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=693(M+H)
+。
【1038】
中間体F119
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−{2−[(ブロモアセチル)アミノ]エチル}ブタンアミド(1:1)
【化277】
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【1039】
中間体C58 29mg(0.044mmol)をDMF 3.4mLに取り、中間体L52 36mg(0.087mmol)、HATU 25mg(0.065mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン19μLを加えた。室温で60分間撹拌後、混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、中間体26.4mg(理論値の73%)を得た。
【1040】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=820および822(M+H)
+。
【1041】
この中間体を、2,2,2−トリフルオロエタノール3mLに溶解させた。塩化亜鉛6.5mg(0.048mmol)を加え、反応液を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.9mg(0.048mmol)および0.1%強度トリフルオロ酢酸水溶液2mLを加えた。反応液を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物14.4mg(理論値の58%)を得た。
【1042】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=676および678(M+H)
+。
【1043】
中間体F127
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[(2S)−2−メトキシプロパノイル]アミノ)−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)ブタンアミド(1:1)
【化278】
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【1044】
中間体C59 12mg(0.015mmol)をDMF 2.4mLに溶かし、中間体L1 14.6mg(0.046mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩6mg(0.031mmol)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物5.9mg(0.039mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン8μLを加えた。室温で1時間撹拌後、混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、この中間体11mg(理論値の70%)を得た。
【1045】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=942(M+H)
+。
【1046】
この中間体11mg(0.011mmol)をDMF 2mLに取り、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン123mg(1.1mmol)を加えた。反応を超音波浴で2時間処理した。次に、酢酸63μLを加え、反応液を高真空下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物2mg(理論値の22%)を得た。
【1047】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(EIpos):m/z=721[M+H]
+。
【1048】
HPLC(方法11):R
t=1.95分。
【1049】
中間体F153
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[(2S)−2−ヒドロキシプロパノイル]アミノ)−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)ブタンアミド(1:1)
【化279】
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【1050】
中間体C60から中間体F104と同様にして合成を行った。
【1051】
LC−MS(方法1):R
t=1.1分;MS(ESIpos):m/z=707(M+H)
+。
【1052】
中間体F155
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−N
2−{N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化280】
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【1053】
HATU 8.7mg(0.023mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン17μLの存在下に中間体C61 14mg(0.019mmol)を中間体L61 15mg(0.021mmol)とカップリングさせ、次に中間体F119について記載の方法に従ってトリフルオロエタノール中で塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物13mg(2段階で理論値の59%)を得た。
【1054】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=1076(M+H)
+。
【1055】
中間体F173
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−L−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化281】
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【1056】
HATU 7.7mg(0.02mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン16μLの存在下に中間体L63 12mg(0.02mmol)とカップリングさせ、次に中間体F119について記載の方法に従ってトリフルオロエタノール中で塩化亜鉛によって脱保護することで、中間体C64 15mg(0.018mmol)から標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物12mg(2段階で理論値の58%)を得た。
【1057】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(EIpos):m/z=1048[M+H]
+。
【1058】
中間体F178
トリフルオロ酢酸/(1R,2S)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−N−{2−[(ブロモアセチル)アミノ]エチル}シクロペンタンカルボキサミド(1:1)
【化282】
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【1059】
中間体L1に代えて、中間体L52を用い、中間体F177と同様にして標題化合物を製造した。
【1060】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(EIpos):m/z=787および789[M+H]
+。
【1061】
中間体F180
N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−N2−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化283】
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【1062】
HATU 7mg(0.018mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン6μLの存在下に中間体C64 9.6mg(0.012mmol)を中間体L64 5mg(0.013mmol)とカップリングさせ、次に中間体F119について記載の方法に従ってトリフルオロエタノール中にて塩化亜鉛によって脱保護することによって、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物3.1mg(2段階で理論値の28%)を得た。
【1063】
LC−MS(方法1):R
t=0.85分;MS(EIpos):m/z=822[M+H]
+。
【1064】
中間体F192
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−L−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化284】
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【1065】
中間体C58 60mg(0.091mmol)を、DMF 8mLに取り、HATU 42mg(0.11mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン64μLの存在下に中間体L65 45mg(0.100mmol)とカップリングさせた。分取HPLCによる精製後、中間体をエタノール10mLに取り、室温で水素標準圧下に45分間にわたり10%パラジウム/活性炭で水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去し、生成物を分取HPLCによって精製した。アセトニトリル/水1:1からの凍結乾燥によって、2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノイル]−L−アラニネート24.5mg(2段階で理論値の31%)を得た。
【1066】
LC−MS(方法1):R
t=1.17分;MS(EIpos):m/z=844[M+H]
+。
【1067】
この中間体10mg(0.012mmol)をHATU 5.4mg(0.014mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン8μLの存在下に市販の(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸中間体2mg(0.013mmol)とカップリングさせ、次に中間体F119について記載の方法に従ってトリフルオロエタノール中にて塩化亜鉛で脱保護することで、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物3.5mg(2段階で理論値の33%)を得た。
【1068】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=737(M+H)
+。
【1069】
中間体F193
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化285】
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【1070】
3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニン/N−シクロヘキシルシクロヘキサンアミン(1:1)から、中間体F192と同様にして標題化合物の合成を行った。
【1071】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=737(M+H)
+。
【1072】
中間体F194
N−{5−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−5−オキソペンタノイル}−L−バリル−N−{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]プロピル}−L−アラニンアミド
【化286】
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【1073】
最初にHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンとカップリングさせることで、実施例M9から標題化合物を製造した。次の段階で、室温で水素標準圧下に10%パラジウム/活性炭で1時間水素化し、次に1,1′−[(1,5−ジオキソペンタン−1,5−ジイル)ビス(オキシ)]ジピロリジン−2,5−ジオンとの反応によって脱保護中間体を標題化合物に変換することによりZ保護基を除去した。
【1074】
LC−MS(方法1):R
t=1.19分;MS(ESIpos):m/z=851[M+H]
+。
【1075】
中間体F207
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−N
2−{N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化287】
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【1076】
中間体F155と同様にして標題化合物を製造した。
【1077】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=1020(M+H)
+。
【1078】
中間体F216
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化288】
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【1079】
最初に、アルゴン下に、N,N′−ビス[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン30.2mg(0.06mmol)を、水2.0mLおよびイソプロパノール2.0mLに入れ、TCEP 56.7mg(0.20mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。イソプロパノール2.0mLに溶かした2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート(中間体C70)50.0mg(0.08mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン122.2mg(0.48mmol)を加え、反応混合物を50℃で7時間撹拌した。追加の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン122.2mg(0.48mmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン43.1mg(理論値の64%)を得た。
【1080】
LC−MS(方法1):R
t=1.46分;MS(ESIpos):m/z=851(M+H)
+。
【1081】
最初に4−メチルベンゼンスルホン酸/ベンジルβ−アラニネート(1:1)16.5mg(0.05mmol)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン14.0mg(0.11mmol)とともにアセトニトリル1.5mLに入れた。反応混合物を室温で3分間撹拌し、アセトニトリル1.5mLに溶かしたS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン30.8mg(0.04mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン23.4mg(0.18mmol)およびT3P(50%酢酸エチル中溶液)29.9mg(0.05mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。得られた化合物は、ベンジルS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイニル−β−アラニネートであった。
【1082】
LC−MS(方法1):R
t=1.59分;MS(ESIpos):m/z=1012(M+H)
+。
【1083】
ベンジルS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイニル−β−アラニネート43.8mg(43.3μmol)をエタノール8.0mLに溶かし、パラジウム/活性炭(10%)4.4mgを加え、混合物を室温および標準圧で終夜水素化した。反応混合物を段ボールフィルターで濾過し、フィルターケーキをエタノールで洗浄した。溶媒を減圧下に留去した。さらに2回、残留物を、丁度記載した通りに処理した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)14.5mg(理論値の37%)を得た。
【1084】
LC−MS(方法1):R
t=1.08分;MS(ESIpos):m/z=788(M+H)
+。
【1085】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)14.5mg(16.1μmol)を、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{15−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−1−イル}プロパンアミド9.1mg(17.7μmol)とともにDMF 1.0mLに入れ、4−メチルモルホリン4.9mg(48.2μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸3.4mg(0.06mmol)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)4.9mg(理論値の50%)を得た。
【1086】
LC−MS(方法1):R
t=1.28分;MS(ESIpos):m/z=1186(M+H)
+。
【1087】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)14.1mg(11.9μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かし、二塩化亜鉛9.7mg(71.3μmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。追加の二塩化亜鉛9.7mg(71.3μmol)を加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。追加の二塩化亜鉛9.7mg(71.3μmol)を加え、反応混合物を70℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸20.8mg(0.07mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を凍結乾燥した。これによって、標題化合物6.2mg(理論値の44%)を得た。
【1088】
LC−MS(方法1):R
t=0.82分;MS(ESIpos):m/z=1042(M+H)
+。
【1089】
中間体F239
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化289】
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【1090】
アルゴン下に、最初に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸7.5mg(0.05mmol)を、DMF 1.5mLに入れ、HOBt 7.5mg(0.05mmol)、TBTU 15.5mg(0.05mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン6.2mg(0.05mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。DMF 1.5mLに溶かしたS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)40.0mg(0.05mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン18.7mg(0.14mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン11.2mg(理論値の25%)を得た。
【1091】
LC−MS(方法1):R
t=1.37分;MS(ESIpos):m/z=854(M+H)
+。
【1092】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン10.9mg(12.8μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛10.4mg(76.6μmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸22.4mg(0.08mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を凍結乾燥した。これによって、標題化合物7.5mg(理論値の65%)を得た。
【1093】
LC−MS(方法1):R
t=0.92分;MS(ESIpos):m/z=710(M+H)
+。
【1094】
中間体F240
トリフルオロ酢酸/3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)プロパンアミド(1:1)
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
【1095】
最初に11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)27.5mg(0.04mmol)を、トリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L1)15.9mg(0.05mmol)とともにアセトニトリル 1.8mLに入れた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン32.4mg(0.31mmol)を加え、T3P(50%酢酸エチル中溶液)32.4mg(0.05mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[13−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカン−16−イル]カーバメート11.9mg(理論値の35%)を得た。
【1096】
LC−MS(方法1):R
t=1.39分;MS(ESIpos):m/z=881(M+H)
+。
【1097】
2−(トリメチルシリル)エチル[13−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカン−16−イル]カーバメート11.9mg(0.01mol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛5.5mg(0.04mmol)を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸11.8mg(0.04mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物7.4mg(理論値の60%)を得た。
【1098】
LC−MS(方法5):R
t=2.75分;MS(ESIpos):m/z=737(M+H)
+。
【1099】
中間体F241
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(2−{[N−(ブロモアセチル)グリシル]アミノ}エチル)ブタンアミド(1:1)
【化291】
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【1100】
市販の1−(2−ブロモアセトキシ)ピロリジン−2,5−ジオンとのカップリングおよび次に塩化亜鉛による脱ブロックによって、中間体C66から標題化合物を製造した。
【1101】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(EIpos):m/z=733および735[M+H]
+。
【1102】
中間体F242
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}プロピル)ブタンアミド(1:1)
【化292】
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【1103】
中間体F104と同様にして標題化合物の合成を行った。
【1104】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=707(M+H)
+。
【1105】
中間体F243
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エチル]ブタンアミド(1:1)
【化293】
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【1106】
中間体F242と同様にして標題化合物の合成を行った。
【1107】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=737(M+H)
+。
【1108】
中間体F245
トリフルオロ酢酸/N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブチル}−N′−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)コハク酸アミド(1:1)
【化294】
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【1109】
DMF 8mL中HATU 15mg(0.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン9μL存在下での中間体C65 10mg(0.0135mmol)の中間体L1 8mg(0.027mmol)とのカップリングおよび次に中間体F119について記載の方法に従ってのトリフルオロエタノール中の塩化亜鉛による脱保護によって、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物8.8mg(2段階で理論値の58%)を得た。
【1110】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=778(M+H)
+。
【1111】
中間体F247
トリフルオロ酢酸/メチル4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−ブロモ−4−オキソブタノエート(1:1)
【化295】
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【1112】
中間体C66 14mg(0.018mmol)をDCM 14mLに溶かし、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート(BEP)10.1mg(0.037mmol)とともに、1回に少量ずつpHを5から6に維持しながら、ピリジン合計250μLを加えた。次に、酢酸でpHを4に調節し、反応液を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、凍結乾燥および乾燥によって、保護中間体4mg(理論値の21%)を得て、それを次に、塩化亜鉛によってアミノ官能基で脱保護した。HPLC精製および凍結乾燥によって、標題化合物3mg(理論値の72%)を無色泡状物として得た。
【1113】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=805および807(M+H)
+。
【1114】
中間体F248
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−{2−[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]エチル}ブタンアミド(1:1)
【化296】
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【1115】
HATU存在下での中間体C58 10mg(0.015mmol)の中間体L12 5mg(0.017mmol)とのカップリングおよび次に塩化亜鉛による脱保護によって、標題化合物を製造した。これによって、標題化合物6.5mg(2段階で理論値の52%)を得た。
【1116】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=680(M+H)
+。
【1117】
中間体F254
トリフルオロ酢酸/メチル(3S)−4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−ブロモ−4−オキソブタノエート(1:1)
【化297】
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【1118】
中間体C66 15mg(0.02mmol)を、(2S)−2−アミノ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸塩酸塩(1:1)から(J. Org. Chem. 200、65、517−522)に記載の方法に従って合成した(2S)−2−ブロモ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸21mg(0.099mmol)とカップリングさせることで、中間体247と同様にして標題化合物を製造した。
【1119】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=805および807(M+H)
+。
【1120】
中間体F255
R/S−(N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−α−グルタミル−S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル})ホモシステイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化298】
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【1121】
最初に(2S)−5−(ベンジルオキシ)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−オキソペンタン酸13.1mg(0.04mmol)を、DMF 1.0mLに入れ、HOBt 5.4mg(0.04mmol)、TBTU 11.4mg(0.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン4.6mg(0.04mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン12.9mg(0.1mmol)に溶かしたR/S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)ホモシステイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C11)30.0mg(0.04mmol)およびDMF 1mLを加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物4−[2−[[(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル]−[3−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]−2−オキソエチル]スルファニル−2−[[(2S)−5−ベンジルオキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]ブタン酸32mg(73%)を得た。
【1122】
LC−MS(方法1):R
t=1.53分;MS(ESIpos):m/z=1084(M+H)
+。
【1123】
4−[2−[[(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル]−[3−(2−トリメチルシリルエトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]−2−オキソエチル]スルファニル−2−[[(2S)−5−ベンジルオキシ−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]ブタン酸41.4mg(0.038mmol)をエタノール10mLに溶解させ、Pd/C 4.2mgを加え、混合物を標準気圧下に水素化した。反応混合物を段ボールフィルターで濾過し、フィルターケーキをエタノールで洗浄した。溶媒を減圧下に加熱せずに留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×40;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物R/S−(L−α−グルタミル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)ホモシステイン/トリフルオロ酢酸(1:1)21.1mg(56%)を得た。
【1124】
LC−MS(方法1):R
t=1.11分;MS(ESIpos):m/z=860(M+H)
+。
【1125】
最初にR/S−(L−α−グルタミル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル))ホモシステイン/トリフルオロ酢酸(1:1)20.4mg(20.94μmol)を、3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−{15−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−1−イル}プロパンアミド11.8mg(23.04μmol)とともにDMF 1.0mLに入れ、4−メチルモルホリン4.2mg(41.88μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸3.1mg(0.05mmol)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物R/S−(N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−α−グルタミル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル))ホモシステイン9.5mg(36%)を得た。
【1126】
LC−MS(方法1):R
t=1.66分;MS(ESIpos):m/z=1259(M+H)
+。
【1127】
R/S−(N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−α−グルタミル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル))ホモシステイン9.4mg(7.47μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かし、二塩化亜鉛6.1mg(44.81μmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.1mg(0.05mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物6.9mg(75%)を得た。
【1128】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=1114(M+H)
+。
【1129】
中間体F256
トリフルオロ酢酸/N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブチル}−N′−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エチル]コハク酸アミド(1:1)
【化299】
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【1130】
HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下での中間体C65 10mg(0.014mmol)およびトリフルオロ酢酸/N−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)9.6mg(0.027mmol)のカップリングおよび次に中間体F119について記載の方法に従ってのトリフルオロエタノール中での塩化亜鉛による脱保護によって、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物8mg(2段階で理論値の64%)を得た。
【1131】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=822(M+H)
+。
【1132】
中間体F257
R−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザオクタデカン−1−オイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
【1133】
R−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)50.0mg(0.06mmol)および3−[2−[2−[2−[2−[[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(中間体L74)29mg(0.07mmol)をDMF 3.0mLに溶かし、HATU 27.3mg(0.07mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン23.3mg(0.18mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物R−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザオクタデカン−1−オイル]−L−システイン17.4mg(26%)を得た。
【1134】
LC−MS(方法6):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=1101(M+H)
+。
【1135】
R−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザオクタデカン−1−オイル]−L−システイン17mg(0.02mmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛6.3mg(0.05mmol)を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.5mg(0.05mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物7.6mg(46%)を得た。
【1136】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=957(M+H)
+。
【1137】
中間体F258
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−[3−{2−[(ブロモアセチル)アミノ]エチル}アミノ)−3−オキソプロピル]ブタンアミド(1:1)
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
【1138】
HATUを用いる中間体C58のトリフルオロ酢酸/ベンジル[2−(β−アラニルアミノ)エチル]カーバメート(1:1)とのカップリング、次に水素化分解、次に1−(2−ブロモアセトキシ)ピロリジン−2,5−ジオンとのカップリングおよび最後に塩化亜鉛による脱保護によって、標題化合物を製造した。
【1139】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=747および749(M+H)
+。
【1140】
中間体F259
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[N−(ブロモアセチル)グリシル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
【1141】
中間体C58 75mg(0.114mmol)をDMF 12.5mLに取り、HATU 65mg(0.11mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン79μLの存在下に中間体L75 78mg(0.171mmol)とカップリングさせた。分取HPLCによる精製後、中間体をエタノール20mLに取り、室温で水素標準圧下に1時間にわたり10%パラジウム/活性炭で水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去し、生成物を分取HPLCによって精製した。アセトニトリル/水1:1からの凍結乾燥によって、2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタノイル]−D−アラニネート63mg(2段階で理論値の64%)を得た。
【1142】
LC−MS(方法1):R
t=1.16分;MS(EIpos):m/z=844[M+H]
+。
【1143】
この中間体40mg(0.047mmol)を、上記の方法と同様にして、HATUの存在下にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシンとカップリングさせ、再度水素化分解的に脱保護した。
【1144】
この中間体10mg(0.012mmol)をN,N−ジイソプロピルエチルアミン4μLの存在下に市販の1−(2−ブロモアセトキシ)ピロリジン−2,5−ジオン7.7mg(0.032mmol)とカップリングさせ、次に中間体F119について記載の方法に従ってトリフルオロエタノール中にて塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物1.3mgを得た。
【1145】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=777および779(M+H)
+。
【1146】
中間体F260
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−N
2−{N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化303】
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【1147】
中間体F155と同様にして標題化合物を製造した。
【1148】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=1020(M+H)
+。
【1149】
中間体F261
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(2−{2−[(ブロモアセチル)アミノ]エトキシ}エチル)ブタンアミド(1:1)
【化304】
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【1150】
HATUの存在下での中間体C58 20mg(0.03mmol)の中間体L77 25.8mg(0.061mmol)とのカップリングおよび次に塩化亜鉛による脱保護によって標題化合物を製造した。これによって、標題化合物11.9mg(2段階で理論値の47%)を得た。
【1151】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=722および720(M+H)
+。
【1152】
中間体F262
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化305】
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【1153】
最初にS−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)30mg(36μmol)と3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−[2−(2−{3−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−3−オキソプロポキシ}エトキシ)エチル]プロパンアミド16.9mg(40μmol)を、DMF 1.5mLに入れ、4−メチルモルホリン10.9mg(108μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸7.58mg(0.13mmol)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン33.4mg(理論値の80%)を得た。
【1154】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=1027(M+H)
+。
【1155】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン32.8mg(32μmol)をトリフルオロエタノール3.0mLに溶かし、二塩化亜鉛26.1mg(192μmol)を加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸56.0mg(0.192mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を凍結乾燥した。これによって、標題化合物22.9mg(理論値の71%)を得た。
【1156】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=883(M+H)
+。
【1157】
中間体F263
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−β−アラニル−S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化306】
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【1158】
R−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)30.0mg(0.036mmol)およびN−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−β−アラニン(中間体L78)9.8mg(0.04mmol)を、DMF 1.0mLに溶かし、HATU 16.4mg(0.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン14.0mg(0.11mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−β−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン4.2mg(13%)を得た。
【1159】
LC−MS(方法6):R
t=1.31分;MS(ESIpos):m/z=925(M+H)
+。
【1160】
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−β−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン11.3mg(0.011mmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛5.0mg(0.04mmol)を加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸10.7mg(0.04mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物4.4mg(40%)を得た。
【1161】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=781(M+H)
+。
【1162】
中間体F264
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニル−S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化307】
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【1163】
R−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)30.0mg(0.036mmol)およびN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニン(中間体L79)12.2mg(0.04mmol)をDMF 1.0mLに溶かし、HATU 16.4mg(0.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン14.0mg(0.11mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン8.9mg(24%)を得た。
【1164】
LC−MS(方法6):R
t=1.38分;MS(ESIpos):m/z=981(M+H)
+。
【1165】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−β−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン15.3mg(0.015mmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛6.3mg(0.045mmol)を加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.5mg(0.045mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物9.1mg(62%)を得た。
【1166】
LC−MS(方法1):R
t=0.92分;MS(ESIpos):m/z=837(M+H)
+。
【1167】
中間体F265
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−22−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−6,17−ジオキソ−10,13−ジオキサ−3−チア−7,16−ジアザドコサン−1−アミド(1:1)
【化308】
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【1168】
最初に11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)30.0mg(42.7μmol)およびトリフルオロ酢酸/N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)(中間体L82)25.3mg(55.6μmol)を、アセトニトリル1.9mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン60μL(340μmol)および2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキサイド50%の酢酸エチル中溶液33μL(56μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水(2.0mL)を加え、精製を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[4−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−5,10,21−トリオキソ−14,17−ジオキサ−7−チア−4,11,20−トリアザヘキサコサ−1−イル]カーバメート26.7mg(理論値の60%)を得た。
【1169】
LC−MS(方法1):R
t=1.40分;MS(ESIpos):m/z=1025(M+H)
+。
【1170】
2−(トリメチルシリル)エチル[4−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−5,10,21−トリオキソ−14,17−ジオキサ−7−チア−4,11,20−トリアザヘキサコサ−1−イル]カーバメート25.3mg(24.7μmol)を、トリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛20.2mg(148μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸43.3mg(148μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物23.4mg(理論値の95%)を得た。
【1171】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=881(M+H)
+。
【1172】
中間体F266
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,13−ジオキソ−6,9−ジオキサ−16−チア−3,12−ジアザオクタデカン−18−アミド(1:1)
【化309】
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【1173】
11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)30.0mg(0.043mmol)を最初に、トリフルオロ酢酸/N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル}−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L83)22.2mg(0.056mmol)とともにアセトニトリル1.9mLに入れた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン60μL(0.34mmol)を加え、T3P(50%酢酸エチル中溶液)33μL(0.056mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水(2.0mL)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[19−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,13,18−トリオキソ−6,9−ジオキサ−16−チア−3,12,19−トリアザドコサン−22−イル]カーバメート20.5mg(理論値の49%)を得た。
【1174】
LC−MS(方法1):R
t=1.38分;MS(ESIpos):m/z=969(M+H)
+。
【1175】
2−(トリメチルシリル)エチル[19−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,13,18−トリオキソ−6,9−ジオキサ−16−チア−3,12,19−トリアザドコサン−22−イル]カーバメート19.1mg(19.7μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛16.1mg(118μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸34.6mg(118μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物13.9mg(理論値の75%)を得た。
【1176】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=825(M+H)
+。
【1177】
中間体F267
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
【1178】
最初に、アルゴン下に、1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−オン酸(中間体L74)13.4mg(33.3μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン9.3μL(54.4μmol)およびHATU 12.6mg(33.3μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン4.7μL(27.7μmol)に溶かしたS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル−β−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体F216の合成参照)25.0mg(27.7μmol)およびDMF 1.0mLを加えた。反応混合物を室温で90分間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル−β−アラニン6.90mg(理論値の19%)を得た。
【1179】
LC−MS(方法5):R
t=4.44分;MS(ESIpos):m/z=1172(M+H)
+。
【1180】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル−β−アラニン6.70mg(5.71μmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛4.67mg(34.3μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸10mg(34.3μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物4.4mg(理論値の67%)を得た。
【1181】
LC−MS(方法1):R
t=0.85分;MS(ESIpos):m/z=1028(M+H)
+。
【1182】
中間体F268
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−28−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−6,23−ジオキソ−10,13,16,19−テトラオキサ−3−チア−7,22−ジアザオクタコサン−1−アミド(1:1)
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
【1183】
最初に11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)30.0mg(0.043mmol)を、トリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)(中間体L84)30.2mg(0.056mmol)とともにアセトニトリル2.0mLに入れた。次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン60μL(0.34mmol)を加え、T3P(50%酢酸エチル中溶液)33μL(0.056mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水(2.0mL)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[4−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−32−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−5,10,27−トリオキソ−14,17,20,23−テトラオキサ−7−チア−4,11,26−トリアザドトリアコンタ−1−イル]カーバメート27.9mg(理論値の59%)を得た。
【1184】
LC−MS(方法1):R
t=1.41分;MS(ESIpos):m/z=1114(M+H)
+。
【1185】
2−(トリメチルシリル)エチル[4−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−32−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−5,10,27−トリオキソトリオキソ−14,17,20,23−テトラオキサ−7−チア−4,11,26−トリアザドトリアコンタ−1−イル]カーバメート25.6mg(23.0μmol)をトリフルオロエタノール2.5mLに溶かし、二塩化亜鉛18.8mg(138μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸40.3mg(138μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物22.2mg(理論値の88%)を得た。
【1186】
LC−MS(方法1):R
t=0.94分;MS(ESIpos):m/z=969(M+H)
+。
【1187】
中間体F269
4−{[(8R,14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカン−8−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化312】
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【1188】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン(中間体C77)17.0mg(0.0195mmol)を、N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(中間体L1)4.99mg(0.0253mmol)とともにアセトニトリル1.0mLに入れた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン27μL(0.16mmol)を加え、T3P(50%酢酸エチル中溶液)15μL(0.025mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水(2.0mL)を加えた。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−23−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート9.5mg(理論値の46%)を得た。
【1189】
LC−MS(方法1):R
t=1.47分;MS(ESIpos):m/z=1052(M+H)
+。
【1190】
tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−23−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート8.3mg(7.89μmol)を、トリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛6.45mg(47.3μmol)を加えた。反応混合物を50℃で6時間撹拌した。二塩化亜鉛6.45mg(47.3μmol)を加え、反応混合物を50℃で終夜撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸27.7mg(94.6μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物1.10mg(理論値の14%)を得た。
【1191】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=852(M+H)
+。
【1192】
中間体F270
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−N′−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)コハク酸アミド(1:1)
【化313】
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【1193】
最初に、アルゴン下に、11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラペンタデカン−15−オン酸(中間体C78)15.0mg(22.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン8.0μL(45.8μmol)およびHATU 10.4mg(27.4μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン4.0μL(22.9μmol)に溶かしたトリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L1)8.54mg(27.4μmol)およびDMF 1.0mLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{4−[(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)プロピル]カーバメート14.7mg(理論値の77%)を得た。
【1194】
LC−MS(方法5):R
t=1.33分;MS(ESIpos):m/z=835(M+H)
+。
【1195】
2−(トリメチルシリル)エチル[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{4−[(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)アミノ]−4−オキソブタノイル}アミノ)プロピル]カーバメート13.2mg(15.8μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛12.9mg(94.8μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸27.7mg(94.6μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物10.9mg(理論値の83%)を得た。
【1196】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=691(M+H)
+。
【1197】
中間体F271
4−{[(20R,26R)−25−(3−アミノプロピル)−26−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−27,27−ジメチル−2,19,24−トリオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−22−チア−3,18,25−トリアザオクタコサン−20−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化314】
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【1198】
最初に、アルゴン下に、S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン(中間体C77)19.4mg(22.2μmol)を、DMF 2.0mLに入れ、トリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L74)21.7mg(44.4μmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン12μL(67μmol)およびHATU 16.9mg(44.4μmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−35−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−6,12,17,34−テトラオキソ−5,21,24,27,30−ペンタオキサ−14−チア−7,11,18,33−テトラアザ−2−シラペンタトリアコンタン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート18.1mg(理論値の66%)を得た。
【1199】
LC−MS(方法4):R
t=1.79分;MS(ESIpos):m/z=1250(M+Na)
+。
【1200】
tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−35−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−6,12,17,34−テトラオキソ−5,21,24,27,30−ペンタオキサ−14−チア−7,11,18,33−テトラアザ−2−シラペンタトリアコンタン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート18.1mg(14.7μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛12.0mg(88.4μmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸25.8mg(88.4μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物12.3mg(理論値の73%)を得た。
【1201】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=1028(M+H)
+。
【1202】
中間体F272
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−N′−[17−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−15−アザヘプタデカ−1−イル]コハク酸アミド(1:1)
【化315】
[この文献は図面を表示できません]
【1203】
最初に、アルゴン下に、11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラペンタデカン−15−オン酸(中間体C78)15.0mg(22.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン8.0μL(45.8μmol)およびHATU 10.4mg(27.4μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン4.0μL(22.9μmol)に溶かしたトリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L85)13.4mg(27.4μmol)およびDMF 1.0mLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[23−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,19,22−トリオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3,18,23−トリアザヘキサコサン−26−イル]カーバメート15.8mg(理論値の68%)を得た。
【1204】
LC−MS(方法1):R
t=1.35分;MS(ESIpos):m/z=1011(M+H)
+。
【1205】
2−(トリメチルシリル)エチル[23−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,19,22−トリオキソトリオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3,18,23−トリアザヘキサコサン−26−イル]カーバメート15.1mg(14.9μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛12.2mg(89.6μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸26.2mg(89.6μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物10.3mg(理論値の70%)を得た。
【1206】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=867(M+H)
+。
【1207】
中間体F273
トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,19−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−22−チア−3,18−ジアザテトラコサン−24−アミド(1:1)
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
【1208】
最初に、アルゴン下に、11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)20.0mg(28.5μmol)をDMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン10.0μL(57.0μmol)およびHATU 13.0mg(34.2μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン5.0μL(28.5μmol)に溶かしたトリフルオロ酢酸/N−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカ−1−イル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(中間体L85)16.7mg(34.2μmol)およびDMF 1.0mLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル[25−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,19,24−トリオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−22−チア−3,18,25−トリアザオクタコサン−28−イル]カーバメート18.6mg(理論値の62%)を得た。
【1209】
LC−MS(方法1):R
t=1.37分;MS(ESIpos):m/z=1057(M+H)
+。
【1210】
2−(トリメチルシリル)エチル[25−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,19,24−トリオキソトリオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−22−チア−3,18,25−トリアザオクタコサン−28−イル]カーバメート17.1mg(16.2μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛13.2mg(97.0μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸28.4mg(97.0μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物9.80mg(理論値の59%)を得た。
【1211】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=913(M+H)
+。
【1212】
中間体F274
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル−S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
【1213】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)13.9mg(0.0167mmol)を、N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニン(中間体L86)7.07mg(0.0217mmol)とともアセトニトリル2.0mLに入れた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン23μL(0.13mmol)を加え、T3P(50%酢酸エチル中溶液)13μL(0.022mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン3.70mg(理論値の19%)を得た。
【1214】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=1024(M+H)
+。
【1215】
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル−S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン10.6mg(10.3μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛8.46mg(62.1μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸18.1mg(62.1μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物5.60mg(理論値の54%)を得た。
【1216】
LC−MS(方法12):R
t=1.69分;MS(ESIpos):m/z=880(M+H)
+。
【1217】
中間体F275
N−[3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパノイル]−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−L−α−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化318】
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【1218】
最初に11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−オン酸(中間体C69)39.0mg(55.6μmol)を、DMF 4.0mLに入れ、1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−L−グルタメート塩酸塩(1:1)(中間体L89)41.6mg(111μmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン29μL(170μmol)およびHATU 42.3mg(111μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、酢酸で反応停止し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−L−グルタメート53.1mg(理論値の93%)を得た。
【1219】
LC−MS(方法1):R
t=1.71分;MS(ESIpos):m/z=1021[M+H]
+。
【1220】
最初に、アルゴン下に、酢酸パラジウム(II)7.60mg(33.9μmol)を、ジクロロメタン3.0mLに入れ、トリエチルアミン14μL(100μmol)およびトリエチルシラン110μL(680μmol)を加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、ジクロロメタン3.0mLに溶かした1−ベンジル−5−[2−(トリメチルシリル)エチル]−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−L−グルタメート69.2mg(67.7μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を段ボールフィルターで濾過し、フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄した。溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物(19S)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−19−{3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18−トリアザ−2−シライコサン−20−オン酸38.4mg(理論値の61%)を得た。
【1221】
LC−MS(方法1):R
t=1.53分;MS(ESIpos):m/z=931(M+H)
+。
【1222】
最初に(19S)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−19−{3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18−トリアザ−2−シライコサン−20−オン酸(中間体C69)10.0mg(10.7μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド/2,2,2−トリフルオロエタン−1,1−ジオール(1:1)(中間体L1)6.73mg(21.5μmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン5.6μL(32μmol)およびHATU 8.17mg(21.5μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、酢酸で反応停止し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチルN2−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−L−α−グルタミネート6.90mg(理論値の58%)を得た。
【1223】
LC−MS(方法1):R
t=1.57分;MS(ESIpos):m/z=1110[M+H]
+。
【1224】
2−(トリメチルシリル)エチルN
2−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−L−α−グルタミネート6.90mg(6.21μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛5.1mg(37.2μmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。二塩化亜鉛5.1mg(37.2μmol)を加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。二塩化亜鉛5.1mg(37.2μmol)を加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。二塩化亜鉛10.1mg(74.4μmol)を加え、反応混合物を50℃で終夜および室温で72時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸54.5mg(186μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物2.4mg(理論値の39%)を得た。
【1225】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=866(M+H)
+。
【1226】
中間体F276
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−{3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化319】
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【1227】
最初に、アルゴン下に、3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパン酸(中間体L87)9.08mg(28.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン8.33μL(48.2μmol)およびHATU 11.0mg(28.9μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン4.67μL(24.1μmol)に溶かしたS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)20.0mg(27.7μmol)およびDMF 1.0mLを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−{3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン4.70mg(理論値の19%)を得た。
【1228】
LC−MS(方法12):R
t=2.47分;MS(ESIpos):m/z=1013(M+H)
+。
【1229】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−{3−[2−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}−L−システイン13.9mg(13.7μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛5.6mg(41.2μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛5.6mg(41.2μmol)を加え、反応混合物を50℃で30分間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸24.1mg(82.4μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物10.8mg(理論値の80%)を得た。
【1230】
LC−MS(方法12):R
t=1.58分;MS(ESIpos):m/z=869(M+H)
+。
【1231】
中間体F277
N−[3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパノイル]−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化320】
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【1232】
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−D−アラニネート(1:1)(中間体C80)8.90mg(8.88μmol)および1−(2−ブロモアセトキシ)ピロリジン−2,5−ジオン2.31mg(9.77μmol)をジメチルホルムアミド1mLに溶かし、N−メチルモルホリン2.9μL(27μmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニネート5.80mg(理論値の65%)を得た。
【1233】
LC−MS(方法1):R
t=1.57分;MS(ESIpos):m/z=1008(M+H)
+。
【1234】
2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニネート5.80mg(5.75μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛4.70mg(34.5μmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。二塩化亜鉛4.70mg(34.5μmol)を加え、反応混合物を50℃で5時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸20.2mg(69.0μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物1.70mg(理論値の34%)を得た。
【1235】
LC−MS(方法1):R
t=0.90分;MS(ESIpos):m/z=764(M+H)
+。
【1236】
中間体F278
N−[3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパノイル]−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
【1237】
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−D−アラニネート(1:1)(中間体C80)10.0mg(9.98μmol)および1−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオン2.77mg(11.0μmol)をジメチルホルムアミド1mLに溶かし、N−メチルモルホリン3.3μL(30μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。酢酸2.0μL(35μmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−D−アラニネート5.50mg(理論値の54%)を得た。
【1238】
LC−MS(方法1):R
t=1.51分;MS(ESIpos):m/z=1024(M+H)
+。
【1239】
2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−D−アラニネート5.50mg(5.36μmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛4.39mg(32.2μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛4.39mg(32.2μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛4.39mg(32.2μmol)を加え、反応混合物を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸28.2mg(96.5μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物2.70mg(理論値の56%)を得た。
【1240】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=781(M+H)
+。
【1241】
中間体F279
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[({(2R)−2−カルボキシ−2−[(3−カルボキシプロパノイル)アミノ]エチル}スルファニル)アセチル]アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
【1242】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン(中間体C77)12.2mg(14μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛11.4mg(83.8μmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸24.5mg(83.8μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物4−{[(1R)−2−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−1−カルボキシエチル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)4.60mg(理論値の42%)を得た。
【1243】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=673(M+H)
+。
【1244】
4−{[(1R)−2−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−1−カルボキシエチル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)10.0mg(12.7μmol)および2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニネート(中間体L88)7.41mg(12.7μmol)をジメチルホルムアミド1.5mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミン4.4μL(25μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。酢酸2.0μL(35μmol)を加え、反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物5.20mg(理論値の39%)を得た。
【1245】
LC−MS(方法1):R
t=1.11分;MS(ESIpos):m/z=1036(M+H)
+。
【1246】
中間体F280
トリフルオロ酢酸/N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ベンズアミド(1:1)
【化323】
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【1247】
市販の1−(3−{[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}フェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオンとのカップリングおよび次に塩化亜鉛による脱保護によって、中間体C64から標題化合物を製造した。
【1248】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=755(M+H)
+。
【1249】
中間体F281
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[N−(ブロモアセチル)−β−アラニル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化324】
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【1250】
最初に、修飾アミノ酸構成要素N−(ブロモアセチル)−β−アラニンおよび2−(トリメチルシリル)エチル−3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニネートをペプチド化学の古典的方法によって製造した。これらを、HATUおよびモルホリンの存在下にカップリングさせた。次に、10%強度トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを用いてtert−ブトキシカルボニル保護基を除去して、中間体2−(トリメチルシリル)エチル3−{[N−(ブロモアセチル)−β−アラニル]アミノ}−D−アラニネートを得た。
【1251】
最後に、この中間体をHATUおよび4−メチルモルホリンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、次に塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。
【1252】
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=791および793(M+H)
+。
【1253】
中間体F282
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(3−{[N−(ブロモアセチル)グリシル]アミノ}プロピル)ブタンアミド(1:1)
【化325】
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【1254】
最初に、ペプチド化学の古典的方法によってtert−ブチルグリシネートおよびブロモ無水酢酸から、中間体トリフルオロ酢酸/N−(3−アミノプロピル)−N2−(ブロモアセチル)グリシンアミド(1:1)を製造した。
【1255】
最後に、この中間体をHATUおよび4−メチルモルホリンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、次に塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。
【1256】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=747および749(M+H)
+。
【1257】
中間体F283
N−[(2R)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−2−カルボキシエチル]−N
2−(ブロモアセチル)−L−α−アスパラギン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化326】
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【1258】
最初に、修飾アミノ酸構成要素(2S)−2−[(ブロモアセチル)アミノ]−4−オキソ−4−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ブタン酸およびブロモ無水酢酸を(2S)−2−アミノ−4−オキソ−4−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]ブタン酸およびブロモ無水酢酸から製造し、アミノ酸構成要素2−(トリメチルシリル)エチル−3−アミノ−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニネートを市販の3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニン/N−シクロヘキシルシクロヘキサンアミン(1:1)から製造した。両方の構成要素をHATUおよびモルホリンの存在下にカップリングさせ、tert−ブトキシカルボニル保護基を、5%強度トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを用いて除去して、シリルエチルエステル保護基を得て、従って中間体トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N−{(2R)−2−アミノ−3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−N2−(ブロモアセチル)−L−α−アスパラギナート(1:1)を得た。
【1259】
最後に、この中間体をHATUおよび4−メチルモルホリンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、次に塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。
【1260】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=835および837(M+H)
+。
【1261】
中間体F284
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化327】
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【1262】
最初に、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、中間体L80を市販の(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とカップリングさせ、tert−ブトキシカルボニル保護基を、16%強度トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを用いて除去して、シリルエチルエステル保護基を得た。
【1263】
最後に、この中間体をHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、次に塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。
【1264】
LC−MS(方法12):R
t=1.46分;MS(ESIpos):m/z=984.45(M+H)
+。
【1265】
中間体F285
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−[(18−ブロモ−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザオクタデカン−1−オイル)アミノ]−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化328】
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【1266】
最初に、中間体L80を市販のブロモ無水酢酸でアシル化し、tert−ブトキシカルボニル保護基を、20%強度トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを用いて除去して、シリルエチルエステル保護基を得た。
【1267】
最後に、この中間体をHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、次に塩化亜鉛によって脱保護することで、標題化合物を製造した。
【1268】
LC−MS(方法1):R
t=0.85分;MS(ESIpos):m/z=967および969(M+H)
+。
【1269】
中間体F286
1−[(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}−D−アラニル)アミノ]−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化329】
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【1270】
最初に、中間体L91を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とカップリングさせ、Boc保護基を、12.5%強度TFA/DCMを用いて除去した。得られた中間体を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C58とカップリングさせ、塩化亜鉛による脱保護によって標題化合物に変換した。
【1271】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=984(M+H)
+。
【1272】
中間体F288
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−({N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−セリル}アミノ)−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化330】
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【1273】
中間体C74 35mg(39μmol)を、HATUおよびN,N−ジイソプロピル(diisopropy)エチルアミンの存在下に、tert−ブチルO−tert−ブチル−L−セリネートおよび(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸から事前に製造しておいたN−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−セリンとカップリングさせた。塩化亜鉛による脱保護およびHPLCによる精製によって、標題化合物14mg(理論値の38%)を得た。
【1274】
LC−MS(方法12):R
t=1.43分;MS(ESIpos):m/z=824.34(M+H)
+。
【1275】
中間体F289
N
2−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−N
6−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−D−リジン/トリフルオロアセテート(1:1)
【化331】
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【1276】
最初に、ペプチド化学の古典的方法によって、N
6−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N
2−(tert−ブトキシカルボニル)−D−リジンからトリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N
6−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−D−リシネート(1:1)を製造した。
【1277】
次に、この中間体12.5mg(25μmol)を、HATUおよび4−メチルモルホリンの存在下に中間体C58 15mg(23μmol)とカップリングさせた。塩化亜鉛による脱保護およびHPLCによる精製によって、標題化合物14mg(理論値の53%)を得た。
【1278】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=779(M+H)
+。
【1279】
中間体F290
N
2−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−N
6−(ブロモアセチル)−D−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化332】
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【1280】
最初に、ペプチド化学の古典的方法によって、N
6−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N
2−(tert−ブトキシカルボニル)−D−リジンから、トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N6−(ブロモアセチル)−D−リシネート(1:1)を製造した。
【1281】
この中間体12mg(25μmol)を、HATUおよび4−メチルモルホリンの存在下に中間体C58 15mg(23μmol)とカップリングさせた。塩化亜鉛による脱保護およびHPLCによる精製によって、標題化合物7mg(理論値の36%)を得た。
【1282】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=762および764(M+H)
+。
【1283】
中間体F291
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−N−{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]プロピル}−L−アラニンアミド
【化333】
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【1284】
最初に、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンとカップリングさせることで、実施例M9から標題化合物を製造した。次の段階で、室温で水素標準圧下に10%パラジウム/活性炭で1時間水素化することでZ保護基を除去し、次にHATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とカップリングさせることで、脱保護中間体を標題化合物に変換した。
【1285】
LC−MS(方法1):R
t=1.21分;MS(ESIpos):m/z=777(M+H)
+。
【1286】
中間体F293
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−3−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ベンゾイル]アミノ}−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化334】
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【1287】
中間体C74 35mg(39μmol)をDMF 4mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、市販の1−(3−{[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}フェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン13.5mg(43μmol)とカップリングさせた。塩化亜鉛による脱保護およびHPLCによる精製によって、標題化合物12mg(理論値の34%)を得た。
【1288】
LC−MS(方法12):R
t=0.93分;MS(ESIpos):m/z=799(M+H)
+。
【1289】
中間体F294
N−{5−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−5−オキソペンタノイル}−L−バリル−N−{(1S)−3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−カルボキシプロピル}−L−アラニンアミド
【化335】
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【1290】
メタノール12mLに溶かした中間体C76 41mg(0.05mmol)を、室温で1時間、水素標準圧下に10%パラジウム/活性炭10mgで水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去した。これによって、脱保護中間体32mg(理論値の92%)を得た。
【1291】
この中間体15mg(0.022mmol)をDMFに溶かし、1,1′−[(1,5−ジオキソペンタn−1,5−ジイル)ビス(オキシ)]ジピロリジン−2,5−ジオン13mg(0.039mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン7μLを加えた。室温で1時間撹拌後、反応液を濃縮し、残留物をHPLCによって精製した。これによって、標題化合物9mg(理論値の45%)を得た。
【1292】
LC−MS(方法1):R
t=1.08分;MS(ESIpos):m/z=895(M+H)
+。
【1293】
中間体F295
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−N−{(1S)−3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−カルボキシプロピル}−L−アラニンアミド
【化336】
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【1294】
メタノール12mLに溶かした中間体C76 41mg(0.05mmol)を、室温で1時間、水素標準圧下に10%パラジウム/活性炭10mgで水素化した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下に除去した。これによって、脱保護中間体32mg(理論値の92%)を得た。
【1295】
この中間体15mg(0.022mmol)をDMF 4mLに溶かし、1−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオン10mg(0.039mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン7μLを加えた。室温で2時間撹拌後、反応液を濃縮し、残留物をHPLCによって精製した。これによって、標題化合物10mg(理論値の56%)を得た。
【1296】
LC−MS(方法1):R
t=1.08分;MS(ESIpos):m/z=821(M+H)
+。
【1297】
中間体F296
トリフルオロ酢酸/(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−{2−[(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)スルホニル]エチル}ブタンアミド(1:1)
【化337】
[この文献は図面を表示できません]
【1298】
HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C58とカップリングさせることで、中間体L81から標題化合物を製造した。次の段階で、DCM/メタノール1:1中室温で水素標準圧下に30分間、10%パラジウム/活性炭での水素化によってZ保護基を除去した。HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とカップリングさせ、最後に塩化亜鉛による脱保護によって、脱保護中間体を標題化合物に変換した。
【1299】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=785(M+H)
+。
【1300】
中間体F297
S−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(ピロリジン−3−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(異性体1)
【化338】
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【1301】
アルゴン下に、塩化亜鉛15mg(0.11mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン(中間体C92)36mg(0.03mmol、純度68%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.74mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で7時間撹拌した。次に、EDTA 32mg(0.11mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物6.4mg(理論値の25%)を得た。
【1302】
LC−MS(方法1):R
t=0.95分;MS(ESIpos):m/z=792(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1303】
中間体F298
S−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(ピロリジン−3−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(異性体2)
【化339】
[この文献は図面を表示できません]
【1304】
アルゴン下に、塩化亜鉛19mg(0.14mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン(中間体C91)45mg(0.04mmol、純度71%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.94mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。次に、EDTA 42mg(0.14mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物5.7mg(理論値の18%)を得た。
【1305】
LC−MS(方法1):R
t=0.96分;MS(ESIpos):m/z=791(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1306】
中間体F299
S−(2−{(3−アミノプロピル)[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化340】
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【1307】
塩化亜鉛76.8mg(0.57mmol)を、S−{11−[(R)−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル](シクロヘキシル)メチル]−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル}−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−システイン(中間体C84)88.0mg(0.09mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール(1.88mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。次に、EDTA 164.6mg(0.57mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物31mg(理論値の35%)を得た。
【1308】
LC−MS(方法12):R
t=1.82分;MS(ESIpos):m/z=792(M+H)
+。
【1309】
中間体F300
(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−N−(2−{[(2R)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エチル)ブタンアミド
【化341】
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【1310】
アルゴン下に、塩化亜鉛11mg(0.08mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル{(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−[(2−{[(2R)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エチル)アミノ]−1−オキソブタン−2−イル}カーバメート(中間体C100)7mg(0.08mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.2mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で8時間撹拌した。次に、EDTA 14mg(0.05mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物1.6mg(理論値の27%)を得た。
【1311】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=707(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1312】
中間体F302
S−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(ピロリジン−3−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン/トリフルオロアセテート(1:1)(異性体1)
【化342】
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【1313】
アルゴン下に、塩化亜鉛31.7mg(0.23mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−システイン(中間体C94)56.9mg(58.2mmol、純度85%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(1.4mL)中混合物に加え、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。次に、EDTA 68.0mg(0.23mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物7mg(理論値の13%)を得た。
【1314】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=736(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1315】
中間体F304
N−(2−{[3−({2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(ピロリジン−3−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパノイル]アミノ}エチル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)トリフルオロ酢酸(異性体2)
【化343】
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【1316】
塩化亜鉛13.2mg(0.10mmol)を、tert−ブチル3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,13−トリオキソ−5−チア−2,9,12−トリアザオクタデカ−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体98)22.3mg(0.02mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.64mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で8時間撹拌した。次に、EDTA 28.36mg(0.10mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物5mg(理論値の24%)を得た。
【1317】
LC−MS(方法5):R
t3.05分;MS(ESIpos):m/z=819(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1318】
中間体F305
N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−22−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−6,17−ジオキソ−N−(ピロリジン−3−イルメチル)−10,13−ジオキサ−3−チア−7,16−ジアザドコサン−1−アミド(1:1)トリフルオロ酢酸(異性体2)
【化344】
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【1319】
塩化亜鉛13.42mg(0.10mmol)を、tert−ブチル3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−24−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,19−トリオキソ−12,15−ジオキサ−5−チア−2,9,18−トリアザテトラコサ−1−イル]ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体C99)24.80mg(0.02mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.65mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で8時間撹拌した。次に、EDTA 28.78mg(0.10mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。酢酸エチルを反応混合物に加え、有機相を水および飽和NaCl溶液で繰り返し洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物10mg(理論値の44%)を得た。
【1320】
LC−MS(方法5):R
t=3.11分;MS(ESIpos):m/z=907(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1321】
中間体F306
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−N
2−{N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−L−アラニル−β−アラニル}−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化345】
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【1322】
HATU 16.7mg(0.044mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン15μL存在下での中間体C61 24mg(0.029mmol)の中間体L99 30mg(0.035mmol)とのカップリングおよび次に中間体F119について記載の方法によるトリフルオロエタノール中での塩化亜鉛による脱保護によって、標題化合物を製造した。分取HPLCによる精製によって、標題化合物19mg(2段階で理論値の52%)を得た。
【1323】
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=1091(M+H)
+。
【1324】
中間体F307
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−S−{(5R,14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−5−カルボキシ−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカ−1−イル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化346】
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【1325】
トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル3−アミノ−N−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−D−アラニネート(1:1)(中間体C80)8.90mg(8.88μmol)および1−(2−ブロモアセトキシ)ピロリジン−2,5−ジオン2.31mg(9.77μmol)を、ジメチルホルムアミド1mLに溶かし、N−メチルモルホリン2.9μL(27μmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニネート5.80mg(理論値の65%)を得た。
【1326】
LC−MS(方法1):R
t=1.57分;MS(ESIpos):m/z=1008(M+H)
+。
【1327】
2−(トリメチルシリル)エチルN−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14−チア−7,11−ジアザ−2−シラヘプタデカン−17−イル)−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニネート(31.9mg、31.6μmol)およびL−システイン(7.66mg、63.2μmol)をDMF 3.0mLに溶かし、室温で終夜撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−[(19R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−19−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−23−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)28.1mg(理論値の76%)を得た。
【1328】
LC−MS(方法12):R
t=2.52分;MS(ESIpos):m/z=1049[M+H]
+。
【1329】
S−[(19R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−19−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−23−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(13.5mg、11.6μmol)をDMF 1.0mLに溶解させ、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニネート(6.76mg、11.6μmol)(中間体L88)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.0μL、23μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−S−[(19R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−19−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−23−イル]−L−システイン11.1mg(理論値の68%)を得た。
【1330】
LC−MS(方法14):R
t=7.38分;MS(ESIpos):m/z=1412[M+H]
+。
【1331】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル−S−[(19R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−19−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−5−オキサ−14−チア−7,11,18,21−テトラアザ−2−シラトリコサン−23−イル]−L−システイン(9.40mg、6.65μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶解させ、二塩化亜鉛(5.44mg、39.9μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛(5.44mg、39.9μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸(23.4mg、79.8μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物5.60mg(理論値の66%)を得た。
【1332】
LC−MS(方法1):R
t=0.93分;MS(ESIpos):m/z=1168(M+H)
+。
【1333】
中間体F308
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[(12R,19R)−19−アミノ−4−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−12,19−ジカルボキシ−5,10,15−トリオキソ−7,17−ジチア−4,11,14−トリアザノナデカ−1−イル]−L−アラニンアミド/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化347】
[この文献は図面を表示できません]
【1334】
N−[3−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)プロパノイル]−3−[(ブロモアセチル)アミノ]−D−アラニン/トリフルオロ酢酸(1:1)(12.7mg、14.5μmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン(3.84mg、14.5μmol)をDMF 1.5mLに溶かし、混合物を室温で終夜撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5μL、14μmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−{(5R,14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−5−カルボキシ−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカ−1−イル}−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)7.40mg(理論値の48%)を得た。
【1335】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分;MS(ESIpos):m/z=949[M+H]
+。
【1336】
S−{(5R,14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−5−カルボキシ−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカ−1−イル}−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(7.50mg、7.05μmol)をDMF 1.0mLに溶解させ、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニネート(4.11mg、純度82%、7.05μmol)(中間体L88)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5μL、14μmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[(8R,15R)−23−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−8,15−ジカルボキシ−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−5−オキサ−10,20−ジチア−7,13,16,23−テトラアザ−2−シラヘキサコサン−26−イル]−L−アラニンアミド4.30mg(46%)を得た。
【1337】
LC−MS(方法14):R
t=6.47分;MS(ESIpos):m/z=1312[M+H]
+。
【1338】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[(8R,15R)−23−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−8,15−ジカルボキシ−2,2−ジメチル−6,12,17,22−テトラオキソ−5−オキサ−10,20−ジチア−7,13,16,23−テトラアザ−2−シラヘキサコサン−26−イル]−L−アラニンアミド(4.00mg、3.05μmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶解させ、二塩化亜鉛(2.49mg、18.3μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌し、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸(5.34mg、18.3μmol)を加え、混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物2.50mg(理論値の64%)を得た。
【1339】
LC−MS(方法1):R
t=1.00分;MS(ESIpos):m/z=1168[M+H]
+。
【1340】
中間体F309
4−{[(11R,17R)−16−(3−アミノプロピル)−17−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−18,18−ジメチル−6,6−ジオキシド−2,10,15−トリオキソ−6λ
6,13−ジチア−3,9,16−トリアザノナデカン−11−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化348】
[この文献は図面を表示できません]
【1341】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン(50.0mg、57.3μmol)(中間体C77)およびトリフルオロ酢酸/ベンジル{2−[(2−アミノエチル)スルホニル]エチル}カーバメート(1:1)(27.5mg、68.7μmol)(中間体L81)を、DMF 4.0mLに入れ、HATU(26.1mg、68.7μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(30μL、170μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次に分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル4−{[(12R)−17−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26,26−ジメチル−7,7−ジオキシド−3,11,16,22−テトラオキソ−1−フェニル−2,23−ジオキサ−7λ6,14−ジチア−4,10,17,21−テトラアザ−26−シラヘプタコサン−12−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート53.9mg(81%)を得た。
【1342】
LC−MS(方法1):R
t=1.54分;MS(ESIpos):m/z=1141[M+H]
+。
【1343】
最初に、アルゴン下に、酢酸パラジウム(II)(5.12mg、22.8μmol)をDCM 3.0mLに入れ、トリエチルアミン(9.5μL、68μmol)およびトリエチルシラン(73μL、460μmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。DCM 2.0mL中のtert−ブチル4−{[(12R)−17−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26,26−ジメチル−7,7−ジオキシド−3,11,16,22−テトラオキソ−1−フェニル−2,23−ジオキサ−7λ
6,14−ジチア−4,10,17,21−テトラアザ−26−シラヘプタコサン−12−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート(52.1mg、45.6μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、水2.0mLを加えた。溶媒を減圧下に留去した。アセトニトリルを残留物に加え、混合物を濾過し、生成物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物トリフルオロ酢酸/tert−ブチル4−{[(16R)−23−アミノ−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−21,21−ジオキシド−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14,21λ6−ジチア−7,11,18−トリアザ−2−シラトリコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート(1:1)43.4mg(85%)を得た。
【1344】
LC−MS(方法1):R
t=1.21分;MS(ESIpos):m/z=1007[M+H]
+。
【1345】
最初にトリフルオロ酢酸/tert−ブチル4−{[(16R)−23−アミノ−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−21,21−ジオキシド−6,12,17−トリオキソ−5−オキサ−14,21λ
6−ジチア−7,11,18−トリアザ−2−シラトリコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート(1:1)(20.0mg、17.8μmol)および(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸(3.32mg、21.4μmol)を、DMF 2.0mLに入れ、HATU(8.14mg、21.4μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.3μL、54μmol)を加えた。
【1346】
反応混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−21,21−ジオキシド−6,12,17,25−テトラオキソ−5−オキサ−14,21λ6−ジチア−7,11,18,24−テトラアザ−2−シラヘキサコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート17.4mg(85%)を得た。
【1347】
LC−MS(方法1):R
t=1.46分;MS(ESIpos):m/z=1144[M+H]
+。
【1348】
tert−ブチル4−{[(16R)−11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−26−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,2−ジメチル−21,21−ジオキシド−6,12,17,25−テトラオキソ−5−オキサ−14,21λ
6−ジチア−7,11,18,24−テトラアザ−2−シラヘキサコサン−16−イル]アミノ}−4−オキソブタノエート(15.9mg、13.9μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶解させ、二塩化亜鉛(11.4mg、83.4μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛(11.4mg、83.4μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。二塩化亜鉛(11.4mg、83.4μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸(73.2mg、250μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物10mg(理論値の68%)を得た。
【1349】
LC−MS(方法12):R
t=1.45分;MS(ESIpos):m/z=944[M+H]
+。
【1350】
中間体F310
トリフルオロ酢酸/N−[(8R,14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカン−8−イル]−2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−アミド(1:1)
【化349】
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【1351】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(100mg、120μmol)(中間体C70)および1−[(14−オキソ−2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン(44.1mg、132μmol)を最初に、DMF 3.0mLに入れ、4−メチルモルホリン(40μL、360μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸(420μmol)で反応停止し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(14−オキソ−2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イル)−L−システイン69.4mg(理論値の62%)を得た。
【1352】
LC−MS(方法12):R
t=2.61分;MS(ESIneg):m/z=933[M−H]
−。
【1353】
最初にS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(14−オキソ−2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イル)−L−システイン(27.0mg、28.9μmol)を、DMF 2.0mLに入れ、N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(11.4mg、57.7μmol)(中間体L1)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15μL、87μmol)およびHATU(22.0mg、57.7μmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−(トリメチルシリル)エチル{(16R)−21−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−16−[(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)カルバモイル]−14,20−ジオキソ−2,5,8,11−テトラオキサ−18−チア−15,21−ジアザテトラコサン−24−イル}カーバメート13.7mg(理論値の43%)を得た。
【1354】
LC−MS(方法12):R
t=2.54分;MS(ESIpos):m/z=1114[M+H]
+。
【1355】
2−(トリメチルシリル)エチル{(16R)−21−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−16−[(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)カルバモイル]−14,20−ジオキソ−2,5,8,11−テトラオキサ−18−チア−15,21−ジアザテトラコサン−24−イル}カーバメート(13.7mg、12.3μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶解させ、二塩化亜鉛(10.1mg、73.8μmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸(21.6mg、73.8μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物7.30mg(理論値の47%)を得た。
【1356】
LC−MS(方法1):R
t=1.01分;MS(ESIpos):m/z=970[M+H]
+。
【1357】
中間体F311
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,30−ジオキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化350】
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【1358】
最初に1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−オン酸(10.8mg、18.7μmol)(中間体L97)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.4μL、31.2μmol)およびHATU(7.10mg、18.7μmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。DMF 1.0mLに溶かしたS−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(12.9mg、15.6μmol)(中間体C71)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.7μL、15.6μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水/0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,30−ジオキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−イル]−L−システイン3.5mg(18%)を得た。
【1359】
LC−MS(方法1):R
t=1.30分;MS(ESIneg):m/z=1276[M−H]
−。
【1360】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,30−ジオキソ−6,9,12,15,18,21,24,27−オクタオキサ−3−アザトリアコンタン−30−イル]−L−システイン(3.50mg、2.74μmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶解させ、二塩化亜鉛(6.25mg、16.4μmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸(47μL、16μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物2.0mg(理論値の59%)を得た。
【1361】
LC−MS(方法1):R
t=0.94分;MS(ESIpos):m/z=1133(M+H)
+。
【1362】
中間体F312
N−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−L−バリル−N−[(2S)−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]−1−{[2−(L−γ−グルタミルアミノ)エチル]アミノ}−1−オキソブタン−2−イル]−L−アラニンアミド/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化351】
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【1363】
HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル−L−アラニンとカップリングさせることで、中間体C103から標題化合物を製造した。次の段階で、DCM/メタノール1:1中室温で標準水素圧下に10%パラジウム/活性炭で1時間水素化することで、Z保護基を除去した。次に、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下での(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)酢酸とのカップリングにより、最後に塩化亜鉛による脱保護および分取HPLCによる精製によって、脱保護中間体を標題化合物に変換した。
【1364】
LC−MS(方法1):R
t=0.9分;MS(ESIpos):m/z=992(M+H)
+。
【1365】
中間体F313
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化352】
[この文献は図面を表示できません]
【1366】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピル(diisopryl)エチルアミン16.9mg(0.13mmol)およびHATU 50.0mg(0.13mmol)を、1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−オン酸55.0mg(0.14mmol)のDMF(2.60mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(中間体C107)40.0mg(0.05mmol)の溶液を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物10mg(理論値の13%、純度82%)を得た。
【1367】
LC−MS(方法1):R
t=1.36分;MS(ESIpos):m/z=1145(M+H)
+。
【1368】
塩化亜鉛4.3mg(0.03mmol)を、S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン10.9mg(7.8mmol、純度82%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.85mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で2.5時間撹拌した。次に、EDTA 9.1mg(0.03mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物2.3mg(理論値の26%)を得た。
【1369】
LC−MS(方法1):R
t0.89分;MS(ESIpos):m/z=781(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1370】
中間体F314
トリフルオロ酢酸/3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3S,4R)−4−フルオロピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)プロパンアミド
【化353】
[この文献は図面を表示できません]
【1371】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピル(diisopryl)エチルアミン16.89mg(0.13mmol)およびHATU 33.13mg(0.087mmol)を、3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(中間体106)50.0mg(0.04mmol)のDMF(3.14mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)トリフルオロ酢酸(中間体L1)の溶液27.29mg(0.09mmol)を加え、混合物を室温で15分間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物41mg(理論値の68%、純度66%)を得た。
【1372】
LC−MS(方法12):R
t=2.55分;MS(ESIneg):m/z=959(M−H+Na)
−。
【1373】
塩化亜鉛24.7mg(0.18mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−14−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,13−トリオキソ−5−チア−2,9,12−トリアザテトラデカ−1−イル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート41.1mg(0.03mmol、純度66%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(2.54mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で2.5時間撹拌した。次に、EDTA 53.0mg(0.18mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物10mg(理論値の36%)を得た。
【1374】
LC−MS(方法1):R
t0.89分;MS(ESIpos):m/z=781(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1375】
中間体F315
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−{3−[5−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]プロパノイル}−L−システイン
【化354】
[この文献は図面を表示できません]
【1376】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピル(diisopryl)エチルアミン18.02mg(0.14mmol)およびHATU 31.82mg(0.09mmol)を、3−[5−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]プロパン酸(中間体L100)50.0mg(0.07mmol)のDMF(3.5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−(2−アミノエチル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミドアセテート(1:1)(中間体C107)の溶液50.0mg(0.07mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物49mg(理論値の21%、純度31%)を得た。
【1377】
LC−MS(方法1):R
t=1.30分;MS(ESIpos):m/z=1022(M+H)
+。
【1378】
塩化亜鉛8.0mg(0.06mmol)を、S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−{3−[5−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]プロパノイル}−L−システイン49.0mg(0.015mmol、純度31%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(0.5mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。次に、EDTA 17.2mg(0.06mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物3mg(理論値の21%)を得た。
【1379】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=877(M+H−CF
3CO
2H)
+。
【1380】
中間体F316
トリフルオロ酢酸/N−{2−[(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3S,4R)−4−フルオロピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)アミノ]エチル}−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(1:1)
【化355】
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【1381】
アルゴン下に、N,N−ジイソプロピル(diisopryl)エチルアミン16.89mg(0.13mmol)およびHATU 33.13mg(0.087mmol)を、3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R,4R)−4−フルオロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパン酸(中間体106)50.0mg(0.04mmol、純度65%)のDMF(3.0mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。N−(2−アミノエチル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミドアセテート(1:1)(中間体L73)の溶液37.2mg(0.09mmol、純度70%)を加え、混合物を室温で7分間撹拌した。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。残留物を、それ以上精製せずに用いた。これによって、標題化合物57mg(理論値の77%、純度59%)を得た。
【1382】
LC−MS(方法12):R
t=2.60分;MS(ESIpos):m/z=981(M+H)
+。
【1383】
塩化亜鉛36.0mg(0.27mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル(3R,4R)−3−[2−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−18−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,8,13−トリオキソ−5−チア−2,9,12−トリアザオクタデカ−1−イル]−4−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート56.0mg(0.03mmol、純度59%)の2,2,2−トリフルオロエタノール(2.8mL)中溶液に加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。次に、EDTA 78.3mg(0.27mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物16mg(理論値の44%、純度85%)を得た。
【1384】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=837(M+H−AcOH)
+。
【1385】
中間体F317
1−[(S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル)アミノ]−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化356】
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【1386】
最初に、アルゴン下に、N,N′−ビス[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン30.2mg(0.06mmol)を、水2.0mLおよびイソプロパノール2.0mLに入れ、TCEP 56.7mg(0.20mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エチル{3−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]プロピル}カーバメート(中間体C70)50.0mg(0.08mmol)をイソプロパノール2.0mLに溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン122.2mg(0.48mmol)を加え、反応混合物を50℃で7時間撹拌した。追加の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン122.2mg(0.48mmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水および飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン43.1mg(理論値の64%)を得た。
【1387】
LC−MS(方法1):R
t=1.46分;MS(ESIpos):m/z=851(M+H)
+。
【1388】
アルゴン下に、S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイン(50.0mg、59μmol)をDMF 1.0mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.5μL、117μmol)およびHATU(26.8mg、70μmol)を加えた。反応混合物を10分間撹拌した。tert−ブチル1−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(22.6mg、70μmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次に分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチル1−({S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイニル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート59.3mg(理論値の87.5%)を得た。
【1389】
LC−MS(方法12):Rt=2.97分;MS(ESIpos):m/z=1154[M+H]
+。
【1390】
アルゴン下に、酢酸パラジウム(II)(6.74mg、30.0μmol)を、最初にジクロロメタン3.0mLに入れ、トリエチルアミン(13μL、90μmol)およびトリエチルシラン(96μL、600μmol)を加えた。反応混合物を5分間撹拌し、ジクロロメタン1.0mL中のtert−ブチル1−({S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−システイニル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(69.3mg、60.0μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、トリエチルシラン(48μL、300μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、水(0.1%TFA)2.0mLを加えた。溶媒を減圧下に加熱せずに留去した。残留物をアセトニトリルに取り、シリンジフィルターで濾過し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物トリフルオロ酢酸/tert−ブチル1−{[S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル]アミノ}−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(1:1)65.9mg(理論値の97%)を得た。
【1391】
LC−MS(方法1):R
t=1.22分;MS(ESIpos):m/z=1020[M+H]
+。
【1392】
最初に、アルゴン下に、1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−酸(4.26mg、10.6μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.2μL、18μmol)およびHATU(4.02mg、10.6μmol)を加えた。反応混合物を10分間撹拌し、トリフルオロ酢酸/tert−ブチル1−{[S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイニル]アミノ}−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(1:1)(10.0mg、8.82μmol)を、DMF 1.0mLに溶かし、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.5μL、8.8μmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチル1−({S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート10.9mg(理論値の93%)を得た。
【1393】
LC−MS(方法1):R
t=1.44分;MS(ESIpos):m/z=1404[M+H]
+。
【1394】
tert−ブチル1−({S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイニル}アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(8.20mg、5.84μmol)を2.0トリフルオロエタノールに溶かし、塩化亜鉛(4.77mg、35.0μmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。
【1395】
塩化亜鉛(4.77mg、35.0μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(10.2mg、35.0μmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、標題化合物4.1mg(理論値の53%)を得た。
【1396】
LC−MS(方法1):R
t=0.90分;MS(ESIpos):m/z=1204[M+H]
+。
【1397】
中間体F318
トリフルオロ酢酸/3−{[2−([3−アミノ−4−フルオロブチル]{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}−N−(2−{[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]アミノ}エチル)プロパンアミド(1:1)
【化357】
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【1398】
最初に、(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン(124mg、350μmol)(中間体C52)を、ジクロロメタン5.0mLに入れ、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(104mg、491μmol)および酢酸(23μL、400μmol)を加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、3.0mLジクロロメタンに溶かしたtert−ブチル[1−フルオロ−4−オキソブタン−2−イル]カーバメート(82.7mg、403μmol)(中間体L123)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、酢酸エチルを加えた。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で次に洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物を、移動相シクロヘキサン/酢酸エチル95:5を用いるBiotage/Isolera(SNAP25g)でのカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチル[4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−1−フルオロブタン−2−イル]カーバメート146mg(理論値の77%)を得た。
【1399】
LC−MS(方法13):R
t=2.57分;MS(ESIneg):m/z=588[M+CHOOH−H]
−。
【1400】
tert−ブチル[4−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)−1−フルオロブタン−2−イル]カーバメート(100mg、184μmol)をDCM 6.0mLに溶かし、0℃でトリエチルアミン(85μL、610μmol)およびクロロアセチルクロライド(47μL、590μmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去した。残留物をアセトニトリル/水に取り、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチル−{4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]−1−フルオロブタン−2−イル}カーバメート80mg(理論値の70%)を得た。
【1401】
LC−MS(方法12):R
t=2.67分;MS(ESIneg):m/z=664[M−H+COOH]
−。
【1402】
最初に、tert−ブチル{4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(クロロアセチル)アミノ]−1−フルオロブタン−2−イル}カーバメート(79.2mg、128μmol)および3−スルファニルプロパン酸(12μL、140μmol)を、水1滴を含むメタノール3.0mLに入れた。炭酸カリウム(61.8mg、447μmol)を加え、反応混合物を50℃で4時間撹拌した。酢酸エチルを加え、混合物を水で繰り返し洗浄した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物9−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−6−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−4,10−ジオキソ−3−オキサ−12−チア−5,9−ジアザペンタデカン−15−酸68.6mg(理論値の78%)を得た。
【1403】
LC−MS(方法12):R
t=2.46分;MS(ESIneg):m/z=688[M−H]
−
最初に、9−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−6−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−4,10−ジオキソ−3−オキサ−12−チア−5,9−ジアザペンタデカン−15−酸(15.0mg、21.7μmol)およびトリフルオロ酢酸/N−(2−アミノエチル)−2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセトアミド(1:1)(8.12mg、26.1μmol)(中間体L1)を、DMF 1.6mLに入れた。HATU(9.92mg、26.1μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11μL、65μmol)を加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。水(0.1%TFA)を加え、反応混合物を分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水)によって直接精製した.溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物tert−ブチル[13−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−フルオロ−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘプタデカン−16−イル]カーバメート18.6mg(理論値の98%)を得た。
【1404】
LC−MS(方法12):R
t=2.36分;MS(ESIpos):m/z=869[M+H]
+。
【1405】
tert−ブチル[13−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−フルオロ−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘプタデカン−16−イル]カーバメート(17.0mg、19.6μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かした。塩化亜鉛(16.0mg、117μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(16.0mg、117μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(68.6mg、234μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物10.7mg(理論値の60%)を得た。
【1406】
LC−MS(方法14):R
t=5.51分;MS(ESIpos):m/z=769[M+H]
+。
【1407】
中間体F319
N−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−アスパラギン酸
【化358】
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【1408】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[({3−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}スルファニル)アセチル]アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(9.80mg、9.88μmol)(中間体C116)およびジ−tert−ブチルL−アスパルテート塩酸塩(1:1)(3.34mg、11.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、HATU(4.51mg、11.9μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.2μL、30μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−アスパルテート10.5mg(理論値の87%)を得た。
【1409】
LC−MS(方法1):R
t=1.33分;MS(ESIpos):m/z=1219[M+H]
+。
【1410】
ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−アスパルテート(9.70mg、7.95μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かした。塩化亜鉛(6.50mg、47.7μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(6.50mg、47.7μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(27.9mg、55.4μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物4.10mg(理論値の47%)を得た。
【1411】
LC−MS(方法1):R
t=1.07分;MS(ESIpos):m/z=1107[M+H]
+。
【1412】
中間体F320
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3−{[(1S)−1,3−ジカルボキシプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル)スルファニル]アセチル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド
【化359】
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【1413】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(2−カルボキシエチル)スルファニル]アセチル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(20.0mg、21.7μmol)(中間体C115)およびジ−tert−ブチルL−グルタメート塩酸塩(1:1)(7.71mg、26.1μmol)を、DMF 2.0mLに入れ、HATU(9.91mg、26.1μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11μL、65μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物ジ−tert−ブチル(2S)−2−{[(13S,16S)−7−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−23−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−イソプロピル−13−メチル−6,12,15,18−テトラオキソ−4−チア−7,11,14,17−テトラアザトリコサン−1−オイル]アミノ}ペンタンジオエート16.4mg(理論値の65%)を得た。
【1414】
LC−MS(方法1):R
t=1.40分;MS(ESIpos):m/z=1162[M+H]
+。
【1415】
ジ−tert−ブチル(2S)−2−{[(13S,16S)−7−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−23−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−16−イソプロピル−13−メチル−6,12,15,18−テトラオキソ−4−チア−7,11,14,17−テトラアザトリコサン−1−オイル]アミノ}ペンタンジオエート(14.7mg、12.6μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かした。塩化亜鉛(10.3mg、75.9μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(10.3mg、75.9μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(44.4mg、152μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物6.0mg(理論値の45%)を得た。
【1416】
LC−MS(方法1):R
t=1.10分;MS(ESIneg):m/z=1048[M−H]
−。
【1417】
中間体F321
N−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−D−グルタミン酸
【化360】
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【1418】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[({3−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}スルファニル)アセチル]アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(9.80mg、9.88μmol)(中間体C116)およびジ−tert−ブチルD−グルタメート塩酸塩(1:1)(3.51mg、11.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、HATU(4.51mg、11.9μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.2μL、30μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−D−グルタメート11.7mg(理論値の96%)を得た。
【1419】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=1233[M+H]
+
ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−D−グルタメート(11.5mg、9.32μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かした。(7.62mg、55.9μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(7.62mg、55.9μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(32.6mg、112μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物6.5mg(理論値の62%)を得た。
【1420】
LC−MS(方法1):R
t=1.07分;MS(ESIpos):m/z=1121[M+H]
+。
【1421】
中間体F322
N−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−グルタミン酸
【化361】
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【1422】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[({3−[(2−カルボキシエチル)アミノ]−3−オキソプロピル}スルファニル)アセチル]アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(9.80mg、9.88μmol)(中間体C116)およびジ−tert−ブチルL−グルタメート塩酸塩(1:1)(3.51mg、11.9μmol)を、DMF 1.0mLに入れ、HATU(4.51mg、11.9μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.2μL、30μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、化合物ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−グルタメート11.3mg(理論値の93%)を得た。
【1423】
LC−MS(方法1):R
t=1.34分;MS(ESIpos):m/z=1233[M+H]
+。
【1424】
ジ−tert−ブチルN−(3−{[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−({N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−L−アラニル}アミノ)プロピル]アミノ)−2−オキソエチル]スルファニル}プロパノイル)−β−アラニル−L−グルタメート(11.0mg、8.92μmol)をトリフルオロエタノール1.5mLに溶かした。塩化亜鉛(7.29mg、53.5μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(7.29mg、53.5μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(31.2mg、107μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物5.10mg(理論値の51%)を得た。
【1425】
LC−MS(方法1):R
t=1.07分;MS(ESIpos):m/z=1121[M+H]
+。
【1426】
中間体F323
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({[(3−{[(1R)−2−(L−β−アスパラギルアミノ)−1−カルボキシエチル]アミノ}−3−オキソプロピル)スルファニル]アセチル}{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化362】
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【1427】
最初に、アルゴン下に、N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(2−カルボキシエチル)スルファニル]アセチル}アミノ)プロピル]−L−アラニンアミド(10.0mg、7.05μmol)(中間体C115)およびtert−ブチルN−{(2R)−2−アミノ−3−オキソ−3−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]プロピル}−N
2−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート(4.02mg、8.46μmol)(中間体L124)を、DMF 2.0mLに入れ、HATU(3.22mg、8.46μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.7μL、21μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、化合物6−tert−ブチル11−[2−(トリメチルシリル)エチル](6S,11R,25S,28S)−19−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−35−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−28−イソプロピル−2,2,25−トリメチル−4,8,13,18,24,27,30−ヘプタオキソ−3−オキサ−16−チア−5,9,12,19,23,26,29−ヘプタアザペンタトリアコンタン−6,11−ジカルボキシレート4.3mg(理論値の32%)を得た。
【1428】
LC−MS(方法5):R
t=5.32分;MS(ESIpos):m/z=1379[M+H]
+。
【1429】
6−tert−ブチル11−[2−(トリメチルシリル)エチル](6S,11R,25S,28S)−19−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−35−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−28−イソプロピル−2,2,25−トリメチル−4,8,13,18,24,27,30−ヘプタオキソ−3−オキサ−16−チア−5,9,12,19,23,26,29−ヘプタアザペンタトリアコンタン−6,11−ジカルボキシレート(4.10mg、純度73%、2.17μmol)を2.0mLトリフルオロエタノールに溶かした。塩化亜鉛(1.77mg、13.0μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。さらに4回、塩化亜鉛(1.77mg、13.0μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(22.0mg、78μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、標題化合物2.1mg(理論値の69%)を得た。
【1430】
LC−MS(方法1):R
t=0.98分;MS(ESIpos):m/z=1122[M+H]
+。
【1431】
中間体F324
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[ピロリジン−3−イルメチル]アミノ)−2−オキソエチル]−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(異性体1)
【化363】
[この文献は図面を表示できません]
【1432】
最初に、アルゴン下に、1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−酸(99.6mg、247μmol)(中間体L74)を、DMF 1.4mLに入れ、HATU(90.4mg、238μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(41μL、240μmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、DMF 1.4mLに溶かしたS−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−L−システイン(70.0mg、95.2μmol)(中間体C90)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を少量の水に取り、凍結乾燥した。これによって、化合物S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[(3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン19.0mg(理論値の18.4%)を得た。
【1433】
LC−MS(方法12):R
t=2.29分;MS(ESIpos):m/z=1082[M+H]
+。
【1434】
S−[2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}{[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン(17.0mg、15.7μmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かした。塩化亜鉛(8.56mg、62.8μmol)を加え、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。もう1回、塩化亜鉛(8.56mg、62.8μmol)を加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(36.7mg、126μmol)を混合物に加え、水(0.1%TFA)を加え、次に混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 250×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥させた。これによって、標題化合物3.90mg(理論値の22%)を得た。
【1435】
LC−MS(方法1):R
t=0.89分;MS(ESIpos):m/z=983[M+H]
+。
【1436】
中間体F325
N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−N
2−[(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)アセチル]−D−α−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化364】
[この文献は図面を表示できません]
【1437】
中間体C58 30mg(0.046mmol)を、1.5当量のHATUおよび3当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、トリフルオロ酢酸/ベンジルN−(2−アミノエチル)−N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−α−グルタミネート(1:1)29mg(0.055mmol)とカップリングさせた。分取HPLCによる精製によって、保護された中間体39.5mg(理論値の82%)を得た。最初に、この中間体のベンジルエステル基を水素分解的に除去した。次に、3当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にDMF中で1−{2−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−2−オキソエチル}−1H−ピロール−2,5−ジオンとカップリングさせ、中間体F119の場合のようにトリフルオロエタノール中にて塩化亜鉛によってTeoc保護基を除去することで、さらに2段階で、標題化合物を得た。
【1438】
LC−MS(方法12):R
t=1.44分;MS(ESIpos):m/z=822(M+H)
+。
【1439】
中間体F326
N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−N
2−(ブロモアセチル)−D−α−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化365】
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【1440】
1.5当量のHATUおよび4当量の4−メチルモルホリンの存在下に、中間体C58 43mg(0.066mmol)を中間体L125 57mg(0.077mmol)とカップリングさせた。分取HPLCによる精製によって、保護された中間体27mg(理論値の34%)を得た。これを、中間体F119について記載の方法に従って、トリフルオロエタノール中にて塩化亜鉛を用いて、標題化合物に変換した。
【1441】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=805および807(M+H)
+。
【1442】
B:抗体薬物複合体(ADC)の製造
B−1.
抗CD123抗体形成の一般的方法
CDR移植によって抗CD123抗体を得た。7G3抗体(EP2426148)の配列は、TPP−5969およびTPP−5971などのヒト化抗体の開始点を表す。12F1に基づく二重特異性scFv免疫融合タンパク質がWO2013/173820に開示されている。12F1の可変領域(VHおよびVL)の配列の公開(WO2013/173820)に基づいて、次の抗体配列を、ドナー免疫グロブリンの可変ドメイン(VHおよびVL)とヒト抗体の定常領域との融合によって得た。12F1のキメラ変異体が生成された。
【1443】
ヒト化
CDRをヒト抗体骨格に導入することで、7G3抗体のマウス抗体配列をヒト化した。KabatによるCDR類の定義については、Andre C.R. Martin, ″Protein sequence and structure analysis of antibody variable domains″, Antibody Engineering (Springer Lab Manuals), Eds.: Duebel, S. and Kontermann, R., Springer−Verlag, Heidelbergを参照する。マウスフレーム配列(CDRなし)とヒト生殖系列配列との比較後、同様の高頻度で生じるヒトフレーム配列を選択した。この場合、それはJ配列IGHJ4−03を有する重鎖IGHV1−46−01およびJ断片IGKJ2を有する軽鎖IGKV4−1−01であった。生殖系列配列は、VBASE2データベースから得たものである(Retter I, Althaus HH, Munch R, Muller W:VBASE2, an integrative V gene database. Nucleic Acids Res. 2005 Jan 1; 33(Database issue):D671−4)。その配列は、IMGTシステムを用いて命名した(Lefranc, M.−P., Giudicelli, V., Ginestoux, C., Jabado−Michaloud, J., Folch, G., Bellahcene, F., Wu, Y., Gemrot, E., Brochet, X., Lane, J., Regnier, L., Ehrenmann, F., Lefranc, G. and Duroux, P. IMGT(登録商標), the international ImMunoGeneTics information system(登録商標). Nucl. Acids Res, 37, D1006−D1012 (2009); doi:10.1093/nar/gkn838)。本明細書に記載の抗体変異体TPP−5968、TPP−5969およびTPP−5971は、特性に影響し得るヒト生殖系列配列とは異なる各種点変異を有する。
【1444】
B−2.
哺乳動物細胞で抗CD123抗体を発現する一般的方法
Tom et al., Chapter 12 in Methods Express:Expression Systems, edited by Micheal R. Dyson and Yves Durocher, Scion Publishing Ltd, 2007によって記載の方法に従って、抗体、例えばTPP−6013およびTPP−5969を、哺乳動物細胞の一過性培養で製造した。
【1445】
B−3.
細胞上清からの抗体の一般的精製方法
抗体、例えばTPP−6013およびTPP−5969を、細胞培養上清から得た。細胞を遠心することで、細胞上清を清澄化した。次に、細胞上清を、MabSelect Sure(GE Healthcare)クロマトグラフィーカラムでのアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。このために、カラムをDPBS pH7.4(Sigma/Aldrich)中で平衡状態とし、細胞上清を加え、カラムを約10カラム体積のDPBS pH7.4+500mM塩化ナトリウムで洗浄した。抗体を50mM酢酸ナトリウムpH3.5+500mM塩化ナトリウムで溶離し、次にDPBS pH7.4でのSuperdex 200カラム(GE Healthcare)におけるゲル濾過クロマトグラフィーによってさらに精製した。
【1446】
BIAcore分析を介しての可溶性IL3Rα(R&D Systemsから入手)への結合アフィニティによって、抗体をさらに特性決定した。抗CD123抗体の細胞結合特性を求めるため、CD123−陽性癌細胞株(MOLM−13、THP−1)でのフローサイトメトリーによって結合を測定した。
【1447】
B−4.システイン側鎖へのカップリングの一般的方法
次の抗体を、当該カップリング反応に用いた。
【1448】
抗CD123 AK
1A(TPP−5969)
抗CD123 AK
1B(TPP−5971)
抗CD123 AK
1C(TPP−6013)
抗CD123 AK
1D(TPP−5968)
カップリング反応は通常、アルゴン下で行った。
【1449】
PBS緩衝液に溶かした2から5当量のトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)を、1mg/mLから20mg/mLの濃度範囲、好ましくは約10mg/mLから15mg/mLの範囲での適切な抗体のPBS緩衝液中溶液に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。これに関しては、使用した個々の抗体の溶液は、実施例で記載の濃度で用いることができるか、指定の出発濃度の約1/2までPBS緩衝液で希釈して、好ましい濃度範囲とすることもできる。次に、所期の負荷量に応じて、2から12当量、好ましくは約5から10当量のカップリング対象のマレインイミド前駆体化合物またはハライド前駆体化合物をDMSO中溶液として加えた。この場合、DMSOの量は総体積の10%を超えるものであってはならない。反応液を、マレインイミド前駆体の場合には室温で60から240分間、ハライド前駆体の場合には室温で8から24時間撹拌し、次にPBS平衡化PD10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に負荷し、PBS緩衝液で溶離した。通常、別段の断りがない限り、PBS緩衝液中の対象抗体5mgを、還元およびその後のカップリングに用いた。そうして、PD10カラムでの精製により、各場合で、個々のADCのPBS緩衝液(3.5mL)中溶液を得た。サンプルを超遠心によって濃縮し、適宜にPBS緩衝液で再希釈した。必要な場合、低分子量成分をより良好に除去するため、PBS緩衝液による再希釈後に、超遠心による濃縮を繰り返した。生物試験のため、必要な場合、最終ADCサンプルの濃度を、適宜に、再希釈によって0.5から15mg/mLの範囲に調節した。実施例で記載のADC溶液の個々のタンパク質濃度を求めた。さらに、B−7下に記載の方法を用いて、抗体負荷量(薬物/mAb比)を求めた。
【1450】
リンカーに応じて、実施例で示されているADCは、多少、抗体に結合した加水分解された開鎖コハク酸アミドの形態で存在していても良い。
【1451】
特に、リンカー下位構造:
【化366】
[この文献は図面を表示できません]
【1452】
を介して抗体のチオール基に結合しているKSP−I−ADを、開鎖コハク酸アミドを介して結合したADCを介して、図式26に従って、カップリング後の再緩衝化およびpH8での約20から24時間の撹拌によって、標的指向的に製造することもできる。
【1453】
#1は抗体への硫黄架橋を表し、#2は修飾KSP阻害剤への結合点を表す。
【1454】
リンカーが加水分解された開鎖コハク酸アミドを介して抗体に結合しているそのようなADCは、下記のような例示的手順により、標的指向的に製造することもできる。
【1455】
小規模カップリング:
PBS緩衝液に溶かした2から5当量のトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)を、濃度範囲1mg/mLから20mg/mL、好ましくは約5mg/mLから15mg/mLの範囲の対象の抗体2から5mgのPBS緩衝液中溶液に加え、混合物を室温で30分から1時間撹拌した。これに関しては、使用される個々の抗体の溶液は、実施例で提供の濃度で用いることができるか、表記の出発濃度の約1/2までPBS緩衝液で希釈して、好ましい濃度範囲を得ても良い。次に、所期の投入量に応じて、2から12当量、好ましくは約5から10当量のカップリングされるマレインイミド前駆体化合物を、DMSO中溶液として加える。ここで、DMSOの量は総体積の10%を超えてはならない。混合物を室温で60から240分間撹拌し、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液で希釈して体積3から7mLとし、アルゴン下に室温で終夜撹拌する。次に、この溶液を、PBS緩衝液pH7.2で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に通し、PBS緩衝液pH7.2で溶離する。次に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈する。
【1456】
中規模カップリング:
アルゴン下に、TCEP 0.344mgのPBS緩衝液(100μL)中溶液を、PBS緩衝液5mL中の対象抗体60mg(濃度約12mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 600μLに溶かした0.003mmolのマレインイミド前駆体化合物を加えた。室温でさらに1.5時間から2時間撹拌した後、反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1075μLで希釈した。
【1457】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡化しておいたPD10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に負荷し、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をPBS緩衝液pH8で希釈して総容量14mLとした。この溶液を室温でアルゴン下に終夜撹拌した。必要な場合、その溶液を再緩衝化してpH7.2とした。そのADC溶液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、適宜に再度濃縮して濃度約10mg/mLとした。
【1458】
実施例での他の加水分解感受性であり得る抗体へのチアニルコハク酸イミド架橋は、次のリンカー下位構造を含み、#1は抗体へのチオエーテル連結を表し、#2は修飾KSP阻害剤への結合点を表す。
【化367】
[この文献は図面を表示できません]
【1459】
これらのリンカー下位構造は、抗体への連結ユニットを表し、(リンカー組成物に加えて)腫瘍細胞で生成される代謝物の構造およびプロファイルに対して大きい効果を有する。
【1460】
示された構造式において、AK
1A、AK
1B、AK
1CおよびAK
1Dは次の意味:
AK
1A=抗CD123AK
1A(TPP−5969)(部分還元)−S§
1
AK
1B=抗CD123AK
1B(TPP−5971)(部分還元)−S§
1
AK
1C=抗CD123AK
1C(TPP−6013)(部分還元)−S§
1
AK
1D=抗CD123AK
1D(TPP−5968)(部分還元)−S§
1。
【1461】
式中、
§
1は、コハク酸イミド基へのまたはいずれかの異性体の加水分解された開鎖コハク酸アミドまたはそれから生じるアルキレン基への連結を表し、
Sは、部分還元抗体のシステイン残基の硫黄原子を表す。
【1462】
B−5.リジン側鎖へのカップリングの一般的方法
次の抗体を、当該カップリング反応に用いた。
【1463】
抗CD123AK
1A(TPP−5969)
抗CD123AK
1B(TPP−5971)
抗CD123AK
1C(TPP−6013)
抗CD123AK
1D(TPP−5968)。
【1464】
カップリング反応は通常、アルゴン下で行った。
【1465】
2から8当量のカップリング対象の前駆体化合物を、DMSO中溶液として、所期の負荷量に応じて1mg/mLから20mg/mL濃度範囲の、好ましくは約10mg/mLの対象抗体のPBS緩衝液中溶液に加えた。室温で30分から6時間撹拌後、DMSO中の同量の前駆体化合物を再度加えた。この場合、DMSOの量は総体積の10%を超えてはならない。室温でさらに30分から6時間撹拌後、反応をPBSで平衡化したPD10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に負荷し、PBS緩衝液で溶離した。通常、別段の断りがない限り、PBS緩衝液中の対象抗体5mgを、還元およびその後のカップリングに用いた。従って、PD10カラムでの精製によって各場合で、個々のADCのPBS緩衝液(3.5mL)中溶液を得た。サンプルを超遠心によって濃縮し、適宜にPBS緩衝液で再希釈した。必要であれば、低分子量成分の除去をより良好に行うため、限外濾過による濃縮を、PBS緩衝液による再希釈後に繰り返した。生物試験のため、必要な場合、最終ADCサンプルの濃度を、適宜に、再希釈によって0.5から15mg/mLの範囲に調節した。
【1466】
実施例で記載のADC溶液の個々のタンパク質濃度を求めた。さらに、B−7下に記載の方法を用いて、抗体負荷量(薬物/mAb比)を求めた。
【1467】
示した構造式において、AK
2A、AK
2B、AK
2CおよびAK
2Dは次の意味:
AK
2A=抗CD123AK
1A(TPP−5969)−NH§
2
AK
2B=抗CD123AK
1B(TPP−5971)−NH§
2
AK
2C=抗CD123AK
1C(TPP−6013)−NH§
2
AK
2D=抗CD123AK
1D(TPP−5968)−NH§
2
を有し、
式中、
§
2は、カルボニル基への連結を表し、
NHは、抗体のリジン残留物の側鎖アミノ基を表す。
【1468】
B−6a.閉鎖コハク酸イミド−システイン付加物の一般的製造方法
例示的実施形態において、10μmolの上記マレインイミド前駆体化合物をDMF 3から5mLに取り、L−システイン2.1mg(20μmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間から24時間撹拌し、次に減圧下に濃縮し、分取HPLCによって精製した。
【1469】
B−6aa.異性体開鎖コハク酸アミド−システイン付加物の一般的製造方法:
例示的実施形態において、上記マレインイミド前駆体化合物68μmolを、DMF 15mLに取り、N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン36mg(136μmol)を加えた。反応混合物を室温で約20時間撹拌し、次に減圧下に濃縮し、分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去し、次に、残留物をTHF/水1:1 15mLに溶かした。2M水酸化リチウム水溶液131μLを加え、反応液を室温で1時間撹拌した。次に、反応液を1M塩酸で中和し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、理論値の約50%の位置異性体保護中間体を無色泡状物として得た。
【1470】
最後の段階で、0.023mmolのこれらの位置異性体加水分解生成物を2,2,2−トリフルオロエタノール3mLに溶かした。塩化亜鉛12.5mg(0.092mmol)を加え、反応液を50℃で4時間撹拌した。次に、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸27mg(0.092mmol)を加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、加水分解開鎖スルファニルコハク酸アミドを位置異性体混合物として得た。
【1471】
本発明による複合体のさらなる精製および特性決定
反応後、場合により、反応混合物を、例えば限外濾過によって濃縮し、脱塩し、例えばSephadex(登録商標)G−25カラムを用いるクロマトグラフィーによって精製した。例えば、ホスフェート緩衝生理食塩水(PBS)で、溶離を行った。次に、溶液を無菌濾過し、冷凍した。あるいは、複合体を凍結乾燥することができる。
【1472】
B−7.抗体、担毒体負荷量および開鎖システイン付加物の割合の測定
脱グリコシル化および/または変性後の分子量測定に加えてタンパク質同定のため、トリプシン消化を行い、それは、変性、還元および誘導体化後に、トリプシンペプチドを介してタンパク質のアイデンティティーを確認するものである。
【1473】
実施例に記載の複合体の得られたPBS緩衝液溶液の担毒体負荷量を、下記のように求めた。
【1474】
リジン連結ADCの担毒体負荷量の測定を、個々の複合体種の分子量の質量分析測定によって行った。ここで、抗体複合体を最初に、PNGaseFで脱グリコシル化し、サンプルを酸性とし、HPLC分離/脱塩後に、ESI−MicroTof
Q(Bruker Daltonik)を用いる質量分析によって分析した。TIC(全イオンクロマトグラム)におけるシグナルでの全てのスペクトラムを加え、異なる複合体種の分子量をMaxEntデコンボリューションに基づいて計算した。次に、異なる種のシグナル積分後に、DAR(=薬物/抗体比)を計算した。
【1475】
還元および変性ADCの逆相クロマトグラフィーによって、システイン連結複合体の担毒体負荷量を求めた。グアニジニウム塩酸塩(GuHCl)(28.6mg)およびDL−ジチオスレイトール(DTT)の溶液(500mM、3μL)をADC溶液(1mg/mL、50μL)に加えた。混合物を55℃で1時間インキュベートし、HPLCによって分析した。
【1476】
HPLC分析を、220nmで検出を行うAgilent 1260HPLCシステムで行った。Polymer Laboratories PLRP−Sポリマー逆相カラム(カタログ番号PL1912−3802)(2.1×150mm、粒径8μm、1000Å)を、次の勾配:0分、25%B;3分、25%B;28分、50%Bで流量1mL/分で用いた。移動相Aは、0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)/水からなり、移動相Bは0.05%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルからなるものであった。
【1477】
非複合体化抗体の軽鎖(L0)および重鎖(H0)との保持時間比較によって、検出されたピークの割り当てを行った。専ら複合体化サンプルで検出されたピークを、1個の担毒体(L1)を有する軽鎖および1個、2個および3個の担毒体(H1、H2、H3)を有する重鎖に割り当てた。
【1478】
担毒体を有する抗体の平均負荷量を、HC負荷およびLC負荷の合計の倍として積分することで測定されるピーク面積から計算した(LC負荷は、全てのLCピークの担毒体数平均加重積分結果の合計を全てのLCピークの単一加重積分結果の合計で割った値から計算され、HC負荷は全てのHCピークの担毒体数平均加重積分結果の合計を全てのHCピークの単一加重積分結果の合計によって割った値から計算される。)。個々の場合で、いくつかのピークの共溶出のために、正確に担毒体負荷を決定することはできない可能性がある。
【1479】
軽鎖および重鎖をHPLCによって十分に分離できなかった場合、システイン連結複合体の担毒体負荷量の測定は、軽鎖および重鎖での個々の複合体種の分子量の質量分析測定によって行った。
【1480】
グアニジニウム塩酸塩(GuHCl)(28.6mg)およびDL−ジチオスレイトール(DTT)の溶液(500mM、3μL)をADC溶液(1mg/mL、50μL)に加えた。混合物を55℃で1時間インキュベートし、ESI−MicroTof
Q(Bruker Daltonik)を用いるオンライン脱塩後に質量分析によって分析した。
【1481】
DAR測定のため、全てのスペクトラムを、TIC(全イオンクロマトグラム)におけるシグナルに加え、軽鎖および重鎖での異なる複合体種の分子量をMaxEntデコンボリューションに基づいて計算した。担毒体を有する抗体の平均負荷量を、HC負荷およびLC負荷の合計の倍として積分することで測定されるピーク面積から計算した(LC負荷は、全てのLCピークの担毒体数平均加重積分結果の合計を全てのLCピークの単一加重積分結果の合計で割った値から計算され、HC負荷は全てのHCピークの担毒体数平均加重積分結果の合計を全てのHCピークの単一加重積分結果の合計によって割った値から計算される。)。
【1482】
開鎖システイン付加物の割合を求めるため、全ての単一複合体化軽鎖および重鎖変異体の閉鎖:開鎖システイン付加物(分子量Δ18ダルトン)の分子量面積比を求めた。全ての変異体の平均によって、開鎖システイン付加物の割合を得た。
【1483】
B−8.ADC類の抗原結合のチェック
バインダーの標的分子への結合能力を、カップリングが起こった後に調べた。当業者であれば、この目的に用いられる多種多様の方法については熟知しており、例えば、複合体のアフィニティは、ELISA技術または表面プラズモン共鳴分析(BIAcore(商標名)測定)を用いて調べることができる。複合体濃度は、例えばタンパク質による抗体複合体についての一般的な方法を用いて当業者が測定することができる(Doronina et al.; Nature Biotechnol. 2003;21:778−784およびPolson et al., Blood 2007;1102:616−623も参照)。
【1484】
代謝物実施形態
実施例M1
S−[1−(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化368】
[この文献は図面を表示できません]
【1485】
中間体F104 1.8mg(2μmol)をDMF 1mLに取り、L−システイン2.7mg(22μmol)を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌し、減圧下に濃縮し、分取HPLCによって精製した。標題化合物0.6mg(理論値の26%)が無色泡状物として残った。
【1486】
LC−MS(方法1):R
t=0.80分;MS(EIpos):m/z=814[M+H]
+。
【1487】
実施例M2
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
および
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化369】
[この文献は図面を表示できません]
【1488】
LC−MS(方法1):R
t=0.80分;MS(EIpos):m/z=814[M+H]
+。
【1489】
最初に、L−システインを、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、DMF中の1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンでN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システインに変換した。
【1490】
N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン406mg(1.53mmol)をDMF 10mLに溶かし、無水マレイン酸157.5mg(1.606mmol)を加え、反応液を室温で1時間撹拌した。中間体C66 7.5mg(0.01mmol)をこの溶液130μLに加え、反応液を室温で5分間撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、保護中間体10mg(89%)を得たが、HPLCによってもLC−MSによっても位置異性体を分離することはできなかった。
【1491】
LC−MS(方法1):R
t=1.38分;MS(EIpos):m/z=1120[M+H]
+。
【1492】
最後の段階で、この中間体10mgを2,2,2−トリフルオロエタノール2mLに溶かした。塩化亜鉛12mg(0.088mmol)を加え、反応液を50℃で30分間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸26mg(0.088mmol)を加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物8.3mg(理論値の99%)を87:13の比率での位置異性体混合物として得た。
【1493】
LC−MS(方法5):R
t=2.3分および2.43分;MS(ESIpos):m/z=832(M+H)
+。
【1494】
1H−NMR主位置異性体:(500MHz、DMSO−d
6):D=8.7(m、1H)、8.5(m、2H)、8.1(m、1H)、7.6(m、1H)、7.5(s、1H)7.4−7.15(m、6H)、6.9−7.0(m、1H)、6.85(s、1H)、5.61(s、1H)、4.9および5.2(2d、2H)、4.26および4.06(2d、2H)、3.5−3.8(m、5H)、3.0−3.4(m、5H)、2.75−3.0(m、3H)、2.58および2.57(dd、1H)、0.77および1,5(2m、2H)、0.81(s、9H)。
【1495】
別法として、位置異性体標題化合物を次のように製造した。
【1496】
このために、最初に、L−システインを、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にDMF中の1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンでN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システインに変換した。
【1497】
中間体F104 55mg(0.068mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン36mg(0.136mmol)をDMF 15mLに溶かし、混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去し、残留物をTHF/水1:1 15mLに溶かした。2M水酸化リチウム水溶液131μLを加え、反応液を室温で1時間撹拌した。次に、反応液を1M塩酸で中和し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を、分取HPLCによって精製した。これによって、位置異性体保護中間体37mg(理論値の50%)を無色泡状物として得た。
【1498】
LC−MS(方法5):R
t=3.33分および3.36分;MS(ESIpos):m/z=976(M+H)
+。
【1499】
最後の段階で、この中間体25mg(0.023mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール3mLに溶かした。塩化亜鉛12.5mg(0.092mmol)を加え、反応液を50℃で4時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸27mg(0.092mmol)を加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物18.5mg(理論値の85%)を21:79の比率での位置異性体混合物として得た。
【1500】
LC−MS(方法5):R
t=2.37分および3.44分;MS(ESIpos):m/z=832(M+H)
+。
【1501】
実施例M3
4−[(2−{[(2R)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−2−カルボキシエチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
および
4−[(2−{[(2R)−2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)−2−カルボキシエチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化370】
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【1502】
最初に、L−システインを、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、DMF中の1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンでN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システインに変換した。
【1503】
中間体F193 11mg(0.013mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン8mg(0.016mmol)を、DMF 3mLに溶かし、混合物を室温で20時間撹拌した。その混合物を濃縮し、残留物を、分取HPLCによって精製した。
【1504】
適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去し、残留物をTHF/水1:1 2mLに溶かした。2M水酸化リチウム水溶液19μLを加え、反応液を室温で1時間撹拌した。追加の2M水酸化リチウム水溶液19μLを加え、反応液を室温で終夜撹拌した。混合物を1M塩酸で中和し、溶媒を減圧下に留去し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、位置異性体保護中間体4.1mg(理論値の38%)を無色泡状物として得た。
【1505】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分(広い);MS(ESIpos):m/z=1020(M+H)
+。
【1506】
最後の段階で、この中間体4.1mg(0.004mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール3mLに溶かした。塩化亜鉛3mg(0.022mmol)を加え、反応液を50℃で1時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸6mg(0.022mmol)および0.1%強度トリフルオロ酢酸水溶液2mLを加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物5mg(定量的)を20:80の比率での位置異性体混合物として得た。
【1507】
LC−MS(方法1):R
t=0.78分(広い);MS(ESIpos):m/z=876(M+H)
+。
【1508】
LC−MS(方法5):R
t=2.36分および2.39分;MS(ESIpos):m/z=876(M+H)
+。
【1509】
実施例M4
S−(1−{2−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エトキシ]エチル}−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化371】
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【1510】
中間体F248 3mg(4μmol)をDMF 2mLに取り、L−システイン0.9mg(8μmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画を濃縮して、アセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥後に、標題化合物1.1mg(理論値の32%)を白色固体として得た。
【1511】
LC−MS(方法1):R
t=0.78分;MS(EIpos):m/z=801[M+H]
+。
【1512】
実施例M5
(3R,7S)−7−アミノ−17−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−3−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−4−グリコロイル−2,2−ジメチル−8,16−ジオキソ−12−オキサ−4,9,15−トリアザノナデカン−19−オン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
および
(3R,7S)−7−アミノ−18−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−3−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−4−グリコロイル−2,2−ジメチル−8,16−ジオキソ−12−オキサ−4,9,15−トリアザノナデカン−19−オン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化372】
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【1513】
中間体F248の保護中間体8mg(0.010mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン5.1mg(0.02mmol)をDMF 3mLに溶かし、混合物を室温で18時間撹拌し、超音波浴で2時間処理した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去し、残留物をTHF/水1:1 2mLに溶かした。2M水酸化リチウム水溶液15μLを加え、反応液を室温で15分間撹拌した。反応液を1M塩酸でpH約3に調節し、塩化ナトリウム溶液20mLで希釈し、酢酸エチル20mLで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮し、残留物をアセトニトリル/水から凍結乾燥した。これによって、位置異性体保護中間体8.4mg(2段階で理論値の78%)を無色泡状物として得た。
【1514】
LC−MS(方法1):R
t=1.44分および3.43分;MS(ESIpos):m/z=1107(M+H)
+。
【1515】
最後の段階で、この中間体8mg(0.007mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール5mLに溶かした。塩化亜鉛9.8mg(0.072mmol)を加え、反応液を50℃で1.5時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸を加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物4mg(理論値の59%)を31:67の比率での位置異性体混合物として得た。
【1516】
LC−MS(方法1):R
t=0.79分および0.81分;MS(ESIpos):m/z=819(M+H)
+。
【1517】
実施例M6
2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−({(14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカ−1−イル}アミノ)−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)および
3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−({(14R)−13−(3−アミノプロピル)−14−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−15,15−ジメチル−2,7,12−トリオキソ−10−チア−3,6,13−トリアザヘキサデカ−1−イル}アミノ)−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化373】
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【1518】
中間体F213 18mg(0.021mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン11.2mg(0.04mmol)をDMF 2mLに溶かし、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物(21.2mg)をTHF/水1:1 3mLに溶解させた。2M水酸化リチウム水溶液0.04mLを加え、反応液を室温で3時間撹拌した。2M水酸化リチウム水溶液0.02mLを加え、反応液を室温で1時間撹拌した。酢酸7.2mg(0.12mmol)を用いて反応液をpH約7に調節した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水;0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、位置異性体保護中間体13mg(2段階で57%)を得た。
【1519】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分;MS(ESIpos):m/z=1020(M+H)
+。
【1520】
最後の段階で、この中間体13mg(0.01mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール2mLに溶かした。塩化亜鉛6.2mg(0.05mmol)を加え、反応液を50℃で7時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.3mg(0.05mmol)を加え、生成物を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物10.3mg(81.4%)を位置異性体混合物として得た。
【1521】
LC−MS(方法1):R
t=1.03分;MS(ESIpos):m/z=875(M+H)
+。
【1522】
実施例M7
S−(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化374】
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【1523】
中間体F119 6mg(8μmol)をDMF 3mLに取り、L−システイン1.8mg(15μmol)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、室温で3日間経過させた。反応を減圧下に濃縮し、生成物を、分取HPLCによって精製した。
【1524】
LC−MS(方法1):R
t=0.81分;MS(ESIpos):m/z=717(M+H)
+。
【1525】
実施例M8
(3R)−6−{(11S,15R)−11−アミノ−15−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−14−グリコロイル−16,16−ジメチル−2,5,10−トリオキソ−3,6,9,14−テトラアザヘプタデカ−1−イル}−5−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化375】
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【1526】
実施例135からの化合物4mg(0.004mmol)をTHF/水4mLに溶かし、2M水酸化リチウム水溶液48μLを加えた。反応液を室温で1時間撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、濃縮し、アセトニトリル/水から凍結乾燥することで、標題化合物2.4mg(理論値の60%)を得た。
【1527】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(EIpos):m/z=814[M+H]
+。
【1528】
実施例M9
N−(3−アミノプロピル)−N−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2−ヒドロキシアセトアミド
【化376】
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【1529】
最初に(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン(中間体C52)150.0mg(0.42mmol)を、ジクロロメタン2.0mLに入れ、HOAc 29.2mg(0.49mmol)および水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム125.6mg(0.59mmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロパナール98.9mg(0.49mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を飽和炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール100:1)で精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン188.6mg(74%)を得た。
【1530】
LC−MS(方法1):R
t=1.00分;MS(ESIpos):m/z=541[M+H]
+。
【1531】
最初に2−[3−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン171.2mg(0.32mmol)を、ジクロロメタン5.0mLに入れ、トリエチルアミン73.6mg(0.73mmol)を加えた。0℃で、アセトキシアセチルクロライド94.9mg(0.70mmol)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回および飽和NaCl溶液で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を、Biotage Isolera(シリカゲル、カラム10gSNAP、流量12mL/分、酢酸エチル/シクロヘキサン1:3)を用いて精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、化合物2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロピル]アミノ)−2−オキソ酢酸エチル159.0mg(77%)を得た。
【1532】
LC−MS(方法1):R
t=1.35分;MS(ESIpos):m/z=642[M+H]
+。
【1533】
2−({(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)プロピル]アミノ)−2−オキソ酢酸エチル147.2mg(0.23mmol)を最初に、エタノール4.0mLに入れ、メタンアミン(40%水溶液)356.2mg(4.59mmol)を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をトルエンで3回共蒸留した。残留物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物67.4mg(63%)を得た。
【1534】
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=470[M+H]
+。
【1535】
実施例M10
(2R,28R)−28−アミノ−2−[({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)メチル]−25−(カルボキシメチル)−4,20,24−トリオキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−26−チア−3,19,23−トリアザノナコサン−1,29−ジオン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)および
(1R,28R,34R)−1−アミノ−33−(3−アミノプロピル)−34−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−35,35−ジメチル−6,10,26,32−テトラオキソ−14,17,20,23−テトラオキサ−3,30−ジチア−7,11,27,33−テトラアザヘキサトリアコンタン−1,4,28−トリカルボン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化377】
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【1536】
R−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体F209)20mg(0.018mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン9.78mg(0.036mmol)をDMF 2mLに溶かし、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物(47.7mg)をTHF/水1:1 3mLに溶解させた。2M水酸化リチウム水溶液0.08mLを加え、反応液を室温で1時間撹拌した。酢酸9.26mg(0.15mmol)を用いて、反応液をpH約7に調節した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水;0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、位置異性体保護中間体15.3mg(2段階で29%)を得た。
【1537】
LC−MS(方法6):R
t=12.26分および12.30分;MS(ESIpos):m/z=1254(M+H)
+。
【1538】
最後の段階で、この中間体15.3mg(0.01mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール2mLに溶かした。塩化亜鉛6.1mg(0.05mmol)を加え、反応液を50℃で2時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸13.1mg(0.05mmol)を加え、生成物を分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物11.9mg(79.5%)を位置異性体混合物として得た。
【1539】
LC−MS(方法1):R
t=0.85分;MS(ESIpos):m/z=1110(M+H)
+。
【1540】
実施例M11
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化378】
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【1541】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C71)15.0mg(0.018mmol)をトリフルオロエタノール1.0mLに溶かし、二塩化亜鉛7.4mg(0.054mmol)を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸15.8mg(0.054mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物11.1mg(77%)を得た。
【1542】
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=573(M+H)
+。
【1543】
実施例M12
4−{[(1R)−2−({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−1−カルボキシエチル]アミノ}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化379】
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【1544】
S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタノイル)−L−システイン(中間体C77)12.2mg(0.014mmol)をトリフルオロエタノール2.0mLに溶かし、二塩化亜鉛11.4mg(0.084mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸24.5mg(0.084mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌し、水(0.1%TFA)を加えた。分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水、0.1%TFA)によって直接、精製を行った。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、標題化合物4.6mg(42%)を得た。
【1545】
LC−MS(方法1):R
t=0.88分;MS(ESIpos):m/z=673(M+H)
+。
【1546】
実施例M13
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体1、エピマー1(2R)または(2S)。
【化380】
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【1547】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1548】
最初に、メチルL−システイネート塩酸塩(1:1)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下にDMF中の1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンでメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネートに変換した。
【1549】
市販の3−ブロモ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸408mg(1.93mmol)およびメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネート180mg(0.644mmol)をDMF 8mLに溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン147mg(0.97mmol)を加えた。室温で18時間撹拌後、追加の3−ブロモ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸136mg(0.64mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン147mg(0.97mmol)を加え、混合物を室温でさらに12時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に留去して、4−メトキシ−3−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸151mg(理論値の57%)を得た。
【1550】
LC−MS(方法12):R
t=1.74分;MS(ESIneg):m/z=408(M−H)
−。
【1551】
この中間体のうち145mgを、キラルカラムによる超臨界流体クロマトグラフィーによって個々のジアステレオマー(SFC;カラム:DAICEL、AD−H 5μ 250×20mm;流量:80mL/分;方法:AD−25%ETOH−80mL;圧力:100バール;波長:210nM)に分離し、エピマー1 63mg(43%)およびエピマー2 58mg(40%)を得た。
【1552】
エピマー1を次のように特性決定した。
【1553】
LC−MS(方法5):R
t=2.94分;MS(ESIneg):m/z=408(M−H)
−。
【1554】
1H−NMR:(400MHz、DMSO−d
6):D=7.57(d、1H)、4.24(m、1H)、4.05(t、2H)、3.67(t、1H)、3.65(s、3H)、3.62(s、3H)、3.05(dd、1H)、2.70−2.88(m、2H)、2.59(dd、1H)、0.93(t、2H)、0.02(s、9H)。
【1555】
エピマー2を次のように特性決定した。
【1556】
LC−MS(方法5):R
t=2.95分;MS(ESIneg):m/z=408(M−H)
−。
【1557】
1H−NMR:(400MHz、DMSO−d
6):D=7.58(d、1H)、4.16−4.23(m、1H)、4.05(t、2H)、3.67(dd、1H)、3.65(s、3H)、3.64(s、3H)、3.04(dd、1H)、2.88(dd、1H)、2.77(dd、1H)、2.61(dd、1H)、0.92(t、2H)、0.02(s、9H)。
【1558】
エピマー1 32.5mg(0.079mmol)を、HATU 30mg(0.079mmol)および4−メチルモルホリン13.4mg(0.132mmol)の存在下に中間体C66 50mg(0.066mmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体メチル4−{[(8S)−8−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]エチル}−2,2−ジメチル−6,9,14−トリオキソ−5−オキサ−7,10,13−トリアザ−2−シラペンタデカン−15−イル]アミノ}−2−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタノエート43mg(理論値の57%)を得た。
【1559】
この中間体40mg(0.035mmol)を室温で2M水酸化リチウム溶液0.9mL/メタノール11mLとともに20分間撹拌して、両方のメチルエステル基を開裂させた。HPLCによる精製によって、ジカルボン酸誘導体12mg(理論値の31%)を得た。
【1560】
LC−MS(方法5):R
t=4.74分;MS(ESIpos):m/z=1120[M+H]
+。
【1561】
最後に、この中間体10mg(0.009mmol)を、上記で記載の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物2.6mg(理論値の30%)を得た。
【1562】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1563】
実施例M14
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体1、エピマー2(2Rまたは2S)。
【化381】
[この文献は図面を表示できません]
【1564】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(EIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1565】
実施例M13に記載の中間体エピマー2を、実施例M13における記載と同様にして反応させた。
【1566】
エピマー2 32.5mg(0.079mmol)を、HATU 30mg(0.079mmol)および4−メチルモルホリン13.4mg(0.132mmol)の存在下に、中間体C66 50mg(0.066mmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体メチル4−{[(8S)−8−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]エチル}−2,2−ジメチル−6,9,14−トリオキソ−5−オキサ−7,10,13−トリアザ−2−シラペンタデカン−15−イル]アミノ}−2−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタノエート43mg(理論値の57%)を得た。
【1567】
次に、この中間体40mg(0.035mmol)を、室温で2M水酸化リチウム溶液0.9mL/メタノール11mLとともに20分間撹拌して、両方のメチルエステル基を開裂させた。HPLCによる精製によって、ジカルボン酸誘導体11mg(理論値の28%)を得た。
【1568】
LC−MS(方法5):R
t=4.74分;MS(ESIpos):m/z=1120[M+H]
+。
【1569】
最後に、この中間体10mg(0.009mmol)を、上記の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物4.4mg(理論値の52%)を得た。
【1570】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1571】
実施例M15
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体2、エピマー1(3Rまたは3S)。
【化382】
[この文献は図面を表示できません]
【1572】
LC−MS(方法5):R
t=2.45分;MS(EIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1573】
市販の2−ブロモ−4−エトキシ−4−オキソブタン酸742.8mg(3.3mmol)およびメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネート802mg(2.87mmol)をDMF 32mLに溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン655.4mg(4.31mmol)を加えた。室温で20時間撹拌後、反応液を減圧下に濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去して、4−エトキシ−2−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸521mg(理論値の43%)を得た。
【1574】
LC−MS(方法5):R
t=3.13分;MS(ESIpos):m/z=424(M+H)
+。
【1575】
この中間体のうち510mgを、キラルカラムによる超臨界流体クロマトグラフィーによって個々のジアステレオマーに分離して(SFC;カラム:DAICEL、AD−H 5μ 250×20mm;流量:80mL/分;方法:AD−10%EtOH−80mL;圧力:100バール;波長:210nm)、エピマー1 100mg(20%)およびエピマー2 141mg(28%)を得た。
【1576】
エピマー1を次のように特性決定した。
【1577】
LC−MS(方法1):R
t=0.99分;MS(ESIneg):m/z=422(M−H)
−。
【1578】
1H−NMR:(400MHz、DMSO−d
6):D=7.60(d、1H)、4.18−4.26(m、1H)、4.01−4.08(m、4H)、3.63(s、3H)、3.59(dd、1H)、3.04(dd、1H)、2.92(dd、1H)、2.80(dd、1H)、2.63(dd、1H)、1.17(t、3H)、0.92(t、2H)、0.02(s、9H)。
【1579】
エピマー2を次のように特性決定した。
【1580】
LC−MS(方法5):R
t=2.95分;MS(ESIneg):m/z=408(M−H)
−。
【1581】
1H−NMR:(400MHz、DMSO−d
6):D=7.56(d、1H)、4.21−4.29(m、1H)、4.01−4.1(m、4H)、3.64(s、3H)、3.58(dd、1H)、3.08(dd、1H)、2.85(dd、1H)、2.78(dd、1H)、2.60(dd、1H)、1.17(t、3H)、0.93(t、2H)、0.02(s、9H)。
【1582】
HATU 30mg(0.079mmol)および4−メチルモルホリン13.4mg(0.132mmol)の存在下に、エピマー1 33.6mg(0.079mmol)を中間体C66 50mg(0.066mmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体51mg(理論値の63%)を得た。
【1583】
エチル4−{[(8S)−8−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]エチル}−2,2−ジメチル−6,9,14−トリオキソ−5−オキサ−7,10,13−トリアザ−2−シラペンタデカン−15−イル]アミノ}−3−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタノエート
この中間体49mg(0.042mmol)を、室温で2M水酸化リチウム溶液0.5mL/THF/水1:1 12mLとともに30分間撹拌して、両方のメチルエステル基を開裂させた。酸性とし、HPLCによって精製することで、ジカルボン酸誘導体11mg(理論値の24%)を得た。
【1584】
LC−MS(方法5):R
t=4.68分;MS(ESIpos):m/z=1120[M+H]
+。
【1585】
最後に、この中間体11mg(0.01mmol)を、上記の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物3.7mg(理論値の39%)を得た。
【1586】
LC−MS(方法5):R
t=2.45分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1587】
実施例M16
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体2、エピマー2(3Rまたは3S)。
【化383】
[この文献は図面を表示できません]
【1588】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(EIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1589】
実施例M15に記載の中間体エピマー2を、実施例M15における記載と同様にして反応させた。
【1590】
HATU 30mg(0.079mmol)および4−メチルモルホリン13.4mg(0.132mmol)の存在下に、エピマー2 33.6mg(0.079mmol)を、中間体C66 50mg(0.066mmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体51mg(理論値の63%)を得た。
【1591】
エチル4−{[(8S)−8−{2−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]エチル}−2,2−ジメチル−6,9,14−トリオキソ−5−オキサ−7,10,13−トリアザ−2−シラペンタデカン−15−イル]アミノ}−3−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタノエート
この中間体49mg(0.042mmol)を、室温で2M水酸化リチウム溶液0.5mL/THF/水1:1 12mLとともに30分間撹拌して、両方のメチルエステル基を開裂させた。酸性とし、HPLCによって精製することで、ジカルボン酸誘導体13.4mg(理論値の28%)を得た。
【1592】
LC−MS(方法5):R
t=4.66分;MS(ESIpos):m/z=1120[M+H]
+。
【1593】
最後に、この中間体13.4mg(0.012mmol)を、上記の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物7.5mg(理論値の66%)を得た。
【1594】
LC−MS(方法5):R
t=2.44分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1595】
実施例M17
(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタン酸塩酸塩(1:1)
【化384】
[この文献は図面を表示できません]
【1596】
中間体C53 150mg(0.2mmol)をDMF 15mLおよびDABCO 2.29g(20.39mmol)に溶かした。反応液を超音波浴で30分間処理した。酢酸1.17mLを加えることで、反応液をpH3から4に調節し、混合物を減圧下に濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製し、適切な分画を室温で減圧下に濃縮した。残留物をアセトニトリル/水(1:1)に取り、4N塩酸5mLを加え、混合物を凍結乾燥した。これによって、標題化合物81mg(理論値の68%)を得た。
【1597】
LC−MS(方法5):R
t=2.69分;MS(EIpos):m/z=514[M+H]
+。
【1598】
実施例M18
N−[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]−L−グルタミン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化385】
[この文献は図面を表示できません]
【1599】
最初に、トリフルオロ酢酸/ベンジルN−(2−アミノエチル)−N
2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−グルタミネート(1:1)を、ペプチド化学の古典的方法を用いて製造した。次に、HATUの存在下に、この中間体を中間体C58とカップリングさせた。次に、最初に、ベンジルオキシカルボニル保護基およびベンジルエステルを水素化開裂によって除去し、次に2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル保護基を、塩化亜鉛を用いて除去した。
【1600】
LC−MS(方法6):R
t=1.91分;MS(EIpos):m/z=685[M+H]
+。
【1601】
実施例M19
N
6−(N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル)−L−リジン/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化386】
[この文献は図面を表示できません]
【1602】
最初に、ペプチド化学において公知の古典的保護基操作を用いて、トリフルオロ酢酸/2−(トリメチルシリル)エチル−N2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−リシネート(1:1)を製造した。HATUの存在下に、この中間体を中間体C61とカップリングさせた。次に、最初に、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル保護基および2−(トリメチルシリル)エチルエステルを、塩化亜鉛を用いて開裂させた。最後に、ベンジルオキシカルボニル保護基の水素化分解的開裂および分取HPLCによる精製によって、標題化合物を得た。
【1603】
HPLC(方法11):R
t=1.65分。
【1604】
実施例M20
(1R,4R,27R,33R)−1−アミノ−32−(3−アミノプロピル)−33−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−34,34−ジメチル−6,9,25,31−テトラオキソ−13,16,19,22−テトラオキサ−3,29−ジチア−7,10,26,32−テトラアザペンタトリアコンタン−1,4,27−トリカルボン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化387】
[この文献は図面を表示できません]
【1605】
最初に、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、メチルL−システイネート塩酸塩(1:1)を、DMF中の1−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオンでメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネートに変換した。
【1606】
市販の3−ブロモ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸408mg(1.93mmol)およびメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネート180mg(0.644mmol)をDMF 8mLに溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン147mg(0.97mmol)を加えた。室温で18時間撹拌した後、追加の3−ブロモ−4−メトキシ−4−オキソブタン酸136mg(0.64mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン147mg(0.97mmol)を加え、混合物を室温でさらに12時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去して、4−メトキシ−3−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸151mg(理論値の57%)を得た。
【1607】
LC−MS(方法12):R
t=1.74分;MS(ESIneg):m/z=408(M−H)
−。
【1608】
4−メトキシ−3−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸3.66mg(8.93μmol)を、HATU 3.66mg(8.93μmol)および4−メチルモルホリン1.6μL(15μmol)の存在下に、S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−(グリシルアミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C80)13.0mg(7.44μmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−({N−[(8R,11R)−8,11−ビス(メトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−6,13−ジオキソ−5−オキサ−10−チア−7−アザ−2−シラトリデカン−13−イル]グリシル}アミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン3.9mg(理論値の37%)を得た。
【1609】
この中間体3.90mg(2.76μmol)を、室温で2M水酸化リチウム溶液35μL/THF/水3:1 1.0mLとともに15分間撹拌して、両方のメチルエステル基を開裂させた。HPLCによる精製によって、ジカルボン酸誘導体3.60mg(理論値の94%)を得た。
【1610】
LC−MS(方法5):R
t=4.83分;MS(ESIpos):m/z=1385[M+H]
+。
【1611】
最後に、この中間体3.6mg(2.6μmol)を、上記の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物1.92mg(理論値の55%)を得た。
【1612】
LC−MS(方法5):R
t=2.72分;MS(ESIneg):m/z=1094[M−H]
−。
【1613】
実施例M21
(2R,24S,27R)−27−アミノ−2−[({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)メチル]−24−(カルボキシメチル)−4,20,23−トリオキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−25−チア−3,19,22−トリアザオクタコサン−1,28−ジオン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化388】
[この文献は図面を表示できません]
【1614】
市販の2−ブロモ−4−エトキシ−4−オキソブタン酸742.8mg(3.3mmol)およびメチルN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイネート802mg(2.87mmol)を、DMF 32mLに溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン655.4mg(4.31mmol)を加えた。室温で20時間撹拌後、反応液を減圧下に濃縮し、残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画を合わせ、減圧下に溶媒留去して、4−エトキシ−2−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸521mg(理論値の43%)を得た。
【1615】
LC−MS(方法5):R
t=3.13分;MS(ESIpos):m/z=424(M+H)
+。
【1616】
4−エトキシ−2−{[(2R)−3−メトキシ−3−オキソ−2−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]スルファニル}−4−オキソブタン酸4.36mg(10.3μmol)を、HATU 3.92mg(10.3μmol)および4−メチルモルホリン1.9μL(17μmol)の存在下に、S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−(グリシルアミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体C80)15.0mg(8.59μmol)とカップリングさせて、HPLC精製後に、完全に保護された中間体S−(11−{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−7,11−ジアザ−2−シラトリデカン−13−イル)−N−[15−({N−[(8R,11S)−11−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−8−(メトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−6,12−ジオキソ−5−オキサ−10−チア−7−アザ−2−シラドデカン−12−イル]グリシル}アミノ)−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン−1−オイル]−L−システイン3.6mg(理論値の26%)を得た。
【1617】
この中間体6.20mg(2.82μmol)を、室温で2M水酸化リチウム溶液35μL/THF/水1:1 1.0mLとともに15分間撹拌して、両方のエステル基を開裂させた。酸性とし、HPLCによって精製して、ジカルボン酸誘導体3.60mg(理論値の92%)を得た。
【1618】
LC−MS(方法5):R
t=4.71分;MS(ESIpos):m/z=1385[M+H]
+。
【1619】
最後に、この中間体3.60mg(1.69μmol)を、上記の方法に従って塩化亜鉛/トリフルオロエタノールで完全に脱保護した。残留物を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物0.88mg(理論値の39%)を得た。
【1620】
LC−MS(方法5):R
t=2.72分;MS(ESIneg):m/z=1094[M−H]
−。
【1621】
実施例M22
(2R,27R)−27−アミノ−2−[({2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)メチル]−24−(カルボキシメチル)−4,20,23−トリオキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−25−チア−3,19,22−トリアザオクタコサン−1,28−ジオン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)および
(1R,27R,33R)−1−アミノ−32−(3−アミノプロピル)−33−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−34,34−ジメチル−6,9,25,31−テトラオキソ−13,16,19,22−テトラオキサ−3,29−ジチア−7,10,26,32−テトラアザペンタトリアコンタン−1,4,27−トリカルボン酸/トリフルオロ酢酸(1:2)
【化389】
[この文献は図面を表示できません]
【1622】
S−{2−[(3−アミノプロピル){(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}アミノ]−2−オキソエチル}−N−[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2,18−ジオキソ−6,9,12,15−テトラオキサ−3−アザオクタデカン−18−イル]−L−システイン/トリフルオロ酢酸(1:1)(中間体F257)16.5mg(0.015mmol)およびN−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−システイン8.18mg(0.031mmol)を、DMF 2mLに溶かし、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物(28.9mg)をTHF/水1:1 3mLに溶解させた。2M水酸化リチウム水溶液0.046mLを加え、混合物を室温で3時間撹拌した。次に、酢酸5.2μL(0.092mmol)を用い、混合物をpH約7に調節した。反応混合物を、分取RP−HPLC(カラム:Reprosil 125×30;10μ、流量:50mL/分、MeCN/水;0.1%TFA)によって直接精製した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を高真空下に乾燥した。これによって、位置異性体保護中間体12.1mg(2段階で58%)を得た。
【1623】
LC−MS(方法12):R
t=1.82分;MS(ESIpos):m/z=1240(M+H)
+。
【1624】
最後の段階で、この中間体12.1mg(0.009mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール2mLに溶かした。塩化亜鉛7.3mg(0.054mmol)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。次に、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸15.7mg(0.054mmol)を加え、溶媒を、分取HPLCによって精製した。適切な分画の濃縮およびアセトニトリル/水からの残留物の凍結乾燥によって、標題化合物6.4mg(59%)を位置異性体混合物として得た。
【1625】
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=1096(M+H)
+。
【1626】
実施例M23
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル−L−グルタミン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化390】
[この文献は図面を表示できません]
【1627】
最初に、ジ−tert−ブチルL−グルタメート塩酸塩(1:1)を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C61とカップリングさせた。保護された中間体をトリフルオロエタノールに取り、塩化亜鉛存在下に50℃で終夜撹拌することで、脱保護を完了させた。EDTA添加後に、分取HPLCによる精製によって、後処理を行った。
【1628】
LC−MS(方法12):R
t=1.45分;MS(ESIpos):m/z=714[M+H]
+。
【1629】
実施例M24
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−β−アラニル−D−グルタミン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化391】
[この文献は図面を表示できません]
【1630】
最初に、ジ−tert−ブチルD−グルタメート塩酸塩(1:1)を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C61とカップリングさせた。保護された中間体をトリフルオロエタノールに取り、塩化亜鉛存在下に50℃で撹拌することで、脱保護を完了させた。EDTA添加後に、分取HPLCによる精製によって、後処理を行った。
【1631】
LC−MS(方法12):R
t=1.41分;MS(ESIpos):m/z=714[M+H]
+。
【1632】
実施例M25
N−{(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}−L−グルタミン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
【化392】
[この文献は図面を表示できません]
【1633】
最初に、ジ−tert−ブチルL−グルタメート塩酸塩(1:1)を、HATUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に中間体C61とカップリングさせた。次の段階で、標準水素圧下に45分間にわたり、室温でメタノール中にて10%パラジウム/活性炭で水素化することで、Z保護基を除去した。部分保護された中間体をトリフルオロエタノールに取り、塩化亜鉛の存在下に50℃で7時間撹拌することで、脱保護を完了させた。EDTA添加後に、分取HPLCによる精製によって、後処理を行った。
【1634】
LC−MS(方法12):R
t=1.44分;MS(ESIpos):m/z=643[M+H]
+.
実施例M26
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−2−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体1、エピマーの混合物
【化393】
[この文献は図面を表示できません]
【1635】
本実施例は、実施例13および実施例14の化合物のエピマー混合物について説明するものである。その合成は、実施例13と同様に行い、超臨界流体クロマトグラフィーによる二つのエピマーの分離は行わず、標題化合物をエピマーの混合物として製造した。
【1636】
LC−MS(方法5):R
t=2.43分;MS(ESIpos):m/z=832[M+H]
+.
実施例M27
4−[(2−{[2−({(2S)−2−アミノ−4−[{(1R)−1−[1−ベンジル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピロール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピル}(グリコロイル)アミノ]ブタノイル}アミノ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)アミノ]−3−{[(2R)−2−アミノ−2−カルボキシエチル]スルファニル}−4−オキソブタン酸/トリフルオロ酢酸(1:1)
位置異性体2、エピマーの混合物
【化394】
[この文献は図面を表示できません]
【1637】
本実施例は、実施例15および実施例16の化合物のエピマー混合物について説明するものである。その合成は、実施例15と同様に行い、超臨界流体クロマトグラフィーによる二つのエピマーの分離は行わず、標題化合物をエピマーの混合物として製造した。
【1638】
LC−MS(方法5):R
t=2.45分;MS(EIpos):m/z=832[M+H]
+。
【1639】
実施例ADC
マレイミド基を介して抗体のシステイン側鎖にカップリングさせた実施例の構造式に示したADCは、リンカーおよびカップリング手順に応じて、主として各場合で示した開環型または閉環型で存在する。しかしながら、その製造物は、小さい割合で個々の他の形態を含むことができる。
【1640】
実施例194m1
【化395】
[この文献は図面を表示できません]
【1641】
ここでは、抗CD123 AK1A(TPP−5969)5mg/PBS(500μL)(c=10mg/mL)を、中間体F194とのカップリングに用いた。最初に、DMSO 100μLに溶かした5当量の中間体F194を加え、室温で1時間撹拌後、同量を再度加え、反応液を室温でさらに1時間撹拌した。次に、反応液をSephadexカラムで精製し、次に超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1642】
タンパク質濃度:1.28mg/mL;
薬物/mAb比:3.3。
【1643】
実施例194m2
ここでは、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(500μL)(c=10mg/mL)を、中間体F194とのカップリングに用いた。最初に、DMSO 100μLに溶かした5当量の中間体F194を加え、室温で1時間撹拌後同量を再度加え、反応液を室温でさらに1時間撹拌した、次に、反応液をSephadexカラムで精製し、超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1644】
タンパク質濃度:1.18mg/mL
薬物/mAb比:3.2。
【1645】
実施例194m3
ここでは、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(500μL)(c=10mg/mL)を、中間体F194とのカップリングに用いた。最初に、DMSO 100μLに溶かした5当量の中間体F194を加え、室温で1時間撹拌後、同量を再度加え、反応液を室温でさらに1時間撹拌した。次に、反応液をSephadexカラムで精製し、超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1646】
タンパク質濃度:0.42mg/mL
薬物/mAb比:2.9。
【1647】
実施例208m1
【化396】
[この文献は図面を表示できません]
【1648】
アルゴン下に、TCEP 0.006mgのPBS緩衝液(10μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)1mg/PBS(93μL)(c=10.2mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 10μLに溶かした中間体F104 0.043mg(0.053μmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液2387μLで希釈した。
【1649】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をPBS緩衝液pH8で希釈して総体積15mLとした。この溶液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH7.2とした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1650】
タンパク質濃度:0.54mg/mL
薬物/mAb比:2.5。
【1651】
実施例208m1(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F104 10.76mg(0.0133mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1652】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1653】
タンパク質濃度:9.79mg/mL
薬物/mAb比:2.9。
【1654】
実施例208m2
アルゴン下に、TCEP 0.287mgのPBS緩衝液(0.05mL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F104 0.215mg(0.000267mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1655】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をPBS緩衝液pH8で希釈して総体積15mLとした。この溶液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH7.2とした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1656】
タンパク質濃度:1.76mg/mL
薬物/mAb比:2.8。
【1657】
実施例208m3
アルゴン下に、TCEP 0.29mgのPBS緩衝液(0.05mL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F104 0.215mg(0.000267mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1658】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をPBS緩衝液pH8で希釈して総体積15mLとした。この溶液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH7.2とした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1659】
タンパク質濃度:1.99mg/mL
薬物/mAb比:2.9。
【1660】
実施例208m3(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F104 10.76mg(0.0133mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。
【1661】
合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1662】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1663】
タンパク質濃度:11.06mg/mL
薬物/mAb比:3.4。
【1664】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が86.1%と決定された。
【1665】
実施例208m4
アルゴン下に、TCEP 0.29mgのPBS緩衝液(0.05mL)中溶液を、抗CD123AK
1D(TPP−5968)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F104 0.215mg(0.000267mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1666】
この溶液をPBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をPBS緩衝液pH8で希釈して総体積15mLとした。この溶液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH7.2とした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1667】
タンパク質濃度:1.41mg/mL
薬物/mAb比:3.8。
【1668】
実施例240m1
【化397】
[この文献は図面を表示できません]
【1669】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(366μL)(c=13.66mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1984μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F240 0.199mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1670】
タンパク質濃度:1.84mg/mL
薬物/mAb比:2.7。
【1671】
実施例240m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(337μL)(c=14.85mg/mL)に加えた。反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液2013μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F240 0.199mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液をPBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1672】
タンパク質濃度:1.74mg/mL
薬物/mAb比:2.7。
【1673】
実施例240m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(371μL)(c=13.49mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1979μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F240 0.199mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液をPBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1674】
タンパク質濃度:1.58mg/mL
薬物/mAb比:2.3。
【1675】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が92.9%と決定された。
【1676】
実施例257m1
【化398】
[この文献は図面を表示できません]
【1677】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(366μL)(c=13.66mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1984μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F257 0.290mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1678】
タンパク質濃度:1.78mg/mL
薬物/mAb比:3.2。
【1679】
実施例257m1(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F257 8.92mg(0.0083mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1680】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1681】
タンパク質濃度:11.27mg/mL
薬物/mAb比:3.6。
【1682】
実施例257m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(337μL)(c=14.85mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液2013μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F257 0.290mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1683】
タンパク質濃度:1.54mg/mL
薬物/mAb比:3.1。
【1684】
実施例257m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(371μL)(c=13.49mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1979μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F257 0.290mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1685】
タンパク質濃度:1.59mg/mL
薬物/mAb比:2.4。
【1686】
実施例257m3(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F257 8.93mg(0.0083mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1687】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1688】
タンパク質濃度:13.36mg/mL
薬物/mAb比:3.3。
【1689】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が78.7%と決定された。
【1690】
実施例259m1
【化399】
[この文献は図面を表示できません]
【1691】
ここでは、抗CD123AK
1B(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)を、中間体F259とのカップリングに用いた。抗体の還元時間は30分とし、F259 0.245mg(0.267μmol)を加えた後、反応液を室温で20時間撹拌し、Sephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1692】
タンパク質濃度:1.70mg/mL
薬物/mAb比:1.7。
【1693】
実施例259m2
ここでは、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)を、中間体F259とのカップリングに用いた。抗体の還元時間は30分とし、F259 0.245mg(0.267μmol)を加えた後、反応液を室温で20時間撹拌し、Sephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1694】
タンパク質濃度:1.72mg/mL
薬物/mAb比:1.8。
【1695】
実施例259m3
ここでは、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)を、中間体F259とのカップリングに用いた。抗体の還元時間は30分とし、F259 0.245mg(0.267μmol)を加えた後、反応液を室温で20時間撹拌し、Sephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1696】
タンパク質濃度:1.57mg/mL
薬物/mAb比:2.0。
【1697】
実施例260m1
【化400】
[この文献は図面を表示できません]
【1698】
実施例260m1(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F260 15.1mg(0.0133mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1699】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1700】
タンパク質濃度:9.47mg/mL
薬物/mAb比:3.0。
【1701】
実施例260m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F260 0.302mg(0.00027mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1702】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1703】
タンパク質濃度:1.62mg/mL
薬物/mAb比:3.5。
【1704】
実施例260m3(TV)
アルゴン下に、TCEP 1.4mgのPBS緩衝液(0.83mL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)250mg/PBS(21.7mL)(c=11.5mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 2500μLに溶かした中間体F260 15.1mg(0.0133mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PD−10カラムを用いて再緩衝してpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1705】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積125mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1706】
タンパク質濃度:12.08mg/mL
薬物/mAb比:2.8。
【1707】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が84.5%と決定された。
【1708】
実施例270m1
【化401】
[この文献は図面を表示できません]
【1709】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(366μL)(c=13.66mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1984μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F270 0.188mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1710】
タンパク質濃度:1.71mg/mL
薬物/mAb比:2.7。
【1711】
実施例270m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(337μL)(c=14.85mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液2013μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F270 0.188mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1712】
タンパク質濃度:1.65mg/mL
薬物/mAb比:2.9。
【1713】
実施例270m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(371μL)(c=13.49mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1979μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F270 0.188mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1714】
タンパク質濃度:1.51mg/mL
薬物/mAb比:2.4。
【1715】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が94.4%と決定された。
【1716】
実施例271m1
【化402】
[この文献は図面を表示できません]
【1717】
アルゴン下に、TCEP 0.172mgのPBS緩衝液(0.30mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)30mg/PBS(3.0mL)(c=10.0mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、DMSO 300μLに溶かした中間体F271 1.14mg(0.001mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、PD−10カラムを用いてpH8に再緩衝させた。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1718】
混合物を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積14mLとした。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1719】
タンパク質濃度:11.82mg/mL
薬物/mAb比:3.1。
【1720】
実施例271m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F271 0.267mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1721】
タンパク質濃度:1.33mg/mL
薬物/mAb比:4.2。
【1722】
実施例274m1
【化403】
[この文献は図面を表示できません]
【1723】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(366μL)(c=13.66mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1984μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F274 0.232mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1724】
タンパク質濃度:1.92mg/mL
薬物/mAb比:3.2。
【1725】
実施例274m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(337μL)(c=14.85mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液2013μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F274 0.232mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1726】
タンパク質濃度:1.84mg/mL
薬物/mAb比:3.2。
【1727】
実施例274m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(371μL)(c=13.49mg/mL)に加えた。反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1979μLで希釈し、室温で1時間撹拌した。DMSO 100μLに溶かした中間体F274 0.232mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1728】
タンパク質濃度:1.69mg/mL
薬物/mAb比:3.0。
【1729】
このADC製造に関しては、開環コハク酸イミド型の割合が89.5%と決定された。
【1730】
実施例276m1
【化404】
[この文献は図面を表示できません]
【1731】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F276 0.229mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1732】
タンパク質濃度:1.26mg/mL
薬物/mAb比:3.8。
【1733】
実施例276m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F276 0.229mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に負荷し、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1734】
タンパク質濃度:1.39mg/mL
薬物/mAb比:4.0。
【1735】
実施例281m3
【化405】
[この文献は図面を表示できません]
【1736】
ここでは、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(500μL)を、pH7.2で中間体F281とのカップリングに用いた(c=10mg/mL)。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。次に、F281 0.25mg(0.27μmol)を加えた後、混合物をDMSO 50μL中、室温で20時間撹拌し、次にSephadexで精製した。最後に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1737】
タンパク質濃度:1.42mg/mL
薬物/mAb比:3.8。
【1738】
実施例284m1
【化406】
[この文献は図面を表示できません]
【1739】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F284 0.256mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1740】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1741】
タンパク質濃度:1.78mg/mL
薬物/mAb比:2.7。
【1742】
実施例284m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(450μL)(c=11.1mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F284 0.256mg(0.000233mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、反応液を、予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈した。
【1743】
この溶液を、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1744】
タンパク質濃度:1.83mg/mL
薬物/mAb比:3.3。
【1745】
実施例284m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(510μL)(c=9.8mg/mL)に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F284 0.26mg(0.23μmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液pH8で2.5mLとし、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に通し、PBS緩衝液pH8で溶離し、次に室温で終夜撹拌した。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1746】
タンパク質濃度:1.54mg/mL
薬物/mAb比:2.2。
【1747】
実施例296m1
【化407】
[この文献は図面を表示できません]
【1748】
アルゴン下に、TCEP 0.14mgのPBS緩衝液(0.25mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)25mg/PBS(2.5mL)(c=10mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、DMSO 250μLに溶かした中間体F296 1.05mg(0.0012mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、pH8に調節したPBS緩衝液2mLで希釈し、反応液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1749】
反応液を、PD−10カラムを用いPBD緩衝液で再緩衝してpH7.2とした。混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1750】
タンパク質濃度:7.66mg/mL
薬物/mAb比:2.8。
【1751】
実施例296m2
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(500μL)(c=10mg/mL)に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F296 0.21mg(0.23μmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液pH8で2.5mLとし、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に通し、PBS緩衝液pH8で溶離し、次にアルゴン下に室温で終夜撹拌した。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1752】
タンパク質濃度:1.7mg/mL
薬物/mAb比:2.8。
【1753】
実施例296m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(500μL)(c=10mg/mL)に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F296 0.21mg(0.23μmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液pH8で2.5mLとし、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に通し、PBS緩衝液pH8で溶離し、次にアルゴン下に室温で終夜撹拌した。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1754】
タンパク質濃度:1.51mg/mL
薬物/mAb比:2.1。
【1755】
実施例297m1
【化408】
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【1756】
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(427μL)(c=13.66mg/mL)を、中間体F297とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F297 0.23mg(0.26μmol)/DMSO(50μL)を加えた後、反応液を室温で2時間撹拌し、次にSephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1757】
タンパク質濃度:1.81mg/mL
薬物/mAb比:2.5。
【1758】
実施例297m2
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1B(TPP−5971)5mg/PBS(427μL)(c=14.85mg/mL)を、中間体F297とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F297 0.23mg(0.26μmol)/DMSO(50μL)を加えた後、反応液を室温で2時間撹拌し、次にSephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1759】
タンパク質濃度:1.64mg/mL
薬物/mAb比:2.4。
【1760】
実施例297m3
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1C(TPP−6013) 5mg/PBS(427μL)(c=13.49mg/mL)を、中間体F297とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F297 0.23mg(0.26μmol)/DMSO(50μL)を加えた後、反応液を室温で2時間撹拌し、次にSephadexで精製した。最終的に、溶出液を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1761】
タンパク質濃度:1.81mg/mL
薬物/mAb比:2.1。
【1762】
実施例309m1
【化409】
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【1763】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F309 0.247mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1764】
タンパク質濃度:0.77mg/mL
薬物/mAb比:4.1。
【1765】
実施例309m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F309 0.247mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1766】
タンパク質濃度:1.15mg/mL
薬物/mAb比:4.2。
【1767】
実施例310m1
【化410】
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【1768】
アルゴン下に、TCEP 0.172mgのPBS緩衝液(0.30mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)30mg/PBS(3.0mL)(c=10.0mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、DMSO 300μLに溶かした中間体F310 1.08mg(0.001mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、PD−10カラムを用いて再緩衝させてpH8とした。合わせた溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌した。
【1769】
PD−10カラムとPBS緩衝液を用い、混合物を再緩衝させてpH7.2とし、溶出液をPBSで希釈して総体積14mLとした。混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1770】
タンパク質濃度:13.04mg/mL
薬物/mAb比:3.0。
【1771】
実施例310m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F310 0.253mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1772】
タンパク質濃度:1.84mg/mL
薬物/mAb比:4.4。
【1773】
実施例314m1
【化411】
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【1774】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F314 0.209mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1775】
タンパク質濃度:1.42mg/mL
薬物/mAb比:4.0。
【1776】
実施例314m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013) 5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F314 0.209mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1777】
タンパク質濃度:1.29mg/mL
薬物/mAb比:4.3。
【1778】
実施例317m1
【化412】
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【1779】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し.DMSO 50μLに溶かした中間体F317 0.308mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を、事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1780】
タンパク質濃度:1.59mg/mL
薬物/mAb比:2.5。
【1781】
実施例317m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mg/PBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F317 0.308mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1782】
タンパク質濃度:1.61mg/mL
薬物/mAb比:2.7。
【1783】
実施例318m1
【化413】
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【1784】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F318 0.206mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1785】
タンパク質濃度:1.39mg/mL
薬物/mAb比:5.2。
【1786】
実施例318m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F318 0.206mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を事前にpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1787】
タンパク質濃度:1.46mg/mL
薬物/mAb比:4.0。
【1788】
実施例319m1
【化414】
[この文献は図面を表示できません]
【1789】
アルゴン下に、TCEP 0.143mgのPBS緩衝液(0.25mL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)25mg/PBS(2.5mL)(c=10.0mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、DMSO 250μLに溶かした中間体F319 0.923mg(0.00083mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液2mLで希釈した。
【1790】
混合物をPD−10カラムで精製し、溶出液をPBSで希釈して総体積14mLとした。次に、混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液で再希釈し、再度濃縮した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1791】
タンパク質濃度:12.79mg/mL
薬物/mAb比:3.9。
【1792】
実施例320m1
【化415】
[この文献は図面を表示できません]
【1793】
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(374μL)(c=13.36mg/mL)を、中間体F320とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F320 0.245mg(0.23μmol)/DMSO(100μL)を加えた後、混合物を室温で90分間撹拌し、次にSephadexで精製した。混合物を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1794】
タンパク質濃度:1.84mg/mL
薬物/mAb比:1.8。
【1795】
実施例321m1
【化416】
[この文献は図面を表示できません]
【1796】
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(374μL)(c=13.36mg/mL)を、中間体F321とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F321 0.262mg(0.23μmol)/DMSO(100μL)を加えた後、混合物を室温で90分間撹拌し、次にSephadexで精製した。混合物を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1797】
タンパク質濃度:1.93mg/mL
薬物/mAb比:1.9。
【1798】
実施例322m1
【化417】
[この文献は図面を表示できません]
【1799】
ここでは、pH7.2の抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(374μL)(c=13.36mg/mL)を、中間体F322とのカップリングに用いた。TCEP 0.029mg存在下での抗体の還元時間は30分であった。F322 0.262mg(0.23μmol)/DMSO(100μL)を加えた後、混合物を室温で90分間撹拌し、次にSephadexで精製した。混合物を超遠心によって濃縮し、PBSで再希釈した。
【1800】
タンパク質濃度:1.88mg/mL
薬物/mAb比:1.8。
【1801】
実施例323m1
【化418】
[この文献は図面を表示できません]
【1802】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F323 0.328mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液1950μLで希釈し、PD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)で精製した。混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1803】
タンパク質濃度:2.03mg/mL
薬物/mAb比:2.9。
【1804】
実施例323m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F323 0.328mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液1950μLで希釈し、PD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)で精製した.混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1805】
タンパク質濃度:2.06mg/mL
薬物/mAb比:4.2。
【1806】
実施例324m1
【化419】
[この文献は図面を表示できません]
【1807】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1A(TPP−5969)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F324 0.256mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1808】
タンパク質濃度:1.48mg/mL
薬物/mAb比:3.1。
【1809】
実施例324m3
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(450μL)(c=11.11mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。DMSO 50μLに溶かした中間体F324 0.256mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物を予めpH8に調節しておいたPBS緩衝液1950μLで希釈し、PBS緩衝液pH8で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離した。溶出液をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。これらの条件下では、ADCの一部が閉環型でも存在し得る。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1810】
タンパク質濃度:1.42mg/mL
薬物/mAb比:4.4。
【1811】
実施例325m3
【化420】
[この文献は図面を表示できません]
【1812】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(0.400mL)(c=12.5mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F325 0.22mg(0.00023mmol)を加えた。室温でさらに90分間撹拌した後、混合物をPBS緩衝液pH8で2.5mLとし、PBS緩衝液pH8で平衡としたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せ、PBS緩衝液pH8で溶離し、アルゴン下に室温で終夜撹拌した。溶出液を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1813】
タンパク質濃度:1.87mg/mL
薬物/mAb比:4.1。
【1814】
実施例326m3
【化421】
[この文献は図面を表示できません]
【1815】
アルゴン下に、TCEP 0.029mgのPBS緩衝液(50μL)中溶液を、抗CD123AK
1C(TPP−6013)5mg/PBS(0.400mL)(c=12.5mg/mL)に加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、DMSO 50μLに溶かした中間体F326 0.22mg(0.00023mmol)を加えた。混合物をアルゴン下に室温で終夜撹拌し、PBS緩衝液(pH7.2)で2.5mLとし、PBS緩衝液pH7.2で平衡としておいたPD−10カラム(Sephadex(登録商標)G−25、GE Healthcare)に乗せた。混合物を超遠心によって濃縮し、PBS緩衝液(pH7.2)で再希釈した。得られたADCバッチを次のように特性決定した。
【1816】
タンパク質濃度:1.33mg/mL
薬物/mAb比:6.0。
【1817】
C:
生物学的効力の評価
本発明による化合物の生理活性を、下記の評価で示すことができる。
【1818】
C−1a:CD123に対するADCの細胞毒性効果の測定
抗CD123 ADCおよび相当する代謝物の細胞毒性効果の分析を、各種細胞株を用いて行った。
【1819】
NCI−H292:ヒト粘膜表皮肺癌細胞、ATCC−CRL−1848、標準培地:RPMI 1640(Biochrom;#FG1215、安定化グルタミン)+10%FCS(Biochrom;#S0415)。
【1820】
MOLM−13:ヒト急性単球性白血病細胞(AML−M5a)、DSMZ、No.ACC554、標準培地:RPMI 1640(Gibco;#21875−059、安定化L−グルタミン)+20%熱失活FCS(Gibco、No.10500−064);CD123−陽性。
【1821】
THP−1:ヒト単球性白血病細胞、ATCC番号TIB−202、標準培地:RPMI 1640(Gibco;#21875−−059、安定化L−グルタミン)+10%熱失活FCS(Gibco、No.10500−064)+グルコース2.5g(20%グルコース溶液、Gibco、No.19002);CD123−陽性。
【1822】
KG−1:骨髄から得たヒト急性骨髄性白血病細胞、DSMZ、No.ACC14、標準培地:RPMI 1640(Gibco;#21875−059、安定化L−グルタミン)+10%熱失活FCS(Gibco、No.10500−064)+グルコース2.5g(20%グルコース溶液、Gibco、No.19002);CD123−陽性。
【1823】
対象の細胞株についてAmerican Tissue Culture Collection(ATCC)またはthe Leibniz−Institut DSMZ−Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)に記載の標準的方法によって、細胞を培養した。
【1824】
MTTアッセイ
C−1下に挙げた増殖培地を用いて、標準的な方法に従って、細胞を培養した。本試験は、AccutaseのPBS中溶液(BiochromAG#L2143)による細胞の分離、ペレット化、培地での再懸濁、カウンティングおよび白色底の96ウェル培養プレート(Costar#3610)への細胞播種(NCI H292:総体積100μL中2500細胞/ウェル、MOLM−13:2000細胞/ウェル;THP−1:8000細胞/ウェル;KG−1:5000細胞/ウェル)によって行う。次に、細胞を、インキュベータにおいて37℃および5%二酸化炭素でインキュベートした。48時間後、培地を交換した。次に、濃度10
−5Mから10
−13Mでの培地10μL中の抗体薬物複合体または代謝物をピペットで細胞に加え(三連で)、アッセイ液をインキュベータにおいて37℃および5%二酸化炭素でインキュベートした。96時間後、MTTアッセイ(ATCC、Manassas, Virginia, USA、カタログ番号30−1010K)を用いて細胞増殖を検出した。このために、MTT試薬を細胞とともに4時間インキュベートし、次に界面活性剤を加えることで、細胞を終夜溶解させた。生成した色素を、570nmで検出した(Infinite M1000pro, Tecan)。測定データを用いて、DRC(用量応答曲線)を使用して増殖阻害のIC
50を計算した。試験物質で処理しなかったが、それ以外は同様に処理した細胞の増殖を、100%数値と定義した。
【1825】
下記の表1に、本アッセイからの各種抗CD123抗体についての代表的実施例のIC
50値を挙げてある。
【1826】
表1:
【表6】
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【1827】
報告の活性データは、本実験セクションに記載の実施例に関するものであり、薬物/mAB比が示されている。それらの値は、異なる薬物/mAB比に関して逸脱している可能性がある。IC
50値は、いくつかの独立の実験または個々の値の平均である。抗CD123抗体薬物複合体の作用は、個々のリンカーおよび担毒体を含む個々のアイソタイプ対照に関して選択的であった。
【1828】
C−1b:選択された実施例によるキネシンスピンドルタンパク質KSP/Eg5の阻害の測定
ヒトキネシンスピンドルタンパク質KSP/Eg5(tebu−bio/Cytoskeleton Inc, No.027EG01−XL)のモータードメインを、15mM PIPES、pH6.8(5mM MgCl
2および10mM DTT、Sigma)中室温で5分間、50μg/mLタキソール(Sigma No.T7191−5MG)で安定化した微小管(microtubuli)(ウシまたはブタ、tebu−bio/Cytoskeleton Inc)とともに濃度10nMでインキュベートした。調製したばかりの混合物を384MTP(Greiner bio−one RFF 781096)に小分けした。濃度1.0×10
−6Mから1.0×10
−13Mの調べる阻害剤およびATP(最終濃度500μM、Sigma)を加えた。インキュベーションは室温で2時間であった。マラカイトグリーン(Biomol)を用いて形成された無機ホスフェートを検出することで、ATPase活性を検出した。試薬を加えた後、アッセイ液を室温で50分間インキュベートしてから、波長620nmでの吸収を検出した。使用した陽性対照は、モナストロール(Sigma、M8515−1mg)およびイスピネシブ(AdooQ Bioscience A10486)であった。用量−活性曲線の個々のデータは、8倍測定である。IC
50値は、二つの独立の実験の平均である。100%対照は、阻害剤で処理されなかったサンプルであった。
【1829】
下記の表2に、記載のアッセイおよび相当する細胞毒性データからの代表的実施例のIC
50値を挙げてある(MTTアッセイ)。
【1830】
表2
【表7】
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【1831】
報告された活性データは、本実験セクションに記載の実施例に関するものである。
【1832】
C−2a:内在化アッセイ
内在化は、抗体薬物複合体(ADC)を介した抗原発現性癌細胞における細胞毒性ペイロードの特異的かつ効率的提供を可能とする重要なプロセスである。このプロセスは、pH感受性蛍光体で標識した特異的CD123抗体およびアイソタイプ対照抗体の蛍光標識を介してモニタリングされる。最初に、蛍光色素を抗体のリジンに結合させた。結合は、pH8.3の2倍モル過剰のCypHer 5EモノNHSエステル(バッチ357392, GE Healthcare)を用いて行った。カップリング後、反応混合物をゲルクロマトグラフィー(Zeba Spin Desalting Columns、40K、Thermo Scientific、No.87768;溶離緩衝液:ダルベッコPBS、Sigma−Aldrich、No.D8537)によって精製して、過剰の色素を除去し、pHを調節した。得られたタンパク質溶液を、VIVASPIN500カラム(Sartorius stedim biotec VS0131)を用いて濃縮した。抗体の色素負荷量を、分光光度分析(NanoDrop)、次に、次の式:D:P=A
dyeε
protein:(A
280−0.16A
dye)ε
dyeを用いる計算によって求めた。ここで調べたCD123抗体およびアイソタイプ対照の色素負荷量は、同等の次数のものであった。細胞結合アッセイにおいて、前記結合が抗体のアフィニティにおける変化をもたらさないことが確認された。調べる抗原は造血懸濁細胞によって発現されることから、標識CD123抗体の内在化を、FACSに基づく内在化アッセイで調べた。このために、レポーターの異なる発現レベルを有する細胞株を選択し、
調べた。細胞(5×10
4/ウェル)を、総体積100μLの96−MTP(Greiner bio−one、CELLSTAR、650180、U字底)に播いた。調べる抗CD123抗体を最終濃度10μg/mLで加えた後、細胞バッチを、各種期間にわたり37℃でインキュベートした(三連で1時間、2時間、6時間)。同じ処理プロトコールを、標識アイソタイプ対照(陰性対照)にも適用した。並列で、同じ試験バッチを4℃で処理した(陰性対照)。次に、Guavaフローサイトメーター(Millipore)を用いて、FACS分析を行った。guavaSoft 2.6ソフトウェア(Millipore)を用いる蛍光強度の測定を介して、動態評価を行った。抗CD123抗体の標的介在特異的内在化が各種癌細胞株(MOLM−13、THP−1、KG−1)で認められたが、アイソタイプ対照および4℃バッチは内在化を全く示さなかった。
【1833】
C−2b:リソソームでの内在化CD123抗体の共局在化の測定
選択されるリンカーのために、抗体薬物複合体の有毒活性化合物がリソソームで放出される。従って、このオルガネラへの抗体の輸送が必須である。リソソームに特異的なマーカータンパク質(例えば、表面タンパク質または小GTPasen)と抗体との共局在化により、好適なプロファイルを有する抗体を識別することができる。このためには、最初に、培地100μL中のCD123−陽性細胞(5×10
4/ウェル)を、96−MTP(Greiner bio−one、CELLSTAR、650180、U字底)に播いた。CypHer5E標識抗CD123抗体(最終濃度20μg/mL)を加えた後、バッチを二連で37℃にて6時間インキュベートした。各場合、インキュベーション時間終了の30分前に、リソソーム特異的生存色素をサンプルに加えた。CytoPainter LysoGreen指示試薬(最終濃度1:2000;abcam、ab176826)を用いてリソソーム(lysomes)を染色した。インキュベーション後、200μL氷冷FACS緩衝液(DULBECCOのPBS、Sigma−Aldrich、No.D8537+3%FBS熱失活FBS、Gibco、No.10500−064)をバッチにピペットで加え、細胞懸濁液を400×gおよび4℃で5分間遠心した。次に、ペレットを氷冷FACS緩衝液300μLに再懸濁させ、再度遠心した(4分、400×g、4℃)。遠心後、上清を廃棄し、ペレットを氷冷FACS緩衝液30μLに取った。このようにして調製したサンプルについて、直ちにFACS/画像分析(FlowSight amnis、Millipore)を行った。特異的共局在化ソフトウェアIDEAS Application v6.1を用いて、共局在化を評価した。表3に、調べた抗CD123抗体についての本アッセイからのデータをまとめてある。
【1834】
表3
【表8】
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【1835】
C−3:細胞透過性を求めるためのイン・ビトロ試験
Caco−2細胞を用いるフラックスアッセイでのイン・ビトロ試験によって、基質の細胞透過性を調べることができる[M. D. Troutman and D. R. Thakker, Pharm. Res. 20 (8), 1210−1224(2003)]。これに関して、24ウェルフィルタープレート上で、細胞15から16日間培養した。透過を求めるため、個々の試験物質を、HEPES緩衝液溶液で、頂部で(apically)(A)または基底部で(basally)(B)細胞に付与し、2時間インキュベートした。0時間後および2時間後に、シスおよびトランスコンパートメントからサンプルを取った。それらのサンプルを、逆相カラムを用いるHPLC(Agilent 1200、Boeblingen, Germany)によって分離した。HPLCシステムを、Turbo Ion Spray Interfaceを介して三連四重極質量分析計API4000(AB SCIEX Deutschland GMBH, Darmstadt, Germany)に連結した。Schwabらが公開した式を用いて計算されたP
app値に基づいて透過性を評価した[D. Schwab et al., J. Med. Chem. 46, 1716−1725(2003)]。P
app(B−A)/P
app(A−B)の比(排出比)が>2または<0.5であった場合に、物質は能動的に輸送されると分類された。
【1836】
細胞内で放出される担毒体について非常に重要なものは、BからAへの透過性[P
app(B−A)]およびP
app(B−A):P
app(A−B)の比(排出比)であり、この浸透率が低いほど、Caco−2細胞の単層を通る物質の能動輸送および受動輸送が遅くなる。さらに、排出比が能動輸送を示さない場合、その物質は、細胞内放出後に、細胞内でより長く留まることができる。従って、生化学的標的(この場合、キネシンスピンドルタンパク質、KSP/Eg5)との相互作用に使える時間も長くなる。
【1837】
下記の表3には、このアッセイからの代表的実施例についての浸透率データを示してある。
【1838】
表4
【表9】
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【1839】
C−4:P−糖タンパク質(P−gp)についての基質特性を求めるためのイン・ビトロ試験
多くの腫瘍細胞が、薬物のための輸送タンパク質を発現し、これは非常に多くの場合、細胞増殖抑制剤に対する抵抗性の発達を伴う。従って、そのような輸送タンパク質、例えばP−糖タンパク質(P−gp)またはBCRPの基質ではない物質は、例えば、改善された活性プロファイルを示し得ると考えられる。
【1840】
P−gp(ABCB1)用の物質の基質特性を、P−gpを過剰発現するLLC−PK1細胞(L−MDR1細胞)を用いるフラックスアッセイによって求めた[A.H. Schinkel et al., J. Clin. Invest. 96, 1698−1705 (1995)]。このために、LLC−PK1細胞またはL−MDR1細胞を、3から4日間、96ウェルフィルタープレートで培養した。透過性を測定するため、個々の試験物質を、単独でまたは阻害剤(例えば、イベルメクチンまたはベラパミル)の存在下に、HEPES緩衝液溶液で、頂部で(apically)(A)または基底部で(basally)(B)細胞に付与し、2時間インキュベートした。0時間後および2時間後に、シスおよびトランスコンパートメントからサンプルを取った。それらのサンプルを、逆相カラムを用いるHPLCによって分離した。HPLCシステムを、Turbo Ion Spray Interfaceを介して三連四重極質量分析計API3000(Applied Biosystems Applera, Darmstadt, Germany)に連結した。Schwabらが公開した式を用いて計算されたP
app値に基づいて透過性を評価した[D. Schwab et al., J. Med. Chem. 46, 1716−1725(2003)]。P
app(B−A)/P
app(A−B)の排出比が>2であった場合に、物質はP−gp基質であると分類された。
【1841】
P−gp基質特性の評価のためのさらなる基準として、L−MDR1細胞およびLLC−PK1細胞における排出比または阻害剤存在下もしくは非存在下での排出比を比較することができる。これらの値が2より大きい係数だけ異なる場合、対象の物質はP−gp基質である。
【1842】
C−5:
薬物動態
C5a:イン・ビトロでの内在化後のADC代謝物の確認
方法の説明:
免疫複合体を用いる内在化試験を行って、細胞内的に形成された代謝物を分析する。このために、ヒト肺腫瘍細胞NCI H292(3×10
5/ウェル)を6ウェルプレートに播き、終夜インキュベートする(37℃、5%CO
2)。その細胞を10μg/mL(66nM)の被験ADCで処理する。内在化を、37℃および5%CO
2で行う。各種時間点で(0、4、24、48、72時間)、さらなる分析用に細胞サンプルと取る。最初に、上清(約5mL)を回収し、遠心(2分、室温、1000rpm Heraeus Variofuge 3.0R)後に、−80℃で保存する。細胞をPBSで洗浄し、Accutaseを用いて分離し、細胞数を測定する。さらに洗浄した後、所定数の細胞(2×10
5)を溶解緩衝液(哺乳動物細胞溶解キット(Sigma MCL1)100mLで処理し、Protein LoBind管(Eppendorfカタログ番号0030108.116)中、連続振盪しながら(Thermomixer、15分、4℃、650rpm)インキュベートする。インキュベーション後、溶解物を遠心し(10分、4℃、12000g、Eppendorf 5415R)、上清を回収する。得られた上清を−80℃で保存する。そして、全てのサンプルを下記のように分析する。
【1843】
培養上清または細胞溶解物中の化合物の測定を、メタノールまたはアセトニトリルでタンパク質を沈殿させた後に、三連四重極質量分析計(MS)に連結された高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行う。
【1844】
培養上清/細胞溶解物50μLの後処理のため、沈殿試薬(一般にはアセトニトリル)150μLを加え、混合物を10秒間振盪する。沈殿試薬は、好適な濃度で(通常は、20から100ng/mLの範囲)内部標準(ISTD)を含んでいる。16000gで3分間遠心した後、上清をオートサンプラーバイアルに移し、移動相に適した緩衝液500μLを加え、再度振盪する。
【1845】
次に、AB SCIEX Deutschland GmbHからのHPLC連結三連四重極質量分析計API6500を用いて、その二つのマトリックスサンプルの測定を行う。
【1846】
較正のため、0.5から2000μg/Lの濃縮液を血漿サンプルに加えた。検出限界(LOQ)は約2μg/Lである。直線範囲は、2から1000μg/Lの幅である。
【1847】
腫瘍サンプルの較正のため、0.5から200μg/Lの濃縮液を、未処理腫瘍の上清に加える。検出限界は4μg/Lであった。直線範囲は、4から200μg/Lの幅である。
【1848】
妥当性を調べるための品質対照は、5および50μg/Lを含んでいる。
【1849】
C5b:イン・ビボでのADC代謝物の確認
3から30mg/kgの異なるADCを静脈投与した後、ADCおよび生じる代謝物の血漿および腫瘍濃度を測定することができ、クリアランス(CL)、曲線下面積(AUC)および半減期(t
1/2)などの薬物動態パラメータを計算することができる。
【1850】
生じる代謝物の定量分析
メタノールまたはアセトニトリルによるタンパク質の沈殿後に、三連四重極質量分析計(MS)に連結された高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、血漿および腫瘍中の化合物の測定を行う。
【1851】
血漿50μLの後処理のため、沈殿試薬(一般にアセトニトリル)250μLを加え、混合物を10秒間振盪する。沈殿試薬は、好適な濃度で(通常は、20から100ng/mLの範囲)内部標準(ISTD)を含む。16000gで3分間遠心した後、上清をオートサンプラーバイアルに移し、移動相に適した緩衝液500μLを加え、再度振盪する。
【1852】
腫瘍の後処理中、後者を3倍量の抽出緩衝液で処理する。その抽出緩衝液は、組織タンパク質抽出試薬(Pierce, Rockford, IL)50mL、完全−プロテアーゼ−阻害剤−カクテルのペレット2個(Roche Diagnostics GMBH, Mannheim, Germany)および最終濃度1mMでフェニルメチルスルホニルフルオリド(Sigma、St. Louis, MO)を含む。最大ストローク数でTissuelyser II(Qiagen)で、サンプルを20分間2回ホモジナイズする。ホモジネート50μLをオートサンプラーバイアルに移し入れ、ISTDを含むメタノール150μLを加える。16000gで3分間遠心後、上清10μLに移動相に適した緩衝液180μLを加え、再度振盪する。そして、腫瘍サンプルは測定準備が整った状態である。
【1853】
次に、AB SCIEX Deutschland GmbHからのHPLC連結三連四重極質量分析計API6500を用いて、二つのマトリクスサンプルを測定する。
【1854】
較正のため、0.5から2000μg/Lの濃縮液を血漿サンプルに加える。検出限界(LOQ)は約2μg/Lである。直線範囲は、2から1000μg/Lの幅である。
【1855】
腫瘍サンプルの較正のため、0.5から200μg/Lの濃縮液を、未処理腫瘍の上清に加える。検出限界は5μg/Lである。直線範囲は、5から200μg/Lの幅である。
【1856】
妥当性を調べるための品質対照は、5および50μg/Lを含み、血漿ではさらに500μg/Lである。
【1857】
使用した抗体の定量分析
ADCの抗体部分を、リガンド結合アッセイ(ELISA)を用いて、血漿サンプルおよび腫瘍溶解物中の総IgG濃度として測定した。ここでは、サンドイッチELISA方式を用いた。このELISAは、血漿および腫瘍サンプルでの測定に関して適格性判定し、バリデーションしたものであった。ELISAプレートを、抗ヒトヤギIgGFc抗体でコーティングした。サンプルとともにインキュベーションした後、プレートを洗浄し、サル抗ヒトIgG(H+L)抗体および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の検出器(detector)複合体とともにインキュベートした。さらなる洗浄段階後、HRP基質をOPDに加え、490nmでの吸収を介して、発色をモニタリングした。既知IgG濃度を有する標準サンプルを、4パラメータ式を用いて適合させた。定量下限(LLOQ)および定量上限(ULOQ)の範囲内で、未知濃度を内挿によって求めた。
【1858】
C−6:イン・ビボ効力試験
本発明による複合体の効力を、異種移植モデルを用いてイン・ビボで調べることができた。当業者は、本発明による化合物の効力を調べるために用いることができる先行技術の方法について熟知している(例えば、WO2005/081711;Polson et al., Cancer Res. 2009 Mar 15;69(6):2358−64参照)。このために、例えば、バインダーの標的分子を発現する腫瘍細胞株を、齧歯類(例えばマウス)に移植した。次に、本発明による複合体、アイソタイプ抗体対照複合体または対照抗体または等張性生理食塩水をインプラント動物に投与した。投与を、1回または複数回行った。数日のインキュベーション時間後、複合体処理動物および対照群(対照複合体)の比較によって、腫瘍の大きさを求めた。複合体処理動物は、相対的に小さい腫瘍サイズを示した。
【1859】
C−6a.マウスでの増殖阻害/実験腫瘍の退行
抗体薬物複合体に対する抗原を発現するヒト腫瘍細胞を、免疫抑制マウス、例えばNMRiヌードまたはSCIDマウスの脇腹に皮下接種した。100から1000万個の細胞を細胞培養液から分離し、遠心し、培地または培地/Matrigelに再懸濁させた。細胞懸濁液をマウスの皮下に注射した。
【1860】
長い日数内に、腫瘍が成長した。腫瘍サイズ約40mm
2で腫瘍が確立されたら、治療を開始した。それより大きい腫瘍に対する効果を調べるため、腫瘍サイズが50から100mm
2でのみ処置を開始することもできる。
【1861】
ADCによるマウスの処置を、腹腔内(i.p.)経路によって行った。ADCは5mL/kgの体積で投与した。
【1862】
処置プロトコールは、抗体複合体の薬物動態によって決まるものであった。標準として、4日に1回での4連続処置があった。迅速な評価のために、単回処置を行うプロトコールを用いることも可能である。しかしながら、治療を続けることも可能であるか、後により遅い段階で、3処置日の第2サイクルを行うことができる。
【1863】
標準として、処置群当たり動物8匹を用いた。活性物質を受けた群に加えて、対照群として、一つの群を、同じプロトコールに従って、緩衝液のみで処理した。
【1864】
実験の経過中、腫瘍面積を、定期的にカリパスを用いて2次元(長さ/幅)で測定した。その腫瘍面積は、長さ×幅として求めた。処置群:対照群の平均腫瘍面積の比較を、T/C面積と記述した。
【1865】
処置終了後、全ての実験群を同時に屠殺した場合、腫瘍を摘出し、秤量することができた。処置群:対照群の平均腫瘍重量比は、T/C重量と記述した。
【1866】
C−6b.ヒト腫瘍異種移植モデルでの効力
対照の腫瘍細胞を、雌NMRI−ヌードマウス(Janvier)の脇腹に皮下接種した。腫瘍サイズ約40mm
2で、動物を、抗体薬物複合体で静注にて処置した。その処置に続いて、適宜に、腫瘍増殖をさらにモニタリングした。
【1867】
抗CD123抗体薬物複合体による処置によって、対照群およびアイソタイプ薬物複合体と比較して顕著かつ長期の腫瘍増殖阻害が生じた。接種後に計算したアイソタイプ群の最終測定値を用いて当日に腫瘍面積にわたって測定されたT/C値を、表5に示している。
【1868】
表5:
【表10】
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【1869】
抗CD123抗体の実施例
本明細書で詳細に記載されていない限り、実施例は全て、当業者に公知の標準的方法を用いて行った。下記の実施例の分子生物学の通常の方法は、Sambrook et al., Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 2. Edition; Cold SpringHarbor Laboratory Press, Cold SpringHarbor, N.Y., 1989などの標準的実験書に記載の方法に従って行うことができる。
【1870】
表面プラズモン共鳴による抗体の結合アフィニティの測定:
定量結合分析のための表面プラズモン共鳴実験を、Biacore T200装置(GE Healthcare Biacore, Inc.)を用いて行った。ここでは、調べる抗体を、センサーチップ表面にアミン結合した抗ヒトFc抗体(「ヒト抗体捕捉キット」、BR−1008−39、GE Healthcare Biacore, Inc.)を用いて固定した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)およびエタノールアミンHCl pH8.5を用いる製造者説明書に従ってアミンカップリングを行った(「アミンカップリングキット」BR−1000−50、GE Healthcare Biacore, Inc.)。分析のため、シリーズSセンサーチップCM5(GE Healthcare Biacore, Inc.)を、移動(mobile)緩衝液HBS−EP+(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Surfactant P20)とともに用いた。全ての実験段階は25℃で行った。調べる抗CD123抗体の固定後、1.56から200nMの濃度範囲でのIL3Ra(Analyt、R&D Systems)の細胞外ドメインの注射を行い、各抗原注射後に、センサー表面をグリシンHCl pH2.0で再生した。別の分析物注射の前に、抗体を、各場合で、同一条件下に上記にように固定した。全ての測定に関して、固定化アミン結合抗ヒトFc抗体ノミを含む上流フローセルを参照セルとして用いた。二重参照(参照フローセルシグナルの減算および緩衝液注射)後に、得られたセンサーグラムの評価を、Biacore T200評価ソフトウェア(GE Healthcare Biacore, Inc.)を用いる1:1 Langmuir結合モデルに基づく全体的適合によって行った。
【1871】
表6a:アフィニティ測定に用いた組み換え抗原(IL3R3α/CD123)
【表11】
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【1872】
表6b:IL3Raタンパク質を用いBiacoreによって求めた抗CD123抗体の1価K
D値(分析物としてTPP−5521)
【表12】
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【1873】
各種抗原発現癌細胞株への抗CD123抗体の結合
抗CD123抗体の結合を、各種ヒト血液細胞株(MOLM−13、THP−1、KG−1)を用いてフローサイトメトリーによって調べた。このために、細胞(5×10
5細胞/ウェル)を、遮光下に氷上で30から45分間にわたり、10μg/mLの一次抗体溶液(開始濃度)を含むFACS緩衝液(Ca/Mgを含まないPBS、3%FCS、Biochrom)中でインキュベートした。用量活性曲線(1:5希釈)をプロットした。インキュベーション後、氷冷FACS緩衝液200μLをピペットを用いて加え、細胞懸濁液を4℃、400gで4分間遠心した。細胞ペレットを氷冷FACS緩衝液300μLで洗浄し、得られたペレットをFACS緩衝液100μLに再懸濁させ、氷上で30分間にわたり、1:10希釈で二次抗体(モノクローナル抗κ軽鎖−FITC抗体、Sigma、No. SAB4700605)とともに再度インキュベートした。次に、細胞を氷冷FACS緩衝液で洗浄し、細胞濃度0.5×10
6細胞/mLに調節してから、Guavaフローサイトメーター(Millipore)を用いてフローサイトメトリーを行った。ヨウ化プロピジウム(最終濃度1μg/mL)を、生細胞染色に用いた。滴定曲線によって、調べた抗体のEC50値を求めた(表7)。
【1874】
表7:FACS分析:各種癌細胞株への抗CD123抗体の結合
【表13】
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