特許第6768013号(P6768013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トゥルンプフ ヒュッティンガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許6768013-方向性結合器 図000002
  • 特許6768013-方向性結合器 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768013
(24)【登録日】2020年9月24日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】方向性結合器
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/18 20060101AFI20201005BHJP
【FI】
   H01P5/18 J
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-568150(P2017-568150)
(86)(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公表番号】特表2018-519755(P2018-519755A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016065378
(87)【国際公開番号】WO2017001596
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年3月13日
(31)【優先権主張番号】102015212184.4
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505169226
【氏名又は名称】トゥルンプフ ヒュッティンガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Huettinger GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ グレーデ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アルト
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル グルーナー
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ シュヴェアク
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヴァングラー
【審査官】 赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0146394(US,A1)
【文献】 特開平07−202501(JP,A)
【文献】 特表平07−508872(JP,A)
【文献】 特開平02−108303(JP,A)
【文献】 米国特許第05363071(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第101171719(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に、多層のプリント基板(2)内に形成された方向性結合器(1)であって、
前記方向性結合器(1)は、電力を伝送するための主線路(3)と、つの副線路(6,7)とを有し、
前記つの副線路(6,7)それぞれの結合区分(4,5)は、結合領域において前記主線路(3)に対して平行に離間して配置されており、
前記結合領域では、前記主線路(3)および前つの副線路(6,7)は、前記プリント基板(2)の内部に配置されており、
前記副線路(6,7)において、m個の第1の追加結合線路(12−15)が設けられており、ただし、m≧1であり、
前記第1の追加結合線路(12−15)は、それぞれ、記副線路(6,7)それぞれの前記結合区分(4,5)に対して平行に離間して延在する結合区分(8−11)を有し、
前記第1の追加結合線路(12−15)は、アースまたは外部回路に接続するための、前記プリント基板(2)の外側に配置された端子(16−19)を有し、
これによって、前記追加結合線路の前記端子(16−19)のうちの1つまたは複数をアースに接続することにより、前記方向性結合器(1)の結合度を設定すること、または、製造誤差を補正することが可能となっている、
ことを特徴とする方向性結合器(1)。
【請求項2】
前記第1の追加結合線路(12−15)の前記結合区分(8−11)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)よりも短い、
請求項1記載の方向性結合器。
【請求項3】
なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)の長手方向に、前記第1の追加結合線路(12−15)の複数の結合区分(8−11)が設けられている、
請求項1または2記載の方向性結合器。
【請求項4】
前記第1の追加結合線路(12−15)の前記結合区分(8−11)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)に対して2mm未満の距離を有する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項5】
前記第1の追加結合線路(12−15)の前記結合区分(8−11)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)の、前記主線路(3)とは反対の側に配置されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項6】
前記第1の追加結合線路(12−15)の前記結合区分(8−11)と、前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)との間の距離は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)と、前記主線路(3)との間の距離よりも小さい、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項7】
n個の第2の追加結合線路(24−27)が設けられており、ただし、n≧1であり、
前記第2の追加結合線路(24−27)は、前記主線路(3)に対して平行に離間して延在しておりかつ前記少なくとも1つの前記副線路(6,7)に対して電気的に並列に接続されている結合区分(20−23)を有する、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項8】
前記第2の追加結合線路(24−27)の前記結合区分(20−23)は、前記結合領域の外側に配置されている、
請求項7記載の方向性結合器。
【請求項9】
前記第2の追加結合線路(24−27)の前記結合区分(20−23)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)の長手方向に見て、前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)の前および/または後に配置されている、
請求項7または8記載の方向性結合器。
【請求項10】
前記第2の追加結合線路(24−27)の前記結合区分(20−23)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)よりも短い、
請求項7から9までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項11】
前記第1の追加結合線路(12−15)の前記結合区分(8−11)は、それぞれ同一の層に配置されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項12】
なくとも1つの前記副線路(6,7)および前記追加結合線路(12−15,24−27)は、導体路として形成されており、
前記追加結合線路(12−15,24−27)の前記結合区分(8−11,20−23)は、前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)よりも狭幅である、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項13】
前記追加結合線路(12−15,24−27)の前記結合部分(8−11,20−23)は、少なくとも1つの前記副線路(6,7)の前記結合区分(4,5)とは別の層に配置されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項14】
前記方向性結合器(1)は、前記主線路(3)の中心平面(30)に対して対称に構成されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の方向性結合器。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の方向性結合器(1)を調整するための方法において、
前記調整のために、
1の追加結合線路(12−15)の1つまたは2つ以上の端子(16−19)をアースに接続し、
n個の第2の追加結合線路(24−27)を前記少なくとも1つの副線路(6,7)に対して電気的に並列に接続し、
ただし、n≧1であり、
製造誤差に起因する結合度の変動が補償されるように、第1の追加結合線路(12−15)の前記1つまたは2つ以上の端子(16−19)、またはnを適切に選択して結合度を設定する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に、特に多層のプリント基板内に形成された方向性結合器に関する。
【0002】
本発明はさらに、方向性結合器を調整するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
方向性結合器は、例えば米国特許出願公開第2005/0017821号明細書(US2005/0017821A1)から公知である。
【0004】
高周波発電器は、高周波電力を発生させて負荷に供給するために使用される。例えば負荷として、プラズマコーティングおよびプラズマエッチングのようなプラズマ処理、または、レーザ処理(レーザ励起)が考慮の対象となる。負荷のインピーダンスが変化する可能性があり、ミスマッチになった場合には、高周波発生器によって供給された電力が(部分的に)反射する可能性があるので、多くの場合、高周波発生器によって供給された全ての電力が負荷(プラズマ)に吸収されるとは限らない。負荷に供給される高周波電力を正確に設定または制御できるようにするためには、負荷に吸収される電力を求めることが望ましい。
【0005】
負荷に吸収された高周波電力を測定する/求めるために、方向性結合器を使用することが知られており、吸収された高周波電力は、高周波発生器によって発生した電力と、反射された電力との差から生じる。これにより、負荷に吸収される電力を非常に精確に設定することが可能となるように、かつ、一定に維持することが可能となるように、高周波発生器を制御することができる。
【0006】
負荷に供給された高周波電力と、反射された電力の両方を検出することが可能となるように、高周波電力を負荷の方向に送信する主線路に加えて2つの副線路を有する方向性結合器を使用することが知られている。負荷の方向に供給される電力を一方の副線路を介して測定し、反射された電力を他方の副線路を介して測定することができる。主線路を介した高周波電力の供給に基づいて電磁界が発生し、この電磁界が副線路に結合され、これにより、主線路上の電力に関する測定信号を副線路で検出することができる。
【0007】
方向性(directivity)という用語は、測定の品質を表す。一方の副線路ではできるだけ、負荷の方向に供給された電力の成分だけを検出し、他方の副線路によってできるだけ、反射された電力の成分だけを検出することが目標である。しかしながら、この目標は、実際には完全には達成されない。このことは、負荷の方向に供給された電力だけを検出すべき一方の副線路によって、反射された電力もわずかな割合で常に検出されてしまうことを意味する。方向性は、不所望な信号の電力検出に対する所望の信号の電力検出の比を表す。方向性は、できるだけ高いことが望ましい。
【0008】
方向性結合器は、多くの場合、プリント基板上で実現される。しかしながら、そのような方向性結合器は、製造変動の影響を受けやすく、その影響は、製造した後に機能を検証することでようやく示されるものである。多層のプリント基板の結合器において、結合構造が内層上に設けられている場合には、結合構造の幾何形状を例えばレーザートリミングによって後から適合することはもはや不可能である。したがって、誤差を甘受しなければならず、これによって測定のダイナミクスが低下することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0017821号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、製造誤差の影響を打ち消すことが可能となるように、または、補償することが可能となるように、方向性結合器を発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題は、本発明によれば、少なくとも部分的に、特に多層のプリント基板内に形成された方向性結合器であって、前記方向性結合器は、電力を伝送するための主線路と、少なくとも1つの副線路とを有し、前記少なくとも1つの副線路の結合区分は、結合領域において前記主線路に対して平行に離間して配置されており、前記結合領域では、前記主線路および/または前記少なくとも1つの副線路は、前記プリント基板の内部に配置されており、m個の第1の追加結合線路が設けられており、ただし、m≧1であり、前記第1の追加結合線路は、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分に対して平行に離間して延在する結合区分を有し、前記第1の追加結合線路は、アースまたは外部回路に接続するための、前記プリント基板の外側に配置された端子を有する、方向性結合器によって解決される。第1の追加結合線路は、好ましくはアースに接続される。このようにして、結合度を低くすることができる。特にこのようにして、例えばプリント基板材料の厚さの正の誤差を補償することができる。結合度および分離度の両方を、追加結合線路によって操作することができる。これにより、方向性結合器のアイソレーションを最大にするための後続のサンプ回路の所要の設定範囲を小さくすることができる。測定ダイナミクスの低下をもたらす従来技術の欠点を回避することができる。特に本発明による手段によって、測定システム全体の測定ダイナミクスを改善することができる。方向性結合器において、誤差に起因したばらつきが改善される。
【0012】
特に、適切な追加結合線路によって、製造誤差の影響を補償するために測定信号を減衰または増幅させることができる。
【0013】
前記第1の追加結合線路の前記結合区分を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分よりも短くすることができる。特に、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分の長手方向に、前記第1の追加結合線路の複数の結合区分を設けることができる。例えば、2つの第1の追加結合線路を設けることができ、この場合、第1の追加結合線路の結合区分の長さは、少なくとも1つの副線路の結合区分の長さの約半分に相当する。
【0014】
前記第1の追加結合線路の前記結合区分は、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分に対して2mm未満、特に1mm未満の距離を有することができる。少なくとも1つの副線路の結合区分に対する距離が短いことにより、追加結合線路の結合区分も有効になることを保証することができる。
【0015】
前記第1の追加結合線路の前記結合区分を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分の、前記主線路とは反対の側に配置することができる。これにより、第1の追加結合線路の結合区分が、主線路と少なくとも1つの副線路との間の相互作用を制御下で操作する。
【0016】
前記第1の追加結合線路の前記結合区分と、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分との間の距離を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分と、前記主線路との間の距離よりも小さくすることができる。このようにして、方向性結合器の特に良好な微調整を実施することができる。
【0017】
n個の第2の追加結合線路を設けることができ、ただし、n≧1であり、前記第2の追加結合線路は、前記主線路に対して平行に離間して延在しておりかつ前記少なくとも1つの副線路に対して電気的に並列に接続されている結合区分を有する。これによって結合度を高めることができる。例えばプリント基板材料の厚さの負の誤差に起因した小さすぎる結合度を、これによって補償することができる。
【0018】
nおよびmの数と、追加結合線路の配線とを適切に選択することにより、製造誤差に基づく結合度の変動が最小化されるように、結合度を非常に細かく設定することができる。
【0019】
前記第2の追加結合線路の前記結合区分を、前記結合領域の外側に配置することができる。特に、前記第2の追加結合線路の前記結合区分を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分の長手方向に見て、前記副線路の前記結合区分の前および/または後に配置することができる。
【0020】
関心対象である信号が、主に少なくとも1つの副線路によって分離されることを保証するために、前記第2の追加結合線路の前記結合区分を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分よりも短くすることができる。
【0021】
前記第1の追加結合線路の前記結合区分を、それぞれ同一の層に配置することができる。前記第2の追加結合線路の前記結合区分も、それぞれ同一の層に配置することができる。特に、前記第1の追加結合線路の前記結合部分と前記第2の追加結合線路の前記結合部分とを、それぞれ同一の層または異なる層に配置することができる。
【0022】
さらに、全ての線路の前記結合区分を、同一の層に配置することができる。このように構成された方向性結合器は、特に簡単に製造可能である。なぜなら、全ての線路、または、全ての線路の結合区分を、プリント基板の1つまたは同一の処理ステップで製造可能となるからである。
【0023】
前記少なくとも1つの副線路および前記追加結合線路を、導体路として形成することができ、前記追加結合線路の前記結合区分は、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分よりも狭幅である。結合区分の幅を適切に選択することにより、方向性結合器の特性を操作することができる。
【0024】
前記追加結合線路の前記結合部分を、前記少なくとも1つの副線路の前記結合区分とは別の層に配置することができる。これによって、さらなる設定可能性が得られる。
【0025】
前記方向性結合器を、前記主線路の中心平面に対して対称に構成することができる。特に副線路と、それぞれ対応する追加結合線路とを、主線路の両側に設けることができる。
【0026】
本発明の枠内にはさらに、本発明による方向結合器を調整するための方法であって、前記調整のために、1つまたは複数の第1の追加結合線路をアースに接続し、および/または、1つまたは複数の第2の追加結合線路を前記少なくとも1つの副線路に対して電気的に並列に接続する、方法が含まれる。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の実施例の以下の詳細な説明と、本発明にとって本質的な詳細を示した図面と、特許請求の範囲とから明らかになるであろう。図面に示された特徴は、必ずしも縮尺通りであるとは理解すべきではなく、本発明の特徴を明確に視認可能となるように図示されている。種々の特徴は、本発明の変形例において、それぞれ単独でまたは複数の任意の組み合わせで実現することができる。
【0028】
概略図には、本発明の実施形態が図示されており、以下の記載において詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】方向性結合器の層の平面図である。
図2】方向性結合器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、方向性結合器1の層の平面図を示す。方向性結合器は、多層のプリント基板材料2からなり、方向性結合器1の内部に主線路3が配置されている。主線路3は、例えば図示の実施例では高周波電力発生器から負荷へと左から右に、または、負荷の電力が反射される場合には右から左に、電力を伝送するために使用される。主線路3に対して平行に、副線路6,7の結合区分4,5が延在している。結合区分4,5は、主線路3からの距離aを有している。結合区分4,5の長さは、結合領域を画定する。完成した方向性結合器1では、主線路3および副線路6,7が別のプリント基板材料によって覆われており、したがって方向性結合器1の内部に位置している。これにより、主線路3および副線路6,7を含む結合構造は、もはや外部からアクセス不可能となっている。主線路3と副線路6,7の結合区分4,5との間には、残りの部分のプリント基板材料、例えばArlon TC350またはRogers RO4350Bとは別の材料、例えばプリプレグを設けることができる。
【0031】
副線路6,7の結合区分4,5に対して平行に、わずかな距離をおいて、第1の追加結合線路12乃至15の結合区分8乃至11が延在している。結合区分8乃至11は、結合区分4,5の、主線路3とは反対の側に配置されている。第1の追加結合線路12乃至15は、アースまたは外部回路に接続するために設けられた端子16乃至19を、プリント基板2の外側に有する。端子16乃至19のうちの1つまたは複数をアースに接続することによって、方向性結合器1の結合度を設定することができるか、または、製造誤差を補正することができる。結合区分8乃至11の長さは、結合区分4,5の長さの約半分に相当する。
【0032】
図1はさらに、第2の追加結合線路24乃至27の結合区分20乃至23を示し、これらの結合区分20乃至23は、副線路4,5に対して電気的に並列に接続することができ、このことは、スイッチの図示によって示唆されている。この場合、結合区分20乃至23は、主線路3から離間して配置されている。結合区分20乃至23は、特に結合区分4,5よりもさらに主線路3から離間して配置されている。結合区分20乃至23が、結合区分4,5の長さによって画定された結合領域の外側に配置されていることも見て取れる。特に結合区分20乃至23は、結合区分4,5の延在方向に見て、結合区分4,5の前および後に配置されている。
【0033】
追加結合線路の全ての結合区分は、副線路6,7の結合区分4,5よりも小さい幅を有する。全ての結合区分は、主線路3よりも狭幅に形成されている。方向性結合器1が、中心平面30に対して対称に構成されていることも見て取れる。
【0034】
図2は、図1の線II−IIに沿った方向性結合器1の断面図を示し、この断面図では、追加結合線路を見て取ることはできない。主線路3の横に副線路6,7が配置されている。主線路3と副線路6,7との間には、プリント基板2の残りの部分の材料36とは異なる材料35が配置されており、この材料35は、特にプリプレグである。材料35を適切に選択することによって、方向性結合器1の結合度を操作することもできる。
【0035】
結合構造全体が方向性結合器1またはプリント基板2の内部に配置されており、これによって方向性結合器の製造後にはもはや外部からアクセス不可能となっていることも、図2から見て取れる。プリント基板2は、裏側に金属板、特に銅層を有する。この金属板は、特にアース層である。金属板は、損失電力によって発生した熱をその下に位置する冷却板の方向に放散することができる。
図1
図2