特許第6768057号(P6768057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768057
(24)【登録日】2020年9月24日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】軌道工事機械
(51)【国際特許分類】
   B61D 15/00 20060101AFI20201005BHJP
   E01B 29/00 20060101ALI20201005BHJP
   B61C 3/02 20060101ALI20201005BHJP
   B61C 5/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   B61D15/00 B
   E01B29/00
   B61C3/02
   B61C5/00
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-507568(P2018-507568)
(86)(22)【出願日】2016年7月19日
(65)【公表番号】特表2018-528896(P2018-528896A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2016001260
(87)【国際公開番号】WO2017028942
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2019年3月27日
(31)【優先権主張番号】A536/2015
(32)【優先日】2015年8月14日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ミュラー
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−091491(JP,A)
【文献】 特開2002−242234(JP,A)
【文献】 特開2008−049809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 15/00
B61C 3/02
B61C 5/00
E01B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道工事機械であって、
レール走行装置(2)により軌道上を走行可能な機械フレーム(4)と、
いくつかの駆動部(5)と接続されたエネルギ供給系(6)であって、内燃機関(7)と、少なくとも1つの液圧ポンプ(8)を有する液圧駆動系(9)とから構成される、エネルギ供給系(6)と、
を備える軌道工事機械において、以下の特徴:
a)前記内燃機関(7)は、駆動軸(17)を介して、電気的なジェネレータ/モータユニット(10)と機械的に接続されている、
b)前記ジェネレータ/モータユニット(10)は、機械的な駆動装置(19)を介して、前記液圧ポンプ(8)と接続されている、
c)蓄電池(20)が、電気的な供給線路(21)を介して、前記ジェネレータ/モータユニット(10)および駆動部(5)と接続されている、
d)前記駆動部(5)は液圧的な駆動部であり、前記液圧ポンプ(8)によりエネルギが供給される
を有することを特徴とする、軌道工事機械。
【請求項2】
前記レール走行装置(2)には、前記蓄電池(20)と接続されたジェネレータ/モータユニット(10)が走行駆動部として対応付けられている、請求項1記載の軌道工事機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道工事機械であって、レール走行装置により軌道上を走行可能な機械フレームと、いくつかの駆動部と接続されたエネルギ供給系であって、内燃機関と、少なくとも1つの液圧ポンプを有する液圧駆動系とから構成される、エネルギ供給系と、を備える軌道工事機械に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道工事機械の内燃機関は、多くの場合、作業運転を長時間中断する間でも全出力で作動している。これは、高い燃料消費量および保守コストの増加をもたらしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の課題は、冒頭で述べた態様の軌道工事機械において、機械運転に必要なエネルギ収支の改善が可能であるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた態様の軌道工事機械において、以下の特徴により解決される。
a)内燃機関は、駆動軸を介して、機械的に電気的なジェネレータ/モータユニットと接続されている、
b)ジェネレータ/モータユニットは、駆動装置を介して、液圧ポンプと接続されている、
c)蓄電池が、電気的な供給線路を介して、ジェネレータ/モータユニットおよび給電可能な駆動部と接続されている。
【0005】
これらの特徴の組み合わせにより、軌道工事機械に基づく種々の駆動部に主に電気的な供給を行うことができる。液圧的な駆動部が必要である場合には、必要な液圧ポンプを、蓄電池から供給されるジェネレータ/モータユニットを介して駆動することができる。これにより、背景技術においてすでに挙げられた欠点を回避するとともに、より低い性能の内燃機関でも間に合わせることができる。
【0006】
本発明のその他の利点は、従属請求項および図面に関する記述から明らかである。
【0007】
以下、図示された実施の態様に基づいて本発明を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】軌道の突き固めを行うように構成された軌道工事機械の側面図である。
図2】レール走行装置、駆動ユニットおよびエネルギ供給系の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
軌道工事機械1は、レール走行装置2により軌道3上を走行可能な機械フレーム4と、いくつかの種々の駆動部5と接続されたエネルギ供給系6とを備える。エネルギ供給系6は、内燃機関7と、複数の液圧ポンプ8を有する液圧駆動系9と、2つのジェネレータ/モータユニット10とから構成されている。
【0010】
複数の駆動部5を備えるタンピングユニット13、および液圧式の駆動部5により位置調整可能な軌道持上げユニット14が、軌道位置修正のために設けられている。空気圧縮機15や空調装置16のための種々の別の電気的な駆動部5が、ここでは単に例示的に挙げられている。
【0011】
内燃機関7は、駆動軸17により、ここでは分配伝動装置18として構成された駆動装置19を介して、機械的に2つの電気的なジェネレータ/モータユニット10と接続されている。
【0012】
各々のジェネレータ/モータユニット10は、駆動装置19を介して、液圧ポンプ8と接続されている。
【0013】
蓄電池20が、電気的な供給線路21を介して、ジェネレータ/モータユニット10と、電力変換器12と、給電可能な駆動部5とに接続されている。レール走行装置2には、電力変換器12と接続されたジェネレータ/モータユニット10が走行駆動部として対応付けされている。
【0014】
作業運転時に、内燃機関7は、分配伝動装置18を介して、それぞれ150kWの定格電力を有する両方のモータ/ジェネレータユニット10を駆動する。内燃機関7は、オーバーランニングクラッチ(またはクラッチ)22を備え、これにより、軌道工事機械1は、内燃機関7がなくても作動することができる。内燃機関7が始動されると、ジェネレータ/モータユニット10は、ジェネレータとして機能し、このジェネレータは、300kWの充電電力で蓄電器20に充電する、かつ/または搬入モードまたは作業モードでは、走行駆動部として用いられる両方のジェネレータ/モータユニット10のために必要な電力を供給する。さらに、液圧ポンプ8がジェネレータ/モータユニット10により駆動されることにより、内燃機関7の停止状態で液圧の系圧の維持が保証される。液圧的な駆動部5の作動時に、液圧的な駆動部5へのエネルギ供給は、液圧ポンプ8により行われる。
【0015】
リチウムイオンポリマー電池は、ここではたとえば200kW/hの電力量を有し、内燃機関7により運転されるジェネレータ/モータユニット10により、すでに約25分以内に貯蔵容量の80%に充電することができる。この系は、補機の種々の電気的な駆動部5にも高電圧が供給可能であるように設計されている。これにより、駆動部5への供給のために内燃機関7を始動させる必要がなく、長期にわたって駆動部5への供給が可能である。負荷運転時の内燃機関7の使用は、好適には、作業運転に限定することができる。蓄電池20がフルであるとき、蓄電池20は、作業運転時にも、部分的にエネルギ供給を担うことができる。
【0016】
タンピング機械のここで図示された例に対して代替的に、もちろんたとえば溶接機械などの他の公知の全ての軌道工事機械を、本発明に係るエネルギ供給系により運転してもよい。
図1
図2