【文献】
冨山 佳昭,「透過光血小板凝集検査法の標準化:国際血栓止血学会血小板機能標準化部会からの提言」の照会と解説,血栓止血誌,日本血栓止血学会,2016年,第27巻第3号,365−369
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記試薬の必要量が分注部による吸引可能な最小量を下回る場合、前記希釈試薬液を調製する工程において、前記試薬の必要量を、前記分注部による吸引可能な最小量に置換する、請求項3又は4のいずれか1項に記載の検体測定方法。
前記希釈試薬液を調製する工程において、複数回に分けて前記希釈液及び前記試薬を希釈試薬液容器に分注する、請求項1から11のいずれか1項に記載の検体測定方法。
前記希釈試薬液を調製する工程において、分注部で前記希釈液を吸引し、前記分注部で前記試薬を吸引し、前記希釈試薬液を収容するための希釈試薬液容器内に前記分注部から前記希釈液及び前記試薬を分注する、請求項1から13のいずれか1項に記載の検体測定方法。
前記試薬が、アデノシン二リン酸(ADP)、コラーゲン、エピネフリン、アラキドン酸、リストセチン及びプロテアーゼ活性型受容体1−活性化ペプチド(PAR1−AP)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1から14のいずれか1項に記載の検体測定方法。
血小板凝集能の機能異常の検出及び抗血小板凝集薬の薬効のモニタリングの少なくとも一方のための、前記試薬の複数の濃度設定を記憶する記憶装置をさらに備える、請求項17から25のいずれか1項に記載の検体測定装置。
前記試薬が、アデノシン二リン酸(ADP)、コラーゲン、エピネフリン、アラキドン酸、リストセチン及びプロテアーゼ活性型受容体1−活性化ペプチド(PAR1−AP)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項17から28のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
図1に示すように、実施形態に係る検体の血小板凝集能を測定するための検体測定装置200は、検体中の血小板凝集を惹起させる試薬と希釈液から試薬を含有する希釈試薬液を自動的に調製する希釈試薬液調製部11と、希釈試薬液と検体から所定濃度の試薬を含有する測定試料を調製する測定試料調製部12と、測定試料の光学的測定を行う測定部13と、を備える。
【0015】
試薬は、血小板凝集を惹起させる物質(血小板凝集惹起剤)を含み、アデノシン二リン酸(ADP)、コラーゲン、エピネフリン、アラキドン酸、リストセチン、又はプロテアーゼ活性型受容体1−活性化ペプチド(PAR1−AP)を含む。ADPとしては、レボヘムADP(登録商標、シスメックス)が使用可能である。コラーゲンとしては、レボヘムコラーゲン(登録商標、シスメックス)が使用可能である。エピネフリンとしては、レボヘムエピネフリン(登録商標、シスメックス)が使用可能である。アラキドン酸としては、レボヘムアラキドン酸(登録商標、シスメックス)が使用可能である。リストセチンとしては、レボヘムリストセチン(登録商標、シスメックス)が使用可能である。本実施形態では、予め、ユーザが、凍結乾燥された試薬の粉末を精製水で希釈して、試薬を含む溶液を調製する。
【0016】
試薬を含む溶液を希釈するための希釈液は、生理食塩水、及びコラーゲン用希釈液である。
【0017】
希釈試薬液調製部11は試薬調製テーブル180を備える。試薬調製テーブル180は、円形のテーブルである。試薬調製テーブル180には、ユーザが、試薬を含む溶液を収容する試薬容器90、希釈液を収容する希釈液容器50、及び空の希釈試薬液容器60を配置した複数の容器ラック100、300のそれぞれを周方向に沿って配置する。容器ラック100、300への試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60の配置は、ユーザが行う。また、試薬調製テーブル180への容器ラック100、300の配置は、ユーザが行う。
【0018】
試薬調製テーブル180は、中央部に配置された平面視で円形状の第1テーブル181と、第1テーブル181の外周に設けられた平面視で円環状の第2テーブル182と、を備える。
図1に示す例では、第1テーブル181には、4つの容器ラック100が周方向に沿って並べて配置されている。第2テーブル182には、3つの大型の容器ラック300が周方向に沿って並べて配置されている。
【0019】
試薬調製テーブル180は、周方向に回転可能であり、回転によって試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれを所定の位置に移動させることができる。第1テーブル181と第2テーブル182は、電動モータを備えた回転機構により、回転軸183を中心として、それぞれ独立して周方向に回転可能である。第1テーブル181は、回転により、第1テーブル181に配置された試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれを所定の位置に移動させることが可能である。第2テーブル182は、回転により、第2テーブル182に配置された試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれを所定の位置に移動させることが可能である。
【0020】
試薬調製テーブル180は、断熱性能を有するケースで覆われていてもよい。試薬調製テーブル180は、ペルチェ素子などの温度調節部を備えている。試薬調製テーブル180は、内部に配置した容器ラック100、300に保持された試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60を所定の保管温度に保持する試薬保冷庫として機能している。
【0021】
希釈試薬液調製部11は、試薬容器90、希釈液容器50、希釈試薬液容器60及び容器ラック100、300のそれぞれに付与された識別情報を読み取る試薬情報読取部184を備える。
図2に示すように、識別情報は、バーコード91で付与され、
図1に示す試薬情報読取部184は、バーコードリーダを備える。試薬容器90に付与された識別情報は、試薬の名称、試薬の種類、試薬を含む溶液における試薬の濃度、ロット番号、使用期限、及び個々の試薬容器90の識別番号(ID)等の情報を含みうる。希釈液容器50に付与された識別情報は、希釈液の名称、希釈液の種類、ロット番号、使用期限、及び個々の希釈液容器50の識別番号(ID)等の情報を含みうる。希釈試薬液容器60に付与された識別情報は、個々の希釈試薬液容器60の識別番号(ID)等の情報を含みうる。容器ラック100、300に付与された識別情報は、個々の容器ラック100、300の識別番号(ID)等の情報を含みうる。
【0022】
第1テーブル181及び第2テーブル182は、それぞれ、配置された試薬容器90、希釈液容器50、希釈試薬液容器60及び容器ラック100、300を、試薬情報読取部184と相対する読取位置に移動させることができる。試薬容器90、希釈液容器50、希釈試薬液容器60、及び容器ラック100、300のそれぞれの識別情報を試薬情報読取部184で読み取ることにより、試薬調製テーブル180上における試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれの配置を特定している。
【0023】
希釈試薬液調製部11は、第1分注部150a、150bを備える。第1分注部150a、150bは、それぞれ、分注用の吸引管153を旋回可能に保持する分注アームを備える。吸引管153は、
図3に示すように、ポンプ154と接続されており、所定の量の流体を吸引し、所定の量の流体を分注することが可能である。
図1に示す第1分注部150a、150bのそれぞれは、吸引管153を希釈液容器50上に移動させて、希釈液容器50から所定の量の希釈液を吸引して、所定の量の希釈液を希釈試薬液容器60に分注している。また、第1分注部150a、150bのそれぞれは、吸引管153を試薬容器90上に移動させて、試薬容器90から所定の量の試薬を吸引して、所定の量の試薬を希釈試薬液容器60に分注している。これにより、希釈試薬液容器60内で試薬と希釈液とが混合され、希釈液によって試薬が希釈され、試薬を含有する希釈試薬液が調製される。
【0024】
なお、第1分注部の数は特に限定されず、一つであってもよいし、複数であってもよい。
【0025】
また、希釈試薬液調製部11は、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれに収容された溶液の保持量を検出する溶液量検出部155a、155bを備える。溶液量検出部155a、155bは、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれに収容された溶液の液面の高さを検出する液面検出センサを備える。
図3に示す溶液量検出部155aは、静電容量式の液面検出センサを備えている。液面検出センサは、吸引管153の下端が溶液の液面に接触したことを検知する。
図1に示すように、溶液量検出部155a、155bは、第1分注部150a、150bに設けられている。
【0026】
検体測定装置200は、検体を搬送するための搬送部102が接続されている。搬送部102には、検体ラック105が配置される。検体ラック105には、検体を収容する検体容器104が複数本配置される。検体は、例えば、多血小板血漿(PRP)検体及び乏血小板血漿(PPP)検体である。PRP検体は、例えば、クエン酸ナトリウムのような抗凝固剤を添加した血液を200×gで10分遠心して得られる上澄みである。なお、×gは遠心力の単位である。PPP検体は、例えば、クエン酸ナトリウムのような抗凝固剤を添加した血液を200×gで10分遠心し、さらに1500×gで1分遠心して得られる上澄みである。PRP検体を収容する検体容器104とPPP検体を収容する検体容器104は、対になって検体ラック105に配置されるのが好ましい。
【0027】
搬送部102は、ユーザにより配置された検体ラック105を搬送して、各検体容器104を所定の検体吸引位置501、502に配置する。
図4に示すように、検体ラック105及び検体容器104には、バーコードなどに識別情報を記録したラベル205、204が貼付される。識別情報は、検体容器104のそれぞれに含まれる検体が、PRP検体であるか、PPP検体であるか、いずれかの情報を含む。また、識別情報は、検体容器104のそれぞれに含まれる検体の提供者、及び検体の検査目的等の情報を含む。
図1に示す搬送部102は、検体ラック105及び検体容器104の搬送経路に配置された検体情報読取部103を備える。検体情報読取部103は、バーコードリーダを備える。検体情報読取部103は、検体ラック105及び検体容器104の識別情報を読みとり、識別情報を後述する解析装置140に送信する。識別情報によって、検体容器104中の検体と、後の測定結果と、を対応付けて管理することが可能である。
【0028】
第1分注部150a、150bは、検体容器104内の所定の量の検体を吸引して、所定の量の検体を反応容器108に分注することもできる。反応容器108は、例えば、キュベットである。反応容器108には、予め撹拌子が入れられる。第1分注部150aは、吸引管153を移動させて、検体吸引位置501に配置された検体容器104から所定の量の検体を吸引する。第1分注部150bは、吸引管153を移動させて、検体吸引位置502に配置された検体容器104から所定の量の検体を吸引する。検体を吸引した第1分注部150a、150bは、それぞれ、吸引管153を移動させて、所定の検体分注位置503、504に配置された反応容器108内に検体を分注する。
【0029】
測定試料調製部12は、反応容器108を搬送する回転テーブル160を備える。回転テーブル160は、試薬調製テーブル180の外側に配置される。回転テーブル160は、平面視でリング形状を有し、周方向に回転できる。回転テーブル160には、周方向に沿って配列された複数の保持孔161が設けられている。保持孔161には、それぞれ1つずつ反応容器108を配置できる。第1分注部150a、150bは、回転テーブル160に保持された反応容器108に、吸引した検体を分注する。第1分注部150a、150bは、回転テーブル160上の検体を収容する反応容器108から、検体を吸引することもできる。
【0030】
測定試料調製部12は、反応容器108を搬送可能な把持機構170を備える。把持機構170は、反応容器108を把持して移送することが可能である。把持機構170は、回転テーブル160の保持孔161に反応容器108を配置することが可能である。また、把持機構170は、回転テーブル160の保持孔161から反応容器108を取り出し、反応容器108を後述する加温テーブル190又は試薬分注位置508上に配置することが可能である。さらに、把持機構170は、保持した反応容器108を廃棄口106に移送することが可能である。
【0031】
測定試料調製部12は、検体が分注された反応容器108を保持して加温することができる加温テーブル190を備える。加温テーブル190は、検体を収容した複数の反応容器108をそれぞれ保持するための複数の保持孔191と、反応容器108を把持して移送するための把持機構192と、を備える。加温テーブル190は、複数の保持孔191にそれぞれ保持された反応容器108を加温するためのヒータを内蔵している。
【0032】
加温テーブル190は、円形テーブルであり、複数の保持孔191が周方向に沿って配列されている。加温テーブル190は、周方向に回転可能であり、ヒータによって反応容器108を所定温度に加温しながら、回転によって複数の保持孔191に配置された反応容器108を周方向に移送できる。把持機構192は、反応容器108を把持して移送し、保持孔191に反応容器108を配置したり、保持孔191から反応容器108を取り出し、反応容器108を試薬分注位置508に配置したりすることができる。
【0033】
測定試料調製部12は、反応容器108を移送するための把持機構175をさらに備えている。把持機構175は、直交する3軸方向であるX、Y及びZの各方向への移動機構を備え、反応容器108を把持して移送できる。把持機構175は、加温テーブル190の保持孔191から反応容器108を取り出して試薬分注位置507に移送することができる。
【0034】
測定試料調製部12は、第2分注部120a、120bを備える。第2分注部120a、120bは、それぞれ、
図5に示すように、分注用の吸引管121を備える。吸引管121は、ポンプ122と接続されており、所定の量の流体を吸引し、所定の量の流体を分注することが可能である。
図1に示す第2分注部120a、120bのそれぞれは、吸引管121を試薬調製テーブル180上の所定の試薬吸引位置505、506に配置された希釈試薬液容器60上に移動させて、希釈試薬液容器60から所定の量の希釈試薬液を吸引する。その後、第2分注部120a、120bのそれぞれは、反応容器108上に移動し、所定の量の希釈試薬液を、試薬分注位置507、508に配置された反応容器108に分注することができる。これにより、反応容器108内で希釈試薬液と検体とが混合され、所定濃度の試薬を含有する測定試料が調製される。
【0035】
なお、第2分注部の数は特に限定されず、一つであってもよいし、複数であってもよい。
【0036】
また、測定試料調製部12は、希釈試薬液容器60及び反応容器108のそれぞれに収容された溶液の保持量を検出する溶液量検出部125a、125bを備える。溶液量検出部125a、125bは、希釈試薬液容器60及び反応容器108のそれぞれに収容された溶液の液面の高さを検出する液面検出センサを備える。
図5に示す溶液量検出部125aは、静電容量式の液面検出センサを備えている。液面検出センサは、吸引管121の下端が溶液の液面に接触したことを検知する。
図1に示すように、溶液量検出部125a、125bは、第2分注部120a、120bに設けられている。
【0037】
測定試料の光学的測定を行う測定部13は、測定試料の吸光度又は透過率を測定する。測定部13は、
図6に示すように、測定試料を収容している反応容器108を配置するための容器配置部131と、容器配置部131に配置された反応容器108に対して信号検出用の光を照射するための送光部132と、容器配置部131に対応して設けられた受光部133と、を備える。容器配置部131は、反応容器108内の撹拌子を回転させる撹拌機構を備えていてもよい。
【0038】
例えば、測定部13は、
図1に示す容器配置部131を複数備える。また、複数の容器配置部131が、所定間隔を隔てて直線状に2列配列されていてもよい。これにより、複数の反応容器108中の測定試料を測定することができる。
【0039】
把持機構175は、試薬分注位置507から測定部13の容器配置部131に、測定試料を収容する反応容器108を移送する。
【0040】
測定部13は、容器配置部131に配置された反応容器108内の測定試料中の血小板などが凝集反応する過程の吸光度又は透過率の経時変化を測定する。送光部132は、容器配置部131に配置された反応容器108内の攪拌されている測定試料に対して、光を照射する。送光部132は、発光ダイオードやハロゲンランプなどの光源を含む。送光部132は、光源からの光をそれぞれの容器配置部131内部に送るための光ファイバなどのライトガイドを含みうる。受光部133は、反応容器108内の測定試料に照射された光の透過光又は散乱光を受光して、受光量に応じた電気信号を出力する。受光部133は、受光した光を電気信号に変換して出力する光電変換素子を含む。電気信号は、後述する解析装置140に送信される。把持機構175は、測定済みの反応容器108を容器配置部131から取り出して、廃棄口107に移送できる。
【0041】
検体測定装置200に接続された解析装置140は、検体測定装置200の受光部133から出力される電気信号に基づいて、検体の血小板凝集能を解析する。解析装置140は、測定試料の吸光度又は透過率に基づき、vWF:RCo(フォンヴィレブランド因子リストセチンコファクター)活性、アデノシン二リン酸(ADP)最大凝集率、コラーゲン最大凝集率、エピネフリン最大凝集率、アラキドン酸最大凝集率、リストセチン最大凝集率、及びプロテアーゼ活性型受容体1−活性化ペプチド(PAR1−AP)最大凝集率等を算出する。
【0042】
図7は、
図1に示した検体測定装置200及び解析装置140の構成要素と、これらを制御信号により制御する制御部210、213と、の関係をブロック図で示している。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)又はFPGA(field−programmable gate array)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどの揮発性及び/又は不揮発性の記憶装置と、を含む。
【0043】
制御部210のプロセッサは、記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することにより、I/O基板211を介して、検体測定装置200の構成要素を制御する。具体的には、制御部210は、第2分注部120の分注動作、第1分注部150a、150bの分注動作、試薬調製テーブル180の動作、各回転テーブル及び各把持機構の動作、測定部13の受光部133及び送光部132の送受光などを制御する。
【0044】
検体測定装置200は通信部209を備え、解析装置140は通信部212を備える。検体測定装置200と解析装置140は、通信部209、212を介して、情報の送受信をする。
【0045】
解析装置140は、CPUなどのプロセッサと、ROM、RAM及びハードディスクなどの記憶装置とを含む制御部213を備える。解析装置140の制御部213が、検体測定装置200の受光部133から出力される電気信号に基づいて、検体の血小板凝集能を解析する。また、解析装置140は、画面表示が可能な表示部230、及び制御部210、213への入力が可能な入力部231が接続される。
【0046】
なお、
図7に示す例では、2つの制御部210、213を備える例を示しているが、制御部の数は特に限定されない。1つの制御部が検体測定装置200と解析装置140を制御してもよいし、3つ以上の制御部が検体測定装置200と解析装置140を制御してもよい。また、制御部の配置も特に限定されず、検体測定装置200と解析装置140のいずれか一方のみに配置されていてもよいし、検体測定装置200と解析装置140の外部に配置されていてもよい。
【0047】
次に、実施形態に係る検体の血小板凝集能を測定する検体測定方法を説明する。
【0048】
図8に示すように、実施形態に係る検体測定方法は、検体中の血小板凝集を惹起させる試薬と希釈液から試薬を含有する希釈試薬液を自動的に調製するステップS10と、希釈試薬液と検体から所定濃度の試薬を含有する測定試料を調製し、測定試料の光学的測定を行うステップS11と、を含む。
【0049】
ステップS10の詳細を
図9に示す。ステップS101で、制御部210は、表示部230が、
図10に示すように、希釈試薬液の自動調製工程を開始するためのメニュー801を表示するように、表示部230を制御する。ユーザが、入力部231を介して、試薬希釈ボタン701をクリックすると、制御部210は、希釈試薬液の自動調製工程の開始指示を受け付ける。制御部210は、表示部230が、
図11に示すように、プリセットされた試薬の種類と、測定試料における試薬の所定濃度と、の複数の組み合わせ702を含むテスト数入力画面802を表示するように、表示部230を制御する。
図11に示す例では、測定試料における試薬の所定濃度を、終濃度と表示している。
【0050】
ステップS102で、ユーザが、入力部231を介して、入力欄703に、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせに対応するテスト数を入力すると、制御部210は、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせに対応するテスト数を受け付ける。ここで、テスト数とは、ステップS11で同一条件下で測定試料を調製し、測定を行う回数である。試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の複数の組み合わせのうち、テスト数が設定された組み合わせが、希釈試薬液の自動調製のために選択された組み合わせとなり、テスト数が設定されなかった組み合わせが、希釈試薬液の自動調製のために選択されなかった組み合わせとなる。制御部210は、入力されたテスト数を、記憶装置に保存する。制御部210が、入力部231を介して、ユーザによるプリセット保存ボタン704のクリックを受け付けた場合は、制御部210は、入力されたテスト数を、プリセットされたテスト数として、記憶装置に保存する。なお、制御部210が、入力部231を介して、ユーザによるプリセット読み出しボタン705のクリックを受け付けた場合は、制御部210は、記憶装置からプリセットされたテスト数を読み出し、表示部230が、プリセットされたテスト数を表示するよう、表示部230を制御する。
【0051】
ステップS103で、ユーザが、入力部231を介して、必要量計算ボタン706をクリックし、制御部210が、ユーザによる希釈試薬液の自動調製に必要な計算の開始指示を受け付けると、検体測定装置200は、希釈試薬液の自動調製に必要な計算処理をする。
【0052】
詳細には、
図12に示すステップS201で、制御部210は、下記式(1)を用いて、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の一つの組み合わせに対する希釈試薬液の必要量V
Tを算出する。
V
T=V
1×T+V
D (1)
ここで、V
1は1テストに必要な希釈試薬液の所定の量、Tは設定されたテスト数、V
Dは希釈試薬液容器60のデッドボリュームを表す。1テストに必要な希釈試薬液の所定の量V
1及び希釈試薬液容器60のデッドボリュームV
Dは、検体測定装置200の特性及び大きさ等によって決まる定数である。1テストに必要な希釈試薬液の量V
1は、例えば20μLである。希釈試薬液容器60のデッドボリュームV
Dは、例えば30μLである。テスト数Tは、ステップS102で設定された任意で値である。
【0053】
ステップS202で、制御部210は、下記式(2)を用いて、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の一つの組み合わせに対する試薬の必要量V
Oを算出する。
V
O=C
F÷C
O×V
T×D (2)
ここで、C
Fは測定試料における試薬の所定濃度、C
Oは試薬容器90中の試薬を含む溶液における試薬の濃度、Dは測定試料調製時の希釈試薬液の希釈倍率を表す。希釈倍率Dは、測定試料を調製する際の、希釈試薬液の量と検体の量との和を、希釈試薬液の量で割って得られる。測定試料における試薬の所定濃度C
Fは、設定された任意の値である。試薬容器90中の試薬を含む溶液における試薬の濃度C
Oは定数である。例えば、試薬がADPである場合、試薬を含む溶液における試薬の濃度C
Oは160μmol/Lである。希釈倍率Dは、検体測定装置200の特性及び大きさ等によって決まる。例えば1テストに必要な希釈試薬液の所定の量V
1が20μLであり、検体の所定の量V
Sが140μLである場合、希釈倍率Dは8倍である。
【0054】
ステップS203で、制御部210は、下記式(3)を用いて、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の一つの組み合わせに対する希釈液の必要量V
Bを算出する。
V
B=V
T−V
O (3)
【0055】
ステップS204で、制御部210は、ステップS202で算出した試薬の必要量V
Oが、第1分注部150aが吸引可能な量の最小値V
mを上回るか判定する。最小値V
mは、例えば4μLである。最小値V
mを下回る場合、ステップS205で、制御部210は、試薬の必要量V
Oを、第1分注部150aが吸引可能な量の最小値V
mに置き換える。さらに、制御部210は、下記(4)式を用いて、補正された希釈液の必要量V
BCを算出する。
V
BC=V
m/V
O×V
B (4)
制御部210は、吸引可能最小値V
mの試薬を第1分注部150aで吸引し、補正された必要量V
BCの希釈液を第1分注部150aで吸引して、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の一つの組み合わせに対する希釈試薬液を作製すると決定する。なお、第1分注部150bを用いてもよい。以下においても同様である。
【0056】
ステップS202で算出した試薬の必要量V
Oが、第1分注部150aが吸引可能な量の最小値V
mを上回る場合、ステップS206で、制御部210は、ステップS202で算出した必要量V
Oの試薬を第1分注部150aで吸引し、ステップS203で算出した必要量V
Bの希釈液を第1分注部150aで吸引して、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の一つの組み合わせに対する希釈試薬液を作製すると決定する。
【0057】
ステップS205を経由した場合、ステップS207で、制御部210は、吸引可能最小値V
mと補正された必要量V
BCの和である試薬と希釈液の合計量が、第1分注部150aの吸引可能な量の最大値V
Mを下回るか判定する。ステップS206を経由した場合、ステップS207で、制御部210は、必要量V
Oと必要量V
Bの和である試薬と希釈液の合計量が、第1分注部150aの吸引可能な量の最大値V
Mを下回るか判定する。最大値V
Mは、例えば250μLである。
【0058】
試薬と希釈液の合計量が最大値V
Mを上回る場合、ステップS208で、制御部210は、試薬と希釈液の合計量を自然数で割って得られる値が最小値V
mより大きく最大値V
Mより小さくなるような自然数を算出する。制御部210は、算出された自然数の回数に分割して、試薬と希釈液を吸引すると決定する。
【0059】
ステップS209で、制御部210は、第1分注部150aで吸引する試薬と希釈液の合計量が、希釈試薬液容器60が収容可能な量の最大値V
Rを下回るか判定する。最大値V
Rは、例えば3000μLである。合計量が希釈試薬液容器60の最大値V
Rを上回る場合、ステップS210で、制御部210は、表示部230が、設定された試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせにおいては、希釈試薬液を調製できないと表示するよう制御する。
【0060】
ステップS211で、制御部210は、測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされたか否かを判定する。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされていない場合、ステップS201に戻る。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされている場合、ステップS212に進む。
【0061】
ステップS212で、制御部210は、試薬の複数の種類に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされたか否かを判定する。試薬の複数の種類に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされていない場合、ステップS201に戻る。試薬の複数の種類に対して、試薬の必要量と希釈液の必要量の算出が全てなされている場合、ステップS213に進む。
【0062】
ステップS213で、制御部210は、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した試薬の必要量と希釈液の必要量を、記憶装置に保存する。
【0063】
図9のステップS104で、制御部210は、表示部230が、
図13に示すように、試薬の必要量707と希釈液の必要量708を示す試薬準備画面803を表示するよう、表示部230を制御する。ステップS105で、
図14に示すように、ユーザが、試薬調製テーブル180に、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60を配置する。ステップS106で、ユーザが、入力部231を介して、
図13に示す残量計測ボタン709をクリックすると、制御部210は、試薬容器90中の試薬の保持量(残量)と希釈液容器50中の希釈液の保持量(残量)の計測開始指示を受け付ける。
【0064】
ステップS107で、制御部210は、表示部230が、
図15に示すように、試薬情報の読み取りと、試薬の保持量(残量)と希釈液の保持量(残量)の計測をすることを確認するダイアログボックス710を表示するよう、表示部230を制御する。制御部210は、入力部231を介して、ユーザによる、試薬情報の読み取りと、試薬の保持量(残量)と希釈液の保持量(残量)の計測の開始の指示を受け付けると、制御部210は、試薬調製テーブル180を制御して回転させ、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれを試薬情報読取部184の前に移動させる。制御部210は、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれの識別情報を読み取るよう、試薬情報読取部184を制御し、また、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれの配置を特定するよう、試薬情報読取部184を制御する。制御部210は、試薬情報読取部184を制御し、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60のそれぞれの識別情報及び配置を記憶装置に保存する。なお、試薬情報読取部184が読み取る識別情報が識別番号(ID)のみを含み、制御部210が、識別番号(ID)に対応する、内容物の名称、内容物の種類、内容物を含む溶液における内容物の濃度、ロット番号、及び使用期限等の情報を、ネットワークを介してサーバから受信し、記憶装置に保存してもよい。
【0065】
ステップS108で、制御部210は、溶液量検出部155aが、試薬調製テーブル180に配置された試薬容器90及び希釈液容器50のそれぞれに収容された溶液の保持量を計測するよう制御し、計測した溶液の量を記憶装置に保存する。制御部210は、
図16に示すように、表示部230が、計測した保持量を示す試薬準備画面804を表示するよう、制御する。
図16に示す例では、保持量が、現在量のカラム711に表示される。
【0066】
ユーザが、入力部231を介して、次へボタン712をクリックすると、ステップS109で、制御部210は、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した試薬の必要量の和が、試薬容器90に収容されている試薬を含む溶液の保持量を下回るか判定する。また、制御部210は、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した希釈液の必要量の和が、希釈液容器50に収容されている希釈液の保持量を下回るか判定する。
【0067】
ステップS110で、制御部210は、表示部230が、
図17に示すように、作製する希釈試薬液の一覧713を含む希釈実行確認画面805を表示するよう制御する。試薬又は希釈液の必要量の和が保持量を上回り、作製できない希釈試薬液がある場合は、エラーのカラム714に表示する。試薬又は希釈液の保持量が足りない場合、例えば、濃度の薄い希釈試薬液から優先的に作製対象とする。
【0068】
ステップS111で、ユーザが、入力部231を介して、実行ボタン715をクリックすると、制御部210は、希釈試薬液の自動調製の開始の指示を受け付ける。
【0069】
ステップS112で、制御部210は、希釈試薬液調製部11が、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した試薬の必要量と希釈液の必要量を用いて、希釈試薬液を調製するよう制御する。詳細には、
図18のステップS301で、制御部210は、第1分注部150aが、希釈液容器50上に移動し、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した希釈液の必要量に従って、希釈液容器50から希釈液を吸引するよう制御する。次に、ステップS302で、制御部210は、第1分注部150aが、希釈液を保持したまま試薬容器90上に移動し、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせごとに決定した試薬の必要量に従って、試薬容器90から試薬を吸引するよう制御する。ステップS303で、制御部210は、第1分注部150aが、希釈試薬液容器60上に移動し、保持していた希釈液と試薬を、希釈試薬液容器60内に分注し、設定された試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の組み合わせに対応する試薬希釈液を調製するよう制御する。ステップS208で希釈液と試薬の吸引を複数回に分割して吸引すると決定した場合、ステップS304からステップS301に戻る。
【0070】
図9のステップS113で、制御部210は、測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされたか否かを判定する。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされていない場合、ステップS112に戻る。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされている場合、ステップS114に進む。
【0071】
ステップS114で、制御部210は、試薬の複数の種類に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされたか否かを判定する。試薬の複数の種類に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされていない場合、ステップS112に戻る。試薬希釈液を調製している間、制御部210は、表示部230が、
図19に示すように、試薬希釈液の調製を実行していることを示すダイアログ716を表示するよう、表示部230を制御する。試薬の複数の種類に対して、全ての試薬希釈液の調製がなされている場合、ステップS115に進む。
【0072】
ステップS115で、制御部210は、表示部230が、
図20に示すように、調製した試薬希釈液の一覧717を含む実行結果表示画面806を表示するよう制御する。試薬又は希釈液の必要量の和が保持量を上回り、作製できなかった希釈試薬液がある場合は、エラーのカラム718に表示する。ステップS116で、制御部210は、表示部230が、調製された試薬希釈液の撹拌を促すメッセージを表示するよう制御してもよい。
【0073】
図8のステップS11で、検体の血小板凝集能が測定される。詳細には、
図21のステップS401で、PPP検体を含む検体容器104とPRP検体を含む検体容器104とが、搬送部102に配置される。制御部210は、検体情報読取部103が、検体容器104に貼り付けられた識別情報を読むよう制御し、記憶装置に保存する。ステップS402で、制御部210は、測定試料調製部12が、試薬の種類と測定試料における試薬の所定濃度の複数の組み合わせのそれぞれに対応する測定試料を調製するよう制御する。
【0074】
ステップS403で、制御部210は、測定試料調製部12がPPP検体の測定試料を調製し、測定部13がPPP検体の測定試料を測定するよう制御する。詳細には、
図22のステップS501で、制御部210は、第1分注部150aが、PPP検体を含むと識別された検体容器104から、所定の量のPPP検体を吸引し、反応容器108内に分注するよう制御する。ステップS502で、制御部210は、第2分注部120aが、希釈液容器50から所定の量の希釈液を吸引し、反応容器108内に分注し、PPP検体を希釈するよう制御する。ステップS503で、制御部210は、把持機構175が、希釈されたPPP検体を収容する反応容器108を測定部13に移送し、測定部13が、反応容器108内の希釈されたPPP検体の吸光度又は透過率の経時変化を所定の時間測定するよう制御する。制御部210は、測定部13が、PPP検体の測定した吸光度又は透過率の経時変化を、記憶装置に保存する。
【0075】
図21のステップS404で、制御部210は、測定試料調製部12がPRP検体の測定試料を調製し、測定部13がPRP検体の測定試料を測定するよう制御する。詳細には、
図23のステップS601で、制御部210は、第1分注部150aが、PRP検体を含むと識別された検体容器104から、所定の量V
SのPRP検体を吸引し、予め撹拌子が入れられた反応容器108内に分注するよう制御する。ステップS602で、制御部210は、把持機構170が、PRP検体を収容する反応容器108を加温テーブル190上に移送するよう制御する。制御部210は、加温テーブル190が、PRP検体を収容する反応容器108を、所定の時間、所定の温度で加熱するよう制御する。
【0076】
ステップS603で、制御部210は、第2分注部120aが、希釈試薬液容器60から、設定された試薬の種類及び所定濃度に対応する希釈試薬液を所定の量吸引し、PRP検体を収容する反応容器108内に、試薬の希釈倍率が所定の希釈倍率Dとなるよう、所定の量V
1の希釈試薬液を分注し、所定濃度の試薬とPRP検体を含有する測定試料を調製するよう制御する。ステップS604で、制御部210は、把持機構175が、測定試料を収容する反応容器108を測定部13の容器配置部131に移送するよう制御する。制御部210は、容器配置部131が、反応容器108内の撹拌子を回転させ、測定試料を撹拌するよう制御する。
【0077】
ステップS605で、制御部210は、測定試料を撹拌しながら、測定部13が、反応容器108内の所定濃度の試薬とPRP検体を含有する測定試料の吸光度又は透過率の経時変化を所定の時間測定するよう制御する。制御部210は、測定部13が、測定試料の測定した吸光度又は透過率の経時変化を、記憶装置に保存する。
【0078】
ステップS606で、制御部210は、設定されたテスト数に応じて測定試料の調製と光学測定を繰り返したか否かを判定する。設定されたテスト数に達していない場合、ステップS601に戻る。設定されたテスト数に達している場合、ステップS607に進む。ステップS607で、制御部210は、測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされたか否かを判定する。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされていない場合、ステップS601に戻る。測定試料における試薬の複数の所定濃度に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされている場合、ステップS608に進む。
【0079】
ステップS608で、制御部210は、試薬の複数の種類に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされたか否かを判定する。試薬の複数の種類に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされていない場合、ステップS601に戻る。試薬の複数の種類に対して、測定試料の調製及び測定が全てなされている場合、
図21のステップS405に進む。
【0080】
測定部13が吸光度を測定した場合、ステップS405で、検体測定装置200の制御部210は、記憶装置に保存した吸光度又は透過率の経時変化を、通信部209、212を介して、解析装置140の制御部213の記憶装置に送信する。解析装置140の制御部213は、設定された試薬の種類及び所定濃度のそれぞれについて、PRP検体に希釈試薬液を添加した直後の吸光度を凝集率0%、PPP検体の吸光度を凝集率100%として、血小板凝集反応に伴う吸光度の最大変化量から、最大凝集率を算出する。具体的には、解析装置140の制御部213は、最大凝縮率A(%)を、以下の(5)式を用いて算出する。
A=(OD
PRPIni−OD
PRPmin)/(OD
PRPIni−OD
PPP)×100 (5)
ここで、OD
PRPIniはPRP検体に希釈試薬液を添加した直後の吸光度、OD
PRPminは希釈試薬液を添加されたPRP検体を含む測定試料の最小吸光度、OD
PPPはPPP検体の吸光度を表す。なお、吸光度と透過率は反比例の関係にあるので、透過率に基づいて最大凝集率を算出してもよい。解析装置140の制御部213は、算出した最大凝集率を記憶装置に保存する。
【0081】
ステップS406で、解析装置140の制御部213は、表示部230が、設定された試薬の種類及び所定濃度のそれぞれについて、測定試料の吸光度又は透過率の経時変化の波形グラフ、最大凝集率等を表示するよう制御し、方法を終了する。
【0082】
以上説明した検体測定装置及び検体測定方法によれば、試薬の希釈液を、測定試薬における試薬の所定濃度に応じて自動的に調製することが可能である。さらに、ユーザが入力又は選択した測定試薬における試薬の所定濃度とテスト数に応じて、試薬及び希釈液の必要量を自動的に算出することが可能である。そのため、血小板凝集能検査を効率化することが可能である。また、試薬の希釈液を自動的に調製するため、試薬の希釈液の濃度の精度を高水準に維持することが可能である。
【0083】
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、
図9のステップS101で、表示部230が、
図11に示すように、プリセットされた試薬の種類と、測定試料における試薬の所定濃度と、の複数の組み合わせ702を含むテスト数入力画面802を表示する例を示した。これに対し、制御部210が、入力部231を介して、ユーザから、試薬の種類の設定の入力を受け付けてもよい。また、制御部210が、入力部231を介して、ユーザから、測定試料における試薬の所定濃度の設定の入力を受け付けてもよい。
【0084】
あるいは、上記の実施の形態では、
図9のステップS102でテスト数を受け付ける例を示したが、
図11に示す画面において、プリセットされた試薬の種類と、プリセットされた測定試料における試薬の所定濃度と、プリセットされたテスト数の複数の組み合わせを予め表示してもよい。この場合、ユーザは、テスト数を入力せずに、プリセットされた試薬の種類と、プリセットされた測定試料における試薬の所定濃度と、プリセットされたテスト数の複数の組み合わせのなかから、任意の組み合わせを選択してもよい。この場合、制御部210は、選択された組み合わせを記憶装置に保存する。その後、ステップS103で、制御部210は、選択された組み合わせにおけるテスト数に基づいて、希釈試薬液の自動調製に必要な計算処理をする。
【0085】
また、上記の実施の形態では、ステップS104からステップS106で、試薬の必要量と希釈液の必要量の計算結果に基づいて、ユーザが試薬調製テーブル180に、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60を配置する例を示した。これに対し、ステップS101の前に、ユーザが試薬調製テーブル180に、試薬容器90、希釈液容器50、及び希釈試薬液容器60を予め配置し、ステップS103で、制御部210が希釈試薬液の自動調製に必要な計算処理をした後、ステップS104からステップS106を省略し、ステップS107、S108で、制御部210が、ユーザからの指示を受け付けることなく、試薬情報の読み取りと、試薬の保持量(残量)と希釈液の保持量(残量)の計測を自動的に開始してもよい。さらに、ステップS110、S111を省略し、ステップS112で、制御部210が、ユーザからの指示を受け付けることなく、希釈試薬液の自動調製を開始してもよい。
【0086】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
【課題】検体の血小板凝集能を検査する際に、検体の血小板凝集を惹起させる試薬を調製する負担を軽減し、作業者の熟練度による濃度のバラツキを抑制する検体測定方法を提供する。
検体の血小板凝集能を測定するための検体測定方法であって、検体中の血小板凝集を惹起させる試薬と希釈液から試薬を含有する希釈試薬液を自動的に調製する工程S10と、希釈試薬液と検体から所定濃度の試薬を含有する測定試料を調製し、測定試料の光学的測定を行う工程S11と、を含む、検体測定方法。