特許第6768148号(P6768148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6768148制御装置、端末装置、クレードル、制御方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768148
(24)【登録日】2020年9月24日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】制御装置、端末装置、クレードル、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20201005BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
   G06F3/01 510
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-514343(P2019-514343)
(86)(22)【出願日】2018年4月6日
(86)【国際出願番号】JP2018014787
(87)【国際公開番号】WO2018198727
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-90482(P2017-90482)
(32)【優先日】2017年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 勇志
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−041746(JP,A)
【文献】 特開2006−352765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048−3/0489
H04M1/00
1/24−1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレードルに搭載される端末装置を制御する制御装置であって、
複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断部と、
上記報知を使用者に認識させる必要性の高低を上記判断部が判断した結果に応じて、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信部と、を備え
上記複数種類の情報に、上記端末装置の周囲の照度が所定値以上であることを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動中であることを示す情報が含まれている場合に、
上記情報送信部は、上記指示情報として、上記端末装置の表示部が人の方に向くように上記クレードルを回転させる情報を送信することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
上記活動中であることを示す情報が、上記端末装置の周囲にいる人の対話に係る音声情報であることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
上記複数種類の情報に、上記端末装置の周囲の照度が所定値未満であることを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動していないことを示す情報が含まれている場合に、
上記情報送信部は、上記指示情報として、上記クレードルを回転させない情報、または上記端末装置の表示部が人の方と反対方向に向くように上記クレードルを回転させる情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
上記活動していないことを示す情報が、上記端末装置の周囲にいる人のいびきに係る音声情報であることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
請求項1〜の何れか1項に記載の制御装置を備える端末装置。
【請求項6】
クレードルに搭載される端末装置を制御する制御装置の制御方法であって、
複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断ステップと、
上記報知を使用者に認識させる必要性の高低を上記判断ステップにおいて判断した結果に応じて、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信ステップと、を含み、
上記複数種類の情報に、上記端末装置の周囲の照度が所定値以上であることを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動中であることを示す情報が含まれている場合に、
上記情報送信ステップにおいて、上記指示情報として、上記端末装置の表示部が人の方に向くように上記クレードルを回転させる情報を送信することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記判断部および上記情報送信部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転可能なクレードルに搭載された端末装置を制御する制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末を搭載した状態で回転可能に構成された回転式の充電台(クレードル)が開発されている。例えば、特許文献1には、充電台が上段部、中段部および下段部から構成されており、携帯端末を搭載した状態で上段部が回転するように構成された回転式の充電台が開示されている。
【0003】
この充電台は、上段部および中段部が軸を介して接続され、軸はモータに接続され、モータが回転動作を行うと、充電台の上段部が回転する回転動作が行われるようになっている。また、特許文献1に記載された技術では、周囲に人がいるか否かの検知結果に応じて充電台の回転等の報知制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2006−041746号公報(2006年2月9日公開)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、周囲に人がいるか否かの検知結果のみで充電台の回転等の報知制御を行うか否かを決定しているため、報知を使用者に認識させる必要がない場合にも報知制御が行われてしまう可能性があるという問題点がある。例えば、携帯端末の周囲にいる人が就寝中であるような場合には、報知制御は不要である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、報知を使用者に認識させる必要性の高低に応じてクレードルの回転を制御することができる制御装置等を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御装置は、クレードルに搭載される端末装置を制御する制御装置であって、複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断部と、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御装置の制御方法は、クレードルに搭載される端末装置を制御する制御装置の制御方法であって、複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断ステップと、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信ステップと、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る制御装置またはその制御方法によれば、報知を使用者に認識させる必要性の高低に応じてクレードルの回転を制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の一形態に係る報知システムの構成を示すブロック図である。
図2】上記報知システムを構成するスマートフォンおよび充電台の外観を示す図である。
図3】上記報知システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図4】上記報知システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図5】上記報知システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図1図5に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、ある項目にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、他の項目においても同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0012】
〔通信システムの概要〕
本実施形態に係る報知システム500は、スマートフォン(端末装置)1と、スマートフォン1を搭載する充電台(クレードル)2とから成る。以下、スマートフォン1および充電台2の外観の一例を、図2を用いて説明する。
【0013】
図2は、本実施形態に係る報知システム500に含まれるスマートフォン1および充電台2の外観を示す図である。図2の(a)は、スマートフォン1と、スマートフォン1を搭載した状態の充電台2とを示している。
【0014】
スマートフォン1は、周囲に居る人物に報知を行う端末装置である。詳しくは後述するが、スマートフォン1は例えば、自装置で発生した、または他の装置から受信した報知すべき事象を充電台2の回転動作、スピーカ50からの音、バイブレータ51の振動、またはLED(Light Emitting Diode)52による発光で周囲の人物に報知する。スマートフォン1は、例えば、携帯電話またはタブレットPC等の端末装置であってもよい。スマートフォン1には、スマートフォン1の各種機能を制御する制御装置(後述の制御部10)が搭載されている。
【0015】
充電台2は、スマートフォン1を搭載可能なクレードルである。なお、充電台2において充電機能は必須ではない。充電台2はスマートフォン1を搭載した状態で回転することができる。より詳しくは、充電台2は固定部210と、筐体200とを備えている。また、充電台2は電源と接続するためのケーブル220を備えていてもよい。
【0016】
固定部210は、充電台2の土台部分であり、充電台2を床面や机等に設置したときに充電台2を固定する部分である。筐体200は、スマートフォン1の台座となる部分である。筐体200の形状は特に限定されないが、回転時にもスマートフォン1を確実に保持できるような形状であることが望ましい。筐体200は、スマートフォン1を保持した状態で、内蔵のモータ(後述のモータ120)の動力により回転する。なお、筐体200の回転方向は特に限定しない。
【0017】
図2の(b)は、スマートフォン1を搭載していない状態の充電台2の外観を示す図である。筐体200は、スマートフォン1と接続するためのコネクタ100を備えている。詳しくは後述するが、充電台2はコネクタ100を介してスマートフォン1から種々の指示(コマンド)を受信し、該コマンドに基づいて動作する。
【0018】
〔スマートフォン1の要部構成〕
図1は、報知システム500を構成するスマートフォン1および充電台2の要部構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン1は図示の通り、制御部(制御装置)10、通信部20、カメラ30、マイク31、ジャイロセンサ32、加速度センサ33、照度センサ34、メモリ40、スピーカ50、バイブレータ51、LED52、コネクタ60、接続検知部61、バッテリ70、電力供給検知部71、および表示部80を備える。
【0019】
通信部20は、他の装置とスマートフォン1との情報の送受信を行う。通信部20は他の装置から受信した情報を制御部10に送信する。例えば、他のスマートフォンから電話の着信があった場合、通信部20は着信がある旨を制御部10に伝える。また例えば、他のスマートフォン1からメールを受信した場合、通信部20は該メールの受信を制御部10に伝える。
【0020】
カメラ30は、スマートフォン1の周囲の状況を示す情報を取得するための入力デバイスの1つである。カメラ30は、スマートフォン1の周囲を静止画または動画で撮影する。カメラ30は、所定の時間間隔で撮影を行い、撮影データを制御部10の情報取得部12に送信する。なお、カメラ30はスマートフォン1の表示部80およびスピーカ50の少なくとも一方と同じ向きに設けられることが望ましい。これにより、カメラ30はスマートフォン1の向いている方向から所定範囲内(カメラ30の撮影可能な範囲内)の状況を、撮影データに収めることができる。
【0021】
マイク31は、スマートフォン1の周囲の状況を示す情報を取得するための入力デバイスの1つである。マイク31は、スマートフォン1の周囲で発生した音声を集音する。ジャイロセンサ32は、スマートフォン1の状態を示す情報を取得するための入力デバイスの1つである。ジャイロセンサ32は、スマートフォン1の傾きを検知する。
【0022】
加速度センサ33は、スマートフォン1の状態を示す情報を取得するための入力デバイスの1つである。加速度センサ33は、スマートフォン1の振動や衝撃を検知する。照度センサ34は、スマートフォン1の周囲の状況を示す情報を取得するための入力デバイスの1つである。照度センサ34は、スマートフォン1の周囲の照度を検知する。
【0023】
制御部10は、スマートフォン1を統括的に制御する。制御部10は、イベント監視部11、情報取得部12、判断部13、報知制御部14、およびコマンド作成部(情報送信部)15を含む。
【0024】
イベント監視部11は、イベントの発生および終了を監視する。イベントとは、スマートフォン1においてユーザに通知すべき事象であると予め定められている、特定の事象を意味する。イベントとは例えば、電話の発信および着信、メールの送信および受信、スマートフォン1のアラームやタイマーによる特定の時刻の通知、ならびにスマートフォン1にダウンロードされた各種アプリケーションからの通知等である。
【0025】
イベント監視部11はイベントの発生を検知すると、情報取得部12にイベントが発生した旨を通知するとともに、報知制御部14に発生したイベントの種類を通知する。また、イベント監視部11は、イベントの終了を検知すると、イベントが終了した旨を情報取得部12および報知制御部14に通知する。
【0026】
なお、イベント監視部11は、スマートフォン1の電源がオンの間、常時イベントの発生を監視していてもよい。また、イベント監視部11はスマートフォン1がマナーモードや省電力モード等、音声や映像による報知を行わないモードに設定されている場合は、イベントの発生を監視しないこととしてもよい。
【0027】
情報取得部12は、イベント監視部11からイベントの発生を通知されると、カメラ30からスマートフォン1の周囲を撮影した撮影データを取得し、画像解析を行って、スマートフォン1の周囲が明るい(例えば、平均の階調値が所定値以上)か、暗い(例えば、平均の階調値が所定値未満)か、を判定する。
【0028】
情報取得部12は、上記の判定結果に基づき、スマートフォン1の周囲が明るいことを示す情報、またはスマートフォン1の周囲が暗いことを示す情報を生成して判断部13に送信する。
【0029】
情報取得部12はマイク31から集音される音声を取得して音声認識等の処理を行う。情報取得部12は、上記の処理の結果に基づき、スマートフォン1の周囲にいる人が活動中であることを示す情報、またはスマートフォン1の周囲にいる人が活動していないことを示す情報を生成して判断部13に送信する。スマートフォン1の周囲にいる人が活動中であることを示す情報の例としては、例えば、スマートフォン1の周囲にいる人の対話に係る音声情報を例示することができる。また、スマートフォン1の周囲にいる人が活動していないことを示す情報の例としては、スマートフォン1の周囲にいる人のいびきに係る音声情報を例示することができる。また、スマートフォン1の周囲にいる人が活動していないことを示す情報の別の例として、スマートフォン1の周囲にいる人の鼻呼吸の音に係る情報を例示することができる。
【0030】
情報取得部12は、ジャイロセンサ32からスマートフォン1の傾きに関する情報を取得し、スマートフォン1が充電台2に搭載されているか否かを推定し、その推定結果を判断部13に送信する。
【0031】
情報取得部12は、加速度センサ33からスマートフォン1の振動や衝撃を検知した検知情報を取得し、スマートフォン1がポケットやカバンの中に入っているか否か、またはスマートフォン1が充電台2に搭載されているか否かを推定し、その推定結果を判断部13に送信する。
【0032】
情報取得部12は、照度センサ34からスマートフォン1の周囲の照度を検知した検知情報を取得し、スマートフォン1の周囲が明るい(照度が所定値以上)か、暗い(照度が所定値未満)か、を判定し、その判定結果に基づき、スマートフォン1の周囲の照度が所定値以上である(明るい)ことを示す情報、またはスマートフォン1の周囲の照度が所定値未満である(暗い)ことを示す情報を生成し、判断部13に送信する。
【0033】
情報取得部12は、電力供給検知部71からバッテリ70に対して電力の供給が行われているか否かの検知情報を取得し、スマートフォン1が充電台2に搭載されているか否かを推定し、その推定結果を判断部13に送信する。バッテリ70に対して電力の供給が行われている場合、スマートフォン1が充電台2に搭載されていると推定できる。
【0034】
情報取得部12は、接続検知部61からスマートフォン1のコネクタ60と充電台2のコネクタ100とが接続状態にあるか否かの検知情報を取得し、スマートフォン1が充電台2に搭載されているか否かを推定し、その推定結果を判断部13に送信する。コネクタ60と充電台2のコネクタ100とが接続状態にある場合、スマートフォン1が充電台2に搭載されていると推定できる。
【0035】
判断部13は、情報取得部12から取得する複数種類の情報の組合せによりスマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する。具体的には、判断部13は、上記複数種類の情報に、スマートフォン1の周囲が明るいことを示す情報、およびスマートフォン1の周囲にいる人が活動中であることを示す情報が含まれている場合に、上記必要性が高いものと判断する。上記活動中であることを示す情報としては、例えば、スマートフォン1の周囲にいる人の対話に係る音声情報を例示することができる。
【0036】
また、判断部13は、上記複数種類の情報に、スマートフォン1の周囲が暗いことを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動していないことを示す情報が含まれている場合に、上記必要性が低いものと判断する。上記活動していないことを示す情報としては、例えば、スマートフォン1の周囲にいる人のいびきに係る音声情報を例示することができる。
【0037】
報知制御部14は、判断部13の判定結果に基づき、スピーカ50を介して着信音等を出力したり、バイブレータ51を振動させたり、LED52を点灯または点滅させたりするなどの報知方法を制御する。
【0038】
報知制御部14は、イベント監視部11から通知されたイベントの種類に応じた音をスピーカ50に出力させる。また、報知制御部14は、イベント監視部11から通知されたイベントの種類に応じた振動をバイブレータ51に行わせる。また、報知制御部14は、イベント監視部11から通知されたイベントの種類に応じてLED52を点灯または点滅させる。
【0039】
報知制御部14は、また、イベント監視部11からイベントの終了を通知された場合、スピーカ50の音声出力を停止させ、バイブレータ51の振動を停止させ、LED52を消灯させる。
【0040】
コマンド作成部15は、充電台2に対する指示(コマンド)を作成し、充電台2に送信する。コマンド作成部15は、判断部13から送信される上記必要性の高低に応じて、充電台2(筐体200)の回転に係る指示情報を充電台2に送信する。
【0041】
具体的には、コマンド作成部15は、判断部13からスマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性が高いとの判定結果を通知された場合、上記指示情報として、スマートフォン1の表示部80が人の方に向くように充電台2(筐体200)を回転させる情報を送信する。これにより、スマートフォン1の周囲が明るく、スマートフォン1の周囲にいる人が活動中である場合のように報知を使用者に認識させる必要性が高い場合に、スマートフォン1の表示部80が人の方に向くようにクレードルを回転させることができる。これにより、活動中の人(例えば、対話に係る音声を発している人)に報知を容易に気付かせることができる。
【0042】
また、コマンド作成部15は、判断部13からスマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性が低いとの判定結果を通知された場合、上記指示情報として、充電台2を回転させない情報、またはスマートフォン1の表示部80が人の方と反対方向に向くように充電台2(筐体200)を回転させる情報を送信する。これにより、スマートフォン1の周囲が暗く、スマートフォン1の周囲にいる人が活動していない場合のように報知を使用者に認識させる必要性が低い場合に、充電台2を回転させないか、スマートフォン1の表示部80が人の方と反対方向に向くように充電台2を回転させることができる。これにより、報知を使用者に認識させる必要が低い場合に、無駄に報知が行われることを阻止することができる。人が活動していないことを示す情報が人のいびきに係る音声情報である場合、その人は就寝中である蓋然性が高い。これにより、報知が行われることにより人の就寝が邪魔されることを阻止することができる。
【0043】
メモリ40は、スマートフォン1にて使用される各種データを記憶する。メモリ40は例えば、コマンド作成部15が作成するコマンドの雛形などを記憶していてもよい。
【0044】
コネクタ60は、スマートフォン1と充電台2とを電気的に接続するためのインタフェースである。バッテリ70はスマートフォン1の電源である。コネクタ60は充電台2から得た電力をバッテリ70に送ることで、バッテリ70を充電させる。なお、コネクタ60および後述の充電台2のコネクタ100の接続方法および物理的な形状は特に限定されないが、これらのコネクタは例えばUSB(Universal Serial Bus)等で実現することができる。
【0045】
〔変形例〕
情報取得部12は、ユーザの身体情報(脈拍や体温など)をその人に取り付けられたウェアラブル端末から通信部20を介して取得し、この身体情報に基づいて、上述したスマートフォン1の周囲にいる人が活動中であることを示す情報や、スマートフォン1の周囲にいる人が活動していないことを示す情報を生成しても良い。具体的には、脈拍が所定値より少なく、体温が所定値より低い場合に、スマートフォン1の周囲にいる人が活動していないことを示す情報を生成する。また、脈拍が所定値以上で、体温が所定値以上の場合に、スマートフォン1の周囲にいる人が活動中であることを示す情報を生成する。
【0046】
〔充電台2の要部構成〕
充電台2は図示の通り、コネクタ100と、マイコン(情報受信部)110と、モータ(動作部)120とを備える。なお、充電台2はケーブル220を介して家庭用コンセント等または電池等の電源(図示せず)と接続することができる。
【0047】
コネクタ100は充電台2がスマートフォン1と電気的に接続するためのインタフェースである。充電台2が電源と接続している場合、コネクタ100は充電台2が該電源から得た電力をスマートフォン1のコネクタ60を介しバッテリ70に送ることで、バッテリ70を充電させる。
【0048】
マイコン110は、充電台2を統括的に制御するものである。マイコン110は、コネクタ100を介して、スマートフォン1からコマンドを受信する。マイコン110は受信したコマンドに従って、モータ120の動作を制御する。具体的には、マイコン110はスマートフォン1から回転指示を受信した場合、固定部210が回転するようにモータ120を制御する。
【0049】
モータ120は筐体200を回転させるための動力装置である。モータ120はマイコン110の制御に従って動作または停止することで、固定部210を回転または停止させる。
【0050】
〔報知システム500の動作(その1)〕
次に、図3に基づき、上述した報知システム500の動作の例を説明する。ステップS(以下「ステップ」は省略する)101で、イベント監視部11がイベントの発生を検知して、S102に進む。
【0051】
S102では、情報取得部12が、スマートフォン1に搭載されている機能(カメラ30やマイク31など)でスマートフォン1の周囲の状況を示す情報を取得し、S103に進む。S103では、情報取得部12が、スマートフォン1に搭載されている各種センサ(ジャイロセンサ32や加速度センサ33など)でスマートフォン1の周囲の状況を示す情報を取得する。
【0052】
S104では、判断部13が、スマートフォン1の周囲の状況を推定し、スマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断し、S105に進む。S105では、推定されたスマートフォン1の周囲の状況(判断された上記必要性の高低)に応じて、充電台2の回転の制御を行う。
【0053】
〔報知システム500の動作(その2)〕
次に、図4に基づき、上述した報知システム500の動作の例を説明する。S201で、イベント監視部11がイベントの発生を検知して、S202に進む。S202では、情報取得部12が、カメラ30で撮影した撮影データを画像解析し、撮影した画像が明るいと判定する。また、マイク31から集音した音声について音声認識を行い、人の話し声が検知されたと判定し、S203に進む。
【0054】
S203では、ジャイロセンサ32からスマートフォン1の傾きを検出し、スマートフォン1が充電台2に搭載されていると判定し、S204に進む。S204では、判断部13がリビングまたは個人部屋で人がくつろいでいると推定し、スマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性が高いと判断し、S205に進む。
【0055】
S205では、コマンド作成部15は、スマートフォン1の表示部80が人の方に向くように充電台2(筐体200)を回転させる情報を送信する。これにより、スマートフォン1の表示部80が人の方に向く。また、この状態で、スピーカ50、バイブレータ51またはLED52を駆動させて、発生したイベントの種類(例えば、電話着信など)を報知する。
【0056】
〔報知システム500の動作(その3)〕
次に、図5に基づき、上述した報知システム500の動作の例を説明する。S301で、イベント監視部11がイベントの発生を検知して、S302に進む。S302では、情報取得部12が、カメラ30で撮影した撮影データを画像解析し、撮影した画像が暗いと判定する。また、マイク31から集音した音声について音声認識を行い、人のいびきに係る音声が検知されたと判定し、S303に進む。
【0057】
S303では、ジャイロセンサ32からスマートフォン1の傾きを検出し、スマートフォン1が充電台2に搭載されていると判定し、S304に進む。S304では、判断部13がスマートフォン1の周囲の人が就寝中であると推定し、スマートフォン1の報知を使用者に認識させる必要性が低いと判断し、S205に進む。
【0058】
S205では、コマンド作成部15は、上記指示情報として、充電台2を回転させない情報、またはスマートフォン1の表示部80が人の方と反対方向に向くように充電台2(筐体200)を回転させる情報を送信する。これにより、充電台2を回転させないか、またはスマートフォン1の表示部80が人の反対方向に向くように充電台2が回転される。
【0059】
〔ソフトウェアによる実現例〕
スマートフォン1の制御部10の制御ブロック(特に判断部13、報知制御部14およびコマンド作成部15)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0060】
後者の場合、スマートフォン1の制御部10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る制御装置(スマートフォン1)は、クレードル(充電台2)に搭載される端末装置を制御する制御装置(制御部10)であって、複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断部(13)と、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信部(コマンド作成部15)と、を備える構成である。上記構成によれば、報知を使用者に認識させる必要性の高低に応じてクレードルの回転を制御することができる。
【0062】
本発明の態様2に係る制御装置は、上記態様1において、上記複数種類の情報に、上記端末装置の周囲の照度が所定値以上であることを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動中であることを示す情報が含まれている場合に、上記情報送信部は、上記指示情報として、上記端末装置の表示部が人の方に向くように上記クレードルを回転させる情報を送信しても良い。上記構成によれば、端末装置の周囲の照度が所定値以上で明るく、端末装置の周囲にいる人が活動中である場合に、上記端末装置の表示部が人の方に向くようにクレードルを回転させることができる。これにより、活動中の人に報知を容易に気付かせることができる。
【0063】
本発明の態様3に係る制御装置は、上記態様2において、上記活動中であることを示す情報が、上記端末装置の周囲にいる人の対話に係る音声情報であっても良い。上記構成によれば、端末装置の周囲が明るく、端末装置の周囲にいる人が対話に係る音声を発している場合のように報知を使用者に認識させる必要性が高い場合に、クレードルを回転させることができる。これにより、対話に係る音声を発している人に報知を容易に気付かせることができる。
【0064】
本発明の態様4に係る制御装置は、上記態様1において、上記複数種類の情報に、上記端末装置の周囲の照度が所定値未満であることを示す情報、および上記端末装置の周囲にいる人が活動していないことを示す情報が含まれている場合に、上記情報送信部は、上記指示情報として、上記クレードルを回転させない情報、または上記端末装置の表示部が人の方と反対方向に向くように上記クレードルを回転させる情報を送信しても良い。上記構成によれば、端末装置の周囲の照度が所定値未満で暗く、端末装置の周囲にいる人が活動していない場合に、クレードルを回転させないか、端末装置の表示部が人の方と反対方向に向くようにクレードルを回転させることができる。これにより、無駄に報知が行われることを阻止することができる。
【0065】
本発明の態様5に係る制御装置は、上記態様4において、上記活動していないことを示す情報が、上記端末装置の周囲にいる人のいびきに係る音声情報であっても良い。人が活動していないことを示す情報が人のいびきに係る音声情報である場合、その人は就寝中である蓋然性が高い。これにより、報知が行われることにより人の就寝が邪魔されることを阻止することができる。
【0066】
本発明の態様6に係る端末装置は、上記態様1〜5の何れかの制御装置を備えることが好ましい。上記構成によれば、上記態様1に記載の制御装置と同様の効果を奏する。
【0067】
本発明の態様7に係るクレードルは、上記態様1〜5の何れかの制御装置から指示情報を受信する情報受信部を備えていることが好ましい。上記構成によれば、上記態様1に記載の制御装置と同様の効果を奏する。
【0068】
本発明の態様8に係る制御装置の制御方法は、クレードルに搭載される端末装置を制御する制御装置の制御方法であって、複数種類の情報の組合せにより上記端末装置の報知を使用者に認識させる必要性の高低を判断する判断ステップと、上記クレードルの回転に係る指示情報を上記クレードルに送信する情報送信ステップと、を含む方法である。上記方法によれば、上記態様1に記載の制御装置と同様の効果を奏する。
【0069】
本発明の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0070】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 スマートフォン(端末装置)
2 充電台(クレードル)
13 判断部
15 コマンド作成部(情報送信部)
80 表示部
110 マイコン(情報受信部)
図1
図2
図3
図4
図5