【0015】
本発明の弁当箱は、
底壁11の周縁に筒壁12を立連設した有底筒形状で、筒壁12の外面に係止用突片13を周方向に沿って突設した容器本体10と、
天板21の周縁に短筒壁22を立連設した有底短筒形状で、前記した短筒壁22の外周にパッキンリング30を密嵌し、容器本体10の上端部内に密嵌入する中蓋20と、
頂壁41の周縁に外装壁42を垂下連設した有頂筒形状で、外装壁42の対向する二か所に、頂壁41の端部を含む上端から下端にかけて切り欠き43を夫々設け、容器本体10に外装される蓋本体40と、
蓋本体40の切り欠き43の頂壁切り欠き部43a内に上端が軸支され、外装壁切り欠き部43b内にかけて嵌め込まれ、下端が容器本体10の係止用突片13に下方から係止する開閉レバー50、
とから構成される。
【実施例】
【0016】
容器本体10の底壁11は平面視で長尺なトラック形状であり、曲線部は夫々半円形状となっている。底壁11の周縁から立ち上がった筒壁12の外面に周方向に沿って設けられる係止用突片13は、この曲線部で平面視略三日月状に突出して形成され、トラック形状の直線部にまで突出することはない。そして、この係止用突片13の下面中央には、横長直線状のロック溝14が設けられている。尚、上記実施例では底壁11を平面視で長尺なトラック形状としたがこれに限られるものではなく、例えば長方形形状、正方形形状、円形形状、楕円形形状等、適宜選択され得る。
【0017】
中蓋20の天板21は上記した容器本体10の底壁11の長尺なトラック形状に対応しており、周縁に立連設した短筒壁22の上端外周に上フランジ23を、短筒壁22の下端外周に下フランジ24を夫々周設する。上フランジ23の外縁形状は容器本体10の筒壁12の外縁形状と同一サイズであり、下フランジ24の外縁形状は容器本体10の筒壁12の内縁形状と同一サイズである。即ち下フランジ24は上フランジ23よりも突出幅が、筒壁12の肉厚分だけ小さい。
【0018】
弾力性に富んだ軟質樹脂製の環状のパッキンリング30は、上リング部31の下面に下リング部32を一体に成形したもので、上リング部31の外縁形状は容器本体10の筒壁12の外縁形状と同一サイズ、下リング部32の外縁形状は容器本体10の筒壁12の内縁形状と同一サイズ、上リング部31と下リング部32の内縁形状は、中蓋20の短筒壁22の外縁形状と同一サイズである。従って、環状のパッキンリング30は、中蓋20の短筒壁22の外周である、上フランジ23と下フランジ24との間に挟持される形態で密嵌し、中蓋20と共に容器本体10の上端部内に密嵌入し、上リング部31下面が筒壁12の上面に、下リング部32の外周面が筒壁12の内面上端部に密着し(例えば
図12)、容器本体10の密封を確保することになる(
図6参照)。
【0019】
蓋本体40の頂壁41は、容器本体10の底壁11よりも一回り大きな長尺なトラック形状で、周縁に垂下連設される外装壁42は、蓋本体40を容器本体10に外装した際に容器本体10の筒壁12の半分以上を覆う程度に深く被る高さ幅を有している。
【0020】
トラック形状の頂壁41の中心を通る仮想される長軸線(
図2(c)参照)上にあって、外装壁42の対向する湾曲壁面部の夫々の二か所に、頂壁41の端部を含む上端から下端にかけて切り欠き43を設ける。即ち、頂壁41の端部での切り欠き43を頂壁切り欠き部43a、外装壁42の上端から下端にかけての切り欠き43を外装壁切り欠き部43bとする。頂壁切り欠き部43aの切り欠き端は前記した仮想される長軸線に直交する直線であり、外装壁切り欠き部43bに於ける外装壁42は、上端部を除き対向部が相互に近づくガイド壁部43cとなっている。
【0021】
頂壁41の頂壁切り欠き部43aの直線となった端縁からは補助壁44が垂下設され、この補助壁44の両側には、外装壁42方向に突出して外装壁42の内面に連続する側壁45が設けられている。従って、この側壁45と外装壁切り欠き部43b端縁との間に前記したガイド壁部43cが形成されることになる。また補助壁44の上端から、後記する開閉レバー50の上端板部51の肉厚幅ほど下位の補助壁44の上端部位置には、横長直線状の受け皿46が突設される。
【0022】
略逆L字形状の開閉レバー50は、頂壁切り欠き部43a内に嵌め込まれる上端板部51の先端縁が、上記した頂壁切り欠き部43aの切り欠き端の直線に対応し、略逆L字形状の屈曲部である基端縁は、外装壁42の半円形の曲率と同一の曲線となっている。そしてこの基端縁から垂下して外装壁切り欠き部43b内に嵌め込まれる操作板部52も、その外面が同一曲率での湾曲面となっており、更に操作板部52の左右幅は、ガイド壁部43cの端縁である外装壁切り欠き部43bに対応して上端部以下が若干小さくなっている。従って、切り欠き43内に嵌め込まれる開閉レバー50は、上端板部51が頂壁41の平面と面一に、操作板部52が外装壁42の曲面と面一になり、蓋本体40の表面は凹凸のない滑らかなものになっている。
【0023】
操作板部52の内面両側部には内方に向けて連結板53が夫々突設され、この連結板53の突出端面には外側方に突出する係合突条54が設けられている。この係合突条54は、開閉レバー50を切り欠き43に嵌め込む際、蓋本体40の補助壁44と側壁45とガイド壁43cとで形成される空間に上方から挿入される部分である。そしてこの係合突条54の側面上端部には、開閉レバー50を切り欠き43に嵌め込んだ状態で側壁45の上端部に軸着される軸ピン55が膨出される。図示実施例でこの軸ピン5は横長な半円柱形状であるが、半円球形状であってもよい。
【0024】
また、係合突条54が上記空間に上方から挿入位置した際、ガイド壁43cに対向する面の中央部から下端にかけてを削切し、傾斜面56を形成する。
【0025】
更に、蓋本体40と開閉レバー50とを組み合わせた状態で容器本体10に被せた際、容器本体10の係止用突片13のロック溝14に下方から嵌入係止するロック条57を、開閉レバー50の操作板部52の内面下部に突設し、また、蓋本体40の補助壁44の横長直線状となった受け皿46に遊嵌する突条58を、開閉レバー50の上端板部51の上部内面に設ける。
【0026】
図12、
図13は
図2(c)で示した仮想長軸線、或いは
図7(b)で示したH−H線に於ける、拡大した部分断面を示す。容器本体10の上端部内にパッキンリング30を密装した中蓋20を密嵌し、蓋本体40を被せて開閉レバー50のロック条57を容器本体10の係止用突片13のロック溝14に下方から嵌入係止した状態を示したのが
図12である。
【0027】
ここでは、パッキンリング30の上リング部31下面が容器本体10の筒壁12の上面に密着すると共に、下リング部32の外周面が筒壁12上端部の内周面に密着し、この密着状態が蓋本体40の頂壁41によって押さえ付けられているので、容器本体10の密封が確実に達成される。
【0028】
そして、係合突条54の軸ピン55が蓋本体40の側壁45の上端部に軸着している開閉レバー50は、操作板部52の下部を内方に強く押して開閉レバー50回動することにより、ロック条57が係止用突片13の下面を滑ってロック溝14に下方から嵌入係止する。この嵌入係止状態では、蓋本体40の受け皿46に遊嵌している突条58が受け皿46を、ひいては頂壁41を、押し下げることになるので、上記した蓋本体40の頂壁41によるパッキンリング30への押さえ付けが確実になり、密閉が確保される。しかもこの開閉レバー50の閉操作は、極めて小さな回動ストロークで済み、簡単且つ確実である。
【0029】
図12の状態では、開閉レバー50下端と容器本体10の筒壁12との間には間隙が形成されてあり、開閉レバー50下端に指先をかけての回動操作が容易で、ロック条57と係止用突片13とのロックを解いて蓋本体40を取り外すことができる(
図13参照)。
【0030】
また、
図14、
図15は
図7(b)に於けるH−H線と同位置の断面を表し、開閉レバー50の係合突条54が蓋本体40の補助壁44と側壁45とガイド壁43cとで形成される空間に上方から挿入された状態が視認できるように表したもので、閉じた状態の
図14から開閉レバー50を回動させた
図15の状態では、係合突条54の傾斜面56が対向するガイド壁43c面に面接し、それ以上の開閉レバー50の回動が規制される。図示実施例での回動角度は10度である。