(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コアワイヤにおいて、前記コイルが装着される装着部の基端側に段差状部が形成されており、該段差状部よりも先端側に位置する該装着部が小径化されている請求項1〜4の何れか1項に記載のガイドワイヤ。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野では、各種のカテーテル等の医療用チューブが用いられている。例えばカテーテルを血管等の体内管腔へ挿し入れて薬液などを注入したり血液や体液を採取するほか、かかるカテーテルを通じて体内に挿入したデバイスで治療や検査などを行うこともできる。また、透析装置などの医療機器において、体外での血液や薬液の流路を構成するに際しても、カテーテルが用いられている。
【0003】
そして、このようなカテーテルを体内管腔の所定位置に挿入するために、一般にガイドワイヤが使用される。即ち、カテーテルを挿入する前に、目的とする体内管腔に予めガイドワイヤを挿入して、その後、例えばガイドワイヤに対してカテーテルを外挿する。かかる状態でカテーテルを体内に挿入することで、カテーテルがガイドワイヤに案内されて、体内管腔の所定位置に導入されるようになっている。このようなガイドワイヤとしては、例えば特開2012−210292号公報(特許文献1)や特表2007−503256号公報(特許文献2)に記載のものが挙げられて、長尺状のコアワイヤの先端部分にコイルが外挿装着されている構造が開示されている。
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のガイドワイヤはコアワイヤとコイルとが別体として形成されており、コアワイヤの先端部分に対してコイルを外挿した後、これらの所定位置をろう付けして相互に固着することにより製造されている。
【0005】
ところが、コイルに対してコアワイヤを挿入した後固着するという作業が必要になる事から、製造作業が非常に煩雑になるおそれがあった。また、これらの間にはろう付けに伴う段差が大きく生じることから、カテーテル等のデバイスが段差に引っ掛かって前に進みにくい等といった問題もあった。
【0006】
また、ガイドワイヤは、一般に、管腔内に挿入するために基端側は十分なプッシャビリティを有する一方、屈曲または湾曲する管腔に追従して変形するために先端側は十分な柔軟性を有することが好ましい。上記特許文献2に記載のガイドワイヤでは、先端部分にコイルが外挿装着されていることから、当該コイルにより、ガイドワイヤが長さ方向と直交する方向にも柔軟に変形することが可能とされている。特に、特許文献2に記載のガイドワイヤでは、コアワイヤにおけるコイルの装着部分が先端になるにつれて小径とされており、ガイドワイヤが先端になるにつれて柔軟に変形するようになっている。
【0007】
ところが、上記特許文献2に記載のガイドワイヤでは、先端部分における柔軟性、即ち曲げ剛性の変化をコアワイヤの径寸法でのみ調整しており、ガイドワイヤ先端部分における細やかな曲げ剛性の設定が困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、製造効率を向上させることができると共に、コアワイヤの外周面における大きな段差の発生を効果的に防止することができる、新規な構造のガイドワイヤを提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の解決課題とするところは、先端部分における曲げ剛性をより細やかに設定することのできる、新規な構造のガイドワイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
【0012】
【0013】
本発明の第1の態様は、コアワイヤの先端部分にコイルが外挿装着されたガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材の断面形状が、該コイルの長さ方向で異なっており、且つ、該コイルの少なくとも先端側において、外周側端部から内周側端部に向かって次第に幅寸法が小さく
されて内周側に頂点をもった略三角形の断面形状を有する線材で該コイルが形成されていると共に、前記コイルが外挿装着された前記コアワイヤの先端部分が先細のテーパ形状とされていることを特徴とするものである。
【0014】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、長さ方向においてコイル線材の断面形状を異ならせることでコイルの曲げ剛性を異ならせることができて、これに応じて、ガイドワイヤの先端部分における曲げ剛性を適宜に設定することができる。特に、ガイドワイヤの曲げ中心軸から外周側に離れて位置するコイルには、ガイドワイヤの曲げ変形に際して大きな変形が生じることから、コイル線材の断面形状の変化がガイドワイヤ先端部分の曲げ剛性に対して効果的に反映される。それ故、コイル線材の断面形状を長さ方向で異ならせることで、ガイドワイヤの先端部分の曲げ剛性を効果的に、且つ細やかに設定することができる。
【0015】
なお、本発明においてコイル線材の断面形状が異なる態様には、コイル線材の断面の形が異なるものに限らず、大きさだけが異なる相似形の態様も含まれる。
【0016】
【0017】
また、本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、コアワイヤの外径寸法、即ち断面形状が長さ方向で異ならされていることから、コアワイヤ自体の曲げ剛性も長さ方向で異ならされている。これにより、ガイドワイヤの先端部分における曲げ剛性が、コアワイヤとコイルとの両方の断面形状を考慮してより大きな自由度で設定され得る。即ち、コイル線材とコアワイヤの断面形状のそれぞれを別々に設定することが可能であることから、ガイドワイヤの曲げ剛性がより細やかに設定され得る。
【0018】
特に、コアワイヤの先端部分は先細のテーパ形状とされていることから、先端側の曲げ剛性を小さくして柔軟に変形可能とする一方、基端側の曲げ剛性を大きくして良好なプッシャビリティを発揮する態様も容易に実現可能とされ得る。
更に、本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、コイル線材の断面において内周側より外周側の幅寸法を大きくすることで、内周側で面積を小さくして変形し易さを実現すると共に、外周側におけるコイル線材間の隙間を小さくして管腔内面等との接触抵抗を低減することが可能となる。また、コイル内周側では、隣り合うコイル線材間の隙間を大きくして、コイル曲げ変形時における当接干渉を避けることで、コイルが一層曲がり易くなるように設計してもよい。なお、本態様におけるコイル線材の断面形状としては、例えばコイル外周側が底辺とされてコイル内周側に頂点をもつ三角形や、コイル外周側が下底辺とされてコイル内周側に上底辺をもつ台形等が好適に採用され得る。
【0019】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係るガイドワイヤにおいて、
前記コイルの外径寸法が、基端側に比べて先端側が小さくされているものである。
【0020】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、
コイルの曲げ剛性を基端側に比べて先端側の方が小さくなるように設定することが容易とされる。それ故、ガイドワイヤの先端部分の柔軟性を一層大きくすることができて、管腔の屈曲部分に合わせて変形することが容易に可能となる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
本発明の第3の態様は、
コアワイヤの先端部分にコイルが外挿装着されたガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材の断面形状が、該コイルの長さ方向で異なっており、且つ、該コイルの少なくとも先端側において、外周側端部から内周側端部に向かって次第に幅寸法が小さくなる断面形状を有する線材で該コイルが形成されていると共に、前記コイルが外挿装着された前記コアワイヤの先端部分が先細のテーパ形状とされている一方、該コイルの外径寸法が全長に亘って略一定とされている
ことを特徴とするものである。
【0025】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、ガイドワイヤを管腔内に挿入した際にコイルが管腔壁に引っ掛かるおそれが低減されて、ガイドワイヤの滑らかな挿入が実現され得る。本態様は、コイルの巻径(外径)がコイルの長さ方向の全長に亘って略一定とされることによって有利に実現される。特に、本態様では、コアワイヤの中心軸を直線状とした非変形状態で、外挿されたコイルにおいて隣り合う線材間にほとんど隙間がないようにされることが望ましい。これにより、コイル長さ方向で隣り合う線材間の凹凸も小さくすることができる。
【0026】
本発明の第4の態様は、前記第1
〜第3の態様に係るガイドワイヤにおいて、
前記コイルを構成する線材の断面積が、該コイルの基端側に比べて先端側の方が小さくされているものである。
【0027】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、
コイルの先端側の曲げ剛性を小さくできる一方、コイルの基端側の曲げ剛性を大きく確保することができる。特に、前記第1の態様と組み合わせることにより、コイル線材およびコアワイヤの断面積をそれぞれ基端側に比べて先端側の方を小さくすることができて、ガイドワイヤの先端部分を一層柔軟に変形可能とすることができる。
【0028】
本発明の第
5の態様は、前記第1〜第
4の何れかの態様に係るガイドワイヤであって、前記コアワイヤにおいて、前記コイルが装着される装着部の基端側に段差状部が形成されており、該段差状部よりも先端側に位置する該装着部が小径化されているものである。
【0029】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、段差状部よりも先端側で小径とされた装着部に対してコイルが装着されることにより、段差状部を挟んで両側に位置するコアワイヤのコイル非装着部におけるワイヤ外径とコイル装着部におけるコイル外径との差、即ちコイルのコアワイヤ外周面からの実質的な突出寸法を小さく抑えることができる。これにより、ガイドワイヤを管腔内に挿入や抜去する際にも管腔壁にコイルが引っ掛かるおそれが低減され得る。なお、コアワイヤにおいて段差状部を挟んだ両側に位置する装着部と非装着部との外径寸法差、即ち段差状部の段差高さは、コイル線材の径寸法と略等しくすることが好適であり、これによりコイルのコアワイヤ外周面からの実質的な突出寸法が十分に小さくされてガイドワイヤにおけるコイル非装着部とコイル装着部とが外周面において一層滑らかに接続され得る。
【0030】
本発明の第
6の態様は、前記第1〜第
5の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの長さ方向において、該コイルを構成する線材の材質が異ならされているものである。
【0031】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、コイル線材の材質を異ならせることで変形特性を一層大きな自由度で設計することが可能となる。なお、例えばステンレス鋼等の材質からなるコイル線材を部分的にX線不透過性を示す白金等の材質とすることで、X線透視下において、認識できるコイルを実現することも可能である。なお、本態様のコイルは、異なる材質で予め形成されたコイル同士を溶接等で接続してもよいし、例えば電鋳で形成される線材を、その形成と同時に異なる材質からなる線材に接合させてもよい。また、前記第
1の態様と組み合わされた場合には、コイルを構成する線材の長さ方向において、断面形状が変化する箇所と材質が変化する箇所とに相関関係が必要とされるものではない。
【0032】
本発明の第
7の態様は、前記第1〜第
6の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材が電鋳とエッチングとの少なくとも一方により形成されているものである。
【0033】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、長さ方向で断面形状や材質が異なるコイルが実現され得る。また、切削等でコイルを形成する場合に比して、電鋳等を採用することにより、廃棄する部分が少なくされることから、歩留りの向上が図られ得る。なお、長さ方向において巻線の線材の断面形状が異なるコイルは、長さ方向において断面形状が異なるワイヤ線材を電鋳とエッチングとの少なくとも一方で形成して、かかるワイヤ線材を巻回することでコイルを形成してもよいし、長さ方向において断面形状が異なる線材を所定の巻径で巻回した形状のコイルを電鋳とエッチングとの少なくとも一方により直接に形成してもよい。
【0034】
また、本態様のガイドワイヤでは、コイル線材が全長に亘って電鋳またはエッチングで形成されている必要はない。例えば、引抜加工等で形成された線材を巻回することで得られる部分的なコイルに対して、電鋳またはエッチングで得られた線材からなるコイルを連結した構造を採用することも可能である。
【0035】
本発明の第
8の態様は、前記第1〜第
6の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材が溶射と真空蒸着との少なくとも一方により形成されているものである。
【0036】
本態様に従う構造とされたガイドワイヤにおいても、前記第
7の態様と同様に、切削等でコイルを形成する場合に比して廃棄する部分が少なくされることから、歩留りの向上が図られ得る。特に、本態様では、溶射や真空蒸着によりガイドワイヤが形成されることから、ガイドワイヤの材質の選択の自由度が向上されて、例えばガイドワイヤを曲げ剛性のより小さい材質で形成することも可能である。これにより、ガイドワイヤの長さ方向における曲げ剛性の変化を大きくすることができて、より細やかな曲げ剛性の設定が可能となる。また、切削等でコイルを形成する場合に比して形状の設定自由度が大きくなり、複雑な形状のコイルを高い寸法精度で効率的且つ実用的に製造することが可能となる。
また、本発明の第9の態様は、前記第1〜第8の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの基端部が、該コイルの形成に際して前記コアワイヤに対して一体的に接合されているものである。本態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、コイルがコアワイヤに対して一体的に接合された状態で形成されることから、コイルをコアワイヤに対して別途製造して外挿するという作業が省略され得る。これにより、ガイドワイヤの製造効率の向上が図られ得る。また、例えばコイルをコアワイヤに対してろう付けして接合する等の処理が不要とされることから、少なくともろう付けに伴うコアワイヤ外周面における凹凸の発生が効果的に防止されて、凹凸を有するとしても小さく抑えられる。これにより、ガイドワイヤを管腔内に挿入した際に管腔壁へ引っ掛かったりすることが効果的に防止され得る。
【発明の効果】
【0037】
前記第
9の態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、コアワイヤとコイルが一体的に形成されることから、製造効率の向上が図られ得る。また、ろう付けに伴う段差の発生が抑えられることから、コアワイヤとコイルとの接続部分における凹凸を小さくすることができる。
【0038】
また、前記第
1の態様に従う構造とされたガイドワイヤによれば、先端部分に外挿状態で装着されたコイルの断面形状を長さ方向において異ならせることにより、ガイドワイヤの先端部分における曲げ剛性を細やかに設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0041】
先ず、
図1〜3には、本発明の1実施形態としてのガイドワイヤ10が示されている。このガイドワイヤ10は、長尺状に延びるコアワイヤ12の先端部分にコイル14が外挿装着された構造とされている。そして、ガイドワイヤ10がカテーテル等の管腔への挿入に先立って当該管腔内へ挿入されることにより、カテーテル等の挿入に際して当該カテーテル等を管腔内の所定位置まで案内するようになっている。なお、以下の説明において、軸方向とはガイドワイヤ10が延びる
図2中の左右方向を言う。また、先端側とは、患者の管腔内に挿入される
図2中の左側を言う一方、基端側とは使用者がガイドワイヤ10を操作する側である
図2中の右側を言う。
【0042】
より詳細には、コアワイヤ12は、全体として軸方向に延びる小径のワイヤとされており、本体部16と、当該本体部16の先端側に位置する装着部18とを含んで構成されている。これら本体部16と装着部18とは一体形成されており、本体部16は、略一定の外径寸法で軸方向に連続して延びている。なお、本体部16の基端部分は外径寸法が大きな操作部が設けられる等されて、使用者がコアワイヤ12、即ちガイドワイヤ10を把持して操作し易いようになっていてもよい。また、本体部16やコイル14の表面はPTFE等の合成樹脂でコーティングされていてもよい。
【0043】
また、装着部18は、径方向寸法が軸方向で異ならされており、先端側になるにつれて外径寸法が次第に小さくなるテーパ形状とされている。なお、装着部18は先端側になるにつれて小径となる形状が好ましいが、何等限定されるものではなく、例えば略一定の外径寸法で軸方向に延びていてもよいし、先端側になるにつれて段階的に小径となっていてもよい。
【0044】
本実施形態では、装着部18の基端部における外径寸法が本体部16の外径寸法よりも小さくされており、本体部16と装着部18の接続部分には段差状部19が形成されて、軸直角方向に広がる円環形状の段差面20が構成されている。
【0045】
さらに、装着部18の先端には、先端チップ22が溶着や接着等により固着されている。この先端チップ22は、全体として中実の略半球形状とされており、先端側に凸となるように取り付けられている。
【0046】
なお、かかるコアワイヤ12は、弾性を有する金属、例えばステンレス鋼により好適に形成される。また、本体部16および装着部18は一体的に形成され得て、例えば長尺状のステンレス鋼からなるワイヤを用いて先端部分を切削して装着部18を形成することによって好適に形成され得る。或いは、本体部16および装着部18は一体的に電鋳で形成されてもよいし、ワイヤからなる本体部16の先端に対して、切削や電鋳で形成された装着部18を固着してもよい。
【0047】
そして、コアワイヤ12における装着部18にはコイル14が外挿装着されている。このコイル14は1本の小径のワイヤ等からなる線材としてのコイル線材24をらせん状に巻回させたような構造とされており、このコイル線材24の断面形状が長さ方向で異ならされていることにより、コイル14の断面形状も長さ方向で異ならされている。なお、コイル14の長さ方向寸法(
図2中の左右方向寸法)は、コアワイヤ12における装着部18の長さ寸法と略等しくされている。
【0048】
本実施形態では、
図4(a)〜(c)に示すように、コイル14の基端部分におけるコイル線材24aの断面形状が略矩形とされており、特に本実施形態では正方形とされていると共に、コイル14の長さ方向中間部分におけるコイル線材24bの断面形状が円形(楕円でもよい)とされている。また、コイル14の先端部分におけるコイル線材24cの断面形状が略三角形とされており、特に本実施形態では略正三角形とされている。これにより、コイル14を構成するコイル線材24の断面積が、基端側から先端側になるにつれて、段階的に小さくなるようにされている。なお、本実施形態では、コイル14の基端部分におけるコイル線材24aの断面形状である正方形の高さ寸法Da(
図4(a)参照)と、コイル14の長さ方向中間部分におけるコイル線材24bの断面形状である円形の径寸法Db(
図4(b)参照)と、コイル14の先端部分におけるコイル線材24cの断面形状である正三角形の高さ寸法Dc(
図4(c)参照)とが略等しくされている(Da=Db=Dc)。また、本実施形態では、コイル14の基端部分や先端部分におけるコイル線材24a,24cの各断面の角部が面取り状のアール面とされてることにより、それぞれの断面形状である正方形や正三角形の各角が丸くされている。
【0049】
なお、コイル14の先端部分では、コイル線材24cの断面形状である三角形の底辺がコイル14の外周面に位置して、頂点がコイル14の内周端に位置するようにされている。換言すれば、コイル14の先端部分における縦断面において、コイル線材24cにおけるコイル外周端部の長さ方向寸法Eo(
図4(c)参照)とコイル内周端部の長さ方向寸法Ei(
図4(c)参照)とが異ならされており、本実施形態では、内周端部の長さ寸法Eiが実質的に最小(0)となることから、内周端部の長さ方向寸法Eiに比べて外周端部の長さ方向寸法Eoの方が大きくされている。これにより、コイル14の外周側ではワイヤ同士が長さ方向で当接または近接する一方、コイル14の内周側では長さ方向で隣り合うワイヤ間に比較的大きな隙間26が内周側に向かって拡開して形成されている。
【0050】
かかるコイル14は、例えば上記の如き長さ方向で異なる断面形状が付与されたコイル線材24を芯棒に対してらせん状に巻回した後に当該芯棒を除去して、必要に応じて焼き入れ等の後加工を施すといった公知のコイル製造法で形成され得る。なお、本実施形態ではコイル14の外径寸法(巻径)が長さ方向の略全長に亘って略一定とされている。
【0051】
また、かかるコイル線材24は、例えばステンレス鋼等の金属によって形成されて、ステンレス鋼のワイヤを切削したり、電鋳によって形成され得る。なお、かかるコイル線材24は、1本のワイヤから形成してもよいが、断面が略正方形とされた基端部分24aと、断面が円形とされた中間部分24bと、断面が略正三角形とされた先端部分24cとを、巻回等してコイルとする前または後に、溶接等の手段により相互に接続してもよい。
【0052】
さらに、コイル線材24の材質は長さ方向で異ならされていてもよい。具体的には、例えばコイル線材24の先端等の部分が所定の長さに亘って、X線不透過性を示す白金等の部材で形成されてもよい。その際、コイル線材24において白金により形成される部分とステンレス鋼により形成される部分とが溶接等で接続されてもよいし、電鋳によりこれらが一体的に形成されてもよい。このように、コイル14の材質が長さ方向で異ならされて、例えばX線透視下で視認可能な部分を一体的に形成することで、コイルの形成後に白金等のマーカーを装着する手間を省くことができる。なお、コイル線材の材質が長さ方向で異ならされる場合には、コイル線材において断面形状が変化する箇所とコイル線材において材質が変化する箇所とに相関関係が必要とされるものではない。
【0053】
上記の如き形状とされたコイル14をコアワイヤ12の装着部18に外挿して、装着部18の先端に先端チップ22を固着する等して取り付けることにより、本実施形態のガイドワイヤ10が構成されている。その際、コアワイヤ12の段差面20や装着部18の基端部においてコアワイヤ12とコイル14の基端とを溶接や接着等により固着すると共に、先端チップ22の基端とコイル14の先端とを溶接や接着等により固着することが好適である。
【0054】
なお、本実施形態では、段差面20の高さ方向(
図3中の上下方向)の寸法と、コイル14の基端部分におけるコイル線材24aの高さ寸法Daとが略等しくされている。これにより、段差状部19よりもワイヤ長さ方向基端側に位置する本体部16の外径とコイル14の外径(巻径)とが略等しくされて、本体部16からコイル14へ外周面が略段差なく繋がるようにされている。また、コイル14も、基端部分から中間部分、更に先端部分に至るまで長さ方向の全長でコイル巻径(コイル外径)が略一定とされている。
【0055】
上記の如き形状とされた本実施形態のガイドワイヤ10では、ガイドワイヤ10の先端部分が湾曲変形する際に、コアワイヤ12の先端部分と共にコイル14も曲げ変形される。特に、コイル14はガイドワイヤ10の湾曲変形に際して柔軟に対応しつつ、ガイドワイヤ10の湾曲変形特性に対して十分に影響を及ぼし得る。また、よく知られているように、コイル14の変形は主にコイル線材24のねじり変形を伴って生じることから、コイル線材24の断面形状等を調節して断面二次極モーメント等を適宜に設定することによって、コイル14の弾性変形特性を設計することが可能である。それ故、本実施形態のようにコイル線材24の断面形状を長さ方向で異ならせることにより、コイル14ひいてはガイドワイヤ10の先端部分における曲げ変形特性を細やかに調節して要求される特性にチューニングすることが可能となる。また、特に、本実施形態では、コアワイヤ12の装着部18にテーパが付されて断面二次モーメントが軸方向で異ならされて、コアワイヤ12の曲げ剛性も先端側に行くに従って小さくなるようにされていることから、ガイドワイヤ10の先端部分における曲げ剛性を、コアワイヤ12とコイル14との両方を組み合わせて一層細やかに調節設定することができる。
【0056】
特に、本実施形態では、装着部18が先細のテーパ形状とされることで断面二次モーメントが長さ方向に変化されていると共に、コイル線材24の断面積が基端側に比べて先端側の方が小さくされることで断面二次極モーメントが長さ方向に変化されていることから、それらが相加的に作用してガイドワイヤ10では、基端側に比べて先端側の曲げ剛性が十分に小さくされており、ガイドワイヤ10の先端が屈曲する管腔に対して追従変形し易いと共に、ガイドワイヤ10に対する良好なプッシャビリティも併せて発揮され得る。
【0057】
また、本実施形態では、コイル14の先端部分におけるコイル線材24cの断面が、コイル14の内周側に頂点をもった略三角形とされて、隣り合うコイル線材24c間には内周側に向かって次第に拡開する断面形状の隙間26が設定されている。それ故、コイル14の外周面では、コイル線材24cの底辺が位置して、コイル14の外周面における凹凸や隙間が小さくされて、管腔内面等への接触抵抗が抑えられる。また、コイル14の内周面では、コイル14の湾曲変形時における隣り合うコイル線材24cの干渉が、それらの間に設定された隙間26によって軽減され得る。
【0058】
さらに、本実施形態では、コイル14におけるコイル線材24の巻径(コイル外径)が、長さ方向の全長に亘って略一定とされていると共に、コアワイヤ12の段差面20より基端側の外径がコイル外径と略同じにされていることから、ガイドワイヤ10による血管等の管腔内への引っ掛かりがより効果的に回避され得る。
【0059】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されることなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施され得るものであり、また、そのような実施態様も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれる。
【0060】
例えば、前記実施形態では、コイル14の基端部分におけるコイル線材24aの断面形状が略正方形とされると共に、コイル14の中間部分におけるコイル線材24bの断面形状が円形とされる一方、コイル14の先端部分におけるコイル線材
24cの断面形状が略正三角形とされていたが、かかる断面形状に限定されるものではない。即ち、コイル線材の断面形状は何等限定されるものではなく、コイルの長さ方向で断面形状が段階的にまたは連続的に変化して、コイルの長さ方向の少なくとも一部において異なっていればよい。なお、本発明において、コイル線材の断面形状が異なるとは、外形が相似であり、大きさが異なるものも含まれる。従って、コイルの断面形状が基端側から先端側に向かって全長に亘って円形断面とされると共に、次第に連続的にまたは段階的に外径寸法が小さくなる態様等も採用可能である。
【0061】
また、前記実施形態では、コイル線材24を形成した後、コイル線材24を芯棒にらせん状に巻回させてコイル14を形成していたが、かかる態様に限定されない。即ち、
図5に示すように、コイルは、らせん状に巻回させた状態で電鋳やエッチングにより形成されてもよい。具体的には、先ず、
図5(a)に示すような非導電性の犠牲材28を準備する。そして、この犠牲材28の表面に対して目的とするコイル形状に対応したらせん状に金属ペーストを塗布して、電鋳を行うことにより
図5(b)に示される如き外径寸法が略一定のコイルを、犠牲材28の外周面上に形成する。その後、当該コイルの外周面を部分的に覆うように非導電性のマスキングを施し(
図5(c)中の左略半分の灰色部分)、更に電鋳を行うことで、
図5(c)に示されるようにマスキングが施されていない部分(
図5(c)中の右略半分の部分)のみコイル線材を電鋳で増肉して形成する。その後、かかるコイルを溶剤に漬けて犠牲材28を溶解させると共に、マスキングを除去して、長さ方向で断面形状が異なるコイル線材からなるコイル30を得ることができる。従って、このようにして得られたコイル30を、前記実施形態と同様に、装着部(18)に外挿して、装着部(18)の先端に先端チップ22を固着することにより、
図5(d)に示されるガイドワイヤ32を製造することができる。
【0062】
なお、
図5(a)に示される犠牲材28はパイプ状とされており、溶剤で溶解し得る材質であれば何等限定されるものではないが、例えばABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等により好適に形成され得る。更に、ロストワックス等で成形されてもよい。また、かかる犠牲材28の表面にらせん状に塗布される金属ペーストとしては、例えば白金、金、銀または銅、およびこれらの混合物のペーストが好適に採用され得る。これにより、例えば白金、金、ステンレス鋼、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、またはそれらの合金からなるコイル線材で、目的とするコイル30を製造することができる。
【0063】
また、
図5(a)に示される如き犠牲材28の外周面において、例えば基端側である右半分だけに基端側コイルを電鋳で形成した後、かかる基端側コイルをマスキング材で覆って、犠牲材28の左半分に先端側コイルを電鋳で形成することにより、長さ方向で材質が異ならされたコイル線材からなるコイルを電鋳によって形成することもできる。また、このように順次に部分的にコイルを電鋳で形成する場合には、先に電鋳で形成されたコイル線材の端部に対して、電鋳で形成するコイルの端部を、電鋳で形成するのと同時に接合することも可能となる。
【0064】
さらに、
図5(d)に示されるガイドワイヤ32では、コイル30において外径寸法が大きくされた基端側部分とコアワイヤ12の本体部16における先端部との外径寸法が略等しくされている。なお、先端チップ22の外径寸法は、巻径が小さくされたコイル30の先端側部分のコイル径に合わせてもよい。また、本発明に係るガイドワイヤを構成するコイルは、
図5(d)に示されているように、長さ方向で外径寸法が異ならされていてもよい。特に、先端側を基端側に比べて小径とすることで、ガイドワイヤの先端側における曲げ剛性を低減させることができると共に、良好なプッシャビリティが発揮され得る。
【0065】
なお、
図5に示したガイドワイヤ32の製造方法では、電鋳でコイル30を作製した後、コアワイヤ12の装着部(18)に外挿装着していたが、かかる態様に限定されない。即ち、コアワイヤ12の装着部(18)に犠牲材28を外挿装着して、その後に前述の如き電鋳によるコイル30の形成を行うことも可能であり、それによって、コイル線材の形成と同時に、巻線されたコイルの形成およびかかるコイルのコアワイヤ12への装着を行うことも可能になる。
【0066】
更にまた、前記実施形態では、コイル14の先端部分におけるコイル線材24cの断面形状が略三角形とされて、頂角が内周側を向くようにされることにより、コイル14の内周側に向かって拡開する隙間26が隣り合うコイル線材24c間に形成されていたが、例えば頂角が外周側を向くようにして、コイルの外周側に向かって拡開する隙間が形成されるようにしてもよい。尤も、かかる隙間を形成する際において、コイルの断面形状は三角形とされる必要はなく、例えばコイルの断面形状が台形や菱形、円形、楕円形であってもよい。即ち、コイル線材の断面形状において、内周側と外周側の少なくとも一方で長さ方向寸法が最小とされていればコイルの内周側と外周側の少なくとも一方に隙間が形成され得る。
【0067】
また、段差面20の高さ方向寸法とコイル14の基端部分におけるコイル線材24aの高さ寸法Daとは同一でなくても、コアワイヤにおいて本体部と装着部との間に段差を形成することで、コアワイヤとコイルとの外径差が抑えられて、かかる外径差による不具合も軽減される。尤も、例えばコアワイヤの本体部と装着部における基端の外径寸法は略等しくされてもよく、かかる場合には、高さ寸法が略0の段差がコアワイヤの本体部と装着部との間に設けられているものとして把握され得る。
【0068】
さらに、前記実施形態では、コアワイヤ12とコイル14とが別々に形成された後、コアワイヤ12に対してコイル14が固着されていたが、コアワイヤに対してコイルは、例えば電鋳により、形成に際して一体的に固着されてもよい。具体的には、例えば予め準備したコアワイヤの表面を非導電性のマスキング材や犠牲材で覆い、装着部の段差面に近接する基端部外周面だけを露呈させて接合面とする。そして、このコアワイヤの装着部の外周面を覆うマスキング材や犠牲材の外周面に対して、接合面から螺旋状に先端まで延びる形状をもって金属ペーストを塗布して電鋳面とする。その後、かかる電鋳面に電鋳を施してコイルを電鋳で形成した後、マスキング材や犠牲材を除去することにより、コアワイヤの装着部に外挿されたコイルを得ることができる。このようにして得られたコイルは、基端側端部において、コアワイヤの接合面に対して、形成と同時に固着させて接合することができるのであり、それ故、コイルをコアワイヤへ接合するためのろう付け等の特別な処理も不要と為し得る。要するに、
図5に示された(a)〜(c)の工程をコアワイヤの外周上で行うことで、
図5(d)に示されているように、コアワイヤに外挿されて基端側が接合されたコイルを、その形成と同時に得ることができるのである。なお、その際には、上述のとおり、
図5(a)に示された犠牲材28は、基端側において所定長さだけ短くされて、コアワイヤの装着部の基端側外周面に接合面が設けられることとなる。また、このようにコアワイヤの存在下で装着部の外周面にコイルを電鋳等で形成して、コイルの形成と同時に基端部をコアワイヤへ一体的に固着する場合には、例えばコアワイヤに段差面が設けられていなくても、ろう付けが不要となってコアワイヤ外周面へのろう付け部の突出が回避されることから、コイルの基端部をコアワイヤにろう付けした構造に比してコアワイヤの外周面への突出量を抑えることが可能になる。
【0069】
なお、前記実施形態において、コアワイヤとコイルとの接合は、例えば、それら両部材の存在下で且つ両部材をマスキング材で覆った状態で、両部材において露出させた接合用端面同士を接合するための接合部を、後工程で電鋳で形成することによって行うことも可能である。
【0070】
また、コアワイヤの先端に設けられる先端チップは、例えばコイルを電鋳等で形成するような場合には、コアワイヤと別体形成した先端チップを後固着する他に、コアワイヤと一体的に形成された先端チップを用いることも可能である。また、
図5では、コイル30を電鋳で形成する一例を示したが、本発明では、電鋳に代えてエッチングを採用したり、電鋳とエッチングを組み合わせて採用することで、コイルまたはコイルを構成する線材を形成することも可能である。
【0071】
更にまた、コイルまたはコイルを構成する線材は、電鋳やエッチングに代えて、または電鋳やエッチングと組み合わせて、電鋳と同様に成膜などの成形技術として知られる溶射や真空蒸着によって形成してもよい。即ち、例えば加熱することで溶融またはそれに近い状態にした材料の溶射粒子の多数を所定形状に一体化させることでコイルまたはコイルを構成する線材を形成したり、加熱することで気化または昇華させた材料の粒子の多数を所定形状に一体化させることでコイルまたはコイルを構成する線材を形成することなども可能である。かかる溶射や真空蒸着を採用することにより、電鋳等により形成されるガイドワイヤと比べて、ガイドワイヤの材質の選択の自由度が向上され得る。従って、剛性の小さい材質を採用することにより、ガイドワイヤの曲げ剛性をより低減させることも可能であり、それに伴い、ガイドワイヤの曲げ変化量を大きくすることができて、ガイドワイヤの長さ方向において曲げ剛性を一層細やかに設定することができる。
【0072】
なお、前記実施形態では、ガイドワイヤ10が金属により形成されていたが、溶射や真空蒸着で形成されることにより、ガイドワイヤを、例えば合成樹脂製やセラミックス製とすることも可能である。
【0073】
また、以下に記載のガイドワイヤの各態様は、本願発明とは異なる課題を解決し得る独立した発明として認識され得る。
【0074】
第1の態様は、コアワイヤの先端部分にコイルが外挿装着されたガイドワイヤであって、前記コアワイヤにおいて、前記コイルが装着される装着部の基端側に段差状部が形成されており、該段差状部よりも先端側に位置する該装着部が小径化されていることを特徴とするものである。
【0075】
第2の態様は、上記第1の態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの基端部が、該コイルの形成に際して前記コアワイヤに対して一体的に接合されているものである。
【0076】
第3の態様は、上記第1又は第2の態様に係るガイドワイヤであって、前記コイルを構成する線材の断面形状が、該コイルの長さ方向で異なっているものである。
【0077】
第4の態様は、上記第1〜第3の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルが外挿装着された前記コアワイヤの先端部分が先細のテーパ形状とされているものである。
【0078】
第5の態様は、上記第1〜第4の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する前記線材の断面積が、該コイルの基端側に比べて先端側の方が小さくされているものである。
【0079】
第6の態様は、上記第1〜第5の何れかの態様に係るガイドワイヤであって、前記コイルの長さ方向の少なくとも一部が、内周側端部よりも外周側端部の方が幅寸法の大きい断面形状を有する線材で形成されているものである。
【0080】
第7の態様は、上記第1〜第6の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの外径寸法が全長に亘って略一定とされているものである。
【0081】
第8の態様は、上記第1〜第6の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの外径寸法が、基端側に比べて先端側が小さくされているものである。
【0082】
第9の態様は、上記第1〜第8の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルの長さ方向において、該コイルを構成する線材の材質が異ならされているものである。
【0083】
第10の態様は、上記第1〜第9の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材が電鋳とエッチングとの少なくとも一方により形成されているものである。
【0084】
第11の態様は、上記第1〜第9の何れかの態様に係るガイドワイヤにおいて、前記コイルを構成する線材が溶射と真空蒸着との少なくとも一方により形成されているものである。