【実施例】
【0023】
[実施例1]
セラミック繊維として、イソライト工業株式会社製のAESウール(商品名:イソウールBSSR)、該セラミック繊維より低融点のガラス繊維として軟化点が850℃であるAGY株式会社製のガラス繊維(商品名:チョップドストランド)、無機微粒子として有限会社丸西シリカ鉱業所製の珪砂、無機バインダーとして日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ(SiO
2濃度:40質量%)、及び有機バインダーとして日澱化学工業株式会社製のデンプンを用意した。
【0024】
そして、セラミックス繊維を60質量%、セラミック繊維より低融点であるガラス繊維を6質量%、無機微粒子を27質量%、及び無機バインダーを4質量%の配合割合となるようにこれらセラミック繊維、ガラス繊維、無機微粒子、及び無機バインダーをそれぞれ秤り取って水に投入して分散させ、数分間撹拌した。更に、上記水に投入したセラミック繊維100質量部に対して5質量部の配合割合で有機バインダーを添加して凝集させた後、型を用いて板状に吸引成形した。
【0025】
得られた板状の成形体を105℃の空気中で乾燥処理した後、725℃の空気中で熱処理することにより実施例1の断熱材を製造した。上記熱処理後のかさ密度をJIS R3311に準拠して測定したところ298kg/m
3であった。また、上記熱処理後の断熱材について、10%変形圧縮応力及び復元率を測定した。なお、10%変形圧縮応力は、サンプルサイズ縦100mm×横100mm×厚み25mmの板状サンプルを用意し、上面全体に荷重をかけて厚み方向に1mm/minで圧縮し、該厚み方向に10%変形した時の応力を測定した。
【0026】
一方、復元率は、上記の10%変形した圧縮状態を5分間保持した後、該荷重を解放したときの厚みを測定し、下記式1から求めた。
[式1]
復元率=圧縮荷重解放後の厚み/圧縮荷重負荷前の厚み×100
【0027】
更に、使用環境と同程度の雰囲気である高温空気に24hr保持して加熱した後、常温まで冷却したときの断熱材の硬度について、JIS K7312に準拠してデュロメータ(Cタイプ)により測定したところ、表示は45であった。なお、上記の高温空気の温度は上記ガラス繊維の軟化点よりも50℃高い温度である900℃とした。
【0028】
同様に、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い温度である900℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率をJIS R3311に準拠して測定し、同様に、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い温度である900℃に加熱したときの熱間線膨張率をJIS R2207−1に準拠して測定し、600℃に加熱したときの熱伝導率をJIS A1412−2に準拠して測定した。
【0029】
[実施例2]
セラミック繊維より低融点のガラス繊維にセントラルグラスファイバー株式会社製の軟化点が1000℃のガラス繊維(商品名:チョップドストランド)を使用した以外は上記実施例1と同様にして実施例2の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、305kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧縮応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1050℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1050℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても上記実施例1と同様にして測定した。
【0030】
[実施例3]
セラミック繊維より低融点のガラス繊維に日東紡株式会社製の軟化点が1200℃のガラス繊維(商品名:Tガラス)を使用した以外は上記実施例1と同様にして実施例3の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、298kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧縮応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1250℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1250℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても上記実施例1と同様にして測定した。
【0031】
[実施例4]
セラミック繊維として株式会社デンカ製のPCW(商品名:デンカアルセン)を使用し、該セラミック繊維よりも低融点のガラス繊維として軟化点が1000℃の実施例2と同じガラス繊維を使用し、セラミック繊維を83質量%、ガラス繊維を8質量%、及び無機バインダーを9質量%の配合割合とし、無機微粒子は添加しないこと以外は上記実施例1と同様にして実施例4の断熱材を製造した後、該実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、237kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧縮応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1050℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1050℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても上記実施例1と同様にして測定した。
【0032】
[実施例5}
セラミック繊維として、イソライト工業株式会社製のRCF(商品名:イソウール)を使用した以外は上記実施例4と同様にして実施例5の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、290kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧経応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1050℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1050℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても上記実施例1と同様にして測定した。
【0033】
[実施例6]
セラミック繊維より低融点のガラス繊維に軟化点700℃のAGY株式会社製のガラス繊維(商品名:チョップドストランド)を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例6の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、300kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧経応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い750℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、750℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても上記実施例1と同様にして測定した。
【0034】
[比較例1]
セラミック繊維を51質量%、該セラミック繊維よりも低融点のガラス繊維を20質量%、無機微粒子を23質量%、及び無機バインダーを6質量%の配合割合にした以外は上記実施例2と同様にして比較例1の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、262kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧縮応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1050℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1050℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても実施例2と同様にして測定した。
【0035】
[比較例2]
セラミック繊維を49質量%、該セラミック繊維よりも低融点のガラス繊維を24質量%、無機微粒子を22質量%、及び無機バインダーを5質量%の配合割合にした以外は実施例2と同様にして比較例2の断熱材を製造した後、実施例1と同様にして熱処理した。この熱処理後の断熱材のかさ密度は、230kg/m
3であった。また、硬度、10%変形圧縮応力及び復元率、該ガラス繊維の軟化点より50℃高い1050℃の空気雰囲気中に24hr保持した後、常温まで冷却したときの加熱線収縮率、1050℃に加熱したときの熱間線膨張率、並びに600℃に加熱したときの熱伝導率についても実施例2と同様にして測定した。上記の比較例1及び2の測定結果を実施例1〜6の測定結果と共に下記表1に示す。
【0036】
【表1】