(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記統一論理データ記憶領域中に保存された前記時系列データのデータエントリは内容および時間スタンプを含み、前記時間スタンプは、前記データエントリの内容が生成された時間を示す、請求項2に記載のシステム。
前記データのうち少なくとも一部は、前記1つ以上の他のデバイスのうち少なくとも1つによってホストされるストリーミングサービスを用いてストリーミングされ、前記統一論理データ記憶領域または前記1つ以上のデータ受信器コンピューティングデバイスのうち少なくとも1つは、前記ストリーミングサービスの加入者である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
前記データは、第1フォーマットを用いて保存され、前記メタデータは、前記第1フォーマットとは異なる第2フォーマットを用いて保存される、請求項6に記載のシステム。
前記システムは、前記統一論理データ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部を用いて1つ以上のサービスを行うように構成された1組のリクエストサービサーコンピューティングデバイスをさらに含み、前記1つ以上のサービスは、計算分析を含む、 請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
前記1つ以上のサービスは、前記プロセス制御プラントの実行時間環境においてダウンロードされることが可能な1組のエンティティに対応する1組の定義を生成するサービスをさらに含み、
前記1組のエンティティは、デバイス、診断アプリケーション、表示ビューアプリケーション、制御モデルまたは制御アプリケーションのうち少なくとも1つを含む、
請求項8または9に記載のシステム。
前記1つ以上のデータ記憶装置は、データバンク、RAID記憶装置システム、クラウドデータ記憶装置システム、分散ファイルシステム、または他の大量データ記憶装置システムのうち少なくとも1つに設けられる、請求項1に記載のシステム。
前記統一論理データ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部は第1の組のデータであり、前記方法は、前記第1の組のデータに対する前記サービスの実行に基づいて第2の組のデータを生成することをさらに含む、請求項19〜22のいずれか1項に記載の方法。
前記データを受信することは、前記データのうち少なくとも一部をストリーミングサービスを用いて受信することを含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
前記プロセス制御システムビッグデータネットワークは1つ以上の他のノードをさらに含み、前記1つ以上の他のノードは、ユーザインターフェースデバイス、ゲートウェイデバイス、アクセスポイント、経路設定デバイス、ネットワーク管理デバイス、または前記コントローラまたは別のコントローラへ接続された入力/出力(I/O)カードのうち少なくとも1つを含む、請求項26に記載のプロセス制御システム。
プロセス制御システムビッグデータユーザインターフェースをさらに含み、前記プロセス制御システムビッグデータユーザインターフェースは、ユーザがユーザインターフェースデバイスを介して1組のユーザアクションの少なくとも1つのユーザアクションを行うことを可能にするように構成され、前記1組のユーザアクションは、
前記統一論理データ記憶領域中に保存された前記データのうち少なくとも一部を視認することと、
行われるべきサービスをリクエストすることであって、前記サービスは、前記統一論理データ記憶領域中に保存された前記データのうち少なくとも一部を要求することと、
前記サービスの性能の結果を視認することと、
前記プロセス制御システム内に含まれるエンティティを構成することと、
構成されたエンティティを前記プロセス制御システム中においてダウンロードさせることと、
さらなるサービスを構成すること、
を含み、
前記ユーザインターフェースデバイスは、前記プロセス制御システムビッグデータネットワークの第3のノードである、
請求項26〜28のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
前記プロセス制御システムビッグデータネットワークは、有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークのうち少なくとも1つを含む、請求項26〜29のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
前記プロセス制御システムビッグデータネットワークは、少なくとも部分的にアドホックネットワークである、請求項26〜30のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、処理プラントまたはプロセス制御システム10のための例示的ビッグデータネットワーク100のブロック図である。例示的プロセス制御システムビッグデータネットワーク100は、プロセス制御システムビッグデータ装置または電化製品102と、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105と、複数のノード108とを含む。複数のノード108は、バックボーン105へ通信可能に接続される。プロセス関連データ、プラント関連データ、および他の種類のデータを複数のノード108において収集およびキャッシュすることができ、データをネットワークバックボーン105を介してプロセス制御システムビッグデータ装置または電化製品102へと長期保存(例えば、「履歴化」)および処理のために送達することができる。実施形態において、例えばプロセス制御をリアルタイムに行うために、データのうち少なくとも一部をネットワーク100のノード間において送達することができる。
【0020】
プロセス制御システム10に関連する任意の種類のデータを、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102において収集および保存することができる。実施形態において、プロセスデータを収集および保存することができる。例えば、プロセスが処理プラント10において制御されている際生成され(かつ場合によってはプロセスのリアルタイム実行の効果を示す)リアルタイムプロセスデータ(例えば、連続、バッチ、測定およびイベントデータ)を収集および保存することができる。プロセス定義、配置構成または設定データ(例えば、構成データおよび/またはバッチレシピデータ)を収集および保存することができる。構成、実行およびプロセス診断結果に対応するデータを収集および保存することができる。他の種類のプロセスデータも収集および保存され得る。
【0021】
実施形態において、バックボーン105および処理プラント10の他の多様な通信ネットワークのデータハイウェイトラフィックおよびネットワーク管理データを収集および保存することができる。実施形態において、ユーザ関連データ(例えば、ユーザトラフィック、ログイン試行、クエリおよび命令に関連するデータ)を収集および保存することができる。テキストデータ(例えば、ログ、操作手順、マニュアル)、空間データ(例えば、位置ベースのデータ)およびマルチメディアデータ(例えば、閉回路TV、ビデオクリップ)を収集および保存することができる。
【0022】
実施形態において、処理プラント10に関連するデータ(例えば、処理プラント10中に含まれる物理的設備(例えば、機械およびデバイス)に関連するデータ)のうち、プロセスを直接的に構成、制御または診断するアプリケーションによって生成されていないものを収集および保存することができる。例えば、振動データおよび蒸気トラップデータを収集および保存することができる。プラント安全性データを収集および保存することができる。例えば、プラント安全性に対応するパラメータ値を示すデータ(例えば、腐食データ、ガス検出データ)を保存することができ、あるいは、プラント安全性に対応するイベントを示すデータを保存することができる。機械、プラント設備および/またはデバイスの健康状態に対応するデータを収集および保存することができる。例えば、設備データ(例えば、振動データおよび他のデータに基づいて決定されたポンプ健康状態データ)を収集することができる。設備、機械および/またはデバイス診断の構成、実行および結果に対応するデータを収集および保存することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、処理プラント10の外部のエンティティによって生成または送信されたデータ(例えば、原材料、部品または設備の予測到着時間、天候データおよび他の外部データのコストに関連するデータ)を収集および保存することができる、実施形態において、ネットワークバックボーン105へ通信可能に接続された全ノード108によって生成、受信または観測された全データを収集することができ、その後、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102において保存させることができる。
【0024】
実施形態において、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100は、プロセス制御システムビッグデータスタジオ109を含む。プロセス制御システムビッグデータスタジオ109は、構成およびデータ調査のための主要インターフェース(例えば、他のアプリケーションによって用いられるユーザインターフェースまたはインターフェース)をプロセス制御システムビッグデータネットワーク100中へ提供するように構成される。プロセス制御システムビッグデータスタジオ109は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105を介してビッグデータ電化製品102へ接続してもよいし、あるいは、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102へ直接接続してもよい。
【0025】
プロセス制御ビッグデータネットワークノード
【0026】
プロセス制御ビッグデータネットワーク100の複数のノード108は、ノード110〜115のいくつかの異なるグループを含み得る。ノード110の第1のグループ(本明細書中「プロバイダノード110」または「プロバイダデバイス110」と呼ぶ)は、1つ以上のノードまたはデバイスを含み得る。これら1つ以上のノードまたはデバイスは、プロセス制御データの生成、経路設定および/または受信を行って、処理プラント環境10中におけるプロセスのリアルタイム制御を可能にする。プロバイダデバイスまたはノード110の例を挙げると、プロセス(例えば、有線および無線フィールドデバイス、コントローラ、または入力/出力(I/Oデバイス))を制御するためのプロセス制御データを生成および/またはプロセス制御データにより動作するようにされた主要機能を有するデバイスがある。プロバイダデバイス110の他の例を挙げると、主要機能がプロセス制御システムの1つ以上の通信ネットワーク(そのうち1つとして、プロセス制御大型ネットワーク100がある)を通じてアクセスまたは経路設定を提供するデバイスがある(例えば、アクセスポイント、ルータ、有線制御バスへのインターフェース、無線通信ネットワークへのゲートウェイ、外部ネットワークまたはシステムへのゲートウェイ、および他のこのような経路設定およびネットワーキングデバイス)。プロバイダデバイス110のさらに他の例を挙げると、主要機能がプロセスデータおよびプロセス制御システム10全体に蓄積された他の関連データを一時的に保存し、一時保存されたデータを履歴化のためにプロセス制御システムビッグデータ電化製品102へ送信することであるデバイスがある。
【0027】
実施形態において、プロバイダデバイス110のうち少なくとも1つを通信可能にプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105へ直接的に接続することができる。実施形態において、プロバイダデバイス110のうち少なくとも1つを通信可能にバックボーン105へ間接的に接続することができる。例えば、無線フィールドデバイスは、ルータ、およびアクセスポイントおよび無線ゲートウェイを介して通信可能にバックボーン105へ接続され得る。典型的には、プロバイダデバイス110は一体ユーザインターフェースを持たないが、プロバイダデバイス100のうちいくつかは、例えば有線または無線通信リンクを介した通信またはユーザインターフェースデバイスをプロバイダデバイス110のポートにプラグインするすることにより、ユーザコンピューティングデバイスまたはユーザインターフェースとの通信可能な接続を持つ能力を持ち得る。
【0028】
ノード112の第2のグループ(本明細書中「ユーザインターフェースノード112またはユーザインターフェースデバイス112」と呼ぶ)は、1つ以上のノードまたはデバイスを含み得る。これら1つ以上のノードまたはデバイスはそれぞれ、一体ユーザインターフェースを有する。一体ユーザインターフェースを介して、ユーザまたはオペレータがプロセス制御システムまたは処理プラント10と相互作用して、処理プラント10に関連する活動を行う(例えば、構成、ビュー、監視、試験、分析、診断、注文、計画、スケジュール、注釈、および/または他の活動)。これらのユーザインターフェースノードまたはデバイス112の例を挙げると、モバイルまたは固定型コンピューティングデバイス、ワークステーション、ハンドヘルドデバイス、タブレット、サーフェスコンピューティングデバイス、およびプロセッサ、メモリおよび一体ユーザインターフェースを有する任意の他のコンピューティングデバイス
、がある。一体型ユーザインターフェースは、画面、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、タッチスクリーン、タッチパッド、生体インターフェース、スピーカおよびマイクロフォン、カメラおよび/または任意の他のユーザインターフェース技術を含み得る。各ユーザインターフェースノード112は、1つ以上の一体型ユーザインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースノード112は、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105への直接接続を含み得るか、または、例えばアクセスポイントまたはゲートウェイを介したバックボーン105への間接接続を含み得る。ユーザインターフェースノード112は、通信可能にプロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105へ有線的におよび/または無線的に接続され得る。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェースノード112は、ネットワークバックボーン105へアドホック的に接続され得る。
【0029】
もちろん、プロセス制御ビッグデータネットワーク100の複数のノード108は、プロバイダノード110およびユーザインターフェースノード112のみに限定されない。1つ以上の他の種類のノード115は、複数のノード108内に設けてもよい。例えば、処理プラント10の外部のシステム(例えば、研究室システムまたは材料取り扱いシステム)のノードをシステム100のネットワークバックボーン105へ通信可能に接続することができる。ノードまたはデバイス115を直接的または間接的接続を介してバックボーン105へ通信可能に接続することができる。ノードまたはデバイス115は、有線または無線接続を介してバックボーン105へ通信可能に接続され得る。いくつかの実施形態において、他のノード115のグループをプロセス制御システムビッグデータネットワーク100から省略してもよい。
【0030】
実施形態において、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノード108のうち少なくとも一部は、一体型ファイアウォールを含み得る。さらに、任意の数のノード108(例えば、ゼロ個のノード、1個のノードまたは1個よりも多くのノード)はそれぞれ、タスク、測定、イベントおよび他のデータをリアルタイムで保存またはキャッシュするための各メモリ記憶部(
図1中、アイコンM
Xによって示す)を含み得る。実施形態において、メモリ記憶部M
Xは、高密度メモリ記憶部技術を含み得る(例えば、ソリッドステートドライブメモリ、半導体メモリ、光学メモリ、分子メモリ、生物メモリ、または任意の他の適切な高密度メモリ技術)。いくつかの実施形態において、メモリ記憶部M
Xは、フラッシュメモリも含み得る。メモリ記憶部M
X(および場合によってはフラッシュメモリ)は、各ノード108において生成されたか、受信されたか、または観測されたデータを一時的に保存またはキャッシュするように構成され得る。ノード108のうちいくつか(例えば、コントローラデバイス)のフラッシュメモリM
Xは、ノード構成、バッチレシピおよび/または他のデータのスナップショットを保存することもでき、これにより、通常の操作時または停電後またはノードのオフラインの原因となる他のイベント後においてこの情報を用いる際の遅延が最小化される。プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の実施形態において、ノード110および112ならびに任意の数のノード115は全て、高密度メモリ記憶部M
Xを含み得る。異なる種類または技術の高密度メモリ記憶部M
Xを1組のノード108上においてまたはこの1組のノード108に含まれるノードのサブセット上において用いることが可能であることが理解される。
【0031】
実施形態において、任意の数のノード108(例えば、ゼロ個のノード、1個のノードまたは1個よりも多くのノード)はそれぞれ、各マルチコアハードウェアを含み得る(例えば、マルチコアプロセッサまたは別の種類の並列プロセッサ)(例えば、
図1中にアイコンP
MCXによって示すようなもの)。ノード108のうち少なくとも一部は、ノードにおけるリアルタイムデータをキャッシュするために(およびいくつかの実施形態においてキャッシュされたデータをプロセス制御システムビッグデータ電化製品102における保存のために送信させるために)、各プロセッサP
MCXのコアのうち1つを指定し得る。追加的にまたは代替的に、ノード108のうち少なくとも一部は、各マルチコアプロセッサP
MCXの複数のコアのうち1つよりも多くをリアルタイムデータのキャッシュのために指定し得る。いくつかの実施形態において、リアルタイムデータをキャッシュする(および場合によってはキャッシュされたデータをビッグデータ電化製品102に保存する)ための1つ以上の指定されたコアは、そのように排他的に指定され得る(例えば、1つ以上の指定されたコアは、ビッグデータのキャッシュおよび送信に関連する処理以外の処理を行わない)。実施形態において、ノード108のうち少なくともいくつかは、処理プラント10におけるプロセスを制御するための動作を行うものとしてコアの1つを指定し得る。実施形態において、1つ以上のコアがプロセス制御動作を行うものとして排他的に指定され得、これらのコアは、ビッグデータのキャッシュおよび送信には用いることはできない。異なる種類または技術のマルチコアプロセッサP
MCXを1組のノード108上または1組のノード108のノードのサブセット上において用いることが可能であることが理解される。プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の実施形態において、ノード110および112ならびに任意の数のノード115は、いくつかの種類のマルチコアプロセッサP
MCXを含み得る。
【0032】
しかし、
図1においては各ノード108をマルチコアプロセッサP
MCXおよび高密度メモリM
X双方を含むものとして図示しているが、各ノード108にマルチコアプロセッサP
MCXおよび高密度メモリM
X双方を設ける必要は無い点に留意されたい。例えば、ノード108のうちいくつかにはマルチコアプロセッサP
MCXのみを設け、高密度メモリM
Xは設けなくてもよく、ノード108のうちいくつかに高密度メモリM
Xのみを設け、マルチコアプロセッサP
MCXは設けなくてもよく、ノード108のうちいくつかにマルチコアプロセッサP
MCXおよび高密度メモリM
X双方を設けてもよく、かつ/または、ノード108のうちいくつかにマルチコアプロセッサP
MCXまたは高密度メモリM
X双方を設けなくてもよい。
【0033】
プロバイダノードまたはデバイス110によるキャッシュまたは収集が可能なリアルタイムデータの例を挙げると、測定データ、構成データ、バッチデータ、イベントデータおよび/または連続データがある。例えば、構成、バッチレシピ、設定点、出力、速度、制御アクション、診断、警告、イベントおよび/またはその変更に対応するリアルタイムデータを収集することができる。リアルタイムデータの他の例を挙げると、プロセスモデル、統計、状態データおよびネットワークおよびプラント管理データがある。
【0034】
ユーザインターフェースノードまたはデバイス112によるキャッシュまたは収集が可能なリアルタイムデータの例を挙げると、例えば、ユーザログイン、ユーザクエリ、ユーザが(例えばカメラ、オーディオまたはビデオ記録デバイスによって)キャプチャしたデータ、ユーザコマンド、ファイルの生成、改変または削除、ユーザインターフェースノードまたはデバイスの物理的または空間位置、ユーザインターフェースデバイス112によって行われた診断または試験の結果、およびユーザインターフェースノード112との相互作用するユーザによって開始されたかまたはユーザインターフェースノード112と相互作用するユーザに関連する他のアクションまたは活動がある。
【0035】
収集されたデータは、動的データまたは静的データであり得る。収集されたデータを挙げると、例えば、データベースデータ、ストリーミングデータ、および/またはトランザクションデータ。一般的には、ノード108によって生成、受信または観測された任意のデータを、対応する時間スタンプまたは収集/キャッシュ時間の通知と共に収集またはキャッシュすることができる。好適な実施形態において、ノード108によって生成、受信または観測された全データは、各データの収集/キャッシュ時間の各通知(例えば、時間スタンプ)と共にメモリ記憶部(例えば、高密度メモリ記憶部M
X)中に収集またはキャッシュされる。
【0036】
実施形態において、ノード110および112それぞれ(ならびに任意選択的にはその他のノード115のうち少なくとも1つ)は、リアルタイムデータを自動的に収集またはキャッシュすることと、収集/キャッシュされたデータをビッグデータ電化製品102および/または他のノード108へ送達することとを(損失の多いデータ圧縮、データサブサンプリングまたはデータ収集目的のためのノードの構成を必要とすることなく)行うように、構成され得る。従来技術のプロセス制御システムと対照的に、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノードまたはデバイス108において収集されたデータの識別情報は、先験的にデバイス108中に構成する必要が無い。さらに、ノード108からデータを収集および送達する速度も構成、選択または定義する必要が無い。すなわち、プロセス制御ビッグデータシステム100のノード110および112(ならびに任意選択的にその他のノード115のうち少なくとも1つ)は、ノードによって生成、受信または入手された全データをデータが生成、受信または入手されたときの速度で自動収集することができ、収集されたデータを高忠実性を以て(例えば、オリジナルの情報の損失を招く可能性のある損失の多いデータ圧縮または任意の他の技術を用いることなく)をプロセス制御ビッグデータ電化製品102へと送達させることができ、また任意選択的にネットワーク100の他のノード108へ送達させることができる。
【0037】
プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105へ接続された例示的プロバイダノード110の詳細なブロック図を
図2に示す。既述したように、プロバイダノード110は、処理プラント環境10(例えば、プロセスコントローラ、フィールドデバイスおよびI/Oデバイス)内におけるプロセスをリアルタイムで制御する機能を実行するために用いられるプロセス制御データを自動的に生成および/または受信する主要機能を有するデバイスを含み得る。処理プラント環境10において、プロセスコントローラは、フィールドデバイスによって行われたプロセス測定を示す信号を受信し、この情報を処理して制御ルーチンを実行し、プラント10内のプロセスの動作を制御するために有線または無線通信リンクを介して他のフィールドデバイスへと送られる制御信号を生成する。典型的には、少なくとも1つのフィールドデバイスは、物理的機能(例えば、弁の開閉、温度の増減)を行ってプロセスの動作を制御し、いくつかの種類のフィールドデバイスは、I/Oデバイスを用いてコントローラと通信し得る。プロセスコントローラ、フィールドデバイスおよびI/Oデバイスは有線または無線であり得、有線プロセスコントローラおよび無線プロセスコントローラ、フィールドデバイスおよびI/Oデバイスの任意の数および組み合わせが、プロセス制御ビッグデータネットワーク100のノード110となり得る。
【0038】
図2に示すコントローラ11は、通信可能に入力/出力(I/O)カード26および28を介して有線フィールドデバイス15〜22へ接続され、通信可能に無線ゲートウェイ35およびネットワークバックボーン105を介して無線フィールドデバイス40〜46へ接続される。(しかし、別の実施形態において、バックボーン105以外の通信ネットワークを用いて(例えば、別の有線または無線通信リンクを用いて)コントローラ11を通信可能に無線ゲートウェイ35へ接続してもよい)。
図2において、コントローラ11がプロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノード110となっている様子が図示されており、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105へ直接接続されている。
【0039】
コントローラ11は、例えばDeltaV(商標)コントローラ(販売元:Emerson Process Management)であり得、フィールドデバイス15〜22および40〜46のうち少なくともいくつかを用いてバッチプロセスまたは連続プロセスを実行するように動作することができる。コントローラ11は、例えば標準的な4〜20maデバイス、I/Oカード26および28ならびに/または任意のスマート通信プロトコル(例えば、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコル)と関連付けられた任意の所望のハードウェアおよびソフトウェアを用いて、通信可能にフィールドデバイス15〜22および40〜46へ接続され得る。実施形態において、コントローラ11は、追加的にまたは代替的に、フィールドデバイス15〜22および40〜46のうち少なくともいくつかと通信可能にビッグデータネットワークバックボーン105によって接続され得る。
図2に示す実施形態において、コントローラ11、フィールドデバイス15〜22ならびにI/Oカード26および28は有線デバイスであり、フィールドデバイス40〜46は無線フィールドデバイスである。もちろん、有線フィールドデバイス15〜22および無線フィールドデバイス40〜46は、任意の他の所望の標準的な(単数または複数)またはプロトコル(例えば、任意の有線または無線プロトコル(例えば、将来開発される任意の基準またはプロトコル))に適合し得る。
【0040】
図2のコントローラ11は、プロセッサ30を含む。プロセッサ30は、(メモリ32中に保存された)1つ以上のプロセス制御ルーチンを実行または監視する。これら1つ以上のプロセス制御ルーチンは、制御ループを含み得る。プロセッサ30は、フィールドデバイス15〜22および40〜46ならびに通信可能にバックボーン105へ接続された他のノード(例えば、ノード110、112、115)と通信し得る。所望であれば、本明細書中に記載される任意の制御ルーチンまたはモジュール(例えば、品質予測および障害検出モジュールまたは機能ブロック)の部分を異なるコントローラまたは他のデバイスによって実行してもよい点に留意されたい。同様に、本明細書中に記載される、プロセス制御システム10によって実行されるべき制御ルーチンまたはモジュールは、任意の形態をとり得る(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア)。制御ルーチンは、任意の所望のソフトウェアフォーマットで(例えば、オブジェクト指向プログラミング、はしご論理、連続的機能チャート、機能ブロック図を用いてまたは任意の他のソフトウェアプログラミング言語または設計パラダイムを用いて)実行することができる。これらの制御ルーチンは、任意の所望の種類のメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM))中へ保存され得る。同様に、これらの制御ルーチンを、例えば1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)または任意の他のハードウェアまたはファームウェア要素中にハードコード化することができる。よって、コントローラ11を制御戦略または制御ルーチンを任意の所望の様態で実行するように構成することができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、コントローラ11は、いわゆる機能ブロックを用いて制御戦略を実行する。各機能ブロックは、制御ルーチン全体のオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作して、プロセス制御ループをプロセス制御システム10内において実行する。制御ベースの機能ブロックは典型的には、入力機能(例えば、送信器、センサーまたは他のプロセスパラメータ測定デバイス
)、制御機能(例えば、PID、ファジー論理、制御を行う制御ルーチンと関連付けられたもの)またはいくつかのデバイス(例えば、弁)の動作を制御していくつかの物理的機能をプロセス制御システム10内において行わせるための出力機能のうちの1つを行う。もちろん、ハイブリッドおよび他の種類の機能ブロックも存在する。機能ブロックは、コントローラ11によって保存および実行され得る。そのような場合としては、これらの機能ブロックが標準的な4〜20maデバイスおよびいくつかの種類のスマートフィールドデバイス(例えば、HARTデバイス)のために用いられるかまたは標準的な4〜20maデバイスおよびいくつかの種類のスマートフィールドデバイス(例えば、HARTデバイス)と関連付けられる場合があり、あるいは、フィールドデバイスそのものに保存されかつフィールドデバイスによって実行される場合があり、フィールドバスデバイスの場合も同様である。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実行し得る1つ以上の制御ルーチン38を含み得る。各制御ループは典型的には制御モジュールと呼ばれ、機能ブロックのうち1つ以上を実行することにより行われ得る。
【0042】
有線フィールドデバイス15〜22は、任意の種類のデバイス(例えば、センサー、弁、送信器、ポジショナ)であり得る。I/Oカード26および28は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに適合する任意の種類のI/Oデバイスであり得る。
図2に示す実施形態において、フィールドデバイス15〜18は、標準的な4〜20maデバイスまたはHARTデバイスであり、アナログ線または組み合わされたアナログおよびデジタル線を介してI/Oカード26と通信し、フィールドデバイス19〜22は、スマートデバイス(例えば、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールドデバイス)であり、デジタルバスを介してフィールドバス通信プロトコルを用いてI/Oカード28と通信する。しかし、いくつかの実施形態において、有線フィールドデバイス15〜22のうち少なくともいくつかならびに/またはI/Oカード26および28のうち少なくともいくつかは、ビッグデータネットワークバックボーン105を用いてコントローラ11と通信し得る。いくつかの実施形態において、有線フィールドデバイス15〜22のうち少なくともいくつかならびに/またはI/Oカード26および28の少なくともいくつかは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノードであり得る。
【0043】
図2に示す実施形態において、無線フィールドデバイス40〜46は、無線プロトコル(例えば、無線HARTプロトコル)を用いて無線ネットワーク70において通信する。このような無線フィールドデバイス40〜46は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100の無線的に(例えば無線プロトコルを用いて)通信するように構成された1つ以上の他のノード108と直接的に通信し得る。無線的に通信するように構成されていない1つ以上の他のノード108と通信する場合には、無線フィールドデバイス40〜46は、バックボーン105または別のプロセス制御通信ネットワークへ接続された無線ゲートウェイ35を用いることができる。いくつかの実施形態において、無線フィールドデバイス40〜46のうち少なくともいくつかは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノードであり得る。
【0044】
無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の多様な無線デバイス40〜58へのアクセスを提供することが可能なプロバイダデバイス110の一例である。詳細には、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40〜58、有線デバイス11〜28および/またはプロセス制御ビッグデータネットワーク100の他のノード108(例えば、
図2のコントローラ11)間に通信可能な結合を提供する。例えば、無線ゲートウェイ35は、ビッグデータネットワークバックボーン105を用いることおよび/または処理プラント10の1つ以上の他の通信ネットワークを用いることにより、通信可能な結合を提供することができる。
【0045】
無線ゲートウェイ35は、いくつかの場合において、有線および無線プロトコルスタックの1つまたは複数の共有層をトンネルしつつ、有線および無線プロトコルスタックの層を下降させるための経路設定、バッファリングおよびタイミングサービス(例えば、アドレス変換、経路設定、パケットセグメント化、優先順位付け)により、通信可能な結合を提供する。他の場合において、無線ゲートウェイ35は、任意のプロトコル層を共有していない有線プロトコルおよび無線プロトコル間のコマンドを変換し得る。プロトコルおよびコマンド変換に加えて、無線ゲートウェイ35によって提供される同期クロッキングは、無線ネットワーク70内において実行される無線プロトコルと関連付けられたスケジューリングスキームの時間スロットおよびスーパーフレーム(時間において均等に間隔を空けて配置された通信時間スロットの組)によって用いられる。さらに、無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク70のためのネットワーク管理および管理機能を提供することができる(例えば、リソース管理、性能調節、ネットワーク障害軽減、トラフィック監視、セキュリティ)。無線ゲートウェイ35は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノード110であり得る。
【0046】
有線フィールドデバイス15〜22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40〜46は、処理プラント10内において物理的制御機能を行うことができる(例えば、弁の開閉またはプロセスパラメータの測定)。しかし、無線フィールドデバイス40〜46は、ネットワーク70の無線プロトコルを用いて通信するように構成される。よって、無線フィールドデバイス40〜46、無線ゲートウェイ35および無線ネットワーク70の他の無線ノード52〜58は、無線通信パケットの生成者でありかつ消費者である。
【0047】
いくつかのシナリオにおいて、無線ネットワーク70は、非無線デバイスを含み得る。例えば、
図2のフィールドデバイス48はレガシー4〜20mAデバイスであり得、フィールドデバイス50は従来の有線HARTデバイスであり得る。ネットワーク70内において通信するために、フィールドデバイス48および50は、無線アダプタ(WA)52aまたは52bを介して無線通信ネットワーク70へと接続され得る。さらに、無線アダプタ52aおよび52bは、他の通信プロトコル(例えば、Foundation(登録商標)フィールドバス、PROFIBUS、DeviceNet)をサポートし得る。さらに、無線ネットワーク70は、1つ以上のネットワークアクセスポイント55aおよび55bを含み得る。1つ以上のネットワークアクセスポイント55aおよび55bは、無線ゲートウェイ35と有線通信する別個の物理的デバイスであってもよいし、あるいは、一体デバイスとして無線ゲートウェイ35を備えていてもよい。無線ネットワーク70はまた、1つ以上のルータ58を含み得る。1つ以上のルータ58は、1つの無線デバイスのからのパケットを無線通信ネットワーク70内の別の無線デバイスへ転送する。無線デバイス32〜46および52〜58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60を介して相互にそして無線ゲートウェイ35と通信することができる。
【0048】
よって、
図2は、ネットワーク経路設定機能および管理をプロセス制御システムの多様なネットワークへ提供する機能を主に果たすプロバイダデバイス110のいくつかの例を含む。例えば、無線ゲートウェイ35、アクセスポイント55aおよび55bならびにルータ58は、無線通信ネットワーク70中の無線パケットを経路設定する機能を含む。無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク70のためのトラフィック管理および管理機能を行い、無線ネットワーク70と通信可能な接続状態にある有線ネットワークに対するトラフィックを経路設定する。無線ネットワーク70は、プロセス制御メッセージおよび機能(例えば、無線HART)を特異的にサポートする無線プロセス制御プロトコルを用い得る。
【0049】
しかし、プロセス制御ビッグデータネットワーク100のプロバイダノード110は、他の無線プロトコルを用いて通信する他のノードも含み得る。例えば、プロバイダノード110は、他の無線プロトコルを用いた1つ以上の無線アクセスポイント72を含み得る(例えば、WiFiまたは他のIEEE802.11に適合する無線ローカルエリアネットワークプロトコル、
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のモバイル通信プロトコル、LTE(Long Term Evolution)または他のITU−R(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector)に適合するプロトコル、短波長無線通信(例えば、近接場通信(NFC)およびBluetooth
)、または他の無線通信プロトコル)。典型的には、このような無線アクセスポイント72により、ハンドヘルドまたは他のポータブルコンピューティングデバイス(例えば、ユーザインターフェースデバイス112)が(無線ネットワーク70と異なりかつ無線ネットワーク70以外の異なる無線プロトコルをサポートする)各無線ネットワークと通信することが可能になる。いくつかのシナリオにおいて、ポータブルコンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15〜22、または無線デバイス35、40〜58)も、アクセスポイント72によってサポートされる無線を用いて通信することができる。
【0050】
追加的にまたは代替的に、プロバイダノード110は、中間プロセス制御システム10の外部にあるシステムに対する1つ以上のゲートウェイ75および78を含み得る。典型的には、このようなシステムは、プロセス制御システム10上において生成または操作される情報の顧客または供給業者である。例えば、プラントゲートウェイノード75は、(各固有のプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105を有する)直接関係のある処理プラント10と、各固有のプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンを有する別の処理プラントとを通信可能に接続し得る。実施形態において、単一のプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン105が、複数の処理プラントまたはプロセス制御環境を提供し得る。
【0051】
別の例において、プラントゲートウェイノード75は、直接関係のある処理プラント10を、プロセス制御ビッグデータネットワーク100またはバックボーン105を含まないレガシーまたは従来技術の処理プラントへ通信可能に接続し得る。この例において、プラントゲートウェイノード75は、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン105によって用いられるプロトコルとレガシーシステムによって用いられる別のプロトコル(例えば、Ethernet、Profibus、フィールドバス、DeviceNet)との間においてメッセージを変換または形式変換し得る。
【0052】
プロバイダノード110は、1つ以上の外部システムゲートウェイノード78を含み得る。これらの外部システムゲートウェイノード78により、プロセス制御ビッグデータネットワーク100が外部の公的システムまたは私的システム(例えば、研究所システム(例えば、研究所情報管理システムまたはLIMS)、オペレータ巡回データベース、材料取り扱いシステム、メンテナンス管理システム、製品在庫制御システム、製造スケジューリングシステム、天候データシステム、出荷取り扱いシステム、パッケージングシステム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、または他の外部システム)のネットワークへと通信可能に接続され得る。
【0053】
図2においては有限数のフィールドデバイス15〜22および40〜46と共に単一のコントローラ11のみを図示しているが、これはあくまで例示であり、非限定的な実施形態である。任意の数のコントローラ11をプロセス制御ビッグデータネットワーク100のプロバイダノード110中に設けることができ、コントローラ11のうち任意のものが任意の数の有線または無線フィールドデバイス15〜22および40〜46と通信して、プラント10内のプロセスを制御することができる。さらに、処理プラント10は、任意の数の無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、無線プロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント72ならびに/またはゲートウェイ75および78を含み得る。
【0054】
既述したように、プロバイダノード110のうち1つ以上は、各マルチコアプロセッサP
MCX、各高密度メモリ記憶部M
X、または各マルチコアプロセッサP
MCXおよび各高密度メモリ記憶部M
X双方(
図2中アイコンBDによって示す)を含み得る。各プロバイダノード100は、自身のメモリ記憶部M
X(および(いくつかの実施形態において)自身のフラッシュメモリ)を用いて、データを収集およびキャッシュし得る。ノード110はそれぞれ、キャッシュされたデータをプロセス制御システムビッグデータ電化製品102へと送信させ得る。例えば、ノード110は、自身のキャッシュ中のデータのうち少なくとも一部をビッグデータ電化製品102へ定期的に送信させ得る。代替的または追加的に、ノード110は、自身のキャッシュ中のデータのうち少なくとも一部をビッグデータ電化製品102へストリーミングさせ得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、キャッシュまたは収集されたデータをノード110から送達するストリーミングサービスの加入者であり得る。実施形態において、プロバイダノード110は、ストリーミングサービスをホストし得る。
【0055】
ノード110がバックボーン105との直接接続を有する場合(例えば、コントローラ11、プラントゲートウェイ75、無線ゲートウェイ35)、各キャッシュまたは収集されたデータを、実施形態において、ノード110からバックボーン105を介してプロセス制御ビッグデータ電化製品102へ直接送ることができる。しかし、ノード110のうち少なくともいくつかについて、収集および/またはキャッシュをレベル付けまたは層化することにより、ノードにおいてキャッシュまたは収集されたデータのうちプロセス制御ビッグデータ電化製品102からさらに下流にある(例えば、さらに離隔方向にある)ものを、さらに上流にある(例えば、ビッグデータ電化製品102のより近隣にある)ノードにおいて中間キャッシュする。
【0056】
層化またはレベル付けされたデータキャッシュを例示するため、例示的シナリオを示す。この例示的シナリオにおいて、
図2を参照して、フィールドデバイス22は、生成または受信したプロセス制御データをキャッシュし、そのキャッシュの内容をフィールドデバイス22とプロセス制御ビッグデータ電化製品102との間の通信経路内に含まれる「上流」デバイス(例えば、I/Oデバイス28またはコントローラ11)へと送達させる。例えば、フィールドデバイス22は、そのキャッシュの内容をI/Oデバイス28へストリーミングしてもよいし、あるいは、フィールドデバイス22がそのキャッシュの内容をI/Oデバイス28へ定期的に送ってもよい。I/Oデバイス28は、I/Oデバイス28が直接生成、受信および観測した他のデータと共に、フィールドデバイス22から受信された情報を自身のメモリM
5中にキャッシュし(また、いくつかの実施形態において、他の下流フィールドデバイス19〜21から受信されたデータを自身のメモリM
5中にキャッシュする)。その後、I/Oデバイス28において収集およびキャッシュされたデータ(例えば、フィールドデバイス22のキャッシュの内容)を定期的に上流コントローラ11へ送信および/またはストリーミングすることができる。同様に、コントローラ11のレベルにおいて、コントローラ11は、下流デバイスから受信された情報(例えば、I/Oカード26および28ならびに/またはフィールドデバイス15〜22のうち任意のもの)を自身のメモリM
6中にキャッシュし、コントローラ11自身が直接生成、受信および観測したデータと共に下流データを自身のメモリM
6に集計する。その後、コントローラ11は、集計された収集またはキャッシュデータをプロセス制御ビッグデータ電化製品102へ定期的に送達および/またはストリーミングし得る。
【0057】
層化またはレベル付けされたキャッシュの第2の例示的シナリオにおいて、コントローラ11は、有線フィールドデバイス(例えば、デバイス15〜22のうち1つ以上)および少なくとも1つの無線フィールドデバイス(例えば、無線フィールドデバイス44)を用いてプロセスを制御する。この第2の例示的シナリオの第1の実施形態において、無線デバイス44におけるキャッシュまたは収集されたデータを無線デバイス44から(例えば、ビッグデータネットワーク105を介して)コントローラ11へと直接送達および/またはストリーミングし、コントローラ11の下流にある他のデバイスまたはノードからのデータ共にコントローラキャッシュM
6へと保存する。コントローラ11は、自身のキャッシュM
6中に保存されたデータをプロセス制御ビッグデータ電化製品102へ定期的に送達またはストリーミングし得る。
【0058】
この第2の例示的シナリオの別の実施形態において、無線デバイス44においてキャッシュまたは収集されたデータを、別のレベル付けされたまたは層化された経路を介して(例えば、デバイス42a、ルータ52a、アクセスポイント55aおよび無線ゲートウェイ35を介して)最終的にプロセス制御ビッグデータ電化製品102へ送達する。この実施形態において、別の経路のノード41a、52a、55aまたは35のうち少なくともいくつかは、下流ノードからのデータをキャッシュし、自身のキャッシュデータをさらに上流にあるノードへと定期的に送達またはストリーミングし得る。
【0059】
よって、異なる層化またはレベル付け配置構成を用いて、異なる種類のデータをプロセス制御システムビッグデータネットワーク100の異なるノードにおいてキャッシュすることができる。実施形態において、主要機能が制御であるプロバイダデバイス110(例えば、フィールドデバイス、I/Oカード、コントローラ)を用いて、プロセスの制御に対応するデータを層化された様態でキャッシュおよび送達することができる。一方、主要機能がトラフィック管理であるプロバイダデバイス110(例えば、ルータ、アクセスポイントおよびゲートウェイ)を用いて、ネットワークトラフィック測定に対応するデータを層化された様態でキャッシュおよび送達することができる。実施形態において、主要機能が(およびいくつかのシナリオにおいて唯一の機能が)下流デバイスからのデータの収集およびキャッシュであるプロバイダノードまたはデバイス110(本明細書中「ヒストリアンノード」と呼ぶ)を介してデータが送達され得る。例えば、ヒストリアンノードまたはコンピューティングデバイスのレベル付けされたシステムをネットワーク100全体に配置することができ、各ノード110は、例えばバックボーン105を用いて、キャッシュされたデータを同様のレベルのヒストリアンノードへと定期的に送達またはストリーミングすることができる。下流ヒストリアンノードは、キャッシュされたデータを上流ヒストリアンノードへと送達またはストリーミングし得、プロセス制御ビッグデータ電化製品102のすぐ下流にあるヒストリアンノードは、最終的に各キャッシュデータをプロセス制御ビッグデータ電化製品102における保存のために送達またはストリーミングすることができる。
【0060】
実施形態において、層化されたキャッシュは、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105を用いて相互に通信するノード110によって行われ得る。実施形態において、ノード110のうち少なくともいくつかは、別の通信ネットワークおよび/または他のプロトコル(例えば、HART、無線HART、フィールドバス、DeviceNet、WiFi、Ethernet、または他のプロトコル)を用いて、キャッシュデータを異なるレベルで他のノード110へ通信し得る。
【0061】
もちろん、レベル付けされたかまたは層化されたキャッシュについてプロバイダノード110について述べてきたが、これらの概念および技術は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のユーザインターフェースノード112および/または他の種類のノード115にも均等に適用することができる。実施形態において、ノード108のサブセットは、レベル付けされたまたは層化されたキャッシュを行い得、ノード108の別のサブセットは、キャッシュ/収集されたデータを(キャッシュされるかまたは中間ノード中に一時的に保存されること無く)プロセス制御ビッグデータ電化製品102へ直接送達させることができる。いくつかの実施形態において、ヒストリアンノードは、複数の異なる種類のノード(例えば、プロバイダノード110およびユーザインターフェースノード112)からデータをキャッシュすることができる。
【0062】
プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン
【0063】
図1に戻って、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105は、複数のネットワークされたコンピューティングデバイスまたはスイッチを含み得る。これらの複数のネットワークされたコンピューティングデバイスまたはスイッチは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の多様なノード108へのおよびプロセス制御システムビッグデータネットワーク100の多様なノード108からのパケットならびにプロセス制御ビッグデータ電化製品102へのパケットおよびプロセス制御ビッグデータ電化製品102からのパケットを経路設定するように構成される(プロセス制御ビッグデータ電化製品102そのものは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノードである)。バックボーン105の複数のネットワークされたコンピューティングデバイスを任意の数の無線および/または有線リンクによって相互接続することができる。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン105は、1つ以上のファイアウォールデバイスを含み得る。
【0064】
ビッグデータネットワークバックボーン105は、1つ以上の適切な経路設定プロトコル(例えば、インターネットプロトコル(IP)スイート(例えば、UPD(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(通信制御プロトコル)、Ethernet
など)に含まれるプロトコル
、あるいは他の適切な経路設定プロトコル
)をサポートし得る。実施形態において、ノード108のうち少なくともいくつかは、ストリーミングプロトコル(例えば、ストリーミング制御通信プロトコル(SCTP))を用いて、ノードからのキャッシュデータをネットワークバックボーン105を介してプロセス制御ビッグデータ電化製品102へとストリーミングする。典型的には、プロセスデータビッグデータネットワーク100内に設けられた各ノード108は、バックボーン105によってサポートされた経路設定プロトコル(単数または複数)の少なくともアプリケーション層(およびいくつかのノードの場合はさらなる層)をサポートし得る。実施形態において、各ノード108は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100内において(例えば、一意のネットワークアドレスによって)一意に特定される。
【0065】
実施形態において、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のうち少なくとも一部は、アドホックネットワークであり得る。そのため、ノード108のうち少なくともいくつかは、ネットワークバックボーン105(またはネットワーク100の別のノード)へとアドホックに接続し得る。実施形態において、ネットワーク100への参加をリクエストしている各ノードの認証が必要になる。認証については、後でさらに詳述する。
【0066】
プロセス制御システムビッグデータ電化製品
【0067】
さらに
図1を参照して、例示的なプロセス制御システムビッグデータプロセス制御ネットワーク100において、プロセス制御ビッグデータ装置または電化製品102は、ネットワーク100内の中央に設けられ、(例えば、ストリーミングを介しておよび/またはいくつかの他のプロトコルを介して)データをネットワーク100のノード108から受信し、受信されたデータを保存するように、構成される。そのため、プロセス制御ビッグデータ装置または電化製品102は、ノード108から受信されたデータの履歴化および保存のためのデータ記憶領域120と、複数の電化製品データ受信器122と、複数の電化製品リクエストサービサー125とを含み得る。プロセス制御ビッグデータ電化製品102のこれらのコンポーネント120、122および125それぞれについて、以下により詳細に説明する。
【0068】
プロセス制御システムビッグデータ記憶領域120は、複数の物理的データドライブまたは記憶エンティティを含み得る(例えば、RAID(独立したディスクの冗長アレイ)記憶装置、クラウド記憶装置、またはデータバンクまたはデータセンター記憶装置に適した任意の他の適切なデータ記憶装置技術)。しかし、ネットワーク100のノード108に対し、データ記憶領域120は、単一のまたは統一論理データ記憶領域またはエンティティの外観を有する。そのため、データ記憶装置120をプロセス制御ビッグデータネットワーク100または処理プラント10のための中央ビッグデータ記憶領域120とみなすことができる。いくつかの実施形態において、単一の論理中央データ記憶領域120は、複数の処理プラント(例えば、処理プラント10および別の処理プラント)にサービスを提供することができる。例えば、中央データ記憶領域120は、エネルギー会社のいくつかの精製機にサービスを提供することができる。実施形態において、中央データ記憶領域120は、バックボーン105へ直接的に接続され得る。いくつかの実施形態において、中央データ記憶領域120は、少なくとも1つの高帯域幅通信リンクを介してバックボーン105へと接続され得る。実施形態において、中央データ記憶領域120は、一体ファイアウォールを含み得る。
【0069】
実施形態において、統一論理データ記憶領域120の構造は、プロセス制御システム関連データ全ての記憶装置をサポートする。例えば、データ記憶装置エンティティの各エントリ、データ点または観測は、データの識別情
報(例えば、ソース、デバイス、タグ、位置)、データの内容(例えば、測定、値)、ならびにデータの収集、生成、受信または観測が行われた時期を示す時間スタンプ
、の通知を含み得る。よって、これらのエントリ、データ点または観測を本明細書中において「時系列データ」と呼ぶ。このデータは、例えばスケーラブルな記憶装置、ストリーミングされたデータおよび低遅延クエリをサポートするスキーマを含む共通フォーマットを用いて、データ記憶領域120へ保存され得る。
【0070】
実施形態において、スキーマは、複数の観測を各行中に保存することと、行鍵をカスタムハッシュと共に用いて、行中のデータをフィルタリングすることとを含み得る。実施形態において、ハッシュは、時間スタンプおよびタグに基づく。例えば、ハッシュは時間スタンプの丸め値であり得、タグは、プロセス制御システムのイベントまたはエンティティであるかまたはプロセス制御システムに関連し得る。実施形態において、各行または行グループに対応するメタデータもデータ記憶領域120中に保存され得、時系列データと一体にまたは時系列データと別個に保存され得る。例えば、メタデータは、スキーマレスに時系列データと別個に保存され得る。
【0071】
実施形態において、電化製品データ記憶装置120におけるデータ保存に用いられるスキーマは、ノード108のうち少なくとも1つのキャッシュM
X中のデータの保存にも用いられる。そのため、本実施形態において、データをノード108のローカル記憶領域M
Xからバックボーン105を通じてプロセス制御システムビッグデータ電化製品データ記憶装置120へと送る際、スキーマが保持される。
【0072】
データ記憶装置120に加えて、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、1つ以上の電化製品データ受信器122を含み得る。これら1つ以上の電化製品データ受信器122はそれぞれ、バックボーン105からのデータパケットを受信することと、データパケットを処理して実質的なデータおよびその内部の時間スタンプを取り出すことと、実質的なデータおよび時間スタンプをデータ記憶領域120中に保存することとを行うように構成される。電化製品データ受信器122は、例えば複数のコンピューティングデバイスまたはスイッチ上に常駐し得る。実施形態において、複数の電化製品データ受信器122(および/または少なくとも1つのデータ受信器122の複数のインスタンス)は、複数のデータパケット上において並列に動作し得る。
【0073】
受信されたデータパケットがプロセス制御ビッグデータ電化製品データ記憶領域120によって用いられるスキーマを含む実施形態において、電化製品データ受信器122は、データ記憶領域120のさらなるエントリまたは観測をスキーマ情報でポピュレートする(また、所望であれば、対応するメタデータを任意選択的に保存する)。プロセス制御ビッグデータ電化製品データ記憶領域120によって用いられるスキーマが受信されたデータパケット中に含まれない実施形態において、電化製品データ受信器122は、パケットを復号化し、プロセス制御ビッグデータ電化製品データ記憶領域120の時系列データ観測またはデータ点(ならびに任意選択的に対応するメタデータ)を相応にポピュレートする。
【0074】
さらに、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、1つ以上の電化製品リクエストサービサー125を含み得る。これら1つ以上の電化製品リクエストサービサー125はそれぞれ、例えばリクエストした側のエンティティまたはアプリケーションのリクエストに従って、プロセス制御システムビッグデータ電化製品記憶装置120中に保存された時系列データおよび/またはメタデータへアクセスするように構成される。電化製品リクエストサービサー125は、例えば複数のコンピューティングデバイスまたはスイッチ上に常駐し得る。実施形態において、電化製品リクエストサービサー125および電化製品データ受信器122のうち少なくともいくつかは、1つまたは複数の同じコンピューティングデバイス上(例えば、一体デバイス上)に常駐するか、または、一体アプリケーション中に含まれる。
【0075】
実施形態において、複数の電化製品リクエストサービサー125(および/または少なくとも1つの電化製品リクエストサービサー125の複数のインスタンス)は、複数のリクエストした側のエンティティまたはアプリケーションからの複数のリクエスト上において並列に動作し得る。実施形態において、単一の電化製品リクエストサービサー125は、複数のリクエスト(例えば、単一のエンティティまたはアプリケーションからの複数のリクエストまたはアプリケーションの異なるインスタンスからの複数のリクエスト)にサービスを提供し得る。
【0076】
図3および
図4は、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102の電化製品データ受信器122および電化製品リクエストサービサー125を用いて達成することが可能な、より詳細な概念および技術を示す例示的ブロック図である。
【0077】
図3は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100のノード108からビッグデータ電化製品102へ保存および履歴化のためにデータ転送(例えば、データストリーミング)を行うための電化製品データ受信器122の使用を示す例示的ブロック図である。
図3において、
図1の4つの例示的ノード108が図示される(すなわち、コントローラ11、ユーザインターフェースデバイス12、無線ゲートウェイ35、およびサードパーティ機械またはネットワーク78に対するゲートウェイ)。しかし、
図3について述べる技術および概念は、任意の種類および任意の数のノード108にも適用可能である。さらに、
図3中においては3つの電化製品データ受信器122a、122bおよび122cのみ図示しているが、
図3に対応する技術および概念は、任意の種類および任意の数の電化製品データ受信器122に適用可能である。
【0078】
図3に示す実施形態において、ノード11、12、35および78はそれぞれ、ノード11、12、35および78によって生成、受信または観測されたデータをキャプチャする各スキャナS
11、S
12、S
35およびS
78を含む。実施形態において、各スキャナS
11、S
12、S
35およびS
78の機能は、各ノード11、12、35および78の各プロセッサP
MCXによって実行され得る。スキャナS
11、S
12、S
35およびS
78に起因して、キャプチャされたデータおよび対応する時間スタンプが例えば上記したような様態で各ローカルメモリM
11、M
12、M
35およびM
78中に一時的に保存されたまたはキャッシュされ得る。よって、キャプチャされたデータは、時系列データまたはリアルタイムデータを含む。実施形態において、キャプチャされたデータは、プロセス制御ビッグデータ記憶領域120によって用いられるスキーマを用いて各メモリM
11、M
12、M
35およびM
78それぞれに保存またはキャッシュされる。
【0079】
各ノード11、12、35および78は、例えばネットワークバックボーン105を用いることにより、キャッシュされたデータのうち少なくとも一部を1つ以上の電化製品データ受信器122a〜122cへと送信し得る。キャッシュが特定の閾値まで満たされている場合、例えば、少なくとも1つのノード11、12、35および78は、データのうち少なくとも一部を自身の各メモリM
Xから押し出し得る。キャッシュの閾値は、実施形態において調節可能である。実施形態において、リソース(例えば、ネットワーク105の帯域幅、プロセッサP
MCX、またはいくつかの他のリソース)が充分に利用可能である場合、少なくとも1つのノード11、12、35および78は、少なくとも一部のデータを自身の各メモリM
Xから押し出し得る。特定のリソースの利用可能性閾値は、実施形態において調節可能である。
【0080】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのノード11、12、35および78は、メモリM
Xに一定間隔で保存されたデータのうち少なくとも一部を押し出し得る。データを押し出す際に用いられる特定の時間間隔の周期性は、データの種類、押し出すノードの種類、押し出すノードの位置および/または他の基準に基づき得る。実施形態において、特定の時間間隔の周期性は、調節可能である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのノード11、12、35および78は、リクエスト(例えば、プロセス制御ビッグデータ電化製品102からのリクエスト)に応答してデータを提供することができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのノード11、12、35および78は、各ノード11、12、35および78によるデータの生成、受信または観測時において、当該データのうち少なくとも一部をリアルタイムでストリーミングし得る(例えば、ノードは、データを一時的に保存またはキャッシュするのではなく、ノードがデータをストリーミングのために処理している間だけ当該データを保存し得る)。例えば、ストリーミングプロトコルを用いることにより、データのうち少なくとも一部を1つ以上の電化製品データ受信器122へとストリーミングすることができる。実施形態において、ノード11、12、35および78はストリーミングサービスをホストし得、データ受信器122および/またはデータ記憶領域120のうち少なくとも1つは、ストリーミングサービスに加入し得る。
【0082】
よって、送信されたデータは、例えばネットワークバックボーン105を介して1つ以上の電化製品データ受信器122a〜122cによって受信され得る。実施形態において、特定の電化製品データ受信器122が、1つ以上の特定のノードからのデータを受信するように指定され得る。実施形態において、特定の電化製品データ受信器122が、1つ以上の特定の種類のデバイス(例えば、コントローラ、ルータまたはユーザインターフェースデバイス)のみからデータを受信するように指定され得る。いくつかの実施形態において、特定の電化製品データ受信器122が、1つ以上の特定の種類のデータ(例えば、ネットワーク管理データのみまたはセキュリティ関連データのみ)を受信するように指定され得る。
【0083】
電化製品データ受信器122a〜122cににより、データがビッグデータ電化製品記憶領域120中に保存または履歴化され得る。例えば、電化製品データ受信器122a〜122cそれぞれによって受信されたデータは、プロセス制御ビッグデータスキーマを用いてデータ記憶領域120中に保存され得る。
図3に示す実施形態において、時系列データ120aが対応するメタデータ120bと別個に保存されている様子が図示されているが、いくつかの実施形態において、メタデータ120bのうち少なくとも一部を時系列データ120aと共に保存してもよい。
【0084】
実施形態において、複数の電化製品データ受信器s122a〜122cによって受信されたデータを一体にして、複数のソースからのデータを組み合わせてもよい(例えば、データ記憶領域120の同一グループの列とすることができる)。実施形態において、複数の電化製品データ受信器122a〜122cを介して受信されたデータをクリーニングすることにより、ノイズおよび矛盾するデータを除去する。電化製品データ受信器122は、受信されたデータのうち少なくとも一部に対してデータクリーニングおよび/またはデータ統合を行った後、受信されたデータは保存され、実施形態において、かつ/または、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、実施形態において受信されたデータが記憶領域102中に保存された後、受信されたデータのうち一部または全体をクリーニングし得る。実施形態において、デバイスまたはノード110、112および115により、データ内容に関連するさらなるデータが送信され得、電化製品データ受信器122および/またはビッグデータ電化製品記憶領域120は、このさらなるデータを用いてデータクリーニングを行う。実施形態において、少なくとも一部のデータが(少なくとも部分的に)ノード110、112および115によってクリーニングされ得、その後、ノード110、112および115により、データは保存のためにビッグデータ電化製品記憶領域120へと送られる。
【0085】
ここで
図4を参照して、
図4は、電化製品リクエストサービサー125を用いて、ビッグデータ電化製品102のデータ記憶領域120に保存された履歴化データへアクセスする様子を示す例示的ブロック図である。
図4は、1組の電化製品リクエストサービサーまたはサービス125a〜125eを含む。これら1組の電化製品リクエストサービサーまたはサービス125a〜125eはそれぞれ、リクエストした側のエンティティまたはアプリケーション(例えば、データリクエスタ130a〜130cまたはデータ分析エンジン132a〜132b)のリクエストに応じて、時系列データ120aおよび/またはメタデータ120bにアクセスするように構成される。
図4中において5個の電化製品リクエストサービサー125a〜125eと、3つのデータリクエスタ130a〜130cと、2つのデータ分析エンジン132aおよび132bとを示しているが、本明細書中において
図4について述べた技術および概念は、任意の数および任意の種類の電化製品リクエストサービサー125、データリクエスタ130、および/またはデータ分析エンジン132へ適用され得る。
【0086】
実施形態において、電化製品リクエストサービサー125のうち少なくともいくつかはそれぞれ、プロセス制御ビッグデータ記憶領域120中に保存されたデータのうち少なくとも一部へのアクセスを必要とする特定のサービスまたはアプリケーションを提供する。例えば、電化製品リクエストサービサー125aはデータ分析サポートサービスであり得、電化製品リクエストサービサー125bはデータトレンドサポートサービスであり得る。プロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって提供され得るサービス125の他の例を挙げると、構成アプリケーションサービス125c、診断アプリケーションサービス125dおよび高度制御アプリケーションサービス125eがある。高度制御アプリケーションサービス125eを挙げると、例えば、モデル予測制御、バッチデータ分析、連続データ分析、またはモデル構築および他の目的のために履歴化データを必要とする他のアプリケーションがある。他のリクエストサービサー125をプロセス制御システムビッグデータ電化製品102中に設けて、他のサービスまたはアプリケーションをサポートすることも可能である(例えば、通信サービス、管理サービス、設備管理サービス、プランニングサービス、および他のサービス)。
【0087】
データリクエスタ130は、プロセス制御システムビッグデータ電化製品記憶領域120中に保存されているデータへのアクセスをリクエストするアプリケーションであり得る。データリクエスタ130のリクエストに基づいて、対応するデータをプロセス制御ビッグデータ記憶領域120から取り出し、リクエスタ130による利用が可能なデータ形態に変換および/または統合することができる。実施形態において、1つ以上の電化製品リクエストサービサー125は、リクエストされたデータのうち少なくとも一部に対して、データ検索および/またはデータ変換を行い得る。
【0088】
データリクエスタ130のうち少なくとも一部および/またはリクエストサービサー125のうち少なくとも一部は、ウェブサービスまたはウェブアプリケーションであり得、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102によってホストされ、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノードによるアクセスが可能である(例えば、ユーザインターフェースデバイス112またはプロバイダデバイス110)。そのため、デバイスまたはノード108のうち少なくともいくつかは、実施形態において、データリクエスタ130またはリクエストサービサー125に対応するウェブブラウザ、ウェブクライアントインターフェースまたはプラグインをサポートする各ウェブサーバを含み得る。例えば、ユーザインターフェースデバイス112においてホストされるブラウザまたはアプリケーションは、ビッグデータ電化製品102において保存されたデータまたはウェブページのソースを明示し得る。特に、ユーザインターフェースデバイス112に対しては、データリクエスタ130またはリクエストサービサー125は、実施形態において、ユーザインターフェース(UI)サービス層135を通じて表示および保存データを引き出し得る。
【0089】
データ分析エンジン132はアプリケーションであり得、電化製品記憶領域120中に保存された時系列データ点のうち少なくとも一部に対して計算分析を行って、知識を生成する。そのため、データ分析エンジン132は、新規の1組のデータ点または観測を生成し得る。この新規の知識または新規のデータ点により、処理プラント10の局面の帰納的分析(例えば、診断またはトラブルシューティング)が可能になり、かつ/または、処理プラント10に対応する先験的予測(例えば、予測)が可能になる。実施形態において、データ分析エンジン132は、保存されたデータ120の選択されたサブセットに対してデータマイニングを行い、マイニングされたデータに対してパターン評価を行って、新規の知識または新規の1組のデータ点または観測を生成する。いくつかの実施形態において、複数のデータ分析エンジン132またはそのインスタンスが協働して、新規の知識または新規の1組のデータ点を生成し得る。
【0090】
新規の知識または1組のデータ点は、電化製品記憶領域120中に保存(例えば、追加)され得、例えば、追加的にまたは代替的に1つ以上のユーザインターフェースデバイス112において提示され得る。いくつかの実施形態において、新規の知識は、処理プラント10中において動作する1つ以上の制御戦略中に採用され得る。ユーザによって(例えばユーザインターフェースデバイス112を介して)通知された場合に特定のデータ分析エンジン132が実行され得、かつ/または、特定のデータ分析エンジン132がプロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって自動的に実行され得る。
【0091】
一般的には、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102のデータ分析エンジン132は、保存されたデータ上において作動して、処理プラント10の内部および外部の多様なエンティティおよびプロバイダ間の時間ベースの関係を決定することができ、この決定された時間ベースの関係を用いて、プラント10の1つ以上のプロセスを相応に制御することができる。そのため、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102により、1つ以上のプロセスを他のプロセスと協調させることおよび/または条件および要素の変化に応じて経時的に調節することが可能になる。いくつかの実施形態において、協調および/または調節は、条件およびイベントの発生時においてプロセス制御システムビッグデータ電化製品102の指示の下自動的に決定および実行され得るため、従来技術の公知の制御システムと比べて効率が大幅に増加し、生産性も最適化される。
【0092】
データ分析エンジン132の知識発見技術が豊富な可能なシナリオの例を示す。1つの例示的シナリオにおいて、製品が最終的に遅れて生産された場合(例えば、イベントの組み合わせの発生後数時間経過後に生産された場合)、当該イベントの特定の組み合わせに起因して製品品質の低下が発生する。オペレータは、イベント発生と製品品質との関係について認識していない。(公知のプロセス制御システムにおいて現在行われているように)製品品質低下を数時間検出および決定してその後トラブルシューティングを行って製品品質低下の根本的原因を決定する代わりに、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102の場合においては(詳細には、その内部のデータ分析エンジン132の1つ以上においては、)、例えばイベント発生に対応するデータが電化製品102へと送られた際に、イベントの組み合わせをその発生と同時またはその発生後すぐに自動的に検出することができる。データ分析エンジン132は、これらのイベントの発生に基づいて製品品質の低下を予測し、予測についてオペレータに警告を出し、かつ/または1つ以上のパラメータまたはプロセスをリアルタイムで自動的に調節または変更して、当該イベントの組み合わせによる影響を軽減することができる。例えば、データ分析エンジン132は、修正された設定点または修正されたパラメータ値を決定し、これらの修正された値を処理プラント10のプロバイダデバイス110に用いさせることができる。このようにして、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102により、問題の発見および軽減の可能性を現在公知のプロセス制御システムと比較してずっと迅速かつ効率的に得ることが可能になる。
【0093】
別の例示的シナリオにおいて、データ分析エンジン132のうち少なくとも一部を用いて、製品作動の変化を検出することができる。例えば、データ分析エンジン132は、特定の通信速度の変化ならびに/または(システム動的が変化している可能性を示し得る)1つまたは複数のセンサーから受信されたパラメータ値の経時的変化またはパターンからの変化を検出し得る。さらに別の例示的シナリオにおいて、データ分析エンジン132を用いて、プロセスの挙動およびプラント10および時間について特定のバッチに関連する警告の発生に基づいて、弁または他の供給業者設備の特定のバッチに障害があることを診断および決定することができる。
【0094】
別の例示的シナリオにおいて、データ分析エンジン132のうち少なくともいくつかは、製品能力(例えば、ワクチン有効性)を予測し得る。さらに別の例示的シナリオにおいて、データ分析エンジン132は、処理プラント10に関連するセキュリティ問題の可能性を監視および検出することができる(例えば、ログインパターン、リトライおよびその各位置の増加)。さらに別の例示的シナリオにおいて、データ分析エンジン132は、処理プラント10および1つ以上の他の処理プラント上において集計または保存されたデータを分析し得る。このようにして、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102により、複数の処理プラントを所有または操作する企業が診断および/または予測的情報を領域、産業または会社ベースで収集することが可能になる。
【0095】
プロセス制御システムビッグデータスタジオ
【0096】
図1について既述したように、プロセス制御システムビッグデータスタジオ109は、構成およびデータ調査のためのインターフェースを例示的プロセス制御システムビッグデータネットワーク100中に設けることができる。よって、プロセス制御ビッグデータスタジオ109を、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102の1つ以上の電化製品データ受信器122および/またはプロセス制御システムビッグデータ電化製品102の1つ以上の電化製品リクエストサービサー125と通信可能な接続状態にすることができる。実施形態において、プロセス制御ビッグデータスタジオ109は、1つ以上のコンピューティングデバイス上に常駐し得、そのうちゼロ以上が、プロセス制御ビッグデータ電化製品102の別のコンポーネントが常駐するコンピューティングデバイスとなり得る(例えば、電化製品リクエストサービサー125、電化製品データ受信器122、または別のコンポーネント)。一般的には、プロセス制御システムビッグデータスタジオ109により、構成およびデータ調査がオフライン環境において行うことが可能になり、スタジオ109によって生成された任意の出力をプロセス制御プラント10の実行時間環境中にインスタンス化することができる。本明細書中用いられる「オフライン」という用語は、構成およびデータ調査活動が作動プラント10から分離されているため、プラント10そのものが作動しているかまたはオンラインであっても、構成およびデータ調査活動の実行を処理プラント10の作動に影響を与えずに行うことが可能であることを示す。
【0097】
図1〜
図4を参照して説明したプロセス制御システムビッグデータスタジオ109の実施形態のブロック図を
図5に示す。プロセス制御システムビッグデータスタジオ109は、構成およびデータ調査を可能にするための1つ以上の構成または調査アプリケーションまたはツール145を提供し得る。例えば、アプリケーションまたはツール145は、ダッシュボードエディタ150、モデルエディタ152、データエクスプローラ155、分析エディタ158および/または1つ以上の他のツールまたはアプリケーション160を含み得る。これらのツール150〜160それぞれの説明については後述する。
【0098】
ツール150〜160はそれぞれ、保存された時系列データ120のうち少なくともいくつかの上および/またはプロセス制御システムビッグデータスタジオ109にとって利用可能な1つ以上の定義162の上において動作することができる。これらの定義162は、プロセス制御システム10に関連する構築コンポーネントを記述し得る。これらのコンポーネントがツール145によって組み合わされてより複雑なコンポーネントが生成され、後でインスタンス化され得る。実施形態において、定義162は、プロセス制御システムビッグデータ記憶領域120中に保存されるか、または、ビッグデータスタジオ109からのアクセスが可能ないくつかの他の記憶装置位置中に保存される。
【0099】
ツール145にとって利用可能な定義162を挙げると、例えば、多様な表示アイコン、テキスト、グラフィックおよびビューをデータユーザインターフェースに提示することを可能にするコンポーネントを定義または記述する1つ以上の表示コンポーネント定義165がある。これらの表示コンポーネント定義を挙げると、例えば、表示要素定義、表示ビューまたは視覚化定義、結合定義などがある。
【0100】
これらの定義162は、1つ以上のモデリング定義168を含み得る。モデリング定義168は、例えば、製品(例えば、処理プラント10によって生成されている製品)の定義、設備またはデバイス(例えば、処理プラント10内に含まれる設備またはデバイス)の定義、パラメータ定義、計算、機能ブロック、実行時間モジュールおよび(プロセスを制御しかつ処理プラント10および/または他のエンティティ定義を操作、管理または最適化するために用いられる)他の機能の定義を定義または記述し得る。モデリング定義は、インスタンス化されると、プロセス制御プラント10および/またはその内部において制御されるプロセスのうち少なくとも一部の構成、動作および/または管理に関連するプロセス制御モデルまたは他のモデル中へ採用され得る。
【0101】
定義162は、実施形態において、1つ以上のデータ定義170を含み得る。データ定義170は、モデル、例えば、プロセス制御モデル、データ分析モデル、または(プロセス制御プラント10および/またはその内部において制御されるプロセスのうち少なくとも一部の構成、動作、管理および/またはまたは分析に関連する)任意の他のモデル中へ入力され得るかまたは当該モデルを出力し得るデータの種類を定義し得る。一般的には、定義されたデータの入力先または出力先となるモデルは、定義がモデリング定義168中に含まれる1つ以上のエンティティから生成され得る。
【0102】
よって、データ定義170は、処理プラント10内において通信、生成、受信および/または観測されるデータの多様な(構築されたかつ/または未構築の)データ種類、文脈および/または境界条件を定義または記述し得る。データ定義170は、データベースデータ、ストリーミングデータ、トランザクションデータ、および/または(プロセス制御システムビッグデータネットワーク100を介して通信されかつプロセス制御システムビッグデータ記憶装置120中へ保存または履歴化された)任意の他の種類のデータに関連し得る。例えば、データストリーミング定義170は典型的には、温度A〜温度Bの範囲内であると予測される温度(℃)を含むものとして特定のデータストリーミングを記述し得る。データストリーミング定義170は、特定の無線アクセスポイントにおけるデバイスの接続時間および識別情報を含むものとして別のストリーミングデータを記述し得る。データストリーミング定義170は、特定の種類のコントローラにおける警告イベントを含むものとしてさらに別のストリーミングデータを記述し得る。よって、データストリーミング定義170は、データ関係の定義または記述も含み得る。例えば、データストリーミング定義170は、警告イベントデータがコントローラ、センサーまたはデバイスによって生成され得ることまたはデータストリーミング定義が入力材料中の純度パーセンテージによる特定の線の出力品質への影響を示す関係を含み得ることを示す関係を含み得る。
【0103】
実施形態において、データ定義170は、データ種類、文脈および/または表示、分析および処理プラント10に関連する他のアプリケーションによって用いられるデータの境界条件の定義および記述を含み得る。例えば、データ定義170は、ブール数、科学的記数法、変数表記、異なる言語のテキスト、暗号鍵などを記述し得る。
【0104】
さらに、定義162は、1つ以上の分析またはアルゴリズム定義172を含み得る。分析定義172は、例えば、1組のデータに対して(例えば、保存されたデータ120の選択されたサブセットに対して)行うことが可能な計算分析を定義または記述し得る。分析定義172の例を挙げると、データ分析がある(例えば、平均、グラフ、ヒストグラム、分類技術)、確率および/または統計機能(例えば、回帰、部分最小二乗法、条件付き確率)、時間ベースの分析(例えば、時系列、フーリエ分析、)、視覚化(例えば、棒グラフ、散布図、円グラフ)、発見アルゴリズム、データマイニングアルゴリズム、データトレンドがある。実施形態において、分析定義172のうち少なくともいくつかをネストすることができ、かつ/または、分析定義172のうち少なくともいくつかを相互依存させてもよい。
【0105】
もちろん、上記した定義165〜172に加えてまたは上記した定義165〜172の代わりに他の定義175をプロセス制御システムビッグデータスタジオ109のツール145によって用いてもよい。実施形態において、定義162少なくともいくつかは、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって自動的に生成および保存され得る。実施形態において、定義162のうち少なくともいくつかは、ユーザインターフェース112においてユーザによって生成および保存され得る。
【0106】
よって、例示的プロセス制御システムビッグデータスタジオ109はインターフェースまたはポータル180を含み、その各インスタンスは、各ユーザインターフェースデバイス112において提示され得る。例えば、プロセス制御ビッグスタジオ109は、ウェブブラウザ、プラグインまたはウェブクライアントインターフェースを介してユーザインターフェースデバイス112においてアクセスすることが可能なポータル180に対応するウェブサービスまたはウェブアプリケーションをホストし得る。別の例において、ビッグデータスタジオ109のユーザインターフェースは、ユーザインターフェースデバイス112においてクライアントアプリケーションを含み得る。ユーザインターフェースデバイス112は、ポータル180に対応するプロセス制御ビッグデータスタジオ109においてホストまたはサーバアプリケーションと通信する。実施形態において、ユーザにとって、プロセス制御システムビッグデータスタジオポータル180は、ユーザインターフェースデバイス112上のナビゲート可能な表示のようにみえる。
【0107】
実施形態において、データスタジオ109のアクセスマネージャ182は、セキュアなアクセスをデータスタジオ109へ提供し得る。ユーザ、ユーザインターフェースデバイス112および/またはアクセスアプリケーションは、ビッグデータスタジオ109へのアクセスを得ようとする場合、アクセスマネージャ182に認証してもらわなければならない。実施形態において、ユーザは、データスタジオポータル180にログインするためには、ユーザ名およびパスワードまたは他のセキュアな識別子(例えば、生体識別子)を提供することを要求され得る。追加的にまたは代替的に、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス112および/またはアクセスアプリケーションは、例えば公開鍵基盤(PKI)暗号化アルゴリズムまたは他のアルゴリズムを用いることにより、認証されることを必要とし得る。実施形態において、ユーザインターフェースデバイス112によって利用されるPKI暗号化アルゴリズムの認証の証明を、少なくとも1つのパラメータ(例えば、空間位置または地理的位置、アクセス時間、アクセス文脈、ユーザの識別情報および/またはユーザの雇用主、プロセス制御プラント10の識別情報、ユーザデバイス112の製造業者、またはいくつかの他のパラメータ)に基づいて生成することができる。実施形態において、証明および共有鍵に対応する一意の種は、パラメータのうち1つ以上に基づき得る。
【0108】
認証後、データスタジオポータル180により、ユーザ、ユーザインターフェースデバイス112および/またはアクセスアプリケーションは、プロセス制御ビッグデータスタジオ109のツールまたは機能145へアクセスすることができる。実施形態において、各ツールまたは機能150〜160に対応するアイコンをユーザインターフェースデバイス112において表示することができる。特定のツール150〜160が選択されると、ユーザによる選択されたツールの利用を可能にするために、一連の表示ビューまたは画面が提示され得る。
【0109】
モデルエディタ152ツールにより、プロセス制御システム10中のプロセスを制御するためのモデルをユーザが構成(例えば、生成または改変することが可能になる)。例えば、ユーザは、多様なモデリング定義168(および場合によってはデータストリーミング定義170)を選択および接続して、モデルを生成または変更することができる。
【0110】
分析エディタ182により、ユーザは、プロセス制御システム10に関連するデータの分析のためのデータ分析機能(例えば、データ分析エンジン132のうちの1つ)を構成(例えば、生成または改変することができる)。例えば、ユーザは、1つ以上の分析定義172(および場合によってはデータストリーミング定義170のうち少なくともいくつか)から複雑なデータ分析機能を構成することができる。
【0111】
ユーザは、データエクスプローラ155を用いて、履歴化または保存されたデータ120を探索することができる。データエクスプローラ155により、データストリーミング定義170(および場合によっては分析定義172のうち少なくともいくつか)に基づいて、保存されたデータ120のうち少なくとも一部をユーザが視認または可視化することが可能になる。例えば、データエクスプローラ155により、ユーザが特定のvatの温度データを特定の期間から引き出すことと、トレンド分析を適用して当該期間における温度変化を視認することとが可能になる。別の例において、データエクスプローラ155により、ユーザが回帰分析を行って、vat温度に影響を与える独立変数または従属変数を決定することが可能になる。
【0112】
実施形態において、ダッシュボードエディタ150により、ユーザがダッシュボード表示または表示ビューを構成することが可能になる。本明細書中において用いられる「ダッシュボード」は一般的には、多様なユーザインターフェースデバイス112上に表示される処理プラント10の実行時間環境のユーザインターフェース表示を指す。ダッシュボードは、プラント10中において制御されているプロセスの一部の動作のリアルタイムビューを含み得、あるいは、例えば処理プラント10の動作に関連する他のデータ(例えば、ネットワークトラフィック、専門家位置、部品の順序、作業命令スケジューリング)のビューを含み得る。いくつかの実施形態において、実行時間ダッシュボードは、ユーザによる構成実行を可能にするためのデータスタジオポータル180へアクセスするためのユーザ制御を含み得る。
【0113】
もちろん、上記においてはツール145にアクセスするユーザについて述べてきたが、いくつかの実施形態において、ユーザインターフェースデバイス112および/またはアクセスアプリケーションは、ツール145のうち任意のものに類似の方法でアクセスすることができる。
【0114】
ツール150〜160はそれぞれ、各出力200を生成し得る。生成された出力200に対応する定義を、例えば自動的にまたはユーザコマンドに応答してその他の定義162と共に保存することができる。実施形態において、ツール150〜160の出力200の対応する定義を、例えば時系列データ102aの種類および(任意選択的に)対応するメタデータ102bとしてプロセス制御ビッグデータ記憶領域102中に保存する。
【0115】
少なくともいくつかの出力200が、プロセス制御システム10の実行時間環境中にインスタンス化され得る。例えば、モデルエディタ152は、モデル202(例えば、プロセス制御モデル、ネットワーク管理モデル、診断モデル)を生成し得るか、または、1つ以上のプロバイダデバイスまたはノード110へダウンロードすることが可能な既存のモデル202に対する変更を生成し得る。実施形態において、生成されたモデルおよび/またはモデル変更202の対応する定義がモデリング定義168中に保存され得る。
【0116】
ダッシュボードエディタ150は、1つ以上の表示または表示コンポーネント205を生成し得る(例えば、動作、構成および/または診断表示、データ分析表示、ならびに/またはユーザインターフェースデバイス112において提示することが可能なグラフィックまたはテキスト)。ダッシュボードエディタ150は、表示または表示コンポーネント205の対応する結合206をさらに生成し得、これにより、コンポーネント205を実行時間環境においてインスタンス化することができる。実施形態において、生成された表示/表示コンポーネント205の対応する定義およびその各結合206を表示コンポーネント定義165中に保存することができる。
【0117】
分析エディタ158は、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって用いられるべきデータ分析機能、計算、有用性またはアルゴリズム208を生成し得る(例えば、
図4に示すデータ分析132のうち1つ以上)。生成された分析208の対応する分析定義を例えば分析定義172中に保存することができる。
【0118】
特にデータエクスプローラツール155について、データエクスプローラ155は、プロセス制御システムビッグデータ記憶領域102中に保存された履歴化データへのアクセスを提供し得る。この履歴化データは、時系列データ点120aを含み得る。これらの時系列データ点120aは、プロセス制御システム10の実行時間時において収集され、(任意の対応するメタデータ120bと共に)プロセス制御システムビッグデータ記憶領域120中に保存される。例えば、履歴化データは、例えば処理プラント10の動作時において用いられたモデル、パラメータおよびパラメータ値、バッチレシピ、構成などの表示を含み得、履歴化データは、処理プラント10の動作または関連活動時において発生したユーザアクションの表示を含み得る。
【0119】
データエクスプローラ155を用いて、実施形態において、保存されたデータ120のうち少なくとも一部の多様な視覚化を行うことができる。例えば、データエクスプローラ155は、1つ以上のデータ分析定義172を用いて、データスタジオインターフェースまたはポータル180においてデータ視覚化の生成および提示を行うことができる。この視覚化を見た後、ユーザ112は、以前の未知のデータ関係210を発見し得る。例えば、ユーザ112は、特定のイベント、雰囲気温度および製造ライン歩留まり間のデータ関係を発見し得る。よって、発見されたデータ関係210は、データエクスプローラ155の出力200であり得、例えばデータ定義170として保存され得る。
【0120】
実施形態において、ユーザ112は、発見された関係210によって影響を受け得る任意のモデル168を特定せよと、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102へ(例えば、データスタジオポータル180における分析エディタ158を介して)命令し得る。例えば、ユーザ112は、分析エディタ158を用いて、発見された関係210上に(および任意選択的に、さらなる保存されたデータ120と共に)作動する1つ以上のデータ分析エンジン132を選択し得る。ユーザ命令に応答して、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、発見されたデータ関係210による影響を受け得る1つ以上のモデル168を特定し得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102はまた、影響を受けるモデル168について、更新されたパラメータ値212および/または新規パラメータ215を発見されたデータ関係210に基づいて決定し得、影響を受けるモデル168を自動的に相応に更新し得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、発見されたデータ関係210に基づいて、新規モデル202を自動的に生成し得る。プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、実施形態において、更新されたおよび/または新規モデル202、パラメータ215、パラメータ値215などを対応する定義162として保存し得る。実施形態において、特定されたモデル168、202、パラメータ215、パラメータ値212などのうち任意のものを例えばポータル180を介してユーザ112へ提示することができる。自動的に変更を実行する代わりにデータ電化製品102は、ユーザによる命令があった場合のみに上記の提示を行い得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、ユーザによって指令された知識発見に依存する代わりに、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、履歴化データを自動的に分析することにより、知識発見を自動的に行い得る。例えば、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102の1つ以上のデータ分析エンジン132は、データの1つ以上の実行時間ストリーミングの自動分析および/または探索をバックグラウンドで実行し得る。例えば、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、データエクスプローラ155および/または分析エディタ158のインスタンスをバックグラウンドで実行し得る。バックグラウンド調査および分析に基づいて、データ分析エンジン132は、以前から未知のデータ関係218を発見し得る。データ分析エンジン132は、発見されたデータ関係218を例えばデータ定義170中に保存し得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102(例えば、データスタジオ109、電化製品データ受信器122または他のコンポーネント)は、発見されたデータ関係218について(例えばポータル180を介して)ユーザに警告または通知し得る。
【0122】
実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、保存されたモデル、自動的に発見されたデータ関係218によって影響を受け得るパラメータおよび/またはパラメータ値168を自動的に特定し得、更新されたまたは新規パラメータ値212、更新されたまたは新規モデル202、ならびに/あるいは発見されたデータ関係218に基づいてとられるべき他のアクション220を決定し得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、更新された/新規パラメータ215、パラメータ値212、モデル202および/または他のアクション220を例えばポータル180を介してユーザ112へ提案し得る。例えば、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、新規の警告制限を提案し得、弁の交換を提案し得、またはプラント10の新規領域を取り付けた後に出力が最適化されるように動作可能となる予測時期を提案し得る。実施形態において、プロセス制御システムビッグデータ電化製品102は、新規のまたは更新されたモデル、パラメータ、パラメータ値、またはアクションを(ユーザ112への通知無く)自動的に適用し得る。
【0123】
実施形態において、プロセス制御ビッグデータ電化製品102は、改変または生成すべき候補モデル、パラメータ、パラメータ値および/またはアクションを仮定し得、この仮説をオフラインで、例えば履歴化データ120のより大きなサブセットに対して試験し得る。この実施形態において、有効なモデル、パラメータ、パラメータ値および/またはアクションのみをユーザへ提案し、定義162中に保存し、かつ/または自動的にシステム10に適用することができる。
【0124】
ここで
図6を参照して、
図6は、プロセス制御システムビッグデータスタジオ109によって提供される構成および調査環境(例えば、オフライン環境)220と、処理プラントまたは制御システム10においてインスタンス化される実行時間環境222との間の結合の実施形態を示すブロック図である。この結合は、実施形態において、1つ以上のスクリプト225を通じて行われる。
【0125】
これらのスクリプト225により、例えば、構成および調査環境220からのモデル168の定義162、データ結合およびダッシュボード情報165、データ関係170、および/または他の態様に対応する実行ファイル228を1つ以上のノード108の実行時間環境222中へダウンロードする能力が1つ以上得られる。よって、スクリプト225により、オフラインフェーズ時において(例えば、データスタジオ109のツール145を用いることにより)展開された1つ以上のコンポーネント162へのオンラインアクセスが可能になる。実施形態において、スクリプト225により、実行時間環境222において構成および調査環境220に対して生成された情報をノード108がアップロードする能力がさらに得られる。例えば、新規または改変されたモデル、パラメータ、分析またはユーザインターフェースデバイス112において生成された他のエンティティを、新規または改変された定義162としてアップロードすることができる。
【0126】
実施形態において、スクリプト225は、1つ以上のノード108に対する選択された定義162に対応する実行ファイル228をダウンロードし得る。特定のダウンロードスクリプト225をユーザ命令に応答して行うことができ、あるいはプロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって自動的に行うことができる。実行時間環境222において、実行時間エンジン230(例えば、プロセッサP
MCXなどのプロセッサによって実行されるもの)は、実行ファイル228上において動作して、選択された定義162に対応するエンティティをインスタンス化することができる。実施形態において、各ノード108は、ダウンロードされた実行ファイル228上において動作する各実行時間エンジン230を含み得る。
【0127】
特に、ダッシュボード表示に対応する実行ファイル228について、各ダウンロードスクリプト225は、データ定義170および/またはモデル定義168をダッシュボード定義165と結合させて、対応するダッシュボード実行ファイル228を生成し得る。いくつかの実施形態において、対応するダッシュボード表示232および実行時間環境222中の対応するデータおよび/またはモデル記述をユーザインターフェースデバイス112においてロードする前に、事前処理をダッシュボード実行ファイル228に行う必要があり得る。実施形態において、実行時間ダッシュボードサポートエンジン235は事前処理および/またはローディングを実行時間環境222内において行い得る。実行時間ダッシュボードサポートエンジン235は、例えば、実行時間エンジン230と通信可能な接続を持つアプリケーションであり得る。実行時間ダッシュボードサポートエンジン235は、例えば、プロセス制御ビッグデータ電化製品102においてホストされ、ユーザインターフェースデバイス112においてホストされ、またはプロセス制御ビッグデータ電化製品102において少なくとも部分的ににおいてホストされ、かつユーザインターフェースデバイス112において少なくとも部分的ににおいてホストされる。いくつかの実施形態において、実行時間エンジン230は、実行時間ダッシュボードサポートエンジン235のうち少なくとも一部を含む。
【0128】
図7は、プロセス制御システムまたは処理プラント中においてビッグデータをサポートするための例示的方法300のフロー図である。方法300は、
図1のプロセス制御システムビッグデータネットワーク100において実行され得、あるいは、プロセス制御システムまたは処理プラント中においてビッグデータをサポートする任意の他の適切なネットワークまたはシステムにおいて実行され得る。実施形態において、方法300は、
図1のプロセス制御システムビッグデータ電化製品102によって実行される。(非限定的な)例示目的のため、方法300について、
図1〜
図6を参照しながら以下に説明する。
【0129】
ブロック302において、データが受信され得る。例えば、データは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のビッグデータ電化製品102によって(例えば1つ以上のデータ受信器122によって)受信され得る。このデータは、処理プラントおよび/または処理プラントによって制御されているプロセスに対応し得る。例えば、データは、処理プラントにおけるプロセスの制御時に生成されたリアルタイムデータ、構成データ、バッチデータ、処理プラント中に含まれる多様なネットワークのネットワーク管理およびトラフィックデータ、ユーザまたはオペレータアクションを示すデータ、プラントに含まれる設備およびデバイスの動作および状態に対応するデータ、処理プラントの外部のエンティティによって生成されたデータおよびそのようなエンティティへ送信されたデータ、ならびに他のデータを含み得る。
【0130】
データは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100と通信可能な接続状態にある1つ以上のノード108から受信され得る。例えば、データは、プロバイダノード110、ユーザインターフェースノード112、および/またはプロセス制御システムビッグデータネットワーク100へ通信可能に接続された別のノード115から受信され得る。受信されたデータは、時系列データを含み得る(例えば、各ノード108においてデータ点が収集された時間を示す時間スタンプと共に各データ点が受信されたとき)。
【0131】
実施形態において、ストリーミングサービスを用いて、データのうち少なくとも一部を受信することができる。実施形態において、ストリーミングサービスは、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100のノード108によってホストされ得、ビッグデータ電化製品102またはビッグデータ電化製品102内に含まれるデータ受信器122は、ノード108によってホストされるストリーミングサービスへ加入することができる。
【0132】
ブロック305において、受信されたデータを、統一論理ビッグデータ記憶領域(例えば、プロセス制御システムビッグデータ電化製品記憶領域120、またはいくつかの他の適切なデータ記憶領域)中に保存させることができる。統一論理ビッグデータ記憶領域は、全ての種類の受信されたデータに会った共通フォーマットを用いてデータを保存し得る。詳細には、共通フォーマットにより、保存されたデータのリアルタイム検索および調査をタイムリーかつ効率的に行うことが可能になる。実施形態において、受信されたデータは、対応するメタデータと共に統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存される。
【0133】
ブロック308において、統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部に対し、サービスが行われ得る。実施形態において、ビッグデータ電化製品102またはビッグデータ電化製品102の電化製品リクエストサービサー125により、サービスが実行され得る。このサービスは、ユーザリクエストに応答して行ってもよいし、あるいはサービスを自動的に実行させてもよい。実施形態において、ビッグデータ電化製品102は、行われるべきサービスを選択し得る。
【0134】
実施形態において、サービスは、計算分析(例えば、回帰分析、クラスター分析、データトレンド分析、または他の計算分析)であり得る。例えば、計算分析は、統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存されたデータの第1のサブセット上に対して行われ得、データの第2のサブセットを含む結果を生成し得る。実施形態において、結果は、ユーザインターフェースにおいてユーザへ提示され得る。実施形態において、結果は、1つ以上の提案(例えば、実行することが望ましいさらなる計算分析、とられるべき特定のユーザアクション、特定のユーザアクションがとられるべき時間の提案)と共にユーザへ提示され得る。
【0135】
データの第2のサブセットは、データ定義または関係を含み得る。例えば、データの第2のサブセットは、プロセス制御システムまたはプラントと関連付けられた既存のエンティティに対する変更を示し得、あるいは、プロセス制御システムまたはプラントと関連付けられるべき新規のエンティティを示し得る。変更されたまたは新規エンティティは、例えば、ダッシュボード表示コンポーネント、プロセスモデル、機能ブロック、データ関係、パラメータまたはパラメータ値、結合または計算分析であり得る。
【0136】
ブロック310において、第2の1組のデータが保存され得る。例えば、第2の1組のデータは、統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、ブロック308において、計算分析に加えたまたは計算分析の代わりのサービスが行われ得る。例えば、サービスは、構成サービス、診断サービス、制御アプリケーションサービス、通信サービス、管理サービス、設備管理サービス、プランニングサービス、またはいくつかの他のサービスであり得る。
【0139】
プロセス制御システムビッグデータネットワーク100により、ダッシュボード表示232およびデータスタジオポータル180が、任意の認証されたユーザインターフェースデバイス112において利用可能とされ得る。さらに、ユーザインターフェースデバイス112は、モバイルデバイスであり得る。よって、ワークステーションのみによって従来技術の制御システム内の固定制御室位置に配置されたユーザインターフェースおよびディスプレイが、プロセス制御システムビッグデータネットワーク電化製品102によってサポートされたシステム10中のモバイルユーザインターフェースデバイス112において利用可能とされ得る。実際、プロセス制御システムビッグデータネットワーク電化製品102によってサポートされたシステム10のいくつかの構成において、処理プラント10に関連する全てのユーザインターフェースが全て、1組のモバイルユーザインターフェースデバイス112(例えば、「モバイル制御室」)において提供され得、処理プラント10は、固定された制御室を全く含まなくてよくなる。実施形態において、固定された制御室機能(例えば、モデルの構成およびダウンロード、アプリケーションおよびユーティリティの生成および起動、ネットワーク管理、セキュアなアクセス、システム性能評価、製品品質制御に関連する活動の実行)を何か行う際には、ユーザインターフェースデバイス112を認証することが必ず必要になる。例えば、ユーザインターフェースデバイス112は、プロシージャ(例えば、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100におけるデバイスおよびノードの認証について既述したもの)を用いて認証され得る。
【0140】
このようなモバイル制御室をサポートするために、プロセス制御システムビッグデータネットワーク電化製品102は、1つ以上のモバイル制御室サービスを提供またはホストし得る。モバイル制御室サービスは、例えば特定の種類のデータリクエスタ130であってもよいし、あるいは別のアプリケーションであってもよい。実施形態において、ウェブサーバを各ユーザインターフェースデバイス112において提供して、ウェブベースのブラウザ、ウェブベースのアプリケーション、または電化製品102によってホストされるモバイル制御室サービスとインターフェースをとるプラグインをサポートすることができる。
【0141】
モバイル制御室サービスの一例は、設備認識サービスを含み得る。この例において、モバイルワーカーが自身のユーザインターフェースデバイス112をプラント10内において移動させると、多様なプロバイダデバイスまたはノード110が固定位置において、例えば無線通信プロトコル(例えば、IEEE802.11に適合する無線ローカルエリアネットワークプロトコル、モバイル通信プロトコル(例えば、WiMAX)、LTEまたは他のITU−R適合プロトコル、短波長無線通信プロトコル(例えば、近接場通信(NFC)またはBluetooth
)、プロセス制御無線プロトコル(例えば、無線HART)、またはいくつかの他の適切な無線通信プロトコル)を用いることにより、ユーザインターフェースデバイス112に対して自動的に自己同定し得る。ユーザインターフェースデバイス112および固定プロバイダデバイス110は、(例えば、ユーザインターフェースデバイス112およびデータスタジオ109について既述した様態で)セキュアな暗号接続を自動的に認証および形成し得る。実施形態において、設備認識サービスに起因して、固定プロバイダデバイス110に特に関連する1つ以上のアプリケーションがユーザインターフェースデバイス112において自動的に起動され得る(例えば、作業命令、診断、分析、または他のアプリケーション)。
【0142】
別の例示的モバイル制御室サービスは、位置および/またはスケジューリング認識サービスであり得る。この例において、位置および/またはスケジューリング認識サービスは、例えばモバイルワーカーの認証されたユーザインターフェースデバイス112に基づいて、モバイルワーカーの位置、スケジュール、スキルセットおよび/または作業アイテム進捗を追跡し得る。この追跡に基づいて、電化製品102における位置および/またはスケジューリング認識サービスにより、プラントマップ、設備写真またはビデオ、GPS座標およびワーカーの位置に対応する他の情報をユーザインターフェースデバイス112上に自動的に決定および表示することにより、モバイルワーカーをナビゲーションおよび設備同定において支援することができる。追加的にまたは代替的に、モバイルワーカーは特定のスキルセットを持ち得るため、位置および/またはスケジューリング認識サービスは、スキルセットおよび/またはユーザインターフェースデバイス112の位置に基づいて、ワーカーのダッシュボード232の外観を自動的にカスタマイズすることができる。別のシナリオにおいて、位置および/またはスケジューリング認識サービスは、自身の近隣にありかつモバイルワーカーが対処することが認定されている設備の一部に関連する新規に開けられた作業アイテムについて、モバイルワーカーにリアルタイムで通知することができる。さらに別のシナリオにおいて、位置および/またはスケジューリング認識サービスに起因して、モバイルワーカーの位置および/またはスキルセットに特に関連する1つ以上のアプリケーションをユーザインターフェースデバイス112において自動的に起動させることができる。
【0143】
さらに別の例示的モバイル制御室サービスは、モバイルワーカーコラボレーションサービスであり得る。モバイルワーカーコラボレーションサービスにより、セキュアなコラボレーションセッションを少なくとも2つのユーザインターフェースデバイス112間において確立させることが可能になる。実施形態において、2つのデバイス112が相互に近隣に移動し、相互に存在を認識した場合、例えば設備認識サービスについて既述したような無線プロトコルを用いることにより、セキュアなコラボレーションセッションを自動的に確立させることができる。セッションの確立後、コラボレーションワークセッション時におけるユーザインターフェースデバイス112間のデータ同期を行うことができる。
【0144】
さらに別の例示的モバイル制御室サービスは、モバイルワーカーアプリケーション同期サービスであり得る。このサービスにより、モバイルワーカーは、自身の仕事の状態を多様なアプリケーションにおいて保持しつつ、自身の仕事を異なるハードウェアプラットフォーム(例えば、モバイルデバイス、ワークステーション、家庭用コンピューティングデバイス、タブレット)間で位相させることができる。実施形態において、2つの異なるハードウェアプラットフォームデバイス112が相互に近隣に移動し、例えば無線プロトコル(例えば、設備認識サービスについて述べたもの)を用いることにより相互に存在を認識した場合、アプリケーション同期が自動的に行われ得る。例えば、モバイルワーカーは、自身のタブレットをオフィスデスクトップコンピュータの近隣へと移動させるだけで、現場において開始された作業をシームレスに継続することができる。
【0145】
もちろん、本明細書中に記載されたもの以外にも、他のモバイル制御室サービスが可能であり、プロセス制御システムビッグデータ電化製品ネットワーク100によってサポートすることが可能である。
【0146】
本開示中に記載される技術の実施形態は、任意の数の以下の態様を単独または組み合わせで含み得る。
【0147】
1.プロセス制御プラント中のビッグデータをサポートするためのシステムであって、1つ以上のデータ記憶装置を含む統一論理データ記憶領域であって、1つ以上のデータ記憶装置は、処理プラントまたは処理プラントにおいて制御されるプロセスのうち少なくとも1つへ対応するデータを共通フォーマットを用いて保存するように構成され、データは、複数の種類のデータと、構成データ、連続データおよびプロセスに対応するイベントデータを含む1組の種類のデータとを含む、統一論理データ記憶領域を含む。このシステムは、1つ以上の他のデバイスからデータを受信するように、および、受信されたデータが統一論理データ記憶領域中に保存されるように構成される1つ以上のデータ受信器コンピューティングデバイスをさらに含む。
【0148】
2.上記態様のシステムにおいて、データは時系列データを含む。
【0149】
3.上記態様のうち任意のシステムにおいて、統一論理データ記憶領域中に保存された時系列データのデータエントリは内容および時間スタンプを含み、時間スタンプは、データエントリの内容が生成された時間を示す。
【0150】
4.上記態様のうち任意のシステムにおいて、統一論理データ記憶領域は、データに対応するメタデータを保存するようにさらに構成される。
【0151】
5.上記態様のうち任意のシステムにおいて、データは、共通構造化フォーマットを用いて保存され、メタデータは、非構造化フォーマットを用いて保存される。
【0152】
6.上記態様のうち任意のシステムにおいて、データは、処理プラント内に含まれる機械の健康状態を示すデータ、処理プラント中に含まれる特定の設備の一部の健康状態を示すデータ、処理プラントに含まれる特定のデバイスの健康状態を示すデータ、または処理プラントの安全性に関連するパラメータに対応するデータのうち少なくとも1つをさらに含む。
【0153】
7.上記態様のうち任意のシステムにおいて、データは、1つ以上の他のデバイスのうち1つにおいて入力されたユーザ入力を記述するデータ、処理プラントの通信ネットワークを記述するデータ、処理プラントの外部のコンピューティングシステムから受信されたデータ、または別の処理プラントから受信されたデータのうち少なくとも1つをさらに含む。
【0154】
8.上記態様のうち任意のシステムにおいて、処理プラントの通信ネットワークを記述するデータは、通信ネットワークの性能、リソースまたは構成のうち少なくとも1つを記述するデータを含む。
【0155】
9.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1つ以上のデータ記憶装置は、データバンク、RAID記憶装置システム、クラウドデータ記憶装置システム、分散ファイルシステム、または他の大量データ記憶装置システムのうち少なくとも1つに設けられる。
【0156】
10.上記態様のうち任意のシステムにおいて、データのうち少なくとも一部は、1つ以上の他のデバイスのうち少なくとも1つによってホストされるストリーミングサービスを用いてストリーミングされ、統一論理データ記憶領域または1つ以上のデータ受信器コンピューティングデバイスのうち少なくとも1つは、ストリーミングサービスの加入者である。
【0157】
11.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1つ以上の他のデバイスは、処理プラントにおけるプロセスを制御するように通信可能に接続されたフィールドデバイスおよびコントローラと、ユーザインターフェースデバイスまたはネットワーク管理デバイスのうち少なくとも1つとを含む。
【0158】
12.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1つ以上の他のデバイスのうち少なくとも1つによって生成および受信された全データは、統一論理データ記憶領域において保存される。
【0159】
13.上記態様のうち任意のシステムにおいて、システムは、統一論理データ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部を用いて1つ以上のサービスを行うように構成された1組のリクエストサービサーコンピューティングデバイスをさらに含み、1つ以上のサービスは、計算分析を含む。
【0160】
14.上記態様のうち任意のシステムにおいて、少なくとも1つのデータ受信器コンピューティングデバイスおよび少なくとも1つのリクエストサービサーコンピューティングデバイスは、一体型コンピューティングデバイスである。
【0161】
15.上記態様のうち任意のシステムにおいて、リクエストサービサーコンピューティングデバイスのうち少なくとも1つは、計算分析の実行に基づいて、処理プラント内に含まれる構成されたエンティティへの変更を決定するようにさらに構成される。
【0162】
16.上記態様のうち任意のシステムにおいて、リクエストサービサーコンピューティングデバイスのうち少なくとも1つは、(i)決定された変更をユーザインターフェースにおいて提示することまたは(ii)変更を構成されたエンティティへ自動的に適用することのうち少なくとも1つのためにさらに構成される。
【0163】
17.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1つ以上のサービスは、処理プラントの実行時間環境においてインスタンス化することが可能な1組のエンティティに対応する1組の定義を生成するサービスをさらに含む。
【0164】
18.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1組のエンティティは、構成可能なデバイス、診断アプリケーション、表示ビューアプリケーション、制御モデルまたは制御アプリケーションのうち少なくとも1つを含む。
【0165】
19.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1組の定義は、処理プラントのオフライン環境において生成され、システムは1組のスクリプトをさらに含み、1組のスクリプトは、1組の定義に含まれる少なくとも1つの定義を変換し、変換された少なくとも1つの定義を処理プラントの実行時間環境中にロードする。
【0166】
20.上記態様のうち任意のシステムにおいて、少なくとも1つの定義は、ユーザ入力に応答してオフライン環境内において生成される。
【0167】
21.上記態様のうち任意のシステムにおいて、少なくとも1つの定義は、オフライン環境において自動的に生成される。
【0168】
22.上記態様のうち任意のシステムにおいて、1つ以上のサービスのうち少なくとも1つはウェブサービスである。
【0169】
23.本明細書中に記載される態様のうち任意のもののシステムのうち任意のものによって実行される、プロセス制御プラント中のビッグデータをサポートする方法。この方法は、1つ以上のデータ受信器コンピューティングデバイスにおいて、プロセス制御プラントまたはプロセス制御プラントによって制御されるプロセスのうち少なくとも1つに対応するデータを受信することと、受信されたデータを共通フォーマットを用いて統一論理データ記憶領域中に保存することであって、統一論理データ記憶領域は、共通フォーマットを用いて複数の種類のデータを保存するように構成された1つ以上のデータ記憶装置と、構成データ、連続データおよびプロセスに対応するイベントデータを含む1組の種類のデータとを含む、こととを含み得る。
【0170】
24.上記態様の方法において、データを受信することは、データのうち少なくとも一部をストリーミングサービスを用いて受信することを含む。
【0171】
25.上記態様のうち任意の態様の方法は、ストリーミングサービスに加入することをさらに含む。
【0172】
26.上記態様のうち任意の態様の方法において、データを受信することは、処理プラントに含まれる1つ以上の他のデバイスからデータを受信することを含み、1つ以上のデバイスは、プロセスを制御するようにフィールドデバイスと通信可能な接続状態にあるコントローラを含む。
【0173】
27.上記態様のうち任意の態様の方法は、統一論理データ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部を用いてサービスを行わせることをさらに含む。
【0174】
28.上記態様のうち任意の態様の方法において、サービスを行わせることは、計算分析を行わせることを含む。
【0175】
29.上記態様のうち任意の態様の方法において、計算分析を行わせることは、ユーザリクエストに応答して計算分析を行わせることを含む。
【0176】
30.上記態様のうち任意の態様の方法において、計算分析を行わせることは、計算分析をシステムによって自動的に選択および実行させることを含む。
【0177】
31.上記態様のうち任意の態様の方法において、統一論理データ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部は第1の1組のデータであり、方法は、第1の1組のデータに対する計算分析の実行に基づいて第2の1組のデータを生成することをさらに含む。
【0178】
32.上記態様のうち任意の態様の方法は、第2の1組のデータを統一論理データ記憶領域中に保存することをさらに含む。
【0179】
33.上記態様のうち任意の態様の方法において、第2の1組のデータを保存することは、表示コンポーネント定義、結合定義、プロセスモデル定義、データ定義、データ関係または別の計算分析の定義のうち少なくとも1つを保存することを含む。
【0180】
34.コンピュータで実行可能な命令を保存する、1つ以上の有形の非一時的なコンピュータで読み出し可能な記憶装置メディアであって、コンピュータで実行可能な命令がプロセッサによって実行されると、上記態様のうち任意の態様の方法を実行する。
【0181】
35.任意の数の上記態様を含むシステム。このシステムは、プロセス制御システムであり得、プロセス制御システムにおけるプロセスを制御するように構成されたコントローラと、コントローラへ通信可能に接続されたフィールドデバイスであって、フィールドデバイスは、プロセス制御システムにおけるプロセスを制御するための物理的機能を行うように構成され、フィールドデバイスは、物理的機能に対応するリアルタイムデータのコントローラへの送信または物理的機能に対応するリアルタイムデータのコントローラからの受信を行うように構成される、フィールドデバイスと、プロセス制御システムビッグデータ装置とをさらに含み得る。このプロセス制御システムビッグデータ装置は、1つ以上のデータ記憶装置を含む統一論理データ記憶領域であって、1つ以上のデータ記憶装置は、共通フォーマットを用いて、コントローラおよびリアルタイムデータに対応する構成データを保存するように構成される、統一論理データ記憶領域と、リアルタイムデータを受信することと、受信されたデータを統一論理データ記憶領域中に保存させることとを行う1つ以上のデータ受信器コンピューティングデバイスとを含む。コントローラは、プロセス制御システムビッグデータネットワークの第1のノードであり得、プロセス制御システムビッグデータ装置は、プロセス制御システムビッグデータネットワークの第2のノードであり得る。
【0182】
36.上記態様のうち任意のシステムにおいて、プロセス制御システムビッグデータネットワークは、有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークのうち少なくとも1つを含む。
【0183】
37.上記態様のうち任意のシステムにおいて、プロセス制御システムビッグデータネットワークは、少なくとも部分的にアドホックネットワークである。
【0184】
38.上記態様のうち任意のシステムにおいて、プロセス制御システムビッグデータネットワークは第1の通信ネットワークであり、フィールドデバイスは、第1の通信ネットワークと異なる第2の通信ネットワークを介してコントローラへ通信可能に接続される。
【0185】
39.上記態様のうち任意のシステムにおいて、プロセス制御システムビッグデータネットワークは1つ以上の他のノードをさらに含み、1つ以上の他のノードは、ユーザインターフェースデバイス、ゲートウェイデバイス、アクセスポイント、経路設定デバイス、ネットワーク管理デバイス、またはコントローラまたは別のコントローラへ接続された入力/出力(I/O)カードのうち少なくとも1つを含む。
【0186】
40.上記態様のうち任意のシステムにおいて、コントローラは、リアルタイムデータをキャッシュするように構成され、リアルタイムデータの識別情報の表示は、コントローラの構成から排除される。
【0187】
41.上記態様のうち任意のシステムは、プロセス制御システムビッグデータユーザインターフェースをさらに含む。プロセス制御システムビッグデータユーザインターフェースは、ユーザがユーザインターフェースデバイスを介して少なくとも1つのユーザアクションを1組のユーザアクションから行うことを可能にするように構成され、1組のユーザアクションは、統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部を視認することと、行われるべきサービスをリクエストすることであって、サービスは、統一論理ビッグデータ記憶領域中に保存されたデータのうち少なくとも一部を要求する、ことと、サービスの性能の結果を視認することと、プロセス制御システム内に含まれるエンティティを構成することと、エンティティをプロセス制御システム中においてインスタンス化させることと、さらなるサービスを構成することとを含む。ユーザインターフェースデバイスは、プロセス制御システムビッグデータネットワークの第3のノードであり得る。
【0188】
42.上記態様のうち任意のシステムにおいて、プロセス制御システムビッグデータユーザインターフェースは、ユーザまたはユーザインターフェースデバイスのうち少なくとも1つを認証するように構成され、1組のユーザアクションに含まれる1つ以上のユーザアクションは、認証に基づいて選択されるように、ユーザへ利用可能となる。
【0189】
ソフトウェアにおいて実行された場合、本明細書中に記載されるアプリケーション、サービスおよびエンジンのうち任意のものを、例えば、任意の有形の非一時的なコンピュータで読み出し可能なメモリ(例えば、磁気ディスク、レーザディスク、ソリッドステートメモリデバイス、分子メモリ記憶部デバイス、または他の記憶装置媒体)内、コンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROM内に保存することができる。本明細書中に開示される例示的システムは、他のコンポーネントのうちソフトウェアおよび/またはハードウェア上において実行されるファームウェアを含むものとして開示しているが、このようなシステムはひとえに例示であり、制限的なものではない点に留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアコンポーネントのうち任意または全てを排他的にハードウェアとして、排他的にソフトウェアとして、またはハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせとして具現化することが可能であることが企図される。よって、本明細書中に記載される例示的システムについて、1つ以上のコンピュータデバイスのプロセッサ上において実行されるソフトウェアとして実行されるものとして記載しているが、当業者であれば、記載の例は、このようなシステムを実行するための唯一の方法ではないことを容易に理解する。
【0190】
このように、本発明について特定の例を参照して述べてきたが、これらの例はひとえに例示的なものであり、本発明を制限するものではない。当業者であれば、これらの開示の実施形態において、本発明の意図および範囲から逸脱することなく変更、追加または省略が可能であることを理解する。