【実施例】
【0078】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0079】
実施例1:化合物1(ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤)の合成
化合物1(ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤=KNI-1293))を以下のスキームに従って合成した。
【0080】
【化5】
【0081】
D-(+)-biotin (26.9 mg, 0.11 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (12.1μL, 0.11 mmol)、クロロギ酸イソブチル (14.3μL, 0.11 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にKNI-1293(Hidaka, K. et al., Bioorg. Med. Chem., 16, 10049 (2008))(68.3 mg, 0.10 mmol)、N-メチルモルホリン (11.0μL, 0.10 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (1 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、得られた白色固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥した。粗生成物を逆相カラムHPLCにより精製して白色粉末(化合物1)を得た (収率64%)。
【0082】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.67 (s, 1H), 8.20 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.10 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.42 - 7.34 (m, 2H), 7.32 - 7.10 (m, 8H), 7.07 - 6.99 (m, 1H), 6.44 (br. s., 1H), 6.36 (br. s., 1H), 5.28 (dd, J = 5.0, 8.9 Hz, 1H), 5.02 - 4.91 (m, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.50 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 4.45 - 4.34 (m, 2H), 4.31 (dd, J = 4.5, 7.8 Hz, 1H), 4.20 - 4.08 (m, 2H), 3.96 (d, J= 14.3 Hz, 1H), 3.16 - 3.08 (m, 2H), 3.05 (dd, J = 4.7, 16.0 Hz, 1H), 2.92 - 2.75 (m, 3H), 2.58 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.26 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.12 - 2.03 (m, 6H), 1.32 - 1.57 (m, 12H); MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
45H
57N
6O
8S
2[M + H]
+ 873.367; found 873.361。
【0083】
参考例1:化合物2(ビオチンリンカー結合型プロテアーゼ阻害剤)の合成
化合物2(ビオチンリンカー結合型プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤=KNI-1293))を以下のスキームに従って合成した。
【0084】
【化6】
【0085】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (0.745 g, 3.2 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (354μL, 3.2 mmol)、クロロギ酸イソブチル (418μL, 3.2 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にKNI-1293(Hidaka, K. et al., Bioorg. Med. Chem., 16, 10049 (2008))(2.00 g, 2.9 mmol)、N-メチルモルホリン (322μL, 2.9 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥した。得られた固体をメタノール (15 mL) に溶解し、1M 水酸化ナトリウム水溶液 (6 mL) を加えて室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、クエン酸を加えてpH 3として析出した固体を濾過した。固体を水、ヘキサンで順に洗浄し、乾燥後、固体を得た。固体をトリフルオロ酢酸 (15 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて析出した固体を濾過して得た固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥後、白色固体(アミノカプロン酸を1つ縮合した中間体)を得た (1.82 g, 収率82%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
41H
54N
5O
7S [M + H]
+ 760.374; found 760.372。
【0086】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (0.502 g, 2.2 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (239μL, 2.2 mmol)、クロロギ酸イソブチル (282μL, 2.0 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を1つ縮合した中間体 (1.50 g, 2.0 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (7 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (10 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を2つ縮合した中間体)を得た (1.64 g, 収率95%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
47H
65N
6O
8S [M + H]
+ 873.458; found 873.458。
【0087】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (0.433 g, 1.9 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (206μL, 1.9 mmol)、クロロギ酸イソブチル (243μL, 1.9 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を2つ縮合した中間体 (1.50 g, 1.7 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (6 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (10 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を3つ縮合した中間体)を得た (1.13 g, 収率68%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
53H
76N
7O
9S [M + H]
+ 986.542; found 986.540。
【0088】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (0.352 g, 1.5 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (167μL, 1.5 mmol)、クロロギ酸イソブチル (197μL, 1.5 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を3つ縮合した中間体 (1.00 g, 1.0 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (7 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (6 mL) に溶解し、室温で35分間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を4つ縮合した中間体)を得た (0.98 g, 収率88%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
59H
87N
8O
10S [M + H]
+ 1099.626; found 1099.628。
【0089】
D-(+)-biotin (214 mg, 0.87 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (8 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (96μL, 0.87 mmol)、クロロギ酸イソブチル (113μL, 0.87 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を4つ縮合した中間体 (0.80 g, 0.73 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル40 g, クロロホルム/メタノール) により精製し、次いで酢酸エチル/メタノールから再結晶を行い、淡橙白色固体(化合物2)を得た(0.69 g, 収率72%)。
【0090】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.68 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.11 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.79 - 7.72 (m, 4H), 7.38 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.33 - 7.09 (m, 8H), 7.09 - 6.99 (m, 1H), 6.44 (br. s., 1H), 6.38 (br. s., 1H), 5.35 - 5.23 (m, 1H), 5.02 - 4.90 (m, 2H), 4.77 (s, 1H), 4.51 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.46 - 4.34 (m, 2H), 4.34 - 4.27 (m, 1H), 4.21 - 4.07 (m, 2H), 3.96 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.15 - 3.05 (m, 2H), 3.05 - 2.94 (m, 9H), 2.93 - 2.75 (m, 3H), 2.58 (d, J = 12.6 Hz, 2H), 2.24 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.96 - 2.17 (m, 14H), 1.18 - 1.58 (m, 34H); MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
69H
101N
10O
12S
2[M + H]
+ 1325.704; found 1325.702。
【0091】
実施例2:化合物3(ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤)の合成
化合物3(ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤=ペプスタチンA))を以下のスキームに従って合成した。
【0092】
【化7】
【0093】
ペプスタチンA (86 mg, 0.13 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (3 mL) に溶解し、室温攪拌下、トリエチルアミン (44μL, 0.32 mmol) 、N-(tert-ブトキシカルボニル)ヒドラジド (18 mg, 0.14 mmol) 、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(72 mg, 0.14 mmol) を加え、終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、得られた白色固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥して白色固体(123 mg) を得た。固体をトリフルオロ酢酸 (15 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて析出した固体を濾過して得た固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥後、白色固体のペプスタチンAヒドラジド誘導体を得た (69 mg, 収率78%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
34H
66N
7O
8[M + H]
+ 700.497; found 700.486。
【0094】
D-(+)-biotin (29 mg, 0.12 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (3 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (13μL, 0.12 mmol)、クロロギ酸イソブチル (16μL, 0.12 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にペプスタチンAヒドラジド誘導体 (63 mg, 0.09 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (2 mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、得られた白色固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥した。粗生成物を逆相カラムHPLCにより精製して白色粉末(化合物3)を得た (39 mg, 収率46%)。
【0095】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.73 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 9.67 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.44 (s, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.90 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.85 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.34 - 4.09 (m, 5H), 3.88 - 3.77 (m, 4H), 3.09 (dd, J = 11.7, 6.9 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 12.4, 5.1 Hz, 1H), 2.62 - 2.55 (m, 1H), 2.15 - 1.89 (m, 11H), 1.63 - 1.17 (m, 13H), 0.90 - 0.79 (m, 30H); MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
44H
80N
9O
10[M + H]
+ 926.574; found 926.571。
【0096】
参考例2:化合物4(ビオチンリンカー結合型プロテアーゼ阻害剤)の合成
化合物4(ビオチンリンカー結合型プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤=ペプスタチンA))を以下のスキームに従って合成した。
【0097】
【化8】
【0098】
ペプスタチンA (201 mg, 0.29 mmol) をN,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) に溶解し、室温攪拌下、トリエチルアミン (122 μL, 0.89 mmol) 、N-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2-ジアミノエタン (94 mg, 0.58 mmol) 、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(304 mg, 0.58 mmol) を加え、終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、得られた白色固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥して白色固体(246 mg) を得た。固体をトリフルオロ酢酸 (4 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて析出した固体を濾過して得た固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥後、白色固体のペプスタチンAアミノエチルアミン誘導体を得た (191 mg, 収率90%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
36H
70N
7O
8[M + H]
+ 728.528; found 728.535。
【0099】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (86 mg, 0.37 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (41μL, 0.37 mmol)、クロロギ酸イソブチル (48μL, 0.37 mmol) を加えて40分間攪拌した。反応液にペプスタチンAアミノエチルアミン誘導体 (180 mg, 0.25 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥した。得られた固体をメタノール (15 mL) に溶解し、1M 水酸化ナトリウム水溶液 (5.85 mL) を加えて室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、クエン酸を加えてpH 3として析出した固体を濾過した。固体を水で洗浄し、乾燥後、固体を得た。固体をトリフルオロ酢酸 (4 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて析出した固体を濾過し、水で洗浄して乾燥後、白色固体(アミノカプロン酸を1つ縮合した中間体)を得た (169 mg, 収率81%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
42H
81N
8O
9[M + H]
+ 841.612; found 841.610。
【0100】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (139 mg, 0.6 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (66μL, 0.6 mmol)、クロロギ酸イソブチル (79μL, 0.6 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を1つ縮合した中間体 (169 mg, 0.2 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (15 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (4 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を2つ縮合した中間体)を得た (157 mg, 収率82%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
48H
92N
9O
10[M + H]
+ 954.696; found 954.693。
【0101】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (113 mg, 0.49 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (54μL, 0.49 mmol)、クロロギ酸イソブチル (64μL, 0.49 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を2つ縮合した中間体 (157 mg, 1.7 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (13 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (6 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を3つ縮合した中間体)を得た (142 mg, 収率81%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
54H
103N
10O
11[M + H]
+ 1067.780; found 1067.783。
【0102】
(tert-ブトキシカルボニル)アミノカプロン酸 (92 mg, 0.40 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (44μL, 0.4 mmol)、クロロギ酸イソブチル (52μL, 0.4 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を3つ縮合した中間体 (143 mg, 0.13 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。前述と同様に水酸化ナトリウム水溶液により後処理を行い、得られた固体をトリフルオロ酢酸 (8 mL) に溶解し、室温で1時間攪拌した。前述と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液により後処理を行い、白色固体(アミノカプロン酸を4つ縮合した中間体)を得た (124 mg, 収率79%)。MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
60H
114N
11O
12[M + H]
+ 1186.864; found 1180.867。
【0103】
D-(+)-biotin (36 mg, 0.15 mmol) を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (4 mL) に溶解し、-10℃で攪拌下、N-メチルモルホリン (16μL, 0.15 mmol)、クロロギ酸イソブチル (19μL, 0.15 mmol) を加えて30分間攪拌した。反応液にアミノカプロン酸を4つ縮合した中間体 (59 mg, 0.05 mmol)、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) の混合溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して残渣に10%クエン酸水溶液を加えて析出した固体を濾過し、固体を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、乾燥して白色固体(化合物4)を得た(43 mg, 収率61%)。粗生成物を逆相カラムHPLCにより精製して白色粉末を得た。
【0104】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.95 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.86 - 7.69 (m, 7H), 7.49 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.37 (s, 1H), 4.87 - 4.84 (m, 2H), 4.33 - 4.09 (m, 5H), 3.74 - 3.83 (m, 4H), 3.17 - 2.93 (m, 13H), 2.82 (dd, J = 12.4, 5.1 Hz, 1H), 2.57 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.15 - 1.88 (m, 19H), 1.16 - 1.56 (m, 37H), 0.88 - 0.77 (m, 30H); MS (ESI-TOF) m/z: calcd for C
70H
129N
13O
14[M + 2H]
2+ 703.975; found 703.973。
【0105】
実施例3:ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤とプロテアーゼとの複合体からの、該プロテアーゼの単体での分離
ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤(化合物1)と、該阻害剤の阻害対象であるHIVプロテアーゼとを共存させた状態での該プロテアーゼの活性を、ストレプトアビジン濃度を変えて、測定した。ストレプトアビジン非存在下では化合物1とHIVプロテアーゼとが複合体を形成し、該プロテアーゼの活性は抑制される。ストレプトアビジンの添加により該複合体から該プロテアーゼが単体で分離されるのであれば、活性が回復するはずである。具体的には、以下のように行った。
【0106】
HIVプロテアーゼ基質 (DABCYL-Ser-Gln-Asn-Tyr-Pro-Ile-Val-Gln-EDANS)は文献(Matayoshi, E. D. et al., Science, 247, 954-958 (1990).)の記載に準じて化学合成した。リコンビナントHIV-1プロテアーゼは文献(Matayoshi, E. D. et al., Science, 247, 954-958 (1990).)に記載のものを用いた。
【0107】
96ウェルのプレートに55-65μLの200 mM 2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸 (MES)-水酸化ナトリウム緩衝液 (pH 5.5, 2 mM ジチオスレイトール, 2 mM エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、1M 塩化ナトリウムを含む)、5μLの100 nM化合物1/ジメチルスルホキシド溶液、および200 ng/mLリコンビナントHIV-1プロテアーゼ溶液を添加し、37℃で30秒間振とうした。 次いで、0-10μLの127μg/mLストレプトアビジン/MES緩衝液を加えて37℃で10分間振とうした。10μL の50 μM HIVプロテアーゼ基質を添加し、蛍光プレートリーダーを用いてEDANS基質断片由来の蛍光(励起355 nm/蛍光500 nm)を15分間測定した。測定値に基づいて、1秒間における相対蛍光強度の増加量を算出し、これを酵素活性(酵素活性(+化合物1))とした。HIVプロテアーゼの非存在下で測定された酵素活性を0%、化合物1の非存在下で測定された酵素活性(酵素活性(−化合物1))を100%として、下記式(1)に基づいて各ストレプトアビジンの添加量における酵素活性の相対比率を求めた。また、下記式(2)に基づいて、阻害率を算出した。
【0108】
【数1】
【0109】
【数2】
【0110】
結果を
図3に示す。
図3に示されるように、10当量のストレプトアビジン添加により、阻害率はほぼ消失し(<3%)、酵素活性はほぼ完全に回復した(>97%)。このことから、ストレプトアビジンの添加により、化合物1とHIVプロテアーゼとの複合体から該プロテアーゼが単体で分離されることが強く示唆された。
【0111】
実施例4:プロテアーゼ阻害剤とプロテアーゼとの複合体からの該プロテアーゼの分離、及び該分離により得られたビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤とプロテアーゼとの複合体からの、該プロテアーゼの単体での分離
ビオチンリンカー結合型プロテアーゼ阻害剤(化合物2)が連結したビーズに、HIVプロテアーゼを結合させた。得られた複合体から、ビオチン直接結合型プロテアーゼ阻害剤(化合物1)を用いて溶出を行った。溶出液のHIVプロテアーゼ活性を、ストレプトアビジン存在下又は非存在下で測定した。化合物2とHIVプロテアーゼとの複合体から、化合物1によりHIVプロテアーゼが溶出(分離)され、さらに溶出液中の複合体(化合物1とHIVプロテアーゼとの複合体)から、ストレプトアビジンの添加によりHIVプロテアーゼが単体で分離されるのであれば、ストレプトアビジン存在下でHIVプロテアーゼ活性が見られるはずである。具体的には、以下のように行った。
【0112】
磁気ビーズ (Streptavidin MagSepharose
TM, GE Healthcare社)のスラリー50μL を1.5 mLチューブに取り出し、磁気ラックでビーズを回収してスラリーを除去した。ビーズを500μL のMES緩衝液 (pH5.5) で洗浄して回収し、500μL の50μM化合物2/MES溶液を加えて、室温で30分間振とうした(これにより、化合物2が磁気ビーズに連結する)。ビーズを回収後、500μL のMES緩衝液で3回洗浄した。113.9μL の0.52 mg/mLリコンビナントHIV-1プロテアーゼのDMEM(牛胎児血清を10%含む)溶液に186.1μL のMES緩衝液を混合した後、化合物2が連結した磁気ビーズと共に30分間振とうした。ビーズを回収後、500μL のMES緩衝液で3回洗浄した。回収したビーズに60μL の25 nM化合物1/MES溶液を加えて、室温で5分間振とうした後、溶出液を取り出した。溶出操作を計3回繰り返し、溶出区分1〜3とした。96ウェルのプレートに55または65μLの200 mM MES緩衝液、0または10μLの127μg/mLストレプトアビジン/MES緩衝液、および5μLのジメチルスルホキシドを添加し、 次いで各溶出区分を加え、37℃で10分間振とうした。10μL の50μM基質を添加し、蛍光プレートリーダーを用いてEDANS基質断片由来の蛍光(励起355 nm/蛍光500 nm)を15分間測定した。測定値に基づいて、1秒間における相対蛍光強度の増加量を算出した。
【0113】
測定開始から10分経過までの相対蛍光強度を
図4に、1秒間における相対蛍光強度の増加量を表1に示す。
図4及び表1中、F1、F2、F3は、順に、1回目の溶出区分、2回目の溶出区分、3回目の溶出区分を示し、RFUは相対蛍光強度を示し、−SAはストレプトアビジン非添加の場合を示し、+SAはストレプトアビジン添加の場合を示す。
図4及び表1に示されるように、溶出液自身(−SA)はHIVプロテアーゼ活性を有しないが、ストレプトアビジン添加(+SA)により、蛍光基質の切断が検出され、溶出区分1(F1)は7.0 RFU/secの切断速度を示した。このことから、化合物2とHIVプロテアーゼとの複合体から、化合物1によりHIVプロテアーゼが溶出(分離)され、さらに溶出液中の複合体(化合物1とHIVプロテアーゼとの複合体)から、ストレプトアビジンの添加によりHIVプロテアーゼが単体で分離されることが強く示唆された。
【0114】
【表1】