(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記垂直チャネル(55)は、前面(70)と、後面(70)と、前記スライド軸線(47)に沿って互いに向き合う二つの側面(54)と、によって形成され、前記第1の要素は前記二つの側面(54)の一方によって形成される請求項3に記載の粉体ディスペンサー。
前記スライド軸線(47)に沿って延在するガイドシート(48)を備え、前記第1の要素は、前記ガイドシート(48)内で軸方向にスライドするように、かつ、前記ガイドシート(48)の軸方向端部から前記垂直チャネル(55)を実質的に密閉状態で分離させるように結合されたプレート(60)を備える請求項4に記載の粉体ディスペンサー。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、付加製造技術はサイクルの繰り返しを含み、その間に、作られるコンポーネントの連続した水平断面が形成される。特に、各サイクルの開始時、粉体の層が、水平に並進移動することができるディスペンサーを用いて堆積させられる。粉体のこの層は実質的に一定の厚さみ有し、そして粉体は、作られるコンポーネントと同じ組成を有する。粉体の層が堆積させられた後、その特定の領域は、集束エネルギービーム、通常はレーザービームまたは電子ビームの走査によって溶融させられる。粉体が溶融させられるこれらの領域では、連続的な固体構造体が形成されるが、これはコンポーネントの対応する水平断面を形成する。これらの領域は、作られるコンポーネントのジオメトリーおよび寸法を表す数学的モデルに従って制御ユニットによって選択される。
【0003】
いったん全てのサイクルが終了すると、形成されたコンポーネントの周囲に残る粉体が除去される。
【0004】
上記プロセスでは、粉体はプラットフォームタイプのサポート上に堆積させられるが、これは、堆積させられた粉体の層の厚みを等しくする量だけ、溶融ステップが終了した後、各サイクルにおいて降下させられる。このようにして、既に形成されたコンポーネントの部分は、次のサイクルの堆積ステップに移行するように、同様に降下させられる。
【0005】
最初のサイクルで堆積させられた粉体はプラットフォーム全体を覆い、したがって、これは、異なるサイクルで堆積させられる粉体の全ボリュームのベースを形成する。だが、このプロセスによって得られた最終コンポーネントは、当該ボリュームの極めて僅かな部分、例えば10%を占めるだけであり、したがって作られる各コンポーネントのために大量の粉体が必要である。
【0006】
たとえ残留粉体が回収されても、上述したタイプの既知の解決策はほとんど満足できるものではない。なぜなら、必要とされる大量の粉体によって、その貯蔵のために大型コンテナを使用しなければならなくなり、そして処理中に実施される堆積ステップのために相対的に長い時間が費やされるからである。
【0007】
特許文献1は付加製造方法に関し、この間に、粉体が封入されたままの密閉作業スペースを形成するために、少なくとも一つのバリアまたは閉じ込め壁が形成される。これらのバリアは、ディスペンサーが粉体を堆積させるや否や機械の同じレーザービームによって粉体のストリップを溶融させることによって、ちょうど形成されているコンポーネントのように、漸進的に、一層ずつ形成される。
【0008】
だが、この解決策もまた完全に満足できるものではない。
【0009】
実際のところ、既知のディスペンサーは、固定されたサイズの水平スリットを経て粉体を落下させ、このサイズは特定の用途に依存している。固定されたサイズを持つスロットでは、オペレータが作業スペースに従って粉体の分配を調整することは不可能である。実際、特許文献1は基本的に可変の長さを有する作業スペースを示しており、したがって、特にディスペンサーが小さな長さを有する作業スペースの領域内に配置される場合、スリットの両端からの粉体の一部は作業スペースの外に落下する。
【0010】
したがって、この場合でさえ、堆積粉体の一部は、実際、処理を行うために不要である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1ないし
図5において、参照数字1は、全体として、付加製造技術、すなわち「レイヤー・バイ・レイヤー(layer by layer)」タイプの製造技術によって、粉体、特に金属粉体から出発してコンポーネントを作るための(部分的にかつ大まかに示される)機械を指し示している。このレイヤー・バイ・レイヤー製造技術は公知であり、かつ、さまざまな頭字語、例えば、「ダイレクトレーザーフォーミング(Direct laser Forming)」(DLF)、「ダイレクト金属レーザー焼結(Direct Metal Leaser Sintering)」(DMLS)、「選択的レーザー溶融(Selective Laser Melting)」(SLM)あるいは「電子ビーム溶融(Electron Beam Melting)」(EBM)といった頭字語を用いて印刷物において言及されている。
【0017】
粉体の組成は、形成されるべきコンポーネントのそれと同じである。特に、航空分野においては、通常、チタン合金またはチタン‐アルミニウム合金、例えば略語Ti6‐4またはTi‐6AL‐4V(6%のアルミニウムと4%のバナジウムを有する)で知られる合金が使用される。チタン合金に関する限り、粉体の溶融を実現するために必要な温度は、使用される特定の合金に依存し、180°Cにまで達し得る。
【0018】
機械1は作動チャンバー12(
図1)を備えるが、これは、そこに粉体の第1の層が堆積させられる、一般に「スターティングプラットフォーム」として知られるベースプレートまたはプラットフォーム13を有する。
【0019】
ベースプレート13は、制御ユニット16の指令に応答して垂直方向(矢印V)に沿って下向きに漸進的に平行移動することができるように、ここでは示されていない方法で操作される。明らかに、ベースプレート13は、粉体を溶融するのに必要な高温に耐えることができる材料から形成される必要がある。
【0020】
機械1はさらに、互いに重なり合う連続層に従って粉体を堆積させるための、以下で詳細に説明するディスペンサー14を備える(そのうちの二つは
図3および
図5において参照数字22および23でそれぞれ示されている)。
【0021】
機械1はさらに、粉体の所定領域の溶融または焼結を実現するために、下向きのエネルギービーム、例えば集束電子ビームまたは集束レーザー光ビームを放出するためのエミッタまたはガン15を備える。換言すれば、エミッタ15は、実際に形成されかつ凝固させられる必要があるこれらの領域において、粉体の各層を局所的に溶融させるように、制御ユニット16によって作動させられかつ制御される。
【0022】
一般に、レーザーは40μmまでの厚みを有する粉体の層のために使用されるのに対して、電子ビームは180μmまでの厚みのために使用される。
【0023】
エミッタ15およびベースプレート13は、好ましくは、粉体の各層の表面においてエネルギービームの走査(
図4)を実施するように、互いに対して動作可能である。この相対動作の代替例として、あるいはそれと組み合わせて、所望の領域にエネルギービームを偏向させるように、モーター駆動偏向器のシステムを設けることができる。
【0024】
さらに、機械1は、例えば溶融させられた材料を酸化から保護するために、チャンバー12内に真空を生成するためのシステム(図示せず)および/または溶融領域に向かってチャンバー12内に不活性ガス(例えばアルゴンまたはヘリウム)のジェットを注入するためのシステム(図示せず)を備えることができる。
【0025】
溶融されるべき領域の選択は、予め生成されたかつ形成されるべきコンポーネントにとって望ましい形状および寸法に対応した三次元数学的モデルに基づく。例えば三次元モデルは、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを用いて生成し、そして「ファイル」の形式で制御ユニット16に転送することができる。三次元モデルは、制御ユニット16に格納され、そして、それぞれが作られるコンポーネントの相対的水平断面と関連付けられた、重なり合う水平レベルへと分割される。上述したように、各水平断面は、堆積させられたばかりの粉体の層の対応する領域を局所的に溶融させることによって形成される。
【0026】
図2は、特に環状形状を有するコンポーネントを製造するためのプロセスの中間的瞬間においてサイクルの始まりを大まかに示している。
図2の瞬間においては、一連の先行サイクルによって、コンポーネントの下部17ならびに一連の脚18は既に形成されていると仮定する。脚18は、同様に上記の三次元モデルにおいて規定され、そしてプロセスの間、プレート13に対してコンポーネントが固定された状態を維持すると同時に部分17をプレート13から離間させるためにチャンバー12内に形成される。製造プロセスが終了すると脚18は除去される。
【0027】
依然として形成されるべき上部19は、
図2および
図4において破線で示されている。既に形成された部分17,18は、予め一層ずつ堆積させられたが溶融させられなかった一塊の残留粉体20によって取り囲まれる。
【0028】
好ましくは、粉体は、20から150μmの範囲の粒径を有する。粒径の選択は、(より大きい粒径を有する粉体を必要とするであろう)高い生産速度を有し、作られるコンポーネントの構造における良好な寸法精度および良好な均一性を有し、成形プロセスの終了時に残留粉体20からコンポーネントの生じ得るキャビティおよび/または孔を容易に空にできる、さまざまな必要性の間での妥協である。特に、ガスアトマイゼーションプロセス、すなわち実質的に球形状を有する粒子を形成できるプロセスによって得られた粉体が使用される。
【0029】
部分17および周囲の残留粉体20は、上端において、サイクルの開始時に、ベースプレート13の高さを調整することにより、ディスペンサー14の高さ位置に対して固定された基準高さ(線Q)で配置される表面21を画定する。
【0030】
ベースプレート13が配置された後、表面21上を水平移動するように、ディスペンサー14はアクチュエータアセンブリ24(
図1に大まかに示される)によって動作させられる。特に、アセンブリ24は、それが、水平面上の任意の軌跡を伴ってディスペンサー14を動作させることを、そして垂直軸線の周りにディスペンサー14を回転させることを可能とする特徴を有する。このようにして、形成されるコンポーネントが、その平面視において細長いかまたは環状の形状を有する場合、ユニット16は、ディスペンサー14の軌跡がこの形状を追従するようにアセンブリ24を制御することができる。
【0031】
ディスペンサー14にはメインタンク(図示せず)からの粉体が供給され、そして
図3から分かるように、その移動中に表面21上に粉体22の層を計量分配するように、それは制御される。ディスペンサー14は、好ましくは、二次タンク25を備えるが、これは、メインタンクからの粉体を受け取り、バッファとして機能し、そして1サイクルに必要な粉体を測定するために使用される。
【0032】
図7を参照すると、ディスペンサー14はスリット26を有する下側壁27を備え、それを通って粉体が落下する。スリット26は、水平軸線36(
図6)に沿って長尺であり、すなわちそれは、軸線36と直交する水平方向に沿ってスリット26のサイズよりも大きな軸方向長さを有する。スリット26は垂直軸線を中心としてアセンブリ24によって配向され、したがって軸線36は、常に、軌道に対して、そしてディスペンサー14の進行方向Wに対して実質的に直交する。
【0033】
ディスペンサー14はさらに、少なくとも一つのレベリング要素30、例えばドクターブレードを備え、これは、スリット26に対して平行であり、かつ、ディスペンサー14上のアセンブリ24によって課される進行方向Wに関してスリット26の下流に配置される。レベリング要素30は、落下したばかりの粉体上を通過し、そして粉体の層を平らにするように、下側壁27に対して下方に突出する。そうすることによって、粉粒の層は実質的に均一な厚みを得る(これは分かりやすくするために図では意図的に誇張されている)。
【0034】
ここには示されていない代替例によれば、レベリング要素30はディスペンサー14とは別体であり、かつ、進行方向に沿ってディスペンサー14に追従するように独立様式で作動させられる。だが、この代替例は好ましいものではない。なぜなら、それはシステムをより複雑かつ緩慢にする傾向があるからである。
【0035】
好ましくは、ディスペンサー14はさらに二つのエミッタ34を備えるが、これは下方を向いており、かつ、それぞれのエネルギービーム、例えばレーザー光ビームを放出するように設計される。特に、レーザー光は、各光ファイバー35によってエミッタ34へと伝達される。
【0036】
エミッタ34は、進行方向Wに関して、レベリング要素30の下流側に配置されており、かつ、スリット26の軸線36に対してかつレベリング要素30に対して平行な方向に沿って互いに整列させられかつ離間させられている。軸線36と平行な方向における二つのエミッタ34間の距離は、以下で明らかとなるように、形成されるコンポーネントの幅よりも大きく、しかも調整可能である。
【0037】
表面21上でのディスペンサー14の移動中、エミッタ34は、ディスペンサー14の本体に対して、そしてレベリング要素30に対して固定可能であり、あるいは振動運動を行い、そして粉体22の層の側縁に沿ってエネルギービームの走査を実現するように、本明細書には示されていない方法で動作させることができる。
【0038】
図3および
図5に示すように、レベリング要素30が粉体22の層を形成するために通過するや否や、エミッタ34が、上記側縁に沿って、すなわち形成されているコンポーネントの反対側において、粉体の溶融あるいは焼結を実現するために使用される。二つのエネルギービームの溶融粉体は、凝固させることにより、コンパクトな材料38の二つのストリップを形成するが、これは、ディスペンサー14の前進軌道に対して実質的に平行である。図示の実施例では、二つのストリップ38は、粉体22の層の内側において、そして外側において、それぞれ、各リングを形成する。
【0039】
レベリング要素30に対してエミッタ34が近接していることによって、粉体が堆積させられた直後に、ストリップ38を凝固させることができる。本明細書には示されていない代替解決策では、ストリップ38を形成するために、エミッタ34を設ける代わりに、エミッタ15のエネルギービームを使用することも可能である。この代替解決策では、エミッタ15は、レベリング要素30の動きに追従し、粉体が平らにされるや否やそれを溶融させ、そしてレベリング要素30がエミッタ15と溶融させられる粉体との間に入るのを防止することができるように、好ましくは可動である。
【0040】
凝固中、二つのストリップ38は、前のサイクルで作られた、それらの下に配置されたものに接合される。凝固材料のストリップ38の漸進的な重ね合せは、毎サイクル、二つのバリアまたは閉じ込め壁40を形成するが(
図1および
図6)、これは部分17の反対側に配置され、ベースプレート13から上方に延在する。すなわち、二つのバリア40は、形成されているコンポーネントおよび残留粉体20を収容する作業スペースの境界を画定する。作業スペースの容積は、明らかに、チャンバー12のものよりも小さく、したがって、この解決策は、閉じ込め壁が設けられない従来技術と比較して粉体に関する明らかな節約をもたらす。
【0041】
図6および
図7を参照すると、ディスペンサー14は、有利なことにはさらに、垂直回転軸線を有する二つのローラー42を備える。これらの図は大まかなものであり、したがってローラー42に関してそこに示されているサイズおよび比率は実体と対応しないことがある。特に、ローラー42は、図示されるものよりも小さい直径を有する単純なピンによって形成されてもよい。
【0042】
ローラー42は、レベリング要素30に対して下方に突出し、アイドラー様式62でそれぞれの垂直回転軸周りを回転し、そして軸線36に対して平行な方向において関連するエミッタ34の側方にそれぞれ配置される。この方向に沿って、ローラー42は、エミッタ34に比べてより外側にありかつローラー42がバリア40の外面に対して実質的に接線をなす位置に配置される。このようにして、ディスペンサー14が前方に動くとき、ローラー42はバリア40上を転がり、そして、粉体の各層のストリップ38が、その下に配置されかつ先行するサイクルにおいて形成されたものと正確に重なり合うように適切なセンタリング機能を発揮する。
【0043】
二つのローラー42のそれぞれは各エミッタ34に対して固定位置に配置され、そしてそれと共に可動装置37を形成するが、これは、レベリング要素30およびディスペンサー14の本体に対して軸線36と平行にスライドできる。本明細書には示されていない変形例によれば、二つの装置の一方のみが軸方向に動作可能であり、他方のものはレベリング要素30に対して軸方向に固定され、かつ、ディスペンサー14の端部に配置される。
【0044】
依然として
図6および
図7を参照すると、ディスペンサー14は、好ましくは、スリット26を経て落下させられる粉体の量を変更するために調整デバイス44を備える。特に、図示の実施例では、調整デバイス44は、モーター45(概略的に示される)と、ブレードローター46とを有するブレード供給デバイスによって形成されるが、ブレードローター46は、スリット26の軸線36に対して平行な軸線47に沿って延び、ディスペンサー14の本体のシート48内に収納され、そして軸線47を回転(62)させるためにアクチュエータ45によって作動させられる。回転速度は可変であり、この変更は、供給される粉体の量の調節を可能にする。同時に、ローター46は、粉体がスリット26に向かって下方に移動するのを助ける。
【0045】
本明細書に示されていない有利な変形例によると、ディスペンサー14はローターを有しておらず、したがって粉体は、単に重力によって、スリット26に向って下方に移動する。この場合、調整デバイス44は、進行方向Wに沿ったスリット26の幅を変化させるためのかつ/またはスリット26の開口時間を変化させるための一つ以上の弁によってまたはシャッタシステムによって形成することができる。。
【0046】
本明細書に示されていない、さらなる変形例によれば、スリット26は、不連続な開口、特に一連の孔をから構成される。レベリング要素の通過によって、一定の高さの粉体22の層を形成するように、表面21上に、各孔によって堆積させられたある量の粉体が水平になる。
【0047】
本発明によれば、
図6に示すように、ディスペンサー14はシャッターデバイス50を備えるが、これは、粉体を専らスリット26の部分51を経て落下させるように、そして部分51の長さを変化させるように設計される。言い換えれば、部分51は粉体のための実際のアウトレットを形成する。スリット26の残りの部分は参照数字52によって示されており、粉体とは交差せず、スリット26の二つの対向する端部によって形成される。
【0048】
図示される好ましい実施形態によれば、デバイス50は、二つの表面54を備えるが、これは軸線47と交差し、垂直チャネル55の側面を形成するように互いに向き合い、そして部分51のエンドポイント56までタンク25の側方端部から粉体を案内するような形状とされている。表面54の少なくとも一方は、対応するエンドポイント56の位置を調整するために軸線47に沿って移動可能である。このようにして、表面54間の距離は、したがって部分51の長さは変更される。
【0049】
特に、両方の表面54はディスペンサー14の本体に対して移動可能である。互いに表面54を移動させるために、デバイス50はアクチュエータアセンブリ57を備えており、これは、ユニット16によって制御され、そして特に、独立して表面54を移動させるよう構成された二つのアクチュエータによって形成される。本明細書には示されていない代替的解決策によれば、アセンブリ57は、単一のアクチュエータおよびトランスミッション、例えばねじトランスミッションを備える。
【0050】
ディスペンサー14がエミッタ34および/またはローラー42を備える場合、各装置37の位置は、隣接する表面54の一つに対して固定される。すなわち、軸線47に沿った各表面54の動きは、ローラー42を、進行方向Wに対して平行な方向に、対応する表面54と整列した状態で常に維持するために、各装置37の同様な並進移動に対応する必要がある。
【0051】
その結果、軸線36に対して平行な方向おけるに装置37の位置の調整は、
図7に破線で大まかに示すシステムによって軸線47に沿った表面54の位置の調整と同期させられる。このシステムは、例えば、適切な機械的トランスミッションによって、またはさらなるアクチュエータ手段および制御ユニット(これはアクチュエータ手段をそれがアセンブリ57と同期させられるように制御する)からなるアセンブリによって形成される。
【0052】
図6および
図7から分かるように、特に、デバイス50は二つのプレート60を備えるが、これは、表面54の一部を形成し、シート48の内面によって軸方向に案内され、そしてアセンブリ57によって作動させられる。プレート60は粉体が漏れ出すのを防止するためにシート48の軸方向端部からチャネル55を分離し、軸線47に関して角度的に固定され(62)、そしてそれぞれの軸方向孔61(これは軸方向に回転可能にローター46と係合させられる)を有する。ローター46と孔61の円形縁部との間のスペースは、それぞれのセクター63によって完全に占有されるが、これは、表面54を形成するのを助けると共に、軸方向に固定された位置でかつ角度的に回転可能にプレート60に対して結合される。同時に、セクター63は軸方向にスライドするようにローター47に対して結合され、かつ、ローター46によって軸線47を回転させる(62)。
【0053】
図6を参照すると、表面54の残部は金属壁65によって形成されるが、これはプレート60の上側端部をタンク25の側方端部に接合し、かつ、プレート60の軸方向位置を調整するように弾性変形可能である。好ましくは、壁65はフレキシブルであり、かつ、タンク25の側方に配置された各垂直ガイド67と係合するそれぞれの上側部分66と、壁65の屈曲によって部分66に対して接続されかつプレート60に対して固定されるそれぞれの下側部分68とを備える。部分68の長さおよび傾きと、壁65に沿った屈曲の位置は、プレート60の軸方向位置に応じて変化する。
【0054】
図7から分かるように、前側および後側において(すなわち、進行方向Wに沿って)チャネル55は、概して参照数字70によって示された固定面または壁によって境界が画定されている。
【0055】
得られることになるコンポーネントの成形に関する限り、
図4を参照し、既に述べたように、各サイクルのために、したがって粉体の各層のために、格納された3次元モデルに基づいて制御ユニット16によって選択された局所領域において溶融がエミッタ15によって実施される。これらの領域は、常に、ストリップ38を含む二つのバリア40間に形成された作業スペース内に配置される。
【0056】
ストリップ38に関して既に述べたように、局所的に溶融された粉体は凝固し、そして続いて、得られることになるコンポーネントの新しい水平断面を形成する。同時に、この水平断面は、その下に配置された部分17に対して接合される。いま形成されたばかりの水平断面は、ディスペンサー14によって堆積させられた粉体22の層の厚みに実質的に依存する厚みを有する。
【0057】
図5に示すように、溶融ステップの後、プレート13は、残留粉体20の上面を固定された基準高さ(線Q)へと戻すために、いま形成されたばかりの断面の厚みに実質的に対応する所定の高さだけ降下させられる(矢印V)。
【0058】
この時点で、ディスペンサー14は、(参照数字23で示される)粉体の新しい層を堆積させ、そして新しいサイクルを開始するために再び始動できる。明らかに、サイクルは、制御ユニット16に格納された三次元モデルが完成するまで、すなわち欠落部分19の慣性まで繰り返される。
【0059】
成形ステップの最後に、コンポーネントは、ベースプレート13から取り外される前に、好ましくはチャンバー12内に導入される不活性ガス(例えばアルゴン又はヘリウム)の流れにより冷却される。必要ならば、コンポーネントの生じ得るキャビティ内に残っている可能性がある粉体を除去し、かつ/またはサポート18の生じ得るトラックを除去するために、その他の処理ステップが実施されてもよい。
【0060】
上記から、本明細書に記載されたディスペンサー14の利点は明らかである。まず、本デバイスは、スリット26を部分的に閉鎖することを可能とし、これによって、その中でコンポーネントが形成される実際の作業スペースを画定するバリア40とストリップ38との間の実際の距離に依存して、成形プロセスの各サイクル中、粉体の消費を低減するように、部分51に向う粉体のアウトレットを制限する。
【0061】
言い換えれば、デバイス50は、貯蔵されかつ堆積させられる粉体の量を可能な限り最小限に抑えるために、デバイス14が異なる幅を有するコンポーネントの製造に適応することを可能にする。
【0062】
同時に、デバイス50の特定の構成は、粉体がタンク25から部分51まで輸送されることを可能とし、部分51のエンドポイント56の位置に応じてチャネル55の流路断面を減少させる。同時に、移動可能であるにも関わらず、表面54はチャネル55からの粉体の漏れを実質的に防止する。
【0063】
エミッタ34は、レベリング要素30の通過直後にストリップ38が形成されることを可能とし、したがってエミッタ15は、作られるコンポーネントの形成に専念できる。
【0064】
さらに、ローラー42は、部分51を二つのバリア40間に形成される作業スペースと正確に整列させるために、ディスペンサー14の経路がガイドされることを可能にする。
【0065】
最後に、図面を参照して説明したディスペンサー14は、特許請求の範囲に記載された本発明の保護の範囲をこの理由のために超えることなく、変更および改変が可能であることは明らかである。
【0066】
特に、デバイス14の内部にローターが設けられない(ここでは図示しない)単純化された解決策によると、デバイス50は、チャネル55の形状および/または寸法を変更することなく、例えば適切なバルブによってかつ/または水平閉鎖デバイスによって、スリット26の端部52の漸進的な開放/閉鎖を簡単に可能とすることができる。換言すれば、部分51の長さを制限し、したがって粉体を節約するために、得たいバリア40間の距離と実質的に等しい長さを伴って部分51を開放状態のままとするために、スリット26の端部の少なくとも一方を単に塞ぐことができる。
【0067】
さらに、部分51のエンドポイント56の位置の調整は、二つのバリア40間の距離がデバイス14の軌跡に沿って可変である場合、プロセスのサイクルの間に行うことができる。あるいは、それは、上方に移動しながら二つのバリア40間の距離を漸進的に狭くするように、プロセスの一つのサイクルとそれに続くものとの間に行うことができる。
【0068】
最後に、ローラー42は、さまざまなセンタリングシステムによって、例えば、既に形成されたバリアの基礎となる部分の位置を検出するための一つ以上の非接触センサーおよび当該センサーによって提供される信号に応じて進行方向Wと直交する方向におけるディスペンサー14の位置を調整するための自動化された制御装置を備えるシステムによって置き換えることができる。