特許第6768299号(P6768299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特許6768299アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法
<>
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000002
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000003
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000004
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000005
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000006
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000007
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000008
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000009
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000010
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000011
  • 特許6768299-アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768299
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20201005BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G01S7/40 126
   H01Q3/04
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-11793(P2016-11793)
(22)【出願日】2016年1月25日
(65)【公開番号】特開2017-133861(P2017-133861A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】荒木 俊輔
【審査官】 安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−173184(JP,A)
【文献】 特開2013−079816(JP,A)
【文献】 特開2002−350532(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0301159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/42,
G01S 13/00−13/95,
H01Q 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダ装置のアンテナの設置角度を測定する角度測定装置と、
観測対象物を観測する前記レーダ装置と、
演算装置と
を具備し、
前記演算装置は、前記アンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得し、
前記演算装置は、前記観測対象物の位置を示す第2データを取得し、
前記演算装置は、前記レーダ装置から受信する受信データに基づいて、前記アンテナに対する前記観測対象物の相対位置を示す第3データを算出し、
前記演算装置は、前記第2データが示す前記観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナの仮想位置を算出し、
前記演算装置は、前記仮想位置と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度校正値を算出し、
前記演算装置は、前記仮想位置の前記第1方向に沿った位置と、前記第1データが示す前記設置位置との差に基づいて、前記アンテナの前記設置角度校正値を算出する
アンテナ設置角度の校正システム。
【請求項2】
レーダ装置のアンテナの設置角度を測定する角度測定装置と、
観測対象物を観測する前記レーダ装置と、
演算装置と
を具備し、
前記演算装置は、前記アンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得し、
前記演算装置は、前記観測対象物の位置を示す第2データを取得し、
前記演算装置は、前記レーダ装置から受信する受信データに基づいて、前記アンテナに対する前記観測対象物の相対位置を示す第3データを算出し、
前記演算装置は、前記第2データが示す前記観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナの仮想位置を算出し、
前記演算装置は、前記仮想位置と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度校正値を算出し、
前記演算装置は、前記レーダ装置から受信する前記受信データに基づいて、前記アンテナと前記観測対象物との間の距離を示す第1距離を算出し、
前記演算装置は、前記アンテナの補正後仮想位置と前記観測対象物との間の距離が前記第1距離であるとの制約条件の下、前記アンテナの前記仮想位置を補正して、前記アンテナの前記補正後仮想位置を算出し、
前記演算装置は、前記仮想位置と、前記補正後仮想位置と、前記観測対象物の位置とに基づいて、前記アンテナの前記設置角度校正値を算出する
アンテナ設置角度の校正システム。
【請求項3】
前記演算装置は、前記補正後仮想位置と前記観測対象物とを結ぶ直線と、前記仮想位置と前記観測対象物とを結ぶ直線とのなす角に基づいて、前記アンテナの前記設置角度校正値を算出する
請求項2に記載のアンテナ設置角度の校正システム。
【請求項4】
前記演算装置は、前記補正後仮想位置に基づいて、前記アンテナの3次元位置を特定する
請求項2または3に記載のアンテナ設置角度の校正システム。
【請求項5】
レーダ装置のアンテナの設置角度を測定する角度測定装置と、
観測対象物を観測する前記レーダ装置と、
演算装置と
を具備し、
前記演算装置は、前記アンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得し、
前記演算装置は、前記観測対象物の位置を示す第2データを取得し、
前記演算装置は、前記レーダ装置から受信する受信データに基づいて、前記アンテナに対する前記観測対象物の相対位置を示す第3データを算出し、
前記演算装置は、前記第2データが示す前記観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナの仮想位置を算出し、
前記演算装置は、前記仮想位置と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度校正値を算出し、
前記第1方向は、鉛直方向である
アンテナ設置角度の校正システム。
【請求項6】
前記アンテナを取り付けた移動体を更に含む
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ設置角度の校正システム。
【請求項7】
レーダ装置のアンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する工程と、
角度測定装置を用いて、前記アンテナの設置角度を取得する工程と、
観測対象物の位置を示す第2データを取得する工程と、
前記レーダ装置を用いて、前記アンテナに対する前記観測対象物の相対位置を示す第3データを取得する工程と、
前記第2データが示す前記観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナの仮想位置を算出する工程と、
前記アンテナの前記仮想位置の第1方向に沿った位置と、前記第1データが示す前記設置位置との差に基づいて、前記アンテナの設置角度校正値を算出する校正値算出工程と
を具備する
アンテナ設置角度の校正方法。
【請求項8】
レーダ装置のアンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する工程と、
角度測定装置を用いて、前記アンテナの設置角度を取得する工程と、
観測対象物の位置を示す第2データを取得する工程と、
前記レーダ装置を用いて、前記アンテナに対する前記観測対象物の相対位置を示す第3データを取得する工程と、
記第2データが示す前記観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナの仮想位置を算出する工程と、
前記アンテナの前記仮想位置と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度校正値を算出する校正値算出工程と、
第2観測対象物の位置を示す第4データを取得する工程と、
前記レーダ装置を用いて、前記アンテナに対する前記第2観測対象物の相対位置を示す第5データを取得する工程と、
前記第4データが示す前記第2観測対象物の位置を基準位置として用いながら、前記第5データに基づいて、前記アンテナの第2仮想位置を算出する工程と、
前記アンテナの前記第2仮想位置と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度第2校正値を算出する第2校正値算出工程と、
前記設置角度校正値および前記設置角度第2校正値に基づいて、前記アンテナの設置角度の最終的な校正値を算出する工程と
を具備する
アンテナ設置角度の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式のレーダ装置が用いられることがある。移動式のレーダ装置を用いる場合、レーダ装置の設置位置をGPS(Global Positioning System)を用いて取得することが可能である。また、レーダ装置のアンテナの設置角度は、ジャイロセンサにより測定することが可能である。
【0003】
しかし、GPSを用いて設置位置を算出する場合、1〜20m程度の位置測定誤差が発生する場合がある。また、ジャイロセンサにより測定されるアンテナの設置角度に関し、ジャイロセンサの角度測定誤差が発生する場合があり、また、アンテナの設置角度には、アンテナ面の歪等に起因する誤差の影響が反映されない。
【0004】
関連する技術として、特許文献1には、レーダ装置のデータ校正方式が開示されている。特許文献1に記載のレーダ装置のデータ校正方式では、地球上に設置された地上用レーダ装置から送信されるレーダパルスによって、或る地帯が照射される。そして、レーダパルスの散乱波が、地上用レーダ装置と、宇宙にある衛星搭載用レーダ装置とによって、同時に観測される。そして、地上用レーダ装置によって得られた観測データと、衛星搭載用レーダ装置によって得られた観測データとが比較され、比較に基づいてデータが校正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平2−27628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アンテナの歪等に起因するアンテナの設置角度の誤差を考慮したアンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法を提供することにある。
【0007】
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0009】
いくつかの実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムは、レーダ装置(10)のアンテナ(20)の設置角度(α)を測定する角度測定装置(30)と、観測対象物(3)を観測する前記レーダ装置(10)と、演算装置(40)とを具備する。前記演算装置(40)は、前記アンテナ(20)の第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する。 前記演算装置(40)は、前記観測対象物(3)の位置を示す第2データを取得する。前記演算装置(40)は、前記レーダ装置(10)から受信する受信データに基づいて、前記アンテナ(20)に対する前記観測対象物(3)の相対位置を示す第3データを算出する。前記演算装置(40)は、前記第2データが示す前記観測対象物(3)の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナ(20)の仮想位置(P1)を算出する。前記演算装置(40)は、前記仮想位置(P1)と前記第1データとに基づいて、前記アンテナ(20)の設置角度校正値(α’)を算出する。
【0010】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記演算装置(40)は、前記仮想位置(P1)の前記第1方向に沿った位置と、前記第1データが示す前記設置位置との差に基づいて、前記アンテナ(20)の前記設置角度校正値(α’)を算出してもよい。
【0011】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記演算装置(40)は、前記レーダ装置(10)から受信する前記受信データに基づいて、前記アンテナ(20)と前記観測対象物(3)との間の距離を示す第1距離(L)を算出してもよい。前記演算装置(40)は、前記アンテナ(20)の補正後仮想位置(P2)と前記観測対象物(3)との間の距離が前記第1距離(L)であるとの制約条件の下、前記アンテナの前記仮想位置(P1)を補正して、前記アンテナの前記補正後仮想位置(P2)を算出してもよい。前記演算装置(40)は、前記仮想位置(P1)と、前記補正後仮想位置(P2)と、前記観測対象物(3)の位置とに基づいて、前記アンテナ(20)の前記設置角度校正値(α’)を算出してもよい。
【0012】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記演算装置(40)は、前記補正後仮想位置(P2)と前記観測対象物(3)とを結ぶ直線と、前記仮想位置(P1)と前記観測対象物(3)とを結ぶ直線とのなす角(β)に基づいて、前記アンテナの前記設置角度校正値(α’)を算出してもよい。
【0013】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記演算装置(40)は、前記補正後仮想位置(P2)に基づいて、前記アンテナの3次元位置を特定してもよい。
【0014】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記第1方向は、鉛直方向であってもよい。
【0015】
上記アンテナ設置角度の校正システムにおいて、前記アンテナ(20)を取り付けた移動体を更に含んでいてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態におけるアンテナ設置角度の校正方法は、レーダ装置(10)のアンテナ(20)の第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する工程と、角度測定装置(30)を用いて、前記アンテナ(20)の設置角度(α)を取得する工程と、観測対象物(3)の位置を示す第2データを取得する工程と、前記レーダ装置(10)を用いて、前記アンテナ(20)に対する前記観測対象物(3)の相対位置を示す第3データを取得する工程と、前記第2データが示す前記観測対象物(3)の位置を基準位置として用いながら、前記第3データに基づいて、前記アンテナ(20)の仮想位置(P1)を算出する工程と、前記アンテナ(20)の前記仮想位置(P1)と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度校正値(α’)を算出する校正値算出工程とを具備する。
【0017】
上記アンテナ設置角度の校正方法において、第2観測対象物(3−2)の位置を示す第4データを取得する工程を備えていてもよい。また、前記レーダ装置(10)を用いて、前記アンテナ(20)に対する前記第2観測対象物(3−2)の相対位置を示す第5データを取得する工程を備えていてもよい。また、前記第4データが示す前記第2観測対象物(3−2)の位置を基準位置として用いながら、前記第5データに基づいて、前記アンテナ(20)の第2仮想位置(P1−2)を算出する工程を備えていてもよい。また、前記アンテナ(20)の前記第2仮想位置(P1−2)と前記第1データとに基づいて、前記アンテナの設置角度第2校正値(α’’)を算出する第2校正値算出工程を備えていてもよい。さらに、前記設置角度校正値(α’)および前記設置角度第2校正値(α’’)に基づいて、前記アンテナ(20)の設置角度の最終的な校正値を算出する工程を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、アンテナの歪等に起因するアンテナの設置角度の誤差を考慮したアンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、GPSを用いてレーダ装置のアンテナの設置位置を特定する場合において、想定される目標物体の位置特定誤差について説明するための図である。
図2図2は、ジャイロセンサ等の角度測定装置を用いて、レーダ装置のアンテナの設置角度を特定する場合において、想定される目標物体の位置特定誤差について説明するための図である。
図3図3は、第1の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法の概要を説明するための図である。
図4図4は、アンテナ設置角度の校正システムの機能を模式的に示す機能ブロック図である。
図5図5は、アンテナ設置角度の校正方法を示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法の概要を説明するための図である。
図7A図7Aは、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正方法を示すフローチャートである。
図7B図7Bは、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正方法を示すフローチャートである。
図8図8は、第3の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムを模式的に示す図である。
図9図9は、第4の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムを模式的に示す図である。
図10図10は、第5の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態に係る移動物体観測システム、移動物体観測方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、添付図面において、同一又は類似の構成要素は、同一又は対応する参照番号で参照されることがある。また、実施形態に関し、説明を複雑化させないために、2次元座標系を用いて説明が行われる。しかし、実施形態は、3次元に拡張して適用可能であることが自明である。3次元への拡張は、当業者の通常の知識に基づいて実行可能であるが、明細書中においても、3次元への拡張のための情報が適宜提供される。
【0021】
(発明者によって認識された事項)
図1を参照して、GPSを用いてレーダ装置10のアンテナ20の設置位置を特定する場合において、想定される目標物体1の位置特定誤差について説明する。レーダ装置10は、アンテナ20を備える。アンテナ20は、レーダ波を送信し、かつ、レーダ波を受信する。図1に記載の例では、アンテナの設置角度は、角度γである。なお、アンテナの設置角度は、水平方向と、アンテナの指向方向D(例えば、アンテナ中心部におけるアンテナ表面に垂直な方向)との間のなす角度を意味していてもよい。図1において、アンテナ20の実際の設置位置が位置Aであり、GPSにより算出されたアンテナ20の設置位置が位置Bである場合を想定する。図1に記載の例では、目標物体1(例えば、脅威物体である飛しょう体等)の検出角度(例えば、アンテナの指向方向Dと、アンテナ20から目標物体1に向かう方向とがなす角度)は、角度θである。また、目標物体1までの距離、すなわち、アンテナ20と目標物体1との間の距離は、距離Lである。図1に記載の例において、アンテナの設置位置が、GPSを用いて特定される場合には、目標物体1の位置は、実線で示される位置E(実際の位置)ではなく、破線で示される位置Fにあると計算されてしまう。
【0022】
次に、図2を参照して、ジャイロセンサ等の角度測定装置を用いて、レーダ装置10のアンテナ20の設置角度を特定する場合において、想定される目標物体1の位置特定誤差について説明する。図2に記載の例では、アンテナ20の実際の設置角度は、角度γである。換言すれば、アンテナ20は、実線Jで示される位置に存在する。他方、図2に記載の例では、角度測定装置によって特定されるアンテナの設置角度は、角度γ’(アンテナの指向方向D’と水平方向とのなす角度)である。換言すれば、角度測定装置からの情報に基づいてアンテナの設置角度を算出した場合、アンテナは、破線Kで示される角度に仮想的に存在することとなる。図2に記載の例では、レーダ装置10は、角度θによって示される方向に、目標物体1が存在することを検出する。また、レーダ装置10は、レーダ装置10と目標物体1との間の距離は、距離Lであると算出する。図2に記載の例では、アンテナの設置角度の測定誤差(角度γと角度γ’の差)が存在するために、目標物体1の位置は、実線で示される位置E(実際の位置)ではなく、破線で示される位置Gにあると計算されてしまう。
【0023】
アンテナの設置角度の測定誤差は、例えば、アンテナ面の歪に起因して発生する。アンテナ面の歪に起因する誤差は、例えば、0.01°(0.01deg.)程度である。また、アンテナの設置角度の測定誤差は、例えば、ポインティング誤差(アンテナの自重等によりアンテナの指向方向がずれることに起因する誤差)に起因して発生する。ポインティング誤差は、例えば、0.01°(0.01deg.)程度である。また、レーダ装置のアンテナ20を電波透過性のドームで覆う場合には、アンテナの設置角度の誤差に、レドーム誤差が含まれる。レドーム誤差は、ドームによって、レーダ波が歪められることに起因する誤差である。レドーム誤差は、例えば、0.01°(0.01deg.)程度である。
【0024】
例えば、目標物体1とアンテナ20との間の距離Lが500kmである時、アンテナの設置角度の測定誤差に起因する目標物体の位置特定誤差は、下記の数式(1)を参照して、260m程度となるおそれがある。
【0025】
(数1)
500km×tan{0.01°(面歪)+0.01°(ポインティング誤差)+
0.01°(レドーム誤差)}=260m ・・・ (1)
【0026】
よって、特に、目標物体1とレーダ装置間の距離が長距離である場合(例えば、50km以上、100km以上、あるいは、300km以上である場合)、アンテナの設置角度を校正することにより得られる効果は大きい。例えば、レーダ装置10を、防空レーダとして使用することを想定する。後述のとおり、実施形態では、アンテナの設置角度の校正が適切に行われることにより、目標物体1(脅威物体)の位置を高精度に特定することが可能となる。その結果、防空の任務を有する人員、移動体(航空機、船舶、車両等)、迎撃用飛しょう体(迎撃ミサイル等)をより好適な位置に配置することが可能となる。また、高精度に特定される目標物体1の位置に基づいて、目標物体1と迎撃用兵器(迎撃用ミサイル、迎撃用レーザ等)との会合位置をより正確に算出することが可能となる。迎撃用ミサイルを、より正確な会合位置に向けて飛しょうさせる場合には、ミサイルの終末誘導(ミサイル搭載センサを利用してミサイルを目標物体に向けて誘導すること)に要するミサイルの姿勢変更が小さくて済む。その結果、ミサイルに要求される性能を低下させることが可能となる。例えば、ミサイルに搭載される燃料の低減等により、ミサイルのサイズを小さくすることが可能となる。その結果、迎撃ミサイルの運用が容易となり、また、迎撃ミサイルの製造コストあるいは運用コストが低減される。
【0027】
また、複数のレーダ装置を用いて得られた複数の情報を統合して、目標物体1の検出を行う場合や協調戦闘を行う場合がある。この場合において、目標物体1(脅威物体)の位置を高精度に特定できなければ、第1のレーダ装置で検出された目標物体と、第2のレーダ装置で検出された目標物体とが、同一の1つの目標物体であるのか、あるいは、異なる2つの目標物体であるのかについて、判断をすることができない。この点からみても、アンテナの設置角度の校正が適切に行われることの有用性が把握される。
【0028】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について説明する。図3は、第1の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5、および、アンテナ設置角度の校正方法の概要を説明するための図である。また、図4は、アンテナ設置角度の校正システム5の機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【0029】
アンテナ設置角度の校正システム5は、レーダ装置10と、レーダ装置10の一部を構成するアンテナ20と、アンテナ20の設置角度αを測定する角度測定装置30と、演算装置40とを含む。
【0030】
演算装置40は、アンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する。第1方向は、鉛直方向であってもよいし、他の方向であってもよい。より具体的には、アンテナの第1方向に沿った設置位置は、アンテナの代表点22の第1方向に沿った位置Mである。なお、代表点22の位置は、任意である。第1方向が鉛直方向である場合には、第1方向に沿った位置Mは、代表点22の高度、例えば、代表点22の絶対高度(海抜高度)、あるいは、代表点22の地面からの高度である。
【0031】
演算装置40は、角度測定装置30からアンテナの設置角度αを示すデータを受信することにより、アンテナの設置角度α(設置角度の測定値)を取得する。
【0032】
演算装置40は、観測対象物3の位置を示す第2データを取得する。観測対象物3は、基準位置を与える物体である。観測対象物3は、例えば、月等の天体(地球からの電波等が届く天体)であってもよいし、宇宙空間に存在する人工衛星等であってもよい。観測対象物3の位置(絶対座標)を示すデータは、データベースあるいは他の観測システムから取得することが可能である。
【0033】
演算装置40は、レーダ装置10から受信する受信データに基づいて、アンテナ20に対する観測対象物3の相対位置を示す第3データを算出する。演算装置40は、レーダ装置10から受信する受信データに基づいて、アンテナ20から観測対象物3に向かう方向(例えば、アンテナ20から観測対象物3に向かう方向とアンテナの指向方向との間のなす角度θ)を算出する。また、演算装置40は、レーダ装置10から受信する受信データに基づいて、アンテナ20と観測対象物3との間の距離Lを算出する。なお、距離Lの算出は、アンテナ20からの電波の送信時刻と、観測対象物3によって反射された電波をアンテナ20が受信する受信時刻との差に基づいて行われてもよい。代替的に、距離Lの算出は、レーダ装置10が備える測距装置(例えば、レーザ測距装置)からのデータに基づいて行われてもよい。
【0034】
演算装置40は、第2データが示す観測対象物3の位置(絶対座標)を基準位置として用いながら、第3データに基づいて、アンテナ20の仮想位置を算出する。例えば、第3データが、距離Lと角度θとを含む場合、観測対象物3の位置を基準位置として用いながら、距離Lと角度θとに基づいて、アンテナ20の仮想位置を逆算することが可能である。図3に記載の例では、破線によって示される位置が、アンテナ20の仮想位置P1である。なお、仮想位置P1に仮想的に存在するアンテナについて、アンテナの代表点22の第1方向に沿った位置は、位置Nである。
【0035】
また、演算装置40は、仮想位置P1と、第1データ(例えば、位置Mを示すデータ)とに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出する。図3に記載の例では、位置Mと位置Nとの間のずれの大きさが、アンテナの設置角度の誤差の大きさに対応する。換言すれば、角度測定装置30によって算出されるアンテナの設置角度αが正確な値でないと、位置Mと位置Nとの間のずれが大きくなる。なお、図3に記載の例では、位置Nが、地面より下に位置しており、基準位置から逆算された仮想位置P1は、アンテナの正確な設置位置を表しているとはいえない。
【0036】
図3に記載の例では、位置Mの値、および、距離Lの値が、相対的に正確な値であることを想定している。このため、代表点22の第1方向に沿った位置が、位置Mに一致するように、仮想位置P1における代表点22を、観測対象物3のまわりに仮想的に回転移動させれば、より正確なアンテナの設置位置を取得することができる。仮想的な回転移動の結果、アンテナ20の位置は、破線で示される位置から、実線で示される位置に移動する。演算装置40は、実線で示されるアンテナの位置を、補正により得られた補正後仮想位置P2と決定する。
【0037】
なお、実施形態を3次元に拡張する場合においても、代表点22の第1方向に沿った位置が、位置Mに一致するように、仮想位置P1における代表点22を、観測対象物3のまわりに仮想的に回転移動させることが可能である。この場合、例えば、仮想的な回転移動が、図3の紙面に平行な面における回転移動と、図3の紙面に垂直な面における回転移動とを含むようにすればよい。換言すれば、観測対象物3の位置を中心として、半径が距離Lである球面と第1方向に垂直で位置Mをとおる平面との交線上の任意の点が、補正後仮想位置P2の候補となる。そして、例えば、仮想位置P1から観測対象物3に向かう方向の方位角(水平面内における方位を示す角度)と、補正後仮想位置P2から観測対象物3に向かう方向の方位角とが等しいとの条件に基づいて、複数の候補の中から、補正後仮想位置P2を決定することが可能である。代替的に、複数の候補の中から、仮想位置P1に最も近い位置を、補正後仮想位置P2と決定してもよい。
【0038】
演算装置40は、補正後仮想位置P2と観測対象物3とを結ぶ直線と、仮想位置P1と観測対象物3とを結ぶ直線とのなす角度βに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出してもよい。演算装置40は、例えば、角度αから角度βを減算することにより得られる値(α−β)を、アンテナの設置角度の校正値α’として決定する。
【0039】
あるいは、演算装置40は、実線で示されるアンテナの補正後仮想位置P2と、アンテナ20から観測対象物3に向かう方向(例えば、アンテナ20から観測対象物3に向かう方向とアンテナの指向方向との間のなす角度θ)とに基づいて、アンテナ20の指向方向Dを算出してもよい。そして、演算装置40は、アンテナの指向方向Dによって示される角度α’(例えば、水平方向と、指向方向Dとのなす角度)を、アンテナの設置角度の校正値α’として決定してもよい。
【0040】
第1方向が鉛直方向である場合を想定する。この場合、演算装置40は、仮想位置P1の高さ(位置Nの高さ)が、第1データが示す高さ(位置Mの高さ)よりも低い時、設置角度αの値が小さくなるように、設置角度の校正値α’を算出すればよい。また、演算装置40は、仮想位置の高さ(位置Nの高さ)が、第1データが示す高さ(位置Mの高さ)よりも高い時、設置角度αの値が大きくなるように、設置角度の校正値α’を算出すればよい。ただし、演算装置40は、仮想位置の高さ(位置Nの高さ)が、第1データが示す高さ(位置Mの高さ)と概ね等しい時、換言すれば、仮想位置の高さと第1データが示す高さとの差の絶対値が第1閾値TH1より小さい時、設置角度αの値が維持されるように、設置角度の校正値α’=αを算出してもよい(換言すれば、設置角度を校正しなくてもよい)。
【0041】
なお、演算装置40は、実線で示されるアンテナの補正後仮想位置P2に基づいて、アンテナ20の3次元位置を算出してもよい。すなわち、演算装置40は、観測対象物3の位置(絶対位置)と、距離Lと、第1データ(例えば、位置M)とに基づいて、アンテナ20の3次元位置を算出してもよい。
【0042】
第1の実施形態では、アンテナの設置角度が効果的に校正される。その結果、アンテナの設置角度誤差(上述の面歪に起因する誤差、ポインティング誤差、レドーム誤差等を含む)を効果的に修正することができる。第1の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムによる校正後に、レーダ装置を用いて目標物体(脅威物体)を観測する場合、目標物体(脅威物体)の位置特定誤差が小さくなる。
【0043】
第1の実施形態では、付加的に、アンテナの3次元位置を算出することが可能である。その結果、GPS装置を省略することが可能となる。代替的に、GPS装置を用いて算出されるアンテナの3次元位置を、第1の実施形態のアンテナ設置角度の校正システムを用いて算出されたアンテナの3次元位置に基づいて、効果的に校正することが可能となる。
【0044】
第1の実施形態では、アンテナの設置角度、および/または、アンテナの3次元位置が効果的に校正される。その結果、レーダ装置を用いて目標物体を観測する場合に、目標物体の位置特定誤差が低減される。このため、当該位置特定誤差の低減効果を考慮して、アンテナ性能および/またはアンテナの製作精度を低下させることも可能である。その結果、アンテナの小型化、および/または、アンテナの製造コストの低減が可能となる。
【0045】
図4を参照して、アンテナ設置角度の校正システムの各構成要素について、より詳細に説明する。アンテナ設置角度の校正システム5は、レーダ装置10と、アンテナ20と、角度測定装置30と、演算装置40と、記憶装置50とを備える。アンテナ設置角度の校正システム5は、第1方向位置算出装置60、および/または、GPS装置70を備えていてもよい。アンテナ設置角度の校正システム5は、入力装置80、および/または、出力装置90を備えていてもよい。
【0046】
レーダ装置10は、目標物体1(脅威物体)の位置を特定するための装置である。レーダ装置10は、回路12およびアンテナ20を備える。回路12は、レーダ波を発生するレーダ波発生回路と、目標物体1によって反射された反射レーダ波を受信する受信回路を備えていてもよい。回路12と、回路に給電する電源(図示せず)とは、電気的に接続されている。また、回路12とアンテナ20とは電気的に接続され、アンテナ20は、目標物体1に向かってレーダ波を出射するように構成されている。アンテナ20は、例えば、AESAレーダ用のアンテナであってもよい。なお、AESAは、Active electronically scanned array radarの略称である。AESAレーダ用のアンテナは、例えば、アンテナの素子毎に、回路12(送信器、受信器、位相変換器等)を備えている。AESAレーダ用のアンテナでは、素子貼り付け面の歪等に起因して、ポインティング誤差等が発生する。しかし、第1の実施形態のアンテナ設置角度の校正システムを用いれば、当該ポインティング誤差等が、効果的に修正される。アンテナ20は、パラボラアンテナ、あるいは、八木アンテナ、対数周期アンテナ、軸モードヘリカルアンテナ、コニカルスパイラルアンテナ、ホーンアンテナなど、指向性が高い他方式のアンテナであってもよい。
【0047】
角度測定装置30は、アンテナ20の向きを測定する装置である。角度測定装置30は、例えば、アンテナ20の指向方向と、基準方向(例えば、水平方向)とのなす角度を測定する。なお、実施形態を3次元に拡張する場合、角度測定装置30は、例えば、アンテナの迎角(アンテナの指向方向と水平面とのなす角度)、および、アンテナの方位角(アンテナの指向方向に対応する水平面内の方向、換言すれば、アンテナの指向方向を水平面に投影することにより得られる方向)を測定するようにすればよい。図4に記載の例では、角度測定装置30の少なくとも一部は、アンテナ20とともにピボット24まわりに回動自在に設けられている。角度測定装置30は、例えば、ジャイロセンサを含んでいてもよい。角度測定装置30によって測定されたデータ(アンテナの設置角度に対応するデータ)は、有線または無線を介して、演算装置40に送信される。
【0048】
第1方向位置算出装置60は、アンテナ(アンテナの代表点)の第1方向に沿った設置位置を算出する装置である。第1方向が鉛直方向である場合には、第1方向位置算出装置60は、高度計(例えば、気圧高度計、電波高度計等)であってもよい。代替的に、第1方向位置算出装置60は、GPS装置70によって取得される水平面内の位置データと、マップデータ(水平面内における位置と、地表高度との対応関係を示す地形データ)とを用いて、アンテナの設置高度を算出してもよい。平地上、あるいは、傾斜の小さい土地上にアンテナを設置する場合には、GPS装置70による水平面内の位置測定の誤差が20m程度ある場合であっても、GPS装置70によって取得される位置データを、マップデータと照合することにより得られる地表高度の算出誤差は、相対的に小さい。そして、第1方向位置算出装置60は、算出された地表高度に、地面とアンテナの代表点との間の距離を加算することにより、アンテナの第1方向に沿った設置位置(アンテナの設置高度)を算出する。
【0049】
第1方向位置算出装置60は、算出されたデータを、有線または無線を介して、演算装置40に送信する。なお、演算装置40が、第1方向位置算出装置60の一部または全部の機能を備えていてもよい。なお、第1方向位置算出装置60は、アンテナ(アンテナの代表点)の第1方向に沿った設置位置に加え、アンテナ(アンテナの代表点)の第1方向とは異なる第2方向に沿った設置位置を算出してもよい。ただし、演算装置40は、アンテナ(アンテナの代表点)の第1方向とは異なる第2方向に沿った設置位置のデータを用いることなく、アンテナ設置角度の校正値α’を算出することが可能である。
【0050】
GPS装置70は、GPS衛星との通信により、アンテナ20の位置データを取得する。GPS装置70は、取得したデータを、有線または無線を介して、演算装置40に送信する。
【0051】
演算装置40は、CPU等のハードウェアプロセッサを含む。演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、アンテナ20の第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する第1データ取得手段41として機能する。第1データ取得手段41は、第1方向位置算出装置60からアンテナ設置高度データを受信することにより、第1データを取得してもよい。代替的に、第1データ取得手段41は、GPS装置70から受信する水平面内におけるアンテナの位置データと、記憶装置50に記憶されたマップデータとに基づいて、アンテナの設置高度を算出し、算出されたアンテナの設置高度を第1データとして取得してもよい。
【0052】
また、演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、アンテナの設置角度を取得する設置角度取得手段42として機能する。設置角度取得手段42は、角度測定装置30からアンテナの設置角度を示すデータを受信することにより、アンテナの設置角度αを取得してもよい。
【0053】
また、演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、観測対象物3の位置を示す第2データを取得する第2データ取得手段43として機能する。第2データ取得手段43は、アンテナ設置角度の校正システム5とは異なるシステムから、観測対象物3の位置(絶対位置)を示すデータを受信することにより、第2データを取得してもよい。あるいは、記憶装置50に、観測対象物3(天体あるいは人工衛星等)の軌道データが蓄積されている場合には、演算装置40は、当該記憶装置50に記憶された軌道データおよび現在の時刻に基づいて、観測対象物3の現在位置を算出し、算出された現在位置を第2データとして取得してもよい。
【0054】
また、演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、アンテナ20に対する観測対象物3の相対位置を示す第3データを取得する第3データ取得手段44として機能する。第3データ取得手段44は、レーダ装置10から受信するデータに基づいて、アンテナ20に対する観測対象物3の相対位置(例えば、アンテナ20と観測対象物3との間の距離L、並びに、アンテナ20から見た時の観測対象物3の方向(迎角および方位角))を算出し、算出された相対位置を第3データとして取得してもよい。
【0055】
また、演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、アンテナの仮想位置を算出する仮想位置算出手段45として機能する。仮想位置算出手段45は、第2データが示す観測対象物3の位置を基準位置とする条件下で、アンテナに対する観測対象物3の相対位置を示す第3データに基づいて、アンテナの仮想位置P1を算出する。例えば、第3データが、距離Lとアンテナ20から見た時の観測対象物3の方向とを含む場合、仮想位置算出手段45は、観測対象物3の位置を基準位置とする条件下で、距離L、および、アンテナ20から見た時の観測対象物3の方向に基づいて、アンテナ20の仮想位置P1を逆算する。
【0056】
また、演算装置40は、記憶装置50に記憶されたプログラムを実行することにより、アンテナの設置角度の校正値を算出する校正値算出手段46として機能する。校正値算出手段46は、アンテナ20の仮想位置と、アンテナ20の第1方向に沿った設置位置(例えば、位置M)を示す第1データとに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出する。
【0057】
まず、校正値算出手段46は、アンテナの補正後仮想位置P2を算出する。例えば、校正値算出手段46は、アンテナ20の補正後仮想位置P2と観測対象物3との間の距離が距離Lであるとの制約条件の下、アンテナ20の仮想位置P1を補正して、アンテナの補正後仮想位置P2を算出する。より具体的には、校正値算出手段46は、アンテナ20の補正後仮想位置P2と観測対象物3との距離が距離Lであるとの制約条件の下、補正後仮想位置P2の第1方向に沿った位置と、第1データによって示されるアンテナの第1方向に沿った設置位置(例えば、位置M)との差が、仮想位置P1の第1方向に沿った位置(例えば、位置N)と、第1データによって示されるアンテナの第1方向に沿った設置位置(例えば、位置M)との差より小さくなるように、アンテナの補正後仮想位置P2を算出する。
【0058】
なお、校正値算出手段46は、アンテナの補正後仮想位置P2に基づいて、アンテナの3次元位置を特定してもよい。例えば、校正値算出手段46は、アンテナの補正後仮想位置P2自体を、アンテナの3次元位置として決定してもよい。代替的に、演算装置40が、複数の観測対象物に対応する、複数の補正後仮想位置P2を算出する場合には、当該複数の補正後仮想位置P2の中間位置あるいは重心位置を、アンテナの3次元位置として決定してもよい。なお、校正値算出手段46は、GPS装置70によって取得されるアンテナの3次元位置と、アンテナの補正後仮想位置P2との間の距離を算出し、当該距離が第2閾値TH3(例えば、10m、20mあるいは30m等)以下である時、算出された補正後仮想位置P2に基づいて、アンテナの3次元位置を決定してもよい。すなわち、演算装置40は、GPS装置70によって取得されるアンテナの3次元位置に基づいて、算出された補正後仮想位置P2の信頼性を判断し、算出された補正後仮想位置P2の採否を決定してもよい。
【0059】
次に、校正値算出手段46は、仮想位置P1と、補正後仮想位置P2と、観測対象物3の位置とに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出する。例えば、校正値算出手段46は、補正後仮想位置P2と観測対象物3とを結ぶ直線と、仮想位置P1と観測対象物3とを結ぶ直線とのなす角度βに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出する。
【0060】
記憶装置50は、各種のプログラムを記憶するとともに、演算装置40が演算を行う際に必要な演算データを一時的に記憶する。
【0061】
入力装置80は、例えば、キーボード、マウス等を含む。入力装置80は、ユーザーによって入力されたデータを、演算装置40に送信する。
【0062】
出力装置90は、例えば、ディスプレイ、プリンタ等を含む。出力装置90は、アンテナの設置角度の校正値α’等のデータを、演算装置40から受信し、受信したデータを出力(表示)する。
【0063】
(アンテナ設置角度の校正方法)
図5を参照して、アンテナ設置角度の校正方法について説明する。図5は、アンテナ設置角度の校正方法を示すフローチャートである。アンテナ設置角度の校正方法は、上述のアンテナ設置角度の校正システム5を用いて実行される。
【0064】
第1ステップS1において、演算装置40(第1データ取得手段41)は、アンテナの第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する。
【0065】
第2ステップS2において、演算装置(設置角度取得手段42)は、角度測定装置30からアンテナの設置角度αを示すデータを受信する。
【0066】
第3ステップS3において、演算装置40は、観測対象物3を選定する観測対象物選定処理を実行する。演算装置40は、GPS装置70によって取得されるアンテナ20の位置、および、現在時刻に基づいて、当該位置から観測可能な観測対象物3を自動的に選定するようにしてもよい。代替的に、ユーザーが、観測対象物3を示すデータを入力装置80に入力し、演算装置40は、入力されたデータに基づいて、観測対象物3を選定するようにしてもよい。なお、観測対象物3が、予め決められている場合には、第3ステップS3は、省略されてもよい。
【0067】
第4ステップS4において、演算装置40(第2データ取得手段43)は、観測対象物3の位置を示す第2データを取得する。観測対象物3は、基準位置を与える物体である。
【0068】
第5ステップS5において、演算装置40(第3データ取得手段44)は、レーダ装置10から受信する受信データに基づいて、アンテナ20に対する観測対象物3の相対位置を示す第3データを算出する。例えば、演算装置40は、アンテナ20から観測対象物3に向かう方向、および、アンテナ20と観測対象物3との間の距離Lを算出する。
【0069】
なお、上述の第1ステップS1、第2ステップS2、第3ステップS3、第4ステップS4、第5ステップS5が実行される順番は、任意である。ただし、第3ステップS3を実行する場合には、第3ステップS3は、第4ステップS4より前に実行される必要がある。
【0070】
第6ステップS6において、演算装置40(仮想位置算出手段45)は、第2データが示す観測対象物3の位置(絶対座標)を基準位置として用いながら、第3データに基づいて、アンテナ20の仮想位置P1を算出する。
【0071】
第7ステップS7において、演算装置40(校正値算出手段46)は、アンテナの仮想位置P1と、第1データ(例えば、位置Mを示すデータ)とに基づいて、アンテナの設置角度の校正値α’を算出する。なお、校正値α’の算出の具体的な方法は、上記にて説明のとおりであるので、繰り返しとなる説明は省略する。また、アンテナの仮想位置P1の第1方向に沿った位置(例えば、位置N)と、第1データによって示される位置(例えば、位置M)との間の差の絶対値が第1閾値TH1より小さい時には、演算装置40は、アンテナの設置角度αを校正しなくてもよい。
【0072】
なお、第7ステップS7において、演算装置40(校正値算出手段46)は、付加的に、観測対象物3の位置(絶対位置)と、距離Lと、第1データとに基づいて、アンテナ20の3次元位置を算出してもよい。なお、アンテナ20の3次元位置の算出の具体的な方法は、上記にて説明のとおりであるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0073】
アンテナ設置角度の校正終了後、演算装置40は、目標物体1(脅威物体)を検出するレーダ装置10から受信するデータと、アンテナの設置角度の校正値α’と、アンテナ20の3次元位置とに基づいて、目標物体1の位置を特定する。第1の実施形態では、アンテナの設置角度が上述の方法により校正されている。このため、レーダ装置10を用いて、目標物体1の位置を、より高精度に特定することが可能となる。付加的に、第1の実施形態では、GPS装置70によるアンテナの3次元位置の算出に代えて、あるいは、GPS装置70によるアンテナの3次元位置の算出に加えて、観測対象物3の位置と、距離Lと、第1データとに基づいて、アンテナの3次元位置が算出される。よって、アンテナの3次元位置がより高精度に特定されるため、レーダ装置10を用いて、目標物体1の位置を、より高精度に特定することが可能となる。
【0074】
なお、上述の第1ステップS1乃至第7ステップS7を複数回実行して、アンテナの設置角度の校正値α’が、複数回が算出されてもよい。この場合、演算装置40は、算出された複数の校正値α’に基づいて、アンテナの設置角度の最終的な校正値を決定する。例えば、演算装置40は、複数の校正値α’の平均値を、アンテナの設置角度の最終的な校正値として決定する。付加的に、上述の第1ステップS1乃至第7ステップS7を複数回実行して、アンテナの3次元位置が、複数回算出されてもよい。この場合、演算装置40は、算出された複数の3次元位置に基づいて、アンテナの3次元位置を最終的に決定する。例えば、演算装置40は、複数の3次元位置の重心を、アンテナの最終的な3次元位置として決定してもよい。
【0075】
(第2の実施形態)
図6、および、図7を参照して、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム、および、アンテナ設置角度の校正方法について説明する。図6は、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5、および、アンテナ設置角度の校正方法の概要を説明するための図である。図7Aおよび図7Bは、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正方法を示すフローチャートである。
【0076】
第2の実施形態では、観測対象物3に加え、第2観測対象物3−2を用いて、アンテナの設置角度αの校正が実行される。なお、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5を構成する構成要素は、第1の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システムを構成する構成要素と同じである。すなわち、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5として、図4に記載のアンテナ設置角度の校正システム5を採用することができる。このため、アンテナ設置角度の校正システム5の各構成要素についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0077】
図6を参照して、第2観測対象物3−2は、観測対象物3とは異なる物体である。第2観測対象物3−2は、例えば、月等の天体(地球からの電波が届く天体)であってもよいし、宇宙空間に存在する人工衛星等であってもよい。第2観測対象物3−2の位置(絶対座標)を示すデータは、データベースあるいは他の観測システムから取得することが可能である。
【0078】
第2観測対象物3−2は、観測対象物3の観測後に観測される観測対象物である。より具体的には、第2観測対象物3−2は、図5を参照して説明された上述の第1ステップS1乃至第7ステップS7の実行後に観測される観測対象物である。
【0079】
図6図7A、および、図7Bを参照して、第2の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正方法について説明する。第1ステップS1乃至第7ステップS7は、第1の実施形態のアンテナ設置角度の校正方法における第1ステップS1乃至第7ステップS7と同様であるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0080】
第8ステップS8において、演算装置40は、アンテナ20の第1方向に沿った設置位置を示す第1データを取得する。なお、第1データとして、第1ステップS1において取得された第1データを用いる場合には、第8ステップS8は省略される。第9ステップS9において、演算装置40は、角度測定装置30からアンテナ20の設置角度αを示すデータを受信する。なお、設置角度αを示すデータとして、第2ステップS2において取得されたデータを用いる場合には、第9ステップS9は省略される。
【0081】
第10ステップS10において、演算装置40は、第2観測対象物3−2を選定する第2観測対象物選定処理を実行する。演算装置40は、GPS装置70によって取得されるアンテナの位置、および、現在時刻に基づいて、当該位置から観測可能な第2観測対象物3−2を自動的に選定するようにしてもよい。なお、第2観測対象物3−2は、観測対象物3とは異なる物体である。
【0082】
第11ステップS11において、演算装置40は、第2観測対象物3−2の位置を示す第4データを取得する。第2観測対象物3−2は、基準位置(第2基準位置)を与える物体である。第4データの取得方法は、観測対象物が観測対象物3ではなく第2観測対象物3−2である点を除き、第2データの取得方法と同様である。
【0083】
第12ステップS12において、演算装置40は、レーダ装置10から受信する受信データに基づいて、アンテナ20に対する第2観測対象物3−2の相対位置を示す第5データを算出する。例えば、演算装置40は、アンテナ20から第2観測対象物3−2に向かう方向、および、アンテナ20と第2観測対象物3−2との間の距離L2を算出する。第5データの取得方法は、観測対象物が観測対象物3ではなく第2観測対象物3−2である点を除き、第3データの取得方法と同様である。なお、図6において、角度θ2は、アンテナ20から第2観測対象物3−2に向かう方向と、アンテナの指向方向との間のなす角度である。
【0084】
上述の第8ステップS8、第9ステップS9、第10ステップS10、第11ステップS11、第12ステップS12が実行される順番は、任意である。ただし、第10ステップS10を実行する場合には、第10ステップS10は、第11ステップS11より前に実行される必要がある。
【0085】
第13ステップS13において、演算装置40は、第4データが示す第2観測対象物3−2の位置(絶対座標)を基準位置として用いながら、第5データに基づいて、アンテナ20の第2仮想位置P1−2を算出する。第2仮想位置P1−2の算出方法は、観測対象物が観測対象物3ではなく第2観測対象物3−2であり、第2データが第4データに置換され、第3データが第5データに置換されている点を除き、仮想位置P1の算出方法と同様である。
【0086】
第14ステップS14において、演算装置40は、アンテナの第2仮想位置P1−2と、第1データ(例えば、位置Mを示すデータ)とに基づいて、アンテナの設置角度の第2校正値α’’を算出する。なお、第2校正値α’’の算出の具体的な方法は、観測対象物が観測対象物3ではなく第2観測対象物3−2であり、第2データが第4データに置換され、第3データが第5データに置換され、仮想位置P1が、第2仮想位置P1−2に置換されている点を除き、校正値α’の算出方法と同様である。
【0087】
なお、第14ステップS14において、演算装置40は、付加的に、第2観測対象物3−2の位置(絶対位置)と、距離L2と、第1データとに基づいて、アンテナ20の3次元位置を算出してもよい。なお、アンテナ20の3次元位置の算出の具体的な方法は、上記にて説明のとおりであるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0088】
第15ステップS15において、演算装置40は、校正値α’と第2校正値α’’とに基づいて、アンテナの設置角度の最終的な校正値を算出する。例えば、演算装置40は、校正値α’と第2校正値α’’との平均値を、最終的なアンテナの設置角度の校正値として決定してもよい。付加的に、演算装置40は、第7ステップS7において算出されるアンテナの3次元位置である第1算出位置と、第14ステップにおいて算出されるアンテナの3次元位置である第2算出位置とに基づいて、最終的なアンテナの3次元位置を算出してもよい。例えば、演算装置40は、第1算出位置と第2算出位置との中間位置を、最終的なアンテナの3次元位置と決定してもよい。
【0089】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。加えて、第2の実施形態では、演算装置40は、目標物体1(脅威物体)を検出するレーダ装置10から受信するデータと、アンテナの設置角度の校正値α’および第2校正値α’’と、アンテナ20の3次元位置とに基づいて、目標物体1の位置を特定する。このため、レーダ装置10を用いて、目標物体1の位置を、更により高精度に特定することが可能となる。付加的に、第2の実施形態では、アンテナの3次元位置が、第1算出位置と第2算出位置とに基づいて算出される。よって、アンテナの3次元位置がより高精度に特定されるため、レーダ装置10を用いて、目標物体1の位置を、更により高精度に特定することが可能となる。
【0090】
なお、第2の実施形態では、2つの観測対象物が観測されているが、代替的に、3つ以上の観測対象物が観測されるようにしてもよい。
【0091】
(第3の実施形態)
図8を参照して、第3の実施形態について説明する。図8は、第3の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5を模式的に示す図である。第3の実施形態では、アンテナ設置角度の校正システム5が、アンテナ20が取り付けられた車両100を含む。その他の点では、第3の実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様である。なお、第1方向が鉛直方向である場合には、第1方向に沿った位置Mは、アンテナ20の代表点22の高度、例えば、代表点22の絶対高度、あるいは、代表点22の地面からの高度である。
【0092】
(第4の実施形態)
図9を参照して、第4の実施形態について説明する。図9は、第4の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5を模式的に示す図である。第4の実施形態では、アンテナ設置角度の校正システム5が、アンテナ20が取り付けられた船舶200を含む。その他の点では、第4の実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様である。なお、第1方向が鉛直方向である場合には、第1方向に沿った位置Mは、アンテナ20の代表点22の高度、例えば、代表点22の絶対高度、あるいは、代表点22の水面(海面等)からの高度である。
【0093】
(第5の実施形態)
図10を参照して、第5の実施形態について説明する。図10は、第5の実施形態におけるアンテナ設置角度の校正システム5を模式的に示す図である。第5の実施形態では、アンテナ設置角度の校正システム5が、アンテナ20が取り付けられた飛しょう体300(例えば、航空機)を含む。その他の点では、第5の実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様である。なお、第1方向が鉛直方向である場合には、第1方向に沿った位置Mは、アンテナ20の代表点22の高度、例えば、代表点22の絶対高度、あるいは、代表点22の地面または水面からの高度である。
【0094】
第3の実施形態乃至第5の実施形態では、アンテナ設置角度の校正システムが、アンテナが取り付けられた移動体を含む。このため、移動体の移動後、アンテナ等を移動体から積み下ろすことなく、アンテナ設置角度の校正方法を速やかに実行することが可能となる。また、アンテナ設置角度が校正されたレーダ装置を用いて、速やかに、目標物体を観測することが可能となる。
【0095】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態又は変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態又は変形例にも適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 :目標物体
3 :観測対象物
3−2 :第2観測対象物
5 :校正システム
10 :レーダ装置
12 :回路
20 :アンテナ
22 :代表点
24 :ピボット
30 :角度測定装置
40 :演算装置
41 :第1データ取得手段
42 :設置角度取得手段
43 :第2データ取得手段
44 :第3データ取得手段
45 :仮想位置算出手段
46 :校正値算出手段
50 :記憶装置
60 :第1方向位置算出装置
70 :GPS装置
80 :入力装置
90 :出力装置
100 :車両
200 :船舶
300 :飛しょう体
P1 :仮想位置
P1−2 :第2仮想位置
P2 :補正後仮想位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10