(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数個のグラフェン・ナノパーティクルのサイズは、5ないし30nmであり、前記複数個のグラフェン・ナノパーティクルの層数は、300層以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク組成物。
前記複数個のグラフェン・ナノパーティクルの、ラマン分光によって求められるGモードピークに対する2Dモードピークの強度比が、0.01以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク組成物。
前記複数個のグラフェン・ナノパーティクルの含量は、ハードマスク組成物の総重量を基準にして、0.1ないし40重量%であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク組成物。
前記溶媒が、水、メタノール、イソプロパノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルスルホキシド、キシレン、アニリン、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ガンマブチロラクトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、ジクロロエタン、O−ジクロロベンゼン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、亜硝酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソケトン、ヒドロキシメチルセルロース及びヘプタンからなる群から選択された1以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードマスク組成物。
前記被エッチング膜上部に、前記ハードマスク組成物を供給し、グラフェン・ナノパーティクルを含むハードマスクを形成する段階が、ハードマスク組成物をスピンコーティング、エアスプレー、電気噴霧、ディップコーティング、スプレーコーティング、ドクターブレード法、バーコーティングのうちから選択された一つによって実施されることを特徴とする請求項16に記載のパターンの形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態による、ハードマスク組成物、及びそれを利用したパターンの形成方法について詳細に説明する。
【0013】
5ないし100nmサイズを有するグラフェン・ナノパーティクル及び溶媒を含むハードマスク組成物が提供される。
【0014】
前記グラフェン・ナノパーティクルは、二次元の板状構造を有するか、あるいは球形化された構造体でもある。例えば、球形化された構造体である。ここで、球形化の意味は、実質的に球形と近い形態をいずれも含む。例えば、球形、楕円形などをいずれも含む。
【0015】
前記グラフェン・ナノパーティクルが球形である場合、「サイズ」は、グラフェン・ナノパーティクルの平均粒径を示す。グラフェン・ナノパーティクルが板状構造を有する場合、「サイズ」は、二次元平面状の直径を示し、グラフェン・ナノパーティクルが楕円形である場合、「サイズ」は、長軸径を示す。前記グラフェン・ナノパーティクルのサイズは、5ないし100nm、例えば、5ないし50nm、具体的には、5ないし30nmである。そして、グラフェン・ナノパーティクルの層数は、300層以下、例えば、100層以下、具体的には、1層ないし20層である。そして、グラフェン・ナノパーティクルの厚みは、100nm以下である。
【0016】
グラフェン・ナノパーティクルのサイズ、層数及び厚みが前記範囲であるとき、ハードマスク組成物の安定性にすぐれる。
【0017】
グラフェン・ナノパーティクルは、エッジサイト(edge site)に存在するエッジ炭素(edge C)と、センターサイト(center site)に存在するセンター炭素(center C)とを含む。エッジ炭素は、sp
3結合構造を有し、センター炭素は、sp
2結合構造を有する。エッジ炭素には、酸素、窒素などの官能基が結合し、センター炭素に比べてエッチング液などに対する反応性が大きい。
【0018】
一実施形態によるナノパーティクルにおいて、エッジ炭素の含量は、20原子%以下、例えば、1.2ないし19.1原子%である。
【0019】
グラフェン・ナノパーティクルにおいて、エッジ炭素及びセンター炭素の含量は、グラフェン・ナノパーティクルにおいて、炭素−炭素結合長を利用して計算可能である。
【0020】
もしグラフェン・ナノパーティクルのサイズが5nm以下であるならば、グラフェン・ナノパーティクルの炭素総量を基準にして、エッジ炭素の含量が20原子%を超え、ハードマスク組成物から形成されたハードマスクのエッチング速度が過度に速くなる。そして、グラフェン・ナノパーティクルのサイズが100nmを超えれば、ハードマスクのエッチング速度は適切に制御されるが、ハードマスク組成物において、グラフェン・ナノパーティクルの分散性が低下してしまう。
グ ラフェン・ナノパーティクルのサイズが5ないし100nmである場合と、その範囲を外れた場合とにおけるエッジ炭素の含量は、下記表1の通りである。
【0022】
前記グラフェン・ナノパーティクルは、0.01ないし40原子%の酸素を含んでもよい。
【0023】
前記酸素の含量は、例えば、6.5ないし19.9原子%で、具体的には、10.33ないし14.28原子%である。酸素の含量は、例えば、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)分析により確認可能である。
【0024】
酸素の含量が前記範囲であるとき、ハードマスク組成物から形成されたハードマスクのエッチング工程において、脱気(degassing)が起こらず、耐エッチング性にすぐれる。
【0025】
グラフェン・ナノパーティクルは、前述の酸素含量を有しており、親水性を有し、他の層に対する結合力が向上し、溶媒分散性が向上し、ハードマスク組成物の製造が容易である。そして、酸素原子を含む機能基の高い結合解離エネルギー(bond dissociation energy)によって、エッチングガスに対する耐エッチング性を向上させることができる。
【0026】
グラフェン・ナノパーティクルのD50、D90及びD1Oは、多様な粒子サイズが分布しているグラフェン・ナノパーティクルを、それぞれ体積比で、50%、90%及び10%まで粒子を累積させたときの粒子サイズを示す。ここで、粒子サイズは、グラフェン・ナノパーティクルが球形である場合には、平均粒径を意味し、グラフェン・ナノパーティクルが球形ではない場合(例えば、楕円形、長方形)には、サイズは、長軸の長さを示す。
【0027】
前記ハードマスクは、可視光線で散乱が起こらず、波長約633nmの領域での透過率が1%以下である。そのように透過率が改善されたハードマスクを使用すれば、ハードマスクパターン及び被エッチング層のパターニングのための整列マーク(align mark)確認がさらに容易になり、微細化及び稠密化されたパターンサイズを有する被エッチング膜パターニングが可能になる。
【0028】
前記ハードマスク中に含有されたグラフェン・ナノパーティクルは、波長約633nmにおいてkが0.5以下、例えば、0.3、具体的には、0.1以下である。参考までに、グラファイトのkは、1.3ないし1.5であり、sp
2結合構造によってのみなるグラフェンは、kが1.1ないし1.3である。
【0029】
kは、消光係数(extinction coefficient)であり、分光エリプソメータ(ellipsometer)測定法によって測定される。グラフェン・ナノパーティクルのkが、前記範囲であるとき、グラフェン・ナノパーティクルを利用して形成されたハードマスクを利用すれば、整列マークの認識が容易である。
【0030】
前記グラフェンは、複数個の炭素原子が、互いに共有結合で連結され、多環芳香族分子を形成したものであり、前記共有結合で連結された炭素原子は、基本反復単位として六員環を形成するが、5員環及び/または7員環をさらに含むことも可能である。その結果、前記グラフェンは、互いに共有結合された炭素原子(通常、sp
2結合)の単一層と見なされる。前記グラフェンは、単一層からもなるが、それらが何層か互いに積層されて複数層を形成することも可能であり、300層以下、例えば、1層ないし100層、具体的には、3層ないし50層の層数を有することができる。
【0031】
グラフェン・ナノパーティクルの層厚は、例えば、0.34ないし100nmである。かような厚みを有するグラフェン・ナノパーティクルは、安定した構造を有する。
【0032】
一実施形態によるナノパーティクルは、完全なC=C/C−C共役構造体というよりは、炭素以外の酸素原子が一部混在する。そして、二次元炭素ナノ構造物の末端には、カルボン酸基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボニル基などが存在する。
【0033】
グラフェン・ナノパーティクルは、溶媒分散性にすぐれ、ハードマスク組成物を製造しやすく、安定性にすぐれる。そして、エッチングガスに対する耐エッチング性が改善される。
【0034】
前記グラフェン・ナノパーティクルの末端には、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボン酸基、カルボニル基、アミン基、イミド基からなる群から選択された1以上の官能基が結合されもする。そのように、グラフェン・ナノパーティクルの末端に、前述の官能基が結合された場合、前述の官能基が、グラフェン・ナノパーティクルの末端以外の中心にも存在する場合に比べ、ハードマスク組成物から形成されたハードマスクは耐エッチング性にすぐれる。
【0035】
前記グラフェン・ナノパーティクルの含量は、組成物総重量を基準にして、0.1ないし40重量%である。グラフェン・ナノパーティクルの含量が前記範囲であるとき、安定性にすぐれて耐エッチング性が改善される。
【0036】
ラマン分析スペクトルにおいて、約1,340cm
−1〜約1,350cm
−1、約1,580cm
−1、約2,700cm
−1においてピークが示される。そのピークは、二次元炭素ナノ構造物の厚み、結晶性及び電荷ドーピング状態に係わる情報を与える。約1,580cm
−1で示されるピークは、「Gモード」というピークであり、それは、炭素−炭素結合のストレッチングに該当する振動モードに起因し、「Gモード」のエネルギーは、二次元炭素ナノ構造物にドーピングされた余剰電荷の密度によって決定される。そして、約2,700cm
−1で示されるピークは、「2Dモード」というピークであり、グラフェン・ナノパーティクルの厚みを評価するときに有用である。前記1,340cm
−1〜約1,350cm
−1で示されるピークは、「Dモード」というピークであり、SP
2結晶構造に欠陥があるときに示されるピークであり、試料のエッジ近辺や試料自体に欠陥が多い場合に主に観察される。そして、Gピーク強度に対するDピーク強度の比(D/G強度比)は、グラフェン・ナノパーティクルの結晶の無秩序度に係わる情報を与える。
【0037】
グラフェン・ナノパーティクルの、ラマン分光分析によって求められるGモードピークに対するDモードピークの強度比(I
D/
IG)は、2以下である。例えば、0.001ないし2.0である。
【0038】
前記グラフェン・ナノパーティクルのラマン分光によって求められるGモードピークに対する2Dモードピークの強度比(I
2D/I
G)が0.01以上である。例えば、0.01ないし1であり、具体的には、0.05ないし0.5である。
【0039】
前述のGモードピークに対するDモードピークの強度比、及びGモードピークに対する2Dモードピークの強度比が前記範囲であるとき、グラフェン・ナノパーティクルの結晶性が比較的高く、欠陥が小さくて結合エネルギーが高くなることにより、それによって形成されたハードマスクの耐エッチング性にすぐれる。
【0040】
グラフェン・ナノパーティクルは、CuKαを利用したX線回折(XRD)実験を行い、X線分析を実施した結果、(002)結晶面ピークを有する二次元層状構造で構成されている。前記(002)結晶面ピークは、20°ないし27゜範囲で示される。
【0041】
前記グラフェン・ナノパーティクルは、X線回折分析によって求められる層間間隔(d−spacing)は、0.3ないし0.7nmであり、例えば、0.334ないし0.478nmである。前述の範囲を満足するとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスク組成物を得ることができる。
【0042】
前記グラフェン・ナノパーティクルは、単層または多層の二次元ナノ結晶質炭素が積層されてなる。
【0043】
一実施形態によるグラフェン・ナノパーティクルは、既存の非晶質炭素膜に対比するとき、sp
2炭素の含量がsp
3に比べて高く、多数の酸素を含んでいる。sp
2炭素結合は、芳香族構造体であり、結合エネルギーがsp
3炭素結合の場合に比べて大きい。
【0044】
sp
3構造は、ダイヤモンドのような炭素の正四面体の三次元的結合構造であり、sp
2構造は、黒鉛の二次元的結合構造であり、炭素対水素の比率(C/H ratio)が上昇し、乾式エッチングに対する耐性を確保することができる。
【0045】
前記二次元炭素ナノ構造物のsp
2炭素分率がsp
3炭素分率に比べて1倍以上、例えば、1.0ないし10であり、具体的には、1.88ないし3.42である。
【0046】
sp
2炭素原子結合構造は、C1s XPS分析上、0原子%以上、例えば、39.7ないし62.5原子%である。かような混合比によってグラフェン・ナノパーティクルを構成する炭素−炭素結合エネルギーが大きく、結合切断(breakage)が困難になる。従って、かようなグラフェン・ナノパーティクルを含んだハードマスク組成物を利用すれば、エッチング工程時、耐エッチング性特性が改善される。そして、隣接した層とハードマスクとの結着力にすぐれる。
【0047】
既存の非晶質炭素を利用して得られたハードマスクは、sp
2を主にする炭素原子結合構造を主に含んでおり、耐エッチング性にはすぐれるが、透明性が低く、整列(alignment)時に問題が生じ、蒸着工程時、パーティクルが多く生ずるという問題があり、sp
3炭素原子結合構造を有するダイヤモンド類似炭素(diamond-like carbon)を利用したハードマスクが開発された。しかし、そのハードマスクドーナツは、耐エッチング性によって工程適用に限界を示した。
【0048】
グラファイトは、1.3〜1.5のk値を有し、sp
2構造によってなるグラフェンは、1.1〜1.3のk値を有する。一実施形態によるグラフェン・ナノパーティクルは、特定波長内において、kが1.0以下、例えば、0.1ないし0.5であり、透明性が良好である。従って、かようなハードマスクを利用すれば、被エッチング層のパターン形成時、整列マークを認識しやすく、さらに精巧であって均一なパターンを形成するだけではなく、非常に優れた耐エッチング性を有する。
【0049】
一実施形態によるハードマスク組成物において溶媒は、グラフェン・ナノパーティクルを分散させることができるものであるならば、いずれも使用可能である。例えば、水、アルコール系溶媒及び有機溶媒のうちから選択された1以上を有することができる。
【0050】
アルコール系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどがあり、有機溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルスルホキシド、キシレン、アニリン、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ガンマブチロラクトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、ジクロロエタン、O−ジクロロベンゼン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、亜硝酸ブチル(butyl nitrite)、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソケトン、ヒドロキシメチルセルロース及びヘプタンのうちから選択された1以上が使用可能である。
【0051】
前記溶媒の含量は、グラフェン・ナノパーティクル100重量部を基準にして、100ないし100,000重量部である。溶媒の含量が前記範囲であるとき、ハードマスク組成物の粘度が適切であって成膜性にすぐれる。
【0052】
前記ハードマスク組成物は、芳香族環含有モノマー、芳香族環含有モノマーを含む反復単位を含む高分子のうちから選択された1つの第1物質、六方晶系窒化ホウ素、カルコゲナイド系物質、及びその前駆体からなる群から選択された1以上の第2物質、またはその混合物をさらに含んでもよい。
【0053】
前記第1物質は、第2物質と結合されない状態でもあり、あるいは第1物質は、化学結合によって第2物質に結合されもする。そのように、化学結合で連結された第1物質と第2物質は、複合体構造を有する。前述の官能基を有する第1物質及び第2物質は、化学反応を介して、第1物質と第2物質とが化学結合を介して連結される。
【0054】
前記化学結合は、例えば、共有結合でもある。ここで、共有結合は、エステル基(−C(=O)O−)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、カルボニル基(−C)=O)−)、アミド基(−C(=O)NH−)のうち少なくとも一つを含む。
【0055】
前記第1物質及び第2物質は、ヒドロキシル基、カルボン酸基、アミノ基、−Si(R
1)(R
2)(R
3)(R
1、R
2及びR
3は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル基、C
1−C
30アルキル基、C
1−C
30アルコキシ基、C
6−C
30アリール基、C
6−C
30アリールオキシ基、またはハロゲン原子)、チオール基(−SH)、−Cl、−C(=O)Cl、−SCH
3、グリシジルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基、グリシジルオキシ基、アルデヒド基、エポキシ基、イミノ基、ウレタン基、エステル基、アミド基、イミド基、アクリル基、メタクリル基、−(CH
2)
nCOOH(n=1ないし10の整数)、−CONH
2、感光性官能基を有するC
1−C
30飽和有機基、及び感光性官能基を有するC
1−C
30不飽和有機基からなる群から選択された1以上を含む。
【0056】
前記芳香族環含有モノマーは、下記化学式1で表示されるモノマー、及び下記化学式2で表示されるモノマーからなる群から選択された1以上である。
【0058】
前記化学式1で、Rは、一置換されるか(mono-substituted)多置換された(multi-substituted)置換基であって、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、イソシアネート基、グリシジルオキシ基、カルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、シロキサン基、エポキシ基、イミノ基、ウレタン基、エステル基、エポキシ基、アミド基、イミド基、アクリル基、メタクリル基、置換もしくは非置換のC
1−C
30飽和有機基、及び置換もしくは非置換のC
1−C
30不飽和有機基からなる群から選択された1以上である。
Rは、前述の基以外に、一般的な感光性官能基でもある。
【0059】
前記C
1−C
30飽和有機基及びC
1−C
30不飽和有機基は、感光性官能基を有することができる。ここで、感光性官能基としては、例えば、エポキシ基、アミド基、イミド基、ウレタン基、アルデヒド基などを挙げることができる。
【0060】
C
1−C
30飽和有機基及びC
1−C
30不飽和有機基の例としては、置換もしくは非置換のC
1−C
30アルキル基、置換もしくは非置換のC
1−C
30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
2−C
30アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2−C
30アルキニル基、置換もしくは非置換のC
6−C
30アリール基、置換もしくは非置換のC
6−C
30アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
4−C
30炭素環基、置換もしくは非置換のC
4−C
30炭素環オキシ基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロ環基などがある。
【0061】
前記化学式1でRの結合位置は、制限されない。そして、Rは、便宜上一つを示したが、置換可能な位置にいずれも置換される。
【0063】
前記化学式2で、A及びA’は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、前記化学式1で表示されるモノマーのうちから選択された一つから派生した一価有機基(monovalent organic group)であり、
【0064】
Lは、リンカー(linker)として単一結合を示すか、あるいは置換もしくは非置換のC
1−C
30アルキレン基、置換もしくは非置換のC
2−C
30アルケニレン基、置換もしくは非置換のC
2−C
30アルキニレン基、置換もしくは非置換のC
7−C
30アリーレンアルキレン基、置換もしくは非置換のC
6−C
30アリーレン基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリーレンアルキレン基、置換もしくは非置換のC
1−C
30アルキレンオキシ基、置換もしくは非置換のC
7−C
30アリーレンアルキレンオキシ基、置換もしくは非置換のC
6−C
30アリーレンオキシ基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリーレンオキシ基、置換もしくは非置換のC
2−C
30ヘテロアリーレンアルキレンオキシ基、−C(=O)−及び−SO
2−からなる群から選択される。
【0065】
前記Lの置換されたC
1−C
30アルキレン基、置換されたC
2−C
30アルケニレン基、置換されたC
2−C
30アルキニレン基、置換されたC
7−C
30アリーレンアルキレン基、置換されたC
6−C
30アリーレン基、置換されたC
2−C
30ヘテロアリーレン基、置換されたC
2−C
30ヘテロアリーレンアルキレン基、置換されたC
1−C
30アルキレンオキシ基、置換されたC
7−C
30アリーレンアルキレンオキシ基、置換されたC
6−C
30アリーレンオキシ基、置換されたC
2−C
30ヘテロアリーレンオキシ基、置換されたC
2−C
30ヘテロアリーレンアルキレンオキシ基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、イソシアネート基、グリシジルオキシ基、カルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、シロキサン基、エポキシ基、イミノ基、ウレタン基、エステル基、エポキシ基、アミド基、イミド基、アクリル基、メタクリル基のうちから選択された1以上の置換基でも置換される。
前述の置換基以外に、感光性官能基でも置換可能である。
【0066】
第1物質は、下記化学式3で表示される化合物、及び化学式4で表示される化合物からなる群から選択された1以上である。
【0068】
前記化学式3で、Rは、前記化学式1で定義された通りである。
【0070】
前記化学式4で、Rは、前記化学式1で定義された通りであり、
Lは、前記化学式2で定義された通りである。
前記化学式でRの結合位置は、制限されるものではない。そして、Rは、便宜上一つを示しているが、置換可能な位置にいずれも置換される。
【0071】
芳香族環含有モノマーを含む反復単位を含む高分子の重量平均分子量は、300ないし30,000である。かような重量平均分子量を有する高分子を利用すれば、薄膜形成が容易であって透明なハードマスクを形成することができる。
【0072】
前記第1物質は、例えば、下記化学式5で表示される化合物である。
【0074】
前記化学式5で、Aは、置換もしくは非置換のC
6−C
30アリーレン基であり、
Lは、単一結合、または置換もしくは非置換のC
1−C
60アルキレン基で、nは、1ないし5である。
【0075】
前記アリーレン基は、下記グループ1に羅列された基のうちから選択された一つである。
【化6】
【0076】
前記化学式5の化合物は、例えば、化学式7aないし7cで表示される。
【0080】
前記化学式7a、7bまたは7cで、L
1ないしL
4は、それぞれ独立に、単一結合、または置換もしくは非置換のC
1−C
60アルキレン基である。
【0081】
第1物質は、下記化学式7dないし7fで表示される化合物のうちから選択される。
【0085】
第1物質は、下記化学式8で表示される共重合体でもある。
【0087】
前記化学式8で、R
1は、置換もしくは非置換のC
1−C
10アルキレン基であり、R
2、R
3、R
7及びR
8は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、線状・分枝状または環状のC
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基またはC
6−C
30アリール基、またはそれらの混合物であり、R
4、R
5及びR
6は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C
1−C
4アルキルエーテル基、C
8−C
20フェニルジアルキレンエーテル基、またはそれらの混合物であり、R
9は、C
1−C
20アルキレン基、C
8−C
20フェニルジアルキレン基、C
7−C
20ヒドロキシフェニルアルキレン基、またはそれらの混合物であり、x、yは、A部分内の2つの反復単位の比率であり、0以上1以下であり、x+y=1であり、nは、1ないし200の整数であり、mは、1ないし200の整数である。
【0088】
第2物質は、下記化学式8aで表示される反復単位を含む高分子、化学式8bまたは化学式8cで表示される高分子である。
【0090】
前記化学式8aで表示される反復単位を含む高分子の重合度が1ないし200である。前記化学式8aで、xは0.2であり、yは0.8である。
【0092】
前記化学式8bで、xは0.2であり、yは0.8であり、n=90、m=10である。
【0094】
前記化学式8cで、xは0.2であり、yは0.8であり、n=90、m=10である。
【0095】
前記第1物質は、下記化学式9または化学式10で表示される共重合体でもある。
【0098】
前記化学式9及び10で、m、nは、それぞれ1以上190以下の整数であり、R
1は、水素(−H)、ヒドロキシ基(−OH)、C
1−C
10アルキル基、C
6−C
10アリール基、アリル基及びハロゲン原子のうちいずれか一つであり、R
2は、下記化学式10Aで表示される基、フェニル、クリセン、ピレン、フルオロアントレン、アントロン、ベンゾフェノン、チオキサントン、アントラセン、及びそれらの誘導体のうちいずれか一つであり、R
3は、共役ジエン(conjugated diene)であり、R
4は、不飽和ジエノフィル(unsaturated dienophile)である。
【0100】
前記共重合体は、下記化学式11ないし14で表示される高分子でもある。
【0102】
前記化学式11で、m、nは、それぞれ1ないし190の整数であり、例えば、m+n=21、重量平均分子量(Mw)=10,000、多分散度=2.1である。
【0104】
前記化学式12で、m、nは、それぞれ1ないし190の整数であり、例えば、m+n=2であり、重量平均分子量(Mw)は、約11,000であり、多分散度は2.1である。
【0106】
前記化学式13で、m、n、lは、それぞれ1ないし190の整数であり、例えば、重量平均分子量(Mw)は、約10,000であり、多分散度は1.9であり、l+m+n=21、n+m:l=2:1である。
【0108】
前記化学式14で、m、nは、1ないし190の整数であり、重量平均分子量(Mw)は、約10,000であり、多分散度は、約2.0であり、nは、約20である。
【0109】
前述のグラフェン・ナノパーティクルは、SiO
2、SiNのような材料層をエッチングするために使用されるエッチングガスであるC
xF
yガスに対する反応性が非常に低く、耐エッチング性を高めることができる。そして、SiO
2及びSiN
xに対する反応性が低いエッチングガスであるSF
6あるいはXeF
6を使用する場合には、エッチング性が良好であり、アッシング(ashing)が容易である。それだけではなく、前記二次元層状ナノ構造物は、バンドギャップを有した材料であり、透明性を保有しており、追加のアライン(align)マスクの必要なしに工程進行が可能であるという容易性を有している。
【0110】
六方晶系窒化ホウ素誘導体は、六方晶系窒化ホウ素(h−BN)または六方晶系炭窒化ホウ素(h−B
xC
yN
z)(ここで、x、y及びzの和は、3である)であり、六角環状に、B及びNの原子が規則的に形成されているか、あるいは六角環状を維持した状態で、B及びNの原子の一部が炭素で置換された形態である。
【0111】
金属カルコゲナイド系物質は、最小限1つの16族(カルコゲン)元素と、1以上の陽電性(electropositive element:電気的陽性元素)元素とから構成された化合物であり、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、鉛(Pb)のうち1つの金属元素と、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)のうち1つのカルコゲン元素と、を含む。
【0112】
前記カルコゲナイド系物質は、硫化モリブデン(MoS
2)、セレン化モリブデン(MoSe
2)、テルル化モリブデン(MoTe
2)、硫化タングステン(WS
2)、セレン化タングステン(WSe
2)、テルル化タングステン(WTe
2)のうちから選択された一つである。例えば、カルコゲナイト系物質は、硫化モリブデン(MoS
2)である。
【0113】
金属酸化物は、例えば、二次元層状構造を有するMoO
3、WO
3、V
2O
5のうちから選択された1以上である。
【0114】
前述の六方晶系窒化ホウ素は、平面六方晶系結晶構造に、相互に位置したホウ素原子と窒素原子とからなる。六方晶系窒化ホウ素の層間構造は、隣接しているホウ素原子と窒素原子とが2つの原子の極性によって互いに重畳される構造、すなわち、ABスタッキングである。ここで、六方晶系窒化ホウ素は、ナノレベルの薄シートが層状に重なっている層状構造を有することができ、前記層状構造を分離または剥離し、単層または多層の六方晶系窒化ホウ素シートを含む。
【0115】
一実施形態による六方晶系窒化ホウ素は、ラマン分光スペクトルにおいて、約1,360cm
−1でピークを示す。かようなピーク位置は、六方晶系窒化ホウ素の層数に係わる情報を与える。六方晶系窒化ホウ素は、AFM(atomic force microscopic)、ラマン分光分析及びTEM(transmission electron microscope)分析などを介して、単層または多層の六方晶系窒化ホウ素がナノシート構造を有するということが分かる。
【0116】
六方晶系窒化ホウ素は、CuKαを利用したX線回折実験を行い、X線分析を実施した結果、(002)結晶面ピークを有する二次元層状構造によって構成されている。前記(002)結晶面ピークは、20°ないし27゜範囲で示される。
【0117】
前記六方晶系窒化ホウ素は、X線回折分析によって求められる層間間隔は、0.3ないし0.7nmであり、例えば、0.334ないし0.478nmである。そして、X線回折分析によって求められる結晶の平均粒径は、1nm以上、例えば、23.7ないし43.9Åである。前述の範囲を満足するとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスク組成物を得ることができる。
【0118】
前記六方晶系窒化ホウ素は、単層または多層の二次元窒化ホウ素が積層されてなる。
【0119】
以下、一実施形態による、ハードマスク組成物を利用してハードマスクを製造する方法について説明すれば、次の通りである。
【0120】
一実施形態によるハードマスク組成物は、グラフェン・ナノパーティクル及び溶媒を含む。
前記ハードマスク組成物は、安定性に非常に優れる。
【0121】
前記ハードマスク組成物を被エッチング膜上部にコーティングする過程中、またはそのコーティング後に熱処理を実施することができる。かような熱処理段階は、被エッチング膜の材料などによって異なり、例えば、30℃ないし1,500℃範囲である。
【0122】
前記熱処理は、不活性ガス雰囲気及び真空で実施される。
【0123】
熱処理過程の熱源としては、誘導加熱(induction heating)、放射熱、レーザ、赤外線、マイクロウェーブ、プラズマ、紫外線、表面プラズモン加熱(surface Plasmon heating)などを使用することができる。
【0124】
前記不活性雰囲気としては、窒素ガス及び/またはアルゴンガスなどを混合して使用することができる。
【0125】
前記熱処理段階を経て溶媒を除去し、グラフェンのc軸整列過程が進められる。次に、溶媒が除去された結果物を、400℃以下、例えば、100ないし400℃でベーキングする過程を経る。かようなベーキング過程を経た後、800℃以下、例えば、400ないし800℃で熱処理する段階をさらに経る。
【0126】
前記熱処理段階において、熱的還元工程が進められる。かような熱的還元過程を経れば、グラフェン・ナノパーティクルの酸素含量が減少する。
【0127】
他の一実施形態によれば、前述のベーキング過程を経ずに、熱処理段階のみを遂行することも可能である。
【0128】
前述の熱処理温度及びベーキング温度が前記範囲であるとき、耐エッチング性にすぐれるハードマスクを製造することができる。
【0129】
前記熱処理及びベーキングを行う段階において、昇温速度は、1ないし1,000℃/minである。かような昇温速度範囲であるとき、急激な温度変化によって蒸着された膜が損傷される心配がなく、工程効率にすぐれる。
【0130】
前記ハードマスクの厚みは、10nmないし10,000nmである。
【0131】
以下、グラフェン・ナノパーティクルの製造方法について説明する。
【0132】
最初の製造方法によれば、グラファイトに層間挿入物を挿入(intercalation)し、グラファイト挿入化合物(GIC:graphite intercalation compound)を得て、そこからグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。
【0133】
前記層間挿入物としては、例えば、酒石酸カリウムナトリウム(potassium sodium tartrate)を使用する。層間挿入物として酒石酸カリウムナトリウムを使用すれば、溶媒熱反応において、さらなる界面活性剤または溶媒なしにグラファイトに挿入され、グラファイト挿入化合物を得て、結果物の粒子サイズを選別する過程を介して、目的とするグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。酒石酸カリウムナトリウムは、層間挿入物及び溶媒の役割を同時に行うことができる。
【0134】
前記溶媒熱反応は、例えば、オートクレーブで進められる。溶媒熱反応は、例えば、25ないし400℃、具体的には、約250℃で実施する。
【0135】
出発物質として使用するグラファイトとしては、天然グラファイト(natural graphite)、キッシュグラファイト(kish graphite)、人造グラファイト(synthetic graphite)、膨脹グラファイト(expandable graphiteまたはexpanded graphite)、またはそれらの混合物を使用することができる。
【0136】
第2の製造方法は、官能基が結合されたグラフェン・ナノパーティクルを製造する方法であり、前記官能基は、例えば、ヒドロキシル基である。ヒドロキシが結合されたグラフェン・ナノパーティクルは、溶媒に対する溶解度特性にすぐれ、その応用範囲が広い
【0137】
一実施形態による、ヒドロキシが結合されたグラフェン・ナノパーティクルの製造方法は、次の通りである。
【0138】
多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon)に対して、アルカリ水溶液条件下で、水熱融解(hydrothermal fusion)反応を実施すれば、単結晶を有するグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。
【0139】
前記アルカリ水溶液条件下での水熱融解反応は、90ないし200℃範囲で実施する。かような水熱融解反応において、OH
−のようなアルカリ種(alkaline species)が存在すれば、水素の除去、縮合(condensation)、または黒鉛化(graphitization)及びエッジ官能化(edge functionalization)が起こる。
【0140】
前記多環芳香族炭化水素としては、ピレン、1−ニトロピレンなどを挙げることができる。
【0141】
前述の水熱融解反応を実施する以前、多環芳香族炭化水素の窒化反応(nitration reaction)を実施する。かような窒化反応は、熱硝酸(hot HNO
3)を利用して実施することができる。
【0142】
前述の水熱融解反応時には、NH
3、NH
2NH
2のようなアミン系物質を付加することができる。かような物質を付加すれば、水溶性OH
−、及びアミン官能化されたグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。
【0143】
第3の製造方法によれば、グラファイトを酸処理して得ることができる。例えば、グラファイトに酸及び酸化剤を添加して加熱して反応させ、それを室温(25℃)に冷却し、グラフェン・ナノパーティクル前駆体含有混合物を得る。その前駆体含有混合物に酸化剤を添加して酸化させる過程を経た後、それをワークアップする過程を介して、目的とするグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。
【0144】
前記酸としては、例えば、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、フッ化水素酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、m−クロロベンゾ酸及びその混合物を利用することができる。そして、前記酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、過塩素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及びその混合物を利用することができる。前記酸及び酸化剤の例は、前述の通りである。酸化剤の含量は、例えば、グラファイト100重量部に対して、0.00001ないし30重量部である。
【0145】
前述のグラファイトに、酸及び酸化剤を添加して加熱する反応は、例えば、マイクロ波を利用して実施することができる。マイクロ波は、50ないし1,500Wの出力、2.45ないし60GHzの振動数を有する。前記マイクロ波を印加する時間は、マイクロ波の振動数によって異なるが、例えば、10ないし30分間マイクロ波を印加する。
【0146】
前記ワークアップ過程は、酸化過程を経た反応結果物を常温に調節した後、そこに脱イオン水(deionized water)を付加して反応混合物を希釈させ、そこに塩基を付加して中和反応を実施する過程を含む。
【0147】
また、ワークアップ過程は、前記中和反応を実施した結果物から、粒子選別過程を介して、目的とするグラフェン・ナノパーティクルを得ることができる。
【0148】
図1Aないし
図1Eを参照し、一実施形態による、ハードマスク組成物を利用したパターンの形成方法について説明する。
【0149】
図1Aを参照し、基板10上に、被エッチング膜11を形成する。前記被エッチング膜11上部に、グラフェン・ナノパーティクル及び溶媒を含むハードマスク組成物を供給し、ハードマスク12を形成する。
【0150】
ハードマスク組成物を供給する過程は、ハードマスク組成物をスピンコーティング、エアスプレー、電気噴霧(electrospary)、ディップコーティング(dip coating)、スプレーコーティング(spray coating)、ドクターブレード法、バーコーティング(bar coating)のうちから選択された一つによって実施される。
【0151】
一実施形態によれば、前記ハードマスク組成物を供給する段階は、スピンオン・コーティング(spin-on coating)法によって塗布される。そのとき、ハードマスク組成物の塗布厚は、限定されるものではないが、例えば、10ないし10,000nmの厚み、具体的には、10ないし1,000nmの厚みに塗布される。
【0152】
前記基板としては、特別に制限されるものではなく、例えば、Si基板、ガラス基板、GaN基板、シリカ基板、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ウラン(U)、バナジウム(V)及びジルコニウム(Zr)のうちから選択された1以上を含む基板、高分子基板のうちから選択された1以上を使用することができる。
【0153】
前記ハードマスク12上部に、フォトレジスト膜13を形成する。
【0154】
図1Bに図示されているように、前記フォトレジスト膜13を、通常の方法で露光及び現像し、フォトレジストパターン13aを形成する。
【0155】
フォトレジスト膜を露光する段階は、例えば、ArF、KrFまたはEUV(extreme ultraviolet)などを使用して遂行することができる。そして、露光後、約200ないし500℃で熱処理工程を遂行することができる。
【0156】
前記現像時、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液のような現像液を利用することができる。
【0157】
その後、フォトレジストパターン13aをエッチングマスクにしてハードマスク12をエッチングし、前記被エッチング膜11上部に、ハードマスクパターン12aを形成する(
図1C)。
【0158】
前記ハードマスクパターンの厚みは、10nmないし10,000nmである。かような厚み範囲を有するとき、膜均一性にすぐれるだけではなく、耐エッチング性にもすぐれる。
【0159】
エッチングは、例えば、エッチングガスを利用した乾式エッチング法によって行われる。エッチングガスとしては、例えば、CF
4、CHF
3、Cl
2及びBCl
3のうちから選択された1以上を使用する。
【0160】
一実施形態によれば、エッチングガスとして、C
4F
8及びCHF
3の混合ガスを利用し、それらの混合比は、1:10ないし10:1体積比である。
【0161】
前記被エッチング膜は、複数のパターンによって形成される。複数のパターンは、金属パターン、半導体パターン、絶縁体パターンのように多様である。例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンに適用される。
【0162】
前記被エッチング膜11は、最終的にパターンする材料を含み、例えば、アルミニウム、銅のような金属層、シリコンのような半導体層、または酸化ケイ素、窒化ケイ素のような絶縁層でもある。被エッチング膜11は、スパッタリング、電子ビーム蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着などの多様な方法によって形成される。被エッチング膜11は、例えば、化学気相蒸着法などによって形成される。
【0163】
図1D及び
図1Eに図示されているように、前記ハードマスクパターン12aをエッチングマスクにして、前記被エッチング膜11をエッチングし、所望する微細パターンを有する被エッチング膜パターン11aを形成する。
【0164】
一実施形態によるハードマスクは、エッチングマスク、または他層間に挿入され、ストッパ(stopper)として半導体素子製造に利用可能である。
【0165】
以下、
図2Aないし
図2Dを参照し、他の一実施形態による、ハードマスク組成物を利用したパターンの形成方法について説明する。
【0166】
図2Aを参照し、基板20上に、被エッチング膜21を形成する。前記基板20としては、シリコン基板を利用する。
【0167】
前記被エッチング膜21は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、ケイ化シリコン(SiC)膜、またはそれらの誘導体膜からなる。
【0168】
その後、前記被エッチング膜21上部にハードマスク組成物を供給し、ハードマスク22を形成する。
【0169】
前記ハードマスク22上部に、反射防止膜30を形成する。ここで、反射防止膜30は、無機反射防止膜、有機反射防止膜、またはそれらの組み合わせによって形成される。
図2Aないし
図2Cにおいて、反射防止膜30が、無機反射防止膜32及び有機反射防止膜34から構成された場合を例示している。
【0170】
無機反射防止膜32は、例えば、SiON膜などがあり、有機反射防止膜34としては、露光波長に対して、フォトレジストと適する屈折率及び高吸収係数を有する通常の市販用高分子膜を使用することができる。
【0171】
前記反射防止膜30の厚みは、例えば、100ないし500nmである。
【0172】
前記反射防止膜30上部に、フォトレジスト膜23を形成する。
【0173】
前記フォトレジスト膜23を、通常の方法で露光及び現像し、フォトレジストパターン23aを形成する。その後、フォトレジストパターン23aをエッチングマスクにして、反射防止膜30及びハードマスク22を順にエッチングし、前記被エッチング膜21上部に、ハードマスクパターン22aを形成する。前記ハードマスクパターン22aは、無機反射防止膜パターン32a及び有機反射防止膜パターン34aから構成される。
【0174】
図2Bには、前記ハードマスクパターン22aが形成された後、その上部にフォトレジストパターン23a及び反射防止膜パターン30aが残っているように図示されているが、場合によっては、前記ハードマスクパターン22a形成のためのエッチング工程時、前記フォトレジストパターン23a及び反射防止膜パターン30aの一部または全部が除去されてもよい。
【0175】
図2Cには、フォトレジストパターン23aだけが除去された状態が示されている。
前記ハードマスクパターン22aをエッチングマスクにして、前記被エッチング膜21をエッチングし、所望する被エッチング膜パターン21aを形成する(
図2D)。
【0176】
前述のように被エッチング膜パターン21を形成した後には、ハードマスクパターン22aは、除去される。一実施形態によるハードマスクパターンは、一般的な除去過程を介して除去されることが容易なだけではなく、除去後に残留物がほとんどない。
【0177】
ハードマスクパターン除去過程は、非制限的な例として、O
2アッシング工程及びウェットストリップ(wet strip)工程を利用することができる。ウェットストリップは、例えば、アルコール、アセトン、硝酸と硫酸との混合物などを利用して実施される。
【0178】
前記過程によって形成されたハードマスクのグラフェン・ナノパーティクルは、sp
2炭素構造の含量が、sp
3炭素構造の含量に比べて多く、乾式エッチングに対する十分な耐性を確保することができる。そして、かようなハードマスクは、透明度にすぐれ、パターニングのための整列マーク確認が容易である。
【0179】
一実施形態による、ハードマスク組成物を利用して形成されたパターンは、半導体素子製造工程によって、集積回路デバイスの製造及び設計に利用される。例えば、金属配線、コンタクトまたはバイアスのためのホール、絶縁セクション(例:DT(damascne trench)、またはSTI(shallow trench isolation)、キャパシタ構造物のためのトレンチのようなパターン化された材料層構造物の形成時に利用可能である。
【0180】
以下では、具体的な実施例を提示する。ただし、下記実施例は、具体的に例示したり説明したりするためのものに過ぎず、それによって制限されるということを意味するものではない。
【0181】
製造例1:グラフェン・ナノパーティクルの製造
グラファイト(Aldrich社)20mgと、酒石酸カリウムナトリウム100mgとをオートクレーブ容器(autoclave vessel)に入れ、それに対して、250℃で60分間反応を実施した。
【0182】
前記反応が完結すれば、遠心分離フィルタ(centrifuge filter)(8,000及び10,000NMWL、Amicon Ultra−15)を利用して遠心分離を実施し、サイズを選別し、それに対して、透析(dialysis)によって残余物を除去し、それを乾燥させ、平均粒径が約10nmの球形グラフェン・ナノパーティクルを得た。
【0183】
製造例2:グラフェン・ナノパーティクルの製造
グラファイト(Alfa Aesar社)20mgを濃硫酸(100ml)に溶解した後、それに対して、1時間ソニケーション(sonication)を実施した。前記結果物に、KMnO
4 1gを付加し、反応混合物の温度が約25℃以下になるように調節した。
【0184】
前記結果物に対して、常圧でマイクロ波(power:600W)を加え、10分間還流を実施した。反応混合物を冷却し、反応混合の温度を約25℃に調節した後、反応混合物に脱イオン水700mlを付加し、反応混合物を希釈し、反応混合物をアイスバスに入れた状態で水酸化ナトリウムを付加し、反応混合物のpHを約7に調節した。
【0185】
前記反応結果物に対して、気孔径が約200nmである多孔性メンブレンを利用して濾過を実施し、大きいサイズを有するグラフェンを分離して除去した。得られた濾液から、透析を利用して残余物を除去し、それを乾燥させ、平均粒径約50nmの球形グラフェン・ナノパーティクルを得た。
【0186】
製造例3:OH基が結合されたグラフェン・ナノパーティクルの製造
ピレン2gに硝酸160mlを付加し、それを80℃で約12時間還流し、1,3,6−トリニトロピレンを含む反応混合物を得た。その反応混合物を常温に冷却した後、そこに脱イオン水1lを付加して希釈した後、それに対して、0.22μmの気孔サイズを有する微細多孔性膜で濾過を実施した。
【0187】
濾過を介して得られた1,3,6−トリニトロピレン1.0gを、0.2M NaOH水溶液0.6lに分散させた後、それに超音波(500W、40kHz)を2時間加えた。得られた懸濁液に対して、オートクレーブで200℃で10時間反応を実施した。前記結果物を常温に冷却した後、得られた結果物に対して、0.22μmの気孔サイズを有する微細多孔性膜で濾過を実施し、不溶性炭素生成物を除去した。濾過を介して得られた結果物に対する2時間透析を利用し、OH基が結合された、平均粒径約15nmであるグラフェン・ナノパーティクルを得た。
【0188】
前記製造例1及び製造例3によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルは、エッジに酸素含有官能基が形成された構造を有し、製造例2によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルは、製造過程において、マイクロ波を利用してグラフェンのエッジ及びプレーン(plane)にも酸素含有官能基が形成された構造を有する。
【0189】
実施例1
前記製造例1によって得たグラフェン・ナノパーティクル0.5gを水0.1Lに分散させ、ハードマスク組成物を得た。前記ハードマスク組成物に対して、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上にスプレーコーティングを施しながら、200℃で熱処理を実施した。次に、400℃で1時間ベーキングを実施し、厚みが約100nmであるグラフェン・ナノパーティクルを含むハードマスクを形成した。
【0190】
前記ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR:photo resist)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベーク(pre-bake)を実施した。ASML(XT:1400、NA 0.93)社の露光装備を使用し、それぞれ露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベーク(post-bake)した。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液でそれぞれ現像し、フォトレジストパターンを形成した。
【0191】
前記フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスで乾式エッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3(4/10体積比)、時間120秒である。
【0192】
乾式エッチングを施した後で残ったハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望する最終パターンであるシリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0193】
実施例2
製造例1によって得たグラフェン・ナノパーティクルの代わりに、製造例2によって得たグラフェン・ナノパーティクルを使用して、400℃でベーキングを実施した後、約600℃で約60分間真空熱処理する過程をさらに実施したことを除いては、実施例1と同一の方法によって実施し、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0194】
実施例3
400℃でベーキングを実施した後、約600℃で約60分間真空熱処理する過程をさらに実施したことを除いては、実施例1と同一の方法によって実施し、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0195】
実施例4
真空熱処理温度が900℃に変化されたことを除いては、実施例3と同一の方法によって実施し、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0196】
実施例5
製造例1によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルの代わりに、製造例2によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルを使用したことを除いては、実施例1と同一の方法によって実施し、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0197】
実施例6
製造例1によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルの代わりに、製造例3によって製造されたグラフェン・ナノパーティクルを使用したことを除いては、実施例1と同一の方法によって実施し、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を製造した。
【0198】
比較例1
高温非晶質炭素を含んだハードマスクを利用して、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を次のように製造した。
シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上に、炭素源(C
3H
6)を蒸着し、高温非晶質炭素を含むハードマスクを形成した。
【0199】
前記蒸着は、約550℃、圧力約0.01ないし1mTorr、イオンエネルギー50ないし500eVの条件の化学気相蒸着方法によって実施した。
【0200】
前記ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベークを実施した。ASML(XT:1400、NA 0.93)社の露光装備を使用し、それぞれ露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベークした。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液でそれぞれ現像し、フォトレジストパターンを形成した。
【0201】
前記フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスでドライエッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3混合比4/10体積比、時間120秒である。
【0202】
乾式エッチングを施した後で残ったハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望する最終パターンであるシリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0203】
比較例2
低温非晶質炭素が得られるように、炭素源(C
3H
6)の蒸着条件を300℃に変化させたことを除いては、比較例1と同様に実施し、低温非晶質炭素を含むハードマスクを利用して、シリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0204】
比較例3
下記化学式1で表示されるモノマーを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチルピロリドン及びガンマ−ブチロラクトン(gamma-butyrolactone)(40:20:40(v/v/v))の混合溶媒に溶かした後、それを濾過してハードマスク組成物を製造した。
【0206】
前記過程によって得られたハードマスク組成物を、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上に、スピンオン・コーティング方法によって塗布した後、それを400℃で120秒間熱処理し、SOC(spin-on-carbon)を含むハードマスクを形成した。
【0207】
前記ハードマスク上部に、ArFフォトレジスト(PR)を1,700Åコーティングし、110℃で60秒間プリベークを実施した。ASML(XT:1400、NA 0.93)社の露光装備を使用し、それぞれ露光を実施した後、110℃で60秒間ポストベークした。次に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38wt%水溶液でそれぞれ現像し、フォトレジストパターンを形成した。
【0208】
前記フォトレジストパターンをマスクにして、CF
4/CHF
3混合ガスで乾式エッチングを行った。エッチング条件は、チャンバ圧力20mT、RF power 1,800W、C
4F
8/CHF
3(4/10体積比)、時間120秒である。
乾式エッチングを施した後で残ったハードマスク及び有機物に対して、O
2アッシング工程及びウェットストリップ工程を進め、所望する最終パターンであるシリコン酸化物パターンが形成されたシリコン基板を得た。
【0209】
参考例1
硫酸(H
2SO
4)50mlにグラファイト粉末(graphite powder)10gを入れ、80℃で4〜5時間撹拌した。撹拌された混合物を脱イオン水1lで希釈し、12時間ほど撹拌を実施した。次に、前記結果物を濾過し、前処理されたグラファイトを得た。
【0210】
五酸化リン(P
2O
5)23gを水80mlに溶かし、約1Mの硫酸480mlを付加してから、そこに前述の前処理されたグラファイト4gを添加した後、過マンガン酸カリウム(KMnO
4)24gを付加した。前記混合物を撹拌した後、1時間ソニケーションを実施し、水(H
2O)600mlを付加した。得られた反応混合物に過酸化水素(H
2O
2)15mlを付加すれば、反応混合物の色が紫色から淡黄色系統に変わり、その混合物を撹拌しながらソニケーションを実施した。反応混合物を濾過し、酸化されずに残っているグラファイトを除去した。濾過を介して得られた濾液からマンガン(Mn)を除去するために、濾液に塩酸(HCl)200ml、エタノール200ml、水200mlを付加して撹拌を実施した。撹拌を実施した混合物を遠心分離し、二次元炭素ナノ構造物前駆体を得た。
【0211】
前記過程によって得た二次元炭素ナノ構造物前駆体0.5gを水1Lに分散させ、ハードマスク組成物を得た。前記ハードマスク組成物を、シリコン酸化物が形成されたシリコン基板上にスプレーコーティングをしながら、200℃で熱処理を実施した。次に、400℃で1時間ベーキングを施した後、600℃で1時間真空熱処理することにより、厚みが約200nmである2次元炭素ナノ構造体を含むハードマスクを形成した。
【0212】
評価例1:透過率
実施例1ないし6、比較例1ないし3、及び参考例1によって製造されたハードマスクに対して、約633nmの露光波長で透過率を測定した。
【0213】
測定結果、実施例1ないし6によって得られたハードマスクパターンは、比較例1ないし3、及び参考例1によって得たハードマスクパターンと比較し、透過率が改善されていることが分かった。実施例1ないし6によって得たハードマスクパターンに含有されたグラフェンナノ粒子は約633nmの波長においてkが0.5以下であった。そのように透過率が改善されたハードマスクを使用すれば、ハードマスクパターン及び被エッチング層のパターニングのための整列マーク確認がさらに容易になり、微細化及び稠密化されたパターンサイズを有する被エッチング膜パターニングが可能になる。
【0214】
評価例2:耐エッチング性
前記実施例1ないし6、及び比較例1ないし3によって製造されたハードマスクを利用して、乾式エッチングを実施する前後のハードマスク、及びシリコン酸化物膜の厚み差を測定し、下記数式1によってエッチング選択比を計算し、耐エッチング性を評価した。
【0215】
(数1)
エッチング選択比=(シリコン酸化物のエッチングを実施する以前の厚み−シリコン酸化物のエッチングする以前の厚み)/(ハードマスクのエッチングを実施する以前の厚み−ハードマスクのエッチングを実施した後の厚み)×100
エッチング選択比を下記の表1に示した。
【表2】
表1に示したように、実施例1のエッチング選択比は比較例2及び3の場合に比べて増加して、耐エッチング性が向上することが分かった。
また、実施例2ないし6によって製造されたハードマスクを利用して乾式エッチングを施す前後のハードマスク及びシリコン酸化物膜の厚み差を測定し、エッチング選択比を計算して耐エッチング性を評価した。評価結果、実施例2ないし6の場合は、比較例1-3の場合に比べて耐エッチング性が向上することが分かった。
【0216】
評価結果、実施例1−6によれば、比較例1−3の場合に比べ、エッチング選択比が上昇し、耐エッチング性にすぐれるということが分かった。
【0217】
以上、一実施形態について説明したが、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び添付した図面の範囲においてさまざまに変形して実施するのが可能であり、それらも発明の範囲に属するということは当然である。