特許第6768326号(P6768326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768326
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】キッチンキャビネット
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/00 20060101AFI20201005BHJP
   A47B 77/08 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   A47B77/00
   A47B77/08 C
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-69238(P2016-69238)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-176517(P2017-176517A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 裕之
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−288928(JP,A)
【文献】 特開2010−094380(JP,A)
【文献】 実開昭60−054434(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3091946(JP,U)
【文献】 特開2009−165610(JP,A)
【文献】 特開2014−151034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00
A47B 77/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を収容することが可能な機器収容部を挟んで対向配置された一組の側板と、
前記一組の側板の端面を覆う天板と、
前記側板に固定されており、前記天板の前記機器収容部に面する部分を覆い、前記天板の前記側板側の面に当接して前記天板の撓みを防止する補強板と
を備えるキッチンキャビネット。
【請求項2】
前記補強板は、折り曲げられた金属板である
請求項1に記載のキッチンキャビネット。
【請求項3】
前記補強板は、前記天板の一面に接触する平面部と、
前記平面部の縁から前記天板と反対側に伸びる固定部と、
前記固定部を貫通する固定孔とを備える
請求項1または請求項2に記載のキッチンキャビネット。
【請求項4】
前記側板は、前記固定孔に対応する貫通孔を備え、
前記貫通孔と前記固定孔とを貫通して、前記側板と前記補強板とを固定する固定部材を備える
請求項3に記載のキッチンキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
流し台、コンロ台等を備えるキッチンキャビネットに、食器洗浄乾燥機等の機器を組み込む場合がある。キャビネットの天板の下面に食器洗浄乾燥機を保持する取付枠を設けた、食器洗浄乾燥機付き流し台が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−299555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の食器洗浄乾燥機付き流し台は、キャビネットの天板に食器洗浄乾燥機の蓋を設ける。そのため、調理時の作業台として使用できる範囲が狭くなっていた。
【0005】
一つの側面では、作業台として使用できる平らな部分が広いキッチンキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるキッチンキャビネットは、機器を収容することが可能な機器収容部を挟んで対向配置された一組の側板と、前記一組の側板の端面を覆う天板と、前記側板に固定されており、前記天板の前記機器収容部に面する部分を覆い、前記天板の前記側板側の面に当接して前記天板の撓みを防止する補強板とを備える。
【0007】
本発明においては、機器収容部に収容される機器と天板との間に隙間が空いている場合であっても天板の下面は補強板により支えられる。そのため、機器収容部の上部に重量物を載せた場合および硬いものを切るなどの調理作業を行う場合に天板が撓むことを防止することができる。したがって、機器収容部の上部を含む天板の広い範囲を、調理時の作業台として使用することができる。
【0008】
本発明にかかるキッチンキャビネットは、前記補強板は、折り曲げられた金属板である。
【0009】
本発明においては、補強板を容易に製作することができる。
【0010】
本発明にかかるキッチンキャビネットは、前記補強板は、前記天板の一面に接触する平面部と、前記平面部の縁から前記天板と反対側に伸びる固定部と、前記固定部を貫通する固定孔とを備える。
【0011】
本発明においては、平面部の縁が折れ曲がって固定部を形成しているので、強度が高い補強板を提供することができる。
【0012】
本発明にかかるキッチンキャビネットは、前記側板は、前記固定孔に対応する貫通孔を備え、前記貫通孔と前記固定孔とを貫通して、前記側板と前記補強板とを固定する固定部材を備える。
【0013】
本発明においては、補強板をキッチンキャビネットに容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
作業台として使用できる平らな部分が広いキッチンキャビネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】キャビネットの斜視図である。
図2】キャビネットの分解斜視図である。
図3】キャビネットの正面図である。
図4】補強板の斜視図である。
図5】補強板と左側板とを固定する部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、キャビネットの斜視図である。図2は、キャビネット10の分解斜視図である。以下の説明では、各図中に矢印で示す前、後、左、右、上および下のそれぞれの向きを使用する。
【0017】
キャビネット10は、台所に設置されるシステムキッチンの構成部材であるキッチンキャビネットの一例である。キャビネット10は、シンク51、機器収容部53、抽斗収容部58およびコンロ収容部59を有する。キャビネット10の上面に、長方形の天板30が設けられている。キャビネット10の後方に、奥板23が設けられている。シンク51は、上面に開口を有する長方形の箱体である。シンク51は、底に排水孔52を有する。排水孔52は、図示しない配水管に接続される。また、シンク51には図示しない蛇口および給水管が接続される。シンク51の下部には、ユーザの要望に応じた仕様の抽斗57(図3参照)が収容される。
【0018】
抽斗収容部58は、左右に抽斗用のスライドレールを備える空間である。抽斗収容部58には、ユーザの要望に応じた仕様の抽斗57が収容される。コンロ収容部59は、たとえばガスコンロを収容可能な空間である。コンロ収容部59には、それぞれユーザの要望に応じた仕様のコンロおよび抽斗57が収容される。
【0019】
機器収容部53は左側板21、右側板22、奥板23、天板30およびキャビネット10が設置された床により囲まれた略直方体の空間である。以後の説明では、左側板21と右側板22とを総称して側板20と記載する場合がある。
【0020】
図3は、キャビネット10の正面図である。なお、図3では天板30の厚さを強調して記載している。図3においては、コンロ収容部59の上部に、コンロが収容されている。シンク51の下部、抽斗収容部58およびコンロ収容部59の下部に、それぞれ抽斗57が収容されている。機器収容部53には、ユーザの要望に応じて選択した機器54が収容されている。機器54は、たとえば前面扉型の食器洗い乾燥機である。機器54は、オーブンレンジまたは冷蔵庫等でも良い。機器54の上面と天板30との間に補強板40が配置されている。
【0021】
図4は、補強板40の斜視図である。補強板40は、たとえば所定の形状に切り抜いた厚さ1.5ミリメートルのステンレス鋼板を折り曲げることにより製作されている。補強板40は、長方形の平面部41を有する。平面部41の左右は下向きに折り曲げられており、その先にL字状の固定部42が左右それぞれ2箇所ずつ設けられている。固定部42は、それぞれ2個の固定孔43を有する。
【0022】
平面部41の前側に、L字型の目隠し板44が形成されている。目隠し板44は、機器54の上面と天板30との間の間隔に対応する高さを有する。目隠し板44は、中央部に長円形状の6個の通気孔45を有する。平面部41の後側に後板46が形成されている。以上のように補強板40は、平面部41の各辺の縁が下向きに折り曲げられた構造である。なお、通気孔45は長円形状に限定しない。たとえば小さい丸孔または角孔等が列状に並んでいても良い。
【0023】
図5は、補強板40と左側板21とを固定する部分の拡大断面図である。図5は、左側板21と補強板40とを固定する部分を示す。左側板21は、上部にL型部211を有する。L型部211の上面および平面部41の上面は、天板30の下面に接している。
【0024】
左側板21は、固定孔43と対応する位置に貫通孔を有する。左側板21の貫通孔と固定孔43とを固定ネジ48が貫通している。固定ネジ48は、固定ナット49により締結されている。以上の構成により、補強板40と左側板21とは固定されている。なお、同様の構造により右側板22と補強板40とも固定されている。固定ネジ48は、固定部材の一例である。
【0025】
固定ナット49は、溶接等によりあらかじめ固定部42に取り付けられていても良い。また固定ナット49を使用する代わりに、固定孔43の縁にバーリング加工によりねじ部が設けられていても良い。このようにすることにより、図5の左側から固定ネジ48を差し込んで回転させるだけで、側板20と補強板40とを固定することができるので、補強板40の取付作業を容易にすることができる。
【0026】
補強板40と側板20とを固定した状態で、後板46は奥板23の前側に接する状態になる。すなわち、補強板40の平面部41は、左側板21、右側板22および奥板23により囲まれた機器収容部53の上部を覆った状態になる。その後、天板30をキャビネット10全体の上面に配置する。なお、平面部41と天板30との間に、板状のスペーサを介在させても良い。
【0027】
補強板40を取り付けたキャビネット10の補強板40の下側に機器54を挿入し、図示しない電源線、給水管、配水管等を接続することにより、キャビネット10に機器54を内蔵したシステムキッチンを提供することができる。
【0028】
本実施の形態によると、天板30の下面が補強板40により支えられているため、天板30の上に重量物を載せた場合および硬いものを切るなどの調理作業を行う場合に天板30が撓むことを防止することができる。したがって、機器収容部53の上部を含む天板30の広い範囲を、調理時の作業台として使用することができる。
【0029】
天板30に薄い板材を使用することもできる。薄い板材を使用することにより天板30を軽量化することができるので、搬入および設置が容易なキャビネット10を提供することができる。
【0030】
キャビネット10よりも高さが低い機器54を使用する場合に、目隠し板44により機器54の上面と天板30との間の隙間を隠すことができる。そのため、システムキッチンの見栄えを良くすることができる。また、目隠し板44に通気孔45が設けられているため、機器54が発生する熱等を外部に逃がすことが可能である。
【0031】
キャビネット10は、2箇所以上の機器収容部53を備えても良い。複数の機器収容部53にそれぞれ異なる機器54を収容することにより、多機能のシステムキッチンを提供することができる。
【0032】
実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0033】
10 キャビネット(キッチンキャビネット)
20 側板
21 左側板
211 L型部
22 右側板
23 奥板
30 天板
40 補強板
41 平面部
42 固定部
43 固定孔
44 目隠し板
45 通気孔
46 後板
48 固定ネジ(固定部材)
49 固定ナット
51 シンク
52 排水孔
53 機器収容部
54 機器
57 抽斗
58 抽斗収容部
59 コンロ収容部
図1
図2
図3
図4
図5