特許第6768377号(P6768377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768377
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】フィルター付きガスケット
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/08 20060101AFI20201005BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   F16J15/08 A
   B01D46/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-132953(P2016-132953)
(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公開番号】特開2018-3983(P2018-3983A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】田渕 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅彦
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/014992(WO,A1)
【文献】 特開2001−321626(JP,A)
【文献】 独国実用新案第202014005866(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/08
B01D 46/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属板を重ね合わせ、前記金属板の平面上一部に貫通穴部を設け、前記貫通穴部の周りに立体形状よりなるシールビード部を設けたガスケット本体と、前記貫通穴部に配置され、前記ガスケット本体によって保持されたフィルター部材とを有するフィルター付きガスケットであって、
前記複数の金属板のうち一の金属板と前記フィルター部材とをスポット溶接により接続した溶接部を備え、
前記溶接部は、他の金属板に設けた前記立体形状によって覆われる位置に配置され、
前記複数の金属板は、基板と、ビードプレートとを備え、
前記溶接部は、前記フィルター部材と前記基板とを接続し、
前記ビードプレートに設けた前記立体形状が前記溶接部を覆っていることを特徴とするフィルター付きガスケット。
【請求項2】
複数の金属板を重ね合わせ、前記金属板の平面上一部に貫通穴部を設け、前記貫通穴部の周りに立体形状よりなるシールビード部を設けたガスケット本体と、前記貫通穴部に配置され、前記ガスケット本体によって保持されたフィルター部材とを有するフィルター付きガスケットであって、
前記複数の金属板のうち一の金属板と前記フィルター部材とをスポット溶接により接続した溶接部を備え、
前記溶接部は、他の金属板に設けた前記立体形状によって覆われる位置に配置され、
前記複数の金属板は、第1および第2ビードプレートを備え、
前記溶接部は、前記フィルター部材と前記第1ビードプレートとを接続し、
前記第2ビードプレートに設けたハーフビードによる前記立体形状が前記溶接部を覆っていることを特徴とするフィルター付きガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルター機能およびシール機能を備えるフィルター付きガスケットに関する。本発明のフィルター付きガスケットは例えば、自動車関連の分野で用いられ、また各種シール部品として用いられる。
【背景技術】
【0002】
自動車の低燃費化や低エミッション化に伴い、EGR機構に冷却装置を組み込むことが行なわれている。EGRガスは高温であり冷却するためクーラーを用いるが、クーラー内部の構造が複雑であり、EGRガス中の異物がクーラー内のフィンに付着して冷却効率が低下したり、異物がクーラー内のフィンを破壊したりする可能性がある。また、EGRクーラーが水冷式である場合、異物によりクーラーが破損するとエンジンシリンダー内に水が浸入し、エンジンが故障する可能性もある。そのため、異物捕捉用のフィルターをEGRクーラー内部(入口)に設けているが、フィルターの取り外しができないため、メンテナンス性が良くない不都合がある。
【0003】
そこで、本願出願人は先に図3に示すように、金属基板52の平面上一部に穴加工54を施したフィルター部53を設けるとともにフィルター部53の周囲にビード状のシール部55を設けたフィルター付きガスケット51を提案しており、この先行技術によれば、フィルターがガスケットに対し一体化されているため、ガスケットを新品と交換するのと同じ要領でフィルターを交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−151970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこの先行技術には、以下の点で更なる機能向上の余地がある。
【0006】
すなわち、フィルター部53とガスケット部(シール部55)が同じ1枚の金属基板52によって形成されているため、金属基板52の素材を選定する際に、フィルター機能およびシール機能を双方共に十分に満足する素材を選定できないことがある。
【0007】
これに対しては、フィルター部53とガスケット部(シール部55)とを別部品にて形成し、このとき部品ごとに最適な素材を選定し、別部品にて形成してから両部品を接続することが考えられる。
【0008】
しかしながらこの場合、両部品を接続する手段として、シーム溶接等の連続溶接手段を採用すると、その溶接工程に多大な設備と手間および時間を必要とする。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みて、フィルター部とガスケット部(シール部)を別部品にて形成することを前提として、両部品を簡易な設備・手段により接続することができ、しかもフィルター機能を十分に発揮することができるフィルター付きガスケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のフィルター付きガスケットは、複数の金属板を重ね合わせ、前記金属板の平面上一部に貫通穴部を設け、前記貫通穴部の周りに立体形状よりなるシールビード部を設けたガスケット本体と、前記貫通穴部に配置され、前記ガスケット本体によって保持されたフィルター部材とを有するフィルター付きガスケットであって、前記複数の金属板のうち一の金属板と前記フィルター部材とをスポット溶接により接続した溶接部を備え、前記溶接部は、他の金属板に設けた前記立体形状によって覆われる位置に配置され、前記複数の金属板は、基板と、ビードプレートとを備え、前記溶接部は、前記フィルター部材と前記基板とを接続し、前記ビードプレートに設けた前記立体形状が前記溶接部を覆っていることを特徴とする。
また、複数の金属板を重ね合わせ、前記金属板の平面上一部に貫通穴部を設け、前記貫通穴部の周りに立体形状よりなるシールビード部を設けたガスケット本体と、前記貫通穴部に配置され、前記ガスケット本体によって保持されたフィルター部材とを有するフィルター付きガスケットであって、前記複数の金属板のうち一の金属板と前記フィルター部材とをスポット溶接により接続した溶接部を備え、前記溶接部は、他の金属板に設けた前記立体形状によって覆われる位置に配置され、前記複数の金属板は、第1および第2ビードプレートを備え、前記溶接部は、前記フィルター部材と前記第1ビードプレートとを接続し、前記第2ビードプレートに設けたハーフビードによる前記立体形状が前記溶接部を覆っていることを特徴とする。
【0011】
上記構成を備える本発明においては、ガスケット本体とフィルター部材が別部品にて形成されているため、部品ごとに最適な素材を選定することが可能とされ、また両部品が不連続のスポット溶接により接続されているため、シーム溶接等の連続溶接手段と比較して簡易な設備・手段により両部品を接続することが可能とされる。また、スポット溶接による溶接部が金属板の立体形状によって覆われる位置に配置されているため、溶接部が外部雰囲気から隠される。したがって互いに隣り合うスポット溶接間に非溶接部が存在しても異物はこの非溶接部を通過しにくく、よってフィルター部の異物捕捉機能が低下するのを防止することが可能とされる。
【0012】
ガスケット本体を構成する複数の金属板としては、基板とビードプレートとを組み合わせることや、ビードプレート同士を組み合わせること等が考えられる。ここに基板は、シールビードを有しておらずよって立体形状を有していない平板状の金属板であり、ビードプレートは、シールビードを有しよって立体形状を有している金属板である。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、フィルター部とガスケット部(シール部)とを別部品にて形成し、両部品を簡易な設備・手段により接続することができ、フィルター機能を十分に発揮することができるフィルター付きガスケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施例に係るガスケットを示す図で、(A)はその平面図、(B)はその断面図であって(A)におけるC−C線拡大断面図
図2】本発明の第2実施例に係るガスケットを示す図で、(A)はその平面図、(B)はその断面図であって(A)におけるD−D線拡大断面図
図3】従来例に係るガスケットの断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)EGRクーラー内部に設定されているフィルターをEGRクーラー前にあるフランジ接合部のガスケットと一体化する。ガスケットを交換する要領でフィルターを点検・交換でき、メンテナンス性が向上する。
(2)フィルターをドーム形状とすることで、フィルター面積を大きくし、圧力損失を小さくすることができる。
(3)フィルターとガスケットの結合方法としては、接合強度が高く隙間がないシーム溶接などの連続溶接を用いるのが好ましいが、フィルターをガスケットのビードの裾部で挟み込むことにより、簡易で安価なスポット溶接でも捕捉性能を大きく落とすことがないフィルター付きガスケットを提供することができる。
【実施例】
【0016】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0017】
第1実施例・・・・
図1に示すように当該実施例に係るフィルター付きガスケット1は、ガスケット本体11およびフィルター部材21の組み合わせにより構成されている。
【0018】
ガスケット本体11は、3枚の金属板12,13,14を厚み方向に重ね合わせて接合したものであって、その平面中央部に3枚の金属板12,13,14を厚み方向に貫通するように貫通穴部15が設けられ、貫通穴部15の周りを囲むようにして立体形状よりなる環状のシールビード部16が設けられている。符号17は、締結ボルトを差し通すためのボルト穴である。
【0019】
3枚の金属板は、基板12と、基板12の厚み方向一方(図1(B)における下方)に重ねられた第1ビードプレート13と、基板12の厚み方向他方(図1(B)における上方)に重ねられた第2ビードプレート14との組み合わせにより構成されている。
【0020】
基板12は、シールビードを有しておらず立体形状を有していない平板状の金属板よりなり、その厚みを第1および第2ビードプレート13,14よりも大きく設定され、ガスケット本体11の骨材をなしている。
【0021】
第1ビードプレート13は、貫通穴部15の周縁部に立体形状よりなる環状のハーフビード13aを備えており、基板12に接合された平面部13bの内周端部から径方向内方へ向けて基板12から徐々に遠ざかる向きに傾斜した環状の第1傾斜面部13cが一体に設けられ、第1傾斜面部13cの内周端部から径方向内方へ向けて基板12に徐々に近づく向きに傾斜した環状の第2傾斜面部13dが一体に設けられている。第1および第2傾斜面部13c,13dは、これらをもって上記ハーフビード13aを形成しており、ハーフビード13aは立体形状であるので、ハーフビード13aと基板12との間に環状の間隙部13eが形成されている。
【0022】
第2ビードプレート14はこれも、貫通穴部15の周縁部に立体形状よりなる環状のハーフビード14aを備えており、基板12に接合された平面部14bの内周端部から径方向内方へ向けて基板12から徐々に遠ざかる向きに傾斜した環状の第1傾斜面部14cが一体に設けられ、第1傾斜面部14cの内周端部から径方向内方へ向けて基板12に徐々に近づく向きに傾斜した環状の第2傾斜面部14dが一体に設けられている。第1および第2傾斜面部14c,14dは、これらをもって上記ハーフビード14aを形成しており、ハーフビード14aは立体形状であるので、ハーフビード14aと基板12の間に環状の間隙部14eが形成されている。第1ビードプレート13のハーフビード13aと第2ビードプレート14のハーフビード14aはガスケット厚み方向に対称な形状とされており、第1および第2ビードプレート13,14はプレート全体としてもガスケット厚み方向に対称な形状とされている。
【0023】
フィルター部材21は、ガスケット本体11の貫通穴部15に配置され、ガスケット本体11によって保持されている。また、フィルター部材21はメッシュ状の金属素材によって形成され、ドーム状に立体形成されたフィルター部22と、このフィルター部22の周縁部に設けられたフランジ状の取付部23とを一体に有している。またフィルター部材21は、基板12と第1ビードプレート13のハーフビード13aとの間の間隙部13eにフランジ状の取付部23を差し込んだ状態で、この取付部23を基板12に対しスポット溶接することによりガスケット本体11に取り付けられている。したがってスポット溶接による溶接部31は、第1ビードプレート13のハーフビード13aによる立体形状によって覆われる位置に配置されている。
【0024】
スポット溶接は、不連続な点状の溶接構造であり、よって複数の溶接部31が貫通穴部15の周りに間隔をあけて並べられている。
【0025】
上記構成のフィルター付きガスケット1においては、フィルター部材21がフィルター機能を発揮するとともに、ガスケット本体11における両面ハーフビード13a,14aよりなるシールビード部16がガスケットとしてのシール機能を発揮するため、先ずはフィルター付きガスケットとしてフィルター機能およびシール機能の双方を発揮することができる。また、ガスケット本体11とフィルター部材21が別部品として形成されているため、部品ごとに最適な素材を選定することが可能とされている。
【0026】
また、ガスケット本体11およびフィルター部材21が不連続なスポット溶接(点状溶接)により接続されているため、シーム溶接等の連続溶接(線状溶接)と比較して、簡易な設備・手段により両部品11,21を接続することが可能とされている。
【0027】
また、スポット溶接による溶接部31が第1ビードプレート13のハーフビード13aによる立体形状によって覆われる位置に配置されているため、スポット溶接による溶接部31が外部雰囲気から隠されている。したがって、互いに隣り合うスポット溶接による溶接部31間に非溶接部が存在しても異物は非溶接部による隙間を通過しにくいため、溶接手段としてスポット溶接を採用しても、フィルター部21における異物捕捉機能が低下するのを防止することが可能とされている。
【0028】
尚、当該ガスケット1の装着時、ガスケット本体11がハウジング等によって挟圧されるとハーフビード13aは圧縮荷重を受けて弾性変形し、このときハーフビード13aの先端部13fがフィルター部材21の取付部23に接触して間隙部13eを閉塞することがある。したがってこのように間隙部13eが閉塞される場合には、間隙部13eに異物が一層侵入しにくくなる。
【0029】
第2実施例・・・・
図2に示すように当該実施例に係るフィルター付きガスケット1は、ガスケット本体11およびフィルター部材21の組み合わせにより構成されている。
【0030】
ガスケット本体11は、2枚の金属板13,14を厚み方向に重ね合わせて接合したものであって、その平面中央部に2枚の金属板13,14を厚み方向に貫通するように貫通穴部15が設けられ、貫通穴部15の周りを囲むようにして立体形状よりなる環状のシールビード部16が設けられている。符号17は、締結ボルトを差し通すためのボルト穴である。
【0031】
2枚の金属板は、第1ビードプレート13と、第2ビードプレート14との組み合わせにより構成されている。
【0032】
第1ビードプレート13は、貫通穴部15の周縁部に立体形状よりなる環状のハーフビード13aを備えており、第2ビードプレート14に接合された平面部13bの内周端部から径方向内方へ向けて第2ビードプレート14から徐々に遠ざかる向きに傾斜した環状の傾斜面部13cが一体に設けられ、傾斜面部13cの内周端部から径方向内方へ向けて内周側平面部13gが一体に設けられ、これらの傾斜面部13cおよび内周側平面部13gによってハーフビード13aが形成されている。また、ハーフビード13aの先端部であって内周側平面部13gの先端部に、筒状の立ち上がり部(ツバ部)13hが一体に設けられている。
【0033】
第2ビードプレート14はこれも、貫通穴部15の周縁部に立体形状よりなる環状のハーフビード14aを備えており、第1ビードプレート13に接合された平面部14bの内周端部から径方向内方へ向けて第1ビードプレート13から徐々に遠ざかる向きに傾斜した環状の傾斜面部14cが一体に設けられ、傾斜面部14cの内周端部から径方向内方へ向けて内周側平面部14gが一体に設けられ、これらの傾斜面部14cおよび内周側平面部14gによってハーフビード14aが形成されている。また、ハーフビード14aの先端部であって内周側平面部14gの先端部に、筒状の立ち上がり部(ツバ部)14hが一体に設けられている。
【0034】
フィルター部材21は、ガスケット本体11の貫通穴部15に配置され、ガスケット本体11によって保持されている。また、フィルター部材21はメッシュ状の金属素材によって形成され、その全体をドーム状に立体形成されている。またフィルター部材21は、その外周縁部を第1ビードプレート13の立ち上がり部13hと第2ビードプレート14立ち上がり部14hとの間に差し込んだ状態でこの外周縁部を第1ビードプレート13の立ち上がり部13hに対しスポット溶接することによりガスケット本体11に取り付けられている。したがってスポット溶接による溶接部31は、第2ビードプレート14のハーフビード14aによる立体形状によって覆われる位置に配置されている。
【0035】
スポット溶接は、不連続な点状の溶接構造であり、よって複数の溶接部31が貫通穴部15の周りに間隔をあけて並べられている。
【0036】
上記構成のフィルター付きガスケット1においては、フィルター部材21がフィルター機能を発揮するとともに、ガスケット本体11における両面ハーフビード13a,14aよりなるシールビード部16がガスケットとしてのシール機能を発揮するため、先ずはフィルター付きガスケットとしてフィルター機能およびシール機能の双方を発揮することができる。また、ガスケット本体11とフィルター部材21が別部品として形成されているため、部品ごとに最適な素材を選定することが可能とされている。
【0037】
また、ガスケット本体11およびフィルター部材21が不連続なスポット溶接(点状溶接)により接続されているため、シーム溶接等の連続溶接(線状溶接)と比較して、簡易な設備・手段により両部品11,21を接続することが可能とされている。
【0038】
また、スポット溶接による溶接部31が第2ビードプレート14のハーフビード14aによる立体形状によって覆われる位置に配置されているため、このスポット溶接による溶接部31は外部雰囲気から隠されている。したがって、互いに隣り合うスポット溶接による溶接部31間に非溶接部が存在しても異物は非溶接部による隙間を通過しにくいため、溶接構造としてスポット溶接を採用しても、フィルター部21における異物捕捉機能が低下するのを防止することが可能とされている。
【0039】
尚、当該ガスケット1の装着時、ガスケット本体11がハウジング等によって挟圧されると第2ビードプレート14のハーフビード14aは圧縮荷重を受けて弾性変形し、このときハーフビード14aの立ち上がり部14hがフィルター部材21の外周縁部に強く押し付けられることがある。したがってこのようにハーフビード14aの立ち上がり部14hがフィルター部材21の外周縁部に強く押し付けられる場合には、両ハーフビード13a,14a間の空間部18に異物が一層侵入しにくくなる。
【符号の説明】
【0040】
1 フィルター付きガスケット
11 ガスケット本体
12 基板
13 第1ビードプレート
13a,14a ハーフビード
13b,13g,14b,14g 平面部
13c,13d,14c,14d 傾斜面部
13e,14e 間隙部
13f 先端部
13h,14h 立ち上がり部
14 第2ビードプレート
15 貫通穴部
16 シールビード部
17 ボルト穴
18 空間部
21 フィルター部材
22 フィルター部
23 取付部
31 溶接部
図1
図2
図3