(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のスロットマシンは、上乗せされるゲーム数に応じて報知のタイミングを異ならせるものでなく、特定のタイミングでのみ報知を行うため、遊技の興趣の低下に繋がるおそれがある。また、特許文献1には、報知のタイミングを変化させてもよいことが記載されているが、上乗せされるゲーム数に関わらずに報知のタイミングを決定すると、上乗せされるゲーム数が少ないにも関わらず報知のタイミングが遅くなったときに、報知が行われるまでに高まった遊技者の期待感の低下を招き、遊技の興趣の低下に繋がるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を
複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、
複数の前記可変表示部の表示結果
の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)において、
複数の前記可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させるために操作される複数の導出操作手段と、
第1の特典(例えば、AT)と第2の特典(例えば、上乗せ特化ゾーン)とを含む特典を遊技者に付与するか否かを決定する特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41)
と、を備え、
前記特典付与決定手段は、
前記第1の特典を付与する第1決定を第1の状況(例えば、BB中に通常リプレイに当選したとき)に基づいて行う第1特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41)と、
前記第1の特典と前記第2の特典とを付与する第2決定を前記第1の状況と異なる第2の状況(例えば、BB中にチェリーに当選したとき)に基づいて行う第2特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41)と
、を含み、
前記特典付与決定手段が前記特典を付与すると決定したときにその旨を報知する特典付与演出を実行可能な演出実行手段(例えば、サブ制御部91)をさらに備え、
前記第1特典付与決定手段が前記第1の状況に基づいて前記第1決定を行ったときに、前記特典付与演出を実行する前に、前記第1の特典が付与されることを遊技者が認識可能となる制御を実行し、
前記特典付与演出は、複数の前記可変表示部のうちの最後に表示結果が導出される前記可変表示部に対応する前記導出操作手段の操作である最終操作が行われたときから次のゲームが開始されるまでの期間において実行され、
前記第
2特典付与決定手段が前記第
2の状況に基づいて前記第1決定を行った
場合における前記最終操作が行われたときから前記特典付与演出が実行されるまでの期間は、前記第
1特典付与決定手段が前記第
1の状況に基づいて前記第
1決定を行った
場合における前記最終操作が行われたときから前記特典付与演出が実行されるまでの期間よりも長い(例えば、
図5のSc5及びSc7、Sc9の処理を行う部分、
図6および
図7に示す部分)。
この構成によれば、付与される特典に応じて特典付与演出による報知のタイミングを異ならせることができるので、特典付与演出による報知のタイミングによって第2の特典が付与されることへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0009】
第1の特典は、遊技に関する特典である(例えば、AT)。
この構成によれば、遊技に関する特典が付与されるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0010】
第2の特典は、第1の特典に付随して付与される特典である(例えば、上乗せ特化ゾーン)。
この構成によれば、第1の特典に付随した特典が付与されるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
表示結果が導出される前に入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(例えば、メイン制御部41)を備え、
特典付与決定手段が特典を付与するか否かを決定する状況として前記事前決定手段の決定結果が特定結果になったときを含む。
この構成によれば、特典を付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0012】
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段を備え、
特典付与決定手段が特典を付与するか否かを決定する状況として、前記導出操作手段の操作態様が特定操作態様であるときを含む。
この構成によれば、特典を付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0013】
特典付与決定手段が特典を付与するか否かを決定する状況として、可変表示部の表示結果が特定表示結果であるときを含む。
この構成によれば、特典を付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0014】
特典付与決定手段が特典を付与するか否かを決定する状況として、遊技履歴が特定履歴になったときを含む。
この構成によれば、特典を付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
第1特典付与決定手段が第1の状況に基づいて第1決定を行ったときには、特典付与演出が実行される前に前記第1決定を行ったことを認識することが可能な制御を実行する(例えば、
図5のSc5及びSc7、Sc9の処理を行う部分、
図6および
図7に示す部分)。
この構成によれば、第1決定が行われたことを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0016】
演出実行手段は、第1特典付与決定手段が第1の状況に基づいて第1決定を行ったときにその旨を報知する第1特典付与演出を実行可能な第1演出実行手段を含む(例えば、
図5のSc9の処理を実行する部分、
図6に示す部分)。
この構成によれば、第1特典付与演出を実行するタイミングにおいて第2決定を行ったことも報知できるので、第2決定を行わなかったときでも著しく興趣が低下することを防止できる。
【0017】
演出実行手段は、特典付与決定手段が特典を付与すると決定したことを遊技者が認識可能な制御が行われた後に特典付与演出を実行する(例えば、
図5のSc9の処理を実行する部分、
図6に示す部分)。
この構成によれば、特典が付与される状況に応じた特典付与演出が実行されるか否かへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
演出実行手段は、特典付与決定手段が特典を付与すると決定したことを遊技者が認識可能な制御が行われる前に特典付与演出を実行する。
この構成によれば、第1の状況または第2の状況のいずれの状況に基づいて特典を付与すると決定したかを認識できるまで、第1の特典のみ、または第1の特典と第2の特典のいずれが付与されるかの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0019】
演出実行手段は、第2特典付与決定手段が第2の状況に基づいて第2決定を行ったときには、第1特典付与決定手段が第1の状況に基づいて第1決定を行ったときよりも遅いタイミングに特典付与演出を実行する(例えば、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図6および
図7に示す部分)。
この構成によれば、遊技者に一旦特典を付与すると決定しなかったと認識させ、特典付与への期待感が低下したところで、特典付与演出を実行するので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0020】
第2特典付与決定手段は、一の期間における特定期間では第2の状況に基づいて第2決定を行い、前記一の期間における前記特定期間以外の期間では第2の状況に基づいて第1決定または第2決定を行う。
この構成によれば、特定期間において第1の状況または第2の状況のいずれの状況に基づいて特典を付与すると決定されるのかに対する期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0021】
演出実行手段は、第2特典付与決定手段が第2決定を行ったときにその旨を報知する第2特典付与演出を実行可能な第2演出実行手段を含む(例えば、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図7に示す部分)。
この構成によれば、第2決定を行ったことを報知できるので、付与すると決定した特典の種類の誤認を防止することができる。
【0022】
第2演出実行手段は、第1演出実行手段が第1特典付与演出を実行した後に第2特典付与演出を実行する(例えば、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図7に示す部分)。
この構成によれば、第2決定を行ったことを報知できるので、付与すると決定した特典の種類の誤認を防止することができる。
【0023】
演出実行手段は、特典付与決定手段が特典を付与するか否かを決定する状況を遊技者が認識可能な制御が行われていないときにおいても特典付与演出を実行する。
この構成によれば、特典を付与すると決定したことを報知できるので、特典を付与すると決定したか否かの誤認を防止することができる。
【0024】
第1特典付与決定手段が第1の状況に基づいて第1決定を行う割合は、第2特典付与決定手段が第2の状況に基づいて第2決定を行う割合よりも高い。
この構成によれば、特典を付与すると決定する状況に応じて、付与すると決定し得る特典の大きさにメリハリがつくので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0025】
なお、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[スロットマシンの構成]
図1に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1、
図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
【0028】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では後述するRT0〜RT4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0029】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0030】
前面扉1bの内側には、
図2に示すように、所定のキー操作によりエラー及び打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(
図4参照)、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a(
図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(
図4参照)が設けられている。
【0031】
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止、その停止操作を第1停止操作と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止、その停止操作を第2停止操作と称する。また、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止、その停止操作を第3停止操作と称する。
【0032】
筐体1aの内部には、
図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(
図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(
図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(
図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(
図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(
図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0033】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(
図4参照)が設けられている。
【0034】
電源ボックス100の前面には、
図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0035】
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0036】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、後述するRT0〜RT4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0037】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
【0038】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。
【0039】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0040】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
【0041】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0042】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0043】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0044】
本実施形態においてメイン制御部41はサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、サブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるがサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0045】
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0046】
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
【0047】
設定値を変更するためには、まず、前面扉1bが開放された状態で、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作と電源スイッチ39の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。なお、この場合、設定キースイッチ37がオフ状態になるまで前面扉1bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
【0048】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1bを開放して設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
【0049】
本実施形態におけるスロットマシン1は、RT1、RT2、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。
【0050】
まず、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT1またはRT2において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT1またはRT2において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。BB、RBのいずれかに当選してから入賞するまでは、BBおよびRBが当選しない内部中に制御され、BBまたはRB(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT1に制御されることとなる。
【0051】
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、中段スイカ、中段チェリーが含まれる。
【0052】
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、白7リプレイが含まれる。
【0053】
次に、遊技状態毎に内部抽選によって抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。内部抽選はメイン制御部41が実行する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。本実施形態では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、内部中であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。
【0054】
RB(BB中RB含む)は、チェリー、スイカ、押し順ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
【0055】
RT1,2であるときには、BB、RB、押し順ベル、スイカ、チェリー、通常リプレイ、押し順リプレイが内部抽選の対象役となる。
【0056】
本実施形態では、通常リプレイが当選している場合には、中段リプレイ(「リプレイ/−リプレイ−リプレイ」の組合せ)または白7リプレイ(「白7−白7−白7」の組合せ)が入賞する。なお、リプレイと白7が引込範囲にあるときは白7が優先して引き込まれて入賞ラインLNに停止するようにリールの停止制御が行われる。
【0057】
また、チェリーが当選している場合には、当選した中段チェリーの構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作が行われたときに、中段チェリー(「チェリー−ANY−ANY」の組合せ)が入賞する。
【0058】
また、スイカが当選している場合には、当選した中段スイカの構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作が行われたときに、中段チェリー(「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せ)が入賞する。
【0059】
本実施形態では、押し順ベルが当選している場合には、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。押し順ベルのいずれかが当選した場合には、押し順ベルの種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが必ず入賞する一方で、押し順ベルの種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うと中段ベルが入賞しない。押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。
【0060】
本実施形態では、押し順リプレイが当選している場合には、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1において抽選対象となる押し順リプレイが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、昇格リプレイが入賞してRT2へ移行する一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイが入賞してRT1が維持される。また、RT2において押し順リプレイが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイが入賞してRT2が維持される一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。
【0061】
本実施形態では、RT1、RT2、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。本実施形態では、RT1は、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となり、RT2、RB、BBは、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。RT1、RT2、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。
【0062】
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT1またはRT2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
【0063】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、押し順ベル及び押し順リプレイである。また、本実施形態においてメイン制御部41は、BBまたはRBにおいて押し順ベルに当選した場合であっても、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0064】
本実施形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。
【0065】
また、本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からの画像の表示によって報知する。
【0066】
ナビ報知及びナビ演出では、RT1において押し順リプレイが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2において押し順リプレイが当選したときには、中段リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT1およびRT2のいずれにおいても押し順ベルが当選したときには、中段ベルが入賞する停止順を識別可能に報知する。
【0067】
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させることができ、RT2において中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避することができる。
【0068】
本実施形態においてメイン制御部41は、BB中に通常リプレイに当選したときおよびBB中にチェリーに当選したときにAT抽選を実行する。BB中に通常リプレイに当選したときに実行するAT抽選ではBBの終了後にATに制御するか否かを決定する。BB中にチェリーに当選したときに実行するAT抽選ではBBの終了後にATおよび上乗せ特化ゾーンに制御するか否かを決定する。
【0069】
本実施形態では、AT抽選の当選確率は一律であるが、通常リプレイの当選確率がチェリーの当選確率よりも高くなっているため、通常リプレイに当選してAT抽選に当選する確率は90%になっており、チェリーに当選してAT抽選に当選する確率は10%になっている。
【0070】
メイン制御部41は、BB中に通常リプレイに当選してAT抽選に当選したときには、BBが終了した後のRT1においてAT(後述する準備状態)に制御する。そして、ART(RT2でのAT)に移行したときにARTでのゲーム数のカウントを開始し、ARTでのゲーム数が50ゲームに達したときにARTを終了させる。
【0071】
一方、メイン制御部41は、BB中にチェリーに当選してAT抽選に当選したときには、BBが終了した後のRT1において、まず上乗せ特化ゾーンに制御する。上乗せ特化ゾーンでは、スイカに当選するたびにARTでのゲーム数が10ゲームずつ上乗せされていく。なお、上乗せ特化ゾーンでは、押し順ベルに当選したときはナビ報知およびナビ演出は行われる。上乗せ特化ゾーンは20ゲームで終了する。メイン制御部41は、上乗せ特化ゾーンが終了した後にRT1におけるAT(後述する準備状態)に制御する。そして、ART(RT2でのAT)に移行したときにARTでのゲーム数のカウントを開始し、ARTでのゲーム数が50ゲームと上乗せ特化ゾーンで上乗せされたゲーム数とを合計したゲーム数に達したときにARTを終了させる。なお、上乗せ特化ゾーンでゲーム数が上乗せされなかったときにはARTは50ゲームで終了する。
【0072】
なお、本実施形態では、AT抽選の当選確率を一律に設定して抽選役の当選確率を異ならせることにより、第1の状況である通常リプレイの当選時のほうが第2の状況であるチェリーの当選時よりも特典が付与される割合(確率)を高くしているが、例えば、AT抽選の当選確率及び抽選役の当選確率の両方を異ならせることにより、第1の状況である通常リプレイの当選時のほうが第2の状況であるチェリーの当選時よりも特典が付与される割合を高くすることも可能である。また、同一の抽選役に対して複数の図柄組合せを停止させることが可能な場合には、同一の抽選役であっても停止図柄に応じてAT抽選の当選確率を第1の状況と第2の状況とで変更することも可能である。
【0073】
メイン制御部41は、ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。
【0074】
メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、押し順リプレイの当選時にナビ報知の対象となり、昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT2に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT1〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
【0075】
メイン制御部41は、RT1で昇格リプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
【0076】
ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。また、押し順リプレイ当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
【0077】
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。このとき、BB中に通常リプレイに当選してAT抽選に当選したときには、ARTの残りゲーム数に50ゲームが加算される。また、BB中にチェリーに当選してAT抽選に当選したときには、ARTの残りゲーム数に50ゲームが加算されるとともに上乗せ特化ゾーンでゲーム数の上乗せが発生したときには上乗せされたゲーム数も加算される。
【0078】
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順リプレイの当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
【0079】
[ナビ演出実行処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行する特典付与演出実行処理について説明する。
【0080】
図5に示すように、サブ制御部91は、スタートスイッチ7の操作時にメイン制御部41から送信された遊技状態コマンドにもとづいてBB中か否かを判定する(Sc1)。BB中でない場合(Sc1でN)には処理を終了する。BB中の場合(Sc1でY)には、第3停止操作が行われたことを示す第3停止操作コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sc2)。第3停止操作コマンドは、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が解除されたとき(すなわち、ストップスイッチの押下が検出されなくなったとき)にメイン制御部41からサブ制御部91に送信される。
【0081】
第3停止操作コマンドを受信していない場合(Sc2でN)には処理を終了する。第3停止操作コマンドを受信した場合(Sc2でY)には、スタートスイッチ7の操作時にメイン制御部41から送信された内部当選コマンド(内部抽選の結果を示すコマンド)にもとづいてチェリーに当選したか否かを判定する(Sc3)。これにより、第2の状況が発生したか否かを判定する。チェリーに当選した場合(Sc3でY)には、第3停止操作コマンドを受信してから所定時間が経過したか否かを判定する(Sc4)。所定時間が経過していない場合(Sc4でN)には所定時間が経過するまで待機する。
【0082】
所定時間が経過した場合(Sc4でY)には、サブ制御部91は液晶表示器51からAT確定画像を表示する(Sc5)。すなわち、サブ制御部91は、AT確定画像を表示することによって第1特典付与演出を実行する。これにより、第1の特典であるAT(ARTを含む)が付与されることが遊技者に報知される。次いで、AT確定画像を表示してから特定時間が経過したか否かを判定する(Sc6)。特定時間が経過していない場合(Sc6でN)には特定時間が経過するまで待機する。
【0083】
特定時間が経過した場合(Sc6でY)には、サブ制御部91は液晶表示器51から上乗せ特化ゾーン確定画像を表示する(Sc7)。すなわち、サブ制御部91は、上乗せ特化ゾーン確定画像を表示することによって第2特典付与演出を実行する。これにより、第2の特典である上乗せ特化ゾーンが付与されることが遊技者に報知される。
【0084】
一方、Sc3でチェリーに当選していないと判定された場合(Sc3でN)には、スタートスイッチ7の操作時にメイン制御部41から送信される内部当選コマンドにもとづいて通常リプレイに当選したか否かを判定する(Sc8)。これにより、第1の状況が発生したか否かを判定する。通常リプレイに当選した場合(Sc8でY)には、サブ制御部91は液晶表示器51からAT確定画像を表示する(Sc9)。すなわち、サブ制御部91は、AT確定画像を表示することによって第1特典付与演出を実行する。これにより、第1の特典であるAT(ARTを含む)が付与されることが遊技者に報知される。また、通常リプレイに当選していないと判定された場合(Sc8でN)には処理を終了する。なお、Sc4における所定時間とSc6における特定時間は同一の時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0085】
[BB中に通常リプレイおよびチェリーに当選したときの具体例]
BB中に通常リプレイに当選したときに実行する第1特典付与演出について説明する。
【0086】
図6に示すように、内部抽選により通常リプレイに当選して第1の状況が発生した場合に、サブ制御部91は、通常リプレイを構成する図柄である「白7−白7−白7」を入賞ラインLN上に停止させることを促す演出画像200(図中「白7を狙え!!」)と、その図柄が揃った結果、ATが付与されることを示す演出画像201(図中「7揃いでAT確定!!」)とを液晶表示器51から表示する。遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを押下して入賞ラインLN上に「白7−白7−白7」が停止して通常リプレイが入賞したとする。このとき、白7が揃ったことにより、遊技者はATが付与されることを認識することができる。そして、サブ制御部91は、第3停止操作に係るストップスイッチ7の押下が解除されたタイミング(図中「ストップスイッチ離し」のタイミング)に、BB終了後にAT(ARTを含む)が付与されることを示すAT確定画像202(図中「AT確定!!」)を液晶表示器51から表示する。
【0087】
なお、通常リプレイは、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず入賞するように図柄の配列がなされている。よって、入賞ラインLN上に「白7−白7−白7」と揃わずに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」と揃った場合でも、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が解除されたタイミングにAT確定画像202を液晶表示器51から表示する。これにより、ATが付与されることを報知でき、ATを付与すると決定したか否かについて誤認が生じることを防止できる。
【0088】
次に、BB中にチェリーに当選したときに実行する第1特典付与演出および第2特典付与演出について説明する。
【0089】
図7に示すように、内部抽選によりチェリーに当選して第2の状況が発生した場合にも、サブ制御部91は、通常リプレイを構成する図柄である「白7−白7−白7」を入賞ラインLN上に停止させることを促す演出画像200(図中「白7を狙え!!」)と、その図柄が揃った結果、ATが付与されることを示す演出画像201(図中「7揃いでAT確定!!」)とを液晶表示器51から表示する。遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを押下したときに入賞ラインLN上に白7がテンパイしたものの「白7−白7−白7」が停止せず、通常リプレイが入賞しなかったとする。このとき、サブ制御部91は、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が解除されたタイミング(図中「ストップスイッチ離し」のタイミング)ではAT確定画像を表示しない。しかし、サブ制御部91は、ストップスイッチの押下が解除されたタイミングから所定時間が経過したときにAT確定画像202(図中「AT確定!!」)を液晶表示器51から表示する。また、AT確定画像を表示してから特定時間が経過したときに上乗せ特化ゾーンに制御されることを示す上乗せ特化ゾーン確定画像203を液晶表示器51から表示する。なお、所定時間と特定時間は同一の時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0090】
本実施形態では、通常リプレイの当選時のほうがチェリーの当選時よりも特典が付与される割合(確率)を高くしているので、チェリーが当選してATが付与される機会は通常リプレイが当選してATが付与される機会よりも少ない。そして、チェリーに当選したときにはAT確定画像202の表示タイミングが通常リプレイに当選したときのように第3停止操作の解除時に即座に行われない。よって、チェリーに当選したときには、遊技者は第3停止操作を行ったときに一旦ATは付与されないものと落胆する。しかし、所定時間を置いてAT確定画像202が表示されるので遊技者の意表を突くことができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、本実施形態では、チェリーに当選したときのAT抽選においてはATと上乗せ特化ゾーンを付与するか否かを決定する例を挙げているが、チェリーに当選したときにATのみ、またはATと上乗せ特化ゾーンを付与するか否かを決定するように構成してもよい。
【0091】
[本実施形態の変形例について]
本実施形態では、第1の状況および第2の状況をBB中に通常リプレイに当選したときおよびBB中にチェリーに当選したときにする例を挙げたが、第1の状況および第2の状況を小役の当選履歴など遊技履歴が所定条件を満たした状況とすることが可能である。この場合に第1の状況では特典付与演出が実行される前に特典が付与されることを認識できるように構成することが可能である。例えば、第1の状況をベルが5ゲーム連続して当選した状況に設定したとする。この場合に、ベルの当選履歴を表示するとともにベルに当選したときにその旨を表示して遊技者が第1の状況の認識できるようにした後に第1特典付与演出を実行することができる。また、ベルの当選履歴を表示するとともにベルが入賞したときにその旨を表示して遊技者が第1の状況の認識できるようにした後に第1特典付与演出を実行することができる。
【0092】
また、特典を付与する状況として、内部抽選の結果が通常リプレイやチェリーなどの特定結果になったときに限らず、他の状況を設定してもよい。例えば、ストップスイッチの操作態様(操作順序や操作タイミング)が特定操作態様である状況にすることが可能である。例えば、ストップスイッチが特定順序で操作された状況、ストップスイッチが特定タイミングで操作された状況が挙げられる。また、リールが停止したときの表示結果(停止図柄)が特定表示結果である状況にすることが可能である。例えば、リールが停止したときに特定の入賞役が入賞した状況が挙げられる。また、遊技履歴が特定履歴になった状況とすることが可能である。例えば、特定の抽選役が特定ゲーム数にわたって連続して抽選する状況、あるいは、特定の入賞役が特定ゲーム数にわたって連続して入賞する状況が挙げられる。また、これら各状況を組み合わせた状況とすることも可能である。これにより、特典を付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0093】
本実施形態では、第1の状況であることを遊技者が停止図柄により認識可能とした後に第1特典付与演出を実行する例を挙げたが、第1の状況または第2の状況であることを遊技者が停止図柄などにより認識可能となる前に特典付与演出を実行することも可能である。例えば、特典付与演出を実行した後に所定図柄を停止させることを促す画像を表示し、図柄を停止させたときに第1の状況または第2の状況のいずれであるかを認識できるようにすることができる。このように、第1の状況または第2の状況のいずれであるかを認識する前に特典付与演出を実行することにより、いずれの状況であるかを認識するまでに遊技者の緊張感および期待感を高めることができる。
【0094】
本実施形態では、BB中において第2の状況が発生したときに第1の特典と第2の特典とを付与する例を挙げたが、ATやボーナス中など一の期間における特定期間において第2の状況が発生したときに第1の特典と第2の特典とを付与するように構成することも可能である。例えば、BB中の特定期間内でチェリーに当選したときはATと上乗せ特化ゾーンが付与されるが、BB中であっても特定期間外であるときは、ATのみまたはATと上乗せ特化ゾーンを付与するように構成することができる。これにより、特定期間内では第1の状況または第2の状況のいずれの状況が発生して特典が付与されるかに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0095】
[上記実施形態の効果]
本実施形態では、第1の状況であるBB中に通常リプレイに当選したときにATを付与すると決定したときと、第2の状況であるBB中にチェリーに当選したときにATと上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したときとで特典付与演出を実行するタイミングが異なる(本例では、
図5のSc5及びSc7、Sc9の処理を行う部分、
図6および
図7に示す部分)。
よって、付与される特典に応じて特典付与演出による報知のタイミングを異ならせることができるので、特典付与演出による報知のタイミングによってATと上乗せ特化ゾーンが付与されることへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0096】
本実施形態では、第1の特典は、ATである。
よって、遊技に関する特典が付与されるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0097】
本実施形態では、第2の特典は、ATに付随して付与される上乗せ特化ゾーンである。
よって、第1の特典に付随した特典が付与されるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0098】
本実施形態では、特典を付与するか否かを決定する状況として内部抽選の結果が通常リプレイやチェリーになった状況を含む(本例では、
図6および
図7に示す部分)。
ATや上乗せ特化ゾーンを付与すると決定する状況を複数の状況にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0099】
本実施形態では、第1の状況であるBB中に通常リプレイに当選したときにATを付与すると決定した場合には、特典付与演出が実行される前にATを付与すると決定したことを認識することが可能な制御として白7が揃うようにリールの停止制御を行う(本例では、
図5のSc5及びSc7、Sc9の処理を行う部分、
図6および
図7に示す部分)。
よって、ATを付与すると決定したことを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0100】
本実施形態では、BB中に通常リプレイに当選したときにATを付与すると決定したときに第1特典付与演出を実行する(本例では、
図5のSc9の処理を実行する部分、
図6に示す部分)。
よって、第1特典付与演出を実行するタイミングにおいて第2の特典である上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したことも報知できるので、第2の特典を付与すると決定しなかったときでも著しく興趣が低下することを防止できる。
【0101】
本実施形態では、特典であるATを付与すると決定したことが認識可能になるように白7が揃うようにリールの停止制御を行った後に特典付与演出を実行する(本例では、
図5のSc9の処理を実行する部分、
図6に示す部分)。
よって、ATが付与される状況に応じた特典付与演出が実行されるか否かへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0102】
本実施形態では、BB中にチェリーに当選してATと上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したときには、BB中に通常リプレイに当選したときにATを付与すると決定したときよりも遅いタイミングに特典付与演出を実行する(本例では、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図6および
図7に示す部分)。
よって、遊技者に一旦ATや上乗せ特化ゾーンを付与すると決定しなかったと認識させ、特典付与への期待感が低下したところで、特典付与演出を実行するので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0103】
本実施形態では、BB中にチェリーに当選してATと上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したときには第2特典付与演出を実行する(本例では、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図7に示す部分)。
よって、ATと上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したことを報知できるので、付与すると決定した特典の種類の誤認を防止することができる。
【0104】
本実施形態では、第2特典付与演出は第1特典付与演出を実行した後に実行する(本例では、
図5のSc5およびSc7の処理を実行する部分、
図7に示す部分)。
よって、ATと上乗せ特化ゾーンを付与すると決定したことを報知できるので、付与すると決定した特典の種類の誤認を防止することができる。
【0105】
本実施形態では、BB中に通常リプレイに当選したときにATが付与する割合は、BB中にチェリーに当選してATと上乗せ特化ゾーンを付与する割合よりも高い。
よって、特典を付与すると決定する状況に応じて、付与すると決定し得る特典の大きさにメリハリがつくので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0106】
[その他、変形例について]
以下に、上記実施形態の種々の変形例について説明する。
【0107】
[特典について]
上記実施形態では、特典としてATと上乗せ特化ゾーンを例に挙げたが、例えば、BBやRBなどのボーナスに制御する権利、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せ、ATのゲーム数の上乗せといったより有利なATの権利、ATに移行しやすい状態の権利、ATのゲーム数の上乗せがしやすい状態の権利、リプレイの当選確率が通常遊技状態と異なるRT(リプレイタイム)への移行を許容する権利、設定示唆演出の実行権利、演出種類の増加の権利、プレミアム演出が出現しやすい状態への移行の権利、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の権利など、上記実施形態と異なる特典にしてもよい。
【0108】
[第1の状況、第2の状況について]
上記実施形態では、第1の状況および第2の状況として、BB中に通常リプレイに当選した状況およびBB中にチェリーに当選した状況とする例を挙げたが、上記実施形態と異なる状況にしてもよい。例えば、停止図柄が特定の停止図柄となった状況、特定の演出を実行することに決定した状況、特定の演出を実行した状況、特定の演出を実行したときに特定の停止図柄が停止した状況などが挙げられる。また、同一の抽選役に対して複数の図柄組合せを停止させることが可能な場合に、該抽選役に当選したときの停止図柄に応じて第1の状況および第2の状況を設定することも可能である。また、液晶表示装置51、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(例えば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(例えば、演出効果LED52)、その他各種ランプなどにより特定の演出を実行したとき、当該特定の演出を実行すると決定したときを第1の状況および第2の状況とすることが可能である。また、このような特定の演出が実行されるとともに特定の停止図柄が停止(特定の表示結果が導出されたとき)した状況を第1の状況および第2の状況とすることが可能である。また、ストップスイッチの押し順に応じて第1の状況や第2の状況を設定するなど、操作手段(例えば、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)に対して特定の操作が行われた状況を第1の状況および第2の状況とすることが可能である。
【0109】
[第1の状況、第2の状況であることを認識可能にする方法について]
上記実施形態では、停止図柄によって第1の状況であることを認識可能としたが、第1の状況や第2の状況であることを認識可能とする方法を上記実施形態と異なる方法にしてもよい。例えば、遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御する、特定の演出を実行する、リールが停止するときの遅延時間(いわゆる、スベリ)により認識可能とすることが挙げられる。
【0110】
[特典付与演出について]
上記実施形態では、液晶表示器51を用いて各演出を行ったが、この実施の形態に限らず、例えば、スピーカ53,53、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(例えば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(例えば、演出効果LED52)、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を行ってもよい。
【0111】
[スロットマシンについて]
前記実施形態では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施形態1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0112】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0113】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。