(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置では、第1レバー部の基端部における揺動軸に、アーム全体の負荷がかかることになり、負荷が大きくなる。
本発明は、上記従来の課題を考慮し、軸にかかる負担を低減することが可能なワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係るワーク搬送装置は、プレス装置に用いられるワーク搬送装置であって、支持部材と、レバーユニットと、レバーユニット支持体と、第1レバー支持部と、第2レバー支持部と、を備える。支持部材は、ワークを着脱自在に保持する保持部を支持する。レバーユニットは、第1レバー部と、第1レバー部と支持部材の間に設けられ第1レバー部に回動可能に連結された第2レバー部を有し、支持部材を揺動可能に支持する。レバーユニット支持体は、レバーユニットを支持する。第1レバー支持部は、レバーユニット支持体に設けられ第1レバー部を揺動可能に支持する。第2レバー支持部は、レバーユニット支持体に設けられ第2レバー部をスライド可能かつ揺動可能に支持する。
【0006】
これにより、第1レバー部と第2レバー部は、レバーユニット支持体に第1レバー支持部および第2レバー支持部の2箇所において支持される。
このため、第1レバー部および第2レバー部による負荷が第1レバー支持部および第2レバー支持部に分散され、第1レバー部の揺動中心である第1軸にかかる負荷を低減することができる。
【0007】
第2の発明に係るワーク搬送装置は、第1の発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー支持部における第1レバー部の揺動中心である第1軸と第2レバー支持部における第2レバー部の揺動中心である第2軸は平行である。
これにより、平面視において第1レバー部の揺動方向と第2レバー部の揺動方向が平行となり、第1レバー部と第2レバー部の協働によりワークを搬送することができる。
【0008】
第3の発明に係るワーク搬送装置は、第2の発明に係るワーク搬送装置であって、第1軸と第2軸は、ワーク搬送方向に対して垂直に配置されている。
これにより、平面視において第1レバー部の揺動方向とおよび第2レバー部の揺動方向がワーク搬送方向に沿うことになり、第1レバー部と第2レバー部の揺動によりワークを効率よく搬送できる。
【0009】
第4の発明に係るワーク搬送装置は、第1の発明に係るワーク搬送装置であって、スライド機構を更に備えている。スライド機構は、レバーユニット支持体を上下方向にスライドする。
第2レバー部がスライド可能かつ揺動可能にレバーユニット支持体に支持されているため、レバーユニット支持体の上下方向のストロークを低減することができる。
【0010】
例えば、従来のワーク搬送装置のように、第1レバー部の先端に第2レバー部が連結されており、第2レバー部が昇降移動するキャリアに支持されていない構成では、第1レバー部および第2レバー部を引き込むためにはキャリアの昇降ストロークを大きくする必要がある。しかしながら、本発明のように、第2レバー部がスライド移動するため、第2レバー部および第2レバー部の引き込み量が低減しレバーユニット支持体の昇降ストロークを小さくすることができる。
【0011】
第5の発明に係るワーク搬送装置は、第1の発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー支持部は、第1レバー部を揺動する第1駆動部を有する。
これにより、第1レバー部を揺動させることができる。また、レバー支持部に第1駆動部を設けることにより、コンパクト化を図ることが可能となる。
【0012】
第6の発明に係るワーク搬送装置は、第1乃至第4のいずれかの発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー支持部は、第2レバー支持部の上方に配置されている。
これにより、第1軸にかかる負荷を低減させながら第1レバー部および第2レバー部を揺動し、ワークを保持する保持部を支持する支持部材を揺動することができる。
第7の発明に係るワーク搬送装置は、第1乃至第4のいずれかの発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー部は、ワークを搬送する際に、ワーク搬送方向において支持部材と逆方向に揺動する。
これにより、第2レバー部を支持部材と同じ方向に揺動できるとともに、第2レバー部を上下方向にスライドさせることができる。
【0013】
第8の発明に係るワーク搬送装置は、第1乃至第4のいずれかの発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー支持部は、第2レバー支持部の下方に配置されている。
これにより、第1軸にかかる負荷を低減させながら第1レバー部および第2レバー部を揺動し、ワークを保持する保持部を支持する支持部材を揺動することができる。
【0014】
第9の発明に係るワーク搬送装置は、第6または第8の発明に係るワーク搬送装置であって、第1レバー部は、ワークを搬送する際に、第1レバー支持部における第1レバー部の揺動中心である第1軸の鉛直方向の上側を通過する。
これにより、第2レバー部を支持部材と同じ方向に揺動できるとともに、第2レバー部を上下方向にスライドさせることができる。
【0015】
第10の発明に係るワーク搬送装置は、第2の発明に係るワーク搬送装置であって、レバーユニットは、第2レバー部と支持部材の間に設けられた第3レバー部を更に有する。第3レバー部は、第2レバー部の先端に第3軸を中心に揺動可能に連結されている。第3軸は、第1軸と平行である。ワーク搬送装置は、第3レバー部を揺動する第2駆動部を更に備える。
これにより、ワークを保持する保持部を支持する支持部材を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0016】
第11の発明に係るワーク搬送装置は、第10の発明に係るワーク搬送装置であって、レバーユニットは、第3レバー部と支持部材の間に設けられた第4レバー部を更に有する。第4レバー部は、第3レバー部の先端に第4回動軸を中心に回動可能に連結されている。第4回動軸は、第3レバー部および第4レバー部の配置方向に沿っている。ワーク搬送装置は、第4レバー部を回動する第3駆動部を更に備える。
これにより、ワークを保持する保持部を支持する支持部材を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0017】
第12の発明に係るワーク搬送装置は、第11の発明に係るワーク搬送装置であって、レバーユニットは、第4レバー部と前記支持部材の間に設けられた第5レバー部を更に有する。第5レバー部は、第4レバー部の先端に第5軸を中心に揺動可能に連結されている。第5軸は、第4軸に対して垂直である。ワーク搬送装置は、第5レバー部を揺動する第4駆動部を更に備える。
これにより、ワークを保持する保持部を支持する支持部材を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0018】
第13の発明に係るワーク搬送装置は、第1の発明に係るワーク搬送装置であって、保持部を前記支持部材の長手方向に沿って移動させる移動機構を更に備えている。
これにより、次加工位置に配置する際にワークの幅方向の位置を変更することができ、ワークの多様な搬送に対応することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、軸にかかる負担を低減することが可能なワーク搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る実施の形態におけるワーク搬送装置について図面を参照しながら以下に説明する。
<1.構成>
(1−1.プレスシステム100)
図1は、本実施の形態のワーク搬送装置10を用いたプレスシステム100の構成を示す模式図である。
【0022】
プレスシステム100は、第1プレス装置20と、第2プレス装置21と、第1プレス装置20と第2プレス装置21の間に設けられたワーク搬送装置10とを備える。第1プレス装置20および第2プレス装置21は、ワークの搬送方向Xに沿って配置されている。
各々のプレス装置20、21は、アプライト22と、クラウン23と、ボルスタ24とを主に有する。
【0023】
アプライト22は、柱状の部材であり、図示しないベッド上に4本配置されている。4本のアプライト22は、平面視において矩形状の各頂点を形成するように配置されている。
クラウン23は、4本のアプライト22によって上方に支持されている。
図1では、ワーク搬送装置10を視認しやすくするためにクラウン23、アプライト22およびボルスタ24は点線で示している。クラウン23は、図示しないスライドを吊下する。クラウン23には、スライドを昇降移動させるスライド駆動部が設けられている。スライドの下側には上金型が着脱可能に取り付けられる。
【0024】
ボルスタ24は、アプライト22の間であって、スライドの下側に配置されている。ボルスタ24の上側には下金型が配置される。
上記構成において、スライドがボルスタ24に向かって移動することによって、上金型および下金型の間でプレス加工が行われる。
ワーク搬送装置10は、2つの第1プレス装置20および第2プレス装置21の間に設けられており、搬送方向Xにおける上流側の第1プレス装置20からワークを取り出し、下流側の第2プレス装置21へワークWを搬送する。
【0025】
(1−2.ワーク搬送装置10)
図1に示すように、上流側のプレス装置20における下流側の2つのアプライト22の間に取付フレーム25が設けられている。この取付フレーム25は、2つのアプライト22に固定されており、ワーク搬送装置10を支持する。
図2は、ワーク搬送装置10を右側から見た斜視図である。
図3は、ワーク搬送装置10を左側から見た斜視図である。
図4は、ワーク搬送装置10を搬送方向Xの下流側から視た正面図である。
図5は、ワーク搬送装置10の右側面図である。ここで、右側とは、搬送方向Xを向いて右側のことであり、矢印Rで示す。また、搬送方向Xを向いて左側を矢印Lで示す。また、
図5では、後述するスライダアーム52は点線で示している。
【0026】
ワーク搬送装置10は、
図2に示すように、キャリア支持フレーム11と、リフトキャリア12と、キャリア駆動機構13と、レバーユニット14と、クロスバー15と、第1レバー支持部16(
図4参照)と、第2レバー支持部17(
図4参照)と、移動機構18(
図6参照)と、駆動部71、72、73、74(
図7参照)と、を主に有する。
(キャリア支持フレーム11)
キャリア支持フレーム11は、
図1および
図2に示すように、その上部において取付フレーム25に固定されている。キャリア支持フレーム11は、外形が概ね直方体形状であり、下方に向かって長く形成されている。キャリア支持フレーム11は、キャリア駆動機構13を支持するとともに、リフトキャリア12を上下方向に昇降可能に支持する。
【0027】
(キャリア駆動機構13)
キャリア駆動機構13は、
図4に示すように、ベルト31と、ベルト駆動モータ32と、ベルト駆動プーリ34と、を主に有する。
ベルト駆動モータ32は、サーボモータであり、キャリア支持フレーム11の上部に2つ設けられている。2つのベルト駆動モータ32は、
図2に示すように、キャリア支持フレーム11の搬送方向Xの上流側および下流側の両方に配置されている。ベルト駆動モータ32は、その回転軸が搬送方向Xに沿うように配置されている。
【0028】
また、キャリア支持フレーム11の下部内側には、
図4に示すように、2つのベルト駆動プーリ34が設けられている。ベルト駆動プーリ34は、下流側の側面11aと上流側の側面11b(
図3参照)にわたって設けられた支持軸に回転可能に配置されている。
ベルト31は、搬送方向Xに2本並んで配置されている。各々のベルト31は、
図4に示すように、キャリア支持フレーム11の上部に設けられたベルト駆動モータ32の回転軸と、下部に設けられたベルト駆動プーリ34に巻き掛けられている。
【0029】
リフトキャリア12は、2本のベルト31に連結部33(後述する
図7参照)で連結されている。
すなわち、2つのベルト駆動モータ32の回転駆動により、ベルト31が回転し、連結部33において連結されているリフトキャリア12が昇降移動する。
なお、キャリア支持フレーム11の昇降移動に対してバランサシリンダなどが設けられていてもよい。
【0030】
(リフトキャリア12)
リフトキャリア12は、
図2および
図4に示すように、キャリア支持フレーム11の搬送方向Xを向いて右側面側に配置されており、後述するレバーユニット14を支持する。
図6は、リフトキャリア12をレバーユニット14から取り外した状態を右側から視た分解斜視図である。
図7は、リフトキャリア12をレバーユニット14から取り外した状態を左側から視た分解斜視図である。
【0031】
また、リフトキャリア12のキャリア支持フレーム11側の面には、
図2に示すように、複数のスライドガイド121(後述する
図8も参照)が設けられており、キャリア支持フレーム11に上下に沿って設けられたスライドレール111に嵌合している。
リフトキャリア12のキャリア支持フレーム11側の面には、後述する
図8に示すように、複数の連結部33が設けられており、リフトキャリア12は、連結部33において2本のベルト31と連結されており、ベルト駆動モータ32の回転駆動により昇降移動できる。
リフトキャリア12には、
図6に示すように、その上部に、第1レバー支持部16が取り付けられている。リフトキャリア12は、その下部に第2レバー支持部17のキャリアベース173を取り付けるための支点軸12bを有している。
【0032】
(レバーユニット14、第1レバー支持部16、第2レバー支持部17)
レバーユニット14は、
図6および
図7に示すように、第1レバー51、スライダアーム52、第2レバー連結部54、第2レバー53、およびクロスバー連結部55を主に有する。第1レバー51、スライダアーム52、第2レバー連結部54、第2レバー53、およびクロスバー連結部55は、リフトキャリア12側から順に連結されている。
【0033】
図8は、スライダアーム52を第1レバー51および第2レバー連結部54から取り外した状態を左側から視た分解斜視図である。
第1レバー51は、その基端部51aにおいて第1レバー支持部16を介してリフトキャリア12に揺動可能に支持されている。第1レバー51は、その先端部51bにおいて
図7に示すように、スライダアーム52に設けられた回転軸521に回転可能に連結されている。回転軸521は、スライダアーム52の左側(矢印L側)に配置されており、左方向Lに向かって形成されている。
【0034】
第1レバー支持部16は、第1レバー51の基端部51aの左側(矢印L)に接続されている。第1レバー支持部16は、第1レバーを駆動する駆動部160を有する。駆動部160は、
図7に示すように、サーボモータおよび減速機などを有する。サーボモータは、その回転軸が左右方向(矢印LR)に沿って配置されている。減速機は、サーボモータの回転を減速して第1レバー51に伝達する。駆動部160が、
図7に示すように、リフトキャリア12に固定されている。サーボモータの回転により、第1レバー51は、サーボモータの回転軸を中心(軸A)として揺動する(
図7の矢印P参照)。
【0035】
スライダアーム52は、第1レバー51の先端部51bに回転可能に連結されている。
図7に示すように、スライダアーム52の上端部52aには、回転軸521が形成されている。この回転軸521は第1レバー51の先端部51bに形成された孔部に挿入される。これによって、第1レバー51とスライダアーム52は、軸Bを中心として互いに回動可能に連結される。
【0036】
第2レバー支持部17は、
図7および
図8に示すように、スライダアーム52の左側面側(矢印L方向)に設けられている。第2レバー支持部17は、ガイド172(例えば、リニアガイド)と、キャリアベース173と、を主に有する。
ガイド172は、4つ(
図8参照)設けられており、スライダアーム52の左側面52cに長手方向に沿って配置された2本のレール522(
図7参照)に2つずつ嵌合している。ガイド172は、レール522に沿ってスライド移動する。
【0037】
キャリアベース173は、複数のガイド172に固定されており、ガイド172の移動に伴ってスライダアーム52に対して相対的にスライド移動する。
なお、スライダアーム52には、バランサシリンダなどが設けられていてもよい。
また、キャリアベース173には、孔部173aが形成されており、孔部173aの周囲には、クロスローラベアリングが配置されている。
図6〜
図8に示すように、この孔部173aにリフトキャリア12の支点軸12bが嵌められている。このように、クロスローラベアリングによって、キャリアベース173はリフトキャリア12に対して軸Cを中心として回転可能に構成されている(
図8の矢印N参照)。
【0038】
すなわち、キャリアベース173は、リフトキャリア12に対して回転可能であり、スライダアーム52に対してスライド可能に構成されている。
第2レバー53は、スライダアーム52の下端部52bに、第2レバー連結部54を介して連結されている。
図7および
図8に示すように、スライダアーム52の下端部52bおよび第2レバー連結部54の上端には、第2レバー連結部54を揺動する駆動部71が設けられている。駆動部71は、回転モータ(サーボモータ)および回転モータ(サーボモータ)の回転を減速して第2レバー連結部54に伝達する減速機を有する。この回転モータの回転駆動によって、第2レバー連結部54は、左右方向(LR方向)に沿った軸Dを中心としてスライダアーム52に対して揺動する(
図7の矢印T参照)。
【0039】
更に、第2レバー連結部54には、
図7に示すように、第2レバー53を回動する駆動部72が設けられている。駆動部72は、回転モータ(サーボモータ)および回転モータ(サーボモータ)の回転を減速して第2レバー53に伝達する減速機を有する。回転モータの回転駆動によって、軸Eを中心にして第2レバー53は回転する(
図7の矢印V参照)。軸Eは、第2レバー連結部54および第2レバー53の配置方向に沿って設けられている。軸Eは、第2レバー53の長手方向に沿って設けられているともいえる。また、軸Eは、第2レバー連結部54の長手方向に沿って設けられているともいえる。
【0040】
クロスバー連結部55は、
図6に示すように、第2レバー53にクロスバー15を連結する。クロスバー連結部55には搬送方向Xに沿って連結軸551が設けられており、連結軸551が第2レバー53の先端部53aに回動可能に支持されている。
この連結軸551を第2レバー53に対して駆動するための駆動部73が、第2レバー53の先端部53aに固定されている。駆動部73は、回転モータ(サーボモータ)と減速機を有する。減速機は、回転モータの回転駆動を減速して連結軸551に伝達し、連結軸551は回転する。このように、回転モータの回転によって、クロスバー連結部55は、連結軸551に沿った軸Fを中心に揺動する(矢印I参照)。ここで、軸Fは、軸Eに対して垂直に設けられている。
【0041】
(クロスバー15、移動機構18)
クロスバー15は、
図6に示すように、左右一対であり、クロスバー連結部55に駆動部74を介して連結されている。
図6に示す駆動部74は、クロスバー連結部55とクロスバー15の間に配置されており、サーボモータと減速機とを有する。減速機は、クロスバー連結部55に取付けられている。また、サーボモータは、その軸(軸G参照)がクロスバー15の長手方向に沿うように配置されている。このサーボモータの回転駆動により、クロスバー15が軸Gを中心にして回動する(矢印H参照)。
【0042】
各々のクロスバー15は、クロスバー本体151と、クロスバーキャリア152とを有する。クロスバー本体151は、細長い四角柱形状であり、駆動部74の減速機に固定されている。
クロスバーキャリア152には、吸着カップなどが取り付けられワークWを着脱可能に保持する。クロスバーキャリア152は、クロスバー本体151の下側に設けられている。また、クロスバーキャリア152をクロスバー本体151の長手方向に沿って移動する移動機構18が設けられている。
【0043】
移動機構18は、キャリアシフトサーボモータ81と、図示しないボールスクリュー等を有する。キャリアシフトサーボモータ81は、クロスバー本体151の外側に配置されている。キャリアシフトサーボモータ81は、その回転軸が左右方向に沿うように配置されている。ボールスクリューは、クロスバー本体151の内側に左右方向に沿って配置されており、キャリアシフトサーボモータ81と連結している。クロスバーキャリア152はボールスクリューと螺合している。
キャリアシフトサーボモータ81が駆動すると、ボールスクリューが回転し、クロスバーキャリア152が左右方向に移動する。これによって、クロスバーキャリア152を左右方向に移動させることができる。
【0044】
<2.動作>
図9〜
図11は、本実施の形態のワーク搬送装置10の動作を説明するための模式図である。
図9は、ワーク搬送装置10が、上流側のプレス装置20のワークW(図示せず)を保持した状態を示す図である。
図10は、ワーク搬送装置10が、下流側のプレス装置21にワークW(図示せず)を搬送している途中の状態を示す図である。
図11は、ワーク搬送装置10が、下流側のプレス装置20にワークW(図示せず)を配置している状態を示す図である。
【0045】
図9に示すように、ワークWを保持した状態で、第1レバー支持部16の駆動部160のサーボモータが駆動すると、第1レバー51は、第1レバー51の揺動中心である軸Aを中心にして、軸Aの上側を搬送方向Xの上流側に向かって揺動する(矢印K1参照)。
この第1レバー51の揺動にしたがって、
図10に示すように、スライダアーム52は、上方(矢印K2参照)にスライドするとともに、キャリアベース173の孔部173aの中心である軸Cを揺動中心として下端部52bが搬送方向Xの下流側に移動するように揺動する(矢印K3参照)。
【0046】
第1レバー51が軸Aよりも搬送方向Xの上流側に揺動すると、第1レバー51の揺動に伴って、スライダアーム52は下方(矢印K4参照)にスライドするとともに、
図11に示すように軸Cを中心として更に揺動する。なお、駆動部71、72、73、74および移動機構18は、上記第1レバー51およびスライダアーム52の移動に伴って、クロスバー15に設けられている吸着パッドに保持されているワークWを、設定された傾きを保ちながら搬送方向Xに向かって移動させるように駆動する。
以上のように、ワークWを搬送方向Xに向かって移動させることができる。
【0047】
<3.特徴>
(3−1)
本実施の形態のワーク搬送装置10は、プレス装置に用いられるワーク搬送装置であって、クロスバー15(支持部材の一例)と、レバーユニット14と、リフトキャリア12(レバーユニット支持体の一例)と、第1レバー支持部16と、第2レバー支持部17と、を備える。クロスバー15は、ワークWを着脱自在に保持するクロスバーキャリア152(保持部の一例)を支持する。レバーユニット14は、第1レバー51(第1レバー部の一例)と、第1レバー51とクロスバー15の間に設けられ第1レバー51に回動可能に連結されたスライダアーム52(第2レバー部の一例)を有し、クロスバー15(支持部材の一例)を揺動可能に支持する。リフトキャリア12は、レバーユニット14を支持する。第1レバー支持部16は、リフトキャリア12に設けられ第1レバー51を揺動可能に支持する。第2レバー支持部17は、リフトキャリア12に設けられスライダアーム52をスライド可能かつ揺動可能に支持する。
【0048】
これにより、第1レバー51とスライダアーム52は、リフトキャリア12に第1レバー支持部16および第2レバー支持部17の2箇所において支持される。
このため、第1レバー51およびスライダアーム52による負荷が第1レバー支持部16および第2レバー支持部17に分散され、第1レバー51の揺動中心である軸A(第1軸の一例)にかかる負荷を低減することができる。
【0049】
(3−2)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レバー支持部16における第1レバー51の揺動中心である軸A(第1軸の一例)と第2レバー支持部17におけるスライダアーム52の揺動中心である軸C(第2軸の一例)は平行である。
これにより、平面視において第1レバー51の揺動方向とスライダアーム52の揺動方向が平行となり、第1レバー51とスライダアーム52の協働によりワークを搬送することができる。
【0050】
(3−3)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、軸A(第1軸の一例)と軸C(第2軸の一例)は、ワーク搬送方向Xに対して垂直に配置されている。
これにより、平面視において第1レバー51の揺動方向とおよびスライダアーム52の揺動方向がワーク搬送方向Xに沿うことになり、第1レバー51とスライダアーム52の揺動によりワークを効率よく搬送できる。
【0051】
(3−4)
本実施の形態のワーク搬送装置10は、キャリア駆動機構13(スライド機構の一例)を更に備えている。キャリア駆動機構13は、リフトキャリア12(レバーユニット支持体の一例)を上下方向にスライドする。
スライダアーム52(第2レバー部の一例)がスライド可能かつ揺動可能にリフトキャリア12に支持されているため、リフトキャリア12の上下方向のストロークを低減することができる。
【0052】
例えば、従来のワーク搬送装置のように、第1レバー部の先端に第2レバー部が連結されており、第2レバー部が昇降移動するキャリアに支持されていない構成では、第1レバー部および第2レバー部を引き込むためにはキャリアの昇降ストロークを大きくする必要がある。しかしながら、本実施の形態のように、スライダアーム52(第2レバー部の一例)がスライド移動するため、第1レバー51(第1レバー部の一例)およびスライダアーム52(第2レバー部の一例)の引き込み量が低減しリフトキャリア12(レバーユニット支持体の一例)の昇降ストロークを小さくすることができる。
【0053】
(3−5)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レバー支持部16は、第1レバー51を揺動する駆動部160(第1駆動部の一例)を有する。
これにより、第1レバー51を揺動させることができる。また、第1レバー支持部16に駆動部160を設けることにより、コンパクト化を図ることが可能となる。
【0054】
(3−6)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レバー支持部16は、第2レバー支持部17の上方に配置されている。
これにより、軸A(第1軸)にかかる負荷を低減させながら第1レバー51およびスライダアーム52を揺動し、ワークWを保持するクロスバーキャリア152(保持部の一例)を支持するクロスバー15(支持部材の一例)を揺動することができる。
【0055】
(3−7)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レバー51(第1レバー部の一例)は、ワークWを搬送する際に、ワーク搬送方向Xにおいてクロスバー15(支持部材の一例)と逆方向に揺動する。
これにより、スライダアーム52(第2レバー部の一例)をクロスバー15と同じ方向に揺動できるとともに、スライダアーム52を上下方向にスライドさせることができる。
【0056】
(3−8)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、第1レバー51(第1レバー部の一例)は、ワークWを搬送する際に、第1レバー支持部16における第1レバー51の揺動中心である軸A(第1軸の一例)の鉛直方向の上側を通過する。
これにより、スライダアーム52(第2レバー部の一例)をクロスバー15(支持部材の一例)と同じ方向に揺動できるとともに、スライダアーム52を上下方向にスライドさせることができる。
【0057】
(3−9)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、レバーユニット14は、スライダアーム52(第2レバー部)とクロスバー15の間に設けられた第2レバー連結部54(第3レバー部の一例)を更に有する。第2レバー連結部54(第3レバー部の一例)は、スライダアーム52(第2レバー部の一例)の先端に軸D(第3軸の一例)を中心に揺動可能に連結されている。軸D(第3軸の一例)は、軸A(第1軸の一例)と平行である。ワーク搬送装置10は、第2レバー連結部54を揺動する駆動部71(第2駆動部の一例)を更に備える。
これにより、ワークWを保持するクロスバーキャリア152(保持部の一例)を支持するクロスバー15(支持部材の一例)を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0058】
(3−10)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、レバーユニット14は、第2レバー連結部54(第3レバー部の一例)とクロスバー15(支持部材の一例)の間に設けられた第2レバー53(第4レバー部の一例)を更に有する。第2レバー53(第4レバー部の一例)は、第2レバー連結部54(第3レバー部の一例)の先端に軸E(第4軸の一例)を中心に回動可能に連結されている。軸Eは、第2レバー連結部54および第2レバー53の配置方向に沿っている。ワーク搬送装置10は、第2レバー53を回動する駆動部72(第3駆動部の一例)を更に備える。
これにより、ワークWを保持するクロスバーキャリア152(保持部の一例)を支持するクロスバー15(支持部材の一例)を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0059】
(3−11)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、レバーユニット14は、第2レバー53(第4レバー部の一例)とクロスバー15(支持部材の一例)の間に設けられたクロスバー連結部55(第5レバー部の一例)を更に有する。クロスバー連結部55(第5レバー部の一例)は、第2レバー53(第4レバー部の一例)の先端に軸F(第5軸の一例)を中心に揺動可能に連結されている。軸F(第5軸の一例)は、軸E(第4軸の一例)に対して垂直である。ワーク搬送装置10は、クロスバー連結部55を揺動する駆動部73(第4駆動部の一例)を更に備える。
これにより、ワークWを保持するクロスバーキャリア152(保持部の一例)を支持するクロスバー15(支持部材の一例)を多様な向きおよび動きで揺動することができる。
【0060】
(3−12)
本実施の形態のワーク搬送装置10では、クロスバーキャリア152(保持部の一例)をクロスバー15(支持部材の一例)の長手方向に沿って移動させる移動機構18を更に備えている。
これにより、次加工位置に配置する際にワークWの幅方向の位置を変更することができ、ワークWの多様な搬送に対応することができる。
【0061】
<4.他の実施の形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
(A)
上記実施の形態では、第1レバー支持部16が第2レバー支持部17の鉛直上方に配置されているが、第2レバー支持部17が第1レバー支持部16の鉛直上方に配置されていてもよい。
図12(a)、(b)は、上述した実施の形態のワーク搬送装置10の構成を示す模式側面図であり、後述する
図13(a)、(b)との比較のために示す。
図13は、第2レバー支持部17が第1レバー支持部16の鉛直上方に配置されている構成のワーク搬送装置10´の構成を示す模式側面図である。
【0063】
図12および
図13を比較すると、
図13に示すワーク搬送装置10´では、
図12のワーク搬送装置10とは異なり、リフトキャリア12の上部の第2レバー支持部17においてスライダアーム52の上端部52aが連結されている。また、リフトキャリア12の下部の第1レバー支持部16において第1レバー51の基端部51aが支持されている。第1レバー51は、スライダアーム52の中央近傍で互いに回動可能に連結されている。
図13に示すように、第1レバー支持部16の駆動部160のサーボモータの回転により、第1レバー51が軸Aの上側を通って前方に回動する(矢印J1)。この回転により、スライダアーム52は、上下方向にスライドしながら軸Bを中心に下端部52bが前方へ揺動する(矢印J2)。
【0064】
(B)
上記実施の形態では、第2レバー連結部54および第2レバー53およびクロスバー連結部55が設けられているが、これらの構成は適宜増減されてもよい。すなわち、スライダアーム52の下端部52bにクロスバー連結部55が直接設けられてもよいし、第2レバー連結部と第2レバー53の間にさらに他の構成が設けられていてもよい。
(C)
上記実施の形態では、リフトキャリア12はベルト駆動によって昇降移動しているが、ボールスクリュー機構あるいはラックアンドピニオン機構などによる駆動であってもよい。
【0065】
(D)
上記実施の形態では、ワーク搬送装置10は、タンデムプレスにおいてプレス装置20の間におけるワークWの搬送を行っているが、これに限られるものではなく、1つのプレス装置内において複数の金型間へのワークWの搬送に用いてもよい。また、ベルトコンベアなどの搬送装置からプレス装置20へのワークWの搬入に用いてもよく、プレス装置20からベルトコンベアなどの搬送装置へのワークWの搬出に用いてもよい。