特許第6768473号(P6768473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768473
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】医用画像診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20201005BHJP
【FI】
   A61B6/03 330A
【請求項の数】15
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-232997(P2016-232997)
(22)【出願日】2016年11月30日
(65)【公開番号】特開2017-127627(P2017-127627A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2019年8月19日
(31)【優先権主張番号】特願2016-5467(P2016-5467)
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹井 浩二
(72)【発明者】
【氏名】石原 博文
(72)【発明者】
【氏名】山形 佳史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 紗佳
(72)【発明者】
【氏名】神長 洋平
【審査官】 井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/084291(WO,A1)
【文献】 特開2010−131221(JP,A)
【文献】 特開2007−203091(JP,A)
【文献】 特開2013−116156(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0214293(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
A61B 5/055
G01T 1/161−1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から収集した信号に基づく画像データの再構成処理に要する再構成時間を、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに基づいて算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記再構成時間に関する情報を、前記撮影条件及び前記再構成条件の複数の組み合わせに対応付けて表示部に表示させる表示制御部と、
を備えた医用画像診断装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記被検体の部位ごとに、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせごとの前記再構成時間をそれぞれ算出し、
前記表示制御部は、前記算出部が前記被検体の部位ごとに算出した前記再構成時間に関する情報を、前記表示部にそれぞれ表示させる、請求項に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記被検体の部位ごとに、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせごとの前記再構成時間をそれぞれ算出し、
前記表示制御部は、位置決め画像上で指定された前記被検体の部位について、前記算出部が前記被検体の部位ごとに算出した前記再構成時間に関する情報を、前記表示部に表示させる、請求項に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記算出部は、更に、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせに基づいて、外部の装置への前記画像データの通信時間を算出し、
前記表示制御部は、前記算出部が算出した前記通信時間に関する情報を、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせに対応付けて前記表示部に表示させる、請求項乃至のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記表示部に表示された前記再構成時間に基づいた、前記再構成時間を決定する決定操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記決定操作により決定された前記再構成時間に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記決定操作として、前記表示部に表示された前記再構成時間に関する情報に基づき、前記画像データの再構成に用いる前記再構成時間を選択する操作を受け付け、
前記表示制御部は、選択された前記再構成時間に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項に記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記決定操作として、前記表示部に表示された前記再構成時間に関する情報に基づいて選択された再構成時間に関与する前記撮影条件及び前記再構成条件の少なくとも一方を変更する操作を受け付け、
前記算出部は、少なくとも一方が変更された後の前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせごとの前記再構成時間を算出し、
前記表示制御部は、少なくとも一方が変更された後の前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせごとに算出された前記再構成時間に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項に記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記受付部は、更に、所定の時間条件の入力操作を受け付け、
前記表示制御部は、前記所定の時間条件を満たす前記再構成時間に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項乃至のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
前記受付部は、更に、前記撮影条件及び前記再構成条件の少なくとも一方に関する設定の入力操作を受け付け、
前記表示制御部は、前記設定を満たす前記撮影条件及び前記再構成条件ごとの前記再構成時間に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項乃至のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
前記受付部は、前記画像データの解像度に関与する前記設定の入力操作を受け付ける、請求項に記載の医用画像診断装置。
【請求項11】
前記解像度は、前記画像データにおける前記被検体の体軸方向の解像度である、請求項10に記載の医用画像診断装置。
【請求項12】
前記算出部は、同一の信号に対する複数回の再構成処理ごとに、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせごとの前記再構成時間をそれぞれ算出し、
前記表示制御部は、前記算出部が前記複数回の再構成処理ごとに算出した前記再構成時間に関する情報を、前記表示部にそれぞれ表示させる、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記再構成時間に基づき、前記再構成処理が完了する時刻、又は前記再構成処理の実行期間に相当する時間情報を示す図を前記表示部に表示させる、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項14】
前記算出部は、更に、前記撮影条件に基づいて、撮影に要する撮影時間を算出し、
前記表示制御部は、前記撮影時間及び前記再構成時間、前記撮影及び前記再構成処理が完了する時刻、又は前記撮影及び前記再構成処理の実行期間に相当する時間情報を示す図のうち少なくとも一つを前記表示部に表示させる、請求項13に記載の医用画像診断装置。
【請求項15】
前記算出部は、更に、前記撮影条件及び前記再構成条件の組み合わせに基づいて、外部の装置への前記画像データの通信に要する通信時間を算出し、
前記表示制御部は、前記撮影時間、前記再構成時間及び前記通信時間、又は前記撮影、前記再構成処理及び前記通信が完了する時刻、又は前記撮影、前記再構成処理及び前記通信の実行期間に相当する時間情報を示す図のうち少なくとも一つを前記表示部に表示させる、請求項14に記載の医用画像診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置といった医用画像診断装置は、被検体を撮影して収集したデータに基づき、画像データを再構成する。例えば、X線CT装置は、様々なスキャンパラメータ及び再構成パラメータにおいて撮影と画像再構成を行う。また、操作者は、診断の目的に応じて、マトリクスサイズやスライス厚、フィルタ等のパラメータを変更することができる。ここで、画像再構成に要する再構成時間はパラメータにより変動する。また、近年、マトリクスサイズの増加や、逐次近似再構成(IR:Iterative Reconstruction)等の新しい再構成方法及び複雑なフィルタリングの出現により、パラメータの選択による再構成時間の変動が大きくなっている。しかし、従来の医用画像診断装置においては再構成時間が表示されないため、操作者はパラメータの選択により変動する再構成時間を把握することができず、パラメータの選択によって操作者の予想以上に再構成時間が長くなり、再構成処理完了後の診断に影響してしまう場合があった。なお、以下の説明においては、スキャンパラメータを撮影条件とも記載する。また再構成パラメータを再構成条件とも記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5049283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、検査の効率を向上させることができる医用画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の医用画像診断装置は、算出部と、表示制御部とを備える。算出部は、被検体から収集した信号に基づく画像データの再構成処理に要する再構成時間を、撮影条件及び再構成条件に基づいて算出する。表示制御部は、前記算出部が算出した前記再構成時間に関する情報を表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図3A図3Aは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図3B図3Bは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図6B図6Bは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図6C図6Cは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るX線CT装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
図8図8は、第1の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
図9図9は、第2の実施形態に係る部位ごとの撮影計画を説明するための図である。
図10A図10Aは、第2の実施形態に係る部位の設定を説明するための図である。
図10B図10Bは、第2の実施形態に係る部位の設定を説明するための図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る部位ごとの再構成時間の表示例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態に係る部位ごとの再構成時間の表示例を示す図である。
図13図13は、第2の実施形態に係る部位ごとの撮影を説明するための図である。
図14図14は、第2の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
図15A図15Aは、第3の実施形態に係る画像データの解像度を説明するための図である。
図15B図15Bは、第3の実施形態に係る画像データの解像度を説明するための図である。
図15C図15Cは、第3の実施形態に係る画像データの解像度を説明するための図である。
図16図16は、第3の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
図17図17は、第3の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
図18図18は、第4の実施形態に係る通信時間の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、以下では、医用画像診断装置の一例として、X線CT装置について説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、高電圧発生器101と、X線源102と、回転フレーム103と、天板104と、X線検出器105と、ディスプレイ106と、入力回路107と、記憶回路108と、処理回路109とを備える。
【0009】
高電圧発生器101は、処理回路109による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線源102に供給する。X線源102は、高電圧発生器101から供給された高電圧を用いてX線を発生するX線管と、被検体Pに対する被曝量の低減と画像の画質向上を目的としてX線の照射野を制御するX線絞り器とを備える。回転フレーム103は、X線源102とX線検出器105とを、被検体Pを挟んで対向するように保持し、被検体Pを中心とした円軌道にて回転する円環状のフレームである。天板104は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。
【0010】
X線検出器105は、X線検出素子を複数有し、被検体Pを透過したX線について信号の強度分布データを検出し、検出した強度分布データを処理回路109に送信する。ディスプレイ106は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路109による制御の下、撮影条件や再構成条件、各種の画像データ等を表示する。また、ディスプレイ106は、再構成処理に要する再構成時間に関する情報を表示する。なお、再構成時間に関する情報の表示については後述する。
【0011】
入力回路107は、各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者からの指示や設定の情報を、処理回路109に転送する。例えば、入力回路107は、所定の時間条件や条件に関する設定の入力操作の情報、再構成時間を決定する決定操作の情報を、処理回路109に転送する。なお、所定の時間条件、条件に関する設定及び決定操作については後述する。記憶回路108は、処理回路109がX線CT装置1による処理の全体を制御する際に用いるデータを記憶する。例えば、記憶回路108は、処理回路109によって実行される各プログラムを記憶する。また、記憶回路108は、各種の画像データを記憶する。
【0012】
処理回路109は、算出機能109aと、表示制御機能109bと、受付機能109cと、制御機能109dと、再構成機能109eを実行する。図1における実施形態では、構成要素の算出機能109a、表示制御機能109b、受付機能109c、制御機能109d及び再構成機能109eにて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路108へ記録されている。処理回路109はプログラムを記憶回路108から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路109は、図1の処理回路109に示された各機能を有することとなる。なお、図1においては単一の処理回路にて、算出機能109a、表示制御機能109b、受付機能109c、制御機能109d及び再構成機能109eにて行われる処理機能が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
【0013】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路108に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路108にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0014】
第1の実施形態における算出機能109aは、特許請求の範囲における算出部の一例である。また、第1の実施形態における表示制御機能109bは、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。また、第1の実施形態における受付機能109cは、特許請求の範囲における受付部の一例である。
【0015】
処理回路109は、X線CT装置1による処理の全体を制御する。X線CT装置1による処理とは、例えば、撮影、再構成処理、画像データの通信など、画像データを用いる検査に係る一連の処理である。例えば、処理回路109は、位置決め画像(スキャノ画像)や診断に用いる画像等の撮影における投影データの収集処理を制御する。なお、処理回路109は、位置決め画像(スキャノ画像)を2次元又は3次元で撮影することができる。
【0016】
また、例えば、処理回路109は、収集した投影データを用いて画像データを再構成する。具体的には、処理回路109は、位置決め画像(スキャノ画像)や診断に用いる画像の投影データから、画像データをそれぞれ再構成する。ここで、再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。あるいは、処理回路109は、逐次近似再構成(IR)を用いて、画像データを再構成することもできる。
【0017】
また、例えば、処理回路109は、再構成した画像データに対して各種画像処理を行い、表示用の画像を生成する。そして、処理回路109は、再構成した画像データや各種画像処理により生成した画像を記憶回路108に格納する。また、処理回路109は、再構成処理に要する再構成時間を、撮影条件及び再構成条件において再構成時間に関与する条件の組み合わせごとに算出し、再構成時間に関する情報をディスプレイ106に表示させる。なお、処理回路109による再構成時間に関する情報の表示については後述する。
【0018】
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を条件の組み合わせごとに算出し、算出した再構成時間に関する情報を操作者に提示することで、検査の効率を向上させる。
【0019】
ここでまず、従来のX線CT装置について説明する。従来のX線CT装置においては、再構成処理に要する再構成時間に関する情報が表示されず、再構成処理が完了する時間を操作者が把握できないために、検査の効率が低下する場合があった。また、急患があった場合等において、撮影及び再構成処理を迅速に完了したい場合に、撮影条件及び再構成条件のうちのどれを、どのように変更すれば再構成時間が十分に短縮されるのかを、操作者が判断することは困難であった。
【0020】
そこで、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を条件の組み合わせごとに算出し、再構成時間に関する情報をディスプレイ106に表示することで、検査の効率を向上させる。また、X線CT装置1は、再構成時間に関する情報の表示に加え、再構成時間の調整を受け付けることで、検査の効率を更に向上させる。以下、第1の実施形態に係るX線CT装置1が行う処理について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、撮影条件及び再構成条件において再構成時間に関与する条件を、再構成時間に関与する条件、あるいは単に、条件とも記載する。
【0021】
まず、算出機能109aは、撮影条件及び再構成条件の中から、再構成時間に関与する条件を抽出する。一例を挙げると、算出機能109aは、撮影条件の中から、再構成時間に関与する条件として、スキャンモードやスキャン速度、FOV(Field Of View)、撮影スライス厚、撮影範囲、ピッチ等を抽出する。なお、算出機能109aは、直接的には再構成時間に影響しないものの、他の撮影条件又は再構成条件に影響を及ぼすことで、間接的に再構成時間に関与する撮影条件(例えば、造影剤の有無など)についても、抽出の対象とすることができる。
【0022】
また、一例を挙げると、算出機能109aは、再構成条件の中から、再構成時間に関与する条件として、画像スライス厚や再構成間隔、緊急の再構成であるか否か、拡大再構成におけるバリエリア、再構成中心、再構成の開始位置及び終了位置、マトリクスサイズ、補間方法、再構成のパラメータセット等を抽出する。なお、拡大再構成とは、画像データのうち詳細に読影すべき領域(バリエリア)に対応する画像データのみを再構成する処理である。
【0023】
また、再構成のパラメータセットとは、例えば、再構成関数や再構成処理、フィルタ種、WW(Window Width)、WL(Window Level)、BoostのON/OFF等のパラメータについて、グループとして設定可能としたものである。一例を挙げると、各パラメータについて複数のパターン(「Brain」や「Neck」等)が予め設定され、例えば「Brain」が選択されると、「Brain」のパターンに従って各パラメータが設定される。なお、選択されるパターンは複数でもよい。ここで、算出機能109aは、再構成のパラメータセットを一条件として抽出してもよいし、再構成のパラメータセットに含まれるパラメータの各々を個別の条件として抽出する場合であってもよい。
【0024】
次に、算出機能109aは、抽出した条件の組み合わせごとに、再構成時間を算出する。即ち、算出機能109aは、各条件で再構成を行った場合の再構成時間を算出する。一例を挙げると、算出機能109aは、被曝低減モードを「ON」とし、使用するフィルタを「フィルタ1」とし、スライス厚を「0.5mm」とし、マトリクスサイズを「512」とする条件の組み合わせについて再構成時間を算出する。また、算出機能109aは、被曝低減モードを「ON」とし、使用するフィルタを「フィルタ1」とし、スライス厚を「0.5mm」とし、マトリクスサイズを「1024」とする条件の組み合わせについて再構成時間を算出する。即ち、算出機能109aは、再構成時間に関与する条件それぞれの具体的な内容に応じて、再構成時間を算出する。なお、以下の説明において、撮影条件及び再構成条件とは、再構成時間に関与する条件として抽出された撮影条件及び再構成条件を示すものとして説明する。
【0025】
ここで、算出機能109aは、再構成時間を任意の方法で算出することができる。例えば、算出機能109aは、使用されるフィルタの種類やスライス厚の値等から、再構成機能109eを実行するプロセッサの処理能力に応じて、再構成時間を算出することができる。また、例えば、算出機能109aは、過去の実績から再構成時間を算出することができる。一例を挙げると、過去に実行された再構成処理の条件の組み合わせ及び再構成時間の記録が記憶回路108に格納される。そして、算出機能109aは、条件の組み合わせ及び再構成時間の記録を記憶回路108から取得し、取得した記録に含まれる条件の組み合わせと再構成時間との対応関係に基づいて、再構成時間を算出することができる。
【0026】
また、算出機能109aは、任意の条件の組み合わせについて、再構成時間を算出することができる。ここで任意の条件とは、例えば、X線CT装置1が自動的に設定する条件であってもよいし、操作者が設定する条件であってもよい。一例を挙げると、算出機能109aは、スキャンプロトコルにプリセットされた条件の組み合わせにおける再構成時間を算出することができる。また、一例を挙げると、算出機能109aは、プリセットされた条件に対して操作者が変更を加えた後の条件の組み合わせにおける再構成時間を算出することができる。なお、算出機能109aは、更に、撮影条件に基づいて、撮影時間を算出することができる。また、算出機能109aは、更に、撮影条件及び再構成条件に基づいて、画像データを外部の装置(サーバ装置等)に通信するのに要する通信時間を算出することができる。
【0027】
次に、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した再構成時間に関する情報をディスプレイ106に表示させる。ここで、表示制御機能109bは、再構成時間に関する情報として、算出された再構成時間をそのまま表示してもよいし、算出された再構成時間に基づく値を表示してもよい。例えば、表示制御機能109bは、再構成時間に関する情報として、算出機能109aが算出した再構成時間について端数処理を行った値を表示する。また、例えば、表示制御機能109bは、過去の処理において算出された再構成時間と実際に要した再構成時間との比較に基づいて、算出機能109aが算出した再構成時間に生じる誤差を予測し、誤差を加味した再構成時間を表示する。あるいは、表示制御機能109bは、再構成時間に関する情報として、算出機能109aが算出した再構成時間を認識できる図形やグラフを表示する。なお、以下では、表示制御機能109bが、算出された再構成時間に関する情報として、算出された再構成時間をそのまま表示する場合について説明する。
【0028】
例えば、表示制御機能109bは、図2に示すように、ディスプレイ106にスキャン画面R1を表示させ、スキャン画面R1上に更に領域R2〜領域R6を表示させる。なお、図2は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。ここで、領域R2及び領域R3は位置決め画像(スキャノ画像)や診断用の画像データ等が表示される領域を示す。また、領域R4は、予定される撮影ごとに、撮影条件(撮影開始位置、撮影終了位置、撮影モード等)が表示される領域を示す。また、領域R5は、各種の撮影条件や再構成条件の表示領域を示す。なお、領域R4及び領域R5に表示される撮影条件や再構成条件は、操作者が変更できるものとしてもよい。また、領域R6は、算出機能109aが算出した再構成時間が表示される領域を示す。
【0029】
ここで、表示制御機能109bは、算出された再構成時間を条件の組み合わせに対応付けて表示させることができる。例えば、表示制御機能109bは、領域R5に撮影条件や再構成条件の全部又は一部を表示させ、領域R6に再構成時間「41min」を表示させる。なお、表示制御機能109bは、領域R5において、撮影条件や再構成条件をグループ分けし、グループごとにタブ等で切り替えて表示する場合であってもよい。また、表示制御機能109bは、領域R5において、撮影条件及び再構成条件の中で操作者から指定されたものを表示させる場合であってもよい。また、表示制御機能109bは、領域R5において、撮影条件及び再構成条件のうち、再構成時間に関与する条件を表示させることができる。なお、表示制御機能109bは、図2に示すように、領域R6において、撮影時間「1min」を更に表示させる場合であってもよい。また、表示制御機能109bは、通信時間を更に表示させる場合であってもよい。
【0030】
ディスプレイ106に表示された再構成時間は操作者によって参照され、例えば、検査計画を立てる上で必要な情報として用いられる。また、表示された再構成時間は、例えば、操作者により、検査の目的に適合するか否かが判断される。一例を挙げると、急患の検査においては、迅速に画像データを取得して診断を行う必要があり、長い再構成時間は検査の目的に適合しない。また別の一例を挙げると、詳細な画像データが必要な検査であって、撮影から診断までに時間的な余裕がある場合において、短い再構成時間は検査の目的に適合しない。一般に、長い再構成時間において再構成処理を行った方がより詳細な画像データを再構成することができ、また、画像データが詳細であるほど検査効率を向上させることができるためである。
【0031】
ディスプレイ106に表示された再構成時間が検査の目的に適合しない場合や、その他操作者が必要と判断した場合、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、更に、ディスプレイ106に表示された再構成時間に基づいた、再構成に用いる再構成時間を決定する決定操作を受け付けることができる。なお、以下では、再構成時間の決定操作に係る一連の処理を、再構成時間の調整、あるいは単に、調整とも記載する。
【0032】
具体的には、まず、受付機能109cは、再構成時間の調整を行うか否かの指示を、再構成時間を参照した操作者から入力回路107を介して受け付ける。ここで、操作者から再構成時間の調整の指示を受け付けない場合、X線CT装置1は、再構成時間の調整を行うことなく、ディスプレイ106に表示された再構成時間において、再構成処理を実行する。なお、操作者から再構成時間の調整の指示を受け付けない場合とは、例えば、表示された再構成時間において検査を開始する旨の決定操作を受け付けた場合や、調整指示を受け付けることなく撮影開始の操作(曝射ボタンの押下等)がなされた場合等である。
【0033】
一方で、操作者から再構成時間の調整の指示を受け付けた場合、X線CT装置1は、再構成時間の調整を開始する。例えば、受付機能109cは、再構成時間の調整指示として、図2に示す領域R6における再構成時間「41min」の欄を選択する操作を受け付ける。また、表示制御機能109bは、再構成時間の調整指示を受け付けた場合、再構成時間の調整に用いる情報を、ディスプレイ106に表示させる。
【0034】
例えば、表示制御機能109bは、再構成時間の調整指示を受け付けると、再構成時間の調整に用いる情報として、代替となる再構成時間及び条件をディスプレイ106に表示させる。一例を挙げると、表示制御機能109bは、図3Aに示すように、ディスプレイ106に領域R7を更に表示させる。ここで、図3Aは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。そして、表示制御機能109bは、図3Aに示すように、領域R7に、算出機能109aが条件の組み合わせごとに複数算出した再構成時間S11〜再構成時間S15及び再構成時間S21〜再構成時間S25を、条件の組み合わせに対応付けてそれぞれ表示させることができる。
【0035】
ここで、算出機能109aは、同一の信号に対する複数回の再構成処理ごとに、条件の組み合わせごとの再構成時間をそれぞれ算出し、表示制御機能109bは、複数回の再構成処理ごとに算出された再構成時間を、条件の組み合わせに対応付けて、ディスプレイ106にそれぞれ表示させることができる。例えば、図3Aに示すように、所定の撮影に対して再構成処理A1及び再構成処理A2の2回の再構成処理が実行される場合において、表示制御機能109bは、再構成処理A1に用いる再構成時間の選択肢として再構成時間S11〜再構成時間S15を表示させ、再構成処理A2に用いる再構成時間の選択肢として再構成時間S21〜再構成時間S25を表示させることができる。
【0036】
図3Aにおいては、再構成処理A1に用いる再構成時間として、斜線で示す再構成時間S11の「1min」が選択されている。また、再構成処理A2に用いる再構成時間として、斜線で示す再構成時間S25の「40min」が選択されている。図3Aにおいて選択されている再構成時間S11及び再構成時間S25は、例えば、スキャンプロトコルにプリセットされた条件の組み合わせにおける再構成時間に対応する。ここで、表示制御機能109bは、例えば、領域R6において、再構成処理A1に用いる再構成時間と再構成処理A2に用いる再構成時間とを合計した再構成時間「41min」を表示させることができる。
【0037】
また、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した再構成時間を、再構成時間に関与する条件の組み合わせに対応付けて、ディスプレイ106に表示させることができる。例えば、表示制御機能109bは、図3Aに示すように、再構成時間に関与する条件として、被曝低減モード、フィルタ、スライス厚、マトリクスの4つの条件を表示させる。また、例えば、表示制御機能109bは、図3Aに示すように、4つの条件の組み合わせごとに、再構成時間S11〜再構成時間S15及び再構成時間S21〜再構成時間S25をそれぞれ表示させる。
【0038】
次に、受付機能109cは、再構成処理に用いる再構成時間を決定する決定操作を受け付ける。例えば、受付機能109cは、決定操作として、ディスプレイ106に表示された条件ごとの再構成時間の中から画像データの再構成に用いる再構成時間を選択する操作を受け付ける。一例を挙げると、受付機能109cは、図3Bに示すように、再構成処理A1に用いる再構成時間として再構成時間S11を選択し、再構成処理A2に用いる再構成時間として再構成時間S21を選択する操作を、決定操作として受け付ける。なお、図3Bは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
【0039】
そして、表示制御機能109bは、決定操作により決定された再構成時間をディスプレイ106に表示させる。例えば、表示制御機能109bは、図3Bに示すように、選択された再構成時間S11の「1min」及び再構成時間S21の「1min」を、領域R7において、それぞれ表示させる。また、例えば、表示制御機能109bは、図3Bに示すように、再構成時間S11の「1min」と再構成時間S21の「1min」とを合計した再構成時間「2min」を、領域R6において表示させる。
【0040】
上述したように、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を操作者に提示しつつ、再構成時間の調整を受け付けることができる。一例を挙げると、調整前の再構成時間が、図3Aの領域R6に示した「41分」であり、調整後の再構成時間が、図3Bの領域R6に示した「2分」である場合、X線CT装置1は、再構成時間を「39分」短縮することができる。
【0041】
なお、第1の実施形態に係る受付機能109cが受け付ける決定操作は、上述した操作に限定されるものではない。例えば、受付機能109cは、条件ごとにディスプレイ106に表示された再構成時間の中から再構成時間が選択された後、決定操作として、再構成時間に関与する条件を変更する操作を受け付ける場合であってもよい。一例を挙げると、操作者が再構成処理A2に用いたい再構成時間が図3Aに示す再構成時間S21に類似するが、スライス厚を「0.25mm」でなく「0.5mm」としたい場合、受付機能109cは、まず、図3Bに示すように、再構成時間S21を選択する操作を受け付ける。そして、受付機能109cは、図3Bに示す再構成時間S21のスライス厚の値を「0.25mm」から「0.5mm」に変更する操作を、決定操作として受け付けることができる。
【0042】
なお、再構成時間に関与する条件を変更する操作を受け付けた場合において、算出機能109aは、変更後の条件の組み合わせごとの再構成時間を算出する。ここで、算出機能109aは、変更後の再構成時間を、変更する操作を受け付けた後に算出してもよいし、変更する操作を受け付ける前に予め算出してもよい。そして、表示制御機能109bは、変更された条件の組み合わせごとに算出された再構成時間をディスプレイ106に表示させることができる。
【0043】
更に、第1の実施形態に係る受付機能109cは、ディスプレイ106に表示される再構成時間に関する種々の入力操作を受け付けることができる。例えば、受付機能109cは、所定の時間条件の入力操作を受け付ける。ここで、所定の時間条件とは、再構成処理に用いる再構成時間の上限値や下限値等であり、例えば「60分以下」や「10分以上30分以下」といった時間的な設定を意味する。また、以下では、所定の時間条件を「完了時間」とも記載する。
【0044】
例えば、再構成時間の調整の指示を受け付けると、表示制御機能109bは、図4に示すように、領域R7を表示させる。ここで、図4は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。そして、受付機能109cは、図4に示す領域R7において、所定の時間条件(完了時間)の入力操作を受け付けることができる。なお、受付機能109cは、再構成時間の調整の指示を受け付ける前に、完了時間の入力操作を受け付けることもできる。また、受付機能109cは、完了時間の入力操作として、操作者による完了時間の入力操作を、入力回路107を介して受け付ける場合であってもよいし、RIS(Radiology Information System)やHIS(Hospital Information System)の検査予約情報等により定まる完了時間の自動的な入力操作を受け付ける場合であってもよい。
【0045】
一例を挙げると、受付機能109cは、図4に示すように、完了時間を「60分以下」とする入力操作を受け付ける。そして、表示制御機能109bは、領域R7に、完了時間の「60分以下」を満たす再構成時間T11〜再構成時間T13を、条件の組み合わせに対応付けて表示させる。例えば、図4に示す再構成時間T11における「36分」は、再構成処理A1に用いる再構成時間「10分」と再構成処理A2に用いる再構成時間「26分」との合計であり、完了時間の「60分以下」を満たす。
【0046】
また、受付機能109cは、条件に関する設定の入力操作を受け付けることができる。以下、図5を用いて、条件に関する設定の入力操作について説明する。なお、図5は、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。例えば、表示制御機能109bは、領域R7の「フィルタ」の欄のボタンが選択されると、図5に示すように、領域R8を表示させる。ここで、表示制御機能109bは、領域R8において、例えば、フィルタに関する各種の設定とチェックボックスとを併せて表示させる。そして、受付機能109cは、領域R8に表示されたチェックボックスへのチェックを介して、条件に関する設定の入力操作を受け付けることができる。
【0047】
ここで、条件に関する設定とは、画像データの再構成に用いる条件の具体的な設定内容であり、例えば、受付機能109cは、図5に示すように、「フィルタ1」、「フィルタ2」又は「フィルタ4」のいずれかを再構成に用いるフィルタとする設定の入力操作を受け付けることができる。また、例えば、受付機能109cは、被曝低減モードを「ON」とし、スライス厚を「0.5mm」とし、マトリクスを「512」とする設定の入力操作を受け付けることができる。
【0048】
そして、表示制御機能109bは、条件に関する設定を満たす再構成時間をディスプレイ106に表示させることができる。例えば、表示制御機能109bは、図5に示すように、被曝低減モードが「ON」であり、再構成に用いるフィルタが「フィルタ1」、「フィルタ2」及び「フィルタ4」のいずれかであり、スライス厚が「0.5mm」であり、マトリクスが「512」である再構成時間T21〜再構成時間T23を、ディスプレイ106に表示させることができる。
【0049】
上述したように、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した再構成時間をディスプレイ106に表示させる。ここで、表示制御機能109bは、再構成時間のみを表示させる場合であってもよいし、図5に示すように、算出機能109aが算出した撮影時間「1min」を更に表示させる場合であってもよい。また、算出機能109aは、撮影条件及び再構成条件に基づいて画像データの通信に要する通信時間を更に算出し、表示制御機能109bは、撮影時間、再構成時間及び通信時間をディスプレイ106に表示させる場合であってもよい。
【0050】
また、表示制御機能109bは、種々の表示方法において、再構成時間等を表示させることができる。例えば、表示制御機能109bは、図6Aに示すように、撮影(曝射)、再構成処理、通信の各々の所要時間と、これらを合計した時間とを併せて表示させる場合であってもよい。また、例えば、表示制御機能109bは、図6Bに示すように、撮影(曝射)、再構成処理、通信の各々が完了する時刻を表示させる場合であってもよい。また、例えば、表示制御機能109bは、図6Cに示すように、撮影(曝射)、再構成処理、通信の実行期間に相当する時間情報を示す、タイムライン等の図を表示させる場合であってもよい。なお、図6A図6B及び図6Cは、第1の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
【0051】
あるいは、表示制御機能109bは、撮影及び再構成処理の各々の所要時間と、これらを合計した時間とを併せて表示させる場合であってもよいし、撮影及び再構成処理の各々が完了する時刻を表示させる場合であってもよいし、撮影及び再構成処理の実行期間に相当する時間情報を示す、タイムライン等の図を表示させる場合であってもよい。また、表示制御機能109bは、再構成処理の完了する時刻を表示させる場合であってもよいし、再構成処理の実行期間に相当する時間情報を示す、タイムライン等の図を表示させる場合であってもよい。
【0052】
そして、X線CT装置1は、上述の再構成時間の調整が完了した場合、あるいは再構成時間の調整指示を受け付けなかった場合、撮影及び再構成処理を実行する。具体的には、撮影の開始要求を受け付けると、制御機能109dは、高電圧発生器101、X線源102、回転フレーム103、天板104及びX線検出器105を含む撮影系を制御して、被検体Pの撮影を実行する。そして、再構成機能109eは、被検体Pを透過したX線に由来する信号に基づく画像データの再構成処理を実行する。
【0053】
次に、X線CT装置1による処理の手順の一例を、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態に係るX線CT装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS1200は、算出機能109aに対応するステップである。ステップS1300は、表示制御機能109bに対応するステップである。ステップS1100、ステップS1400、ステップS1600及びステップS1900は、受付機能109cに対応するステップである。ステップS1700は、制御機能109dに対応するステップである。ステップS1800は、再構成機能109eに対応するステップである。
【0054】
まず、処理回路109は、操作者から検査開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1100)。検査開始要求を受け付けない場合(ステップS1100否定)、処理回路109は待機状態となる。一方、検査開始要求を受け付けた場合(ステップS1100肯定)、処理回路109は、再構成時間を条件の組み合わせごとに算出し(ステップS1200)、算出した再構成時間をディスプレイ106に表示させる(ステップS1300)。
【0055】
ここで処理回路109は、操作者から再構成時間の調整要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1400)。調整要求を受け付けた場合(ステップS1400肯定)において再構成時間の調整(ステップS1500)を実行した後、あるいは調整要求を受け付けない場合(ステップS1400否定)、処理回路109は、撮影開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1600)。撮影開始要求を受け付けない場合(ステップS1600否定)、処理回路109は待機状態となる。一方、撮影開始要求を受け付けた場合(ステップS1600肯定)、処理回路109は、被検体Pに対し撮影を実行する(ステップS1700)。
【0056】
そして、処理回路109は、被検体Pから収集した信号に基づく画像データの再構成処理を実行し(ステップS1800)、操作者から終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS1900)。終了コマンドを受け付けない場合(ステップS1900否定)、処理回路109は待機状態となる。一方、終了コマンドを受け付けた場合(ステップS1900肯定)、処理回路109は処理を終了する。
【0057】
なお、予め被検体Pに対する撮影が実行され、被検体Pからの信号の収集が完了している場合においては、ステップS1600の撮影開始要求を受け付けたか否かの判定、及びステップS1700の撮影を行わないものとしてもよい。また、ステップS1100肯定により検査開始要求を受け付けた後にステップS1500の再構成時間の調整を行うものとし、ステップS1200の再構成時間の算出、ステップS1300の再構成時間の表示及びステップS1400の調整要求を受け付けたか否かの判定を行わないものとしてもよい。
【0058】
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1の処理の一連の流れについて説明した。次に、図8を用いて、第1の実施形態に係る再構成時間の調整の処理について説明する。図8は、第1の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ここで、図8は、図7のステップS1500に対応する処理を示す。
【0059】
図8において、ステップS1501は、算出機能109aに対応するステップである。ステップS1502は、表示制御機能109bに対応するステップである。ステップS1503、ステップS1504、ステップS1505及びステップS1506は、受付機能109cに対応するステップである。
【0060】
まず、処理回路109は、複数の再構成時間を条件の組み合わせごとに算出し(ステップS1501)、算出した複数の再構成時間をディスプレイ106に表示させる(ステップS1502)。次に、処理回路109は、ディスプレイ106に表示された条件ごとの再構成時間の中から、画像データの再構成に用いる再構成時間を選択する操作を受け付ける(ステップS1503)。
【0061】
ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS1504)。調整終了コマンドを受け付けた場合(ステップS1504肯定)、処理回路109は処理を終了する。一方、調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS1504否定)、処理回路109は、選択された再構成時間に関与する条件を変更する操作を受け付ける(ステップS1505)。ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS1506)。調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS1506否定)、処理回路109は、再度ステップS1502に移行する。一方、調整終了コマンドを受け付けた場合(ステップS1506肯定)、処理回路109は、処理を終了する。
【0062】
なお、ステップS1502において表示される複数の再構成時間を、図7のステップS1200において算出していた場合は、ステップS1501を行わないものとしてもよい。また、ステップS1506において調整終了コマンドを受け付けず、再度ステップS1502に移行した際には、既に表示した複数の再構成時間と異なる複数の再構成時間を表示させる場合であってもよい。また、ステップS1505及びステップS1506は行わないものとしてもよく、ステップS1504の調整終了コマンドを受け付けない場合に、再度ステップS1502に移行するものとしてもよい。
【0063】
上述したように、第1の実施形態によれば、算出機能109aは、被検体Pから収集した信号に基づく画像データの再構成処理に要する再構成時間を、撮影条件及び再構成条件に基づいて算出する。また、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した再構成時間に関する情報をディスプレイ106に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を操作者に提示し、診断までにかかる時間の推測を可能とすることで、検査の効率を向上させることができる。
【0064】
また、上述したように、第1の実施形態によれば、受付機能109cは、ディスプレイ106に表示された再構成時間に基づいた、再構成時間を決定する決定操作を受け付ける。また、表示制御機能109bは決定操作により決定された再構成時間をディスプレイ106に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を操作者に提示してその調整を可能とすることで、適切な再構成時間において画像データの再構成処理を実行し、検査の効率を向上させることができる。
【0065】
また、第1の実施形態によれば、受付機能109cは、ディスプレイ106に表示させた再構成時間を短縮する操作を受け付けることができる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、急患の検査においても、再構成時間を必要に応じて短縮し、再構成処理に長い時間を要することで診断に影響してしまう事態を回避することができる。
【0066】
また、第1の実施形態によれば、受付機能109cは、ディスプレイ106に表示させた再構成時間を延長する操作を受け付けることができる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、診断までに時間的余裕がある場合において再構成処理に十分な時間を配分し、詳細な画像データを生成することで、検査の効率を向上させることができる。
【0067】
また、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、所定の時間条件の入力操作を受け付け、所定の時間条件を満たす再構成時間をディスプレイ106に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、検査の目的に適合しない再構成時間を前もって排除した上で効率的に再構成時間の調整を行うことができ、検査の効率を更に向上させることができる。
【0068】
また、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、条件に関する設定の入力操作を受け付け、条件に関する設定を満たす再構成時間をディスプレイ106に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間に関与する条件について、検査の目的に応じて必要とされる設定がある場合に、必要な設定を満たさない条件ごとの再構成時間を前もって排除した上で、効率的に再構成時間の調整を行うことができ、検査の効率を更に向上させることができる。
【0069】
また、第1の実施形態によれば、表示制御機能109bは、再構成時間のみならず、撮影時間や通信時間を再構成時間と併せてディスプレイ106に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、診断までにかかる実際の時間を、直接的に操作者に提示することで、検査の効率を更に向上させることができる。
【0070】
また、第1の実施形態によれば、表示制御機能109bは、再構成時間や撮影時間、通信時間を、各処理の所要時間として、又は各処理が完了する時刻として、あるいは各処理の実行期間に相当する時間情報を示す図として、操作者に提示する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、操作者による再構成時間の理解を容易にし、検査の効率を更に向上させることができる。
【0071】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、被検体Pについての再構成時間を表示する場合について説明した。これに対して第2の実施形態では、被検体Pの部位のそれぞれについての再構成時間を表示する場合について説明する。なお、第2の実施形態に係るX線CT装置は、図1に示した第1の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有し、算出機能109a、表示制御機能109b、受付機能109c及び制御機能109dにおける処理が一部相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
具体的には、まず、第2の実施形態に係る受付機能109cは、撮影計画の入力を受け付けることができる。例えば、受付機能109cは、図9に示すように、撮影計画として、頭部及び胸部を高解像度撮影とし、腹部を標準撮影とし、他の部位については撮影を行わないとする撮影計画の入力を受け付ける。なお、図9は、第2の実施形態に係る部位ごとの撮影計画を説明するための図である。ここで、画像データの解像度は、再構成時間に関与する条件の一つである。
【0073】
次に、第2の実施形態に係る算出機能109aは、被検体Pの各部位に対応する撮影範囲を設定する。例えば、算出機能109aは、図10Aに示すように、被検体P1の部位Q1〜部位Q4の各々について撮影範囲を設定する。また、例えば、算出機能109aは、図10Bに示すように、被検体P2の部位Q5〜部位Q8の各々について撮影範囲を設定する。ここで、図10A及び図10Bは、第2の実施形態に係る部位の設定を説明するための図である。なお、被検体P1及び被検体P2は、それぞれ、被検体Pの一例である。
【0074】
ここで、算出機能109aが撮影範囲の設定を行う方法は任意である。例えば、算出機能109aは、解剖学的特徴点に基づき部位の位置情報を取得する解析アプリケーションを用いて、位置決め画像から被検体Pの各部位を抽出することで、各撮影範囲を設定することができる。ここで、算出機能109aは、解析アプリケーション及び位置決め画像の利用により、被検体Pの位置や体格に合わせて撮影範囲を設定し、最適化することができる。例えば、図10Aに示す被検体P1と図10Bに示す被検体P2とでは体格が異なるが、算出機能109aは、図10Aに示す部位Q1〜部位Q4及び図10Bに示す部位Q5〜部位Q8のように、各被検体の体格に応じて、撮影範囲を適切に設定することができる。なお、被検体Pにおける撮影範囲の設定は、位置決め画像上において、操作者が行うこともできる。
【0075】
そして、撮影範囲を設定した後、算出機能109aは、被検体Pの部位ごとに、再構成時間に関与する条件の組み合わせごとの再構成時間をそれぞれ算出する。例えば、図10Aに示すように部位Q1〜部位Q4を設定した後、算出機能109aは、部位Q1についての再構成時間、部位Q2についての再構成時間、部位Q3についての再構成時間及び部位Q4についての再構成時間をそれぞれ算出する。
【0076】
次に、第2の実施形態に係る表示制御機能109bは、算出機能109aが被検体Pの部位ごとに算出した再構成時間をディスプレイ106にそれぞれ表示させる。例えば、表示制御機能109bは、図11に示すように、被検体Pの部位Q9、部位Q10及び部位Q11のそれぞれについて算出された再構成時間を、各部位の解像度及び撮影範囲に対応付けて、それぞれ表示させる。なお、図11は、第2の実施形態に係る部位ごとの再構成時間の表示例を示す図である。
【0077】
また、表示制御機能109bは、位置決め画像上で指定された被検体Pの部位について、算出機能109aが被検体Pの部位ごとに算出した再構成時間を、再構成時間に関与する条件の組み合わせに対応付けて、ディスプレイ106に表示させる場合であってもよい。例えば、表示制御機能109bは、図12に示すように、スキャン画面R1上の領域R2において位置決め画像を表示し、位置決め画像上において部位Q12〜部位Q14を表示する。なお、図12は、第2の実施形態に係る部位ごとの再構成時間の表示例を示す図である。次に、受付機能109cは、入力回路107を介し、操作者による部位の指定操作を受け付ける。ここで、例えば、図12に示す部位Q12が指定された場合、表示制御機能109bは、図12に示すように、スキャン画面R1上に領域R9を表示させ、領域R9において、部位Q12について収集された信号に基づく画像データの再構成処理に要する再構成時間を条件の組み合わせごとに表示させることができる。
【0078】
ここで、第2の実施形態に係る受付機能109cは、更に、被検体Pの部位ごとに、再構成時間を決定する決定操作を受け付けることができる。例えば、図12に示すように、部位Q12について再構成処理A3及び再構成処理A4が実行される場合に、受付機能109cは、決定操作として、再構成処理A3に用いる再構成時間を再構成時間S31〜再構成時間S35の中から選択し、再構成処理A4に用いる再構成時間を再構成時間S41〜再構成時間S45の中から選択する操作を受け付けることができる。
【0079】
また、受付機能109cは、任意の部位について再構成時間の決定操作を受け付けた後に、他の部位についての再構成時間の決定操作を受け付けることができる。例えば、受付機能109cは、部位Q12についての再構成時間の決定操作を受け付けた後、部位Q13の指定操作を受け付けることができる。そして、表示制御機能109bは部位Q13についての再構成時間を条件の組み合わせごとに表示させ、受付機能109cは部位Q13についての再構成時間の決定操作を受け付けることができる。なお、表示制御機能109bは、例えば、図12の領域R6において、部位Q12〜部位Q14の各々についての再構成時間の合計「10min」を表示させることができる。
【0080】
再構成時間の調整が完了した場合、あるいは再構成時間の調整指示を受け付けなかった場合、表示制御機能109bによりディスプレイ106に表示された再構成時間において、再構成が実行される。ここで、制御機能109dは、図13に示すように、被検体Pの部位ごとに撮影を切り替えながら、撮影が実行されるように撮影系を制御することができる。なお、図13は、第2の実施形態に係る部位ごとの撮影を説明するための図である。図13左図に示す部位Q15は撮影の対象となる部位を示し、図13右図に示す部位Q16及び部位Q17は撮影が完了した部位を示し、部位Q18はこれから撮影される部位を示す。
【0081】
例えば、制御機能109dは、図13右図に示す部位Q16の上端を撮影の開始地点とし、撮影計画に従って、部位Q16に対する高解像度撮影の実行を制御する。部位Q16についての撮影が完了すると、制御機能109dは、例えば、撮影を高解像度撮影から標準撮影に切り替え、部位Q17に対する標準撮影の実行を制御する。そして、制御機能109dは、同様に撮影を切り替えながら部位Q18に対する撮影の実行を制御し、撮影を終了する。そして再構成機能109eは、X線検出器105が検出した信号に基づき、X線画像データの再構成処理を実行する。
【0082】
次に、図14を用いて、第2の実施形態に係る再構成時間の調整について説明する。図14は、第2の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ここで、図14は、図7のステップS1500に対応する処理を示す。
【0083】
図14において、ステップS2501は、算出機能109aに対応するステップである。ステップS2503は、表示制御機能109bに対応するステップである。ステップS2502、ステップS2504、ステップS2505、ステップS2506、ステップS2507及びステップS2508は、受付機能109cに対応するステップである。
【0084】
まず、処理回路109は、被検体Pの部位ごとに、複数の再構成時間を条件の組み合わせごとに算出する(ステップS2501)。次に、処理回路109は、位置決め画像上において被検体Pの部位の指定を受け付け(ステップS2502)、指定された部位についての複数の再構成時間をディスプレイ106に表示させる(ステップS2503)。そして、処理回路109は、ディスプレイ106に表示された再構成時間の中から、画像データの再構成に用いる再構成時間を選択する操作を受け付ける(ステップS2504)。
【0085】
ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS2505)。調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS2505否定)、処理回路109は、選択された再構成時間に関与する条件を変更する操作を受け付ける(ステップS2506)。ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS2507)。調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS2507否定)、処理回路109は、再度ステップS2503に移行する。
【0086】
一方、調整終了コマンドを受け付けた場合(ステップS2505肯定又はステップS2507肯定)、処理回路109は、操作者から他の部位の再構成時間を調整する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2508)。ここで、処理回路109は、他の部位の再構成時間を調整する操作を受け付けた場合(ステップS2508肯定)、再度ステップS2502に移行し、部位の選択を受け付ける。一方、他の部位の再構成時間を調整する操作を受け付けない場合(ステップS2508否定)、処理回路109は、処理を終了する。
【0087】
上述したように、第2の実施形態によれば、算出機能109aは、被検体Pの部位ごとに、条件の組み合わせごとの再構成時間をそれぞれ算出する。また、表示制御機能109bは、算出機能109aが被検体Pの部位ごとに算出した再構成時間をディスプレイ106にそれぞれ表示させる。従って、第2の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間を被検体Pの部位ごとに操作者に提示し、検査の効率を向上させることができる。
【0088】
また、第2の実施形態に係るX線CT装置1は、撮影計画時に撮影部位の入力を受け付けることにより、部位ごとに有効な撮影条件で撮影を行うことができ、検査の効率を向上させることができる。また、第2の実施形態に係るX線CT装置1は、各撮影部位について収集された信号に基づく画像データの再構成処理を、部位ごとに有効な再構成条件で行うことができ、検査の効率を向上させることができる。
【0089】
また、第2の実施形態によれば、制御機能109dは、被検体Pの部位ごとに撮影を切り替えながら撮影が実行されるように撮影系を制御することができる。従って、第2の実施形態に係るX線CT装置1は、不要被曝を低減し、また、再撮影を回避することができる。
【0090】
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態では、条件に関する設定について、図5に示す一例を説明した。これに対して第3の実施形態では、条件に関する設定のバリエーションについて説明する。なお、第3の実施形態に係るX線CT装置は、図1に示した第1の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有し、表示制御機能109b及び受付機能109cにおける処理が一部相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0091】
第3の実施形態に係る受付機能109cは、条件に関する設定の入力操作として、例えば、画像データの解像度(画質)に関する設定の入力操作を受け付けることができる。ここで画像データの解像度について、図15A図15B及び図15Cを用いて説明する。なお、図15A図15B及び図15Cは、第3の実施形態に係る画像データの解像度を説明するための図である。
【0092】
画像データの解像度には、図15A左図に示すように、被検体Pの体軸方向に垂直なX方向及びY方向の解像度と、被検体Pの体軸方向であるZ方向の解像度とがある。また、図15Bに示すような3次元の画像データの生成においては、被検体Pの断面の画像データ(以下、単に画像データとも記載する)が、所定の枚数必要となる。ここで所定の枚数とは、実サイズ分のデータである。例えば、図15A右図に示すように、被検体Pの体軸方向(Z方向)のピクセルサイズが「0.5mm」であり、撮影範囲が「200mm」だったとすると、「400枚」分の画像データが必要となる。一方で実際に再構成された画像データが「100枚」だったとすると、不足分である「300枚」の画像データを補間する必要がある。
【0093】
補間する画像データの枚数は、実際に再構成される画像データの枚数に依存する。例えば、図15Cに示すように、高画質の条件で「400枚」の画像データを再構成した場合、補間は不要となる。また、例えば、普通の条件で「320枚」の画像データを再構成した場合、「80枚」分の画像データを補間する必要を生じ、補間率は「20%」となる。同様に、低画質1の条件で「200枚」の画像データを再構成した場合の補間率は「50%」となり、低画質2の条件で「100枚」の画像データを再構成した場合の補間率は「75%」となる。ここで、補間率が高い(再構成される画像データの枚数が少ない)ほど、被検体Pの体軸方向(Z方向)での画質が低下する。
【0094】
ここで、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、被検体Pの体軸方向(Z方向)に垂直なX方向及びY方向について、高画質の設定にすることが可能であり、例えば、「1024×1024」のマトリクスを有する高解像度の画像データ(ハイレゾ画像)を再構成することができる。一方で、上述したように、X線CT装置1は、X方向及びY方向が高解像度であっても、Z方向が低解像度であれば、詳細な3次元の画像データを取得することはできない。
【0095】
そこで、第3の実施形態に係る受付機能109cは、被検体Pの体軸方向(Z方向)に垂直な方向の解像度に限らず、被検体Pの体軸方向(Z方向)の解像度に関与する設定の入力操作を受け付けることができる。例えば、表示制御機能109bは、図16に示すように、スキャン画面R1上の領域R7において高画質チェックボックスR10及び高画質チェックボックスR11を表示し、受付機能109cは、チェックボックスへのチェックを介して、解像度に関与する設定の入力操作を受け付けることができる。なお、図16は、第3の実施形態に係る再構成時間の表示例を示す図である。
【0096】
例えば、図16に示すように、高画質チェックボックスR11がチェックされた場合、表示制御機能109bは、再構成処理A6を高画質モードとし、高画質の条件に対応付いた再構成時間S61〜再構成時間S65を表示させることができる。ここで、図16に示す再構成時間S61〜再構成時間S65の各々は、3次元の画像データを生成した際、被検体Pの体軸方向(Z方向)に垂直な方向の解像度と、被検体Pの体軸方向(Z方向)の解像度とを同程度の高さとする内容であることが好ましい。
【0097】
そして、受付機能109cは、再構成時間を決定する決定操作を受け付ける。ここで、高画質モードとされた再構成処理A6について、X線CT装置1は、操作者が図16に示す再構成時間S61〜再構成時間S65の中からいずれを選択したとしても、高画質の条件の組み合わせに対応付いた再構成時間において、再構成処理を実行することができる。即ち、X線CT装置1は、いずれの方向についても解像度が高い詳細な3次元の画像データを生成することができる。
【0098】
次に、図17を用いて、第3の実施形態に係る再構成時間の調整について説明する。図17は、第3の実施形態に係る再構成時間の調整の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ここで、図17は、図7のステップS1500に対応する処理を示す。
【0099】
図17において、ステップS3501は、算出機能109aに対応するステップである。ステップS3502及びステップS3504は、表示制御機能109bに対応するステップである。ステップS3503、ステップS3505、ステップS3506、ステップS3507及びステップS3508は、受付機能109cに対応するステップである。
【0100】
まず、処理回路109は、複数の再構成時間を条件の組み合わせごとに算出し(ステップS3501)、算出した複数の再構成時間をディスプレイ106に表示させる(ステップS3502)。ここで、処理回路109は、操作者から高画質モードとする操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS3503)。そして、処理回路109は、高画質モードとする操作を受け付けた場合においては(ステップS3503肯定)、高画質の条件を満たす複数の再構成時間をディスプレイ106に表示(ステップS3504)させた後に、高画質モードとする操作を受け付けない場合(ステップS3503否定)においてはそのまま、ディスプレイ106に表示された条件ごとの再構成時間の中から、画像データの再構成に用いる再構成時間を選択する操作を受け付ける(ステップS3505)。
【0101】
ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS3506)。調整終了コマンドを受け付けた場合(ステップS3506肯定)、処理回路109は処理を終了する。一方、調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS3506否定)、処理回路109は、選択された再構成時間に関与する条件を変更する操作を受け付ける(ステップS3507)。ここで、処理回路109は、操作者から調整終了コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップS3508)。調整終了コマンドを受け付けない場合(ステップS3508否定)、処理回路109は、再度ステップS3502に移行する。一方、調整終了コマンドを受け付けた場合(ステップS3508肯定)、処理回路109は、処理を終了する。
【0102】
上述したように、第3の実施形態によれば、受付機能109cは、画像データの解像度に関与する設定の入力操作を受け付ける。従って、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、再構成時間の表示及び調整を行った上で、設定された解像度を満たす画像データを再構成し、検査の効率を向上させることができる。
【0103】
また、第3の実施形態によれば、受付機能109cは、高画質の条件の組み合わせに対応付けて再構成時間を表示させる。従って、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、急患等の時間的な制約がある検査においても、操作者に再構成時間を提示しつつ高画質モードを使用させることで、高画質モードの長い再構成時間が後の診断に影響する事態を回避しつつ、詳細な画像データを生成し、検査の効率を向上させることができる。
【0104】
また、第3の実施形態によれば、受付機能109cは、高画質チェックボックスへのチェックにより、画像データの解像度に関与する設定の入力操作を受け付ける。従って、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、操作者による設定の入力操作を容易にし、検査の効率を更に向上させることができる。
【0105】
また、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、被検体Pの体軸方向(Z方向)の解像度に関与する設定の入力を受け付ける。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、被検体Pの体軸方向に垂直な方向のみならず、被検体Pの体軸方向についても高解像度とした詳細な3次元画像データを生成し、検査の効率を向上させることができる。
【0106】
(第4の実施形態)
上述した第1の実施形態では、図3A等に示すように、再構成時間に関する情報を、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに対応付けてディスプレイ106に表示させる場合について説明した。これに対し、第4の実施形態では、外部の装置(サーバ装置等)への画像データの通信時間に関する情報を、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに対応付けてディスプレイ106に表示させる場合について説明する。なお、第4の実施形態に係るX線CT装置1は、図1に示した第1の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有し、算出機能109a、表示制御機能109b及び受付機能109cにおける処理が一部相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0107】
算出機能109aは、上述した再構成時間の算出に加え、画像データを外部の装置に通信するのに要する通信時間の算出を行う。ここで、通信時間とは、例えば、X線CT装置1から送信された画像データが、外部の装置(画像データを管理するサーバ等)に格納されるまでの時間である。なお、通信時間には、画像データの送信に要する時間に加えて、サーバの空き情報の確認のための通信や、画像データの格納が完了した旨を伝えるための通信など、X線CT装置1と外部の装置との間で行われる種々の通信に係る時間を含むこととしてもよい。また、X線CT装置1は、外部の装置と双方向に通信できるものであってもよいし、外部の装置に対し一方向にのみ通信できるものであってもよい。
【0108】
算出機能109aは、撮影条件及び再構成条件を含む通信時間算出条件に基づいて、外部の装置への画像データの通信時間を算出する。ここで、撮影条件及び再構成条件の他の通信時間算出条件としては、例えば、転送レート(Mbps)や画像種(StandardCT、EnhancedCT等)、時間帯、ネットワークセグメント、装置タイプ(PACS(Picture Archiving and Communication System)、WorkStation、X線CT装置等)がある。
【0109】
例えば、算出機能109aは、まず、スキャンモードやスキャン速度、FOV、撮影スライス厚、撮影範囲、ピッチ、造影剤の有無等の撮影条件、及び、画像スライス厚や再構成間隔、緊急の再構成であるか否か、拡大再構成におけるバリエリア、再構成中心、再構成の開始位置及び終了位置、マトリクスサイズ、補間方法、再構成のパラメータセット等の再構成条件に基づいて、外部の装置に通信する画像データのデータサイズや枚数を算出する。
【0110】
次に、算出機能109aは、画像データを通信する際の転送レートに応じて、通信時間を算出する。ここで、算出機能109aは、転送レートを、画像種や時間帯、ネットワークセグメント、装置タイプといった転送時間算出条件に基づいて算出する。例えば、算出機能109aは、過去の時間帯毎の転送レートと、画像データの通信を実行する時間帯とに基づいて、転送レートを算出する。一例を挙げると、まず、過去に実行された画像データの通信の結果に基づいて、「月曜日の9:00〜10:00」の転送レートは「20Mbps」であり、「月曜日の10:00〜11:00」の転送レートは「8Mbps」であり、「火曜日の9:00〜10:00」の転送レートは「12Mbps」である、といったデータが記憶回路108に格納される。ここで、画像データの通信を実行する時間帯が「月曜日の9:00〜10:00」である場合、算出機能109aは、記憶回路108に格納された過去の時間帯毎の転送レートに基づいて、転送レートは「20Mbps」であると導出する。ここで、算出機能109aは、導出した転送レート「20Mbps」を、画像種やネットワークセグメント、装置タイプに応じて補正してもよい。そして、算出機能109aは、画像データのデータサイズ(画像データが複数であれば、複数の画像データのデータサイズの合計)を転送レートで除すことにより、通信時間を算出する。
【0111】
上述したように、算出機能109aは、再構成時間及び通信時間を算出する。即ち、算出機能109aは、画像データを生成し、生成した画像データを外部装置に通信するワークフローが完了するために要する時間を算出する。次に、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した通信時間に関する情報を、撮影条件及び再構成条件に対応付けて、ディスプレイ106に表示させる。以下、通信時間の表示について、図18を用いて説明する。図18は、第4の実施形態に係る通信時間の表示例を示す図である。なお、以下では、再構成時間及び通信時間の和を合計時間とも記載する。合計時間は、再構成時間に関する情報の一例であり、また、通信時間に関する情報の一例である。
【0112】
図18に示すように、表示制御機能109bは、ディスプレイ106にスキャン画面R1を表示させ、スキャン画面R1上に、領域R3や領域R6を表示させる。ここで、表示制御機能109bは、領域R6にて、算出機能109aが算出した合計時間「35min」を表示させる。なお、表示制御機能109bは、図18に示すように、領域R6において、撮影時間「1min」を更に表示させる場合であってもよい。
【0113】
また、表示制御機能109bは、図18に示すように、ディスプレイ106に領域R7を表示させる。図18において、表示制御機能109bは、領域R7に、算出機能109aが条件の組み合わせごとに複数算出した合計時間S71〜合計時間S75及び合計時間S81〜合計時間S85を、条件の組み合わせに対応付けてそれぞれ表示させる。
【0114】
図18においては、再構成処理A7に係る合計時間として、斜線で示す合計時間S71の「20min」が選択されている。また、再構成処理A8に係る合計時間として、斜線で示す合計時間S81の「15min」が選択されている。図18は、現在選択されている撮影条件及び再構成条件において、再構成処理A7によって画像データを再構成し、再構成した画像データを外部の装置に送信するのに「20min」を要すること、及び、再構成処理A8によって画像データを再構成し、再構成した画像データを外部の装置に送信するのに「15min」を要することを表す。また、図18は、現在選択されている撮影条件及び再構成条件において、画像データの転送が完了するまで「35min」を要することを表す。
【0115】
ここで、表示制御機能109bは、図18に示すように、合計時間の内訳を表示させる。例えば、表示制御機能109bは、合計時間S71「20min」が再構成時間「10min」及び通信時間「10min」の和であり、合計時間S81「15min」が再構成時間「10min」及び通信時間「5min」の和であることを表示させる。即ち、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した再構成時間を撮影条件及び再構成条件の組み合わせに対応付けて表示させるとともに、算出機能109aが算出した通信時間を、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに対応付けて表示させる。
【0116】
そして、受付機能109cは、合計時間を決定する決定操作を受け付ける。即ち、受付機能109cは、図18に示す撮影条件及び再構成条件(被曝低減モードのON/OFF、フィルタの種類、スライス厚、マトリクス等)や、再構成時間、通信時間、合計時間を参照した操作者から、合計時間S71〜合計時間S75のうちいずれかを選択し、合計時間S81〜合計時間S85のうちいずれかを選択する操作を、決定操作として受け付ける。
【0117】
なお、図18においては、領域R7にて再構成時間、通信時間及び合計時間を表示する場合について説明したが、表示する項目は任意である。例えば、表示制御機能109bは操作者から受け付けた操作等に基づいて、再構成時間のみの表示、通信時間のみの表示、合計時間のみの表示、再構成時間及び通信時間の表示、通信時間及び合計時間の表示、再構成時間及び合計時間の表示、再構成時間、通信時間及び合計時間の表示等、モードを切り替えて表示する。
【0118】
上述したように、第4の実施形態によれば、算出機能109aは、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに基づいて、外部の装置への画像データの通信時間を算出する。また、表示制御機能109bは、算出機能109aが算出した通信時間に関する情報を、撮影条件及び再構成条件の組み合わせに対応付けて表示させる。従って、第4の実施形態に係るX線CT装置1は、画像データの生成から画像データの通信が完了するまでのワークフローが完了するのに要する時間を操作者に提示し、適切な撮影条件及び再構成条件の選択を可能とすることで、検査の効率を向上させることができる。
【0119】
なお、第1〜第4の実施形態に係る算出機能109aは、再構成時間の調整のために表示される再構成時間を、再構成時間の調整の指示を受けて算出する場合であってもよいし、再構成時間の調整の指示によらずに算出する場合であってもよい。また、算出機能109aは、ディスプレイ106に表示される再構成時間のみを算出する場合に限らず、ディスプレイ106に表示されない再構成時間を含めた複数の再構成時間を算出する場合であってもよい。言い換えると、算出機能109aは予め複数の再構成時間を算出し、表示制御機能109bは複数算出された再構成時間の中の一部を適宜表示させる場合であってもよい。
【0120】
第1〜第4の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0121】
また、第1〜第4の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0122】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、検査の効率を向上させることができる。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0124】
1 X線CT装置
109a 算出機能
109b 表示制御機能
109c 受付機能
109d 制御機能
109e 再構成機能
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18