(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768496
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】無線端末装置、及び、無線端末システム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20201005BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20201005BHJP
G08C 17/02 20060101ALI20201005BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
G08C15/00 D
G08C15/06 H
G08C17/02
H04Q9/00 311H
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-254169(P2016-254169)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-106552(P2018-106552A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森田 仁
(72)【発明者】
【氏名】末吉 康則
(72)【発明者】
【氏名】藤本 好宏
(72)【発明者】
【氏名】足羽 晋也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雅司
【審査官】
清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−085680(JP,A)
【文献】
特開2004−147081(JP,A)
【文献】
特開2005−332425(JP,A)
【文献】
特開2002−008174(JP,A)
【文献】
特開2007−200124(JP,A)
【文献】
特開平11−175872(JP,A)
【文献】
特開2007−151025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00 − 25/04
H03J 9/00 − 9/06
H04Q 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象機器から計測された計測データを親機に送信する無線端末装置であって、
定期的にセンサにより計測された前記計測データを取得する取得部と、
取得された前記計測データを記憶する記憶部と、
前記親機と通信可能な通信部と、
送信モードにあるときに、記憶された前記計測データを前記通信部に前記親機へ送信させる制御部と、
オン/オフに切替可能な複数のスイッチを有するスイッチ部と、
計測データの送信を行う期間である設定期間のうちのどのタイミングで前記親機へ前記計測データを送信するかと、前記スイッチ部の各スイッチのオン/オフの組み合わせと、を対応付けた送信情報を記憶する設定情報記憶部と、
前記スイッチ部の各スイッチのオン/オフの組み合わせと前記送信情報とに基づき、前記設定期間のうちの前記送信情報に対応したタイミングが到来したとき、前記制御部を前記送信モードに切り替えるモード切替部と、を備え、
前記取得部は、前記計測対象機器の状態が異常であることを示す異常信号を取得可能であり、
前記モード切替部は、前記取得部が前記異常信号を取得したとき、前記制御部の動作モードを他の動作モードから緊急モードに切り替え可能であり、
前記制御部は、動作モードが前記緊急モードに切り替えられたときに、前記計測データを送信するタイミングであるかにかかわらず、前記通信部に前記異常信号を取得したことを示す信号を直ちに前記親機へ送信させる無線端末装置。
【請求項2】
前記設定情報記憶部は、データ取得タイミングをさらに記憶し、
前記モード切替部は、
前記制御部の動作モードを、前記送信モード、前記緊急モード、前記取得部に前記計測データを取得させる取得モード、およびスリープモード、からなる群から選択される一つの動作モードに切り替え可能であり、
前記データ取得タイミングが到来したときに、前記制御部の動作モードを、他の動作モードから前記取得モードに切り替え、
前記取得モードにおける前記計測データの取得、または、前記送信モードにおける前記計測データの送信、が終わると、前記制御部の動作モードを前記スリープモードに切り替える請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記データ取得タイミングと、前記設定期間のうちの前記送信情報に対応したタイミングとが競合した場合、前記計測データの取得と前記計測データの送信との双方を行う請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
前記制御部の動作モードが前記送信モードにあるとき、前記制御部は、前記通信部に、
前記制御部の動作モードが前記送信モードに切り替わったことを示す信号を前記親機へ送信させ、
当該信号に対する応答として前記親機から送信される指示に応じて前記計測データを送信させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線端末装置。
【請求項5】
親機と、前記親機に割り当てられた複数の請求項1〜4のいずれか一項に記載された無線端末装置と、を備えた無線端末システムであって、
各無線端末装置の前記スイッチ部における各スイッチのオン/オフの組み合わせは、全ての前記無線端末装置の前記制御部がそれぞれ異なるタイミングで前記送信モードに切り替わる組み合わせである無線端末システム。
【請求項6】
各無線端末装置は、同一のタイミングで定期的に前記計測データを取得するように設定されている請求項5に記載の無線端末システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象機器から計測された計測データを親機に送信する無線端末装置、及び、親機と、当該親機に割り当てられた複数の無線端末装置と、を備えた無線端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗やプラント等の設備における各機器の運転の管理を行うために、設備内の各所に各機器の計測データを計測可能な無線端末装置を設け、無線端末装置から各計測データを親機に送信させることで各機器の計測データを収集することが行われている(例えば特許文献1(特開2011−135498号公報))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−135498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の無線端末システムでは、各無線端末装置から送信される計測データが衝突しないように、計測データを送信するタイミングを各無線端末装置で重ならないように設定する必要がある。しかし、かかる設定は無線端末装置を現場に設置する前に予め定めておく必要があり、現場レベルで柔軟に変更できるものではなかった。
【0005】
そこで、現場レベルで容易に送信タイミングを設定できる無線端末装置、及び、無線端末システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る無線端末装置は、
計測対象機器から計測された計測データを親機に送信する無線端末装置であって、
定期的にセンサにより計測された前記計測データを取得する取得部と、
取得された前記計測データを記憶する記憶部と、
前記親機と通信可能な通信部と、
送信モードにあるときに、記憶された前記計測データを前記通信部に前記親機へ送信させる制御部と、
オン/オフに切替可能な複数のスイッチを有するスイッチ部と、
計測データの送信を行う期間である設定期間のうちのどのタイミングで前記親機へ前記計測データを送信するかと、前記スイッチ部の各スイッチのオン/オフの組み合わせと、を対応付けた送信情報を記憶する設定情報記憶部と、
前記スイッチ部の各スイッチのオン/オフの組み合わせと前記送信情報とに基づき、前記設定期間のうちの前記送信情報に対応したタイミングが到来したとき、前記制御部を前記送信モードに切り替えるモード切替部と、を備え
、
前記取得部は、前記計測対象機器の状態が異常であることを示す異常信号を取得可能であり、
前記モード切替部は、前記取得部が前記異常信号を取得したとき、前記制御部の動作モードを他の動作モードから緊急モードに切り替え可能であり、
前記制御部は、動作モードが前記緊急モードに切り替えられたときに、前記計測データを送信するタイミングであるかにかかわらず、前記通信部に前記異常信号を取得したことを示す信号を直ちに前記親機へ送信させる。
【0007】
この構成によれば、スイッチ部の各スイッチのオン/オフを切り替えるのみで、現場レベルで送信タイミングの設定を容易に行うことができる。
また、この構成によれば、計測対象機器に異常が生じた場合に、その異常を直ちに親機に通知させることができる。
【0008】
1つの態様として、
前記設定情報記憶部は、データ取得タイミングをさらに記憶し、前記モード切替部は、前記制御部の動作モードを、前記送信モード、前記緊急モード、前記取得部に前記計測データを取得させる取得モード、およびスリープモード、からなる群から選択される一つの動作モードに切り替え可能であり、前記データ取得タイミングが到来したときに、前記制御部の動作モードを、他の動作モードから前記取得モードに切り替え、前記取得モードにおける前記計測データの取得、または、前記送信モードにおける前記計測データの送信、が終わると、前記制御部の動作モードを前記スリープモードに切り替えると好適である。
また、1つの態様として、前記制御部は、前記データ取得タイミングと、前記設定期間のうちの前記送信情報に対応したタイミングとが競合した場合、前記計測データの取得と前記計測データの送信との双方を行うと好適である。
【0009】
1つの態様として、前記制御部の動作モードが前記送信モードにあるとき、前記制御部は、前記通信部に、前記制御部の動作モードが前記送信モードに切り替わったことを示す信号を前記親機へ送信させ、当該信号に対する応答として前記親機から送信される指示に応じて前記計測データを送信させると好適である。
【0010】
本発明に係る無線端末システムは、
親機と、前記親機に割り当てられた複数の本発明に係る無線端末装置と、を備えた無線端末システムであって、
各無線端末装置の前記スイッチ部における各スイッチのオン/オフの組み合わせは、全ての前記無線端末装置の前記制御部がそれぞれ異なるタイミングで前記送信モードに切り替わる組み合わせである。
【0011】
この構成によれば、スイッチ部の各スイッチのオン/オフを切り替えるのみで、計測データを送信するタイミングを各無線端末装置で重ならないように設定できる。
【0012】
1つの態様として、各無線端末装置は、同一のタイミングで定期的に前記計測データを取得するように設定されていると好適である。
【0013】
この構成によれば、各無線端末装置で同一のタイミングで計測データを取得することで各計測対象機器について同一時刻のデータが収集され、各機器の状態をより適切に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態における遠隔監視システムの構成図
【
図4】各無線端末装置の動作のタイミングチャートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る無線端末装置、及び、無線端末システムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る無線端末装置、及び、無線端末システムを、遠隔の管理サーバ6によりプラントの監視を行う遠隔監視システムに適用した例について説明する。
図1は、本実施形態に係る遠隔監視システムを示し、本システムは、監視対象のプラントにおける各計測対象機器1からセンサ7により計測された計測データをそれぞれ親機3に送信する複数の無線端末装置2と、無線端末装置2から送信された計測データを受信する親機3と、親機3で受信された計測データを取得する監視装置4と、ネットワーク5を介して収集された計測データを監視装置4から取得する管理サーバ6と、から構成されている。つまり、本システムでは、各無線端末装置2から収集された各計測対象機器1からの計測データが管理サーバ6に収集されて、管理サーバ6によるプラントの遠隔監視が行われる。また、収集された計測データに基づいて監視装置4により各計測対象機器1の状態の監視も行われ、異常があった場合には監視装置4から管理サーバ6に対して通報が行われるようになっている。以下、本システムのうち、親機3と親機3に割り当てられた複数の無線端末装置2とを備えた無線端末システムについて特に説明する。
【0016】
本システムにおける無線端末装置2は電池駆動式であり、
図2に示すように、取得部21、スイッチ部22、記憶部23、計時部24、及び、処理部25を有するマイクロコンピュータ27と、親機3と通信可能な通信部26を有する無線モジュール28とを備える。
【0017】
取得部21は、センサ7により計測された計測データや異常信号等を取得するものであり、例えば、センサ7に接続されて、センサ7により計測されたアナログ信号である計測データをデジタル信号に変換するA/D変換器や、スイッチ信号を受け取る接点入力等からなる。そして、本実施形態では、データ取得タイミングごとに、定期的に計測データを取得するようになっている。なお、センサ7により計測される計測データは特に限定されないが、例えば、計測対象機器1についての温度や振動波形や圧力等のプロセス値や、機器1の運転停止等の状態が挙げられる。また、取得部21は、計測対象機器1等から計測対象機器1の状態が異常であることを示す異常信号を取得可能になっている。
【0018】
スイッチ部22は、例えばディップスイッチであり、オン/オフに切替可能な複数のスイッチを有する。詳しくは後述するが、無線端末装置2の外部からスイッチ部22の各スイッチのオン/オフの切替を行うことにより、データ送信に関する設定を切り替えることが可能になっている。
【0019】
記憶部23はマイクロコンピュータ27に内蔵されたRAMやフラッシュメモリ等からなり、取得された計測データを記憶するデータ記憶部231と、無線端末装置2の動作に関する設定情報を記憶する設定情報記憶部232と、を備える。そして、設定情報記憶部232には、取得部21により計測データを取得するデータ取得タイミング(10分間隔など)や、計測データを親機3に送信させる基準となる送信基準タイミング(1時間間隔など)及び計測データの送信を行う期間である設定期間(30分など)が記憶されている。送信基準タイミング及び設定期間について説明すると、本実施形態の無線通信装置2は、送信基準タイミングが到来するごとに、その到来時から設定期間が経過するまでの間に、各無線端末装置2が1回計測データを親機3に送信するようになっている。そして、本実施形態では、送信基準タイミング及び設定期間を全無線端末装置2で一律に定めているので、全無線端末装置2が同じ送信基準タイミングごとに、その到来時から起算される設定期間の間にデータ送信を行うようになっている。
【0020】
また、設定情報記憶部232には、スイッチ部22の各スイッチのオン/オフの組み合わせとデータ送信に関する各種設定を対応付けた送信情報が記憶されている。なお、スイッチ部22のスイッチの状態は、電源投入時あるいは定期的に状態が確認されて記憶されるようになっている。具体的には、本実施形態では、
図3に示すように、送信情報は、自機のアドレス、割り当てられた親機3のアドレス(どの親機3にデータ送信するか)、電池駆動か否か等の給電方式、及び、データ送信に使用する周波数の各種設定にそれぞれスイッチ部22の16個(上側8個、下側8個)のスイッチのうち複数のスイッチが割り当てられたものになっている。そして、割り当てられたスイッチのオン/オフの組み合わせごとにそれぞれ異なる設定値(自機のアドレス、親機のアドレス、給電方式、周波数)が与えられており、割り当てられたスイッチのオン/オフの組み合わせに応じて、データ送信に関する各種設定が定められるようになっている。
図3では、自機のアドレスに5つのスイッチ、割り当てられる親機3について3つのスイッチ、給電方式に4つのスイッチ、使用する周波数に4つのスイッチが割り当てられているので、自機のアドレスについては32通り、割り当てられる親機3のアドレスについては8通り、給電方式については16通り、使用する周波数については16通りについては2通りの異なる設定値を設定することができ、各スイッチのオン/オフの切替をすることにより、その場でデータ送信に関する各種設定を切り替えることができる。
【0021】
そして、本実施形態では、上記のように送信基準タイミングごとに1回、計測データを親機3に送信するようになっているが、送信基準タイミングから起算される設定期間のうちのどのタイミングで親機3へ計測データを送信するかと自機のアドレスの各設定値とが対応付けられて記憶されている(例えば、設定期間を30分とすると、自機のアドレスの設定値が1であれば送信基準タイミングから1分経過時にデータ送信を行う、自機のアドレスの設定値が10であれば11分経過時にデータ送信を行うなどのようにして、30分間のどのタイミングで送信を行うかが対応付けられる)。そのため、送信情報では、設定期間のうちのどのタイミングで親機3へ計測データを送信するかとスイッチ部22の自機のアドレスに関する各スイッチのオン/オフの組み合わせとが対応付けられた状態となっている。その結果、本実施形態では、自機のアドレスの設定に割り当てられたスイッチのオン/オフの切替により、データ送信のタイミングを切替可能になっている。そして、本実施形態では、上記のように自機のアドレスについては32通りの設定が可能であるため、スイッチのオン/オフの切替により、32通りのタイミングでの送信を行うことが可能になっている。
【0022】
計時部24はタイマー等であり、現在の時刻や、前回の計測データ取得・計測データ送信からの時間等の計時を行う。
【0023】
処理部25はCPU等からなり無線端末装置2の各部の制御を行うものである。そして、本実施形態では、処理部25は無線端末装置2の動作を制御する動作制御部251と、動作制御部251の動作モードを切り替えるモード切替部252と、を備える。
【0024】
具体的には、本実施形態では、動作モードとして取得モードと送信モードとスリープモードと緊急モードとがあり、動作制御部251は、取得モードにあるときに、取得部21に計測データを取得させ、送信モードにあるときに、スイッチ部22の各スイッチのオン/オフの組み合わせと送信情報とから決定されるデータ送信に関する各種設定に基づき、データ記憶部221に記憶された計測データを通信部26に親機3へ送信させ、スリープモードにあるときに、無線端末装置2をスリープ状態とし、緊急モードにあるときに、通信部26に取得部21が異常信号を取得したことを示す信号を親機3へ送信させる。送信モードにおける動作についてより詳しく説明すると、まず送信モードに切り替わったことを示す信号を親機3に送信し、これに対する応答として親機3から送信される指示に応じてデータの送信を行うようになっている。
【0025】
そして、モード切替部252が、計時部24の計時情報に基づいて動作制御部251の動作モードを切り替えるようになっている。具体的には、モード切替部252は、基本的には動作制御部251をスリープモードにしておき、設定情報記憶部232に記憶されたデータ取得タイミングが到来するごとに、動作制御部251の動作モードを取得モードに切り替え、データの取得が終わると再びスリープモードに切り替えるようになっている。また、設定情報記憶部232に記憶された送信基準タイミングとなると、スイッチ部22の各スイッチのオン/オフの組み合わせと送信情報とに基づき、設定期間のうちの送信情報に対応したタイミングが到来したときに、動作制御部251の動作モードをスリープモードから送信モードに切り替え、データ送信が終わると再びスリープモードに切り替えるようになっている。なお、取得モードになるタイミングと送信モードになるタイミングが競合した場合でも、動作制御部251はデータの取得とデータの送信との双方を行うようになっている。
【0026】
また、モード切替部252は、取得部21が異常信号を取得したとき、動作制御部251の動作モードを他の動作モードから緊急モードに切り替えるようになっている。そのため、取得部21が異常信号を取得したとき、動作制御部251が通信部26に取得部21が異常信号を取得したことを示す信号を親機3へ送信させるようになっており、計測対象機器に異常が生じた場合に、計測データを送信するタイミングであるかにかかわらず、その異常を直ちに親機に通知させることができる。
【0027】
本システムにおける無線端末装置2は以上のような構成であり、スイッチ部22の各スイッチのオン/オフを切り替えるのみで、現場レベルで送信タイミング等の送信に関する設定の切替を容易に行うことができるようになっている。
【0028】
そして、本システムにおける無線端末システムでは、各無線端末装置2のスイッチ部22における各スイッチのオン/オフの組み合わせは、同じ親機3に割り当てられている全ての無線端末装置2の動作制御部251がそれぞれ異なるタイミングで送信モードに切り替わる組み合わせとなっている。これにより、計測データを送信するタイミングを各無線端末装置2で重ならないようにしてある。
【0029】
また、各無線端末装置2では、設定情報記憶部232に記憶されているデータ取得タイミングが、同じ親機3に割り当てられている全ての無線端末装置2において同一のタイミングで定期的に計測データを取得するように設定されている。
【0030】
例えば、本無線端末システムにおいて、32個の無線端末装置2を1個の親機3に割り当て、各無線端末装置2についてデータ取得タイミングを10分ごとで且つ同じタイミングになるように設定し、送信基準タイミングは1時間ごと、設定期間は35分に設定し、送信タイミングについては自機のアドレスの設定値(1〜32)が低いものから順に1分刻み、又は、データ取得タイミングと重なる場合には2分刻みで送信を行うように設定したとすると、各無線端末装置2の動作のタイミングチャートは
図4に示すものになる。このように送信タイミングとデータ取得タイミングが重ならないようにすることで、計測と送信の処理を確実に行わせることができるため、他の無線端末装置2との計測タイミングがずれて計測データの信頼性が低下したり、送信タイミングがずれて他の無線端末装置2との送信タイミングが重なったりする虞を少なくすることができる。なお、
図4では、データ取得とデータ送信が重ならないように、データ取得のタイミングを避けてデータ送信を行うように、送信基準タイミング、設定期間、送信タイミングを設定したものを示したが、データ取得とデータ送信との重複を避けるようにしなくてもよい。
【0031】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る無線端末装置、及び、無線端末システムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0032】
(1)設定情報記憶部232に記憶される送信情報は上述の実施形態のものに限定されず、適宜変更可能である。例えば、自機のアドレスを介して間接的に送信タイミングと各スイッチのオン/オフの組み合わせが対応付けられたものとなっているが、送信タイミングと各スイッチのオン/オフの組み合わせとを直接対応付けてもよい。
【0033】
(2)上記の実施形態では、本発明に係る無線端末装置、及び、無線端末システムを遠隔監視システムに適用した構成を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、種々のシステムに適用することができる。
【0034】
(3)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えば子機親機間のデータ送信に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 計測対象機器
2 無線端末装置
21 取得部
22 スイッチ部
231 データ記憶部(記憶部)
232 設定情報記憶部
251 動作制御部(制御部)
252 モード切替部
26 通信部
3 親機
7 センサ